JP2005091518A - 音声認識装置及び音声認識プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 音声認識装置10は、音響尤度算出手段16によって、音響モデル12aと入力音声の特徴ベクトルとの音響尤度を算出し、信頼度算出手段15によって、雑音モデル11aと音響モデル12aとに基づいて、前記音響尤度の信頼度を算出し、音響尤度補正手段17が、前記音響尤度を信頼度に基づいて補正し、その補正された補正音響尤度と、言語モデル13aとに基づいて、探索手段18が、接続される単語等の出力系列の候補を探索することで、前記入力音声の音声認識を行うことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
このように、従来は、予め学習データから学習した音響モデル及び言語モデルに基づいて、音声認識を行う手法が一般的である。
今井,小林,尾上,安藤,「ニュース番組自動字幕化のための音声認識システム」,情報処理学会音声言語処理技研報,23−11,pp.59−64,Oct.,1998
この問題は、音響モデルに学習されていない雑音部分では、音響尤度の信頼性が低下しているにも関わらず、音声部分と同様の探索を行ったことに起因している。また、この問題は、音響モデルが、雑音が重畳された入力音声の特徴を十分に学習していないことにも起因している。
そして、音声認識装置は、認識結果出力手段によって、出力系列探索手段で探索された複数の出力系列の中で、接続確率が最大となる出力系列を、入力音声を認識した出力系列であると特定し、音声認識結果として出力する。
前記信頼度算出手段は、前記音響モデル尤度を、前記特徴量と前記音響モデルの複数のクラスタモデルとの尤度の最大値とし、前記雑音モデル尤度を、前記特徴量と前記雑音モデルの複数のクラスタモデルとの尤度の最大値とすることを特徴とする。
また、音声認識装置は、信頼度算出手段によって、音響分析手段で抽出した特徴量(特徴ベクトル)が音声の特徴量である度合いを示す信頼度を算出する。例えば、予め雑音のデータをモデル化した雑音モデルと、音響モデルのデータ量を削減した第二音響モデルとに基づいて、その各モデルにおける確率密度関数の値の比率によって、その特徴量を有する入力音声が音声であるかどうかの度合い(信頼度)を算出する。ここで、第二音響モデルは、例えば、音響モデルを混合正規化分布モデルによりモデル化することで生成する。このように、データ量を削減した第二音響モデルを用いることで、信頼度を算出する際の演算量を抑えることができる。
また、音声認識装置は、出力系列探索手段によって、補正音響尤度と言語モデルとに基づいて、接続確率が高くなる出力系列(単語、形態素、音素等)を探索し、認識結果出力手段によって、出力系列探索手段で探索された複数の出力系列の中で、接続確率が最大となる出力系列を、入力音声を認識した出力系列であると特定し、音声認識結果として出力する。
また、音声認識プログラムは、信頼度算出手段によって、予め雑音のデータをモデル化した雑音モデルと、音声のデータをモデル化した音響モデルとに基づいて、音響分析手段で抽出した特徴量(特徴ベクトル)が音声である度合いを示す信頼度を算出する。
また、音声認識プログラムは、出力系列探索手段によって、補正音響尤度と言語モデルとに基づいて、接続確率が高くなる出力系列(単語、形態素、音素等)を探索し、認識結果出力手段によって、出力系列探索手段で探索された出力系列の中で、接続確率が最大となる出力系列を、入力音声を認識した出力系列であると特定し、音声認識結果として出力する。
また、音響モデルを多種多様な雑音重畳音声に対応させてモデル化する必要がなく、雑音モデルのみを構築すればよいので、モデルの構築を簡単に行うことができる。
[音声認識装置の構成]
まず、図1を参照して、本発明に係る音声認識装置の構成について説明する。図1は、音声認識装置の構成を示したブロック図である。
