JP2005070871A - Icカード及びicカードプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】データサイズの不整合及び処理の遅延を防止し、複数のアプリケーション間においてデータを共有することが可能なICカード及びICカードプログラムを提供する。
【解決手段】ファイル毎にファイルサイズ情報及びデータ位置情報を含むデータ場所情報を記憶するEEPROMを備えるICカードであって、他のファイルA−2とファイルデータを共有するファイルB−2の生成を要求するデータ共有ファイル生成要求が外部から受信された場合に、ファイルA−2のデータ場所情報に含まれるファイルサイズ情報S(A−2)及びデータ位置情報L(A−2)を、ファイルB−2のデータ場所情報として記憶することを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】ファイル毎にファイルサイズ情報及びデータ位置情報を含むデータ場所情報を記憶するEEPROMを備えるICカードであって、他のファイルA−2とファイルデータを共有するファイルB−2の生成を要求するデータ共有ファイル生成要求が外部から受信された場合に、ファイルA−2のデータ場所情報に含まれるファイルサイズ情報S(A−2)及びデータ位置情報L(A−2)を、ファイルB−2のデータ場所情報として記憶することを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアプリケーションが搭載可能であって、異なるファイルにおいてデータを共有することが可能なICカード及びICカードプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ICカードは、カード内部に集積回路(IC)を有し、リーダライタを備える情報処理端末等の外部装置との間で情報交換を行い、計算した結果や記憶している情報を外部へ送信する、又は、記憶している情報の変更その他の動作を行うカードである。ICカードは、ROM、RAM及びEEPROM等のメモリと、これらのメモリにアクセスするCPUとを備えている。
EEPROMには、1又は2以上のファイルが設けられており、それぞれのファイルにデータが格納されている。
【0003】
図7は、従来のICカード(i)のEEPROMに記憶されているファイルを説明するための図である。
図7に示すように、従来のICカード(i)は、EEPROMのデータ領域にファイル構成の根幹となるルートと、その配下の2つのフォルダにアプリケーションを格納して記憶している。この2つのアプリケーションには、それぞれICカード内で固有のアプリケーション識別情報であるA及びBが割り当てられている(以下、アプリケーション識別情報がAであるアプリケーションを「アプリケーションA」、アプリケーション識別情報がBであるアプリケーションを「アプリケーションB」という。ファイル及びファイル識別情報についても同様である。)。アプリケーション識別情報とは、アプリケーションを識別する識別符号であって、同時に、格納されているフォルダを識別するフォルダ識別情報である。
【0004】
アプリケーションA及びアプリケーションBは、CPUが実行することによってその目的を実現するプログラムを備え、その配下にこのプログラムを実行するために必要なデータであるファイルデータD−A1、D−A2及びD−B1をそれぞれ格納する3つのファイルを備えている。ファイルA−1、ファイルA−2及びファイルB−3の3つのファイルには、それぞれICカード内で固有のファイル識別情報であるA−1、A−2及びB−1が割り当てられている。
外部装置は、先ず、アプリケーション識別情報を含む選択要求をICカードに送信してアプリケーションAを選択した上で、その配下にあるファイルA−2を指定してそのファイルデータD−A2へアクセスしていた。
【0005】
しかし、上述のように、従来のICカード(i)のファイル識別情報は、メモリに物理的に配置された各ファイルのデータに対して、それぞれ1対1に対応しているため、例えば、他のアプリケーションBから、ファイルA−2のデータへアクセスすることは困難であるという問題があった。
一方、例えば、デパート支払アプリケーション及びブランド支払アプリケーションの利用限度額等、処理対象となるデータが互いに関連している複数のアプリケーションが格納されているICカードでは、メモリ領域の有効利用及び利便性等の観点からデータの共有の要請があるとともに、悪意の第三者によってこの関連における矛盾が利用され、セキュリティ性に欠けるおそれがあった。
この問題を解決するために従来のICカード(ii)がある。
【0006】
図8は、従来のICカード(ii)のEEPROMに記憶されているエリア定義情報を説明するための図である。
図8に示すように、従来のICカード(ii)は、ディレクトリ識別情報、エリア番号、エリア先頭アドレス情報、エリアサイズ情報、エリアリンク情報、およびリンク先指定情報を含むエリア定義情報を不揮発性メモリのエリア定義情報格納エリアに格納し、エリアリンク登録命令があった場合には、カレントバッファの内容をディレクトリ識別情報、この命令データ中のリンク対象エリア番号をリンク先指定情報、エリアリンク情報を「01」として、エリア定義情報をエリア定義情報格納エリアに格納する(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平1−229393号公報(第3−第7頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のICカード(ii)は、エリアリンク登録命令中のエリアサイズをエリア定義情報としてエリア定義情報格納エリアに格納するため、このエリアサイズと、リンク先指定情報と同一の値をディレクトリ識別情報とエリア番号に持つエリア定義情報に含まれるエリアサイズとが必ずしも一致するとは、限らず、リンク元及びリンク先のデータサイズの不整合を生じる可能性があった。
また、データ書き込み命令等があった場合に、リンク先へのデータ書き込み及び読み出し処理を行うためには、従来のICカード(ii)は、カレントバッファの内容をディレクトリ識別情報とし、命令データ中のエリア番号をエリア番号としたエリア定義情報中のエリアリンク情報が「01」か否かを判断し、「01」であれば、対応するリンク先指定情報と同一の値をディレクトリ識別情報とエリア番号に持つエリア定義情報を見つけて読み出し、見付かったエリア定義情報中のエリアリンク情報を同様に判断し、この判断処理をエリアリンク情報が「00」であるエリア定義情報が見付かるまで続けなければならず(特許文献1第6頁参照)、リンクの関係が多重になればなるほど、読み出し、判断等の処理が増加し、処理の遅延を招くおそれがあるとともに、前述のリンク元及びリンク先のデータサイズの不整合を生じる可能性が高くなるという問題があった。
【0009】
