JP2005118026A - 散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症年齢の予測方法 - Google Patents

散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症年齢の予測方法 Download PDF

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Akito Kamino
晃人 紙野
Masatoshi Takeda
雅俊 武田
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Abstract

【課題】 被験者の血液を採取するといった簡便な方法でありながら、散発性LOAD発症年齢を予測できる方法、装置およびシステムを実現する。
【解決手段】 a)被験対象から採取した細胞からゲノムを抽出する段階、b)APOA2遺伝子を増幅して核酸断片を得る段階、およびc)b)で得られた核酸断片中のAPOA2遺伝子のTG反復回数を計測する段階、の各段階により被験対象のAPOA2の遺伝子型を判定する。TG反復回数をもとにしたスコアが高いほど、散発性高齢発症型アルツハイマー症の発症年齢が低いと予測される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症年齢を予測する方法に関連する。本発明はまた、散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症年齢を予測する方法において使用する配列を含む核酸にも関連する。
アルツハイマー病(AD)は、記憶、知能、身体全体の機能が衰えていき、ついには死に至る神経変性疾患である。中でも、高齢発症型アルツハイマー病(LOAD)は、高齢者の痴呆の主原因である。ADは、特に病状が進行すると、現在のところ確実な治療法がない難病であり、患者の苦痛のみならず、患者を介護する家族や社会の負担が大きな社会問題となっている。現在、アルツハイマー病の原因解明や治療方法の開発のために、精力的に研究が進められている。
ADには家族性と散発性があり、後者が約90%を占める。組織病理学的には、ADは、神経細胞の脱落による脳の萎縮、老人班の蓄積および神経原線維変化で特徴付けられ、家族性ADの研究において、これらの病変と関連すると考えられるいくつかの原因遺伝子が発見されている。家族性LOADの患者に頻繁に見られるアポリポタンパク質E−ε4対立遺伝子(APOE−ε4)は、散発性LOADにおいても発症のリスク因子であることが、様々な遺伝的背景の患者で証明された(非特許文献1参照)。この事実は、家族性と散発性とは発症リスクを共有していことを意味している。
散発性LOADの発症年齢と遺伝的素因の関連について、APOE−ε4対立遺伝子の保有数が注目されたが、これは発症年齢に対して10%しか影響を与えておらず(非特許文献2)、さらにAPOE−ε4遺伝子を保有する被験者が必ずしもLOADを発症するわけではないことが明らかにされたことから(非特許文献3)、他の遺伝的素因の影響があると考えられた。一方で、LOAD発症者においては血漿ApoA2濃度の低下が明らかにされている(非特許文献4)。しかし、カロリー制限、アルコール摂取及び食事中の脂肪過多といった栄養状態を左右する状況によって、APOA2の血漿中濃度は減少することが明らかにされていることから(非特許文献5)、前記血漿ApoA2濃度の低下によって、LOADが発症するかどうかは未だ不確定である。
Farrer LA, Cupples LA, Hyman B, Kukull WA, Mayeux R, Myers GH, Pericak−Vance MA, Risch N, Va Duijn CM. 共著「for the APOE and Alzheimer Disease Meta Analysis Consortium (1997) Effects of age, sex, and ethnicity on the association between apolipoprotein E genotype and Alzheimer disease. A meta−analysis.」 JAMA 278 P1349−1356 Slooter AJ, Cruts M, Kalmijn S, Hofman A, Breteler MM, Van Broeckhoven C, van Duijn CM. 共著 (1998) 「Risk estimates of dementia by apolipoprotein E genotypes from a population−based incidence Study:the Rotterdam Study.」 Arch Neurol. 