JP2005054944A - Vehicular driving force distributing device - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、左右輪間や前後軸間で駆動力を適切に配分する車両の駆動力配分装置に関する。 The present invention relates to a driving force distribution device for a vehicle that appropriately distributes driving force between left and right wheels and between front and rear axes.
近年、前後輪間、或いは左右輪間のトルク配分を積極的に制御し、車両の走行安定性を向上させる技術が種々提案され、実用化されている。 In recent years, various techniques for positively controlling torque distribution between front and rear wheels or between left and right wheels to improve running stability of a vehicle have been proposed and put into practical use.
例えば、特開2001−199255号公報には、ハウジングの入力側に設けられ車両のエンジンによって回転駆動される入力軸と、ハウジングの出力側に設けられ入力軸からの駆動力を左,右の車輪軸に分配して伝達する差動機構部と、差動機構部と共にハウジングの出力側に設けられ外部から圧油が給排されることにより左,右の車輪軸間に相対的な回転力を付与する可逆式の油圧モータとを備えた車両の左右駆動力配分装置が開示されている。
しかしながら、上述の特許文献1の技術では、左右輪間のトルクコントロールが行えるものの、差動制限の機能がないため、凹凸が大きい路面や、急な斜面を横切るときや、スプリットμ路走行等での駆動力の確保および走行安定性や運動性能を向上させることが十分に行えないという問題がある。
However, although the technique of
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、左右輪間、或いは、前後軸間のトルクコントロールはもちろん、差動制限の機能も有し、車両の走行安定性と運動性能の向上を図ることができる車両の駆動力配分装置を提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of the above circumstances, and has not only torque control between left and right wheels or front and rear shafts, but also has a differential limiting function, and improves vehicle running stability and motion performance. An object of the present invention is to provide a driving force distribution device for a vehicle capable of performing
本発明は、一方の回転軸と他方の回転軸との間に設けた差動機構部と、上記一方の回転軸と上記他方の回転軸との間に設け、上記一方の回転軸と上記他方の回転軸の相対回転を行わせる油圧モータと、上記油圧モータへの作動油圧を発生する油圧ポンプと、上記油圧モータと上記油圧ポンプとの間の油圧管路に介装して作動油の給排を行わせる油圧バルブユニットとを備えた車両の駆動力配分装置において、上記油圧モータと上記油圧ポンプとの間の油圧管路に、上記油圧ポンプ内の作動油の移動を禁止して上記油圧モータの回転を抑制する制御バルブを介装したことを特徴としている。 The present invention provides a differential mechanism provided between one rotating shaft and the other rotating shaft, and provided between the one rotating shaft and the other rotating shaft, and the one rotating shaft and the other rotating shaft. A hydraulic motor that causes relative rotation of the rotating shaft of the hydraulic motor, a hydraulic pump that generates hydraulic pressure to the hydraulic motor, and a hydraulic pipe line between the hydraulic motor and the hydraulic pump. In a vehicle driving force distribution device including a hydraulic valve unit that discharges, the hydraulic fluid between the hydraulic motor and the hydraulic pump is prohibited from moving the hydraulic oil in the hydraulic pump, and the hydraulic pressure is reduced. It is characterized by a control valve that suppresses the rotation of the motor.
本発明による車両の駆動力配分装置は、左右輪間、或いは、前後軸間のトルクコントロールはもちろん、差動制限の機能も有し、車両の走行安定性と運動性能の向上を図ることが可能となる。 The vehicle driving force distribution device according to the present invention has not only torque control between the left and right wheels or between the front and rear shafts but also a differential limiting function, which can improve the running stability and motion performance of the vehicle. It becomes.
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図4は本発明の実施の第1形態を示し、図1は車両の左右駆動力配分装置を示す要部断面図、図2は差動機構部を説明する断面図、図3は油圧モータを説明する断面図、図4は油圧モータを作動させる油圧回路の説明図である。
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
1 to 4 show a first embodiment of the present invention, FIG. 1 is a cross-sectional view of a main part showing a left / right driving force distribution device for a vehicle, FIG. 2 is a cross-sectional view for explaining a differential mechanism, and FIG. Sectional drawing explaining a hydraulic motor, FIG. 4 is explanatory drawing of the hydraulic circuit which operates a hydraulic motor.
