JP2005160806A - 痴呆症の予防改善システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 特に高齢者にとっては日常生活の機能回復を図ることにより痴呆症を予防・改善することができ、一方、介護者等にとっては高齢者の状態を客観的に判断することができる新規な痴呆症の予防改善システムの開発を技術課題とした。
【解決手段】 痴呆症の予防改善プログラムPには、生活訓練プログラムP1と、応用プログラムP2とが含まれるものであり、これらのプログラムを実行することにより利用者に模擬体験をさせ、この模擬体験にともなう思考、決定、想起等の精神活動を通じて利用者の脳を刺激し、痴呆症の予防と改善を図るようにしたことを特徴として成り、高齢者の基本的生活習慣の機能回復を図ることができるとともに、痴呆症の予防・改善を図ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】 痴呆症の予防改善プログラムPには、生活訓練プログラムP1と、応用プログラムP2とが含まれるものであり、これらのプログラムを実行することにより利用者に模擬体験をさせ、この模擬体験にともなう思考、決定、想起等の精神活動を通じて利用者の脳を刺激し、痴呆症の予防と改善を図るようにしたことを特徴として成り、高齢者の基本的生活習慣の機能回復を図ることができるとともに、痴呆症の予防・改善を図ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は痴呆症の予防・改善手段に関するものであって、特に高齢者にとっては日常生活の機能回復を図ることができ、一方、介護者にとっては高齢者の状態を客観的に判断することができる痴呆症の予防改善システムに係るものである。
近年、日本の全人口に占める高齢者の割合が急増しており、これに伴い高齢化社会特有の様々な問題への対応が迫られている。このうち特に高齢者に発症することの多い痴呆症については、夜間せん妄想(夜になると興奮し言動がおかしくなる)、徘徊といった患者の不自然な言動が日常生活での留意の範囲を越え、保健医療の対象となる例が少ないこと等から、日常生活の面倒をみる家族や老人保健施設等にとっても充分な対応をとらなければならない問題となっている。
前記痴呆症は、脳神経細胞の減少・変成、脳血管障害、アルツハイマー病等が原因となるものであり、更に職業・社会生活全般からの引退や家庭内での仕事からの引退等による生活の単調化が大きな要因となっていると考えられている。
上述のような痴呆症の症状は、投薬治療やリハビリテーションによって進行を遅らせたり、予防・改善が期待できるものであり、積極的に頭を使う等して脳に刺激を与えることが有効とされている。
具体的には特に右脳刺激(音楽・絵画鑑賞、トランプ等のゲーム類、俳句・川柳、スポーツ、動物の飼育、ギャンブル予測、書道・華道・茶道、裁縫、園芸、旅行、男女交際、日曜大工等)が痴呆症の予防・改善を図るのに有効とされ、これにより前痴呆、軽度痴呆の40〜60%に改善効果が認められたとの報告もある。
しかしながら老人ホームや老人保健施設で暮らす高齢者や、体の不自由な高齢者にとっては、上記右脳刺激を実行することは思いのほか困難なものである。
具体的には特に右脳刺激(音楽・絵画鑑賞、トランプ等のゲーム類、俳句・川柳、スポーツ、動物の飼育、ギャンブル予測、書道・華道・茶道、裁縫、園芸、旅行、男女交際、日曜大工等)が痴呆症の予防・改善を図るのに有効とされ、これにより前痴呆、軽度痴呆の40〜60%に改善効果が認められたとの報告もある。
しかしながら老人ホームや老人保健施設で暮らす高齢者や、体の不自由な高齢者にとっては、上記右脳刺激を実行することは思いのほか困難なものである。
そこで近年広く普及しているパソコン・家庭用テレビゲーム機等のソフトとして、上記右脳刺激を行うためのシミュレーション的要素を盛り込んだものが登場してきている。具体的にはプレイヤーが主人公となって旅行に出るといったものや、記憶力、判断力、思考力、瞬発力、構成力等をそれぞれ刺激する簡単なミニゲームを収録したもの等が開発され、すでに一般に提供されているものもある。
このような状況の下、本出願人にあっては、利用者毎の痴呆症の程度に応じた適切な右脳刺激手段を選択することができるとともに、特に見当識障害の予防・改善を図ることを目的とした新規な痴呆防止システムを開発し、既に特「痴呆防止システム」として特許出願に及んでいる(特許文献1参照)。
そして本出願人はその後も痴呆症の予防・改善に関する研究・開発を継続して行ってきたものであり、痴呆症の改善には初期段階での治療が有効であって、低下した基本的生活習慣の機能回復を図ることが痴呆症の予防・改善に効果があることに着目し、特に過去に経験してきた基本的生活習慣を再度知覚できるようにし、もって知覚・身体機能等の機能回復を図るシステムの開発に着手するに至った。
特開2003−107983公報(図1)
そして本出願人はその後も痴呆症の予防・改善に関する研究・開発を継続して行ってきたものであり、痴呆症の改善には初期段階での治療が有効であって、低下した基本的生活習慣の機能回復を図ることが痴呆症の予防・改善に効果があることに着目し、特に過去に経験してきた基本的生活習慣を再度知覚できるようにし、もって知覚・身体機能等の機能回復を図るシステムの開発に着手するに至った。
本発明はこのような背景からなされたものであって、特に高齢者にとっては日常生活の機能回復を図ることにより痴呆症を予防・改善することができ、一方、介護者等にとっては高齢者の状態を客観的に判断することができる新規な痴呆症の予防改善システムの開発を技術課題としたものである。
すなわち請求項1記載の痴呆症の予防改善システムは、表示装置と、入力装置と、記憶装置と、処理装置とを具えて成るコンピュータを用い、前記表示装置上の表示に従って利用者が入力を行うことにより痴呆症の予防改善プログラムを実行してゆくシステムにおいて、前記記憶装置に記録される痴呆症の予防改善プログラムには、生活訓練プログラムと、応用プログラムとが含まれるものであり、これらのプログラムを実行することにより利用者に模擬体験をさせ、この模擬体験にともなう思考、決定、想起等の精神活動を通じて利用者の脳を刺激し、痴呆症の予防と改善を図るようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、高齢者の基本的生活習慣の機能回復を図ることができるとともに、痴呆症の予防・改善を図ることができる。
