JP2005151769A - 電源システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 商用系統の周波数制御に使用される電源装置の設置者の利益を大きく損なうことなく、商用系統周波数の周波数制御を行うことができる電源システムを提供する。
【解決手段】 指令される電源電力を電源装置23、33にて出力するように構成された電源システム20、30であって、電源装置23、33には、商用系統60における商用系統周波数を監視する周波数監視手段21、31と、商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が設定不感帯範囲内にないとき、周波数偏差を小さくするための変動電力を、周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、指令される電源電力に変動電力を加算して電源装置から出力させる出力制御手段22、32と、設定不感帯範囲を時刻に合わせて設定する不感帯設定手段とが設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、指令される電源電力を、商用系統に接続された電源装置にて出力するように構成された電源システムに関する。
かかる電源システムの電源装置としては、電力会社(一般電気事業者)や特定規模電気事業者などが商用電源として設置している発電所や、電気事業者以外の個人や団体などが住宅や様々な施設に設置している分散型電源装置などがある。これら電源装置から商用系統に電源電力を出力するとき、その電源電力の周波数は、基準周波数(50Hz又は60Hz)に合わせて送出されている。その結果、商用系統に接続されている電力負荷装置による電力負荷合計と、電源装置から送出される電源電力合計とが釣り合っているときには、商用系統における電力の周波数(以下、「商用系統周波数」と記載することもある)は基準周波数に維持される。
しかし、電源電力合計と電力負荷合計とが釣り合っていないときには商用系統周波数が基準周波数から逸脱することとなる。具体的には、電力負荷合計が電源電力合計よりも大きいとき、商用系統周波数は基準周波数よりも小さくなり、電源電力合計が電力負荷合計よりも大きいとき、商用系統周波数は基準周波数よりも大きくなるという周波数偏差が発生する。
上述のような周波数偏差を小さくするための電源システムとしては、商用系統に接続されたガスタービン発電設備を電源装置として用い、ガスタービン発電設備の燃料量を変化させて商用系統における電源電力合計と電力負荷合計とを近づけるように電源出力量を調整するという運転制御を行うものがある。燃料量を変化させるとき、燃焼用空気の供給量を同時に変化させて適正な燃空比にさせる必要があるのだが、商用系統周波数の変化に応じて燃料量及び燃焼空気量を変化させるための指令を与えたとき、燃料の供給量変化に要する時間と燃焼用空気の供給量変化に要する時間との間に時間差が発生し、つまり、商用系統周波数の変化に燃焼用空気量の変化が追随できず、適正な燃空比が得られない可能性がある。そのため、上記時間差が発生しないように、商用系統周波数の変化が入力されたときに、燃料の供給量と燃焼用空気の供給量とが所定の燃空比を保って変化するように商用系統周波数の変化量を小さくする補正を行った上で入力し、上記時間差の発生を抑制している(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−239763号公報
商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差の変動周波数が高いとき、つまり、周波数偏差が単位時間当たりに頻繁に変動するときには、従来の電源システムで行われているような商用系統周波数の変化を小さくする補正を行ったとしても、電源装置の電源出力を単位時間当たりに数多く変動させる運転を行わねばならないため、電源装置に与えられるダメージが大きくなる。その結果、電源装置の寿命が短くなり、電源装置のメンテナンス頻度が高くなって、電源装置の設置者に不利益を与えることになるという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、商用系統における周波数制御のために使用される電源装置の設置者の利益を大きく損なうことなく、商用系統周波数の周波数制御を行うことができる電源システムを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る電源システムの第1特徴構成は、指令される電源電力を、商用系統に接続された電源装置にて出力するように構成された電源システムであって、前記電源装置には、前記商用系統における商用系統周波数を監視する周波数監視手段と、前記周波数監視手段により監視される前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が設定不感帯範囲内にないとき、前記周波数偏差を小さくするための変動電力を、前記周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、前記指令される電源電力に前記変動電力を加算して前記電源装置から出力させる出力制御手段と、前記設定不感帯範囲を時刻に合わせて設定する不感帯設定手段とが設けられている点にある。
上記第1特徴構成によれば、周波数監視手段が、商用系統における商用系統周波数を監視し、出力制御手段が、周波数監視手段により監視される商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差を小さくするための変動電力を、周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、指令される電源電力に変動電力を加算して電源装置から出力させて、商用系統における電源電力合計と電力負荷合計とが釣り合うように調整する。その結果、商用系統における電源電力合計と電力負荷合計とが乖離していたときに発生していた商用系統における商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差を小さくすることができる。