図1において、符号1は駆動力配分装置のハウジングを示し、このハウジング1は、入力側に位置する段付筒状の入力ハウジング部2と、出力側に位置して入力ハウジング部2と一体に設けられ、左右方向に延びた段付筒状の出力ハウジング部3とから主要に構成されている。
In FIG. 1,
また、出力ハウジング部3は、中央に位置した筒状の胴部4と、胴部4の左側に設けられた段付筒状のカバー部5と、胴部4の右側に設けられた段付筒状のカバー部6とから構成されている。
The
出力ハウジング部3には胴部4の内側に位置してカバー部6との間に段付筒部7が設けられ、カバー部6と段付筒部7との間には後述の油圧モータ8が回転可能に配設されている。
The
段付筒部7は右側のカバー部6側から左側のカバー部5側に向けて軸方向に延出して形成され、段付筒部7の先端側は後述の入力歯車9との干渉を避けるように縮径して形成されている。
The
また、図1中、符号10はハウジング1の入力ハウジング部2内に回転可能に設けられた入力軸としての推進軸を示し、この推進軸10は車両に搭載されたエンジンのクランク軸(図示せず)に連結され、エンジンによって回転駆動されるものである。また、推進軸10には出力ハウジング部3の胴部4内へと延びる先端側に入力歯車9が設けられ、該入力歯車9は後述のリング歯車11に噛合している。
In FIG. 1,
また、図1中、符号12はカバー部5側に位置して出力ハウジング部3内に回転可能に設けられた差動機構部で、該差動機構部12は例えば遊星歯車装置等により構成され、その外殻をなすデファレンシャルケース(以下、デフケースという)13の外周側には入力歯車9に噛合するリング歯車11がボルト等により固設されている。
In FIG. 1,
このように、デフケース13は推進軸10により入力歯車9、リング歯車11を介して回転駆動され、このときの駆動力は後述の太陽歯車14とキャリア15とにより左,右の車輪軸16,17に分配して伝達される。
In this way, the
差動機構部12は、図2にも示すように、デフケース13の内周側に全周に亘って形成された内歯車18と、デフケース13内に相対回転可能に設けられたキャリア15と、該キャリア15により支軸19を介して回転可能に支持され内歯車18に噛合した複数の遊星歯車20,20,…と、該各遊星歯車20と噛合するようにキャリア15に支軸21を介して回転可能に支持された他の遊星歯車22,22,…と、該各遊星歯車22に噛合しキャリア15に対して相対回転可能となった太陽歯車14とにより主要に構成されている。
As shown in FIG. 2, the
太陽歯車14は、左側の車輪軸16と一体回転するようにスプライン結合され、デフケース13の回転(例えば図2中の矢示A方向の回転)は、それぞれ一対の遊星歯車20,22を介して太陽歯車14に同方向の回転として伝えられる。 また、キャリア15には各遊星歯車20,22の公転が支軸19,21を介して伝えられ、これによりキャリア15もデフケース13と同方向に回転される。
The
そして、車両の直進走行時にはデフケース13側の回転力が各遊星歯車20,22を介して太陽歯車14とキャリア15とに均等に分配され、太陽歯車14とキャリア15とは同一の回転数をもって左,右の車輪軸16,17を回転駆動する。
When the vehicle travels straight, the rotational force on the
また、車両のステアリング操作(旋回)時には、左,右の車輪(図示せず)が路面から受ける反力等により車輪軸16,17の一方が他方よりも速く回転するように、太陽歯車14とキャリア15にはデフケース13側の回転力が互いに異なる回転比をもって伝達される。これにより、旋回内側となる車輪は相対的に低い回転数となり、旋回外側の車輪はより高い回転数となって車両のコーナリング性能等を高める差動機能を発揮する。
Further, when steering the vehicle (turning), the
また、図1中、符号23は、差動機構部12の一部を構成する段付のスリーブで、このスリーブ23は、キャリア15の端面側に各ボルト24(図2参照)等を用いて固着され、キャリア15の回転を後述のモータケース25(右の車輪軸17)側に導出するものである。そして、スリーブ23の内周側にはスプライン23aが形成され、このスプライン23aは後述する他側ケース26の筒状連結部26bに結合されている。
Further, in FIG. 1, reference numeral 23 denotes a stepped sleeve that constitutes a part of the
一方、左側の車輪軸16は、単一のシャフト部材を用いて形成され、右側の車輪軸17は、後述のモータケース25および継手フランジ27により構成されている。また、左側の車輪軸16は、出力ハウジング部3内に挿入された一端側端部が小径のスプライン軸部16aとなり、このスプライン軸部16aは後述するシリンダブロック28の中心側に廻止め状態で連結されている。