この発明によれば、高齢者の基本的生活習慣の機能回復を図ることができるとともに、痴呆症の予防・改善を図ることができる。
また請求項2記載の痴呆症の予防改善システムは、前記要件に加え、前記生活訓練プログラムは、自宅内における生活行動の模擬体験を実施するためのものであり、且つ複数の訓練プログラムの中から適宜のものが適当数選択されて実行されることを特徴として成るものである。
この発明によれば、利用者毎の痴呆症の程度及び過去の生活様式に応じて適切な訓練プログラムを選択、実行することができるため、痴呆症の予防・改善をより効果的に行うことができる。
この発明によれば、利用者毎の痴呆症の程度及び過去の生活様式に応じて適切な訓練プログラムを選択、実行することができるため、痴呆症の予防・改善をより効果的に行うことができる。
更にまた請求項3記載の痴呆症の予防改善システムは、前記要件に加え、前記応用プログラムは、利用者によって実行される目的を利用者自身によって決定する目的決定プログラムと、この目的決定プログラムにおいて決定された目的を実施する目的実行プログラムとを含むものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、目的決定プログラムにおいて利用者が決定した目的を、利用者自身が目的実行プログラムにおいて実行するため、利用者は目的の決定、目的実行のための手段の選択、その手段の実行、及び目的の実行といった一連の行為を模擬体験することにより、基本的生活習慣の機能回復を図ることができる。
この発明によれば、目的決定プログラムにおいて利用者が決定した目的を、利用者自身が目的実行プログラムにおいて実行するため、利用者は目的の決定、目的実行のための手段の選択、その手段の実行、及び目的の実行といった一連の行為を模擬体験することにより、基本的生活習慣の機能回復を図ることができる。
更にまた請求項4記載の痴呆症の予防改善システムは、前記請求項3記載の要件に加え、前記目的実行プログラムは、自宅外における生活行動の模擬体験を実施するためのものであり、且つ複数の目的プログラムの中から利用者自身によって選択された一または複数の目的プログラムが実行されるものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、利用者に対して、思考、決定、想起といった一連の精神活動を、生活行動の模擬体験を通じて体験させることができる。
この発明によれば、利用者に対して、思考、決定、想起といった一連の精神活動を、生活行動の模擬体験を通じて体験させることができる。
更にまた請求項5記載の痴呆症の予防改善システムは、前記請求項4記載の要件に加え、前記記憶装置には、前記生活訓練プログラム及び応用プログラムに加え、問診プログラムが記録されるものであり、前記目的決定プログラムの実行中に決定された目的と、前記目的実行プログラムの実行中に利用者によって選択されて実行された目的プログラムとを比較した結果または問診プログラムの実行中に入力された結果のいずれか一方または双方から、利用者の状態を判断することを特徴として成るものである。
この発明によれば、システムの管理者や介護者等は、利用者(高齢者)の状態を客観的に判断することができる。
この発明によれば、システムの管理者や介護者等は、利用者(高齢者)の状態を客観的に判断することができる。
更にまた請求項6記載の痴呆症の予防改善システムは、前記請求項3、4または5記載の要件に加え、前記目的決定プログラムの実行中に決定される目的は、難易度に応じて一または複数が選択されるものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、利用者の痴呆状態や馴れに応じた数の目的が実行されるため、利用者は、難し過ぎ、簡単過ぎ等と感じることなく本システムを利用することができ、高齢者の基本的生活習慣の機能回復を図ることができるとともに、痴呆症の予防・改善を図ることができる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
この発明によれば、利用者の痴呆状態や馴れに応じた数の目的が実行されるため、利用者は、難し過ぎ、簡単過ぎ等と感じることなく本システムを利用することができ、高齢者の基本的生活習慣の機能回復を図ることができるとともに、痴呆症の予防・改善を図ることができる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
本発明によれば、特に高齢者にとっては日常生活の機能回復を図ることにより痴呆症を予防・改善することができ、一方、介護者等にとっては高齢者の状態を客観的に判断することができる。
以下本発明の痴呆症の予防改善システムについて図示の実施例に基づいて具体的に説明する。なおこの実施例に対し本発明の技術的範囲内における技術的改変を加えることも可能である。
以下本発明の痴呆症の予防改善システムSについて図面を参照しながら説明する。本発明の痴呆症の予防改善システムSは、コンピュータ1を用い、痴呆症の予防改善プログラムPを実行することにより利用者に模擬体験をさせるものであり、この模擬体験にともなう思考、決定、想起等の精神活動を通じて利用者の脳を刺激し、痴呆症の予防と改善を図るものである。
前記コンピューター1には図2に示すように、表示装置2と、入力装置3と、記憶装置4と、処理装置5とが具えられるものであり、このようなコンピュータ1としては市販のデスクトップ型パソコン等が適用される。このものは本体1Aと、表示装置2たるカラー表示のできるディスプレイ(CRT、液晶等)と、入力装置3たるキーボード30、マウス31及びマイク32と、更に左右一対のスピーカ8とを具えて成るものである。