更に、不感帯設定手段が、上記設定不感帯範囲を時刻に合わせて設定できることで、周波数偏差が発生したときに、指令される電源電力に対して変動電力の加算を行って周波数偏差を小さくさせるための制御を積極的に行わせたい時刻には設定不感帯範囲を小さくして、発生する周波数偏差が設定不感帯範囲内に存在しないように設定し、逆に、指令される電源電力に対して変動電力の加算を行って周波数偏差を小さくさせるための制御を行わせたくない時刻には設定不感帯範囲を大きくして、発生する周波数偏差が設定不感帯範囲内にあるように設定することなどが自在に行えるようになる。つまり、上記設定不感帯範囲を設定することで、電源装置が周波数偏差の発生に応じて変動電力を出力するための運転を行う頻度を少なくするように設定できるので、電源装置に与えられるダメージを小さくして、電源装置の寿命を長く、且つ、電源装置のメンテナンス頻度が少なくして、電源装置の設置者の利益を大きく損なうことがないようにすることができる。
従って、商用系統における周波数制御のために使用される電源装置の設置者の利益を大きく損なうことなく、商用系統周波数の周波数制御を行うことができる電源システムを提供することができる。
上記目的を達成するための本発明に係る電源システムの第2特徴構成は、指令される電源電力を、商用系統に接続された電源装置にて出力するように構成された電源システムであって、前記電源装置には、前記商用系統における商用系統周波数を監視する周波数監視手段と、前記周波数監視手段により監視される前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が設定不感帯範囲内にないとき、前記周波数偏差を小さくするための変動電力を、前記周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、前記指令される電源電力に前記変動電力を加算して前記電源装置から出力させる出力制御手段と、前記設定変化率を時刻に合わせて設定する変化率設定手段とが設けられている点にある。
上記第2特徴構成によれば、周波数監視手段が、商用系統における商用系統周波数を監視し、出力制御手段が、周波数監視手段により監視される商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差を小さくするための変動電力を、周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、指令される電源電力に変動電力を加算して電源装置から出力させて、商用系統における電源電力合計と電力負荷合計とが釣り合うように調整する。その結果、商用系統における電源電力合計と電力負荷合計とが乖離していたときに発生していた商用系統における商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差を小さくすることができる。
更に、変化率設定手段が、上記設定変化率を時刻に合わせて設定できることで、周波数偏差が発生したときに、指令される電源電力に対して変動電力の加算を行って周波数偏差を小さくさせるための制御を積極的に行わせたい時刻には、設定変化率の絶対値を大きくして変動電力の単位時間当たりの変化量を大きくし、逆に、指令される電源電力に対して変動電力の加算を行って周波数偏差を小さくさせるための制御を行わせたくない時刻には、設定変化率の絶対値を小さくして変動電力の単位時間当たりの変化量を小さくするなどの設定を自在に行えるようになる。つまり、上記設定変化率を設定することで、電源装置が周波数偏差の発生に応じて変動電力を出力するための運転を行うときに、電源装置の運転状態が急激に変化しないように設定できるので、電源装置に与えられるダメージを小さくして、電源装置の寿命を長く、且つ、電源装置のメンテナンス頻度が少なくして、電源装置の設置者の利益を大きく損なうことがないようにすることができる。
従って、商用系統における周波数制御のために使用される電源装置の設置者の利益を大きく損なうことなく、商用系統周波数の周波数制御を行うことができる電源システムを提供することができる。
上記目的を達成するための本発明に係る電源システムの第3特徴構成は、指令される電源電力を、商用系統に接続された電源装置にて出力するように構成された電源システムであって、前記電源装置には、前記商用系統における商用系統周波数を監視する周波数監視手段と、前記周波数監視手段により監視される前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が設定不感帯範囲内にないとき、前記周波数偏差を小さくするための変動電力を、前記周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、前記指令される電源電力に前記変動電力を加算して前記電源装置から出力させる出力制御手段と、前記設定不感帯範囲を時刻に合わせて設定する不感帯設定手段と、前記設定変化率を時刻に合わせて設定する変化率設定手段とが設けられている点にある。
上記第3特徴構成によれば、周波数監視手段が、商用系統における商用系統周波数を監視し、出力制御手段が、周波数監視手段により監視される商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差を小さくするための変動電力を、周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、指令される電源電力に変動電力を加算して電源装置から出力させて、商用系統における電源電力合計と電力負荷合計とが釣り合うように調整する。その結果、商用系統における電源電力合計と電力負荷合計とが乖離していたときに発生していた商用系統における商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差を小さくすることができる。
更に、不感帯設定手段が、上記設定不感帯範囲を時刻に合わせて設定できることで、周波数偏差が発生したときに、指令される電源電力に対して変動電力の加算を行って周波数偏差を小さくさせるための制御を積極的に行わせたい時刻には設定不感帯範囲を小さくして、発生する周波数偏差が設定不感帯範囲内に存在しないように設定し、逆に、指令される電源電力に対して変動電力の加算を行って周波数偏差を小さくさせるための制御を行わせたくない時刻には設定不感帯範囲を大きくして、発生する周波数偏差が設定不感帯範囲内にあるように設定することなどが自在に行えるようになる。つまり、上記設定不感帯範囲を設定することで、電源装置が周波数偏差の発生に応じて変動電力を出力するための運転を行う頻度を少なくするように設定できるので、電源装置に与えられるダメージを小さくして、電源装置の寿命を長く、且つ、電源装置のメンテナンス頻度が少なくして、電源装置の設置者の利益を大きく損なうことがないようにすることができる。
