JP2005071122A - システム設計支援装置及びその方法ならびにプログラム - Google Patents

システム設計支援装置及びその方法ならびにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 システムの環境負荷を低減するのに役立つ設計事例を設計者に提供する。
【解決手段】 設計事例記憶部1022は、旧システムから新システムへの設計事例を複数記憶する。入力装置103は、現状システムから発生する環境負荷を複数の評価カテゴリ毎に算出するためのデータを設計者から入力する。評価部1013は、入力されたデータに基づいて現状システムから発生する複数の評価カテゴリ毎の環境負荷を算出する。事例検索部1012は、設計事例毎に、その設計事例における旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合と現状システムの各評価カテゴリ毎の環境負荷の発生割合とから現状システムに対する環境負荷の削減度の指標となる値を計算し、その指標の値の大きい順に設計事例記憶部1022から設計事例を抽出して出力装置104に出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、システムの設計を支援する装置と方法に関し、特に環境負荷のより低いシステムを設計するのに役立つ事例を、過去の設計事例から抽出して設計者に提供するシステム設計支援装置及びその方法に関する。
地球環境の保全などの観点から、より環境負荷の低い製品の開発が求められるようになってきた。このような開発を支援する装置の一種に、環境負荷の低減を図った過去の設計事例をデータベースに蓄積しておき、改善しようとするシステムに役立つ設計事例をデータベースから抽出して設計者に提供する設計支援装置がある。
このような設計支援装置の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された設計支援装置では、設計対象商品について、商品ライフサイクルコスト、環境影響度、仕様実現度および商品総合評価指数からなる評価結果を求め、比較対象商品(他社の製品や既存の製品など)の評価結果と比較評価し、設計対象商品に関する設計情報のうち評価値に悪影響を及ぼしている因子(設計項目等)を特定する。そして、商品総合評価指数を改善する設計観点および事例を設計事例データベースで検索し、上記特定した因子の改善方策および当該因子と相反する作用を持つ因子の改善方策を求め、商品総合評価指数、設計観点、変更事例を設計案として設計者に提示する。特許文献1に記載された設計支援装置と類似する装置は、特許文献2にも記載されている。
特開2002−251416号公報 特開平11−288427号公報
上述した従来技術による設計支援装置は、設計対象商品に関する設計情報のうち評価値に悪影響を及ぼしている因子の改善方策にかかる事例を設計者に提示するものである。これは、特に環境負荷の大きな部品や素材を他のものに置き換えるような部分的な設計変更の支援を目的としたものであり、システム全体の設計支援には不向きである。システム全体を改善できるような設計を支援するためには、システムの部品となる各要素毎の設計事例を個別に提供するのではなく、システム全体の改善事例を提供する必要があるからである。
本発明の目的は、システム全体の環境負荷を低減するのに役立つ設計事例を設計者に提供することのできるシステム設計支援装置および方法を提供することにある。
本発明の第1のシステム設計支援装置は、旧システムから新システムへの設計事例を複数記憶する記憶装置と、現状システムから発生する環境負荷を複数の評価カテゴリ毎に算出するためのデータを入力する入力装置と、入力されたデータに基づいて、現状システムから発生する環境負荷を改善するシステムの設計に参考となる設計事例を前記記憶装置から検索する処理装置と、検索された設計事例を出力する出力装置とを備える。
本発明の第2のシステム設計支援装置は、第1のシステム設計支援装置において、前記処理装置は、前記入力装置から入力されたデータに基づいて現状システムから発生する複数の評価カテゴリ毎の環境負荷を算出する評価手段と、前記評価手段によって算出された現状システムの環境負荷を効率的に削減できる設計事例を前記記憶装置から検索する事例検索手段とを含んで構成される。
本発明の第3のシステム設計支援装置は、第2のシステム設計支援装置において、前記事例検索手段は、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合と現状システムの各評価カテゴリ毎の環境負荷の発生割合とから現状システムに対する環境負荷の削減度の指標となる値を計算する削減度指標計算手段と、削減度の指標となる値の大きい順に前記記憶装置から設計事例を抽出する抽出手段とを含んで構成される。
本発明の第4のシステム設計支援装置は、第1のシステム設計支援装置において、前記処理装置は、前記入力装置から入力されたデータに基づいて前記現状システムと類似する旧システムを含む設計事例を前記記憶装置から検索する事例検索手段を含んで構成される。
本発明の第5のシステム設計支援装置は、第4のシステム設計支援装置において、前記事例検索手段は、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムと現状システムとの類似度の指標となる値を計算する類似度指標計算手段と、類似度の指標となる値の大きい順に前記記憶装置から設計事例を抽出する抽出手段とを含んで構成される。
本発明の第6のシステム設計支援装置は、第1のシステム設計支援装置において、前記処理装置は、前記入力装置から入力されたデータに基づいて現状システムから発生する複数の評価カテゴリ毎の環境負荷を算出する評価手段と、前記評価手段によって算出された現状システムの環境負荷を効率的に削減でき且つ前記現状システムと類似する旧システムを含む設計事例を前記記憶装置から検索する事例検索手段とを含んで構成される。
本発明の第7のシステム設計支援装置は、第6のシステム設計支援装置において、前記事例検索手段は、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合と現状システムの各評価カテゴリ毎の環境負荷の発生割合とから現状システムに対する環境負荷の削減度の指標となる値を計算する削減度指標計算手段と、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムと現状システムとの類似度の指標となる値を計算する類似度指標計算手段と、前記計算された削減度の指標と類似度の指標とを統合した指標の値の大きい順に前記記憶装置から設計事例を抽出する抽出手段とを含んで構成される。
本発明の第8のシステム設計支援装置は、第3または第7のシステム設計支援装置において、前記削減度指標計算手段は、各設計事例における旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合を、設計事例の一部として前記記憶装置に保存されている旧システムから発生する各評価カテゴリ毎の環境負荷と旧システムから新システムへ移行したときの各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減量とから求めるように構成される。
本発明の第9のシステム設計支援装置は、第3または第7のシステム設計支援装置において、前記削減度指標計算手段は、各設計事例における旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合として、設計事例の一部として前記記憶装置に保存されている旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合を用いるように構成される。
本発明の第10のシステム設計支援装置は、第5または第7のシステム設計支援装置において、前記類似度指標計算手段は、現状システムから発生する環境負荷を算出するために前記入力装置から入力された各評価カテゴリ毎のデータレコード数と、前記旧システムから発生する環境負荷を算出するために設計事例の一部として前記記憶装置に保存されている各評価カテゴリ毎のデータレコード数とを各評価カテゴリ毎に比較して、前記類似度の指標の値を算出するように構成される。
本発明の第11のシステム設計支援装置は、第10のシステム設計支援装置において、前記類似度指標計算手段は、特定の評価カテゴリに含まれるデータレコードを、レコードの所定フィールドの値が予め定められた範囲にあるか若しくはレコードの所定フィールドに入力された文字列がグループ判定用の文字列と部分一致あるいは完全一致するかどうかを基準に複数のレコードグループに分類し、分類された各レコードグループをそれぞれ独立した評価カテゴリとして扱って前記類似度の指標の値を算出するように構成される。
本発明の第12のシステム設計支援装置は、第5または第7のシステム設計支援装置において、前記類似度指標計算手段は、現状システムから発生する環境負荷を算出するために前記入力装置から入力された各評価カテゴリ毎のデータレコードおよび前記旧システムから発生する環境負荷を算出するために設計事例の一部として前記記憶装置に保存されている各評価カテゴリ毎のデータレコードに入力された数値データを用いて演算を行い、その演算結果を評価カテゴリ毎に合計した値を現状システムと旧システムで比較することで前記類似度の指標を算出するように構成される。
本発明の第13のシステム設計支援装置は、第5または第7のシステム設計支援装置において、前記類似度指標計算手段は、現状システムから発生する環境負荷を算出するために前記入力装置から入力された各評価カテゴリ毎のデータレコード数と、前記旧システムから発生する環境負荷を算出するために設計事例の一部として前記記憶装置に保存されている各評価カテゴリ毎のデータレコード数とを各評価カテゴリ毎に比較して第1の指標の値を算出するか、あるいは、特定の評価カテゴリに含まれるデータレコードを、レコードの所定フィールドの値が予め定められた範囲にあるか若しくはレコードの所定フィールドに入力された文字列がグループ判定用の文字列と部分一致あるいは完全一致するかどうかを判定して複数のレコードグループに分類し、分類された各レコードグループをそれぞれ独立した評価カテゴリとして扱って第1の指標の値を算出し、且つ、現状システムから発生する環境負荷を算出するために前記入力装置から入力された各評価カテゴリ毎のデータレコードおよび前記旧システムから発生する環境負荷を算出するために設計事例の一部として前記記憶装置に保存されている各評価カテゴリ毎のデータレコードに入力された数値データを用いて演算を行い、その演算結果を評価カテゴリ毎に合計した値を現状システムと旧システムで比較することで第2の指標を算出し、前記第1の指標の値と前記第2の指標の値を重み付け加算して、前記類似度の指標を算出するように構成される。
本発明の第14のシステム設計支援装置は、第1乃至第13のシステム設計支援装置において、前記処理装置は、旧システムから新システムへの設計事例を前記記憶装置に登録する事例登録手段を備えている。
他方、本発明の第1のシステム設計支援方法は、a)処理装置が、入力装置から入力された旧システムから新システムへの設計事例を記憶装置に登録するステップ、b)処理装置が、現状システムから発生する環境負荷を複数の評価カテゴリ毎に算出するためのデータを前記入力装置から入力するステップ、c)処理装置が、入力されたデータに基づいて、現状システムから発生する環境負荷を改善するシステムの設計に参考となる設計事例を前記記憶装置から検索するステップ、d)処理装置が、検索された設計事例を出力装置から出力するステップ、を含んでいる。
本発明の第2のシステム設計支援方法は、第1のシステム設計支援方法において、前記ステップcは、c−1)処理装置が、前記入力装置から入力されたデータに基づいて現状システムから発生する複数の評価カテゴリ毎の環境負荷を算出するステップ、c−2)処理装置が、前記算出された現状システムの環境負荷を効率的に削減できる設計事例を前記記憶装置から検索するステップ、を含んでいる。
本発明の第3のシステム設計支援方法は、第2のシステム設計支援方法において、前記ステップc−2は、c−2−1)処理装置が、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合と現状システムの各評価カテゴリ毎の環境負荷の発生割合とから現状システムに対する環境負荷の削減度の指標となる値を計算するステップ、c−2−2)処理装置が、削減度の指標となる値の大きい順に前記記憶装置から設計事例を抽出するステップ、を含んでいる。
本発明の第4のシステム設計支援方法は、第1のシステム設計支援方法において、前記ステップcは、c−1)処理装置が、前記入力装置から入力されたデータに基づいて前記現状システムと類似する旧システムを含む設計事例を前記記憶装置から検索するステップ、
を含んでいる。
本発明の第5のシステム設計支援方法は、第4のシステム設計支援方法において、前記ステップc−1は、c−1−1)処理装置が、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムと現状システムとの類似度の指標となる値を計算するステップ、c−1−2)処理装置が、類似度の指標となる値の大きい順に前記記憶装置から設計事例を抽出するステップ、を含んでいる。
