JP2005052232A - 抗酸化物質の抗酸化力測定方法、抗酸化力測定装置、および抗酸化力測定システム、並びにその利用法 - Google Patents

抗酸化物質の抗酸化力測定方法、抗酸化力測定装置、および抗酸化力測定システム、並びにその利用法 Download PDF

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Abstract

【課題】被験者に対して非侵襲的でありながら、in vivoにおける抗酸化食品の抗酸化力を簡便かつ定量的に測定・評価することができる方法、装置、およびシステム、並びにその利用法を提供する。
【解決手段】被験者が抗酸化物質を摂取する前後に、前腕部に反応性充血を生じさせて、反応性充血中における前腕径の変化を測定する摂取前前腕径変化測定工程・摂取後前腕径変化測定工程と、上記抗酸化物質の摂取前後における前腕径の変化の測定結果に基づき抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の前腕部の血流量変化を算出する血流量変化算出工程と、上記抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の前腕部の血流量変化に基づき、抗酸化物質の生体における抗酸化力を測定する抗酸化力測定工程とを含む抗酸化物質の抗酸化力測定方法により、非侵襲的に簡便かつ定量的に抗酸化物の生体における抗酸化力を測定できる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗酸化物質(例えば、抗酸化食品)の生体における作用を測定する方法等に関するものであり、特に、in vivoにおける抗酸化物質の抗酸化力を測定する方法等に好適な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、動脈硬化、糖尿病、ガンなどの生活習慣病(成人病)をはじめとした種々の疾病や老化の原因の一つとして、活性酸素による酸化ストレスの関与が指摘されている。
【0003】
ここでいう活性酸素とは、医学・生物学的に用いられるものであって、いわゆる、生体内で通常の酸素分子よりも高い反応性を示す酸素化合物(一重項酸素、スーパーオキサイドアニオン、過酸化水素、ヒドロキシラジカル)をいう。このような活性酸素は、ヒトの生体内においても、マクロファージによって生産され、生体内に侵入した異物を攻撃するのに用いられている。
【0004】
しかし、日常生活におけるストレス、喫煙、または紫外線などの種々の原因によって、生体内に活性酸素が過剰に発生する場合がある。かかる場合、強力な酸化作用を有する活性酸素は、直接正常な細胞を傷つけたり、あるいは脂質に作用して、生体における組織障害の原因となる過酸化脂質を生み出したりする。このような活性酸素や過酸化脂質によって生体が受けるダメージが、いわゆる酸化ストレスと称される。
【0005】
生体が受けている酸化ストレスの程度は、生体内の酸化ストレス指標を調べることにより判断することができる。この酸化ストレス指標を調べる方法としては、脂質過剰酸化産物であるF2イソプロスタンの血中、または尿中濃度を測定する方法が一般的である(非特許文献1参照)。また、最近では、酸化ストレス指標として、DNA酸化障害の指標である8−ハイドロキシデオキシグアノシンの血中または尿中濃度を測定する方法も行われている(非特許文献2参照)。
【0006】
また、酸化ストレスは、生体内の様々な器官、組織に対して悪影響を及ぼすと考えられているが、なかでも、血管内皮の機能を阻害することが示唆されている。血管内皮とは、血管内皮細胞によって血管の最も内側に構成される一層の細胞層であり、血管構造の調節・維持のために、種々の生理活性物質を生産・分泌することが知られており、ヒト最大の内分泌器官と称される重要な器官である。
【0007】
血管内皮が分泌する生理活性物質のなかでも、一酸化窒素(以下、単にNOと称することもある)が最も重要な物質であると考えられている。NOは、血管内皮細胞に対する物理的な刺激や他の生理活性物質(例えば、アセチルコリン、セロトニンなど)の刺激によって生産・分泌が促進されるガス状のフリーラジカル物質であって、血管拡張作用(血管平滑筋の拡張)、抗動脈硬化作用(内皮細胞への障害抑制、単球の沈着・遊走抑制、血小板の粘着・凝集抑制、平滑筋細胞の遊走・増殖抑制など)を示すものである。このため、NOは、生体内において血管の機能を調節・維持する、いわゆる善玉因子として知られる。
【0008】
このNOと、上述した活性酸素や過酸化脂質とは非常に反応しやすいため、活性酸素や過酸化脂質が生体内に過剰に存在する場合、活性酸素等はNOと反応し、NOの血管拡張作用・抗動脈硬化作用を阻害してしまう。さらに、過酸化脂質は、膜の透過性を変化させて、血管に直接ダメージを与える。
【0009】
このように、活性酸素や過酸化脂質は、血管内皮に対して直接・間接的にダメージを与えるため、酸化ストレスによって血管内皮の機能が阻害されると考えられている。
【0010】
このような酸化ストレスと血管内皮機能障害との関連性を調べるために、常習喫煙に伴う生体酸化ストレスと内皮機能障害についての検討が行われている。この検討では、酸化ストレスの指標として、DNA酸化障害の指標である8−ハイドロキシデオキシグアノシンの尿中濃度を測定している。また、プレチスモグラフィーによって前腕血流量の変化を、高解像度超音波エコー装置によって上腕動脈血管径の変化を、そして動脈カニュレーションによって動脈圧をそれぞれ測定し、その測定結果を総合的に評価することで血管内皮機能を評価している。その結果、酸化ストレスと血管内皮機能の障害とに有意な関連性があることを見出している(非特許文献3参照)。
【0011】
また、同様に、腎血管性高血圧における血管内皮機能と酸化ストレスとの関連性を検討し、酸化ストレスと血管内皮機能障害との有意な関連性を示す結果の報告がなされている(非特許文献4参照)。
【0012】
このように、酸化ストレスが疾病・老化の原因として注目されるにつれ、生活習慣病予防や老化対策として、生体における酸化ストレスを抑制する機能を有する抗酸化食品、いわゆる抗酸化物質を含む健康食品が数多く市場に供給され、その売上を伸ばしてきている。
【0013】
【非特許文献1】
Reilly M, Delanty N. Lawson JA, Fitzgerald GA.共著 「Modulation of oxidant stress in vivo in chronic cigarette smokers.」、Circulation 94: 19−25, 1996
【0014】
【非特許文献2】
Yin B, Whyatt RM. Perera FP. Randall MC. Cooper TB. Santella RM.共著 「Determination of 8−hydroxydeoxyguanosine by an immunoaffinity chromatography−monoclonal antibody−based ELISA.」、Free Radic Biol. Med. 18: 1023−1032, 1995
【0015】
【非特許文献3】
岡島 正樹著、「日本人若年男性における常習喫煙に伴う生体酸化ストレスと内皮機能障害に関する検討」、金沢大学十全医学会雑誌、第110巻、第2号、p159−170(2001)
【0016】
【非特許文献4】
YUKIHITO HIGASHI 他共著、「ENDOTHELIAL FUNCTION AND OXIDATIVE STRESS IN RENOVASCULAR HYPERTENSION」、The New England Journal of Medicine、Vol.346、No.25、June 20、2002
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上述した健康食品の多くは、酸化ストレスを抑制するという機能性を売りものとしたものであるため、その食品機能に対する科学的な裏づけが、消費者のみならず市場・社会全体において広く求められている。このため、抗酸化食品がヒトに摂取された後、生体内において、どの程度酸化ストレスを抑制するのか、すなわち、in vivoにおける抗酸化食品の抗酸化力を簡便かつ定量的に測定・評価する方法が必要とされている。
【0018】
しかしながら、上記非特許文献1〜4に示す酸化ストレス指標を調べることにより、抗酸化食品の機能性を調べる方法では、被験者の血液や尿を採取し複数工程を経て分析する必要があるため、けっして簡便な方法とはいえない。特に、上記非特許文献3、4に示す方法では、血液を採取(採血)する工程や動脈圧を測定するために動脈カニュレーションを行う工程は、注射針などで生体を傷つける侵襲的なものであるため、被験者が苦痛やわずらわしさを感じることになり、汎用できる方法ではないという問題点がある。
【0019】
また、生体酸化ストレスと血管内皮機能障害との関連性についての知見はあるものの、食品は複合物質であって消化吸収という関門もあることから、食品因子の生体作用を科学的に追及するのは、技術的な困難性があるといわれており、in vivoにおける抗酸化食品の抗酸化力を簡便かつ定量的に測定・評価する方法は開発されていなかった。このため、非侵襲的であり、かつin vivoにおける抗酸化食品の抗酸化力を簡便かつ正確に測定・評価する方法等やその利用法の開発が強く求められていた。
【0020】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被験者に対して非侵襲的でありながら、in vivoにおける抗酸化食品の抗酸化力を簡便かつ定量的に測定・評価することができる方法、装置、およびシステム、並びにその利用法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題に鑑み鋭意検討した結果、抗酸化食品の経口摂取前後における血流量の変化を、プレチスモグラフィーにより前腕径の変化として測定・評価するだけで、血管内皮機能である血管拡張反応に対する生体酸化ストレスの悪影響を、当該抗酸化物質がどの程度抑制できるか評価可能であることを独自に見出し、この実験系を利用して、生体における(in vivoにおける)抗酸化食品の抗酸化力を測定・評価することができる本発明を完成させるに至った。
【0022】
すなわち、本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定方法は、上記の課題を解決するために、被験者が抗酸化物質を摂取する前に、当該被験者の前腕部に反応性充血を生じさせ、当該反応性充血中における前腕径の変化を測定する摂取前前腕径変化測定工程と、被験者が抗酸化物質を摂取した後に、当該被験者の前腕部に反応性充血を生じさせ、当該反応性充血中における前腕径の変化を測定する摂取後前腕径変化測定工程と、上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程により得られた、当該抗酸化物質の摂取前後における前腕径の変化の測定結果に基づき、当該抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の前腕部の血流量変化を算出する血流量変化算出工程と、上記血流量変化算出工程によって得られた当該抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の前腕部の血流量変化に基づき、当該抗酸化物質の生体における抗酸化力を測定する抗酸化力測定工程と、を含むことを特徴としている。
【0023】
上記の方法では、まず、被験者が抗酸化物質を摂取する前後において、反応性充血中の前腕径の変化を測定する。この前腕径の変化は、前腕部における血流量の変化とみなすことができるため、当該測定結果から抗酸化物質の摂取の前後における反応性充血中の血流量の変化を算出できる。
【0024】
ここで、反応性充血中は、血管内皮によりNOが産出されるが、NOは活性酸素と反応し失活してしまう。しかし、血液中に抗酸化物質が存在する場合、抗酸化物質が活性酸素をトラップするため、NOは失活せず、その結果血流量が増加することになる。
【0025】
すなわち、上記の方法によって、反応性充血中の血流量の変化を算出することにより、抗酸化物質の生体における抗酸化力を測定することができる。上記の方法によれば、被験者から血液などを採取する必要もなく、被験者の前腕径を測定するだけで良いため、被験者にとっては非侵襲的であるという利点があり、さらに当該方法の実施者にとっては簡便であるという利点がある。
【0026】
また、抗酸化物質の摂取の前後における前腕径の変化に基づき、血流量の変化を定量的に求めることができるため、抗酸化物質の生体における抗酸化力を定量的に求めることも可能となる。
【0027】
また、上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程は、上記被験者の測定腕の上腕部に上腕部血管閉塞手段を取り付け、測定腕の前腕部に前腕径測定手段を取り付けるとともに、上記上腕部血管閉塞手段により上腕部動脈および静脈の両方を閉塞することによって前腕部への動脈流入および静脈流出を遮断し、その一定時間経過後に当該上腕部動脈の閉塞のみ解除し、静脈を閉塞しつつ当該動脈流入遮断を開放することによって被験者の前腕部に反応性充血を生じさせた後、当該反応性充血中に上記前腕径測定手段により前腕径の変化を測定する工程を含むことが好ましい。より好適には、上記上腕部血管閉塞手段はカフであり、上記前腕径測定手段はストレインゲージプレチスモグラフィーであって、上記上腕部カフにより200mmHg〜260mmHgの圧力をかけて上腕部動脈および静脈の両方を閉塞することによって前腕部への動脈流入および静脈流出を遮断し、4分〜8分後に当該上腕部動脈の閉塞のみを解除し、静脈を閉塞しつつ当該動脈流入遮断を開放することによって被験者の前腕部に反応性充血を生じさせた後、当該反応性充血中に上記ストレインゲージプレチスモグラフィーにより前腕径の変化を測定する工程を含むことが好ましい。