On the other hand, the
また、左側の車輪軸16は、出力ハウジング部3外に突出する他端側が大径の継手フランジ部16bとなり、この継手フランジ部16bとスプライン軸部16aとの中間部位には、他のスプライン軸部16cと円形状のシール段部16dとが形成されている。そして、スプライン軸部16cは太陽歯車14と一体回転するように太陽歯車14の内周側に挿嵌され、太陽歯車14の回転を左側の車輪軸16の継手フランジ部16b側に伝達するものである。
The
このため、左側の車輪軸16は、継手フランジ部16bからスプライン軸部16cに亘る部位が比較的大径に形成され、大きな駆動力を外部の車輪に伝えるのに十分な剛性を有している。一方、スプライン軸部16cの位置から先端側のスプライン軸部16aに亘る部位は、後述する油圧モータ8のシリンダブロック28に発生する比較的小さい駆動力を伝達するだけでよいので、比較的小径に形成されている。また、シール段部16dの外周側には、後述のシール部材29が摺接し、後述の如く油液の漏洩、混合を防止している。
For this reason, the
一方、油圧モータ8は、右側のカバー部6側に位置して出力ハウジング部3内に回転可能に設けられた可逆式の油圧モータであり、この油圧モータ8は、例えばラジアルピストン式の油圧モータからなり、モータケース25、シリンダブロック28、ピストン30および通路ブロック31等により主要に構成されている。
On the other hand, the
油圧モータ8は、差動機構部12に対し出力ハウジング部3内で左右方向に横並び状態で配設され、通路ブロック31をシリンダブロック28と差動機構部12との間に収める構成となっている。そして、油圧モータ8は、後述の油圧ポンプ50から圧油が給排されることにより、モータケース25とシリンダブロック28とを相対回転させ、左,右の車輪軸16,17間に相対的な回転力を付与する。
The
油圧モータ8のモータケース25は、出力ハウジング部3内に回転可能に設けられ、油圧モータ8の外側回転体を構成するものである。このモータケース25は、図3に示すように、有蓋筒状体として形成され、蓋部32aの中心側に出力軸部32bが一体形成された一側ケース32と、カムリング33および他側ケース26とからなり、カムリング33は一側ケース32と他側ケース26との間に複数のボルト34,34,…を用いて挟持され一体化されている。
The
そして、一側ケース32、カムリング33および他側ケース26からなるモータケース25全体は、筒状連結部26bの位置から出力軸部32bの位置に亘って軸方向に延びる有蓋の段付筒状体として形成され、外側の継手フランジ27と共に右側の車輪軸17を構成している。この場合、一側ケース32の出力軸部32bは、出力ハウジング部3の右側のカバー部6から外側に向けて突出し、その突出端側に継手フランジ27がスプライン結合されている。
The
モータケース25のカムリング33は、図3に示すように、内周側にカム面33aが形成され、このカム面33aは、後述の各ローラ35を介してピストン30からの駆動力を受承することにより、モータケース25とシリンダブロック28の間に、図3中のX方向矢印、または、Y方向矢印の相対的な回転力を発生させる。
As shown in FIG. 3, the
また、他側ケース26は、略2段階に縮径した段付筒状体として形成され、一側ケース32との間でシリンダブロック28を挟み差動機構部12側に向け軸方向に延設された筒状延設部26aと、この筒状延設部26aの先端側からスリーブ23の内周側に向けて延出した筒状連結部26bとを有している。この筒状連結部26bは、外周側がスリーブ23のスプライン23aに内側から係合し、モータケース25(右側の車輪軸17)を差動機構部12のスリーブ23と一体回転させる構成となっている。
The
油圧モータ8の内側回転体を構成するシリンダブロック28は、扁平な段付円柱体からなるロータとして形成され、モータケース25内に複数の軸受等を介して回転可能に設けられている。また、シリンダブロック28の中心側には、左側の車輪軸16のスプライン軸部16aが廻止め状態で嵌合される嵌合穴が有底穴として形成されている。
The
ここで、シリンダブロック28には、図3に示すように、放射状に延びた複数(本実施形態では8個)のシリンダ36,36,…が形成され、これら各シリンダ36にはピストン30,30,…がそれぞれ摺動可能に挿嵌されている。
Here, as shown in FIG. 3, a plurality (eight in this embodiment) of
また、シリンダブロック28には、各シリンダ36と個別に連通する複数の油路37(37a,37b,37c,37d,37e,37f,37g,37h)が形成され、これら各油路37は、後述する通路ブロック31の給排通路38(38a,38b,38c,38d,38e,38f,38g,38h,38i,38j)と順次連通することにより、外部からの圧油を各シリンダ36内に給排させるものである。そして、各ピストン30は、シリンダ36内に給排される圧油によって、このシリンダ36内を往復動し、油圧モータ8の回転力を発生するものである。