本発明の第6のシステム設計支援方法は、第1のシステム設計支援方法において、前記ステップcは、c−1)処理装置が、前記入力装置から入力されたデータに基づいて現状システムから発生する複数の評価カテゴリ毎の環境負荷を算出するステップ、c−2)処理装置が、前記算出された現状システムの環境負荷を効率的に削減でき且つ前記現状システムと類似する旧システムを含む設計事例を前記記憶装置から検索するステップ、を含んでいる。
本発明の第7のシステム設計支援方法は、第6のシステム設計支援方法において、前記ステップc−2は、c−2−1)処理装置が、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合と現状システムの各評価カテゴリ毎の環境負荷の発生割合とから現状システムに対する環境負荷の削減度の指標となる値を計算するステップ、c−2−2)処理装置が、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムと現状システムとの類似度の指標となる値を計算するステップ、c−2−3)処理装置が、前記計算された削減度の指標と類似度の指標とを統合した指標の値の大きい順に前記記憶装置から設計事例を抽出するステップ、を含んでいる。
本発明にあっては、現状システムの環境負荷を効率的に削減できる設計事例、現状システムと類似する旧システムを改善した設計事例、現状システムの環境負荷を効率的に削減でき且つ旧システムが現状システムに類似している設計事例など、現状システムから発生する環境負荷を改善するシステムの設計に参考となる設計事例を設計者に対して提供することができる。
先ず、本発明の実施の形態において用いる情報システムの環境負荷の評価手法について説明する。
本発明の実施の形態においては、情報システムの環境負荷として、情報システムの運用段階における二酸化炭素(CO2)の排出量のみを扱う。また、CO2の排出量は、以下の7つの評価カテゴリ毎に評価する。
(1)機器の使用
(2)紙の使用
(3)人の移動
(4)物の移動
(5)保管在庫
(6)廃棄在庫
(7)ネットワークの利用
「機器の使用」は、情報システムを構成する機器の電力消費によって発生するCO2排出量を評価するカテゴリであり、次式で計算される。
機器の電力消費によって発生するCO2排出量[t]
=Σ(消費電力[W]×使用時間[h]×台数×電気のCO2排出原単位[t/Wh]) …(1)
ここで、台数は同じ種類の機器の総数であり、Σは全ての種類の機器のCO2排出量を総和する意味である。機器としては、サーバ、パソコン、プリンタ、ファックス等がある。
「紙の使用」は、情報システムの情報紙の使用によって発生するCO2排出量を評価するカテゴリであり、次式で計算される。
情報紙の使用によって発生するCO2排出量[t]
=Σ(使用枚数×用紙サイズのCO2排出原単位[t/枚]) …(2)
ここで、用紙サイズはA4サイズなどを意味し、Σは全ての種類の用紙サイズのCO2排出量を総和する意味である。用紙としては、伝票用紙、ファックス用紙等がある。
「人の移動」は、情報システムの保守などのために人が移動することによって発生するCO2排出量を評価するカテゴリであり、次式で計算される。
人の移動によって発生するCO2排出量[t]
=Σ(移動距離[km/回]×移動回数×移動手段のCO2排出原単位[t/km]) …(3)
ここで、移動手段は自動車などを意味し、Σは全ての種類の移動手段のCO2排出量を総和する意味である。
「物の移動」は、情報システムの運用段階における物品の輸送によって発生するCO2排出量を評価するカテゴリであり、次式で計算される。
物の移動によって発生するCO2排出量[t]
=Σ(輸送距離[km/回]×輸送回数×寸法[m3]÷輸送手段の積載量[m3]×輸送手段のCO2排出原単位[t/km]) …(4)
ここで、輸送手段は自動車などを意味し、Σは全ての種類の輸送手段のCO2排出量を総和する意味である。
「保管在庫」は、情報システムの運用段階における保管在庫によって発生するCO2排出量を評価するカテゴリであり、次式で計算される。
保管在庫によって発生するCO2排出量[t]
=Σ(保管場所消費エネルギー[Wh/m2]×保管場所面積[m2]×保管期間[月]÷12×電気のCO2排出原単位[t/km]) …(5)
「廃棄在庫」は、情報システムの運用段階における廃棄在庫によって発生するCO2排出量を評価するカテゴリであり、次式で計算される。
廃棄在庫によって発生するCO2排出量[t]
=Σ(廃棄量×在庫分類のCO2排出原単位[t/km]) …(6)
「ネットワークの利用」は、情報システムのサーバ管理やファックス使用等のために利用されるネットワークサービスによって発生するCO2排出量を評価するカテゴリであり、次式で計算される。
ネットワーク利用によって発生するCO2排出量[t]
=Σ(サービス利用量×サービス種別のCO2排出原単位[t/km]) …(7)
ここで、サービス種別とはIP接続や公衆電話などがある。
上記の7つの評価カテゴリは、本願の発明者が数十件の情報システムの環境負荷評価を実施する過程で、CO2排出に大きな影響を与えるカテゴリを経験的に抽出したものであり、この7つのカテゴリのCO2排出を把握すれば、情報システムの運用段階におけるCO2排出の大半を把握することが可能である。
[第1の実施の形態]
次に本発明のシステム設計支援装置の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置100は、処理装置101、記憶装置102、入力装置103、出力装置104および記録媒体105から構成されている。
入力装置103はキーボードやマウスなどで構成され、出力装置104はディスプレイやプリンタなどで構成される。これらは、処理装置101に接続され、利用者からの指示やデータを処理装置101に伝達し、また処理装置101で得られた処理結果などを利用者に提示するために使用される。
記憶装置102はコンピュータの外部記憶装置(磁気ディスク等)で構成され、評価係数記憶部1021と設計事例記憶部1022とを備えている。評価係数記憶部1021は、情報システムから発生する環境負荷を計算する際に使用する評価係数を予め記憶している。本実施の形態の場合、前述した各評価カテゴリ毎の環境負荷の計算式(1)〜(7)におけるCO2排出原単位、つまり単位消費電力あたりのCO2排出量、紙のサイズ別のCO2排出量、移動手段別のCO2排出量などを記憶している。図2に評価係数記憶部1021の記憶内容の一例を示す。
記憶装置102の設計事例記憶部1022は、過去の設計事例を記憶する部分である。図3を参照すると、設計事例記憶部1022には、環境負荷の低減を目的として設計された過去の設計事例1022Aが複数蓄積される。個々の設計事例1022Aは、評価情報1022Bと設計情報1022Cとから構成される。
評価情報1022Bは、システム識別情報1022D、旧システム環境負荷データ1022E、新システム環境負荷データ1022Fおよび評価結果1022Gから構成される。システム識別情報1022Dには、情報システムの名称や開発に要した期間などの情報が含まれる。旧システム環境負荷データ1022Eには、改善前のシステムである旧システムの各評価カテゴリ毎の環境負荷を計算するために設計者から入力されたデータが記録され、新システム環境負荷データ1022Fには、改善後のシステムである新システムの各評価カテゴリ毎の環境負荷を計算するために設計者から入力されたデータが記録される。
評価結果1022Gは、旧システムCO2排出量1022H、新システムCO2排出量1022Iおよび環境負荷削減量1022Jから構成される。旧システムCO2排出量1022Hには、旧システム環境負荷データ1022Eに記録されたデータと評価係数記憶部1021に記憶された評価係数とを用いて前述した計算式(1)〜(7)によって各評価カテゴリ毎に求められた旧システムのCO2排出量が記録される。新システムCO2排出量1022Iには、新システム環境負荷データ1022Fに記録されたデータと評価係数記憶部1021に記憶された評価係数とを用いて前述した計算式(1)〜(7)によって各評価カテゴリ毎に求められた新システムのCO2排出量が記録される。環境負荷削減量1022Jには、旧システムと新システムの各評価カテゴリ毎のCO2排出量の差、つまりCO2削減量が記録される。
他方、個々の設計事例1022Aにおける設計情報1022Cには、新システムの設計情報が記録される。新システムの設計情報は、例えば各種のドキュメントやソースコードのことである。新システムの設計時に作成されたプロジェクト管理用のドキュメントや、UMLなどのシステムモデリング図法などを用いたシステムモデル、システムを構成する機器の一覧、フローチャート、データフローダイヤグラム、E−R図、要求定義書なども設計情報に含めることができる。
再び図1を参照すると、処理装置101は、設計事例記憶部1022に設計事例1022Aを登録する事例登録部1011と、現状システムの環境負荷を削減するのに役立つ事例を設計事例記憶部1022から検索する事例検索部1012と、事例登録部1011によって設計事例記憶部1022に登録する新旧の情報システムおよび事例検索部1012によって参考事例を抽出しようとする現状システムの環境負荷を計算する評価部1013とを備えている。これらの機能手段1011〜1013は、処理装置101を構成するコンピュータと記録媒体105に記録されたシステム設計支援プログラムとで実現することができる。記録媒体105は、磁気ディスク等のコンピュータ可読記録媒体であり、ここに記録されたシステム設計支援プログラムは、処理装置101を構成するコンピュータの立ち上げ時などに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータ上に事例登録部1011、評価部1012および事例検索部1013の各機能手段を実現する。
事例登録部1011は、入力装置103からのユーザ指示によって起動されると、図4に示す処理を開始する。先ず、事例登録部1011は、今回登録する事例のシステム識別情報を設計者から受け付けて設計事例記憶部1022に保存する(ステップS101)。この処理は、例えば、図5に示すようなシステム識別情報入力画面G101を出力装置104のディスプレイに表示し、設計者からのシステム識別情報を受け付け、設計事例記憶部1022に1つの新たな設計事例1022A用のシステム識別情報1022Dとして保存することで行われる。図5の例では、システムの名称、設計担当者、お客様名および開発期間をシステム識別情報として受け付けており、設計者は、入力装置103を操作して、システムの名称として「A社インターネット販売システム」、設計担当者として「日電太郎」、お客様名として「A社」、開発期間として「2002.3〜2003.5」をそれぞれ入力している。
次に事例登録部1011は、今回の設計事例1022Aを構成する旧システム環境負荷データ1022Eおよび新システム環境負荷データ1022Fを設計者から受け付けて設計事例記憶部1022に保存する(ステップS102)。このステップS102の詳細な動作を図6〜図13を参照して説明する。
事例登録部1011は、先ず、図6に示すようなコマンドメニュー画面G102を出力装置104のディスプレイに表示する。コマンドメニュー画面G102には、7つの評価カテゴリに1対1に対応する選択ボタン「機器電力消費量入力」、「情報紙使用量入力」、「人移動量入力」、「物品輸送量入力」、「ネットワークサービス利用量入力」、「廃棄在庫量入力」、「保管在庫量入力」があり、これらの選択ボタンをマウスでクリックすると、対応する評価カテゴリの環境負荷データを入力する画面に移行し、入力後に再びこのコマンドメニュー画面G102に戻る。また、コマンドメニュー画面G102には、他に選択ボタン「登録」が設けられており、この選択ボタンをクリックすると、次の段階へと処理を進めることができる。なお、必ずしも全ての評価カテゴリについて環境負荷データを入力する必要はなく、考慮する必要のない評価カテゴリに関する環境負荷データは入力を省略できる。例えば、新旧システムとも廃棄在庫を考慮する必要がない場合、廃棄在庫の環境負荷データは入力する必要がない。
図6に示すコマンドメニュー画面G102の「機器電力消費量入力」を選択すると、図7に示す機器電力消費量入力画面G103が出力装置104のディスプレイに表示される。画面の下半分は旧システムの入力部、上半分は旧システムを改善した新システムの入力部であり、各入力部は複数の入力行から構成されている。各入力行は、システムを構成する機器の種類を入力する「項目名」、その種類の機器の消費電力の値を入力する「消費電力(W)」、その種類の機器の総台数を入力する「台数」、それらの機器の1台あたりの平均的な年間使用時間を入力する「使用時間(h/台)」の各入力欄がある。設計者は、これらの入力欄に図示する如く必要なデータを入力していく。画面の下部にある「設定」のボタンをマウスでクリックすると、旧システムの入力行に入力されたデータが、旧システム環境負荷データ1022Eにおける評価カテゴリ「機器の使用」の環境負荷を計算するためのデータとして、設計事例記憶部1022に保存され、新システムの入力行に入力されたデータが、新システム環境負荷データ1022Fにおける評価カテゴリ「機器の使用」の環境負荷を計算するためのデータとして、設計事例記憶部1022に保存される。ここで、1つの入力行が1つのレコードとして記録される。従って、図7の入力例では、旧システム環境負荷データ1022Eにおける評価カテゴリ「機器の使用」の環境負荷を計算するためのデータは4レコード、新システム環境負荷データ1022Fにおける評価カテゴリ「機器の使用」の環境負荷を計算するためのデータは3レコードで構成される。
