JP2005077423A - ノイズ除去装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノイズ除去しても音信号のディテイルを損なわないようにする。
【解決手段】窓関数を乗算器10で乗算してフレーム毎に切り出された音波形は、FFT11で周波数領域の音信号とされ、ピーク検出部12によりピークが検出される。検出されたピークのフレームにおいて軌跡をなすスペクトルがピーク追従部13で追従される。この軌跡を成すスペクトルの内のハムのイズ周波数に関連するスペクトルが選択され正弦波合成部14で合成される。合成されたノイズ波形が、加算器16において元波形から減算されることにより、元波形からハムノイズが除去される。
【選択図】 図1
【解決手段】窓関数を乗算器10で乗算してフレーム毎に切り出された音波形は、FFT11で周波数領域の音信号とされ、ピーク検出部12によりピークが検出される。検出されたピークのフレームにおいて軌跡をなすスペクトルがピーク追従部13で追従される。この軌跡を成すスペクトルの内のハムのイズ周波数に関連するスペクトルが選択され正弦波合成部14で合成される。合成されたノイズ波形が、加算器16において元波形から減算されることにより、元波形からハムノイズが除去される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音信号のノイズを除去するノイズ除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、音信号に混入した50Hzもしくは60Hzの電源周波数のノイズ、いわゆるハムノイズを除去するには、電源周波数の周波数成分を除去するコムフィルタを用いるようにしていた。すなわち、音信号をコムフィルタに入力させることによりハムノイズを除去した音信号をコムフィルタの出力から得るようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなノイズ除去手段では音信号は常時コムフィルタによりフィルタリングされることから、音信号の内の電源周波数成分の信号が除去されることになる。すると、除去された信号には音信号成分が含まれていることもあることから、音信号のディテイルが損ねられてしまうおそれが生じるという問題点があった。
【0004】
そこで、本発明はノイズ除去しても音信号のディテイルを損なうことないノイズ除去装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のノイズ除去装置は、フレーム毎に切り出されて周波数領域に変換された音信号のスペクトルデータおよび各スペクトルの振幅データから、ピークが軌跡を成すスペクトルの内のノイズ周波数に関連するスペクトルを選択して合成することによりノイズ波形を合成し、合成したノイズ波形を音波形から減算することによりノイズを除去するようにしている。これにより、ノイズ成分のみを音波形から除去することができることから、ノイズ除去しても音信号のディテイルを損なうことを防止することができる。
【0006】
上記目的を達成することのできる本発明の他のノイズ除去装置は、フレーム毎に切り出されて周波数領域に変換された音信号のスペクトルデータおよび各スペクトルの振幅データから、ノイズ周波数に関連するスペクトルを抽出して、周波数領域に変換された音信号から抽出されたスペクトルの振幅を修正して、時間領域の音波形に再変換している。これにより、ノイズ成分のみを音波形から除去することができることから、ノイズ除去しても音信号のディテイルを損なうことを防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態のノイズ除去装置の第1の構成を示すブロック図を図1に示す。
図1に示すノイズ除去装置1において、元波形は乗算器10に供給され、窓関数(Window)が乗算されることによりフレーム毎の音波形として切り出される。この元波形の波形の一例を図2に示すが、図2に示すように大きなハムノイズが混入された元波形とされている。乗算器10から出力される切り出されたフレーム毎の音波形は、高速フーリエ変換部(FFT)11に供給されて周波数領域の音信号に変換される。すなわち、音波形を構成するスペクトル毎に分解され、振幅データおよび位相データを有する各スペクトルのデータがFFT11から出力される。これらのデータはピーク検出部12に供給され、スペクトルの振幅データからピークを成す、すべてのスペクトルの周波数が検出される。このピーク検出部12により検出されたピークを成すスペクトルのピークデータを図3に示す。なお、図3における横軸は時間(サンプル数)とされ、縦軸は周波数(Hz)とされており、線状に見える部分においてもピーク点の集まりとされている。各スペクトルの振幅は、スペクトルの各点の色で示すことが可能とされているが図3では示されていない。
【0008】
