JP2005069076A - 2サイクルの内燃機関の動弁機構を制御するための装置 - Google Patents

2サイクルの内燃機関の動弁機構を制御するための装置 Download PDF

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裕司 安井
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正芳 森
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Kanako Shimojo
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Abstract

【課題】2サイクルエンジンにおいて、掃気効率を高レベルに維持しながら、Nox排出を増加させることなく、エンジン出力を制御する。
【解決手段】シリンダの頂部に吸気弁を備え、シリンダの底部に排気ポートを備え、ピストンの移動により該排気ポートを開閉する2サイクルエンジンの制御装置が提供される。制御装置は、シリンダ内における混合気の燃焼により該シリンダに残留するガスを排気ポートを介して排気するように、吸気弁を開き、新気を該シリンダ全体に供給する。その後、制御装置は、シリンダ全体にわたって新気を供給した後に該新気を所定量まで減らすように、ピストンが排気ポートを閉じるタイミングよりも遅いタイミングで吸気弁を閉じる。掃気効率を高レベルに維持しながら、燃焼に使用する新気の量を、吸気弁を閉じるタイミングにより制御することができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、2サイクルの内燃機関の動弁機構を制御する装置に関する。
2サイクルエンジンは、クランク軸が1回転するごとに1回の燃焼を行うので、エンジン出力を増大させることができる。
2サイクルエンジンでは、燃焼室に新気を導入するのに先立って、燃焼室に残っているガスを掃気する必要がある。掃気の効率が悪いと、燃焼室に残留するガスにより、次の燃焼が不安定になり、燃焼室に吸入することのできる新気の量が減る。掃気の効率を向上させるため、シリンダの頂部に吸気弁を設け、シリンダの底部に排気ポートを設けた2サイクルエンジンが知られている。このような構成にすると、排気ポートの開口面積を大きくすることができるので、掃気効率を向上させることができる。
このような構成の2サイクルエンジンにおいて、ターボチャージャを設けたものが提案されている(たとえば、特許文献1を参照)。排気ポートは、ピストンの移動により開閉され、吸気弁は、カムシャフトにより開閉される。ピストンが上死点後110°の地点に達したとき、排気ポートは開く。排気行程は、ピストンが、上死点後約110°から下死点後約80°まで続く。吸気弁は、ピストンが下死点に達したときに開かれる。排気行程と吸気行程が重なっている間に、ターボチャージャにより加圧された空気が、燃焼室内に残っているガスを排気ポートを介して押し出す。こうして、新気と残留ガスとがスムーズに入れ替えられるようにする。
一方、所定の運転領域において圧縮着火燃焼を行う手法が知られている(たとえば、特許文献2)。このような圧縮着火燃焼では、吸気行程で燃料を噴射し、気筒内に均一な混合気を形成する。圧縮行程において、均一混合気は圧縮熱により活性化し、自己着火する。圧縮着火燃焼によれば、NOxを増やすことなく、リーンな空燃比でエンジンを運転することができる。
2サイクルエンジンにおける圧縮着火燃焼として、AR(Activated Radical)燃焼が提案されている。AR燃焼では、排気ポートに、排気ポートの開度を調節する機構を設け、混合気の燃焼後にシリンダ内に残すガス量を調整する。
特公平5−24330号公報 特開2001−3800号公報
2サイクルエンジンにおいて、掃気効率を向上させると、燃焼室全体に新気が吸入される。新気の量を調整することができないので、エンジン出力の制御が困難なものとなる。特にエンジンの負荷が低いときは、過度にリーンな空燃比で混合気が燃焼する。このようなリーン燃焼は、NOxを増大させるおそれがある。
2サイクルエンジンにおいても、NOxを抑制するため、安定した圧縮着火燃焼の実現が望まれている。しかしながら、排気ポートの開度を調節する機構を該排気ポートに設ける従来の手法によると、排気ポートを通過するガスが高温であるために、該排気ポートの開度を調節する機構の耐久性が乏しいという問題がある。
したがって、掃気効率を高レベルに維持しながら、エンジン出力を安定的に制御することができ、かつNOxを低減することができる2サイクルエンジンの制御装置が必要とされている。また、掃気効率を高レベルに維持しながら、圧縮着火燃焼を安定的に実施することのできる2サイクルエンジンの制御装置が必要とされている。
この発明の一つの側面によると、シリンダの頂部に吸気弁を備え、該シリンダの底部に排気ポートを備え、ピストンの移動により該排気ポートを開閉する2サイクルエンジンの制御装置が提供される。該制御装置は、シリンダ内における混合気の燃焼により該シリンダに残留するガスを排気ポートを介して排気するように、吸気弁を開き、新気を該シリンダ全体に供給する。シリンダ全体にわたって新気を供給した後、制御装置は、該新気を所定量まで減らすように、ピストンが排気ポートを閉じるタイミングよりも遅いタイミングで吸気弁を閉じる(遅閉じと呼ばれる)。
この発明によれば、掃気効率を高レベルに維持しながら、燃焼に使用する新気の量を、吸気弁を閉じるタイミングにより制御することができる。新気の量を制御することができるので、所望のエンジン出力を生成することができる。エンジンが低負荷であるときでも、理論空燃比で混合気を燃焼することが可能となり、よって燃焼が安定し、NOxの排出を抑制することができる。
この発明の他の側面によると、シリンダの頂部に吸気弁を備え、該シリンダの底部に排気ポートを備え、ピストンの移動により該排気ポートを開閉する2サイクルエンジンの制御装置が提供される。該制御装置は、シリンダ内における混合気の燃焼により該シリンダに残留するガスを排気ポートを介して排気するように、吸気弁を開き、新気を該シリンダに供給する。その後、制御装置は、シリンダ内に所定量のガスを残し、該ガスが、該シリンダに供給された新気と混合するように、ピストンが排気ポートを閉じるタイミングよりも早いタイミングで吸気弁を閉じる(早閉じと呼ばれる)。
この発明によれば、吸気弁を閉じるタイミングにより、圧縮着火燃焼に必要なガスを燃焼室に残すことができる。圧縮着火燃焼を実現することができるので、NOxの排出を抑制することができる。また、掃気動作とピストンの移動により、新気と残留ガスとが均質に混合されるので、圧縮着火燃焼を安定させることができる。排気ポートに、該排気ポートの開度を制御する機構を必要としないので、2サイクルエンジンの耐久性を向上させることができる。さらに、吸気弁を閉じるタイミングにより、新気の量を制御することができるようになり、よってエンジン出力を制御することができる。
この発明の他の側面によると、制御装置は、さらに、エンジンの運転状態に応じて、火花点火燃焼と圧縮着火燃焼とを切り換える手段を備える。火花点火燃焼では、シリンダ内全体にわたって新気を供給した後に該新気を所定量まで減らすように、ピストンが排気ポートを閉じるタイミングよりも遅いタイミングで吸気弁を閉じる(遅閉じ)。圧縮着火燃焼では、シリンダ内に所定量のガスを残し、該ガスが、該シリンダに供給された新気と混合するように、ピストンが排気ポートを閉じるタイミングよりも早いタイミングで吸気弁を閉じる(早閉じ)。