55 P964−968 Meyer MR, Tschanz JT, Norton MC, Welsh−Bohmer KA, Steffens DC, Wyse BW, Breitner JC. 共著 (1998) 「APOE genotype predicts when−not Whether−one is predisposed to develop Alzheimer disease. Nat Genet 19:P321−322 Kamino K, Kida T, Tanaka T, Tanii H, Okochi M, Kudo T, Kobayashi T, Takeda M. 共著(2002) 「Apolipoproteins and β amyloido transport pathway.」Psychogeriatrics 2:P149−155 Ehnholm C, Huttunen JK,Pietinen P, Leino U,Mutanen M, Kostiainen E, Pikkarainen J, Dougherty R, Iacono J, Puska P.共著 (1982) 「Effect of diet on setum lipoproteins a population with a high risk of coronary heart disease.」N Eng J Med 307:P850−855
ADは、進行すると治療が非常に困難であるが、理論上、器質的な中枢神経障害が軽微な段階であれば治療できる可能性がある。ADの早期発見のためには、定期的に検診を受けることが望ましい。しかし、すべての人が頻繁に検診を受けるのは、被験者の時間的・経済的負担が大きく、また社会全体の医療費を圧迫するという観点からも難しい。そこで、AD発症リスクとAD発症年齢の予測を行い、発症を予測された年齢の被験者に対して重点的にAD検診を行うのが効率的であると考えられる。
しかしながら、上記従来の構成では、AD発症リスクとAD発症年齢の予測はできない。上記非特許文献3では、APOE−ε4対立遺伝子によるLOAD発症年齢の予測は困難であることが示唆される。さらに、上記非特許文献4では、血漿ApoA2濃度と散発性LOAD発症との関連が示唆されているが、血漿ApoA2濃度により散発性LOAD発症年齢が予測できるわけではないという問題点がある。
また、脂質代謝と散発性LOAD発症年齢との関連性についての知見はあるものの、脂質代謝は被験者の栄養状態に左右されることから、上記散発性LOAD発症年齢を予測することは困難である。このため、簡便でかつ、単純な解析で、上記散発性LOAD発症年齢を予測する方法の開発が強く求められていた。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被験者の血液を採取するといった簡便な方法でありながら、散発性LOAD発症年齢を予測できる方法、装置およびシステムを提供することにある。
本発明者は、上記の課題に鑑み鋭意検討した結果、被験者の血液を採取し、APOA2の遺伝子型を判定するだけで、散発性LOADを発症する年齢が何歳頃かどうか予測可能であることを独自に見出し、簡便でかつ単純な解析で散発性LOAD発症年齢を予測することができる本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明にかかる散発性LOAD発症年齢予測方法は、上記の課題を解決するために、被験者対象から採取した細胞のゲノム中のAPOA2遺伝子型を判定することを特徴としている。上記方法において、両対立遺伝子におけるAPOA2の遺伝子型のGT反復回数の合計が多いほど散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症年齢が低いと予測する工程を含むものであってもよい。また、上記方法において、対立遺伝子におけるAPOA2の遺伝子におけるGT反復回数の範囲によってスコアを規定することにより、上記発症年齢を予測する工程を含むものであってものよい。また、上記方法において、両対立遺伝子におけるそれぞれの上記スコアの合計が高いほど散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症年齢が低いと予測する工程が含まれることが好ましい。さらに、上記被験者対象がAPOE−ε4遺伝子保有者であることが好ましい。さらに、上記予測方法において、PCR法により遺伝子を増幅させる工程を含む方法であってもよい。また、上記遺伝子型の判定が電気泳動度の比較により実行される方法であってもよく、散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症リスクの予測と組み合わされる工程を含むものであってもよい。
