JP2005142844A - プリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ユーザ好みの色合いを持つ画像がいつでもどこでも簡単に得られるプリンタを提供すること。
【解決手段】プリントデータ補正SWの操作による濃度調整値に対応付けて色変換情報を記憶部に記憶しておき、その記憶部に記憶された色変換情報に基づいて画像処理部で色変換処理を行なう。このときにはプリンタデータ補正SWの操作状態(標準、Ligeten、Darken)に応じて行列式係数と補正項とが画像処理部にセットされ、色変換が行なわれ、プリント補正データSWを操作することでユーザ好みの色合いを持つ画像が出力される。
【選択図】 図7

Description

本発明は、画像データを取得し取得した画像データに基づく画像をプリント出力するプリンタに関する。
プリンタには、色校正機能を備えたものがある(例えば特許文献1参照)。この特許文献1のものでは、プリンタから階調チャートを出力させ、その階調チャートの濃度値を濃度測定手段により測定することにより目標濃度値を実現する色補正パラメータを決定してプリンタ内部にその色補正パラメータを登録することが行なわれている。このようにするとユーザが望む任意の出力階調特性が得られ、ユーザ好みの色合いを持つ画像がプリント出力される。
近年、携帯電話やPHS(Personal Handyhone System)等の携帯型の電話機等(以下、通信形態を問わず「携帯電話機」で代表させることがある)には撮影機能が搭載され、さらにそのカメラ機能で撮影された画像データを赤外線通信等で送信する機能が搭載されてきている。これにあわせて、そのような機能が搭載された携帯電話から赤外線通信等で送信されてきた画像データを受信してその画像データに基づいて画像をプリント出力するプリンタも考えられてきている。また、このようなプリンタとして携帯電話機と一緒に携帯して持ち運べるいわゆるモバイル型のプリンタが有望視されている。
このようなモバイル型のプリンタにおいては、工場から出荷され販売された後、ユーザがこのプリンタを携帯することができることが前提となっているため、特許文献1のように複数のユーザが望む目標濃度値をそれぞれのプリンタ内部に一々設定するという訳にはいかない。
特開平9−116768号公報
本発明は上記問題点を解決し、ユーザ好みの色合いを持つ画像がいつでもどこでも簡単に得られるプリンタを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明のプリンタは、画像データを取得し取得した画像データに基づく画像をプリント出力するプリンタにおいて、
画像データを取得する取得部と、
プリント出力する画像の濃度を調整する操作子と、
色変換情報を、上記操作子による濃度調整値に対応付けて記録しておく記憶部と、
取得した画像データに、上記操作子による濃度調整値に応じた色変換を施す色変換部と、
上記色変換部による色変換後の画像データに基づく画像をプリント出力する出力部を備えたことを特徴とする。
上記本発明のプリンタによれば、上記操作子による濃度調整値に対応付けて色変換情報を記憶しておく記憶部を設け、上記操作子が操作されたらその記憶部に記憶された色変換情報に基づいて上記色変換部で色変換が施される。そうすると上記操作子を操作することで、ユーザ好みの色合いを持つ画像がプリント出力される。
ここで、上記取得部が、外部から画像データとともに色変換情報を取得するものであり、
上記色変換部は、上記取得部で取得した画像データに、上記操作子による濃度調整値に応じた色変換情報とその取得部で取得した色変換情報との双方の色変換情報に基づく色変換処理を施すものであることが好ましい。
そうすると、プリンタの操作子による濃度調整値に応じるとともに携帯電話機などから送信されてきた色変換情報に応じてもこのプリンタに適正な色変換が上記色変換部で行なわれる。例えば、送信されてきた色変換情報に基づくプリントを行うだけでは全体的に淡い色合いになってしまうような場合には、予め上記操作子により濃度調整をしておくことで双方の色変換情報に応じた、ユーザの好みの画像を得ることができる。
ここで、上記取得部が、外部から画像データとともに色変換情報を取得するものであり、
上記色変換部は、上記取得部で取得した画像データに、上記操作子による濃度調整値に応じた色変換情報に代えて、その取得部で取得した色変換情報を採用してその色変換情報に基づく色変換処理を施すものであることが好ましい。
このように、外部から送信されてきた画像データと色変換情報を上記取得部で取得して、上記操作子による濃度調整値に拠らず、その取得した色変換情報のみに基づいて画像データの色変換が行なわれると、携帯電話機側に色変換情報をいろいろと配備しておくことによって操作子により濃度の調整を行なわなくても、携帯電話機側で操作を行って上記色変換部に好適な色変換を行わせることができる。また、携帯電話機を製造する製造者ごとに若干色合いが異なることもあるが、それらの異なる色合いを表わす色変換情報を携帯電話機ごとにプリンタに送信させるようにすると、このプリンタ内部の色変換部で異なる色合いに応じた色変換を携帯電話機ごとに行なわせることもできる。
また、上記取得部は、赤外線通信により画像データを取得するものであることが好ましく、赤外線通信により、カメラ付き携帯電話から送信されてきた画像データを取得するものであることが好ましい。
そうすると、例えばIrDA(Infrared Data Association)通信規格に準拠した赤外線通信装置を搭載したカメラ付き携帯電話機で撮影した画像が、その場でプリントされる。
ここで、上記出力部は、露光により潜像が形成され送り出しの際に現像剤が展開されて顕像化されるインスタントフィルムシート上に、所定の副走査方向に移動しながらその副走査方向と交わる主走査方向に並んだ光点を画像データに応じて照射することにより潜像を記録し、潜像が記録されたインスタントフィルムシートを送り出しながらそのインスタントフィルムシートに現像剤を展開することによりそのインスタントフィルムシート上に画像をプリント出力するものであることが好ましい。
そうすると、携帯電話機で撮影を行なった場所で、その撮影した画像を表わす画像データに基づく画像がユーザ好みの色合いを持つ写真となってプリント出力される。