前記本体1A内には処理装置5たるCPU等を内蔵するものであり、更に記憶装置4たるHDD等と、メディアドライブ6たるFD、CDROM等のドライブ装置と、通信デバイス7たるモデム、TA、ネットワークアダプタ、ルータ等とが内蔵される。もちろんこれら装置は別途外付けするようにしてもよい。
なおコンピュータ1としてノート型パソコンを用いることももちろん可能であり、この場合には、前記表示装置2、入力装置3、記憶装置4、処理装置5、メディアドライブ6、通信デバイス7及びスピーカ8は、適宜のケースに内蔵される。
なおコンピュータ1としてノート型パソコンを用いることももちろん可能であり、この場合には、前記表示装置2、入力装置3、記憶装置4、処理装置5、メディアドライブ6、通信デバイス7及びスピーカ8は、適宜のケースに内蔵される。
そしてこの実施例で示す痴呆症の予防改善システムSは図3に示すように、一例として利用者の居所(自宅、病院、老人保健施設)等に配したり、コンパクト化して訪問介護者が携行する前記コンピュータ1をインターネット10を通じてシステム運営者が管理するサーバ11と接続した形態を採るものであり、痴呆症の予防改善プログラムPをサーバ11内に具えたHDD等の記憶装置に記録して成るシステムである。なおコンピュータ1及びサーバ11はそれぞれインターネットサービスプロバイダ12、13を介してインターネット10に接続される。
そして前記サーバ11にはデータベースが構築されるものであり、個人情報と、痴呆症の予防改善プログラムPと、素材画像とがそれぞれのデータベースに記録される。なお前記個人情報としては、利用者の氏名、性別、年齢、生年月日、痴呆症の予防改善システムSの利用履歴(利用回数、利用日時、過去に行った生活訓練プログラムP1、過去の結果等)等が該当する。
また前記痴呆症の予防改善プログラムPとは図1のフローチャートに示すように、生活訓練プログラムP1、応用プログラムP2及び問診プログラムP3を含んで構成されたプログラムである。なお生活訓練プログラムP1及び応用プログラムP2は、これらのプログラムを実行することにより利用者に模擬体験をさせるものであり、この模擬体験にともなう思考、決定、想起等の精神活動を通じて利用者の脳を刺激し、痴呆症の予防と改善を図るものである。
以下これら各プログラムについて詳細に説明する。
以下これら各プログラムについて詳細に説明する。
まず前記生活訓練プログラムP1は、主に自宅や老人保健施設等、利用者の居所内における生活行動の模擬体験を実施するためのものであり、且つ複数の訓練プログラムP11の中から適宜のものが適当数選択されて実行されるものである。
ここで前記訓練プログラムP11による模擬体験は図6に示すように、「1.身の回りの点検」、「2.金銭の計算」、「3.家の中の点検」、「4.玄関の施錠の点検」、「5.育児ゲーム」、「6.日記及び昔のこと」、「7.絵画組み合わせ」、「8.電化製品説明」、「9.電話(携帯電話)」、「10.食事仕度と接待」、「11.礼儀作法」、「12.道具・物品の整理」、「13.最近の出来事」、「14.洗面道具と使用」、「15.社会奉仕活動」、「16.衛生の学習」等の項目が設定されている。
そして個々の訓練プログラムP11においては、表示装置2にCGや実写映像の画像を映し出すとともに必要に応じてスピーカ8から音声を流し、これらの映像及び音声を通じて利用者に日常生活の模擬体験を行わせるものである。なお訓練プログラムP11の詳細については後程、痴呆症の予防改善システムS全体の説明の際に説明する。
ここで前記訓練プログラムP11による模擬体験は図6に示すように、「1.身の回りの点検」、「2.金銭の計算」、「3.家の中の点検」、「4.玄関の施錠の点検」、「5.育児ゲーム」、「6.日記及び昔のこと」、「7.絵画組み合わせ」、「8.電化製品説明」、「9.電話(携帯電話)」、「10.食事仕度と接待」、「11.礼儀作法」、「12.道具・物品の整理」、「13.最近の出来事」、「14.洗面道具と使用」、「15.社会奉仕活動」、「16.衛生の学習」等の項目が設定されている。
そして個々の訓練プログラムP11においては、表示装置2にCGや実写映像の画像を映し出すとともに必要に応じてスピーカ8から音声を流し、これらの映像及び音声を通じて利用者に日常生活の模擬体験を行わせるものである。なお訓練プログラムP11の詳細については後程、痴呆症の予防改善システムS全体の説明の際に説明する。
また前記応用プログラムP2は、利用者によって実行される目的を利用者自身によって決定する目的決定プログラムP21と、この目的決定プログラムP21において決定された目的を実施する目的実行プログラムP22とを含むものである。前記目的実行プログラムP22は、自宅や老人保健施設等、利用者の居所外における生活行動の模擬体験を実施するためのものであり、且つ複数の目的プログラムP220の中から利用者自身によって選択された一または複数の目的プログラムP220が実行される。
なお目的決定プログラムP21としては、例えば利用者に大枠での指示テーマを与え、この指示テーマに沿って利用者が考えて目的実行プログラムP22を選択し、行動するような形態を採ることもできる。例えば「夕食を作って下さい。」という指示テーマに対して、利用者が献立を決め、必要な食材を買いに出掛けるといった内容である。
なお目的決定プログラムP21としては、例えば利用者に大枠での指示テーマを与え、この指示テーマに沿って利用者が考えて目的実行プログラムP22を選択し、行動するような形態を採ることもできる。例えば「夕食を作って下さい。」という指示テーマに対して、利用者が献立を決め、必要な食材を買いに出掛けるといった内容である。
ここで前記目的プログラムP220とは図4に示すように、一例として「1.食事」、「2.散歩」、「3.買物」、「4.用事」、「5.映画」、「6.趣味・習い事」、「7.発表会・展示会」等の項目が設定されており、更にそれぞれの項目は、図5に示すように目的に対応した目的地が設定されるものである。
この実施例では、「食事」の目的プログラムP220は「喫茶店」及び「レストラン」、「散歩」の目的プログラムP220は「狩野川公園」及び「千本公園」、「買物」の目的プログラムP220は「デパート」、「スーパーマーケット」及び「商店街」、「用事」の目的プログラムP220は「市役所」、「銀行」、「駅」及び「郵便局」、「映画」の目的プログラムP220は「映画館」、「趣味・習い事」の目的プログラムP220は「学校」、「発表会・展示会」の目的プログラムP220は「文化会館」においてそれぞれ実施されるように設定されている。
