JP2005163473A - 薬液注入により改良された地盤の形状確認方法 - Google Patents

薬液注入により改良された地盤の形状確認方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 地盤に薬液を注入して改良する際にEM探査により地盤の比抵抗値を測定することにより、薬液を注入した地盤の形状確認をしたり、その地盤が所定の強度になっているかを簡単に調査できるような薬液注入により改良された地盤の形状確認方法を提供する。
【解決手段】 薬液注入前の地盤の比抵抗値をEM探査により測定し、薬液注入後所定日数経過後の改良地盤の比抵抗値を同様な手法で測定し、改良地盤の試料を採取して、その地盤の液状化強度と比抵抗値との相関関係を求め、必要な液状化強度に相当する比抵抗値以下の範囲を薬液注入地盤の形状と評価する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主として細砂層を主体とした埋立土の液状化対策として、薬液を注入して改良地盤とする際の薬液注入により改良された地盤の形状確認方法に関する。
従来、岸壁や護岸等の背面の細砂層を主体とした埋立地盤では、地震時に液状化現象が発生しやすく、それに伴い、岸壁や護岸がその機能を失ってしまう場合がある。
そこで、近年その液状化対策として薬液浸透注入工法による液状化対策技術の確率が強く要請されている。
その液状化対策として、薬液浸透注入工法を適用する場合、その改良範囲や改良効果を正確に評価することが重要である。
そこで、本発明者等は、例えば浸透性と耐久性に優れた特殊シリカ薬液等による浸透注入改良砂が未改良砂と比較してその比抵抗値が低下することに着目し、電磁探査法の一つであるEM探査法を用いた手法により現場にて造成した薬液浸透改良砂の改良範囲の判定を試みると共に、掘削により改良砂の出来形を確認し、その手法の適用性につき検討した。
本発明は、主として岸壁や護岸背面等の埋立地盤の液状化対策として、薬液を注入して地盤を改良する際に、EM探査によって地盤の比抵抗注入を測定することにより、薬液を注入した地盤の形状確認をしたり、その地盤が所定の強度になっているかを簡単に調査できるような薬液注入により改良された地盤の形状確認方法を提供する。
本発明は、薬液注入により改良する前の地盤の比抵抗値をEM探査等により測定し、薬液注入後所定日数経過後の改良された地盤の比抵抗値を同様な手法で測定すると共に、その薬液注入地盤の複数の試料を採取して薬液注入地盤の液状化強度と比抵抗値を室内で測定した後、液状化強度と比抵抗値との相関関係を求め、必要な液状化強度に対する比抵抗値を設定し、薬液注入後所定日数経過後の地盤の比抵抗値から、必要な液状化強度に相当する比抵抗値以下の範囲を薬液注入地盤の形状と評価する薬液注入により改良された地盤の形状確認方法からなり、また本発明は、上記の薬液注入地盤の液状化強度に代えて、薬液注入地盤の一軸圧縮強度と比抵抗値との相関関係を求め、同様な評価を行なう薬液注入により改良された地盤の形状確認方法からなる。
さらにまた本発明は、上記の地盤形状確認方法において、目標改良強度として動的せん断力比を設定し、動的せん断応力比と一軸圧縮強度の相関関係から改良目標となる一軸圧縮強度を設定し、一定拘束圧力条件下で薬液を浸透注入し、養生時にも一定拘束圧力を保持して作成された共試体による薬液シリカ濃度毎の一軸圧縮強度qu (室内)を測定し、低減率を乗じたときの一軸圧縮強度qu (室内)が、原位置での改良目標となる一軸圧縮強度qu (原位置)と等しくなるときの薬液シリカ濃度を、薬液注入に使用する薬液の濃度として決定することをもその特徴とする。
以上に説明した本発明の薬液注入により改良された地盤の形状確認方法においては、埋立地盤等の液状化対策として薬液を注入して地盤を改良する際に、EM探査法によって地盤の比抵抗値を測定することにより、薬液を注入した改良地盤の形状確認を容易に行なうことができると共に、その地盤が所定の強度になっているかを簡単に調査できるので、液状化対策を簡単にかつ経済的に進めることができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態につき説明する。
本発明の薬液注入により改良された地盤の形状確認のための手順として、まずEM探査等により薬液注入により改良する前の地盤の比抵抗値を測定するが、この測定の手段の一つとして用いられるマルチ周波数型のEM探査により測定方法は、図1のマルチ周波数型のEM探査の基本原理概要図に示すように、送信コイル1に交流電流を流すことにより一次磁場2が発生し、次にこの一次磁場2の変化(交流)による電磁誘導現象で地中に渦電流3が誘起され、渦電流3により発生する二次磁場4強度を測定する。
さらに、一次磁場2強度、二次磁場4強度の比より比抵抗を求めることにより、その地盤の比抵抗注入分布を測定する。なお、図1において、5で示すのは受信コイルである。
ついで、次の手順として、EM探査等で、注入後28日の地盤の比抵抗値を測定し、注入地盤の試料のコアーを複数個採取して注入地盤の強度、すなわち液状化強度と比抵抗値を室内で測定する。
さらに、液状化強度と比抵抗値との相関関係を求め、必要な液状化強度に対する比抵抗値を設定する。
その後、例えば注入後28日に測定した地盤の比抵抗値から、必要な液状化強度に相当する比抵抗値以下の範囲を薬液注入地盤の形状と評価するものである。
図2に示したのは液状化強度(τ/δc′)と比抵抗(Ω・m)との相関関係を求めた図表である。
一方、薬液を注入して改良された地盤の液状化強度(動的せん断強度)τ/δc′と一軸圧縮強度qu (kPa)との間には、図3に示すような高い相関関係があることが判明しているので、上記の液状化強度に代えて、一軸圧縮強度と比抵抗値との相関関係を求めて、上記と同様に、薬液注入地盤の形状と評価することも有効である。
この場合の一軸圧縮強度qu (kPa)と比抵抗(Ω・m)との相関関係を図4に示している。
ここで、液状化対策に関する目標改良強度は、一般に下記の式(1)における液状化抵抗率が1以上となるような改良体の動的せん断応力比R(imp)を設定する。
Figure 2005163473
L :液状化に対する抵抗率
R:動的せん断応力比
L:地震時せん断応力比
なお、上記の比抵抗値と液状化強度または一軸圧縮強度とのそれぞれの相関関係を比較した場合、液状化強度の方が好ましいが、勿論一軸圧縮強度と比抵抗値との相関関係を求めても有効である。
ここで、液状化対策として特殊シリカ液を用いた薬液浸透注入工法を適用する場合の薬液シリカ濃度設定は下記の手順で行なうとよい。
1.目標改良強度(動的せん断応力比)の設定
2.動的せん断応力比と一軸圧縮強度の相関関係から改良目標となる一軸圧縮強度のqu (原位置)設定
3.一定拘束力条件下で薬液を浸透注入し、養生時にも一定拘束圧力を保持して作成され た供試体による薬液シリカ濃度毎の一軸圧縮強度qu (室内)測定
4.3により測定されるqu (室内)から
となるような薬液シリカ濃度を決定する。
なお、一般に同一濃度の薬液を使用して現場で浸透注入した一軸圧縮強度qu (原位置)は室内で共試体を作成したときの一軸の強度qu (室内)より小さくなり、その割合を低減率αとしている。低減率αの値は薬液注入をする現場の土質によって異なるが、1/2から1/3である。
本発明で適用するマルチ周波数型のEM探査の基本原理概要図である。 本発明の形状確認手順における液状化強度と比抵抗値との相関関係を求める図表である。 本発明に適用される改良地盤の液状化強度と一軸圧縮強度との相関関係を示す図表である。 本発明に適用される一軸圧縮強度と比抵抗値との相関関係を求める図表である。
符号の説明
1 送信コイル
2 一次磁場
3 渦電流
4 二次磁場
5 受信コイル