上記本発明のプリンタによれば、ユーザ好みの色合いを持つ画像がいつでもどこでも簡単に得られるプリンタが実現される。
図1は本発明の実施形態であるプリンタ1を、斜め前方から見た斜視図である。
このプリンタは携帯電話などと組み合わされて使用されるものであって、携帯電話から送信されてくる画像データをこのプリンタで受信してインスタントフィルムシート上に画像の記録を行なうものである。ここでは記録媒体としてインスタントフィルムシートを使用しているが、普通紙であっても良い。
前述したように、カメラ付き携帯電話の中にはIrDAに準拠した赤外線通信を行なえるものがあり、この赤外線通信を使用して自分の持つ情報を他の情報機器へ送信することができるカメラ付き携帯電話であれば、画像データをこのプリンタに送信することができる。
本発明のプリンタは、このようなカメラ付き携帯電話で撮影された画像を表わす画像データまたはメールなどで携帯電話に送信されてきた画像データが赤外線通信を用いてこのプリンタに送信されてきたときに、その画像データに基づいてインスタントフィルムシート上に画像の記録を行なうものである。
本実施形態のプリンタの構成を、図1を参照して説明する。
このプリンタ1は可搬型であって携帯電話とこのプリンタ双方を手に持って画像の記録を行なうことが可能な程度の小型かつ軽量の構造を有するものである。このプリンタ1の筐体1a内にインスタントフィルムパックが装填され、そのインスタントフィルムパック内の、積層された多数のインスタントフィルムシート一枚一枚に画像の記録が行なわれる。
プリンタ1の筐体1aの上面には、このプリンタ1の電源の投入および遮断を指示する電源スイッチ(以下電源SWという)11やプリントスイッチ(以下プリントSWという)12やプリントデータ補正スイッチ(以下プリントデータ補正SWという)13が設けられている。また、中央には、LCDパネル14が設けられており、このLCDパネル14上にインスタントフィルムシートの残り枚数やプリントデータ補正SW13の内容が表示される。また、前述した赤外線通信により送信されてきた画像データを受光する受光素子15が携帯電話をこのプリンタに対向させ易い位置、ここでは筐体1aの端部に配備されている。なお、この図1には図示してはいないが、このプリンタ1はUSB通信用の通信ポートも持っている。
プリントSW12は、記録媒体への画像の記録が終了した後、その記録が終了した画像と同じ画像を再記録する場合に操作されるものであり、プリントデータ補正SW13は、記録媒体に記録される画像の濃度調整値(ここではNoraml or Darken or Lightenという3段階)を調節するためのものである。このプリントデータ補正SW13はトグル動作するもので初期状態であるNormalにあるときにこのプリントデータ補正SW13がもう一度操作されると、Darkenに切り替えられ、そのDarken状態にあるときにプリントデータ補正SWがもう一度操作されるとLighetnに切り替えられ、さらにLighten状態にあるときにもう一度操作されるとNormalに切り替えられるといった様に操作されるたびに順次濃度調整値が切り替わるものである。このプリントデータ補正SW13がDarken側に切り替えられていたら、そのDarkenに対応する濃度調整値に応じた色変換がプリンタ内部で行なわれて、その色変換が行なわれた画像データに基づく画像がインスタントフィルムシート上に記録される。また、Lighten側に切り替えられたらそのLightenに対応する濃度調整値に応じた色変換がプリンタ内部で行なわれて、その色変換が行なわれた画像データに基づく画像がインスタントフィルムシート上に記録される。
もし、ユーザがそのプリント出力されたインスタントフィルムシート上の画像を見て画像の濃淡が今ひとつと感じたら、プリントデータ補正SW13を操作して再度プリントSW12を操作すると、自分の好みの濃淡すなわち色合いを持つ写真が得られる。このプリントデータ補正SWが、本発明にいう画像の濃度を調整する操作子にあたる。
図2はプリンタ内部の光学ヘッドによってそのインスタントフィルムシート上に潜像の記録が行なわれた後、そのインスタントフィルムシート1001上の潜像が顕像化されながら、このプリンタの排出口からインスタントフィルムシート1001が排出されているときの状態を示す図である。
このプリンタでは、赤外線通信、またはUSB通信により外部から送信されてきた画像データをこのプリンタにより取得したら、その取得した画像データに基づく潜像の記録が露光によりインスタントフィルムシート上に行なわれ、その潜像が記録されたインスタントフィルムシート1001が顕像化されながら、図2に示すようにプリンタ1外部へ排出される。その後プリントSW12が操作されたときにも、その画像と同じ画像の再記録がインスタントフィルムシート1001上に行なわれ、図2に示すようにインスタントフィルムシート1001が排出される。さらに本発明にいう濃度を調整する操作子であるプリント補正SWがユーザによって操作された後さらにプリントSWが押されると、画像の濃淡が調整された画像がインスタントフィルムシート1001上に記録され、図2に示すようにインスタントフィルムシート1001が排出される。
図3は、このプリンタの内部の構成を示す構成ブロック図である。
図3に示すように、このプリンタの動作は統括的にCPU180により制御される。
CPU180には図1に示した電源スイッチ11やプリントSW12やプリントデータ補正スイッチ13などからなるスイッチ類10からの操作信号が供給されている。このスイッチ類10のうち、電源SW11が投入されて電源オンを表わす操作信号がCPU180に供給されると、画像処理部182の外部IF1821に電源部181から電力が供給され、その画像処理部にある外部IFが受信待機状態になる。このときに赤外線通信またはUSB通信により画像データが外部から送られてきて外部IF1821を通して画像データが取得されたら、無条件に画像のプリントが行なわれる。
ここで、電源SW11が投入された後、外部から画像データが送信されてきたときに、CPU180がどのような処理を各部に行なわせるかを説明する。
赤外線通信により画像データが外部からこのプリンタ1に送られてきたときには、外部I/F1821がその赤外線を受光素子15によって受光したときにCPU180に対し通信要求有りの信号を出力する。CPU180はこの信号を受けて画像処理部182にRAM184とFLASHMEMORY185双方の画像データの消去を行なわせる。さらに、画像処理部182を受信待機状態にして新たな画像データの受信を行なわせ、その受信した画像データを、バスを介してRAM184に記憶させる。このCPU180と画像処理部182とRAM184とが本発明にいう取得部にあたる。
