JP2005074407A - 水質浄化施設 - Google Patents

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Abstract

【課題】 好気性微生物担体層を形成する建設汚泥層と嫌気性微生物担体層とを縦型に配置し、建設汚泥層上には植物を植生することによって、産業廃棄物対策にも貢献しながら、窒素、リン等の栄養塩類を高効率で除去する水質浄化施設を提供する。
【解決手段】 本発明による水質浄化施設1は、施設の下部に配置される嫌気性微生物担体層2と、微生物担体層2の上面に配置される建設汚泥層3と、建設汚泥層3の上に植生する植物4及び一方端の開口5−1を嫌気性微生物担体層2の下部に位置させ、他方端の開口5−2を同微生物担体層2と建設汚泥層3との境界域6に位置させて水質浄化された水を施設外に開放する排水管5から構成され、嫌気性微生物担体層2をガラス発泡カレットから構成し、建設汚泥層3を建設工事の排出土から成る脱水ケーキで構成することを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は水質浄化施設に関し、特に、水域を富栄養化する原因となる窒素やリンを産業廃棄物を活用して効率良く除去する水質浄化施設に関する。
硝酸態窒素の地下水汚染が、水環境問題として問題視されてから久しくなっている。この問題は、主に畑地に過剰な化学的施肥が行われた結果であり、人体にはいってメトヘモグロビン血症や発ガン性が懸念され、生活雑排水の有機物や、し尿3次処理の不徹底による栄養塩類の河川及び湖沼への流出も問題である。
湖沼等の停滞水域においては、その中に含まれる窒素やリン等の栄養塩濃度が高まる結果として、窒素やリン等を取り込んで成長する植物プランクトン等の生物の活動が活発化することで、異常増殖を起こす富栄養化が進行すると、赤潮やアオコの発生、カビ臭等の異臭等の水質障害、酸素濃度低下による魚介類の死滅及び水域の水質値の悪化などを引き起こすことから、富栄養化の原因となる窒素やリンの除去を行ってきた。
現状における下水処理方法は、図3に示すように下水二次処理で十分除去できない窒素、リン等の栄養塩類に対する除去率の向上を目指す嫌気無酸素好気法等で高度処理する活性汚泥変法等を本流にしているが、本循環式硝化脱窒法は、下水中における有機物量の指標を示す生物化学的酸素要求量(以下、BODという)と窒素を同時に除去することを目的にしたもので、前段の生物反応タンクは曝気せずに攪拌だけを行う嫌気タンク20、後段は散気装置によって曝気を行う好気タンク21から構成されており、下水は流入される最初沈殿池22で沈殿した後に嫌気タンク20に導入され、好気タンク21から循環されてくる硝酸性窒素活性汚泥を含む返送汚泥23と共に、活性汚泥中に生息している脱窒細菌の働きで窒素ガスに転換することで除去している。そして、好気タンク21では、沈殿池22からの流出水に対して、活性汚泥中に生息する硝化細菌の働きによってアンモニア性窒素を硝酸性窒素に酸化すると共に、嫌気タンク20では残存するBODを活性汚泥で分解している。好気タンク22からの流出水は、最終沈殿池24で沈殿処理した後に処理水として放出している。
しかして、本循環式硝化脱窒法は、活性汚泥中の様々な微生物の特性を活用することで生物処理しているが、プロセスが複雑で運転管理の技術も必要なことや電力消費型でCO2排出の大きい技術である等の問題点を含んでいるために、一般化されるに至っておらず、結果的に水質浄化が閉鎖性水域の富栄養化に拍車をかけているのが現状であった。
この他にも、接触酸化処理プロセスとウェットランドプロセスとを組み合わせる水質浄化方法が提案されている。本方式では、酸化処理槽の内部に糸状微生物担体を配設し、生物学的酸化処理による浄化を行うとともに、上記槽内に水中攪拌ポンプを配置することで、発生した余剰汚泥を槽底部に堆積させずに浮遊状態を維持し、この余剰汚泥を処理水と共にウェットランドに投入している。次いでのウェットランドにおいては、ポーラスで空隙率の高い人工メディアによって湿地基盤体を構成しており、前記余剰汚泥及び処理水を浸透流れ方式で流下させるようにすることで、酸化分解とともに脱窒を促して水質浄化している。(例えば、特許文献1を参照)
