JP2005113666A - ユニットトイレ - Google Patents

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Abstract

【課題】屎尿の有効利用を安価に実現するとともに、植物を安定して育成する。
【解決手段】このユニットトイレは、人が屎尿を排泄するためのトイレブース4と、植物6aが栽培されている植物ブース6とが同一の建築物内に形成されている。植物ブース6内の植物6aがトイレブース4内で生じた尿に由来する栄養素によって育成されている。
【選択図】図2

Description

本発明はユニットトイレに関する。
一般的に人はトイレブース内で屎尿を排泄する。下水道が整備されている地域においては、その屎尿は一般的な生活排水とともに下水処理場で処理され、処理された屎尿は河川、湖沼、海等に放流される。また、下水道が整備されていない地域においては、その屎尿は、浄化槽等の個々の処理装置で処理された後、又は直接的に河川等に放流される。
しかし、このように人の屎尿を最終的に河川等に放流する場合、河川等の汚染を防止するためには下水処理場等で十分な処理が行われなければならず、処理コストが嵩んでしまう。
このため、特許文献1においては、公衆トイレで生じた屎尿を適度に肥料成分を含んだ灌漑水とし、その灌漑水をその公衆トイレ周囲の植物に供給してその植物を育成する技術が開示されている。また、特許文献2においては、屎尿を完全に分解して液肥化し、その液肥を周囲の植物に供給してその植物を育成する技術が開示されている。これらの技術によれば、屎尿は比較的緩い条件で処理されるため、これにより処理コストの低廉化を実現することができる。また、これらの技術によれば、植物の育成に有効な成分の供給に屎尿を利用することが可能であるとともに、屎尿中の水分を水資源として有効活用することも可能である。
特開2002−355686号公報 特開2002−160988号公報
しかしながら、上記従来の技術では、屎尿によって育成される植物が公衆トイレ等のトイレブースの周囲において、外気に剥き出しにされている。このため、自然環境を考慮してその植物を育成しなければならないことから、屎尿に基づく植物の育成に有効な成分をどの程度その植物に供給すべきか等の育成条件がばらつき、植物を安定して育成し難い。この点、植物を建築物内で育成することも考えられるが、その建築物がトイレブースとは異なる建築物であれば、総合的な建築コストの高騰化が生じてしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、屎尿の有効利用を安価に実現するとともに、植物を安定して育成することを解決すべき課題としている。
本発明のユニットトイレは、人が屎尿を排泄するためのトイレブースと、植物が栽培されている植物ブースとが同一の建築物内に形成され、該植物ブース内の該植物が該トイレブース内で生じた該屎尿の少なくとも一方に由来する栄養素によって育成されていることを特徴とする。
本発明のユニットトイレでは、トイレブース内で生じた屎尿の少なくとも一方に由来する栄養素を植物ブース内の植物に供給することから、屎尿を容易に有効利用することが可能である。その際、植物ブースが建築物内に形成されていることから、屎尿に基づく植物の育成に有効な成分をどの程度その植物に供給すべきか等の育成条件が自然環境による程ばらつくことはなく、植物を安定して育成し易い。これにより人にとって健康的な有機農業が促進される。
また、本発明のユニットトイレでは、トイレブースと植物ブースとが同一の建築物内に形成されているため、総合的な建築コストの低廉化を実現できる。
したがって、本発明のユニットトイレでは、屎尿の有効利用を安価に実現できるとともに、植物を安定して育成することができる。
本発明のユニットトイレは、トイレブースで排泄された尿のみを回収する尿回収装置と、この尿回収装置によって回収された尿に由来する成分を含む培養水を植物ブース内の植物に供給する供給装置とを備えていることが好ましい。
