JP2005045463A - Sound-to-electric transducer element - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は音響電気変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のマイクロフォンは、ダイアフラムを或る張力で貼り付けているもので、その振動板の質量やバネ定数によって、共振周波数が一意的に決まってしまっていた。公称では、周波数特性はフラットであると規定されていても、その振動板固有の共振周波数から遠ざかるにつれて、感度が低下する場合があるのは当然の現象である。ダイナミックレンジが広いマイクロフォンを実現する手法として、振動板の大きさやバネ定数が異なる振動板を複数個配置する手法が報告されている(特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0003】
一方、音圧による振動板の振動変位を静電容量として検出するコンデンサマイクロフォンと比較して、音圧によって振動する振動板に光を照射し、その反射光の光強度の変化を振動板の振動変位として検出する光マイクロフォンは、指向性、耐雑音性といった観点から優れた特性が期待されている。しかし、従来の光マイクロフォンは、振動板に気体レーザ、固体レーザ或いは半導体レーザダイオードの出力光を照射し、その反射光の光強度の変化を振動板の振動変位として検出するものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−292498号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2001−231100号公報
【0006】
【非特許文献1】
ロッシ著,福田国弥,中井祥夫,加藤利三訳,物理学叢書「光学」,吉岡書店(1967)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1及び特許文献2において提案された方法では、機械的な構造や寸法の制約による不具合がある。又、実装においても、製品群が増加するため歩留まりの低下が懸念される。
【0008】
又、従来の光マイクロフォンの構造では、振動板に対して入射する光の入射光学系及び、反射光を所定のフォトディテクタへと導く反射光学系において、高い光学精度が要求される。そのため、入射光及び反射光に任意の光路をとらせるために、光ファイバ、光ガイドが用いられている。又、フォトディテクタ面において、振動板の振動変位に対応する反射光の移動幅を大幅に増大させるため、受光・発光素子の搭載された基板と振動板との間にレンズ素子の設置等の措置をとっている。即ち、従来の光マイクロフォンの集光方式では、振動板から反射される光波は広がるため、微小な振動板の振動変位をフォトディテクタで検知し、光強度の違いを検出するために強い光強度が必要で、このためには光路の補助や補正する要素を必要とした。そのため、発光・受光素子と振動板以外に、高度な位置合わせを行う光学素子や、新たなシステムを必要とし、かつ高精度な光学的アライメントが要求される。したがって、製品としての歩留まりの低下を招く恐れがある。それに付随してシステムとしてのコストも高くなってしまう。又、光ファイバや光ガイドを用いた場合、その使用範囲、用途は一気に限定されてしまう。
【0009】
本発明は、より簡素かつ小面積の構造で、ダイナミックレンジが広く、幅広い用途に使用可能な音響電気変換素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の特徴は(イ)回折格子を備え、音圧により振動する振動板と、(ロ)回折格子に光を照射する光源と、(ハ)回折格子で回折した光を検知し電気信号に変換する光検出器とを備え、振動板の変位を電気信号に変換する音響電気変換素子であることを要旨とする。
【0011】
本発明の特徴において、光検出器には、フォトダイオードアレイ等のイメージセンサを用いるのが好ましい。即ち、光検出器は、光強度の違いを検出するのではなく、回折像の2次元的な像の検出により、2次元的な振動板の変位の検出を行う。このため、イメージセンサは、回折像を漏れなく検知できるように、回折光に対して十分に広いエリアが確保されている。
【0012】
本発明の特徴によれば、回折格子によって回折光が自己結像するので、従来の音響電気変換素子で必要とした、振動板からの反射光を絞るためのレンズ、光波を任意の方向へ導くための光ファイバ或いは光ガイド等の導波路の必要性が無くなる。回折効果により自ら結像するため、イメージセンサ面において、フォーカシングすることができ、高い分解能で検出することができる。又、振動板に対して入射させる入射光の光路に関しても制約が大幅に軽減される。振動板に対する入反射光の光学的な制約が軽減され、シンプルなシステムが構成でき、小型化が可能になり、使用できるアプリケーションが広がる。更に、光検出器にイメージセンサを用いることによって画素上において検出と同時にデジタル変換することも可能であり、A/Dコンバータが不要にもなり、応答速度も向上し、回路規模を小さくでき、この結果、デバイスコストの減少もはかれる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の第1及び第2の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0014】
又、以下に示す第1及び第2の実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0015】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る音響電気変換素子は、図1に示すように、回折格子を備え、音圧により振動する振動板2と、回折格子に光を照射する光源1と、回折格子で回折した光を検知し電気信号に変換する光検出器3とを備えている。
【0016】
図1に示す光検出器3には、フォトダイオードアレイ等のイメージセンサを用いるのが好ましい。即ち、光検出器3は、光強度の違いを検出するのではなく、回折像の2次元的な像の検出により、2次元的な振動板2の変位の検出を行う。このため、フォトダイオードアレイ3は、回折像を漏れなく検知できるように、回折光に対して十分に広いエリアが確保されている。
【0017】
第1の実施の形態に係る音響電気変換素子においては、光源1より照射された光が、振動板2に入射すると、振動板2には反射型の回折格子が形成されているので、光源1から照射された光波は回折格子で反射し、フォトダイオードアレイ3の面上で回折像をもたらす。この様に、第1の実施の形態に係る音響電気変換素子は、反射型回折格子を備えた振動板2の変位を光学的に光検出器3で検出し、更にこれを電気信号に変換する。
【0018】
このため、振動板2は、固定部4a,4bから弾性接続部5a,5bで吊るされている。具体的には、図2に示すように、支持基板11に設けられた固定部4a,4bに弾性接続部5a,5bを介して振動板2が懸架されている。平面パターンとして見れば、固定部4a,4bは、支持基板11の上面に設けられた空洞部9Rを囲む額縁状の形状である。そして、振動板2は、図2に示すような断面が舟形の空洞部9Rの上部に、ダイアフラム状の蓋として配置されている。
【0019】
固定部4a及び4bはそれぞれ、単結晶Siからなる支持基板11上に順に堆積された埋め込み絶縁膜12,素子分離絶縁膜13,層間絶縁膜14,パッシベーション膜15から構成されている。振動板2も埋め込み絶縁膜12,素子分離絶縁膜13,層間絶縁膜14,パッシベーション膜15からなる積層構造である。
【0020】
弾性接続部5a及び5bは、埋め込み絶縁膜12,素子分離絶縁膜13,層間絶縁膜14から構成され、素子分離絶縁膜13の層にポリシリコン接続体21a,21bが埋め込まれている。
【0021】
振動板2に設けられる反射型の回折格子は、図3(a)に示す2次元回折格子でも、図3(b)に示す1次元回折格子でも構わない。図3(a)では、振動板2にマトリクス状に配置された複数の穴(凹部)Hi−1,1,・・・・・,Hi,1,H1,2,H1,3,・・・・・,Hi+2,6により2次元回折格子が構成された例を示している。又、図3(b)では、振動板2に周期的に配置された複数の溝G1,G2,G3,・・・・・,G6により1次元回折格子を構成した例を示している。
【0022】
なお、図4に示すように、複数の振動板Qi−1,j−1,Qi−1,j,Qi−1,j+1,・・・・・,Qi,j−1,Qi,j,Qi,j+1,・・・・・,Qi+1,j−1,Qi+1,j,Qi+1,j+1,・・・・・をマトリクス状に配列しても良い。図4では、複数の振動板Qi−1,j−1,Qi−1,j,Qi−1,j+1,・・・・・,Qi,j−1,Qi,j,Qi,j+1,・・・・・,Qi+1,j−1,Qi+1,j,Qi+1,j+1,・・・・・は、支持基板の表面に格子状に形成された固定部4a,4bに、2本の折れ曲がり構造の弾性接続部5a,5bを介して懸架されている。弾性接続部5aはスリット6a,6bに挟まれて、1箇所のL型折れ曲がり部を有している。一方、弾性接続部5bはスリット6a,6bに挟まれて、2箇所のL型折れ曲がり部を有している。図2は、図4のA−A方向からみた断面図に相当する。
【0023】
図4において、行方向に配列された振動板Qi−1,j−1,Qi−1,j,Qi−1,j+1,・・・・・を相互に弾性的に直結し振動子チェーン(振動子鎖)を構成し,同様に行方向の振動板Qi,j−1,Qi,j,Qi,j+1,・・・・・で振動子チェーン(振動子鎖)を構成し、振動板Qi+1,j−1,Qi+1,j,Qi+1,j+1,・・・・・で振動子チェーン(振動子鎖)を構成し、これら各行毎に異なる共振周波数の振動子チェーンになるようにすれば、極めて広帯域の音響電気変換素子が提供できる。或いは、列方向に同様な振動子チェーンを構成し、各列毎に異なる共振周波数の振動子チェーンになるようにしても良い。更に、行方向及び列方向に走行する両方の固定部4a,4bをともに固定梁として機能させ、各振動板Qi−1,j−1,Qi−1,j,Qi−1,j+1,・・・・・,Qi,j−1,Qi,j,Qi,j+1,・・・・・,Qi+1,j−1,Qi+1,j,Qi+1,j+1,・・・・・を独立に振動させる振動モードも可能である。そして、2次元マトリクスとして配列された個々の振動板Qi−1,j−1,Qi−1,j,Qi−1,j+1,・・・・・,Qi,j−1,Qi,j,Qi,j+1,・・・・・,Qi+1,j−1,Qi+1,j,Qi+1,j+1,・・・・・の共振周波数をすべて異なるようにすれば、極めて広帯域の音響電気変換素子が提供できる。
