JP2005151908A - 核酸凝縮制御剤キット及び核酸凝縮制御方法 - Google Patents

核酸凝縮制御剤キット及び核酸凝縮制御方法 Download PDF

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静昭 村田
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Abstract

【課題】 生物細胞等の破壊や不安定化を招かない、2本鎖核酸の凝縮と凝縮状態の解除とのスイッチング制御技術を提供する。
【解決手段】 2本鎖核酸の凝縮作用に関して互いに拮抗的に作用する不斉分子の異性体を用いるものであって、一方の異性体を有効成分とする第1剤と、他方の異性体を有効成分とする第2剤とからなり、2本鎖核酸の凝縮及び凝縮解除のスイッチング制御に用いる核酸凝縮制御剤キット。この核酸凝縮制御剤キットの第1剤と第2剤とを使い分けて2本鎖核酸の凝縮及び凝縮解除のスイッチング制御を行う核酸凝縮制御方法。
【選択図】 図6

Description

本発明は核酸凝縮制御剤キット及び核酸凝縮制御方法に関する。更に詳しくは、本発明は、不斉分子の異性体が2本鎖核酸の凝縮作用に関して互いに拮抗的に作用する場合がある、と言う新規な知見に基づいて提供される核酸凝縮制御剤キットと、このキットを利用して2本鎖核酸の凝縮及び凝縮解除のスイッチング制御を行う核酸凝縮制御方法とに関する。
2本鎖核酸の凝縮制御技術は、2本鎖核酸を凝縮(折り畳み)させることと、この凝縮状態を解除させることとからなる。2本鎖核酸を凝縮させる際には蛍光色素等を用いて凝縮核酸を可視化させることも可能である。近年において、2本鎖DNA等の2本鎖核酸の凝縮現象を制御することは、重要な技術であると認識されている。このような技術は、例えば遺伝子治療においては、リポソームからなる人工ベクターに遺伝子を封入して標的細胞内に送り込むために必須のテクニックである。又、一般的に、2本鎖核酸の凝縮制御を行うことにより、DNAの転写や複製等の分子生物学的機能を解析し制御することが可能となる。
2本鎖核酸の凝縮のメカニズムは、既にある程度解明されている。そして核酸凝縮を引起こす凝縮剤についても、例えばポリアミン等の多価カチオンが有効であることが知られている。下記の非特許文献1及び非特許文献2では、4級アンモニウムジカチオンを用いて2本鎖DNAを凝縮させる技術が開示されている。これらの4級アンモニウムジカチオンは、不斉炭素原子を含まないためにS体、R体と言う光学異性体は存在せず、更に、広義のいわゆる不斉分子にも該当しないものである。
M. P. Singh, B. Plouvier, G. C. Hill, J. Gueck,R. T. Pon, J. W. Lown, J. Am. Chem. Soc. 116, 7006-7020(1994) X. Qu, J. O. Trent, I. Fokt, W. Priebe,J. B. Chaires, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 97, 12032-12037(2000) 凝縮剤による2本鎖DNAの凝縮は、凝縮剤の濃度平衡に依存している。このため、上記の各種の凝縮剤を用いて2本鎖DNAを凝縮させた場合、この凝縮剤を希釈することによって2本鎖DNAの凝縮状態を少なくとも緩和させることは可能である。しかしこのような方法による場合、凝縮状態の解除が中途半端になり易い。即ち、2本鎖DNAの凝縮状態と、その凝縮状態の解除とをそれぞれ明確に切り換えて発現させるスイッチング制御は困難である。
一方、2本鎖DNAの凝縮状態を積極的に解除させる凝縮解除剤(脱凝縮剤)も知られており、例えばポリエチレングリコール等が例示される。理論的には、互いに拮抗的に作用する上記の凝縮剤と凝縮解除剤とを使い分けることにより、2本鎖DNAの凝縮と凝縮解除とのスイッチング制御が可能であると考えることもできる。
