【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置における、未定着画像を担持した記録媒体に定着処理を施す定着装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、複写機、レーザプリンタなどのＯＡ機器は、コピーの立ち上がり時間（ウォームアップ時間）の短縮化並びに省エネが求められている。そして、これらの機器のエネルギー消費の１／２強は定着機構で費やされていることから、定着機構での省電力化の要望が特に強い。その要望にこたえるためには、コピー待機時間の消費エネルギーを短くすることが有効であり、立ち上がり時間の短い定着装置が好ましい。その対応策の一つとして、薄肉の定着ローラのような熱容量の小さな定着ローラが検討されている。
【０００３】
一般的な定着装置における基本構成を図２に示す。内部にハロゲンランプ１２Ａ、１２Ｂ、などの加熱手段を有する定着ローラ１０は、不図示のバネの押圧作用を受けて加圧ローラ１１と接している。炭素と樹脂からできたトナーで形成された画像情報（トナー像）を感光体から転写された記録紙Ｐは、定着ローラと加圧ローラの間にトナー像が定着ローラに接するように挿入される。記録紙Ｐが定着ローラと加圧ローラの間を通過する間に、トナー像を形成するトナーが加熱、加圧され、溶融し、記録紙Ｐに圧着され、それによりトナー像が記録紙に定着する。
【０００４】
ここで、定着装置の立ち上げの概略について説明する。定着装置は前述したように記録紙上に転写されたトナー像を定着ローラの熱により溶融するため、定着ローラ表面温度は重要である。そのため通常、定着ローラの表面温度を管理するために定着ローラの表面温度を測定する手段１３を持っている。立ち上げ中はローラ内部の加熱手段によってまずローラの芯金が加熱され、その後芯金を被覆している表層が過熱され、前記測定手段によるローラ表面検出温度が所定の温度に達した時点で立ち上げを終了とし、定着可能状態となる。よって、芯金の熱容量が大きいと表層に熱が伝わるまでに時間がかかるため、ウォームアップが終了するまでに時間がかかってしまう。
【０００５】
また、このような問題は定着ローラ１０だけではなく、加圧ローラ１１にも存在する。連続で記録紙を定着しようとするとき、紙間では定着ローラの蓄熱した熱は加圧ローラ１１に伝わり、定着ローラの温度が下がってしまう。温調制御装置１４は定着ローラ表面温度を一定に保とうとするため、加熱手段に更に加熱するように指示をする。加圧ローラ１１はある温度に飽和するまで定着ローラ１０の熱を奪いつづる。よって、加圧ローラ１１の熱容量も小さければ飽和が早まり、加熱手段１２が要するエネルギーも削減することができる。
【０００６】
このような理由で立ち上げ時間の短縮や省エネのために薄肉化を進めていくと、加圧機能を満足するための剛性を満足できなくなる限界肉厚の問題に突き当たる。即ち、図３に示されるように、加圧力を上げていくと、バネの作用により経時的に定着ローラの径方向につぶれや、軸方向にたわみを生じ、塑性変形してしまう。すると、回転時に定着ローラと加圧ローラとのニップが変化し、定着性の変化や、周速度の変化による画像ブレが生じる。
【０００７】
そこで、特開昭５９−１５５８７５号、特開平１１−１４９２２６号公報においては、加圧ローラの圧接による変形を少なくすると共に軸方向の温度分布の不均一性を少なくするために．定着ローラの内面に．内方向に、突出する複数個の突条部を、ローラ軸方向に沿ってまたはスパイラル状に延長することが提案された。このようにローラ内面にリブを備えることによって、熱伝導率に優れながら必要な強度を備えた軽量ローラを得ることができ、低熱容量ローラ故に立ち上がり時間を短くでき、コピー待機時の消費エネルギーを少なくできるのである。
【０００８】
また、ローラの長手方向の温度を、コピー中にもなるべく均一に保てるように、ローラの基材としては、Ａｌなどの熱伝導率の高い金属が、一般には用いられる。ローラの長手方向の温度差が大きくなった場合、「非通紙部昇温」という問題が生じる。それは、装置に通紙使用できる最大サイズ（サイズ：定着ニップ部に対する用紙の搬送方向に対して直交方向の用紙長さ、以下、幅とする）の用紙よりも小サイズの用紙が通紙されたときには、最大サイズ用紙とのサイズ差部分に対応する定着ニップ部の非通紙領域では熱が用紙の加熱に消費されず蓄熱し、小サイズの用紙が連続的に通紙されるにつれて定着ニップ部の非通紙領域での蓄熱量が多くなる。そのために、定着ニップ部の通紙領域の温度は所定の定着温度に温調維持されるのに対して、非通紙領域の温度はその所定の定着温度よりも昇温する現象である。