これらの水質浄化方法では、通常の接触酸化処理プロセスに加えてウェットランドプロセスを付属させるものであることから、必要とする施設用敷地の確保やそのためのコストが嵩張ることになって、その実現性については問題視されていた。
以上のように、現状における最も一般的な排水処理法である活性汚泥法であっても、有機物の大部分は除去できても栄養塩類は殆ど除去されないものであり、この処理水が湖沼などに排出されることで、植物プランクトンの増殖が起って有機物の再生産が行われている。
従って、現在の排水処理は、水質浄化という点では広域的、長期的に見て意味のないものである。
特開平11−309483号公報(「段落番号」0018〜「段落番号」0022、図1、)
本発明は、上記の各方式が抱えている問題点に鑑みてその解決のために提案するものであり、好気性微生物担体層を形成する建設汚泥層と嫌気性微生物担体層とを縦型に配置し、建設汚泥層上には植物を植生することによって、産業廃棄物対策にも貢献しながら、窒素、リン等の栄養塩類を高効率で除去する水質浄化施設を提供している。
本発明による水質浄化施設は、施設の下部に配置される嫌気性微生物担体層と、微生物担体層の上面に配置される建設汚泥層と、建設汚泥層上に植生する植物及び一方端の開口を嫌気性微生物担体層の下部に位置させ他方端の開口を同微生物担体層と建設汚泥層との境界域に位置させて水質浄化された水を施設外に開放する排水管から構成されることを基本にし、嫌気性微生物担体層をガラス発泡カレットから構成したり、建設汚泥層を建設工事の排出土から成る脱水ケーキで構成したりすることを特徴としている。
これによって、本発明の水質浄化施設は、好気性微生物担体層を形成する建設汚泥層と嫌気性微生物担体層とを縦型に配置することで、建設汚泥層上に植生している植物が、窒素、リン等の栄養塩類を吸収すると共に、建設汚泥層の好気性微生物担体が、窒素に対してアンモニア酸化菌と亜硝酸化菌による硝化作用を行ない、リンを括性アルミニウムや鉄のイオンに吸着させて脱リンさせ、嫌気性微生物担体層が、脱窒菌の働きで硝酸態窒素や亜硝酸態窒素を窒素ガス化し大気に揮散させることで、汚水に含まれている窒素、リン等の栄養塩類を高効率で除去している。
又、建設工事の排出土から成る脱水ケーキを活用することで、産業廃棄物対策としても貢献することができる。
本発明による水質浄化施設は、施設の下部に配置される嫌気性微生物担体層と、微生物担体層の上面に配置される建設汚泥層と、建設汚泥層上に植生する植物及び一方端の開口を嫌気性微生物担体層の下部に位置させ他方端の開口を同微生物担体層と建設汚泥層との境界域に位置させて水質浄化された水を施設外に開放する排水管から構成され、嫌気性微生物担体層をガラス発泡カレットから構成したり、建設汚泥層を建設工事の排出土から成る脱水ケーキで構成したりすることを特徴としているので、建設汚泥層上に植生している植物が、窒素、リン等の栄養塩類を吸収すると共に、建設汚泥層の好気性微生物担体が、窒素に対してアンモニア酸化菌と亜硝酸化菌による硝化作用を行ない、リンを括性アルミニウムや鉄のイオンに吸着させて脱リンさせており、嫌気性微生物担体層が、脱窒菌の働きで硝酸態窒素や亜硝酸態窒素を窒素ガス化し大気に揮散させることで、汚水に含まれている窒素、リン等の栄養塩類を高効率で除去している。又、建設工事の排出土から成る脱水ケーキを活用して産業廃棄物対策としても貢献できる効果を奏している。
本発明の水質浄化施設は、実施の形態として、施設の下部に配置されガラス発泡カレットから構成される嫌気性微生物担体層と、微生物担体層の上面に配置され建設工事の排出土から成る脱水ケーキで構成される建設汚泥層と、建設汚泥層上に植生する植物及び一方端の開口を嫌気性微生物担体層の下部に位置させ他方端の開口を同微生物担体層と建設汚泥層との境界域に位置させて水質浄化された水を施設外に開放する排水管から構成されている。
本発明による水質浄化施設の実施の形態を、以下の図面に基づいて詳細に説明するが、本発明は、単なる水質浄化に関する改善に限らず、建設業において長年の懸案事項である産業廃棄物問題についても有効に機能するものである。