【0024】
図1に示す状態で、図2〜図4に示すような構造の回折格子を有する振動板2に音圧が入力されると、振動板2は、弾性接続部5a,5bと固定部4a,4bとの境界を支点として振動する。図1で、振動板2が変位する前の回折像を太い実線及び太い破線で示している。振動板2が静止時、即ち音声による入力の無い場合には、光源1より照射された光によって、図1中の太い実線及び太い破線で示すような間隔でフォトダイオードアレイ3の面上に回折像が現れる。
【0025】
音声による入力があり、振動板2とフォトダイオードアレイ3間との距離fが変化すると、フォトダイオードアレイ3の面上の回折像の間隔が細い実線及び細い破線で示すように、2次元的に変化する。図1中の細い実線及び細い破線は、振動板2の振動に伴い回折像の間隔が変化したことを示している。
【0026】
この様に、フォトダイオードアレイ3の上で得られた回折像は、ある同次、同方位の回折像に注目すると振動の前後で、フォトダイオードアレイ3の上で差分が得られる。フォトダイオードアレイ3の上での、回折像の変位を検出することで、振動板2の振動変位として出力する。
【0027】
第1の実施の形態に係る音響電気変換素子によれば、回折格子によって自己結像する回折光を用いることにより、従来の音響電気変換素子で必要とした、振動板2からの反射光を絞るためのレンズ、光波を任意の方向へ導くための光ファイバ或いは光ガイドといった導波路の設置の必要性が無くなる。光波の回折効果を利用するため、レンズ等を介さなくても自ら結像するため、フォトダイオードアレイ3の表面において、フォーカシングすることができ、高い分解能で検出することができる。又、振動板2に対して入射させる入射光の光路に関しても制約が大幅に軽減される。
【0028】
振動板2に対する入反射光の光学的な制約が軽減されるため、第1の実施の形態に係る音響電気変換素子によれば、シンプルなシステムが構成でき、小型化することも可能になり使用できるアプリケーションが広がる。
【0029】
更に、第1の実施の形態に係る音響電気変換素子によれば、光検出器3にフォトダイオードアレイ3を用いることによって、画素上において検出と同時にデジタル変換されている。このため、A/Dコンバータが不要にもなり、応答速度も向上し、回路規模を小さくできる。図1に示すような、反射型回折格子においては、光源1、フォトダイオードアレイ3の電源、駆動回路、処理回路を同一基板で形成することができる。更に、フォトダイオードアレイ3やその周辺回路同様、回折格子を形成した振動板2を半導体製造プロセスで製造することができる。
【0030】
この結果、第1の実施の形態に係る音響電気変換素子の製造コストを減少することが可能になる。
図2から容易に理解できるように、振動板2上の回折格子を形成する際、つまり、基板上に溝・格子を形成するにあたって、半導体製造プロセスを用いることは有用である。半導体製造プロセスを用いることにより、任意の格子周期を有する回折格子を再現性良く形成でき、量産に適している。
【0031】
又、支持基板11として用いる半導体基板は様々な物性を有していることから、振動板2の質量やバネ定数を容易に変更できる。例えば、振動板2にシリコン(Si)を用い(図15参照。)、光源1に波長λ=1000nm以下のレーザを使用し、格子の側壁に反射率の高い物質をコートすれば、シリコン部に入射した光は吸収し、格子側壁からの回折光のみをフォトダイオードアレイ3の上へ回折させるため、フォトダイオードアレイ3への迷光をカットし、結果S/Nを向上させることができる。
【0032】
本発明の第1の実施の形態に係る音響電気変換素子を説明するにあたって、振動板2が振動することによって、検出面において回折像の変位が変化する現象について、y−z平面からなる2次元回折格子を例にとり説明する。格子面上での二つの直交軸y,zを、図5に示すように、穴の並んでいる直線と平行にとり、y軸方向及びz軸方向での穴の間隔をそれぞれhy,hzとする。特定の1つの穴の中心を原点にとると、他のすべての穴の座標(y,z)はhy,hzの整数倍となる。
【0033】
図6に示すように、y−z平面で回折した回折光の方向がy軸となす角θyの余弦(cosθy)をγy=cosθyとし、回折光の方向がz軸となす角θzの余弦(cosθz)をγz=cosθzとし、y方向の次数kyを整数とすると:
hyγy =kyλ (1)
を満たす条件ではy軸方向に平行に並んだ穴から生じる擾乱は焦点面に同じ位相で到達する。同様に、kz(z方向の次数)を整数とすると:
hzγz =kzλ (2)
を満たす条件ではz軸に平行に並んだ穴から生じる擾乱が同位相になる。
【0034】
回折格子に対して、式(1)と式(2)を同時に満たすような方向に対応する点ではすべての穴から生じる擾乱が同位相になっている。穴が多数存在すると、光の強度は式(1)と式(2)で決まる点の極めて近傍に集中する。したがって、フォトダイオードアレイ3の焦点面上では、暗い背景の上に明るい斑点が矩形格子状に並んだ模様になる。図7(a)はこれを示している。斑点の各々は点光源1の別々の像と考えられる。焦点距離をfaとすると、y軸方向に沿ってこの斑点の間隔pyは:
py=faλ/hy (3)
となり、z軸方向に沿っての間隔pzは:
pz =faλ/hz (4)
となる。図7(a)で各々の斑点につけた数字はkyとkzを示している。図7(b)は1次元の回折格子を用いた場合に生じる回折像である。
【0035】
ここで、光波を検出するフォトダイオードアレイ3側は固定体、一方回折格子を形成した振動板2は可動体であるため、回折格子が形成された振動板2が音圧によって振動するということは、回折格子−フォトダイオードアレイ3間の焦点距離が変化するということになる。つまり、回折格子を形成した振動板2が音圧によって振動し、回折格子の焦点距離が図8に示すように、faからfbに変化すると、回折格子に刻まれた格子周期は不変であるから式(3)及び式(4)からフォトダイオードアレイ3上でのy軸方向に沿っての斑点の間隔py mdは:
py md=fbλ/hy (5)
となり、z軸方向に沿っての間隔pz mdは:
pz md=fbλ/hz (6)
となる。
【0036】
2次元回折格子が振動し、焦点距離がfaからfbに変化した場合に、フォトダイオードアレイ3の面上において、斑点の間隔も変化した様子を模式的に示したものを図9に示す。なお、0次の回折像(図7(a)において0,0と表記されたポイント)は、振動板2が振動し、焦点距離faがfbに変化しても変位しない。式(3)、式(4)、式(5)、式(6)で示したように、各々の回折像がフォトダイオードアレイ3の面において2次元的に変位することになる。或る1つの回折像(0次以外の回折像)に注目すると、フォトダイオードアレイ3の面上で、振動板2の振動に対応し、2次元的に変位する挙動を示す。この挙動により、フォトダイオードアレイ3の上では、光波の取り込まれるエリアと、取り込まれないエリアが振動板2の振動に伴って、微小時間毎に変化する。
【0037】
又、1次元の回折格子が振動し、焦点距離がfaからfbに変化した場合に、フォトダイオードアレイ3の面上において、斑点の間隔も変化した様子を模式的に示したものを図10に示す。
【0038】
さて、第1の実施の形態に係る音響電気変換素子において、任意の時間t=t1のとき、図11に示すように、回折像がフォトダイオードアレイ3からなるイメージセンサ上に2次元に配列しているとする。この状態で、音圧が加わったt=t1+t2のとき、振動板2が下方に沈み込むため、回折像がシフトする。次に、振動板2が反発し、t=t1+t2+t3、t=t1+t2+t3+t4を経て、最初の位置にt=t1+t2+t3+t4+t5後に戻る。これが、1つの入力した音の周波数に対応する振動板2の振動である。
【0039】
t=t1+t2+t3+t4+t5の時間を算出することで、振動板2の振動の周期が得られる。又、フォトダイオードアレイ3のどのセル(フォトダイオード)部分に感度があるかをあらかじめ記憶しておき、振動が加わり、記憶しておいたセル(フォトダイオード)部に再び感度が認められたときに、一回の振動の周期として認識することができる。又、振動板2の一回の振動の周期に対して、時系列的にどのセル(フォトダイオード)に感度があるかを参照することで更に高感度の検出を可能にする。
【0040】
この様に、第1の実施の形態に係る音響電気変換素子では、音圧の入力の前後における回折像の変位を微小な間隔で整然と配列されたフォトダイオードアレイ3にて検出し振動板2の変位量に相当する信号を出力する。フォトダイオードアレイ3が設置されている基板に駆動回路、信号処理回路を半導体製造プロセスにより一体化して製造することにより、よりコンパクト、より低コストで提供することができる。又、同一基板で形成することにより、反応性の良いシステムを実現できる。更に、配線に起因する電気抵抗を抑制することが可能となり、電気的に安定となる。
【0041】
ここで、回折像の2次元的な変位をより高い解像度で検出することを考慮した場合、フォトダイオードアレイ3を構成するそれぞれのフォトダイオードの1つ当たりのセル面積及びセルの相互の間隔が小さくすることが望ましい。
【0042】
図12〜図14を用いて、図2に示した本発明の第1の実施の形態に係る音響電気変換素子の製造方法を説明する。なお、以下に述べる音響電気変換素子の製造方法は、一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である。
【0043】
(イ)まず、図12(a)に示すように、単結晶Siからなる支持基板11上に埋め込み絶縁膜(SOI酸化膜)12、単結晶Si層(SOI層)10が順次積層された、いわゆるSOI基板を準備する。 次に、単結晶Si層10を、例えば反応性イオンエッチング(RIE)法等の技術により、選択的にエッチング除去する。図12(a)では、あたかも完全にエッチング除去されているように図示されているが、周辺回路形成予定領域等には単結晶Si層10を残留させる。
【0044】