【０００９】
この非通紙部の昇温が許容以上に高温になると、定着装置の構成部材に熱損・劣化トラブルを生じさせて定着装置の耐久性を低下させることになるし、小サイズ用紙の連続通紙で定着装置が過度に非通紙部昇温している状態時に大サイズ用紙を通紙すると、定着ニップ部の非通紙部昇温している領域において温度が高すぎることによる端部ホットオフセット等が発生する。
【００１０】
従って、熱伝導の悪いカーボンファイバーは、ローラの基材としては、あまり利用されていなかった。
【００１１】
【特許文献１】
特開昭５９−１５５８７５号公報
【特許文献２】
特開平１１−１４９２２６号公報
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】
昨今の市場の省エネの要求レベルはますます高くなっており、前述したようなリブを内部に持つ薄肉のローラにおいても、リブ無しのローラで問題となったローラ機能上の剛性を満足できなくなる限界肉厚の問題に突き当たる。本発明は、このような低熱量化と強度アップの両立がより一層進んだ構造の定着ローラや加圧ローラを有する定着装置を提供することを課題とする。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明に従って、トナー像が形成される像担持体と、該像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写手段と、筒状の加熱回転部材と加圧回転部材とを圧接させて、定着ニップ部を形成し、該定着ニップ部にトナー像を担持した該転写材を挿通することにより、該トナー像を加熱加圧して該記録材表面に定着させる定着装置において、
前記加熱回転部材及び加圧回転部材の少なくとも一方の基材が、中空の円筒状若しくは略円筒状に形成され且つ、複数個の穴を有するカーボンファイバーからなる剛体であることで解決される。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【００１５】
（実施例１）
先ず、本発明における第一の実施形態に関して図４に基づき説明する。
【００１６】
図４は、本実施形態の画像形成装置を好適に示す一例たる複写機の概略構成を示す模式的断面図である。
【００１７】
図４において、画像形成装置の本体の上部には、情報提供源たる原稿３０の画像情報を読み取るための画像読取機構が配置されている。
【００１８】
即ち、プラテンガラス（図示せず）上に画像面を下向きに載置された原稿３０を照射する光源３１の反射光は、ミラー５ａ、５ｂ、５ｃから反射されたのち画像読取素子及び制御用のＣＰＵを経て画像変調されたデジタル画像信号となる。
【００１９】
次に、前記デジタル画像信号は、レーザ光３５として潜像担持体たる感光ドラム１の外周面の帯電部位に照射され、前記帯電部位に静電潜像が形成されることとなる。
【００２０】
感光ドラム１は、前記感光ドラム１の上方に配置された一次帯電器３により前記感光ドラム１の外周面が一様に帯電されたのちレーザ光３５が照射されることにより、前記外周面の帯電部位に静電潜像が形成され、前記静電潜像は、現像装置４の現像剤たるトナーによりトナー画像として現像されることとなる。
【００２１】
次に、感光ドラム１の外周面に形成されたトナー画像が転写帯電器７により記録媒体Ｐに転写されたのち、前記記録媒体Ｐが感光ドラム１の外周面から分離され、前記外周面から分離された記録媒体Ｐは搬送ベルト４５により定着装置９に搬送される。
【００２２】
定着装置９に搬送された記録媒体Ｐは、定着装置９からの熱供給及び圧力付与により定着処理が施されたのち、排紙トレイ４６上に排出される。
【００２３】
尚、転写処理後における感光ドラム１の外周面はクリーニング装置８により残留物の除去等のクリーニングが施されたのち、次の静電潜像形成に備えられることとなる。
【００２４】
一方、紙及び合成樹脂等で構成される記録媒体Ｐ（以下、本実施形態にあっては、記録媒体Ｐが紙で構成される場合について説明するに留める。）は、画像形成装置本体の下部にて取り外し自在に配置されたカセット４１、４１から給紙ローラ対４２、４２により選択的に給紙されたのち、給紙ローラ対４２、４２から記録媒体搬送方向下流側に配置されたレジストローラ対４３へと搬送されることとなる。
【００２５】
レジストローラ対４３に搬送された記録媒体Ｐは、感光ドラム１の回転に同期して、感光ドラム１及び転写帯電器７の間に形成された転写空間に搬送され、転写処理及び定着処理が施されたのち、排紙トレイ４６上に排出されることとなる。
【００２６】