図1に示すように、音声認識装置10は、入力された音声(入力音声)を認識し、入力音声に対応する単語列、形態素、音素等の出力系列を認識結果として出力するものである。ここでは、音声認識装置10は、雑音モデル記憶手段11と、音響モデル記憶手段12と、言語モデル記憶手段13と、音響分析手段14と、信頼度算出手段15と、音響尤度算出手段16と、音響尤度補正手段17と、探索手段18とを備えている。すなわち、音声認識装置10は、従来の音声認識装置20(図4参照)に対して、雑音モデル記憶手段11と、信頼度算出手段15と、音響尤度補正手段17とを付加して構成している。以下、音声認識装置10の構成について詳細に説明する。
ここで雑音とは、音声認識を行いたい音声以外の音をいい、例えば、飛行機やサイレンの音、雑踏の音声、あるいはニュース番組で原稿をめくる音等である。
なお、ここでは、雑音モデル記憶手段11と、音響モデル記憶手段12と、言語モデル記憶手段13とを別々の記憶手段で構成しているが、同一の記憶手段に各モデルを記憶することも可能である。また、各記憶手段は、ネットワークを介して接続された形態であってもよい。
なお、この音響分析手段14は、入力された音声の音声波形に窓関数(ハミング窓等)をかけることで、フレーム化された波形を抽出し、その波形を周波数分析することで、種々の特徴量を抽出する。例えば、フレーム化された波形のパワースペクトルの対数を逆フーリエ変換した値であるケプストラム係数等を特徴量とする。この特徴量には、ケプストラム係数以外にも、メル周波数ケプストラム係数(MFCC:Mel Frequency Cepstrum Coefficient)、LPC(Linear Predictive Cordind)係数、対数パワー等、一般的な音声特徴量を用いることができる。
まず、雑音モデル11aをλN={λ1 N,λ2 N,…,λM N}(Mは雑音モデルのクラスタ数)とし、雑音モデル11aのi番目のクラスタモデルλi Nにおける、特徴ベクトルxtが雑音の特徴量である度合い(尤度)を、条件付確率P(xt|λi N)(1≦i≦M)とする。すると、特徴ベクトルxtが雑音の特徴量である度合い(雑音モデル尤度)P(xt|λN)は、(1)式に示すように、各クラスタモデルλi Nにおける尤度和として算出することができる。
音響尤度算出手段16は、音響分析手段14で抽出され、時系列に入力される特徴ベクトルと、音響モデル記憶手段12に記憶されている音響モデル12aでモデル化されている音素との類似度を示す音響尤度を算出するものである。なお、この音響尤度算出手段16は、探索手段18から逐次出力される出力系列の探索候補毎に音響尤度を算出する。ここで算出された音響尤度は、音響尤度補正手段17に出力される。
例えば、探索手段18から逐次出力される探索候補の音響モデルがλAM={λ1 AM,λ2 AM,…,λJ AM}(Jは探索候補のモデルの総数)であった場合、音響尤度算出手段16は、特徴ベクトルxtが音声である度合い(音響尤度)を、条件付確率P(xt|λj AM)(1≦j≦J)で算出する。
例えば、音響尤度算出手段16から、時刻tにおける探索候補の音響尤度P(xt|λj AM)(1≦j≦J)が出力される場合、音響尤度補正手段17は、(9)式に示すように、信頼度算出手段15で算出された信頼度P(S|xt)をべき数として、音響尤度P(xt|λj AM)をべき乗することで、音響尤度を補正した補正音響尤度P´(xtxtλj AMxt)を生成する。
すなわち、図2に示した音声認識装置10Bのブロック図のように、音声認識装置10(図1参照)に音声モデル記憶手段19を付加して構成してもよい。なお、この音声認識装置10Bは、音声認識装置10に、音声モデル19aを記憶した音声モデル記憶手段19を付加し、信頼度算出手段15の機能を変更した信頼度算出手段15Bで構成している。他の構成は、図1に示した音声認識装置10と同様であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
この音声モデル19aは、音響モデル12aと同様に、単一の音声モデルλSを用いてもよいし、音声の種別毎に複数のモデルλS={λ1 S,λ2 S,…,λK S}(Kは音声モデルのクラスタ数)を用いてもよい。