CPU180は,この取得部に外部からの画像データを取得させたら、そのRAM184に格納されている画像データを画像処理部182に読み出させ、その画像処理部182にプリントデータを生成させる。なお、このプリントデータとは画像処理部182で濃度調整値に応じた色変換が施された後の画像データを指しており、上記取得部により取得された画像データとは異なる。以降の説明においては、双方のデータを区別するため、プリントデータに対し、上記画像取得部により取得され、RAMに格納された画像データをプリント前データと呼ぶ。このプリント前データに濃度調整値に応じた色変換処理を施してプリントデータを生成する画像処理部182が本発明にいう色変換部にあたる。
CPU180は、このプリントデータを画像処理部182に生成させるにあたり、画像処理部182に行列式係数と補正係数とをセットして、画像処理部182に色変換を行なわせている。CPU180はその画像処理部182で色変換処理が施されたプリントデータを印刷制御部183に転送させ、光学ヘッド17の各シャッタのシャッタスピードの制御を印刷制御部183に行なわせている。そうすると、そのプリントデータに応じて、主走査方向に配列されている各シャッタの開口時間つまりシャッタスピードが制御され、各シャッタを通過するR,G,B3色の光量がそれぞれ調節され、さらに副走査方向に光学ヘッド16が走査され、副走査方向の各光点の光量がそれぞれ調節されて画像データに基づくカラー潜像がインスタントフィルムシート上に記録される。
このCPU180には、光学ヘッド17の温度を検出する温度センサ180Aと、光学ヘッド17の記録開始位置を検出する原点センサ180Bと、光学ヘッド16の終端位置を検出する終端センサ180Cからの検出信号が供給されており、CPU180は温度センサ180Aからの検出信号に応じて光学ヘッド16内の各シャッタのシャッタスピードを印刷制御部183に制御させるとともに、光学ヘッド16を副走査方向に移動させるときの移動開始位置と、終端位置とをそれぞれ原点センサと終端センサにより検出して、印刷制御部183にステッピングモータ162aを制御させている。
このようにしてインスタントフィルムシート上にカラー潜像を記録させた後、CPU180は展開モータドライバ17aにより展開モータ17を駆動させ、そのカラー潜像を顕像化させてカラー潜像がインスタントフィルムシート上に形成されたインスタントフィルムシートをプリンタ外部へと排出させる。
以上が、電源SW11により電源が投入された後、赤外線通信またはUSB通信により画像データが送られてきたときにCPU180が各部に行なわせる処理である。
次に、プリントSW12が操作されたときにCPU180が各部に行なわせる処理を説明する。
プリントSW12が操作されたことを受けて、CPU180は画像処理部182にRAM184に格納されている画像データの読み出しを行なわせる。この読み出した画像データに基づいて画像処理部182にプリントデータを生成させ、印刷処理部183へ転送させる。印刷処理部183ではそのプリントデータに基づき、終端センサ180Cの検出信号が変化するまでインスタントフィルムシート上にそのプリントデータに応じた潜像を記録していき、CPU180が終端センサ180Cの変化を検出したら印刷処理部の動作を停止させ、今度は展開モータドライバに指示を出して展開ローラを駆動してインスタントフィルムシートをプリンタ外部へと排出させる。この展開ローラにインスタントフィルムシートを挟持させることにより、インスタントフィルムシート内に充填されていた現像剤をインスタントフィルムシート全体に展開させ、潜像を顕像化させる。
このようにしてプリントSW12が操作されたときにも、RAM184内に格納されている画像データに基づく画像がインスタントフィルムシート上に形成され、プリンタ外部へと排出される。
図4は、CPU180が行なう処理の手順を示すフローチャートである。
図4にはメインプロセスが示されている。
まず、図4を参照してCPU180で行なわれるメインルーチンの処理を説明する。
電池装填室(図示せず)に図3に示す電池1bが投入されたら、まずステップ401で各部の初期設定を行なう。この初期設定によってCPU180が動作するクロックの発振周波数の設定を行なう。このCPU180は、低消費電力でこのプリンタを動作させることができるように、電源off時には遅いクロックで動作する。次のステップS402でFLASHMEMORY185内の画像データの削除を行なう。ここでは例えば出荷前の検査用の画像データがFLASHMEMORY185内に残っていると困るので画像処理部に画像データの消去を行なわせている。
ステップS403で、電源SW11が投入されるのを待ち受け、電源SW13が投入されたら、ステップS404で電源ON処理を行なう。この電源ON処理ではLCDパネル14上にメニューを表示したり、クロックのスピードを速めてCPU180の処理速度を上げることを行なう。
次のステップS405で、CPU180側に入力される信号の状態が遷移するのを待ち受ける待ち受け処理に移行する。ここでこの待ち受け処理の詳細を、図5を参照して説明しておく。
図5はCPU180が行なう待ち受け処理の詳細を示す図である。
図4に示すステップS405で待ち受け処理が実行されると、図5に示す各ステップの処理が行なわれる。
図5に示すように待ち受け処理に入ると、外部から送信されてくる画像データをこのプリンタで待ち受けるためステップS40511でオフ状態にあった赤外線通信装置とUSB通信装置をオンさせる。
ステップS40512からステップS40517を繰り返し実行して、スイッチ類の中のいずれかのスイッチが操作されるか、あるいは赤外線通信またはUSB通信により画像データがプリンタに送信されてくるか、あるいはCPU180内のタイマがタイムオーバになるかを待ち受ける。
