JP2005086989A - 協調制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発電機が高発電モードで稼動する頻度を小さくし、燃費を向上させる協調制御装置を提供する。
【解決手段】 発電機4の運転モードを高発電モードと低発電モードを切り替えるにあたり、発電機4に接続される電力負荷Wの電力負荷量を切り替え制御ユニット20でモニタし、発電機4に要求される発電量が高発電モードと低発電モードの閾値値を超えるときに、少なくとも1つの電力負荷Wの電力負荷量を低減させ、発電機4の発電量を閾値以下にすることで低発電モードの発生頻度を高める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力負荷の協調制御装置に関する。
車両にはバッテリが搭載されており、ランプやエアコンディショナなどの電力負荷に電力供給を行っている。この種のバッテリにはエンジンの回転により発電する発電機が接続されており、車両の走行中に電力を充電することができる。ここで、バッテリへの負荷が大きいときには、発電機が電力負荷に直接に電力供給を行えるように構成された車両がある。このような車両における発電機には発電量の大きい高発電モードと、相対的に発電量が小さい低発電モードが用意されており、切り替え用の電子制御ユニットで発電モードが切り替えられる。ここで、発電モードの切り替えは、バッテリの残容量や、車両の減速状態、電気負荷量の大きさによって行われることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−137275号公報(段落0023から0034、第6図)
しかしながら、従来の発電モードの切り替えは、電力負荷量が所定の閾値を越えるか否かで判定しているので、閾値を少しだけ越えている状態であっても高発電モードが選択されてしまう。発電機を高発電モードで稼動させるとエンジンの負荷が増大するので、高発電モードの発生頻度が高いと、燃費が低下してしまう。
この発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、高発電モードの発生頻度を小さくし、燃費を向上させることを目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、エンジン(例えば、実施形態のエンジン1)により駆動される発電機(例えば、実施形態の発電機4)でバッテリ(例えば、実施形態のバッテリ8)の充電を行うと共に、複数の電力負荷(例えば、実施形態の電力負荷W)に電力を供給するにあたり、所定の電力負荷量を閾値(例えば、実施形態の閾値CP)として前記発電機の発電モードを低発電モード又は高発電モードに切り替える発電モード切り替え手段(例えば、実施形態の切り替え手段32)を備える協調制御装置において、前記閾値以下の目標値を設定する目標値設定手段(例えば、実施形態の目標値設定手段34)と、前記発電機の発電量を前記目標値にすべく、前記電力負荷の少なくとも1つの電力負荷量を低減する電力負荷量低減手段(例えば、実施形態の電力負荷量低減手段35)とを備え、前記閾値を越える前記発電機の発電量と前記閾値との差が所定値以下のときに前記目標値を設定し、前記発電機の発電モードを低発電モードにすることを特徴とする協調制御装置とした。
この協調制御装置は、発電機の発電量が閾値を越え、その差が所定値以下である場合には、少なくとも1つの電力負荷を制御し、その電力負荷量を低減させる。これにより、発電機に必要とされる電力量を低減できるので、発電機を低発電モードで稼動させることが可能になる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の協調制御装置において、前記目標値設定手段と、前記電力負荷量低減手段とを1つの電子制御ユニット(例えば、実施形態の切り替え制御ユニット20)に備えることを特徴とする。
この協調制御装置によれば、各種の情報が1つの電子制御ユニットに集められ、電力負荷の協調制御が行われるようになる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の協調制御装置において、第1電子制御ユニットに発電モード切り替え手段を備え、前記第1電子制御ユニットと前記電力負荷との間に第2電子制御ユニットを設け、前記第2電子制御ユニットに前記目標値設定手段と前記電力負荷量低減手段を備えることを特徴とする。