そして、素子分離絶縁膜13を化学気相堆積(CVD)法等の技術により形成し、化学的機械研磨(CMP)法等により図12(b)に示すように平坦化する。図12(b)に示す平坦化工程により、周辺回路形成予定領域では、素子分離絶縁膜13に囲まれて、いわゆる「活性領域」が定義される。
【0045】
(ロ)次に、図2に示すポリシリコン接続体21a、21bの形成予定領域の素子分離絶縁膜13を、例えばRIE法等により選択的にエッチング除去し、図12(c)に示すような溝部20a、20bを形成する。図示を省略した周辺回路が、通常の標準的なMOS集積回路の製造方法に同時に作り込まれる。詳細は省略するが、活性領域として露出した単結晶Si層10の表面を熱酸化して、厚さ50nm〜100nmのゲート酸化膜を形成する。この際Vth制御イオン注入を加えても良い。次に、ゲート酸化膜の上の全面にCVD法によりポリシリコン膜を300nm〜600nm程度、例えば400nm堆積する。この際、溝部20a、20bにもポリシリコン膜が埋め込まれる(図12(d))。次にフォトレジスト膜(以下において、単に「フォトレジスト」という。)をポリシリコン膜の表面にスピン塗布する。そして、フォトリソグラフィー技術により、フォトレジストをパターニングする。そして、このフォトレジストをマスクとして、RIE法等によりポリシリコン膜をエッチングして、ゲート電極及びポリシリコン配線(図示しない)を形成する。その後、フォトレジストを除去し、新たなフォトレジストをゲート電極の表面にスピン塗布する。そして、次に、フォトリソグラフィー技術を用いて、MOSトランジスタ形成領域にイオン注入用開口部を形成し、ポリシリコンゲート電極を露出させる。そして、露出したポリシリコンゲート電極と新たなフォトレジストをマスクとして、自己整合的に、ヒ素イオン(75As+)をドーズ量1015cm−2のオーダーでイオン注入する。このとき、ポリシリコンゲート電極にもヒ素(75As+)がイオン注入される。新たなフォトレジストを除去してから、単結晶Si層10を熱処理し、注入した不純物イオンを活性化及び拡散し、単結晶Si層10の活性領域にn型ソース領域及びn型ドレイン領域を形成する。但し、単結晶Si層10中の活性領域や、その内部のn型ソース領域、n型ドレイン領域、n型不純物領域及びn型不純物領域等は図示を省略している。溝部20a、20bにポリシリコン膜を埋め込む際には、必要に応じて、エッチバック等の平坦化プロセスを採用する。
【0046】
(ハ)次に図13(e)に示すように、素子分離絶縁膜13の表面に層間絶縁膜14を全面に形成する。層間絶縁膜14は図示を省略した周辺回路形成予定領域のポリシリコンゲート電極の上等にも堆積される。層間絶縁膜14を全面に形成後、層間絶縁膜14の表面をCMP法で平坦化する。更に、図13(f)に示すように、層間絶縁膜14の上に、CVD法を用いてパッシベーション膜15を形成する。
【0047】
(ニ)次にフォトリソグラフィー技術及びRIE法等を用いて、パッシベーション膜15を選択的にエッチング除去して、反射型の2次元回折格子を構成する穴Hi1、Hi2、・・・・・、Hi6を図13(g)に示すように形成する。この際、図13(g)に示すように、ポリシリコン接続体21a、21b及びその周辺部の上方の位置には、溝22a、22bが形成される。
【0048】
(ホ)次に、溝22a、22bの周辺部の層間絶縁膜14と素子分離絶縁膜13と埋め込み絶縁膜(SOI酸化膜)12とを、フォトリソグラフィー技術及びRIE法若しくはECRイオンエッチング法等によりエッチングし、図14(h)に示すように、溝部23a,23b、23c、23dを形成する。
【0049】
(ヘ)その後、溝部23a,23b、23c、23dの形成により露出した支持基板(単結晶Si)11の表面の一部を、単結晶Siの異方性エッチャント、例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等の薬液を用いて、異方性エッチングを行えば、図14(i)に示すように、空洞部9Rが形成され、本発明の第1の実施の形態に係る音響電気変換素子が完成する。
【0050】
図15に本発明の第1の実施の形態の変形例(第1変形例)に係る音響電気変換素子の断面構造を示す。図2と同様に、支持基板11に設けられた固定部4a,4bに弾性接続部5a,5bを介して振動板2が懸架されている。固定部4a,4bは、支持基板11の上面に額縁状に設けられ、振動板2は扁平な空洞部9Rの上部の蓋として配置されたダイアフラムである。固定部4a及び4bはそれぞれ、単結晶Siからなる支持基板11上に順に堆積された埋め込み絶縁膜12,単結晶Si層(SOI層)10,パッシベーション膜15から構成されている。振動板2は、単結晶Si層10とパッシベーション膜15からなる積層構造である。弾性接続部5a及び5bも単結晶Si層10とパッシベーション膜15からなる積層構造である。
【0051】
図15に示すような反射型の回折格子を有する振動板2を用いても、音圧によって振動した振動板2の振動変位を光で検出する際には、振動板2自身が結像性能を有するため、光路を導くための要素が不要となる。又、フォトダイオードアレイ3によって検出することにより、振動板2の振動変位を2次元的な平面の変位に置き換えることができる。
図16〜図17を用いて、第1変形例に係る音響電気変換素子の製造方法を説明する。なお、以下に述べる音響電気変換素子の製造方法は、一例であり、この一例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である。
【0052】
(イ)まず、図16(a)に示すように、単結晶Siからなる支持基板11上に埋め込み絶縁膜(SOI酸化膜)12、単結晶Si層(SOI層)10が順次積層された、いわゆるSOI基板を準備する。 次に、フォトリソグラフィー技術を用いて素子分離領域を定義し、素子分離領域形成予定の部分の単結晶Si層10を、例えばRIE法等の技術によりエッチング除去する。そして、図16(b)に示すように、素子分離絶縁膜16a、16b、16c、16dとして、シリコン酸化膜(SiO2膜)をCVD法等により埋め込み、CMP法等の技術で平坦化する。図16(b)に示す平坦化工程により、周辺回路形成予定領域では、素子分離絶縁膜13に囲まれて、いわゆる「活性領域」が定義される(以後の説明では、周辺回路に関する記載を省略する。)。
【0053】
(ロ)次に、フォトリソグラフィー技術及びRIE法等を用いて、単結晶Si層10を選択的にエッチングして、図16(c)に示すように反射型の2次元回折格子を構成する穴Hi1、Hi2、・・・・・、Hi6を形成する。このとき、穴Hi1、Hi2、・・・・・、Hi6の底部は、単結晶Si層10の底部より高く形成する。
【0054】
(ハ)次に、図16(d)に示すように、フォトレジスト32を塗布して露光描画によりパターニングし、フォトレジスト32をエッチングマスクにして単結晶Si層10と埋め込み絶縁膜12とをRIE法等によりエッチングし、溝41a、41bを形成する。
【0055】
(ニ)次に、図17(e)に示すように、パッシベーション膜15としてシリコン窒化膜(Si3N4膜)を減圧CVD法等により形成し、穴Hi1、Hi2、・・・・・、Hi6及び溝41a、41bを埋め込む。更に、フォトレジスト33を塗布して露光描画によりパターニングし、フォトレジスト33をエッチングマスクにして、図17(f)に示すように、パッシベーション膜(Si3N4膜)15の一部を選択的にエッチング除去する。
【0056】
(ホ)次に、フォトレジスト33を除去し、パッシベーション膜(Si3N4膜)15をエッチングマスクとして用い、分離絶縁膜16a、16b、16c、16d及び埋め込み絶縁膜12としてのシリコン酸化膜(SiO2膜)のエッチング除去を行えば、図17(g)に示すように、振動板2の底部に選択的に空洞部9Rが形成され、本発明の第1の実施の形態の変形例(第1変形例)に係る音響電気変換素子が完成する。
【0057】
図18に本発明の第1の実施の形態の他の変形例(第2変形例)に係る音響電気変換素子の断面構造を示す。図2及び図15と同様に、支持基板11に設けられた固定部4a,4bに弾性接続部5a,5bを介して振動板2が懸架されている。固定部4a,4bは、支持基板11の上面に額縁状に設けられ、振動板2は舟形の空洞部9Rの上部の蓋として配置されたダイアフラムである。固定部4a及び4bはそれぞれ、単結晶Siからなる支持基板11上に順に堆積されたシリコン窒化膜(Si3N4膜)17,ポリシリコン層からなる埋め込みSi層18a,18e,パッシベーション膜15から構成されている。振動板2は、Si3N4膜17,ポリシリコン層からなる埋め込みSi層18cとパッシベーション膜15からなる積層構造である。弾性接続部5a及び5bもSi3N4膜17,ポリシリコン層からなる埋め込みSi層18b,18dとパッシベーション膜15からなる積層構造である。
【0058】
図18に示すような反射型の回折格子を有する振動板2を用いても、音圧によって振動した振動板2の振動変位を光で検出する際には、振動板2自身が結像性能を有するため、光路を導くための要素が不要となる。又、フォトダイオードアレイ3によって検出することにより、振動板2の振動変位を2次元的な平面の変位に置き換えることができる。
図19〜図21を用いて、第2変形例に係る音響電気変換素子の製造方法を説明する。なお、以下に述べる音響電気変換素子の製造方法は、一例であり、この一例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である。
【0059】
(イ)まず、図19(a)に示すように、単結晶Siからなる支持基板11上に埋め込み絶縁膜(SOI酸化膜)12、単結晶Si層10が順次積層された、いわゆるSOI基板を準備する。 次に、フォトリソグラフィー技術を用いて素子分離領域を定義し、素子分離領域形成予定の部分の単結晶Si層10を、例えばRIE法等の技術によりエッチング除去する。そして、図19(b)に示すように、素子分離絶縁膜16a、16b、16c、16dをCVD法等により埋め込み、CMP法等の技術で平坦化する。この平坦化工程により、周辺回路形成予定領域では、素子分離絶縁膜に囲まれて、いわゆる「活性領域」が定義される(以後の説明では、周辺回路に関する記載を省略する。)。更に、回折格子形成予定領域の単結晶Si層10を、フォトリソグラフィー技術を用いて選択的に除去し、図19(b)に示す構造を得る。図19(b)では、あたかも完全に、単結晶Si層10がエッチング除去されているように図示されているが、周辺回路形成予定領域等には単結晶Si層10を残留させる。