まず、この待ち受け状態にあるときにステップS40512でプリントSW11が操作されたとCPU180が判定したらステップS409へ移行してCPU180内のタイマのタイマ値がタイムアウトしているかどうかを判定する。このステップS409でタイムアウトと判定したらステップS40512の待ち受け状態に戻り、このステップS409でタイムアウトしていないと判定したらステップS40159で図4のステップS410のプリントデータRAM展開処理プロセスにジャンプする。また、ステップS40513でプリントデータ補正SW13が操作されたと判定したらステップS40520で図4のステップS406のプリントデータ補正SW処理プロセスにジャンプする。また、ステップS40514で赤外線通信要求が外部から出されたと判定したら、ステップS40521で図4のステップS407の赤外線通信プロセスにジャンプし、ステップS40515でUSB通信要求が外部から通知されたと判定したら、ステップS40523で図4のステップS408のUSB通信処理プロセスにジャンプする。
さらにステップS40516で電源SWがオフ操作されたら、ステップS40523で図4のステップS411の電源off処理プロセスへジャンプし、ステップS40517でタイムアウトと判定したら、ステップS40524で図4のステップS412のオートoff処理プロセスにジャンプする。
図4のステップS405の待ち受け処理が図5のフローに従って行われていずれかのステップのジャンプ処理が実行された後の処理を、図4を参照して説明する。
まず、図5のステップS40520でジャンプ処理を行なった場合には、ステップS406へ移行してステップS406で画像処理部内のプリントデータ補正SW処理プロセスを起動する。このプリントデータ補正SW処理プロセスでは、プリントデータ補正SW13の操作内容に応じた色変換情報を示す行列式係数と補正項とを画像処理部182にセットする。この行列式係数と補正項については後述する。このセットを終了したら、またステップS405の待ち受け処理に戻る。
また、図5のステップS40521でジャンプ処理を行った場合には、ステップS407で画像処理部182内の赤外線通信プロセスを起動し、画像処理部182内の外部IF1821とRAM184とからなる取得部によって画像データを取得する。この取得部により画像データを取得したら、ステップS413からステップS415で各処理を画像処理部182と印刷処理部183に行なわせてインスタントフィルムシートを外部に排出させる。同様に図5のステップS40522でジャンプ処理を行ったらステップS408のUSB処理プロセスを起動してステップS413からステップS415までの処理を行って次の処理に備えてステップS405の待ち受け状態に戻る。
また図5のステップS40519でジャンプ処理を行なう前に、ステップS409でCPU内のタイマがタイムオーバであるかどうかを判定してタイムオーバだったら、ステップS405の待ち受け状態に戻り、タイムオーバでなかったら、ステップS410へ移行しプリントデータRAM展開処理プロセスを起動して、FLASHAMEMORY185からRAM184に画像データを復帰させ、画像データに基づく画像のプリント処理をステップS413からステップS415で印刷処理部183に行なわせる。
さらに、図5のステップS40523のジャンプ処理を行ったら、ステップS411でCPU180内の電源off処理プロセスを起動し、RAM184に格納されている画像データをFLASHMEMORY185に退避させた後、各部の電源off処理を行なって、ステップS403へ戻る。同様に図5のステップS40524のジャンプ処理が行なわれたら、ステップS412でオートoff処理プロセスを起動して、電源off処理と同様の処理を行なってステップS403へ戻る。
この実施形態では、この電源SW11がoff側に切り替えられるか、またはオートパワーオフ機能が働いたことをCPU180により検知して、電源部181の出力を断つ制御を行っている。このようにしておくと電源off時にCPUを遅いクロックで動作させることとあわせてこのプリンタを低消費電力で動作させることができる。
ここで本発明の課題を達成する色変換処理を実行するステップS413のプリンタ前処理プロセスを説明する。
図6はステップS413のプリント前処理プロセスの詳細を示すフローチャートである。
外部からヘッダ情報を含む画像データが送信され、このプリンタで画像データを取得したら、ステップS4131でその取得した画像データが非圧縮データであるかどうかを判定する。ここでは画像データのヘッダ情報から非圧縮データであるかどうかを判定して、非圧縮データであった場合にはYes側に進み、次のステップS4132へ移行する。ステップS4131で画像データが圧縮データであると判定したらNo側に進みステップS4133で圧縮データの伸張処理を画像処理部182に行なわせる。ステップS4131またはステップS4133の処理を行なった後、ステップS4132へ移行して、このプリンタ1での画像の記録に適した解像度であるかどうかを判定する。このプリンタ1に適した解像度である場合(例えば480×640のVGAサイズである場合)には、Yes側に進み、次のステップS4135へと移行する。このプリンタ1に適した解像度でない場合(例えば縦横比が異なる場合)にはNo側に進み、ステップS4134で解像度の変換を画像処理部182に行なわせる。ステップS4132またはステップS4134のいずれかの処理を行った後ステップS4135へ移行してステップS4135でプリントデータ補正SWが操作されているかどうかを判定する。プリントデータ補正SWが特に操作されておらずNoraml側に切り替えられている場合には、Normal(以下標準と記載する)側に進み、ステップS4136へと移行する。このステップS4135でプリントデータ補正SWが操作されてLighten(以下Lと記載する)側に切り替えられていると判定した場合には、L側に進みステップS4137へと移行し、Darken(以下Dと記載する)側に切り替えられている場合にはD側に進みステップS4138へと移行する。
このようにプリント補正データスイッチ13が標準かLからDかによってステップS4136またはステップS4137またはステップS4138でそれらの濃度調整値に応じた行列式係数と補正項とを画像処理部にセットしてステップS4139でプリントデータを生成してこのフローの処理を終了する。
ここでプリントデータ補正スイッチ13が標準にあるか、Lにあるか、Dにあるかでどのような色変換処理が行なわれるかを、図7を参照して説明する。
図7は、画像処理部182で行なわれる色変換処理を説明する図である。