この協調制御装置によれば、2つの電子制御ユニットを協働させることで発電モードの切り替えと電力負荷量の協調制御とを行う。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の協調制御装置において、前記電力負荷量低減手段は複数の前記電力負荷内の1つの電力負荷量を低減させることを特徴とする。
この協調制御装置は、特定の電力負荷を選択し、その電力負荷量を低減させる。選択される電力負荷は、例えば、電力負荷量の最も大きいものや、予め設定された優先順位に則って選択される。
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の協調制御装置において、前記電力負荷量低減手段は前記電力負荷の全ての電力負荷量を低減させることを特徴とする。
この協調制御装置によれば、全ての電力負荷の電力負荷量を低減させるので、個々の電力負荷量の低減量を少なくできる。
請求項1に記載した発明によれば、発電機の発電量が閾値を越え、その差が所定値以下である場合に協調制御を行って、電力負荷量を低減させるので、発電機に要求される発電量を低減できる。したがって、発電機を低発電モードで稼動させることができるので、燃費が向上する。
請求項2に記載した発明によれば、1つの電子制御ユニットで目標値を設定し、さらに電力負荷量を低減する電力負荷の選択と、低減量や低減率の設定を行えるので、簡単な構成で、低発電モードの発生頻度を高めて、燃費を向上させることができる。
請求項3に記載した発明によれば、第1電子制御ユニットで発電モードの切り替えを制御し、第2制御ユニットで協調制御を行うので、レイアウトの自由度が増す。また、メンテナンス性が向上する。
請求項4に記載した発明によれば、電力負荷量を低減しやすい電力負荷を協調制御することにより、確実に全体電力負荷量を低減できる。
請求項5に記載した発明によれば、全ての電力負荷量を協調制御し、その電力負荷量を低減させるので、個々の電力負荷の低減量を少なくでき、全体電力負荷量を容易に低減できる。
発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、内燃機関であるエンジン1の出力軸2には、その一端にプーリ3が取り付けられている。また、発電機4の入力軸5の一端にもプーリ6が取り付けられており、プーリ6と前記プーリ3にはACGベルト7が巻き回されており、エンジン1が駆動すると発電機4が稼動するようになっている。
発電機4は、入力軸5と共に回転するロータ、ステータ、整流器などを備える交流発電機である。この種の発電機はオルタネータとも呼ばれ、エンジン1の回転数に応じて発電能力を増減させることができる。この発電機4の発電モードは、高電圧で発電を行う高発電モードと、高発電モードよりも低い電圧で発電する低発電モードとを選択することができる。発電機4の低電位側の端子は接地され、高電位側の端子には電力ケーブル9が接続される。発電機4の発電量はセンサ41で検出することができる。センサ41は、ロータの回転数を検出するセンサや、電圧計及び電流計などが用いられる。
電力ケーブル9にはバッテリ8と複数の電力負荷Wが接続される。バッテリ8には発電機4で発電した電力が充電される。さらに、バッテリ8に充電した電力は電力負荷Wに消費される。バッテリ8の低電位側の端子は接地されており、高電位側の端子が電力ケーブル9に接続される。また、高電位側の端子の近傍にはバッテリ8から放電される電力を測定するための電流センサ25が配設されている。
電力負荷Wは、発電機4又はバッテリ8からの電力供給を受け、特定の機能を発現させるもので、リアデフロスタW1や、エアコンディショナW2、インテリアライトW3、カーテシーライトW4、ヘッドライトW5、などの機器があげられる。リアデフロスタW1は電力供給を受けて稼動するリアガラス熱線、電力供給を行うリレー、制御回路などから構成される。エアコンディショナW2は電力供給を受けて駆動するコンプレッサと、熱交換器、ブロアモータ、ヒータなどから構成される。インテリアライトW3、カーテシーライトW4、ヘッドライトW5はランプと、ランプへの電力供給を制御する制御回路とから構成される。
