JP2005072459A - 化合物半導体太陽電池の製造方法 - Google Patents

化合物半導体太陽電池の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005072459A
JP2005072459A JP2003302940A JP2003302940A JP2005072459A JP 2005072459 A JP2005072459 A JP 2005072459A JP 2003302940 A JP2003302940 A JP 2003302940A JP 2003302940 A JP2003302940 A JP 2003302940A JP 2005072459 A JP2005072459 A JP 2005072459A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
type semiconductor
semiconductor layer
layer
solar cell
indium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003302940A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Takei
弘次 武井
Kenji Nakamura
健次 中村
Sumihiro Ichikawa
純廣 市川
Masao Nakazawa
昌夫 中澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinko Electric Industries Co Ltd
Original Assignee
Shinko Electric Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinko Electric Industries Co Ltd filed Critical Shinko Electric Industries Co Ltd
Priority to JP2003302940A priority Critical patent/JP2005072459A/ja
Publication of JP2005072459A publication Critical patent/JP2005072459A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/541CuInSe2 material PV cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】 照射された光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率が向上された化合物半導体太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板の一面側に形成した電極膜上に、p型半導体層とn型半導体層とを順次形成して化合物半導体太陽電池を製造する際に、該基板の電極膜上に形成したインジウム層と銅層とから成る金属膜に硫化処理を施して得た、CuInS2から成るp型半導体層に、KCN溶液で洗浄して不純物を除去するKCN処理を施し、次いで、前記電極膜を給電層とする電解めっきをp型半導体層に施して、前記p型半導体層に形成されたピンホール内に金属を充填して形成した充填金属層を、硫化処理によって半導体層とした後、前記p型半導体層上にn型半導体層を形成することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は化合物半導体太陽電池の製造方法に関し、更に詳細には基板の一面側に形成した電極膜上に、p型半導体層とn型半導体層とを順次形成した化合物半導体太陽電池の製造方法に関する。
太陽電池には、下記特許文献1に記載されているpn接合の光吸収層を有する化合物半導体太陽電池が存在する。かかる化合物半導体太陽電池を図6に示す。図6において、図6(a)は化合物半導体太陽電池の正面図であり、図6(b)は化合物半導体太陽電池の縦断面図である。この化合物半導体太陽電池(以下、単に太陽電池と称することがある)には、ガラス基板10(以下、基板10と称することがある)の一面側に形成した電極膜としてのモリブデン層12上に、p型半導体層14とn型半導体層16とが順次積層されて形成されている。n型半導体層16上には、透明電極18が形成されており、透明電極18上には、櫛形電極20が形成されている。この櫛形電極20は、図6(a)に示す様に、電極が枝別れ状(櫛形状)に形成されているものである。
特開2001−1484900号公報 (第1欄49行目〜第2欄33行目、図4及び図5)