図7の一番左側に示されているものが工場出荷時にFLASHMEMORY185に記憶され、CPU180により読み出されて画像処理部182にセットされる行列式係数と補正項である。このFLASHMEMORY185が本発明にいう記憶部にあたる。
プリントデータ補正スイッチ13が標準にあるときには、図7の上段にある標準値に対応する行列式係数と補正項とがCPU180によりFLASHMEMORY185から読み出されて画像処理部182に色変換情報としてセットされ、またL側のときには、図7の中段に示す行列式係数と補正項とが画像処理部182に色変換情報としてセットされ、さらにD側のときには図7の下段にに示す行列式係数と補正項とが画像処理部182に色変換情報としてセットされる。
これらの色変換情報のうち、いずれかの色変換情報を表わす行列式係数と補正項とが画像処理部182にセットされて画像処理部182でマトリクス演算が行なわれて、YCC信号からRGB信号への変換が行なわれる。下方には説明図としてプリンタ前データにあたるYCCの信号からプリントデータにあたるRGB信号が行列により算出されるときの関係が示されている。なお補正項の部分には濃度調整値に応じてプリント前データにあたるYCC信号の輝度信号Y、クロマ信号Cb、Crそれぞれがどの程度オフセットされるかを示すオフセット値のみが補正項としてセットされる。
このように濃度を調整する操作子であるプリント補正データSW13の切替に応じて、YCC信号の輝度信号Y、クロマ信号Cb、Crがオフセットされ、さらに行列式係数により画像データに色変換が施されることにより、操作子の操作に応じた色変換が行なわれ、ユーザ好みの色合いを持つ画像がプリント出力される。
ここで、行列式係数と補正項の意味合いを図7に示されている合成行列と補正係数行列と色変換行列とを用いて説明する。それぞれの行列式係数はCPU180内部での表現形式で示されている。この表現形式は一例であって、CPU内のアーキテクチャーが異なればこの表現形式は変わる。
図7に示す合成行列が一番左側に示す行列式係数に相当し、右側にはその合成行列の内容が補正係数行列と色変換行列とで示されている。一番右側には、標準的な色変換行列が示されており、この標準的な色変換行列により色変換が行なわれると、標準的な色合いを持つ画像がプリントされる。補正係数行列は、この標準の色変換行列に対し、異なる色合いを持つ色変換を行なうときの補正係数を示すものである。
標準のときには補正係数行列が単位行列になって標準的な色変換行列がそのまま使用され、さらに補正項も0のままで、行列式係数が決定される。
これに対し、L側に操作された場合には、補正係数行列の対角要素に重みが付けられ、他の係数が負になっている。さらに補正項のうち、輝度信号(Y)のオフセット値48がセットされる。いままでは、この補正項をオフセットして全体の明るさを調整して濃度調整が行なわれていたが、そうすると、画像が白っぽくなってしまって、画像品質が劣化するという問題があった。そこで、補正項に加えて、対角要素に重みを付けて他を負にした補正係数行列を用いて彩度を上げる処理を行なうことで白っぽい画像になることを防止している。
このような意味合いを持つ行列式係数が画像処理部にセットされると、適正な色合いを持つ画像を表わすプリントデータが生成される。この補正行列の係数をいろいろと変化させ、さらに補正項をいろいろと変化させると、ユーザ好みの色合いを持つ画像がいろいろと得られる。
また、D側に操作された場合にも補正項をオフセットして全体の明るさを調整して濃度調整が行なわれていたが、そうすると画像が黒っぽくなってしまって画像品質が劣化するという問題があったため、この実施形態では、補正項に−48をセットすることに加えて、対角要素を小さくする重みを付け、他を正にした補正係数行列をセットすることで彩度を下げる処理を行って画像が黒っぽくなることを防止している。
なお、この実施形態のプリンタでは、プリントデータ補正SW13の操作に応じて、標準あるいはLあるいはDに対応した行列式係数がセットされて所定の色合いを持つ画像が3段階の濃度でプリント出力されるようになっているが、これを連続的に変化させることもできる。
図8は、補正係数行列の係数を変えて行列式係数を決定した場合の例を示す図である。
図7の補正係数行列に対し、図8では主に補正係数行列の対角要素を作用させてコントラストを上げ下げする処理を行っている。このようにしても図7と同様の効果が得られる。
以上説明したように、工場出荷時に濃度調整値に応じた行列式係数と補正項とをFLASHMEMORY185に記憶しておき、それらの行列式係数と補正項とを色変換情報としてプリント補正SWの操作状態に応じて画像処理部182にセットすることで、プリントデータ補正SWの操作に応じてユーザ好みの色合いを持つ画像がこのプリンタからプリント出力される。
また、このようにプリンタ内部で行列式係数と補正項とを画像処理部182にセットすることで、濃度調整値に応じた色変換を画像処理部182に行なわせることができることを考えれば、操作子を操作せずに携帯電話機側から赤外線通信を用いて画像処理部182に行列式係数と補正項とをセットすることも考えられる。
まず、携帯電話機の構成を説明し、その携帯電話機から画像データと色変換情報と補正項とがプリンタに送信されてきたときに、その送信されてきた色変換情報と補正項とが画像処理部182にセットされる場合を説明する。
まず、携帯電話機の構成および動作を簡単に説明しておく。
図9と図10は、このプリンタに色変換情報と画像データとの双方を送信する携帯電話機の、それぞれ表面および裏面を示す斜視図であり、図11はその携帯電話機の内部構成を示す図である。
この携帯電話200は、上部210と下部220とからなり、折り畳み式となっている。この携帯電話200の上部210には、表示画面211、送話口212、アンテナ213および裏面に配備されたカメラ用撮影レンズ214が備えられており、下部220には操作キー221や受話口222が備えられている。
図11には、図9、図10に外観を示す携帯電話の内部構成が示されている。
この携帯電話200は、CPU230でその全体が制御されるように構成されている。このCPU230には揮発性のメモリであるRAM231、不揮発性のメモリであるROM232、図9に示す表示画面211を備えた表示部233、図8にも示す操作キー221、書換可能な不揮発性のメモリである書換可能ROM234および電源部235が配備されている。