本発明の課題は、データサイズの不整合及び処理の遅延を防止し、複数のアプリケーション間においてデータを共有することが可能なICカード及びICカードプログラムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、ファイル毎にデータサイズ及び/又はデータ位置情報を含むデータ場所情報を記憶するデータ場所情報記憶手段(15)を備えるICカードであって、前記データ場所情報記憶手段は、他のファイルとデータを共有するデータ共有ファイルの生成を要求するデータ共有ファイル生成要求が外部から受信された場合に、前記他のファイルのデータ場所情報に含まれるデータサイズ及び/又はデータ位置情報を、生成が要求されている前記データ共有ファイルのデータ場所情報として記憶すること、を特徴とするICカード(10)である。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載のICカードにおいて、前記生成が要求されているデータ共有ファイルがデータを共有する他のファイルが記憶されているか否かを判定する共有先存否判定手段(121,S140)を備え、前記データ場所情報記憶手段は、前記共有先存否判定手段が肯と判定した場合に、前記他のファイルのデータ場所情報に含まれるデータサイズ及び/又はデータ位置情報を、生成が要求されている前記データ共有ファイルのデータ場所情報として記憶すること、を特徴とするICカード(10)である。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のICカードにおいて、前記データ場所情報記憶手段は、ファイル識別情報にデータ場所情報を結びつけて記憶し、生成が要求されている前記データ共有ファイルを識別するための生成要求ファイル識別情報を外部から受信する生成要求ファイル識別情報受信手段(11)と、生成要求ファイル識別情報受信手段によって受信される生成要求ファイル識別情報と同一のファイル識別情報が前記データ場所情報記憶手段によって記憶されているか否かを判定するファイル識別情報重複判定手段(121,S120)とを備え、前記データ場所情報記憶手段は、前記ファイル識別情報重複判定手段によって否と判定された場合に、前記他のファイルのデータ場所情報に含まれるデータサイズ及び/又はデータ位置情報を、前記生成要求ファイル識別情報受信手段によって受信される生成要求ファイル識別情報に結びつけて記憶すること、を特徴とするICカード(10)である。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のICカードにおいて、前記データ場所情報記憶手段は、上位ファイル識別情報及び/又はファイル種別情報を前記データ場所情報に結びつけて記憶すること、を特徴とするICカード(10)である。
【0014】
請求項5の発明は、ファイル毎にデータサイズ及び/又はデータ位置情報を含むデータ場所情報を記憶するデータ場所情報記憶部(15)を備えるICカード(10)のCPU(12)に実行させるICカードプログラムであって、他のファイルとデータを共有するデータ共有ファイルの生成を要求するデータ共有ファイル生成要求を外部から受信した場合に、前記他のファイルのデータ場所情報に含まれるデータサイズ及び/又はデータ位置情報を、生成が要求されている前記データ共有ファイルのデータ場所情報として前記データ場所情報記憶部に記憶するデータ共有ファイル生成手順(S150)を備えること、を特徴とするICカードプログラムである。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5に記載のICカードプログラムにおいて、生成が要求されている前記データ共有ファイルがデータを共有する他のファイルが記憶されているか否かを判定する共有先存否判定手順(S140)を備え、前記データ共有ファイル生成手順は、前記共有先存否判定手順において肯と判定した場合に実行されること、を特徴とするICカードプログラムである。
【0016】
請求項7の発明は、請求項5又は請求項6に記載のICカードプログラムにおいて、前記データ場所情報記憶部は、ファイル識別情報にデータ場所情報を結びつけて記憶し、生成が要求されている前記データ共有ファイルを識別するための生成要求ファイル識別情報を外部から受信した場合に、この生成要求ファイル識別情報と同一のファイル識別情報が前記データ場所情報記憶部に記憶されているか否かを判定するファイル識別情報重複判定手順(S120)を備え、前記データ共有ファイル生成手順は、前記ファイル識別情報重複判定手順において否と判定された場合に実行されること、を特徴とするICカードプログラムである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
(実施形態)
図1は、本発明によるICカードの実施形態を示すブロック図である。
なお、前述した従来例と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図1に示すように、本実施形態におけるICカード10は、外部装置20及びCPU12間の通信を媒介するI/Oインターフェイス11、CPU12、RAM13、ROM14及びEEPROM15等を備え、複数のアプリケーションが搭載可能な一般的なマルチアプリケーションICカード上に構築することができる。
CPU12は、I/Oインターフェイス11、RAM13、ROM14及びEEPROM15等に接続され、ROM14、EEPROM15等のメモリに格納されているプログラムを実行することによって、ICカード10を統括制御し、判定部121を実現する。判定部121についての詳細は、図4を用いながら後述する。
【0018】
RAM13、ROM14及びEEPROM15は、プログラム等のCPU14の処理に必要な情報を記憶するための記憶手段である。
RAM13は、揮発性メモリであり、CPU12が処理を行う作業領域として使用される。
ROM14は、不揮発性の読み出し専用メモリであって、基本ソフトウェアであるオペレーティングシステム、実行環境等のプログラム、パラメータ等を格納している。
EEPROM15は、随時書き換え可能な不揮発性のメモリであり、通常ユーザのワークエリア、プログラムエリア等として使用されている。なお、EEPROM15は、EPROM等の他の随時書き換え可能な不揮発性メモリであってもよい。
【0019】
図2は、本発明によるICカードのEEPROMのデータ領域におけるファイル構成を示す図である。
図2に示すように、EEPROM15は、ルートと、ルートの配下にアプリケーションA及びアプリケーションBとを記憶している。また、EEPROM15は、アプリケーションAの配下にファイルA−1及びファイルA−2を、アプリケーションBの配下にファイルB−1及びファイルB−2を記憶している。
【0020】
図3は、ファイルに格納されている情報を説明する図である。図3(a)は、ファイルの構成を説明する図であって、図3(b)は、ファイル制御情報を説明する表である。
