JP2005077422A - ノイズ除去装置 - Google Patents

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JP2005077422A JP2003209535A JP2003209535A JP2005077422A JP 2005077422 A JP2005077422 A JP 2005077422A JP 2003209535 A JP2003209535 A JP 2003209535A JP 2003209535 A JP2003209535 A JP 2003209535A JP 2005077422 A JP2005077422 A JP 2005077422A
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Abstract

【課題】ノイズ除去しても音信号のディテイルを損なわないようにする。
【解決手段】ノイズ除去装置1では、入力された楽音信号のエンベロープ検出部10で検出されたエンベロープから、アタック判定部11においてアタックか否かを判断する。そして、アタックと判断された際にはアタックに適した閾値をThreshold計算部12で計算し、適した幅の窓関数を窓関数作成部13で作成する。この閾値と窓関数とを用いてノイズ除去部14においてノイズ除去処理を行っているため、アタックの特徴を損なうことなくノイズを削減することができるようになる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音信号のノイズを除去するノイズ除去装置に関し、楽音信号のノイズ除去に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、入力された音信号を窓関数によりフレーム分割し、分割された各フレームを高速フーリエ変換(FFT)し、FFTの結果からパワースペクトルを計算し、別に定められるスレショルド以下の帯域を減衰させ、その結果を逆FFTすることでヒスノイズを削減する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、入力信号に窓を乗算すると、結果として得られるスペクトルは入力信号と窓信号のスペクトルの畳み込みになる。すなわち、フレーム分割する窓の幅が狭いと、フレーム内における周波数分解能が落ち、その結果窓の幅に基づくフィルター的な要素が強くなってしまうという問題点がある。また、スレショルド以下の帯域を減衰させることによりノイズ除去しているため、フレーム分割する窓の幅が狭くフレーム内の周波数分解能が落ちるようになると、スレショルドを横切る周波数では減衰されたり減衰されなかったりが操り返されるようになり、音信号が揺らいでしまい音信号が劣化するという問題点がある。逆に、フレーム分割する窓の幅が広いと、その窓内においては同じフィルター処理がされることとなり、アタックの強い音、例えばピアノにおけるパーカッシブな音の立ち上がりが丸くなってしまい音信号の品位が低下するという問題点がある。
【0004】
この間題を解決するために入力された音信号を、例えば低周波数帯域と高周波数帯域の2つに帯域分割して、それぞれ別な窓関数で処理した後、加算して出力することが考えられる。この方法ではアタック部分の高周波数帯域は固定された狭い窓関数で処理されるようになり、スレショルドを横切る周波数において減衰されたり減衰されなかったりが操り返されることにより揺らいでしまうという問題については、この現象が顕著に生じる音信号の低周波数帯域が広い窓で処理されるために緩和されるようになる。しかし、アタック部分の低周波数帯域は固定された広い窓で処理されてしまうことから、音信号のディテイルが損なわれてしまうことになる。また、音信号の高周波数成分は狭い窓関数で処理されることから、揺らぎによる音信号の劣化は依然として残るようになるという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明はノイズ除去しても音信号のディテイルを損なうことなく高品位な音信号が得られるノイズ除去装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のノイズ除去装置は、入力された音信号のエンベロープを検出するエンベロープ検出部と、該エンベロープ検出部において検出されたエンベロープから前記音信号における立ち上がりを判定している立ち上がり判定部と、該立ち上がり判定部の判定結果に応じて出力する窓関数の窓幅を調整する窓関数作成部と、前記窓関数作成部から出力された所定の窓幅を有する窓関数を乗算することにより、前記音信号をフレーム分割して周波数領域の音信号に変換する第1変換手段と、変換された各フレームの周波数領域の音信号において所定の閾値以下のレベルを抑圧することによりノイズ成分を抑圧するノイズ抑圧手段と、該ノイズ抑圧手段の出力を時間領域の音信号に変換する第2変換手段とを有するノイズ除去部とを備えている。