尿は屎よりも水分が多く、水資源としての活用の効果が大きい。また、屎尿の屎と尿とは、表1に示すように、植物の育成に有効な成分の含有率の点で価値が異なることが知られている(松井 三郎「エコロジカル・サニテーションを支持する科学と技術」第3回世界水フォーラムセッション トイレ・水循環国際シンポジウム 資料集、2003年、69〜70頁)。すなわち、尿には、肥料の三大元素である窒素(N)、リン(P)及びカリウム(K)が多く存在するうえ、無菌である。他方、屎には、窒素、リン及びカリウムが存在するものの、その量は尿に比べて少なく、さらに病原菌が存在する確率が高い。
Figure 2005113666
このため、屎尿のうちの尿のみを尿回収装置によって回収し、その尿に由来する成分を含ませた培養水を供給装置によって植物ブース内の植物に供給すれば、植物を好適に育成することができる。なお、屎が病原菌を含む場合、その病原菌を死滅させることにより、屎を有機資材として活用することが可能である。屎尿を屎と尿とで分離して回収する装置は公知である。
尿回収装置と供給装置との間には、植物にとって有害な成分又は過剰な成分を尿から除去する第1除去装置を備えていることが好ましい。有害成分としては、Na+、重金属類等が挙げられる。また、本発明のユニットトイレは、植物が閉鎖系又はほぼ閉鎖系で存在することから、トイレブースで生じる尿の量が多い場合には、尿が含有する植物の育成に有効な成分のうち、過剰な分は過剰成分となる。このため、尿回収装置と供給装置との間にそのような有害成分や過剰成分を尿から除去する第1除去装置を備えておれば、より一層植物を好適に育成することができる。
第1除去装置としては、微生物を用いてNH2をNH3やNO3まで分解する浄化槽、MgCl等のマグネシウム源によってN、Pを沈殿除去するMAP法を用いる装置、CaCl2、Ca(OH)2等のカルシウム源によってPを沈殿除去するHAP法を用いる装置、Na+やCl-を除去するイオン交換樹脂等を採用することができる。
特に、第1除去装置は尿から塩分を除去する塩分除去装置を有していることが好ましい。本発明者らが確認したところ、尿には、表2に示すように、1800mg/LのNa+と、4300mg/LのCl-とが含まれている。これらが全てイオン結合した場合、表3に示すように、尿には6100mg/LのNaClすなわち塩分が含まれていることとなる。なお、同表3に示すように、一般的な海水には23500mg/LのNaClが含まれていることから、尿には海水のほぼ4分の1程度の塩分が含まれていると言うことができる。この塩分は植物ブース内の植物にとって有害となる傾向が強い。このため、第1除去装置が、有害成分となった塩分を尿から除去する塩分除去装置を備えておれば、より一層植物を好適に育成することができる。
Figure 2005113666
Figure 2005113666
塩分除去装置としては、尿をイオン交換膜に通して尿から塩分を除去する装置、尿を蒸発させた後に液化して純水化する装置等を採用することができる。特に、尿を蒸発させた後に液化しようとする場合、尿に太陽光をあてることにより蒸気とし、この蒸気を日陰で液化して蒸留水として回収する装置等を採用することが好ましい。これにより、尿を蒸発させたり液化したりするためのエネルギーを自然から得ることができ、屎尿の有効利用をより安価に実現することができる。
さらに、第1除去装置は、尿から窒素分を除去する窒素分除去装置、尿からリン分を除去するリン分除去装置及び尿からカリウム分を除去するカリウム分除去装置の少なくとも一つを有していることが好ましい。
表1に示すように、尿には、肥料の三大元素である窒素、リン及びカリウムが多く存在する。一方、本発明のユニットトイレは、植物が閉鎖系又はほぼ閉鎖系で存在することから、トイレブースで生じる尿の量が多い場合には、尿が含有するこれらの成分のうち過剰な分は過剰成分となる。このため、第1除去装置が窒素分除去装置、リン分除去装置及びカリウム分除去装置の少なくとも一つを有しておれば、これらの装置によって植物に過剰にリン等の成分を供給しないようにできるため、より一層植物を好適に育成することができる。