即ち、建設業の産業廃棄物問題として、シールド工事に伴って発生する建設汚泥の処理対策は、処分地問題として深刻化しており、循環社会の構築という観点からもその有効利用が重要な課題になっている。建設汚泥の発生量は、1500万tに達しているが、その再資源化は、改良材による固化処理や焼成処理という物理的改良が殆どであって、約8%程度に留まっているのが現状である。
現在のシールド建設現場で発生する汚泥は、ポリ塩化アルミニウム (PAC)又はポリアクリルアミド等の凝集剤を添加して、加圧脱水を行った後に場外に搬出して処理を行っている。
しかして、発明者の長期にわたる研究によると、この脱水ケーキの理化学的特性は、有機物含有量、T-N等の養分供給量は低いが、容水量が高く通水性も良いものであり、高性能土としての素質を有しているものである。
即ち、シールド工事から発生した脱水ケーキには、リン酸吸収係数、1770mg/100gという数値が示すような大きなリン酸吸収力があり、又、陽イオン交換容量(CEC)も、37.3cmol(+)/kgと大きい値を備えている。このことは、栄養塩類であるアンモニア性の窒素やリンを吸収する能力が高いことを示すものであり、さらに、他の実験においても、脱水ケーキが、ニトロソモナスやニトロバクター等の硝化細菌を定着し易く硝化能の高いことが確認されており、PACによる植物や水質に対するアルミニウムの懸念も非常に少ないことが確認できている。
以上の研究結果から明らかにしたように、脱水ケーキは、これを植物が植生される土壌に適用することで、窒素に対しては、植物による吸収に加えて硝化・脱窒による処理を期待できるものであり、リンに対しては、植物による吸収に加えて脱水ケーキによる固定化による処理が期待できるものである。
そこで、発明者は、脱水ケーキを栄養塩類の処理を図るための水質浄化材として適用することが可能であるとの判断に到達し、生活排水の有機物処理や排水処理後に、この脱水ケーキを用いて硝化・脱窒処理とリンの吸着等の高度処理を連続的に行って肥沃な作土土壌・園芸土壌として再利用を図り、これに併せて、産業廃棄物を再資源化することで産業廃棄物対策という建設業の懸案事項を解決したものである。
図1は、本発明による水質浄化施設の実施の形態を示す側断面図であり、図において、1は、水質浄化施設であり、2は、水質浄化施設1の下部に配置される嫌気性微生物担体層、3は、建設汚泥層であって嫌気性微生物担体層2の上面に配置されている。4は、建設汚泥層3に植生されている植物、5は、排出管であって、一方端の有孔管5−1を嫌気性微生物担体層2の下部に位置させると共に、他方端を嫌気性微生物担体層2と建設汚泥層3との境界域6に位置させて、その開口5−2を水質浄化施設1の外部に開放させて浄化した水をU字溝7に排水している。
従って、水質浄化施設1で処理された浄化水は、建設汚泥層3の好気性微生物担体としての環境を確保できるように、その水位を嫌気性微生物担体層2の上面で建設汚泥層3との境界付近に保ちながら、最下部に設けた有孔管5−1等から取水されて水質浄化施設1の外部に流出している。
水質浄化施設1を構成している嫌気性微生物担体層2としては、微生物の担体となる多孔質な材料から成る一般的な微生物担体を採用することで充分であるが、本実施の形態では、砕石やガラス発泡カレットを用いることによって微生物担体としての効率化を図っており、嫌気性微生物担体層2中に嫌気的環境を形成することで、流下してくる水中の亜硝酸態窒素(NO2)や硝酸態窒素(NO3)を脱窒菌の働きによって窒素ガスに変えて大気中に揮散している。
本実施の形態における浄化状況は、下記の表−1に示す砕石とガラス発泡カレットにおける水質調査の結果に見られるように所望の効果を発揮している。
Figure 2005074407
本調査結果は、本発明による水質浄化施設1の実施の形態において計測したものであることから、砕石やガラス発泡カレットだけの嫌気性微生物担体層2単独の値ではないが、流入した水の水質に対してアンモニウム態窒素(NH4−N)の減少が確認されており、硝酸態窒素(NO3−N)やオルトリン酸態リン(PO4−P)において増加傾向の結果も見受けられるのは、建設汚泥層3における硝化作用やリンの吸着によっているものが流下することによるもので、建設汚泥層3における活性化状態を示すものである。