【0007】
また、上記本発明のノイズ除去装置において、前記立ち上がり判定部の判定結果に応じてノイズ抑圧を行う閾値を計算して出力する閾値計算部を、さらに備え、前記閾値計算部から出力される閾値が、前記ノイズ除去部におけるノイズ抑圧手段に供給されるようにしてもよい。
さらに、上記本発明のノイズ除去装置において、前記ノイズ除去部が、前記音信号の高域成分におけるノイズを抑圧する第1ノイズ除去部と、前記音信号の低域成分におけるノイズを抑圧する第2ノイズ除去部とを備え、前記第1ノイズ除去部は前記窓関数作成部および前記閾値計算部から出力される高域成分用の窓関数および閾値に基づいて前記音信号の高域成分におけるノイズを抑圧し、前記第2ノイズ除去部は前記窓関数作成部および前記閾値計算部から出力される低域成分用の窓関数および閾値に基づいて前記音信号の低域成分におけるノイズを抑圧するようにしてもよい。
【0008】
上記目的を達成することのできる本発明の他のノイズ除去装置は、窓関数を乗算することにより、音信号をフレーム分割して周波数領域の音信号に変換する第1変換手段と、該第1変換部で変換された各フレームの周波数領域の音信号におけるノイズ成分を抑圧するための閾値を補正する減衰カーブを、前記第1変換手段から出力される周波数領域に変換された音信号に基づいて作成する減衰カーブ作成部と、該減衰カーブ作成部から出力される減衰カーブで補正されている閾値以下のレベルを抑圧することにより、前記第1変換手段から出力される周波数領域に変換された音信号のノイズ成分を抑圧する抑圧処理部と、該抑圧処理部からのノイズ成分が抑圧された出力を時間領域の音信号に変換する第2変換部とを備えている。
また、上記本発明の他のノイズ除去装置において、前記減衰カーブ作成部から出力される減衰カーブで補正されている閾値が、フレーム間において滑らかに閾値がつながるようにフィルタ処理するフィルタ処理部を、さらに備えていてもよい。
【0009】
このような本発明によれば、検出されたエンベロープに基づいて音信号の立ち上がりを判定し、この判定結果に基づいて窓関数の窓幅を調整するようにしたので、立ち上がりがあると判定された急峻に立ち上がるアタック等の部分が狭い窓関数とされて時間分解能が向上されてノイズ抑圧処理されることから、ノイズ除去しても音信号の立ち上がり部分のディテイルを損なうことなく高品位な音信号を得ることができるようになる。
また、周波数領域の音信号におけるノイズを抑圧する閾値を減衰カーブで補正するようにしたので、周波数軸上においてノイズ成分のレベルが変化してもノイズ成分だけを確実に抑圧することができ、ノイズ除去しても音信号のディテイルを損なうことなく高品位な音信号を得ることができるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態のノイズ除去装置の第1の構成を示すブロック図を図1に示す。
図1において、入力端子INには音信号を代表する楽音データが入力されたとする。エンベロープ検出部10においては、入力された楽音データの振幅情報を示すエンベロープ信号が検出される。エンベロープ検出部10において検出されたエンベロープ信号は、アタック判定部11に供給される。アタック判定部においては、供給されたエンベロープ信号がアタックとみなすことのできる急峻な立ち上がりがあるか否かが判定され、アタックであるか否かの判定結果が出力される。この際に、アタックを見つけやすくするための処理をエンベロープ信号に施し、ある閾値以上のエンベロープ信号が検出された時をアタックと判断しても良い。アタックがあるか否かの判定結果を受けたスレショルド(Treshold)計算部12は、アタックがあるか否かの判定結果に応じた閾値(スレショルドレベル)を出力する。例えば、アタック部分においては他の部分よりパワーが大きいと考えられるため、アタックがあるとの判定結果の場合はアタック部分に適した高めの閾値を出力し、立ち上がりがないとの判定結果の場合はそれより低い通常の閾値を出力する。また、立ち上がりがあるか否かの判定結果を受けた窓関数作成部13は、アタックがあるか否かの判定結果に応じた幅の窓関数を出力する。例えば、アタックがあるとの判定結果の場合はアタック部分に適した狭めの幅の窓関数を出力して、時間分解能を向上させる。また、アタックではないとの判定結果の場合はそれより広めの通常の幅の窓関数を出力して、周波数分解能を向上させる。このように、アタックがあるか否かの判定結果に応じて窓関数の幅を変化させることが本発明にかかる第1の構成のノイズ除去装置の一つの特徴とされている。
【0011】