Further, the
各ローラ35は、各ピストン30の突出側端部に支軸39を介して回転可能に設けられており、各ローラ35は、それぞれのスプリング40により、カムリング33のカム面33aに向けて付勢されて設けられている。すなわち、各スプリング40は、シリンダ36とピストン30との間に配設され、ピストン30をシリンダ36から突出する方向に常時付勢している。各ローラ35はカムリング33のカム面33aに沿って滑動し、シリンダブロック28とカムリング33(モータケース25)との円滑な相対回転を補償するものである。
Each
シリンダブロック28の各シリンダ36内に圧油を給排するための通路ブロック31は、段付の筒体として形成され、左側の車輪軸16の外周側に位置して、モータケース25の他側ケース26の筒状延設部26a内に、例えばノックピン、キー溝等を用いて廻止め状態で設けられている。そして、通路ブロック31はモータケース25と一体に回転し、一側ケース32の蓋部32a等との間で、シリンダブロック28を相対回転可能に保持している。
The passage block 31 for supplying and discharging the pressure oil to and from each
また、通路ブロック31内には、周方向に一定間隔をもって複数(本実施の形態では10個)の給排通路38(38a,38b,38c,38d,38e,38f,38g,38h,38i,38j)が形成され、これら各給排通路38は、左側の車輪軸16と同心円をなす仮想円上に互い違いとなるように交互に配設されている。そして、シリンダブロック28の端面に摺接する通路ブロック31の端面側は、各給排通路38を、図3の破線で示すように、シリンダブロック28の各油路37に交互に連通させる切換弁部を構成するものである。
In the passage block 31, a plurality of (10 in the present embodiment) supply / discharge passages 38 (38a, 38b, 38c, 38d, 38e, 38f, 38g, 38h, 38i, 38j) are provided at regular intervals in the circumferential direction. These supply /
また、通路ブロック31の外周側には、各給排通路38と個別に連通する環状油溝41,42が形成され、この環状油溝41,42は、通路ブロック31の軸方向で互いに離間して配設されている。
Further, on the outer peripheral side of the passage block 31,
また、通路ブロック31の環状油溝41,42は、他側ケース26の筒状延設部26aに形成した油穴43,44と、出力ハウジング部3の段付筒部7に形成した給排ポート45,46とに連通し、この給排ポート45,46からの圧油を各給排通路38にそれぞれ導くように構成されている。
The
この構成により、油圧モータ8は、例えば、図3において、38b,38d,38hの各給排通路から37b,37d,37gの各油路に油圧ポンプ50からの油圧が加えられ、38c,38g,38iの各給排通路を介して37c,37f,37hの各油路から油圧ポンプ50側に排油されることにより、カムリング33(モータケース25)は、シリンダブロック28に対してY方向矢印に相対回転される。
With this configuration, for example, in FIG. 3, the
逆に、38c,38g,38iの各給排通路から37c,37f,37hの各油路に油圧ポンプ50からの油圧が加えられ、38b,38d,38hの各給排通路を介して37b,37d,37gの各油路から油圧ポンプ50側に排油されることにより、カムリング33(モータケース25)は、シリンダブロック28に対してX方向矢印に相対回転される。
Conversely, the hydraulic pressure from the
また、全ての給排通路38(38a,38b,38c,38d,38e,38f,38g,38h,38i,38j)から全ての油路37(37a,37b,37c,37d,37e,37f,37g,37h)に対して作動油の給排が禁止された際には、カムリング33(モータケース25)とシリンダブロック28との相対回転が禁止され、すなわち、左側の車輪軸16と右側の車輪軸17との間の差動が禁止されて差動制限機能が発揮される。
Further, all the oil passages 37 (37a, 37b, 37c, 37d, 37e, 37f, 37g, all the way from all the supply / discharge passages 38 (38a, 38b, 38c, 38d, 38e, 38f, 38g, 38h, 38i, 38j), 37h), the relative rotation between the cam ring 33 (motor case 25) and the