各電力負荷Wには通信ユニット10が取り付けられており、通信線11で連結される切り替え制御ユニット20との間で通信が可能である。切り替え制御ユニット20に受け渡される情報としては、電力負荷Wが消費する電力(電力負荷量)の情報と、電力負荷Wの稼動状態を示す情報がある。このうち、稼動状態を示す情報とは、例えば、リアデフロスタW1であれば、稼動(ON)又は停止(OFF)を示す信号と、稼動中であれば始動時からの経過時間があげられる。経過時間は窓の曇りを除去するのに十分な時間が経過しているか否かを判断する情報となる。エアコンディショナW2であれば、ON又はOFFを示す情報と、設定されている風量の情報と、コンプレッサのON又はOFFを示す情報がある。風量の情報は負荷状態の確認と電力低減率の判断に用いる。インテリアライトW3や、カーテシーライトW4であれば、ON又はOFFを示す情報と、ONになっているライトを特定する情報がある。ヘッドライトW5であれば、ON又はOFFを示す情報である。なお、各電力負荷Wからの情報は、一定時間毎、又は必要に応じて切り替え制御ユニット20に送信される。
切り替え制御ユニット20には、この他にも、矢印aで示すように、車速センサ21や、外気温を検出するセンサ22などの各種センサからの情報が入力される。また、矢印bに示すように、エンジンECU(電子制御ユニット)などの他の制御ユニット23,24からも情報が入力される。さらに、センサ41で検出する発電量の情報(矢印c)と、バッテリ8から放電される電流を電流センサ25で検出した情報(矢印d)が入力される。
この切り替え制御ユニット20は、CPU(中央演算装置)、メモリなどからなり、電力負荷Wの電力負荷量の総和(全体電力負荷量)を演算する全体電力負荷量演算手段31と、発電機4の発電モードを切り替える切り替え手段32と、協調制御の可否を判定する判定手段33と、電力負荷Wが消費する電力量の目標値を設定する目標値設定手段34と、少なくとも1つの電力負荷Wの電力負荷量を低減させる電力負荷量低減手段35とを備える。メモリには、協調制御の可否の判定や、目標値の設定に用いられる所定の係数や、協調制御を行う電力負荷の優先順位を定める際に使用する条件などが、必要に応じて記憶される。そして、切り替え制御ユニット20から出力される情報は、矢印eで示す発電モードを切り替えるモード切り替え信号がある。また、協調制御を行う際には電力負荷量の低減を指示する制御信号が通信線11を利用して少なくとも1つの電力負荷Wに対して送信される。
ここで、協調制御とは、電力負荷Wの電力負荷量を調整して全体電力負荷量を低減させ、発電機4が低発電モードで稼動する頻度を高めるような制御である。協調制御の方法としては、図2から図5に示すような4つのケースがあげられる。図2から図5において、縦軸は電力負荷量を示し、発電機4の性能に応じて定まる閾値CPを超える領域は高発電モードに相当し、閾値CP以下の領域は低発電モードになる。なお、低発電モードで発電機4を稼動している間は、車両が減速状態になると、燃料噴射を停止すると共にラジエータ用のファンを回転させ、エンジン1の冷却水を強制冷却する処理(減速時水温低下制御)が行われる。
図2から図5では、理解を容易にするために、電力負荷A及び電力負荷B並びに電力負荷Cの各電力付加量の総和が全体電力負荷量に相当し、この全体電力負荷量を発電機4のみで賄う場合を例示してある。各電力付加Wの電力負荷量を調整しない従来制御では、全体電力負荷が閾値CPを超えると、発電機4は高発電モードに切り替わる。
これに対して、図2に示すような第1の協調制御H1では、各電力負荷A,B,Cが消費する電力を同じ割合、又は各電力負荷A,B,Cに対して所定の係数を乗算して低下させ、全体電力負荷量を閾値CP以下に低減させる。
また、図3に示すような第2の協調制御H2では、特定の1つの電力負荷(例えば、電力負荷A)の電力負荷量のみを低減させて、他の電力負荷(電力負荷B,C)の電力負荷量は変化させずに、全体電力負荷量を閾値CP以下に低減させる。特定の電力負荷Aは、例えば、図1に示すエアコンディショナW2などを、切り替え制御ユニット20に予め設定しておく。
