JP2005046672A - 浮き取水管方式アオコ回収装置 - Google Patents

浮き取水管方式アオコ回収装置 Download PDF

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Abstract

【課題】アオコ回収技術の観点から自ら水面を浮遊し、吹送流により風下に集積するアオコの特性を利用して増殖期の表層アオコを効果的に回収除去することにある。
【解決手段】外周に浮き環5bが取付けられ該浮き環5bにより喫水調整され内部に小径の内部取水管6を備えた二重管構造の浮き取水管5を風下の閉鎖水域表面に弓状に連結設置し、喫水位で内部取水管6を浮き取水管5の内周に内接すると共に内接する喫水位に複数の呑み口5aを形成し、喫水位に設けた複数の呑み口5aから浮上アオコを含む表層水を内部取水管6内に引き込む水中ポンプ7を設けた。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば湖沼などの閉鎖性水域で発生するアオコを回収する技術に係り、特に、アオコ回収技術の観点から自ら水面を浮遊し、吹送流により風下に集積するアオコの特性を利用して増殖期の表層アオコを効果的に回収除去する浮き取水管方式アオコ回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
全国の湖沼において、植物性プランクトンでアオコを形成する藍藻類に起因する水の華が顕在化し、大きな社会問題になっている。
根本的な対策は閉鎖性水域の水質を改善することであるが、窒素やリン等の栄養塩の流入や湖沼底泥に蓄積された栄養物質を削減することは容易ではなく、これらの理論を実用化に結びつけた技術はまだ確立していない。
一方、増殖期のアオコはいったんマットを形成すると水面に浮きあがり下に潜りにくくなる。そのため、水表面で生細胞が老化枯死したアオコの腐敗臭が湖沼の中央や吹送流により風下の湖岸に吹き寄せられ、周辺住民に深刻な悪臭公害を引き起こしている。
水の利用が逼迫している現状では、緊急的に異常発生したアオコの除去技術の開発が急務である。また、水の華が水面を浮遊する発生形態は他の藻類への光阻害を引き起こすだけでなく、景観障害の原因となる厄介な性質である。
ところで、従来のアオコ処理技術のうち主なものとしては、
(1)紫外線浄化施設や噴水式浄化施設などの固定施設を使用するもの、
(2)湖沼に挿入した吸水管から湖沼の水ごとアオコを採取し、加圧ポンプにより加圧して噴射ノズルで衝突させて殺藻処理し、そのまま湖沼に戻す設備を使用するもの、
(3)移動式設備としてアオコ回収船によるアオコを除去する方法、などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の従来技術のアオコ処理にあっては、次のような課題がある。
(1)紫外線浄化施設や噴水式浄化施設などの固定施設のものは、湖沼に広範囲に発生するアオコの効果的な採集処理は難しく設備費、運転・維持管理費の面からみても改善すべき点が多い。
(2)湖沼に挿入した吸水管から湖沼の水ごとアオコを採取し、加圧ポンプにより加圧して噴射ノズルで衝突させて殺藻処理し、そのまま湖沼に戻す設備は、揚水量が膨大で経済性に欠ける。また、殺藻アオコを回収せず湖沼底に沈積させることは再び湖沼の底質悪化と水質悪化を繰り返すことになる。
(3)移動式設備としてアオコ回収船によるアオコの除去技術があるが、アオコ発生水域で回収船を航行させるため水域を撹乱して効果的に採取するには問題があり、設備費、運転費、維持管理費の面からも経済性に見合った効果を出すにはまだ改善すべき点が多い。
【0004】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、アオコ回収技術の観点から自ら水面を浮遊し、吹送流により風下に集積するアオコの特性を利用して増殖期の表層アオコを効果的に回収除去することのできる浮き取水管方式アオコ回収装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、増殖期のアオコの特性である密集してマット状を形成すると閉鎖水域表面に浮上し、吹送流で風下に集積する性質を利用して、外周に浮き環が取付けられ該浮き環により喫水調整され内部に小径の内部取水管を備えた二重管構造の浮き取水管を風下の閉鎖水域表面に弓状に連結設置し、喫水位で内部取水管を浮き取水管の内周に内接すると共に内接する喫水位に複数の呑み口を形成し、喫水位に設けた複数の呑み口から浮上アオコを含む表層水を内部取水管内に引き込む水中ポンプを設けた手段よりなるものである。
