JP2005147726A - 飛翔体用気圧高度計とその誤差補正方法 - Google Patents

飛翔体用気圧高度計とその誤差補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 機体姿勢や速度等の情報を用いることなく、かつ減速装置を用いて減速することなく、圧力計測のみで飛翔体の高度を正確に検知することができる飛翔体用気圧高度計とその誤差補正方法を提供する。
【解決手段】 飛翔方向xを中心軸とする円筒形外表面2aを有する飛翔体1の高度を検知する気圧高度計10。円筒形外表面2aの飛翔方向先端から等しい位置に設けられた複数の静圧孔12と、該複数の静圧孔の平均静圧を検出する平均静圧検出器14と、飛翔方向先端部に設けられ総圧を検出する総圧検出器16と、検出された平均静圧と総圧から飛翔中の平均静圧を補正し高度を演算する高度演算装置18とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、飛翔体の高度を検知する飛翔体用気圧高度計とその誤差補正方法に関する。
ロケット弾等の飛翔体の高度を検知するためのセンサには電波高度計やGPS等があるが、これらは一般的に高価である。これに対して、気圧センサを用いた高度計(以下、気圧高度計と呼ぶ)は、低コスト化が可能である特徴がある。
気圧高度計は、ロケット弾等の飛翔体の発射前に取得した発射点の気圧(基準気圧)と目標とする高度差に対応する気圧差を、機体表面に設けた静圧孔を通して気圧センサにより検知するものである。
なお、ロケット弾等の飛翔体の一例として、特許文献1が開示されている。また、空気圧を利用した高度計の試験装置として、特許文献2が開示されている。さらに、航空機の気圧高度計を更正する手段が、特許文献3および非特許文献1に開示されている。
特許文献1の「飛しょう体」は、航空機から前方又は後方の目標体に向けて発射される飛しょう体において、全方位に対処可能で、また後方の目標体を攻撃する際に目標体が遠くにある場合でも、飛しょう体が会合時に大きな旋回荷重倍数を得ることができることを目的とし、図9に示すように、発射筒52の胴体57の後方に設けられ、発射筒が母機から分離した後に滑空して発射筒の高度を上昇させる操舵翼59と、発射筒の胴体の所定部に設けられ発射筒の高度を推定する高度推定手段51と、発射筒の胴体後端部に設けられ発射筒が所定の高度に到達したときに発射筒の高度の低下を抑制させる高度低下抑制手段56とを備えたものである。なお、特許文献1の実施形態において、高度推定手段51は胴体57の側面に設けられた大気圧計であり、高度低下抑制手段56はパラシュートである。
特許文献2の「高度・速度試験器」は、空気圧を利用した高度計および速度計の試験を、地上において設定値に相当する空気圧を精度よく発生させて行うものである。
特許文献3の「位置誤差較正装置及び方法」は、航空機の気圧高度計及び対気速度計の位置誤差較正に必要な真対気速度、ならびに試験飛行実施時の試験実施高度における風向、風速を、試験飛行を行う飛行機の機上にて計測して、計器の較正のために入力し記録することを目的とし、図10に示すように、姿勢角計62からの機首方位、対地速度および対気速度から真対気速度、風向、風速を算出する演算部66と、演算部からの出力値を記録する記録計68と、機首方位および演算部からの出力値で機首方位を指示し保持する姿勢指示装置および姿勢保持装置67と、対気速度と演算部からの出力値で対気速度を指示し保持する速度指示装置および速度保持装置63と、気圧高度と演算部からの出力値で気圧高度を指示し保持する気圧高度指示装置および気圧高度保持装置64と、対値高度および気圧高度保持装置からの出力値で高度を保持する高度保持装置65とからなるものである。なお、特許文献3の実施形態において、気圧高度計61は、静圧ポート60の出力から高度を演算するようになっている。