図6に示すコマンドメニュー画面G102の「情報紙使用量入力」を選択すると、図8に示す情報紙使用量入力画面G104が出力装置104のディスプレイに表示される。画面の下半分は旧システムの入力部、上半分は新システムの入力部であり、各入力部は複数の入力行から構成されている。各入力行は、システムで使う情報紙の種類を入力する「項目名」、その種類の情報紙のサイズを入力する「用紙サイズ」、その種類の情報紙の年間使用量を入力する「使用枚数」の各入力欄がある。用紙サイズの入力欄は、A3、A4、A5、B4、B5などの選択肢から選択入力できる。設計者は、これらの入力欄に図示する如く必要なデータを入力していく。画面の下部にある「設定」のボタンをマウスでクリックすると、旧システムの入力行に入力されたデータが、旧システム環境負荷データ1022Eにおける評価カテゴリ「紙の使用」の環境負荷を計算するためのデータとして、設計事例記憶部1022に保存され、新システムの入力行に入力されたデータが、新システム環境負荷データ1022Fにおける評価カテゴリ「紙の使用」の環境負荷を計算するためのデータとして、設計事例記憶部1022に保存される。ここでも1つの入力行が1つのレコードとして記録される。
図6に示すコマンドメニュー画面G102の「人移動量入力」を選択すると、図9に示す人移動量入力画面G105が出力装置104のディスプレイに表示される。画面の下半分は旧システムの入力部、上半分は新システムの入力部であり、各入力部は複数の入力行から構成されている。各入力行は、人移動の要因を入力する「項目名」、その人移動の方法を入力する「移動手段」、その人移動の1回あたりの移動距離を入力する「移動距離(km/回)」、その人移動の年間あたりの移動回数を入力する「移動回数」の各入力欄がある。移動手段の入力欄は、自動車、航空機、鉄道、バスなどの選択肢から選択入力できる。設計者は、これらの入力欄に図示する如く必要なデータを入力していく。画面の下部にある「設定」のボタンをマウスでクリックすると、旧システムの入力行に入力されたデータが、旧システム環境負荷データ1022Eにおける評価カテゴリ「人の移動」の環境負荷を計算するためのデータとして、設計事例記憶部1022に保存され、新システムの入力行に入力されたデータが、新システム環境負荷データ1022Fにおける評価カテゴリ「人の移動」の環境負荷を計算するためのデータとして、設計事例記憶部1022に保存される。ここでも1つの入力行が1つのレコードとして記録される。
図6に示すコマンドメニュー画面G102の「物品輸送量入力」を選択すると、図10に示す物品輸送量入力画面G106が出力装置104のディスプレイに表示される。画面の下半分は旧システムの入力部、上半分は新システムの入力部であり、各入力部は複数の入力行から構成されている。各入力行は、輸送する物品の種類を入力する「項目名」、その物品を輸送する方法を入力する「輸送手段」、その物品の1回あたりの輸送距離を入力する「輸送距離(km/回)」、その物品の年間あたりの輸送回数を入力する「輸送回数」、その物品の寸法を入力する「寸法(m3)」の各入力欄がある。輸送手段の入力欄は、10tトラック、4tトラック、2tトラック、自動車、混載便などの選択肢から選択入力できる。設計者は、これらの入力欄に図示する如く必要なデータを入力していく。画面の下部にある「設定」のボタンをマウスでクリックすると、旧システムの入力行に入力されたデータが、旧システム環境負荷データ1022Eにおける評価カテゴリ「物の移動」の環境負荷を計算するためのデータとして、設計事例記憶部1022に保存され、新システムの入力行に入力されたデータが、新システム環境負荷データ1022Fにおける評価カテゴリ「物の移動」の環境負荷を計算するためのデータとして、設計事例記憶部1022に保存される。ここでも1つの入力行が1つのレコードとして記録される。
図6に示すコマンドメニュー画面G102の「ネットワークサービス利用量入力」を選択すると、図11に示すネットワークサービス利用量入力画面G107が出力装置104のディスプレイに表示される。画面の下半分は旧システムの入力部、上半分は新システムの入力部であり、各入力部は複数の入力行から構成されている。各入力行は、ネットワークサービスの利用目的を入力する「項目名」、利用するネットワークサービスの種別を入力する「サービス種別」、そのサービスの年間あたりの利用量を入力する「サービス利用量」の各入力欄がある。サービス種別の入力欄は、公衆電話、IP接続、ホスティングなどの選択肢から選択入力できる。設計者は、これらの入力欄に図示する如く必要なデータを入力していく。画面の下部にある「設定」のボタンをマウスでクリックすると、旧システムの入力行に入力されたデータが、旧システム環境負荷データ1022Eにおける評価カテゴリ「ネットワークの利用」の環境負荷を計算するためのデータとして、設計事例記憶部1022に保存され、新システムの入力行に入力されたデータが、新システム環境負荷データ1022Fにおける評価カテゴリ「ネットワークの利用」の環境負荷を計算するためのデータとして、設計事例記憶部1022に保存される。ここでも1つの入力行が1つのレコードとして記録される。
図6に示すコマンドメニュー画面G102の「廃棄在庫量入力」を選択すると、図12に示す廃棄在庫量入力画面G108が出力装置104のディスプレイに表示される。画面の下半分は旧システムの入力部、上半分は新システムの入力部であり、各入力部は複数の入力行から構成されている。各入力行は、廃棄在庫の対象を入力する「項目名」、廃棄在庫の種類を入力する「在庫分類」、その廃棄量を入力する「廃棄量」の各入力欄がある。在庫分類の入力欄は、民生用電子機器、電子計算機などの選択肢から選択入力できる。設計者は、これらの入力欄に図示する如く必要なデータを入力していく。画面の下部にある「設定」のボタンをマウスでクリックすると、旧システムの入力行に入力されたデータが、旧システム環境負荷データ1022Eにおける評価カテゴリ「廃棄在庫」の環境負荷を計算するためのデータとして、設計事例記憶部1022に保存され、新システムの入力行に入力されたデータが、新システム環境負荷データ1022Fにおける評価カテゴリ「廃棄在庫」の環境負荷を計算するためのデータとして、設計事例記憶部1022に保存される。ここでも1つの入力行が1つのレコードとして記録される。
図6に示すコマンドメニュー画面G102の「保管在庫量入力」を選択すると、図13に示す保管在庫量入力画面G109が出力装置104のディスプレイに表示される。画面の下半分は旧システムの入力部、上半分は新システムの入力部であり、各入力部は複数の入力行から構成されている。各入力行は、保管在庫の対象を入力する「項目名」、保管場所の単位面積あたりの消費エネルギーを入力する「保管場所消費エネルギー(Wh/m2)」、必要となる保管場所の面積を入力する「保管場所面積(m2)」、保管期間を入力する「保管期間(月/年)」の各入力欄がある。設計者は、これらの入力欄に図示する如く必要なデータを入力していく。画面の下部にある「設定」のボタンをマウスでクリックすると、旧システムの入力行に入力されたデータが、旧システム環境負荷データ1022Eにおける評価カテゴリ「保管在庫」の環境負荷を計算するためのデータとして、設計事例記憶部1022に保存され、新システムの入力行に入力されたデータが、新システム環境負荷データ1022Fにおける評価カテゴリ「保管在庫」の環境負荷を計算するためのデータとして、設計事例記憶部1022に保存される。ここでも1つの入力行が1つのレコードとして記録される。
図6に示すコマンドメニュー画面G102の「登録」を選択すると、事例登録部1011は図4のステップS102の処理を終了し、次のステップS103以降の処理を実行する。
先ず、事例登録部1011は、ステップS102で設計事例記憶部1022に保存した旧システム環境負荷データ1022Eにおける各評価カテゴリ毎のデータを読み出して評価部1013に与えることにより、旧システムの各評価カテゴリ毎のCO2排出量を計算させ、旧システムCO2排出量1022Hとして設計事例記憶部1022に保存する(ステップS103)。同様に、事例登録部1011は、ステップS102で設計事例記憶部1022に保存した新システム環境負荷データ1022Fにおける各評価カテゴリ毎のデータを読み出して評価部1013に与えることにより、新システムの各評価カテゴリ毎のCO2排出量を計算させ、新システムCO2排出量1022Iとして設計事例記憶部1022に保存する(ステップS104)。
このとき評価部1013は、事例登録部1011から与えられたデータと評価係数記憶部1021に記憶された評価係数とを用いて前述した計算式(1)〜(7)によって各評価カテゴリ毎のCO2排出量を計算する。
次に、事例登録部1011は、各評価カテゴリ毎に、旧システムCO2排出量1022Hに保存したCO2排出量から、新システムCO2排出量1022Iに保存したCO2排出量を減じてCO2削減量を求め、環境負荷削減量1022Jとして設計事例記憶部1022に保存する(ステップS105)。CO2削減量だけでなく、削減率も計算して保存するようにしてもよい。図14に設計事例記憶部1022に記憶された評価結果1022Gの一例を示す。
最後に事例登録部1011は、入力装置103から新システムの設計情報の登録を受け付け、設計情報1022Cとして設計事例記憶部1022に保存する(ステップS106)。新システムの設計情報を構成する各種のドキュメントやソースコードを予めファイルに記録しておき、そのファイル名を設計情報1022Cとして保存するようにしてもよい。
設計者は、以上のような機能を有する事例登録部1011を使用して、複数の設計事例1022Aを設計事例記憶部1022に登録することが可能である。
次に、事例検索部1012について説明する。
事例検索部1012は、入力装置103からのユーザ指示によって起動されると、図15に示す処理を開始する。先ず、事例検索部1012は、改善しようとしている現状の情報システム(現状システム)の環境負荷を計算するのに必要なデータを設計者から入力する(ステップS111)。このステップS111の詳細な動作を図16〜図23を参照して説明する。
事例検索部1012は、先ず、図16に示すようなコマンドメニュー画面G111を出力装置104のディスプレイに表示する。コマンドメニュー画面G111には、7つの評価カテゴリに1対1に対応する選択ボタン「機器電力消費量入力」、「情報紙使用量入力」、「人移動量入力」、「物品輸送量入力」、「ネットワークサービス利用量入力」、「廃棄在庫量入力」、「保管在庫量入力」があり、これらの選択ボタンをマウスでクリックすると、対応する評価カテゴリの環境負荷データを入力する画面に移行し、入力後に再びこのコマンドメニュー画面G111に戻る。なお、必ずしも全ての評価カテゴリについて環境負荷データを入力する必要はなく、考慮する必要のない評価カテゴリに関する環境負荷データの入力は省略できる。例えば、現状システムにおいて廃棄在庫を考慮する必要がない場合、廃棄在庫の環境負荷データは入力する必要がない。また、コマンドメニュー画面G111には、他に選択ボタン「検索」が設けられており、この選択ボタンをクリックすると、次の検索段階へ処理を進めることができる。
図16に示すコマンドメニュー画面G111の「機器電力消費量入力」を選択すると、図17に示す機器電力消費量入力画面G112が出力装置104のディスプレイに表示される。複数の入力行があり、各入力行の入力欄の意味は図7に示した事例登録時の機器電力消費量入力画面G103と同じである。設計者は、入力行の各入力欄に図示する如く必要なデータを入力していく。画面の下部にある「設定」のボタンをマウスでクリックすると、入力行に入力されたデータが、事例検索部1012の内部に設けられた図24に示す一時記憶部10121における現状システムの環境負荷データ10122の一部として保存される。ここで、1つの入力行が1つのレコードとして記録される。従って、図17の場合、現状システムにおける評価カテゴリ「機器の使用」の環境負荷を計算するためのデータは3レコードで構成される。
図16に示すコマンドメニュー画面G111の「情報紙使用量入力」を選択すると、図18に示す情報紙使用量入力画面G113が出力装置104のディスプレイに表示される。複数の入力行があり、各入力行の入力欄の意味は図8に示した事例登録時の情報紙使用量入力画面G104と同じである。設計者は、入力行の各入力欄に図示する如く必要なデータを入力していく。画面の下部にある「設定」のボタンをマウスでクリックすると、入力行に入力されたデータが、図24の事例検索部1012の一時記憶部10121における現状システムの環境負荷データ10122の一部として保存される。ここでも1つの入力行が1つのレコードとして記録される。