このように、音響モデル12aのデータ量を削減した音声モデル19aを用いることで、音声認識の演算量を削減することができる。
次に、図3を参照(適宜図1参照)して、音声認識装置10の動作について説明する。図3は、音声認識装置10の動作を示すフローチャートである。
音声認識装置10は、音響分析手段14によって、入力された音声(入力音声)を分析し、その音声の特徴量を時系列に特徴ベクトルxtとして抽出する(ステップS1)。
そして、音声認識装置10は、信頼度算出手段15によって、特徴ベクトルxtで示される入力音声が音声である度合いを示す信頼度を算出する。すなわち、信頼度算出手段15が、前記(1)式に示したように、雑音モデル11aを参照して、特徴ベクトルxtが雑音である度合いを示す尤度和P(xt|λN)を算出する(ステップS2)。そして、信頼度算出手段15が、前記(2)式に示したように、音響モデル12aを参照して、特徴ベクトルxtが音声である度合いを示す尤度和P(xt|λS)を算出する(ステップS3)。そして、信頼度算出手段15が、このステップS2で算出した雑音の尤度和P(xt|λN)と、ステップS3で算出した音声の尤度和P(xt|λS)とに基づいて、前記(3)式により、特徴ベクトルxtが、音声である度合いを示す信頼度P(S|xt)を算出する(ステップS4)。
また、音声認識装置10は、音響尤度算出手段16によって、音響分析手段14で抽出された音声の特徴量である特徴ベクトルxtと、音響モデル12aとに基づいて、探索手段18の出力系列探索部18aで探索された出力系列の探索候補毎に音響尤度を算出する(ステップS5)。すなわち、探索候補の音響モデルがλAM={λ1 AM,λ2 AM,…,λJ AM}(Jは探索候補のモデルの総数)のとき、特徴ベクトルxtが音声である度合い(音響尤度)を、条件付確率P(xt|λj AM)(1≦j≦J)として算出する。
そして、音声認識装置10は、音響尤度補正手段17によって、前記(9)式に示したように、音響尤度算出手段16で算出された探索候補の音響尤度P(xt|λj AM)(1≦j≦J)を、信頼度算出手段15で算出された信頼度P(S|xt)に基づいて補正し、補正音響尤度P´(xt|λj AM)を生成する(ステップS6)。
そして、音声認識装置10は、探索手段18の出力系列探索部18aによって、音響尤度補正手段17で生成された補正音響尤度P´(xt|λj AM)と、言語モデル13aとに基づいて、接続確率が高くなる出力系列を探索し、その探索結果である探索候補を音響尤度算出手段16に出力する(ステップS7)。なお、この探索結果はステップS5において、音響尤度算出手段16が、音響尤度を算出する際に用いられる。
11 雑音モデル記憶手段
11a 雑音モデル
12 音響モデル記憶手段
12a 音響モデル
13 言語モデル記憶手段
13a 言語モデル
14 音響分析手段
15 信頼度算出手段
16 音響尤度算出手段
17 音響尤度補正手段
18 探索手段
18a 出力系列探索部(出力系列探索手段)
18b 認識結果出力部(認識結果出力手段)
19 音声モデル記憶手段
19a 音声モデル(第二音響モデル)
Claims (9)
- 音響モデル及び言語モデルと、雑音のデータをモデル化した雑音モデルとを用いて、入力音声を認識する音声認識装置であって、
前記入力音声の音響信号を分析して、前記入力音声の特徴量を抽出する音響分析手段と、
この音響分析手段で抽出された特徴量と、前記雑音モデル及び前記音響モデルとに基づいて、前記入力音声が音声である度合いを示す信頼度を算出する信頼度算出手段と、
前記特徴量と前記音響モデルとに基づいて、前記入力音声と前記音響モデルとの類似度を示す音響尤度を算出する音響尤度算出手段と、
この音響尤度算出手段で算出された音響尤度を、前記信頼度により補正して補正音響尤度を生成する音響尤度補正手段と、
この音響尤度補正手段で生成された補正音響尤度と、前記言語モデルとに基づいて、前記入力音声を構成する出力系列の候補を探索する出力系列探索手段と、
この出力系列探索手段で探索された複数の出力系列の中で、接続確率が最大となる出力系列を前記入力音声の音声認識結果として出力する認識結果出力手段と、