かかる図6に示す太陽電池は、図7に示す方法で製造できる。先ず、ガラス基板10の一面側に、モリブデン層12から成る電極膜を蒸着又はスパッタリングで形成した後、インジウム層13を室温下での蒸着によって形成し、更にインジウム層13上に銅層15を室温下での蒸着によって形成する〔図7(a)の工程〕。
このインジウム層13と銅層15とから成る金属膜を、硫化水素雰囲気中で加熱処理する硫化処理を施してCuInS2のp型半導体層14とした後、p型半導体層14に生成された硫化物(CuxY)等の不純物を取り除きp型半導体層14の特性を適正化して安定した特性とすべく、KCNが5〜10重量%含有されたKCN溶液によってp型半導体層14の表面を洗浄するKCN処理を施す〔図7(b)の工程〕。
更に、p型半導体層14上には、化学的溶液析出法によりCdSから成るn型半導体層16を形成し〔図7(c)の工程〕、更にn型半導体層16上にスパッタリングによりZnO:Al又はIn23から成る透明電極18を形成する〔図7(d)の工程〕。
その後、透明電極18上に、アルミニウムから成る櫛形電極20を形成した後、モリブデン層12上に電極端子を形成し、図6に示す太陽電池を得ることができる。
図6に示す太陽電池の透明電極18側に太陽光を照射することによって発電し、電極膜としてのモリブデン層12と櫛形電極20とから電力を取り出すことができる。
しかし、図6に示す太陽電池は、照射された光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率は低く、太陽電池の製造は容易であるものの、その普及を図ることが困難である。
そこで、本発明の課題は、照射された光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率が向上された化合物半導体太陽電池の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決すべく、先ず、図6に示す太陽電池の変換効率が低い原因について調査したところ、基板10の一面側に形成された電極膜としてのモリブデン層12上に形成したp型半導体層14にKCN処理を施した図8に示すハーフセルHでは、図8に示す如く、直径1μm程度の微細なピンホール100がp型半導体層14に多数形成されていることが判明した。
かかるピンホール100が存在するハーフセルHのp型半導体層14上に、CdSから成るn型半導体層16を形成して太陽電池を得ても、n型半導体層16は、通常、p型半導体層14に比較して極めて薄く且つ電気抵抗値も小さい。このため、得られた太陽電池では、電極膜としてのモリブデン層12と透明電極18との間で電極間ショートが発生し易くなって、変換効率が低下する。
かかる電極間ショートを防止するには、本発明者等は、ハーフセルHを構成するp型半導体層14に形成された多数の微細なピンホール100を、p型半導体層14と同一材料で充填することが有効と考えて検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、基板の一面側に形成した電極膜上に、p型半導体層とn型半導体層とを順次形成して化合物半導体太陽電池を製造する際に、該基板の電極膜上に形成した金属膜に硫化処理又はセレン化処理を施して得た硫化物又はセレン化物から成るp型半導体層に、KCN溶液で洗浄して硫化物中の不純物を除去するKCN処理を施し、次いで、前記電極膜を給電層とする電解めっきをp型半導体層に施して、前記p型半導体層に形成されたピンホール内に金属を充填して形成した充填金属層を、硫化処理によって半導体層とした後、前記p型半導体層上にn型半導体層を形成することを特徴とする化合物半導体太陽電池の製造方法にある。
また、本発明は、基板の一面側に形成した電極膜上に、p型半導体層とn型半導体層とを順次形成して化合物半導体太陽電池を製造する際に、該基板の電極膜上に形成した金属膜に硫化処理又はセレン化処理を施して得た硫化物又はセレン化物から成るp型半導体層に、KCN溶液で洗浄して硫化物中の不純物を除去するKCN処理を施し、次いで、前記電極膜を給電層とする電解めっきをp型半導体層に施し、前記p型半導体層に形成されたピンホール内に電気絶縁性材料を充填した後、前記p型半導体層上にn型半導体層を形成することを特徴とする化合物半導体太陽電池の製造方法でもある。
かかる本発明において、p型半導体層として、基板の一面側に形成した電極膜上に積層したインジウム層と銅層とから成る金属膜に硫化処理を施して得た、CuInS2から成るp型半導体層を形成することによって、化合物半導体太陽電池を容易に形成できる。
この場合、CuInS2から成るp型半導体層を具備する化合物半導体太陽電池を製造する際には、電解インジウムめっきで形成したインジウム充填層と電解銅めっきで形成した銅充填層とによって前記ピンホールを充填した後、前記インジウム充填層と銅充填層とに硫化処理を施すことによって、ピンホール内にp型半導体層と同一組成の半導体層を形成できる。