更には例えば「スーパーマーケット」において「買物」を行う場合には、「肉」、「野菜」、「果物」、「魚」、「菓子」、「飲料水」、「酒」、「日用品」等が「買物」の対象となるように選択可能とされている。
この実施例では、「食事」の目的プログラムP220は「喫茶店」及び「レストラン」、「散歩」の目的プログラムP220は「狩野川公園」及び「千本公園」、「買物」の目的プログラムP220は「デパート」、「スーパーマーケット」及び「商店街」、「用事」の目的プログラムP220は「市役所」、「銀行」、「駅」及び「郵便局」、「映画」の目的プログラムP220は「映画館」、「趣味・習い事」の目的プログラムP220は「学校」、「発表会・展示会」の目的プログラムP220は「文化会館」においてそれぞれ実施されるように設定されている。
更には例えば「スーパーマーケット」において「買物」を行う場合には、「肉」、「野菜」、「果物」、「魚」、「菓子」、「飲料水」、「酒」、「日用品」等が「買物」の対象となるように選択可能とされている。
更にまた前記問診プログラムP3は、システムの管理者や介護者等が、利用者(高齢者)の状態を客観的に判断するためのプログラムの一つであり、この実施例では一例として長谷川式痴呆スケール等の痴呆症回想検査法に準ずる質問を表示装置2に表示し、利用者が回答を入力してゆくものとした。前記質問としては一例として、「今年は何年ですか。」、「今月は何月ですか。」、「今日は何日ですか。」、「ここはどこですか。」、「あなたの性別は。」等を採用した。
また前記素材画像とは、前記生活訓練プログラムP1、応用プログラムP2及び問診プログラムP3の実行中に表示装置2に表示される画像のことであり、目的地、移動中の風景、目的の対象物等の静止画及び動画が適宜の形式(JPEG、MPEG等)でデジタル化された状態で保存されるものである。
本発明の痴呆症の予防改善システムSは一例として上述したように構成されるものであり、以下このシステムの運用態様について、図1に示すフローチャートに従って説明する。なおこの実施例で説明する痴呆症の予防改善システムSは一例として、前記問診プログラムP3、目的決定プログラムP21(応用プログラムP2)、生活訓練プログラムP1、目的実行プログラムP22(応用プログラムP2)の順で実行されてゆくものである。
〔ログオン〕
まず利用者はコンピュータ1を操作し、インターネット10を通じてサーバ11にアクセスするとともに、キーボード30の操作やバーコードを印刷したIDカードを用いる等してパスワードを入力するものであり、このパスワードに基づいて本人確認が行われログオンする(図示省略)。もちろん初めての利用の際には、パスワードは発行されていないため、適宜のウィザードに従って登録、パスワードの発行等を受けるようにする。またこのような操作を介護者が行うようにしてもよい。
まず利用者はコンピュータ1を操作し、インターネット10を通じてサーバ11にアクセスするとともに、キーボード30の操作やバーコードを印刷したIDカードを用いる等してパスワードを入力するものであり、このパスワードに基づいて本人確認が行われログオンする(図示省略)。もちろん初めての利用の際には、パスワードは発行されていないため、適宜のウィザードに従って登録、パスワードの発行等を受けるようにする。またこのような操作を介護者が行うようにしてもよい。
〔問診プログラムの実行〕
続いて痴呆症の予防改善プログラムPが実行されるものであり、表示装置2には適宜のスタート画面が表示された後、問診プログラムP3が実行され、ステップS1において所定の質問が表示される。利用者はこの質問に対する回答を適宜キーボード30やマウス31によって入力する(ステップS2)。この実施例では「今年は何年ですか。」、「今月は何月ですか。」、「今日は何日ですか。」の三問について回答を求めるようにした。なお以下の説明において単に「表示される」と表現した場合には、前記表示装置2の画面に表示が成されることを意味するものである。
そして所定数の質問の表示と回答の入力が行われたことをステップS3において判断した場合にはステップS4に進んで目的決定プログラムP21が実施される。なおこの問診プログラムP3において入力された回答は、記憶装置4の適宜の領域に記録されるものであり、更に以下のプログラム実行中に利用者によって入力された情報も同様に記録されるものである。
なおこの実施例では、生活訓練プログラムP1、目的決定プログラムP21及び目的実行プログラムP22の各項目において入力を三回失敗した場合には、メッセージを画面表示して痴呆症の予防改善システムSを終了するようにした。この際、利用者の自信を喪失させたり、自尊心を傷つけないように配慮するものであり、例えば「お疲れさまでした!貴方の今回の挑戦は称賛に値します。またチャレンジして下さい!!」等のポジティブな言葉を表示するようにする。
続いて痴呆症の予防改善プログラムPが実行されるものであり、表示装置2には適宜のスタート画面が表示された後、問診プログラムP3が実行され、ステップS1において所定の質問が表示される。利用者はこの質問に対する回答を適宜キーボード30やマウス31によって入力する(ステップS2)。この実施例では「今年は何年ですか。」、「今月は何月ですか。」、「今日は何日ですか。」の三問について回答を求めるようにした。なお以下の説明において単に「表示される」と表現した場合には、前記表示装置2の画面に表示が成されることを意味するものである。
そして所定数の質問の表示と回答の入力が行われたことをステップS3において判断した場合にはステップS4に進んで目的決定プログラムP21が実施される。なおこの問診プログラムP3において入力された回答は、記憶装置4の適宜の領域に記録されるものであり、更に以下のプログラム実行中に利用者によって入力された情報も同様に記録されるものである。