ROM232には、CPU230で実行されるプログラム等が記憶されており、また、書換可能ROM234には、パケット通信によりダウンロードされたプログラムが記憶され、そのROM232や書換可能ROM234に記憶されたプログラムがCPU230で実行されることにより、この携帯電話200の各部の動作が制御される。この例では、ダウンロードされたプログラムの中に携帯電話の機種(つまり製造者ごと)ごとの色変換情報が含まれている。
RAM231は、CPU230で実行されるプログラムの作業領域として利用されないが、この携帯電話200で取り扱われる画像データの画素数の設定値や画像データ等の格納領域として利用される。
表示部233は、図8に示す表示画面211を有し、CPU230の指示に応じてこの表示画面211に画像を表示する。
また操作キー221は、ユーザによる操作を受け、その操作をCPU230に伝える役割りを担っている。操作キー221が操作されると、CPU230は、その操作に応じて各部を制御する。
電源部235には、電池(図示せず)が装填されその電池からの電力を、CPU230や、そのCPU230からの指令を受けてこの携帯電話の各部に供給する。
また、この携帯電話200には、電話機能を担う構成要素として、図20、図21にも示すアンテナ213、送受信部241、信号処理部242、および通話部245が備えられている。この通話部243には、図9の受話口222の内部に配備されたマイクロホン243aと送話口212の内部に配備されたスピーカ243bが含まれている。
送受信部241は、アンテナ213での電波の送受信を担う回路要素であり、アンテナ213での電波受信により送受信部241で得られた信号は信号処理部に入力されて信号処理を受けて通話部243のスピーカ243bから音声として出力される。また、通話部243のマイクロホン243aでピックアップされた音声は信号処理部242で信号処理を受け、送信部241を介してアンテナ213から電波として送信される。
また、この携帯電話200はパケット通信機能も備えており、アンテナ213および送受信部241を介して受信またはパケット信号は、信号処理部242で適切な信号処理を受けた後一旦RAM231に格納され、あるいはダウンロードされたプログラムの場合は書換可能ROM234に記憶され、操作キー221からの指示を受けたCPU230により、そのRAM231内のパケットデータが表示部233の表示画面211(図9参照)に表示され、あるいは書換可能ROMに記憶されたプログラムが実行される。
また操作キー221で作成されたパケット通信文書等はその作成時点ではRAM231に一旦格納され、操作キー221からの送信指示に応じて信号処理部241に送られて送信用に信号処理を受け、送受信部241およびアンテナ213を介して電波として送信される。
さらに、この携帯電話200には、撮影部251、画像処理部252、および赤外線通信部253が備えられている。
撮影部251には、図10に示す撮影レンズ214および撮影素子251aが備えられており、撮影レンズを経由して取り込まれた被写体が撮影素子251aで提示されて画像信号が生成される。この撮影素子251aで得られた画像信号は画像処理部252で処理されてデジタルの画像データに変換され、CPU230を介して一旦RAMに格納され操作キー221の操作に応じて表示部231の表示画面211に表示され、あるいは、赤外線通信部253を介して外部(後述するプリンタ)に向けて送信される。この赤外線通信により外部に向けて送信されるときに、ダウンロードしたプログラム内にある機種ごとの色変換情報が画像データのヘッダ情報として付加されて送信される。
図12はカメラ付き携帯電話機200からこのプリンタ1に画像データが送信されてくるときの状態を示す図である。
図11に戻ってこの赤外線通信部253は、赤外線信号受信機能も備えており、送信した色変換情報を含む画像データがプリンタで受信された場合にプリンタから通信されてくる、画像データを受信したことを表わすアクノリッジ信号を受信する。
これにより、この携帯電話200では、プリンタ1に向けて色変換情報を含む画像データを送信してから所定時間以内にアクノリッジ信号を受信できたか否かにより、送信したこれらデータがプリンタで正しく受信されたか否かが認識することができる。
携帯電話機側の色変換情報は、図9、図10に外観を示すカメラ付き携帯電話機を製造しているメーカにより赤、青、緑それぞれの色情報が若干異なるものを修正するためにこのカメラ付き携帯電話機200からプリンタ1に向けて画像データとともに送信するもので、携帯電話から画像データを送信するときには、前述したようにダウンロードされてRAMに格納されたプログラム中に記述されている各メーカの色変換情報も送信される。この例では、その色変換情報をiアプリ(登録商標)と称されるアプリケーションの中のvNote変換という規約を用いて画像データとともに色変換情報を表わす行列式係数と補正項とをプリンタへ送信するようにしている。
図13は、そのカメラ付き携帯電話200から画像データが送信されてきたときにプリンタ1でその画像データに基づく画像がプリント出力されるまでの画像データの流れを説明する図である。
図13には、カメラ付き携帯電話機200内のCPU230が行なう処理とプリンタ1側のCPU180と画像処理部182とが行なう処理とがそれぞれ示されている。図13の左側が携帯電話機200側のCPU230の処理であり、図13の右側はプリンタ1のCPU180および画像処理部182の処理である。
まず、携帯電話機200のCPU230が行なう処理を説明する。
ステップS1311で画像データの処理を携帯電話機1の画像処理部252に行なわせている。
次のステップS1312で画像処理部252にYCデータへの変換を行なわせた後ステップS1313でJPEG圧縮を行なわせてステップS1314でJPEG圧縮された画像データ(以降JPEGデータという)を得ている。さらにステップS1315でダウンロードしたプログラムの中にある行列式係数と補正項と圧縮情報などをステップS1316でiアプリの中のvNoteという規約にしたがってvNote変換して順次赤外線通信部253に送信させている。このvNote規約にしたがってvNote変換を行なうと、まず圧縮のタイプ(例えばJPEGで圧縮された)が送信され、その後画像ファイルサイズ、その後画像ファイル名などが順次プリンタに送信され、さらに、色変換情報を示す行列式係数が16384、22970、53836…という数字の列で順次プリンタに向けて赤外線通信により送信される。これのvNote変換されたvNoteデータは画像データのヘッダ情報として送信され、そのヘッダ情報が送信された後画像データが送信される。
