JP2005125649A - リフレックスリフレクタ成形用金型の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高再帰反射率をもつ曲面RR成形用金型の製造が容易となるRR成形用金型の製造方法を提供する。
【解決手段】矢型ピン群をバンドル7で結束してユニットUを構成するユニット構成工程と、ユニットUの矢型部形状を金型に転写する電鋳工程とを備えた湾曲RR成形用金型の製造方法で、ユニットUの矢型ピン5のうち、分割された反射素子間の境界に沿った反射素子に対応する矢型ピン5を、境界を隔てて隣接する反射素子に対応する矢型ピン5の側面に略密着するテーパ形状側面を有する光軸方向調整ピン5A(5B1)で構成した。曲面モデル4を押し当てて矢型ピン5群を整列させる際に、光軸方向調整ピンを含む全ての矢型ピンの矢型部先端が曲面モデル4の基準曲面4aに当接してその位置が調整されるので、スムーズかつ正確に矢型ピン群を所定の湾曲した形態に整列できる。
【選択図】 図5
【解決手段】矢型ピン群をバンドル7で結束してユニットUを構成するユニット構成工程と、ユニットUの矢型部形状を金型に転写する電鋳工程とを備えた湾曲RR成形用金型の製造方法で、ユニットUの矢型ピン5のうち、分割された反射素子間の境界に沿った反射素子に対応する矢型ピン5を、境界を隔てて隣接する反射素子に対応する矢型ピン5の側面に略密着するテーパ形状側面を有する光軸方向調整ピン5A(5B1)で構成した。曲面モデル4を押し当てて矢型ピン5群を整列させる際に、光軸方向調整ピンを含む全ての矢型ピンの矢型部先端が曲面モデル4の基準曲面4aに当接してその位置が調整されるので、スムーズかつ正確に矢型ピン群を所定の湾曲した形態に整列できる。
【選択図】 図5
Description
本発明は、車両用灯具用の再帰反射鏡(リフレックスリフレクタ)成形用の金型を製造する方法に係り、特に湾曲する再帰反射面を成形するための金型の製造方法に関する。
再帰反射鏡(リフレックスリフレクタ、以下、RRという。)の再帰反射面は、図15に示すように、光の入射方向と逆方向に光を反射させる直角三角錐形状の反射素子S群で構成されて、夜間に前方に停車している自動車の存在をドライバーに認識させるためのもので、種類としては、図16に示すように、設置する位置によってリヤRR1,フロントサイドRR2およびリヤサイドRR3があるが、日本においては少なくとも自動車後部へのリヤRR1の設置が義務付けられている。
そして、リヤRR1は、テールランプやテールアンドストップランプ等の標識灯におけるレンズカバーあるいはこれらの標識灯やクリアランスランプ等を一体化したリヤコンビネーションランプにおけるレンズカバーに一体に設けられる傾向にある。そして近年のリヤコンビネーションランプは、車体コーナ部の後部から側方にかけて大きく廻り込む形状に構成されており、RRも湾曲するレンズカバーの曲面に倣った形状に形成されている。
湾曲する再帰反射面は、RR成形用金型を用いた射出成形により簡単に成形できるが、そのためには、予めRR成形用金型を所定の曲面形状に形成しておく必要がある。そして、湾曲するRR成形用金型を製造するには、図17に示すように、設計したRRの直角三角錐形状の反射素子Sに対応する矢型部5aを先端に形成したピン(以下、矢型ピンという)5を、矢型部を形成しないダミーピン6とともに並列状態に集積し、バンドル7で仮止め結束する。そして、設計したRRの曲面モデル4の基準曲面4aを矢型部5aに押圧して、基準曲面4aに倣うように矢型ピン5を整列させ、この曲面4a形状を保持するようにピン5、6をバンドル7で結束一体化したピン結束ユニットU1を構成する。
そして、電鋳工程を経ることで、ピン結束ユニットU1の矢型ピン5の矢型部5a形状を金型に転写する。詳しくは、矢型ピン結束ユニットU1を電解液の入った電着槽に入れて、図18に示すように、電着により、電解液中の金属イオンを矢型ピン結束ユニットU1の矢型部5a側に析出させて金属層8aを形成する(以下、これを電鋳という)。その後、この金属層8aを矢型ピン結束ユニットU1から分離すると、分離した金属層8aの分離面には、矢型部5aが転写された反射素子S成形面8cが形成されているので、この金属層8aに金属材8bを裏打ちして全体を所定の厚さにした後、所定位置(図19仮想線位置参照)で切断加工することで、入れ子としてのRR成形用金型8となる。