次に、定着装置９に関して図２に基づき説明する。尚、図２は、定着装置９の概略構成を示す模式的断面図である。定着装置全体の機構としては従来と基本的に同じであり、加熱手段を付設した定着ローラ１０とこれに並行に圧接する加圧ローラ１１からなり、これらが回転して、そのニップ部Ｎを記録紙Ｐが通過することによって、当該記録紙上のトナー像が熱と圧力とで定着されるようになっている。
【００２７】
定着装置９は、図４に示すように、前記転写空間から記録媒体搬送方向下流側に配置され、図２に示すように、定着体たる回転自在な定着ローラ１０及び加圧体たる回転自在な加圧ローラ１１が加圧機構（図示せず）により互いに圧接されている。
【００２８】
即ち、定着ローラ１０は、記録媒体Ｐにおける未定着のトナー画像Ｔ１の担持面に接しながら回転し、一方、加圧ローラ１１は、前記記録媒体Ｐのトナー画像担持面の反対面に接しながら回転することにより、互いに圧接された定着ローラ１０及び加圧ローラ１１の間のニップ部Ｎを前記記録媒体Ｐが通紙されることとなる。
【００２９】
定着ローラ１０は、円筒状体若しくは略円筒状体であって、カーボンファイバーを主成分とする円筒状若しくは略円筒状の基材の外周面にフッ素樹脂等のチューブで被覆されており、前記基材に形成された中空部には、加熱手段たるハロゲンヒータ１２Ａ、１２Ｂが互いに略平行に配置されている。
【００３０】
一方、加圧ローラ１１は、円柱状体若しくは略円柱状体であって、カーボンファイバーを主成分とする円柱状若しくは略円柱状の芯金（図示せず）の外周面にシリコーンゴム等を主成分とする層厚５ｍｍの弾性層（図示せず）及びフッ素樹脂等を主成分とするチューブ状体が順に積層されている。
【００３１】
又、加圧ローラ１１は、定着装置９の外部に配置された加圧機構（図示せず）により定着ローラ１０へと加圧されると共に、前記外部に配置された駆動機構（図示せず）から駆動力を伝達されて回転駆動されるようになっている。
【００３２】
故に、ニップ部Ｎへの突入を開始した記録媒体Ｐは、定着ローラ１０が加圧ローラ１１の回転に従動することにより、定着ローラ１０及び加圧ローラ１１に狭持され搬送され、ニップ部Ｎを通紙されることとなる。
【００３３】
定着ローラ１０の周囲には、定着処理後における定着ローラ１０の外周面を清掃するためのクリーニング機構ＣＭがニップ部Ｎからローラ回転方向下流側の位置に配置されている。
【００３４】
クリーニング機構ＣＭは、シリコーンオイルが含浸された不織布たるウェブ１７を互いに巻回し張架する巻取ローラ１８、１８、及び、ウェブ１７を定着ローラ１０の外周面に押圧するための押圧ローラ１９が備えられている。
【００３５】
即ち、クリーニング機構ＣＭは、押圧ローラ１９によりウェブ１７を定着ローラ１０の外周面に押圧せしめながら巻取ローラ１８、１８により互いに巻回することにより、定着処理後における前記外周面の残留物除去を行うようになっている。
【００３６】
定着ローラ１０の外周面には、温度検知体たるサーミスタ感温検知素子１３（以下、サーミスタ１３と略称する。）が当接して配置されており、サーミスタ１３の温度検知による前記サーミスタ１３からの出力（以下、温度出力と称する。）が選択切換手段たる温調制御装置１４にフィードバックされるよう設定されている。
【００３７】
尚、本実施形態にあっては、サーミスタ１３が定着ローラ１０の外周面に当接して配置されることとしたが、前記サーミスタ１３を前記外周面に近接して配置することにより、前記外周面の温度検知が行われる形態であっても良い。
【００３８】
温調制御装置１４は、定着ローラ１０の外周面が目標温度（定着温調温度）に維持されるようサーミスタ１３からの温度出力に応じてハロゲンヒータ１２の点灯及び消灯の選択及び切り換えを行うと共に、本実施形態にあっては、画像形成装置の諸装置の制御を統括的に行うよう設定されている。
【００３９】
以下、本発明に関する定着ローラの基材について詳しく説明する。
【００４０】
図１は本発明の特徴構造を端的に示す定着ローラの概略図である。定着ローラ１０は、前述したように基材とそれを被覆するチューブからなっている。この基材は図５に示されるように、軸方向長さ３３０ｍｍ、直径３０ｍｍ、厚み１．０ｍｍで、トナー像を定着する軸方向の範囲である中央３００ｍｍにおいて、穴が多数に空けられている。材料体積と、塑性変形限界力の相関を本実施例で説明している穴開きのカーボンファイバー基材の系（以下▲１▼）と、穴開きのＡｌ製の基材の系（以下▲２▼）と、従来のＡｌ製の薄肉（以下▲３▼）で比較したものを図６に示す。このように、同じ体積のローラを作成した場合に、カーボンファイバー製の穴開きローラが、最も大きい甦生変形限界力をもち、定着ローラと加圧ローラの間で、最も大きな圧力をかけることが可能となり、トナーを転写紙に定着させる能力が、大きいこととなる。