また、本発明にかかる散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症年齢を予測するためのデータを収集する方法は、被験対象から採取した細胞のゲノム中のAPOA2の遺伝子型を判定する工程を含むものであってもよく、PCR法により遺伝子を増幅させる工程を含むものであってもよい。さらに、遺伝子型の判定が電気泳動度の比較により実行される工程を含むものであってもよい。
本発明に係る散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症年齢の予測方法は、以上のように被験対象から採取したゲノム中のAPOA2の遺伝子型を判定するだけで、散発性LOAD発症年齢を簡単かつ迅速に予測することが可能になる。このことは、散発性LOADの処置や予防に有用である。
本発明は、散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症年齢を簡便かつ単純な解析により予測するための方法及び装置を提供するものである。このため、本発明によれば、例えばAD発症リスクとAD発症年齢の予測を行い、発症を予測された年齢の被験者に対して重点的にAD検診を行い、効率的にAD発症の予防や処置が行うことができる。これらのAD発症の予防や処置を行うことにより、社会問題となっている医療費の高騰を押さえ、予防医学に貢献できるものであり、この点において、本発明は非常に有用かつ社会的インパクトの強い発明であるといえる。
以下、本発明に係る散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症年齢を予測する方法について説明し、次いで、装置について説明することとする。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症年齢の予測方法
散発性高齢発症型アルツハイマー病(散発性LOAD)とは、主に60歳以降に発症するアルツハイマー病で、1ないし2親等内にアルツハイマー病発症者が認められない場合を指す。本発明における「散発性高齢発症型アルツハイマー病」または「散発性LOAD」は、NINCDS−ADRDAによるアルツハイマー病の診断基凖に該当する疾患の中で、家族性発症がなく、60歳以上で発症する疾患と定義される。
アポリポタンパク質A−II(APOA2)遺伝子は、アポリポ蛋白A2(ApoA2)をコードしている。ApoA2は、高密度リポタンパク質(HDL)の主要タンパク質であり、抹消組織から肝臓へのいわゆる逆コレステロール輸送や脂質代謝において、重要な役割を果たしている。
本発明者らは、散発性LOADに罹患した人の発症年齢とAPOA2遺伝子におけるGT反復回数との関連を統計学的に調査した。その結果、散発性LOAD患者の中でもAPOE−ε4遺伝子保有者では、APOA2のGT反復回数が多いほど発症年齢が低いことを見出した(実施例参照)。
本発明は、上記の研究結果を利用して散発性高齢発症型アルツハイマー病発症年齢の予測を可能にしたことを特徴としている。以下に、本発明の各態様について具体的に説明する。
本発明における「散発性高齢発症型アルツハイマー病発症年齢」とは、Functional Assessment of Staging (FAST)の Stage 3 に適合する症状および/またはそれに類似する症状を有するに至る年齢を意味する。
本発明の散発性高齢発症型アルツハイマー病(散発性LOAD)の発症年齢の予測方法は、被験対象から採取した細胞のゲノムDNA中のAPOA2遺伝子のGT反復回数を計測することを含む。本発明の「被験対象」とは、散発性LOADに罹患する可能性のある哺乳動物、特にヒト、マウス、ウマ、愛玩動物を意味するが、散発性LOADに罹患している対象に対しても本発明の方法を使用できる。細胞は被験対象のいかなる組織から採取してもよく、血液から採取するのが容易である。
APOA2遺伝子のGT反復回数の計測には、a)被験対象から採取した細胞からゲノムDNAを抽出する段階、b)APOA2遺伝子を増幅して核酸断片を得る段階、およびc)b)で得られた核酸断片中のAPOA2遺伝子のGT反復回数を計測する段階、が含まれる。段階a)では、市販の核酸抽出キットなどを使用して細胞中のゲノ厶DNAを単離する。場合によっては、段階b)で使用する核酸増幅用成分がゲノムDNAに接近し得る程度に細胞を溶解するだけでよく、他の細胞成分からゲノムDNAを単離しなくてもよい。
段階b)では、PCR法、DNAポリメラーゼを利用する核酸増幅法、鎖置換増幅法などでAPOA2のDNAを増幅する。最も一般的なPCR法による増幅では、APOA2遺伝子領域の上流および下流に位置する配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして使用して、APOA2遺伝子領域の核酸を増幅させる。増幅させる核酸は、APOA2遺伝子領域を含んでいれば、どのような長さであってもよい。当業者は、APOA2遺伝子領域を含む核酸の増幅に使用するプライマーを適宜設計し、合成することができる。プライマーとして使用するオリゴヌクレオチドは、約15個から約50個、好ましくは約15個から35個のヌクレオチドからなる。例えば、GenBank受託番号X02905の塩基配列を参照して、APOA2遺伝子領域の上流に位置するヌクレオチド配列からなるプライマーと、下流に位置するヌクレオチド配列に相補的な配列からなるプライマーを使用して増幅させる。APOA2マイクロサテライト領域の増幅に使用するプライマーのオリゴヌクレオチドは、段階c)で反復回数を計測するために、FAM(カルボキシフルオロセイン)などの蛍光物質や放射性同位元素などで標識化されていてもよい。