また更に、変化率設定手段が、上記設定変化率を時刻に合わせて設定できることで、周波数偏差が発生したときに、指令される電源電力に対して変動電力の加算を行って周波数偏差を小さくさせるための制御を積極的に行わせたい時刻には、設定変化率の絶対値を大きくして変動電力の単位時間当たりの変化量を大きくし、逆に、指令される電源電力に対して変動電力の加算を行って周波数偏差を小さくさせるための制御を行わせたくない時刻には、設定変化率の絶対値を小さくして変動電力の単位時間当たりの変化量を小さくするなどの設定を自在に行えるようになる。つまり、上記設定変化率を設定することで、電源装置が周波数偏差の発生に応じて変動電力を出力するための運転を行うときに、電源装置の運転状態が急激に変化しないように設定できるので、電源装置に与えられるダメージを小さくして、電源装置の寿命を長く、且つ、電源装置のメンテナンス頻度が少なくして、電源装置の設置者の利益を大きく損なうことがないようにすることができる。
従って、商用系統における周波数制御のために使用される電源装置の設置者の利益を大きく損なうことなく、商用系統周波数の周波数制御を行うことができる電源システムを提供することができる。
上記目的を達成するための本発明に係る電源システムの第4特徴構成は、指令される電源電力を、商用系統に接続された電源装置にて出力するように構成された電源システムであって、前記電源装置には、前記商用系統における商用系統周波数を監視する周波数監視手段と、前記周波数監視手段により監視される前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が設定不感帯範囲内にないとき、前記周波数偏差を小さくするための変動電力を、前記周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、前記指令される電源電力に前記変動電力を加算して前記電源装置から出力させる出力制御手段と、前記周波数偏差の変動周波数を解析する周波数解析手段と、前記周波数解析手段により解析される前記周波数偏差の変動周波数が高いほど前記設定不感帯範囲を増大させるように設定する不感帯設定手段とが設けられている点にある。
上記第4特徴構成によれば、周波数監視手段が、商用系統における商用系統周波数を監視し、出力制御手段が、周波数監視手段により監視される商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差を小さくするための変動電力を、周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、指令される電源電力に変動電力を加算して電源装置から出力させて、商用系統における電源電力合計と電力負荷合計とが釣り合うように調整する。その結果、商用系統における電源電力合計と電力負荷合計とが乖離していたときに発生していた商用系統における商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差を小さくすることができる。
更に、周波数解析手段が、上記周波数偏差の変動周波数を解析し、不感帯設定手段が、周波数解析手段により解析される周波数偏差の変動周波数が高いほど設定不感帯範囲を増大させるように設定することで、変動周波数が高い周波数偏差が発生したときには設定不感帯範囲が大きくなる。その結果、変動周波数が高い周波数偏差は設定不感帯範囲内に存在するようになって、電源装置は、周波数偏差を小さくするために高い周波数で出力変動を繰り返しながら変動電力を出力させるような制御が不要となるので、電源装置に与えられるダメージを小さくして、電源装置の寿命を長く、且つ、電源装置のメンテナンス頻度が少なくして、電源装置の設置者の利益を大きく損なうことがないようにすることができる。
従って、商用系統における周波数制御のために使用される電源装置の設置者の利益を大きく損なうことなく、商用系統周波数の周波数制御を行うことができる電源システムを提供することができる。
上記目的を達成するための本発明に係る電源システムの第5特徴構成は、指令される電源電力を、商用系統に接続された電源装置にて出力するように構成された電源システムであって、前記電源装置には、前記商用系統における商用系統周波数を監視する周波数監視手段と、前記周波数監視手段により監視される前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が設定不感帯範囲内にないとき、前記周波数偏差を小さくするための変動電力を、前記周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、前記指令される電源電力に前記変動電力を加算して前記電源装置から出力させる出力制御手段と、前記周波数偏差の変動周波数を解析する周波数解析手段と、前記周波数解析手段により解析される前記周波数偏差の変動周波数が高いほど前記設定変化率の絶対値を減少させるように設定する変化率設定手段とが設けられている点にある。
上記第5特徴構成によれば、周波数監視手段が、商用系統における商用系統周波数を監視し、出力制御手段が、周波数監視手段により監視される商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差を小さくするための変動電力を、周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、指令される電源電力に変動電力を加算して電源装置から出力させて、商用系統における電源電力合計と電力負荷合計とが釣り合うように調整する。その結果、商用系統における電源電力合計と電力負荷合計とが乖離していたときに発生していた商用系統における商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差を小さくすることができる。