【００４１】
また、従来カーボンファイバーを、定着ローラの基材に利用した場合に、図１０に示したように、熱伝導率がＡｌ等の金属に比べて悪いために、前述した「非通紙部昇温」という問題が生じた。しかし、本実施例におけるローラ基材は、穴が開いており体積が、小さくなっているために、非通紙部昇温をした際にも、非通紙部のローラが持っている熱量が小さいので、特に問題を生じない。
【００４２】
また、同じ体積のローラを作った場合、前述のように、カーボンファイバー基材のローラが、▲１▼〜▲３▼の中で、圧力を最もかけることができるので、定着器の温度を室温から上げる場合にも、最も低い温度で、コピー可能とすることができる。よって、▲１▼〜▲３▼のローラを、同じ体積で作った場合に、熱容量の関係で、ある温度に達する時間は、▲１▼が最も遅いが、コピー可能になる温度は、図８に示すように、▲１▼が結果的に一番早くなる。
【００４３】
（実施例２）
実施例２では、実施例１と同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。以下、芯金について説明する。
【００４４】
本実施例では加圧ローラの基材について図７に従って説明する。加圧ローラの基材は、カーボンファイバー製で、軸方向長さ３２０ｍｍ、直径３０ｍｍ、厚み１．０ｍｍで、トナー像を定着する軸方向の範囲において、一辺１．５ｍｍの正六角形の穴が周方向に２６個、軸方向に８０列に蜂の巣状に互い違いに密に整列しており、網目状になっている。ちなみに、外形、変形量、応力を同じにしたリブなし薄肉Ａｌ芯金の材料体積と比較すると約８０％、同じハニカム構造のＡｌ芯金の材料体積と比較すると約９０％で済む。このように、加圧ローラの場合も実施例１と同様に、同じ体積のローラを作った場合に、カーボンファイバー製のハニカム構造のローラが、Ａｌ製のハニカム構造のローラ、Ａｌ製の薄肉のローラの中で、最も圧力をかけられることとなり、定着性能に優れた定着器となる。よって、コピー可能温度も、低くすることができ、消費エネルギーの削減も可能となる。
【００４５】
【発明の効果】
トナー像が形成される像担持体と、該像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写手段と、筒状の加熱回転部材と加圧回転部材とを圧接させて、定着ニップ部を形成し、該定着ニップ部にトナー像を担持した該転写材を挿通することにより、該トナー像を加熱加圧して該記録材表面に定着させる定着装置において、
前記加熱回転部材及び加圧回転部材の少なくとも一方の基材が、中空の円筒状若しくは略円筒状に形成され且つ、複数個の穴を有するカーボンファイバーからなる剛体であることによって、立ち上げ時間の短縮と、消費エネルギーの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に関する定着ローラの概略断面図
【図２】図４の定着装置の概略断面図
【図３】加圧力とつぶれ量の相関図
【図４】画像形成装置の概略断面図
【図５】実施例１に関する定着ローラ芯金の概略図
【図６】実施例１する芯金材料体積と塑性変形限界力の相関図
【図７】実施例２に関する加圧ローラ芯金の概略図
【図８】定着ローラ芯金の違いによる立ち上がり時間の差を示す図
【図９】例１、２にかかわるローラ基材の材料の熱伝導率を示す表
【符号の説明】
１ 感光ドラム
２ 芯金
３ 一次帯電器
４ チューブ
５ａ ミラー
５ｂ ミラー
５ｃ ミラー
６ 開孔部
７ 転写帯電器
８ クリーニング装置
９ 定着装置
１０ 定着ローラ
１１加圧ローラ
１３ サーミスタ
１４ 定着制御装置
１７ ウェブ
１８ 巻取ローラ
１９ 押圧ローラ
３０ 原稿台
３１ 光源
３５ レーザ光
４１ カセット
４２ 給紙ローラ
４３ レジストローラ
４５ 搬送ベルト
４６ 排紙トレイ
１２Ａ メインヒータ
１２Ｂ サブヒータ
ＣＭ クリーニング機構
Ｎ ニップ部
Ｐ 記録媒体[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fixing device that performs a fixing process on a recording medium carrying an unfixed image in an image forming apparatus such as an electrophotographic copying machine, a laser printer, or a facsimile.
