JP2005070403A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、潜像担持体に対して現像器を簡単な構造で押圧して現像剤担持体を正確に位置決めできるとともに位置決めされた状態を安定して保持することができる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】画像形成装置に着脱自在に装着される現像器の底面を押圧して現像器の現像ローラを感光体ドラムに圧接する押圧機構として、押圧プレート163と、押圧プレート163を押し上げるプレート用カム部材168と、プレート用カム部材169が固定された作動回転軸166と、作動回転軸166を回転する操作部162で構成する。
【選択図】図35
【解決手段】画像形成装置に着脱自在に装着される現像器の底面を押圧して現像器の現像ローラを感光体ドラムに圧接する押圧機構として、押圧プレート163と、押圧プレート163を押し上げるプレート用カム部材168と、プレート用カム部材169が固定された作動回転軸166と、作動回転軸166を回転する操作部162で構成する。
【選択図】図35
Description
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置において、静電潜像に現像剤を付着させて現像化するために用いられる現像器を着脱自在に装着する画像形成装置に関する。
画像形成装置において、静電潜像が形成された潜像担持体に現像剤(トナー)を付着させて画像形成を行う場合、画像形成に現像剤を使用するに従い現像剤が減少していくため随時補給する必要がある。そのため、現像器を画像形成装置に着脱自在として、必要に応じて現像器を画像形成装置本体から取り外して現像剤を補給したり、又は交換したりすることが行われている。しかしながら、現像器が正確に潜像担持体に位置決めされていないと、潜像担持体に現像剤が均一に補給されず、画像形成にむらが発生してしまう等の問題が生じる。
こうした問題に対処するために、例えば、特許文献1では、現像スリーブの両端に2つの加圧コロを設け、感光ドラム及び現像スリーブの中心を結んだ直線と平行な面を有する一対の規制部材で加圧コロの移動方向を規制し、加圧コロをバネ等の弾性部材により感光ドラムの方に加圧した点が記載されている。また、特許文献2では、感光体ドラムの表面と現像ローラの軸心とを所定間隔とするギャップローラを現像ローラの両端に設けた点が記載されている。
特開平11−15269号公報
特開2000−39769号公報
特許文献1では、加圧コロの移動方向を一対の規制部材で規制して現像スリーブの位置決めを行うようにしているが、加圧コロに感光ドラムへの加圧力が加わるため規制部材と加圧コロとの位置関係を精度よく設定しておかないと、感光ドラムと現像スリーブとの位置関係がずれてしまい、均一な現像剤の補給を行うことができなくなる。また、加圧コロを直接押圧して感光体ドラムの表面に圧接するやり方では、加圧コロに過度の力が加わって、位置決めが狂ってくるおそれがある。特許文献2では、ギャップローラが感光体ドラムからずれるおそれがあり、正確に位置決めするための構造が必要となる。
そこで、本発明は、潜像担持体に対して現像器を簡単な構造で押圧して現像剤担持体を正確に位置決めできるとともに位置決めされた状態を安定して保持することができる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る画像形成装置は、静電潜像が形成される潜像担持体と、該潜像担持体を軸支する本体フレームと、前記潜像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体及び該現像剤担持体に現像剤を補給する補給室を備えるとともに前記本体フレーム内に着脱自在に装着される現像器と、前記潜像担持体の回転中心軸及び前記現像剤担持体の回転中心軸に直交する直線に沿った方向に摺動自在に前記本体フレームに設けられた押圧体と、前記押圧体を前記直線方向に摺動させて前記現像器の底面を押圧するように作動させるとともに前記現像剤担持体が前記潜像担持体に圧接した状態で保持されるように前記押圧体を保持する作動手段とを備えていることを特徴とする。さらに、前記作動手段は、前記本体フレームに軸支された回転軸と、前記回転軸に固定されたカム部材を備え、前記回転軸を回転することで前記カム部材が前記押圧体に作用して摺動させることを特徴とする。さらに、前記作動手段は、前記カム部材が前記本体フレームと前記押圧体との間に挟持された状態で前記押圧体を保持することを特徴とする。さらに、前記回転軸の一方の端部には、手動で回転するための操作部が固定されていることを特徴とする。
上記のような構成を有することで、本体フレームに設けられた押圧体により現像器の底面を、潜像担持体の回転中心軸及び現像剤担持体の回転中心軸に直交する直線に沿った方向に押圧するので、現像剤担持体を正確に潜像担持体に圧接した状態に設定でき、現像器の底面を押圧した状態で押圧体を保持するようにしているので、安定した状態で保持することができる。また、作動手段を本体フレームに軸支された回転軸とこの回転軸に固定されたカム部材とにより構成することで、簡単な構造で正確に作動させることができる。さらに、一旦作動させたカム部材が、本体フレームと押圧体との間に挟持された状態で押圧体を保持するようにすれば、カム部材を保持するための手段を別途設けることなく、押圧体を保持することができる。また、回転軸の一方の端部に手動で回転するための把持部を固定しておけば、簡単な操作により現像器の位置決めを行うことが可能となる。
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
[画像形成装置の全体構成]
図1は、本発明に係る画像形成装置全体の概略断面図である。画像形成装置1の上部には原稿読取部2が配置され、その下部には、底面から給紙部3、記録部4が配されている。
図1は、本発明に係る画像形成装置全体の概略断面図である。画像形成装置1の上部には原稿読取部2が配置され、その下部には、底面から給紙部3、記録部4が配されている。
原稿読取部2では、原稿カバー10に設けられた原稿トレイ11に載置された原稿が原稿搬送装置12により読取位置に搬送されて、原稿排紙トレイ13に排出される。読取位置には、原稿を光学的に読み取る読取装置15を搭載した走査装置16が原稿に対向するように配置されている。書籍等を読み取る場合には、原稿カバー10を上方に回動してフラットベッドプラテン14に書籍等の被読取部分を配置し、走査装置16を矢印で図示するように移動させて読取動作が行われる。以上の構成は、いわゆるADF及びフラットベッドタイプと称される従来の原稿読取装置と同様のものである。
給紙部3では、給紙カセット17が配置されており、フラッパ18に所定のサイズの用紙が複数枚積載されている。給紙カセット17の右端部には、ピックアップローラ19が配置されている。フラッパ18は、積載された用紙の上面がピックアップローラ19に圧接するように、図示しないバネ部材により上方に付勢されている。この状態でピックアップローラ19が回転駆動すると、摩擦力により用紙が1枚ずつ用紙搬送路に給紙されるようになる。
給紙された用紙は、まずフィードローラ20及びプレスローラ21により記録部4に搬送される。記録部4では、搬送された用紙に記録するために、現像器22、紙粉除去ローラ23、コロナ帯電器24、感光体ドラム25、転写用のコロトロンワイヤ26、露光ヘッド27及び定着ローラ28が備えられている。紙粉除去ローラ23は、導電性のスポンジ等により構成され、転写後の感光体ドラム25の表面に付着したトナーや紙粉を補足する。コロナ帯電器24は、コロトロンからの放電により感光体ドラム25の表面を一様に帯電する。紙粉除去ローラ23及びコロナ帯電器24により一様に帯電された感光体ドラム23に、露光ヘッド25で画像記録信号に応じて露光することで静電潜像が形成される。そして、後述するように、現像器22内のトナーを感光体ドラム25に形成された静電潜像に転移させて、静電潜像を可視像化する。転写ローラ26は、用紙を挟んで感光体ドラム25と対向する位置に設置されており、所定の電圧が印加されると感光体ドラム25表面に形成されたトナー像が用紙に転写される。そして、転写されたトナー像は、定着ローラ28及びプレスローラ29によって挟持されて加熱・プレスされ用紙に定着される。定着された用紙は、排紙ローラ30及びプレスローラ31の間に挟持されて用紙排出トレイ32に搬出される。
図1において、給紙部3から用紙排出トレイ32までを一点鎖線で示したのが、用紙搬送路である。そして、用紙搬送路に沿って配設された搬送ローラ及び用紙ガイドが用紙搬送部を構成している。
また、装置本体の側面には、反転搬送ユニット40が着脱自在に装着されており、その装着側面には、用紙搬出口41及び用紙搬入口42が形成されている。搬送ユニット40内には、フィードローラ43及びプレスローラ44、フィードローラ45及びプレスローラ46の2対の搬送ローラが上下に配設されている。そして、図1の二点鎖線で示すように反転搬送路が、排紙ローラ30と定着ローラ28との間の用紙搬送路から分岐して、2対の搬送ローラ43及び44、45及び46の間を通り、ローラ対20及び21とピックアップローラ19との間の用紙搬送路に合流するように形成される。