一方、符号47は、出力ハウジング部3の段付筒部7と油圧モータ8のモータケース25との間に設けられたシール部材で、このシール部材47は、例えばダブルリップシール等によって構成され、他側ケース26の筒状延設部26aと段付筒部7との間に締代をもって装着されている。そして、シール部材47は、出力ハウジング部3とモータケース25との間で、例えば差動機構部12側の潤滑油と油圧モータ8側の圧油(作動油)とを互いに分離し、これらの油液の漏洩、混合を防止している。
On the other hand,
また、左側の車輪軸16のシール段部16dとモータケース25との間に設けられた前述のシール部材29は、シール部材47と同様、ダブルリップシール等により構成され、他側ケース26の筒状延設部26aとシール段部16dとの間に締代をもって装着されている。そして、シール部材29は、左側の車輪軸16とモータケース25との間で、例えば差動機構部12側の潤滑油と油圧モータ8側の作動油とを互いに分離し、これらの油液の漏洩、混合を防止している。
Further, the
次に、油圧モータ8を作動させる油圧駆動系について、図1、及び、図4を基に説明する。
この油圧系は、油圧ポンプ50と、油圧バルブユニット60と、リザーバ70とから主要に構成されている。
Next, a hydraulic drive system for operating the
This hydraulic system is mainly composed of a
油圧ポンプ50は、リザーバ70内の作動油を高圧の圧油として油圧バルブユニット60を介して管路48a,48bに給排するものであり、ダイレクトにタイヤのトルク差を油圧モータ8にて発生させるための油圧源であるため、例えば、30MPaの高圧油を発生可能になっている。そして、その動力は、デフケース13から図示しない歯車列を介して取り出され、出力ハウジング部3の胴部4の後部に配設されている。
The
尚、管路48a,48bの先端側は、図1に示すように、出力ハウジング部3の段付筒部7に形成した給排ポート45,46に接続されている。
As shown in FIG. 1, the distal ends of the
油圧バルブユニット60は、リリーフ弁61、方向制御弁62、管路48a,48bのそれぞれの連通遮断を行う制御バルブとしてのON−OFF弁63,64を有して構成されている。
The
リリーフ弁61は、油圧ポンプ50にて発生した油圧を必要な圧力(ライン圧)に制御するもので、圧力調整用のソレノイド部61aを有し、後述するコントローラ80からソレノイド部61aに出力される制御信号の電流値またはパルスデューティ等に応じてリリーフ設定圧を適切に制御する。
The
方向制御弁62は、管路48a,48bの途中に設けられた方向制御弁で、例えば4ポート3位置の電磁式方向制御弁からなり、油圧モータ8に給排する圧油の方向を切換える。
The
すなわち、方向制御弁62は、右側と左側にソレノイド部62a,62bを有し、このソレノイド部62a,62bにはコントローラ80から制御信号が出力される。具体的には、方向制御弁62は、図4に示すように、中立位置(イ)から左,右の切換位置(ロ),(ハ)に切換えられ、この切換位置(ロ),(ハ)で油圧ポンプ50から油圧モータ8に給排する圧油の方向を切換えるものである。また、方向制御弁62は中立位置(イ)に保持される間、圧油の給排を停止することにより、油圧モータ8を実質的に停止させ、油圧モータ8で発生する回転出力を無効とするものである。
That is, the
ON−OFF弁63は、方向制御弁62と油圧モータ8との間の管路48aに介装され、通常時は管路48aを連通する位置に保持するが、コントローラ80からの信号により管路48aを遮断可能になっている。尚、ON−OFF弁63は、ON−OFF弁64と連動されるものである。
The ON-
ON−OFF弁64は、方向制御弁62と油圧モータ8との間の管路48bに介装され、通常時は管路48bを連通する位置に保持するが、コントローラ80からの信号により管路48bを遮断可能になっている。尚、ON−OFF弁64は、ON−OFF弁63と連動されるものである。
The ON-
すなわち、コントローラ80が、ON−OFF弁63,64を作動させ、管路48a,48bを遮断すると、全ての給排通路38(38a,38b,38c,38d,38e,38f,38g,38h,38i,38j)から全ての油路37(37a,37b,37c,37d,37e,37f,37g,37h)に対して作動油の給排が禁止される状態となる。これにより、カムリング33(モータケース25)とシリンダブロック28との相対回転が禁止され、左側の車輪軸16と右側の車輪軸17との間の差動が禁止されて差動制限機能が発揮される。
That is, when the
リザーバ70は、作動油が貯留され大気解放とされるものであり、その容量の大きさによっては、リヤバンパ内やリヤトランク内に配設される。