この発明によれば、火花点火燃焼では、吸気弁の遅閉じ動作により、燃焼室に残す新気の量が制御され、圧縮着火燃焼では、吸気弁の早閉じ動作により、燃焼室に残すガスの量および新気の量が制御される。火花点火燃焼により、エンジンが低負荷の時の燃焼を安定化させることができ、圧縮着火燃焼により、燃費を向上させ、NOxの排出を抑制することができる。
この発明の他の側面によると、2サイクルエンジンは、さらに、電気的に駆動される過給機を備える。制御装置は、さらに、シリンダ内に残留するガスを排気することができるように、目標過給圧を設定する。現在の過給圧が目標過給圧に収束するように、応答指定型制御を用いて、過給機を駆動するための指令値が算出される。
この発明によれば、過給により掃気効率を高めることができる。応答指定型制御を用いることにより、過給圧を安定的に目標値に収束させることができる。過給圧の制御性が向上するので、エンジンの燃焼形態が火花点火燃焼と圧縮着火燃焼との間で切り換えられるとき、エンジン出力に大きな変動が生じることを回避することができる。
この発明の他の側面によると、2サイクルエンジンは、さらに、前記吸気弁の上流側にスロットル弁を備える。制御装置は、吸気弁を開閉する手段および過給機のいずれかの故障を検知した場合には、スロットル弁を制御して吸入空気量を制御する。
この発明によれば、吸気弁を開閉する手段および過給機のいずれかに故障が生じた場合であっても、車両を走行させることができる。
内燃機関および制御装置の構成
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施形態に従う、2サイクルのエンジンおよび制御装置の全体的な構成図である。
電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)1は、車両の各部から送られてくるデータを受け入れる入力インターフェース1a、車両の各部の制御を行うための演算を実行するCPU1b、読み取り専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)を有するメモリ1c、および車両の各部に制御信号を送る出力インターフェース1dを備えている。メモリ1cのROMには、車両の各部の制御を行うためのプログラムおよび各種のデータが格納されている。ROMは、EPROMのような書き換え可能なROMでもよい。RAMには、CPU1bによる演算のための作業領域が設けられる。車両の各部から送られてくるデータおよび車両の各部に送り出す制御信号は、RAMに一時的に記憶される。
エンジン2は、2サイクルエンジンである。エンジン2には、吸気弁3と、排気ポート4が設けられている。吸気弁3は、シリンダ5の頂部に設けられており、排気ポート4は、シリンダ5の底部に設けられている。シリンダ5の底部に設けることにより、排気ポート4の開口面積を大きくすることができる。吸気弁3と排気ポート4のこのような配置により、掃気する時にシリンダ内の気体の流れが、矢印6に示されるように一方向になり、高い掃気効率を達成することができる。
吸気弁3は、自在バルブタイミング機構7によって駆動される。吸気弁3は、ピストンが上死点後140〜150°に達したとき、自在バルブタイミング機構7によって開かれる。自在バルブタイミング機構7の詳細は、後述される。排気ポート4は、ピストン8の移動により開閉される。排気ポート4は、ピストン8が上死点後140°〜150°に達した時、開き始める。排気ポート4は、ピストン8が下死点後30°〜40°に達した時、完全に閉じられる。
点火プラグ10と燃料噴射弁11は、シリンダ5の頂部に設けられている。点火プラグ10は、ECU1からの制御信号に従い、混合気に火花を飛ばす。燃料噴射弁11は、ECU1からの制御信号に従い、燃料室9に燃料を直接噴射する。
ターボチャージャ(ターボ過給機)15は、吸気通路12に設けられたコンプレッサ16と、排気通路13に設けられたタービン17と、コンプレッサ16およびタービン17を連結する回転軸18を備える。タービン17は、排気ガスのエネルギーにより回転駆動される。タービン17の回転によりコンプレッサ16が回転し、コンプレッサ16は、圧縮した空気を生成する。
電動スーパーチャージャ(電動式過給機)19のコンプレッサ20が、吸気通路12をバイパスする通路22に設けられている。コンプレッサ20は、電動機21によって回転駆動される。コンプレッサ20の回転により、圧縮した空気が生成される。電動機21は、ECU1からの制御信号に従って電力供給を受け、該電力供給に従ってコンプレッサ20を回転する。
吸気通路12には過給バルブ23が設けられている。過給バルブ23は一方向弁であり、過給が実施されている時に閉じるよう構成されている。このバルブ23により、コンプレッサ20によって圧縮された空気が、吸気通路12を逆流することが防止される。
エンジンの負荷が低いときは、排気ガスのボリュームが低下するので、ターボスーパーチャージャによって生成される過給圧が目標過給圧に対して不足するおそれがある。このような状態において、過給圧が目標過給圧に達するよう、電動スーパーチャージャによって過給が実施される。
この実施例では、ターボスーパーチャージャのコンプレッサ16は、電動スーパーチャージャのコンプレッサ20の下流に設けられている。代替的に、コンプレッサ16を、コンプレッサ20の上流に設けてもよい。
他の実施形態では、電動スーパーチャージャのみを設けてもよい。この場合、過給圧が目標過給圧に達するよう、ECU1は電動機21を制御する。
吸気通路12にはスロットル弁26が設けられ、スロットル弁26の開度は、ECU1からの制御信号によって制御される。スロットル弁26の開度を制御することにより、エンジン2に吸入される空気量を制御することができる。
スロットル弁26の上流には、過給圧(Pc)センサ25が設けられる。過給圧センサ25は、コンプレッサ16および20により生成された加圧された空気の圧力、すなわち過給圧Pcを検出し、これをECU1に送る。
スロットル弁26の下流には、吸気管圧力(Pb)センサ28が設けられている。吸気管圧力センサ28は、チェンバ27に充填された空気の圧力Pbを検出し、それをECU1に送る。エアフローメータ29は、チェンバ27に吸入される空気の量を検出し、それをECU1に送る。
エンジン2に連結された排気通路13には、電動ウエストゲートバルブ30が設けられている。電動ウエストゲートバルブ30は、ECU1からの制御信号に従い、バイパス通路31を開閉する。
ウエストゲートバルブ30の開度を大きくするほど、バイパス通路31に流入する排ガス量が増える。バイパス通路31に流入する排ガス量が多くなるほど、タービン17の回転が抑えられ、コンプレッサ16によって生成される過給圧が低くなる。
排気通路13には、触媒装置32が設けられている。触媒装置32は、排気通路13を通る排気ガス中のHC、CO、NOxなどの有害成分を浄化する。
スロットル弁開度センサ33は、スロットル弁26に連結して設けられる。スロットル弁開度センサ33は、スロットル弁26の開度を検出して、それをECU1に送る。
回転数(Ne)センサ34は、エンジン2のカム軸またはクランク軸の周辺に取り付けられる。回転数センサ34によって検出されたエンジン回転数NEは、ECU1に送られる。
アクセルペダル開度センサ35は、アクセルペダルの開度APを検出し、それをECU1に送る。