尿回収装置と供給装置との間には、植物の育成に有効な成分を培養水に添加する添加装置を備えていることが好ましい。尿には、窒素、リン及びカリウムが存在するのであるが、尿だけではこれら窒素、リン又はカリウムが不足したり、その他の有効成分であるCa、Mgが不足したりする場合もある。このため、尿回収装置と供給装置との間にそのような植物の育成に有効な成分を培養水に添加する添加装置を備えておれば、より一層植物を好適に育成することができる。
また、塩分除去装置として尿を蒸留する装置を採用した場合には、尿から窒素、リン及びカリウムも塩分とともに除去されてしまう。このため、塩分除去装置により塩分が除去される前に、これらの成分を予め窒素分除去装置、リン分除去装置及びカリウム分除去装置の少なくとも一つにより回収し、塩分が除去された後、適量のこれら又は一成分を添加装置により蒸留水に添加して植物に供給することが好ましい。こうであれば、これらの成分を効率よく利用することができるとともに、より一層植物を好適に育成することができる。なお、この場合、窒素分除去装置、リン分除去装置及びカリウム分除去装置の少なくとも一つは、塩分除去装置と添加装置の間に位置することが望ましい。
トイレブースが洗浄水によって洗浄可能な便器を備えている場合、植物へ供給後の培養水中の植物に利用されなかった不要な成分をろ過及び/又は吸着する第2除去装置を備え、第2除去装置を経た培養水が洗浄水として利用されることが好ましい。
培養水は植物に供給されることにより浄化され、便器の洗浄水と供され得る。この際、土耕栽培を採用している場合には、培養水はその土によっても浄化される。この技術としては特開2000−301192号公報、特開2001−62473号公報等が知られている。しかし、土を経た後でも、培養水は種々の成分を含有している。その培養水が洗浄水にとって不要な成分を含有している場合、第2除去装置によってその不要な成分をろ過及び/又は吸着することにより、その培養水を洗浄水としてより好適に再利用することが可能となる。
本発明のユニットトイレは、トイレブース及び植物ブースの下方に添加装置が位置していることが好ましい。また、本発明のユニットトイレは、トイレブース及び植物ブースの下方に第2除去装置が位置していることが好ましい。その他、尿回収装置、第1除去装置等もトイレブース及び植物ブースの下方に位置していることができる。これらによって培養水等が自重によって移動することによりユニットトイレの構造が簡易になるとともに、スペースを有効活用することが可能になり、製造コストの低廉化を実現できる。
本発明のユニットトイレでは、植物は水耕栽培されていることが好ましい。水耕栽培に適している植物として、ユリオプス・デージー、イタリアン・ライグラス、オオムギ、ケナフ、ソルガム、パピルス、ホテイアオイ、ミント、ボタンウキクサ、ミディートマト、パックブン、インパチェンス、フサモ、ハトムギ、オオカナダモ、ヨシ、ガマ、イグサ、ヒメガマ、ヒシ、コカナダモ、ウォルヒア、ウキクサ、アリッサム等を採用することができる。これらの植物の窒素吸収速度(g/m2/日)を表4に示し、リン吸収速度(g/m2/日)を表5に示す。
Figure 2005113666
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表6にこれらの植物の増殖速度の順位を示す。表6に上位に示される植物を採用することが水質浄化の点で好ましい。
Figure 2005113666
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
実施例1のユニットトイレでは、図1に示すように、屋外に長方形形状の床部材1が設けられており、この床部材1上に複数本の支柱2が立てられ、全支柱2に接続された梁及び/又は桁により屋根用の垂木3が支えられている。床部材1上は長手方向に手前からトイレブース4、エントランスブース5及び植物ブース6に区画されている。