【0060】
(ロ)次に、フォトリソグラフィー技術及びRIE法等を用いて、埋め込み絶縁膜12を選択的にエッチングした後、図19(c)に示すように、シリコン窒化膜(Si3N4膜)17をCVD法により形成する。
【0061】
(ハ)次に、Si3N4膜17の上にポリシリコン層をCVD法で全面に堆積し、CMP法等の技術で図19(d)に示すように、分離絶縁膜16a、16b、16c、16dの上面が露出するまで平坦化する。この結果、分離絶縁膜16a、16b、16c、16dの間に、ポリシリコン層からなる埋め込みSi層18a,18b,18c,18d,18eが埋め込まれる。
【0062】
(ニ)次に、フォトリソグラフィー技術及びRIE法等を用いて、埋め込みSi層18cの一部を選択的にエッチングして、図20(e)に示すように反射型の2次元回折格子を構成する穴Hi1、Hi2、・・・・・、Hi6を形成する。このとき、穴Hi1、Hi2、・・・・・、Hi6の底部は、単結晶Si層10の底部より高く形成する。更に、パッシベーション膜15としてSi3N4膜をCVD法等により全面に形成し、図20(f)に示すように、穴Hi1、Hi2、・・・・・、Hi6を埋め込む。
【0063】
(ホ)次に、図20(g)に示すように、フォトレジスト31を塗布して露光描画によりパターニングし、フォトレジスト31をエッチングマスクにして、分離絶縁膜16a、16b、16c、16dの上面のパッシベーション膜(Si3N4膜)15の一部をRIE法等によりエッチング除去する。
【0064】
(へ)次に、フォトレジスト31を除去し、パッシベーション膜(Si3N4膜)15とSi3N4膜17をマスクとして、分離絶縁膜16a、16b、16c、16d及び埋め込み絶縁膜12としてのシリコン酸化膜(SiO2膜)のエッチング除去を行えば、図21(h)に示すように、振動板2の底部に選択的に空洞部9Rが形成される。更に、このエッチングで露出した支持基板(単結晶Si)11の表面の一部を、単結晶Siの異方性エッチャント、例えばTMAH等の薬液を用いて、異方性エッチングを行えば、図21(i)に示すように、振動板2の下方に空洞部9Rが形成され、本発明の第1の実施の形態の他の変形例(第2変形例)に係る音響電気変換素子が完成する。
【0065】
図22に本発明の第1の実施の形態の更に他の変形例(第3変形例)に係る音響電気変換素子の断面構造を示す。
【0066】
第3変形例に係る音響電気変換素子は、単結晶Siからなる支持基板11上に埋め込み絶縁膜(SOI酸化膜)12、単結晶Si層(SOI層)10が順次積層された、SOI基板の表面に設けられている。第3変形例に係る音響電気変換素子の固定部4a,4bは、単結晶Si層10の上面に設けられた船型の空洞部9Rを囲んで額縁状に設けられ、振動板2はこの空洞部9Rの上部に上に凸となる平坦なブリッジ構造で構成されている。振動板2はポリシリコン層50からなるダイアフラムである。ポリシリコン層50には、穴Hi1,Hi2,・・・・・,Hi6,・・・・・が開口され、反射型の2次元回折格子を構成している。固定部4a及び4bはそれぞれ、SOI基板とその上部のパッシベーション膜53により構成されている。弾性接続部5a及び5bは、ブリッジ構造のポリシリコン層50の端部の傾斜部を利用して構成されている。
【0067】
図22に示すような反射型の回折格子を有する振動板2を用いても、音圧によって振動した振動板2の振動変位を光で検出する際には、振動板2自身が結像性能を有するため、光路を導くための要素が不要となる。又、フォトダイオードアレイ3によって検出することにより、振動板2の振動変位を2次元的な平面の変位に置き換えることができる。
図22に示す第3変形例に係る音響電気変換素子の構造は、前もって、船型の空洞部9Rの形状の犠牲酸化膜を埋め込んでおき、その上にポリシリコン層50を堆積し、2次元回折格子を構成する穴Hi1,Hi2,・・・・・,Hi6,・・・・・を開口した後、穴Hi1,Hi2,・・・・・,Hi6,・・・・・を利用してエッチング液を注入し、犠牲酸化膜を除去すれば簡単に製造できる。
【0068】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る音響電気変換素子は、図23に示すように、回折格子を備え、音圧により振動する振動板2と、回折格子に光を照射する光源1と、回折格子で回折した光を検知し電気信号に変換する光検出器3とを備えている。そして、振動板2に透過型回折格子が形成されている点が、第1の実施の形態に係る音響電気変換素子と異なる点である。振動板2が、固定部4a,4bから弾性接続部5a,5bで吊るされている点は、第1の実施の形態に係る音響電気変換素子と同様である。
【0069】
図23に示す光検出器3には、第1の実施の形態と同様に、フォトダイオードアレイ等のイメージセンサを用いるのが好ましい。即ち、光検出器3は、光強度の違いを検出するのではなく、回折像の2次元的な像の検出により、2次元的な振動板2の変位の検出を行う。このため、フォトダイオードアレイ3は、回折像を漏れなく検知できるように、回折光に対して十分に広いエリアが確保されている。
【0070】
本発明の第2の実施の形態に係る音響電気変換素子においては、光源1より照射された光が、振動板2に入射し、振動板2には透過型の回折格子が形成されているので、光源1から照射された光波は振動板2を透過し、フォトダイオードアレイ3の面上で回折像をもたらす。
【0071】
図23は、回折格子が形成された振動板2が、音声の入力によって振動し、フォトダイオードアレイ3の上での回折像の変位が変化した様子を示す。振動板2が静止時、即ち音声による入力の無い場合は、光源1より照射された光によって、図23中の太い実線及び太い破線で示すような間隔でフォトダイオードアレイ3の面上に回折像が現れる。次に、この状態に音圧が入力されると、振動板2は、弾性接続部5a,5bと基板との境界を支点として振動する。したがって、振動板2とフォトダイオードアレイ3間との距離fが変化し、フォトダイオードアレイ3の面上の回折像の間隔が細い実線及び細い破線で2次元的に変化する。図23中の細い実線及び細い破線は、振動板2の振動に伴い回折像の間隔が変化したことを示している。
【0072】
ここで、フォトダイオードアレイ3の上で得られた回折像について、ある同次、同方位の回折像に注目すると、振動の前後で、フォトダイオードアレイ3の上で差分が得られる。フォトダイオードアレイ3の上での、回折像の変位を検出することで、振動板2の振動変位として出力する。このとき、振動板2の静止時、又は振動時に限らず、連続した振動板2の振動を検出し出力する。回折格子が形成された振動板2は、入力された音声のあらゆる周波数に対しフラットな特性を示すように設計されているが、振動板2の質量或いは固定面と振動板2を繋ぐ弾性接続部5a,5bのバネ定数を異ならせた、振動板2を複数設置して、入力された音声の周波数に対して広帯域により高い感度を有する構造にしても良い。
【0073】
又、フォトダイオードアレイ3やその周辺回路同様、回折格子を形成した振動板2においても、半導体製造プロセスで製造することができる。特に、振動板2上の回折格子を形成する際、つまり基板上に溝・格子を形成するにあたって、半導体製造プロセスを用いることは有用で、任意の格子周期を有する回折格子を再現性良く形成でき量産に適している。又、様々な物性を有していることから、振動板2の質量やバネ定数を容易に変更できる。例えば、振動板2にシリコン(Si)を用い、光源1に波長λ=1000nm以下のレーザを使用し、格子の側壁に反射率の高い物質をコートすれば、シリコン部に入射した光は吸収し、格子側壁からの回折光のみをフォトダイオードアレイ3の上へ回折させるため、フォトダイオードアレイ3への迷光をカットし、結果S/Nを向上させることができる。
【0074】
本発明の第2の実施の形態に係る音響電気変換素子は、具体的には、図24に示すように、支持基板11に設けられた固定部4a,4bに弾性接続部5a,5bを介して振動板2が懸架されている。固定部4a,4bは、支持基板11を貫通する空洞部9Tを囲んで額縁状に設けられ、振動板2はこの空洞部9Tの上部の蓋として配置されたダイアフラムである。
【0075】
固定部4a及び4bはそれぞれ、単結晶Siからなる支持基板11上に順に堆積された埋め込み絶縁膜12,素子分離絶縁膜13,層間絶縁膜14,パッシベーション膜15から構成されている。振動板2も埋め込み絶縁膜12,素子分離絶縁膜13,層間絶縁膜14,パッシベーション膜15からなる積層構造である。
【0076】
弾性接続部5a及び5bは、埋め込み絶縁膜12,素子分離絶縁膜13,層間絶縁膜14から構成され、素子分離絶縁膜13の層にポリシリコン接続体21a,21bが埋め込まれている。
【0077】
振動板2に設けられる透過型の回折格子は、図25(a)に示す2次元回折格子でも、図25(b)に示す1次元回折格子でも構わない。図25(a)では、振動板2にマトリクス状に配置された複数の穴(貫通孔)Hi−1,1,・・・・・,Hi,1,H1,2,H1,3,・・・・・,Hi+2,6により2次元回折格子が構成された例を示している。又、図25(b)では、振動板2に周期的に配置された複数の溝(スリット)G1,G2,G3,・・・・・,G6により1次元回折格子を構成した例を示している。
【0078】
図24では、埋め込み絶縁膜12,素子分離絶縁膜13,層間絶縁膜14,パッシベーション膜15からなる積層構造を貫通して、貫通孔Hi−1,1,・・・・・,Hi,1,H1,2,H1,3,・・・・・,Hi+2,6が開口され、透過型の2次元回折格子を構成している。
【0079】
弾性接続部5a及び5bの水平レベルが振動板2の頂部の水平レベルより低いので、複数の穴(貫通孔)Hi−1,1,・・・・・,Hi,1,H1,2,H1,3,・・・・・,Hi+2,6からなる2次元回折格子で回折する光が、弾性接続部5a及び5bからの反射光と容易に分離でき、S/N比の向上、感度の上に有利な構造となっている。弾性接続部5a及び5bの振動モードは、振動板2の振動モードとは異なるので、弾性接続部5a及び5bからの反射光は、2次元回折格子で回折する光に対する雑音成分として機能するからである。
【0080】
