JP2005161292A - バラスト水の処理方法及び装置、該装置を搭載した船舶 - Google Patents

バラスト水の処理方法及び装置、該装置を搭載した船舶 Download PDF

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Abstract

【課題】 信頼性と安全性に優れたバラスト水の処理方法及び装置を得る。
【解決手段】 バラスト水中の水生生物を死滅させる方法であって、前記バラスト水に衝撃水圧を加えることにより水生生物を死滅させる。
バラスト水を貯留して処理するための処理室3と、処理室3内のバラスト水に衝撃水圧を発生させる気体収束爆轟発生装置15と、処理済みバラスト水を排出するポンプ15と、を備えてなるバラスト水処理装置。なお、気体収束爆轟発生装置15は、一端部41Aから他端部41Bへ向け断面積が小さくなる燃焼室41と、燃料の供給を受けると共に点火栓が配設された着火室47と、着火室47から分岐して延び上記燃焼室の一端部41Aへ連通する複数の誘導路43とを備え、燃焼室41の最小断面積部たる他端部41Bの開口側と処理室3とが連通してなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バラスト水中の水生生物を死滅させるバラスト水の処理方法及び装置、該装置を搭載した船舶に関する。
船舶は、一般に、搭載する貨物等の重量に応じて排水量が増減するため、貨物の搭載重量が極端に少なくなるとスクリューの位置が海面に近づきすぎて船舶の推進効率が低下すると共に、船舶の走行安定性が低下することになる。これを回避するため、船内に大量のバラスト水(通常、空船時に最大積載重量の30%程度)を注入して航行するが、このバラスト水は貨物を搭載する際に海洋投棄される。このため、バラスト水を注入した船舶出港海域の水生生物が貨物搭載地の海域に拡散し、これらが異常繁殖して生態系が変化したり、海洋汚染を引き起こす可能性がある。このような事態を防止するため、バラスト水を海洋投棄する前に、バラスト水中の水生生物を排除又は死滅させる以下に示すような方法装置が提案されている。
(1)船舶の主機関から排出される高温排ガスを利用してバラスト水を加熱する方法(例えば、特許文献1参照)
(2)殺菌剤を添加する方法(例えば、特許文献2参照)
(3)固定床型電極電解槽を用いる方法(例えば、特許文献3参照)
(4)バラストタンク内に窒素を吹き込み、酸素濃度を低減させる方法(例えば、特許文献4参照)
特開2003-181443号公報 特開平4-322788号公報 特開2001-974号公報 特開2002-234487号公報
しかしながら、上記(1)〜(4)の方法又は装置には以下に示すような共通又は個別の問題がある。
(a)船舶内の主機関を必ず運転する必要がある[(1)、(4)]。
(b)死滅処理効果が不十分である[(1)、(4)]。
(c)死滅処理に時間がかかるため、作業能率が低い[(1)、(2)、(4)]。
(d)設備費が高い[(3)、(4)]。
(e)寄港先の海水温度によって死滅処理効果が異なる[(1)、(2)]。
(f)危険物を使用するため、取り扱いや保管上、特別の注意が必要となる[(2)]。
(g)運転費が高い[(2)、(3)、(4)]。
(i)所要電力が大きい[(3)、(4)]。
(j)バラストタンクの熱膨張に伴って船体の一部に過大な熱応力が加わる[(1)]。
(k)機器類の設置床面積が大きい[(3)、(4)]。
(l)処理済みバラスト水の廃棄の際、周辺の水生生物がダメージを受ける可能性がある[(1)、(2)、(4)]。
すなわち、(1)船舶の主機関から排出される高温排ガスを利用してバラスト水を加熱する方法では、上記(a)(b)(e)(j)(l)の問題がある。
また、(2)殺菌剤を添加する方法には、上記(c)(e)(f)(g)の問題がある。また、(3)固定床型電極電解槽を用いる方法には、上記(d)(g)(i)(k) の問題がある。また、(4)バラストタンク内に窒素を吹き込み、酸素濃度を低減させる方法には、上記(a)(b)(c)(d)(g)(i)(k)(l) の問題がある。
本発明は上記従来技術の有する種々の問題点を解決するためになされたものであり、特に信頼性と安全性に優れたバラスト水の処理方法及び装置を得ることを目的としている。
また、前記バラスト水の処理装置を搭載した船舶を得ることを目的としている。
(1)本発明に係るバラスト水処理方法は、バラスト水に衝撃水圧を加えることにより水生生物を死滅させることを特徴とするものである。
(2)また、衝撃水圧が、収束爆轟波によって誘起された衝撃水圧であることを特徴とするものである。なお、ここにいう爆轟とは、化学反応を伴う爆発のうち反応の起こる面(火炎面)が静止媒質における音速よりも大きい速度で移動するものをいう。そして、爆轟波とは火炎面の移動を波と捉えて表現したものである。
(3)また、本発明に係るバラスト水処理装置は、バラスト水を貯留して処理するための処理室と、該処理室内のバラスト水に衝撃水圧を発生させる衝撃水圧発生装置と、処理済みバラスト水を排出する排水装置と、を備えてなることを特徴とするものである。
(4)また、上記(3)に記載のものにおいて、処理室及び衝撃水圧発生装置からなる衝撃水圧発生処理装置を複数個直列に配置したものである。
(5)また、上記(3)に記載のものにおいて、処理室及び衝撃水圧発生装置からなる衝撃水圧発生処理装置を複数個並列に配置したものである。
(6)また、上記(5)に記載のものにおいて、複数の処理室のいずれかに常時バラスト水が供給されるように、給水量、給水弁の開閉タイミング、衝撃水圧発生装置の衝撃水圧発生タイミングを設定したものである。