を備えていることを特徴とする音声認識装置。 - 前記音響尤度補正手段は、前記信頼度をべき数として、前記音響尤度をべき乗することで前記補正音響尤度を算出することを特徴とする請求項1に記載の音声認識装置。
- 前記信頼度算出手段は、予め定めた下限値を設けて、前記信頼度を算出することを特徴とする請求項2に記載の音声認識装置。
- 前記信頼度算出手段は、前記特徴量と前記音響モデルとの類似度を示す音響モデル尤度と、前記特徴量と前記雑音モデルとの類似度を示す雑音モデル尤度との比率により、前記信頼度を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の音声認識装置。
- 前記音響モデル及び前記雑音モデルは、それぞれ複数のクラスタモデルで構成され、
前記信頼度算出手段は、前記音響モデル尤度を、前記特徴量と前記音響モデルの複数のクラスタモデルとの尤度の総和で算出し、前記雑音モデル尤度を、前記特徴量と前記雑音モデルの複数のクラスタモデルとの尤度の総和で算出することを特徴とする請求項4に記載の音声認識装置。 - 前記音響モデル及び前記雑音モデルは、それぞれ複数のクラスタモデルで構成され、
前記信頼度算出手段は、前記音響モデル尤度を、前記特徴量と前記音響モデルの複数のクラスタモデルとの尤度の最大値とし、前記雑音モデル尤度を、前記特徴量と前記雑音モデルの複数のクラスタモデルとの尤度の最大値とすることを特徴とする請求項4に記載の音声認識装置。 - 前記信頼度算出手段は、前記音響モデル尤度及び前記雑音モデル尤度を、前記入力音声を特定の長さでフレーム化したときの、複数のフレームの移動平均値として算出することを特徴とする請求項4に記載の音声認識装置。
- 音響モデル及び言語モデルと、前記音響モデルをモデル化した第二音響モデルと、雑音のデータをモデル化した雑音モデルとを用いて、入力音声を認識する音声認識装置であって、
前記入力音声の音響信号を分析して、前記入力音声の特徴量を抽出する音響分析手段と、
この音響分析手段で抽出された特徴量と、前記雑音モデル及び前記第二音響モデルとに基づいて、前記入力音声が音声である度合いを示す信頼度を算出する信頼度算出手段と、
前記特徴量と前記音響モデルとに基づいて、前記入力音声と前記音響モデルとの類似度を示す音響尤度を算出する音響尤度算出手段と、
この音響尤度算出手段で算出された音響尤度を、前記信頼度により補正して補正音響尤度を生成する音響尤度補正手段と、
この音響尤度補正手段で生成された補正音響尤度と、前記言語モデルとに基づいて、前記入力音声を構成する出力系列の候補を探索する出力系列探索手段と、
この出力系列探索手段で探索された複数の出力系列の中で、接続確率が最大となる出力系列を前記入力音声の音声認識結果として出力する認識結果出力手段と、
を備えていることを特徴とする音声認識装置。 - 音響モデル及び言語モデルと、雑音のデータをモデル化した雑音モデルとを用いて、入力音声を認識するために、コンピュータを、
前記入力音声の音響信号を分析して、前記入力音声の特徴量を抽出する音響分析手段、
この音響分析手段で抽出された特徴量と、前記雑音モデル及び前記音響モデルとに基づいて、前記入力音声が音声である度合いを示す信頼度を算出する信頼度算出手段、
前記特徴量と前記音響モデルとに基づいて、前記入力音声と前記音響モデルとの類似度を示す音響尤度を算出する音響尤度算出手段、
この音響尤度算出手段で算出された音響尤度を、前記信頼度により補正して補正音響尤度を生成する音響尤度補正手段、
この音響尤度補正手段で生成された補正音響尤度と、前記言語モデルとに基づいて、前記入力音声を構成する出力系列の候補を探索する出力系列探索手段、
この出力系列探索手段で探索された複数の出力系列の中で、接続確率が最大となる出力系列を前記入力音声の音声認識結果として出力する認識結果出力手段、
として機能させることを特徴とする音声認識プログラム。
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