しかし、2本鎖核酸の凝縮制御技術は、前記した遺伝子治療やDNAの転写/複製の研究等の例示からも分かるように、主として生物細胞やこれに準ずる細胞モデル中での2本鎖核酸の挙動等を追求するための手段であることが多い。従って、その技術目的を達成するためには、第1の条件として上記のスイッチング制御が可能であることを要求される他、第2の条件として凝縮制御技術が生物細胞やその細胞モデルの破壊や不安定化を招くようなものでないことが要求される。2本鎖核酸の凝縮制御技術がこれらの第1の条件及び第2の条件を併せ備えないことは、致命的な欠点であると言わねばならない。
前記した従来技術において、凝縮剤を用いて2本鎖DNAを凝縮させると共に凝縮剤を希釈して2本鎖DNAの凝縮状態を緩和させると言う方法は、そもそも第1の条件たるスイッチング制御が困難である。
次に、拮抗的に作用する凝縮剤と凝縮解除剤とを使い分けると言う方法では、第1の条件はクリアできる。しかしながら、公知の凝縮剤と凝縮解除剤との組み合わせは、例えば前者が4級アンモニウムジカチオンであり、後者がポリエチレングリコールである場合を想定すれば容易に了解されるように、両者の分子量や、溶質としての電気化学的性質等が互いに異なる。しかも、これらが大きく異なる場合が多い。このため、スイッチング制御の過程において、生物細胞を含む溶液系の浸透圧に無視できない落差を生じたり、溶媒の極性に無視できない変化を生じたりして、センシティブな生物細胞等の破壊や不安定化を招く恐れが大きい。即ち、上記した第2の条件をクリアできない。
そこで本発明は、凝縮と凝縮状態の解除とを明確に発現させるスイッチング制御が可能であると言う第1の条件と、2本鎖核酸を含む生物細胞やその細胞モデルの破壊や不安定化を招く恐れがないと言う第2の条件とを満たす2本鎖核酸の凝縮制御技術を提供することを、解決すべき技術的課題とする。本願発明者は、2本鎖核酸の凝縮制御技術を研究する過程において、生物細胞に対して無害である一定の不斉分子の異性体が、2本鎖核酸の凝縮に関して互いに強い拮抗的作用を示すと言う驚くべき知見を得た。本願発明は、この新規な知見に基づいて完成されたものである。
(第1発明の構成)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、異性体が2本鎖核酸の凝縮作用に関して互いに拮抗的に作用することが確認された不斉分子の一方の異性体を有効成分とする第1剤と、前記不斉分子の他方の異性体を有効成分とする第2剤とからなり、2本鎖核酸の凝縮及び凝縮解除のスイッチング制御に用いるものである、核酸凝縮制御剤キットである。
なお、上記の「一方の異性体」、「他方の異性体」とは、その不斉分子の異性体が2種類しかない場合にはその2種類の異性体の各一方を指すが、不斉分子の異性体が3種類以上ある場合においては、その内の2本鎖核酸の凝縮作用を示す異性体と2本鎖核酸の凝縮解除作用を示す異性体とを選択的に指しており、いずれの作用も示さない異性体は含まれない。
(第2発明の構成)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、前記第1発明に係る一方の異性体と他方の異性体とがそれぞれ2本鎖核酸の50%を凝縮状態とするのに必要な濃度が、相対的に10倍以上異なる、核酸凝縮制御剤キットである。
(第3発明の構成)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、前記第1発明又は第2発明に係る不斉分子がC対称性又はD対称性を有する分子構造を持ち、かつ、スペーサーにより互いに隔てられた2個の陽荷電部を備える、核酸凝縮制御剤キットである。
(第4発明の構成)