(7)また、上記(3)〜(5)に記載のものにおいて、処理室は、回転軸回りに所定の間隔で配置された少なくとも3個の処理室からなり、該少なくとも3個の処理室の何れかに常時バラスト水を供給するバラスト水供給部を設け、バラスト水供給状態にない処理室に衝撃水圧を発生させるようにしたものである。
(8)また、上記(3)〜(5)に記載のものにおいて、衝撃水圧発生装置によって発生した衝撃水圧の衝撃波が給水路及び排水路に伝播するのを防止するための伝播防止手段を設けたものである。
(9)また、上記(8)に記載のものにおいて、伝播防止手段は、給水路及び排水路を前記衝撃波の伝播方向に対して直角に屈曲させたときにできる管路壁であることを特徴とするものである。
(10)また、上記(8)に記載のものにおいて、伝播防止手段は、給水路および排水路に設けた邪魔板であることを特徴とするものである。
(11)また、上記(3)〜(10)に記載のものにおいて、処理室の近傍に処理水を一時的に貯留するバッファアタンクを設けたことを特徴とするものである。
(12)また、上記(3)〜(11)に記載のものにおいて、衝撃水圧発生装置の高圧発生部が気体収束爆轟発生装置から構成されていることを特徴とするものである。
(13)また、上記(12)に記載のものにおいて、気体収束爆轟発生装置は、一端部から他端部へ向け断面積が小さくなる燃焼室と、燃料の供給を受けると共に点火栓が配設された着火室と、着火室から分岐して延び上記燃焼室の一端部へ連通する複数の誘導路とを備え、前記燃焼室の最小断面積部たる他端部の開口側と処理室とが連通してなることを特徴とするものである。
(14)また、上記(3)〜(13)に記載のものにおいて、処理済みのバラスト水の温度を上昇させるための加熱手段と、該加熱手段によって加熱された処理済バラスト水をバラストタンク上部に戻す循環装置とを備えたことを特徴とするものである。
(15)また、上記(3)〜(14)に記載のものにおいて、加熱手段は船舶の排ガス又は衝撃水圧発生装置の排ガスを利用していることを特徴とするものである。
(16)また、上記(3)〜(15)に記載のものにおいて、本発明に係る船舶は、上記(3)〜(7)のいずれかに記載のバラスト水処理装置を搭載していることを特徴とするものである。
本発明においてはバラスト水に衝撃水圧を加えることによりバラスト水中の水生生物を瞬時に死滅させることができるため信頼性に優れると共に、毒物や有害物質を使用する必要がなく処理作業や処理済バラスト水の廃棄作業の際の二次公害の心配がなく安全性にも優れている。
[実施の形態1]
図1は本発明の一実施の形態の説明図であり、船舶の横断面を模式的に示したものである。この実施の形態は、船舶にバラスト水処理装置を搭載した例を示している。
本実施の形態の主な構成要素を概説すると、船舶内周面に設置されて海水を貯留するバラストタンク1、このバラストタンク1内の海水を処理するために一時的に貯留する処理室3、この処理室3にバラストタンク1内の海水を供給し、また処理室3で処理された処理水をバラストタンク1に戻すためのポンプ5、ポンプ5に連結されてバラストタンク1内の海水を処理室3に供給するための給水管7、処理室3の処理水をバラストタンク1に戻す排水管9、排水管9に設けられて処理水を加熱するための第1熱交換器11、処理室3の空気抜きのための空気抜き管13を備えている。
また、処理室3に貯留された海水に衝撃水圧を発生させる衝撃水圧発生装置としての気体収束爆轟発生装置15、気体収束爆轟発生装置15の排ガスを処理するための排ガス処理装置17、排ガス処理装置17で処理された排ガスを煙突20に誘導する誘引ファン19、これら排ガス処理系統を繋ぐ排ガス管21、を備えている。
さらに、給水管7、排水管9、排ガス管21等に設けられた開閉弁の開閉、気体収束爆轟発生装置15への燃料ガス及び燃焼用空気の供給、着火等の各操作を自動的に行う制御装置22を備えている。
以下、上記各構成要素の主なものについて詳細に説明する。
(1)バラストタンク
バラストタンク1は上述のように船舶の内周面に船舶の全長に渡って設けられ、横断面では略U字状をしている。バラストタンク1は船舶の長手方向、例えば10mごとに区画されて複数の独立したタンクから構成されている。したがって、図1に示したバラストタンク1は複数に区画したバラストタンクのうちの一つのものの断面を示している。
バラストタンク1の底部には海水を取り込むための取水口31が設けられ、この取水口31にはゴミ等を除去するためのフィルタ33が設置されている。また、バラストタンク1の側部下部にはバラストタンク1内の海水を排出するための排水口2が設けられている。
(2)処理室
処理室3は、この例では断面が長片と短片が逆になった略L字状をしており、長片の一端側に給水管7が連結され、短片の一端側に気体収束爆轟発生装置15が接続されている。もっとも、処理室3の形状は水中衝撃波の伝播しやすさ、配管等の接続の便宜等を考慮して適宜変更することができる。
(3)ポンプ
ポンプ5は、海水をバラストタンク1内に取り込む機能と、バラストタンク1内の海水を処理室3に供給する機能、さらには処理室3内に処理水がある状態でバラストタンク1内の海水を取り込むことで、処理室3内の処理水を排出させる機能を有している。したがって、処理室3内の処理水を排出させるときには、ポンプ5が本発明の排水装置として機能する。
(4)排水管
排水管9はその一端が処理室3の上端近傍に接続され、他端がバラストタンク1の上部に連結されている。したがって、処理室3で処理されて第1熱交換器11で加熱された処理水は排水管9によってバラストタンク1の上部側に供給される。