トイレブース4を区画する支柱2には、トイレブース4の側面を四方で囲う不透明な図示しないパネルが固定されている。トイレブース4内には床部材1の短辺方向に2個の個室が整列して形成されており、各個室内には、床部材1の短辺側のパネルを背面として洋風屎尿分離便器4a、4bが設けられている。また、トイレブース4には、床部材1の短辺側のパネルを背面とする節水式又は無水式の小便器4cが洋風屎尿分離便器4a、4bと整列して設けられている。さらに、トイレブース4内には2個の手洗器4d、4eも設けられている。
これら洋風屎尿分離便器4a、4b及び小便器4cには、図2にも示すように、洗浄水をこれらに供給可能な給水管7が接続されているとともに、洗浄後の汚水をこれらから排出する排水管8が接続されている(図2では、手洗器4d、4eの図示を省略している。)。
図1に示すように、トイレブース4の上方の垂木3には図示しない屋根部材が形成されており、その屋根部材には図示しない太陽電池パネルが設けられている。この太陽電池パネルから供給される電力によって後述する圧送ポンプ13、15、17及びプロペラ10a等が駆動されるようになっている。
図2に示すように、排水管8は、洋風屎尿分離便器4a、4bで排泄された屎尿のうちの屎のみを単体で又は洗浄水とともに排出する第1排水管8aと、洋風屎尿分離便器4a、4bで排泄された屎尿のうちの尿のみを洗浄水とともに排出する第2排水管8bと、小便器4cで排泄された尿のみを又は尿と洗浄水とを排出する第3排水管8cと、手洗器4d、4eを経た汚水を排出する図示しない第4排水管とからなる。トイレブース4の下方には、第1排水管8aから排出される屎を貯溜する屎回収装置9が設けられている。
図1に示すように、エントランスブース5を区画する支柱2には、エントランスブース5の奥側側面を覆う不透明な図示しないパネルが固定されている。エントランスブース5の下方には、図2に示すように、第2排水管8b、第3排水管8c及び第4排水管から排出される汚水を微生物とともに貯溜する尿浄化槽10と、植物を育成する上で不足しやすいCa、Mg等の有効成分を貯溜している貯溜槽11とが設けられている。
第2排水管8b及び第3排水管8cが尿回収装置であり、尿浄化槽10が第1除去装置である。貯溜槽11と尿浄化槽10とは配管12により接続されており、配管12には貯溜槽11内のCa、Mg等の有効成分を尿浄化槽10に一定量添加可能な圧送ポンプ13が設けられている。貯溜槽11、配管12及び圧送ポンプ13が添加装置である。尿浄化槽10には、内部の汚水を攪拌するためのプロペラ10aと、配管14とが設けられている。プロペラ10aには図示しないモータが設けられている。配管14には尿浄化槽10内の汚水を取り出すための圧送ポンプ15が設けられている。配管14及び圧送ポンプ15が供給装置である。図1に示すように、エントランスブース5の上方の垂木3には透明なポリカーボネートからなる図示しない屋根部材が形成されている。
植物ブース6を区画する支柱2には、植物ブース6の側面を四方で囲う透明なポリカーボネートからなる図示しないパネルが固定されている。植物ブース6内には上下方向及び水平方向に整列して複数のプランター6aが設けられている。各プランター6aには植物6bが水耕栽培されている。植物ブース6の下方には、図2に示すように、内部にろ材及び吸着材をもつ第2除去装置16が設けられている。尿浄化槽10と接続された配管14は最上段の各プランター6aに開放されており、尿浄化槽10内の培養水が最上段の各プランター6aに供給されるようになっている。最上段の各プランター6aを経た培養水は順次下段の各プランター6aに供給され、最下段の各プランター6aを経た培養水が第2除去装置16に回収されるようになっている。第2除去装置16にはトイレブース4まで延びる給水管7が接続されており、給水管7には第2除去装置16で異物をろ過及び吸着させた洗浄水を取り出すための圧送ポンプ17が設けられている。図1に示すように、植物ブース6の上方の垂木3にも透明なポリカーボネートからなる図示しない屋根部材が設けられている。
