JP2005074266A - 流体吸引分散装置 - Google Patents

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Taku Sakamoto
本 卓 坂
Yoshihiro Yasunaga
永 義 博 安
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Kumamoto Technology and Industry Foundation
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Abstract

【課題】流体中、特に水中に流体、特に空気を効率よく分散しうる装置を提供すること、及び、製作、及び部品の交換の容易で持ち運びが容易な流体中、特に水中に流体、特に空気を分散しうる装置を提供すること。
【解決手段】
(1)第一の流体中で回転しうる中空の回転シャフトと、
(2)該回転シャフトの少なくとも一部に設けられた突起物とを含み、
(3) 更に、突起物の一部に内部から表面に達する貫通孔が設けられていて、
(4)第二の流体が、回転シャフトが回転することにより突起物に形成された貫通孔から第一の流体中に粒子状に流出、分散する構造であることを特徴とする流体吸引分散装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流体中に他の流体を分散させるための装置に関する。更に詳しくは、ベルヌーイの法則を利用した液体中に特に気体を分散するための装置に関する。
流体、中でも液体中に、第二の液体、あるいは気体を細かく分散させるための装置は従来から数多く知られている。しかしその多くは分散に要するエネルギー効率が劣るものであったり、装置が複雑で壊れやすいものであったり、気泡径が大き過ぎる等の問題がある。
例えば、特許文献1には、水道水を利用したバブルジェット(登録商標)発生装置が開示されている。この装置は、構造は簡単であるが、水道水が必要であるため、例えば海上では使用できない。特許文献2には、ポンプで気液を混合し、マイクロバブルを発生させる装置が開示されている。この装置では、水をせん断するための動力が必要であり、エネルギー効率の点で問題がありそうである。特許文献3には、旋回流発生筒に加圧液体を導入し、一方、気体導入管から気体を導入したマイクロバブル発生装置が開示されている。この装置では、エジェクタとして作用する加圧液体が必要である。
特開2000−166789号公報 特開2003−117365号公報 特開2003−126665号公報
本発明は、上記課題を解決することを目的とし、全く新しい原理に基づく流体の分散装置を提案するものである。すなわち、本発明は、流体中、特に水中に流体、特に空気を効率よく分散しうる装置を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、流体中、特に水中に流体、特に空気を分散しうる装置であって、製作、及び部品の交換の容易な装置を提供することにある。本発明の更に他の目的は、持ち運びが容易な流体中、特に水中に流体、特に空気を分散しうる装置を提供することにある。
すなわち本発明は、
(1)第一の流体中で回転しうる中空の回転シャフトと、
(2)該回転シャフトの少なくとも一部に設けられた突起物を含み、
(3) 更に、突起物の一部に内部から表面に達する貫通孔が設けられていて、
(4)第二の流体が、回転シャフトが回転することにより突起物に形成された貫通孔から第一の流体中に粒子状に流出、分散する構造であることを特徴とする流体吸引分散装置である。
突起物は、連続的な曲線からなることが好ましい。
貫通孔は、回転シャフトを作動させたときの突起物内の増速流側に設けられていることが好ましい。
第一の流体が水で、第二の流体が空気であることが好ましい。
流体吸引分散装置はバブル発生装置であることが好ましい。
本発明の装置は上記のように細かい気体を高効率で大量に水中に分散供給できるため、例えば養殖池あるいは養殖糟等のエアレーション、海でのエアレーション、好気性または嫌気性菌等の培養装置、酸化反応装置での空気供給装置等の用途に用いることができる。
本発明につき詳しく説明する。
本発明の装置の1実施例の概要を、図1に示す。図1において、1は本発明の1実施態様の装置である。本発明の装置は、モータ2で回転可能な回転シャフト3、回転シャフト3の表面に取り付けられた突起部4、突起部に取り付けられた貫通孔5とからなっている。
回転シャフト3は、下部に突起物を固定して回転するとともに、第2の流体を導入する流体導入管としての役割ができるように中空構造になっている。回転シャフト3の上部には、シャフトを回転させるためのモータ5及び、第2の流体を回転シャフト3に供給するための吸入口6が形成されている。
本発明の装置では、回転シャフト4の少なくとも一部に、断面形状が図2に示したような突起物を有する。このような突起物は図2のように規則性を有していても、図3のように不規則であってもよいが、好ましくは規則性がある、例えばシャフトの中心部から点対称に複数個設けられていることが好ましい。横断面における回転シャフト表面の突起の数は上記実施態様では回転シャフトの数が4枚のもののみ示したが、2枚、3枚あるいは5枚であっても一向に差し支えない。
突起物の高さは特に限定されないが、減圧効果があり、かつ回転時の抵抗が少ないように2mm〜10cm、特に5mm〜3cm程度とすることが好ましい。突起物の断面形状は表面ではく離渦を発生させないように、滑らかな曲線状を描いていることが好ましい。滑らかな曲線とは、例えば段差がないことを意味し、一部直線の部分を含んでいてもよい。突起物の断面形状は図2のように左右対称の突起であってもよいし、図3に示したように断面飛行機の翼に類似の左右非対称の形状としてもよい。後者の形状の方が、分散効果が優れるため好ましい。
突起物には、内部と表面とを貫通する小さい貫通孔が多数穿孔されている。貫通孔は、少なくとも、回転シャフトを作動させたときの突起の増速流側に設けられていることが、この部分が減圧になって第二の流体が突起物外へ流出しやすいため好ましい。もちろん、突起物の全面に設けられていてもよい。