【0006】
また、請求項2の発明は、増殖期のアオコの特性である密集してマット状を形成すると閉鎖水域表面に浮上し、吹送流で風下に集積する性質を利用して、外周に浮き環が取付けられ該浮き環により喫水調整され内部に小径の内部取水管を備えた二重管構造の浮き取水管を風下の閉鎖水域表面に弓状に連結設置し、喫水位で内部取水管を浮き取水管の内周に内接すると共に内接する喫水位に複数の呑み口を形成し、喫水位に設けた複数の呑み口から浮上アオコを含む表層水を内部取水管内に引き込む水中ポンプを設け、採水されたアオコを含む表層水をアオコ分離水槽に送る送水管を配設し、送水管の一端側を内部取水管に接続し他端側をアオコ分離水槽に接続し、発生した微細気泡でアオコを含む表層水からアオコを水槽表面に分離浮上させる微細気泡発生機をアオコ分離水槽の水槽底部に設置し、水槽表面に浮上させたアオコをアオコ回収槽に搬送する傾斜コンベアを設け、アオコを除去した採水を元の閉鎖水域に戻す放水管を設け、放水管の一端側をアオコ分離水槽に接続し他端側を閉鎖水域に接続した手段よりなるものである。
【0007】
ここで、請求項2の発明におけるアオコ分離水槽は陸上に設置され、又は閉鎖水域に浮かぶ台船上に搭載される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に記載の発明の実施の形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
ここで、図1(A)は風下湖岸に設置した場合の設備全体平面配置図、(B)は湖沼中央の風下に設置した場合の設備全体平面配置図、図2(A)は浮き取水管の側面図、(B)は浮き取水管の断面図、図3(A)は浮き取水管と内部取水管のT分岐部の側面図、(B)は浮き取水管と内部取水管のT分岐部の平面図、図4はアオコ回収装置の構成を示す概要図である。
【0009】
図において、図1(A)は閉鎖水域としての例えば湖沼1の風下湖岸2水域に集積する表層アオコ3群を回収する場合の設備全体の平面配置図を示すもので、吹送流4により風下に集積移動する表層アオコ3に対してこれを囲むように浮き取水管5を弓状に連結し、その両端は係留索13で固定されている。また、浮遊塵埃の風下への流入を阻止するため弓状の両端を結んで防塵網12が設けられている。
【0010】
風下湖岸2の陸上には表層アオコ3が混入したアオコ水aからアオコを分離するアオコ分離水槽9が設置されている。浮き取水管5とアオコ分離水槽9との間には、浮き取水管5を通じて湖沼1から取水したアオコ水aをアオコ分離水槽9に送り込むための送水管8が配設されている。送水管8の上流側は弓状の配置された浮き取水管5の中央の内部取水管6のT分岐部6aに接続され、送水管8の下流側はアオコ分離水槽9に接続されている。又T分岐部6aと送水管8との間には湖沼1から取水したアオコ水aをアオコ分離水槽9に送り込む水中ポンプ7が設けられている。アオコ分離水槽9でアオコを分離した採水eを再び湖沼1に戻すための放水管11がアオコ分離水槽9と湖沼1との間に配設されている。
【0011】
図1(B)は閉鎖水域としての例えば湖沼1中央の風下に集積する表層アオコ3群を回収する場合の設備全体の平面配置図を示すもので、吹送流4により風下に集積移動する表層アオコ3に対してこれを囲むように浮き取水管5を弓状に連結し、その両端は係留索13で固定されている。また、浮遊塵埃の風下への流入を阻止するため弓状の両端を結んで防塵網12が設けられている。
【0012】