[0002]
[Prior art]
In recent years, office automation equipment such as copiers and laser printers are required to shorten the copy start-up time (warm-up time) and save energy. Since more than half of the energy consumption of these devices is spent in the fixing mechanism, there is a strong demand for power saving in the fixing mechanism. In order to meet the demand, it is effective to shorten the energy consumption of the copy standby time, and a fixing device with a short rise time is preferable. As one of countermeasures, a fixing roller having a small heat capacity such as a thin fixing roller has been studied.
[0003]
A basic configuration of a general fixing device is shown in FIG. The fixing roller 10 having heating means such as halogen lamps 12A and 12B inside is in contact with the pressure roller 11 under the pressing action of a spring (not shown). The recording paper P on which image information (toner image) formed with toner made of carbon and resin is transferred from the photoreceptor is inserted between the fixing roller and the pressure roller so that the toner image is in contact with the fixing roller. . While the recording paper P passes between the fixing roller and the pressure roller, the toner forming the toner image is heated, pressurized, melted and pressed onto the recording paper P, thereby fixing the toner image on the recording paper. To do.
[0004]
Here, an outline of starting up the fixing device will be described. As described above, since the fixing device melts the toner image transferred onto the recording paper by the heat of the fixing roller, the surface temperature of the fixing roller is important. For this reason, usually, a means 13 for measuring the surface temperature of the fixing roller is provided to manage the surface temperature of the fixing roller. During start-up, the cored bar of the roller is first heated by the heating means inside the roller, and then the surface layer covering the cored bar is overheated, and the roller surface detection temperature by the measuring means reaches the predetermined temperature. The raising is finished and the fixing is possible. Therefore, if the heat capacity of the core metal is large, it takes time until the heat is transmitted to the surface layer, and thus it takes time until the warm-up is completed.
[0005]
Such a problem exists not only in the fixing roller 10 but also in the pressure roller 11. When the recording paper is continuously fixed, the heat accumulated in the fixing roller is transmitted to the pressure roller 11 between the sheets, and the temperature of the fixing roller is lowered. In order to keep the fixing roller surface temperature constant, the temperature control device 14 instructs the heating means to further heat. The pressure roller 11 takes heat of the fixing roller 10 until it is saturated to a certain temperature. Therefore, if the heat capacity of the pressure roller 11 is small, the saturation is accelerated and the energy required by the heating means 12 can be reduced.
[0006]
For this reason, if the wall thickness is reduced for shortening the startup time or saving energy, the problem of the limit wall thickness where the rigidity for satisfying the pressurizing function cannot be satisfied is encountered. That is, as shown in FIG. 3, as the pressure is increased, the fixing roller is crushed in the radial direction or is bent in the axial direction over time due to the action of the spring, and plastic deformation occurs. Then, the nip between the fixing roller and the pressure roller changes during rotation, and image blurring occurs due to a change in fixing property and a change in peripheral speed.
[0007]
Therefore, in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 59-155875 and 11-149226, in order to reduce the deformation due to the pressure contact of the pressure roller and to reduce the non-uniformity of the temperature distribution in the axial direction. On the inner surface of the fixing roller. It has been proposed to extend a plurality of protruding ridges inwardly along the roller axis direction or spirally. By providing ribs on the inner surface of the roller in this way, it is possible to obtain a lightweight roller having the required strength while having excellent thermal conductivity, and the rise time can be shortened due to the low heat capacity roller, and the energy consumption during standby for copying is reduced. It can be done.
[0008]
Further, a metal having a high thermal conductivity such as Al is generally used as the base material of the roller so that the temperature in the longitudinal direction of the roller can be kept as uniform as possible even during copying. When the temperature difference in the longitudinal direction of the roller becomes large, the problem of “temperature rise of the non-sheet passing portion” occurs. That is, paper of a size smaller than the maximum paper size that can be used in the device (size: paper length perpendicular to the paper conveyance direction with respect to the fixing nip, hereinafter referred to as width) was passed. Sometimes, in the non-sheet passing area of the fixing nip portion corresponding to the size difference portion from the maximum size paper, heat is not consumed for heating the paper but is stored, and as the small size paper is continuously fed, the fixing nip portion The amount of heat stored in the non-paper passing area increases. For this reason, the temperature of the sheet passing area of the fixing nip is maintained at a predetermined fixing temperature, whereas the temperature of the non-sheet passing area is higher than the predetermined fixing temperature.