また、p型半導体層に形成されたピンホール内に金属を選択的に充填する電解めっきとして、電解インジウムめっきを採用し、前記ピンホール内に充填したインジウム充填層に硫化処理を施すことにより、ピンホール内にIn-Sの半導体層を形成できる。
尚、p型半導体層に形成されたピンホール内に電気絶縁性材料を電解めっきによって充填する場合には、電気絶縁性材料として、電気絶縁性の金属酸化物、特に酸化亜鉛又は酸化コバルトを好適に用いることができる。
本発明によれば、p型半導体層に形成されたピンホール内を、半導体層又は電気絶縁性材料によって充填できる。このため、最終的に得られた化合物半導体太陽電池では、p型半導体層に形成されたピンホールに因る、基板とp型半導体層との間に形成された電極膜と、n型半導体層上に形成された透明電極との間における電極間ショートを防止でき、変換効率を向上できる。
その結果、化合物半導体太陽電池の製造容易と相俟って、化合物半導体太陽電池の普及を図ることが期待できる。
本発明においては、図7(a)に示す様に、ガラス板等の基板10の一面側に形成した、電極膜としてのモリブデン層12上に金属膜を形成する。この金属膜としては、インジウム層13と銅層15とから成る金属膜が好ましく、特に、インジウム層13と銅層15との各々の厚さを調整し、銅/インジウムの原子組成比を1.6程度に調整することが好ましい。かかる金属膜は、室温下での蒸着によって形成できる。
図7(a)では、インジウム層13を形成した後、銅層15を形成しているが、銅層15を形成した後、インジウム層13を形成してもよい。
形成した金属膜には、図7(b)に示す様に、硫化処理を施して硫化物から成るp型半導体層14を形成する。この硫化処理は、基板10に形成された金属膜を硫化水素雰囲気中で加熱処理を施すことによって行うことができる。かかる硫化処理によって、インジウム層13と銅層15とから成る金属膜からは、CuInS2から成るp型半導体層14を得ることができる。
硫化処理して得られたp型半導体層14を形成するCuInS2中には、硫化物(CuxY)等の不純物が含まれているため、p型半導体層14をKCN溶液で洗浄して不純物を除去するKCN処理を施す。かかるKCN溶液としては、KCNが5〜10重量%含有されているKCN溶液を用いることができる。
この様にして得られた、基板10の一面側に形成された電極膜としてのモリブデン層12上にp型半導体層14が形成された図8に示すハーフセルHには、図8に示す如く、直径1μm程度の微細なピンホール100がp型半導体層14に多数形成されている。
本発明では、ハーフセルHを、図1に示す様に、電解めっき液21に浸漬し、基板10とp型半導体層14との間に形成された電極膜としてのモリブデン層12を給電層とする電解めっきを施す。この電解めっきでは、モリブデン層12を覆っているp型半導体層14上にめっき金属が析出することがなく、モリブデン層12が底面に露出又は露出しているに等しいピンホール100内に選択的にめっき金属を析出させることができる。
例えば、基板10にCuInS2から成るp型半導体層14を形成した図8に示すハーフセルHには、電解めっきによって、p型半導体層14のピンホール100内に銅充填層とインジウム充填層とを形成する。
ピンホール100内に銅充填層を形成する際には、図1に示す様に、ハーフセルHを電解銅めっき液21に浸漬し、基板10の一面側に形成したモリブデン層12を陰極とすると共に、陽極22に銅板を用いる電解銅めっきを施し、ピンホール100内に選択的に銅を析出して銅充填層を形成する。この電解銅めっき液21としては、硫酸銅五水和物(CuSO4・5H2O)が添加された電解銅めっき液を好適に用いることができる。
かかる電解銅めっきでは、ピンホール100の底面のみに給電層としてのモリブデン層12が露出又は露出しているに等しいため、銅がピンホール100の底面側から選択的に析出する。所定厚さの銅充填層がピンホール100内に形成されたとき、電解銅めっきを終了する。
次いで、電解銅めっき液21から取り出して水洗したハーフセルHを、電解インジウムめっき液に浸漬し、基板10の一面側に形成したモリブデン層12を陰極とすると共に、陽極にインジウム板を用いる電解インジウムめっきを施し、ピンホール100内に形成した銅充填層上に選択的にインジウムを析出してインジウム充填層を形成する。この電解インジウムめっき液としては、硫酸インジウム九水和物[In2(SO4)3・9H2O]が添加された電解インジウムめっき液を好適に用いることができる。
かかる電解インジウムめっきでは、ピンホール100の底面側に充填された銅充填層が、給電層としてのモリブデン層12に電気的に接続されているため、インジウムが銅充填層の上面側から選択的に析出する。所定厚さのインジウム充填層が銅充填層上に形成され、ピンホール100が銅充填層とインジウム充填層とによって充填されたとき、電解インジウムめっきを終了する。