段階c)では、b)で得られた核酸断片中のAPOA2遺伝子のGT反復回数を計測する。本発明の方法では、公知のDNAシークエンス法やDNAチップを使用する方法などいかなる手段で反復回数を計測してもよい。また、反復回数の範囲によってスコアを規定し、両対立遺伝子におけるそれぞれの上記スコアの合計を算出してもよい。APOA2遺伝子領域の多型は配列長の差異を特徴とするので、特に、最も簡便な反復回数の計測方法は、当分野で日常的に実施されている電気泳動法である。本発明の方法では、数個のヌクレオチド長の差異でも検出できるように、ポリアクリルアミドゲル電気泳動や、キャピラリーシークエンサーを利用する電気泳動が好ましい。電気泳動後、各々の電気泳動方法およびb)で使用したプライマーの標識に適する方法で核酸断片の長さを確認する。ポリアクリルアミド電気泳動の場合、段階b)で使用するプライマーは放射性標識を有するのが好ましく、キャピラリーシークエンサーを利用する電気泳動の場合、該プライマーは蛍光標識を有するのが好ましい。
本発明では、APOE遺伝子ε4型遺伝子の保有者であって、APOA2遺伝子のGT反復回数が多い被験対象は、散発性LOAD発症年齢が低いと予測する。反復回数とは、対立遺伝子にコードされているAPOA2遺伝子のイントロン2にあるマイクロサテライト多型の繰り返し回数をいう。
本発明の方法は、発症リスクの予測と組合せてもよい。発症リスクは、APOE遺伝子ε4型の保有数から予測できる。その方法は、Wenham,P.R,,Price,W.H.,Blandell,G.Lancet 337,1158−1159(1991)に記載されているWenhamらのプロトコールに従って、あるいはSNP検出法により、当業者により適宜実施される。
本発明の第2の態様は、被験対象から採取した細胞のゲノムDNA中のAPOA2遺伝子のGT反復回数を計測することを含む、散発性LOAD発症年齢を予測するためのデータを収集する方法である。その具体的方法は、上記の第1の態様と同様である。
また、上記本発明の第2の態様は、上記散発性LOAD発症年齢を予測するためのデータを解析するシステムであってもよい。
本発明にかかる散発性LOAD発症年齢予測解析するシステムは、コンピューターなどの従来公知の演算装置を用いてなるシステムとなっていればよい。図2に本実施の形態にかかる散発性LOAD発症年齢予測解析するシステム100の構成の一例を表すブロック図を示す。同図に示すように、散発性LOAD発症年齢予測解析するシステム100は、遺伝子配列計測装置10と、散発性LOAD発症年齢予測装置20と出力装置30とを備えている。
遺伝子配列計測装置10は、シークエンサー51Aを備えている。なお、シークエンサー51Aとしては、従来公知のシークエンサーを利用することができ、特に限定されるものではない。
次に、本発明の特徴的な部分である散発性LOAD発症年齢予測装置20について説明する。散発性LOAD発症年齢予測装置20は、GT反復回数計測部21と、スコアSA2計測部22と、散発性LOAD発症年齢算出部25とを備えている。
GT反復回数計測部21は、遺伝子配列計測装置10から取得したデータに基づき、APOA2遺伝子領域におけるGT反復回数を計測するものである。
スコアSA2計測部22は、対立遺伝子スコアA2算出部23と、両対立遺伝子スコアSA2算出部24を備えている。対立遺伝子スコアA2算出部23は、GT反復回数計測部21から取得したデータに基づき、GT反復回数の範囲によって規定されたスコアA2を算出する。次に、両対立遺伝子スコアSA2算出部24は、対立遺伝子スコアA2算出部23から取得したデータに基づき、対立遺伝子のそれぞれのA2スコアを足し合わせ、上記A2スコアの合計である両対立遺伝子スコアSA2を算出する。
散発性LOAD発症年齢算出部25は、スコアSA2計測部から取得したデータに基づき、発症年齢算出式にあてはめ、散発性LOAD発症年齢を算出する。
続いて、散発性LOAD発症年齢予測装置20が有する各種部材の具体的な機能を、図3におけるフローチャートに従って説明し、本実施の形態における散発性LOAD発症年齢予測装置20が行う具体的なデータ処理の一例について説明する。
まず、ステップS1では、シークエンサー51Aを備える遺伝子配列計測装置10によって、被験対象のAPOA2遺伝子配列が計測され、遺伝子配列のデータとして、GT反復回数計測部21に送られる。