以上のように構成されたユニットトイレでは、トイレブース4、エントランスブース5及び植物ブース6が同一の建築物内に形成されている。そして、トイレブース4内において、人が排泄を行うと、屎は第1排水管8aによって洗浄水とともに自重により排出されて屎回収装置9に回収され、尿は第2、3排水管8b、8cによって洗浄水とともに自重により排出されて尿浄化槽10に回収される。なお、屎回収装置9に回収された屎は一定期間毎に取り出され、有機資材として活用される。
尿浄化槽10では、屎尿のうち尿のみを含む汚水が微生物とともに貯溜され、プロペラ10aによって攪拌されていることから、尿中の尿素が分解される。なお、トイレブース4で生じる尿の量が多い場合には、尿浄化槽10において、尿が含有する窒素及びリンの一部をMAP法やHAP法等により晶出させるようにすることも可能である。これは、汚水から植物の育成にとって過剰な成分を除去するために有効である。また、汚水中に窒素、リン及びカリウムの少なくとも1種が不足している場合には、これらの不足分が貯溜槽11、配管12及び圧送ポンプ13により添加される。こうして尿浄化槽10内の汚水が培養水となる。
尿浄化槽10内の培養水は、配管14及び圧送ポンプ15により最上段の各プランター6aに供給される。そして、最上段の各プランター6aを経た培養水は順次下段の各プランター6aに供給され、最下段の各プランター6aを経た培養水は第2除去装置16に回収される。植物ブース6は透明なポリカーボネートからなるパネルによって囲まれているため、植物ブース6内の植物6aは太陽光によって光合成を行うことができる。
こうして、このユニットトイレでは、トイレブース4内で生じた尿に由来する栄養素を培養水に含ませて植物ブース6内の植物6aに供給することから、尿を容易に有効利用することが可能である。その際、植物ブース6が建築物内に形成されていることから、尿に基づく植物の育成に有効な成分をどの程度その植物6aに供給すべきか等の育成条件が自然環境よる程ばらつくことはなく、植物6aを安定して育成し易い。これにより人にとって健康的な有機農業が推進される。
さらに、このユニットトイレでは、トイレブース4と植物ブース6とが同一の建築物内に形成されているため、総合的な建築コストの低廉化を実現できる。特に、このユニットトイレでは、トイレブース4、エントランスブース5及び植物ブース6の下方に屎回収装置9、尿浄化槽10、貯溜槽11及び第2除去装置16が位置しているため、培養水等が自重によって移動することにより構造が簡易になっているとともに、スペースを有効活用している。このため、製造コストの低廉化の効果が大きい。
そして、最下段の各プランター6aを経た培養水は第2除去装置16に自重により回収される。培養水は植物6aに供給されることによっても浄化される。第2除去装置16に回収された培養水は、そこで先浄水としては不要な成分をろ過及び吸着され、給水管7及び圧送ポンプ17によってトイレブース4まで搬送される。そして、洋風屎尿分離便器4a、4b及び小便器4cの洗浄に使用される。こうして、培養水を洗浄水としてより好適に再利用することが可能となる。
発明者らは、このユニットトイレの使用状況を以下のようにシミュレートした。このユニットトイレを1日に100人が使用し、0.1kg(含水率80%)の屎を10回、0.2Lの尿を90回したと仮定した場合、屎回収装置9には毎日屎が1kg(固形分が0.2kg、水分が0.8L)貯溜される。このため、屎回収装置9では、毎日0.8Lずつ水分が蒸発するようにしても、毎日0.2kgずつ固形分が溜まり、100日間で20kg溜まることとなる。この状態で屎回収装置9から固形分を排出することが好ましいことがわかる。なお、この際、灰を固形分に混ぜることにより、屎をアルカリ化してコンポスト化し、肥料として利用することも可能である。一方、尿浄化槽10には毎日尿が18L回収される。このため、尿浄化槽10に1日に貯溜される汚水中には、尿中にリンが1g/L、窒素が11g/L含有されていると仮定した場合、リンが18g、窒素が198g含まれていることとなる。
そして、植物6aとして、リンの吸収速度が0.1g/m2/日、窒素の吸収速度が0.44g/m2/日のコマツナを採用した場合、リンに基づけば1日に180m2のコマツナを育成でき、窒素に基づけば1日に450m2のコマツナを育成できることがわかる。