図26に本発明の第2の実施の形態の変形例(第1変形例)に係る音響電気変換素子の断面構造を示す。図24と同様に、支持基板11に設けられた固定部4a,4bに弾性接続部5a,5bを介して振動板2が懸架されている。固定部4a,4bは、支持基板11の上面に額縁状に設けられ、振動板2は支持基板11を貫通する空洞部9Tの上部の蓋として配置されたダイアフラムである。固定部4a及び4bはそれぞれ、単結晶Siからなる支持基板11上に順に堆積されたシリコン窒化膜(Si3N4膜)17,ポリシリコン層からなる埋め込みSi層18a,18e,パッシベーション膜15から構成されている。振動板2は、Si3N4膜17,ポリシリコン層からなる埋め込みSi層18cとパッシベーション膜15からなる積層構造である。弾性接続部5a及び5bもSi3N4膜17,ポリシリコン層からなる埋め込みSi層18b,18dとパッシベーション膜15からなる積層構造である。図26では、Si3N4膜17,埋め込みSi層18cとパッシベーション膜15からなる積層構造を貫通して、貫通孔Hi−1,1,・・・・・,Hi,1,H1,2,H1,3,・・・・・,Hi+2,6が開口され、透過型の2次元回折格子を構成している。貫通孔Hi−1,1,・・・・・,Hi,1,H1,2,H1,3,・・・・・,Hi+2,6の内壁部にも、パッシベーション膜15が堆積されている。
【0081】
図26に示すような透過型の回折格子を有する振動板2を用いても、音圧によって振動した振動板2の振動変位を光で検出する際には、振動板2自身が結像性能を有するため、光路を導くための要素が不要となる。又、フォトダイオードアレイ3によって検出することにより、振動板2の振動変位を2次元的な平面の変位に置き換えることができる。
図27に本発明の第2の実施の形態の他の変形例(第2変形例)に係る音響電気変換素子の断面構造を示す。この第2変形例に係る音響電気変換素子は、単結晶Siからなる支持基板11上に埋め込み絶縁膜(SOI酸化膜)12、単結晶Si層(SOI層)10が順次積層された、SOI基板の表面に設けられている。第2変形例に係る音響電気変換素子の固定部4a,4bは、SOI基板を貫通する空洞部9Tを囲んで額縁状に設けられ、振動板2はこの空洞部9Tの上部に上に凸となる平坦なブリッジ構造で構成されている。振動板2はポリシリコン層50からなるダイアフラムである。ポリシリコン層50には、穴Hi1,Hi2,・・・・・,Hi6,・・・・・が開口され、透過型の2次元回折格子を構成している。固定部4a及び4bはそれぞれ、SOI基板とその上部のパッシベーション膜53により構成されている。弾性接続部5a及び5bは、ブリッジ構造のポリシリコン層50の端部の傾斜部を利用して構成されている。
【0082】
図27に示すような透過型の回折格子を有する振動板2を用いても、音圧によって振動した振動板2の振動変位を光で検出する際には、振動板2自身が結像性能を有するため、光路を導くための要素が不要となる。又、フォトダイオードアレイ3によって検出することにより、振動板2の振動変位を2次元的な平面の変位に置き換えることができる。
【0083】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1及び第2の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0084】
既に述べた第1及び第2の実施の形態の説明においては、穴や溝等の幾何学的形状による回折格子について述べたが、フォトニック結晶のように屈折率の分布により、1次元又は2次元の回折格子を実現しても良い。
【0085】
更に、例えば図28に示すような振動板2としても良い。図28(a)に示す振動板2は、額縁状の固定枠51と、この固定枠51に両端部を固定され、行方向及びこの行方向に直交する列方向にそれぞれ伸延し、額縁状の固定枠51が囲む空間に格子を構成するように配置された複数の固定梁52と、格子の窓部にそれぞれ配置された複数の振動子Xi,j(i=1〜3,j=1〜3)と、複数の振動子Xi,jのそれぞれと固定梁52とを接続する弾性梁lai,j,lbi,j,lci,j,ldi,j(i=1〜3,j=1〜3)とを備える。即ち、それぞれ、一枚の主マスとなるダイアフラム状の振動子Xi,jに、4本の弾性梁lai,j,lbi,j,lci,j,ldi,jで繋がっている。4本の弾性梁lai,j,lbi,j,lci,j,ldi,jは、それぞれ小型の副マスとして機能する。
【0086】
図28(b)に示すように、この振動板2には、固定梁52のエッジea、振動子Xi,jのエッジeb、弾性梁lai,j,lbi,j,lci,j,ldi,jのエッジecから回折格像がそれぞれ検出できる。エッジeaにおいては、固定梁52のマスが大きいため周波数の低い帯域に感度を有し、以下振動子Xi,jのエッジeb、弾性梁lai,j,lbi,j,lci,j,ldi,jのエッジecと共振周波数が異なるエレメントが存在するため、広帯域の周波数を所謂一枚の振動板2で構築することが可能となる。即ち、それぞれのエッジea,eb,ecの関係する質量を考慮すると、エッジea,eb,ecの共振周波数をfa0,fb0,fc0とすれば
fa0<fb0<fc0 (7)
の関係が得られる。センサ面上では、3種類の異なる配列で並ぶ回折像が現れるが、一番変位の大きな回折像を検出に用いることで、任意の周波数に追随できる。
【0087】
この様に、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、簡素かつ小面積の構造で、ダイナミックレンジが広く、幅広い用途に使用可能な音響電気変換素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る音響電気変換素子の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る音響電気変換素子の具体的な構造例を示す断面図である。
【図3】図3(a)は、反射型の2次元回折格子を示す鳥瞰図、図3(b)は反射型の1次元回折格子を示す鳥瞰図である。
【図4】複数の振動板をマトリクス状に配列した場合の、本発明の第1の実施の形態に係る音響電気変換素子の平面図である。
【図5】2次元回折格子を説明する模式図である。
【図6】回折光の位相の関係を説明する模式図である。
【図7】図7(a)は2次元の回折格子を用いた場合に生じる回折像で、図7(b)は1次元の回折格子を用いた場合に生じる回折像である。
【図8】回折格子の焦点距離の変化を説明する模式図である。
【図9】2次元回折格子が振動し、焦点距離がfaからfbに変化した場合に、フォトダイオードアレイの面上における斑点の間隔の変化を模式的に示す図である。
【図10】1次元回折格子が振動し、焦点距離がfaからfbに変化した場合に、フォトダイオードアレイの面上における斑点の間隔の変化を模式的に示す図である。
【図11】振動板の振動の周期を求める方法を説明する模式図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る音響電気変換素子の製造方法を説明する工程断面図である(その1)。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る音響電気変換素子の製造方法を説明する工程断面図である(その2)。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る音響電気変換素子の製造方法を説明する工程断面図である(その3)。
【図15】本発明の第1の実施の形態の変形例(第1変形例)に係る音響電気変換素子の具体的な構造例を示す断面図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態の第1変形例に係る音響電気変換素子の製造方法を説明する工程断面図である(その1)。
【図17】本発明の第1の実施の形態の第1変形例に係る音響電気変換素子の製造方法を説明する工程断面図である(その2)。
【図18】本発明の第1の実施の形態の他の変形例(第2変形例)に係る音響電気変換素子の具体的な構造例を示す断面図である。
【図19】本発明の第1の実施の形態の第2変形例に係る音響電気変換素子の製造方法を説明する工程断面図である(その1)。
【図20】本発明の第1の実施の形態の第2変形例に係る音響電気変換素子の製造方法を説明する工程断面図である(その2)。
【図21】本発明の第1の実施の形態の第2変形例に係る音響電気変換素子の製造方法を説明する工程断面図である(その3)。
【図22】本発明の第1の実施の形態の更に他の変形例(第3変形例)に係る音響電気変換素子の具体的な構造例を示す断面図である。
【図23】本発明の第2の実施の形態に係る音響電気変換素子の構成を示す模式図である。
【図24】本発明の第2の実施の形態に係る音響電気変換素子の具体的な構造例を示す断面図である。
【図25】図25(a)は、透過型の2次元回折格子を示す鳥瞰図、図25(b)は透過型の1次元回折格子を示す鳥瞰図である。
【図26】本発明の第2の実施の形態の変形例(第1変形例)に係る音響電気変換素子の具体的な構造例を示す断面図である。
【図27】本発明の第2の実施の形態の他の変形例(第2変形例)に係る音響電気変換素子の具体的な構造例を示す断面図である。
【図28】本発明の他の実施の形態に係る音響電気変換素子の平面図である。
【符号の説明】
1…光源
2…振動板
3…光検出器(フォトダイオードアレイ)
4a,4b…固定部
5a,5b…弾性接続部
9R,9T…空洞部
10…単結晶Si層(SOI層)
11…支持基板
12…埋め込み絶縁膜
13…素子分離絶縁膜
14…層間絶縁膜
14…層間絶縁膜
15,53…パッシベーション膜
16a…素子分離絶縁膜
17…シリコン窒化膜(Si3N4膜)
18a,18b,18c,18d,18e…埋め込みSi層
20a,20b…溝部
21a,21b…ポリシリコン接続体
22a,22b,23a,213b,23c,23d,41a,41b…溝
31,32,33…フォトレジスト
50…ポリシリコン層
51…固定枠
52…固定梁
G1,G2,G3,・・・・・,G6…溝
Hi−1,1,・・・・・,Hi,1,H1,2,H1,3,・・・・・,Hi+2,6…穴(凹部又は貫通孔)
Qi−1,j−1,Qi−1,j,・・・・・,Qi,j−1,・・・・・,Qi+1,j,Qi+1,j+1,・・・・・…振動板
Xi,j…振動子
ea,eb,ec…エッジ