なおこの実施例では、生活訓練プログラムP1、目的決定プログラムP21及び目的実行プログラムP22の各項目において入力を三回失敗した場合には、メッセージを画面表示して痴呆症の予防改善システムSを終了するようにした。この際、利用者の自信を喪失させたり、自尊心を傷つけないように配慮するものであり、例えば「お疲れさまでした!貴方の今回の挑戦は称賛に値します。またチャレンジして下さい!!」等のポジティブな言葉を表示するようにする。
〔目的決定プログラム(応用プログラム)の実行〕
次いでステップS4において、利用者の本システムに対する履歴及び問診プログラムP3においてなされた回答を基に、利用者のレベルを決定するものであり、この実施例では一例として、「初級」、「買物専用(中級)」、「複数組合せ(上級)」の三段階のレベルを設定した。そしてこれら各々のレベルに応じて目的決定プログラムP21において利用者が決定(選定)することのできる「目的」の態様を異ならせるものである。
具体的には「初級」では、利用者は図4に示した「食事」、「散歩」、「買物」、「用事」、「映画」、「趣味・習い事」、「発表会・展示会」の項目に該当するものの中から一つを選択できるものである。また「買物専用(中級)」では、利用者は前記項目の内、「買物」に該当するもののみを選択できるものであり、複数の目的地及び買物対象を選択できるものである。更にまた「複数組合せ(上級)」では、利用者は特に制限を受けることなく複数の項目を選択できるものである。
次いでステップS4において、利用者の本システムに対する履歴及び問診プログラムP3においてなされた回答を基に、利用者のレベルを決定するものであり、この実施例では一例として、「初級」、「買物専用(中級)」、「複数組合せ(上級)」の三段階のレベルを設定した。そしてこれら各々のレベルに応じて目的決定プログラムP21において利用者が決定(選定)することのできる「目的」の態様を異ならせるものである。
具体的には「初級」では、利用者は図4に示した「食事」、「散歩」、「買物」、「用事」、「映画」、「趣味・習い事」、「発表会・展示会」の項目に該当するものの中から一つを選択できるものである。また「買物専用(中級)」では、利用者は前記項目の内、「買物」に該当するもののみを選択できるものであり、複数の目的地及び買物対象を選択できるものである。更にまた「複数組合せ(上級)」では、利用者は特に制限を受けることなく複数の項目を選択できるものである。
そしてステップS5において図4に示す目的リストが表示されるものであり、利用者はステップS6において「目的」を決定して入力する。続いてステップS7において図5に示す目的地リストが表示されるものであり、利用者はステップS8において「目的地」を決定して入力する。そしてステップS9において前記ステップS4において決定された利用者のレベルに応じた数の「目的」及び「目的地」の決定が完了したことが確認されたらステップS10に進み、そうでなければステップS5に戻って次の「目的」及び「目的地」の決定が行われる。なおこの実施例では、「初級」レベルの利用者が「目的」として「食事」を選択し、「目的地」として「レストラン」を選択する場合を想定して説明するものとする。
〔生活訓練プログラムの実行〕
そしてステップS10において利用者が行う訓練プログラムP11の選定を行うものであり、この実施例では、利用者が過去に実施した訓練プログラムP11の情報及びステップS1〜ステップS3で行った問診プログラムP3の結果等に応じてシステム側で選定するものである。もちろん利用者自身が図6に示す訓練プログラムP11のリストの中から選定するようにしてもよい。またこの実施例では一例として、「身の回り点検」、「家の回り点検」、「玄関の鍵点検」の三種類の訓練プログラムP11を実施するようにしたがこの数については適宜加減できるものである。
そしてステップS10において利用者が行う訓練プログラムP11の選定を行うものであり、この実施例では、利用者が過去に実施した訓練プログラムP11の情報及びステップS1〜ステップS3で行った問診プログラムP3の結果等に応じてシステム側で選定するものである。もちろん利用者自身が図6に示す訓練プログラムP11のリストの中から選定するようにしてもよい。またこの実施例では一例として、「身の回り点検」、「家の回り点検」、「玄関の鍵点検」の三種類の訓練プログラムP11を実施するようにしたがこの数については適宜加減できるものである。
そして利用者はまずステップS11において訓練プログラムP11である「身の回り点検」を実行することにより、「身の回り点検」の模擬体験をする。
具体的には、この実施例では図7に示すように、まず「服装」の点検を行い、続いて「財布」の点検及び「お金」の金額の確認を行い、引き続いて「用便」の確認を行うものである。なお各点検項目では、表示装置2にアニメーションやCGを表示するものであり、服、財布、お金、トイレ等を映し出した画面中に利用者が入り込み、マウス31やキーボード30の操作によって上記各動作を行えるようにした。
また例えば「用便」を完了した後に水を流す音をスピーカ8から出すようにすれば、模擬体験がより現実的なものとなる。
具体的には、この実施例では図7に示すように、まず「服装」の点検を行い、続いて「財布」の点検及び「お金」の金額の確認を行い、引き続いて「用便」の確認を行うものである。なお各点検項目では、表示装置2にアニメーションやCGを表示するものであり、服、財布、お金、トイレ等を映し出した画面中に利用者が入り込み、マウス31やキーボード30の操作によって上記各動作を行えるようにした。
また例えば「用便」を完了した後に水を流す音をスピーカ8から出すようにすれば、模擬体験がより現実的なものとなる。
またステップS12において訓練プログラムP11である「家の回り点検」を実行することにより、利用者は「家の回り点検」の模擬体験をするものである。
具体的には、この実施例では図8に示すように、まず「ガス」の点検を行い、続いて「水道」、「電気」、「風呂」、「戸締り」の点検を行うものである。なおそれぞれの点検項目では、アニメーションやCGによって表現された画像によって確認を行うようにするものであり、例えば「電気」の点検では居間、寝室、台所、風呂場等複数個所のうちの任意の部屋の電気がランダムに点灯された状態とし、利用者が適宜の操作を行って全ての電気が消えた状態となるようにするようにした。