Claims (3)

  1. 薬液注入により改良する前の地盤の比抵抗値をEM探査等により測定し、薬液注入後所定日数経過後の改良された地盤の比抵抗値を同様な手法で測定すると共に、その薬液注入地盤の複数の試料を採取して薬液注入地盤の液状化強度と比抵抗値を室内で測定した後、液状化強度と比抵抗値との相関関係を求め、必要な液状化強度に対する比抵抗値を設定し、薬液注入後所定日数経過後の地盤の比抵抗値から、必要な液状化強度に相当する比抵抗値以下の範囲を薬液注入地盤の形状と評価する薬液注入により改良された地盤の形状確認方法。
  2. 薬液注入地盤の液状化強度に代えて、薬液注入地盤の一軸圧縮強度と比抵抗値との相関関係を求め、同様な評価を行なう請求項1に記載の薬液注入により改良された地盤の形状確認方法。
  3. 目標改良強度として動的せん断力比を設定し、動的せん断応力比と一軸圧縮強度の相関関係から改良目標となる一軸圧縮強度を設定し、一定拘束圧力条件下で薬液を浸透注入し、養生時にも一定拘束圧力を保持して作成された共試体による薬液シリカ濃度毎の一軸圧縮強度qu (室内)を測定し、低減率を乗じたときの一軸圧縮強度qu (室内)が、原位置での改良目標となる一軸圧縮強度qu (原位置)と等しくなるときの薬液シリカ濃度を、薬液注入に使用する薬液の濃度として決定する請求項1または2に記載の薬液注入により改良された地盤の形状確認方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101150956B1 (ko) * 2011-11-21 2012-05-29 주식회사 도화엔지니어링 전도체 분말 혼입식 주교공법

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