スレショルド計算部12から出力される所定のレベルの閾値と、窓関数作成部13から出力される所定の幅の窓関数とは、ノイズ除去部14に供給される。ノイズ除去部14では、入力された楽音データに窓関数作成部13から供給された窓関数を乗算してフレーム分割し、フレーム毎に周波数領域の楽音信号に変換してパワースペクトルが計算される。そして、スレショルド計算部12から供給された閾値以下のレベルの周波数領域の楽音信号をノイズと見なして閾値以下の楽音信号のレベルを抑圧し、抑圧後に時間領域の楽音信号に戻して出力する。スレショルド計算部12から出力される閾値(Threshold)とノイズ除去部14におけるノイズ除去について図6および図7を参照して説明すると、図6には周波数領域に変換した楽音信号の例が示されている。この楽音信号におけるノイズ成分の平均的なレベルを若干超えたレベルに閾値(Threshold)は設定される。そして、ノイズ除去部14において閾値(Threshold)以下の楽音データのレベルがRatioで示すレベル量だけ抑圧される。図7に示すノイズ除去処理前の楽音データと、ノイズ除去処理後の楽音データとを対比することにより、楽音データのノイズ成分が抑圧されていることがわかる。なお、Ratioはノイズ除去処理前のノイズ成分のレベルと、ノイズ除去処理後のノイズ成分のレベルとの比である。
本発明の実施の形態の第1の構成のノイズ除去装置では、アタックか否かを判断して、アタックと判断された部分の楽音データにはアタックに適した閾値と窓関数を用いてノイズ除去を行っているため、楽音データにおけるアタックの特徴を損なうことなくノイズ除去することができるようになる。
【0012】
ノイズ除去部14の構成の一例を図2に示す。図2に示すノイズ除去部14の動作を図8に示す動作説明図および図9ないし図12に示す時間領域あるいは周波数領域の楽音データを参照しながら説明する。
図8には、図8(a)に示す楽音データの区間a,b,cのノイズ除去処理を行う例が示されている。入力端子INに入力された図8(a)に示す区間a,b,cの楽音データは、乗算器32において窓関数作成部13から供給される窓関数が乗算されてフレーム毎に分割されるようになる。この楽音データの一部をアナログ信号で示すと図9に示すような波形とされており、ノイズが重畳されていることがわかる。ただし、時間軸を拡大して示している。窓関数は、図8(b)に示すようにある限られた時間範囲だけ非ゼロになるような関数である。この窓関数のタイプには矩形、Hamming、Hanning、ガウス、Blackman、Blackman−Harris、Kaiser等があり、その内の楽音データに適した窓関数のタイプが選択され、アタック部分か否かに応じた幅の窓関数とされて窓関数作成部13から出力されている。窓関数が乗算されているフレームは、ホップサイズ(Hop Size)が例えばフレーム長の1/4とされてオーバラップしている。
【0013】
窓関数が乗算されたフレーム毎に分割された楽音データは高速フーリエ変換部(FFT)33において、周波数領域の楽音データに変換される。窓関数の広さ(長さ)は解析する周波数分解能に直接関係しており、入力された楽音データに窓関数を乗算した各フレームに対して、FFTを施した楽音データは等しい周波数間隔で並んだフィルタバンクを適用することに相当する。この場合の周波数は、(楽音データのサンプリング周波数÷サンプルの個数で表した窓長)で表される。このように、窓関数の幅を広くするほど周波数分解能は向上するようになる。また、窓関数の幅を狭くするほど時間分解能は向上するようになる。図9に示す楽音データをFFTしてパワースペクトルを計算した周波数領域の楽音データを図10に示す。図10を参照すると、高調波を含むパワースペクトルが周期的に現れていることがわかる。
【0014】
FFT33から出力された周波数領域の楽音データは、図8(d)に示すノイズ除去処理を行うために圧縮部34において圧縮され、ノイズ抑圧を行う処理部35に供給される。処理部35には、ノイズを抑圧するための閾値(Threshold)が供給されており、閾値以下の楽音データの成分を処理部35において抑圧している。この様子が図10および図11に示されており、図10に示すThreshold以下の楽音データが抑圧されて、図11に示すようにノイズ成分のみが抑圧された周波数領域の楽音データとされている。閾値はスレショルド計算部12から供給されるが、ノイズ成分のみを抑圧できるレベルとなるように、楽音データのノイズ成分の平均的レベルに設定される。また、アタックの部分においてはそのパワーが大きいと考えられることから高めの閾値に設定される。この閾値をユーザが微調整できるようにしてもよい。ノイズが抑圧された楽音データは伸長部36において伸長されて、逆高速フーリエ変換部(IFFT)37に供給される。
【0015】