具体的には、この実施例では図8に示すように、まず「ガス」の点検を行い、続いて「水道」、「電気」、「風呂」、「戸締り」の点検を行うものである。なおそれぞれの点検項目では、アニメーションやCGによって表現された画像によって確認を行うようにするものであり、例えば「電気」の点検では居間、寝室、台所、風呂場等複数個所のうちの任意の部屋の電気がランダムに点灯された状態とし、利用者が適宜の操作を行って全ての電気が消えた状態となるようにするようにした。
更にまたステップS13において訓練プログラムP11である「玄関の鍵点検」を実行することにより、利用者は図9に示すように「 玄関の内側」、「 玄関の外側」双方の「玄関の鍵点検」の模擬体験をするものである。
なおこの点検項目でも、アニメーションやCGによって表現された画像によって確認を行うようにするものであり、玄関を映し出した画面中に利用者が入り込み、マウス31やキーボード30の操作によって施錠動作を行うようにした。
なおこの点検項目でも、アニメーションやCGによって表現された画像によって確認を行うようにするものであり、玄関を映し出した画面中に利用者が入り込み、マウス31やキーボード30の操作によって施錠動作を行うようにした。
〔目的実行プログラム(応用プログラム)の実行〕
次いでステップS14に進み目的実行プログラムP22を実行するものであり、図10に示すように表示装置2には地図が表示され、複数個所から自分が居る所を選択させるようにする。この実施例では「1.自宅」、「2.病院」、「3.介護センター」の三カ所を表示するとともに、「あなたの居る場所はどこですか。判りましたらマウスで場所をクリックして下さい。」とのメッセージを表示したり、スピーカ8から音声として出力するようにする。
そしてステップS15において、利用者が地図の中から自分の現在地を正確に選択したらステップS16に進む。
次いでステップS14に進み目的実行プログラムP22を実行するものであり、図10に示すように表示装置2には地図が表示され、複数個所から自分が居る所を選択させるようにする。この実施例では「1.自宅」、「2.病院」、「3.介護センター」の三カ所を表示するとともに、「あなたの居る場所はどこですか。判りましたらマウスで場所をクリックして下さい。」とのメッセージを表示したり、スピーカ8から音声として出力するようにする。
そしてステップS15において、利用者が地図の中から自分の現在地を正確に選択したらステップS16に進む。
続いてステップS16において図11に示すように表示装置2には目的地の地図が表示されるものであり、複数個所から自分が行く所を選択させるようにする。この実施例ではステップS5において表示した「目的地」である「1.喫茶店」、「2.レストラン」、「3.狩野川公園」、「4.千本公園」、「5.デパート」、「6.スーパーマーケット」、「7.商店街」、「8.市役所」、「9.銀行」、「10.駅」、「11.郵便局」、「12.映画館」、「13.学校」及び「14.文化会館」の十四カ所を表示するとともに、「あなたの目的地はどこですか。判りましたらマウスで場所をクリックして下さい。」とのメッセージを表示またはスピーカ8から流すようにする。
そしてステップS17において、利用者が地図の中から自分の目的地を正確に選択したらステップS18に進む。
そしてステップS17において、利用者が地図の中から自分の目的地を正確に選択したらステップS18に進む。
そしてステップS18において図12に示すような移動手段のリストが表示されるものであり、利用者はステップS19においてリストの中から適宜の移動手段を選択する。この実施例では、「1.タクシー」、「2.バス」、「3.徒歩」、「4.電車」の中から選択させるようにしたが、例えば「現在地」と「目的地」とが近い場合には徒歩のみが選択できるようにする。なお「現在地」と「目的地」とが遠い場合にはタクシー、バス、電車の中から一手段または複数手段が選択できるようにして、移動手段選択の模擬体験がより現実的なものになるようにすることもできる。
そしてステップS20において表示装置2には移動風景が映し出されるものであり、「現在地」(出発点)から「目的地」までのタクシー、バスまたは電車の車窓あるいは歩行者の視界の映像が映し出される(図12、ステップS21、ステップS22)。
続いてステップS23において目的プログラムP220が実行されるものであり、まず「目的地」である「レストラン」の入口の映像が表示装置2に映し出されるものであり、利用者は確認の入力を行う (図13参照)。
続いて「レストラン」の内部映像が映し出されるものであり、更に「目的」である「食事」を達成するためのアイテムが表示されるものであり、この実施例では図14に示すようなメニューMが表示される。そして利用者はメニューMの中から適宜の品目を選択することにより、「目的」を達成することとなる。なおこのとき、画面上に所持金の額を表示しておき、所持金を超えた消費ができないようにすることもできる。
続いて「レストラン」の内部映像が映し出されるものであり、更に「目的」である「食事」を達成するためのアイテムが表示されるものであり、この実施例では図14に示すようなメニューMが表示される。そして利用者はメニューMの中から適宜の品目を選択することにより、「目的」を達成することとなる。なおこのとき、画面上に所持金の額を表示しておき、所持金を超えた消費ができないようにすることもできる。
そしてステップS24において、前記ステップS6で決定した目的を全て達成したかどうかを判断し、達成していた場合はステップS25に進んで終了画面を表示する。一方、達成していなかった場合には、ステップS14に戻って次の目的を達成するための一連の模擬体験を行ってゆく(ステップS14〜ステップS23)。
〔結果判定〕
そしてステップS26において結果判定を行うものであり、図15に示すように、生活訓練プログラムP1、応用プログラムP2および問診プログラムP3において利用者が入力した情報と、これに基づいて判断された痴呆症の度合い等を表示する。なおこの表示については、利用者及びその家族等への配慮として、施設の関係者あるいは管理者のみが判る記号や数字としたり、前記表示装置2とは別の装置に表示するようにした。