ECU1に向けて送られた信号は入力インターフェース1aに渡され、アナログ−デジタル変換される。CPU1bは、変換されたデジタル信号を、メモリ1cに格納されているプログラムに従って処理し、制御信号を生成する。出力インターフェース1dは、これらの制御信号を、自在バルブタイミング機構7、点火プラグ10、燃料噴射部弁11、電動機21、スロットル弁26,電動ウエストゲートバルブ30、およびその他のアクチュエータに送る。
自在バルブタイミング機構
図2を参照して、自在バルブタイミング機構7を説明する。本願発明の2サイクルエンジンにおいて、吸気弁3は、自在バルブタイミング機構7により駆動される。自在バルブタイミング機構7は、吸気弁3の開度を、早閉じ状態から遅閉じ状態まで自在に制御することができる。
自在バルブタイミング機構7は、メインカム41、サブカム42、およびロッカーアーム43を備える。メインカム41からロッカーアーム43を経てバルブ3に至る機構は、従来のロッカーアームを用いた動弁系と同様の構成を持つ。メインカム41は、エンジンのクランク軸に連結された第1のカムシャフト(図示せず)に設けられており、クランク軸の回転に従って回転駆動される。
ロッカーアームリターンスプリング44が、図の下方向に付勢されている。該付勢により、押圧部材45がロッカーアーム43のカム端55に接し、該カム端端55がメインカム41に常時接触するようにする。メインカム41の回転により、ロッカーアーム43は、支点46を中心に回転する。
サブカムリターンスプリング47が、図の上方向に付勢されている。該付勢により、押圧部材48がサブカム42に接する。サブカム42とサブカムリターンスプリング47の作用により、ロッカーアームの支点46を上下に動かすことができる。
ロッカーアーム43のバルブ端56には、バルブ3に接するアジャストボルト49が設けられている。
メインカム41とサブカム42は、第1のギヤ51および第2のギヤ52を介して連結されている。メインカム41の回転に従って、メインカムの第1のギヤ51が回転する。第1のギヤ51の回転に従って、サブカム42の第2のギヤ52が回転する。
サブカム42が設けられた第2のカムシャフト(図示せず)とサブカムの第2のギヤ52との間には、可変位相機構53が設けられている。可変位相機構53により、サブカム42と第2のギヤ52の間に位相差θmsを持たせることができる。
図3の(a)を参照して、自在バルブタイミング機構7によるバルブを開く動作を説明する。参照番号3、41および42に示される丸印は、それぞれ、バルブ3、メインカム41およびサブカム42の座標を示している。
サブカム42が、サブカムリターンスプリング47に抗して押圧部材48を押し下げることにより、ロッカーアームの支点46は原点に保持される。メインカム41がロッカーアームのカム端55を上方に押し上げると、ロッカーアーム43が支点46を中心に回転する。ロッカーアームのバルブ端56が、アジャストボルト49を介してバルブ3を押し下げる。こうして、バルブ3は開き始める。
図3の(b)を参照して、自在バルブタイミング機構7によるバルブを閉じる動作を説明する。サブカム42が押圧部材48に対する押し下げを停止すると、サブカムリターンスプリング47の作用により、ロッカーアームの支点46は上方へ移動する。支点46が上方へ移動するので、アジャストボルト49によるバルブ3への押し下げが無効化され、バルブ3は閉じられる。
図4は、エンジン2のシリンダを上方から見た状態を示す概略図である。4気筒が示されており、たとえば、メインカム41aとサブカム42aとが対となって、1つの吸気弁に作用する。
メインカム41が設けられた第1のカムシャフト61の端部にはスプロケット63が設けられており、スプロケット63は、エンジンのクランク軸に連結されている。メインカム41が設けられた第1のカムシャフトの端部に設けられた第1のギヤ51と、サブカム42が設けられている第2のカムシャフト62の端部に設けられた第2のギヤ52とがかみ合っている。第2のカムシャフト62と第2のギヤ52との間に、可変位相機構53が設けられている。
図5は、可変位相機構53の一例を示す。可変位相機構53は、サブカムのギヤ52(図2)と一体に構成されたハウジング64と、ハウジング64内に挿入された第2のカムシャフト62から放射状に延びた1枚のベーン65とを備える。ハウジング64内に形成される扇状の空間が、ベーン65によって、第1の室66と第2の室67に区画される。ベーン65は、捩りスプリング68によって、矢印eの方向に付勢されている。第1の室66に接続されたシリンダ71には、ピストン72が可動可能に挿入されている。ピストン72は、モータ73により図の左右方向に駆動される。第2の室67は、ベーン65の移動を妨げないように、大気に連通している。
モータ73によってピストン72を左方向に動かすと、シリンダ71から押し出される作動油により、第1の室66の油圧が増加する。該油圧により、捩りスプリング68の力に抗して、第2のカムシャフト62が矢印f方向に回転する。モータ73によりピストン72を右方向に動かすと、第1の室66の油圧が減少し、第2のシャフト62が矢印eの方向に回転する。こうして、油圧の作用により、サブカムのギヤ52に対する第2のカムシャフト62の位相差θmsを調整することができる。
位相差θmsの値に応じて、バルブ3を閉じるタイミングを連続的に変化させることができる。さらに、位相差θmsを制御して、バルブ3を休止させることができる。
バルブを閉じるタイミングを変化させることにより、シリンダ内の空気の体積を変更することができる。シリンダ内の空気の圧力が一定であれば、エンジンへの吸入空気量は、シリンダ内の空気の体積に従って変化する。こうして、位相差θmsを制御することにより、エンジンに吸入する空気量を調整することができる。吸入空気量の調整により、エンジン出力(エンジントルク)を制御することができる。
図6〜図9を参照して、吸気弁を閉じるタイミングについて説明する。図6〜図9に示されるX1は、支点46の変位量を示しており、サブカム42に押されて支点46が下向きに移動する方向が正で表されている(支点46が、図3の(b)に示される位置から図3の(a)に示される位置へと向かう方向を正としている点に注意)。X2は、ロッカーアームのカム端55の変位量を示しており、メインカム41に押されてカム端55が上向きに移動する方向が正で表されている。X3は吸気弁3のリフト量を示しており、吸気弁3が開く方向が正で表されている。参照番号75は、排気ポートが開いているクランク角領域を示す。
メインカム41およびサブカム42の間の位相差θmsについて、サブカム42による変位量X1の立ち上がり位置P2と、メインカム41による変位量X2の立ち上がり位置P1との差が40°であるとき、位相差θms=0°と定義する。サブカム42の位相をメインカム41の位相に対して進角方向(図の左方向)に変化させると、図7、8および9に示されるように、位相差θmsは0°から次第に増加していく。
図6は、ピストンが排気ポートを閉じるタイミング(すなわち、下死点後30〜40°)よりも遅いタイミングで吸気弁を閉じる遅閉じ動作を示す。位相差θmsは0°に設定されている。(A)の時点で、サブカム42による変位量X1が最大になり、支点46を押し下げてバルブ3を開弁しようとする。しかしながら、メインカム41による変位量X2がゼロであるので、バルブ3は開弁しない。
時点(B)において、変位量X1は最大に維持されており、サブカム42の作用によりバルブ3を開弁しようとする。メインカム41による変位量X2は徐々に増加し、ロッカーアームのカム端55を押し上げてバルブ3を開弁しようとする。こうして、バルブ3が開き、そのリフト量X3が増加する。