用紙の両面に記録を行う場合には、図1の一点鎖線で示す用紙搬送路に用紙を搬送して一方の面に記録した後排紙ローラ30により用紙排紙トレイ32に用紙を搬出し、用紙の後端部を排紙ローラ30及びプレスローラ31により挟持した状態で一旦搬出動作を停止する。そして、排紙ローラ30を逆回転駆動して反転搬送路に用紙を後端から搬入し、フィードローラ43及びプレスローラ44で挟持して反転搬送路内を搬送していく。次に、フィードローラ45及びプレスローラ46で挟持してさらに搬送し、用紙をローラ対20及び21の間に当接させる。この状態で用紙搬送路に用紙を搬送すると、他方の面が感光体ドラム25に対向して記録されるようになり、用紙の両面に記録が行われるようになる。
[記録部の全体構成]
図2は、図1における記録部3に関する拡大断面図を示している。また、図3には、現像器22に関する拡大断面図を示している。上述したように、感光体ドラム25の周囲には、現像器22、紙粉除去ローラ23、コロナ帯電器24及び転写ローラ26が配置されており、コロナ帯電器24と現像器22との間の隙間に、露光ヘッド27からレーザー光が画像記録信号に応じて感光体ドラム25の表面に照射されるようになっている。
図2は、図1における記録部3に関する拡大断面図を示している。また、図3には、現像器22に関する拡大断面図を示している。上述したように、感光体ドラム25の周囲には、現像器22、紙粉除去ローラ23、コロナ帯電器24及び転写ローラ26が配置されており、コロナ帯電器24と現像器22との間の隙間に、露光ヘッド27からレーザー光が画像記録信号に応じて感光体ドラム25の表面に照射されるようになっている。
[現像器の全体構成]
現像器22は、容器本体50の上部を蓋体51で密閉して構成される。容器本体50の内部には、トナーの補給室として3つのトナー室52、53、54が形成され、感光体ドラム25側の側端部には現像ローラ55及び供給ローラ56を備えた供給室57が形成されている。そして、第一のトナー室52と供給室57との間は、蓋体51の下面から延びる隔壁板58で仕切られており、隔壁板58には補給開口部59が穿設されている。
現像器22は、容器本体50の上部を蓋体51で密閉して構成される。容器本体50の内部には、トナーの補給室として3つのトナー室52、53、54が形成され、感光体ドラム25側の側端部には現像ローラ55及び供給ローラ56を備えた供給室57が形成されている。そして、第一のトナー室52と供給室57との間は、蓋体51の下面から延びる隔壁板58で仕切られており、隔壁板58には補給開口部59が穿設されている。
3つのトナー室52、53、54は、図3に示すように現像器22が画像形成装置1に装着された状態で水平方向に並列して配設されるように構成されており、各トナー室のほぼ中央部分には撹拌移送手段としてパドル60、61、62が設けられている。図2において、紙面の垂直方向を現像器22の前後方向とすると、各パドルの回転軸は、その前後方向の両端部を容器本体50の前後フレームに軸支されて前後方向に沿うように設けられている。パドル60の先端部には可撓性の樹脂フィルムからなるブレード63が回転方向に沿うように取り付けられている。同様に、パドル61にはブレード64が取り付けられており、パドル62にはブレード65が取り付けられている。これらのブレード63〜65は共通の部材を用いている。容器本体50の底面は、各パドルに取り付けられたブレードの回転動作の軌跡に沿うように断面円弧状に外側に湾曲した摺動面部66、67、68が形成されている。
各トナー室52〜54に補給されたトナーは、摺動面部66、67、68に貯蔵される。そして、パドル60、61、62が回転すると、ブレード63、64、65がそれぞれ摺動面部66、67、68を摺動するように回転する。各ブレードの摺動動作でトナーはすくい上げられるようになり、各トナー室ではトナーの撹拌が行われてトナーの凝集に起因する劣化が防止される。また、図2に示すように、ブレード63、64、65が反時計回りに回転することで、第三トナー室54内のトナーは第二トナー室53に移送され、第二トナー室53のトナーは第一トナー室52に移送されるようになる。そして、第一トナー室52のトナーは、隔壁板58の補給開口部59から供給室57に補給される。その際に、補給されるトナーは、第一トナー室52でパドル60により撹拌されて予備的な帯電が行われる。補給開口部59は、前後方向にスリット状に開口しており、その開口幅及び開口位置を調整することで、第一トナー室52から供給室57に補給されるトナー量を調整することができる。
供給室57に補給されたトナーは、供給ローラ56が回転しながら現像ローラ55に摺接することによって摩擦されて帯電され、現像ローラ55の表面に担持される。現像ローラ55には、供給されたトナーの層厚を規制する現像ブレード69が現像ローラ55の表面に近接して配設されている。現像ローラ55と感光体ドラム25とが回転しながら互いに摺接することで、現像ブレード69により一定の層厚に規制されたトナー層が感光体ドラム25の表面に形成された静電潜像に付着して現像される。
現像器22は、後述するように前後方向に画像形成装置1に着脱されるようになっている。図2において、紙面の垂直方向の手前側を現像器22の前面部とし、反対側を後面部すると、現像器22を画像形成装置1に挿入する場合には、画像形成装置1内の本体フレーム70に形成された装着スペースに後面部から挿入して装着する。装着する際の機構及び動作は後述するが、簡単に説明すると、現像器22は、挿入された後画像形成装置1の本体フレーム70に設けられた押圧機構71により下方から容器本体50が押し上げられて現像ローラ55を感光体ドラム25に当接した状態にセットされる。また、押圧機構71の押圧動作に連動してトナー残量検知センサ72が上昇し、摺動面部67に設けられた透明部材からなる凹溝73の中にセットされる。
[現像器の駆動機構]
現像ローラ55、供給ローラ56及びパドル60、61、62の回転駆動は、画像形成装置1に現像器22を装着した際に、画像形成装置1内の駆動源と連結する駆動伝達機構により行われる。図4は、現像器22の後面部に関する外観図を示している。容器本体50の後側フレーム74には、現像ローラ55の回転軸75、供給ローラ56の回転軸76、パドル60の回転軸77、パドル61の回転軸78及びパドル62の回転軸79がそれぞれ回転自在に軸支されている。各回転軸の端部は後側フレーム74から外方に突出して、その突出部に後述するように駆動伝達用の歯車が取り付けられる。そして、回転軸75、76及び77を含む現像ローラ寄りの部分を覆うカバー部材80が後側フレーム74に取り付けられている。
現像ローラ55、供給ローラ56及びパドル60、61、62の回転駆動は、画像形成装置1に現像器22を装着した際に、画像形成装置1内の駆動源と連結する駆動伝達機構により行われる。図4は、現像器22の後面部に関する外観図を示している。容器本体50の後側フレーム74には、現像ローラ55の回転軸75、供給ローラ56の回転軸76、パドル60の回転軸77、パドル61の回転軸78及びパドル62の回転軸79がそれぞれ回転自在に軸支されている。各回転軸の端部は後側フレーム74から外方に突出して、その突出部に後述するように駆動伝達用の歯車が取り付けられる。そして、回転軸75、76及び77を含む現像ローラ寄りの部分を覆うカバー部材80が後側フレーム74に取り付けられている。
図5は、図4においてカバー部材80を取り外した状態を示しており、図6は、その斜視図を示している。図5及び図6に基づき、各回転軸を回転駆動するための歯車伝達機構を説明する。まず、駆動軸81は、その軸方向が回転軸75と平行となるように後側フレーム74に固定されており、画像形成装置1内の駆動源と連結可能なように先端部が外方に向かって突出している。駆動歯車82は、駆動軸81に回転自在に装着されており、駆動軸81の先端部を覆うように連結部83が一体的に設けられている。連結部83の周囲には、軸方向に延びる複数の突条が形成されており、画像形成装置1に設けられた図示しない連結孔に嵌め込まれて画像形成装置1内の駆動源と連結する。
駆動歯車82には、回転軸75に固定された歯車84及び供給ローラ56の回転軸76に固定された歯車85が噛合しており、歯車84及び85に伝達された回転駆動力により現像ローラ55及び供給ローラ56が回転する。また、駆動歯車82には、各パドルへ駆動伝達するための中間歯車86が噛合している。中間歯車86は、歯車軸が後側フレーム74に立設されており、内側に径の小さい小歯車部分(図5では点線で図示)が形成され外側に径の大きい大歯車部分が形成された二段歯車となっている。そして、中間歯車86の大歯車部分が駆動歯車82と噛合している。
中間歯車86には、中間歯車86と同様の中間歯車87及び88が順次噛合しており、中間歯車87及び88は、各パドルの方に向かって配列するように後側フレーム74に立設されている。そして、中間歯車86の小歯車部分が中間歯車87の大歯車部分と噛合しており、中間歯車87の小歯車部分が中間歯車88の大歯車部分と噛合している。そして、パドル60の回転軸77に固定された歯車89と中間歯車88の小歯車部分とが噛合している。このように3つの中間歯車が噛合することで減速機構を構成しており、駆動歯車82の回転速度から減速された回転速度でパドル60が回転駆動される。