上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、前記第1発明〜第3発明のいずれかに係る不斉分子が分子中に2個の不斉炭素原子を有するものであり、かつ、一方の異性体が2個の不斉炭素原子においてS体としての立体配置を備え、他方の異性体が2個の不斉炭素原子においてR体としての立体配置を備えるものである、核酸凝縮制御剤キットである。
(第5発明の構成)
上記課題を解決するための本願第5発明の構成は、前記第1発明〜第4発明のいずれかに係る不斉分子が4級ジアンモニウムジカチオンである、核酸凝縮制御剤キットである。
(第6発明の構成)
上記課題を解決するための本願第6発明の構成は、前記第5発明に係る4級ジアンモニウムジカチオンが、2,3−イソプロピリデンジオキシ−N,N,N,N’,N’,N’−ヘキサメチル−1,4−ブタンジアンモニウムである、核酸凝縮制御剤キットである。
(第7発明の構成)
上記課題を解決するための本願第7発明の構成は、第1発明〜第6発明のいずれかに係る核酸凝縮制御剤キットの第1剤と第2剤とを使い分けて、2本鎖核酸の凝縮及び凝縮解除のスイッチング制御を行う、核酸凝縮制御方法である。
(第1発明の効果)
第1発明の核酸凝縮制御剤キットは、同一の不斉分子の異性体であって2本鎖核酸の凝縮作用に関して互いに拮抗的に作用するものをそれぞれ有効成分とする第1剤及び第2剤からなる。従って、第1剤と第2剤との使い分けにより2本鎖核酸の凝縮及び凝縮解除の良好なスイッチング制御を行うことができる。即ち、2本鎖核酸の凝縮制御技術としての前記第1の条件を満足することができる。
次に、第1剤と第2剤との有効成分は同一の不斉分子の異性体であるから分子量が同一であり、溶質としての電気化学的性質も事実上同一である。従ってスイッチング制御の過程において生物細胞を含む溶液系の浸透圧に落差を生じたり、溶媒の極性に変化を生じたりしてセンシティブな生物細胞等の破壊や不安定化を招く恐れがない。即ち、2本鎖核酸の凝縮制御技術としての前記第2の条件を満足することができる。
2本鎖核酸の凝縮作用に関して、不斉分子の異性体が互いに拮抗的に作用する場合がある理由については、必ずしも完全には解明していない。しかし本願発明者は、次のような推定が合理的かつリーズナブルであると考えている。
図1のように、同一の不斉分子の異性体1、2が分子の両端部に1対の陽荷電部3を備え、かつ1対の陽荷電部3が分子軸に対して逆方向へ突出している構造である場合を考える。この場合、図示するように、異性体1、2における陽荷電部3の突出方向は、立体構造の相違に起因して、互いに対称になり得る。このような不斉分子が2重螺旋構造を取る2本のDNA鎖4、4’に対して方向性を以て結合(例えば、マイナーグルーブへの結合、又は塩基の層間へのインターカレート)する場合、異性体1では、1対の陽荷電部3がDNA鎖4、4’の陰荷電部5(リン酸結合部)に近接して位置する。即ち、1対の陽荷電部3がDNA鎖4、4’の陰荷電部5に対して良好にマッチングするため、2本鎖核酸に対する強い凝縮作用を発揮する。一方、異性体2では、1対の陽荷電部3がDNA鎖4、4’の陰荷電部5から離隔して位置することとなり、上記のマッチングが悪いため、却って2本鎖核酸に対する凝縮解除作用を発揮するのである。
次に、図1よりも特殊化したケースとして、不斉分子が2個の不斉炭素原子を有する場合の光学異性体6、7、8について、図2に基づいて説明する。光学異性体6は2個の不斉炭素原子がいずれもS型の立体配置を取るものであり、その分子の両端部に備えた1対の陽荷電部9は図示の方向へ突出している。光学異性体7は、2個の不斉炭素原子がいずれもR型の立体配置を取るものであり、その1対の陽荷電部9が、光学異性体6の場合とは対称となる方向へ突出している。更に光学異性体8は2個の不斉炭素原子の一方がS型、他方がR型の立体配置を取るものであり、その1対の陽荷電部9が分子軸に対して同一方向へ突出している。