図16に示すコマンドメニュー画面G111の「人移動量入力」を選択すると、図19に示す人移動量入力画面G114が出力装置104のディスプレイに表示される。複数の入力行があり、各入力行の入力欄の意味は図9に示した事例登録時の人移動量入力画面G105と同じである。設計者は、入力行の各入力欄に図示する如く必要なデータを入力していく。画面の下部にある「設定」のボタンをマウスでクリックすると、入力行に入力されたデータが、図24の事例検索部1012の一時記憶部10121における現状システムの環境負荷データ10122の一部として保存される。ここでも1つの入力行が1つのレコードとして記録される。
図16に示すコマンドメニュー画面G111の「物品輸送量入力」を選択すると、図20に示す物品輸送量入力画面G115が出力装置104のディスプレイに表示される。複数の入力行があり、各入力行の入力欄の意味は図10に示した事例登録時の物品輸送量入力画面G106と同じである。設計者は、入力行の各入力欄に図示する如く必要なデータを入力していく。画面の下部にある「設定」のボタンをマウスでクリックすると、入力行に入力されたデータが、図24の事例検索部1012の一時記憶部10121における現状システムの環境負荷データ10122の一部として保存される。ここでも1つの入力行が1つのレコードとして記録される。
同様にして図16に示すコマンドメニュー画面G111の「ネットワークサービス利用量入力」、「廃棄在庫量入力」、「保管在庫量入力」を選択すると、図21に示すネットワークサービス利用量入力画面G116、図22に示す廃棄在庫量入力画面G117、図23に示す保管在庫量入力画面G118が出力装置104のディスプレイに表示される。それぞれ複数の入力行があり、各入力行の入力欄の意味は図11、図12、図13に示した事例登録時のネットワークサービス利用量入力画面G107、廃棄在庫量入力画面G108、保管在庫量入力画面G109と同じである。設計者は、入力行の各入力欄に必要なデータを入力していき、画面の下部にある「設定」のボタンをマウスでクリックすると、入力行に入力されたデータが、図24の事例検索部1012の一時記憶部10121における現状システムの環境負荷データ10122の一部として保存される。ここでも1つの入力行が1つのレコードとして記録される。
次に事例検索部1012は、一時記憶部10121に保存した現状システムの環境負荷データ10122における各評価カテゴリ毎のデータを読み出して評価部1013に与えることにより、現状システムの各評価カテゴリ毎のCO2排出量を計算させ、一時記憶部10121に現状システムのCO2排出量10123として保存する(図15のステップS112)。このとき評価部1013は、事例検索部1012から与えられたデータと評価係数記憶部1021に記憶された評価係数とを用いて前述した計算式(1)〜(7)によって各評価カテゴリ毎のCO2排出量を計算する。図25に、こうして計算された現状システムのCO2排出量10123の一例を示す。
次に事例検索部1012は、一時記憶部10121に保存した現状システムのCO2排出量10123を読み出し、各評価カテゴリのそれぞれについて、その評価カテゴリのCO2排出量を現状システムのCO2排出量の合計値で除算することにより、各評価カテゴリ毎のCO2排出割合を算出し、一時記憶部10121に現状システムの評価カテゴリ毎のCO2排出割合10124として保存する(ステップS113)。図26に、図25に示したCO2排出量から算出されたCO2排出割合10124を示す。
次に事例検索部1012は、以上のようにして入力された現状システムの環境負荷を改善するのに役立つ設計事例を設計事例記憶部1022から検索して設計者に提示する(ステップS114〜S120)。以下、この動作の詳細を説明する。
先ず事例検索部1012は、設計事例記憶部1022に記憶されている1つの設計事例1022Aに注目し(ステップS114)、その設計事例の評価結果1022Gに基づいて、各評価カテゴリ毎に、旧システムから新システムへの移行によるCO2排出削減量の旧システムCO2排出量に対する割合である負荷削減割合を算出し、一時記憶部10121に設計事例1のCO2排出の削減割合10125−1として保存する(ステップS115)。負荷削減割合は、各評価カテゴリ毎に、評価結果1022Gの環境負荷削減量1022Jに記録されている削減量を、旧システムCO2排出量1022Hに記録されているCO2排出量で除算することで求まる。図27に、図14の評価結果1022Gに基づいて計算された負荷削減割合を示す。
次に、事例検索部1012は、一時記憶部10121から現状システムの評価カテゴリ毎のCO2排出割合10124および現在注目している設計事例のCO2排出の評価カテゴリ毎の削減割合10125−1を読み出し、現状システムの各評価カテゴリから発生するCO2排出の割合と、現在注目している設計事例の各評価カテゴリの負荷削減割合を、対応する評価カテゴリ毎に積算したものを合計した値を、現在注目している設計事例の負荷削減度の指標10126−1として一時記憶部10121に保存する(ステップS116)。例えば、現状システムの評価カテゴリ毎のCO2排出割合が図26に示すものであり、注目中の設計事例の各評価カテゴリの負荷削減割合が図27に示すものとすると、その設計事例の負荷削減度の指標は図28に示すようにして計算される。
事例検索部1012は、設計事例記憶部1022に記憶された1つの設計事例について負荷削減度の指標の算出と保存の処理を終えると、設計事例記憶部1022に記憶された次の1つの設計事例に注目を移し(ステップS117)、その設計事例の負荷削減度の指標の算出と保存の処理を前述した処理と同様に行う。これを設計事例記憶部1022に記憶された全ての設計事例について繰り返す。これにより、事例検索部1012の一時記憶部10121には、図24に示すように、設計事例記憶部1022に記憶された各設計事例の負荷削減度の指標10126−1〜nが保存される。
事例検索部1012は、設計事例記憶部1022に記憶された全ての設計事例について負荷削減度の指標の算出と保存を終えると(ステップS118でYES)、一時記憶部10121に保存された各設計事例の負荷削減度の指標10126−1〜nを読み込み、昇順にソートすることで、負荷削減度の指標の値が大きい順に幾つかの事例を参考事例として選択する(ステップS119)。そして、選択した参考事例の設計情報1022Cを設計事例記憶部1022から読み出して出力装置104から出力し、設計者に提示する(ステップS120)。参考事例の一覧を出力装置104から出力し、入力装置103を通じて設計者から提示すべき参考事例が指定されたときにその設計情報1022Cを出力する等、任意の提示方法が可能である。
このように第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置は、現状システムの各評価カテゴリそれぞれの負荷排出割合と設計事例の各評価カテゴリの負荷削減割合を対応する評価カテゴリ毎に積算したものを合計した値を、その設計事例のその現状システムに対する負荷削減度の指標とし、負荷削減度の指標の大きい順に幾つかの設計事例を参考事例として設計者に提示する。つまり、現状システムのCO2排出量を削減するために参考にできる設計事例を設計者に提示する。従って、設計者は、提示された参考事例の設計情報を参考に、現状システムを改善したシステムを設計することが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に本発明の第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置について説明する。
図29を参照すると、本発明の第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置200は、事例検索部1012の代わりに事例検索部2012を有する点で、図1に示した第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置100と相違し、その他の点は第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置100と同じである。
事例検索部2012は、現状システムの環境負荷を計算するために設計者から入力された各評価カテゴリ毎のデータレコード数と、設計事例記憶部1022に記憶されている各設計事例における旧システムの環境負荷を計算するために設計者から入力された各評価カテゴリ毎のデータレコード数とを比較し、現状システムのデータレコード数と類似したデータレコード数を持つ旧システムを含む設計事例を設計者に提示する。
次に本実施の形態にかかるシステム設計支援装置200の動作を、第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置100との相違点を中心に説明する。
事例検索部2012は、入力装置103からのユーザ指示によって起動されると、図30に示す処理を開始する。先ず、事例検索部3012は、改善しようとしている現状システムの環境負荷を計算するのに必要なデータを設計者から入力する(ステップS201)。このステップS201の詳細な動作は図16〜図23を参照して説明した第1の実施の形態の動作と同じである。この動作によって、図31に示すように、事例検索部2012の内部に設けられている一時記憶部20121に、現状システムの環境負荷データ20122が保存される。この環境負荷データ20122には、「機器の使用」、「紙の使用」、「人の移動」、「物の移動」、「保管在庫」、「廃棄在庫」、「ネットワークの利用」の7つの評価カテゴリ毎に、データレコードが保存されている。例えば図17に示した評価カテゴリ「機器の使用」に対応する機器電力消費量入力画面G112の例では、現状システムのデータレコードは3レコードとして保存されている。
次に事例検索部2012は、設計事例記憶部1022に保存されている1つの設計事例に注目する(ステップS202)。ここで、第1の実施の形態と同じく本実施の形態における設計事例記憶部1022には、事例登録部1011によって図3に示したように複数の設計事例1022Aが登録されており、各設計事例1022Aの旧システム環境負荷データ1022Eは、「機器の使用」、「紙の使用」、「人の移動」、「物の移動」、「保管在庫」、「廃棄在庫」、「ネットワークの利用」の7つの評価カテゴリ毎に、データレコードが保存されている。例えば図7に示した評価カテゴリ「機器の使用」に対応する機器電力消費量入力画面G103の例では、旧システムのデータは4レコードとして保存されている。
次に事例検索部2012は、注目した設計事例における旧システムと現状システムとの類似度を以下のように判定する。
先ず事例検索部2012は、内部の変数に置いた類似度ポイントを0に初期化し(ステップS203)、1つの評価カテゴリ、例えば評価カテゴリ「機器の使用」に注目する(ステップS204)。そして、評価カテゴリ「機器の使用」に関する現状システムのデータレコード数と注目設計事例における旧システムのデータレコード数との類似度に応じたポイントを類似度ポイントに加算する。
具体的には、評価カテゴリ「機器の使用」においてデータ入力されたレコード数が旧システムと現状システムで、何れも1以上であるか、何れも0であるかを判定する(ステップS205、S206)。そして、ステップS205、S206の判定が真(YES)であれば、予め定められたポイントPc1を類似ポイントに加算し(ステップS207、S208)、判定が偽(NO)であれば、予め定められたポイントPc2を類似ポイントに加算する(ステップS209)。加算されるポイントPc1、Pc2は、全ての評価カテゴリで同じであっても良いし、予め定められた評価カテゴリ毎の重み係数(0を含む)に従って評価カテゴリ毎に異ならせてもよい。例えば、全ての評価カテゴリについて、ステップS205、S206の判定が真(YES)である場合に1ポイントを加算し、判定が偽(NO)である場合に0ポイントを加算する例や、特定の評価カテゴリについては判定が真であった場合に2ポイントを加算し、偽であった場合には−2ポイントを加算する例などであってもよい。
また、ステップS205の判定が真であった場合、さらに、旧システムのレコード数を現状システムのレコード数で割った値と、反対に現状システムのレコード数を旧システムのレコード数で割った値のうちの小さな方の値に定数αを乗じた値を類似ポイントに加算する(ステップS210)。例えば、旧システムのレコード数が5であり、現状システムのレコード数が3である場合、定数αを1とすると、0.6のポイントを類似ポイントに加算する。
事例検索部2012は、1つ目の評価カテゴリ「機器の使用」に関する現状システムのデータレコード数と注目設計事例における旧システムのデータレコード数との類似度に応じたポイントを類似度ポイントに加算し終えると、次の1つの評価カテゴリに注目を移し(ステップS211)、前述と同様の方法で、その注目カテゴリに関する現状システムのデータレコード数と注目設計事例における旧システムのデータレコード数との類似度に応じたポイントを類似度ポイントに加算する。