IFFT37においては、ノイズ除去処理された周波数領域の楽音データが時間領域の楽音データに変換される。この際に、周波数領域のフレームをオーバラップさせて再合成することにより、図8(f)に示す区間a,b,cの時間領域の楽音データに変換される。図11に示すノイズ除去処理された周波数領域の楽音データを時間領域の楽音データに変換したアナログの波形を図12に示す。図12を参照すると、楽音データのディテイルを損なうことなく高品位な楽音データを維持したまま、ノイズ成分が除去されていることがわかる。このように、IFFT36からはノイズ除去された楽音データが出力される。なお、処理部35の前後に圧縮部34と伸長部36とを設けることにより、処理部35におけるノイズ除去処理の演算量を軽減させることができる。
【0016】
ノイズ除去部14の構成の他の例を図3に示す。図3に示すノイズ除去部14は、図2に示すノイズを除去する系が並列に2系統設けられている。第1の系NR1では、入力端子INに入力された楽音データからローパスフィルタ(LPF)31aで抽出された低域成分におけるノイズ除去処理を行っており、第2の系NR2では、入力端子INに入力された楽音データからハイパスフィルタ(HPF)31bで抽出された高域成分におけるノイズ除去処理を行っている。第1の系NR1における乗算器32a、FFT33a、圧縮部34a、処理部35a、伸長部36a、IFFT37a、および、第2の系NR2における乗算器32b、FFT33b、圧縮部34b、処理部35b、伸長部36b、IFFT37bの構成および動作は、図2における乗算器32、FFT33、圧縮部34、処理部35、伸長部36、IFFT37とそれぞれ同様とされている。
【0017】
なお、ノイズ除去部14として図2に示す構成とした場合は、窓関数作成部13は楽音データのアタック部分か否かに応じると共に低域成分に適した窓関数Lを作成して乗算器32aに供給すると共に、楽音データのアタック部分か否かに応じると共に高域成分に適した窓関数Lより幅が狭くされる窓関数Hを作成して乗算器32bに供給する。さらに、スレショルド計算部12は楽音データのアタック部分か否かに応じると共に低域成分に適したThresholdLを計算して処理部35aに供給すると共に、楽音データのアタック部分か否かに応じると共に高域成分に適したThresholdHを計算して処理部35bに供給する。第1の系NR1から出力されるノイズ除去された低域成分の楽音データと、第2の系NR2から出力されるノイズ除去された高域成分の楽音データとは、加算部38で加算されて合成部39において合成されてノイズ除去された楽音データとして出力されるようになる。
【0018】
なお、図3に示す構成は図4に示す構成に置き換えることができる。図4においては、第1の系NR1(41a)および第2の系NR2(41b)の前後に、ダウンサンプル部40a,40bとアップサンプル部42a,42bとを設けている。ダウンサンプル部40a,40bを設けて楽音データの帯域制限をしてサンプリング周波数を低減して、第1の系NR1あるいは第2の系NR2に出力することにより、第1の系NR1および第2の系NR2における演算量を低減することができる。
【0019】
次に、本発明の実施の形態のノイズ除去装置の第2の構成を示すブロック図を図5に示す。
図5に示す本発明にかかるノイズ除去装置2において、入力端子INに入力された図9に示す楽音データにはノイズが重畳されており、乗算器21において所定の窓関数が乗算されてフレーム毎に分割されるようになる。窓関数のタイプには矩形、Hamming、Hanning、ガウス、Blackman、Blackman−Harris、Kaiser等があり、その内の楽音データに適した窓関数のタイプが選択されると共に、窓幅が設定される。窓関数が乗算されているフレームは、ホップサイズ(Hop Size)が例えばフレーム長の1/4とされてオーバラップしている。
【0020】
窓関数が乗算されたフレーム毎に分割された楽音データは高速フーリエ変換部(FFT)22において、周波数領域の楽音データに変換される。窓関数の幅は、上記したように解析する周波数分解能に直接関係している。すなわち、窓関数の幅を広くするほど周波数分解能は向上するようになる。そして、窓関数の幅を狭くするほど時間分解能は向上するようになる。FFT33から出力された周波数領域の楽音データは、図7に示すようにノイズ成分だけを抑圧するノイズ除去処理を行うために圧縮部23において圧縮され、ノイズ抑圧を行う抑圧処理部27に同期部24を介して供給される。抑圧処理部27には、ノイズを抑圧するための補正された閾値(Threshold)が供給されており、補正された閾値以下の楽音データの成分を抑圧処理部27において抑圧している。補正された閾値を説明するために図9に示す楽音データをFFTした周波数領域の楽音データを図10に示す。図10を参照すると、ノイズ成分のレベルは周波数軸上で一定とされておらず変化しており、閾値(Threshold)を一定値とするとノイズ成分が除去されず残ったり、逆に楽音データが抑圧されるようになってしまうことになる。