表層アオコ3が混入したアオコ水aからアオコを分離するアオコ分離水槽9が湖沼1に浮かぶ台船14上に搭載されており、台船14は係留索15で湖沼1の水面上に保持固定されている。浮き取水管5とアオコ分離水槽9との間には、浮き取水管5を通じて湖沼1から取水したアオコ水aをアオコ分離水槽9に送り込むための送水管8が配設されている。送水管8の上流側は弓状の配置された浮き取水管5の中央の内部取水管6のT分岐部6aに接続され、送水管8の下流側はアオコ分離水槽9に接続されている。又T分岐部6aと送水管8との間には湖沼1から取水したアオコ水aをアオコ分離水槽9に送り込む水中ポンプ7が設けられている。台船14に搭載されたアオコ分離水槽9でアオコを分離した採水eを再び湖沼1に戻すための放水管11がアオコ分離水槽9に取付けられている。
【0013】
図2(A)(B)は浮き取水管5の単管を示すもので、浮体としての安定と所定の喫水fを維持するために浮き環5bが単管の浮き取水管5の両側に取り付けられている。浮き環8aは浮き取水管5の両側の外周の周方向の全周に取付けられている。吹送流4により風下に流下するマット状の表層アオコ3を浮き取水管5に吸引するため、複数の呑み口5aが両浮き環8aの間の浮き取水管5の喫水f近くに設けられている。各呑み口5aは水平方向に横長になっている。
【0014】
浮き取水管5は内部に呑み口5aを共有する内部取水管6を有する二重管構造になっている。即ち、内部取水管6の一部は浮き取水管5の呑み口5a側に内接していて、その内接している部分で呑み口5aを共有している。
【0015】
二重管構造にする理由は、実験の結果、アオコ水aがその内部を流れる取水管の直径が大きいと、表層アオコ3が浮かぶ表層水が流れずに、表層より下側の水のみが水中ポンプ7によって吸引されて管内を流れてT分岐部6aから送水管8に送られ、表層アオコ3は取水管内に滞留する。これに対して、取水管の径を小さくすると、表層アオコ3が浮かぶ表層水も水中ポンプ7によって吸引されて管内を流れて、送水管8に送り出すことができる。その一方で、取水管の直径を小さくすると、水中ポンプ7の吸引による影響を受けて上下の変動が大きくなって浮体としての安定性が悪くなり、呑み口5aの位置が大きく上下動してアオコ水aを呑み口5aから管内に安定して吸い込めないという不都合がある。
【0016】
そこで二重管構造にして、外側の直径の大きな浮き取水管5は浮体として安定を保って呑み口5aが上下動するのを防ぐ機能を果たし、内側の直径の小さな内部取水管6は呑み口5aから管内に取水したアオコ水aを水中ポンプ7によって確実に管内を流して送水管8に送り出す機能を果たすようにしたものである。
【0017】
このように、二重構造の外側の直径の大きい浮き取水管5は浮体としての安定性の観点からその直径が設計され、内側の直径の小さな内部取水管6は表層アオコ3が浮かぶ表層水が水中ポンプ7による吸引によって管内を流れるという観点からその直径が設計される。
【0018】
二重構造の外側を構成する浮き取水管5の下部には複数の通水口5cが形成されていて、内部取水管6の外側の浮き取水管5の内部に通水口5cを通じて外部の水を入れて外部と連通状態にして、浮き取水管5が上下に変動する場合に内部に入れた水がこれの抵抗として働いて浮体としての安定性を高めている。
【0019】
一方、浮き取水管5の下面には水中でのアオコの潜り込みを防止するため下端にウエイト5fを付けたアオコ潜入防止シート5eが吊り下げてある。また、浮き取水管5の隣接する管同士の連結はフランジ接合とする。このため、各浮き取水管5の両端の周縁にはフランジ5dがそれぞれ溶接で取付けられている。
【0020】
図3(A)(B)は浮き取水管5と内部取水管6のT分岐部6aを示す。T分岐部6aは管内に引き込まれたアオコ水aを効率よく水中ポンプ7を使って送水管8を通してアオコ分離水槽9に送水するもので、内部取水管6の合流部のT分岐部6aの形状は流れ込みやすい呑み口の形状とする。また、送水管8を湖面上に配管する場合には送水管8に浮き環8aを取り付けて湖上での安定を図る。
【0021】
図4はアオコ回収装置の構成を示す。
アオコ回収装置は、アオコ水aからアオコを分離するアオコ分離水槽9、アオコ分離水槽9で分離したアオコを回収するアオコ回収槽10、アオコ水aからアオコを分離するための微細気泡bを発生させる微細気泡発生機16、アオコ分離水槽9で分離したアオコをアオコ回収槽10に送る傾斜コンベア17などから構成されている。