図2に示すように、光学異性体6においては、図1の異性体1の場合と同様に、1対の陽荷電部9がDNA鎖4、4’の陰荷電部5に対して良好にマッチングし、2本鎖核酸に対する強い凝縮作用を発揮する。光学異性体7では、図1の異性体2の場合と同様にDNA鎖4、4’の陰荷電部5に対する1対の陽荷電部9のマッチングが悪いため、却って2本鎖核酸に対する凝縮解除作用を発揮する。更に、光学異性体8では、DNA鎖4、4’の陰荷電部5に対して、片方の陽荷電部9のマッチングが良く、他の片方の陽荷電部9のマッチングが悪いため、2本鎖核酸に対する凝縮作用と凝縮解除作用とが相殺され、実質的にいずれの作用も示さない。
(第2発明の効果)
上記の第1発明において、2本鎖核酸の凝縮作用に関する一方の異性体と他方の異性体との「拮抗的作用」の程度は、要するに目的とするスイッチング制御を達成できる程度であれば良く、一概には限定されない。但し、好ましい拮抗的作用の具体的基準の一つとして、第2発明に規定する程度の拮抗的作用を例示することができる。
(第3発明の効果)
上記の第1発明に言う「不斉分子」の種類としては、必ずしも限定はされないが、C対称性又はD対称性を有する分子構造を持ち、かつスペーサーにより互いに隔てられた2個の陽荷電部を備えるものを、好ましく例示できる。少なくともこれらの不斉分子は、その立体構造如何により、図1や図2で説明した作用・効果を期待できる。
(第4発明の効果)
上記の第1発明に言う「不斉分子」として、分子中に2個の不斉炭素原子を有するものであり、かつ、一方の異性体が2個の不斉炭素原子においてS体としての立体配置を備え、他方の異性体が2個の不斉炭素原子においてR体としての立体配置を備えるものを特に好ましく例示できる。少なくともこれらの不斉分子は、図2で説明した作用・効果を期待できる。
なお、第4発明に規定する不斉分子においては理論的に3種類以上の光学異性体の存在が考えられるが、これらの異性体の内には、2本鎖核酸に対する凝縮作用も凝縮解除作用も明瞭には示さない異性体があり得ると考えられる。このような異性体は、第1剤又は第2剤の有効成分とはならない。
(第5発明の効果)
不斉分子として、とりわけ前記第3発明の条件を良好に満たす不斉分子として、第5発明に規定するような4級ジアンモニウムジカチオンのカテゴリーに属するものを、好ましく例示することができる。
(第6発明の効果)
不斉分子たる4級ジアンモニウムジカチオンの内でも、2,3−イソプロピリデンジオキシ−N,N,N,N’,N’,N’−ヘキサメチル−1,4−ブタンジアンモニウムをとりわけ好ましく例示することができる。
(第7発明の効果)
第7発明においては、上記した第1発明〜第6発明のいずれかに係る核酸凝縮制御剤キットの第1剤と第2剤とを使い分けるので、2本鎖核酸の凝縮及び凝縮解除の良好なスイッチング制御を行うことができる。
次に、本願の第1発明〜第7発明を実施するための形態を、その最良の形態を含めて説明する。以下において単に「本発明」と言う時は、本願の各発明を一括して指している。
〔核酸凝縮制御剤キット〕
本発明に係る核酸凝縮制御剤キットは、第1剤と第2剤とからなるセット物であり、その一方が核酸凝縮剤であり、他方が核酸凝縮解除剤である。核酸凝縮制御剤キットの用途は必ずしも限定されないが、2本鎖核酸の凝縮と凝縮解除とのスイッチング制御に用いるのに特に好適である。第1剤と第2剤それぞれの有効成分は、同一の不斉分子の異性体同士であって、一方の異性体は核酸凝縮作用、他方の異性体は核酸凝縮解除作用と言う拮抗的な作用を示す関係にある。
ここに「核酸凝縮作用」とは、図3(b)に示すように2本鎖DNA等の2本鎖核酸をコンパクトなグロビュール状態に凝縮させる作用を言い、「核酸凝縮解除作用」とは、コンパクトなグロビュール状態にある2本鎖核酸を図3(a)に示すように凝縮していないコイル状態まで凝縮解除させる作用を言う。