時点(C)において、メインカム41による変位量X2が最大に維持され、かつサブカム42による変位量X1も最大に維持されている。バルブ3は、開弁状態を維持する。時点(D)において、サブカム42による変位量X1が減少し始める。支点46に対する押し下げ量が減少するので、吸気弁3は閉じ始める。
このような遅閉じ状態は、位相差θmsが0〜約50°の範囲内にあるとき、実現される。遅閉じ量は、下死点に対し、吸気弁を閉じるタイミングがどの程度遅れているかで表される。
図7は、通常のバルブ動作を示す。位相差θmsは、約50度に設定されている。
時点(A)において、サブカム42による変位量X1が最大になり、支点46を押し下げてバルブ3を開弁しようとする。しかしながら、メインカム41による変位量X2がゼロであるので、バルブ3は開弁しない。
時点(B)において、変位量X1は最大に維持されており、サブカム42の作用によりバルブ3を開弁しようとする。メインカム41による変位量X2は徐々に増加し、ロッカーアームのカム端55を押し上げてバルブ3を開弁しようとする。こうして、バルブ3は開弁し、そのリフト量X3が増加する。
時点(C)において、メインカム41による変位量X2が最大に維持され、バルブ3を開弁しようとする。サブカム42による変位量X1は減少し始め、支点46を押し下げる量が減っていく。これにより、吸気弁3は閉じ始める。時点(D)において、サブカム42による変位量X1はゼロであり、支点46を押し下げないので、吸気弁3は閉弁状態を維持する。
図8は、ピストンが排気ポートを閉じるタイミング(すなわち、下死点後30〜40°)よりも早いタイミングで吸気弁を閉じる早閉じ動作を示す。位相差θmsは120°に設定されている。
時点(A)において、サブカム42による変位量X1が最大であり、支点46を押し下げてバルブ3を開弁しようとする。しかしながら、メインカム41による変位量X2がゼロであるので、バルブ3は開弁しない。
時点(B)において、変位量X1は最大に維持されており、サブカム42の作用によりバルブ3を開弁しようとする。メインカム41による変位量X2は徐々に増加し、ロッカーアームのカム端55を押し上げてバルブ3を開弁しようとする。こうして、バルブ3は開弁し、そのリフト量X3が増加する。
時点(C)において、メインカム41による変位量X2は増加しており、カム端55を押し上げてバルブ3を開弁しようとする。サブカム42による変位量X1は減少しており、支点46を押し下げる力が徐々に減っていっている。このサブカム42の作用により、バルブ3は少し開く。サブカム42による変位量X1が減るにつれ、バルブ3のリフト量も減る。
時点(D)において、サブカム42による変位量X1がゼロであり、支点46の押し下げは行われないので、吸気弁3は閉弁状態にある。
このような早閉じ状態は、位相差θmsが約50〜約135°の範囲内にあるとき、実現される。早閉じ動作では、バルブは、完全に開く(すなわち、フルリフトする)前に閉じられる。早閉じ量は、下死点に対し、吸気弁を閉じるタイミングがどの程度早められるかにより表される。
図9は、バルブが休止している状態を示す。位相差θmsは、約135°に設定されている。
(A)の時点で、サブカム42による変位量X1は最大であり、支点46を押し下げてバルブ3を開弁しようとする。しかしながら、メインカム41による変位量X2がゼロであるので、バルブ3は開弁しない。
時点(B)において、サブカム42による変位量X1は減少し、支点46をわずかに押し下げて開弁しようとする。メインカム41による変位量X2は徐々に増加し、ロッカーアームのカム端55をわずかに押し上げてバルブ3を開弁しようとする。しかし、バルブ3の開弁には至らず、バルブ3は閉弁状態に維持される。
時点(C)において、メインカム41による変位量X2が最大に維持され、カム端55を押し上げてバルブ3を開弁しようとする。しかしながら、サブカム42による変位量X1がゼロであり、支点46を押し下げないので、バルブ3は閉弁状態に維持される。時点(D)において、メインカム41による変位量X2が減少しはじめ、カム端55をわずかに押し上げてバルブ3を開弁しようとする。サブカム42による変位量X1は増加しはじめ、支点46をわずかに押し下げて、バルブ3を開こうとする。しかし、バルブ3の開弁には至らず、バルブ3の閉弁状態が維持される。
このように、位相差θmsにより、バルブ3を閉じるタイミングを遅閉じから早閉じまで連続的に調整することができる。
図6〜図9に示される位相差θmsとバルブ動作との間の関係は一例であり、メインカムとサブカムの相対的位置およびプロファイルによって変わることに注意されたい。
燃焼方式
図10は、本願発明の一実施形態に従う、2サイクルエンジンの、火花点火方式に従う燃焼サイクルを示す。火花点火方式では、点火プラグ10(図1)で火花が飛ばされることにより、混合気を燃焼する。吸気バルブ3は、遅閉じされる。
混合気が燃焼することにより、燃料室9内のガスが膨張する。シリンダ内の圧力は上昇し、この圧力上昇は、ピストン8を押し下げる。ピストン8は下死点に向けて移動し、排気ポート4を開く。
排気ポート4は、この実施例では、ピストンが上死点後140〜150°に達したときに開き始め、下死点後30〜40°に達したときに完全に閉じられる。この排気行程において、シリンダ内のガスが排気ポート4を介して排気通路に排気される。
吸気弁3が開く時の立ち上がりの遅れを考慮して、排気ポートが完全に開かれるよりも前に、吸気弁3が完全に開かれているようにするのが好ましい。たとえば、ピストン8が上死点後140〜150°に達したとき、またはその直前に、吸気弁3が自在バルブタイミング機構7により完全に開かれているようにする。
過給機(ターボチャージャ15および/または電動スーパーチャージャ19)により加圧された空気が、吸気弁3を介して燃焼室9に供給される。過給機により生成される空気の量は、燃焼室内のガスをほぼ完全に掃気することのできる量に調整される。過給により、燃焼室9内に残されていたガスは一掃され、燃焼室9全体が新気で満たされる。
ピストン8が上死点に向けて移動するにつれ、燃焼室9内の新気が圧縮される。自在バルブタイミング機構7により、吸気弁3は、ピストン8が下死点を通過した後の所定のタイミングで閉じられる。ピストン8が下死点を超えてから吸気弁3を閉じるまでの遅閉じ量を制御することにより、運転者によって要求されたエンジン出力に必要な量の新気が燃焼室内に残されるようにする。
ピストン8が、排気ポートが閉じられる角度(この例では、下死点後30〜40°)以上に移動すると、燃料噴射弁11を介して燃焼室9内に燃料を噴射し、点火プラグ10に火花を飛ばして混合気を燃焼する。
従来、掃気効率を高めると、シリンダ全体に新気が充填されるので、混合気が過度にリーンになる。これは、エンジン出力の制御を困難なものにし、またNOx排出を増加するおそれがある。本願発明の燃焼サイクルによれば、シリンダ内に残留しているガスが、加圧された空気により、ほぼ完全に掃気される。新気の量は、吸気弁を閉じるタイミングにより制御される。したがって、理論空燃比で混合気を燃焼させることができる。本願発明の燃焼サイクルによれば、NOx排出を増加することなく、所望のエンジン出力を生成することができる。
図11は、本願発明の一実施形態に従う、2サイクルエンジンの、圧縮着火方式に従う燃焼サイクルを示す図である。圧縮着火方式では、シリンダ内に所望の量の燃焼ガスを残して、自己着火を行う。吸気バルブ3は、早閉じされる。