【0022】
アオコ分離水槽9の一端側にはアオコ水注入口9aが設けられており、アオコ水注入口9aは送水管8の下流端出口であり、送水管8の下流端出口は図4においてアオコ分離水槽9の一端側となる左端側に下向きに取付けられている。アオコ水注入口9aが設けられるアオコ分離水槽9の一端側となる左側の槽内には上下方向に中間隔壁9bが形成されている。中間隔壁9bは上部と下部が開放されて隣側と連通して中間部分を隣側と仕切るもので、アオコ水注入口9aから流入したアオコ水aは中間隔壁9bの上部又は下部から隣側に流入する構造になっている。
【0023】
図4において中間隔壁9bで上下開放状態で仕切られる右隣側は加圧気泡発生室9cとなっており、その底部には微細気泡発生機16が設置されている。加圧気泡発生室9cは図4においてその左側の側部は中間隔壁9bで仕切られ、又右側の下部の側部には上下方向に取付けられた下部隔壁9eによって仕切られている。微細気泡発生機16は前記したようにアオコ水aからアオコを分離するための微細気泡bを発生させる機器で、発生した微細気泡bによってアオコ水aからアオコは分離されて浮上する。
【0024】
図4において下部隔壁9eより右側上方には斜め上向きに傾斜する傾斜仕切板9dが取付けられている。傾斜仕切板9dはアオコ分離水槽9の右端側となる他端側の上部まで延設されて取付けられている。傾斜仕切板9dはその下方に形成される採水室9fとを仕切るもので、分離したアオコが下方の採水室9fに流入して採水室9f内のアオコ水aからアオコが分離された採水eに再び混入するのを防いでいる。
【0025】
図4においてアオコ分離水槽9の右側下部には、この傾斜仕切板9dと下部隔壁9eとで囲まれる採水室9fが形成されている。この採水室9fはアオコ水aからアオコが分離された採水eが流入する室で、下部隔壁9eの上端と傾斜仕切板9dの傾斜下端との間には採水e流入用の採水流入口9gが形成されている。
アオコ水aからアオコが分離された採水eはこの採水流入口9gから採水室9fに流入する。
【0026】
また、採水流入口9gの反対側となる採水室9fの下部側面には放水管11の一端側が接続されている。放水管11の他端側は湖沼1に通じており、採水室9f内の採水eはこの放水管11を通じて再び湖沼1に戻すことができるようになっている。
【0027】
アオコ分離水槽9の傾斜仕切板9dの上部側には傾斜コンベア17が同様に傾斜状態で取り付けられている。傾斜コンベア17はアオコ分離水槽9で分離したアオコを隣の回収槽10に搬送する機器で、傾斜コンベア17の傾斜下端側はアオコ分離水槽9の水中に没しており、又傾斜コンベア17の傾斜上端側はアオコ分離水槽9に隣接する回収槽10の上部に延設されている。この傾斜コンベア17には無端状の布製ベルト17aが長円形状に循環動自在に張設されている。また、この傾斜コンベア17の傾斜最上段にはスクレーパー18が斜め下向きに取付けられている。
【0028】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
図1(A)の閉鎖水域としての例えば湖沼1の風下湖岸2水域に集積する表層アオコ3群を回収する場合、或いは図1(B)の閉鎖水域としての例えば湖沼1中央の風下に集積する表層アオコ3群を回収する場合、吹送流4により風下に集積移動する表層アオコ3に対してこれを囲むように浮き取水管5を弓状に連結し、その両端を係留索13で固定し、また、浮遊塵埃の風下への流入を阻止するため弓状の両端を結んで防塵網12を設ける。そして、湖岸2の陸上に設置されたアオコ分離水槽9又は湖沼1の台船14上に搭載されたアオコ分離水槽9に、浮き取水管5側の送水管8の下流側を接続した後に水中ポンプ7を作動させる。
【0029】
水中ポンプ7を作動させると、湖沼1の表層アオコ3は弓状の浮き取水管5の内側に吸い寄せられて移動して、浮き取水管5の呑み口5aから内部取水管6に引き込まれる。浮き取水管5の呑み口5aから内部取水管6に引き込まれた表層アオコ水aは、内部取水管6中央のT分岐部6aに取り付けた水中ポンプ7に引かれて管内を流下して、送水管8内に送り込まれ、送水管8から陸上又は湖沼1上のアオコ分離水槽9に送られる。