パドル61の回転軸78に固定された歯車90と歯車89との間には中間歯車91が設けられ、この中間歯車91が後側フレーム74に立設されたスタッドに回転自在に支持されている。中間歯車91は、内側に径の小さい小歯車部分が形成され外側に径の大きい大歯車部分が形成された二段歯車となっており、大歯車部分が歯車89と噛合し、小歯車部分が歯車90と噛合している。したがって、歯車89の回転速度は中間歯車91により減速されて伝達され、パドル61は、パドル60よりも遅い回転速度で回転駆動される。パドル62の回転軸79に固定された歯車92と歯車90との間には中間歯車93が設けられ、この中間歯車93が後側フレーム74に立設されたスタッドに回転自在に支持されて、各歯車に噛合している。したがって、歯車92は歯車90と同じ回転速度で回転するようになり、パドル61及び62は同じ回転方向に回転駆動される。
以上のように、駆動歯車82の回転速度から減速された回転速度でパドル60が回転するとともに、パドル60の回転速度よりさらに減速された回転速度でパドル61及び62が回転するように設定されている。このように設定されているので、パドル60はある程度速く回転してトナーに十分な帯電を行った後供給室57にトナーを供給することができ、パドル61及び62はゆっくりと回転することで過度の撹拌によるトナーの劣化を抑えつつ撹拌移送を行うことができる。また、後述するように、トナーの残量検知を行う場合にもパドルのブレードの回転は遅い方が確実に残量検知を行うことができる。パドル60の回転速度は、トナーの特性や現像ローラの回転速度等の現像プロセスに応じて好適な値に設定されるものである。また、パドル61及び62の回転速度は、例えばトナーの劣化の程度やトナーの残量検知の精度に応じて設定されるものである。上記の例では、パドル61及び62の回転速度を同一としているが、パドル62の回転速度を遅くしてもよい。その場合には、中間歯車93を中間歯車91と同様の二段歯車として減速するようにすればよい。また、パドル60の回転速度についても、中間歯車86、87、88の歯数を調整することで適当な減速を行うことができる。
パドル61及び62については、トナーを充填する際に所定の回転位置に位置決めする必要がある。すなわち、トナーの充填は、現像器22の前面部における容器本体50の前側フレームに設けられたトナー充填口94から行われるため、トナーの充填時にトナー充填口94からパドルのブレードが外部に露出する位置にパドルのブレードが位置しているとトナーの充填がスムーズに行うことができない。したがって、トナーの充填時にパドルのブレードをトナーの充填口94から離れた位置になるようにパドルの回転位置を位置決めしておく必要がある。
図7は、図5におけるパドル61及び62の駆動伝達部分の拡大図である。図7(a)は外観図を示しており、図7(b)はその断面図を示している。図7(b)に示すように、この例では、第二トナー室53の前側フレームにおいて、パドル61の回転軸の下側にトナー充填口94が設けられている。そして、パドル61のブレード65が上方に位置し、後述する残量検知のためのクリーナが水平となるように回転位置が位置決めされている。また、第三トナー室54のパドル62のブレード64も上方に位置しており、このように位置決めすることでトナー充填口94からのトナーの充填の際にパドル61、62が邪魔にならずに、トナーがスムーズに流入するようになる。
しかし、パドル61及び62は現像器22内に密閉されているため、外部からその回転位置を確認することはできない。そこで、パドル61及び62とともに一体となって回転する歯車90及び92の表面に三角形の指示マーク95を予め表示しておき、後側フレーム74にも同様の指示マーク96を予め表示しておく。そして、図7(b)のような所定の回転位置に歯車90及び92が位置決めされたときに、指示マーク95及び96が対向するようにその表示位置を設定する。トナー充填の際には、歯車90及び92を指示マーク95が指示マーク96に一致するまで回転させてから行うようにすれば、上述したようにトナーの充填をブレードが邪魔することなくスムーズに行うことができる。また、指示マーク95の表示位置及び向きをブレードの取付位置と同じ位置及び延在方向にしておくと、ブレードの取付位置が容易に確認することができるようになり、組立作業を効率化することができる。指示マーク95及び96は、例えば、歯車等の成形の際に凹凸に形成すればよく、肉眼で確認できるものであればこれ以外の方法でもかまわない。
[現像ローラのブレード構成]
図6において、符号100で示すのは、現像ローラ55の表面に当接するブレードである。図8はブレード100の斜視図を示しており、図9はブレード100の現像ローラ55に当接した状態を示す断面図である。ブレード100は、現像ローラ55の表面に当接する弾性ブレード体101を支持板102及び押圧板103により挟持して構成されている。弾性ブレード体101は、現像ローラ55の軸方向に延びる帯状の薄板からなり、現像ローラ55に当接する辺部には細幅のゴム体104が固定されている。帯状の薄板は板バネ部材からなるため、現像ローラ55に押圧されると図9に示すように撓んだ状態になり、ゴム体104が現像ローラ表面に圧接される。この状態で現像ローラ55が図9に示す矢印方向に回転すると、供給ローラ56により現像ローラ55の表面に供給されたトナーは、所定の層厚に均一化されるようになる。また、トナーは、ブレード100により現像ローラ55に強く押し付けられることでその帯電量が高められる。支持板102及び押圧板103は、弾性ブレード体101のゴム体104が固定された辺部と反対側の辺部を挟んで4本のネジ105a〜dにより固定されている。
図6において、符号100で示すのは、現像ローラ55の表面に当接するブレードである。図8はブレード100の斜視図を示しており、図9はブレード100の現像ローラ55に当接した状態を示す断面図である。ブレード100は、現像ローラ55の表面に当接する弾性ブレード体101を支持板102及び押圧板103により挟持して構成されている。弾性ブレード体101は、現像ローラ55の軸方向に延びる帯状の薄板からなり、現像ローラ55に当接する辺部には細幅のゴム体104が固定されている。帯状の薄板は板バネ部材からなるため、現像ローラ55に押圧されると図9に示すように撓んだ状態になり、ゴム体104が現像ローラ表面に圧接される。この状態で現像ローラ55が図9に示す矢印方向に回転すると、供給ローラ56により現像ローラ55の表面に供給されたトナーは、所定の層厚に均一化されるようになる。また、トナーは、ブレード100により現像ローラ55に強く押し付けられることでその帯電量が高められる。支持板102及び押圧板103は、弾性ブレード体101のゴム体104が固定された辺部と反対側の辺部を挟んで4本のネジ105a〜dにより固定されている。
弾性ブレード体101は、図10に示すように、2つの金型106a及び106bの間に薄板を挟み、金型106b内に形成された空隙107にゴムをインサート成形してゴム体104を形成したものであるが、こうして製造された弾性ブレード体101は、全体として反りが生じやすい。図11には、弾性ブレード体101の反りが生じた状態を模式的に示している。図11(a)では、弾性ブレード体101は、ゴム体104が固定された表面側に向かって湾曲するように反った状態となっており、図11(c)では、反対側に湾曲するように反った状態となっている。
図11(a)の状態の弾性ブレード体101を強制的に反りをなくして図11(b)のように平面状にすると、ゴム体104は、矢印で示すように全体として圧縮される方向に力を受ける。ゴム体104は圧縮される方向に力を受けると、表面が波打つように凹凸形状が発生するようになり、この状態では現像ローラ55表面に均一な層厚のトナー層を形成することはできない。
図11(c)の状態の弾性ブレード体101を強制的に反りをなくして図11(d)のように平面状にすると、ゴム体104は、矢印で示すように全体として引き伸ばされる方向に力を受けるようになる。ゴム体104は引き伸ばされる方向に力を受けると上述した波打ち現象は発生しない。
そこで、弾性ブレード体101を、予め図11(c)に示すようにゴム体104が固定された表面とは反対側の面に向かって湾曲するように設定すれば、弾性ブレード体101にどのような反りが生じていてもゴム体104に波打ち現象を発生させずに現像ローラ55に圧接させることができる。そのため、図12に示すように、支持板102及び押圧板103を板金加工で製造する際に予め同じように反りが入るように加工を行う。反りは、中心部が両端部よりも現像ローラ55から離れるように湾曲した状態となるようにする。
ブレード100を組み立てる場合には、まず、支持板102に形成された位置決め用ボス111及び112を弾性ブレード体101に形成された位置決め孔108e及び逃げ孔108fにそれぞれ嵌め込む。位置決め用ボス111及び112は円形状に形成され、位置決め孔108eも同様の円形状に穿設されているのに対し、逃げ孔108fは弾性ブレード体101の長手方向に沿って長径となるように楕円形状に穿設されている。したがって、位置決め用ボス111を位置決め孔108eに嵌め込んだ後位置決め用ボス112と逃げ孔108fとの位置関係で製造誤差があったとしても、問題なく支持板102に弾性ブレード体101を正確に取り付けることができる。次に、取り付けられた弾性ブレード体101の上から押圧板103を取り付ける。その際に位置決め用ボス111及び112を押圧板103の位置決め孔110e及び逃げ孔110fにそれぞれ嵌め込む。逃げ孔110fは逃げ孔108fと同様の楕円形状に穿設されており、押圧板103を弾性ブレード体101と同様に正確に取り付けることができる。