第二の流体は、突起物の中空部から貫通孔を通って第一の流体中に粒子状に流出する。突起物に形成された貫通孔の径、数により第一の流体に分散する第二の流体の粒子径、数を調整することができる。
回転シャフトは、すべて同質材質で製造されていてもよいが、加工の容易さ、あるいは修理、消耗、破損部品交換の容易さの点からは、シャフトの回転動力伝達構造部は、例えば孔、あるいはスリットが形成された金属製の高強度構造部材とし、突起物の、特に貫通孔が形成されている部分は薄い金属薄板、あるいは成形加工の容易な、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS等のプラスチックで形成されていてもよい。この貫通孔形成部分は、破損、あるいは目詰まりを起こしたら、孔の掃除、修理あるいは部品をそっくり交換できるよう、例えばシャフト構造部材にネジ嵌めこみ等により固定、取り外しが可能な構造としておくことが好ましい。
本発明における第一の流体とは、図1で7として示した本発明の装置により第2の流体を分散させるための流体である。第一の流体としては、各種流体を使用することが可能であるが、好ましくは粘性の低い液体、例えば貯水槽、池等の水、海水等の各種成分を含んだ水、有機溶剤、無機溶剤等を挙げることができる。特に好ましい第一の流体は、水である。
本発明における第二の流体とは、図1で8として示した本発明の装置により第1の流体7中に細かい粒子として分散する流体である。第2の流体としては、各種流体を使用することが可能であるが、好ましくは気体、特に好ましくは空気、酸素等を挙げることができる。
本発明の装置により第一の流体と第二の流体とが分散するのは、回転シャフトを第一の流体中で回転させることにより、回転シャフト表面に形成された突起物により、突起物の増速流の部分で流体は加速され、圧力が低下し減圧状態になる。シャフト内部に充満している第2の流体が吸い出され、貫通孔を通って第1の流体中に分散することに基づいている。一方、突起物の減速流の部分(突起物内の後の部分)では流体は減速され、圧力が上昇する。
回転シャフトの回転速度が増加する程、突起物表面の圧力低下が増して第二の流体の分散速度が増加するが、回転速度には構造物の強度やモータ動力の面から限界がある。
本発明の装置では、要するエネルギーの大部分の内、シャフトの回転に要する動力はわずかであり、大部分は第2の流体の吸引・分散に要する動力であるため、効率がよいという特徴がある。
本発明の装置では、突起物の貫通孔から流出して形成された第2の流体の粒子径は、その後の回転シャフトの回転による回転ではほとんど粒子径が変わらない。第2の流体の粒子径の調整は、貫通孔の径、第1流体の圧力等により調整することができる。
本発明の分散装置は、基本的にはモータと回転シャフトとからなる簡単な構造であるため、持ち運びが容易であり、電源があるところであれば、簡単に取りつけ、あるいは手で保持しつつ第二の流体の分散操作を行うことができる。
本発明の分散装置により発生した第二の分散体は、装置の例えば半径1m程度の範囲に分散するけれども、第二の分散体をより広く分散させたい場合は、本発明の装置を例えば船に積み込んで移動させたり、流路の途中に本発明の装置を設け、その流路の出口を移動させたりすることにより第二の流体が分散された分散液をより広く分散させることができる。
本発明の分散装置の主要部は、回転シャフトのみからなっているが、このシャフトに他の機能を持たせることも可能である。例えば、反応槽における撹拌軸を兼ねさせることができる。
次に実施例を挙げて本発明につき更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例になんら制約されるものではない。なお、本発明の実施例における各測定数値は次のようにして求めた。
吸引量(m/min):流量計により求めた。
駆動力(kw):電力計で測定した。
《使用装置》
概略、図1に示した装置を用いた。
回転シャフトの長さ:500mm
回転シャフトの外径:50mm
突起部の高さ :20mm
突起物の形状:図4の形状
穿孔場所:図4に示した突起の全面。
《条件と測定結果》
流体1:水
流体2:空気
回転シャフトの回転速度:1200rpm
回転シャフトの深さ:500mm
試験状況を図5に示す。また、得られた試験結果において、噴出孔面積/回転軸断面積と吸引量との関係を図6に、噴出孔面積/回転軸断面積と所要動力との関係を図7に、噴出孔面積/回転軸断面積と吸引効率との関係を図8に示した。
図1は、本発明の装置の概要を示した概略図である。 図2は、本発明の装置における突起物の形状の1実施例を示した概略図である。 図3は、本発明の装置における突起物の形状の1実施例を示した概略図である。 図4は、本発明の実施例に用いた装置の1例を示した写真である。 図5は、本発明の実施例の実施状況の1例を示した写真である。 図6は、本発明の実施例における噴出孔面積/回転軸断面積と吸引量との関係を示したグラフである。 図7は、本発明の実施例における噴出孔面積/回転軸断面積と所要動力との関係を示したグラフである。 図8は、本発明の実施例における噴出孔面積/回転軸断面積と吸引効率との関係を示したグラフである。

Claims (5)

  1. (1)第一の流体中で回転しうる中空の回転シャフトと、
    (2)該回転シャフトの少なくとも一部に設けられた突起物を含み、
    (3) 更に、突起物の一部に内部から表面に達する貫通孔が設けられていて、
    (4)第二の流体が、回転シャフトが回転することにより突起物に形成された貫通孔から第一の流体中に粒子状に流出、分散する構造であることを特徴とする流体吸引分散装置。
  2. 突起物が、連続的な曲線からなることを特徴とする請求項1に記載の流体吸引分散装置。
  3. 貫通孔が、回転シャフトを作動させたときの突起物内の増速流側に設けられていることを特徴とする請求項1〜2に記載の、流体吸引分散装置。
  4. 第一の流体が水で、第二の流体が空気であることを特徴とする請求項1〜3に記載の流体吸引分散装置。
  5. 流体吸引分散装置が、バブル発生装置である請求項4に記載の流体吸引分散装置。
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