尚、この説明では、ピンホール100内に銅充填層を形成した後、インジウム充填層を形成してピンホール100を充填しているが、ピンホール100内にインジウム充填層を形成した後、銅充填層を形成してピンホール100を充填してもよい。
この様に、p型半導体層14のピンホール100を充填する銅充填層とインジウム充填層とに、硫化水素雰囲気中で加熱処理して硫化処理を施すことによって、図2に示す様に、CuInS2から成る半導体層24によってピンホール100内を充填できる。
p型半導体層14に形成された多数の微細なピンホール100の各々に、CuInS2から成る半導体層24が形成されたハ−フセルHには、図7(c)に示す様に、p型半導体層14上にCdSから成るn型半導体層16を形成する。かかるn型半導体層16は、ヨウ化カドミニウム、NH3水溶液及びヨウ化アンモニウムを混合した液にハーフセルHを浸漬し、加温して所定温度に到達したところでチオ尿素を添加し、更に所定温度に加熱して所定時間保持することによって形成できる。
更に、n型半導体層16上に、図7(d)に示す様に、AlがドープされたZnOから成る透明電極18を形成した後、透明電極18上に、アルミニウムによって櫛形電極20を形成して太陽電池を得ることができる。
これまでの説明では、p型半導体層14に形成されたピンホール100を、p型半導体層14を形成する組成と同一組成の半導体層24によって充填しているが、p型半導体層14を形成する組成と異なる組成の半導体層で充填してもよい。
例えば、基板10にCuInS2から成るp型半導体層14を形成した図8に示すハーフセルHを、電解インジウムめっき液に浸漬し、基板10の一面側に形成したモリブデン層12を陰極とすると共に、陽極にインジウム板を用いる電解インジウムめっきを施し、ピンホール100内に選択的にインジウムを析出し、ピンホール100をインジウム充填層によって充填する。
次いで、ピンホール100を充填するインジウム充填層に、硫化水素雰囲気中で加熱処理して硫化処理を施すことによって、硫化インジウム(In-S)から成る半導体層によってピンホール100内を充填できる。
この様に、ピンホール100を、p型半導体層14を形成する組成と異なる組成の半導体層で充填することによって、最終的に得られる太陽電池の変換効率を向上できる。
ここで、p型半導体層14のピンホール100に充填するインジウムに代えて、亜鉛、インジウム・亜鉛合金を充填することもできる。ピンホール100内に亜鉛を充填した場合には、硫化処理によって硫化亜鉛(Zn-S)から成る半導体層をピンホール100内に形成でき、ピンホール100内にインジウム・亜鉛合金を充填した場合には、硫化処理によって硫化インジウム・亜鉛(In-Zn-S)から成る半導体層をピンホール100内に形成できる。
尚、ピンホール100を充填する半導体層は、p型半導体層でなくてもよく、n型半導体層であってもよい。
また、p型半導体層14に形成されたピンホール100を、電解めっきによって電気絶縁性材料を充填することによっても、最終的に得られる太陽電池の変換効率を向上できる。かかる電気絶縁性材料としては、電気絶縁性の金属酸化物、好ましくは酸化亜鉛又は酸化コバルトを好適に用いることができる。
p型半導体層14のピンホール100内への電気絶縁性材料の電解めっきによる充填は、電解めっきによって行う。例えば、電気絶縁性材料としての酸化亜鉛をピンホール100に充填する場合には、基板10にCuInS2から成るp型半導体層14を形成した図8に示すハーフセルHを、硝酸亜鉛六水和物が溶解された電解酸化亜鉛めっき液に浸漬し、基板10の一面側に形成したモリブデン層12を陰極とすると共に、陽極に白金板を用いる電解酸化亜鉛めっきを施すことによって、ピンホール100内に選択的に酸化亜鉛を析出し、ピンホール100を酸化亜鉛充填層によって充填できる。
この様に、p型半導体層14の多数個の微細なピンホール100内に電気絶縁性材料を充填することによっても、p型半導体層14に形成されたピンホール100に因る、電極間ショートを防止でき、最終的に得られた太陽電池の変換効率を向上できる。
以上の説明では、インジウム層13と銅層15とから成る金属膜に硫化処理を施してCuInS2から成るp型半導体層14を形成しているが、インジウム層13と銅層15とから成る金属膜にセレン化処理を施してCuInSe2から成るp型半導体層14を形成してもよい。このセレン化処理には、セレン化水素ガスを好適に用いることができる。
青板ガラスから成る基板10の一面側にスパッタ法により、電極膜としての厚さ1μmのモリブデン層12を形成した。このモリブデン層12上に、蒸着法によってインジウム層13と銅層15と形成した。このインジウム層13と銅層15とは、銅/インジウム原子組成比が1.6となるように厚さを調整した。このため、インジウム層13の厚さを0.7μmとし、銅層15の厚さを0.5μmとした。