図3(a)に示すように、ファイルA−1,A−2,B−1,B−2は、アプリケーションA又はアプリケーションBのプログラムで使用されるデータであるファイルデータD−A1、ファイルデータD−A2又はファイルデータD−B1と、ファイル制御情報とを格納している。
図3(b)に示すように、ファイル制御情報は、ファイル毎にファイル(フォルダ)識別情報、ファイルタイプ情報、親フォルダ情報、データ場所情報、セキュリティ情報等を結びつけた情報である。
ファイルタイプ情報は、アプリケーションのファイルであるか、データのファイルであるか等のルート配下の各ファイルがどのような種類のファイルかを示すファイル種別情報である。
【0021】
親フォルダ情報は、当該ファイルの上位のファイルである親フォルダをICカード10に格納されている他のフォルダから識別するための上位ファイル識別情報である。
データ場所情報は、物理メモリ上でファイルデータが記憶されている場所を一意に示す情報であって、ファイルサイズ情報及びデータ位置情報を含んでいる。ファイルサイズ情報は、ファイルに格納されているファイルデータのサイズを示すデータサイズであって、データ位置情報は、ファイルのデータが格納されている位置を示す先頭アドレス等の物理メモリ上での記憶されている位置を一意に示す情報である。なお、データ位置情報の「L(A−1)」は、ファイルA−1のファイルデータD−A1が記憶されているEEPROM15のメモリ領域における先頭アドレスを示している。
セキュリティ情報は、公開鍵暗号方式、秘密鍵暗号方式等の暗号方式によって、外部装置20、利用者等を認証するための秘密鍵、PIN等の認証情報である。
【0022】
図2及び図3に示すように、ファイルB−2は、データをファイルA−2と共有するファイルB−2の生成を要求するファイル創生要求をICカード10が外部装置20から受信し、この要求に対応する処理であるファイル創生処理を行うことによって新たに創生(生成)されたファイルである。ファイルB−2は、アプリケーションBの配下にあって、ファイルデータD−A2をファイルA−2と共有している。つまり、ファイルB−2と、リンク先のファイルであるファイルA−2のデータ場所情報は、同一となっている。なお、ファイルB−2の創生過程については、図4を用いて後述する。
【0023】
図4は、本発明によるICカードの動作及び本発明によるICカードプログラムを示すフローチャートであって、ICカード10のデータ領域に、ファイルA−2とファイルデータD−A2を共有するデータ共有ファイルB−2を創生するファイル創生処理を示している。また、図5は、ファイル創生処理におけるICカード及び外部装置間での通信を説明する図である。
ステップ100(以下、「ステップ」を「S」という。)において、ICカード10は、外部装置20に接続され、開始処理を行い活性化され、アプリケーションBを選択している状態にある。また、ICカード10のEEPROM15には、ファイルA−1及びファイルA−2を有するアプリケーションAと、ファイルB−1を有するアプリケーションBとが記憶されている(図7と同様の状態)。
【0024】
S110において、ICカード10は、外部装置20からファイル識別情報(B−2)等の生成要求ファイル識別情報、リンク先のファイルを識別するリンク先ファイル識別情報(A−2)、ファイルタイプ情報等のデータを含むファイル創生要求を受信し、ファイル創生処理を開始する[図5(a)参照]。S120において、判定部121は、EEPROM15に記憶されているファイル制御情報を参照し、ファイル創生要求に含まれているファイル識別情報が既に記憶されているか否か(重複するか否か)を判定する。肯の場合には、ICカード10は、その旨を示すレスポンスを生成し(S190)、外部装置20へ送信し[S170、図5(a)参照]、ファイル創生処理を終了する(S200)。
【0025】
ICカード10は、ファイル識別情報(B−2)を含むファイル制御情報を記憶していないため、判定部121は、否と判定し、次にS110において受信したファイル創生要求にリンク先ファイル識別情報が含まれているか否かを判定する(S130)。否と判定した場合には、ICカード10は、ファイル創生要求に含まれるファイルのデータ(ファイル創生要求と別に受信してもよい)をEEPROM15のデータ領域の空き領域に格納し、その位置を示す先頭アドレスと、データサイズと、選択しているアプリケーションのアプリケーション識別情報(親フォルダ識別情報)と、S110で受信したファイル創生要求に含まれるファイル識別情報及びファイルタイプ情報とを結びつけてファイル制御情報としてEEPROM15に記憶し(S180)、S160へ進む。
【0026】
判定部121は、ファイル創生要求にリンク先ファイル識別情報(A−2)が含まれているため、S130において肯と判定し、このリンク先ファイル識別情報と同一のファイルを示すファイル識別情報が既に記憶されているか否か(存在するか否か)を判定する(S140)。否と判定した場合には、ICカード10は、その旨を示すレスポンスを生成し(S190)、外部装置20へ送信し[S170、図5(a)参照]、ファイル創生処理を終了する(S200)。
【0027】
EEPROM15は、ファイル識別情報(A−2)を含むファイル制御情報を記憶しているため、判定部121は、肯と判定する。ICカード10は、リンク先ファイル(A−2)のファイル制御情報から読み出したデータ場所情報と、選択しているアプリケーションのプリケーション識別情報(B)と、S110で受信したファイル創生要求に含まれるファイルタイプ情報(データ)及びファイル識別情報(B−2)とを結びつけ、新たに創生されるファイル(B−2)のファイル制御情報としてEEPROM15へ記憶する(S150、図2及び図3参照)。
S160において、ICカード10は、ファイルA−2の創生が承認された旨を示すレスポンスを生成し、外部装置20へ送信し[S170、図5(a)参照]、ファイル創生処理を終了する(S200)。
【0028】
なお、S110で受信したファイル創生要求にファイルサイズ情報が含まれている場合であっても、ICカード10は、リンク先ファイル(A−2)のファイル制御情報から読み出したファイルサイズ情報を新たに創生するファイル(B−2)のファイル制御情報としてEEPROM15へ記憶する。
また、ファイルB−2を創生した後に、ファイルデータD−B3を有するファイルB−3を創生する場合には、図5(b)に示すように、ICカード10は、外部装置20からファイル識別情報(B−3)及びファイルタイプ情報(データ)を含む創生要求を受信し(S110)、判定部121がS130において否と判定し、ファイルB−3を創生し(S180)、その旨を外部装置20へ送信し(S160,S170)、ファイル創生処理を終了する(S200)。
【0029】