図14はそのvNote変換という規約にしてがってプリンタへ色変換情報をヘッダとして送信する場合のヘッダ情報を説明する図である。
図14に示すように、vNote変換が行われて、TYPE(JPEG)、画像SIZE(120×120)、FILESIZE(3000BYTE)、FILENAME(picture_001.jpg)の後に行列式係数と補正項とが挿入され順次送信されている。この行列式係数の前にTYPEなどと同様に表記されているラベルX−FF−YCC2RGB_***の中のYCC2RGB(YCC TO RGBの意味)がYCCからRGBに変換する行列式係数および補正項であるということを示している。
図13に戻ってプリンタのCPU180と画像信号処理部182が行なう処理を説明する。
プリンタ1では受光素子15を介して画像処理部182にある外部I/F1821が赤外線通信により先に送信されてきた通信要求を示すデータを受信して、その通信要求を示すデータを受信したことをプリンタ1内部のCPU180に知らせる。CPU180は画像処理部182に画像データが送信されてくることを告げ、画像処理部182の外部IF1821を介して画像データを受信させる準備を整える。ここで画像データが送信されてきたら外部I/F1821を介して画像処理部182で画像データを受信する。まず、vNoteと呼ばれる規約にしたがってヘッダ情報としてvNoteデータである圧縮情報、画像ファイルサイズ、画像ファイル名、行列式係数、補正項など(図14参照)が順次送られてくるので、そのvNoteデータを受信してそれぞれの情報を分離してRAM184などに記憶する。このことをフロー中ではvNote逆変換と記述してある。その分離した情報の中の圧縮情報が例えばJPEGとなっていたら、ステップS1319、S1320でJPEGデータの伸張を行なう。また、ステップS1318でvNote逆変換を行った後、ステップS1500で、その分離した情報の中の行列式係数と補正項とを抽出して画像処理部182に行列式係数と補正項とをセットする。なお、この実施形態のプリンタでは、行列式係数と補正項とを受信したときに、CPU180内のマルチプレクサBを作動させ、プリントデータ補正SW13の操作による濃度調整値に対応する行列式係数と補正項を画像処理部182にセットせずに、送信されてきた行列式係数と補正項を画像処理部182にセットするようにしてある。
ステップS1320でこのJPEGデータを伸張してその伸張した画像データに基づいて次のステップS1321でYCC信号を得て、ステップS1322で画像処理部182にセットされた行列式係数と補正係数とに基づくマトリクス演算を行ってステップS1323でプリンタデータとなるRGB信号を得ている。
このように、携帯電話機側から色変換情報が送信されてきたら、その色変換情報を示す行列式係数と補正項とを画像処理部182にセットして、マトリクス演算を行って、RGBからなるプリントデータを得ている。
このようにすると、携帯電話の機種ごとの色変換情報がプリンタ1にセットされて、どこのメーカのカメラ付き携帯電話から画像データが送信されてきても好適な色変換が行なわれ、鮮明な画像がインスタントフィルムシート上に形成されプリント出力される。
ここでは、画像データとともに色変換情報が送信されてきたときにマルチプレクサBを作動させ、送信されてきた色変換情報のみでプリント画像の色変換を行っているが、プリントデータ補正SWの操作と携帯電話機から送信されてきた色変換情報との双方を用いて色変換処理を施すようにしても良い。
図15は、その場合の処理の一例を説明する図である。
図15のマルチプレクサBが乗算器Cに置き変わっている。
このようにCPU180内部のマルチプレクサBを乗算機Cに置き換えると、プリント補正データSW13の濃度調整値に対応する行列式係数と送信されてきた行列式係数とが乗算され色変換が行なわれる。
図16は、プリント補正データSWと送信されてきた色変換情報との双方を用いて色変換を行なう場合を説明する図である。
携帯電話機から送られてきた色変換行列が一番右側に示されており、この色変換行列がCPU内部の表現形式に置き換えられている。この例ではLightenに対応する補正係数行列と、携帯電話機から送られてきた行列式係数とが乗算器Cにより乗算され、その乗算された行列式係数と補正項とが色変換情報として画像処理部にセットされ、色変換が行なわれている。
このようにしておくと、携帯電話機側から送られてくる画像データに基づく画像の色合いが今ひとつ不鮮明で撮影者の好みに合わなかった場合には、プリントデータ補正SWを予めLighetn側に操作しておくことで撮影者の好みにあった鮮明な画像がプリント出力される。
最後に、このプリンタに配備されている他の色変換を行なう行列式係数を示して、このプリンタで行える他の機能を説明しておく。
図17は、このプリンタで行なうことが可能な他の色変換を説明する図である。
図17には、標準に加えて、コントラストをアップさせる場合、反転(ネガ)画像にする場合、白黒化を行なう場合、セピアカラーにする場合、それぞれの場合の行列式係数と補正項とがそれぞれ示されている。右側にはそれらの行列式係数の意味合いを示すために合成行列と補正係数行列と色変換行列とがそれぞれ示されている。
図17の上から2段目に示すように、コントラストアップを行なう場合には、補正係数行列の対角要素に重みが加えられている。このように対角要素のみ重みを大きくすると、標準に比べて振幅成分の差が大きくなり、コントラストがアップされた画像が得られる。図8の別例では主にこのコントラストアップ作用を利用して彩度を上げ下げする処理が行なわれている。また、図17の上から3段目に示すように対角要素を負の値にすると、ネガ像が得られる。また図17の上から4段目に示すように第1列のみの色変換行列を用いると、白黒画像が得られる。その白黒画像をさらにセピアカラーにしたい場合には、図16の上から5段目(一番下の段)に示すように、RGB信号のうち、G信号とB信号とをオフセットさせる補正項(DR、DG、DB)を用いるとセピアカラーが得られる。このときのR信号、G信号、B信号の補正項(DR,DG、DB)も前述したYC信号のオフセット値である補正項(DY、DCB、DB)と同様に画像処理部にセットされる。