ピーク検出部12においてピークデータを検出するまでの処理は、乗算器10において切り出されたフレーム毎に行われ、フレーム毎に検出されたピークデータはピーク追従部13に供給される。ピーク追従部13においては、フレーム毎に検出されたピークデータからピークが軌跡を成すピークデータのスペクトルの追従が行われる。また、ピーク追従部13にはハムノイズ周波数情報が供給されており、ハムノイズ周波数情報に関連する軌跡を成すピークデータのスペクトルが追従される。このハムノイズ周波数情報は、50Hzもしくは60Hzの電源周波数を基本周波数として、その倍調波の周波数とされる。このようにしてピーク追従部13で追従されたハムノイズ周波数情報に関連するスペクトルの軌跡が図4に示されている。図4を参照すると、電源周波数の基本周波数である60Hzとその倍調波である120Hz、180Hz・・・の軌跡が示されていることがわかる。図4に示すように追従した軌跡を示すと共にハムノイズの周波数に関連しているスペクトルの情報がピーク追従部13から出力されて正弦波合成部14に供給される。
【0009】
正弦波合成部14では、ピーク追従部13から出力された情報に基づいて複数のスペクトルを正弦波合成することにより時間領域のノイズ波形が合成される。このようにして合成されたノイズ波形を図5に示すが、このノイズ波形は図2に示す音波形に混入されているノイズ成分を示している。正弦波合成部14から出力されるノイズ波形は、係数乗算器15において「−1」が乗算されて、ノイズ波形の位相が反転される。そして、位相が反転されたノイズ波形と元波形とが加算器16において加算されることにより、元波形からノイズ波形が減算されて除去されるようになる。加算器16から出力されるハムノイズを除去した出力波形を図6に示す。図6を参照すると、出力波形はピアノ音等の減衰音波形とされており、図6に示す減衰音波形に図5に示すハムノイズが混入されて図2に示す元波形とされていることがわかる。
【0010】
次に、本発明の実施の形態のノイズ除去装置の第2の構成を示すブロック図を図7に示す。
図7に示すノイズ除去装置2において、元波形は乗算器20に供給され、窓関数(Window)が乗算されることによりフレーム毎の音波形として切り出される。この元波形の波形は前記図2に示す波形とされ、図2に示すように大きなハムノイズが混入された元波形とされている。乗算器20から出力される切り出されたフレーム毎の音波形は、高速フーリエ変換部(FFT)21に供給されて周波数領域の音信号に変換される。すなわち、音波形を構成するスペクトル毎に分解され、振幅データおよび位相データを有する各スペクトルのデータがFFT21から出力される。FFT21から出力されるスペクトルを図8に示す。図8において横軸は周波数とされ、縦軸はレベルとされている。
【0011】
これらのデータはピーク検出部22に供給され、振幅データからピークを成す、すべてのスペクトルの周波数が検出される。このピーク検出部22により検出されたピークを成すスペクトルのピークデータは前記図3に示すようになる。ピーク検出部22で検出されたピークデータはピーク選択部23に供給されるが、ピーク検出部22では供給されているハムノイズ周波数情報に関連するピークデータのスペクトルが選択される。このハムノイズ周波数情報は、50Hzもしくは60Hzの電源周波数を基本周波数として、その倍調波の周波数とされる。選択されたハムノイズ周波数情報に関連するスペクトルが図9に小さな四角形のマークを付されて示されている。図9を参照すると、電源周波数の基本周波数である50Hzとその倍調波である100Hz、150Hz・・・のスペクトルにマークが付されて示されていることがわかる。そして、選択されたスペクトルをマスキングするように近接している大きなレベルのスペクトルがあるか否かがノイズ成分出力部24において検出される。ノイズ成分出力部24から出力される減算情報は、ピーク選択部23で選択されたハムノイズの周波数に関連しているスペクトル情報とマスキングされていることを示すマスキング情報とからなっている。
【0012】
スペクトル修正部25は、FFT21から出力されるスペクトルの振幅レベルを修正しているが、修正されるスペクトルは減算情報中のスペクトル情報で示されるハムノイズの周波数に関連しているスペクトルとされる。また、振幅レベルの修正は当該スペクトルの振幅レベルを減衰させて、ハムノイズを除去するように修正される。ただし、減算情報中のマスキング情報で示されるスペクトルについては、ハムノイズがマスクされていると判断してその振幅レベルを減衰させないようにする。スペクトル修正部25で修正されたスペクトルを図10に示す。図10を参照すると、マーキングしたハムノイズに関連するスペクトルの振幅レベルが減衰されていることがわかる。そして、スペクトル修正部25で修正された図10に示すスペクトルは、逆高速フーリエ変換部(IFFT)26により再び時間領域の音波形に変換される。変換された時間領域の音波形は乗算器27において窓関数(Window)が乗算される。
【0013】
この場合、音波形がオーバラップするように窓関数の時間位置が移動されて音波形が切り出される。この場合の窓関数は、オーバラップした窓関数を足し合わせると定数になる窓関数とされる。そして、オーバラップして切り出された音波形がオーバラップ加算部28においてオーバラップして加算されることにより、ハムノイズが除去された出力波形を得ることができる。この出力波形を図11に示す。図11を参照すると、出力波形はピアノ音等の減衰音波形とされていることがわかる。オーバラップ加算部28により、オーバサンプリングされたことになりエイリアシングから音波形を保護することができるようになる。