非特許文献1のロケット弾は、図11に示すように、飛翔中の流速の影響で、静圧(気圧)が正しく計測できずに高度誤差が非常に大きくなるのを回避するため、時限方式で一旦ペイロードを分離し、落下傘で減速させた後に気圧高度計で高度計測を行うことによって、流速の影響を減らして、静圧誤差を小さくしている。
特開2003−156300号公報、「飛しょう体」 特開平5−87832号公報、「高度・速度試験器」 特開2001−91295号公報、「位置誤差較正装置及び方法」
Catalog of "PW216,130mm Advanced RF Distraction Decoy Round",Chemring Countermeasures, England
上述したように従来の気圧高度計は、発射点の気圧(基準気圧)と目標とする高度差に対応する気圧差を、機体表面に設けた静圧孔を通して気圧センサにより検知するものであるが、飛翔中の流速により発生する静圧(気圧)との圧力差(静圧誤差)の影響が大きい問題点があった。
そのため、大型の航空機等では、この影響の小さい静圧孔位置を風洞試験や飛行試験等により綿密に選定していると共に、他のセンサ類からの機体姿勢や速度等の情報に基づいてエアデータコンピュータ(ADC)で補正を行っているが、外形形状が限定された小型なロケット弾等の飛翔体の場合、静圧孔位置の選定に制約があり、かつ姿勢情報等、圧力誤差を補正する為のセンサ類の適用は、安価なロケット弾においてはコスト的に現実的でない問題点があった。
また、非特許文献1のように、分離装置や落下傘などの減速装置を用いて減速する場合、機構が複雑化し、高コスト化するとともに、減速のためタイムラグ(作動遅れ)が大きくなる問題点がある。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、機体姿勢や速度等の情報を用いることなく、かつ減速装置を用いて減速することなく、圧力計測のみで飛翔体の高度を正確に検知することができる飛翔体用気圧高度計とその誤差補正方法を提供することにある。
本発明によれば、飛翔方向を中心軸とする円筒形外表面を有する飛翔体の高度を検知する飛翔体用気圧高度計であって、
前記円筒形外表面の飛翔方向先端から等しい位置に設けられた複数の静圧孔と、該複数の静圧孔の平均静圧を検出する平均静圧検出器と、飛翔方向先端部に設けられた総圧孔を通して総圧を検出する総圧検出器と、検出された平均静圧と総圧から飛翔中の平均静圧を補正し高度を演算する高度演算装置とを備えた、ことを特徴とする飛翔体用気圧高度計が提供される。
また、本発明によれば、飛翔方向を中心軸とする円筒形外表面を有する飛翔体の飛翔方向先端から等しい位置の円筒形外表面に複数の静圧孔を設け、該複数の静圧孔の平均静圧Pを検出し、同時に飛翔方向先端部に作用する総圧P1を検出し、検出された平均静圧と総圧から飛翔中の平均静圧を補正し高度を演算する、ことを特徴とする飛翔体用気圧高度計の誤差補正方法が提供される。
上述した本発明の装置および方法によれば、複数の静圧孔が円筒形外表面の飛翔方向先端から等しい位置に設けられているので、迎角が変動する場合でも静圧孔の位置(位相)の影響を大幅に低減した平均静圧を検出することができる。
従って高度演算装置で検出された平均静圧と総圧から飛翔中の平均静圧を補正することによって、流速の影響によって発生する高度誤差要因を大幅に低減でき、分離機構や減速機構なしに、通常の飛翔中に高度を正確に検知することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記複数の静圧孔は、圧力係数Cpの迎角による変動が小さく、かつ飛翔による流速方向と円筒形外表面の中心軸が一致するときに圧力係数Cpがゼロまたはゼロに近い値となる位置に設けられる。
この構成により、飛翔による流速方向と円筒形外表面の中心軸が一致するときに圧力係数Cpがほぼゼロであり、迎角による変動も小さいため、飛翔方向に対する迎角が変動する場合でも静圧孔の位置(位相)の影響を大幅に低減しかつ圧力係数Cpをゼロに近い値に保持して平均静圧を検出することができる。