又、建設汚泥層3は、本実施の形態においてトンネル工事等の建土現場で発生される掘削土、建設残土、浚渫土砂及び汚泥等の排出土を、フィルタープレスで有効処理することによって発生させる脱水ケーキから構成しており、植生可能で透水性良好な材料の例としている。
本実施の形態の建設汚泥層3は、粒径75μm以下の泥土によって形成されており、粒子の比表面積が大きいことでニトロソモナスやニトロバクター等の硝化細菌を定着し易くしていることから、富栄養化水に含まれるアンモニウム態窒素(NH4−N)を、硝化菌の働きによって亜硝酸態窒素(NO2)から硝酸態窒素(NO3)へと硝化している。
特に、脱水ケーキは、その陽イオン交換容量(CEC)が、37.3cmol(+)/kgと大きい値を備えているので、アンモニウム態窒素(NH4−N)が吸着し易くなっており、建設汚泥層3の実施の形態として最適である。
このことは、図2に示すアンモニウム態窒素(NH4−N)の確認実験において明らかにされている。
即ち、図2は、アンモニウム態窒素(NH4−N)30ppm以上に調整された水質における脱水ケーキによる処理状態を示すものであり、4系統の例でその効果を確認している。図示される脱水ケーキの処理状況は、例えば、35ppmのアンモニウム態窒素(NH4−N)を含んでいる富栄養化水が、脱水ケーキを透過することで3ppmに減少することを示している。同様の減少は、他の例においても経時的に減少して行く実態が明らかにされており、脱水ケーキが大きな処理能力を備えていることが証明されている。
又、土壌における脱リンは、土壌中の括性アルミニウムや鉄のイオンが、汚水に含まれているリン酸イオンと化合することで吸着されて行われるが、脱水ケーキについての確認実験によると、上述したように、そのリン酸吸収係数は、1770mg/100gと非常にリン吸着能が高いことが確認されており、上記表−1の例においても若干の例を除いてその機能を明らかにしている。
そして、建設汚泥層3に植生されている植物4は、本実施の形態ではミソハギのような注水植物を繁茂させるものであり、導入される富栄養化水の窒素やリンを吸収して浄化作用の一翼を担うと共に、植物の根によって好気性の維持を図っているものである。
嫌気性微生物担体層2と好気的環境を形成している建設汚泥層3との境界域6には、水を透過させても土壌の通過を阻止している透過膜8を敷設しており、流下する水が好気的環境を形成している建設汚泥層3の脱水ケーキを、嫌気性微生物担体層2に移動させないように形成して、嫌気性微生物担体層2が目詰まりを生じないように構成している。
嫌気性微生物担体層2と建設汚泥層3とを峻別させて、嫌気性微生物担体層2の嫌気的環境と建設汚泥層3の好気的環境とを確実に形成することで個々に生存している微生物を活性化することが重要であることから、本発明による水質浄化施設では、 排出管5に工夫を凝らしている。
排出管5は、一方端側の有孔管5−1と他方端の開口5−2及び両方端を結合している無孔管5−3から構成されている。嫌気性微生物担体層2の下部には、一方端側の有孔管5−1を位置させて嫌気性微生物担体層2と建設汚泥層3とを透過してくる浄化水を取水しており、他方端の開口5−2を嫌気性微生物担体層2と建設汚泥層3との境界域6に位置させて、嫌気性微生物担体層2を充填している滞留水の水位を、嫌気性微生物担体層2の上面と建設汚泥層3との境界域6の付近に保っている。
排出管5の他方端を上記の境界域6付近に位置することは、嫌気性微生物担体層2の充填水を建設汚泥層3の好気的環境には影響を与えることなく滞留させると同時に、嫌気性微生物担体層2の下部に透過してくる浄化水のみを水質浄化施設1の外部に流出させることを可能にしているものであり、水質浄化施設1における嫌気性微生物担体層2と建設汚泥層3との機能を充分に発揮させて、水質浄化施設1の水質浄化効率を大いに向上させることができるものである。
以上の実施形態のように構成されている本発明の水質浄化施設は、水質浄化施設1の建設汚泥層3上に分水管9を通じて富栄養化水が導入されている。