事例検索部2012は、この処理を7つの全ての評価カテゴリあるいは類似度の判定のために予め定められた評価カテゴリ全てについて繰り返すと(ステップS212でYES)、変数上の類似度ポイントの値を図31に示すように1つ目の設計事例の類似度ポイント20123−1として一時記憶部20121に保存する(ステップS213)。
次に事例検索部2012は、設計事例記憶部1022に記憶された次の1つの設計事例に注目を移し(ステップS214)、ステップS203に戻って前述した処理と同様の処理を繰り返す。これを設計事例記憶部1022に記憶された全ての設計事例について繰り返す。これにより、事例検索部2012の一時記憶部20121には、図31に示すように、設計事例記憶部1022に記憶された各設計事例の旧システムと現状システムとの類似度を示す類似度ポイント20123−1〜nが保存される。
事例検索部2012は、設計事例記憶部1022に記憶された全ての設計事例について類似度ポイントの算出と保存を終えると(ステップS215でYES)、一時記憶部20121に保存された各設計事例の類似度ポイント20123−1〜nを読み込み、昇順にソートすることで、類似度ポイントの値が大きい順に幾つかの事例を参考事例として選択する(ステップS216)。そして、選択した参考事例の設計情報1022Cを設計事例記憶部1022から読み出して出力装置104から出力し、設計者に提示する(ステップS217)。参考事例の一覧を出力装置104から出力し、入力装置103を通じて設計者から提示すべき参考事例が指定されたときにその設計情報1022Cを出力する等、任意の提示方法が可能である。
次に第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置の効果を説明する。
システム規模を別にすると、一般に現状システムと設計事例における旧システムとが類似すれば、現状システムの環境負荷を計算するために設計者から入力された各評価カテゴリ毎のデータレコード数と、設計事例記憶部1022に記憶されているその設計事例における旧システムの環境負荷を計算するために設計者から入力された各評価カテゴリ毎のデータレコード数とが類似する傾向を示す。これは、例えば、評価カテゴリ「機器の使用」において、旧システムも現状システムも、システムを構成する機器の種類が、サーバ、パソコン、プリンタの3種類で同じであると、図7の旧システムの入力部で入力されるレコード数も、図17の現状システムの入力部で入力されるレコード数も共に3レコードとなって、一致するからである。他の評価カテゴリについても同様のことが言える。従って、本実施の形態によれば、現状システムに類似する旧システムを改善した新システムの設計事例を設計者に提示することができる。これにより、設計者は、提示された参考事例の設計情報を参考に、現用システムを改善したシステムを設計することが可能となる。
[第3の実施の形態]
次に本発明の第3の実施の形態にかかるシステム設計支援装置について説明する。
図32を参照すると、本発明の第3の実施の形態にかかるシステム設計支援装置300は、事例検索部2012の代わりに事例検索部3012を有する点で、図29に示した第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置200と相違し、その他の点は第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置200と同じである。
第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置200における事例検索部2012は、現状システムと各設計事例の旧システムとの類似度の判定を行う際に、現状システムの各評価カテゴリ毎のデータレコード数と各設計事例における旧システムの各評価カテゴリ毎のデータレコード数とを比較したが、本実施の形態の事例検索部3012は、特定の評価カテゴリに含まれる個々のデータレコードを、レコードに入力された文字列や値を用いて複数のレコードグループに分割し、分割されたグループをそれぞれ独立した評価カテゴリとして扱って、第2の実施の形態と同様な方法で類似度ポイントを計算する。
レコードのグループ分けの基準としては、レコードの予め定められたフィールドの値が予め定められた範囲にあるか、レコードの予め定められたフィールドに入力された文字列が、グループ判定用の文字列と部分一致あるいは完全一致するかどうか、が用いられる。
例えば「機器の使用」の評価カテゴリが、グループ分けする1つの評価カテゴリとして予め設定されているとする。この評価カテゴリ「機器の使用」のデータレコードは、図7および図17を参照して説明したように、システムを構成する機器の種類を入力する「項目名」、その種類の機器の消費電力の値を入力する「消費電力(W)」、その種類の機器の総台数を入力する「台数」、それらの平均的な年間使用時間を入力する「使用時間(h/台)」の各フィールドを持つ。このとき、サーバタイプの機器に関するデータレコードとサーバタイプ以外の機器に関するデータレコードを区別して類似度を判定するには、例えば以下のようにすれば良い。
先ず判定基準として、レコードに記入された年間稼動時間が8000時間以上で、消費電力が100W以上の機器をサーバタイプの機器とし、それ以外の機器をサーバタイプ以外の機器とする基準を定め、この基準に従って、評価カテゴリ「機器の使用」のデータレコードを分類する。判定の基準となる8000時間、100Wという数値は、サーバタイプの機器とそれ以外の機器とを区別する閾値であれば、任意の数値でよい。次に、2つのタイプに分類されたデータレコードのグループのそれぞれを、独立した評価カテゴリとして扱い、データレコード数の比較による類似度の判定を行う。これにより、サーバタイプの機器とサーバタイプ以外の機器を区別しないで類似度を判定する場合に比べて、より正確な類似度の判定が可能となる。
別の例として、「人の移動」の評価カテゴリが、グループ分けする別の1つの評価カテゴリとして予め設定されているとする。この評価カテゴリ「人の移動」のデータレコードは、図9および図19を参照して説明したように、人移動の要因を入力する「項目名」、その人移動の方法を入力する「移動手段」、その人移動の1回あたりの移動距離を入力する「移動距離(km/回)」、その人移動の年間あたりの移動回数を入力する「移動回数」の各フィールドを持つ。このとき、移動手段の種類が自家用車やバイクのような個人向け交通機関であるレコードと、電車やバスのような公共交通機関であるレコードを区別して類似度を判定するには、レコードの「移動手段」のフィールドに設定された値によって、評価カテゴリ「人の移動」のデータレコードを2つのグループに分類し、この2つのタイプに分類されたデータレコードのグループのそれぞれを、独立した評価カテゴリとして扱い、データレコード数の比較による類似度の判定を行えばよい。
次に本実施の形態にかかるシステム設計支援装置300の動作を、第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置200との相違点を中心に説明する。
事例検索部3012は、入力装置103からのユーザ指示によって起動されると、図33に示す処理を開始する。先ず、事例検索部3012は、改善しようとしている現状システムの環境負荷を計算するのに必要なデータを設計者から入力する(ステップS301)。このステップS301の詳細な動作は図16〜図23を参照して説明した第1の実施の形態の動作と同じである。この動作によって、図34に示すように、事例検索部3012の内部に設けられている一時記憶部30121に、現状システムの環境負荷データ30122が保存される。この環境負荷データ30122には、「機器の使用」、「紙の使用」、「人の移動」、「物の移動」、「保管在庫」、「廃棄在庫」、「ネットワークの利用」の7つの評価カテゴリ毎に、データレコードが保存されている。例えば図17に示した評価カテゴリ「機器の使用」に対応する機器電力消費量入力画面G112の例では、現状システムのデータレコードは3レコードとして保存されている。
次に事例検索部3012は、前述した方法によって、特定の評価カテゴリに含まれる個々のデータレコードを、レコードに入力された文字列や値を用いて複数のレコードグループに分割し、その結果を一時記憶部30121にグループ化情報30123として保存する(ステップS302)。グループ化情報30123には、「機器の使用」、「紙の使用」、「人の移動」、「物の移動」、「保管在庫」、「廃棄在庫」、「ネットワークの利用」の7つの評価カテゴリ毎に、グループ化されているか否かの情報と、各グループに所属するデータレコードの情報とが含まれる。
次に事例検索部3012は、設計事例記憶部1022に保存されている1つの設計事例に注目する(ステップS303)。ここで、第1の実施の形態と同じく本実施の形態における設計事例記憶部1022には、事例登録部1011によって図3に示したように複数の設計事例1022Aが登録されており、各設計事例1022Aの旧システム環境負荷データ1022Eは、「機器の使用」、「紙の使用」、「人の移動」、「物の移動」、「保管在庫」、「廃棄在庫」、「ネットワークの利用」の7つの評価カテゴリ毎に、データレコードが保存されている。例えば図7に示した評価カテゴリ「機器の使用」に対応する機器電力消費量入力画面G103の例では、旧システムのデータは4レコードとして保存されている。
次に事例検索部3012は、注目した設計事例における旧システムと現状システムとの類似度を以下のように判定する。
先ず事例検索部3012は、内部の変数に置いた類似度ポイントを0に初期化し(ステップS304)、1つの評価カテゴリ、例えば評価カテゴリ「機器の使用」に注目する(ステップS305)。次に、評価カテゴリ「機器の使用」がグループ化されているかどうかを一時記憶部30121のグループ化情報から調べる(ステップS306)。グループ化されていない場合には、第2の実施の形態における図30のステップS205〜S210と同様の方法によって、現状システムの評価カテゴリ「機器の使用」のデータレコード数と注目設計事例における旧システムの評価カテゴリ「機器の使用」のデータレコード数との類似度に応じたポイントを類似度ポイントに加算する(ステップS307)。そして、ステップS312へ進む。
他方、評価カテゴリ「機器の使用」がグループ化されている場合には、その1つのグループに注目し(ステップS308)、現状システムの注目評価カテゴリにおける注目グループのデータレコード数と、注目設計事例における旧システムの注目評価カテゴリにおける該当するグループのデータレコード数との類似度に応じたポイントを類似度ポイントに加算する(ステップS309)。このステップS309では、旧システムの注目評価カテゴリにおける該当するグループのデータレコード数を検出し、その後、第2の実施の形態における図30のステップS205〜S210と同様の方法によって類似度ポイントを加算する。1つのグループについての処理を終えると、次の1つのグループに注目を移し(ステップS310)、前述と同様の処理を繰り返す。そして、全てのグループについての処理を終えると(ステップS311でYES)、ステップS312へ進む。
ステップS312では、事例検索部3012は、次の1つの評価カテゴリに注目を移し、前述と同様の方法で、類似度ポイントを更新していく。事例検索部3012は、この処理を7つの全ての評価カテゴリあるいは類似度の判定のために予め定められた評価カテゴリ全てについて繰り返すと(ステップS313でYES)、類似度ポイントの累積値を1つ目の設計事例の類似度ポイント30124−1として図34に示すように一時記憶部30121に保存する(ステップS314)。
次に事例検索部3012は、設計事例記憶部1022に記憶された次の1つの設計事例に注目を移し(ステップS315)、ステップS304に戻って前述した処理と同様の処理を繰り返す。これを設計事例記憶部1022に記憶された全ての設計事例について繰り返す。これにより、事例検索部3012の一時記憶部30121には、図34に示すように、設計事例記憶部1022に記憶された各設計事例の旧システムと現状システムとの類似度を示す類似度ポイント30124−1〜nが保存される。
事例検索部3012は、設計事例記憶部1022に記憶された全ての設計事例について類似度ポイントの算出と保存を終えると(ステップS316でYES)、一時記憶部30121に保存された各設計事例の類似度ポイント30124−1〜nを読み込み、昇順にソートすることで、類似度ポイントの値が大きい順に幾つかの事例を参考事例として選択する(ステップS317)。そして、選択した参考事例の設計情報1022Cを設計事例記憶部1022から読み出して出力装置104から出力し、設計者に提示する(ステップS318)。参考事例の一覧を出力装置104から出力し、入力装置103を通じて設計者から提示すべき参考事例が指定されたときにその設計情報1022Cを出力する等、任意の提示方法が可能である。