前記飛翔体は、細長い円筒形の胴部とその末端に尾翼を有するロケット又はロケット弾であり、前記複数の静圧孔は、先端と末端の尾翼から十分離れて圧力係数Cpがゼロに近くなる位置に、中心軸に直交する平面内でかつ中心軸まわりに等しい位相角で、6以上設ける。
この構成により、迎角が変動する場合でも、動圧の影響を低減し圧力係数Cpをゼロに近い値に保持することができる。
前記平均静圧Pと総圧P1から飛翔中の動圧推定値q0を総圧P1とPとの差圧q0=P1−Pとして求め、各静圧孔位置での圧力係数の平均値Cp'を風洞試験やCFD解析等であらかじめ設定し、下記の(式1)で平均静圧Pを補正して、高度計算用の静圧P'を算出する、
静圧補正値P'=P−Cp'×q0・・・(式1)
ことが好ましい。
この補正方法により、高度誤差検出精度が大幅に向上することが、後述する実施例により確認された。
上述したように、本発明の飛翔体用気圧高度計とその誤差補正方法は、機体姿勢や速度等の情報を用いることなく、かつ減速装置を用いて減速することなく、圧力計測のみで飛翔体の高度を正確に検知することができる、等の優れた効果を有する。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
図1は、本発明の飛翔体用気圧高度計を備えた飛翔体の構成図である。この図において、(A)は飛翔体の側面図、(B)は飛翔体の後方から見た端面図である。この例において、飛翔体1は、細長い円筒形の胴部2とその末端に尾翼3を有するロケット又はロケット弾であるが、本発明はこれに限定されず、航空機を含むすべての飛翔体にも適用することができる。
以下、本出願において、胴部2は先端(図で左端)が半球状であり、全体が一定の直径dを有する円筒形であり、その尾翼3を含む全長をLとする。さらに、胴部2の先端を原点とし、図に示すように、x-y-zの直交座標系と迎角α、位相角θを定義する。すなわちx軸は円筒形の中心軸であり、迎角αはx軸と飛翔により発生する流速方向とのなす角度、位相角θは上方を基準とするx軸まわりの角度である。
本発明の飛翔体用気圧高度計10は、上述した飛翔体1の高度を検知するものであり、図1に示すように、複数の静圧孔12、平均静圧検出器14、総圧検出器16、および高度演算装置18を備える。
複数の静圧孔12は、飛翔体1の円筒形外表面2aの飛翔体先端から等しい位置に設けられている。この位置は、飛翔方向に対する迎角が変動する場合でも静圧孔の位置(位相)の影響を大幅に低減しかつ圧力係数Cpをゼロに近い値に保持して平均静圧を検出することができるように、圧力係数Cpの迎角による変動が小さく、かつ流速方向と円筒形外表面の中心軸が一致するときに圧力係数Cpがゼロまたはゼロに近い値となる位置に設けるのがよい。
また、複数の静圧孔12は、迎角が変動する場合でも、動圧の影響を低減し圧力係数Cpをゼロに近い値に保持することができるように、先端と末端の尾翼から十分離れて圧力係数Cpがゼロに近くなる位置に、中心軸に直交する平面内でかつ中心軸まわりに等しい位相角で、6以上設けるのがよい。
平均静圧検出器14は、例えば飛翔体1のx軸上に設けられた単一の圧力変換器であり、図示しない複数の導管を介して各静圧孔12と連通し、複数の静圧孔12の平均静圧を検出する。なお、単一の圧力変換器の代わりに各静圧孔12に各々圧力変換器を設け、その出力を平均化してもよい。検出した平均静圧Pはアナログまたはデジタルの電気信号として高度演算装置18に入力される。
総圧検出器16は、飛翔体1の飛翔方向先端部に設けられた圧力変換器であり、飛翔方向先端部に設けられた総圧孔を通して総圧P1を検出する。総圧検出器16は、単一でも複数でもよい。検出した総圧P1はアナログまたはデジタルの電気信号として高度演算装置18に入力される。
高度演算装置18は、コンピュータ又はマイクロコンピュータであり、検出された平均静圧Pと総圧P1から飛翔中の平均静圧を補正し高度を演算する。
高度演算装置18による演算は、平均静圧Pと総圧P1から飛翔中の動圧推定値q0を総圧P1とPとの差圧q0=P1−Pとして求め、各静圧孔位置での圧力係数の平均値Cp'を風洞試験やCFD解析等であらかじめ設定し、下記の(式1)で平均静圧Pを補正して、高度計算用の静圧P'を算出する。