第1剤及び第2剤の有効成分における上記の拮抗的作用の程度は必ずしも限定されないが、一つの具体的かつ有効な基準として、一方の異性体と他方の異性体とがそれぞれ2本鎖核酸の50%を凝縮状態とするのに必要な濃度が、相対的に10倍以上異なる、と言うことを例示できる。あるいは、一方の異性体の一定濃度の溶液が非凝縮コイル状態にある2本鎖核酸の80%以上を凝縮させ、こうして凝縮した2本鎖核酸を他方の異性体の同一濃度の溶液に移した時に、凝縮核酸の60%以上において凝縮が解除される、と言うことを例示できる。
第1剤及び第2剤は、上記のような拮抗的作用を示す異性体の各一方を有効成分とする限りにおいて組成や剤型は限定されないが、有効成分のみからなる任意の剤型や、水又は緩衝液をベースとする溶液剤が特に好ましい。有効成分の種類によっては、水又は緩衝液をベースとする乳化液や懸濁液とすることもできる。液剤である第1剤及び第2剤における有効成分たる異性体の濃度は、その使用目的に応じて任意に設定されるものであり、全く限定されない。
〔不斉分子と異性体〕
上記した不斉分子としては、2本鎖核酸の凝縮作用を示す異性体と、2本鎖核酸の凝縮解除作用を示す異性体とが存在するものである限りにおいて、異性体が2種類しか存在しないものでも、異性体が3種類以上存在するものでも良い。異性体が3種類以上存在する不斉分子においては、それらの異性体の全てが2本鎖核酸の凝縮作用又は凝縮解除作用を示す必要はなく、その内の少なくとも2種類の異性体の一方が2本鎖核酸の凝縮作用を示し、他方が2本鎖核酸の凝縮解除作用を示せば足りる。
上記の要求を満たす限りにおいて、化合物としての不斉分子の種類は限定されない。好ましい不斉分子として、C対称性又はD対称性を有する分子構造を持つ化合物を例示することができる。周知のように、「C対称性」とは、構造式中に存在する対称要素として、ただ1本のn回回転軸のみを有する構造であることを言い、「D対称性」とは、構造式中に存在する対称要素として、ただ1本のn回回転軸とそれに直交するn本の2回回転軸のみを有する構造であることを言う。ビフェニル化合物、ビナフチル化合物、スピロ環化合物、アレン誘導体等の中には、C対称性又はD対称性を有する不斉分子があり得る。又、4級アンモニウム化合物では、不斉窒素原子を含む不斉分子があり得る。
又、不斉分子は、その分子中に2個の陽荷電部を備えることが好ましく、これらの2個の陽荷電部がスペーサーたる任意の中間構造部分により互いに隔てられた化学構造を有することが特に好ましく、上記の2個の陽荷電部が分子の長軸方向の両端又はその近傍に位置していることが、とりわけ好ましい。
不斉分子の好ましいカテゴリーの一つとして、上記の要求を満たす不斉分子であることを前提として、4級ジアンモニウムジカチオンを挙げることができる。4級ジアンモニウムジカチオンの内、実施例で使用している2,3−イソプロピリデンジオキシ−N,N,N,N’,N’,N’−ヘキサメチル−1,4−ブタンジアンモニウムは特に好ましい一例であり、この化合物の場合、異性体としてはSS体とRR体を使用できる。SS体とは2個の不斉炭素原子がいずれもS体型の立体配置を備えるものを言い、RR体とは2個の不斉炭素原子がいずれもR体型の立体配置を備えるものを言う。上記化合物においては、2個の不斉炭素原子の一方がS体型の立体配置を備え、他方がR体型の立体配置を備える異性体(これをメゾ体と呼ぶ)は、核酸の凝縮制御としては使用できない。
本発明に用いる不斉分子の異性体は、特に生物細胞や生物細胞モデルに対して適用する場合においては、これらに対して毒性等の不具合な性質を示さないものであることが望ましい。
〔核酸凝縮制御方法〕
本発明に係る核酸凝縮制御方法は、上記した核酸凝縮制御剤キットの第1剤と第2剤とを使い分けて、2本鎖核酸の凝縮及び凝縮解除のスイッチング制御を行うことを内容とする。