【0030】
アオコ水aは送水管8を通ってアオコ分離水槽9のアオコ水注入口9aから水槽9に注水され、中間隔壁9bの開放された下部を通って隣の加圧気泡発生室9cに入る。加圧気泡発生室9cの底部には微細気泡発生機16が取付けられていて、この微細気泡発生機16で発生した微細気泡bにより加圧気泡発生室9cに入ったアオコ水aの中のアオコは浮上してアオコ分離水槽9の傾斜仕切板9d上の表層に押し上げられる。
【0031】
アオコ分離水槽9の表層アオコcは傾斜下段側を水面下に入れた傾斜コンベア17の布製ベルト17a上に掻き上げられて傾斜コンベア17上を上昇し、最上段でスクレーパー18で削り取られ、残りの付着したアオコは圧搾空気dを使って吹き落とされてアオコ回収槽10に回収される。
【0032】
更に、残りの浮上アオコは傾斜仕切板9d上を駆動する傾斜コンベア17により繰り返し掻き上げられ回収する。アオコが除去された採水eは採水流入口9gから採水室9f内に流入し、採水室9f内を流れて反対側の下部に一端が接続された放水管11を流下して元の湖沼1に放流される。このように、アオコと湖水に分離されてアオコは回収槽10に回収され、処理後の採水eの浄化水は放水管11から湖沼1に放流される。
【0033】
このように、本発明は次の二つの技術要素から構成されている。一つが連結した二重管構造からなる浮き取水管5により広範囲の表層アオコを採取する技術。
二つがアオコ分離水槽9で微細気泡を利用してアオコを浮上させて湖水と分離させて回収する技術である。つまり、
(1)吹送流により風下に集積するアオコをその風下で弓状に連結配置した浮き取水管5で受け止める。
(2)浮き取水管5には喫水面近くに複数の呑み口5aを設けてあり、弓状の全長にわたって表層近くのアオコ水aを採水できる。
(3)弓状浮き取水管5の中央部に設けられた水中ポンプ7により、アオコ水aは呑み口5aから内部取水管6内に引き込まれて管中央に向かって流下し、送水管8に送られる。
(4)弓状を形成する浮き取水管5の単管は浮体としての安定と喫水深を維持するために浮き環5bを取り付け、浮き取水管5の下部には下端にウエイト5fを付けたアオコ潜入防止シート5eを吊り下げる。
(5)採水されたアオコ水aは送水管8を通ってアオコ分離水槽9に送られ、微細気泡発生機16でアオコを浮上させてアオコと湖水に分離する。
(6)浮上したアオコは傾斜コンベア17の布製ベルト17aに掬い上げられ、コンベア上段でスクレーパー18で削り取られ、布製ベルト17aに付着したアオコは圧搾空気dで吹き落とされてアオコ回収槽10に回収する。処理後の浄化水は湖沼1に放出される。
【0034】
なお、この発明は上記発明の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
【0035】
【発明の効果】
以上の記載により明らかなように、本発明に係る浮き取水管方式アオコ回収装置によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)湖沼などの閉鎖性水域で異常発生する増殖期のアオコの特性である水面上でマットを形成して水面浮遊し、吹送流により風下に集積する性質を利用して、湖沼の水表面にマットを形成する高密度のアオコを表層取水して採取することによって、吹送流により風下に集積されたアオコ群を広い範囲で効率的に採取でき、効果的且つ経済的にアオコを採取することができる。
(2)アオコ発生水域の風下に弓状に連結し、多数の呑み口を有する浮き取水管の内部取水管により表層のアオコ水を採水するため広範囲に且つ有効にアオコを採取することができる。
(3)採水したアオコ水(アオコを含む湖水の略称)は二重管構造からなる浮き取水管の内部取水管内を通ってアオコ分離水槽に導かれてアオコと湖水に分離され、アオコだけを回収して除去することにより、従来の殺藻アオコの死骸を湖沼などの閉鎖性水域に戻して水底に蓄積させる方法により再発する湖沼などの閉鎖性水域の底質悪化と水質悪化を防止できる。