The
コントローラ80は、車両の運転状態に応じて、方向制御弁62に信号を出力して左右の駆動力配分を可変し、或いは、ON−OFF弁63,64に対して信号を出力して差動制限機能を付与するものである。
The
例えば、車両の直進走行時には、デフケース13側の回転力が各遊星歯車20,22を介して太陽歯車14とキャリア15とに均等に分配され、太陽歯車14とキャリア15とは同一の回転数をもって左,右の車輪軸16,17を回転駆動するため、車両は左,右の車輪を通じて走行駆動される。
For example, when the vehicle travels straight, the rotational force on the
また、車両のステアリング操作(旋回)時には、左,右の車輪が路面から受ける反力等により車輪軸16,17の一方が他方よりも速く回転するように、太陽歯車14とキャリア15にはデフケース13側の回転力が互いに異なる回転比をもって伝達され、これにより、旋回内側となる車輪は相対的に低い回転数となり、旋回外側の車輪はより高い回転数となって車両のコーナリング性能等を高めることができる。
Further, when the steering operation (turning) of the vehicle is performed, the
ところで、このような差動機構部12による左,右の車輪軸16,17に対する駆動力配分は、左,右の車輪が路面から受ける反力等に依存しているため、例えばスリップの発生時等には駆動力の分配機能を失い、車両の走行安定性を必ずしも向上できない場合がある。こうして、差動機構部12による左,右の車輪軸16,17の差動回転が大きくなる場合、これを左右輪の車輪速センサ等(図示せず)で検出し、ON−OFF弁63,64を作動させ、管路48a,48bを遮断すると、全ての給排通路38(38a,38b,38c,38d,38e,38f,38g,38h,38i,38j)から全ての油路37(37a,37b,37c,37d,37e,37f,37g,37h)に対して作動油の給排が禁止される状態となる。これにより、カムリング33(モータケース25)とシリンダブロック28との相対回転が禁止され、左側の車輪軸16と右側の車輪軸17との間の差動が禁止されて差動制限機能が発揮される。これにより、車両がスリップ等で不安定になることが未然に防止される。
By the way, since the driving force distribution to the left and
また、コントローラ80は、車両が旋回する場合には、方向制御弁62およびリリーフ弁61に制御信号を出力し、例えば方向制御弁62を中立位置(イ)から切換位置(ロ)或いは(ハ)に切換えることにより、油圧ポンプ50からの圧油を管路48a,48bを介して出力ハウジング部3内の油圧モータ8に圧油を給排する。
Further, when the vehicle turns, the
これにより、出力ハウジング部3内の油圧モータ8は、通路ブロック31の給排通路38、および、シリンダブロック28の各油路37等を介してシリンダブロック28内の各シリンダ36内に圧油が給排されると、各シリンダ36内でピストン30が往復動され、これによって油圧モータ8のモータケース25とシリンダブロック28とは相対回転することになる。
As a result, the
この結果、左,右の車輪軸16,17間には、モータケース25とシリンダブロック28との相対回転による回転力が互いに逆向き付与され、旋回外側車輪側に駆動力配分を大きくすることにより、推進軸10から差動機構部12に加えられた駆動力は、油圧モータ8による回転力に従って左,右の車輪軸16,17のどちらかの旋回外側車輪軸へと積極的に配分される。そして、このときの駆動力配分により、車両にヨーモーメントを積極的に発生でき、車両の走行安定性と十分な旋回性能を確保することができる。
As a result, the rotational forces due to the relative rotation of the
このように、本発明の実施の第1形態によれば、管路48a,48bのそれぞれの連通遮断を行うON−OFF弁63,64を、方向制御弁62と油圧モータ8との間の管路48a,48bに介装したので、油圧モータ8は、左,右の車輪軸16,17間の積極的な駆動力配分と共に、差動制限の機能も有し、車両の走行安定性と運動性能の向上を図ることができる。
Thus, according to the first embodiment of the present invention, the ON-OFF