[0009]
If the temperature rise of the non-sheet passing portion becomes higher than allowable, heat loss and deterioration troubles may occur in the fixing device components, and the durability of the fixing device may be reduced. If a large size paper is passed while the fixing device is excessively heated at the non-sheet passing part of the paper, the edge hot due to the temperature being too high in the non-sheet passing part temperature rising area of the fixing nip An offset or the like occurs.
[0010]
Accordingly, carbon fibers having poor heat conduction have not been used much as a base material for rollers.
[0011]
[Patent Document 1]
JP 59-155875 A [Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-149226
[Problems to be solved by the invention]
The demand level of energy saving in the market in recent years is increasing, and even the thin rollers with ribs inside as described above can not satisfy the rigidity of the roller function that has become a problem with rollers without ribs. I face a wall thickness problem. An object of the present invention is to provide a fixing device having a fixing roller and a pressure roller having a structure in which both a reduction in heat quantity and an increase in strength are further advanced.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
According to the present invention, there is provided an image carrier on which a toner image is formed, transfer means for transferring a toner image on the image carrier to a transfer material, a cylindrical heating rotary member, and a pressure rotary member. In a fixing device in which a fixing nip is formed by pressure contact, and the transfer material carrying a toner image is inserted into the fixing nip to heat and press the toner image and fix it on the surface of the recording material.
This is solved by the fact that at least one of the base member of the heating rotary member and the pressure rotary member is a rigid body formed of a carbon fiber having a hollow cylindrical shape or a substantially cylindrical shape and having a plurality of holes.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the details of the present invention will be described based on the illustrated embodiments.
[0015]
(Example 1)
First, a first embodiment of the present invention will be described with reference to FIG.
[0016]
FIG. 4 is a schematic cross-sectional view showing a schematic configuration of a copying machine as an example that preferably shows the image forming apparatus of the present embodiment.
[0017]
In FIG. 4, an image reading mechanism for reading image information of a document 30 as an information providing source is arranged on the upper part of the main body of the image forming apparatus.
[0018]
That is, the reflected light of the light source 31 that irradiates the original 30 placed on the platen glass (not shown) with the image surface facing downward is reflected from the mirrors 5a, 5b, and 5c, and then is used for the image reading element and the control. It becomes a digital image signal subjected to image modulation through the CPU.
[0019]
Next, the digital image signal is applied as a laser beam 35 to a charged portion on the outer peripheral surface of the photosensitive drum 1 serving as a latent image carrier, and an electrostatic latent image is formed on the charged portion.
[0020]
The photosensitive drum 1 is charged on the outer peripheral surface by irradiating a laser beam 35 after the outer peripheral surface of the photosensitive drum 1 is uniformly charged by a primary charger 3 disposed above the photosensitive drum 1. An electrostatic latent image is formed at the site, and the electrostatic latent image is developed as a toner image by toner as a developer of the developing device 4.
[0021]
Next, after the toner image formed on the outer peripheral surface of the photosensitive drum 1 is transferred to the recording medium P by the transfer charger 7, the recording medium P is separated from the outer peripheral surface of the photosensitive drum 1 and separated from the outer peripheral surface. The recorded recording medium P is transported to the fixing device 9 by the transport belt 45.
[0022]
The recording medium P conveyed to the fixing device 9 is subjected to fixing processing by supplying heat from the fixing device 9 and applying pressure, and then discharged onto the paper discharge tray 46.
[0023]
After the transfer process, the outer peripheral surface of the photosensitive drum 1 is cleaned by the cleaning device 8 to remove residues, and then is prepared for the next electrostatic latent image formation.
[0024]
On the other hand, a recording medium P made of paper, synthetic resin, or the like (hereinafter, in this embodiment, only the case where the recording medium P is made of paper will be described) is a lower part of the image forming apparatus main body. Are selectively fed from the cassettes 41 and 41 detachably disposed by the paper feed roller pair 42 and 42, and then are registered rollers disposed downstream from the paper feed roller pair 42 and 42 in the recording medium conveyance direction. It will be conveyed to the pair 43.
[0025]
The recording medium P conveyed to the registration roller pair 43 is conveyed to a transfer space formed between the photosensitive drum 1 and the transfer charger 7 in synchronization with the rotation of the photosensitive drum 1, and subjected to transfer processing and fixing processing. After that, the paper is discharged onto the paper discharge tray 46.