【0028】
上記の方法によれば、簡便かつ確実に反応性充血を生じさせることができ、当該反応性充血中の前腕径の変化を正確に測定することができる。なお、「被験者の測定腕」とは、被験者の両腕のうち、前腕径の変化を測定する側の腕のことをいう。
【0029】
また、上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程は、さらに、上記被験者の測定腕の手首に手首血管閉塞手段を取り付け、上記ヒト前腕部への動脈流入遮断後であって、かつ、動脈流入遮断開放前に、上記手首血管閉塞手段によって動脈および静脈の両方を閉塞させる工程を含むことが好ましい。より好適には、上記手首血管閉塞手段はカフであり、上記ヒト前腕部への動脈流入遮断後であって、かつ、動脈流入遮断開放前に、上記手首カフにより収縮期血圧+30mmHg〜収縮期血圧+70mmHgの圧力をかけて動脈および静脈の両方を閉塞させる工程を含むことが好ましい。
【0030】
上記の方法によれば、後述する動脈血流量測定空間を作成することができるため、より一層安定した血流量変化のデータを得ることができる。その結果、一層安定した抗酸化物質の抗酸化力を測定することができる。
【0031】
また、上記血流量変化算出工程は、上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程により得られた前腕径の変化の測定結果に基づいて、抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線をそれぞれ作成する動脈流入曲線作成工程と、上記動脈流入曲線作成工程によって得られた抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線を比較し、その比較結果に基づき、抗酸化物質の摂取前後における反応充血中の血流量の変化を算出する比較算出工程とを含むことが好ましい。
【0032】
上記の方法によれば、例えば、抗酸化食品の経口摂取前後における前腕径の変化の測定結果をグラフ化して表現することができ、これを比較検討するだけで、簡便かつ定量的に血流量の変化を算出することができる。
【0033】
また、上記比較算出工程は、上記動脈流入曲線作成工程によって得られた抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線の最大傾斜をそれぞれ算出し、当該抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線の最大傾斜の差を算出することにより血流量の変化を算出する工程であることが好ましい。上記の方法によれば、抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線の最大傾斜の差を求めることにより、簡便に、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化を求めることができる。
【0034】
また、上記血流量変化算出工程は、上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程により得られた前腕径の変化の測定結果に基づいて、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血時の血流量曲線をそれぞれ作成する反応性充血時血流量曲線作成工程と、上記反応性充血時血流量曲線作成工程によって得られた抗酸化物質の摂取前後における反応性充血時血流量曲線を比較し、その比較結果に基づき、抗酸化物質の摂取前後における反応充血中の血流量の変化を算出する比較算出工程とを含むものであってもよい。
【0035】
このときの上記比較算出工程は、上記反応性充血時血流量曲線作成工程によって得られた抗酸化物質の摂取前後における反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積をそれぞれ算出し、当該抗酸化物質の摂取前後における反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積の差を算出することにより血流量の変化を算出する工程の差を算出するものであることが好ましい。上記の方法によれば、単に抗酸化物質の摂取前後における上記図形の面積の差を求めるだけで、簡便に、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化を算出することができる。
【0036】
また、上記抗酸化物質は、抗酸化食品であることが好ましい。また、上記抗酸化物質の摂取とは、経口摂取であることが好ましい。
【0037】
また、本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定装置は、上記の課題を解決するために、抗酸化物質摂取前の反応性充血中における前腕径の変化を測定した摂取前前腕径変化データに基づいて、摂取前動脈流入曲線を作成する摂取前動脈流入曲線作成手段と、抗酸化物質摂取後の反応性充血中における前腕径の変化を測定した摂取後前腕径変化データに基づいて、摂取後動脈流入曲線を作成する摂取後動脈流入曲線作成手段と、上記摂取前動脈流入曲線作成手段によって作成された摂取前動脈流入曲線と、摂取後動脈流入曲線作成手段によって作成された摂取後動脈流入曲線とを比較し、当該比較結果に基づき、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化を算出する血流量変化算出手段と、上記血流量変化算出手段によって得られる抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量変化の算出結果に基づき、当該抗酸化物質の生体における抗酸化力を評価する抗酸化力評価手段と、を備えていることを特徴としている。
【0038】
上記の構成によれば、例えば、カフとストレインゲージプレチスモグラフィーなどを用いて得られた、抗酸化食品の経口摂取前後における前腕径の変化データを直接、あるいは電気通信回線を経由して入力するだけで、当該前腕径の変化データに基づいて、抗酸化食品の経口摂取前後における前腕部の血流量の変化を簡便かつ定量的に算出でき、その結果として、抗酸化食品の生体における抗酸化力を簡便かつ定量的に求めることができる。
【0039】
また、上記血流量変化算出手段は、上記摂取前動脈流入曲線とX軸とが形成する図形の面積、および上記摂取後動脈流入曲線とX軸とが形成する図形の面積を算出し、当該抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線とX軸とが形成する図形の面積の差を算出することにより血流量の変化を算出するものであることが好ましい。
【0040】
また、上記血流量変化算出手段は、上記摂取前動脈流入曲線の最大傾斜と、摂取後動脈流入曲線の最大傾斜とを算出し、当該抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線の最大傾斜の差を算出することにより血流量の変化を算出するものであることが好ましい。
【0041】
上記の構成によれば、より簡便かつ正確に血流量の変化を算出することができるため、その結果として、抗酸化物質(例えば、抗酸化食品)の生体における抗酸化力を簡便かつ定量的に求めることができる。
【0042】
また、本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定装置は、上記の課題を解決するために、抗酸化物質摂取前の反応性充血中における前腕径の変化を測定した摂取前前腕径変化データに基づいて、摂取前反応性充血時血流量曲線を作成する摂取前反応性充血時血流量曲線作成手段と、抗酸化物質摂取後の反応性充血中における前腕径の変化を測定した摂取後前腕径変化データに基づいて、摂取後反応性充血時血流量曲線を作成する摂取後反応性充血時血流量曲線作成手段と、上記摂取前反応性充血時血流量曲線作成手段によって作成された摂取前反応性充血時血流量曲線と、摂取後反応性充血時血流量曲線作成手段によって作成された摂取後反応性充血時血流量曲線とを比較し、当該比較結果に基づき、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化を算出する血流量変化算出手段と、上記血流量変化算出手段によって得られる抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量変化の算出結果に基づき、当該抗酸化物質の生体における抗酸化力を評価する抗酸化力評価手段と、を備えている構成であってもよい。
【0043】
上記の構成によれば、例えば、カフとストレインゲージプレチスモグラフィーなどを用いて得られた、抗酸化食品の経口摂取前後における前腕径の変化データを直接、あるいは電気通信回線を経由して入力するだけで、当該前腕径の変化データに基づいて、抗酸化食品の経口摂取前後における前腕部の血流量の変化を簡便かつ定量的に算出でき、その結果として、抗酸化食品の生体における抗酸化力を簡便かつ定量的に求めることができる。
【0044】
また、上記血流量変化算出手段は、上記摂取前反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積、および上記摂取後反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積を算出し、当該抗酸化物質の摂取前後における反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積の差を算出することにより血流量の変化を算出するものであることが好ましい。
【0045】
上記の構成によれば、より簡便かつ正確に血流量の変化を算出することができるため、その結果として、抗酸化物質(例えば、抗酸化食品)の生体における抗酸化力を簡便かつ定量的に求めることができる。
【0046】
また、本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定システムは、上記の課題を解決するために、上記の抗酸化物質の抗酸化力測定装置と、抗酸化物質摂取前に、被験者の前腕部に反応性充血を生じさせ、当該反応性充血中における前腕径の変化を測定するための摂取前前腕径変化測定装置と、抗酸化物質摂取後に、被験者の前腕部に反応性充血を生じさせ、当該反応性充血中における前腕径の変化を測定するための摂取後前腕径変化測定装置と、上記抗酸化力測定装置によって測定された当該抗酸化物質の抗酸化力を出力するための出力装置と、を備えていることを特徴としている。
【0047】
上記のシステムによれば、簡便かつ定量的に抗酸化物質(例えば、抗酸化食品)の生体における抗酸化力を簡便かつ定量的に求めることができる。
【0048】
また、上記摂取前前腕径変化測定装置および摂取後前腕径変化測定装置はそれぞれ、ストレインゲージプレチスモグラフィーと、手首カフと、上腕部カフとを備えていることが好ましい。
【0049】
また、本発明にかかる抗酸化物質をスクリーニングする方法は、上記の課題を解決するために、上記の抗酸化物質の抗酸化力測定方法、抗酸化物質の抗酸化力測定装置、および抗酸化物質の抗酸化力測定システムのうち、いずれか1つの手段を用いて、抗酸化物質をスクリーニングすることを特徴としている。
【0050】
上記の方法によれば、生体内で優れた抗酸化力を発揮する抗酸化物質を簡便かつ確実に選択することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
本発明は、抗酸化物質(例えば、抗酸化食品)の抗酸化力を簡便かつ定量的に測定・評価するための方法、装置、およびシステム、並びにその利用法を提供するものである。このため、本発明によれば、例えば、市場に数多く供給される抗酸化食品や健康食品がどの程度生体において抗酸化力を発揮するのか、といった情報を消費者および社会に提供することができる。これらの情報は、消費者にとって、生活習慣病の予防や老化防止に有効な抗酸化食品や健康食品を選択する際の一つの目安として利用することができるものであり、この点において、本発明は非常に有用かつ社会的インパクトの強い発明であるといえる。
【0052】
以下、本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定方法について説明し、次いで装置、システム、および利用法について説明することとする。なお、本発明は、これに限定されるものではない。
【0053】
(1)抗酸化物質の抗酸化力測定方法
本発明者は、抗酸化食品の経口摂取の前後において、ストレインゲージプレチスモグラフィーを用いて反応性充血中の前腕径の変化を測定することにより、抗酸化食品の生体における抗酸化力を簡便かつ定量的に測定することができることを見出した。この方法は、被験者にとって非侵襲的であるだけでなく、方法の実施者にとっても非常に簡便な方法である。
【0054】
すなわち、本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定方法は、図1に示すように、少なくとも、摂取前前腕径変化測定工程、摂取後前腕径変化測定工程、血流量変化算出工程、抗酸化力測定工程を含んでいればよい。