また、RRを一体化したレンズカバーのRR形成領域では、ランプ光源光は全反射されてほとんど透過できないため、ランプのレンズカバーにおける発光面積が減少し、標識灯としての視認性が損なわれるため、RRの正対方向に対する光の反射率(以下、再帰反射率という)を上げて、できるだけRRの面積を小さくすることが望ましいし、勿論、RRをランプとは別に単独で用いる場合においても、RRの再帰反射率を上げることは安全上の点からの好ましい。
そして、曲面状のRRの再帰反射率を上げるには、直角三角錐形状の反射素子Sの光軸L10(図15)をRRへの入射光の屈折方向L20に略一致するように構成することが望ましく、再帰反射率の高い湾曲RR成形用金型の製造方法としては、下記特許文献1が知られている。
これは、湾曲RR成形用の金型を製造するために用いられるピン結束ユニット構成工程において、図20に示すように、湾曲する方向に配列する矢型ピン5群を複数の群A,B,Cに分割し、矢型ピン群A,B,C間に楔型スペーサ9を介在させることで、湾曲する側の矢型ピン群B,Cほど矢型ピン5の傾斜が大きくなって、成形品であるRRの湾曲領域における反射素子Sの光軸が湾曲側ほど正対方向に対し大きく傾斜して、高い再帰反射率が得られる。
米国特許第5565221号(FIG.2)
しかし、前記した従来技術では、バンドル7内にピン5,6を組み込む作業の他に、矢型ピン群A,B,C間に楔型スペーサ9を組み込む作業が必要で、これが非常に面倒である。即ち、図 17,21に示すように、曲面モデル4の基準曲面4aを矢型部5aに押圧して矢型ピン5を整列させる際(矢型ピン5が基準曲面4aに倣うように整列する際)に、スペーサ9に隣接する矢型ピン5,5の軸方向(図21上下方向)への動きによってスペーサ9が外方(矢印A方向)に沿って押し出されて脱落するおそれがある。さらに、スペーサ9の矢型ピン群内への挿入長さ(挿入量)によって矢型ピンの傾斜(反射素子の光軸)が大きく変化するので、楔型スペーサ9を矢型ピン群内に組み込む作業は、誰でもが簡単にできるものではなく、非常に熟練を要す作業となっていた。特に、曲率が大きいRRを成形する場合ほど、ピン結束ユニットU1において使用するスペーサ9の数が増えて、それだけピン結束ユニットU1を構成する工程がいっそう面倒となるという問題がある。
本発明は前記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、ピン結束ユニットを構成する矢型ピン群の一部の矢型ピンをテーパ形状側面を有する光軸方向調整ピンで構成することで、ピン結束ユニットを構成する工程が簡単となって、高再帰反射率をもつ曲面リフレックスリフレクタ成形用金型の製造が容易となるリフレックスリフレクタ成形用金型の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に係わるリフレックスリフレクタの成形用金型の製造方法においては、リフレックスリフレクタの再帰反射面を構成する反射素子に対応する矢型部が先端に形成された複数本の矢型ピンを並列状態に集積し、その先端側が所定の設定基準曲面に倣うように整列させた矢型ピン群をバンドルで結束して矢型ピン結束ユニットを構成するピン結束ユニット構成工程と、前記ピン結束ユニットの矢型ピンの矢型部形状を金型に転写する電鋳工程とを備えたリフレックスリフレクタ成形用金型の製造方法において、
前記リフレックスリフレクタにおける反射素子群を、リフレックスリフレクタの湾曲する方向に沿って、反射素子の光軸方向を異にする複数の領域に分割するとともに、前記各領域における反射素子の光軸を入射光の屈折方向に略一致するように構成し、
前記ピン結束ユニットを構成する矢型ピンのうち、前記分割された反射素子群間の境界に沿った反射素子に対応する矢型ピンを、前記境界を隔てて隣接する反射素子に対応する矢型ピンの側面に略密着するテーパ形状側面を有する光軸方向調整ピンで構成した。
前記リフレックスリフレクタにおける反射素子群を、リフレックスリフレクタの湾曲する方向に沿って、反射素子の光軸方向を異にする複数の領域に分割するとともに、前記各領域における反射素子の光軸を入射光の屈折方向に略一致するように構成し、