かかるインジウム層13及び銅層15には、基板10ごと硫化水素雰囲気の電気炉内に120分間載置して硫化処理を施した。この硫化処理では、硫化水素雰囲気の温度を550℃に保持した。
かかる硫化処理によって、基板10の一面側に形成されたモリブデン層12上にCuInS2から成るp型半導体層14を形成する。
但し、硫化処理直後のp型半導体層14には、硫酸銅等の銅の硫化物が不純物として混在するため、KCN水溶液によってp型半導体層14を洗浄し、高純度なCuInS2から成るp型半導体層14を形成した。
この様に、基板10の一面側に形成されたモリブデン層12上に高純度のCuInS2から成るp型半導体層14を形成して成るハーフセルHには、直径1μm程度の微細なピンホール100がp型半導体層14に多数形成されていた。
次いで、ハーフセルHを電解銅めっき液21に浸漬し、基板10の一面側に形成したモリブデン層12を陰極とすると共に、陽極22に銅板を用いる電解銅めっきを施した。この電解銅めっきでは、電解銅めっき液21として、硫酸銅五水和物(CuSO4・5H2O)が50〜250g/リットル溶解されている電解銅めっき液を用い、陰極としてのモリブデン層12と陽極22との間に、2Vの電圧を2分間印加して、ピンホール100の底部側に厚さ0.3μmの銅充填層を形成した。
更に、電解銅めっき液から取り出し洗浄したハーフセルHを、電解インジウムめっき液に浸漬し、基板10の一面側に形成したモリブデン層12を陰極とすると共に、陽極にインジウム板を用いる電解インジウムめっきを施した。この電解インジウムめっきでは、電解インジウムめっき液として、硫酸インジウム九水和物[In2(SO4)3・9H2O]が添加された電解インジウムめっき液を用い、陰極としてのモリブデン層12と陽極22との間に、2Vの電圧を10分間印加して、ピンホール100の底部側に形成した銅充填層上に、厚さ0.7μmのインジウム充填層を形成した。
形成した銅充填層及びインジウム充填層によって、p型半導体層14のピンホール100を充填でき、銅充填層及びインジウム充填層の銅/インジウム原子組成比は1.0であった。
p型半導体層14のピンホール100に充填された銅充填層及びインジウム充填層に硫化処理を施すべく、ハーフセルHを、硫化水素雰囲気の電気炉内に60分間載置して硫化処理を施した。この硫化処理では、硫化水素雰囲気の温度を550℃に保持した。
かかる硫化処理によって、p型半導体層14のピンホール100をCuInS2から成る半導体層によって充填できる。
その後、p型半導体層14上にCdSから成る80nmのn型半導体層16を形成する。かかるn型半導体層16は、ヨウ化カドミニウム、NH3水溶液及びヨウ化アンモニウムを混合した液にハーフセルHを浸漬し、加温して約40℃に到達したところでチオ尿素を添加し、更に80℃に加熱して5分間保持することによって形成できる。
更に、n型半導体層16上に、AlがドープされたZnOから成る透明電極18を形成した後、透明電極18上に、アルミニウムによって櫛形電極20を形成して太陽電池を得た。
比較例として、実施例1において、p型半導体層14に形成された多数の微細なピンホール100を充填することなくn型半導体層16を形成した他は、実施例1と同様にして太陽電池を作成した。
実施例1で得た太陽電池と比較例で得た太陽電池との各々について、照射光強度がAM1.5で測定したI-V特性を図3に示す。この図3のI-V特性を示すグラフの縦軸の電流密度は、セル面積1cm2当りの発電電流量を表す。
図3から明らかな様に、実施例1の太陽電池の発電量は、p型半導体層14のピンホール100を充填することなくn型半導体層16を形成した比較例の太陽電池に比較して増加されており、実施例1の太陽電池の変換効率も、比較例の太陽電池よりも向上されている。
実施例1と同様にしてハーフセルHを形成した。このハーフセルHを構成するp型半導体層14に形成された多数の微細なピンホール100を充填する際に、ハーフセルHを電解インジウムめっき液に浸漬し、基板10の一面側に形成したモリブデン層12を陰極とすると共に、陽極にインジウム板を用いる電解インジウムめっきを施した。この電解インジウムめっきでは、電解インジウムめっき液として、硫酸インジウム九水和物[In2(SO4)3・9H2O]が添加された電解インジウムめっき液を用い、陰極としてのモリブデン層12と陽極22との間に、2Vの電圧を10分間印加して、ピンホール100をインジウム充填層のみによって充填した。
更に、p型半導体層14のピンホール100に充填したインジウム充填層に硫化処理を施すべく、ハーフセルHを、硫化水素雰囲気の電気炉内に30分間載置して硫化処理を施した。この硫化処理では、硫化水素雰囲気の温度を550℃に保持した。
かかる硫化処理によって、p型半導体層14のピンホール100をIn-Sから成る半導体層によって充填できる。