【0055】
まず、本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定方法の概要を簡単に説明する。なお、ここで述べる方法の概要は、後述する装置、システムにも共通する部分が多分に存在する。
【0056】
上記方法では、まず、被験者が抗酸化物質を摂取する前後において、当該被験者の前腕部に反応性充血を生じさせ、この反応性充血中に当該被験者の前腕径の変化を測定する。「反応性充血」とは、冠動脈を一時的に閉塞し再開放した場合に生じる著しく血流量が増加した状態をいうが、これは、血液の再流入による刺激や虚血の影響により、血管内皮からNOが多量に放出され、血管平滑筋を弛緩させることに由来するものであり、血管内非依存性血管拡張反応とも称される。この血液の再灌流時には活性酸素も発生し、NOの作用を減じる方向に働く。しかし、この反応性充血時に、生体内に存在する抗酸化物質が機能すると、当該抗酸化物質が活性酸素をトラップすることによってNOの効果が減じられることがなく、その結果として血流量が増加することになる。
【0057】
血流量が増加すれば、その分前腕部における血管(動脈)が増大するため、その結果前腕径も増大することになる。つまり、抗酸化物質の摂取の前後において、反応性充血中の前腕径の変化を測定することにより、抗酸化物質の摂取の前後における反応性充血中の前腕部の血流量変化を測定することができる。すなわち、抗酸化物質の摂取の前後において、反応性充血中の前腕径の変化が大きければ、反応性充血中の血流量が増大しているとみなすことができる。この現象は、反応性充血中に生体内でNOの効果が維持されているためと判断できるため、抗酸化物質が抗酸化力を発揮していると評価できる。一方、抗酸化物質の摂取の前後において、反応性充血中の前腕径の変化が小さければ、反応性充血中の血流量が増加していないとみなすことができる。これは、NOの効果が減じられていると判断できるため、生体内で抗酸化物質が抗酸化力を発揮していないと評価できる。
【0058】
したがって、上記の方法によれば、前腕部の腕径を測定するという非侵襲的かつ簡便な方法で、定量的に抗酸化物質(例えば、抗酸化食品)のin vivo抗酸化力を測定することができることになる。
【0059】
以下に、本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定方法における各工程について、詳細に説明する。
【0060】
(1−1)摂取前前腕径変化測定工程、摂取後前腕径変化測定工程
上記摂取前前腕径変化測定工程は、被験者が抗酸化物質を摂取する前に、当該被験者の前腕部に反応性充血を生じさせ、当該反応性充血中における前腕径の変化を測定する工程であればよく、具体的な条件やその他の構成は特に限定されるものではない。
【0061】
また、上記摂取後前腕径変化測定工程は、被験者が抗酸化物質を摂取した後に、当該被験者の前腕部に反応性充血を生じさせ、当該反応性充血中における前腕径の変化を測定する工程であればよく、具体的な構成は特に限定されるものではない。
【0062】
ここで、摂取前前腕径変化測定工程と摂取後前腕径変化測定工程とは、前腕径の測定を、抗酸化物質の摂取前に行うか、あるいは摂取後に行うかという点が違うだけであり、それ以外の方法や条件等は同じである。このため、同じ方法や条件等については、説明を共通して行う。
【0063】
まず、「被験者」としては、本発明では専らヒト(人間)を対象としているが、特にこれに限定されるものではなく、腕径を測定することができるその他の動物(例えば、哺乳類動物など)に対しても適用することができる。また、「前腕径」とは、被験者の前腕部の長軸方向に対して垂直な断面における直径または外周囲の一周分の長さをいう。
【0064】
「被験者が抗酸化物質を摂取する前」とは、文言どおり、被験者が抗酸化物質を摂取する前であればいつでもよく、特に限定されるものではない。
【0065】
「被験者が抗酸化物質を摂取した後」とは、被験者が抗酸化物質を摂取した後、当該抗酸化物質が被験者の体内において、抗酸化作用を発揮している間であればいつでもよい。換言すれば、抗酸化物質を摂取後、生体内において抗酸化作用を発揮しはじめてから、代謝分解あるいは体外に排出される前であればよい。この具体的な時間は、抗酸化物質の種類や摂取方法などによって異なってくるが、例えば、抗酸化物質を経口摂取する場合は、抗酸化物質を経口摂取した後10分〜6時間の間が好ましく、特に、30分〜4時間の間がより好ましい。
【0066】
「被験者の前腕部に反応性充血を生じさせる」とは、被験者の前腕部に流入する動脈を人工的に閉塞し、一定時間経過後に開放することにより、被験者の前腕部に著しく血流量が増大した状態を生じさせることをいう。また、「当該反応性充血中における前腕径の変化を測定する」とは、文言どおり、反応性充血が生じている間に前腕部の腕径の変化を測定することである。この「前腕径の変化を測定する」方法としては、前腕部のどの位置で腕径を測定してもかまわないが、より好適には、最も径の太い位置で前腕径の変化を測定することが好ましい。この径の最も太い位置で前腕径の変化を測定することにより、径の変化を正確に測定することができるためである。また、径を測定する方法は、前腕径の変化(例えば、太さや長さの変化)を測定できる機器や装置を利用すれば、正確かつ再現性よく測定できる。
【0067】
「被験者の前腕部に反応性充血を生じさせ、当該反応性充血中における前腕径の変化を測定する」方法としては、上述したように、被験者の動脈を一時的に閉塞し、その後開放する方法を利用するが、この際の具体的な方法、条件等は、従来公知の方法を利用でき、特に限定されるものではない。
【0068】
具体的には、上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程は、上記被験者の測定腕の上腕部に上腕部血管閉塞手段を取り付け、測定腕の前腕部に前腕径測定手段を取り付けるとともに、上記上腕部血管閉塞手段により上腕部動脈および静脈の両方を閉塞することによって前腕部への動脈流入および静脈流出を遮断し、その一定時間経過後に当該上腕部動脈の閉塞のみ解除し、静脈を閉塞しつつ当該動脈流入遮断を開放することによって被験者の前腕部に反応性充血を生じさせた後、当該反応性充血中に上記前腕径測定手段により前腕径の変化を測定する工程を含むことが好ましい。上記の手順どおりに、被験者の前腕部に流入する動脈、すなわち、被験者の上腕部の動脈を血管閉塞手段によって閉塞したり、開放したりすることで簡便かつ確実に被験者の前腕部に反応性充血を生じさせることができる。そして、当該反応性充血中に、前腕径測定手段によって正確に前腕径の変化を測定することができる。
【0069】
ここで、動脈などを「閉塞」するとは、人工的に血管内の血液の流れを止めることをいい、その具体的な方法は特に限定されるものではないが、例えば、外部から圧力をかける方法を挙げることができる。また、「開放」するとは、一旦閉塞した血管についての閉塞状態を解除し、血液の流れを再度生じさせることをいい、例えば、外部からかけた圧力を解除する方法が挙げられる。
【0070】
また、「上腕部血管閉塞手段」は、被験者の上腕部の血管を、非侵襲的に閉塞したり開放したりできるものであればよく、その具体的な構成は特に限定されるものではないが、例えば、血圧カフなどを挙げることができる。また、「前腕径測定手段」は、被験者の前腕部の腕径を非侵襲的に測定することができるものであればよく、その具体的な構成は特に限定されるものではないが、例えば、ストレインゲージプレチスモグラフィーなどを挙げることができる。
【0071】
なお、上記方法では、静脈を閉塞したままで動脈を閉塞したり開放したりして前腕径を測定しているが、これによって、動脈血流流入によって増加する血流量にのみ着目することができ、正確に前腕径の変化を測定できる。
【0072】
また、「反応性充血を生じさせた後、当該反応性充血中に上記前腕径測定手段により前腕径の変化を測定する」とは、反応性充血中に前腕径の変化を測定すればよく、具体的な時間などは特に限定されないが、好適には、反応性充血を生じさせた直後〜10分間程度が好ましく、特に、反応性充血を生じさせた後5秒後〜200秒後が好ましい。
【0073】
また、より具体的には、上記上腕部血管閉塞手段はカフであり、上記前腕径測定手段はストレインゲージプレチスモグラフィーであって、上記上腕部カフにより200mmHg〜260mmHgの圧力をかけて上腕部動脈および静脈の両方を閉塞することによって前腕部への動脈流入および静脈流出を遮断し、4分〜8分後に当該上腕部動脈の閉塞のみを解除し、静脈を閉塞しつつ当該動脈流入遮断を開放することによって被験者の前腕部に反応性充血を生じさせた後、当該反応性充血中に上記ストレインゲージプレチスモグラフィーにより前腕径の変化を測定する工程を含むことが好ましい。
【0074】
上腕部血管閉塞手段としてカフを使用した場合は、簡便に上腕部の血管を閉塞あるいは開放でき、反応性充血を容易に生じさせることができる。また、前腕径測定手段としてストレインゲージプレチスモグラフィーを用いた場合、被験者の前腕部に巻いた水銀内臓の張力ゲージ(ストレインゲージ)が血管内皮依存性血管拡張反応(反応性充血)による血流量の変化に伴う前腕部の膨張・収縮変化を腕径の長さの変化として測定することができる。さらに、上記のような詳細な条件設定を行うことにより、一層正確かつ安定な測定を行うことができる。このため、上記の条件で方法を実施することにより、正確かつ再現性よくデータを取得することができる。
【0075】
さらに、上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程は、上記被験者の測定腕の手首に手首血管閉塞手段を取り付け、上記ヒト前腕部への動脈流入遮断後であって、かつ、動脈流入遮断開放前に、上記手首血管閉塞手段によって動脈および静脈の両方を閉塞させる工程を含むことが好ましい。
【0076】
上記の方法によれば、被験者の肘上部から手首間において、静脈流出のない動脈血流入のみの動脈血流量測定空間を作ることができる。これによって、動脈血流量測定空間における動脈血流流入にのみ着目することができ、この動脈血流量測定空間における動脈血流入による血流量の変化を、前腕径の変化として正確に測定できる。また、「手首血管閉塞手段」は、被験者の測定腕の手首の血管を、非侵襲的に閉塞したり開放したりできるものであればよく、その具体的な構成は特に限定されるものではないが、例えば、血圧カフなどを挙げることができる。
【0077】
より具体的には、上記手首血管閉塞手段はカフであり、上記ヒト前腕部への動脈流入遮断後であって、かつ、動脈流入遮断開放前に、上記手首カフにより収縮期血圧+30mmHg〜収縮期血圧+70mmHgの圧力をかけて動脈および静脈の両方を閉塞させる工程を含むことが好ましい。上記の方法によって、被験者の手首における動脈と静脈とを、確実かつ簡便に閉塞させることができ、動脈血流量測定空間を作成することができる。なお、「収縮期血圧」とは、動脈血圧を、心拍動をエネルギー源とする波動圧としてとらえた場合の当該波の頂点の値をいう。「収縮期血圧+30mmHg〜収縮期血圧+70mmHgの圧力」とは、収縮期血圧に30mmHgを加えた圧力と収縮期血圧に70mmHgを加えた圧力との間のことをいう。
【0078】
なお、摂取前前腕径変化測定工程と摂取後前腕径変化測定工程とを実施する順序は特に限定されるものではなく、例えば、摂取後前腕径変化測定工程を行った後に、摂取前前腕径変化測定工程を行ってもよい。すなわち、摂取前前腕径変化測定工程は、原則として被験者の生体内に抗酸化物質が摂取される前に実施されるものであるが、被験者の生体内に抗酸化物質が摂取された後であっても、当該摂取された抗酸化物質の生体内における効果が消失したと認められる程度の時間が経過した後に実施されてもかまわない。
【0079】
したがって、被験者が抗酸化物質を摂取した後、摂取後前腕径変化測定工程を行い、摂取後前腕径変化データを取得した後、一定時間経過後に摂取前前腕径変化測定工程を行い、摂取前前腕径変化データを取得することもできる。このように摂取後前腕径変化測定工程の後に摂取前前腕径変化測定工程を実施した場合でも、摂取前前腕径変化測定工程の後に摂取後前腕径変化測定工程を実施した場合と、ほぼ同一の結果が得られるためである。
【0080】
(1−2)血流量変化算出工程
上記血流量変化算出工程は、上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程により得られた前腕径の変化の測定結果に基づき、当該抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の前腕部の血流量変化を算出する工程であればよく、具体的な条件やその他の構成は特に限定されるものではない。
【0081】
「前腕径の変化の測定結果に基づき、血流量の変化を算出する」方法としては、例えば、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の前腕径の変化をそのまま抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化とみなす方法が挙げられる。また、その他にも、抗酸化物質の摂取前後における前腕径の最大値(Y軸における最大値)をそれぞれ算出し、当該最大値の差を算出することにより血流量の変化を算出する方法が挙げられる。
【0082】
さらに、上述したように、当該抗酸化物質の摂取前後における前腕径の変化の測定結果は、そのまま血流量の変化とみなすことができるため、例えば、反応性充血の際の血流量の増大に伴って増大した前腕径と、元に戻った際の前腕径とを計測して動脈流入曲線を作成し、これを読み取ることにより結果として、血流量の変化を算出することができる。