本実施形態によれば、新たに創生する共有ファイルのファイル制御情報として、リンク先ファイルのデータ場所情報を記憶するため、データサイズの不整合を防止することが可能であり、また、アプリケーションAが選択されている場合には、A−2ファイルを指定し、アプリケーションBが選択されている場合には、B−2ファイルを指定すれば、そのデータ場所情報を読み出すことによって共有されているデータ(A−2)に直接アクセスすることができるため、複数のファイルで共有されていないデータ(D−A1等)にアクセスする場合と同様の処理速度を維持し、処理の遅延を防止するとともに、異なるファイル識別情報によって一のファイルデータを共有することが可能となった。
【0030】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。例えば、ファイル識別情報は、ICカード内で独自の識別符号としたが、一のアプリケーションに含まれる複数のファイル間で独自の識別符号であってもよく、少なくとも上位ファイルが同一及び階層が同一のファイル間において独自の識別符号であればよい。
例えば、ファイルA−2のファイル識別情報(A−2)がアプリケーションAの配下でのみ独自であるとすれば、図6に示すように、B−2ファイルを創生するファイル創生処理において、ICカード10は、外部装置20からファイル識別情報(B−2)、ファイルタイプ情報(データ)、リンク先ファイル識別情報(ルート/A/A−2)を含むファイル創生要求を受信することとなる。
【0031】
このリンク先ファイル識別情報(ルート/A/A−2)は、ルートからの絶対パスによってリンク先のA−2ファイルを識別する、つまり、ファイル識別情報及び上位ファイルのファイル識別情報によって一のファイルを識別する識別符号である。
このリンク先ファイル識別情報(ルート/A/A−2)を利用することによって、ファイル識別情報がICカード内で独自でない場合であってもリンク先ファイルを一意に特定することができ、同様の効果を得ることが可能である。
【0032】
ICカード10のCPU12は、B−2ファイルを創生(図4のS150参照)する前に、A−2ファイルのファイル制御情報に含まれるセキュリティ情報に基づいて、公開鍵暗号方式、秘密鍵暗号方式等の暗号方式によって、ファイル創生要求の送信元である外部装置20の認証を行う認証部を備えていてもよい。セキュリティ性の向上を図ることが可能である。
また、ICカード10の判定部121は、ファイルを創生(図4のS150、S160参照)する前に、EEPROM15のデータ領域における空き容量が十分であるか否かを判定してもよい。
【0033】
ICカード10は、ファイル識別情報及びリンク先ファイル識別情報を含むファイル創生要求を外部装置20から受信するが、ファイル識別情報及び/又はリンク先ファイル識別情報をこの要求に含まず、別に受信してもよい。
また、ICカード10は、ファイルにファイル識別情報を割り当てるファイル識別情報割り当て部を備え、割り当てられたファイル識別情報を外部装置20へ通知してもよい。ICカード10内で独自のファイル識別情報を容易にファイルに割り当てることが可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、他のファイルのデータ場所情報を生成が要求されているデータ共有ファイルのデータ場所情報として記憶するため、データサイズの不整合を防止することが可能であり、処理の遅延を防止するとともに、異なるファイル識別情報によって一のファイルデータを共有することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるICカードの実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明によるICカードのEEPROMのデータ領域におけるファイル構成を示す図である。
【図3】ファイルに格納されている情報を説明する図である。
【図4】本発明によるICカードの動作及び本発明によるICカードプログラムを示すフローチャートである。
【図5】ファイル創生処理におけるICカード及び外部装置間での通信を説明する図である。
【図6】本発明によるICカード及びICカードプログラムの変形形態を説明する図である。
【図7】従来のICカード(i)のEEPROMに記憶されているおけるファイルを説明するための図である。
【図8】従来のICカード(ii)のEEPROMに記憶されているエリア定義情報を説明するための図である。
【符号の説明】
10 ICカード
11 I/Oインターフェイス
12 CPU
13 RAM
14 ROM
15 EEPROM
20 外部装置
121 判定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアプリケーションが搭載可能であって、異なるファイルにおいてデータを共有することが可能なICカード及びICカードプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ICカードは、カード内部に集積回路(IC)を有し、リーダライタを備える情報処理端末等の外部装置との間で情報交換を行い、計算した結果や記憶している情報を外部へ送信する、又は、記憶している情報の変更その他の動作を行うカードである。ICカードは、ROM、RAM及びEEPROM等のメモリと、これらのメモリにアクセスするCPUとを備えている。
EEPROMには、1又は2以上のファイルが設けられており、それぞれのファイルにデータが格納されている。
【0003】
図7は、従来のICカード(i)のEEPROMに記憶されているファイルを説明するための図である。
図7に示すように、従来のICカード(i)は、EEPROMのデータ領域にファイル構成の根幹となるルートと、その配下の2つのフォルダにアプリケーションを格納して記憶している。この2つのアプリケーションには、それぞれICカード内で固有のアプリケーション識別情報であるA及びBが割り当てられている(以下、アプリケーション識別情報がAであるアプリケーションを「アプリケーションA」、アプリケーション識別情報がBであるアプリケーションを「アプリケーションB」という。ファイル及びファイル識別情報についても同様である。)。アプリケーション識別情報とは、アプリケーションを識別する識別符号であって、同時に、格納されているフォルダを識別するフォルダ識別情報である。
【0004】
アプリケーションA及びアプリケーションBは、CPUが実行することによってその目的を実現するプログラムを備え、その配下にこのプログラムを実行するために必要なデータであるファイルデータD−A1、D−A2及びD−B1をそれぞれ格納する3つのファイルを備えている。ファイルA−1、ファイルA−2及びファイルB−3の3つのファイルには、それぞれICカード内で固有のファイル識別情報であるA−1、A−2及びB−1が割り当てられている。
外部装置は、先ず、アプリケーション識別情報を含む選択要求をICカードに送信してアプリケーションAを選択した上で、その配下にあるファイルA−2を指定してそのファイルデータD−A2へアクセスしていた。
【0005】