図17の下方には、セピアカラーを得る場合に用いられるRGB信号のオフセット値である補正項がどのようなものであるかが示されている。
このように行列式係数や補正項をうまく設定することで、画像の加工をいろいろと行なえるため、このプリンタにコントラストアップ、白黒、ネガ、セピアなどに対応するスイッチを設けてもこのプリンタの機能が拡張されるが、携帯電話機からそれらの行列式係数を送信するようにすると、プリンタを大型化させることなく、携帯電話機側の操作によりプリンタにユーザの好みの色合いを持つ画像をプリント出力させることができる。
このように携帯電話機側で操作を行なうことにより、いろいろな色変換をこのプリンタに行なわせると、プリンタにスイッチを設けることがなくなり、プリンタの小型軽量化が図られ、モバイルプリンタとして好適なプリンタが実現される。
なお本実施形態では記録媒体としてインスタントフィルムシートを例にとり、そのインスタントフィルムシートに画像の記録を行なうプリンタを挙げたが、普通紙を記録媒体としてその普通紙に記録を行なうプリンタであっても良い。
また、携帯電話機でなくても、赤外線通信によりこのプリンタに画像データを送信するものであれば何でも良い。
また本実施形態ではダウンロードしたプログラムの中にメーカごとの色変換情報が記述されているとしたが、各メーカにこのプリンタで画像を色変換するときの色変換情報を予め通知しておき、ROMなどに各メーカの色変換情報をそれぞれ記録しておいてもらえば、そのROMに記録された色変換情報に基づいてプリンタに携帯電話機にあった色変換処理を行なわせることもできる。
本発明の実施形態であるプリンタを斜め上方から見た斜視図である。 プリンタ内部に装填されたインスタントフィルムシートがプリンタ外部に排出されるときの状態を示す図である。 プリンタ内部の信号処理系統の構成ブロック図である。 図3のCPUが行なう処理手順を示すフローチャートである。 図4のステップの待ち受け処理の手順を示すフローチャートである。 図4のステップS412のプリント前処理プロセスの処理手順を示すフローチャートである。 図6のステップS606、ステップS607、ステップS608の各色変換処理を説明する図である。 図7の色変換処理の別例を示す図である。 カメラ付き携帯電話機の外観を示す図である。 カメラ付き携帯電話機の外観を示す図である。 図9、図10のカメラ付き携帯電話機の内部構成を示す図である。 携帯電話機から画像データが送信されてプリンタで受信するときの状況を説明する図である。 携帯電話機から画像データと色変換情報とが送信されてきたときの画像データと色変換情報の流れを説明する図である。 そのvNote変換という規約にしてがってプリンタへ色変換情報を送信する場合の色変換情報の送信例を説明する図である。 図13マルチプレクサBを乗算器Cに置き換えた例を示す図である。 図14の場合の色変換処理を説明する図である。 このプリンタで行える他の色変換処理を説明する図である。
符号の説明
1 プリンタ
1a 筐体
1b 電池
10 各種スイッチ
11 電源SW
12 プリントSW
13 プリントデータ補正SW
14 LCDパネル
15 受光部
16 光学ヘッド
17 展開モータ
17a 展開モータドライバ
17b 展開ローラ
180 CPU
180A 温度センサ
180B 原点センサ
180C 終端センサ
181 電源部
182 画像処理部
1821 外部I/F
183 印刷処理部
184 RAM
185 FLASHMEMORY

Claims (6)

  1. 画像データを取得し取得した画像データに基づく画像をプリント出力するプリンタにおいて、
    画像データを取得する取得部と、
    プリント出力する画像の濃度を調整する操作子と、
    色変換情報を、前記操作子による濃度調整値に対応付けて記憶しておく記憶部と、
    取得した画像データに、前記操作子による濃度調整値に応じた色変換を施す色変換部と、
    前記色変換部による色変換後の画像データに基づく画像をプリント出力する出力部とを備えたことを特徴とするプリンタ。
  2. 前記取得部が、外部から画像データとともに色変換情報を取得するものであり、
    前記色変換部は、前記取得部で取得した画像データに、前記操作子による濃度調整値に応じた色変換情報と該取得部で取得した色変換情報との双方の色変換情報に基づく色変換処理を施すものであることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
  3. 前記取得部が、外部から画像データとともに色変換情報を取得するものであり、
    前記色変換部は、前記取得部で取得した画像データに、前記操作子による濃度調整値に応じた色変換情報に代えて、該取得部で取得した色変換情報を採用して該色変換情報に基づく色変換処理を施すものであることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
  4. 前記取得部は、赤外線通信により画像データを取得するものであることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
  5. 前記取得部は、赤外線通信により、カメラ付き携帯電話から送信されてきた画像データを取得するものであることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
  6. 前記出力部は、露光により潜像が形成され送り出しの際に現像剤が展開されて顕像化されるインスタントフィルムシート上に、所定の副走査方向に移動しながら該副走査方向と交わる主走査方向に並んだ光点を画像データに応じて照射することにより潜像を記録し、潜像が記録されたインスタントフィルムシートを送り出しながら該インスタントフィルムシートに現像剤を展開することにより該インスタントフィルムシート上に画像をプリント出力するものであることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
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