前記ピン結束ユニットを構成する矢型ピンのうち、前記分割された反射素子群間の境界に沿った反射素子に対応する矢型ピンを、前記境界を隔てて隣接する反射素子に対応する矢型ピンの側面に略密着するテーパ形状側面を有する光軸方向調整ピンで構成した。
(作用)バンドル内に矢型ピンを順次配設する際に、リフレックスリフレクタにおける分割された反射素子群間の境界に対応する位置にテーパ形状側面をもつ光軸方向調整ピンを配設し、その他の領域には通常の矢型ピンを配設することで、バンドル内に矢型ピンを並列状態に集積できる。その後、ピンをバンドルで仮止め結束し、設計したRRの曲面モデルの基準曲面を矢型ピンの先端側に押し当てて、矢型部先端が所定の設定基準曲面に倣うように矢型ピン群を整列させた上でバンドルで結束してピン結束ユニットを構成する。この曲面モデルを押し当てて矢型ピン群を整列させる際に、光軸方向調整ピンを含む全ての矢型ピンの矢型部先端が曲面モデルの基準曲面に押圧されて軸方向にその位置が調整されるので、光軸方向調整ピンを含む全ての矢型ピンのいずれもが脱落することなく、スムーズに所定の湾曲した形態に整列する。
特に、光軸方向調整ピンは、他の矢型ピンと同様に曲面モデルの基準曲面に当接することで位置決めされるので、ピン結束ユニットにおける各矢型ピン(の矢型部)の向きは自動的に設計値通りとなって、RRにおける分割された反射素子群毎に設計値通りの光軸が得られる。
このため、成形されたリフレックスリフレクタにおける反射素子の光軸は、入射光の屈折する方向に略一致するように構成されており、反射素子で反射された光はリフレックスリフレクタから出射する際に屈折して略正対方向(RRへの入射方向と略逆方向)に向かうので、高い再帰反射率が得られる。
請求項1に係わるリフレックスリフレクタの成形用金型の製造方法よれば、誰でも簡単かつ正確に光軸方向調整ピンを含む集積した全ての矢型ピン群を所定の設定基準曲面に倣うようにかつその矢型部の向きが設計値通りの方向を向くようにスムーズに整列させることができるので、ピン結束ユニット構成工程が簡単となって、再帰反射率が高い曲面リフレックスリフレクタの成形用金型の製造が容易となる。
また、リフレックスリフレクタの再帰反射率が高いので、リフレックスリフレクタの面積を小さくしても、リフレックスリフレクタとしての機能は損なわれないし、このように構成することで、リフレックスリフレクタを一体化した標識灯のレンズカバーにおける標識灯としての発光面積が拡大されて、標識灯の機能(視認性)も向上する。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
図1〜図10は、本発明に係るRR成形用金型の製造方法の一実施例を示すもので、図1はRRを一体化したレンズカバーを備えたテールアンドストップランプの水平断面図、図2はRRの反射素子の構造を示す断面図、図3は同レンズカバーを成形する金型の断面図、図4〜図10は、RR成形用金型の製造工程を説明する図で、図4はRR成形用金型の反射素子成形面を転写成形する矢型ピンの配置形態を示す図、図5はピン結束ユニット構成工程を示す図、図6は矢型部が所定の曲面形状に成形されたピン結束ユニットの斜視図、図7はバンドルにより結束された矢型ピンの平面配置図、図8は同矢型ピン群中の光軸方向調整ピンの要部拡大斜視図、図9は電鋳工程を経たピン結束ユニットの断面図、図10はピン結束ユニットから分離した金属層に金属材を裏打ちしたRR成形用金型の断面図である。
図1において、符号10は、自動車用のテールアンドストップランプで、容器状のランプボディ11の後頂部に設けられたバルブ挿着孔に光源であるバルブ13が挿着されている。ランプボディ11の内周面には、バルブ13の発光を前方所定方向に配光する放物面形状のリフレクタ12が一体に形成されている。ランプボディ11の前面開口部には、裏面側に拡散ステップ(魚眼ステップ)15が設けられた機能色である赤色のレンズカバー14が組み付けられている。レンズカバー14の湾曲する領域の一部には、再帰反射面(反射素子S群)を裏面側に形成したRR20が一体に形成されている。