次に、ステップS2では、GT反復回数計測部21が、ステップS1において得られた遺伝塩配列のデータに基づいて、GT反復回数を計測する。
続いてステップS3では、対立遺伝子スコアA2計測部23が、ステップS2において得られたGT反復回数に基づいて、対立遺伝子スコアA2を算出する。
次いでステップS4では、両対立遺伝子スコアSA2算出部24が、ステップS3において得られた対立遺伝子スコアA2に基づいて、両対立遺伝子スコアSA2を算出する。
最後に、ステップS5では、散発性LOAD発症年齢算出部25が、両対立遺伝子スコアSA2算出部24において得られた両対立遺伝子スコアSA2に基づき、散発性LOAD発症年齢を算出・予測する。次に、予測した結果を出力装置30へと出力する。
出力装置30は、散発性LOAD発症年齢予測装置20が上述の処理を行うことによって得られる、散発性LOAD発症年齢予測結果を外部に出力するためのものである。さらに、出力装置30は、上記散発性LOAD発症年齢予測装置20の動作にかかわる情報や測定途中結果等の各種情報を表示することもできる。具体的には、公知のCRTディスプレイや、液晶ディスプレイ等といった各種表示装置が好適に用いられるが特に限定されるものではない。
散発性LOAD発症年齢予測装置20は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである散発性LOAD発症年齢予測装置20の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体を、散発性LOAD発症年齢予測装置20に供給し、そのコンピューター(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、出力装置30には、印刷手段が設けられていてもよい。上記印刷手段は、出力装置30で表示可能な画像情報をPPC用紙などの記録材に記録(印刷・画像形成)する。具体的には、公知のインクジェットプリンタやレーザープリンタ等の画像形成装置が好適に用いられるが特に限定されるものではない。なお、出力装置30としては、上記印刷手段等に限定されるものではなく、その他の出力手段を備えていてもよい。
本発明の第3の態様は、散発性LOAD発症年齢の予測に使用するための配列であって、a)配列番号1のAPOA2配列、b)配列番号1のAPOA2配列にGTリピートが付加または欠失された配列、c)a)またはb)の配列において、1個または数個のヌクレオチドが欠失、置換および/または付加された配列、のいずれかの配列、またはそれらの相補的配列の全長または一部を含む核酸である。APOA2遺伝子の塩基配列は、GenBank 受託番号X02905に公開されてぃる。核酸は、デオキシリポヌクレオチドからなるDNA、リポヌクレオチドからなるRNA、またはデオキシリポヌクレオチドとリボヌクレオチドの両者からなる核酸であってよく、ヌクレオチド類似体を含有してもよい。これらの核酸は1本鎖または2本鎖であり得る。「全長または一部を含む核酸」とは、a)ないしc)のいずれかの配列の全長または一部に加えて、例えばAPOA2マイクロサテライト領域に隣接する領域の配列、リンカー配列、ベクターの配列などの、APOA2マイクロサテライト配列の反復回数を計測するために必要とされる配列も含み得ることを意味する。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
ADの疑いのある患者を、National Institute of Neurological and Communicative Disorders and Stroke − Alzheimer ‘s Disease and Related Disorders Association (NINCDS−ADRDA)(McKhann, G. et al. Neurology 34, 939−944 (1984))の基準に従って診断した。Functional Assessment of staging (FAST)(Reisberg, B. Geriatrics 41, 30−46 (1986))の stage 3に適合する発症年齢は、知力のある被験者との面談および医療記録から判定した。大阪大学ゲノム倫理委員会および愛媛医科大学によりに認証されたプロトコールに従って、ゲノムDNAを収集した。
APOEの遺伝子型は、Wenham らのプロトコールに従って判定した(Wenham, P.R.,Price,W.H.,Blandell, G. Lancet 337,1158−1159 (1991))。
GT反復領域を含むAPOA2遺伝子領域をHEX標識プライマーATCATTTACACTTGCCCTCTTACCCGACCC(配列番号2:375位から404位)および非標識のプライマーCCTTTTCCTTCCTCTTCTCCTCCCTTACTC(配列番号3:2284位から2313位)を用いて、PCR法で増幅した。PCR産物の長さをABI 373 オートマティックシークエンサー(Biosystems)を使用して判定した。GT反復回数はマーカーとの比較で計測した。反復回数の計測は、全て匿名で実施した。