しかし、上述のように、従来のICカード(i)のファイル識別情報は、メモリに物理的に配置された各ファイルのデータに対して、それぞれ1対1に対応しているため、例えば、他のアプリケーションBから、ファイルA−2のデータへアクセスすることは困難であるという問題があった。
一方、例えば、デパート支払アプリケーション及びブランド支払アプリケーションの利用限度額等、処理対象となるデータが互いに関連している複数のアプリケーションが格納されているICカードでは、メモリ領域の有効利用及び利便性等の観点からデータの共有の要請があるとともに、悪意の第三者によってこの関連における矛盾が利用され、セキュリティ性に欠けるおそれがあった。
この問題を解決するために従来のICカード(ii)がある。
【0006】
図8は、従来のICカード(ii)のEEPROMに記憶されているエリア定義情報を説明するための図である。
図8に示すように、従来のICカード(ii)は、ディレクトリ識別情報、エリア番号、エリア先頭アドレス情報、エリアサイズ情報、エリアリンク情報、およびリンク先指定情報を含むエリア定義情報を不揮発性メモリのエリア定義情報格納エリアに格納し、エリアリンク登録命令があった場合には、カレントバッファの内容をディレクトリ識別情報、この命令データ中のリンク対象エリア番号をリンク先指定情報、エリアリンク情報を「01」として、エリア定義情報をエリア定義情報格納エリアに格納する(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平1−229393号公報(第3−第7頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のICカード(ii)は、エリアリンク登録命令中のエリアサイズをエリア定義情報としてエリア定義情報格納エリアに格納するため、このエリアサイズと、リンク先指定情報と同一の値をディレクトリ識別情報とエリア番号に持つエリア定義情報に含まれるエリアサイズとが必ずしも一致するとは、限らず、リンク元及びリンク先のデータサイズの不整合を生じる可能性があった。
また、データ書き込み命令等があった場合に、リンク先へのデータ書き込み及び読み出し処理を行うためには、従来のICカード(ii)は、カレントバッファの内容をディレクトリ識別情報とし、命令データ中のエリア番号をエリア番号としたエリア定義情報中のエリアリンク情報が「01」か否かを判断し、「01」であれば、対応するリンク先指定情報と同一の値をディレクトリ識別情報とエリア番号に持つエリア定義情報を見つけて読み出し、見付かったエリア定義情報中のエリアリンク情報を同様に判断し、この判断処理をエリアリンク情報が「00」であるエリア定義情報が見付かるまで続けなければならず(特許文献1第6頁参照)、リンクの関係が多重になればなるほど、読み出し、判断等の処理が増加し、処理の遅延を招くおそれがあるとともに、前述のリンク元及びリンク先のデータサイズの不整合を生じる可能性が高くなるという問題があった。
【0009】
本発明の課題は、データサイズの不整合及び処理の遅延を防止し、複数のアプリケーション間においてデータを共有することが可能なICカード及びICカードプログラムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、ファイル毎にデータサイズ及び/又はデータ位置情報を含むデータ場所情報を記憶するデータ場所情報記憶手段(15)を備えるICカードであって、前記データ場所情報記憶手段は、他のファイルとデータを共有するデータ共有ファイルの生成を要求するデータ共有ファイル生成要求が外部から受信された場合に、前記他のファイルのデータ場所情報に含まれるデータサイズ及び/又はデータ位置情報を、生成が要求されている前記データ共有ファイルのデータ場所情報として記憶すること、を特徴とするICカード(10)である。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載のICカードにおいて、前記生成が要求されているデータ共有ファイルがデータを共有する他のファイルが記憶されているか否かを判定する共有先存否判定手段(121,S140)を備え、前記データ場所情報記憶手段は、前記共有先存否判定手段が肯と判定した場合に、前記他のファイルのデータ場所情報に含まれるデータサイズ及び/又はデータ位置情報を、生成が要求されている前記データ共有ファイルのデータ場所情報として記憶すること、を特徴とするICカード(10)である。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のICカードにおいて、前記データ場所情報記憶手段は、ファイル識別情報にデータ場所情報を結びつけて記憶し、生成が要求されている前記データ共有ファイルを識別するための生成要求ファイル識別情報を外部から受信する生成要求ファイル識別情報受信手段(11)と、生成要求ファイル識別情報受信手段によって受信される生成要求ファイル識別情報と同一のファイル識別情報が前記データ場所情報記憶手段によって記憶されているか否かを判定するファイル識別情報重複判定手段(121,S120)とを備え、前記データ場所情報記憶手段は、前記ファイル識別情報重複判定手段によって否と判定された場合に、前記他のファイルのデータ場所情報に含まれるデータサイズ及び/又はデータ位置情報を、前記生成要求ファイル識別情報受信手段によって受信される生成要求ファイル識別情報に結びつけて記憶すること、を特徴とするICカード(10)である。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のICカードにおいて、前記データ場所情報記憶手段は、上位ファイル識別情報及び/又はファイル種別情報を前記データ場所情報に結びつけて記憶すること、を特徴とするICカード(10)である。
【0014】
請求項5の発明は、ファイル毎にデータサイズ及び/又はデータ位置情報を含むデータ場所情報を記憶するデータ場所情報記憶部(15)を備えるICカード(10)のCPU(12)に実行させるICカードプログラムであって、他のファイルとデータを共有するデータ共有ファイルの生成を要求するデータ共有ファイル生成要求を外部から受信した場合に、前記他のファイルのデータ場所情報に含まれるデータサイズ及び/又はデータ位置情報を、生成が要求されている前記データ共有ファイルのデータ場所情報として前記データ場所情報記憶部に記憶するデータ共有ファイル生成手順(S150)を備えること、を特徴とするICカードプログラムである。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5に記載のICカードプログラムにおいて、生成が要求されている前記データ共有ファイルがデータを共有する他のファイルが記憶されているか否かを判定する共有先存否判定手順(S140)を備え、前記データ共有ファイル生成手順は、前記共有先存否判定手順において肯と判定した場合に実行されること、を特徴とするICカードプログラムである。
【0016】