次に、図5は本発明の実施の第2形態による、油圧モータを作動させる油圧回路の説明図である。尚、本発明の実施の第2形態は、油圧モータを作動させる油圧回路のみが前記実施の第1形態とは異なり、他の構成は前記第1形態と同様であるので同じ部分には同じ符号を記し、説明は省略する。 Next, FIG. 5 is an explanatory diagram of a hydraulic circuit for operating the hydraulic motor according to the second embodiment of the present invention. In the second embodiment of the present invention, only the hydraulic circuit for operating the hydraulic motor is different from the first embodiment, and other configurations are the same as those in the first embodiment. The description is omitted.
すなわち、図5に示すように、本発明の実施の第2形態では、方向制御弁62と油圧モータ8との間の管路48a,48bには、これら管路48a,48bの2つの管路を同時に連通遮断自在な一体型の制御バルブとしてのON−OFF弁65が介装されている。
That is, as shown in FIG. 5, in the second embodiment of the present invention, the
このように一体型のON−OFF弁65を採用することにより、前記第1形態と同様の効果を得られ、更に、第1形態と比較して、部品点数、コスト及び重量の削減、油圧バルブユニット60の小型化を達成するものである。
By adopting the integrated ON-
次に、図6は本発明の実施の第3形態による、油圧モータを作動させる油圧回路の説明図である。尚、本発明の実施の第3形態は、油圧モータを作動させる油圧回路のみが前記実施の第1形態とは異なり、他の構成は前記第1形態と同様であるので同じ部分には同じ符号を記し、説明は省略する。 Next, FIG. 6 is an explanatory diagram of a hydraulic circuit for operating a hydraulic motor according to the third embodiment of the present invention. In the third embodiment of the present invention, only the hydraulic circuit for operating the hydraulic motor is different from the first embodiment, and other configurations are the same as those in the first embodiment. The description is omitted.
すなわち、図6に示すように、本発明の実施の第3形態では、方向制御弁62とリザーバ70との間の油路に制御バルブとしてのON−OFF弁63を、方向制御弁62とリザーバ70との間の油路に制御バルブとしてのON−OFF弁64を介装し、これらON−OFF弁63,64を協働させることで管路48a,48bを同時に連通遮断自在に構成している。
That is, as shown in FIG. 6, in the third embodiment of the present invention, an ON-
このように、本発明の実施の第3形態によっても、前記実施の第1形態と同様の効果を得ることが可能である。 As described above, according to the third embodiment of the present invention, it is possible to obtain the same effect as that of the first embodiment.
次に、図7は本発明の実施の第4形態による、油圧モータを作動させる油圧回路の説明図である。尚、本発明の実施の第4形態は、油圧モータを作動させる油圧回路のみが前記実施の第3形態とは異なり、他の構成は前記第3形態と同様であるので同じ部分には同じ符号を記し、説明は省略する。 Next, FIG. 7 is an explanatory diagram of a hydraulic circuit for operating a hydraulic motor according to a fourth embodiment of the present invention. In the fourth embodiment of the present invention, only the hydraulic circuit for operating the hydraulic motor is different from the third embodiment, and other configurations are the same as those in the third embodiment. The description is omitted.