以上の説明では、マーキングされたスペクトルをマスキングするように近接している大きなレベルのスペクトルがある場合には、マーキングされたスペクトルの振幅を減衰させないようにしたが、これに替えてマーキングされたスペクトルの振幅を減衰させるようにしてもよい。
【0014】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、フレーム毎に切り出されて周波数領域に変換された音信号のスペクトルデータおよび各スペクトルの振幅データから、ピークが軌跡を成すスペクトルの内のノイズに関連するスペクトルを選択して合成することによりノイズ波形を合成し、音波形からノイズ波形を減算することによりノイズを除去するようにしている。また、フレーム毎に切り出されて周波数領域に変換された音信号のスペクトルデータおよび各スペクトルの振幅データから、ノイズに関連するスペクトルを抽出して、周波数領域に変換された音信号から抽出されたスペクトルの振幅を修正して、時間領域の音波形に再変換している。これにより、ノイズ成分のみを音波形から除去することができるようになり、ノイズ除去しても音信号のディテイルを損なうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のノイズ除去装置の第1の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の第1の構成のノイズ除去装置に入力される元波形の波形の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の第1の構成のノイズ除去装置におけるピーク検出部により検出されたピークを成すスペクトルのピークデータを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態の第1の構成のノイズ除去装置におけるピーク追従部で追従されたハムノイズ周波数情報に関連するスペクトルの軌跡を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の第1の構成のノイズ除去装置における正弦波合成部で正弦波合成されたノイズ波形を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の第1の構成のノイズ除去装置でノイズ除去された出力波形を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態のノイズ除去装置の第2の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態の第2の構成のノイズ除去装置におけるFFTから出力されるスペクトルを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態の第2の構成のノイズ除去装置におけるピーク検出部で選択されたスペクトルを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態の第2の構成のノイズ除去装置におけるスペクトル修正部で修正されたスペクトルを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態の第2の構成のノイズ除去装置でノイズ除去された出力波形を示す図である。
【符号の説明】
1 ノイズ除去装置、2 ノイズ除去装置、10 乗算器、11 高速フーリエ変換部(FFT)、12 ピーク検出部、13 ピーク追従部、14 正弦波合成部、15 係数乗算器、16 加算器、20 乗算器、21 高速フーリエ変換部(FFT)、22 ピーク検出部、23 ピーク選択部、24 ノイズ成分出力部、25 スペクトル修正部、26 逆高速フーリエ変換部(IFFT)、27 乗算器、28 オーバラップ加算部
【発明の属する技術分野】
本発明は、音信号のノイズを除去するノイズ除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、音信号に混入した50Hzもしくは60Hzの電源周波数のノイズ、いわゆるハムノイズを除去するには、電源周波数の周波数成分を除去するコムフィルタを用いるようにしていた。すなわち、音信号をコムフィルタに入力させることによりハムノイズを除去した音信号をコムフィルタの出力から得るようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなノイズ除去手段では音信号は常時コムフィルタによりフィルタリングされることから、音信号の内の電源周波数成分の信号が除去されることになる。すると、除去された信号には音信号成分が含まれていることもあることから、音信号のディテイルが損ねられてしまうおそれが生じるという問題点があった。
【0004】
そこで、本発明はノイズ除去しても音信号のディテイルを損なうことないノイズ除去装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のノイズ除去装置は、フレーム毎に切り出されて周波数領域に変換された音信号のスペクトルデータおよび各スペクトルの振幅データから、ピークが軌跡を成すスペクトルの内のノイズ周波数に関連するスペクトルを選択して合成することによりノイズ波形を合成し、合成したノイズ波形を音波形から減算することによりノイズを除去するようにしている。これにより、ノイズ成分のみを音波形から除去することができることから、ノイズ除去しても音信号のディテイルを損なうことを防止することができる。