第1剤と第2剤とを「使い分ける」とは、例えば制御対称である2本鎖核酸や、あるいは2本鎖核酸を有する生物細胞又は生物細胞モデルを含む試料に対して、第1剤と第2剤のいずれか一方を適宜な濃度となるように投与して2本鎖核酸の凝縮を起こさせ、及び/又は、第1剤と第2剤のいずれか一方を適宜な濃度となるように投与して凝縮している2本鎖核酸の凝縮を解除させることを言う。
凝縮と凝縮解除とのスイッチングの際には、適宜な手段により第1剤と第2剤との相対的な濃度を必要な範囲で逆転させる。例えば、既に第1剤が投与されている試料液から検体たる2本鎖核酸、生物細胞又は生物細胞モデルを遠沈等によって分離した後、これらの検体を第2剤を含む液に溶かしたり、懸濁させたりすることができる。又、第1剤を含む試料液に対して、第1剤の濃度を有意に上回る濃度に第2剤を投与することも有効である。
周知のように、2本鎖核酸を凝縮させる際には、蛍光発色剤等を用いて視覚的ないしは光学的な観察を容易にする手法がある。本発明の核酸凝縮制御方法においても、この方法を利用することができる。可能ならば、第1剤/第2剤の有効成分たる異性体を、その分子内に蛍光発色部を備える化学構造とすることも考えられる。又、2本鎖核酸の凝縮や凝縮解除は、光吸収スペクトル法や光散乱法等で観察することも可能である。
次に本発明に係る実施例を説明する。これらの実施例が本発明の技術的範囲を限定するものでないことは、もちろんである。
(実施例1)
試料用の核酸を含む下記濃度組成の溶液を調製した。下記において「核酸」としては非凝縮状態にある約165.6kbpの2本鎖DNA(T4 DNA)を用いた。
10mM トリス緩衝溶液
0.2μM 核酸
4% 2−メルカプトエタノール
0.2μM DAPI(蛍光染色剤)
核酸凝縮剤 各所定濃度
なお、上記の「核酸凝縮剤」としては、2,3−イソプロピリデンジオキシ−N,N,N,N’,N’,N’−ヘキサメチル−1,4−ブタンジアンモニウムのSS体、RR体、メゾ体、又はこれらの異性体の任意の組合わせに係る混合物をそれぞれ用いた。従って、混合物にはラセミ体(SS体とRR体の等量混合物)も含まれる。SS体の構造を図4(a)に、RR体の構造を図4(b)に、メゾ体の構造を図4(c)に示す。
上記の各溶液について、蛍光顕微鏡にて各2本鎖DNAの長軸長を観察した。その結果を図5の(a)〜(c)に示す。図5の(a)は核酸凝縮剤がSS体である場合の結果を、図5の(b)は核酸凝縮剤がRR体である場合の結果を、図5の(c)は核酸凝縮剤がメゾ体である場合の結果を、それぞれ示す。又、図5の(a)〜(c)において、「 [SS],M 」等と表記した軸は核酸凝縮剤の濃度を、「L/μm 」と表記した軸は2本鎖DNAの長軸長を、「population」と表記した軸は該当する長軸長の2本鎖DNAの個数割合を、それぞれ示している。図5より分かるように、全体的には2本鎖DNAの長軸長が核酸凝縮剤の高濃度化に対応して相対的に短縮化する傾向が見られるが、SS体では2本鎖DNAの長軸長の分布が短縮化方向に著しくシフトしており、RR体では長軸長が短縮化していない傾向が顕著であり、メゾ体ではそれらの中間の傾向である。即ち、これらの各異性体は、2本鎖DNAの長軸長の分布に大きな相違をもたらすことが明瞭であった。
又、上記の図5のデータに基づき、長軸長が1μmを超えるコイル状態(非凝縮状態)の2本鎖DNAと、長軸長が1μm以下のグロビュール状態(凝縮状態)の2本鎖DNAとの個数をカウントした。その結果を図6に示す。図6の横軸( [dication] / M )は核酸凝縮剤の濃度を表し、縦軸( coil population, %)は2本鎖DNA中のコイル状態のものの個数割合(パーセンテージ)を表す。図6中、「SS」と表記したグラフは核酸凝縮剤がSS体である場合の結果を、「RR」と表記したグラフは核酸凝縮剤がRR体である場合の結果を、「meso」と表記したグラフは核酸凝縮剤がメゾ体である場合の結果を、「rac」と表記したグラフは核酸凝縮剤がラセミ体である場合の結果をそれぞれ示す。