(5)第1熱交換器
第1熱交換器11は排ガス管21によって排気される気体収束爆轟発生装置15の排ガスを熱源として処理室3で処理された処理水を加熱するものである。
(6)気体収束爆轟発生装置
気体収束爆轟発生装置15は、爆轟波を発生させる本体部35と、本体部35に燃料を供給する燃料供給系統37と、本体部15に燃焼用空気を供給する空気供給系統39とを備えている。
本体部35は、図2の拡大図に示すように、燃焼室41を有しており、この燃焼室41は下方に向かって縮径する逆円錐状をなし横断面における断面積は上端部41Aで最大、下端部41Bで最小となる収束形状になっている。燃焼室41の上端部41Aの内壁には複数の孔状の誘導路43が連通して設けられている。この複数の誘導路43は上方にて、円板空間状の分散室45に集束せられている。分散室45には上方に延びる着火室47が連通接続されている。そして、着火室47の上部には、着火装置49により作動する点火栓51が設けられている。
燃焼室41の下端部41Bは開口されており、ここに処理室の一端側が接続され、下端部41Bと処理室3が連通している。そして、下端部41Bと処理室3の間はストップバルブ53によって両者間の連通を開閉できるようになっている。つまり、ストップバルブ53を下降させて連通を閉じることで、燃焼室41は閉じた空間となり、後述のプロパン・空気予混合気を充填したときに、最適状態を維持できる。なお、ストップバルブ53は図示しない弁駆動機構によって、上下動可能に構成されている。
なお、この例では下端部41Bと処理室3とは連通しており、ストップバルブ53を開にした状態では下端部41Bと処理室3内の海水とが直接面しているが、処理室3の上端部に強靭かつ変形容易な膜体で界面を形成していてもよい。
燃料供給系統37は燃料供給源55と、燃料供給源55の燃料を着火室51に供給するための燃料供給配管57と、燃料供給配管57に設けられて燃料ガスのガス圧力を調整する減圧弁59と、燃料ガスの流量を計測する流量計61と、を備えている。
空気供給系統39は、燃焼用空気の供給源となる小型空気圧縮機63と、小型空気圧縮機63の圧縮空気を着火室51に供給するための空気配管65と、空気配管65に設けられて空気圧力を調整する減圧弁67と、圧縮空気の流量を計測する流量計69と、を備えている。また、空気配管65の途中には第2熱交換器71が設けられており、気体収束爆轟発生装置15の排ガスを熱源として空気配管65内の空気を予熱できるようになっている。
次に、上記のように構成された本実施の形態の動作を説明する。
(1)燃焼室41に設けたストップバルブ53を閉にし、処理室3の上端側に設けた空気抜き管13の開閉弁77を全開にすると共に処理室3下流端に設けた給水管7の開閉弁78を全開にしてポンプ5を作動させ、処理室3内にバラスト水を注入する。
(2)気体収束爆轟発生装置15の本体部15内、すなわち着火室47、分散室45、誘導路43、燃焼室41内にプロパン・空気予混合気を所定圧力まで充填する。このとき、第2熱交換器71で空気を予熱することが好ましい。
(3)プロパン・空気予混合気が本体部15内に充填されるとすべての開閉弁を全閉にする。
(4)この状態で着火インターロックを解除し、着火室47に設置された点火栓51によってプロパン・空気予混合気に着火させたのち、ストップバルブ53を全開にする。このとき、着火室47内では着火により爆轟が起こりその爆轟波が分散室45そして誘導路43を経て燃焼室41の上端部41Aに伝播される。その際、複数の誘導路43の路程はそれぞれ等しく設定されているので、複数の誘導路43の爆轟波は同時に上端部41Aに達する。(なお、図2においては、複数の誘導路43の路程がそれぞれ等しくなるようには示されていないが、これは図2が模式的に示したものだからであり、実際には前述のように複数の誘導路43の路程はそれぞれ等しく設定されている。)
燃焼室41内で爆轟波は上端部41Aから下端部41Bへと進行するが、燃焼室41の断面積は下方に向け次第に小さくなっているため、爆轟波が干渉しあうことにより収束してその圧力・温度は上昇し下端部41Bではきわめて高温・高圧、例えば50000℃、5000MPaとなる。
燃焼室41の下端部41Bの開口部には、処理室3の処理水の水面が臨んでいるため、収束爆轟波による高圧はストップバルブ53の開口付近で超高圧の水中衝撃波に変換され、処理室3内の水生生物に衝撃的な圧縮、膨張、せん断等の力が作用することにより、これらを死滅させる。
(5)その後、気体収束爆轟発生装置15の排気弁75及び処理室3の空気抜き管13の開閉弁77を全開にし、燃焼排ガスを排ガス処理装置17に排気する。このとき、排ガス管21側に流した排ガスは、第2熱交換器71、第1熱交換器11を介して排ガス処理装置17に流入する。
(6)気体収束爆轟発生装置15の排気弁75及び空気抜き管13の開閉弁77を全閉にしたのち、処理室上流端及び下流端の開閉弁79、78を全開にし、処理前バラスト水を注入すると共に、処理済みバラスト水を下流側に押し出す。この場合、処理前のバラスト水が直接処理室外に漏洩するのを防止するため、毎回、処理室内に処理済バラスト水が一部残留するように運転する。なお、処理室3内の処理済バラスト水を迅速かつ確実に排出するために排水ポンプを設けることも好ましい。
(7)処理済みバラスト水は、収束爆轟排ガスを熱源とする第1熱交換器11を介して加熱し、処理前バラスト水より比重を小さくした後、バラストタンク1の上部に戻される。このとき、処理済バラスト水は加熱され比重が小さくなっているので、加熱処理前バラスト水がバラストタンク底部に偏在することになり、次の処理では処理前バラスト水が選択的に処理室3に供給されるようになる。