更に、周波数解析手段が、上記周波数偏差の変動周波数を解析し、上記変化率設定手段が、周波数解析手段により解析される周波数偏差の変動周波数が高いほど設定変化率の絶対値を減少させるように設定することで、変動周波数が高い周波数偏差が発生したときには設定変化率の絶対値が小さくなる。その結果、変動周波数が高い周波数偏差を小さくするための変動電力の単位時間当たりの変化量を小さくして、電源装置が、頻繁且つ大きい変化量の変動電力を出力しなくてもよいように設定することができるので、電源装置に与えられるダメージを小さくして、電源装置の寿命を長く、且つ、電源装置のメンテナンス頻度が少なくして、電源装置の設置者の利益を大きく損なうことがないようにすることができる。
従って、商用系統における周波数制御のために使用される電源装置の設置者の利益を大きく損なうことなく、商用系統周波数の周波数制御を行うことができる電源システムを提供することができる。
上記目的を達成するための本発明に係る電源システムの第6特徴構成は、指令される電源電力を、商用系統に接続された電源装置にて出力するように構成された電源システムであって、前記電源装置には、前記商用系統における商用系統周波数を監視する周波数監視手段と、前記周波数監視手段により監視される前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が設定不感帯範囲内にないとき、前記周波数偏差を小さくするための変動電力を、前記周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、前記指令される電源電力に前記変動電力を加算して前記電源装置から出力させる出力制御手段と、前記周波数偏差の変動周波数を解析する周波数解析手段と、前記周波数解析手段により解析される前記周波数偏差の変動周波数が高いほど前記設定不感帯範囲を増大させるように設定する不感帯設定手段と、前記周波数解析手段により解析される前記周波数偏差の変動周波数が高いほど前記設定変化率の絶対値を減少させるように設定する変化率設定手段とが設けられている点にある。
上記第6特徴構成によれば、周波数監視手段が、商用系統における商用系統周波数を監視し、出力制御手段が、周波数監視手段により監視される商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差を小さくするための変動電力を、周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、指令される電源電力に変動電力を加算して電源装置から出力させて、商用系統における電源電力合計と電力負荷合計とが釣り合うように調整する。その結果、商用系統における電源電力合計と電力負荷合計とが乖離していたときに発生していた商用系統における商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差を小さくすることができる。
更に、周波数解析手段が、上記周波数偏差の変動周波数を解析し、不感帯設定手段が、周波数解析手段により解析される周波数偏差の変動周波数が高いほど設定不感帯範囲を増大させるように設定することで、変動周波数が高い周波数偏差が発生したときには設定不感帯範囲が大きくなる。その結果、変動周波数が高い周波数偏差は設定不感帯範囲内に存在するようになって、電源装置は、周波数偏差を小さくするために高い周波数で出力変動を繰り返しながら変動電力を出力させるような制御が不要となるので、電源装置に与えられるダメージを小さくして、電源装置の寿命を長く、且つ、電源装置のメンテナンス頻度が少なくして、電源装置の設置者の利益を大きく損なうことがないようにすることができる。
また更に、周波数解析手段が、上記周波数偏差の変動周波数を解析し、上記変化率設定手段が、周波数解析手段により解析される周波数偏差の変動周波数が高いほど設定変化率の絶対値を減少させるように設定することで、変動周波数が高い周波数偏差が発生したときには設定変化率の絶対値が小さくなる。その結果、変動周波数が高い周波数偏差を小さくするための変動電力の単位時間当たりの変化量を小さくして、電源装置が、頻繁且つ大きい変化量の変動電力を出力しなくてもよいように設定することができるので、電源装置に与えられるダメージを小さくして、電源装置の寿命を長く、且つ、電源装置のメンテナンス頻度が少なくして、電源装置の設置者の利益を大きく損なうことがないようにすることができる。
従って、商用系統における周波数制御のために使用される電源装置の設置者の利益を大きく損なうことなく、商用系統周波数の周波数制御を行うことができる電源システムを提供することができる。
本発明に係る電源システムの第7特徴構成は、上記第2、第3、第5及び第6のいずれかの特徴構成に加えて、前記変化率設定手段が、所定の変化率範囲内で前記設定変化率を設定するように構成されている点にある。
上記第7特徴構成によれば、変化率設定手段が、設定変化率が所定の変化率範囲内にあるように制限を設けていることで、発生した周波数偏差を小さくするために導出される変動電力目標値を、電源装置が追従できる出力変動の変化率範囲内に制限して、電源装置に対する負荷が大きくなり過ぎることを防止できる。
本発明に係る電源システムの第8特徴構成は、上記第1から第7のいずれかの特徴構成に加えて、前記変動電力目標値の変動許容範囲を設定する変動許容範囲設定手段が設けられ、前記出力制御手段が、前記変動許容範囲設定手段によって設定された前記変動許容範囲内の前記変動電力目標値に基づいて導出される前記変動電力を前記指令される電源電力に加算して前記電源装置から出力させるように構成されている点にある。
上記第8特徴構成によれば、変動許容範囲設定手段が、上記変動電力目標値の変動許容範囲を設定し、出力制御手段が、変動許容範囲設定手段によって設定された変動許容範囲内の変動電力目標値に基づいて導出される変動電力を、指令される電源電力に加算して電源装置から出力させることで、電源装置から出力される変動電力には上限が設けられることになる。つまり、商用系統における商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差を小さくするために上記変動電力を無制限に変動させるようにすると、指令される電源電力よりも大きな変動を加算して電源装置から出力させる状態になる虞があるが、上記変動電力目標値の変動範囲を制限することで、電源装置の設置者利益が大きく損なわれることもない。