混合気が燃焼することにより、燃料室9内のガスが膨張する。シリンダ内の圧力は上昇し、この圧力上昇は、ピストン8を押し下げる。ピストン8は下死点に向けて移動し、排気ポート4を開く。
排気ポート4は、この実施例では、ピストンが上死点後140〜150°に達したときに開き始め、下死点後30〜40°に達したときに完全に閉じられる。この排気行程において、シリンダ内のガスが排気ポート4を介して排気通路に排気される。
吸気弁3が開く時の立ち上がりの遅れを考慮して、排気ポートが完全に開かれるよりも前に、吸気弁3が完全に開かれているようにするのが好ましい。たとえば、ピストン8が上死点後140〜150°に達したとき、またはその直前に、吸気弁3が自在バルブタイミング機構7により完全に開かれているようにする。
過給機(ターボチャージャ15および/または電動スーパーチャージャ19)により加圧された空気が、吸気弁3を介して燃焼室9に供給される。加圧された空気により、燃焼室9内に残されていたガスが、排気ポート4を介して排気され始める。
燃焼室9内に残留するガスが完全に掃気される前に、自在バルブタイミング機構7により吸気弁3が閉じられる。具体的には、吸気弁3は、ピストン8が下死点に達する前の所定のタイミングで閉じられる。吸気弁3を閉じてからピストン8が下死点に達するまでの早閉じ量を制御することにより、圧縮着火燃焼を引き起こすのに必要な量のガスを燃焼室9内に残すようにする。早閉じにより吸気弁のリフト量が低くなるので、吸気の流入速度を向上させることができる。これにより、吸気と残留ガスの混合が促進され、自己着火を起こしやすい状態が形成される。
排気ポートを閉じる角度(この例では、下死点後30〜40°)以上にピストン8が上昇すると、燃料が噴射される。筒内流動とピストンの上昇により、燃料、新気および残留ガスは均質に混合され、残留ガスにより温度が高められた混合気は、自然発火する。
本願発明によれば、排気ポートに、残留ガスの量を調整するための機構を設ける必要がない。高温の排気ガスにさらされる機構が無いので、2サイクルエンジンの耐久性を向上させることができる。早閉じ量により残留ガスの量を調整することができるので、安定した圧縮着火燃焼を実現することができる。
図12は、本発明の一実施形態において、火花点火方式に従う燃焼サイクルが実施される場合の、運転手によって要求されるエンジン出力に対する各種パラメータの挙動を示す。エンジン回転数NEは、所定値に維持されていると仮定する。運転手によって要求されるエンジン出力は、典型的には、アクセルペダル開度APによって表される。
火花点火方式では、前述したように、シリンダ内の残留ガスがほぼ完全に掃気される。シリンダ全体に充填された新気の量を所望の量まで減らすために、吸気弁は遅閉じされる。
要求エンジン出力がAP1に達するまで、エンジンに吸入される空気量Gcylは過給圧Pcにより制御される。過給圧Pcを増やすことにより、吸気量Gcylを増やす。要求エンジン出力がAP1を超えると、過給圧の増加は停止される。これは、ノッキングの発生を抑止するためである。吸気量Gcylは、遅閉じ量により制御される。遅閉じ量を小さくするほど、吸気量Gcylは増える。
図13は、本発明の一実施形態において、火花点火方式と圧縮着火方式の切り換えが行われる場合の、運転手によって要求されるエンジン出力に対する各種パラメータの挙動を示す。
この実施形態では、低負荷状態(〜AP3)および高負荷状態(AP4〜)においては、図10に示される火花点火方式に従って燃焼を行い、エンジンの中負荷状態(AP3〜AP4)においては、図11に示される圧縮着火方式に従って燃焼を行う。エンジンが低負荷のときは、着火遅れにより燃焼が不安定になるのを防ぐため、火花点火方式が採用される。エンジンが高負荷のときは、燃焼ガスの圧力上昇によってノッキングが発生することを回避するため、火花点火方式が採用される。
火花点火方式では、シリンダ全体に充填された新気の量を、所望の量まで減らすために、吸気弁3は遅閉じされる。圧縮着火方式では、シリンダに所望の量のガスを残すために、吸気弁3は早閉じされる。
要求エンジン出力がAP2に達するまでは、過給圧Pcにより吸気量Gcylが制御される。
火花点火モードから圧縮着火モードに移行する前、すなわち要求エンジン出力がAP2からAP3の間は、遅閉じ量により吸気量Gcylを制御する。遅閉じ量を減らすにつれ、吸気量Gcylは増える。遅閉じ量を徐々に減らすことにより、バルブタイミングを遅閉じから早閉じに切り換える時に大きな変動がエンジン出力に現れないようにする。
要求エンジン出力がAP3に達すると、圧縮着火モードに移行する。バルブタイミングは、遅閉じから早閉じに変更される。早閉じに変更されると、新気の量が減る。これを補償するため、過給圧Pcは所定値に増やされる。
圧縮着火モードにおいては、早閉じ量により吸気量Gcylが制御される。早閉じ量を小さくするにつれ、吸気量Gcylは増やされる。こうして、早閉じ量を徐々に減らすことにより、バルブタイミングを早閉じから遅閉じに切り換える時に大きな変動がエンジン出力に現れないようにする。
要求エンジン出力がAP4に達すると、火花点火モードに切り換えられる。バルブタイミングは遅閉じに切り換えられる。過給圧Pcを増やすことにより、吸気量Gcylを増やす。要求エンジン出力がAP5を超えると、過給圧の増加はノッキングを増やすおそれがあるので、遅閉じ量を小さくすることにより吸気量Gcylを増やす。
制御フロー
図14は、本発明の一実施形態に従う、エンジン制御のメインルーチンを示す。該ルーチンは、典型的には、ECU1のメモリ1cに格納されたプログラムにより実施される。該ルーチンは、所定の時間間隔で繰り返し実行される。
ステップS101において、過給圧制御ルーチン(図15)を実施し、過給圧が目標過給圧に達するよう電動スーパーチャージャを駆動する。
ステップS102において、バルブ制御ルーチン(図16)を実施し、吸気弁を閉じるタイミングを算出する。
ステップS103において、スロットル制御ルーチン(図17)を実施し、何らかの故障が生じた場合に、スロットル弁の開度THを算出する。
ステップS104において、シリンダに吸入される空気量Gcylを、式(1)に従って算出する。ここで、Gthは、エアフローメータ29(図1)によって検出された値を示す。Pbは、吸気管圧力センサ28(図1)によって検出された値を示す。Vbは、吸気管の体積(m3)を示す。Tbは、吸気管の温度(K)を示す。Rは、気体定数である。
Figure 2005069076
ステップS105において燃料噴射制御ルーチン(図18)を実施し、燃料噴射時間を算出する。ステップS106において点火時期制御ルーチン(図19)を実施し、点火時期を算出する。
以下の説明において、図22〜図29のマップが参照される。これらのマップにおいて、参照番号NE1〜NE4は、それぞれのエンジン回転数における結果を表す。マップ間の対応関係が明らかになるように、同じ参照番号を使用している。
図15は、過給圧制御ルーチンを示す。ステップS111において、過給システムが正常かどうかを判断する。過給システムは、図1に示されるターボスーパーチャージャ15および電動スーパーチャージャ19を含む。過給を実施するのに使用される他のシステム(たとえば、ECU1)を含めてもよい。適切な任意の故障検出手法を用いて、過給システムが正常かどうかを判断することができる。