支持板102に弾性ブレード体101及び押圧板103を嵌め込んだ後、ネジ105a〜dにより固定する。この場合、ネジは位置決め孔に近い位置のものから順に締め付け固定するようにする。こうすることで、各部材に反りが生じていても、弾性ブレード体101をその反りに反って固定することができるようになる。
この例では、位置決め孔108eに一番近いネジ105aを、まず押圧板103の取付孔110a、弾性ブレード体101の取付孔108a及び支持板102の取付孔109aに挿入して締め付け固定する。次に、ネジ105bを同様に取付孔110b、108b及び109bに挿入して締め付け固定し、ネジ105cを取付孔110c、108c及び109cに挿入して締め付け固定し、ネジ105dを取付孔110d、108d及び109dに挿入して締め付け固定する。
このようにネジを順次締め付けて固定すると、弾性ブレード体101は、支持板102及び押圧板103と同様の反りが入った状態に設定され、図13(a)に示すように、弾性ブレード体101を現像ローラ55表面に当てた際に、現像ローラ55に対して中心部が両端部よりも現像ローラ55から離れるように湾曲した状態となる。この状態で、弾性ブレード体101を図13(b)に示すように現像ローラ55に圧接すると、弾性ブレード体101のゴム体104は引き伸ばされる方向に力を受けて波打ち現象が発生せずに均一な状態で現像ローラ55の表面に圧接されるようになる。
[現像器の電気的接続構造]
現像器22は、画像形成装置1に着脱可能とされているため、装着時に現像器22内の現像ローラ55、供給ローラ56及びブレード100に画像形成装置1から電圧を供給するようになっている。したがって、図4に示すように現像器22の後面部から画像形成装置1内に挿入されることから、現像器22の後面側にカバー部材80に電圧を供給するための電極を設けている。
現像器22は、画像形成装置1に着脱可能とされているため、装着時に現像器22内の現像ローラ55、供給ローラ56及びブレード100に画像形成装置1から電圧を供給するようになっている。したがって、図4に示すように現像器22の後面部から画像形成装置1内に挿入されることから、現像器22の後面側にカバー部材80に電圧を供給するための電極を設けている。
図14は、現像器22の後面部に取り付けられたカバー部材80を拡大して示しており、図15は、カバー部材80の裏面側からみた図である。カバー部材80には、後側フレーム74にネジ止めするための取付孔111a、111bが形成されており、現像ローラ55の回転軸75、供給ローラの回転軸76及び駆動軸81に対応する箇所には、それぞれ円形の開口部112、113及び114が設けられている。カバー部材80の裏面側には、現像ローラの回転軸75に当接する第一接点部材115、供給ローラの回転軸76に当接する第二接点部材116及びブレード100の押圧板103に当接する第三接点部材117が装着されている。
第一接点部材115は、金属製の線材からなり、中央部分で折れ曲がったくの字状をしている。そして、一方の端部は、カバー部材80の保持部118に挿入保持される。保持部118は、カバー部材80の裏面側に向かって段違いに突出するように形成されており、第一接点部材115を挿入するための窓が開口している。他方の端部はコの字状に折り曲げられて接点部119が形成されており、カバー部材80に穿設された細幅状の挿入孔120及び円形状の係合孔121に係合固定されている。接点部119をカバー部材80に取り付ける場合には、接点部119をまず裏面側から挿入孔120に挿入して接点部119を表面側に出し、折れ曲がった先端部を係合孔121に挿入する。このように接点部119を取り付けることで、接点部119がカバー部材80の表面側から突出した状態に設定されて画像形成装置1の電極と確実に接触し電気的に接続することができる。係合孔121の径は、第一接点部材115の径とほぼ同じに形成されているため、他方の端部はしっかりと固定され、さらに、一方の端部が保持部118に保持されることから、第一接点部材115はカバー部材80から抜けることはない。カバー部材80の裏面側には、第一接点部材115の形状に沿って保持部118から挿入孔120まで延びる溝部122が設けられており、溝部122に第一接点部材115が嵌め込まれている。溝部122は、中央の折れ曲がり部分から保持部118に行くに従い溝幅が広くなるようにされており、保持部118に開口した窓の幅は第一接点部材115の径よりも大きく設定されている。したがって、第一接点部材115は、折れ曲がり部分を基点として保持部118に保持された先端部までが溝部122の溝幅方向に揺動できるようになる。現像ローラの回転軸75に対応する開口部112が溝部122の保持部118から折れ曲がり部分寄りの一部を切り欠くように開口しており、そのため、開口部112に回転軸75が設置されると、第一接点部材115が回転軸75の下側に接触した状態となる。第一接点部材115は、回転軸75に接触して溝部122内を下方に揺動させられているため、上方に付勢する弾性力が生じて回転軸75に圧接した状態となっている。したがって、第一接点部材115及び回転軸75は安定した接触状態を保持でき、電気的な接続状態を確実なものとすることが可能となる。
第二接点部材116も第一接点部材115と同様にくの字状に形成された金属製の線材からなり、他方の端部を折り曲げてコ字状の接点部123が形成されている。そして、保持部118と同じように設けられた保持部124に第二接点部材116の一方の端部が挿入保持され、接点部124が接点部119と同様にカバー部材80に設けられた細幅状の挿入孔125及び円形状の係合孔126に係合固定されている。したがって、第二接点部材116はカバー部材80から抜けることなく確実に保持されるとともに接点部124がカバー部材80の表面側に突出した状態に設定されて画像形成装置1の電極と確実に接触し電気的に接続することができる。また、カバー部材80の裏面側には第二接点部材116に沿って溝部122と同様の溝部127が設けられており、溝部127に第二接点部材116が嵌め込まれている。供給ローラの回転軸76が挿通される開口部113が溝部127の保持部124から折れ曲がり部分寄りの一部を切り欠くように開口しており、開口部113に回転軸76が設置されると、第二接点部材116は、回転軸76の下側に接触して下方に揺動されて上方に付勢する弾性力が生じ、回転軸75に圧接した状態となっている。したがって、第二接点部材116も第一接点部材115と同様に回転軸76と安定した接触状態を保持でき、電気的な接続状態を確実なものとすることが可能となる。
第三接点部材117は、金属製の細径の線材からなり、一方の端部がコイルバネ状に形成され、他方の端部がL字状に直角に折り曲げられて接点部128を形成し先端がさらに鉤状に折り曲げられている。第三接点部材117をカバー部材80に取り付ける場合には、図15に示すように、カバー部材80に設けられた円形状の挿入孔129に裏面側から他方の端部を挿入して接点部128がカバー部材80の表面側に露出するようにし、先端の折り曲げ部分を円形状の係合孔130に挿入して固定する。係合孔130の径は、第三接点部材117の径とほぼ同じに形成されているため、他方の端部はしっかりと固定される。カバー部材80の裏面には、第三接点部材117に沿って溝部131が設けられている。溝部131の溝幅は第三接点部材117の径とほぼ同じ幅とされているため、第三接点部材117が溝部131に嵌め込まれると、第三接点部材117は溝部131内で揺動することなくしっかりと保持される。したがって、第三接点部材117は、カバー部材80から抜けることなく確実に保持され、接点部128がカバー部材80の表面側に突出した状態に設定されて画像形成装置1の電極と確実に接触し電気的に接続することができる。また、一方の端部のコイルバネ状に形成した部分は、カバー部材80を後側フレーム74に装着する際にブレード100の押圧板103の端部と当接して圧縮した状態で保持されるようになる。したがって、押圧板103と安定した接触状態を保持でき、電気的な接続状態を確実なものにできる。
図16は、第一接点部材115、第二接点部材116及び第三接点部材117の接触状態を示した斜視図である。この図からも明らかなように、第一接点部材115は回転軸75の下側に圧接状態とされ、第二接点部材116は回転軸76の下側に圧接状態とされ、第三接点部材117のコイルバネ状部分は押圧板103に圧接状態とされて安定した電気的な接続状態を保っている。そして、各接点部材の接点部は、画像形成装置1の電極位置に対応して所望の位置に設定されている。回転軸75は、現像ローラ55の外周面の現像スリーブと電気的に接続されており、画像形成装置1からのバイアス電圧は、接点部119から第一接点部材115を通り、回転軸75から現像ローラ55の外周面に印加されるようになる。回転軸76についても供給ローラ76の外周面と電気的に接続されており、画像形成装置1からのバイアス電圧が接点部123から第二接点部材116を通り、回転軸76から供給ローラ76の外周面に印加される。押圧板103は、弾性ブレード体101と金属製のネジにより締め付け固定されて電気的に接続されており、画像形成装置1からのバイアス電圧が接点部128から第三接点部材117を通り、押圧版103から弾性ブレード体101に印加される。