請求項7の発明は、請求項5又は請求項6に記載のICカードプログラムにおいて、前記データ場所情報記憶部は、ファイル識別情報にデータ場所情報を結びつけて記憶し、生成が要求されている前記データ共有ファイルを識別するための生成要求ファイル識別情報を外部から受信した場合に、この生成要求ファイル識別情報と同一のファイル識別情報が前記データ場所情報記憶部に記憶されているか否かを判定するファイル識別情報重複判定手順(S120)を備え、前記データ共有ファイル生成手順は、前記ファイル識別情報重複判定手順において否と判定された場合に実行されること、を特徴とするICカードプログラムである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
(実施形態)
図1は、本発明によるICカードの実施形態を示すブロック図である。
なお、前述した従来例と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図1に示すように、本実施形態におけるICカード10は、外部装置20及びCPU12間の通信を媒介するI/Oインターフェイス11、CPU12、RAM13、ROM14及びEEPROM15等を備え、複数のアプリケーションが搭載可能な一般的なマルチアプリケーションICカード上に構築することができる。
CPU12は、I/Oインターフェイス11、RAM13、ROM14及びEEPROM15等に接続され、ROM14、EEPROM15等のメモリに格納されているプログラムを実行することによって、ICカード10を統括制御し、判定部121を実現する。判定部121についての詳細は、図4を用いながら後述する。
【0018】
RAM13、ROM14及びEEPROM15は、プログラム等のCPU14の処理に必要な情報を記憶するための記憶手段である。
RAM13は、揮発性メモリであり、CPU12が処理を行う作業領域として使用される。
ROM14は、不揮発性の読み出し専用メモリであって、基本ソフトウェアであるオペレーティングシステム、実行環境等のプログラム、パラメータ等を格納している。
EEPROM15は、随時書き換え可能な不揮発性のメモリであり、通常ユーザのワークエリア、プログラムエリア等として使用されている。なお、EEPROM15は、EPROM等の他の随時書き換え可能な不揮発性メモリであってもよい。
【0019】
図2は、本発明によるICカードのEEPROMのデータ領域におけるファイル構成を示す図である。
図2に示すように、EEPROM15は、ルートと、ルートの配下にアプリケーションA及びアプリケーションBとを記憶している。また、EEPROM15は、アプリケーションAの配下にファイルA−1及びファイルA−2を、アプリケーションBの配下にファイルB−1及びファイルB−2を記憶している。
【0020】
図3は、ファイルに格納されている情報を説明する図である。図3(a)は、ファイルの構成を説明する図であって、図3(b)は、ファイル制御情報を説明する表である。
図3(a)に示すように、ファイルA−1,A−2,B−1,B−2は、アプリケーションA又はアプリケーションBのプログラムで使用されるデータであるファイルデータD−A1、ファイルデータD−A2又はファイルデータD−B1と、ファイル制御情報とを格納している。
図3(b)に示すように、ファイル制御情報は、ファイル毎にファイル(フォルダ)識別情報、ファイルタイプ情報、親フォルダ情報、データ場所情報、セキュリティ情報等を結びつけた情報である。
ファイルタイプ情報は、アプリケーションのファイルであるか、データのファイルであるか等のルート配下の各ファイルがどのような種類のファイルかを示すファイル種別情報である。
【0021】
親フォルダ情報は、当該ファイルの上位のファイルである親フォルダをICカード10に格納されている他のフォルダから識別するための上位ファイル識別情報である。
データ場所情報は、物理メモリ上でファイルデータが記憶されている場所を一意に示す情報であって、ファイルサイズ情報及びデータ位置情報を含んでいる。ファイルサイズ情報は、ファイルに格納されているファイルデータのサイズを示すデータサイズであって、データ位置情報は、ファイルのデータが格納されている位置を示す先頭アドレス等の物理メモリ上での記憶されている位置を一意に示す情報である。なお、データ位置情報の「L(A−1)」は、ファイルA−1のファイルデータD−A1が記憶されているEEPROM15のメモリ領域における先頭アドレスを示している。
セキュリティ情報は、公開鍵暗号方式、秘密鍵暗号方式等の暗号方式によって、外部装置20、利用者等を認証するための秘密鍵、PIN等の認証情報である。
【0022】
図2及び図3に示すように、ファイルB−2は、データをファイルA−2と共有するファイルB−2の生成を要求するファイル創生要求をICカード10が外部装置20から受信し、この要求に対応する処理であるファイル創生処理を行うことによって新たに創生(生成)されたファイルである。ファイルB−2は、アプリケーションBの配下にあって、ファイルデータD−A2をファイルA−2と共有している。つまり、ファイルB−2と、リンク先のファイルであるファイルA−2のデータ場所情報は、同一となっている。なお、ファイルB−2の創生過程については、図4を用いて後述する。
【0023】
図4は、本発明によるICカードの動作及び本発明によるICカードプログラムを示すフローチャートであって、ICカード10のデータ領域に、ファイルA−2とファイルデータD−A2を共有するデータ共有ファイルB−2を創生するファイル創生処理を示している。また、図5は、ファイル創生処理におけるICカード及び外部装置間での通信を説明する図である。
ステップ100(以下、「ステップ」を「S」という。)において、ICカード10は、外部装置20に接続され、開始処理を行い活性化され、アプリケーションBを選択している状態にある。また、ICカード10のEEPROM15には、ファイルA−1及びファイルA−2を有するアプリケーションAと、ファイルB−1を有するアプリケーションBとが記憶されている(図7と同様の状態)。
【0024】
S110において、ICカード10は、外部装置20からファイル識別情報(B−2)等の生成要求ファイル識別情報、リンク先のファイルを識別するリンク先ファイル識別情報(A−2)、ファイルタイプ情報等のデータを含むファイル創生要求を受信し、ファイル創生処理を開始する[図5(a)参照]。S120において、判定部121は、EEPROM15に記憶されているファイル制御情報を参照し、ファイル創生要求に含まれているファイル識別情報が既に記憶されているか否か(重複するか否か)を判定する。肯の場合には、ICカード10は、その旨を示すレスポンスを生成し(S190)、外部装置20へ送信し[S170、図5(a)参照]、ファイル創生処理を終了する(S200)。
【0025】