【0006】
上記目的を達成することのできる本発明の他のノイズ除去装置は、フレーム毎に切り出されて周波数領域に変換された音信号のスペクトルデータおよび各スペクトルの振幅データから、ノイズ周波数に関連するスペクトルを抽出して、周波数領域に変換された音信号から抽出されたスペクトルの振幅を修正して、時間領域の音波形に再変換している。これにより、ノイズ成分のみを音波形から除去することができることから、ノイズ除去しても音信号のディテイルを損なうことを防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態のノイズ除去装置の第1の構成を示すブロック図を図1に示す。
図1に示すノイズ除去装置1において、元波形は乗算器10に供給され、窓関数(Window)が乗算されることによりフレーム毎の音波形として切り出される。この元波形の波形の一例を図2に示すが、図2に示すように大きなハムノイズが混入された元波形とされている。乗算器10から出力される切り出されたフレーム毎の音波形は、高速フーリエ変換部(FFT)11に供給されて周波数領域の音信号に変換される。すなわち、音波形を構成するスペクトル毎に分解され、振幅データおよび位相データを有する各スペクトルのデータがFFT11から出力される。これらのデータはピーク検出部12に供給され、スペクトルの振幅データからピークを成す、すべてのスペクトルの周波数が検出される。このピーク検出部12により検出されたピークを成すスペクトルのピークデータを図3に示す。なお、図3における横軸は時間(サンプル数)とされ、縦軸は周波数(Hz)とされており、線状に見える部分においてもピーク点の集まりとされている。各スペクトルの振幅は、スペクトルの各点の色で示すことが可能とされているが図3では示されていない。
【0008】
ピーク検出部12においてピークデータを検出するまでの処理は、乗算器10において切り出されたフレーム毎に行われ、フレーム毎に検出されたピークデータはピーク追従部13に供給される。ピーク追従部13においては、フレーム毎に検出されたピークデータからピークが軌跡を成すピークデータのスペクトルの追従が行われる。また、ピーク追従部13にはハムノイズ周波数情報が供給されており、ハムノイズ周波数情報に関連する軌跡を成すピークデータのスペクトルが追従される。このハムノイズ周波数情報は、50Hzもしくは60Hzの電源周波数を基本周波数として、その倍調波の周波数とされる。このようにしてピーク追従部13で追従されたハムノイズ周波数情報に関連するスペクトルの軌跡が図4に示されている。図4を参照すると、電源周波数の基本周波数である60Hzとその倍調波である120Hz、180Hz・・・の軌跡が示されていることがわかる。図4に示すように追従した軌跡を示すと共にハムノイズの周波数に関連しているスペクトルの情報がピーク追従部13から出力されて正弦波合成部14に供給される。
【0009】
正弦波合成部14では、ピーク追従部13から出力された情報に基づいて複数のスペクトルを正弦波合成することにより時間領域のノイズ波形が合成される。このようにして合成されたノイズ波形を図5に示すが、このノイズ波形は図2に示す音波形に混入されているノイズ成分を示している。正弦波合成部14から出力されるノイズ波形は、係数乗算器15において「−1」が乗算されて、ノイズ波形の位相が反転される。そして、位相が反転されたノイズ波形と元波形とが加算器16において加算されることにより、元波形からノイズ波形が減算されて除去されるようになる。加算器16から出力されるハムノイズを除去した出力波形を図6に示す。図6を参照すると、出力波形はピアノ音等の減衰音波形とされており、図6に示す減衰音波形に図5に示すハムノイズが混入されて図2に示す元波形とされていることがわかる。
【0010】
次に、本発明の実施の形態のノイズ除去装置の第2の構成を示すブロック図を図7に示す。
図7に示すノイズ除去装置2において、元波形は乗算器20に供給され、窓関数(Window)が乗算されることによりフレーム毎の音波形として切り出される。この元波形の波形は前記図2に示す波形とされ、図2に示すように大きなハムノイズが混入された元波形とされている。乗算器20から出力される切り出されたフレーム毎の音波形は、高速フーリエ変換部(FFT)21に供給されて周波数領域の音信号に変換される。すなわち、音波形を構成するスペクトル毎に分解され、振幅データおよび位相データを有する各スペクトルのデータがFFT21から出力される。FFT21から出力されるスペクトルを図8に示す。図8において横軸は周波数とされ、縦軸はレベルとされている。
【0011】