RR20の再帰反射面を構成する反射素子Sは、図1,2に示されるように、RR20の延在方向に等ピッチに形成されており、それぞれの反射素子Sは、光の入射方向と逆方向に光を反射させる直角三角錐形状の反射面で構成されている。そして、反射素子Sの光軸が全てRRの正対方向に対し同じ方向(図2の上下方向、図3の符号LAの方向)であると、RR20の湾曲領域では、RR20の正対方向から飛来した光がRR20に入射する際およびその光がRR20から出射する際に屈折するので、光の入射方向と逆方向に光が反射されない、即ち正対方向への反射率が低下する。
そこで、図1,2に示すように、RRにおける反射素子S群は、RR20の湾曲する左右方向に沿って、反射素子Sの光軸方向を異にする3つの領域21A,21B,21Cに分割されるとともに、各領域21A,21B,21Cにおける反射素子Sの光軸LA,LB,LCがRR20への入射光の屈折方向La,Lb,Lcに略一致するように、湾曲する側の領域ほど反射素子Sの光軸LB,LCの正対方向に対する傾斜が大きく設定されている。即ち、領域21A,21B,21Cにおける各反射素子Sの光軸LA,LB,LCの正対方向に対する傾斜θa,θb,θcは、θa(=0)<θb<θcに設定されており、図2に示すように、RR20の各領域21A,21B,21Cに入射した光は、それぞれの反射素子Sで反射されて、RR20の表面から入射光と逆方向に向けて反射されるので、高い再帰反射率が得られるようになっている。なお、図1における符号P1,P2は、各領域21A,21B,21C間の境界を示す。
また、RR20の再帰反射率が高いので、RR20の面積を小さくしても、RR20としての機能は損なわれないし、RR20をコンパクトに構成することで、RR20を一体化したレンズカバー14におけるテールアンドストップランプとしての発光面積が拡大されて、標識灯としての機能(視認性)も優れたものになっている。
このレンズカバー14は、樹脂の射出成形により形成されており、図3に示すように、レンズカバー14成形用の金型30(30A,30B)内には、RR20を成形するRR成形用金型40が入れ子としてセットされている。即ち、入れ子であるRR成形用金型40には、RR20の再帰反射面である反射素子S群を成形する成形面42が形成されており、成形面42は、RR20における反射素子S群を構成する湾曲方向に分割された3つの反射素子領域21A,21B,21Cに対応する3つの反射素子成形面42A,42B,42Cで構成されている。そして、下金型30BにRR成形用金型40を固定することで、反射素子S成形面42は下金型30Bに形成されている魚眼ステップ成形面32と面一となっている。
次に、図4〜図10を参照して、入れ子であるRR成形用金型40の製造方法を説明する。
符号5は、反射素子Sに対応する直角三角錐形状の矢型部5aが先端に形成された矢型ピン、符号6は、矢型ピン5の周りに配列される、矢型部を形成しないダミーピンである。これらのピン5,6の軸部の横断面は正六角形で、いずれも真っ直ぐに延びて、その長さは全て同一(例えば、数cm)に形成されており、図7に示すように、それぞれピン5、6は、バンドル7によって互いにその側面を略密着させた形態となるように結束固定されて、ピン結束ユニットUを構成することができる(図5,6参照)。バンドル7は、円環が周方向に三分割された構造で、分割体の連結部外側面に設けられている締結ねじ配設用の孔7aに配設した締結ねじ(図示せず)によって、バンドル7の内径を狭めることで、ピン5,6を結束固定することができる。図5,6における符号GA,GB,GCは、反射素子Sの光軸の向きを互いに異にする反射素子領域21A,21B,21Cに対応する矢型ピン群である。
また、矢型ピン5のうち、図4,7,8に示すように、分割された反射素子領域21A,21B,21C間の境界P1(P2)に沿った反射素子に対応する矢型ピン5が、境界P1(P2)を隔てて隣接する反射素子に対応する矢型ピンの側面に略密着するテーパ形状側面(テーパ角θb,θd)を有する光軸方向調整ピン5A,5B1(5B2,5C)で構成されている。即ち、境界P1対応位置P1’に沿った反射素子領域21A側の反射素子に対応する矢型ピン(光軸方向調整ピン)5Aでは、境界P1対応位置P1’側の一側面5b1が傾斜角θbなるテーパ面で形成され、境界P1対応位置P1’に沿った反射素子領域21B側の反射素子に対応する矢型ピン(光軸方向調整ピン)5B1では、境界P1対応位置P1’側の三側面5c1,5c2,5c3が傾斜角θbなるテーパ面で形成されている。