ステップS112において、自在バルブタイミング機構7(図1)が正常かどうかを判断する。自在バルブタイミング機構7に関連する他のシステム(たとえば、ECU1)を含めてもよい。適切な任意の故障検出手法を用いて、自在バルブタイミング機構が正常かどうかを判断することができる。
ステップS113において、エンジンの暖機が完了したかどうかを判断する。たとえば、エンジンの水温および油温に基づいて、暖機の完了を判断することができる。
ステップS111〜S113のうちのいずれかの判断がNoならば、ステップS114に進み、図12に示されるような圧縮着火モードを含まない運転を実施する。ステップS111〜S113のすべての判断がYesならば、ステップS116に進み、図13に示されるような圧縮着火モードを含む運転を実施する。
ステップS114において、エンジン回転数センサ34およびアクセルペダル開度センサ35(図1)によって検出されたエンジン回転数NEおよびアクセルペダル開度APに基づいてマップを参照し、目標過給圧Pc_cmdを算出する。マップの一例を、図22の(a)に示す。マップは、アクセルペダル開度AP(前述したように、要求されるエンジン出力を表す)が大きいほど、目標過給圧Pc_cmdが大きくなるよう設定されている。
参照番号NE1〜NE4に示されるように、エンジン回転数NEが高いほど、目標過給圧Pc_cmdは大きくなる。これは、エンジン回転数が高いほど、吸入すべき空気量が増えるからである。アクセルペダル開度APが所定値(エンジン回転数がNE4のケースでは、該所定値がアクセルペダル開度AP1で表されている)を超えると、目標過給圧Pc_cmdは減らされる。これは、ノッキングの発生を抑えるためである。
ステップS115において、エンジン回転数NEおよびアクセルペダル開度APに基づいてマップを参照し、ウエストゲートバルブ30(図1)の開度Wg_cmdを算出する。該マップの一例を、図23の(a)に示す。
ウエストゲートバルブの開度Wg_cmdは、過給圧を目標過給圧に制御することができるように調整される。具体的には、アクセルペダル開度APが大きいほど、ウエストゲートバルブの開度Wg_cmdは大きくされる。また、エンジン回転数NEが大きいほど、ウエストゲートバルブの開度Wg_cmdは大きくされる。これは、エンジン負荷および回転数が上昇するにつれ、排気エネルギーが大きくなるからである。アクセルペダル開度が所定値AP1を超えると、ウエストゲートバルブの開度Wg_cmdの上昇率を大きくして、過給圧の上昇を抑える。
一方、圧縮着火モードを含む運転の場合には、ステップS116に進む。ステップS116において、エンジン回転数NEおよびアクセルペダル開度APに基づいてマップを参照し、目標過給圧Pc_cmdを算出する。マップの一例を、図22の(b)に示す。圧縮着火モードは、図13を参照して説明したように、アクセルペダル開度がAP3からAP4の間に実施され、これは、領域91によって示されている。
圧縮着火運転中は、目標過給圧Pc_cmdは所定値に維持される。エンジン回転数が低いときは、シリンダ内に残留する燃料の温度が比較的低いために着火遅れが大きくなるおそれがある。したがって、エンジン回転数が低いときは、参照番号NE1およびNE2に示されるように、圧縮着火運転は実施されない。
ステップS117において、エンジン回転数NEとアクセルペダル開度APに基づいてマップを参照し、ウエストゲートバルブの開度Wg_cmdを算出する。該マップの一例を、図23の(b)に示す。
アクセルペダル開度がAP3からAP4に増えるにつれ、吸気量Gcylが増やされる。吸気量Gcylが増やされると、排ガス量も増える。過給圧を一定にするよう、ウエストゲートバルブの開度を大きくしてバイパス通路31に流入させる排ガス量を増やす。
ステップS118において、電動スーパーチャージャ19の電動機21に対する指令値DUT_SCを算出する。電動スーパーチャージャの電動機21は、該指令値に従って、コンプレッサ20を回転する。
指令値DUT_SCは、式(2)に示されるように、応答指定型制御によって算出される。kは、サイクルを識別する識別子である。
Figure 2005069076
応答指定型制御は、制御量(ここでは、過給圧Pcと目標値Pc_cmdとの偏差e)の目標値(ここでは、ゼロ)への収束応答を指定することができる制御である。応答指定型制御は、制御量eをゼロに収束させることにより、過給圧Pcを目標値Pc_cmdに収束させる。応答指定型制御によれば、過給圧Pcを、オーバーシュートを生じさせることなく目標過給圧Pc_cmdに収束させることができる。
応答指定型制御では切り換え関数σが設定される。POLEは切換関数σの設定パラメータであり、偏差eの収束速度を規定する。POLEは、好ましくは、−1<POLE<0を満たすよう設定される。
切換関数σ(k)=0とした式は等価入力系と呼ばれ、偏差eの収束特性を規定する。σ(k)=0とすると、式(3)の切り換え関数σは式(5)のように表されることができる。
Figure 2005069076
ここで、図20を参照して、切り換え関数について説明する。縦軸がe(k)および横軸がe(k-1)の位相平面上に、式(5)の切り換え関数σが、線81で表現されている。この線81を切換直線と呼ぶ。e(k-1)およびe(k)の組合せからなる状態量(e(k-1), e(k))の初期値が、点82で表されているとする。応答指定型制御は、点82で表される状態量を、切換直線81上に載せて該直線81上に拘束するよう動作する。
応答指定型制御によると、状態量を切換直線81上に保持することにより、該状態量を、外乱等の影響されることなく、極めて安定的に位相平面上の原点0に収束させることができる。言い換えると、状態量(e(k-1),e(k))を、式(5)に示される入力の無い安定系に拘束することにより、外乱およびモデル化誤差に対してロバストに、過給圧Pcを目標過給圧Pc_cmdに収束させることができる。
この実施例では、切換関数σに関する位相空間が2次元であるので、切換直線は直線81で表される。位相空間が3次元である場合には、切換直線は平面で表され、位相空間が4次元以上になると、切換直線は超平面となる。
設定パラメータPOLEは、可変に設定することができる。設定パラメータPOLEを調整することにより、偏差eの収束(減衰)特性を指定することができる。
図21は、応答指定型制御の応答指定特性の一例を示す。グラフ83は、POLEの値が“−1”である場合を示し、グラフ84はPOLEの値が“−0.8”である場合を示し、グラフ85はPOLEの値が“−0.5”である場合を示す。グラフ83〜85から明らかなように、POLEの絶対値を小さくするほど、収束速度が速くなる。
式(2)の第1項(切換関数σの比例項)は、状態量を切換直線上に載せるための到達則入力を表す。第2項(切換関数σの積分項)は、モデル化誤差および外乱を抑制しつつ、状態量を切換直線に載せるための適応則入力を表す。KrchおよびKadpはフィードバック係数を表しており、例えばシミュレーションに従って決定することができる。
このようにして、過給圧Pcが、指定された速度で目標値Pc_cmdに収束するように、指令値DUT_SCが算出される。指定値DUT_SCに従って電動機21はコンプレッサ20を回転させる。こうして、ターボスーパーチャージャ15(図1)による過給の不足分を補償することができる。特に、エンジンの負荷が低い状態から加速する時、排ガスの量が少ないためにターボチャージャだけでは一時的に過給不足を招くおそれがある。過給圧Pcが目標過給圧Pc_cmdに収束するように電動スーパーチャージャを駆動すれば、このような過渡時における過給不足を回避することができる。