図4に示すような第3の協調制御H3では、予め定めた優先順位の高い電力負荷(電力負荷Aと電力負荷B)から順番に電力負荷量を低減させ、全体電力負荷量を閾値CP以下に低減させる。優先順位は、搭乗者に対する影響や、運転への影響が小さい電力負荷Wの順位を定めたものである。図4の例における優先順位は電力負荷A,B,Cと、その電力負荷を協調制御するための条件とで定義され、その条件を満たす電力負荷A,B,Cが優先的に協調制御される。例えば、日中であればインテリアライトW3の電力負荷量を優先して低減させる、外気温と車室内の温度差が所定温度以下であればエアコンディショナW2で制御されているコンプレッサを優先的に停止させたり、風量を減少させたりする。窓の曇りを除去するのに十分な時間が経過してるか、又は車両状態を検出する各センサが所定値内であればリアデフロスタの電源を優先して切る。なお、第3の協調制御H3では電力負荷量を低減する電力負荷A,B,Cの数は1つに限定されない。
図5に示すような第4の協調制御H4では、全体電力負荷量に占める割合(負荷率)の大きい電力負荷(電力負荷C)の電力負荷量を低減させ、全体電力負荷量を閾値CP以下に低減させる。第4の協調制御H4においても、電力負荷量を低減する電力負荷A,B,Cの数は1つに限定されない。
さらに、上述した各協調制御H1〜H4において電力負荷A,B,Cの電力負荷量を低減する具体例について、図1の電力負荷W1〜W5を例にして説明する。
まず、図6に示すように、リアデフロスタW1の場合、従来制御ではリアデフロスタW1がONになると、次にOFFにされるまでON状態が継続し、この間の電力負荷量は一定の値をとる。電力負荷量の大きさが閾値CPを超えた場合には、発電機4の発電モードは高発電モードになる。これに対して協調制御が行われると、ONされてからOFFされるまでの間に、ONとOFFの切り替えが所定の周期で複数回行われ、リアデフロスタW1が間欠作動する。これにより、この間の電力負荷量の平均値が閾値CPよりも下がり、発電機4を低発電モードで稼動できる。このONとOFFの切り替えの頻度と、ON及びOFFの継続頻度は、電力負荷量の低減量、又は車両状態を検出する各センサの値を基に曇りの除去状態を予想した結果により定まる。
図7に示すように、エアコンディショナW2の場合、従来制御ではエアコンディショナW2のブロアファンに印加する電圧が、0Vから14V付近の所定の電圧値まで立ち上がり、その電圧値を維持する。このとき電力負荷量の大きさが閾値CPを越えると、高発電モードになる。これに対して協調制御が行われると、電圧が低く抑えられ、電力負荷量が閾値CP以下となり、発電機4を低発電モードで稼動できる。
図8には、インテリアライトW3や、カーテシーライトW4、ヘッドライトW5などのライト類の場合の電力負荷量の制御例を示す。例えば、インテリアライトW3がONになり、14Vが印加されたときに、電力負荷量が閾値CPを越えると、高発電モードになる。これに対して協調制御が行われると、ONとOFFの切り替えが所定の周期で複数回、又は一定時間行われ、電力負荷の平均値が閾値CPよりも下がり、発電機4を低発電モードで稼動できる。このときのインテリアライトW3は減光されるが、点滅にはならない周期を設定する。ただし、夜間の減光を防止するために、切り替え制御ユニット20は、昼間の時間帯で、かつ日射量が一定以上である場合にライト類の協調制御を行う。さらに、運転者などにより強制的にスイッチがONにされた場合には減光するような協調制御は行わない。
このような協調制御において切り替え制御ユニット20にて行われる処理について図1及び図9のフローチャートを主に参照して説明する。
まず、全電力負荷量演算手段31により全体電力負荷量を演算する(ステップS1)。次に、発電機4の実測電流値(図1の矢印c参照)とバッテリ8の実測電流値(矢印d参照)の和(以下、実測値の和という)を演算し、実測値の和とステップS1の演算結果がほぼ等しいか否かを判定手段33において判断する(ステップS2)。ここで、両者が等しいか、誤差が10%以内の場合(ステップS2でYes)には、ステップS4に進む。一方、両者の差が10%を越える場合(ステップS2でNo)にはステップS3に進む。
ステップS3では全体電力負荷量演算手段31の演算結果に補正係数を乗算し、演算結果が前記実測値の和と同じ値になるように補正する。なお、補正係数は電力負荷毎に予め設定され、演算結果が実測値の和よりも大きい場合には補正係数として1よりも小さい値が用いられる。また、演算結果が実測値の和よりも小さい場合には補正係数として1以上の値が用いられる。いずれの場合であっても補正後にはステップS4に進む。