その後、p型半導体層14上にCdSから成る80nmのn型半導体層16を形成する。かかるn型半導体層16は、ヨウ化カドミニウム、NH3水溶液及びヨウ化アンモニウムを混合した液にハーフセルHを浸漬し、加温して約40℃に到達したところでチオ尿素を添加し、更に80℃に加熱して5分間保持することによって形成できる。
更に、n型半導体層16上に、AlがドープされたZnOから成る透明電極18を形成した後、透明電極18上に、アルミニウムによって櫛形電極20を形成して太陽電池を得た。
比較例として、実施例2において、p型半導体層14に形成された多数の微細なピンホール100を充填することなくn型半導体層16を形成した他は、実施例2と同様にして太陽電池を作成した。
実施例2で得た太陽電池と比較例で得た太陽電池との各々について、照射光強度がAM1.5で測定したI-V特性を図4に示す。この図4のI-V特性を示すグラフの縦軸の電流密度は、セル面積1cm2当りの発電電流量を表す。
図4から明らかな様に、実施例2の太陽電池の発電量は、p型半導体層14のピンホール100を充填することなくn型半導体層16を形成した比較例の太陽電池に比較して増加されており、実施例2の太陽電池の変換効率も、比較例の太陽電池よりも向上されている。
実施例1と同様にしてハーフセルHを形成した。このハーフセルHを構成するp型半導体層14に形成された多数の微細なピンホール100を充填する際に、ハーフセルHを電解酸化亜鉛めっき液に浸漬し、基板10の一面側に形成したモリブデン層12を陰極とすると共に、陽極に白金板を用いる電解酸化亜鉛めっきを施すことによって、ピンホール100内に選択的に酸化亜鉛を析出し、ピンホール100を酸化亜鉛充填層によって充填する。
かかる電解酸化亜鉛めっきでは、電解酸化亜鉛めっき液として、硝酸亜鉛六水和物(0.1mol/リットル)及び硝酸ナトリウム(0.1mol/リットル)が溶解されているめっき液を用い、めっき液を60℃に保持しつつ、定電位電解法により電位−1.0Vvs.SCEで5分間の電解めっきを行った。
次いで、p型半導体層14上にCdSから成る80nmのn型半導体層16を形成する。かかるn型半導体層16は、ヨウ化カドミニウム、NH3水溶液及びヨウ化アンモニウムを混合した液にハーフセルHを浸漬し、加温して約40℃に到達したところでチオ尿素を添加し、更に80℃に加熱して5分間保持することによって形成できる。
更に、n型半導体層16上に、AlがドープされたZnOから成る透明電極18を形成した後、透明電極18上に、アルミニウムによって櫛形電極20を形成して太陽電池を得た。
比較例として、実施例3において、p型半導体層14に形成された多数の微細なピンホール100を充填することなくn型半導体層16を形成した他は、実施例3と同様にして太陽電池を作成した。
実施例3で得た太陽電池と比較例で得た太陽電池との各々について、照射光強度がAM1.5で測定したI-V特性を図4に示す。この図4のI-V特性を示すグラフの縦軸の電流密度は、セル面積1cm2当りの発電電流量を表す。
図4から明らかな様に、実施例3の太陽電池の発電量は、p型半導体層14のピンホール100を充填することなくn型半導体層16を形成した比較例の太陽電池に比較して増加されており、実施例2の太陽電池の変換効率も、比較例の太陽電池よりも向上されている。
ハーフセルHに電解めっきを施すめっき装置の概略図である。 ハーフセルHのp型半導体層14に形成されたピンホール100内に充填された充填物に硫化処理を施した状態を説明する説明図である。 本発明に係る方法で得られた化合物半導体太陽電池のI-V特性を示すグラフである。 本発明に係る他の方法で得られた化合物半導体太陽電池のI-V特性を示すグラフである。 本発明に係る他の方法で得られた化合物半導体太陽電池のI-V特性を示すグラフである。 化合物半導体太陽電池の構造を説明する説明図である。 従来の化合物半導体太陽電池の製造工程を説明する説明図である。 図7に示す製造工程において、p型半導体層にKCN処理を施して得たハーフセルを説明する概略断面図である。
符号の説明
10 基板
12 モリブデン層
13 インジウム層
14 p型半導体層
15 銅層
16 n型半導体層
18 透明電極
20 櫛形電極
21 電解めっき液
22 陽極
24 半導体層
100 ピンホール
H ハーフセル

Claims (8)

  1. 基板の一面側に形成した電極膜上に、p型半導体層とn型半導体層とを順次形成して化合物半導体太陽電池を製造する際に、
    該基板の電極膜上に形成した金属膜に硫化処理又はセレン化処理を施して得た硫化物又はセレン化物から成るp型半導体層に、KCN溶液で洗浄して硫化物中の不純物を除去するKCN処理を施し、
    次いで、前記電極膜を給電層とする電解めっきをp型半導体層に施して、前記p型半導体層に形成されたピンホール内に金属を充填して形成した充填金属層を、硫化処理によって半導体層とした後、