(8)上記(1)〜(7)の工程を所定回数繰り返し、バラストタンク内の処理前バラスト水を処理室3に移送して死滅処理をおこなう。
上記各工程の動作は制御装置22によって自動的又は半自動的に行われる。なお、上記工程の爆轟動作を手動で行ってもよい。
なお、海水中の処理対象物のサイズが小さいなどの理由で死滅しにくい場合には、爆轟処理毎に処理室内のバラスト水を置換するのではなく、(2)〜(5)の工程を複数回繰り返すことにより、死滅処理効果を高めることができる。また、バラスト水処理前に、収束爆轟排ガスを熱源とする熱交換器を介してバラスト水を加熱した後、収束爆轟波による処理を行うようにしてもよい。このようにすることにより、水生生物の死滅処理効率を向上できる。
処理対象物としては、バクテリア、ウィルス、細菌、酵母、カビ、植物性又は動物性プランクトン、卵、稚魚、藻類などの比較的微小サイズの水生生物が考えられる。
以上のように本実施の形態によれば、衝撃水圧で死滅処理をするようにしたので、再現性が良くかつその効果が大きく、結果的に省エネルギーである。また、毒物や有害物質を使用しないため、処理作業や処理済バラスト水の廃棄作業の際に二次公害の心配がなく安全性に優れる。さらに、船舶の運転とは独立に処理可能であるため、船舶の運転状況と関係なく死滅処理ができフレキシビリティーが大きい。
また、気体収束爆轟発生装置15を用いたので、装置がコンパクトにでき、設備費安価となり、保守・点検も容易なことから維持費も安価である。さらに、暖機運転が不要であることから運転費を安価に抑えることもできる。また、ガス充填圧を調整することにより、バラスト水の性状に応じて簡単な操作で水中衝撃波の強度(死滅処理効果)を大幅に変更することができる。
また、開閉弁の開閉、燃料ガス及び酸化剤の供給、着火等の操作を自動的に行う制御装置22を配設したことにより、安全性が格段に向上し、高速繰り返し運転も可能となる。
さらに、エンジンと同様に瞬間的な高圧を利用するため、高圧ガス取締法の対象外であると共に、市販燃料を使用するため、本発明の実施に際して、特殊な資格や許認可を必要としないという特徴も有する。
また、船舶内で処理が可能なことから寄港先の事情に依存せずに完全処理可能となり信頼性が高い。航行中に処理が可能なことから処理時期の選択の自由度が大きく専任従事者が不要となり運転費安価となる。また、専用発電機が不要であり、この点においても省エネルギーである。
なお、航行中に処理を行う場合には、複数のバラストタンクを、バラスト水を注入したものと空のものとに分けておき、バラスト水を処理後に空のバラストタンクに戻すようにするのが好ましい。このようにすれば、処理前のバラスト水と処理後のバラスト水が混合することなく確実かつ効率的な処理ができる。
[実施の形態2]
図3は本発明の実施の形態2を模式的に示した説明図であり、実施の形態1を示した図1と同一部分には同一の符号を付してある。本実施の形態は、バラスト水中の処理対象物のサイズが小さく死滅しにくい場合に爆轟処理を複数回行う場合のサイクルタイムを短縮するのに効果的なものであり、処理室と気体爆轟発生装置からなる気体爆轟発生処理装置を2台直列に配置したものである。すなわち、図3に示すように上流側に処理室3aと気体収束爆轟発生装置15aからなる気体爆轟発生処理装置81aを配置し、その下流側に処理室3bと気体収束爆轟発生装置15bからなる気体爆轟発生処理装置81bを配置したものである。また、この例では上流側の処理室3aの近傍に水撃現象を防止するために処理室3aへ供給するバラスト水を一旦貯留するバッファタンク83を設けている。
上記のように構成された本実施の形態においては、処理室3aにバラスト水を充填して、実施の形態1と同様に爆轟処理を行う。その後、処理室3aで処理したバラスト水を処理室3bに移動すると共に処理室3aに未処理のバラスト水を充填する。このバラスト水の移動中に気体収束爆轟発生装置15a、15bには実施の形態1の動作説明で述べた(1)〜(3)の準備を行う。処理室3aへの充填と処理室3bへの移動が完了すると、処理室3aに対する一回目の爆轟処理と、処理室3bに対する二回目の爆轟処理とを同時に行う。これらの処理が終わると、処理室3bのバラスト水をバラストタンク1に排出(若しくは海洋に放流)すると共に処理室3aのバラスト水を処理室3bに移動し、同時に処理室3aには未処理のバラスト水を充填する。以降は同様の処理を繰り返す。
本実施の形態によれば、バラスト水に対して2回の爆轟処理ができるので、バラスト水中の処理対象物の死滅効果を向上させることができる。しかも、本実施の形態においては、処理室と気体爆轟発生装置からなる気体爆轟発生処理装置を2台直列に配置したことにより、2回の爆轟処理のサイクルタイムを1回の爆轟処理のサイクルタイムと同じにでき、処理効率を向上させることができる。以下、処理効率が向上する点について具体的に説明する。
実施の形態1のように処理室3と気体収束爆轟発生装置15の組み合わせからなる気体爆轟発生処理装置が1台の場合において、同じバラスト水に対して2回の爆轟処理を行うには、一回目の爆轟処理を行った後、次の爆轟処理を行うために、気体収束爆轟発生装置15の準備として実施の形態1の動作説明で述べた(1)〜(3)の操作をしなければならず、この準備操作が完了するのを待ってその後に二回目の爆轟処理をすることになる。このため、毎回二回目の爆轟処理をする前に(1)〜(3)の準備操作の時間だけ待機時間が発生することになる。
これに対して、本実施の形態2によれば、前述したように、処理室3aへの充填と処理室3bへの移動の際に気体収束爆轟発生装置15の準備操作ができるので、気体爆轟発生処理装置が1台のときのような待機時間が発生することがない。