静圧補正値P'=P−Cp'×q0・・・(式1)
この補正方法により、高度誤差検出精度を大幅に向上することできる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
1. 無誘導のロケット弾において、飛翔中のイベント(例えば、分離やペイロード放出等)のタイミングを決定する方式としては、一般的に時限方式が用いられている。高度検知方式は弾道飛翔するロケット弾においては射距離誤差が大きいため、その適用例はほとんどみられない。しかし射角変動などで高度ばらつきが大きくなる運用において、射距離誤差より所定の高度でのイベント作動を優先させたいニーズもあり、この場合には高度検知方式が有効である。
高度を検知するためのセンサには電波高度計やGPS等があるが、これらは一般的に高価である。気圧センサを用いた高度計は、飛翔速度や適用高度などの制約はあるものの低コスト化が可能であり、ロケット弾に安価に高度検知方式を適用することができる。
気圧センサを用いた高度検知方式として、発射前に取得する発射点の気圧(基準気圧)と目標とする高度差に対応する気圧差を、機体表面に設けた静圧孔を通して気圧センサにより検知することを考える。この際、気圧センサによる高度誤差の要因には、センサ単体のEN(温度特性、応答性等)、気象現象による気圧や空気密度変動等があるが、ロケット弾に適用する場合に最も問題になるのが、飛翔中の流速により発生する静圧(気圧)との圧力差(静圧誤差)の影響である。
大型の航空機等では、この影響の小さい静圧孔位置を風洞試験や飛翔試験等により綿密に選定していると共に、他のセンサ類からの機体姿勢や速度等の情報に基づいてエアデータコンピュータ(ADC)で補正を行っている。
外形形状が限定された小型なロケット弾の場合、静圧孔位置を選定するには制約がある。また姿勢情報等、圧力誤差を補正するためのセンサ類の適用は、安価なロケット弾においてはコスト的に現実的でない。
本発明では、この静圧誤差による高度誤差を低減する方法について、具体的なロケット弾への適用例で示す。
2. 気圧と標高の関係式及びロケット弾における静圧誤差
標準大気における気圧P(hPa)と標高H(m)の関係は(数1)の(3.1)式で与えられる。
Figure 2005147726
飛翔中のロケット弾の静圧誤差は、迎角や動圧及び静圧孔の設置位置(先端からの機軸方向距離及び位相角)によって変動し、(数2)の(3.2)式で表される。
Figure 2005147726
ここで、P:機体表面圧力、P∞:静圧、Cp(L1,θ,α):機体表面の圧力係数、L1:先端からの機軸方向距離、θ:位相角、α:迎角、q:動圧(=1/2・ρ・V2、ρ:空気密度、V:流速)である。
3. 高度検知方式の適用対象とするロケット弾
本発明において、高度検知方式の適用対象とするロケット弾は、図1に示したものであり、図2はその飛翔シーケンス、図3は理想条件時の飛翔プロファイルである。
本発明において、気圧センサ(すなわち、圧力検出器14,16)を適用する際の制約条件として、外形寸法等の変更はできないものとした。また低コスト化のために、姿勢や速度等を検知する等の高価なセンサ類は適用しないものとした。
4. 静圧誤差による高度誤差の低減方法
上述したロケット弾に高度検知方式を適用した場合の、静圧誤差による高度誤差の低減方法を以下に示す。
(1) ロケット弾の機体表面Cp分布の把握と適切な静圧孔位置の選定
ロケット弾の機体表面Cp分布をCFD解析により算出した結果を図4に示す。この図において、(a)は迎角α=5°の場合、(b)は迎角α=10°の場合である。
この図から、よどみ点(胴部2の先端)から流れが加速していく先端付近は、先端からの機軸方向距離や位相角θによる圧力変動が大きく、先端から離れるとともにCpの絶対値は小さくなり静圧に近づくが、尾翼付近になるとその影響で逆にCpの絶対値は大きくなることがわかる。