一方、境界P2対応位置P2’に沿った反射素子領域21B側の反射素子に対応する矢型ピン(光軸方向調整ピン)5B2では、境界P2対応位置P2’側の一側面5b2が傾斜角θdなるテーパ面で形成され、境界P2対応位置P2’に沿った反射素子領域21C側の反射素子に対応する矢型ピン(光軸方向調整ピン)5Cでは、境界P2対応位置P2’側の三側面5c4,5c5,5c6が傾斜角θdなるテーパ面で形成されている。
そして、図7に示すように、境界P1(P2)に対応する位置P1’(P2’)に沿って、この光軸方向調整ピン5A,5B1(5B2,5C)を交互に配設することで、図4に示すように、反射素子領域21B(RR成形用金型の反射素子成形面42B)に対応する矢型ピン群GBにおける各矢型ピン5(の矢型部5a)の向きL2が、反射素子領域21A(RR成形用金型の反射素子成形面42A)に対応する矢型ピン群GAにおける各矢型ピン5(の矢型部5a)の向きL1に対してθb(反射素子Sの光軸LBの正対方向に対する傾斜θb相当)だけ傾斜し、反射素子領域21C(RR成形用金型の反射素子成形面42C)に対応する矢型ピン群GCにおける各矢型ピン5の(矢型部5a)の向きL3が、反射素子領域21B(RR成形用金型の反射素子成形面42B)に対応する矢型ピン群GBにおける各矢型ピン5(の矢型部5a)の向きL2に対してθd(反射素子領域21Aに対応する矢型ピン群GAにおける各矢型ピン5の向きL1に対してθc(=θb+θd))だけ傾斜した形態となる。
そして、RR成形用金型40を製造するには、予め、設計したRR20の基準曲面4aをもつ曲面モデル4をつくり、曲面モデル4を支持台4bに一体化しておく(図5参照)。一方、バンドル7内にRR20の反射素子領域21A,21B,21Cに対応するように矢型ピン(光軸方向調整ピンを含む)5を、さらにその周りにはダミーピン6を並列状態に集積し、バンドル7で仮止め結束する。そして、図5に示すように、曲面モデル4の基準曲面4aを矢型ピン5の矢型部5aに押し当てて、矢型ピン5の矢型部5aを基準曲面4aに倣うように整列させ、この曲面4a形状を保持するようにピン5、6をバンドル7で結束一体化することで、ピン結束ユニットUを構成する。
バンドル7内の矢型ピン群において、RRにおける反射素子領域21A,21B,21C間の境界P1(P2)に対応する位置P1’(P2’)には光軸方向調整ピン5A,5B1(5B2,5C)が配設されているが、曲面モデル4を押し当てて矢型ピン群を曲面4a形状に整列させる際に、光軸方向調整ピン5A,5B1(5B2,5C)を含む全ての矢型ピン5の矢型部5a先端が曲面モデル4の基準曲面4aに押圧されて軸方向にその位置が調整されるので、光軸方向調整ピン5A,5B1(5B2,5C)を含む全ての矢型ピン5のいずれもが脱落することなく、スムーズに所定の湾曲した形態に整列する。
特に、光軸方向調整ピン5A,5B1(5B2,5C)は、他の矢型ピン5と同様に曲面モデル4の基準曲面4aに当接することで位置決めされるので、ピン結束ユニットUにおける各矢型ピン5(の矢型部5a)の向きL1,L2,L3は自動的にRRにおける反射素子領域21A,21B,21Cの各反射素子の光軸LA,LB,LCに対応する方向となる。
ピン結束ユニット構成工程が終了すると、ピン結束ユニットUの矢型ピン5の矢型部5a形状を金型に転写する電鋳工程を行う(図9,10参照)。
詳しくは、ピン結束ユニットUを電解液の入った第1の電着槽に入れて、電鋳によりピン結束ユニットUの矢型部5a側に、例えば2cmほどの厚さのプレート状の金属層(Ni・Co合金層)18aを形成する(図9参照)。ピン結束ユニットUからプレート状金属層18aを分離すると、金属層18aの分離面には、矢型部5aが転写された反射素子S群成形用の成形面42(42A,42B,42C)が成形されている。次に、このプレート状金属層18aの反射素子成形面42側をマスキングした上で、電解液の入った第2の電着槽に入れ、電鋳によりプレート状金属層18aの上に数cmの厚さの金属層(Ni層)を形成する。最後に、金属層18a,18bに金属材(Fe)18cを裏打ちして全体を所定の厚さにした後、所定位置(図10仮想線位置参照)で切断加工することで、入れ子としてのRR成形用金40となる。