ステップS4ではバッテリ8の実測電流値が規定値の範囲内になるか否かを判断する。実測電流値が規定値の範囲内にあれば(ステップS4でYes)、バッテリ8から各電力負荷Wに供給される電流が少ないため、次のステップS5に進む。一方、規定値の範囲外であれば(ステップS4でN0)、バッテリ8から各電力負荷Wに供給される電流が多いため、協調制御はせずに発電量を確保する必要があるので、ここでの処理を終了する。
そして、上述の各処理においてバッテリ8から各電力負荷Wに供給される電流が少ないときには、ステップS5で全体電力負荷量と閾値CPとの大小を比較する。発電量が閾値CP以下である場合(ステップS5でYes)には、発電機4を低電圧モードで運転できるので、協調制御を行わずに、ここでの処理を終了する。
全体電力負荷量が閾値CPを越える場合(ステップS5でNo)には、このままでは発電機4を高発電モードで稼動しなければならないので、協調制御の可否を判定する(ステップS6)。発電量が閾値CPに所定の係数K1を乗じた値以下であれば協調制御を実行し(ステップS6でYes)、それ以外の場合(ステップS6でNo)には高発電モードのままで発電機4を稼動させる。所定の係数K1は1.1から1.3までの間の値が好ましい。これよりも小さい値では協調制御の実行頻度が少なくなりすぎるし、これよりも大きい値では発電量を閾値CP以下に減少させることが困難であり、むしろ高発電モードを維持した方が良いからである。ここで、この値は車両全体の電力負荷量、発電機の性能、求める燃費向上率などによって設定されるものとする。
協調制御を行う際には、発電量の目標値を設定する(ステップS7)。目標値は、閾値CPに所定の係数K2を乗じた値となる。この係数K2は0.8から0.95までの間の値が好ましい。これよりも小さい値では電力負荷量の低減が困難となり、これよりも大きい値では、少しの変動で閾値CPを超えてしまうからである。ここで、この値は車両全体の電力負荷量、発電機の性能、求める燃費向上率などによって設定されるものとする。
目標値を設定したら、各電力負荷Wの電力負荷量と稼動状態を示す情報や、他のセンサ21,22の出力、他の制御ユニット23,24の出力といった各種情報から、電力負荷量を低減する電力負荷Wと、その低減量(率)を設定する(ステップS8)。例えば、図2に例示する第1の協調制御H1であれば、電力負荷量を制御可能な全ての電力負荷Wを制御対象とし、設定した目標値を実際の全電力負荷量で除算した値を低減率とする。また、図3に例示する第2の協調制御H2、又は図4に例示する第3の協調制御H3であれば、実際の全電力負荷量から目標値を引き算して得られる低減量を、特定の1つの電力負荷W、又は優先順位に応じて選択される少なくとも1つの電力負荷Wに割り付ける。さらに、図5に例示する第4の協調制御H4では、実際の全電力負荷量から目標値を引き算して得られる低減量を最も電力負荷量の大きい電力負荷Wに対して割り付ける。
そして、協調制御を行う電力負荷Wの制御部に対して、低減量(率)に応じた制御を行うように制御信号を出力する(ステップS9)。制御信号は、通信線11を介して制御対象となる電力負荷Wに送信されるか、電力負荷Wの制御ユニット(例えば、エアコンECU)に直接送信される。そして、制御信号に従って電力負荷Wの電力負荷量が低減されると、全体電力負荷量が低減し、発電機4の発電量が閾値CP以下で済むようになるので、切り替え制御ユニット20は、発電機4に対して低発電モードに切り替える切り替え信号を出力し、発電機4が低発電モードで稼動する。以降は、所定の時間間隔毎、又は発電機4の発電量が閾値CPを超える度に、上記の処理(ステップS1からステップS9)が繰り返される。
この実施の形態の協調制御装置は、バッテリ8側の電流センサ25の情報、発電機4側のセンサ41の情報、各電力負荷Wからの情報を少なくとも入力する手段を有し、発電モードの切り替えを制御すると共に、発電機4の発電量が多いときに協調制御を行う切り替え制御ユニット20として構成したので、全体電力負荷量を低減させることができる。したがって、低発電モードの発生頻度が高くなる。電力消費量が抑えられて、発電量も少なくて済むので、燃費が向上する。