本発明に係る電源システムの第9特徴構成は、上記第8特徴構成に加えて、前記変動許容範囲設定手段が、前記指令される電源電力の大きさに応じて変動許容範囲を設定するように構成されている点にある。
上記第9特徴構成によれば、変動許容範囲設定手段が、指令される電源電力の大きさに応じて上記変動電力の変動許容範囲を設定することで、周波数偏差を小さくするための変動電力を含む電源電力の、本来出力する電源電力からの変化量が大きくなり過ぎることを防止して、電源装置に与えられるダメージを小さくすることができる。
本発明に係る電源システムの第10特徴構成は、上記第1から第9のいずれかの特徴構成に加えて、前記周波数監視手段により監視される前記商用系統周波数について、又は、前記商用系統周波数の基準周波数からの前記周波数偏差について、微小周期で変動する高周波成分を除去するフィルタ手段が設けられ、前記出力制御手段が、前記フィルタ手段によって高周波成分が除去されたあとの周波数偏差を小さくするように構成されている点にある。
上記第10特徴構成によれば、フィルタ手段が、周波数監視手段により監視される商用系統周波数について、又は、商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差について、微小周期で変動する高周波成分を除去し、出力制御手段が、フィルタ手段によって高周波成分が除去されたあとの周波数偏差を小さくするように構成されていることで、電源装置の電源電力を高周波の周波数偏差に追随するように高周波で変動させることを不要にして、電源装置に与えられるダメージを小さくすることができる。
<第1実施形態>
以下に、本発明に係る第1実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示す商用系統の概略図では、商用系統60にコージェネレーション式の電源システム20、発電専用式の電源システム30、発電所40、及び、商用系統60における電力を消費する電力需要家としての電力負荷装置50、51が接続されている。発電所40は、指令される電源電力を商用系統60に出力するように構成されている。尚、商用系統60に更に多数の電源システム、発電所、電力負荷装置などが接続されていても構わない。
エンジンを備えたコージェネレーション式の電源システム20では、指令される電源電力を電源装置としてのガスエンジン発電装置、燃料電池発電装置、太陽光発電装置、蓄電装置などの発電装置23から出力するように構成され、電力会社などが維持管理する商用電源としての火力発電所、水力発電所、原子力発電所、風力発電所などの発電所40、33が接続された商用系統60における電力の周波数(以下、「商用系統周波数」と記載することもある)を監視する周波数監視手段21と、周波数監視手段21により監視される商用系統周波数の基準周波数(50Hz又は60Hz)からの周波数偏差を小さくするための変動電力を、指令される電源電力に加算して発電装置23から出力させる出力制御手段22とが設けられている。発電装置23は、電力と熱とを併せて発生するガスエンジン発電装置、燃料電池発電装置などのコージェネレーション装置にて構成され、発生した電力を電力負荷装置24と商用系統60に供給可能であり、発生した熱を熱負荷装置25に供給可能である。
発電専用式の電源システム30は、指令される電源電力を電源装置としての発電所33から商用系統60に出力するように構成され、商用系統60における商用系統周波数を監視する周波数監視手段31と、周波数監視手段31により監視される商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差を小さくするための変動電力を、指令される電源電力に加算して発電所33から出力させる出力制御手段32とが設けられている。
次に、コージェネレーション式の電源システム20及び発電専用式の電源システム30において、発電指令値として指令される電源電力に上記変動電力を加算することにより、周波数偏差を小さくするべく実施される商用系統周波数の周波数制御について説明するが、両電源システム20、30に設けられた周波数監視手段21、31と出力制御手段22、32との動作は同様であるので、以下に説明する実施形態ではコージェネレーション式の電源システム20の動作について説明し、発電専用式の電源システム30の動作の説明は省略する。
図2に示すのは、出力制御手段22の機能ブロック図である。
出力制御手段22には、周波数監視手段21により監視される周波数情報としての商用系統周波数と、発電装置23の運転情報としての発電機回転数、実発電電力値、発電指令値とが入力されている。そして、出力制御手段22は、発電装置23に対する電源出力指令をガバナ指令値として与えている。
図3に例示するのは、周波数監視手段21によって監視される商用系統60における商用系統周波数の時間的変化を示すグラフであり、商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が小さくなるように、出力制御手段22は、変動電力目標値導出部26にて導出された変動電力目標値に基づいて導出される変動電力を発電指令値に加算して発電装置23から出力させるように構成されている。
変動電力目標値導出部26は、発生する周波数偏差に対して所定の設定関係で定められる変動電力目標値を後述する方法に従って導出し、その変動電力目標値は、加算器5において本来の発電指令値に加算される。次に、減算器6は、発電装置23での現在の電源出力を示す実発電電力値を加算器5の出力から差し引いて、周波数偏差を小さくするために、現在の電源出力に対してどれだけ電源出力を変動させる必要があるのかを表す偏差を導出する。ゲイン設定器7は、減算器6にて計算された、電源電力の変化量を表す偏差をエンジン回転数速度へ変換する。また、減算器11では、現在の発電装置23のエンジン回転数が定格回転数に対してどの程度の回転数速度であるのかを導出する。そして、減算器8は、ゲイン設定器7の出力から減算器11の出力を減算して、周波数偏差を小さくするために、発電装置23に与えられるエンジン回転数速度の指令値を導出する。ゲイン設定器9には発電設備の調定率が設定されており、減算器8から入力されたエンジン回転数速度を燃料量指令信号(ガバナ開度)へと変換する。その後、低値選択器10は、ゲイン設定器9にて得られた燃料量指令信号、又は、その燃料量指令信号に数%〜10%負荷相当分加算されたロードリミッタ制御信号の最低値を選択し、ガバナ指令値として発電装置23の燃料関係弁を制御する。