更に、図7において、各異性体とその混合物の核酸凝縮能力を対比して示す。図7の「A」、「B」、「C」のグラフでは、「SS」はSS体を、「RR」はRR体を、「meso」はメゾ体をそれぞれ表す。更に、各グラフの中央に表記した「mix」とは、その両側に表記された異性体の等量混合物を表す。又、これらのグラフの縦軸は凝縮能( compaction activity)を示す。凝縮能とは、上記した試料溶液中の全2本鎖DNAの内、50%に凝縮状態を与える濃度の逆数を言う。
図7の「A」に示すように、SS体とRR体では凝縮能に顕著な相違が認められる。換言すれば、2本鎖DNAの50%を凝縮させるに必要な両者の濃度には10倍を超える相違が認められる。一方、図7の「B」及び「C」に示すように、メゾ体はSS体とRR体との中間程度の凝縮能を示す。なお、図7の「C」に示すように、メゾ体とRR体との間にも、凝縮能にかなりの相違が認められる。この凝縮能の相違が、例えば上記した2本鎖DNAの50%凝縮濃度に換算して10倍を超える相違である場合には、メゾ体とRR体とを用いて2本鎖DNAの凝縮と凝縮解除とのスイッチング制御を有効に行うことも可能であると考えられる。更に、図7の各グラフの全体から分かるように、2種異性体の混合物である「mix」は、ラセミ体の場合も含めて、常に混合された2種異性体の凝縮能の中間値を示している。
(比較例1)
アミノ酸であるリシンやアルギニンには、光学異性体の存在が知られている。そこで、リシン及びアルギニンについて、それぞれS体の3量体ペプチドとR体の3量体ペプチドとを調製し、これらを核酸凝縮剤として上記の実施例1の場合と同様の濃度組成で試料用溶液を調製した。そして実施例1の場合と同様に蛍光顕微鏡にて2本鎖DNAの長軸長を観察し、コイル状態(非凝縮状態)のものと、グロビュール状態(凝縮状態)のものとの個数をカウントした。
リシンの3量体ペプチドについての評価結果を図8の(a)に、アルギニンの3量体ペプチドについての評価結果を図8の(b)にそれぞれ示す。又、図8の(a)、(b)において、横軸は試料用溶液における核酸凝縮剤の濃度を表し、縦軸は全2本鎖DNA中のグロビュール状態にある2本鎖DNAの割合を表す。「S」の表記で示すグラフはS体の3量体ペプチドについての評価結果、「R」の表記で示すグラフはR体の3量体ペプチドについての評価結果を示す。
図8に示す結果から分かるように、リシンの3量体ペプチドにおいてはS体とR体との核酸凝縮能の差異がアルギニンの3量体ペプチドの場合よりも大きい。しかし、リシン/アルギニンのいずれの場合においても、2本鎖DNAの50%を凝縮させるに必要な両異性体の濃度には、10倍を大きく下回る相違しか認められない。よって、リシンやアルギニンの光学異性体は、本発明に係る核酸凝縮のスイッチング制御に用いることは困難である。
(実施例2)
試料用の核酸を含む下記濃度組成の溶液を調製した。核酸としては実施例1の場合と同じものを用いた。「SS体核酸凝縮剤」とは、実施例1で定義したSS体である核酸凝縮剤のことである。
10mM トリス緩衝溶液
0.2μM 核酸
4% 2−メルカプトエタノール
0.2μM DAPI(蛍光染色剤)
7mM SS体核酸凝縮剤
上記の溶液における各2本鎖DNAの長軸長を蛍光顕微鏡にて観察した。その結果としての長軸長の分布を図9の「SS」と表記したグラフに示した。図9において「L/μm 」と表記した軸は2本鎖DNAの長軸長を示し、「population」と表記した軸は該当する長軸長の2本鎖DNAの個数割合を示している。従って、大半の2本鎖DNAが、前記図3(b)に示すような十分に短縮化(凝縮)したグロビュール状態にあることが分かる。