【0083】
すなわち、被験者が抗酸化物質を摂取する前後における血流量の変化を算出するために、上記血流量変化算出工程は、上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程により得られた前腕径の変化の測定結果に基づいて、抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線をそれぞれ作成する動脈流入曲線作成工程と、上記動脈流入曲線作成工程によって得られた抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線を比較し、その比較結果に基づき、抗酸化物質の摂取前後における反応充血中の血流量の変化を算出する比較算出工程とを含むことが好ましい。換言すれば、図1(a)に示すように、上記血流量変化算出工程は、「動脈流入曲線作成工程」と「比較算出工程」とを含むことが好ましい。
【0084】
「動脈流入曲線作成工程」は、上記摂取前前腕径変化測定工程によって得られる、被験者が抗酸化物質を摂取する前における反応性充血中の前腕径の変化の測定結果に基づいて、抗酸化物質の摂取前における動脈流入曲線を作成するとともに、上記摂取後前腕径変化測定工程によって得られる、被験者が抗酸化物質を摂取した後における反応性充血中の前腕径の変化の測定結果に基づいて、抗酸化物質の摂取後における動脈流入曲線を作成する工程であればよく、当該動脈流入曲線を作成する方法としては、従来公知の方法が利用でき特に限定されるものではない。より具体的には、例えば、ストレインゲージ/フォトプレスチモグラフEC6(D.E.Hokanson社製)、非観血脈管解析システムNIVP3(D.E.Hokanson社製)を用いれば、簡便に行うことができる。
【0085】
なお、本発明でいう「動脈流入曲線」とは、上記摂取前前腕径変化測定工程または摂取後前腕径変化測定工程によって得られる前腕径の変化の測定結果について、縦軸(Y軸)を前腕径の長さ(または太さ)、横軸(X軸)を時間(例えば、秒)として記録・グラフ化した場合に表される曲線をいう。例えば、後述する実施例に示す図3(a)〜(c)に表される曲線などが挙げられる。なお、ここでいう曲線とは、点と点とを滑らかな曲線で結ぶものだけでなく、点と点とを直線で結ぶものをも含む広い意味の曲線を指す。
【0086】
また、「比較算出工程」は、上記動脈流入曲線作成工程によって作成された、抗酸化物質の摂取前における動脈流入曲線と抗酸化物質の摂取後における動脈流入曲線とを比較して、その比較結果に基づいて、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化を算出する工程であればよく、具体的な方法は特に限定されるものではない。
【0087】
上述したように、被験者の前腕径の変化と前腕部動脈に流入する血流量とは密接な関連性がある。このため、被験者が抗酸化物質を摂取する前後において、被験者の前腕径の経時変化を表した動脈流入曲線を比較することにより、被験者が抗酸化物質を摂取する前後における反応性充血中の前腕部への動脈血流量の変化を算出することができる。
【0088】
抗酸化物質を摂取する前後における動脈流入曲線を比較し、血流量の変化を算出する具体的な方法としては、例えば、▲1▼抗酸化物質の摂取前における動脈流入曲線とX軸とが形成する図形の面積、および抗酸化物質の摂取後における動脈流入曲線とX軸とが形成する図形の面積を算出・比較し、当該面積の差から抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化を算出する方法、▲2▼抗酸化物質の摂取前における動脈流入曲線の最大傾斜と、抗酸化物質の摂取後における動脈流入曲線の最大傾斜とを算出し、これらの最大傾斜の差から血流量の変化を算出する方法などが挙げられる。
【0089】
すなわち、上記比較算出工程は、上記動脈流入曲線作成工程によって得られた抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線とX軸とが形成する図形の面積をそれぞれ算出し、当該抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線とX軸とが形成する図形の面積の差を算出することにより血流量の変化を算出する工程であることが好ましい。「面積の差を算出することにより血流量の変化を算出する」方法としては、面積の差をそのまま数値化して血流量の変化として算出する方法が挙げられる。
【0090】
ここで、「動脈流入曲線とX軸とが形成する図形」とは、例えば、動脈流入曲線をグラフ化した場合、動脈流入曲線の開始点、すなわち前腕径の変化について測定を開始した点と、動脈流入曲線の終了点、すなわち前腕径の変化を測定し終わった点とが存在するが、この当該開始点とX軸とを結ぶ直線、当該終了点とX軸とを結ぶ直線、動脈流入曲線、X軸の4つの線から構成される図形をいう。なお、「動脈流入曲線とX軸とが形成する図形」としては、上記開始点と終了点以外の動脈流入曲線における任意の2点を採用し、当該任意の2点とX軸とを結ぶ2直線、動脈流入曲線、X軸の4つの線から構成される図形であってもよい。
【0091】
また、「動脈流入曲線とX軸とが形成する図形の面積」を算出する方法としては、例えば、積分法を利用する方法が挙げられるが、これに限定するものではなく、従来公知の図形面積計算法を利用することができる。
【0092】
また、上記比較算出工程は、上記動脈流入曲線作成工程によって得られた抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線の最大傾斜をそれぞれ算出し、当該抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線の最大傾斜の差を算出することにより血流量の変化を算出する工程であることが好ましい。「最大傾斜の差を算出することにより血流量の変化を算出する」方法としては、最大傾斜の差をそのまま数値化して血流量の変化として算出する方法が挙げられる。
【0093】
「動脈流入曲線の最大傾斜」とは、文言どおり、動脈流入曲線における傾きの最大値のことである。動脈流入曲線から最大傾斜を求める方法としては、例えば、微分法などを利用することができるが、これらに限られず、その他従来公知の方法で動脈流入曲線から最大傾斜を求めることができる。また、動脈流入曲線の最大傾斜から血流量を求める方法としては、従来公知の方法を利用することができ、特に限定されるものではない。
【0094】
上記の方法によれば、抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線とX軸とが形成する図形の面積の差、または動脈流入曲線の最大傾斜の差を求めるだけで、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化を求めることができる。このため、簡便かつ定量的に、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化を求めることができる。
【0095】
また、本ストレインゲージ/フォトプレスチモグラフEC6(D.E.Hokanson社製)を用いて、動脈流入曲線から動脈流入量を求める具体的な方法について以下に観点に説明する。まず、本ストレインゲージ/フォトプレスチモグラフEC6(D.E.Hokanson社製)によれば、1%Calボタンを押したときのグラフ上の高さ(Y軸の値)が血流量1ml/min/100ml tissue(=1%/min)を表す。そして、動脈流入曲線における2拍目と3拍目とを結ぶ直線の傾きより、1分間あたりの高さ(Y軸の値)を求めることができる。このため、ここで求めた1分間あたりの高さ(Y軸の値)を1%Calのグラフ上の高さY軸の値で割ったものが1分間あたりの動脈流入量となる。
【0096】
また、上記血流量変化算出工程は、上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程により得られた前腕径の変化の測定結果に基づいて、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血時の血流量曲線をそれぞれ作成する反応性充血時血流量曲線作成工程と、上記反応性充血時血流量曲線作成工程によって得られた抗酸化物質の摂取前後における反応性充血時血流量曲線を比較し、その比較結果に基づき、抗酸化物質の摂取前後における反応充血中の血流量の変化を算出する比較算出工程とを含んでいてもよい。すなわち、図1(b)に示すように、「血流量変化算出工程」は、「反応性充血時血流量曲線作成工程」と「比較算出工程」とを含んでいる構成であってもよい。
【0097】
「反応性充血時血流量曲線作成工程」では、従来公知の方法によって、上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程により得られた前腕径の変化の測定結果に基づいて、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血時の血流量曲線を作成する工程であればよい。具体的には、例えば、前腕径の変化の測定結果から直接的に反応性充血時の血流量曲線を作成してもよいし、また、上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程により得られた前腕径の変化の測定結果に基づいて、動脈流入曲線を作成した後に、その動脈流入曲線から血流量の変化を求め、それをグラフ化する方法であってもかまわない。より具体的には、例えば、ストレインゲージ/フォトプレスチモグラフEC6(D.E.Hokanson社製)、非観血脈管解析システムNIVP3(D.E.Hokanson社製)を用いれば、簡便に行うことができる。
【0098】
なお、「反応性充血時血流量曲線」とは、反応性充血時における血流量の変化を示す曲線であって、縦軸(Y軸)を血流量の変化(例えば、ml/min/100ml tissue)、横軸(X軸)を時間(例えば、秒)として記録・グラフ化した場合に表される曲線をいう。例えば、後述する実施例に示す図2(a)のグラフに表される曲線などが挙げられる。なお、ここでいう曲線とは、点と点とを滑らかな曲線で結ぶものだけでなく、点と点とを直線で結ぶものをも含む広い意味の曲線を指す。
【0099】
また、上記比較算出工程は、上記反応性充血時血流量曲線作成工程によって得られた抗酸化物質の摂取前後における反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積をそれぞれ算出し、当該抗酸化物質の摂取前後における反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積の差を算出することにより血流量の変化を算出する工程の差を算出する工程であってもよい。
【0100】
上記比較算出工程では、上述の比較算出工程と同様の処理を行うことができ、特に限定されない。例えば、「面積の差を算出することにより血流量の変化を算出する」方法としては、面積の差をそのまま数値化して血流量の変化として算出する方法が挙げられる。
【0101】
また、「反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形」とは、例えば、反応性充血時血流量曲線をグラフ化した場合、反応性充血時血流量曲線の開始点、すなわち前腕径の変化について測定を開始した点と、反応性充血時血流量曲線の終了点、すなわち前腕径の変化を測定し終わった点とが存在するが、この当該開始点とX軸とを結ぶ直線、当該終了点とX軸とを結ぶ直線、反応性充血時血流量曲線、X軸の4つの線から構成される図形をいう。なお、「反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形」としては、上記開始点と終了点以外の反応性充血時血流量曲線における任意の2点を採用し、当該任意の2点とX軸とを結ぶ2直線、反応性充血時血流量曲線、X軸の4つの線から構成される図形であってもよい。
【0102】
また、「反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積」を算出する方法としては、例えば、積分法を利用する方法が挙げられるが、これに限定するものではなく、従来公知の図形面積計算法を利用することができる。
【0103】
(1−3)抗酸化力測定工程
上記抗酸化力測定工程は、上記血流量変化算出工程によって得られた当該抗酸化物質の摂取前後における前腕部の血流量の変化に基づき、当該抗酸化物質の生体における抗酸化力を測定する工程であればよく、具体的な方法は特に限定されるものではない。
【0104】
上述したように、抗酸化物質摂取前に比べて、摂取後の反応性充血中の血流量が増加していれば、血管内皮から分泌されるNOの効果が維持されていると判断できる。これは、抗酸化物質の作用によって活性酸素が除去されているためとみなすことができるためである。すなわち、当該抗酸化物質の摂取前後における前腕部の血流量の変化が大きければ、それだけ抗酸化物質の活性酸素除去能が高いことになり、抗酸化物質の抗酸化力が強いと評価できる。一方、当該抗酸化物質の摂取前後における前腕部の血流量の変化が小さければ、抗酸化物質の活性酸素除去能はそれほど高くないことになり、抗酸化物質の抗酸化力が弱いと評価できる。具体的には、例えば、上記血流量変化算出工程により得られた血流量の変化をそのまま数値化して、当該抗酸化物質の生体における抗酸化力とする方法が挙げられる。