図11および図12は、本発明方法の第2の実施例を示し、図11はバンドルにより結束された矢型ピンの平面配置図、図12は結束された矢型ピン群中の光軸方向調整ピンの要部拡大斜視図である。
前記した第1の実施例では、光軸方向調整ピン5A(5B2)の一側面5b1(5b2)にテーパ形状側面が形成され、光軸方向調整ピン5B1(5C)の三側面5c1,5c2,5c3(5c4,5c5,5c6)にテーパ形状側面が形成された構造であったが、この第2の実施例では、光軸方向調整ピン5A1(5B3)の二側面5d1,5d2(5e1,5e2)にテーパ形状側面(傾斜角θb)が形成された構造となっている。なお、図では、分割された反射素子領域21A,21B,21C間の境界P1(P2)に沿った反射素子に対応する光軸調整ピンのうち、境界P1に沿った反射素子に対応する光軸調整ピン5A1(5B3)のみ図示し、境界P2に沿った反射素子に対応する光軸調整ピンの図示は省略するが、反射素子領域21B,21C間の境界P2に沿った反射素子に対応する光軸調整ピンについても、テーパ形状側面の傾斜角θdが異なるという点を除いて光軸調整ピン5A1(5B3)と同一の構造となっている。
図13および図14は、本発明方法の第3の実施例を示し、図13はバンドルにより結束された矢型ピンの平面配置図、図14は結束された矢型ピン群中の光軸方向調整ピンの要部拡大斜視図である。
前記した第1,第2の実施例では、矢型ピン5およびダミーピン6の軸部の横断面が正六角形で構成されていたが、この第3の実施例では、矢型ピン5およびダミーピ6の軸部の横断面が矩形(正方形または長方形)で構成されている。
そして、分割された反射素子領域21A,21B間の境界P1対応位置P1’に沿った反射素子領域21B側の反射素子に対応する矢型ピン(光軸方向調整ピン)5B4では、境界P1対応位置P1’側の側面5fが傾斜角θbなるテーパ面で形成され、境界P2対応位置P2’に沿った反射素子領域21C側の反射素子に対応する矢型ピン(光軸方向調整ピン)5C4では、境界P2対応位置P2’側の側面5gが傾斜角θdなるテーパ面で形成されている。
なお、前記した実施例では、RR20の反射素子S群は、RR20の湾曲する左右方向に沿って、反射素子Sの光軸方向を異にする3つの領域21A,21B,21Cに分割されているが、反射素子Sの光軸方向を異にする4以上の領域に分割し、分割境界に沿った位置の反射素子に対応する矢型ピンを光軸調整ピンで構成することで、再帰反射率をさらに高めることもできる。
また、前記した実施例では、テールアンドストップランプのレンズカバーに一体化されているRRについて説明したが、テールランプやバックアップランプその他の標識灯のレンズカバー、あるいは複数の標識灯が一体化されたリヤコンビネーションランプのレンズカバーに一体化されたものや、RR単独で構成されたものにも同様に適用できる。
10 テールアンドストップランプ
11 ランプボディ
12 放物面形状リフレクタ
13 光源であるバルブ
14 レンズカバー
20 リフレックスリフレクタ
21A,21B,21C 分割された反射素子領域
4 曲面モデル
4a 設定基準曲面
5 矢型ピン
L5 矢型ピンの軸芯
5a 矢型部
GA,GB,GC 矢型ピン群
5A,5B1、5B2,5C、5A1,5B3、5B4,5C4 光軸方向調整ピン
5b1、5c1,5c2,5c3、5d1,5d2、5e1,5e2、5f、5g テーパ形状側面
7 バンドル
U ピン結束ユニット
L1,L2,L3 矢型ピンの矢型部の向き
18a RR成形用金型の反射素子成形面を構成する金属層
LA,LB,LC 反射素子の光軸
θa,θb,θc 反射素子の光軸の正対方向に対する傾斜
La,Lb,Lc RRへの入射光の屈折方向
30(30A,30B) レンズカバー成形用の金型
40 入れ子であるRR成形用金型
42(42A,42B,42C) 反射素子成形用の成形面
11 ランプボディ
12 放物面形状リフレクタ
13 光源であるバルブ