    前記p型半導体層上にn型半導体層を形成することを特徴とする化合物半導体太陽電池の製造方法。
  2. p型半導体層を、基板の一面側に形成した電極膜上に積層したインジウム層と銅層とから成る金属膜に硫化処理を施して得た、CuInS2から成るp型半導体層とする請求項1記載の化合物半導体太陽電池の製造方法。
  3. p型半導体層に形成されたピンホール内に電解めっきによって金属を選択的に充填する際に、電解インジウムめっきで形成したインジウム充填層と電解銅めっきで形成した銅充填層とによって前記ピンホールを充填した後、前記インジウム充填層と銅充填層とに硫化処理を施す請求項2記載の化合物半導体太陽電池の製造方法。
  4. p型半導体層に形成されたピンホール内に金属を選択的に充填する電解めっきとして、電解インジウムめっきを採用し、前記ピンホール内に充填したインジウム充填層に硫化処理を施す請求項2記載の化合物半導体太陽電池の製造方法。
  5. 基板の一面側に形成した電極膜上に、p型半導体層とn型半導体層とを順次形成して化合物半導体太陽電池を製造する際に、
    該基板の電極膜上に形成した金属膜に硫化処理又はセレン化処理を施して得た硫化物又はセレン化物から成るp型半導体層に、KCN溶液で洗浄して硫化物中の不純物を除去するKCN処理を施し、
    次いで、前記電極膜を給電層とする電解めっきをp型半導体層に施し、前記p型半導体層に形成されたピンホール内に電気絶縁性材料を充填した後、
    前記p型半導体層上にn型半導体層を形成することを特徴とする化合物半導体太陽電池の製造方法。
  6. p型半導体層として、基板の一面側に形成した電極膜上に積層したインジウム層と銅層とから成る金属膜に硫化処理を施して得た、CuInS2から成るp型半導体層を形成する請求項5記載の化合物半導体太陽電池の製造方法。
  7. 電気絶縁性材料として、電気絶縁性の金属酸化物を用いる請求項5又は請求項6記載の化合物半導体太陽電池の製造方法。
  8. 電気絶縁性材料として、電気絶縁性の金属酸化物である酸化亜鉛又は酸化コバルトを用いる請求項5〜7のいずれか一項記載の化合物半導体太陽電池の製造方法。
JP2003302940A 2003-08-27 2003-08-27 化合物半導体太陽電池の製造方法 Pending JP2005072459A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003302940A JP2005072459A (ja) 2003-08-27 2003-08-27 化合物半導体太陽電池の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003302940A JP2005072459A (ja) 2003-08-27 2003-08-27 化合物半導体太陽電池の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005072459A true JP2005072459A (ja) 2005-03-17

Family

ID=34407071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003302940A Pending JP2005072459A (ja) 2003-08-27 2003-08-27 化合物半導体太陽電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005072459A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015177177A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 シャープ株式会社 化合物半導体太陽電池セルおよび化合物半導体太陽電池セルの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015177177A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 シャープ株式会社 化合物半導体太陽電池セルおよび化合物半導体太陽電池セルの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhang et al. Recent Advances in Photoelectrochemical Applications of Silicon Materials for Solar‐to‐Chemicals Conversion
Sun et al. Dye-sensitized solar cells with NiS counter electrodes electrodeposited by a potential reversal technique