【0105】
また、本発明でいう「抗酸化物質」とは、活性酸素や過酸化脂質の害を抑制、消去、または修復することができる物質のことをいい、具体的には、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、β−カロテンなどの従来公知の抗酸化物質を挙げることができる。なかでも、ポリフェノール類には、多くの種類があり、例えば、フェニルカルボン酸系、リグナン系、クルクミン系、クマリン系、フラボノイド系などが挙げられる。さらに、フラボノイド系には、フラボン類、フラボノール類、イソフラボン類、フラバン類、フラバノール(カテキン)類、フラバノン類、フラバノノール類、カルコン類、アントシアニジン類などが挙げられる。
【0106】
また、上記抗酸化物質は、抗酸化食品であることが好ましい。ここでいう「抗酸化食品」とは、抗酸化物質を含有する食品一般をいい、固形物だけでなく飲料をも含む広義の食品を意味する。
【0107】
また、本発明でいう被験者が「抗酸化物質を摂取」する方法としては、動脈注射、静脈注射、経口による摂取などの従来公知の摂取方法が挙げられるが、なかでも、経口摂取が好ましい。通常、抗酸化物質は、抗酸化物質を含む抗酸化食品(例えば、健康食品)の形で、経口摂取されるのが一般的であるためである。
【0108】
なお、本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定方法は、被験者が抗酸化物質を摂取する前後において、反応性充血中の前腕径の変化を測定したデータさえあれば、血流量変化算出工程と抗酸化力測定工程とだけで足りる。すなわち、摂取前前腕径変化測定工程と摂取後前腕径変化測定工程とによって得られるデータさえあれば、これらのデータに基づいて、血流量変化算出工程と抗酸化力測定工程とを実施することができ、抗酸化物質の生体における抗酸化力を測定することができる。このため、これら摂取前前腕径変化測定工程と摂取後前腕径変化測定工程とは必要ではなくなる。
【0109】
(2)抗酸化物質の抗酸化力測定装置、抗酸化力測定システム
次に、本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定方法を実施するための手段(装置、システム)について説明する。
【0110】
本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定システムは、コンピューターなどの従来公知の演算装置を用いてなるシステムとなっていればよい。図6に本実施の形態にかかる抗酸化力測定システム10の構成の一例を表すブロック図を示す。同図に示すように、抗酸化力測定システム10は、摂取前前腕径変化測定装置1Aと、摂取後前腕径変化測定装置1Bと、抗酸化力測定装置2と、出力装置3とを備えている。
【0111】
摂取前前腕径変化測定装置1Aは、ストレインゲージプレチスモグラフィー51Aと、手首カフ52Aと、上腕部カフ53Aとを備えている。同様に、摂取後前腕径変化測定装置1Bも、ストレインゲージプレチスモグラフィー51Bと、手首カフ52Bと、上腕部カフ53Bとを備えている。
【0112】
摂取前前腕径変化測定装置1Aは、被験者が抗酸化物質を摂取する前に当該被験者の前腕部に反応性充血を生じさせ、当該反応性充血中における前腕径の変化を測定するための装置である。また、摂取後前腕径変化測定装置1Bは、被験者が抗酸化物質を摂取した後に当該被験者の前腕部に反応性充血を生じさせ、当該反応性充血中における前腕径の変化を測定するための装置である。すなわち、摂取前前腕径変化測定装置1Aと摂取後前腕径変化測定装置1Bとは、被験者が抗酸化物質を摂取する前に反応性充血を生じさせて前腕径を測定するか、または摂取後に測定するかという点のみ異なるものであり、実質的な機能は全く同じものである。このため、通常、摂取前前腕径変化測定装置1Aと摂取後前腕径変化測定装置1Bとは、1つの装置で兼用されることが好ましい。
【0113】
ストレインゲージプレチスモグラフィー51A・51Bは、水銀内蔵張力ゲージ(ストレインゲージ)を備えたプレチスモグラフィーであって、この水銀内蔵張力ゲージを被験者の前腕部に取り付けることにより、被験者の前腕径の変化をゲージの径の長さの変化として測定・記録するものである。手首カフ52A・52Bは、被験者の測定腕の手首に取り付けて、生体外部から血管に圧力をかけたり圧力を解除したりして血管の閉塞・開放をおこなうためのものである。上腕部カフ53A・53Bは、被験者の測定腕の上腕部に取り付けて、生体外部から血管に圧力をかけたり圧力を解除したりして血管の閉塞・開放をおこなうためのものである。なお、ストレインゲージプレチスモグラフィー51A・51B、手首カフ52A・52Bと、上腕部カフ53A・53Bとしては、従来公知のストレインゲージプレチスモグラフィーや血圧カフを利用することができ、特に限定されるものではない。
【0114】
摂取前前腕径変化測定装置1Aと摂取後前腕径変化測定装置1Bとが、反応性充血中における前腕径の変化を測定する方法、動作等は、上述の(1−1)欄で説明した方法を利用でき、特に限定されるものではない。すなわち、摂取前前腕径変化測定装置1A、摂取後前腕径変化測定装置1Bは、上述の「摂取前前腕径変化測定工程、摂取後前腕径変化測定工程」を実行するための手段ということができ、測定した前腕径の変化の測定結果(摂取前前腕径変化データ、摂取後前腕径変化データ)を後述の抗酸化力測定装置2に対して出力するものといえる。
【0115】
次に、本発明の特徴的な部分である抗酸化力測定装置2について説明する。抗酸化力測定装置2は、摂取前動脈流入曲線作成部21A、摂取後動脈流入曲線作成部21B、血流量変化算出部22、抗酸化力評価部23を備えている。
【0116】
摂取前動脈流入曲線作成部21Aは、摂取前前腕径変化測定装置1Aによって得られた、抗酸化物質摂取前における反応性充血中の前腕径の変化を測定した結果(摂取前前腕径変化データ)に基づき、抗酸化物質摂取前における動脈流入曲線(摂取前動脈流入曲線)を作成するためのものである。また、摂取後動脈流入曲線作成部21Bは、抗酸化物質摂取後における反応性充血中の前腕径の変化を測定した結果(摂取後前腕径変化データ)に基づき、抗酸化物質摂取後における動脈流入曲線(摂取後動脈流入曲線)を作成するためのものである。
【0117】
摂取前動脈流入曲線作成部21A、摂取後動脈流入曲線作成部21Bが、反応性充血中の前腕径の変化を測定した結果(データ)に基づき、動脈流入曲線を作成する方法は、上述の(1−2)欄で説明した方法を利用でき、特に限定されるものではない。すなわち、摂取前動脈流入曲線作成部21A、摂取後動脈流入曲線作成部21Bは、上述の血流量変化算出工程のうち「動脈流入曲線作成工程」を実行するための手段ということができ、作成した動脈流入曲線(データ)を後述の血流量変化算出部22に対して出力するものといえる。なお、摂取前前腕径変化測定装置1Aと摂取後前腕径変化測定装置1Bとが1つの装置で兼用される場合は、摂取前動脈流入曲線作成部21A、摂取後動脈流入曲線作成部21Bはそれぞれ、当該兼用される1つの装置から測定結果を得ることになる。
【0118】
血流量変化算出部22は、摂取前動脈流入曲線作成部21Aによって作成された摂取前動脈流入曲線と、摂取後動脈流入曲線作成部21Bによって作成された摂取後動脈流入曲線とを比較し、当該比較結果に基づき、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化を算出するものである。血流量変化算出部22が摂取前動脈流入曲線と摂取後動脈流入曲線とを比較し、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化を算出する方法は、上述の(1−2)欄で説明した方法を利用でき、特に限定されるものではない。すなわち、血流量変化算出部22は、上述の「比較算出工程」を実行するための手段ということもでき、比較算出した結果(データ)を後述の抗酸化力評価部23に対して出力するものといえる。
【0119】
抗酸化力評価部23は、血流量変化算出部22によって得られる抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化の算出結果に基づき、当該抗酸化物質の生体における抗酸化力を評価(測定)するものである。抗酸化力評価部23が当該抗酸化物質の生体における抗酸化力を評価(測定)する方法は、上述の(1−3)欄で説明した方法を利用でき、特に限定されるものではない。すなわち、抗酸化力評価部23は、上述の「抗酸化力測定工程」を実行するための手段ということもでき、測定(評価)した結果(データ)を後述の出力装置3に対して出力するものといえる。
【0120】
続いて、抗酸化力測定装置2が有する各種部材の具体的な機能を、図8におけるフローチャートに従って説明し、本実施の形態における抗酸化力測定装置2が行う具体的なデータ処理の一例について説明する。
【0121】
まず、ステップS1では、摂取前前腕径変化測定装置1Aおよび摂取後前腕径変化測定装置1Bによって、被験者が抗酸化物質を摂取する前後における反応性充血中の前腕径の変化が測定され、それぞれ摂取前前腕径変化測定結果のデータ(摂取前前腕径変化データ)、摂取後前腕径変化測定結果のデータ(摂取後前腕径変化データ)として抗酸化力測定装置2に送られる。
【0122】
次に、ステップS2では、摂取前動脈流入曲線作成部21Aが、ステップS1において得られた摂取前前腕径変化データに基づいて、抗酸化物質の摂取前における動脈流入曲線(摂取前動脈流入曲線)を作成する。
【0123】
続いて、ステップS3では、摂取後動脈流入曲線作成部21Bが、ステップS1において得られた摂取後前腕径変化データに基づいて、抗酸化物質の摂取後における動脈流入曲線(摂取後動脈流入曲線)を作成する。
【0124】
次いで、ステップS4では、血流量変化算出部22が、ステップS2で得られた摂取前動脈流入曲線の最大傾斜を算出するとともに、ステップS3で得られた摂取後動脈流入曲線の最大傾斜を算出する。
【0125】
次に、ステップS5では、ステップS4で得られた、摂取前動脈流入曲線における最大傾斜と摂取後動脈流入曲線における最大傾斜との差を求めて、当該最大傾斜の差の基づき、血流量の変化を算出する。
【0126】
続いて、ステップS6では、抗酸化力評価部23が、ステップS5で得られた抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化の算出結果に基づき、当該抗酸化物質の生体における抗酸化力を測定・評価する。
【0127】
最後に、ステップS7では、抗酸化力評価部23が、ステップS6にて得た当該抗酸化物質の生体における抗酸化力の測定・評価結果を出力装置3へと出力する。
【0128】
また、他の構成を有する抗酸化力測定装置2’について、図7に基づいて説明する。抗酸化力測定装置2’は、摂取前反応性充血時血流量曲線作成部24A、摂取後反応性充血時血流量曲線作成部24B、血流量変化算出部22、抗酸化力評価部23を備えている。
【0129】
摂取前反応性充血時血流量曲線作成部24Aは、摂取前前腕径変化測定装置1Aによって得られた、抗酸化物質摂取前における反応性充血中の前腕径の変化を測定した結果(摂取前前腕径変化データ)に基づき、抗酸化物質摂取前における反応性充血時血流量曲線(摂取前反応性充血時血流量曲線)を作成するためのものである。また、摂取後反応性充血時血流量曲線作成部24Bは、抗酸化物質摂取後における反応性充血中の前腕径の変化を測定した結果(摂取後前腕径変化データ)に基づき、抗酸化物質摂取後における反応性充血時血流量曲線(摂取後反応性充血時血流量曲線)を作成するためのものである。
【0130】
摂取前反応性充血時血流量曲線作成部24A、摂取後反応性充血時血流量曲線作成部24Bが、反応性充血中の前腕径の変化を測定した結果(データ)に基づき、反応性充血時血流量曲線を作成する方法は、上述の(1−2)欄で説明した方法を利用でき、特に限定されるものではない。すなわち、摂取前反応性充血時血流量曲線作成部24A、摂取後反応性充血時血流量曲線作成部24Bは、上述の血流量変化算出工程のうち「反応性充血時血流量曲線作成工程」を実行するための手段ということができ、作成した動脈流入曲線(データ)を後述の血流量変化算出部22に対して出力するものといえる。
【0131】
血流量変化算出部22は、摂取前反応性充血時血流量曲線作成部24Aによって作成された摂取前反応性充血時血流量曲線と、摂取後反応性充血時血流量曲線作成部24Bによって作成された摂取後反応性充血時血流量曲線とを比較し、当該比較結果に基づき、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化を算出するものである。血流量変化算出部22が摂取前動脈流入曲線と摂取後動脈流入曲線とを比較し、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化を算出する方法は、上述の(1−2)欄で説明した方法を利用でき、特に限定されるものではない。すなわち、血流量変化算出部22は、上述の「比較算出工程」を実行するための手段ということもでき、比較算出した結果(データ)を後述の抗酸化力評価部23に対して出力するものといえる。
【0132】
抗酸化力評価部23については、上述のものと同様の機能を有するため、説明を省略する。
【0133】
続いて、図7に示す抗酸化力測定装置2が有する各種部材の具体的な機能を、図9におけるフローチャートに従って説明し、本実施の形態における抗酸化力測定装置2が行う具体的なデータ処理の一例について説明する。