14 レンズカバー
20 リフレックスリフレクタ
21A,21B,21C 分割された反射素子領域
4 曲面モデル
4a 設定基準曲面
5 矢型ピン
L5 矢型ピンの軸芯
5a 矢型部
GA,GB,GC 矢型ピン群
5A,5B1、5B2,5C、5A1,5B3、5B4,5C4 光軸方向調整ピン
5b1、5c1,5c2,5c3、5d1,5d2、5e1,5e2、5f、5g テーパ形状側面
7 バンドル
U ピン結束ユニット
L1,L2,L3 矢型ピンの矢型部の向き
18a RR成形用金型の反射素子成形面を構成する金属層
LA,LB,LC 反射素子の光軸
θa,θb,θc 反射素子の光軸の正対方向に対する傾斜
La,Lb,Lc RRへの入射光の屈折方向
30(30A,30B) レンズカバー成形用の金型
40 入れ子であるRR成形用金型
42(42A,42B,42C) 反射素子成形用の成形面
Claims (1)
- リフレックスリフレクタの再帰反射面を構成する反射素子に対応する矢型部が先端に形成された複数本の矢型ピンを並列状態に集積し、その先端側が所定の設定基準曲面に倣うように整列させた矢型ピン群をバンドルで結束して矢型ピン結束ユニットを構成するピン結束ユニット構成工程と、前記ピン結束ユニットの矢型ピンの矢型部形状を金型に転写する電鋳工程とを備えたリフレックスリフレクタ成形用金型の製造方法において、
前記リフレックスリフレクタにおける反射素子群は、リフレックスリフレクタの湾曲する方向に沿って、反射素子の光軸方向を異にする複数の領域に分割されるとともに、前記各領域における反射素子の光軸が入射光の屈折方向に略一致するように構成され、
前記ピン結束ユニットを構成する矢型ピンのうち、前記分割された反射素子群間の境界に沿った反射素子に対応する矢型ピンが、前記境界を隔てて隣接する反射素子に対応する矢型ピンの側面に略密着するテーパ形状側面を有する光軸方向調整ピンで構成されたことを特徴とするリフレックスリフレクタ成形用金型の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003364578A JP2005125649A (ja) | 2003-10-24 | 2003-10-24 | リフレックスリフレクタ成形用金型の製造方法 |
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JP2003364578A JP2005125649A (ja) | 2003-10-24 | 2003-10-24 | リフレックスリフレクタ成形用金型の製造方法 |
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JP2003364578A Pending JP2005125649A (ja) | 2003-10-24 | 2003-10-24 | リフレックスリフレクタ成形用金型の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102466831A (zh) * | 2010-11-16 | 2012-05-23 | 株式会社小糸制作所 | 回复反射镜及其制造方法 |
JP5798233B1 (ja) * | 2014-12-22 | 2015-10-21 | 株式会社精工技研 | 加飾プラスチック成形品およびその製造方法 |
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2003
- 2003-10-24 JP JP2003364578A patent/JP2005125649A/ja active Pending
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US10126561B2 (en) | 2014-12-22 | 2018-11-13 | Seikoh Giken Co., Ltd. | Decorative plastic molded article and manufacturing method thereof |
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