また、Cpの推定精度を向上するためには、静圧に近く、位相角や迎角による変動が小さい位置に静圧孔を設置する必要がある。従って静圧孔の設置位置はCpの絶対値がほぼ最小となるL1=0.6L付近を選定した。
(2) 複数位相の平均化による圧力ばらつきの低減と静圧孔位置のCpの推定
選定したL1=0.6Lの位置に静圧孔を設けて、風洞試験により各位相角毎のCp計測を行った結果及び対応するCFD解析結果を図5に示す。なおCFD解析と風洞試験結果はほぼ一致していた。
この図から迎角が大きい場合、位相角によってCpは大きくばらつくことがわかる。そのためロールフリーのロケット弾の場合、飛翔中の位相角は変動し特定できないため、Cpの推定精度を高くするためには、このばらつきを抑える必要がある。
図6に複数位相に等間隔に静圧孔を設けて圧力の平均値をとった場合のその平均数(静圧孔数)と位相によるCpのばらつき幅(半幅)及び相当する高度誤差(理想条件時の飛翔高度200m地点での値)の関係を示す。圧力平均をとらない場合、迎角10°でCpのばらつきは±約0.06(高度誤差で±約40mに相当)であるが、6位相以上の平均をとると±0.002以下(高度誤差で±1m以下に相当)に抑えることができることがわかった。
本発明では8位相に静圧孔を設けて平均をとることとした。この時の迎角に対するCp及び位相によるばらつき(上限及び下限値)を図7に示す。図5に示した平均前に比べ、位相角及び迎角によるCp変動を小さく抑えていることが分かる。
(3) 動圧の推定と静圧誤差の補正
静圧誤差による高度誤差を低減するためには、飛翔中の静圧孔位置のCp及び動圧から静圧誤差を推定して、飛翔中に静圧孔から気圧センサに入力される圧力を補正すれば良い。 飛翔中の動圧は、機体先端に設置した圧力孔を通して得られる総圧と8位相の平均圧力との差分をとることによって推定できる。この動圧推定値は、迎角に応じて誤差が大きくなるが、その誤差はCpの変動に比べ充分小さく、補正上は問題ないといえる。
この動圧推定値と8位相のCp平均値を用いて、静圧孔から気圧センサに入力される各時刻毎の8位相の平均圧力に対して(数3)の(3.3)式に示す補正を行うことにより、高度誤差の低減を図った。
Figure 2005147726
ここで、P8(t):飛翔中の各時刻tにおいて、静圧孔から気圧センサに入力される
8位相の平均圧力計測値、Cp0:迎角0°時のCpの8位相平均値、(静圧孔位置により一意に決まる補正用設定値)、q0(t):飛翔中の各時刻tにおける、機体先端圧力と8位相平均圧力P8(t)との差圧計測値である。
5. シミュレーションによる検証
飛翔中に気圧センサに入力される圧力のシミュレーションを行い、上述した補正方法による高度誤差の低減効果の検証を行った。以下の2つの飛翔条件について、シミュレーションによる高度誤差算出結果を図8に示す。なお、本シミュレーションでは、高度に対する気圧の関係は標準大気に従うものとし、気圧センサ単体の誤差はないものとした。
飛翔条件1:理想条件(射角45°、風速0m/s)の場合
飛翔条件2:高度誤差が大きくなる条件の1例(射角60°、追風20m/sとして発射時に大きな迎角を発生させ、かつ空力安定性を劣化させて迎角振動の減衰を小さくした場合)
図7(a)では、目標検知高度差200mに対して、補正無しの場合高度誤差が18mであるのに対して、本発明の補正有りの場合、高度誤差が0.4mまで低減している。また、同様に、図7(b)では、目標検知高度差200mに対して、補正無しの場合高度誤差が19mであるのに対して、本発明の補正有りの場合、高度誤差が0.3mまで低減している。
従ってこの結果から2条件とも、本発明の補正を行うことにより高度誤差を大幅に低減できることが分かる。
6.上述したように、本発明では、対象とするロケット弾に対して、以下の補正方法により静圧誤差による高度誤差を低減できることを示した。
(1) CFD解析や風洞試験による機体表面Cp分布の把握と適切な静圧孔位置の選定
(2) 複数位相の平均化による圧力ばらつきの低減と静圧孔位置のCpの推定