【0134】
まず、ステップS1では、摂取前前腕径変化測定装置1Aおよび摂取後前腕径変化測定装置1Bによって、被験者が抗酸化物質を摂取する前後における反応性充血中の前腕径の変化が測定され、それぞれ摂取前前腕径変化測定結果のデータ(摂取前前腕径変化データ)、摂取後前腕径変化測定結果のデータ(摂取後前腕径変化データ)として抗酸化力測定装置2’に送られる。
【0135】
次に、ステップS2では、摂取前反応性充血時血流量曲線作成部24Aが、ステップS1において得られた摂取前前腕径変化データに基づいて、抗酸化物質の摂取前における反応性充血時血流量曲線(摂取前反応性充血時血流量曲線)を作成する。
【0136】
続いて、ステップS3では、摂取後反応性充血時血流量曲線作成部24Bが、ステップS1において得られた摂取後前腕径変化データに基づいて、抗酸化物質の摂取後における反応性充血時血流量曲線(摂取後反応性充血時血流量曲線)を作成する。
【0137】
次いで、ステップS4では、血流量変化算出部22が、ステップS2で得られた摂取前反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積、およびステップS3で得られた摂取後反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積を算出する。
【0138】
次に、ステップS5では、ステップS4で得られた、摂取前反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積と、摂取後反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積との差を算出して、当該面積の差の基づき、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化を算出する。
【0139】
続いて、ステップS6では、抗酸化力評価部23が、ステップS5で得られた抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化の算出結果に基づき、当該抗酸化物質の生体における抗酸化力を測定・評価する。
【0140】
最後に、ステップS7では、抗酸化力評価部23が、ステップS6にて得た当該抗酸化物質の生体における抗酸化力の測定・評価結果を出力装置3へと出力する。
【0141】
出力装置3は、抗酸化力測定装置2(または2’)が上述した処理を行うことによって得られる、抗酸化物質の生体における抗酸化力の測定・評価結果を外部に出力するためのものである。さらに、出力装置3は、摂取前動脈流入曲線作成部21A、摂取後動脈流入曲線作成部21Bによって作成された動脈流入曲線や、摂取前反応性充血時血流量曲線作成部24A、摂取後反応性充血時血流量曲線作成部24Bによって作成された反応性充血時血流量曲線、または血流量変化算出部22によって比較・算出された結果などを含む、上記抗酸化力測定装置2の動作に関わる情報や測定途中結果など等の各種情報を表示することもできる。具体的には、公知のCRTディスプレイや、液晶ディスプレイ等といった各種表示装置が好適に用いられるが特に限定されるものではない。
【0142】
また、出力装置3には、印刷手段が設けられていてもよい。上記印刷手段は、出力装置3で表示可能な画像情報をPPC用紙等の記録材に記録(印刷・画像形成)する。具体的には、公知のインクジェットプリンタやレーザープリンタ等の画像形成装置が好適に用いられるが特に限定されるものではない。なお、出力装置3としては、上記印刷手段等に限定されるものではなく、その他の出力手段を備えていてもよい。
【0143】
さらに、本実施の形態にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定システム10は、図10に示すように、例えば、入力装置11、記憶装置12を備えているものであってもよい。
【0144】
上記入力装置11は、抗酸化力測定装置2や抗酸化力測定システム10の動作、操作に関わる情報を入力可能とするものであれば特に限定されるものではなく、キーボードやタブレット、あるいはスキャナー等従来公知の入力手段を好適に用いることができる。入力装置11により、例えば、摂取前前腕径変化データ、摂取後前腕径変化データを抗酸化力測定装置2に対して入力することによって、摂取前前腕径変化測定装置1Aや摂取後前腕径変化測定装置1Bから摂取前前腕径変化データ、摂取後前腕径変化データを得ることなく、抗酸化物質の抗酸化力を測定することもできる。
【0145】
上記記憶装置12は、抗酸化力測定装置2、抗酸化力測定システム10で利用される各種情報(データ、動作情報、制御情報、算出結果、その他情報等)を記憶するものである。具体的には、例えば、RAMやROM等の半導体メモリ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系等、従来公知の各種記憶手段を好適に用いることができる。
【0146】
また、上記記憶装置12は、抗酸化力測定装置2、抗酸化力測定システム10と一体化されていて一つの装置になっていてもよいが、別体となっている外部記憶装置となっていてもよく、さらには、一体化された記憶装置12と外部記憶装置とが両方とも備えられている構成であってもよい。例えば、一体化した記憶装置12としては、内蔵型のハードディスクや装置に組み込まれたフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブ等が挙げられ、外部記憶装置としては、外付けハードディスクや外付け型の上記各種ディスクドライブ等が挙げられる。
【0147】
さらに、抗酸化力測定システム10は、図10に示すように、通信装置13を備えることにより、インターネットを含む通信ネットワークを介して各種情報を入出力できるようになっていてもよい。この通信装置13は、通信ネットワークと接続して各種情報の送受信が可能になっている。図10では、同一構内にある抗酸化力測定システム10、パーソナルコンピューター(PC)61、並びにサーバー62が通信回線60に接続されてバス型のLAN(ローカルエリアネットワーク)を構成しており、さらにこのLANがインターネットを介して、他地域にあるPC61とも接続されている。
【0148】
上記通信装置13の具体的な構成については、特に限定されるものではなく、公知のLANカード、LANボード、LANアダプタや、モデム等を好適に用いることができる。
【0149】
上記PC61については、モデム等の通信手段を備えた公知のパーソナルコンピューターを好適に用いることができ、デスクトップ型やノート型等に限定されるものではない。なお、PC61は、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示部とキーボードやマウス等の入力部を備えた基本構成となっているものとする。なお、説明の便宜上、PC61に備えられている図示しない表示部や入力部をPC表示部・PC入力部と表現する。
【0150】
上記PC61には、一般的なパーソナルコンピューターに外付けできるハードウウェア(例えばスキャナー等の各種入力手段やプリンタ等の各種出力手段)が備えられていればよい。
【0151】
上記サーバー62の具体的構成も特に限定されるものではなく、LANを構成するクライアントであるPC61、抗酸化力測定システム10に対してサービスを提供できるコンピューターなどの演算装置であればよい。さらには、このサーバー62は、データベースサーバーやファイルサーバーを兼ねていてもよい。
【0152】
上記通信回線60の具体的構成も特に限定されるものではなく、従来公知の一般的な通信回線を用いることができる。また、この通信回線60を用いて構築されるLANの型式もバス型に限定されるものではなく、スター型やリング型等、従来公知の型式であればよい。
【0153】
さらに図示しないが、上記LANには、共用のプリンタ等、他の端末が含まれていてもよい。加えて図示しないが、上記LANを含む通信ネットワークには、通信可能な携帯型の各種端末等が含まれていてもよい。
【0154】
上記構成のネットワークでは、例えば、抗酸化力測定システム10で、抗酸化物質の生体における抗酸化力測定(評価)を行った後、その測定(評価)結果を単に抗酸化力測定システム10内(すなわち出力装置3等)で出力するだけでなく、LANを介してPC61に送信することもできる。PC61では、抗酸化力測定システム10から得られた結果を、PC表示部で表示したりプリンタで印刷したりすることができ、さらにはPC入力部からの入力によって上記の測定結果を加工することもできる。つまり、上記通信装置13は、通信手段としてだけでなく、抗酸化力測定システム10の入力手段としても機能することになる。
【0155】
また、特に、抗酸化力測定装置2の所在する場所から離れた遠隔地において、本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定方法のうち、摂取前前腕径変化測定工程と摂取後前腕径変化測定工程とを行い、摂取前前腕径変化データ、摂取後前腕径変化データを得た後、PC61を用いネットワーク(インターネット)を介して、遠隔地に存在する抗酸化力測定2(抗酸化力測定システム10)に対して当該摂取前前腕径変化データ、摂取後前腕径変化データを送信したり、あるいは抗酸化物質の抗酸化力の測定(評価)結果を受信したりする場合には、遠隔地に存在する任意の顧客に対して本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定方法を提供するサービスを行うことが可能となる。
【0156】
また、上記PC61が、LANを介して抗酸化力測定システム10とつながっている場合には、例えば医療機関、研究施設等に抗酸化力測定システム10が一つあれば、他の医者、研究者等のスタッフはPC61等の情報端末を介して抗酸化力測定システム10を共用することができる。それゆえ、本発明をより効率的に実施することができる。
【0157】
さらに、上記サーバー62がデータベースサーバーやファイルサーバーを兼ねている場合には、通信ネットワークを介して行われた抗酸化物質の抗酸化力測定結果を、通信ネットワークを介してサーバー62に蓄積していくことができる。その結果、情報の共有化が進み測定結果をより一層有効利用することが可能となる。
【0158】
加えて、本発明では、抗酸化物質の抗酸化力測定方法のうち、血流量変化算出工程(動脈流入曲線作成工程、比較算出工程)と抗酸化力測定工程とを、コンピューター上でプログラムにより実施することが可能となっているが、このプログラムを記録する記録媒体には、通信ネットワークからダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体も含まれる。例えば、サーバー62の記録手段に血流量変化算出工程と抗酸化力測定工程とのプログラムが記録されていれば、抗酸化力測定システム10は、サーバー62から適宜、血流量変化算出工程と抗酸化力測定工程とのプログラムをダウンロードして使用するようになっていてもよい。ただし、抗酸化力測定システム10が通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは、予め抗酸化力測定装置2本体に格納しておくか、別の記録媒体からインストールされるようになっている。
【0159】
さらに、PC61のように、通信ネットワークを介してサーバー62に接続されている場合には、サーバー62から血流量変化算出工程と抗酸化力測定工程とのプログラムをダウンロードすることで、PC61そのものを抗酸化力測定装置2、抗酸化力測定システム10として用いることができる。
【0160】
したがって、本実施の形態にかかる抗酸化力測定装置2、抗酸化力測定システム10の各ブロック(部材、装置)は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0161】
すなわち、抗酸化力測定装置2は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit )、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである抗酸化力測定装置2の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体を、抗酸化力測定装置2に供給し、そのコンピューター(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0162】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0163】
また、抗酸化力測定装置2を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された搬送波あるいはデータ信号列の形態でも実現され得る。
【0164】
(3)抗酸化物質の抗酸化力測定方法、抗酸化力測定装置、抗酸化力測定システムの利用法
以上のように、本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定方法、抗酸化力測定装置、抗酸化力測定システムによれば、被験者が抗酸化物質を摂取する前後において、被験者の前腕部における腕径の変化を測定するだけで、当該抗酸化物質の被験者生体内における抗酸化力を定量的に測定・評価することができる。さらに、かかる方法、装置、およびシステムは、いずれも簡便であるだけでなく、血液採取などの侵襲的な工程を必要としないため、被験者および実施者の両者にとって非常に取り扱いやすいものであるという利点がある。