そしてステップS26において結果判定を行うものであり、図15に示すように、生活訓練プログラムP1、応用プログラムP2および問診プログラムP3において利用者が入力した情報と、これに基づいて判断された痴呆症の度合い等を表示する。なおこの表示については、利用者及びその家族等への配慮として、施設の関係者あるいは管理者のみが判る記号や数字としたり、前記表示装置2とは別の装置に表示するようにした。
なおこの結果表示の次に、利用者が交通手段を選択、利用して居所に戻り、財布を元の場所に戻すといったところまで模擬体験を行わせるようにすることもできる。
〔改変例〕
本発明は上述した実施例を基本となる実施例とするものであるが、本発明の技術的思想に基づいて以下に示すような改変を加えることもできる。
まず上述した基本となる実施例では、生活訓練プログラムP1、目的決定プログラムP21及び目的実行プログラムP22の各項目において入力を三回失敗した場合には、メッセージを画面表示して痴呆症の予防改善システムSを終了するようにしたが、各項目において失敗が重なった場合であっても、次の段階に進むようにすることもできる。
更に各項目において三回失敗するような状況では、利用者の集中力が低下しているケースもあるため、いったん痴呆症の改善プログラムPから離れ、利用者に1/f画像、1/f音声あるいは刺激図形を視聴させて脳波をα波の状態とするとともに短期記憶を活性化させたのち、再び痴呆症の改善プログラムPに戻るようにすることもできる。
ここで前記「1/fゆらぎ画像」とは、1/fゆらぎを有する動画または静止画を意味するものであり、1/fゆらぎを有する動画の例としては、風によって湖面に小波が発生する映像や、微風で揺れる草木や枝の映像等の「自然画像」が挙げられ、その動きに関するパワースペクトルが1/f型スペクトルとなるものである。また1/fゆらぎを有する静止画の例としては、マンガ、水墨画等の「抽象画」や、木目模様等の「自然画像」あるいはこれらの画像を0.1〜2Hzで揺らしたもの等が挙げられ、その空間周波数に関するパワースペクトルが1/f型スペクトルとなるものである。なお前記空間周波数とは、視角一度当たりに、明暗の繰り返しが何周期あるかを示すものである。
本発明は上述した実施例を基本となる実施例とするものであるが、本発明の技術的思想に基づいて以下に示すような改変を加えることもできる。
まず上述した基本となる実施例では、生活訓練プログラムP1、目的決定プログラムP21及び目的実行プログラムP22の各項目において入力を三回失敗した場合には、メッセージを画面表示して痴呆症の予防改善システムSを終了するようにしたが、各項目において失敗が重なった場合であっても、次の段階に進むようにすることもできる。
更に各項目において三回失敗するような状況では、利用者の集中力が低下しているケースもあるため、いったん痴呆症の改善プログラムPから離れ、利用者に1/f画像、1/f音声あるいは刺激図形を視聴させて脳波をα波の状態とするとともに短期記憶を活性化させたのち、再び痴呆症の改善プログラムPに戻るようにすることもできる。
ここで前記「1/fゆらぎ画像」とは、1/fゆらぎを有する動画または静止画を意味するものであり、1/fゆらぎを有する動画の例としては、風によって湖面に小波が発生する映像や、微風で揺れる草木や枝の映像等の「自然画像」が挙げられ、その動きに関するパワースペクトルが1/f型スペクトルとなるものである。また1/fゆらぎを有する静止画の例としては、マンガ、水墨画等の「抽象画」や、木目模様等の「自然画像」あるいはこれらの画像を0.1〜2Hzで揺らしたもの等が挙げられ、その空間周波数に関するパワースペクトルが1/f型スペクトルとなるものである。なお前記空間周波数とは、視角一度当たりに、明暗の繰り返しが何周期あるかを示すものである。
また前記「1/fゆらぎ音声」としては、「クラッシック音楽」、波打ち際の音や川のせせらぎ等の「自然音」、人工的に作成した「特殊効果音」等、その音響出力あるいは周波数変動に関するパワースペクトルが1/f型スペクトルとなるものである。
更にまた前記「刺激図形」とは、脳神経細胞を刺激する形状、傾き、色彩、空間周波数を有する図形を意味するものである。具体的には、人間の脳神経細胞(大脳皮質一次視覚野)は、色(赤、青、緑等)、形状(人の顔、建物等)、模様(縦縞、横縞等)等毎にそれぞれ応答する脳神経細胞が異なるものであり、刺激図形はこれに従って種々の色彩、模様、形状の刺激図形が用意されるものである。
また上記基本となる実施例で示した痴呆症の予防改善システムSは、コンピュータ1をインターネット10を通じてサーバ11に接続するネットワーク接続型のシステムとして構成したものであり、痴呆症の予防改善プログラムPをサーバ11内に記録したシステムであったが、前記痴呆症の予防改善プログラムPをコンピュータ1に具えた記憶装置4あるいはCD−ROM、DVD−ROM等のメディアに記録したスタンドアロン型のシステムとして構成することもできる。
また前記基本となる実施例では、コンピュータ1として市販のデスクトップ型パソコンを適用したが、近時高性能化が著しい家庭用ゲーム機を用いることも可能であり、この場合、表示装置2としてはテレビ受像機が用いられる。
もちろんこの場合でも、痴呆症の予防改善システムSは、ネットワーク接続型またはスタンドアロン型のいずれの形態をも採ることができる。
もちろんこの場合でも、痴呆症の予防改善システムSは、ネットワーク接続型またはスタンドアロン型のいずれの形態をも採ることができる。
更にまた前記基本となる実施例では、入力装置3としてキーボード30及びマウス31を用いたが、高齢者にとってこれら入力装置3は必ずしも扱いやすいものではないため、表示装置2たるディスプレイをタッチパネル式のものにして入力装置3の機能を持たせるようにしてもよい。また入力ボタンを大きくした専用の入力装置を製作してこれを用いるようにしてもよい。
更にまた前記基本となる実施例では、目的地までの移動中の動画を表示装置2上に表示するようにしたが、3DCGで作成された仮想空間を表示装置2に表示し、利用者がキーボード30やマウス31を操作して仮想空間内を移動できるようにしてもよい。