このように、変動電力目標値導出部26にて変動電力目標値を導出し、その変動電力目標値に対して上述のような制限を加えることで、発生する周波数偏差を小さくするための変動電力を導出し、本来の発電指令値にその変動電力を加算して発電装置23から出力させるような電源システム20が構成されている。
次に、変動電力目標値導出部26による変動電力目標値の導出方法について以下に説明する。
変動電力目標値導出部26には、周波数監視手段21によって監視された商用系統周波数を解析する、特に、商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差の変動周波数を解析する周波数解析手段4と、上記周波数偏差を小さくするための変動電力を、周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出するに当たって、上記設定不感帯範囲を設定する不感帯設定手段1と、上記設定変化率を設定する変化率設定手段2と、変動電力目標値の変動許容範囲(つまり、変動電力の変動許容範囲)を設定する変動許容範囲設定手段3とが設けられている。
図4に例示するのは、上述した、周波数偏差の絶対値が大きくなるほど変動電力目標値の絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係のグラフであり、商用系統周波数が基準周波数よりも大きくなると発電装置23から出力される電源電力を小さくさせるように、且つ、商用系統周波数が基準周波数よりも小さくなると発電装置23から出力される電源電力を大きくさせるように、変動電力目標値が設定されている。このグラフ中で、A1及びA2は設定不感帯範囲であり、B1及びB2は変動許容範囲であり、C1及びC2は設定変化率である。つまり、周波数偏差の絶対値が大きくなるほど変動電力目標値の絶対値が設定変化率に従って大きくなるように設定されている。
図5に示すのは、周波数偏差の変動周波数(商用系統周波数の変動周波数も同じ)の時間的な変化を示すグラフである。周波数偏差の変動周波数は、例えば、周波数解析手段4が周波数偏差の振幅の極大値及び極小値をリアルタイムで継続的に解析することで導出可能である。この場合、周波数解析手段4では、周波数偏差の変動に含まれる複数の周波数成分の内、高周波数成分の周波数を監視していることになる。図5に例示した場合では、1日の内で7時付近及び22時付近に変動周波数のピークが現れており、これは、7時付近及び22時付近で周波数偏差の上下動が激しくなる、つまり、単位時間当たりの周波数偏差の上下動が激しくなることを示している。或いは、周波数解析手段4が、周波数偏差の変動をフーリエ変換して周波数偏差の変動の高周波成分を監視し、その高周波成分強度が大きい状態を、上述の周波数偏差の変動周波数が高い状態であると判定するように構成することもできる。
そして、発生する周波数偏差を小さくするために本来の発電指令値に加算する変動電力は、周波数偏差の変動周波数に追随させる必要がある。そのため、周波数偏差の変動周波数が低いとき(つまり、商用系統周波数が長い周期で変動するとき)には、発電指令値に加算される変動電力の変動周波数が低くなり、発電装置23に大きな負担を掛けずに運転させることができる。
他方で、周波数偏差の変動周波数が高いとき(つまり、商用系統周波数が短い周期で頻繁に変動するとき)には、発電指令値に加算される変動電力の変動周波数が高くなるため、その周波数偏差に追随した変動電力を発電指令値に加算するためには、発電装置23の出力を上記周波数変動に合わせて頻繁に変動させるという負担の大きな運転を行う必要が生じる。従って、発電装置23の負担を小さくするためには、発電装置23の出力を上記周波数変動に合わせて頻繁に変動させないような対策を採ることが好ましい。
次に、発電装置23の出力を上記周波数変動に合わせて頻繁に変動させないような方法について以下に説明する。
第1の方法としては図6(a)に示すように、不感帯設定手段1が、周波数解析手段4によってリアルタイムで解析された周波数偏差の変動周波数が高いほど設定不感帯範囲を増大させるように設定することである。つまり、周波数偏差が設定不感帯範囲にあるときには、周波数偏差を小さくさせるための変動電力の加算を行わないので、発電装置23の電源出力を本来の発電指令値に加えて変動させる必要もなくなる。
第2の方法としては図6(b)に示すように、変化率設定手段が、周波数解析手段4によってリアルタイムで解析された周波数偏差の変動周波数が高いほど設定変化率の絶対値を減少させるように設定することである。つまり、変動電力目標値の絶対値が設定変化率に従って大きくなることを考慮すると、変動電力目標値の絶対値を小さくすれば、発電装置23に対して要求される変動電力目標値(つまり、変動電力)も小さくなり、発電装置23の電源出力を大きく変動させなくてもよくなる。また、周波数偏差の変動周波数が低いほど設定変化率の絶対値を増加させるのだが、発電装置23の電源出力が追随できる変化率内にその設定変化率があるように、図6(b)中に破線で示すように設定変化率の上限値を設けておくことが好ましい。尚、不感帯設定手段1による設定不感帯範囲を周波数偏差の変動周波数に基づいて変更設定する方法と、変化率設定手段2による設定変化率を周波数偏差の変動周波数に基づいて変更設定する方法とを併用するように構成することもでき、そして、何れか一方のみを実行するように構成することもできる。
また、変動許容範囲設定手段3は、図4に示したように変動電力目標値の変動許容範囲B1、B2を設定するように構成されており、変動許容範囲設定手段3が、指令される発電指令値の大きさに応じて変動許容範囲を設定するように機能させると、発電装置23から出力される電力が、指令される発電指令値から大きく変動することを防止できる点で好ましい。本実施形態において発電装置23に対して指令される発電指令値は、発電装置23の運転情報として取得される実発電電力値などの現在の運転状態を示す情報に基づいて導出される場合や、発電装置23の現在の運転状態とは無関係に導出される場合などがある。従って、発電装置23に対して指令される発電指令値が発電装置23の現在の運転状態を示す情報に基づいて導出されるときには、変動許容範囲設定手段3は、発電装置23の現在の運転状態を示す情報に応じて上記変動許容範囲を設定することになる。