ICカード10は、ファイル識別情報(B−2)を含むファイル制御情報を記憶していないため、判定部121は、否と判定し、次にS110において受信したファイル創生要求にリンク先ファイル識別情報が含まれているか否かを判定する(S130)。否と判定した場合には、ICカード10は、ファイル創生要求に含まれるファイルのデータ(ファイル創生要求と別に受信してもよい)をEEPROM15のデータ領域の空き領域に格納し、その位置を示す先頭アドレスと、データサイズと、選択しているアプリケーションのアプリケーション識別情報(親フォルダ識別情報)と、S110で受信したファイル創生要求に含まれるファイル識別情報及びファイルタイプ情報とを結びつけてファイル制御情報としてEEPROM15に記憶し(S180)、S160へ進む。
【0026】
判定部121は、ファイル創生要求にリンク先ファイル識別情報(A−2)が含まれているため、S130において肯と判定し、このリンク先ファイル識別情報と同一のファイルを示すファイル識別情報が既に記憶されているか否か(存在するか否か)を判定する(S140)。否と判定した場合には、ICカード10は、その旨を示すレスポンスを生成し(S190)、外部装置20へ送信し[S170、図5(a)参照]、ファイル創生処理を終了する(S200)。
【0027】
EEPROM15は、ファイル識別情報(A−2)を含むファイル制御情報を記憶しているため、判定部121は、肯と判定する。ICカード10は、リンク先ファイル(A−2)のファイル制御情報から読み出したデータ場所情報と、選択しているアプリケーションのプリケーション識別情報(B)と、S110で受信したファイル創生要求に含まれるファイルタイプ情報(データ)及びファイル識別情報(B−2)とを結びつけ、新たに創生されるファイル(B−2)のファイル制御情報としてEEPROM15へ記憶する(S150、図2及び図3参照)。
S160において、ICカード10は、ファイルA−2の創生が承認された旨を示すレスポンスを生成し、外部装置20へ送信し[S170、図5(a)参照]、ファイル創生処理を終了する(S200)。
【0028】
なお、S110で受信したファイル創生要求にファイルサイズ情報が含まれている場合であっても、ICカード10は、リンク先ファイル(A−2)のファイル制御情報から読み出したファイルサイズ情報を新たに創生するファイル(B−2)のファイル制御情報としてEEPROM15へ記憶する。
また、ファイルB−2を創生した後に、ファイルデータD−B3を有するファイルB−3を創生する場合には、図5(b)に示すように、ICカード10は、外部装置20からファイル識別情報(B−3)及びファイルタイプ情報(データ)を含む創生要求を受信し(S110)、判定部121がS130において否と判定し、ファイルB−3を創生し(S180)、その旨を外部装置20へ送信し(S160,S170)、ファイル創生処理を終了する(S200)。
【0029】
本実施形態によれば、新たに創生する共有ファイルのファイル制御情報として、リンク先ファイルのデータ場所情報を記憶するため、データサイズの不整合を防止することが可能であり、また、アプリケーションAが選択されている場合には、A−2ファイルを指定し、アプリケーションBが選択されている場合には、B−2ファイルを指定すれば、そのデータ場所情報を読み出すことによって共有されているデータ(A−2)に直接アクセスすることができるため、複数のファイルで共有されていないデータ(D−A1等)にアクセスする場合と同様の処理速度を維持し、処理の遅延を防止するとともに、異なるファイル識別情報によって一のファイルデータを共有することが可能となった。
【0030】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。例えば、ファイル識別情報は、ICカード内で独自の識別符号としたが、一のアプリケーションに含まれる複数のファイル間で独自の識別符号であってもよく、少なくとも上位ファイルが同一及び階層が同一のファイル間において独自の識別符号であればよい。
例えば、ファイルA−2のファイル識別情報(A−2)がアプリケーションAの配下でのみ独自であるとすれば、図6に示すように、B−2ファイルを創生するファイル創生処理において、ICカード10は、外部装置20からファイル識別情報(B−2)、ファイルタイプ情報(データ)、リンク先ファイル識別情報(ルート/A/A−2)を含むファイル創生要求を受信することとなる。
【0031】
このリンク先ファイル識別情報(ルート/A/A−2)は、ルートからの絶対パスによってリンク先のA−2ファイルを識別する、つまり、ファイル識別情報及び上位ファイルのファイル識別情報によって一のファイルを識別する識別符号である。
このリンク先ファイル識別情報(ルート/A/A−2)を利用することによって、ファイル識別情報がICカード内で独自でない場合であってもリンク先ファイルを一意に特定することができ、同様の効果を得ることが可能である。
【0032】
ICカード10のCPU12は、B−2ファイルを創生(図4のS150参照)する前に、A−2ファイルのファイル制御情報に含まれるセキュリティ情報に基づいて、公開鍵暗号方式、秘密鍵暗号方式等の暗号方式によって、ファイル創生要求の送信元である外部装置20の認証を行う認証部を備えていてもよい。セキュリティ性の向上を図ることが可能である。
また、ICカード10の判定部121は、ファイルを創生(図4のS150、S160参照)する前に、EEPROM15のデータ領域における空き容量が十分であるか否かを判定してもよい。
【0033】
ICカード10は、ファイル識別情報及びリンク先ファイル識別情報を含むファイル創生要求を外部装置20から受信するが、ファイル識別情報及び/又はリンク先ファイル識別情報をこの要求に含まず、別に受信してもよい。
また、ICカード10は、ファイルにファイル識別情報を割り当てるファイル識別情報割り当て部を備え、割り当てられたファイル識別情報を外部装置20へ通知してもよい。ICカード10内で独自のファイル識別情報を容易にファイルに割り当てることが可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、他のファイルのデータ場所情報を生成が要求されているデータ共有ファイルのデータ場所情報として記憶するため、データサイズの不整合を防止することが可能であり、処理の遅延を防止するとともに、異なるファイル識別情報によって一のファイルデータを共有することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるICカードの実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明によるICカードのEEPROMのデータ領域におけるファイル構成を示す図である。
【図3】ファイルに格納されている情報を説明する図である。
【図4】本発明によるICカードの動作及び本発明によるICカードプログラムを示すフローチャートである。
【図5】ファイル創生処理におけるICカード及び外部装置間での通信を説明する図である。
【図6】本発明によるICカード及びICカードプログラムの変形形態を説明する図である。