【0165】
このため、本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定方法、抗酸化力測定装置、抗酸化力測定システムは、例えば、抗酸化物質のスクリーニング方法に利用することができる。すなわち、本発明にかかる抗酸化物質のスクリーニング方法は、上記抗酸化物質の抗酸化力測定方法、抗酸化力測定装置、抗酸化力測定システムのいずれかを利用して、抗酸化物質をスクリーニングする方法であればよく、その具体的な方法、条件などは特に限定されるものではない。
【0166】
上記のスクリーニング方法によれば、例えば、抗酸化食品として利用可能と思われる食品群を被験者に経口摂取させて、実際にin vivoで優れた抗酸化能を示す食品を簡便かつ非侵襲的に選択することができる。したがって、上記スクリーニング方法により得られた抗酸化物質や抗酸化食品は、生体における効果が証明されたものであり、市場において高い評価を獲得することができる。
【0167】
なお、上記スクリーニング方法により取得された抗酸化物質も本発明に含まれる。すなわち、本発明にかかる新規抗酸化物質は、上記スクリーニング方法により取得されたものであればよい。
【0168】
また、酸化ストレスが健康を害することが世間で注目されるにつれて、抗酸化機能を謳った抗酸化食品、健康食品が種類、数量ともに増加してきており、これらの食品の抗酸化力を適切に評価する方法の開発も強く求められているが、本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定方法、抗酸化力測定装置、抗酸化力測定システムによれば、この要求にも応えることができる。
【0169】
また、本発明には、血圧カフをヒトの前腕部周りに巻きつけて、反応性充血中の前記前腕部の血流量を測定する酸化ストレス測定方法が含まれる。
【0170】
また、上記の酸化ストレス測定方法において、手首カフを収縮期血圧+30mmHg〜収縮期血圧+70mmHgに設定し、上腕部カフを10〜60mmHgに設定し前腕静脈を遮断し、ベースラインを測定する方法であってもよい。
【0171】
また、上記の酸化ストレス測定方法において、上腕部カフを200〜260mmHgに設定し、前腕動脈流量を完全に遮断し、3〜5分後に手首カフを収縮期血圧+30mmHg〜収縮期血圧+70mmHgに設定し、その後1〜3分後に上腕部カフを30〜50mmHgに設定し、設定後5秒〜200秒間腕径の変化を測定し、これを血流量の変化とする方法であってもよい。
【0172】
また、上記の酸化ストレス測定方法において、前腕径が増加するほど酸化ストレスが少ないと判断する酸化ストレス測定方法であってもよい。
【0173】
また、上記の酸化ストレス測定方法を用いて、抗酸化食品の抗酸化力を定量的に測定する方法も本発明に含まれる。
【0174】
さらに、血圧カフをヒトの前腕部周りに巻きつけて、反応性充血中の前記前腕部の血流量を測定する装置も本発明に含まれる。
【0175】
以下添付した図面に沿って実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0176】
【実施例】
本実施例では、抗酸化力が強いとされるフラバノール抗酸化物質(カテキン・縮合型タンニン)を豊富に含有する緑茶・アップルフェノン(林檎幼果抽出)に注目し、その抗酸化性の生体内効果について、前腕血流を非侵襲的に計測することにより評価し、緑茶・アップルフェノン経口摂取による生体内効果を解析した。
【0177】
〔1〕研究方法
〔1−1〕研究対象
喫煙習慣(2パック/日・年以上)のある健常男子21名(平均年齢 33±1歳)、および健常男子非喫煙者10名(平均年齢 32±1歳)を対象とした。全例に本試験に対する同意書を取得し、国立循環器病センター倫理委員会の承認を得た。
【0178】
〔1−2〕ストレインゲージプレチスモグラフィーによる前腕動脈血流量の測定
被験者を15〜30分間ベッド上に安静にさせ、この間に、血圧、脈拍を測定した。測定腕の最も太い径を測り、その値から2〜3cm減じた長さの張力ゲージ(ストレインゲージ)を取り付け、測定腕の手首に血圧計のカフ(手首カフ52A)を、上腕部にはプレチスモグラフィーに接続してあるカフ(上腕部カフ53A)を巻いた。血流量は前腕径の変化として求めた。
【0179】
〔1−3〕ベースラインの測定
手首カフを収縮期血圧+50mmHgでクランプし、上腕部カフ53Aは、40mmHg(前腕静脈遮断)で圧をかけて2分間、前腕径の増加度を計測し、記録した。
【0180】
〔1−4〕血管内皮依存性血流増加反応の測定
ベースラインの血流測定後5分間安静にした後、上腕部カフ53Aに240mmHgの圧をかけて前腕動脈流入を完全に遮断し、4分後に手首カフ52Aにベースライン測定時と同様の圧をかけ、その1分後に上腕部カフ53Aを40mmHgに戻し、3分間前腕径の変化を記録した。前腕動脈完全遮断開放後、血流量はベースラインよりも急速に増大(反応性充血)するが、これは血管内皮細胞から産生された一酸化窒素(NO)が血管平滑筋を弛緩させることに由来するもので、血管内皮依存性血管拡張反応を表す。
【0181】
〔1−5〕血管内皮非依存性血流増加反応の測定
反応性充血が消失した後、15分間安静を保ち、手首カフ52Aを同様にクランプし、ニトログリセリン(NTG:0.3mg)を舌下投与した。ベースライン測定の場合と同様の方法で、5分間前腕径の変化を計測、記録した。ニトログリセリン投与後の血流増加は外因性NOが直接血管平滑筋を弛緩させることに由来し、血管内皮非依存性血管拡張を示す。
【0182】
〔1−6〕フラバノール抗酸化食品の効果
カテキン類や縮合型タンニンを含有するフラバノール抗酸化食品として、緑茶・アップルフェノンの経口摂取の効果を検討した。緑茶8gを40mlの水に浸し、90℃5分間溶出した液を経口投与した。林檎縮合型タンニン「アップルフェノン(蜂蜜・田七人参抽出液・ローヤルゼリー混合)液」を20ml経口投与した。緑茶中(in vitro)、および緑茶・アップルフェノン飲用後の血中(in vivo)フラバノール抗酸化濃度を高速液体クロマトグラフィーで測定した。
【0183】
緑茶摂取2時間後、アップルフェノン摂取45分後に同様の方法で、それぞれベースライン血流測定、血管内皮依存性血流増加反応、血管内皮非依存性血流増加反応の測定を繰り返した。なお、緑茶摂取は、約400mlの飲水負荷がかかるため、対照として同量の白湯(温水)を摂取させて同様の試験を行った。各測定値の群間比較はANOVA解析により行った。
【0184】
〔2〕結果
〔2−1〕喫煙習慣者における前腕動脈血管内皮依存性血流増加反応(血管内皮機能)
前腕血流量は、ml/min/100ml前腕組織量(ml/min/100ml tissue)で表現される。ベースラインの前腕動脈血流量の平均値は喫煙者、非喫煙者の両者とも4.9±0.3ml/min/100ml組織量とほとんど差がなかった。
【0185】
喫煙者の反応性充血時の最大血流量は、16.9±1.1ml/min/100ml組織量であり、非喫煙者の24.9±1.6ml/min/100ml組織量と比較して有意に減少していた(P<0.01)。この結果から、喫煙者は前腕動脈における血管内皮依存性の血管拡張反応が低下していることがわかった。
【0186】
〔2−2〕緑茶摂取による血管内皮機能の改善効果
喫煙者に一週間後、緑茶400mlを摂取させて同様の反応性充血時における前腕径の変化を測定したところ、最大血流量は、16.9±1.1ml/min/100ml組織量から21.3±1.3ml/min/100ml組織量へ有意に増加した(P<0.01)(図2(a)参照)。さらに一週間後、白湯(温水)400mlを摂取させて同様の反応性充血時における前腕径の変化を測定したところ、最大血流量の増加は認められなかった(図2(b))。緑茶・白湯摂取の両者とも、NTG舌下投与後の前腕血流増加は認められなかった。また、両者ともに、収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数、絶食時の脂質、グルコースに有意な変化を示さなかった。このことから緑茶由来の成分が喫煙者における低下した血管内皮依存性血流増加反応を改善させることが示された。
【0187】
使用した緑茶抽出液に含まれるカテキン類、ビタミン類を測定したところ、エピガロカテキンガレートをはじめとする多種類のカテキン類(総カテキン濃度 173.1mg/dl)が検出された(下記表1参照)。
【0188】
【表1】
Figure 2005052232
【0189】
緑茶摂取2時間後の血中エピガロカテキンガレート濃度を測定したところ、摂取前3±1から694±81pmol/mlへと顕著に増加していた。
【0190】
〔2−3〕フラバノール抗酸化食品(緑茶・林檎縮合型タンニン)による血管内皮機能改善効果
緑茶カテキン類と同様に強い抗酸化活性を有する林檎縮合型タンニン(アップルフェノン)との血管内皮機能改善効果を比較する目的で、喫煙者1名を対象に緑茶・アップルフェノン摂取後に反応性充血時における前腕径の変化を測定し、記録したところ(図3参照)、最大血流量は緑茶の場合は21.6から34.8ml/min/100ml組織量へ増加したが(図4参照)、アップルフェノンの場合は18.0から43.2ml/min/100ml組織量へと顕著に増加した(図5参照)。なお、図中、RHRは反応性充血を示す。
【0191】
〔3〕考察
成人病が生活習慣病と呼び名を変えた今日、第七の栄養素として注目を集めつつある抗酸化物質はその作用により動脈硬化等の生活習慣病の罹患率を大幅に減少させる可能性が指摘されている。動脈硬化の罹患率が高いとされるヨーロッパ諸国域での赤ワイン(アントシアニン)多摂取で有名なフランスで最も罹患率が低いことがその例である。生活習慣病や老化など酸化ストレスが主要因と考えられる健康障害の予防に、抗酸化物質の効果が期待されつつあるが、その体内での効果に関する実証的研究は乏しく、仮説や伝承に基づく健康食品ブームの域を出ない現状である。
【0192】
このようにポリフェノール類が活性酸素を除去することが現代では一般論として述べられている。一方、抗酸化物質の抗酸化作用による健康障害の予防とは逆に、喫煙習慣者は、タバコ煙由来に基づく酸化ストレスに曝され、血管内皮細胞の機能障害を通じて、動脈硬化を発症・進展する危険性を有することが指摘されている。
【0193】
これらのことを踏まえた上で、何らかのストレスにより血管内皮機能の低下した人体内、および健康な人体の両者において抗酸化物質がどのように機能するかを実証するために今回実験を行った。
【0194】
実験結果から、喫煙などの酸化ストレスは血管内皮機能を低下させること、緑茶に含まれる物質により低下した血管内皮機能が改善されること、また、緑茶中の抗酸化物質(フラバノール系であるカテキン)の縮合物質(林檎縮合型タンニン)を含む健康食品でより大きな改善効果を示すことがわかった。このことにより、血管内皮機能は、喫煙などの酸化ストレスに曝されることで低下し、逆に抗酸化物質により改善することがin vivoにおいて示された。この結果は、緑茶やアップルフェノンに含まれる抗酸化物質が、血管内皮機能の障害によって引き起こされる心疾患を予防し得る可能性を示唆する。
【0195】
さらに、本実験結果から、本発明で用いた実験方法が、経口摂取した抗酸化食品の生体内における抗酸化機能を、非侵襲的に、また簡便かつ定量的に測定・評価することができることを示している。したがって、かかる実験方法は、種々の利用法に応用できる。
【0196】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定方法、抗酸化力測定装置、抗酸化力測定システムによれば、被験者が抗酸化物質を摂取する前後において、被験者の前腕部における腕径の変化を測定するだけで、当該抗酸化物質の被験者生体内における抗酸化力を定量的に測定・評価することができるという効果を奏する。さらに、かかる方法、装置、およびシステムは、いずれも簡便であるだけでなく、血液採取などの侵襲的な工程を必要としないため、被験者にとっては苦痛やわずらわしさを感じさせることがなく、また、方法等の実施者にとっても簡便であり、被験者および実施者の両者にとって非常に取り扱いやすいものであるという効果を奏する。
【0197】
それゆえ、抗酸化物質のスクリーニング方法や、抗酸化能を謳った健康食品などのin vivo評価に利用することができ、非常に有用な技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明における実施の形態にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定方法の一例を示す工程図であり、(b)は、本発明における実施の形態にかかる抗酸化物質の抗酸化力測定方法のその他の一例を示す工程図である。
【図2】(a)は緑茶摂取前後における反応性充血中の前腕部の血流量変化を示すグラフであり、(b)は白湯(温水)摂取前後における反応性充血中の前腕部の血流量変化を示すグラフである。
【図3】(a)はコントロール(抗酸化物質摂取前)、緑茶摂取後、アップルフェノン摂取後において、ベースラインにおける前腕部腕径の変化を経時的にグラフ化して記録した図(動脈流入曲線(縦軸:径の変化、横軸:時間))であり、(b)はコントロール、緑茶摂取後、アップルフェノン摂取後において、反応性充血における前腕部腕径の変化を経時的にグラフ化して記録した図(動脈流入曲線(縦軸:径の変化、横軸:時間))であり、(c)はコントロール、緑茶摂取後、アップルフェノン摂取後において、NTG舌下投与した場合における前腕部腕径の変化を経時的にグラフ化して記録した図(動脈流入曲線(縦軸:径の変化、横軸:時間))である。