図16は、バルブ制御ルーチンを示す。ステップS121〜S123は、図15に示されるステップS111〜S113と同じであり、いずれかの判断ステップがNoならば、ステップS124に進んで圧縮着火モードを含まない運転を実施し、すべての判断ステップがYesならば、ステップS125に進んで圧縮着火モードを含む運転を実施する。
ステップS124において、エンジン回転数NEおよびアクセルペダル開度APに基づいてマップを参照し、吸気弁を閉じるタイミングVlv_cmdを算出する。マップの一例を、図24の(a)に示す。
図12を参照して説明したように、所定のアクセルペダル開度(エンジン回転数がNE4の場合には、AP1)までは、バルブタイミングVlv_cmdは、所定の遅閉じ量に設定される。吸気量Gcylは、過給圧Pcにより制御される。該所定のアクセル開度を超えると、吸気量Gcylは、吸気弁を閉じるタイミングVlv_cmdにより制御される。遅閉じ量を小さくするほど、吸気量は増やされる。また、エンジン回転数NEが高いほど、吸入する空気量を増やす必要があるので、遅閉じ量は小さく設定される。
一方、圧縮着火モードを含む運転の場合は、ステップS125に進む。ステップS125において、エンジン回転数NEおよびアクセルペダル開度APに基づいてマップを参照して、圧縮着火モードを実施する場合の、吸気弁を閉じるタイミングVlv_cmdを算出する。
該マップの一例を、図24の(b)に示す。図13を参照して説明したように、圧縮着火領域91では、バルブタイミングVlv_cmdは早閉じに設定される。エンジン回転数がNE1およびNE2の時は、図22の(b)を参照して前述したように、エンジン回転数が低いために圧縮着火運転は実施されず、吸気弁は早閉じされない。
エンジン回転数が高いほど、バルブタイミングVlv_cmdの早閉じ量は減らされる。早閉じ量を減らすほど、吸気量Gcylを増やすことができる。
図17は、スロットル制御ルーチンを示す。ステップS131およびS132は、ステップS111およびS112と同じである。両方の判断ステップがYesならば、過給システムおよびバルブシステムが正常に動作していることを示す。吸気量は、過給圧制御およびバルブタイミング制御により調整されるので、スロットル弁の開度THは全開に設定される(S133)。
ステップS131およびS132のいずれかの判断ステップがNoならば、過給システムまたはバルブシステムに何らかの故障が生じていることを示す。この場合には、スロットル弁の開度により吸気量を制御する。
ステップS134において、エンジン回転数NEおよびアクセル開度APに基づいてフェイルセーフ用のマップを参照し、目標吸気量Gcyl_cmdを算出する。該マップの一例を図25に示す。フェイルセーフ時には、エンジン出力が抑制されるように、目標吸気量Gcyl_cmdは所定値を超えないよう設定される。
ステップS135において、スロットル弁26(図1)の開度THを、式(6)に従って算出する。スロットル弁の開度THは、応答指定型制御を用いて算出される。応答指定型制御は、図20および図21を参照して前述した。σ’は切り換え関数を示しており、POLE’は切り換え関数σ’の設定パラメータである。Krch’およびKadp’は、フィードバック係数を示しており、シミュレータ等で予め決められる。
Figure 2005069076
応答指定型制御により、シリンダに吸入される空気量Gcylが目標吸気量Gcyl_cmdに収束するように(すなわち、偏差e’がゼロに収束するように)、スロットル弁の開度THが決定される。応答指定型制御を用いれば、吸入空気量Gcylを、オーバーシュートを生じさせることなく目標吸気量Gcyl_cmdに収束させることができる。
図18は、燃料噴射制御ルーチンを示す。ステップS141〜S143は、図15のステップS111〜S113と同じであり、いずれかの判断ステップの答えがNoならば、ステップS144に進んで、圧縮着火モードを含まない運転を実施し、すべての判断ステップの答えがYesならば、ステップS145に進んで、圧縮着火モードを含む運転を実施する。
ステップS144において、エンジン回転数NEおよびアクセルペダル開度APに基づいてマップを参照し、燃料噴射を終了するタイミングθinjを算出する。該マップの一例を図26の(a)に示す。
アクセルペダル開度APが大きくなるほど、燃焼室における混合気の圧縮比が高くなり、燃焼室の温度が上昇する。ノッキングを抑制するため、燃料を冷やす時間が必要とされる。そのため、アクセルペダル開度APが大きくなるほど、燃料噴射終了タイミングθinjは早くされる。また、吸気弁が遅閉じされているとき(アクセルペダル開度が小さいとき)、噴射終了タイミングθinjは遅くされる。これにより、吸気管に吹き戻される燃料を減らして燃料制御の制御性を向上するとともに、次回の排気時に、吹き戻された燃料が排気管へ吹き抜けることを防止して、無駄な燃料が消費されないようにすることができる。
エンジン回転数NEが高くなるにつれ、燃料と空気とが均一に混ざるのに使用することのできる時間が短くなる。混合気形成のための時間を確保するため、エンジン回転数NEが高くなるにつれ、噴射終了タイミングθinjは早められる。
一方、圧縮着火モードが実施される場合には、ステップS145に進む。ステップS145において、エンジン回転数NEおよびアクセルペダル開度APに基づいてマップを参照し、燃料噴射終了タイミングθinjを算出する。該マップの一例を図26の(b)に示す。
圧縮着火領域91では、燃焼室に残留するガスを活性化する必要がある。この活性化の時間を確保するため、燃料噴射を終了するタイミングθinjは早くされる。
ステップS146において、図14のステップS104で算出された吸気量Gcylに基づいてマップを参照し、燃料噴射時間Tiを算出する。該マップの一例を図27に示す。該マップは、吸気量Gcylが大きくなるほど、燃料も多くなるよう設定されている。
図19は、点火時期制御ルーチンを示す。ステップS151〜S153は、図15のステップS111〜S113と同じであり、いずれかの判断ステップの答えがNoならば、ステップS154に進んで、圧縮着火モードを含まない運転を実施し、すべての判断ステップの答えがYesならば、ステップS155に進んで、圧縮着火モードを含む運転を実施する。
ステップS154において、吸入空気量Gcylに基づいてマップを参照し、点火タイミングθigを算出する。該マップの一例を図28に示す。該マップは、吸入空気量Gcylが多いほど、点火時期が遅くなるよう設定されている。これは、吸入空気量Gcylが多いほど、ノッキングが発生しやすくなるからである。
エンジン回転数NEが高いほど、燃焼行程から膨張行程までの時間が短くなる。膨張行程に十分な時間を割り当てることができるようにするため、エンジン回転数NEが高いほど、点火時期θigは早められる。
ステップS155において、エンジン回転数NEおよびアクセルペダル開度APに基づいてマップを参照し、今回のサイクルにおいて圧縮着火運転を実施すべきかどうかを判断する。該マップの一例を図29に示す。エンジン回転数NEおよびアクセルペダル開度APが領域91に含まれれば、圧縮着火運転を実施するため、フラグF_HCCIを値1に設定する。
ステップS156において、圧縮着火フラグF_HCCIに値1が設定されていれば、自己着火により混合気を燃焼するので、点火プラグは駆動されない(S157)。圧縮着火フラグF_HCCIの値がゼロならば、ステップS154に進み、図28に示されるマップを参照して点火タイミングθigを算出する。該点火タイミングθigに従って、点火プラグを駆動する。