lai,j,lbi,j,lci,j,ldi,j…弾性梁[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an acoustoelectric transducer.
[0002]
[Prior art]
The conventional microphone has a diaphragm attached with a certain tension, and the resonance frequency is uniquely determined by the mass of the diaphragm and the spring constant. Nominally, even though the frequency characteristic is defined to be flat, it is a matter of course that the sensitivity may decrease as the distance from the resonance frequency inherent in the diaphragm increases. As a technique for realizing a microphone with a wide dynamic range, a technique of arranging a plurality of diaphragms having different diaphragm sizes and spring constants has been reported (see
[0003]
On the other hand, compared to a condenser microphone that detects the vibration displacement of the diaphragm due to sound pressure as a capacitance, light is irradiated to the diaphragm that vibrates due to sound pressure, and the change in the light intensity of the reflected light is reflected in the vibration of the diaphragm. An optical microphone detected as a displacement is expected to have excellent characteristics from the viewpoints of directivity and noise resistance. However, the conventional optical microphone irradiates the output light of a gas laser, a solid-state laser or a semiconductor laser diode on the vibration plate, and detects the change in the light intensity of the reflected light as vibration displacement of the vibration plate.
[0004]
[Patent Document 1]
JP 2001-292498 A
[0005]
[Patent Document 2]
JP 2001-231100 A
[0006]
[Non-Patent Document 1]
Rossi, Kuniya Fukuda, Yoshio Nakai, Toshizo Kato, Physics Series "Optics", Yoshioka Shoten (1967)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The methods proposed in
[0008]
In the conventional optical microphone structure, high optical accuracy is required in the incident optical system for the light incident on the diaphragm and the reflective optical system for guiding the reflected light to a predetermined photodetector. Therefore, an optical fiber and a light guide are used to allow the incident light and the reflected light to take arbitrary optical paths. Also, in order to greatly increase the reflected light movement width corresponding to the vibration displacement of the diaphragm on the photodetector surface, measures such as installing a lens element between the substrate on which the light receiving / emitting element is mounted and the diaphragm are taken. I'm taking it. That is, in the conventional optical microphone condensing method, the light wave reflected from the diaphragm spreads, so a strong light intensity is required to detect the vibration displacement of the minute diaphragm with a photodetector and detect the difference in light intensity. For this purpose, it is necessary to assist the optical path and to correct it. Therefore, in addition to the light emitting / receiving element and the diaphragm, an optical element that performs advanced alignment and a new system are required, and high-precision optical alignment is required. Therefore, there is a risk of reducing the yield as a product. Accompanying this, the cost of the system also increases. In addition, when an optical fiber or a light guide is used, its use range and application are limited at a stretch.
[0009]
An object of the present invention is to provide an acoustoelectric transducer having a simpler and smaller area structure, a wider dynamic range, and usable for a wide range of applications.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention is characterized in that (a) a diffraction grating is provided and vibrates by sound pressure, (b) a light source that irradiates light to the diffraction grating, and (c) diffraction by the diffraction grating. The gist of the present invention is an acoustoelectric conversion element that includes a photodetector that detects the converted light and converts it into an electric signal, and converts the displacement of the diaphragm into an electric signal.
[0011]
In the characteristics of the present invention, it is preferable to use an image sensor such as a photodiode array for the photodetector. That is, the photodetector does not detect the difference in light intensity, but detects the displacement of the two-dimensional diaphragm by detecting the two-dimensional image of the diffraction image. For this reason, the image sensor has a sufficiently large area for the diffracted light so that the diffraction image can be detected without omission.