第2の実施の形態によれば、或る評価カテゴリにおいて、データレコード数が現状システムと同じである複数の旧システムに対しては同じ類似度ポイントが付与されるが、本実施の形態によれば、より詳細なカテゴリに分けて類似度ポイントを計算するので、現状システムとの類似度を第2の実施の形態に比べてより正確に判定することができる。
[第4の実施の形態]
次に本発明の第4の実施の形態にかかるシステム設計支援装置について説明する。
図35を参照すると、本発明の第4の実施の形態にかかるシステム設計支援装置400は、事例検索部2012の代わりに事例検索部4012を有する点で、図29に示した第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置200と相違し、その他の点は第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置200と同じである。
第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置200における事例検索部2012は、現状システムと各設計事例の旧システムとの類似度の判定を行う際に、現状システムの各評価カテゴリ毎のデータレコード数と各設計事例における旧システムの各評価カテゴリ毎のデータレコード数とを比較したが、本実施の形態の事例検索部4012は、データレコードに入力された数値データを用いて演算を行い、その演算結果を評価カテゴリ毎に合計した値を現状システムと旧システムで比較する。
演算の種類は、評価カテゴリ毎に予め定められている。例えば、「機器の使用」の評価カテゴリにおいては、「消費電力の合計値を求める演算」を使うことができる。評価カテゴリ「機器の使用」のデータレコードは、図7および図17を参照して説明したように、システムを構成する機器の種類を入力する「項目名」、その種類の機器の消費電力の値を入力する「消費電力(W)」、その種類の機器の総台数を入力する「台数」、それらの平均的な年間使用時間を入力する「使用時間(h/台)」の各フィールドを持つ。従って、「消費電力の合計値を求める演算」は、各データレコード毎に、「消費電力(W)」×「台数」×「使用時間(h/台)」を計算し、それを全てのデータレコードで合算すれば良い。他の評価カテゴリにおいても同様にして任意の演算を定義することができる。
現状システムにおける或る評価カテゴリの演算結果の合計値をAc、旧システムにおける同じ評価カテゴリの演算結果の合計値をBcとすると、当該評価カテゴリにおける現状システムと旧システムの類似度の指標としては、例えば、{1−(|Ac−Bc|/(A+B)}なる演算結果に、或る係数βを掛け合わせたものを使うことができる。
次に本実施の形態にかかるシステム設計支援装置400の動作を、第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置200との相違点を中心に説明する。
事例検索部4012は、入力装置103からのユーザ指示によって起動されると、図36に示す処理を開始する。先ず、事例検索部4012は、改善しようとしている現状システムの環境負荷を計算するのに必要なデータを設計者から入力する(ステップS401)。このステップS401の詳細な動作は図16〜図23を参照して説明した第1の実施の形態の動作と同じである。この動作によって、図37に示すように、事例検索部4012の内部に設けられている一時記憶部40121に、現状システムの環境負荷データ40122が保存される。この環境負荷データ40122には、「機器の使用」、「紙の使用」、「人の移動」、「物の移動」、「保管在庫」、「廃棄在庫」、「ネットワークの利用」の7つの評価カテゴリ毎に、データレコードが保存されている。
次に事例検索部4012は、前述した方法によって、現状システムのデータレコードに入力された数値の演算結果の合計値Acを各評価カテゴリ毎に求め、図37に示すように評価カテゴリ毎の数値演算結果の合計値Acとして一時記憶部40123に保存する(ステップS402)。
次に事例検索部4012は、設計事例記憶部1022に保存されている1つの設計事例に注目する(ステップS403)。ここで、第1の実施の形態と同じく本実施の形態における設計事例記憶部1022には、事例登録部1011によって図3に示したように複数の設計事例1022Aが登録されており、各設計事例1022Aの旧システム環境負荷データ1022Eは、「機器の使用」、「紙の使用」、「人の移動」、「物の移動」、「保管在庫」、「廃棄在庫」、「ネットワークの利用」の7つの評価カテゴリ毎に、データレコードが保存されている。
次に事例検索部4012は、注目した設計事例における旧システムと現状システムとの類似度を以下のように判定する。
先ず事例検索部4012は、注目している設計事例の旧システム環境負荷データ1022Eを入力し、現状システムと同様にして旧システムのデータレコードに入力された数値の演算結果の合計値Bcを各評価カテゴリ毎に求め、図37に示すように1番目の設計事例の評価カテゴリ毎の数値演算結果の合計値Bc 40124−1として一時記憶部40123に保存する(ステップS404)。
次に事例検索部4012は、内部の変数に置いた類似度ポイントを0に初期化し(ステップS405)、1つの評価カテゴリ、例えば評価カテゴリ「機器の使用」に注目する(ステップS406)。そして、その評価カテゴリにおける現状システムの評価カテゴリ毎の数値演算結果の合計値Acと、注目設定事例の旧システムの評価カテゴリ毎の数値演算結果の合計値Bcとの比較により定まる類似度ポイントを変数上の類似度ポイントに加算する(ステップS407)。
事例検索部4012は、1つ目の評価カテゴリに関する類似度ポイントの算出を終えると、次の1つの評価カテゴリに注目を移し(ステップS408)、前述と同様の方法で、類似度ポイントを更新していく。事例検索部4012は、この処理を7つの全ての評価カテゴリあるいは類似度の判定のために予め定められた評価カテゴリ全てについて繰り返すと(ステップS409でYES)、類似度ポイントの累積値を1つ目の設計事例の類似度ポイント40125−1として一時記憶部40121に保存する(ステップS410)。
次に事例検索部4012は、設計事例記憶部1022に記憶された次の1つの設計事例に注目を移し(ステップS411)、ステップS404に戻って前述した処理と同様の処理を繰り返す。これを設計事例記憶部1022に記憶された全ての設計事例について繰り返す。これにより、事例検索部4012の一時記憶部40121には、図37に示すように、設計事例記憶部1022に記憶された各設計事例の旧システムと現状システムとの類似度を示す類似度ポイント40125−1〜nが保存される。
事例検索部4012は、設計事例記憶部1022に記憶された全ての設計事例について類似度ポイントの算出と保存を終えると(ステップS412でYES)、一時記憶部40121に保存された各設計事例の類似度ポイント40125−1〜nを読み込み、昇順にソートすることで、類似度ポイントの値が大きい順に幾つかの事例を参考事例として選択する(ステップS413)。そして、選択した参考事例の設計情報1022Cを設計事例記憶部1022から読み出して出力装置104から出力し、設計者に提示する(ステップS414)。参考事例の一覧を出力装置104から出力し、入力装置103を通じて設計者から提示すべき参考事例が指定されたときにその設計情報1022Cを出力する等、任意の提示方法が可能である。
次に第4の実施の形態にかかるシステム設計支援装置の効果を説明する。
一般に現状システムと設計事例における旧システムとが類似すれば、現状システムの環境負荷を計算するために設計者から入力された各評価カテゴリ毎のデータレコードに入力された数値データと、設計事例記憶部1022に記憶されているその設計事例における旧システムの環境負荷を計算するために設計者から入力された各評価カテゴリ毎のデータレコードに入力された数値データとが類似するため、それらを用いた演算の演算結果も類似してくる。従って、本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様に、現状システムに類似する旧システムを改善した新システムの設計事例を設計者に提示することができる。また、第2の実施の形態では、或る評価カテゴリにおいて、データレコード数が現状システムと同じである複数の旧システムに対しては同じ類似度ポイントが付与されるが、本実施の形態によれば、レコードに入力された個別の数値をもとに類似度ポイントを計算するので、現状システムとの類似度を第2の実施の形態に比べてより正確に判定することができる。
[第5の実施の形態]
次に本発明の第5の実施の形態にかかるシステム設計支援装置について説明する。
図38を参照すると、本発明の第5の実施の形態にかかるシステム設計支援装置500は、事例検索部2012の代わりに事例検索部5012を有する点で、図29に示した第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置200と相違し、その他の点は第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置200と同じである。
本実施の形態にかかるシステム設計支援装置500における事例検索部5012は、第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置200の事例検索部2012あるいは第3の実施の形態にかかるシステム設計支援装置300の事例検索部3012と同様の方法によって各設計事例の旧システムについて算出したデータレコード数比較に基づく現状システムとの類似度ポイントXと、第4の実施の形態にかかるシステム設計支援装置400の事例検索部4012と同様の方法によって各設計事例の旧システムについて算出した数値演算結果の比較に基づく現状システムとの類似度ポイントYとを統合した類似度ポイントZを算出し、この統合類似度ポイントZの高い設計事例を設計者に提示する。
統合類似度ポイントZは、例えば次式により計算される。
統合類似度ポイントZ=a×類似度ポイントX+b×類似度ポイントY
ここで、a、bは予め定められた重み付け係数で、例えばa+b=1を満足する。
次に本実施の形態にかかるシステム設計支援装置500の動作を、第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置200との相違点を中心に説明する。
事例検索部5012は、入力装置103からのユーザ指示によって起動されると、図39に示す処理を開始する。先ず、事例検索部5012は、改善しようとしている現状システムの環境負荷を計算するのに必要なデータを設計者から入力する(ステップS501)。このステップS501の詳細な動作は図16〜図23を参照して説明した第1の実施の形態の動作と同じである。この動作によって、図40に示すように、事例検索部5012の内部に設けられている一時記憶部50121に、現状システムの環境負荷データ50122が保存される。この環境負荷データ50122には、「機器の使用」、「紙の使用」、「人の移動」、「物の移動」、「保管在庫」、「廃棄在庫」、「ネットワークの利用」の7つの評価カテゴリ毎に、データレコードが保存されている。
次に事例検索部5012は、図30のステップS202〜S215と同様の処理を実行することによって第2の実施の形態における事例検索部2012と同様な類似度ポイントを各設計事例の旧システムについて算出するか、あるいは図33のステップS302〜S316と同様の処理を実行することによって第3の実施の形態における事例検索部3012と同様な類似度ポイントを各設計事例の旧システムについて算出し、図40に示すように一時記憶部50121に各設計事例の類似度ポイントX 50123−1〜nとして保存する(ステップS502)。
次に事例検索部5012は、図36のステップS402〜S412と同様の処理を実行することによって第4の実施の形態における事例検索部4012と同様な類似度ポイントを各設計事例の旧システムについて算出し、図40に示すように一時記憶部50121に各設計事例の類似度ポイントY 50124−1〜nとして保存する(ステップS503)。
次に事例検索部5012は、一時記憶部50121から設計事例1の類似度ポイントXと類似度ポイントYを読み出し、前述した方法で重み付け加算することで統合類似度ポイントZを算出し、一時記憶部50121に保存する(ステップS504)。これを全ての設計事例について繰り返し実行することで、全ての設計事例の統合類似度ポイントZを一時記憶部50121に保存する。
次に、事例検索部5012は、設計事例記憶部1022に記憶された全ての設計事例について統合類似度ポイントの算出と保存を終えると、一時記憶部50121に保存された各設計事例の統合類似度ポイントZを読み込み、昇順にソートすることで、統合類似度ポイントの値が大きい順に幾つかの事例を参考事例として選択する(ステップS505)。そして、選択した参考事例の設計情報1022Cを設計事例記憶部1022から読み出して出力装置104から出力し、設計者に提示する(ステップS506)。参考事例の一覧を出力装置104から出力し、入力装置103を通じて設計者から提示すべき参考事例が指定されたときにその設計情報1022Cを出力する等、任意の提示方法が可能である。