本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンにも適用が可能である。
この発明の一実施例に従う、2サイクルエンジンおよびその制御装置を概略的に示す図。 この発明の一実施例に従う、自在バルブタイミング機構を概略的に示す図。 この発明の一実施例に従う、自在バルブタイミング機構によるバルブの開閉動作を概略的に示す図。 この発明の一実施例に従う、自在バルブタイミング機構を上方から見た平面図。 この発明の一実施例に従う、可変位相機構の概略図。 この発明の一実施例に従う、バルブタイミングが遅閉じの場合のバルブリフトを示す図。 この発明の一実施例に従う、バルブタイミングが通常である場合のバルブリフトを示す図。 この発明の一実施例に従う、バルブタイミングが早閉じである場合のバルブリフトを示す図。 この発明の一実施例に従う、バルブの休止状態を示す図。 この発明の一実施例に従う、火花点火モードにおける燃焼サイクルを概略的に示す図。 この発明の一実施例に従う、圧縮着火モードにおける燃焼サイクルを概略的に示す図。 この発明の一実施例に従う、圧縮着火運転を含まない場合の、エンジン負荷に対する各種パラメータの変化を示す図。 この発明の一実施例に従う、圧縮着火運転を含む場合の、エンジン負荷に対する各種パラメータの変化を示す図。 この発明の一実施例に従う、エンジン制御のメインルーチンを示す図。 この発明の一実施例に従う、過給圧制御のフローチャート。 この発明の一実施例に従う、バルブ制御のフローチャート。 この発明の一実施例に従う、スロットル制御のフローチャート。 この発明の一実施例に従う、燃料噴射制御のフローチャート。 この発明の一実施例に従う、点火制御のフローチャート。 この発明の一実施例に従う、応答指定型制御における切り換え関数を示す図。 この発明の一実施例に従う、切り換え関数の設定パラメータの値に応じた収束速度を示す図。 この発明の一実施例に従う、アクセルペダル開度に応じた目標過給圧Pc_cmdを示すテーブル。 この発明の一実施例に従う、アクセルペダル開度に応じたウエストゲートバルブの開度Wg_cmdを示すテーブル。 この発明の一実施例に従う、アクセルペダル開度に応じたバルブタイミングVlv_vmdを示すテーブル。 この発明の一実施例に従う、アクセルペダル開度に応じた目標吸気量Gcyl_cmdを示すテーブル。 この発明の一実施例に従う、アクセルペダル開度に応じた噴射終了タイミングθinjを示すテーブル。 この発明の一実施例に従う、吸気量に応じた燃料噴射時間Tiを示すテーブル。 この発明の一実施例に従う、吸気量に応じた点火時期θigを示すテーブル。 この発明の一実施例に従う、アクセルペダル開度に応じた圧縮着火フラグF_HCCIの値を示すテーブル。
符号の説明
1 ECU
2 エンジン
3 吸気弁
4 排気ポート
5 シリンダ
7 自在バルブタイミング機構
8 ピストン
15 ターボチャージャ
19 電動スーパーチャージャ
30 ウエストゲートバルブ

Claims (5)

  1. シリンダの頂部に吸気弁を備え、該シリンダの底部に排気ポートを備え、ピストンの移動により該排気ポートを開閉する2サイクルエンジンの制御装置であって、
    前記シリンダ内における混合気の燃焼により該シリンダに残留するガスを、前記ピストンの移動により開かれた前記排気ポートを介して排気するように、前記吸気弁を開き、新気を該シリンダ全体に供給する吸気弁開弁手段と、
    前記新気を前記シリンダ全体にわたって供給した後に該新気を所定量まで減らすように、前記ピストンが前記排気ポートを閉じるタイミングよりも遅いタイミングで前記吸気弁を閉じる吸気弁遅閉じ手段と、
    を備える、2サイクルエンジンの制御装置。
  2. シリンダの頂部に吸気弁を備え、該シリンダの底部に排気ポートを備え、ピストンの移動により該排気ポートを開閉する2サイクルエンジンの制御装置であって、
    前記シリンダ内における混合気の燃焼により該シリンダに残留するガスを、前記ピストンの移動により開かれた前記排気ポートを介して排気するように、前記吸気弁を開き、新気を該シリンダ全体に供給する吸気弁開弁手段と、
    前記シリンダ内に所定量のガスを残して、該ガスが、該シリンダに供給された新気と混合するように、前記ピストンが前記排気ポートを閉じるタイミングよりも早いタイミングで前記吸気弁を閉じる吸気弁早閉じ手段と、
    を備える、2サイクルエンジンの制御装置。
  3. シリンダの頂部に吸気弁を備え、該シリンダの底部に排気ポートを備え、ピストンの移動により該排気ポートを開閉する2サイクルエンジンの制御装置であって、
    前記シリンダ内における混合気の燃焼により該シリンダに残留するガスを、前記ピストンの移動により開かれた前記排気ポートを介して排気するように、前記吸気弁を開き、新気を該シリンダ全体に供給する吸気弁開弁手段と、
    前記新気を前記シリンダ全体にわたって供給した後に該新気を所定量まで減らすように、前記ピストンが前記排気ポートを閉じるタイミングよりも遅いタイミングで前記吸気弁を閉じる吸気弁遅閉じ手段と、
    前記シリンダ内に所定量のガスを残して、該ガスが、該シリンダに供給された新気と混合するように、前記ピストンが前記排気ポートを閉じるタイミングよりも早いタイミングで前記吸気弁を閉じる吸気弁早閉じ手段と、
    前記エンジンの運転状態に応じて、火花点火燃焼と圧縮着火燃焼とを切り換える手段であって、該火花点火燃焼では、前記吸気弁遅閉じ手段により前記吸気弁を閉じるタイミングを調整し、該圧縮着火燃焼では、前記吸気弁早閉じ手段により前記吸気弁を閉じるタイミングを調整する切り換え手段と、
    を備える、2サイクルエンジンの制御装置。
  4. 前記2サイクルエンジンは、さらに、電気的に駆動される過給機を備えており、
    前記シリンダ内に残留するガスを排気することができるように、目標過給圧を設定する手段と、
    現在の過給圧が前記目標過給圧に収束するように、応答指定型制御を用いて、前記過給機を駆動するための指令値を算出する手段と、
    を備える、請求項3に記載の2サイクルエンジンの制御装置。
  5. 前記2サイクルエンジンは、前記吸気弁の上流側にスロットル弁を備え、
    前記吸気弁開弁手段、吸気弁遅閉じ手段、吸気弁早閉じ手段、および前記過給機のいずれかの故障を検知した場合には、前記スロットル弁を制御して吸入空気量を制御するスロットル制御手段をさらに備える、請求項4に記載の2サイクルエンジンの制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016018184A1 (en) * 2014-07-26 2016-02-04 Ase Alternative Solar Energy Engine Ab Method at a 2-stroke engine, and a 2-stroke engine operating according to said method
JP2017115774A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 三菱自動車工業株式会社 電動式過給機付きエンジンの電源システム

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