[0012]
According to the feature of the present invention, since the diffracted light is self-imaged by the diffraction grating, the lens for narrowing the reflected light from the diaphragm, which is necessary for the conventional acoustoelectric transducer, and the light wave are guided in an arbitrary direction. Therefore, the need for a waveguide such as an optical fiber or a light guide is eliminated. Since the image is formed by the diffraction effect, focusing can be performed on the image sensor surface, and detection can be performed with high resolution. In addition, restrictions on the optical path of incident light incident on the diaphragm are greatly reduced. The optical restriction of incident / reflected light on the diaphragm is reduced, a simple system can be configured, miniaturization is possible, and the usable applications are expanded. Furthermore, by using an image sensor for the photodetector, it is possible to perform digital conversion simultaneously with detection on the pixel, eliminating the need for an A / D converter, improving the response speed, and reducing the circuit scale. As a result, the device cost can be reduced.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, first and second embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. In the following description of the drawings, the same or similar parts are denoted by the same or similar reference numerals. However, it should be noted that the drawings are schematic, and the relationship between the thickness and the planar dimensions, the ratio of the thickness of each layer, and the like are different from the actual ones. Therefore, specific thicknesses and dimensions should be determined in consideration of the following description. Moreover, it is a matter of course that portions having different dimensional relationships and ratios are included between the drawings.
[0014]
Further, the following first and second embodiments exemplify apparatuses and methods for embodying the technical idea of the present invention, and the technical idea of the present invention is a component part. The material, shape, structure, arrangement, etc. are not specified below. The technical idea of the present invention can be variously modified within the scope of the claims.
[0015]
(First embodiment)
As shown in FIG. 1, the acoustoelectric transducer according to the first embodiment of the present invention includes a
[0016]
An image sensor such as a photodiode array is preferably used for the
[0017]
In the acoustoelectric transducer according to the first embodiment, when the light irradiated from the
[0018]
For this reason, the
[0019]
Each of the fixing
[0020]
The
[0021]
The reflection type diffraction grating provided on the
[0022]
As shown in FIG. 4, a plurality of diaphragms Qi-1, j-1, Qi-1, j, Qi-1, j + 1, ..., Qi, j-1, Qi, j, Qi, j + 1, ..., Qi + 1, j-1, Qi + 1, j, Qi + 1, j + 1,... May be arranged in a matrix. In FIG. 4, a plurality of diaphragms Qi-1, j-1, Qi-1, j, Qi-1, j + 1, ..., Qi, j-1, Qi, j, Qi, j + 1, ..., Qi + 1, j-1, Qi + 1, j, Qi + 1, j + 1,... Are suspended from fixing
[0023]
In FIG. 4, diaphragms Q arranged in the row direction.i-1, j-1, Qi-1, j, Qi-1, j + 1Are elastically coupled directly to each other to form a vibrator chain (vibrator chain).i, j-1, Qi, j, Qi, j + 1, ... constitute a vibrator chain (vibrator chain), and diaphragm Qi + 1, j-1, Qi + 1, j, Qi + 1, j + 1,... Constitute an oscillator chain (oscillator chain), and an oscillator chain having a different resonance frequency for each row can provide an extremely wide-band acoustoelectric transducer. Alternatively, a similar vibrator chain may be formed in the column direction so that the vibrator chains have different resonance frequencies for each column. Further, both the fixed
[0024]
In the state shown in FIG. 1, when sound pressure is input to the
[0025]
When there is a voice input and the distance f between the
[0026]
In this way, in the diffraction image obtained on the
[0027]
According to the acoustoelectric transducer according to the first embodiment, the reflected light from the
[0028]
Since the optical restriction of incident / reflected light on the
[0029]
Furthermore, according to the acoustoelectric conversion element according to the first embodiment, by using the
[0030]
As a result, it becomes possible to reduce the manufacturing cost of the acoustoelectric transducer according to the first embodiment.
As can be easily understood from FIG. 2, it is useful to use a semiconductor manufacturing process when forming the diffraction grating on the
[0031]
Further, since the semiconductor substrate used as the
[0032]
In describing the acoustoelectric transducer according to the first embodiment of the present invention, the phenomenon in which the displacement of the diffraction image changes on the detection surface due to the vibration of the
[0033]
As shown in FIG. 6, the angle θ formed by the direction of the diffracted light diffracted on the yz plane and the y axis.yCosine of (cosθy) To γy= CosθyAnd the angle θ between the direction of the diffracted light and the z-axiszCosine of (cosθz) To γz= CosθzAnd the order k in the y directionyLet be an integer:
hyγy = Kyλ (1)
Under the condition, the disturbance generated from the holes arranged in parallel in the y-axis direction reaches the focal plane with the same phase. Similarly, kzLet (order in the z direction) be an integer:
hzγz = Kzλ (2)
Under the conditions satisfying the above, the disturbance generated from the holes arranged in parallel with the z-axis is in phase.
[0034]
For the diffraction grating, the disturbances generated from all the holes are in phase at the point corresponding to the direction satisfying the equations (1) and (2) at the same time. When there are a large number of holes, the light intensity is concentrated very close to the point determined by the equations (1) and (2). Therefore, on the focal plane of the
py= Faλ / hy (3)
And the interval p along the z-axis directionzIs:
pz = Faλ / hz (4)
It becomes. In FIG. 7A, the numbers attached to the spots are k.yAnd kzIs shown. FIG. 7B is a diffraction image generated when a one-dimensional diffraction grating is used.
[0035]
Here, since the
py md= Fbλ / hy (5)
And the interval p along the z-axis directionz mdIs:
pz md= Fbλ / hz (6)
It becomes.
[0036]
The two-dimensional diffraction grating vibrates and the focal length is faTo fbFIG. 9 schematically shows a state in which the interval between spots changes on the surface of the
[0037]
Also, the one-dimensional diffraction grating vibrates and the focal length is faTo fbFIG. 10 schematically shows a state in which the interval between spots changes on the surface of the
[0038]
In the acoustoelectric transducer according to the first embodiment, an arbitrary time t = t1In this case, it is assumed that the diffraction image is two-dimensionally arranged on the image sensor including the
[0039]
t = t1+ T2+ T3+ T4+ T5The period of vibration of the
[0040]
As described above, in the acoustoelectric conversion element according to the first embodiment, the displacement of the diffraction image before and after the input of the sound pressure is detected by the
[0041]
Here, in consideration of detecting the two-dimensional displacement of the diffraction image with higher resolution, the cell area per one of the photodiodes constituting the
[0042]
A method for manufacturing the acoustoelectric transducer according to the first embodiment of the present invention shown in FIG. 2 will be described with reference to FIGS. Note that the method for manufacturing an acoustoelectric conversion element described below is an example, and it is needless to say that the method can be realized by various other manufacturing methods including this modification.
[0043]
(A) First, as shown in FIG. 12A, a buried insulating film (SOI oxide film) 12 and a single crystal Si layer (SOI layer) 10 are sequentially stacked on a
[0044]
Then, the element
[0045]
(B) Next, the element
[0046]
(C) Next, as shown in FIG. 13E, an
[0047]
(D) Next, the
[0048]
(E) Next, the
[0049]
(F) Thereafter, a part of the surface of the support substrate (single crystal Si) 11 exposed by the formation of the
[0050]
FIG. 15 shows a cross-sectional structure of an acoustoelectric transducer according to a modification (first modification) of the first embodiment of the present invention. As in FIG. 2, the
[0051]
Even when the
A method for manufacturing the acoustoelectric transducer according to the first modification will be described with reference to FIGS. The method for manufacturing the acoustoelectric conversion element described below is an example, and it is needless to say that the method can be realized by various other manufacturing methods including this example.
[0052]
(A) First, as shown in FIG. 16A, a buried insulating film (SOI oxide film) 12 and a single crystal Si layer (SOI layer) 10 are sequentially laminated on a
[0053]
(B) Next, the single
[0054]
(C) Next, as shown in FIG. 16D, a
[0055]
(D) Next, as shown in FIG. 17E, a silicon nitride film (Si3N4Film) is formed by a low pressure CVD method or the like,i1, Hi2・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ Hi6The
[0056]
(E) Next, the
[0057]
FIG. 18 shows a cross-sectional structure of an acoustoelectric transducer according to another modification (second modification) of the first embodiment of the present invention. As in FIGS. 2 and 15, the
[0058]
Even when the
A method for manufacturing an acoustoelectric transducer according to a second modification will be described with reference to FIGS. The method for manufacturing the acoustoelectric conversion element described below is an example, and it is needless to say that the method can be realized by various other manufacturing methods including this example.
[0059]
(A) First, as shown in FIG. 19A, a so-called SOI substrate in which a buried insulating film (SOI oxide film) 12 and a single
[0060]
(B) Next, after selectively etching the buried insulating
[0061]
(C) Next, Si3N4A polysilicon layer is deposited on the entire surface by the CVD method on the
[0062]
(D) Next, a part of the embedded
[0063]
(E) Next, as shown in FIG. 20G, a
[0064]
(F) Next, the
[0065]
FIG. 22 shows a cross-sectional structure of an acoustoelectric transducer according to still another modification (third modification) of the first embodiment of the present invention.