【0021】
そこで、図6に示すように閾値(Threshold)を横軸が周波数で縦軸が減衰率の減衰カーブ(Curve)で補正する。この場合、閾値(Threshold)と減衰カーブ(Curve)との値を加算したレベル以下の楽音データが抑圧されるようになる。この減衰カーブ(Curve)の減衰率は、圧縮部23から供給されたフレーム毎に周波数領域に変換された楽音データに基づいて減衰カーブ作成部25において決定される。フレーム毎に作成された減衰カーブ(Curve)は、一つ前のフレームあるいはそれ以上前のフレーム、あるいは一つあるいはそれ以上後のフレームの減衰率を用いて前後のフレームにおいて滑らかにつながるように減衰率平滑化の処理が行われる。この減衰率平滑化の処理はフィルタ処理部26において行われる。例えば、フィルタ処理部26におけるフィルタの応答特性を、図8(a)に示す区間a,b,cのノイズ成分の変化を見て中央の区間aにおけるフィルタ処理部26の応答特性を制御することができる。フィルタ処理部26から出力される滑らかにつながれた減衰カーブ(Curve)で補正された閾値(Threshold)は、抑圧処理部27に供給される。
【0022】
同期部24は、主にフィルタ処理部26における処理時間による遅れを補正するためのバッファであり、圧縮部23から出力される周波数領域に変換されたフレーム毎の楽音データに同期してフィルタ処理部26から減衰カーブ(Curve)で補正された閾値(Threshold)が抑圧処理部27に供給される。抑圧処理部27では、減衰カーブ(Curve)で補正された閾値(Threshold)以下の楽音データを抑圧するノイズ抑圧処理が行われて、図7に示すノイズ除去処理後のようにノイズ成分のみが抑圧された周波数領域の楽音データとされる。減衰カーブ作成部25に供給される閾値(Threshold)の値は、ノイズ成分のみを抑圧できるレベルとなるように、楽音データのノイズ成分の平均的レベルに設定されているが、この閾値をユーザが微調整するようにしてもよい。抑圧処理部27において、ノイズ抑圧処理された楽音データは伸長部28において伸長されて、逆高速フーリエ変換部(IFFT)29に供給される。IFFT29においては、ノイズ除去処理された周波数領域の楽音データが時間領域の楽音データに変換される。この際に、周波数領域のフレームをオーバラップさせて再合成され、時間領域の楽音データに変換される。
【0023】
本発明の実施の形態の第2の構成のノイズ除去装置2によれば、閾値(Threshold)を減衰カーブ(Curve)で補正するようにしたので、周波数軸上でノイズ成分のレベルが変化してもノイズ成分だけを抑圧することができ、楽音データのディテイルを損なうことなく高品位な楽音データを維持したままノイズ除去することができるようになる。さらに、フィルタ処理部26において減衰率平滑化が行われているため、補正された閾値を横切ることにより生ずる揺らぎを滑らかにすることができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、検出されたエンベロープに基づいて音信号の立ち上がりを判定し、この判定結果に基づいて窓関数の窓幅を調整するようにしたので、立ち上がりがあると判定された急峻に立ち上がるアタック等の部分が狭い窓関数とされて時間分解能が向上されてノイズ抑圧処理されることから、ノイズ除去しても音信号の立ち上がり部分のディテイルを損なうことなく高品位な音信号を得ることができるようになる。
また、周波数領域の音信号におけるノイズを抑圧する閾値を減衰カーブで補正するようにしたので、周波数軸上においてノイズ成分のレベルが変化してもノイズ成分だけを確実に抑圧することができ、ノイズ除去しても音信号のディテイルを損なうことなく高品位な音信号を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のノイズ除去装置の第1の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の第1の構成のノイズ除去装置におけるノイズ除去部の構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の第1の構成のノイズ除去装置におけるノイズ除去部の構成の他の例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態の第1の構成のノイズ除去装置におけるノイズ除去部の構成の他の例の変形例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態のノイズ除去装置の第2の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態のノイズ除去装置における閾値と減衰カーブとを説明するための周波数領域上の楽音データを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態のノイズ除去装置におけるノイズ除去処理を説明するための周波数領域上のノイズ除去前およびノイズ除去後の楽音データを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態のノイズ除去装置におけるノイズ除去処理の動作を説明するための図である。