1 コンピュータ
1A 本体
2 表示装置
3 入力装置
30 キーボード
31 マウス
32 マイク
4 記憶装置
5 処理装置
6 メディアドライブ
7 通信デバイス
8 スピーカ
10 インターネット
11 サーバ
12 インターネットサービスプロバイダ
13 インターネットサービスプロバイダ
P 痴呆症の予防改善プログラム
P1 生活訓練プログラム
P11 訓練プログラム
P2 応用プログラム
P21 目的決定プログラム
P22 目的実行プログラム
P220 目的プログラム
P3 問診プログラム
S 痴呆症の予防改善システム
M メニュー
1A 本体
2 表示装置
3 入力装置
30 キーボード
31 マウス
32 マイク
4 記憶装置
5 処理装置
6 メディアドライブ
7 通信デバイス
8 スピーカ
10 インターネット
11 サーバ
12 インターネットサービスプロバイダ
13 インターネットサービスプロバイダ
P 痴呆症の予防改善プログラム
P1 生活訓練プログラム
P11 訓練プログラム
P2 応用プログラム
P21 目的決定プログラム
P22 目的実行プログラム
P220 目的プログラム
P3 問診プログラム
S 痴呆症の予防改善システム
M メニュー
Claims (6)
- 表示装置と、入力装置と、記憶装置と、処理装置とを具えて成るコンピュータを用い、前記表示装置上の表示に従って利用者が入力を行うことにより痴呆症の予防改善プログラムを実行してゆくシステムにおいて、前記記憶装置に記録される痴呆症の予防改善プログラムには、生活訓練プログラムと、応用プログラムとが含まれるものであり、これらのプログラムを実行することにより利用者に模擬体験をさせ、この模擬体験にともなう思考、決定、想起等の精神活動を通じて利用者の脳を刺激し、痴呆症の予防と改善を図るようにしたことを特徴とする痴呆症の予防改善システム。
- 前記生活訓練プログラムは、自宅内における生活行動の模擬体験を実施するためのものであり、且つ複数の訓練プログラムの中から適宜のものが適当数選択されて実行されることを特徴とする請求項1記載の痴呆症の予防改善システム。
- 前記応用プログラムは、利用者によって実行される目的を利用者自身によって決定する目的決定プログラムと、この目的決定プログラムにおいて決定された目的を実施する目的実行プログラムとを含むものであることを特徴とする請求項1または2記載の痴呆症の予防改善システム。
- 前記目的実行プログラムは、自宅外における生活行動の模擬体験を実施するためのものであり、且つ複数の目的プログラムの中から利用者自身によって選択された一または複数の目的プログラムが実行されるものであることを特徴とする請求項3記載の痴呆症の予防改善システム。
- 前記記憶装置には、前記生活訓練プログラム及び応用プログラムに加え、問診プログラムが記録されるものであり、前記目的決定プログラムの実行中に決定された目的と、前記目的実行プログラムの実行中に利用者によって選択されて実行された目的プログラムとを比較した結果または問診プログラムの実行中に入力された結果のいずれか一方または双方から、利用者の状態を判断することを特徴とする請求項4記載の痴呆症の予防改善システム。
- 前記目的決定プログラムの実行中に決定される目的は、難易度に応じて一または複数が選択されるものであることを特徴とする請求項3、4または5記載の痴呆症の予防改善システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003405018A JP2005160806A (ja) | 2003-12-03 | 2003-12-03 | 痴呆症の予防改善システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003405018A JP2005160806A (ja) | 2003-12-03 | 2003-12-03 | 痴呆症の予防改善システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005160806A true JP2005160806A (ja) | 2005-06-23 |
Family
ID=34727843
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003405018A Pending JP2005160806A (ja) | 2003-12-03 | 2003-12-03 | 痴呆症の予防改善システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005160806A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009092696A (ja) * | 2007-10-03 | 2009-04-30 | Sapporo Medical Univ | 前頭連合野リハビリテーションプログラムおよび前頭連合野リハビリテーションシステム |
JP2015508296A (ja) * | 2012-01-20 | 2015-03-19 | ガバプラス. カンパニー リミテッド | 痴呆予防のための脳機能向上システム及びその運用方法 |
-
2003
- 2003-12-03 JP JP2003405018A patent/JP2005160806A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009092696A (ja) * | 2007-10-03 | 2009-04-30 | Sapporo Medical Univ | 前頭連合野リハビリテーションプログラムおよび前頭連合野リハビリテーションシステム |
JP2015508296A (ja) * | 2012-01-20 | 2015-03-19 | ガバプラス. カンパニー リミテッド | 痴呆予防のための脳機能向上システム及びその運用方法 |
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