また、植物6aとして、リンの吸収速度が0.55g/m2/日、窒素の吸収速度が0.51g/m2/日のパックブンを採用した場合、リンに基づけば1日に32m2のパックブンを育成でき、窒素に基づけば1日に388m2のパックブンを育成ることがわかる。
したがって、このユニットトイレでは、屎尿の有効利用を安価に実現できるとともに、植物6aを安定して育成できることがわかる。
実施例2のユニットトイレでは、図3に示すように、尿浄化槽10と貯溜槽11との間に窒素分除去装置、リン分除去装置及びカリウム分除去装置が一体となった除去装置18が接続されている。この除去装置18はポンプ20をもつ配管19にも接続されている。
エントランスブース5の屋上には、図3に示すように、エントランスブース5の屋根部材の一部又は全部を兼ねる塩分除去装置21が設けられている。この塩分除去装置21は、図4に示すように、南側に位置するように設けられたポリカーボネートからなる外板21aと、この外板21aと接続されて北側に位置するように設けられた断熱効果の大きい外板21bと、外板21aの下方に設けられた黒色の内板21cと、外板21bの下方に設けられた内板21dとを有している。外板21a、21bと内板21c、21dとの間には、密閉されたへの字型の空間22が形成されている。内板21cの表面には凹凸21eが形成されている。
配管19は、この空間22内において、外板21a及び内板21cの間の上端に水平に延在している。この位置の配管19には図示しない複数の貫通孔が形成されている。
外板21a及び内板21cの下端には汚水を貯め得る貯溜部23が形成され、外板21b及び内板21dの下端には蒸留水を貯め得る貯溜部24が形成されている。貯溜部24には、貯溜槽11と接続された配管12と、植物ブース6に延びる配管14とが接続されている。他の構成は実施例1と同様である。
上記のように構成されたユニットトイレでは、尿浄化槽10内に回収された尿が除去装置18によって窒素、リン及びカリウムと、残余の汚水とに分離される。窒素等は貯溜槽11に供給され、汚水は配管19及びポンプ20によって塩分除去装置21に供給される。
配管19内の汚水は、各貫通孔から外板21a及び内板21cの間の空間22に落下する。ここに落下した汚水は貯溜部23に向かって内板21cを伝わることとなる。内板21cの表面には凹凸21eが形成されているため、この間、汚水は除々にしか貯溜部23に到達しない。一方、外板21aは、透明であり、かつ日射の多い南側に位置しているため、太陽光Sにより内板21c上の汚水が加熱されて蒸気になる。この蒸気は空間22の北側にも移動する。北側の外板21bは断熱効果を有するものであるため、蒸気はここで結露する。こうして、汚水から塩分が除去され、蒸留水が内板21dを伝わって貯溜部24に貯溜される。
貯溜部24内の蒸留水には、配管12によって貯溜槽11内の窒素、リン又はカリウムが供給される。こうして蒸留水に窒素等が添加されて培養水となり、この培養水が配管14によって植物6bに供給される。
なお、蒸気にならなかった汚水は、内板21cを伝わって貯留部23に貯留され、図示しない配管によって尿浄化槽10に回収される。また、凹凸21eに蓄積した塩類は、定期的に除去される。
こうして、このユニットトイレでは、塩分除去装置21により塩分を除去される前に、窒素分等を予め除去装置18により回収することができる。そして、塩分が除去された後の蒸留水に適量の窒素分等を添加して植物に供給することができる。このため、尿中の窒素分等を効率よく利用することができるとともに、より一層植物を好適に育成することができる。
また、このユニットトイレによれば、尿を蒸発させたり液化したりするためのエネルギーを自然から得ることができ、屎尿の有効利用をより安価に実現することができる。他の作用効果は実施例1と同様である。
本発明のユニットトイレは公衆トイレ等に利用可能である。
実施例1に係るユニットトイレを透視して示す全体斜視図である。 実施例1に係るユニットトイレの模式断面図である。 実施例2に係るユニットトイレの模式断面図である。 実施例2に係るユニットトイレの塩分除去装置の模式断面図である。