動圧の推定と静圧誤差の補正
またこれにより、機体姿勢や速度等の情報を用いることなく、かつ減速装置を用いて減速することなく、圧力計測のみで飛翔体の高度を正確に検知することができることが確認された。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明の飛翔体用気圧高度計を備えた飛翔体の構成図である。 適用対象とする飛翔体の飛翔シーケンスである。 適用対象とする飛翔体の理想条件時の飛翔プロファイルである。 適用対象とする飛翔体の機体表面Cp分布をCFD解析により算出した結果である。 各位相角毎の迎角によるCp変化のCFD解析結果である。 圧力平均数とCpのばらつきの関係図である。 各迎角に対するCpの8位相平均値を示す図である。 シミュレーションによる高度誤差算出結果を示す図である。 特許文献1の「飛しょう体」の模式図である。 特許文献3の「位置誤差較正装置及び方法」の模式図である。 非特許文献1のロケット弾の説明図である。
符号の説明
1 飛翔体、2 胴部、2a 外表面、3 尾翼、
10 飛翔体用気圧高度計、12 静圧孔、14 平均静圧検出器、
16 総圧検出器、18 高度演算装置

Claims (7)

  1. 飛翔方向を中心軸とする円筒形外表面を有する飛翔体の高度を検知する飛翔体用気圧高度計であって、
    前記円筒形外表面の飛翔方向先端から等しい位置に設けられた複数の静圧孔と、該複数の静圧孔の平均静圧を検出する平均静圧検出器と、飛翔方向先端部に設けられた総圧孔を通して総圧を検出する総圧検出器と、検出された平均静圧と総圧から飛翔中の平均静圧を補正し高度を演算する高度演算装置とを備えた、ことを特徴とする飛翔体用気圧高度計。
  2. 前記複数の静圧孔は、圧力係数Cpの迎角による変動が小さく、かつ飛翔による流速方向と円筒形外表面の中心軸が一致するときに圧力係数Cpがゼロまたはゼロに近い値となる位置に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の飛翔体用気圧高度計。
  3. 前記飛翔体は、細長い円筒形の胴部とその末端に尾翼を有するロケット又はロケット弾であり、前記複数の静圧孔は、先端と末端の尾翼から十分離れて圧力係数Cpがゼロに近くなる位置に、中心軸に直交する平面内でかつ中心軸まわりに等しい位相角で、6以上設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の飛翔体用気圧高度計。
  4. 飛翔方向を中心軸とする円筒形外表面を有する飛翔体の飛翔方向先端から等しい位置の円筒形外表面に複数の静圧孔を設け、該複数の静圧孔の平均静圧Pを検出し、同時に飛翔方向先端部に作用する総圧P1を検出し、検出された平均静圧と総圧から飛翔中の平均静圧を補正し高度を演算する、ことを特徴とする飛翔体用気圧高度計の誤差補正方法。
  5. 前記複数の静圧孔を、圧力係数Cpの迎角による変動が小さく、かつ飛翔による流速方向と円筒形外表面の中心軸が一致するときに圧力係数Cpがゼロまたはゼロに近い値となる位置に設ける、ことを特徴とする請求項4に記載の誤差補正方法。
  6. 前記飛翔体は、細長い円筒形の胴部とその末端に尾翼を有するロケット又はロケット弾であり、前記複数の静圧孔を、先端と末端の尾翼から十分離れて圧力係数Cpがゼロに近くなる位置に、中心軸に直交する平面内でかつ中心軸まわりに等しい位相角で、6以上設ける、ことを特徴とする請求項4に記載の誤差補正方法。
  7. 前記平均静圧Pと総圧P1から飛翔中の動圧推定値q0を総圧P1とPとの差圧q0=P1−Pとして求め、各静圧孔位置での圧力係数の平均値Cp'を風洞試験やCFD解析等であらかじめ設定し、下記の(式1)で平均静圧Pを補正して、高度計算用の静圧P'を算出する、
    静圧補正値P'=P−Cp'×q0・・・(式1)
    ことを特徴とする請求項4に記載の誤差補正方法。

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