Scragg et al. A 3.2% efficient Kesterite device from electrodeposited stacked elemental layers
Young et al. Photo-assisted water oxidation with cobalt-based catalyst formed from thin-film cobalt metal on silicon photoanodes
JP5065592B2 (ja) ヘテロ接合光電池
US20030230338A1 (en) Thin film solar cell configuration and fabrication method
Wu et al. Enhancing photoelectrochemical activity with three-dimensional p-CuO/n-ZnO junction photocathodes
US4267398A (en) Thin film photovoltaic cells
Charles et al. Electrodeposition of organic–inorganic tri-halide perovskites solar cell
Zhou et al. Copper selenide (Cu 3 Se 2 and Cu 2− x Se) thin films: electrochemical deposition and electrocatalytic application in quantum dot-sensitized solar cells
Rohom et al. Rapid thermal processed CuInSe2 layers prepared by electrochemical route for photovoltaic applications
JP2015508239A (ja) 化合物半導体太陽電池
Lee et al. Preparation of nickel selenide by pulsed-voltage electrodeposition and its application as a highly-efficient electrocatalyst at counter electrodes of quantum-dot sensitized solar cells
Yae et al. Solar to chemical conversion using metal nanoparticle modified microcrystalline silicon thin film photoelectrode
Gerrard et al. A stable photo-electrochemical solar cell employing a CdSe photoanode
US20130244092A1 (en) Electrode material for battery, electrode material paste for battery, and solar cell using same, storage battery, and method for manufacturing solar cell
CN104947165B (zh) 一种氟掺杂的n型氧化亚铜半导体薄膜的制备方法
JP2003258278A (ja) 光電変換装置及びその製造方法
CN105140335A (zh) 在透明导电基底上一步制备铜锌锡硫薄膜的方法
Sasano et al. Pulse electrodeposition of CuO thin films to improve crystallinity for the enhancement of photoelectrochemical response
JP2002141115A (ja) 光電変換装置、その製造方法及び太陽電池システム
JP2005072459A (ja) 化合物半導体太陽電池の製造方法
CN113611774A (zh) 一种钝化接触电池的电极金属化方法及电池、组件和系统
Fu et al. Facile fabrication of efficient, low-cost Cu2ZnSnSe4 cathode for highly-performance dye-sensitized solar cells
CN103003475B (zh) 制备适用于光伏电池的吸收薄膜的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090519

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090929