アンモニウム態窒素(NH4)やリンが含まれている富栄養化水は、先ず、建設汚泥層3に植生されている植物4によって富栄養化水中の窒素やリンを吸収されることで、その浄化が行われるが、同時に、富栄養化水は、好気的環境を形成する脱水ケーキから成る建設汚泥層3中に存在する硝化菌の働きによってアンモニウム態窒素(NH4)を亜硝酸態窒素(NO2)から硝酸態窒素(NO3)へと硝化している。
又、建設汚泥層3を形成している脱水ケーキは、土壌中の括性アルミニウムや鉄のイオンがリン酸イオンと化合するためにリン吸着能が非常に高いので、富栄養化水に含まれているリンは、建設汚泥層3において脱リンされている。
嫌気性微生物担体層2と建設汚泥層3とは、縦型に配置されているので、硝化された亜硝酸態窒素(NO2)や硝酸態窒素(NO3)は、流下することで下部の嫌気性微生物担体層2に達することになる。そこでの亜硝酸態窒素(NO2)や硝酸態窒素(NO3)は、嫌気性微生物担体層2中の脱窒菌の働きによって窒素ガスに変換されて大気中に揮散されている。
尚、本実施の形態では、水質浄化施設を具体的に構成するために、施設の周囲を松杭10で支える粗朶連業11で構成しており、地盤12の上に吸出し防止用の透過膜13を介在させて山砂14を埋設している。又、山砂14の内部には、防水シート15を敷設することで水質浄化施設1からの漏水を阻止している。しかして、これらの具体的な構成は、決して本発明を限定するものでなく、夫々の部位は多様性を以って対応できるものである。
以上のように、本発明による水質浄化施設は、導入される富栄養化水が含んでいるアンモニウム態窒素(NH4)やリンを、植生している植物による吸い込み、建設汚泥層におけるリンの吸着と亜硝酸態窒素(NO2)から硝酸態窒素(NO3)への硝化作用及び嫌気性微生物担体層での窒素ガスへの変換によって除去しており、嫌気性微生物担体層の下部に透過してくる浄化水のみを外部に流出させるものであり、水質浄化施設を簡素に構成すると共に水質浄化効率を向上させており、併せて脱水ケーキ等の産業廃棄物を再資源化している。
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による水質浄化施設は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、建設汚泥層、嫌気性微生物担体層の具体的な形態及び排出管の材質や構造等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
硝酸態窒素で汚染されている地下水等の水環境問題、過剰な化学的施肥による栄養塩類の河川及び湖沼への流出問題、湖沼等の停滞水域における窒素やリン等の栄養塩濃度の高まりで発生する水質の障害問題及び産業廃棄物の再資源化問題を解決するために、富栄養化の原因となる窒素やリンの除去を産業廃棄物の活用で効率良く達成している。
本発明による水質浄化施設の実施の形態を示す側断面図 脱水ケーキのアンモニウム態窒素に対する除去実験図 従来の水質浄化施設
符号の説明
1 水質浄化施設、 2 嫌気性微生物担体層、 3 建設汚泥層、
4 植物、 5 排出管、 5−1 有孔管、 5−2 開口、6 境界域、
7 U字溝、 8、13 透過膜、 9 分水管、 10 松杭、
11 粗朶連業、 12 地盤、 14 山砂、 15 防水シート、
20 嫌気タンク、 21 好気タンク、 22 最初沈殿池、 23 返送汚泥、
24 最終沈殿池、

Claims (3)

  1. 施設の下部に配置される嫌気性微生物担体層、該微生物担体層の上面に配置される建設汚泥層、該建設汚泥層上に植生する植物及び一方端の開口を嫌気性微生物担体層の下部に位置させ他方端の開口を同微生物担体層と建設汚泥層との境界域に位置させて水質浄化された水を施設外に開放する排水管から構成される水質浄化施設。
  2. 嫌気性微生物担体層が、ガラス発泡カレットから構成されることを特徴とする請求項1に記載の水質浄化施設。
  3. 建設汚泥層が、建設工事の排出土から成る脱水ケーキから構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の水質浄化施設。
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