このように、同じバラスト水に対して2回の爆轟処理を行う必要がある場合に、その処理回数と同数である2台の爆轟発生処理装置を設けることで、処理回数が1回の場合と同様のサイクルタイムでの処理が可能となり、処理時間を短縮できるのである。
また、本実施の形態においては、処理室3aの近傍にバッファタンク83を設けることにより、処理室3aにバラスト水を供給していないときにもポンプ5を稼動状態にすることができる。これにより、ポンプ5の停止または起動によって発生する水撃現象を防止することができる。
なお、バッファタンク83には図示しないエアコンプレッサによって、タンク内に空気圧をかけることが好ましい。空気圧をかけることで、バッファタンク内のバラスト水を処理室3aにスムーズに注入することができるからである。
本実施の形態においては、同じバラスト水に対する爆轟処理を2回行う例を示し、そのため処理室と気体収束爆轟発生装置の組み合わせからなる気体爆轟発生処理装置を2台直列に配置した例を示した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、同じバラスト水に対する爆轟処理回数が3回以上のものに対しても有効である。この場合には爆轟処理回数と同じ数の気体爆轟発生処理装置を設けることで、サイクルタイムを爆轟処理回数が1回のものと同様にすることができ、最も効果的である。
もっとも、気体爆轟発生処理装置の直列設置台数が処理回数よりも少ない場合であっても、複数であれば単数の場合よりも処理時間の短縮という一定の効果が得られることは言うまでもない。
[実施の形態3]
図4は本発明の実施の形態3を模式的に示した説明図であり、実施の形態1を示した図1と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態においては、処理室と気体爆轟発生装置からなる気体爆轟発生処理装置3台を並列に配置して、各処理室への給水及び各処理室からの排水のタイミングを制御することで、給排水ポンプを常に稼動状態にして水撃現象の発生を防止すると共に処理の効率化を図ったものである。
具体的には、図4に示すように、処理室3aと気体収束爆轟発生装置15aからなる気体爆轟発生処理装置81a、処理室3bと気体収束爆轟発生装置15bからなる気体爆轟発生処理装置81b、処理室3cと気体収束爆轟発生装置15cからなる気体爆轟発生処理装置81c、を並列に配置し、それぞれの処理室3a〜3cの入口及び出口に制御弁83a〜83c、85a〜85cを設けている。
上記のように構成された本実施の形態においては、気体収束爆轟発生装置15a〜15cを順次稼動して爆轟処理を行うのであるが、その際に給水ポンプ5と排水ポンプ87が常に稼動可能となるように気体収束爆轟発生装置15a〜15cの稼動タイミングおよび制御弁83a〜83c、85a〜85cの開閉を制御するようにしている。
図5は気体爆轟発生処理装置81a〜81c及び制御弁83a〜83c、85a〜85cの動作のタイミングチャートであり、図5(a)が気体爆轟発生処理装置81a〜81cの動作を、図5(a)が制御弁83a〜83c、85a〜85cの動作をそれぞれ示している。図5(a)では横軸に時間軸をとり、縦軸側に気体爆轟発生処理装置81a〜81cごとの動作状態を図示している。また、図5(b)では横軸に時間軸をとり、縦軸側に給水側と排水側の各制御弁83a〜83c、85a〜85cの開閉状態を示している。
以下、図5及び図4に基づいて本実施形態の動作を説明する。
初期状態では全ての制御弁が閉状態にあり、給水ポンプ5及び排水ポンプ87は停止している。
この状態から、時刻tに制御弁83aを開にして給水ポンプ5を稼動すると、処理室3aへの給水が開始する。時刻tになると、制御弁83bが開になり処理室3bへの給水が開始する。時刻tになると制御弁83aが閉になり処理室3aへの給水が停止して処理室3aへの爆轟処理が行われる。処理室3aへの爆轟処理直後である時刻tから制御弁85aが開になり排水ポンプ87が稼動して処理室3a内のバラスト水の排水が開始する。
時刻tでは制御弁83cが開になり処理室3cへの給水が開始する。時刻tになると制御弁83bが閉になり処理室3bへの給水が停止して処理室3bへの爆轟処理が行われる。処理室3bへの爆轟処理直後である時刻tから制御弁85bが開になり処理室3b内のバラスト水の排水が開始する。
時刻tになると処理室3aの排水が完了して制御弁85aが閉になると共に制御弁83aが開になり処理室3aへの2回目の給水が開始する。
時刻tになると制御弁83cが閉になり処理室3cへの給水が停止して処理室3cへの爆轟処理が行われる。処理室3cへの爆轟処理直後である時刻t10から制御弁85cが開になり処理室3c内のバラスト水の排水が開始する。
時刻t11になると処理室3bの排水が完了して制御弁85bが閉になると共に制御弁83bが開になり処理室3bへの2回目の給水が開始する。
時刻t12になると制御弁83aが閉になり処理室3aへの給水が停止して処理室3aへの爆轟処理が行われる。処理室3aへの爆轟処理直後である時刻t13から制御弁85aが開になり処理室3a内のバラスト水の排水が開始する。
時刻t14になると処理室3cの排水が完了して制御弁85cが閉になると共に制御弁83cが開になり処理室3cへの2回目の給水が開始する。
なお、処理室内の処理済みのバラスト水を排水する際に、気体収束爆轟発生装置から排ガスを排出する。
以上の説明を各時刻と給水及び排水の観点からまとめると以下のようになる。
1)給水
(1) 時刻t〜時刻t間:処理室3aへの給水