次に、上記の溶液に対して実施例1で定義したRR体である核酸凝縮剤を20mMとなるように添加し、その30分後、及び1日後に、溶液における各2本鎖DNAの長軸長を蛍光顕微鏡にて観察した。その結果としての長軸長の分布を、30分後のものについては図9の「SS+RR」と表記したグラフに、1日後のものについては図9の「SS+RR 1day」と表記したグラフに、それぞれ示した。
これらのグラフの長軸長分布から、溶液中の2本鎖DNAの大半が図3(a)に示すような凝縮解除されたコイル状態に移行したことが分かる。即ち、2本鎖DNAをSS体によって凝縮させ、RR体によって凝縮解除させると言うサイクルにより、例えば試料溶液におけるSS体とRR体との濃度の制御に基づいて、十分に満足できるスイッチング制御を行い得ることが分かった。
本発明によって、2本鎖核酸の凝縮と凝縮状態の解除とのスイッチング制御が、2本鎖核酸を含む生物細胞やその細胞モデルの破壊や不安定化を招くことなく、可能となる。
不斉分子の異性体による作用の相違を簡略化して説明する図である。
不斉分子の異性体による作用の相違を簡略化して説明する図である。
2本鎖核酸の凝縮したグロビュール状態と、凝縮していないコイル状態とを示すスケッチ図である。
実施例で用いた不斉分子の異性体構造を示す図である。
2本鎖DNAの長軸長の分布を示すグラフである。
2本鎖DNAにおけるコイル状態のものの個数割合を表すグラフである。
実施例で用いた各異性体の核酸凝縮能力を対比して示すグラフである。
比較例で用いた不斉分子の各異性体の核酸凝縮能力を示すグラフである。
2本鎖DNAのスイッチング制御に関わるデータを示すグラフである。
符号の説明
1 異性体
2 異性体
3 陽荷電部
4、4’ DNA鎖
5 陰荷電部
6 光学異性体
7 光学異性体
8 光学異性体
9 陽荷電部

Claims (7)

  1. 異性体が2本鎖核酸の凝縮作用に関して互いに拮抗的に作用することが確認された不斉分子の一方の異性体を有効成分とする第1剤と、前記不斉分子の他方の異性体を有効成分とする第2剤とからなり、2本鎖核酸の凝縮及び凝縮解除のスイッチング制御に用いるものであることを特徴とする核酸凝縮制御剤キット。
  2. 前記一方の異性体と他方の異性体とがそれぞれ2本鎖核酸の50%を凝縮状態とするのに必要な濃度が、相対的に10倍以上異なることを特徴とする請求項1に記載の核酸凝縮制御剤キット。
  3. 前記不斉分子がC対称性又はD対称性を有する分子構造を持ち、かつ、スペーサーにより互いに隔てられた2個の陽荷電部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の核酸凝縮制御剤キット。
  4. 前記不斉分子が分子中に2個の不斉炭素原子を有するものであり、かつ、一方の異性体が2個の不斉炭素原子においてS体としての立体配置を備え、他方の異性体が2個の不斉炭素原子においてR体としての立体配置を備えるものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の核酸凝縮制御剤キット。
  5. 前記不斉分子が4級ジアンモニウムジカチオンであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の核酸凝縮制御剤キット。
  6. 前記4級ジアンモニウムジカチオンが、2,3−イソプロピリデンジオキシ−N,N,N,N’,N’,N’−ヘキサメチル−1,4−ブタンジアンモニウムであることを特徴とする請求項5に記載の核酸凝縮制御剤キット。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の核酸凝縮制御剤キットの第1剤と第2剤とを使い分けて、2本鎖核酸の凝縮及び凝縮解除のスイッチング制御を行うことを特徴とする核酸凝縮制御方法。
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