【図4】(a)は緑茶摂取前後において、ベースラインにおける前腕部の血流量の変化を示すグラフであり、(b)は緑茶摂取前後において、反応性充血における前腕部の血流量の変化を示すグラフであり、(c)は緑茶摂取前後において、NTG舌下投与した場合における前腕部の血流量の変化を示すグラフである。
【図5】(a)はアップルフェノン摂取前後において、ベースラインにおける前腕部の血流量の変化を示すグラフであり、(b)はアップルフェノン摂取前後において、反応性充血における前腕部の血流量の変化を示すグラフであり、(c)はアップルフェノン摂取前後において、NTG舌下投与した場合における前腕部の血流量の変化を示すグラフである。
【図6】本発明における実施の形態にかかる抗酸化力測定システムの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図7】本発明における実施の形態にかかる抗酸化力測定システムの構成のその他の一例を示す機能ブロック図である。
【図8】本発明における実施の形態にかかる抗酸化力測定装置が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明における実施の形態にかかる抗酸化力測定装置が行う処理手順のその他の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明における実施の形態にかかる抗酸化力測定システムの構成のその他の一例を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
2 抗酸化力測定装置
2’ 抗酸化力測定装置
3 出力装置
10 抗酸化力測定システム
1A 摂取前前腕径変化測定装置
1B 摂取後前腕径変化測定装置
21A 摂取前動脈流入曲線作成部(摂取前動脈流入曲線作成手段)
21B 摂取後動脈流入曲線作成部(摂取後動脈流入曲線作成手段)
22 血流量変化算出部(血流量変化算出手段)
23 抗酸化力評価部(抗酸化力評価手段)
24A 摂取前反応性充血時血流量曲線作成部(摂取前反応性充血時血流量曲線作成手段)
24B 摂取後反応性充血時血流量曲線作成部(摂取後反応性充血時血流量曲線作成手段)
51A・51B ストレインゲージプレチスモグラフィー
52A・52B 手首カフ
53A・53B 上腕部カフ

Claims (18)

  1. 被験者が抗酸化物質を摂取する前に、当該被験者の前腕部に反応性充血を生じさせ、当該反応性充血中における前腕径の変化を測定する摂取前前腕径変化測定工程と、
    被験者が抗酸化物質を摂取した後に、当該被験者の前腕部に反応性充血を生じさせ、当該反応性充血中における前腕径の変化を測定する摂取後前腕径変化測定工程と、
    上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程により得られた、当該抗酸化物質の摂取前後における前腕径の変化の測定結果に基づき、当該抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の前腕部の血流量変化を算出する血流量変化算出工程と、
    上記血流量変化算出工程によって得られた当該抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の前腕部の血流量変化に基づき、当該抗酸化物質の生体における抗酸化力を測定する抗酸化力測定工程と、
    を含むことを特徴とする抗酸化物質の抗酸化力測定方法。
  2. 上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程は、上記被験者の測定腕の上腕部に上腕部血管閉塞手段を取り付け、測定腕の前腕部に前腕径測定手段を取り付けるとともに、
    上記上腕部血管閉塞手段により上腕部動脈および静脈の両方を閉塞することによって前腕部への動脈流入および静脈流出を遮断し、その一定時間経過後に当該上腕部動脈の閉塞のみ解除し、静脈を閉塞しつつ当該動脈流入遮断を開放することによって被験者の前腕部に反応性充血を生じさせた後、当該反応性充血中に上記前腕径測定手段により前腕径の変化を測定する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の抗酸化物質の抗酸化力測定方法。
  3. 上記上腕部血管閉塞手段はカフであり、上記前腕径測定手段はストレインゲージプレチスモグラフィーであって、
    上記上腕部カフにより200mmHg〜260mmHgの圧力をかけて上腕部動脈および静脈の両方を閉塞することによって前腕部への動脈流入および静脈流出を遮断し、4分〜8分後に当該上腕部動脈の閉塞のみを解除し、静脈を閉塞しつつ当該動脈流入遮断を開放することによって被験者の前腕部に反応性充血を生じさせた後、当該反応性充血中に上記ストレインゲージプレチスモグラフィーにより前腕径の変化を測定する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の抗酸化物質の抗酸化力測定方法。
  4. 上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程は、さらに、上記被験者の測定腕の手首に手首血管閉塞手段を取り付け、
    上記ヒト前腕部への動脈流入遮断後であって、かつ、動脈流入遮断開放前に、上記手首血管閉塞手段によって動脈および静脈の両方を閉塞させる工程を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の抗酸化物質の抗酸化力測定方法。
  5. 上記手首血管閉塞手段はカフであり、
    上記ヒト前腕部への動脈流入遮断後であって、かつ、動脈流入遮断開放前に、上記手首カフにより収縮期血圧+30mmHg〜収縮期血圧+70mmHgの圧力をかけて動脈および静脈の両方を閉塞させる工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の抗酸化物質の抗酸化力測定方法。
  6. 上記血流量変化算出工程は、上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程により得られた前腕径の変化の測定結果に基づいて、抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線をそれぞれ作成する動脈流入曲線作成工程と、
    上記動脈流入曲線作成工程によって得られた抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線を比較し、その比較結果に基づき、抗酸化物質の摂取前後における反応充血中の血流量の変化を算出する比較算出工程とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗酸化物質の抗酸化力測定方法。
  7. 上記比較算出工程は、上記動脈流入曲線作成工程によって得られた抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線の最大傾斜をそれぞれ算出し、当該抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線の最大傾斜の差を算出することにより血流量の変化を算出する工程であることを特徴とする請求項6に記載の抗酸化物質の抗酸化力測定方法。
  8. 上記血流量変化算出工程は、上記摂取前前腕径変化測定工程および摂取後前腕径変化測定工程により得られた前腕径の変化の測定結果に基づいて、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血時血流量曲線をそれぞれ作成する反応性充血時血流量曲線作成工程と、
    上記反応性充血時血流量曲線作成工程によって得られた抗酸化物質の摂取前後における反応性充血時血流量曲線を比較し、その比較結果に基づき、抗酸化物質の摂取前後における反応充血中の血流量の変化を算出する比較算出工程とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗酸化物質の抗酸化力測定方法。
  9. 上記比較算出工程は、上記反応性充血時血流量曲線作成工程によって得られた抗酸化物質の摂取前後における反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積をそれぞれ算出し、当該抗酸化物質の摂取前後における反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積の差を算出することにより血流量の変化を算出する工程の差を算出することを特徴とする請求項8に記載の抗酸化物質の抗酸化力測定方法。
  10. 上記抗酸化物質とは、抗酸化食品であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の抗酸化物質の抗酸化力測定方法。
  11. 上記抗酸化物質の摂取とは、経口摂取であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の抗酸化物質の抗酸化力測定方法。
  12. 抗酸化物質摂取前の反応性充血中における前腕径の変化を測定した摂取前前腕径変化データに基づいて、摂取前動脈流入曲線を作成する摂取前動脈流入曲線作成手段と、
    抗酸化物質摂取後の反応性充血中における前腕径の変化を測定した摂取後前腕径変化データに基づいて、摂取後動脈流入曲線を作成する摂取後動脈流入曲線作成手段と、
    上記摂取前動脈流入曲線作成手段によって作成された摂取前動脈流入曲線と、摂取後動脈流入曲線作成手段によって作成された摂取後動脈流入曲線とを比較し、当該比較結果に基づき、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化を算出する血流量変化算出手段と、
    上記血流量変化算出手段によって得られる抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量変化の算出結果に基づき、当該抗酸化物質の生体における抗酸化力を評価する抗酸化力評価手段と、
    を備えていることを特徴とする抗酸化物質の抗酸化力測定装置。
  13. 上記血流量変化算出手段は、上記摂取前動脈流入曲線の最大傾斜と、摂取後動脈流入曲線の最大傾斜とを算出し、当該抗酸化物質の摂取前後における動脈流入曲線の最大傾斜の差を算出することにより血流量の変化を算出するものであることを特徴とする請求項12に記載の抗酸化物質の抗酸化力測定装置。
  14. 抗酸化物質摂取前の反応性充血中における前腕径の変化を測定した摂取前前腕径変化データに基づいて、摂取前反応性充血時血流量曲線を作成する摂取前反応性充血時血流量曲線作成手段と、
    抗酸化物質摂取後の反応性充血中における前腕径の変化を測定した摂取後前腕径変化データに基づいて、摂取後反応性充血時血流量曲線を作成する摂取後反応性充血時血流量曲線作成手段と、
    上記摂取前反応性充血時血流量曲線作成手段によって作成された摂取前反応性充血時血流量曲線と、摂取後反応性充血時血流量曲線作成手段によって作成された摂取後反応性充血時血流量曲線とを比較し、当該比較結果に基づき、抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量の変化を算出する血流量変化算出手段と、
    上記血流量変化算出手段によって得られる抗酸化物質の摂取前後における反応性充血中の血流量変化の算出結果に基づき、当該抗酸化物質の生体における抗酸化力を評価する抗酸化力評価手段と、
    を備えていることを特徴とする抗酸化物質の抗酸化力測定装置。
  15. 上記血流量変化算出手段は、上記摂取前反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積、および上記摂取後反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積を算出し、当該抗酸化物質の摂取前後における反応性充血時血流量曲線とX軸とが形成する図形の面積の差を算出することにより血流量の変化を算出するものであることを特徴とする請求項14に記載の抗酸化物質の抗酸化力測定装置。
  16. 上記請求項11〜15のいずれか1項に記載の抗酸化物質の抗酸化力測定装置と、
    抗酸化物質摂取前に、被験者の前腕部に反応性充血を生じさせ、当該反応性充血中における前腕径の変化を測定するための摂取前前腕径変化測定装置と、
    抗酸化物質摂取後に、被験者の前腕部に反応性充血を生じさせ、当該反応性充血中における前腕径の変化を測定するための摂取後前腕径変化測定装置と、
    上記抗酸化力測定装置によって測定された当該抗酸化物質の抗酸化力を出力するための出力装置と、
    を備えていることを特徴とする抗酸化物質の抗酸化力測定システム。
  17. 上記摂取前前腕径変化測定装置および摂取後前腕径変化測定装置はそれぞれ、ストレインゲージプレチスモグラフィーと、手首カフと、上腕部カフとを備えていることを特徴とする請求項16に記載の抗酸化物質の抗酸化力測定システム。
  18. 請求項1〜17に記載の抗酸化物質の抗酸化力測定方法、抗酸化物質の抗酸化力測定装置、および抗酸化物質の抗酸化力測定システムのうち、いずれか1つを用いて、抗酸化物質をスクリーニングする方法。
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