(2) 時刻t〜時刻t間:処理室3a及び処理室3bへの給水
(3) 時刻t〜時刻t間:処理室3bへの給水
(4) 時刻t〜時刻t間:処理室3b及び処理室3cへの給水
(5) 時刻t〜時刻t間:処理室3cへの給水
(6) 時刻t〜時刻t間:処理室3a及び処理室3cへの給水
(7) 時刻t〜時刻t11間:処理室3aへの給水
(8) 時刻t11〜時刻t12間:処理室3a及び処理室3bへの給水
(9) 時刻t12〜時刻t14間:処理室3bへの給水
2)排水(排水の開始はt以降)
(1) 時刻t〜時刻t間:処理室3aから排水
(2) 時刻t〜時刻t間:処理室3a及び処理室3bから排水
(3) 時刻t〜時刻t10間:処理室3bから排水
(4) 時刻t10〜時刻t11間:処理室3b及び処理室3cから排水
(5) 時刻t11〜時刻t13間:処理室3cから排水
(6) 時刻t13〜時刻t14間:処理室3c及び処理室3aから排水
以上のように、一旦給水ポンプ5、排水ポンプ87が稼動すれば常に何れかの処理室に対しての給排水が行われることになるので給水ポンプ5及び排水ポンプ87は停止する必要がなく常に稼動させておくことができ、ポンプ停止または起動による水撃現象の発生を防止できる。
このように本実施の形態においては、処理室と気体爆轟発生装置からなる気体爆轟発生処理装置3台を並列に配置して、各処理室への給水及び各処理室からの排水のタイミングを制御するようにしたので、給排水ポンプを常に稼動状態にして水撃現象の発生を防止すると共に処理の効率化を図ることができる。
なお、本実施の形態における給水ポンプ5、排水ポンプ87及び制御弁83a〜83c、85a〜85cの制御は図1に示した制御装置22によって自動的又は半自動的に行われる。
なお、上記の例では気体爆轟発生処理装置3台を並列に配置した例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、気体爆轟発生処理装置を2台あるいは4台以上配置するものも含まれる。
また、上記の例では処理室への給水及び各処理室からの排水のタイミングを制御することで、給排水ポンプを常に稼動状態にできるようにしたが、制御弁83a〜83c、85a〜85cの開閉度を調整することにより給排水量を調整したり、気体爆轟発生装置の爆轟処理タイミングを調整することによっても同様の効果を得ることができる。
[実施の形態4]
図6は本発明の実施の形態4の要部である処理室装置100を模式的に示した説明図であり、図6(a)が処理室装置100の軸線に沿う断面図、図6(b)が図6(a)の矢視A−A断面図である。図7は図6の一部分の説明図であり図7(a)が図6(a)の矢視B−B断面図、図7(b)が図6(a)の矢視C−C断面図、である。
本実施の形態においては、実施の形態1〜3に示した処理室を処理室装置100として構成したものであり、この処理室装置100は、回転軸109回りに所定の間隔で配置された4個の処理室101a、101b、101c、101dと、これら4個の処理室の何れかに常時バラスト水を供給するバラスト水供給部103と、バラスト水が供給された処理室に爆轟波を導入する爆轟波導入部104と、処理済みのバラスト水を排出するバラスト水排出部107と、を備えたものである。以下、詳細に説明する。
この処理室装置100は、図6に示すように、図中横方向に延びる軸線109まわりに回転する回転体111に、周方向の4つの位置(90°毎の位置)で上記軸線109に平行に延びて回転体111の軸線方向両端にて開口する処理室101a、101b、101c、101dを備えている。各処理室は、バラスト水の供給を受けた後に、気体収束爆轟発生装置15(図1参照)から燃焼ガスの衝撃波のエネルギーを利用してバラスト水中の微生物を死滅させるための空間である。
この回転体111の両端面に対向する位置には、回転体111の回転を許容するよう回転体端面に対して微小間隙をもって蓋状の開閉部材113,115が非回転でそれぞれ配設されている。この開閉部材113,115と回転体111の端部周面との間はこれらの相対回転を許容しつつシール部材117によってシールされている。また、シールとしてはラビリンスシール、オイルシールまたは水封装置を用いてもよい。
バラスト水の供給側(図6にて左側)の開閉部材113には、図7(a)に示すように開閉部材113の上半分における周方向約120°の範囲に亘って長丸状の供給溝部119が形成され、この供給溝部119にバラスト水の供給管121が連通して設けられている。供給管121には図示しない制御弁が設けられ制御信号によって開閉できるようになっている。開閉部材113、供給溝部119及び供給管121によってバラスト水供給部103が構成されている。
開閉部材113の中心から図7(a)中右に寄った位置(時計の文字板に対応させると3時の位置)には気体収束爆轟発生装置の燃焼室に連通する爆轟波導入部104となる衝撃波導入開口105が形成されている。
また、バラスト水の排出側(図6にて右側)の開閉部材115には、図7(b)に示すように開閉部材115の下半分における周方向約120°の範囲に亘って長丸状の排出溝部123が設けられ、この排出溝部123に排出管125が連通して設けられている。排出管125は、図示しない制御弁により開閉できるようになっている。開閉部材115、排出溝部123及び排出管125によってバラスト水排出部107が構成されている。
上記回転体111は、図6に示されるように、軸受等の支持部材127によって回転自在に支持され、駆動手段(図示せず)によって、各処理室101a、101b、101c、101dの開口が衝撃波導入開口105に順次一致して連通するように、間欠的に回転されるようになっている。すなわち、本実施形態では、上記回転体111には4つの処理室が形成されているので、回転体111が90°ずつ間欠回転して、順次各処理室の開口が衝撃波導入開口105と一致してバラスト水が爆轟処理される。