[0066]
The acoustoelectric transducer according to the third modification is an SOI substrate in which a buried insulating film (SOI oxide film) 12 and a single crystal Si layer (SOI layer) 10 are sequentially laminated on a
[0067]
Even when the
In the structure of the acoustoelectric transducer according to the third modification shown in FIG. 22, a sacrificial oxide film in the shape of a ship-shaped
[0068]
(Second Embodiment)
As shown in FIG. 23, the acoustoelectric transducer according to the second embodiment of the present invention includes a diffraction grating, a
[0069]
As in the first embodiment, an image sensor such as a photodiode array is preferably used for the
[0070]
In the acoustoelectric transducer according to the second embodiment of the present invention, the light emitted from the
[0071]
FIG. 23 shows a state in which the
[0072]
Here, regarding a diffraction image obtained on the
[0073]
Similarly to the
[0074]
Specifically, as shown in FIG. 24, the acoustoelectric transducer according to the second embodiment of the present invention is connected to the fixing
[0075]
Each of the fixing
[0076]
The
[0077]
The transmission type diffraction grating provided on the
[0078]
In FIG. 24, the through hole H penetrates through the laminated structure composed of the buried insulating
[0079]
Since the horizontal level of the elastic connecting
[0080]
FIG. 26 shows a cross-sectional structure of an acoustoelectric transducer according to a modification (first modification) of the second embodiment of the present invention. Similarly to FIG. 24, the
[0081]
Even when the
FIG. 27 shows a cross-sectional structure of an acoustoelectric transducer according to another modification (second modification) of the second embodiment of the present invention. The acoustoelectric transducer according to the second modification is an SOI substrate in which a buried insulating film (SOI oxide film) 12 and a single crystal Si layer (SOI layer) 10 are sequentially laminated on a
[0082]
Even when the
[0083]
(Other embodiments)
As described above, the present invention has been described according to the first and second embodiments. However, it should not be understood that the description and drawings constituting a part of this disclosure limit the present invention. From this disclosure, various alternative embodiments, examples and operational techniques will be apparent to those skilled in the art.
[0084]
In the description of the first and second embodiments already described, the diffraction grating having a geometrical shape such as a hole or a groove has been described. A dimensional diffraction grating may be realized.
[0085]
Further, for example, a
[0086]
As shown in FIG. 28 (b), the
fa0<Fb0<Fc0 (7)
The relationship is obtained. Diffraction images arranged in three different arrangements appear on the sensor surface, but by using the diffraction image with the largest displacement for detection, an arbitrary frequency can be followed.
[0087]
As described above, the present invention naturally includes various embodiments not described herein. Therefore, the technical scope of the present invention is defined only by the invention specifying matters according to the scope of claims reasonable from the above description.
[0088]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide an acoustoelectric conversion element that has a simple and small area structure, a wide dynamic range, and can be used for a wide range of applications.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a configuration of an acoustoelectric transducer according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a specific structural example of the acoustoelectric transducer according to the first embodiment of the invention.
3A is a bird's-eye view showing a reflective two-dimensional diffraction grating, and FIG. 3B is a bird's-eye view showing a reflective one-dimensional diffraction grating.
FIG. 4 is a plan view of the acoustoelectric transducer according to the first embodiment of the present invention when a plurality of diaphragms are arranged in a matrix.
FIG. 5 is a schematic diagram illustrating a two-dimensional diffraction grating.
FIG. 6 is a schematic diagram for explaining a phase relationship of diffracted light.
FIG. 7A is a diffraction image generated when a two-dimensional diffraction grating is used, and FIG. 7B is a diffraction image generated when a one-dimensional diffraction grating is used.
FIG. 8 is a schematic diagram for explaining a change in the focal length of a diffraction grating.
FIG. 9 shows that the two-dimensional diffraction grating vibrates and the focal length is f.aTo fbIt is a figure which shows typically the change of the space | interval of the spot on the surface of a photodiode array when it changes to.
FIG. 10 shows that the one-dimensional diffraction grating vibrates and the focal length is f.aTo fbIt is a figure which shows typically the change of the space | interval of the spot on the surface of a photodiode array when it changes to.
FIG. 11 is a schematic diagram illustrating a method for obtaining a vibration period of a diaphragm.
FIG. 12 is a process cross-sectional view illustrating the manufacturing method of the acoustoelectric transducer according to the first embodiment of the present invention (No. 1).
13 is a process cross-sectional view illustrating the manufacturing method of the acoustoelectric transducer according to the first embodiment of the present invention (No. 2). FIG.
14 is a process cross-sectional view illustrating the manufacturing method of the acoustoelectric transducer according to the first embodiment of the present invention (No. 3). FIG.
FIG. 15 is a cross-sectional view showing a specific structural example of the acoustoelectric transducer according to the modification (first modification) of the first embodiment of the present invention.
FIG. 16 is a process cross-sectional view illustrating the manufacturing method of the acoustoelectric transducer according to the first modification of the first embodiment of the present invention (No. 1).
FIG. 17 is a process cross-sectional view illustrating the manufacturing method of the acoustoelectric transducer according to the first modification of the first embodiment of the present invention (No. 2).
FIG. 18 is a cross-sectional view showing a specific structural example of an acoustoelectric transducer according to another modification (second modification) of the first embodiment of the present invention.
FIG. 19 is a process cross-sectional view illustrating the manufacturing method of the acoustoelectric transducer according to the second modification of the first embodiment of the present invention (No. 1).
FIG. 20 is a process cross-sectional view illustrating the manufacturing method of the acoustoelectric transducer according to the second modification of the first embodiment of the present invention (No. 2).
FIG. 21 is a process cross-sectional view illustrating the manufacturing method of the acoustoelectric transducer according to the second modification of the first embodiment of the present invention (No. 3).
FIG. 22 is a cross-sectional view showing a specific structure example of an acoustoelectric transducer according to still another modification example (third modification example) of the first embodiment of the present invention;
FIG. 23 is a schematic diagram showing a configuration of an acoustoelectric transducer according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 24 is a cross-sectional view showing a specific structural example of an acoustoelectric transducer according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 25A is a bird's-eye view showing a transmission type two-dimensional diffraction grating, and FIG. 25B is a bird's-eye view showing a transmission type one-dimensional diffraction grating.
FIG. 26 is a cross-sectional view showing a specific structural example of an acoustoelectric transducer according to a modification (first modification) of the second embodiment of the present invention.
FIG. 27 is a cross-sectional view showing a specific structural example of an acoustoelectric transducer according to another modification (second modification) of the second embodiment of the present invention;
FIG. 28 is a plan view of an acoustoelectric transducer according to another embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 ... Light source
2 ... Diaphragm
3 ... Photodetector (photodiode array)
4a, 4b ... fixed part
5a, 5b ... elastic connection part
9R, 9T ... cavity
10: Single crystal Si layer (SOI layer)
11 ... Supporting substrate
12 ... Embedded insulating film
13: Element isolation insulating film
14 ... Interlayer insulating film
14 ... Interlayer insulating film
15, 53 ... Passivation film
16a ... element isolation insulating film
17 ... Silicon nitride film (Si3N4film)
18a, 18b, 18c, 18d, 18e ... buried Si layer
20a, 20b ... groove
21a, 21b ... polysilicon connection body
22a, 22b, 23a, 213b, 23c, 23d, 41a, 41b ... groove
31, 32, 33 ... Photoresist
50. Polysilicon layer
51 ... Fixed frame
52. Fixed beam
G1, G2, G3, ..., G6…groove
Hi-1,1, ..., Hi, 1, H1, 2, H1,3, ..., Hi + 2,6... Hole (recess or through hole)
Qi-1, j-1, Qi-1, j, ..., Qi, j-1, ..., Qi + 1, j, Qi + 1, j + 1・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ Diaphragm
Xi, j... vibrator
ea, Eb, Ec... Edge
lai, j, Lbi, j, Lci, j, Ldi, j... elastic beams
Claims (9)
前記回折格子に光を照射する光源と、
前記回折格子で回折した光を検知し電気信号に変換する光検出器とを備え、前記振動板の変位を電気信号に変換することを特徴とする音響電気変換素子。A diaphragm that includes a diffraction grating and vibrates by sound pressure;
A light source for irradiating the diffraction grating with light;
An acoustoelectric conversion element comprising: a photodetector that detects light diffracted by the diffraction grating and converts the light into an electric signal; and converts the displacement of the diaphragm into an electric signal.
固定枠と、
該固定枠に両端部を固定され、行方向及び該行方向に直交する列方向にそれぞれ伸延し、前記固定枠が囲む空間に格子を構成するように配置された複数の固定梁と、
前記格子の窓部にそれぞれ配置された複数の振動子と、
前記複数の振動子のそれぞれと前記固定梁とを接続する弾性梁とを備えることを特徴とする請求項1に記載の音響電気変換素子。The diaphragm is
A fixed frame,
A plurality of fixed beams fixed at both ends to the fixed frame, extending in a row direction and a column direction perpendicular to the row direction, and arranged to form a lattice in a space surrounded by the fixed frame;
A plurality of vibrators respectively disposed in the window portion of the lattice;
The acoustoelectric transducer according to claim 1, further comprising an elastic beam connecting each of the plurality of vibrators and the fixed beam.
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---|---|---|---|
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