これらのデータはピーク検出部22に供給され、振幅データからピークを成す、すべてのスペクトルの周波数が検出される。このピーク検出部22により検出されたピークを成すスペクトルのピークデータは前記図3に示すようになる。ピーク検出部22で検出されたピークデータはピーク選択部23に供給されるが、ピーク検出部22では供給されているハムノイズ周波数情報に関連するピークデータのスペクトルが選択される。このハムノイズ周波数情報は、50Hzもしくは60Hzの電源周波数を基本周波数として、その倍調波の周波数とされる。選択されたハムノイズ周波数情報に関連するスペクトルが図9に小さな四角形のマークを付されて示されている。図9を参照すると、電源周波数の基本周波数である50Hzとその倍調波である100Hz、150Hz・・・のスペクトルにマークが付されて示されていることがわかる。そして、選択されたスペクトルをマスキングするように近接している大きなレベルのスペクトルがあるか否かがノイズ成分出力部24において検出される。ノイズ成分出力部24から出力される減算情報は、ピーク選択部23で選択されたハムノイズの周波数に関連しているスペクトル情報とマスキングされていることを示すマスキング情報とからなっている。
【0012】
スペクトル修正部25は、FFT21から出力されるスペクトルの振幅レベルを修正しているが、修正されるスペクトルは減算情報中のスペクトル情報で示されるハムノイズの周波数に関連しているスペクトルとされる。また、振幅レベルの修正は当該スペクトルの振幅レベルを減衰させて、ハムノイズを除去するように修正される。ただし、減算情報中のマスキング情報で示されるスペクトルについては、ハムノイズがマスクされていると判断してその振幅レベルを減衰させないようにする。スペクトル修正部25で修正されたスペクトルを図10に示す。図10を参照すると、マーキングしたハムノイズに関連するスペクトルの振幅レベルが減衰されていることがわかる。そして、スペクトル修正部25で修正された図10に示すスペクトルは、逆高速フーリエ変換部(IFFT)26により再び時間領域の音波形に変換される。変換された時間領域の音波形は乗算器27において窓関数(Window)が乗算される。
【0013】
この場合、音波形がオーバラップするように窓関数の時間位置が移動されて音波形が切り出される。この場合の窓関数は、オーバラップした窓関数を足し合わせると定数になる窓関数とされる。そして、オーバラップして切り出された音波形がオーバラップ加算部28においてオーバラップして加算されることにより、ハムノイズが除去された出力波形を得ることができる。この出力波形を図11に示す。図11を参照すると、出力波形はピアノ音等の減衰音波形とされていることがわかる。オーバラップ加算部28により、オーバサンプリングされたことになりエイリアシングから音波形を保護することができるようになる。
以上の説明では、マーキングされたスペクトルをマスキングするように近接している大きなレベルのスペクトルがある場合には、マーキングされたスペクトルの振幅を減衰させないようにしたが、これに替えてマーキングされたスペクトルの振幅を減衰させるようにしてもよい。
【0014】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、フレーム毎に切り出されて周波数領域に変換された音信号のスペクトルデータおよび各スペクトルの振幅データから、ピークが軌跡を成すスペクトルの内のノイズに関連するスペクトルを選択して合成することによりノイズ波形を合成し、音波形からノイズ波形を減算することによりノイズを除去するようにしている。また、フレーム毎に切り出されて周波数領域に変換された音信号のスペクトルデータおよび各スペクトルの振幅データから、ノイズに関連するスペクトルを抽出して、周波数領域に変換された音信号から抽出されたスペクトルの振幅を修正して、時間領域の音波形に再変換している。これにより、ノイズ成分のみを音波形から除去することができるようになり、ノイズ除去しても音信号のディテイルを損なうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のノイズ除去装置の第1の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の第1の構成のノイズ除去装置に入力される元波形の波形の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の第1の構成のノイズ除去装置におけるピーク検出部により検出されたピークを成すスペクトルのピークデータを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態の第1の構成のノイズ除去装置におけるピーク追従部で追従されたハムノイズ周波数情報に関連するスペクトルの軌跡を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の第1の構成のノイズ除去装置における正弦波合成部で正弦波合成されたノイズ波形を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の第1の構成のノイズ除去装置でノイズ除去された出力波形を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態のノイズ除去装置の第2の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態の第2の構成のノイズ除去装置におけるFFTから出力されるスペクトルを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態の第2の構成のノイズ除去装置におけるピーク検出部で選択されたスペクトルを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態の第2の構成のノイズ除去装置におけるスペクトル修正部で修正されたスペクトルを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態の第2の構成のノイズ除去装置でノイズ除去された出力波形を示す図である。