図17は、図15のA−Aでの断面図を示しているが、各接点部材をカバー部材80の裏面に形成した溝部に配置して、第一接点部材115及び第二接点部材116については溝幅を広げて揺動可能としている。
このように、電気的な接続構造に線材を用いることで、省スペース化を図ることができ、また、接点部の位置等を制約を受けることなく設定でき、設計上の自由度が大きくなる。
[現像器の着脱案内機構]
現像器22の着脱動作は、図2において紙面の垂直方向の手前側を現像器22の前面部とし、反対側を後面部すると、前後方向−すなわち紙面の垂直方向に沿って行われる。したがって、感光体ドラム25の軸方向に沿って、現像器22が挿入され又取り外される。その際に操作者が現像器22を感光体ドラム25に誤って接触させて感光体ドラム25に傷をつけてしまうことがないように、現像器22を感光体ドラム25からある程度離した状態で誘導するための案内機構が設けられている。
現像器22の着脱動作は、図2において紙面の垂直方向の手前側を現像器22の前面部とし、反対側を後面部すると、前後方向−すなわち紙面の垂直方向に沿って行われる。したがって、感光体ドラム25の軸方向に沿って、現像器22が挿入され又取り外される。その際に操作者が現像器22を感光体ドラム25に誤って接触させて感光体ドラム25に傷をつけてしまうことがないように、現像器22を感光体ドラム25からある程度離した状態で誘導するための案内機構が設けられている。
案内機構として、現像器22側に複数の突起部を設け、画像形成装置1側にこれらの突起部をガイドするガイド部を設けている。現像器22に設けられた複数の突起部は、図18及び図19に示されている。図18は、現像器22の上方から見た斜視図を示しており、図19は、現像器22の下方から見た斜視図を示している。
図18に示すように、現像器22の容器本体50の上部に溶着又はネジにより固定された蓋体51に上方に突設した案内用突起部132a及び132bが形成されている。案内用突起部132a及び132bは、蓋体51の現像ローラ55側において現像器22の挿入方向に沿って配列されており、案内用突起部132aは挿入方向後端側に、案内用突起部132bは挿入方向先端側にそれぞれ配設されている。そして、案内用突起部132aと現像ローラ55との間の間隔は、案内用突起部132bとの間の間隔よりもわずかに大きくなるように設定されている。案内用突起部132a及び132bは、内部に空隙が形成されており、空隙の中央部分に挿入方向に沿ってリブが形成されている。また、両者の間にも挿入方向に沿って筋状のリブが複数本形成されている。そして、案内用突起部132a及び132bの互いに対向する側面134a、134bは、図2に示す露光ヘッド27が照射するレーザー光の照射範囲に合わせて現像ローラ55側に広がるように傾斜している。
容器本体50の前面部には、平板部135が水平方向に延設されており、その下面には、下方に向かって把持部136が形成されている。把持部136は、上方に開口した直方体状で、その内部の空隙には、前後方向に補強用のリブ137が複数設けられている。平板部135の上面には、矩形の枠状の取付部138が5個上方に突設されており、取付部138には、偽造防止用の識別突部139が嵌め込まれて固着されている。識別突部139は、現像器毎に無作為に選択された取付部138に設けられるので、識別突部139の取付位置が異なると現像器が挿入できなくなる。
容器本体50の底面には、図19に示すように現像器22の挿入方向に全長にわたってレール部140が突設されている。容器本体50には、湾曲状に摺面部66、67及び68が形成されており、摺面部67及び68の間の谷間にレール部140が配設されている。レール部140は、所定の間隔で2つの側壁部が形成され、側壁部の間を連結する横桟状のリブが形成されている。そして、レール部140は、3つの直線部140a、140b及び140cから成っており、現像ローラ55の軸とレール部140との間隔が挿入方向先端側(図19の斜め左下方向)から後端側に向かって140a、140b、140cの順に大きくなるように設定されている。各直線部の間は挿入方向に対して斜め方向に形成され、直線部140aの挿入方向先端部は側壁部が閉じて先鋭化されて挿入部141が形成されている。
画像形成装置1の本体フレーム70は、図20に示すように、底面部142と上面部143との間に現像器22を装着するためのスペースが設定されている。案内用突起部132a及び132bの高さは、現像器22を装着した場合に、上面部143の下面との間にわずかの隙間が生じる程度に設定されており、現像器22の着脱を行う際に現像器22が上下動することを防止する。上面部143の下面には、図20の紙面手前側の前面開口端に沿って規制部材144及び識別係合部145が下方に向かって突設されている。規制部材144は、前面開口側に挿入方向に傾斜したガイド面146が形成されており、感光体ドラム25とは反対側の規制面147は現像器22が感光体ドラム25と離れて挿入されるように位置決めされている。そして、案内用突起132a又は132bが規制面147で規制された位置に来ると、現像器22の側面と本体フレーム70の側面部148との間には、わずかの隙間しかないため、現像器22が左右にぶれることなく、出し入れされる。識別係合部145は、現像器22に突設された識別突部139が設けられていない位置に配設されており、識別係合部145に対応していない識別突部139が突設された現像器が挿入されると、識別係合部145に当接して挿入することができなくなる。
本体フレーム70の底面部142の上面には、図21に示すように、現像器22の挿入方向に沿って線状のガイド部149及び150が突設されている。現像器22は、感光体ドラム25の軸方向に沿って挿入又は取り外されるので、ガイド部149及び150は感光体ドラム25に沿って形成されている。ガイド部149及び150は、所定の間隔を空けて配列されており、ガイド部149のほうがガイド部150よりも感光体ドラム25との間隔が大きく設定されている。そして、ガイド部149には後面側(現像器22の挿入方向先端側であって、図21の紙面手前側)から順に直線部149a、149b、149c及び149dが形成されており、後面側から前面側に(現像器22の挿入方向後端側であって、図21の紙面奥側)行くに従い感光体ドラム25との間隔が順次大きくなるように設定されている。各直線部の間は挿入方向に対して斜め方向に形成されている。一方、ガイド部150にも後面側から順に直線部150a、150b及び150cが形成されており、直線部150aが直線部149a及び149bに、直線部150bが直線部149cに、直線部150cが直線部149dに、それぞれ対応して配設されている。したがって、ガイド部150の各直線部も後面側から前面側に行くに従い感光体ドラム25との間隔が順次大きくなるように設定されている。
ガイド部149及び150の間に、現像器22の底面に突設されたレール部140が挿入されて案内される。レール部140の挿入部141が挿入される際には、現像器22が上述したように本体フレーム70の規制部材144と側面部148によって挿入位置が規制されるため、挿入部141は、ガイド部149の直線部149dとガイド部150の直線部150cとの間に誘導されて挿入される。その様子を模式的に示したのが、図22から図24である。図22では、現像器22を本体フレーム70に挿入する前の状態を平面図で示している。図23では、現像器22が本体フレーム70に挿入されていき、案内用突起132bが規制部材144のガイド面146に当接した状態を示している。ガイド面146は挿入方向に傾斜しているため、現像器22は規制面147のほうに案内されて感光体ドラム25から離れた位置で図24のように挿入される。その際に上述したようにレール部140の挿入部141はガイド部149及び150の間に挿入される。
さらに、現像器22を挿入していくと、図25に示すように、挿入部141は、直線部149c及び150bの間に案内されて、現像器22は感光体ドラム25側に移動する。現像器22の挿入動作を続けていくと、図26に示すように、現像器22の上面に設けられた識別突部139が本体フレーム70の識別係合部145に接近し、互いの設置位置が重複していなければ、正規の現像器として通過できる。識別突部139が識別係合部145を通過した後、レール部140の直線部140a、140b、140cは、図27に示すように、それぞれガイド部149の直線部149b、149c、149dに当接した位置まで挿入される。そして、さらに挿入されることで、図28に示すように、ガイド部149の直線部149aとレール部140の直線部140aが係合して、現像器22は、さらに感光体ドラム25に接近した位置に移動するようになる。こうして、現像器22は、順次感光体ドラム25に接近した位置に誘導されながら、感光体ドラム25表面に接触することなく装着される。また、現像器22を取り出す際には、図29に示すように、レール部140の直線部140aがガイド部150の直線部150bと係合して現像器22が感光体ドラム25から離れる方向に移動するようになるため、引き出し動作により現像器22は順次感光体ドラム25から離れるようになる。そして、案内用突起部132aが本体フレーム70の規制面147を通過すると、現像器22はさらに引き出し動作を行うことができる。案内用突起部132aは、現像器22のレール部140による移動に合わせて案内用突起部132bよりも現像ローラ55との間の間隔が大きく設定されている。万一、レール部140がガイド部150から外れるような場合には、案内用突起部132aが規制部材144に当接して現像器22は取り出すことができない。したがって、現像器22は、感光体ドラム25から離れた状態でないと取り出すことができず、現像器22を取り外す際の安全性が高まる。