【図7】従来のICカード(i)のEEPROMに記憶されているおけるファイルを説明するための図である。
【図8】従来のICカード(ii)のEEPROMに記憶されているエリア定義情報を説明するための図である。
【符号の説明】
10 ICカード
11 I/Oインターフェイス
12 CPU
13 RAM
14 ROM
15 EEPROM
20 外部装置
121 判定部
Claims (7)
- ファイル毎にデータサイズ及び/又はデータ位置情報を含むデータ場所情報を記憶するデータ場所情報記憶手段を備えるICカードであって、
前記データ場所情報記憶手段は、他のファイルとデータを共有するデータ共有ファイルの生成を要求するデータ共有ファイル生成要求が外部から受信された場合に、前記他のファイルのデータ場所情報に含まれるデータサイズ及び/又はデータ位置情報を、生成が要求されている前記データ共有ファイルのデータ場所情報として記憶すること、
を特徴とするICカード。 - 請求項1に記載のICカードにおいて、
前記生成が要求されているデータ共有ファイルがデータを共有する他のファイルが記憶されているか否かを判定する共有先存否判定手段を備え、
前記データ場所情報記憶手段は、前記共有先存否判定手段が肯と判定した場合に、前記他のファイルのデータ場所情報に含まれるデータサイズ及び/又はデータ位置情報を、生成が要求されている前記データ共有ファイルのデータ場所情報として記憶すること、
を特徴とするICカード。 - 請求項1又は請求項2に記載のICカードにおいて、
前記データ場所情報記憶手段は、ファイル識別情報にデータ場所情報を結びつけて記憶し、
生成が要求されている前記データ共有ファイルを識別するための生成要求ファイル識別情報を外部から受信する生成要求ファイル識別情報受信手段と、
生成要求ファイル識別情報受信手段によって受信される生成要求ファイル識別情報と同一のファイル識別情報が前記データ場所情報記憶手段によって記憶されているか否かを判定するファイル識別情報重複判定手段とを備え、
前記データ場所情報記憶手段は、前記ファイル識別情報重複判定手段によって否と判定された場合に、前記他のファイルのデータ場所情報に含まれるデータサイズ及び/又はデータ位置情報を、前記生成要求ファイル識別情報受信手段によって受信される生成要求ファイル識別情報に結びつけて記憶すること、
を特徴とするICカード。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のICカードにおいて、
前記データ場所情報記憶手段は、上位ファイル識別情報及び/又はファイル種別情報を前記データ場所情報に結びつけて記憶すること、
を特徴とするICカード。 - ファイル毎にデータサイズ及び/又はデータ位置情報を含むデータ場所情報を記憶するデータ場所情報記憶部を備えるICカードのCPUに実行させるICカードプログラムであって、
他のファイルとデータを共有するデータ共有ファイルの生成を要求するデータ共有ファイル生成要求を外部から受信した場合に、前記他のファイルのデータ場所情報に含まれるデータサイズ及び/又はデータ位置情報を、生成が要求されている前記データ共有ファイルのデータ場所情報として前記データ場所情報記憶部に記憶するデータ共有ファイル生成手順を備えること、
を特徴とするICカードプログラム。 - 請求項5に記載のICカードプログラムにおいて、
生成が要求されている前記データ共有ファイルがデータを共有する他のファイルが記憶されているか否かを判定する共有先存否判定手順を備え、
前記データ共有ファイル生成手順は、前記共有先存否判定手順において肯と判定した場合に実行されること、
を特徴とするICカードプログラム。 - 請求項5又は請求項6に記載のICカードプログラムにおいて、
前記データ場所情報記憶部は、ファイル識別情報にデータ場所情報を結びつけて記憶し、
生成が要求されている前記データ共有ファイルを識別するための生成要求ファイル識別情報を外部から受信した場合に、この生成要求ファイル識別情報と同一のファイル識別情報が前記データ場所情報記憶部に記憶されているか否かを判定するファイル識別情報重複判定手順を備え、
前記データ共有ファイル生成手順は、前記ファイル識別情報重複判定手順において否と判定された場合に実行されること、
を特徴とするICカードプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003209185A JP2005070871A (ja) | 2003-08-28 | 2003-08-28 | Icカード及びicカードプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003209185A JP2005070871A (ja) | 2003-08-28 | 2003-08-28 | Icカード及びicカードプログラム |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005070871A true JP2005070871A (ja) | 2005-03-17 |
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ID=34402203
Family Applications (1)
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JP2003209185A Pending JP2005070871A (ja) | 2003-08-28 | 2003-08-28 | Icカード及びicカードプログラム |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005070871A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006293815A (ja) * | 2005-04-13 | 2006-10-26 | Fujitsu Ten Ltd | 車載端末装置およびコンテンツデータ管理方法 |
KR100821155B1 (ko) * | 2006-07-28 | 2008-04-11 | 주식회사 케이티프리텔 | 연결 파일 구조를 가진 ic 칩 및 그 어플리케이션 수행방법 |
-
2003
- 2003-08-28 JP JP2003209185A patent/JP2005070871A/ja active Pending
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KR100821155B1 (ko) * | 2006-07-28 | 2008-04-11 | 주식회사 케이티프리텔 | 연결 파일 구조를 가진 ic 칩 및 그 어플리케이션 수행방법 |
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