図8は処理室装置100の動作を説明するための説明図である。以下、図8に基づいて処理装置100の動作を説明する。
図8(a)の位置では、処理室101aの一端側(図6中左端)が衝撃波導入開口105に連通して、処理室101aの他端側は開閉部材115の蓋面(壁面)に対面して閉止されている。このとき、処理室101a内には未処理のバラスト水が入っており、この状態で収束爆轟波が衝撃波導入開口105を介して処理室101a内のバラスト水に伝播させて死滅処理を行う。
このとき、処理室101bの一端側(図6中左端)は開閉部材113の蓋面(壁面)に対面して閉止され、他端側(図6中右端)は開閉部材115の排出溝部123に連通しており、排出溝部123に連通する排出管125を介して処理済みのバラスト水の排水が行われている。
処理室101cは処理済のバラスト水が排出し終わった状態であり室内は空の状態で、その一端側(図6中左端)は開閉部材113の蓋面(壁面)に対面して閉止され、また、他端側(図6中右端)は開閉部材115の蓋面(壁面)に対面して閉止されている。
処理室101dの一端側(図6中左端)は開閉部材113の供給溝部119に連通しており、供給溝部119に連通する供給管121を介して未処理のバラスト水の給水が行われている。このとき処理室101dの他端側(図6中右端)は開閉部材115の蓋面(壁面)に対面して閉止されている。
処理室101aに対する爆轟処理が終了すると、回転体111を図中時計回りに回転させる。図8(b)は図8(a)の状態から45°回転した状態を示している。この状態では、処理室101aからの排水が始まり、処理室101bの排水処理がほぼ完了し、処理室101cへの給水が開始され、処理室101dに対する給水が完了している。
図8(c)は図8(b)の状態からさらに45°回転した状態を示している。この状態では処理室101dに対する爆轟処理が行われ、また処理室101aの排水処理が行われ、さらに処理室101bは待機状態にあり、処理室101cは給水処理が行われる。
なお、給水によって処理済みのバラスト水を押し出して排水するように運転してもよい。この際、処理済みのバラスト水が若干残留するようにすることにより、未処理のバラスト水が未処理のまま排出されることを防止する。
以上の説明から分かるように、本実施の形態においては、一つの処理室に着目すれば、回転体111の回転により、爆轟処理、排水処理、待機状態、給水処理の4つの工程が繰り返されることになるが、全体を見れば、供給溝部119及び排水溝部125には4つの処理室の少なくとも1つは必ず連通している。したがって、給水ポンプ及び排水ポンプは常に稼動状態にすることができ、ポンプ停止または起動による水撃現象が発生しない。
このように、本実施形態によれば、連続処理が可能となり処理効率が向上すると共にポンプ停止または起動による水撃現象の発生を防止することができる。また、4つの処理室に対して気体収束爆轟発生装置が1つで足りるので、装置がコンパクトになる。
なお、上記の例では4個の処理室を回転体111に設けた例を示したが本発明はこれに限られるものではなく、2個又は5個以上の処理室を回転体111設けてもよい。つまり、本実施の形態の一つの効果として、複数個の処理室を回転させて順次爆轟処理することでサイクルタイムを短くすることができる。さらに、本実施の形態のように給水側と排水側のポンプが常に稼動できるようにすることで、水撃現象を防止できるという付加効果を得ることができるのである。
なお、水撃現象は、管路に於ける水の流れを急に止めたり、逆に静止している水を急速に運動させたりしたときのように、水の運動状態の急変により大きな圧力変動を引き起こす現象であるが、これが最も顕著に生ずるのは船底から甲板近くまでという高低差がありかつ長距離に亘ってバラスト水を汲み上げる給水側であるので、給水側のポンプのみを常時稼動可能にすることでも一定の効果を奏することができる。
[実施の形態5]
図9は本発明の実施の形態5を模式的に示した説明図であり、図1、図3と同一部分には同一の符号が付してある。本実施の形態においては、図9に示すように、給水管131及び排水管133を直角に屈曲させ、これにより気体収束爆轟発生装置15によって発生した衝撃水圧の衝撃波が給水管131内及び排水管133内を伝播するのを可及的に防止できるようにしたものである。これによって給水管131及び排水管133をバルブレス構造にでき、バラスト水を常に流しながら爆轟処理を行うことが可能になり、さらには給排水ポンプの稼動停止による水撃現象の発生を防止できる。
つまり、給水管131及び配水管133を直角に屈曲させることにより、給水管131及び排水管133の管路壁が衝撃波の伝播方向(図中の破線矢印の方向)に直交することになり、管路壁が衝撃波の伝播防止手段として機能する。このため、衝撃波が発生したときにこの衝撃波の給排水管への伝播を防止するために給排水管路をバルブにて閉止する必要がなくなり、バルブを常に開放状態あるいはバルブレス構造として常に給排水を流しっぱなしにすることができる。これにより、処理室内にバラスト水を上流側から下流側へと常に流しておき、この流れるバラスト水に衝撃波を照射して連続処理が可能となり、効率的な処理が実現できる。
なお、屈曲部にはフランジ135を設けて開口可能にすることで、管路内に溜まるゴミ等の排出や管路の清掃が容易になる。