また、現像器22の挿入方向先端側には、図18に示すように、感光体ドラム25に向かって突出した部位に弾性部材151が接着固定されている。弾性部材151は、フェルト又はスポンジといった弾性を有する材料を直方体状に形成したもので、万が一、この弾性部材151が感光体ドラム25に接触しても傷を付けることがない。弾性部材151は、現像ローラ55の挿入方向先端側に隣接して配置されており、感光体ドラム25に向かって最も突出した部位に固定されている。したがって、現像ローラ55が感光体ドラム25に当接した位置になるよう現像器22を位置決めする直前や位置決めされた状態から取り外されるときに、感光体ドラム25に最も接触する可能性の高い部位に弾性部材151を取り付け、たとえ接触したとしても傷つけることが防止できる。
[現像器の位置決め機構]
図28に示すように、現像器22が本体フレーム70の奥まで挿入された後、現像ローラ55を感光体ドラム25に均一に圧接した状態にするための位置決めが行われる。
図28に示すように、現像器22が本体フレーム70の奥まで挿入された後、現像ローラ55を感光体ドラム25に均一に圧接した状態にするための位置決めが行われる。
図2に示すように、本体フレーム70の底面部には、押圧機構71が配設されており、押圧機構71が現像器22の容器本体50の底面を押し上げることで、現像ローラ50を感光体ドラム25に圧接する。図30には、現像器22が本体フレーム70内に挿入した状態を前側からみた図を示しているが、押圧機構71は、感光体ドラム25及び現像ローラ55の回転中心軸152及び153と直交する直線154に沿って平行な矢印方向に押圧するようになっている。
押圧機構71により押圧した際に現像ローラ55が感光体ドラム25に正確にセットされるように、容器本体50の前側フレーム155には、案内部材156が固定されている。案内部材156は平板状で、前側フレーム155の感光体ドラム25寄りの位置に固定されている。そして、感光体ドラム25の回転中心軸152に向かって延設された案内部157が形成されており、案内部157には、直線154に沿って、楕円状の案内孔158が穿設されている。案内孔158の幅は、回転中心軸152が嵌合する程度に設定されている。
一方、図31に示すように、現像器22の後ろ側では、本体フレーム70の後面部159に直線154に沿って、位置決め用長孔160が穿設されている。位置決め用長孔160の幅は、現像ローラ55の回転中心軸153が嵌合する程度に設定されている。
図32は、現像ローラ55が感光体ドラム25に圧接した状態を示した概略図である。感光体ドラム25は、回転中心軸152の前側の端部が本体フレーム70の上面部143に軸支され、後ろ側の端部が後面部159に軸支されている。図28に示すように、現像器22が挿入されると、現像器22の後面側に装着されたカバー部材80から外方に突出した現像ローラ55の回転中心軸153の端部が位置決め用長孔160に挿入されるように誘導される。同時に、現像器22の前面側に固定された案内部材157の案内孔158が、上面部143から外方に突出した感光体ドラム25の回転中心軸152の端部に嵌め込まれるように誘導される。
こうして、感光体ドラム25の回転中心軸152が案内孔158に、現像ローラ55の回転中心軸153が位置決め用長孔160にセットされて、押圧機構71を作動させて現像器22を押し上げる。その際、案内孔158及び位置決め用長孔160は、直線154に沿って孔の形状が形成されているため、現像器22は直線154に沿って移動し、現像ローラ55の回転中心軸153は、感光体ドラム25の回転中心軸152と平行となる位置に設定されるようになる。現像ローラ55の両側には、ギャップローラ161が回転中心軸153に固定されている。ギャップローラ161は、感光体ドラム25の表面と現像ローラ55の回転中心軸153との間の間隔を所定の間隔に保持するため、現像ローラ55の径よりわずかに小さく設定されている。押圧機構71の押圧力によりギャップローラ161が感光体ドラム25の表面に圧接されることで、現像ローラ55は感光体ドラム25の表面に均一な圧接状態とすることができる。
また、感光体ドラム25及び現像ローラ55が回転駆動されると、現像ローラ55が感光体ドラム25の回転方向に引きずられるようになるが、現像器22は、上述したように案内孔158及び位置決め用長孔160は、それぞれ回転中心軸152及び153が嵌合される程度の幅に設定されているので、各孔により規制されて設定位置からずれるようなことはない。
[現像器の押圧機構]
次に、押圧機構71について説明する。押圧機構71は、図2及び図21に示すように本体フレーム70の底面部142において感光体ドラム25寄りに配設されている。図33及び図34は、押圧機構71に関する斜視図を示している。図33は、手動により操作部162が作動位置に回転されて、矩形板状の押圧プレート163が上昇し基板164から突出した状態を示しており、図34は、手動により操作部162が反時計回りに倒れた待機位置に回転されて、押圧プレート163が下降した状態を示している。図33では、操作部162の作動位置への回転動作に伴いトナー残量検知センサ72が現像器22の補給室内のセット位置に回動しており、図34では、操作部162の待機位置への回転動作に伴いトナー残量検知センサ72は退避位置に回動している。
次に、押圧機構71について説明する。押圧機構71は、図2及び図21に示すように本体フレーム70の底面部142において感光体ドラム25寄りに配設されている。図33及び図34は、押圧機構71に関する斜視図を示している。図33は、手動により操作部162が作動位置に回転されて、矩形板状の押圧プレート163が上昇し基板164から突出した状態を示しており、図34は、手動により操作部162が反時計回りに倒れた待機位置に回転されて、押圧プレート163が下降した状態を示している。図33では、操作部162の作動位置への回転動作に伴いトナー残量検知センサ72が現像器22の補給室内のセット位置に回動しており、図34では、操作部162の待機位置への回転動作に伴いトナー残量検知センサ72は退避位置に回動している。
図35には、押圧機構71を分解した斜視図を示している。操作部162は、作動回転軸166の前側端部に固定されている。作動回転軸166は、基板164の前端及び後端において下方に垂設された軸受部167に回転自在に保持されている。作動回転軸166の中間部には、プレート用カム部材168及びセンサ用カム部材169が固定されている。押圧プレート163は、前後方向に帯状に延びており、作用部材171を収容する4つの保持部170が形成されている。図35に示す例では、中央部分の2つの保持部170にそれぞれ作用部材171が収容され、両側部分の2つの保持部170は空になっている。各保持部170は、角柱状に形成されており、内部は作用部材171を収容するための四角形状の空間が形成されている。各保持部171は、押圧プレート163の上下方向の中心線に対して対称位置にそれぞれ前後に2つずつ配されている。押圧プレート163の上下の端縁にはリブ172が形成されており、上下のリブを連結する上下方向のリブ173が所定間隔で形成されて押圧プレート163の強度を高めている。押圧プレート163の前後方向の両端縁にはガイド突起部174が形成されており、その下方には規制突起部175が突設されている。また、押圧プレート163の下縁の中心部には、カム受け部176が水平方向に突設されている。
基板164の感光体ドラム25に近い側面には、押圧プレート163の取付位置に対応して切欠き部177が形成されており、切欠き部177には、さらに押圧プレート163に保持部170を受けるための保持受け部178が形成されている。また、切欠き部177の前後の辺部には、ガイド用突起部174が上下動するための凹部179がそれぞれ形成されている。保持受け部178は、図30に示す直線154に平行なガイド面を備えており、また、図示されていないが、軸受部167の内側には規制突起部175を直線154に沿って上下動させるための溝が形成されている。
基板164に押圧プレート163を装着する場合には、規制用突起部175を溝に挿入するとともに、ガイド突起部174を凹部179に嵌合し、各保持部170を保持受け部178に嵌め込むようにする。装着状態では、押圧プレート163は、保持受け部178のガイド面及び規制突起部175が挿入された溝により直線154に沿って上下動するようになる。
一方、基板164の感光体ドラム25と反対側の側面には、中央部にトナー残量検知センサ72を回動自在に取り付ける一対の軸支部180が垂設されている。トナー残量検知センサ72に設けられた取付部181の前後方向の側面には、一対の回動軸182が突設しており、一対の軸支部180の間に取付部181を挿入して回動軸182を軸支部180に嵌め込んでトナー残量検知センサ72を取り付ける。