【符号の説明】
1 ノイズ除去装置、2 ノイズ除去装置、10 乗算器、11 高速フーリエ変換部(FFT)、12 ピーク検出部、13 ピーク追従部、14 正弦波合成部、15 係数乗算器、16 加算器、20 乗算器、21 高速フーリエ変換部(FFT)、22 ピーク検出部、23 ピーク選択部、24 ノイズ成分出力部、25 スペクトル修正部、26 逆高速フーリエ変換部(IFFT)、27 乗算器、28 オーバラップ加算部
Claims (4)
- 音波形に乗算する窓関数の時間位置を移動する毎に前記窓関数によりフレームとして切り出された前記音波形を、周波数領域の音信号に変換することにより、フレーム毎の音波形におけるスペクトルデータおよび各スペクトルの振幅データを得る周波数領域変換手段と、
ピークを成す前記振幅データに対応するすべてのスペクトルを、前記スペクトルデータから抽出し、前記フレームにおけるピークのうち軌跡を成す前記スペクトルを追従する追従手段と、
該追従手段で追従した前記スペクトルの内のノイズ周波数に関連するスペクトルを選択し、選択されたスペクトルを正弦波合成することにより時間領域のノイズ波形を得るノイズ波形合成手段と、
前記音波形から前記ノイズ波形合成手段で得られた前記ノイズ波形を減算することによりノイズ除去された音波形を得る減算手段と、
を備えることを特徴とするノイズ除去装置。 - 音波形に乗算する窓関数の時間位置を移動する毎に前記窓関数によりフレームとして切り出された前記音波形を、周波数領域の音信号に変換することにより、フレーム毎の音波形におけるスペクトルデータおよび各スペクトルの振幅データを得る周波数領域変換手段と、
ピークを成す前記振幅データに対応するすべてのスペクトルを、前記スペクトルデータから抽出し、抽出された前記スペクトルの内のノイズ周波数に関連するスペクトルを選択する選択手段と、
前記スペクトルデータの内の前記選択手段で選択されたスペクトルにおける振幅を修正する修正手段と、
該修正手段で修正されたスペクトルとされた前記スペクトルデータを時間領域の音波形に変換することにより、ノイズ除去された音波形を得る時間領域変換手段と、
を備えることを特徴とするノイズ除去装置。 - 前記時間領域変換手段で変換されたノイズ除去された音波形を、該音波形がオーバラップするよう窓関数により切り出し、切り出した音波形をオーバラップ加算するようにしたことを特徴とする請求項2記載のノイズ除去装置。
- 前記選択手段で選択されたスペクトルの近傍に大きな振幅のスペクトルがある場合は、前記選択手段で選択された当該スペクトルの振幅を、前記修正手段において修正しないようにしたことを特徴とする請求項2記載のノイズ除去装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003209536A JP2005077423A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | ノイズ除去装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003209536A JP2005077423A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | ノイズ除去装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005077423A true JP2005077423A (ja) | 2005-03-24 |
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ID=34402430
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-
2003
- 2003-08-29 JP JP2003209536A patent/JP2005077423A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
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EP2202730A1 (en) | 2008-12-24 | 2010-06-30 | Fujitsu Limited | Noise detection apparatus, noise removal apparatus, and noise detection method |
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