(4)本発明の装置の設置は現地湖沼における地形やアオコ発生状況に応じて湖沼中央の風下水域に設置することも、風下湖岸水域に設置することも可能で使用場所を限定しない。このように、本発明の装置は湖沼などの閉鎖性水域の中央水域や湖岸水域を問わず、現地湖沼などの閉鎖性水域でのアオコの発生状況に合わせて設置し、利用できる。
(5)本発明の装置は現地での組み立てや解体移設ができるため、近隣の湖沼などの閉鎖性水域間で装置の共有化や融通し合った運用ができる。
(6)本発明の装置はシンプルな構造であるため、従来の設備に比べて効率的で、運転に投入する人員も少なくでき、設備費、運転費、維持管理費の面からみても経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の実施の形態を示す風下湖岸に設置した場合の設備全体平面配置図である。
(B)はこの発明の実施の形態を示す湖沼中央の風下に設置した場合の設備全体平面配置図である。
【図2】(A)はこの発明の実施の形態を示す浮き取水管の側面図である。
(B)はこの発明の実施の形態を示す浮き取水管の断面図である。
【図3】(A)はこの発明の実施の形態を示す浮き取水管と内部取水管のT分岐部の側面図である。
(B)はこの発明の実施の形態を示す浮き取水管と内部取水管のT分岐部の平面図である。
【図4】この発明の実施の形態を示すアオコ回収装置の構成を示す概要図である。
【符号の説明】
1 湖沼
2 湖岸
3 表層アオコ
4 吹送流
5 浮き取水管
5a 呑み口
5b 浮き環
5c 通水口
5d フランジ
5e アオコ潜入防止シート
5f ウエイト
6 内部取水管
6a T分岐部
7 水中ポンプ
8 送水管
8a 浮き環
9 アオコ分離水槽
9a アオコ水注入口
9b 中間隔壁
9c 加圧気泡発生室
9d 傾斜仕切板
9e 下部隔壁
9f 採水室
9g 採水流入口
10 アオコ回収槽
11 放水管
12 防塵網
13 係留索
14 台船
15 係留索
16 微細気泡発生機
17 傾斜コンベア
17a 布製ベルト
18 スクレーパー
a アオコ水
b 微細気泡
c 表層アオコ
d 圧搾空気
e 採水
f 喫水

Claims (4)

  1. 増殖期のアオコの特性である密集してマット状を形成すると閉鎖水域表面に浮上し、吹送流で風下に集積する性質を利用して、外周に浮き環が取付けられ該浮き環により喫水調整され内部に小径の内部取水管を備えた二重管構造の浮き取水管を風下の閉鎖水域表面に弓状に連結設置し、喫水位で内部取水管を浮き取水管の内周に内接すると共に内接する喫水位に複数の呑み口を形成し、喫水位に設けた複数の呑み口から浮上アオコを含む表層水を内部取水管内に引き込む水中ポンプを設けたことを特徴とする浮き取水管方式アオコ回収装置。
  2. 増殖期のアオコの特性である密集してマット状を形成すると閉鎖水域表面に浮上し、吹送流で風下に集積する性質を利用して、外周に浮き環が取付けられ該浮き環により喫水調整され内部に小径の内部取水管を備えた二重管構造の浮き取水管を風下の閉鎖水域表面に弓状に連結設置し、喫水位で内部取水管を浮き取水管の内周に内接すると共に内接する喫水位に複数の呑み口を形成し、喫水位に設けた複数の呑み口から浮上アオコを含む表層水を内部取水管内に引き込む水中ポンプを設け、採水されたアオコを含む表層水をアオコ分離水槽に送る送水管を配設し、送水管の一端側を内部取水管に接続し他端側をアオコ分離水槽に接続し、発生した微細気泡でアオコを含む表層水からアオコを水槽表面に分離浮上させる微細気泡発生機をアオコ分離水槽の水槽底部に設置し、水槽表面に浮上させたアオコをアオコ回収槽に搬送する傾斜コンベアを設け、アオコを除去した採水を元の閉鎖水域に戻す放水管を設け、放水管の一端側をアオコ分離水槽に接続し他端側を閉鎖水域に接続したことを特徴とする浮き取水管方式アオコ回収装置。
  3. アオコ分離水槽は陸上に設置されている請求項2記載の浮き取水管方式アオコ回収装置。
  4. アオコ分離水槽は閉鎖水域に浮かぶ台船上に搭載されている請求項2記載の浮き取水管方式アオコ回収装置。
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