押圧プレート163のカム受け部176に隣接して穿設された係合孔部183には、プレート用コイルバネ184の一方の係合端が係合し、他方の係合端は作動回転軸166に係合している。プレート用バネ184は、押圧プレート163を作動回転軸166の方に常時引っ張るように付勢している。押圧プレート163は、プレート用バネ184に付勢されると、下方に移動して規制突起部175の底面が作動回転軸166に当接して保持される。
プレート用カム部材168の側面には係合突起185が突設されており、係合突起185にカム用コイルバネ186の一方の係合端が係合し、他方の係合端は軸支部180に隣接して基板164に穿設された係合孔部187に係合している。カム用コイルバネ186は、プレート用カム部材168を常時、図35の矢符300方向からみて反時計回りに回転するように付勢している。したがって、プレート用カム部材168がカム用コイルバネ186により反時計回りに回転すると、作動回転軸166も回転して、操作部162は待機位置に回動する。
トナー残量検知センサ72の取付部181の内部には基板164の下面との間に圧縮バネ188が取り付けられている。圧縮バネ188は、回動軸182よりも感光体ドラム25よりの位置に形成された圧接部189を押圧するように作用するので、トナー残量検知センサ72は常時時計回りに回動するように付勢されている。
図36は、図34に示す待機状態の押圧機構71を、感光体ドラム25の反対側から見た側面図である。そして、図37(a)〜(c)は、図36のA−A、B−B及びC−C断面図を示している。図36に示すように、押圧プレート163は、プレート用コイルバネ184により下方に付勢されて規制突起部175の底面が作動回転軸166に当接した状態となっている。図38は、保持部170部分の分解斜視図を示している。図39は、図33に示す作動状態の押圧機構を感光体ドラム25の反対側から見た側面図である。そして、図40(a)〜(c)は、図38のA−A、B−B及びC−C断面図を示している。
作用部材171は、図38に示すように、保持部170の内部に収容される部分に小径の円筒部190が形成されており、円筒部190の外周にコイルバネ191が装着されている。コイルバネ191は、保持部170の内部の底面と作用部材171の円筒部190の上部の角柱部分との間に挟持されるので、作用部材171を常時上方に付勢するように作用する。そして、保持部170の底面部には孔193が穿設されており、ネジ192は、孔193を挿通して作用部材171の円筒部190の中へ螺合されて固定される。したがって、図37(a)に示すように、ネジ192の頭が保持部170の底面部に係合するため、作用部材171は、コイルバネ191の付勢力に抗して保持部170内に保持される。図40(a)に示すように、作用部材171が現像器22の底面を押圧している状態では、作用部材171が保持部170内に押し込まれて、ネジ192の頭の部分が下方に突出した状態となり、コイルバネ191の反発力により現像器22の底面を押圧保持している。ネジ192を円筒部190に螺入する長さを変えることで、コイルバネ192の付勢力を変更することができる。そのため、作用部材171が現像器22の底面を押圧する際にその押圧力をネジ192の螺入の程度で調整することができる。そして、各作用部材171毎にネジ192により独立して調整が可能なため、例えば、現像器22を装着した後感光体ドラム25と現像ローラ55との間の圧接状態を確認しながら、押圧力の微調整を行うことができる。
作用部材171の上面には半球状の当接部194が形成されている。一方、現像器22の底面には、図19に示すように、当接部194に対応する位置に十字状の当接リブ195が形成されている。そして、現像器22が本体フレーム70内に挿入されると、当接リブ195の中心が当接部194のほぼ中心に位置するように設定されており、半球状の当接部194が十字状の当接リブ195の中心を押圧することで、点接触による押圧動作が行われ、直線154に沿った図2の矢印方向に押圧することができる。そして、感光体ドラム25の回転中心軸152及び現像ローラ55の回転中心軸153を含む平面を想定した場合、当接部194と当接リブ195の接触点は、この平面からほぼ同じ間隔を空けて配列されており、この平面に沿うように設定されている。また、現像器22の底面は当接リブ195が形成されているため強度が高まり、押圧による変形等が発生することはない。
プレート用カム部材168は、図37(b)の断面形状に示すように、頂部196から作動回転軸166に向かって広がるように形成された2つの傾斜面197、198を有する。感光体ドラム25とは反対側の傾斜面197は、外方に膨出した形状となっており、感光体ドラム25に近い側の傾斜面198は、ほぼ平坦な形状となっている。このプレート用カム部材168はカム用コイルバネ186により反時計回り(図36では紙面から手前側に向かう方向)に回転するよう付勢されており、押圧機構71の待機状態では、図37(b)に示すように、頂部196が作動回転軸166に関して感光体ドラム25とは反対側に位置しており、押圧プレート163がプレート用コイルバネ184により下方に付勢されてカム受け部176が傾斜面198に当接して停止した状態となっている。
操作部162を手動で時計回りに回転すると、作動回転軸166も同様に回転するため、作動回転軸166に固定されたプレート用カム部材168は時計回りに回転する。図37(b)の状態から図40(b)の状態へプレート用カム部材168は回転し、図40(b)に示すように、プレート用カム部材168の頂部196がカム受け部176を押し上げるように回動する。したがって、押圧プレート163が上方に移動する。その際に、押圧プレート163は、本体フレーム70に形成されたガイド面199に沿って移動する。ガイド面199は、上述した直線154に沿って形成されている。頂部196は、プレート用カム部材168の回転によりカム受け部176を摺動しながら押し上げていき、押圧プレート163の感光体ドラム25側に回動すると、図40(b)に示すように、カム受け部176の端縁から押圧プレート163とガイド面199との間に入り込むようにされる。頂部196がカム受け部176の端縁を離れる瞬間に押圧プレート163は重力及びプレート用コイルバネ184による引張力によりわずかに落ち込む。押圧プレート163のこの動きによる衝撃(コイルバネ184の付勢力による回転時の荷重変動)が作動回転軸166から操作部162に伝わり、押圧機構71が作動位置に設定されたことが操作者に伝達される。そして、頂部196が押圧プレート163とガイド面199との間に入り込むことで、プレート用カム部材168がこの作動位置に保持されるようになる。
センサ用カム部材169は、図37(c)の側面形状に示すように、頂部200から作動回転軸166に向かって広がるように形成された2つの傾斜面201、202を有する。感光体ドラム25とは反対側の傾斜面201は、外方に膨出した形状となっており、感光体ドラム25に近い側の傾斜面202は、ほぼ平坦な形状となっている。図36に示す待機状態では、トナー残量検知センサ72の取付部181の下面に形成された摺動面203に頂部200が当接した状態となっている。この状態では、圧縮バネ188により取付部181が下方に付勢されて頂部200に圧接する。しかし、センサ用カム部材169は作動回転軸166に固定されて、上述したようにプレート用カム部材168がカム用コイルバネ186によりカム受け部176に当接して停止しているため、センサ用カム部材169も停止した状態とされている。したがって、トナー残量検知センサ72のセンサ部204が下方に退避した状態で保持されるため、現像器22の挿入時にセンサ部204が現像器22の底面を接触することを避けることができる。
図40(c)に示す作動状態では、センサ用カム部材169が時計回りに回転して、頂部200は摺動面203から離れ、傾斜面201と摺動面203が当接するようになる。この状態では、取付部181が下方に移動して、トナー残量検知センサ72が図40の時計回りに回転し、センサ部204が上方に移動する。図2に示すように、センサ部204が上方に移動すると、現像器22の補給室の底面に設けられた凹溝73内にセットされるようになる。凹溝73は、図19に示すように、残量検知部205の両側に2つ設けられているおり、凹溝73及び残量検知部205は、合成樹脂製の透明部材により一体成形されている。残量検知部205は、図2に示すように、パドル61に取り付けられたクリーニング部材206の回転軌跡に沿って所定の溝幅に形成されており、残量検知部205内のトナーは、クリーニング部材206が残量検知部205内を摺動する毎に一旦残量検知部205外に排出される。
図41は、センサ部204が凹溝73内にセットされてクリーニング部材206が残量検知部205内をクリーニングする様子をクリーニング部材206の進行方向と直交する断面図で示したものである。クリーニング部材206は、ゴムからなる矩形状のシート体を複数枚重ねて構成されており、シート体の1枚の幅を残量検知部205の溝幅よりわずかに大きくして、進行方向に直交する面に取り付けられている。したがって、残量検知部205の両側部207は、常にクリーニング部材206のシート体が摺動して一旦トナーが除去される。一方、センサ部204は、一方の凹溝73内にセットされた突出部208には発光器が固定されており、他方の凹溝73内にセットされた突出部209には受光器が固定されている。そして、受光器は発光器から残量検知部205を透過した光を受光したか否かで検知信号が出力される。