この際に、協調制御可能な全ての電力負荷の電力負荷量を一律に低減させる(第1の協調制御H1に相当)と、1つ1つの電力負荷量の低減量が少なくて済み、発電機4を低発電モードにしやすい。また、協調制御を行う電力負荷Wを他のセンサ21,22などの情報に基づいて決定したり(第2の協調制御に相当)、電力負荷量を低減させやすい電力負荷を選択したりする(第3の協調制御や、第4の協調制御に相当)と、運転者などに違和感を与えずに燃費を向上できる。
なお、各電力負荷Wと切り替え制御ユニット20との間の通信は、切り替え制御ユニット20の要求に応じて電力負荷Wが情報を送信するようにしても良い。電力負荷W側の通信ユニット10の負荷を低減でき、装置を小型化できる。また、切り替え制御ユニット20が必要に応じて電力負荷Wの稼動状態を調べるようにすると、通信のトラフィック量を低減できる。
次に、協調制御を行う他の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、上記の形態と同一の構成要素及び制御については重複する説明を省略する。
図10に示すように、この実施の形態では切り替え制御ユニット20を第1電子制御ユニットとし、切り替え制御ユニット20と電力負荷Wの間に第2電子制御ユニットであるマスターユニット50を設け、このマスターユニット50で電力負荷の協調制御を行う。
マスターユニット50は、CPU(中央演算装置)、メモリなどからなり、全体電力負荷量演算手段31と、協調制御の可否を判定する判定手段33と、目標値を設定する目標値設定手段34と、目標値を達成するために電力負荷量を低減させる電力負荷量低減手段35を備える。メモリには、協調制御の可否の判定や、目標値の設定に用いられる所定の係数や、協調制御を行う電力負荷の優先順位を定める際に使用する条件などが、必要に応じて記憶される。
マスターユニット50には、切り替え制御ユニット20から通信線51を介してバッテリ8の放電量、他のセンサ21,22、他の制御ユニット23,24の情報が入力される。また、各電力負荷Wからは通信線11を介して電力負荷量の情報と、電力負荷Wの稼動状態を示す情報が入力される。各情報は、一定時間毎に切り替え制御ユニット20又は電力負荷Wから通信線11,51を介してマスターユニット50に送信される。なお、マスターユニット50が、一定時間毎又は必要に応じて、切り替え制御ユニット20又は電力負荷Wから情報の送信を要求しても良い。
切り替え制御ユニット20には、発電機4の発電モードを切り替える切り替え手段32を備える。また、電流センサ25で検出するバッテリ8の放電量の情報と、他のセンサ21,22や制御ユニット23,24などから取得する情報で、協調制御に必要な情報(日照量や、時間などの情報)はマスターユニット50に送信される。
また、電力負荷Wとしては、上記のようにリアデフロスタW1、エアコンディショナW2、インテリアライトW3、カーテシーライトW4、ヘッドライトW5などがあげられる。各電力負荷Wには通信ユニット10が取り付けられている。
この実施の形態における協調制御について図9を主に参照して説明する。
まず、マスターユニット50が全体電力負荷量を演算し(ステップS1)、演算結果に必要に応じて修正を加えて協調制御が必要か否かを判定する(ステップS2からステップS6)。協調制御が可能であれば(ステップS6でYes)、目標値が設定される(ステップS7)。そして、制御対象となる電力負荷Wと、その低減量(率)が設定されると(ステップS8)、該当する電力負荷Wに制御信号が出力され(ステップS9)、電力負荷量が低減される。その他の場合(ステップS4でNo、ステップS5でYes、ステップS6でNo)には協調制御は行わない。
ここでの協調制御は、図2に例示する第1の協調制御H1、図3に例示する第2の協調制御H2、図4に例示する第3の協調制御H3、図5に例示する第4の協調制御H4のいずれかが実施される。そして、全電力負荷量が閾値CP以下になると、切り替え制御ユニット20から発電機4に対してモード切り替え信号(矢印e)が出力され、発電機4が低発電モードで稼動する。