[0026]
Next, the fixing device 9 will be described with reference to FIG. FIG. 2 is a schematic cross-sectional view showing a schematic configuration of the fixing device 9. The mechanism of the entire fixing device is basically the same as the conventional one, and is composed of a fixing roller 10 provided with a heating means and a pressure roller 11 press-contacted in parallel thereto, and these rotate to record the nip portion N. By passing the paper P, the toner image on the recording paper is fixed by heat and pressure.
[0027]
As shown in FIG. 4, the fixing device 9 is arranged on the downstream side of the transfer space from the transfer space in the recording medium conveyance direction. As shown in FIG. 2, the fixing device 9 is a rotatable fixing roller 10 as a fixing member and a rotating member as a pressure member. The pressure rollers 11 are pressed against each other by a pressure mechanism (not shown).
[0028]
That is, the fixing roller 10 rotates while contacting the carrying surface of the unfixed toner image T1 on the recording medium P, while the pressure roller 11 rotates while contacting the opposite surface of the recording medium P to the toner image carrying surface. As a result, the recording medium P is passed through the nip portion N between the fixing roller 10 and the pressure roller 11 that are in pressure contact with each other.
[0029]
The fixing roller 10 is a cylindrical body or a substantially cylindrical body, and the outer peripheral surface of a cylindrical or substantially cylindrical base material mainly composed of carbon fiber is covered with a tube made of fluororesin or the like. In the hollow portion formed in the material, halogen heaters 12A and 12B as heating means are arranged substantially parallel to each other.
[0030]
On the other hand, the pressure roller 11 is a columnar body or a substantially columnar body, and is mainly made of silicone rubber or the like on the outer peripheral surface of a columnar or substantially columnar cored bar (not shown) whose main component is carbon fiber. An elastic layer (not shown) having a layer thickness of 5 mm as a component and a tubular body mainly composed of a fluororesin or the like are sequentially laminated.
[0031]
The pressure roller 11 is pressed against the fixing roller 10 by a pressure mechanism (not shown) arranged outside the fixing device 9 and also has a drive mechanism (not shown) arranged outside the fixing device 9. Is driven to rotate by being transmitted with a driving force.
[0032]
Therefore, the recording medium P that has started to enter the nip portion N is nipped and conveyed by the fixing roller 10 and the pressure roller 11 when the fixing roller 10 is driven by the rotation of the pressure roller 11, and the nip portion N is conveyed. Will be passed through.
[0033]
Around the fixing roller 10, a cleaning mechanism CM for cleaning the outer peripheral surface of the fixing roller 10 after the fixing process is disposed at a position downstream of the nip portion N in the roller rotation direction.
[0034]
The cleaning mechanism CM includes winding rollers 18 and 18 that wind and stretch a web 17 that is a nonwoven fabric impregnated with silicone oil, and a pressing roller 19 that presses the web 17 against the outer peripheral surface of the fixing roller 10. It has been.
[0035]
That is, the cleaning mechanism CM removes the residue on the outer peripheral surface after the fixing process by winding the web 17 against the outer peripheral surface of the fixing roller 10 while the web 17 is wound around the winding roller 18, 18. To do.
[0036]
A thermistor temperature sensing element 13 (hereinafter abbreviated as a thermistor 13), which is a temperature sensing body, is disposed in contact with the outer peripheral surface of the fixing roller 10, and an output from the thermistor 13 by temperature detection of the thermistor 13 is provided. (Hereinafter referred to as temperature output) is set to be fed back to the temperature control device 14 serving as a selection switching means.
[0037]
In the present embodiment, the thermistor 13 is disposed in contact with the outer peripheral surface of the fixing roller 10. However, by arranging the thermistor 13 close to the outer peripheral surface, the outer peripheral surface is arranged. The temperature may be detected.
[0038]
The temperature control device 14 selects and switches on / off the halogen heater 12 according to the temperature output from the thermistor 13 so that the outer peripheral surface of the fixing roller 10 is maintained at a target temperature (fixing temperature control temperature). In this embodiment, it is set so that the various devices of the image forming apparatus are controlled in an integrated manner.
[0039]
Hereinafter, the base material of the fixing roller according to the present invention will be described in detail.