このように第5の実施の形態にかかるシステム設計支援装置によれば、現状システムと各設計事例の旧システムとの類似度をそれぞれ異なる複数の方法で求め、それを統合した類似度に従って参考事例を選択するため、現状システムにより類似する旧システムを改善した新システムの設計事例を設計者に提示することができる。
[第6の実施の形態]
次に本発明の第6の実施の形態にかかるシステム設計支援装置について説明する。
図41を参照すると、本発明の第6の実施の形態にかかるシステム設計支援装置600は、事例検索部1012の代わりに事例検索部6012を有する点で、図1に示した第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置100と相違し、その他の点は第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置100と同じである。
本実施の形態にかかるシステム設計支援装置600における事例検索部6012は、第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置100の事例検索部1012と同様の方法によって各設計事例について算出した負荷削減度の指標Pと、第2、第3、第4および第5の何れかの実施の形態にかかるシステム設計支援装置200、300、400、500の事例検索部2012、3012、4012、5012と同様の方法によって各設計事例の旧システムについて算出した類似度ポイントQとを統合した統合評価値Rを算出し、この統合評価値Rの高い設計事例を設計者に提示する。
統合評価値Rは、例えば次式により計算される。
統合評価値R=c×負荷削減度の指標P+d×類似度ポイントQ
ここで、c、dはユーザから指定された重み付け係数で、例えばc+d=1を満足する。
次に本実施の形態にかかるシステム設計支援装置600の動作を、第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置100との相違点を中心に説明する。
事例検索部6012は、入力装置103からのユーザ指示によって起動されると、図42に示す処理を開始する。先ず、事例検索部6012は、改善しようとしている現状システムの環境負荷を計算するのに必要なデータを設計者から入力する(ステップS601)。このステップS601の詳細な動作は図16〜図23を参照して説明した第1の実施の形態の動作と同じである。この動作によって、図43に示すように、事例検索部6012の内部に設けられている一時記憶部60121に、現状システムの環境負荷データ60122が保存される。この環境負荷データ60122には、「機器の使用」、「紙の使用」、「人の移動」、「物の移動」、「保管在庫」、「廃棄在庫」、「ネットワークの利用」の7つの評価カテゴリ毎に、データレコードが保存されている。
次に事例検索部6012は、第1の実施の形態における図15のステップS112〜S118と同様の処理を実行することによって、図25で説明した現状システムのCO2排出量、図26で説明した現状システムの評価カテゴリ毎のCO2排出割合、図27で説明した各設計事例における評価カテゴリ毎のCO2排出の削減割合を順に算出して、図43に示す現状システムのCO2排出量60123、現状システムの評価カテゴリ毎のCO2排出割合60124、各設計事例の評価カテゴリ毎のCO2排出の削減割合60125−1〜nとして一時記憶部60121に保存し、次いで図28で説明したような負荷削減度の指標を各設計事例について算出し、図43に示す各設計事例の負荷削減度の指標P 60126−1〜nとして一時記憶部60121に保存する(ステップS602)。
次に事例検索部6012は、以下の何れかの方法によって、各設計事例の類似度ポイントQを算出し、図43に示す各設計事例の類似度ポイントQ 60127−1〜nとして一時記憶部60127として保存する(ステップS603)。
(1)第2の実施の形態における図30のステップS202〜S215と同様の処理を実行する。
(2)第3の実施の形態における図33のステップS302〜S316と同様の処理を実行する。
(3)第4の実施の形態における図36のステップS402〜S412と同様の処理を実行する。
(4)第5の実施の形態における図39のステップS502〜S504と同様の処理を実行する。
次に事例検索部6012は、一時記憶部60121から設計事例1の負荷削減度の指標Pと類似度ポイントQを読み出し、前述した方法で重み付け加算することで統合評価値Rを算出し、一時記憶部60121に設計事例1の統合評価値R 60128−1として保存する(ステップS604)。これを全ての設計事例について繰り返し実行することで、全ての設計事例の統合評価値Rを算出し、一時記憶部60121に保存する。
次に事例検索部6012は、設計事例記憶部1022に記憶された全ての設計事例について統合評価値Rの算出と保存を終えると、一時記憶部60121に保存された各設計事例の統合評価値R 60128−1〜nを読み込み、昇順にソートすることで、統合評価値Rの値が大きい順に幾つかの事例を参考事例として選択する(ステップS605)。そして、選択した参考事例の設計情報1022Cを設計事例記憶部1022から読み出して出力装置104から出力し、設計者に提示する(ステップS606)。参考事例の一覧を出力装置104から出力し、入力装置103を通じて設計者から提示すべき参考事例が指定されたときにその設計情報1022Cを出力する等、任意の提示方法が可能である。
このように第6の実施の形態にかかるシステム設計支援装置によれば、現状システムに類似する旧システムを含み、且つ現状システムに対する負荷削減度の指標が大きな幾つかの設計事例を参考事例として設計者に提示することができる。これにより、設計者は、提示された参考事例の設計情報を参考に、現用システムを改善したシステムを設計することが可能となる。
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明は以上の実施の形態にのみ限定されず、その他各種の付加変更が可能である。例えば、前述した各実施の形態では、環境負荷として情報システムの運用段階におけるCO2の排出量を扱ったが、その他に、システム構築段階の環境負荷や、システムの構築・運用段階におけるコスト、システム運用段階におけるシステム利用者の時間消費などを評価カテゴリとして考えてもよい。
本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置のブロック図である。 評価係数記憶部の記憶内容の一例を示す図である。 設計事例記憶部の記憶内容の一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例登録部の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例登録部がディスプレイに表示するシステム識別情報入力画面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例登録部がディスプレイに表示するコマンドメニュー(事例登録)を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例登録部がディスプレイに表示する機器電力消費量入力画面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例登録部がディスプレイに表示する情報紙使用量入力画面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例登録部がディスプレイに表示する人移動量入力画面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例登録部がディスプレイに表示する物品輸送量入力画面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例登録部がディスプレイに表示するネットワークサービス利用量入力画面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例登録部がディスプレイに表示する廃棄在庫量入力画面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例登録部がディスプレイに表示する保管在庫量入力画面を示す図である。 設計事例記憶部に記憶された評価結果の一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部がディスプレイに表示するコマンドメニュー(事例検索)を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部がディスプレイに表示する機器電力消費量入力画面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部がディスプレイに表示する情報紙使用量入力画面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部がディスプレイに表示する人移動量入力画面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部がディスプレイに表示する物品輸送量入力画面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部がディスプレイに表示するネットワークサービス利用量入力画面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部がディスプレイに表示する廃棄在庫量入力画面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部がディスプレイに表示する保管在庫量入力画面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部が備える一時記憶部の内容例を示す図である。 現状システムの評価カテゴリ毎のCO2排出量の一例を示す図である。 現状システムの評価カテゴリ毎のCO2排出割合の一例を示す図である。 設計事例の評価カテゴリ毎のCO2排出の削減割合の一例を示す図である。 設計事例の負荷削減度の指標の計算例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置のブロック図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部が備える一時記憶部の内容例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態にかかるシステム設計支援装置のブロック図である。 本発明の第3の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部が備える一時記憶部の内容例を示す図である。 本発明の第4の実施の形態にかかるシステム設計支援装置のブロック図である。 本発明の第4の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部が備える一時記憶部の内容例を示す図である。 本発明の第5の実施の形態にかかるシステム設計支援装置のブロック図である。 本発明の第5の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部が備える一時記憶部の内容例を示す図である。 本発明の第6の実施の形態にかかるシステム設計支援装置のブロック図である。 本発明の第6の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第6の実施の形態にかかるシステム設計支援装置における事例検索部が備える一時記憶部の内容例を示す図である。
符号の説明
100…システム設計支援装置
101…処理装置
102…記憶装置
103…入力装置
104…出力装置
105…記録媒体
1011…事例登録部
1012…事例検索部
1013…評価部
1021…評価係数記憶部
1022…設計事例記憶部

Claims (28)

  1. 旧システムから新システムへの設計事例を複数記憶する記憶装置と、現状システムから発生する環境負荷を複数の評価カテゴリ毎に算出するためのデータを入力する入力装置と、入力されたデータに基づいて、現状システムから発生する環境負荷を改善するシステムの設計に参考となる設計事例を前記記憶装置から検索する処理装置と、検索された設計事例を出力する出力装置とを備えることを特徴とするシステム設計支援装置。
  2. 前記処理装置は、前記入力装置から入力されたデータに基づいて現状システムから発生する複数の評価カテゴリ毎の環境負荷を算出する評価手段と、前記評価手段によって算出された現状システムの環境負荷を効率的に削減できる設計事例を前記記憶装置から検索する事例検索手段とを含むことを特徴とする請求項1記載のシステム設計支援装置。
  3. 前記事例検索手段は、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合と現状システムの各評価カテゴリ毎の環境負荷の発生割合とから現状システムに対する環境負荷の削減度の指標となる値を計算する削減度指標計算手段と、削減度の指標となる値の大きい順に前記記憶装置から設計事例を抽出する抽出手段とを含むことを特徴とする請求項2記載のシステム設計支援装置。