この協調制御装置は、制御ユニット20とマスターユニット50とを有し、切り替え制御ユニット20とマスターユニット50が協働することで、全体電力負荷量を抑制するので、低発電モードの発生頻度を高くでき、燃費を向上できる。この際に、協調制御を行う電力負荷Wを他のセンサ21,22などの情報に基づいて決定したり、電力負荷量を低減しやすい電力負荷Wを選択したりすると、運転者などに違和感を与えずに燃費を向上できる。また、協調制御可能な全ての電力負荷Wの電力負荷量を一律に低減させるようにすると、1つ1つの電力負荷Wの消費電力の低減量が少なくて済み、発電機を低発電モードにしやすい。
さらに、切り替え制御ユニット20とマスターユニット50を別体から構成したので、切り替え制御ユニット20は軽微な設計変更で足りる。また、マスターユニット50を切り替え制御ユニット20から離れた位置に配置することができるので、レイアウトの自由度が増す。例えば、マスターユニット50を運転席とエンジン室との間の壁部に配置するとメンテナンス性が向上する。また、マスターユニット50は各負荷情報を共有することができるので、電力負荷量の低減以外の情報を他の制御ユニットなどと交換することも可能である。
この発明は上記した各実施の形態に限定されない。例えば、モード切り替え信号はマスターユニット50から出力しても良い。
また、電力負荷Wは、上記の他にワイパー装置や、電動式の窓開閉装置、フロントガラス用のデフロスタなどでも良い。
この発明は、2輪車、3輪車、4輪車などの車両や、船舶などに適用できる。
本発明の実施形態における協調制御装置の構成を示すブロック図である。 協調制御の一例を説明する図である。 協調制御の一例を説明する図である。 協調制御の一例を説明する図である。 協調制御の一例を説明する図である。 電力負荷がリアデフロスタである場合の協調制御を説明する図である。 電力負荷がエアコンディショナである場合の協調制御を説明する図である。 電力負荷がライト類である場合の協調制御を説明する図である。 協調制御を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態における協調制御装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 エンジン
4 発電機
8 バッテリ
20 切り替え制御手段(電子制御ユニット)
32 切り替え手段(発電モード切り替え手段)
34 目標値設定手段
35 電力負荷量低減手段
50 マスターユニット(電子制御ユニット)
CP 閾値
W 電力負荷

Claims (5)

  1. エンジンにより駆動される発電機でバッテリの充電を行うと共に、複数の電力負荷に電力を供給するにあたり、所定の電力負荷量を閾値として前記発電機の発電モードを低発電モード又は高発電モードに切り替える発電モード切り替え手段を備える協調制御装置において、
    前記閾値以下の目標値を設定する目標値設定手段と、
    前記発電機の発電量を前記目標値にすべく、前記電力負荷の少なくとも1つの電力負荷量を低減する電力負荷量低減手段とを備え、
    前記閾値を越える前記発電機の発電量と前記閾値との差が所定値以下のときに前記目標値を設定し、前記発電機の発電モードを低発電モードにすることを特徴とする協調制御装置。
  2. 前記目標値設定手段と前記電力負荷量低減手段とを1つの電子制御ユニットに備えることを特徴とする請求項1に記載の協調制御装置。
  3. 第1電子制御ユニットに発電モード切り替え手段を備え、前記第1電子制御ユニットと前記電力負荷との間に第2電子制御ユニットを設け、前記第2電子制御ユニットに前記目標値設定手段と前記電力負荷量低減手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の協調制御装置。
  4. 前記電力負荷量低減手段は複数の前記電力負荷内の1つの電力負荷量を低減させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の協調制御装置。
  5. 前記電力負荷量低減手段は前記電力負荷の全ての電力負荷量を低減させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の協調制御装置。

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