図7に例示するのは、商用系統周波数の時間推移と、出力制御手段22から発電装置23に与えられる、商用系統周波数の基準周波数(60Hz)からの周波数偏差を小さくするための電源出力制御値の時間推移とをグラフ表示したものである。図示するように、周波数監視手段21によって監視されている商用系統周波数が基準周波数から逸脱すると、発電装置23にとっての本来の発電指令値(図中では破線で示す)に対して変動許容範囲(図中では一点破線で示す)内の変動電力が加えられている。また、本来の発電指令値が大きいときには変動許容範囲が大きく、そして、発電指令値が小さいときには変動許容範囲が小さくなるように、変動許容範囲(図中では一点破線で示す)が発電指令値の大きさに応じて設定されており、発電装置23から出力される電力が、指令される電源電力から大きく変動することが防止されている。
<第2実施形態>
図8に例示する本発明の第2実施形態では、不感帯設定手段1が時刻に合わせて上記設定不感帯範囲を設定し、変化率設定手段2が時刻に合わせて上記設定変化率を設定する点で上記第1実施形態と異なる。以下に、第2実施形態に係る電源システムについて説明するが、第1実施形態と同様の説明は省略する。
図8に示す変動電力目標値導出部27では、第1実施形態とは異なって周波数偏差の変動をリアルタイムで継続的に解析する必要はないので、周波数解析手段4が設けられておらず、代わりに時刻管理手段12が設けられている。不感帯設定手段1及び変化率設定手段2は、所定の時刻になると設定不感帯範囲及び設定変化率を所定の値に夫々変更設定するように構成されており、その時刻情報は時刻管理手段12から不感帯設定手段1及び変化率設定手段2へと与えられている。
どの時刻にどのような値の設定不感帯範囲及び設定変化率を設定するかは、発電装置23の設置者などが自在に決定することができる。また、図5に示したように、時刻と周波数偏差の変動周波数との関係が傾向として明らかになっているときには、その関係に基づいて、変動周波数が高くなっている時間帯(例えば、6時から8時の間、及び、21時から23時の間など)になれば設定変化率の絶対値を小さくし、設定不感帯範囲を大きくするといった設定方法を採用することもできる。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、周波数監視手段21によって監視された商用系統周波数が出力制御手段22においてそのまま利用される場合について説明したが、周波数監視手段21によって監視された商用系統周波数を加工した後で利用することもできる。例えば図9に示すように、周波数監視手段21により監視される商用系統周波数について、微小周期で変動する高周波成分を除去するフィルタ手段13を設けることもできる。また、周波数監視手段21により監視される商用系統周波数の基準周波数からの前記周波数偏差について、微小周期で変動する高周波成分を除去するようなフィルタ手段13を設けても同様である。その結果、出力制御手段22は、フィルタ手段によって高周波成分が除去されたあとの周波数偏差を小さくするように発電装置23を制御するので、発電装置23に対する電源電力の変動指令が高周波で繰り返されこともなく、安定な運転を行わせることができる。
<2>
上記実施形態では、図4に例示したように、周波数偏差と変動電力目標値との関係が、商用系統周波数が基準周波数から正方向に逸脱したときと、負方向に逸脱したときとで原点を中心に対称的な関係になるように設定していたが、図10に例示するように、周波数偏差と変動電力目標値との関係は原点を中心に非対称であっても構わない。具体的には、設定不感帯範囲A1とA2とは異なっていてもよく、変動許容範囲B1とB2とは異なっていてもよく、設定変化率C1とC2とは異なっていてもよい。また、設定不感帯範囲A1、A2及び変動許容範囲B1、B2の夫々は零であってもよい。
<3>
上記実施形態では、図5に例示したように周波数解析手段4が、商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差の変動周波数を解析する場合について説明したが、商用系統周波数の変動周波数を解析し、その変動周波数に基づいて設定不感帯及び設定変化率が変更設定されるように構成することもできる。また、変動周波数と実質的に同じである変動周期を解析してもよい。
商用系統の概略図 出力制御手段の機能ブロック図 商用系統周波数の時間的変化を示すグラフ 周波数偏差と変動電力目標値との設定関係を示すグラフ 周波数偏差の変動周波数の時間的変化を示すグラフ 周波数偏差と設定不感帯範囲との関係を示すグラフ 周波数偏差と設定変化率との関係を示すグラフ 出力制御手段の機能ブロック図 出力制御手段の機能ブロック図 周波数偏差と変動電力目標値との設定関係を示すグラフ
符号の説明
20 電源システム
21 周波数監視手段
22 出力制御手段
23 発電装置(電源装置)
30 電源システム
31 周波数監視手段
32 出力制御手段
33 発電所(電源装置)

Claims (10)

  1. 指令される電源電力を、商用系統に接続された電源装置にて出力するように構成された電源システムであって、
    前記電源装置には、
    前記商用系統における商用系統周波数を監視する周波数監視手段と、
    前記周波数監視手段により監視される前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が設定不感帯範囲内にないとき、前記周波数偏差を小さくするための変動電力を、前記周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、前記指令される電源電力に前記変動電力を加算して前記電源装置から出力させる出力制御手段と、
    前記設定不感帯範囲を時刻に合わせて設定する不感帯設定手段とが設けられている電源システム。
  2. 指令される電源電力を、商用系統に接続された電源装置にて出力するように構成された電源システムであって、