[0040]
FIG. 1 is a schematic view of a fixing roller, which briefly shows the characteristic structure of the present invention. As described above, the fixing roller 10 includes a base material and a tube covering the base material. As shown in FIG. 5, this base material has an axial length of 330 mm, a diameter of 30 mm, and a thickness of 1.0 mm, and a large number of holes are formed in the central 300 mm, which is the axial range for fixing the toner image. . The relationship between the material volume and the plastic deformation limit force is explained in the present embodiment, the perforated carbon fiber base system (hereinafter referred to as (1)) and the perforated Al base material system (hereinafter referred to as (2)). FIG. 6 shows a comparison between ()) and a conventional thin Al wall (hereinafter, (3)). In this way, when a roller with the same volume is created, the carbon fiber perforated roller has the greatest sag deformation limit force and can apply the greatest pressure between the fixing roller and the pressure roller. Thus, the ability to fix the toner to the transfer paper is large.
[0041]
In addition, when the conventional carbon fiber is used as the base material of the fixing roller, as shown in FIG. 10, the heat conductivity is worse than that of a metal such as Al. ”Has arisen. However, since the roller base material in this embodiment has a hole and a small volume, even when the temperature of the non-sheet passing portion is raised, the amount of heat that the roller of the non-sheet passing portion has is increased. Since it is small, no particular problem occurs.
[0042]
In addition, when a roller having the same volume is made, as described above, the carbon fiber base roller can apply the pressure most among (1) to (3). Even in the case of raising, the copy can be made at the lowest temperature. Therefore, when the rollers (1) to (3) are made with the same volume, the time to reach a certain temperature is the slowest because of the heat capacity, but the temperature at which copying is possible is shown in FIG. As shown in (1), (1) is the fastest as a result.
[0043]
(Example 2)
In the second embodiment, members having the same functions as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and redundant description is omitted. Hereinafter, the cored bar will be described.
[0044]
In this embodiment, the base material of the pressure roller will be described with reference to FIG. The base material of the pressure roller is made of carbon fiber, has an axial length of 320 mm, a diameter of 30 mm, a thickness of 1.0 mm, and a regular hexagonal hole with a side of 1.5 mm in the axial direction for fixing the toner image. 26 in the direction and 80 in the axial direction are densely arranged alternately in a honeycomb shape, and have a mesh shape. By the way, about 80% of the material volume of the thin-walled Al core metal without ribs having the same outer shape, deformation amount and stress is required, and about 90% of the material volume of the Al core metal of the same honeycomb structure. Thus, in the case of the pressure roller as well as in Example 1, when a roller having the same volume is made, the carbon fiber honeycomb structure roller is replaced with an Al honeycomb structure roller, an Al thin wall roller. Among the rollers, the most pressure can be applied, and the fixing device has excellent fixing performance. Therefore, the copyable temperature can also be lowered and energy consumption can be reduced.
[0045]
【The invention's effect】
An image carrier on which a toner image is formed, a transfer means for transferring the toner image on the image carrier to a transfer material, a cylindrical heating rotary member and a pressure rotary member are brought into pressure contact with each other, thereby fixing the fixing nip portion. In the fixing device for forming and fixing the toner image on the surface of the recording material by inserting the transfer material carrying the toner image into the fixing nip portion,
The at least one base material of the heating rotary member and the pressure rotary member is a rigid body made of carbon fiber having a hollow cylindrical shape or a substantially cylindrical shape and having a plurality of holes. Shortening and energy consumption can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view of a fixing roller according to the present invention. FIG. 2 is a schematic cross-sectional view of a fixing device of FIG. 4. FIG. 3 is a correlation diagram of pressure and crushing amount. FIG. 5 is a schematic diagram of a fixing roller metal core related to Example 1. FIG. 6 is a correlation diagram between a core metal material volume and a plastic deformation limit force according to Example 1. FIG. 7 is a schematic diagram of a pressure roller metal core related to Example 2. FIG. 8 is a diagram showing a difference in rise time due to a difference in fixing roller core metal. FIG. 9 is a table showing a thermal conductivity of a roller base material according to Examples 1 and 2. Description of Symbols
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Photosensitive drum 2 Metal core 3 Primary charger 4 Tube 5a Mirror 5b Mirror 5c Mirror 6 Opening part 7 Transfer charger 8 Cleaning device 9 Fixing device 10 Fixing roller 11 Pressure roller 13 Thermistor 14 Fixing control device 17 Web 18 Winding Roller 19 Press roller 30 Document base 31 Light source 35 Laser light 41 Cassette 42 Paper feed roller 43 Registration roller 45 Conveyor belt 46 Paper discharge tray 12A Main heater 12B Sub heater CM Cleaning mechanism N Nip part P Recording medium