表1に示すように、GT反復回数の範囲により対立遺伝子スコアA2を規定した。
Figure 2005118026
Figure 2005118026
表2に示すように、すべての散発性LOAD患者において、発症年齢の重回帰により、SA2スコアは発症年齢に対して有意な影響を示さなかった。一方、APOE−ε4陽性散発性LOAD患者では、発症年齢への回帰により、SA2スコアは、発症年齢に対し有意な影響を示し(P<0.001)、さらに重回帰によっても有意な影響を示した(P=0.001)。APOE−ε4陰性散発性LOAD患者では、SA2スコアは、発症年齢に対し、有意な影響は示さなかった。なお、SA2スコアは、GT反復回数を反映している。従って、我々は、APOE−ε4陽性散発性LOAD患者では、マイクロサテライト領域のGT反復回数が散発性LOAD発症年齢変化因子であると結論付けた。
被験者の血液などを採取するだけで、簡便に散発性高齢発症型アルツハイマー症の発症年齢が予測できることから、健康診断や人間ドックの際に利用できる。さらに、散発性LOADの予防や処置を迅速に行えるため、予防医学に貢献でき、さらにAPOE4キャリヤーにおけるLOADの発症関連遺伝子のリスク効果の判定に際して、利用できる。
本発明における実施の形態にかかる散発性LOAD発症年齢予測解析システムの構成の一例を示す機能ブロック図である。 本発明における実施の形態にかかる散発性LOAD発症年齢予測解析システムの構成のその他の一例を示す機能ブロック図である。 本発明における実施の形態にかかる散発性LOAD発症年齢予測装置が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
10 遺伝子配列計測装置
20 散発性LOAD発症年齢予測装置
21 GT反復回数計測部
22 SA2スコア計測部
23 対立遺伝子スコアA2
24 両対立遺伝子スコアSA2算出部
25 散発性LOAD発症年齢算出部
30 出力装置
51A シークエンサー
100 散発性LOAD発症年齢予測解析システム

Claims (12)

  1. 被験対象から採取した細胞のゲノム中のAPOA2の遺伝子型を判定することを特徴とする散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症年齢の予測方法。
  2. 両対立遺伝子におけるAPOA2の遺伝子におけるGT反復回数の合計が多いほど散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症年齢が低いと予測する、請求項1に記載の予測方法。
  3. 対立遺伝子におけるAPOA2の遺伝子におけるGT反復回数の範囲によってスコアを規定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の予測方法。
  4. 両対立遺伝子におけるそれぞれの上記スコアの合計が高いほど散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症年齢が低いと予測することを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の予測方法。
  5. 被験対象がAPOE−ε4遺伝子保有者であることを特徴とする請求項1ないし請求項4記載の予測方法。
  6. PCR法により遺伝子を増幅させることを含む、請求項1ないし請求項5に記載の予測方法。
  7. 遺伝子型の判定が電気泳動度の比較により実行される、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の予測方法。
  8. 散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症リスクの予測と組合せられる、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の予測方法。
  9. 散発性高齢発症型アルツハイマー病の発症年齢を予測するためのデータを収集する方法であって、被験対象から採取した細胞のゲノム中のAPOA2の遺伝子型を判定することを特徴とする方法。
  10. 細胞が血液から採取されることを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. PCR法により遺伝子を増幅させることを含む、請求項9または請求項10に記載の方法。
  12. 遺伝子型の判定が電気泳動度の比較により実行される、請求項9ないし請求項11に記載の方法。
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