  4. 前記処理装置は、前記入力装置から入力されたデータに基づいて前記現状システムと類似する旧システムを含む設計事例を前記記憶装置から検索する事例検索手段を含むことを特徴とする請求項1記載のシステム設計支援装置。
  5. 前記事例検索手段は、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムと現状システムとの類似度の指標となる値を計算する類似度指標計算手段と、類似度の指標となる値の大きい順に前記記憶装置から設計事例を抽出する抽出手段とを含むことを特徴とする請求項4記載のシステム設計支援装置。
  6. 前記処理装置は、前記入力装置から入力されたデータに基づいて現状システムから発生する複数の評価カテゴリ毎の環境負荷を算出する評価手段と、前記評価手段によって算出された現状システムの環境負荷を効率的に削減でき且つ前記現状システムと類似する旧システムを含む設計事例を前記記憶装置から検索する事例検索手段とを含むことを特徴とする請求項1記載のシステム設計支援装置。
  7. 前記事例検索手段は、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合と現状システムの各評価カテゴリ毎の環境負荷の発生割合とから現状システムに対する環境負荷の削減度の指標となる値を計算する削減度指標計算手段と、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムと現状システムとの類似度の指標となる値を計算する類似度指標計算手段と、前記計算された削減度の指標と類似度の指標とを統合した指標の値の大きい順に前記記憶装置から設計事例を抽出する抽出手段とを備えることを特徴とする請求項6記載のシステム設計支援装置。
  8. 前記削減度指標計算手段は、各設計事例における旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合を、設計事例の一部として前記記憶装置に保存されている旧システムから発生する各評価カテゴリ毎の環境負荷と旧システムから新システムへ移行したときの各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減量とから求めるものであることを特徴とする請求項3または7記載のシステム設計支援装置。
  9. 前記削減度指標計算手段は、各設計事例における旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合として、設計事例の一部として前記記憶装置に保存されている旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合を用いるものであることを特徴とする請求項3または7記載のシステム設計支援装置。
  10. 前記類似度指標計算手段は、現状システムから発生する環境負荷を算出するために前記入力装置から入力された各評価カテゴリ毎のデータレコード数と、前記旧システムから発生する環境負荷を算出するために設計事例の一部として前記記憶装置に保存されている各評価カテゴリ毎のデータレコード数とを各評価カテゴリ毎に比較して、前記類似度の指標の値を算出するものであることを特徴とする請求項5または7記載のシステム設計支援装置。
  11. 前記類似度指標計算手段は、特定の評価カテゴリに含まれるデータレコードを、レコードの所定フィールドの値が予め定められた範囲にあるか若しくはレコードの所定フィールドに入力された文字列がグループ判定用の文字列と部分一致あるいは完全一致するかどうかを基準に複数のレコードグループに分類し、分類された各レコードグループをそれぞれ独立した評価カテゴリとして扱って前記類似度の指標の値を算出するものであることを特徴とする請求項10記載のシステム設計支援装置。
  12. 前記類似度指標計算手段は、現状システムから発生する環境負荷を算出するために前記入力装置から入力された各評価カテゴリ毎のデータレコードおよび前記旧システムから発生する環境負荷を算出するために設計事例の一部として前記記憶装置に保存されている各評価カテゴリ毎のデータレコードに入力された数値データを用いて演算を行い、その演算結果を評価カテゴリ毎に合計した値を現状システムと旧システムで比較することで前記類似度の指標を算出するものであることを特徴とする請求項5または7記載のシステム設計支援装置。
  13. 前記類似度指標計算手段は、現状システムから発生する環境負荷を算出するために前記入力装置から入力された各評価カテゴリ毎のデータレコード数と、前記旧システムから発生する環境負荷を算出するために設計事例の一部として前記記憶装置に保存されている各評価カテゴリ毎のデータレコード数とを各評価カテゴリ毎に比較して第1の指標の値を算出するか、あるいは、特定の評価カテゴリに含まれるデータレコードを、レコードの所定フィールドの値が予め定められた範囲にあるか若しくはレコードの所定フィールドに入力された文字列がグループ判定用の文字列と部分一致あるいは完全一致するかどうかを判定して複数のレコードグループに分類し、分類された各レコードグループをそれぞれ独立した評価カテゴリとして扱って第1の指標の値を算出し、且つ、現状システムから発生する環境負荷を算出するために前記入力装置から入力された各評価カテゴリ毎のデータレコードおよび前記旧システムから発生する環境負荷を算出するために設計事例の一部として前記記憶装置に保存されている各評価カテゴリ毎のデータレコードに入力された数値データを用いて演算を行い、その演算結果を評価カテゴリ毎に合計した値を現状システムと旧システムで比較することで第2の指標を算出し、前記第1の指標の値と前記第2の指標の値を重み付け加算して、前記類似度の指標を算出するものであることを特徴とする請求項5または7記載のシステム設計支援装置。
  14. 前記処理装置は、旧システムから新システムへの設計事例を前記記憶装置に登録する事例登録手段を備えることを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載のシステム設計支援装置。
  15. a)処理装置が、入力装置から入力された旧システムから新システムへの設計事例を記憶装置に登録するステップ、
    b)処理装置が、現状システムから発生する環境負荷を複数の評価カテゴリ毎に算出するためのデータを前記入力装置から入力するステップ、
    c)処理装置が、入力されたデータに基づいて、現状システムから発生する環境負荷を改善するシステムの設計に参考となる設計事例を前記記憶装置から検索するステップ、
    d)処理装置が、検索された設計事例を出力装置から出力するステップ、
    を含むことを特徴とするシステム設計支援方法。
  16. 前記ステップcは、
    c−1)処理装置が、前記入力装置から入力されたデータに基づいて現状システムから発生する複数の評価カテゴリ毎の環境負荷を算出するステップ、
    c−2)処理装置が、前記算出された現状システムの環境負荷を効率的に削減できる設計事例を前記記憶装置から検索するステップ、
    を含むことを特徴とする請求項15記載のシステム設計支援方法。
  17. 前記ステップc−2は、
    c−2−1)処理装置が、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合と現状システムの各評価カテゴリ毎の環境負荷の発生割合とから現状システムに対する環境負荷の削減度の指標となる値を計算するステップ、
    c−2−2)処理装置が、削減度の指標となる値の大きい順に前記記憶装置から設計事例を抽出するステップ、
    を含むことを特徴とする請求項16記載のシステム設計支援方法。
  18. 前記ステップcは、
    c−1)処理装置が、前記入力装置から入力されたデータに基づいて前記現状システムと類似する旧システムを含む設計事例を前記記憶装置から検索するステップ、
    を含むことを特徴とする請求項15記載のシステム設計支援方法。
  19. 前記ステップc−1は、
    c−1−1)処理装置が、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムと現状システムとの類似度の指標となる値を計算するステップ、
    c−1−2)処理装置が、類似度の指標となる値の大きい順に前記記憶装置から設計事例を抽出するステップ、
    を含むことを特徴とする請求項18記載のシステム設計支援方法。
  20. 前記ステップcは、
    c−1)処理装置が、前記入力装置から入力されたデータに基づいて現状システムから発生する複数の評価カテゴリ毎の環境負荷を算出するステップ、
    c−2)処理装置が、前記算出された現状システムの環境負荷を効率的に削減でき且つ前記現状システムと類似する旧システムを含む設計事例を前記記憶装置から検索するステップ、
    を含むことを特徴とする請求項15記載のシステム設計支援方法。
  21. 前記ステップc−2は、
    c−2−1)処理装置が、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合と現状システムの各評価カテゴリ毎の環境負荷の発生割合とから現状システムに対する環境負荷の削減度の指標となる値を計算するステップ、
    c−2−2)処理装置が、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムと現状システムとの類似度の指標となる値を計算するステップ、
    c−2−3)処理装置が、前記計算された削減度の指標と類似度の指標とを統合した指標の値の大きい順に前記記憶装置から設計事例を抽出するステップ、
    を含むことを特徴とする請求項20記載のシステム設計支援方法。
  22. 旧システムから新システムへの設計事例を複数記憶する記憶装置を備えたコンピュータを、現状システムから発生する環境負荷を複数の評価カテゴリ毎に算出するためのデータを入力装置から入力する入力手段、入力されたデータに基づいて、現状システムから発生する環境負荷を改善するシステムの設計に参考となる設計事例を前記記憶装置から検索する処理手段、検索された設計事例を出力装置に出力する出力手段、として機能させることを特徴とするプログラム。
  23. 前記処理手段は、前記入力装置から入力されたデータに基づいて現状システムから発生する複数の評価カテゴリ毎の環境負荷を算出する評価手段と、前記評価手段によって算出された現状システムの環境負荷を効率的に削減できる設計事例を前記記憶装置から検索する事例検索手段とを含むことを特徴とする請求項22記載のプログラム。
  24. 前記事例検索手段は、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合と現状システムの各評価カテゴリ毎の環境負荷の発生割合とから現状システムに対する環境負荷の削減度の指標となる値を計算する削減度指標計算手段と、削減度の指標となる値の大きい順に前記記憶装置から設計事例を抽出する抽出手段とを含むことを特徴とする請求項23記載のプログラム。
  25. 前記処理手段は、前記入力装置から入力されたデータに基づいて前記現状システムと類似する旧システムを含む設計事例を前記記憶装置から検索する事例検索手段を含むことを特徴とする請求項22記載のプログラム。
  26. 前記事例検索手段は、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムと現状システムとの類似度の指標となる値を計算する類似度指標計算手段と、類似度の指標となる値の大きい順に前記記憶装置から設計事例を抽出する抽出手段とを含むことを特徴とする請求項25記載のプログラム。
  27. 前記処理手段は、前記入力装置から入力されたデータに基づいて現状システムから発生する複数の評価カテゴリ毎の環境負荷を算出する評価手段と、前記評価手段によって算出された現状システムの環境負荷を効率的に削減でき且つ前記現状システムと類似する旧システムを含む設計事例を前記記憶装置から検索する事例検索手段とを含むことを特徴とする請求項22記載のプログラム。
  28. 前記事例検索手段は、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムから新システムへの移行に伴う各評価カテゴリ毎の環境負荷の削減割合と現状システムの各評価カテゴリ毎の環境負荷の発生割合とから現状システムに対する環境負荷の削減度の指標となる値を計算する削減度指標計算手段と、前記記憶装置に記憶されている設計事例毎に、その設計事例における旧システムと現状システムとの類似度の指標となる値を計算する類似度指標計算手段と、前記計算された削減度の指標と類似度の指標とを統合した指標の値の大きい順に前記記憶装置から設計事例を抽出する抽出手段とを備えることを特徴とする請求項27記載のプログラム。
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