なお、本実施の形態においては給排水管への衝撃波の伝播を防止する手段として給排水管を衝撃波の伝播方向に直交する方向に屈曲させて給排水管の管路壁が衝撃波の伝播を阻止するようにした例を示した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、本発明の要点は給排水管側に衝撃波が伝播しないような抵抗要素を設けることにある。図9に示した例以外には、例えば、図10に示すように、給水管131及び排水管133の管路内に処理室で発生した衝撃波の伝播を防止するための邪魔板137を千鳥状に配置してもよい。なお、給排水管にはフランジを設けて開口可能とすることで、管路内に溜まるゴミ等の排出や管路の清掃が容易になる。
なお、上記の実施の形態においては、船舶内にバラスト水処理装置を設置した例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、寄港地に設置してもよい。この場合、1台の処理装置で数多くの船舶に適用できるので処理装置の稼働率が向上し、その結果、運転費が安価になるという効果が期待できる。
本発明の一実施の形態の説明図であり、船舶の横断面を模式的に示したものである。 図1の一部の詳細を説明する説明図である。 本発明の実施の形態2の説明図である。 本発明の実施の形態3の説明図である。 本発明の実施の形態3の動作を説明する説明図である。 本発明の実施の形態4の説明図である。 図6の矢視B−B断面図および矢視C−C断面図である。 本発明の実施の形態4の動作を説明する説明図である。 本発明の実施の形態5の説明図である。 本発明の実施の形態5の他の態様の説明図である。
符号の説明
1 バラストタンク
3 処理室
5 ポンプ
11 第1熱交換器
15 気体収束爆轟発生装置
81a、81b、81c 気体爆轟発生処理装置
100 処理室装置

Claims (16)

  1. バラスト水中の水生生物を死滅させる方法であって、前記バラスト水に衝撃水圧を加えることにより水生生物を死滅させることを特徴とするバラスト水処理方法。
  2. 衝撃水圧が、収束爆轟波によって誘起された衝撃水圧であることを特徴とする請求項1に記載のバラスト水処理方法。
  3. バラスト水を貯留して処理するための処理室と、該処理室内のバラスト水に衝撃水圧を発生させる衝撃水圧発生装置と、処理済みバラスト水を排出する排水装置と、を備えてなることを特徴とするバラスト水処理装置。
  4. 処理室及び衝撃水圧発生装置からなる衝撃水圧発生処理装置を複数個直列に配置したことを特徴とする請求項3記載のバラスト水処理装置。
  5. 処理室及び衝撃水圧発生装置からなる衝撃水圧発生処理装置を複数個並列に配置したことを特徴とする請求項3記載のバラスト水処理装置。
  6. 複数の処理室のいずれかに常時バラスト水が供給されるように、給水量、給水弁の開閉タイミング、衝撃水圧発生装置の衝撃水圧発生タイミングを設定したことを特徴とする請求項5記載のバラスト水処理装置。
  7. 処理室は、回転軸回りに所定の間隔で配置された少なくとも3個の処理室からなり、該少なくとも3個の処理室の何れかに常時バラスト水を供給するバラスト水供給部を設け、バラスト水供給状態にない処理室に衝撃水圧を発生させるようにしたことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
  8. 衝撃水圧発生装置によって発生した衝撃水圧の衝撃波が給水路及び排水路に伝播するのを防止するための伝播防止手段を設けたことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
  9. 伝播防止手段は、給水路及び排水路を前記衝撃波の伝播方向に対して直角に屈曲させたときにできる管路壁であることを特徴とする請求項8記載のバラスト水処理装置。
  10. 伝播防止手段は、給水路および排水路に設けた邪魔板であることを特徴とする請求項8記載のバラスト水処理装置。
  11. 処理室の近傍に処理水を一時的に貯留するバッファアタンクを設けたことを特徴とする請求項3〜10のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
  12. 衝撃水圧発生装置の高圧発生部が気体収束爆轟発生装置から構成されていることを特徴とする請求項3〜11のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
  13. 気体収束爆轟発生装置は、一端部から他端部へ向け断面積が小さくなる燃焼室と、燃料の供給を受けると共に点火栓が配設された着火室と、着火室から分岐して延び上記燃焼室の一端部へ連通する複数の誘導路とを備え、前記燃焼室の最小断面積部たる他端部の開口側と処理室とが連通してなることを特徴とする請求項12記載のバラスト水処理装置。
  14. 処理済みのバラスト水の温度を上昇させるための加熱手段と、該加熱手段によって加熱された処理済バラスト水をバラストタンク上部に戻す循環装置とを備えたことを特徴とする請求項3〜13のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
  15. 加熱手段は船舶の排ガス又は衝撃水圧発生装置の排ガスを利用していることを特徴とする請求項3〜14のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
  16. 請求項3〜15のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置を搭載したことを特徴とする船舶。
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