符号の説明
4…トイレブース
6a…植物
6…植物ブース
8b、8c…尿回収装置(8b…第2排水管、8c…第3排水管)
14、15…供給装置(14…配管、15…圧送ポンプ)
10…第1除去装置(尿浄化槽)
21…塩分除去装置
18…除去装置(窒素分除去装置、リン分除去装置、カリウム分除去装置)
11、12、13…添加装置(11…貯溜槽、12…配管、13…圧送ポンプ)
4a、4b、4c…便器(4a、4b…洋風屎尿分離便器、4c…小便器)
16…第2除去装置

Claims (11)

  1. 人が屎尿を排泄するためのトイレブースと、植物が栽培されている植物ブースとが同一の建築物内に形成され、該植物ブース内の該植物が該トイレブース内で生じた該屎尿の少なくとも一方に由来する栄養素によって育成されていることを特徴とするユニットトイレ。
  2. 前記トイレブースで排泄された前記尿のみを回収する尿回収装置と、該尿回収装置によって回収された該尿に由来する成分を含む培養水を前記植物ブース内の前記植物に供給する供給装置とを備えていることを特徴とする請求項1記載のユニットトイレ。
  3. 前記尿回収装置と前記供給装置との間には、前記植物にとって有害な成分又は過剰な成分を前記尿から除去する第1除去装置を備えていることを特徴とする請求項2記載のユニットトイレ。
  4. 前記第1除去装置は、塩分を前記尿から除去する塩分除去装置を有することを特徴とする請求項3記載のユニットトイレ。
  5. 前記第1除去装置は、窒素分を前記尿から除去する窒素分除去装置、リン分を該尿から除去するリン分除去装置及びカリウム分を該尿から除去するカリウム分除去装置の少なくとも一つを有することを特徴とする請求項3又は4記載のユニットトイレ。
  6. 前記尿回収装置と前記供給装置との間には、前記植物の育成に有効な成分を前記培養水に添加する添加装置を備えていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項記載のユニットトイレ。
  7. 前記窒素分除去装置によって前記尿から分離された窒素分、前記リン分除去装置によって前記尿から分離されたリン分、前記カリウム分除去装置によって前記尿から分離されたカリウム分の少なくとも一つが前記添加装置によって前記培養水に添加されることを特徴とする請求項6記載のユニットトイレ。
  8. 前記添加装置は、前記トイレブース及び/又は前記植物ブースの下方に位置していることを特徴とする請求項6又は7記載のユニットトイレ。
  9. 前記植物へ供給後の前記培養水中の不要な成分を除去する第2除去装置を備え、前記トイレブースは洗浄水によって洗浄可能な便器を有し、該第2除去装置を経た該培養水が該洗浄水として利用されることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項記載のユニットトイレ。
  10. 前記第2除去装置は、前記トイレブース及び/又は前記植物ブースの下方に位置していることを特徴とする請求項9記載のユニットトイレ。
  11. 前記植物は水耕栽培されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項記載のユニットトイレ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106760673A (zh) * 2017-01-20 2017-05-31 史九旭 绿色环保卫生间系统
CN108230832A (zh) * 2018-03-13 2018-06-29 苏州重明鸟厕所文化发展股份有限公司 校园生态循环科普空间系统
CN109854002A (zh) * 2019-01-14 2019-06-07 铜陵职业技术学院 一种环保型公共厕所
CN112939328A (zh) * 2020-12-31 2021-06-11 河北雄安迈嵘环保科技有限公司 一种集成化模块化无下水管道厕所粪污处理装置

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