すなわち、図7に示すように、本発明の実施の第4形態では、方向制御弁62から油圧モータ8、リザーバ70との間の油路には、管路48a,48bの2つの管路を同時に連通遮断自在な、前記第3形態におけるON−OFF弁63,64を一体にした一体型の制御バルブとしてのON−OFF弁65が介装されている。
That is, as shown in FIG. 7, in the fourth embodiment of the present invention, two
このように一体型のON−OFF弁65を採用することにより、前記第3形態と同様の効果を得られ、更に、第3形態と比較して、部品点数、コスト及び重量の削減、油圧バルブユニット60の小型化を達成するものである。
By adopting the integrated ON-
尚、本発明の実施の各形態は、左,右の車輪軸16,17の終減速装置を例に説明しているが、前後の回転軸間に設けるセンタデファレンシャル装置にも適用できることは云うまでもない。
Each embodiment of the present invention has been described by taking the final reduction gears of the left and
また、本発明の実施の各形態では、差動機構部12は遊星歯車装置等を用いて構成したもので説明しているが、他の、例えばかさば歯車等を用いて構成したものであっても良い。
In each embodiment of the present invention, the
8 油圧モータ
12 差動機構部
16 左の車輪軸
17 右の車輪軸
25 モータケース
28 シリンダブロック
30 ピストン
31 通路ブロック
33 カムリング
33a カム面
35 ローラ
48a 管路
48b 管路
50 油圧ポンプ
60 油圧バルブユニット
61 リリーフ弁
62 方向制御弁
63 ON−OFF弁(制御バルブ)
64 ON−OFF弁(制御バルブ)
70 リザーバ
80 コントローラ
代理人 弁理士 伊 藤 進
DESCRIPTION OF
64 ON-OFF valve (control valve)
70
Agent Patent Attorney Susumu Ito
Claims (2)
上記一方の回転軸と上記他方の回転軸との間に設け、上記一方の回転軸と上記他方の回転軸の相対回転を行わせる油圧モータと、
上記油圧モータへの作動油圧を発生する油圧ポンプと、
上記油圧モータと上記油圧ポンプとの間の油圧管路に介装して作動油の給排を行わせる油圧バルブユニットとを備えた車両の駆動力配分装置において、
上記油圧モータと上記油圧ポンプとの間の油圧管路に、上記油圧ポンプ内の作動油の移動を禁止して上記油圧モータの回転を抑制する制御バルブを介装したことを特徴とする車両の駆動力配分装置。 A differential mechanism provided between one rotating shaft and the other rotating shaft;
A hydraulic motor that is provided between the one rotary shaft and the other rotary shaft, and causes the one rotary shaft and the other rotary shaft to perform relative rotation;
A hydraulic pump for generating hydraulic pressure to the hydraulic motor;
In a vehicle driving force distribution device including a hydraulic valve unit that intervenes in a hydraulic pipe line between the hydraulic motor and the hydraulic pump to supply and discharge hydraulic oil,
A control valve that inhibits movement of hydraulic oil in the hydraulic pump and suppresses rotation of the hydraulic motor is interposed in a hydraulic pipe line between the hydraulic motor and the hydraulic pump. Driving force distribution device.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003288269A JP2005054944A (en) | 2003-08-06 | 2003-08-06 | Vehicular driving force distributing device |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
DE102008011017A1 (en) | 2007-02-26 | 2008-09-04 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Vehicle controller has device for controlling engine output based on permissible drive forces of individual wheels, device for controlling vehicle behavior based on permissible drive forces of individual wheels |
US7680576B2 (en) | 2006-07-28 | 2010-03-16 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Driving force distribution control device for vehicle |
CN102971171A (en) * | 2010-06-28 | 2013-03-13 | 维尔纳·米勒 | Gearbox arrangement |
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2003
- 2003-08-06 JP JP2003288269A patent/JP2005054944A/en active Pending
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