【図9】ノイズが含まれている時間軸上の楽音データの波形の例を示す図である。
【図10】図9に示す楽音データを周波数領域の楽音データに変換した周波数領域上の楽音データを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態のノイズ除去装置においてノイズ除去処理が行われた周波数領域上の楽音データを示す図である。
【図12】図11に示すノイズ除去処理後の時間軸上に変換された楽音データを示す図である。
【符号の説明】
1 ノイズ除去装置、2 ノイズ除去装置、10 エンベロープ検出部、11 アタック判定部、12 スレショルド計算部、13 窓関数作成部、14 ノイズ除去部、21 乗算器、22 FFT、23 圧縮部、24 同期部、25 減衰カーブ作成部、26 フィルタ処理部、27 抑圧処理部、28 伸長部、29 IFFT、32 乗算器、32a 乗算器、32b 乗算器、32 乗算器、32a 乗算器、32b 乗算器、33 FFT、33a FFT、33bFFT、34 圧縮部、34a 圧縮部、34b 圧縮部、35 処理部、35a 処理部、35b 処理部、36 伸長部、36a 伸長部、36b 伸長部、37 IFFT、37a IFFT、37b IFFT、38 加算部、39 合成部、40a,40b ダウンサンプル部、42a,42b アップサンプル部

Claims (5)

  1. 入力された音信号のエンベロープを検出するエンベロープ検出部と、
    該エンベロープ検出部において検出されたエンベロープから前記音信号における立ち上がりを判定している立ち上がり判定部と、
    該立ち上がり判定部の判定結果に応じて出力する窓関数の窓幅を調整する窓関数作成部と、
    前記窓関数作成部から出力された所定の窓幅を有する窓関数を乗算することにより、前記音信号をフレーム分割して周波数領域の音信号に変換する第1変換手段と、変換された各フレームの周波数領域の音信号において所定の閾値以下のレベルを抑圧することによりノイズ成分を抑圧するノイズ抑圧手段と、該ノイズ抑圧手段の出力を時間領域の音信号に変換する第2変換手段とを有するノイズ除去部と、
    を備えることを特徴とするノイズ除去装置。
  2. 前記立ち上がり判定部の判定結果に応じてノイズ抑圧を行う閾値を計算して出力する閾値計算部を、さらに備え、
    前記閾値計算部から出力される閾値が、前記ノイズ除去部におけるノイズ抑圧手段に供給されることを特徴とする請求項1記載のノイズ除去装置。
  3. 前記ノイズ除去部が、前記音信号の高域成分におけるノイズを抑圧する第1ノイズ除去部と、前記音信号の低域成分におけるノイズを抑圧する第2ノイズ除去部とを備え、前記第1ノイズ除去部は前記窓関数作成部および前記閾値計算部から出力される高域成分用の窓関数および閾値に基づいて前記音信号の高域成分におけるノイズを抑圧し、前記第2ノイズ除去部は前記窓関数作成部および前記閾値計算部から出力される低域成分用の窓関数および閾値に基づいて前記音信号の低域成分におけるノイズを抑圧するようにしたことを特徴とする請求項2記載のノイズ除去装置。
  4. 窓関数を乗算することにより、音信号をフレーム分割して周波数領域の音信号に変換する第1変換手段と、
    該第1変換部で変換された各フレームの周波数領域の音信号におけるノイズ成分を抑圧するための閾値を補正する減衰カーブを、前記第1変換手段から出力される周波数領域に変換された音信号に基づいて作成する減衰カーブ作成部と、
    該減衰カーブ作成部から出力される減衰カーブで補正されている閾値以下のレベルを抑圧することにより、前記第1変換手段から出力される周波数領域に変換された音信号のノイズ成分を抑圧する抑圧処理部と、
    該抑圧処理部からのノイズ成分が抑圧された出力を時間領域の音信号に変換する第2変換部と、
    を備えることを特徴とするノイズ除去装置。
  5. 前記減衰カーブ作成部から出力される減衰カーブで補正されている閾値が、フレーム間において滑らかに閾値がつながるようにフィルタ処理するフィルタ処理部を、さらに備えていることを特徴とする請求項4記載のノイズ除去装置。
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