    前記電源装置には、
    前記商用系統における商用系統周波数を監視する周波数監視手段と、
    前記周波数監視手段により監視される前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が設定不感帯範囲内にないとき、前記周波数偏差を小さくするための変動電力を、前記周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、前記指令される電源電力に前記変動電力を加算して前記電源装置から出力させる出力制御手段と、
    前記設定変化率を時刻に合わせて設定する変化率設定手段とが設けられている電源システム。
  3. 指令される電源電力を、商用系統に接続された電源装置にて出力するように構成された電源システムであって、
    前記電源装置には、
    前記商用系統における商用系統周波数を監視する周波数監視手段と、
    前記周波数監視手段により監視される前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が設定不感帯範囲内にないとき、前記周波数偏差を小さくするための変動電力を、前記周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、前記指令される電源電力に前記変動電力を加算して前記電源装置から出力させる出力制御手段と、
    前記設定不感帯範囲を時刻に合わせて設定する不感帯設定手段と、
    前記設定変化率を時刻に合わせて設定する変化率設定手段とが設けられている電源システム。
  4. 指令される電源電力を、商用系統に接続された電源装置にて出力するように構成された電源システムであって、
    前記電源装置には、
    前記商用系統における商用系統周波数を監視する周波数監視手段と、
    前記周波数監視手段により監視される前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が設定不感帯範囲内にないとき、前記周波数偏差を小さくするための変動電力を、前記周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、前記指令される電源電力に前記変動電力を加算して前記電源装置から出力させる出力制御手段と、
    前記周波数偏差の変動周波数を解析する周波数解析手段と、
    前記周波数解析手段により解析される前記周波数偏差の変動周波数が高いほど前記設定不感帯範囲を増大させるように設定する不感帯設定手段とが設けられている電源システム。
  5. 指令される電源電力を、商用系統に接続された電源装置にて出力するように構成された電源システムであって、
    前記電源装置には、
    前記商用系統における商用系統周波数を監視する周波数監視手段と、
    前記周波数監視手段により監視される前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が設定不感帯範囲内にないとき、前記周波数偏差を小さくするための変動電力を、前記周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、前記指令される電源電力に前記変動電力を加算して前記電源装置から出力させる出力制御手段と、
    前記周波数偏差の変動周波数を解析する周波数解析手段と、
    前記周波数解析手段により解析される前記周波数偏差の変動周波数が高いほど前記設定変化率の絶対値を減少させるように設定する変化率設定手段とが設けられている電源システム。
  6. 指令される電源電力を、商用系統に接続された電源装置にて出力するように構成された電源システムであって、
    前記電源装置には、
    前記商用系統における商用系統周波数を監視する周波数監視手段と、
    前記周波数監視手段により監視される前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が設定不感帯範囲内にないとき、前記周波数偏差を小さくするための変動電力を、前記周波数偏差の絶対値が大きくなるほど絶対値が設定変化率に従って大きくなる設定関係で定められる変動電力目標値に基づいて導出し、前記指令される電源電力に前記変動電力を加算して前記電源装置から出力させる出力制御手段と、
    前記周波数偏差の変動周波数を解析する周波数解析手段と、
    前記周波数解析手段により解析される前記周波数偏差の変動周波数が高いほど前記設定不感帯範囲を増大させるように設定する不感帯設定手段と、
    前記周波数解析手段により解析される前記周波数偏差の変動周波数が高いほど前記設定変化率の絶対値を減少させるように設定する変化率設定手段とが設けられている電源システム。
  7. 前記変化率設定手段が、所定の変化率範囲内で前記設定変化率を設定するように構成されている請求項2、3、5及び6のいずれか1項に記載の電源システム。
  8. 前記変動電力目標値の変動許容範囲を設定する変動許容範囲設定手段が設けられ、
    前記出力制御手段が、前記変動許容範囲設定手段によって設定された前記変動許容範囲内の前記変動電力目標値に基づいて導出される前記変動電力を前記指令される電源電力に加算して前記電源装置から出力させるように構成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の電源システム。
  9. 前記変動許容範囲設定手段が、前記指令される電源電力の大きさに応じて変動許容範囲を設定するように構成されている請求項8記載の電源システム。
  10. 前記周波数監視手段により監視される前記商用系統周波数について、又は、前記商用系統周波数の基準周波数からの前記周波数偏差について、微小周期で変動する高周波成分を除去するフィルタ手段が設けられ、
    前記出力制御手段が、前記フィルタ手段によって高周波成分が除去されたあとの周波数偏差を小さくするように構成されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の電源システム。
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