残量検知部205内をパドル61に回転に同期してクリーニング部材206が摺動する毎に発光器の光は残量検知部205の両側部207を透過して受光器が検知信号を出力する。補給室内にトナーが十分な量貯留されている場合には、クリーニング部材206の摺動後残量検知部205内が再びトナーで埋められるため、受光器は光を検知しなくなるが、補給室内のトナーの残量が少なくなると、残量検知部205内をトナーが埋めることができなくなって受光器は光を検知し続けることになる。こうした検知信号の変化に基づいてトナー残量検知センサ72は、トナーの残量が少なくなったこと示す残量検知信号を装置本体の制御部に送信する。
[その他の安全機構]
押圧機構71は、図33及び図34に示すように操作部162を待機位置から作動位置に時計回りに回転させることで、現像器22の底面を押圧して現像ローラ55を感光体ドラム25に圧接して位置決めを行う。したがって、現像器22の挿入が不完全なまま押圧動作が行われたり、操作部162が作動位置に正しく設定されないと、現像器22は正しく位置決めされず、画像形成が正常に行われなくなる。しかしながら、現像器22の挿入や操作部162の操作は人間が行うため、不完全な設定や設定のし忘れを避けることはできない。そこで、本実施形態では、操作者が現像器22を正しく設定したことを容易に認識できる安全機構を備えている。
押圧機構71は、図33及び図34に示すように操作部162を待機位置から作動位置に時計回りに回転させることで、現像器22の底面を押圧して現像ローラ55を感光体ドラム25に圧接して位置決めを行う。したがって、現像器22の挿入が不完全なまま押圧動作が行われたり、操作部162が作動位置に正しく設定されないと、現像器22は正しく位置決めされず、画像形成が正常に行われなくなる。しかしながら、現像器22の挿入や操作部162の操作は人間が行うため、不完全な設定や設定のし忘れを避けることはできない。そこで、本実施形態では、操作者が現像器22を正しく設定したことを容易に認識できる安全機構を備えている。
まず、現像器22の挿入が不完全なまま押圧機構により押圧されるのを防止するために、図42に示すように、現像器22の前側フレーム155に円弧状の突起部210を形成している。図42は、図34と同様に操作部162が待機位置にある状態を斜視図で示している。図44(a)は、図42の突起部210に関する部分を拡大して示した平面図である。これらの図からわかるように、円弧状の突起部210は、操作部162が固定された作動回転軸166の回転中心を中心とした円弧状に形成されており、操作部162に向かって板状に突出している。その幅は、図44に示すように操作部162の待機位置側から作動位置に向かう方向に沿って、徐々に広くなるように設定されており、突起部210の端面に操作部162の操作方向に対して傾斜面211が形成されている。そして、突起部210の最大幅に設定された設定面212は、操作部162が作動位置に設定された場合に現像器22の前側フレーム155との間の間隔にほぼ等しくなるように設定されている。また、突起部210は2つ設けられており、それぞれ同心円状に形成されている。
操作部162を手動で待機位置から時計回りに回動させていくと、現像器22が本体フレーム70に正しく挿入されていない場合、突起部210が前面側にずれた状態となっているため、図44(b)に示すように、操作部162の現像器22側の端面が傾斜面211に接触するようになる。操作部162は作動回転軸166に固定されていて軸方向に動くことはないため、突起部210は現像器22の挿入方向に押されていく。したがって、現像器22は、操作部162の回動動作に合わせて挿入方向に移動するようになる。
図43には、操作部162が作動位置に設定された状態の斜視図を示しており、図44(c)には、図43の突起部210に関する部分を拡大した平面図を示している。これらの図からわかるように、突起部210の最大幅の設定面212に操作部162の端面が当接した状態となり、必ず現像器22の挿入位置が正しい位置に設定された状態で押圧機構71による押圧動作が行われるようになる。また、操作部162が設定面212に当接した状態となる際に操作部162に負荷が加わるため、操作者は現像器22が正しい位置に設定したことを容易に認識することができる。
次に、操作部162が正しく作動位置に設定されていない場合又は設定をし忘れた場合が生じることを防止する機構について説明する。図45は、本体カバー213が開いた状態を示す画像形成装置1全体の斜視図である。本体カバー213は、下端部の両端が装置本体に軸支されており、前面側に倒れるように開くようになっている。現像器22を着脱する場合には、まず本体カバー213を開き、上述したように現像器22の着脱動作を行い、本体カバー213を閉じることで完了する。
本体カバー213の内面には、断面が矩形で筒状に形成された規制突起部214が突設されている。規制突起部214は、本体カバー213が閉じた状態で操作部162が待機位置から作動位置に移動する通過領域に突出する高さを有している。したがって、本体カバー213が閉じたときに規制突起部214が操作部162に接触すると、本体カバー162を閉めることはできなくなる。
図46は、本体カバー213が閉じた状態における規制突起部214を前面側から見た図である。操作部162は、点線で描かれた待機位置から実線で描かれた作動位置まで回動するようにされている。操作部162が作動位置に設定された状態で、規制突起部214は操作部162の待機位置側に来るように位置決めされており、また操作部162に対向する面は、操作部162の近傍に位置している。したがって、操作部162が作動位置からわずかにずれていても規制突起部214が操作部162に衝突して本体カバー213は閉じることができない。また、規制突起部214の操作部162の操作方向の幅は、操作部162の待機位置までかかるように広く設定されており、操作し忘れにより操作部162が待機位置のままでも規制突起部214が操作部162に衝突することになり、本体カバー213を閉じることができない。
以上のように、操作部162が作動位置に正しくセットされていないと、本体カバー213が閉じることができないため、操作者は現像器22が正しく装着されていないことを容易に認識することができるようになる。
1 画像形成装置
2 原稿読取部
3 給紙部
4 記録部
22 現像器
25 感光体ドラム
50 容器本体
51 蓋体
55 現像ローラ
70 本体フレーム
71 押圧機構
72 トナー残量検知センサ
100 ブレード
2 原稿読取部
3 給紙部
4 記録部
22 現像器
25 感光体ドラム
50 容器本体
51 蓋体
55 現像ローラ
70 本体フレーム
71 押圧機構
72 トナー残量検知センサ
100 ブレード
Claims (4)
- 静電潜像が形成される潜像担持体と、該潜像担持体を軸支する本体フレームと、前記潜像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体及び該現像剤担持体に現像剤を補給する補給室を備えるとともに前記本体フレーム内に着脱自在に装着される現像器と、前記潜像担持体の回転中心軸及び前記現像剤担持体の回転中心軸に直交する直線に沿った方向に摺動自在に前記本体フレームに設けられた押圧体と、前記押圧体を前記直線方向に摺動させて前記現像器の底面を押圧するように作動させるとともに前記現像剤担持体が前記潜像担持体に圧接した状態で保持されるように前記押圧体を保持する作動手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
- 前記作動手段は、前記本体フレームに軸支された回転軸と、前記回転軸に固定されたカム部材を備え、前記回転軸を回転することで前記カム部材が前記押圧体に作用して摺動させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記作動手段は、前記カム部材が前記本体フレームと前記押圧体との間に挟持された状態で前記押圧体を保持することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記回転軸の一方の端部には、手動で回転するための操作部が固定されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
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Cited By (1)
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JP2014186129A (ja) * | 2013-03-22 | 2014-10-02 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置 |
-
2003
- 2003-08-25 JP JP2003299776A patent/JP2005070403A/ja active Pending
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