以下、図を参照しながら、この発明の実施の一形態について説明する。図1は撮像画像記録システムの構成を示している。撮像装置10は、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を用いて構成されており、この撮像素子のフレームレート(以下「撮像フレームレート」という)FRpを可変させて、あるいは撮像素子から出力された撮像フレームレートFRpの信号に基づく画像信号をフレーム加算するとともに加算フレーム数を制御して、1秒間のコマ数を可変させた撮影画像に相当する可変速フレームレートFRcの画像信号を生成する。さらに、可変速フレームレートFRcの画像信号から、信号記録装置30の記録フレームレートFRwの画像信号DVbと、この記録フレームレートFRwの画像信号DVbに含まれる可変速フレームレートFRcの画像のフレームを示す識別信号DJを生成して、本線画信号CMSとして信号記録装置30に供給する。また、電子ビューファインダー(EVF)50が撮像装置10に接続されており、ビューファインダー信号VFoutを電子ビューファインダー50に供給して撮像画像等を表示させることで、撮像状態例えば被写体の位置や画角および明るさ等の確認が行われる。
信号記録装置30は、記録フレームレートFRwの画像信号DVbから、可変速フレームレートFRcの撮像画像のフレームを識別信号DJに基づいて選択するとともに、この選択したフレームの画像信号に対してタイムコードを設定して記録媒体に記録する。なお、記録媒体の再生時には、記録媒体に記録されている信号を読み出して表示フレームレートFRfの画像信号DMoutを生成する。さらに、この画像信号DMoutを画像表示装置60に供給して、記録媒体に記録されている可変速フレームレート撮像画像を画像表示装置60で表示する。
図2は、撮像装置10の構成を示している。撮像部11を構成する撮像素子(図示せず)の撮像面上には、撮像レンズ(図示せず)を通して入射された光に基づいた被写体画像が結像される。撮像素子は、光電変換によって被写体画像の撮像電荷を生成し、駆動部12から供給された駆動制御信号RDCに基づいて撮像電荷を読み出して電圧信号に変換する。さらに、この電圧信号を撮像信号Spaとして撮像信号処理部13に供給する。
駆動部12は、後述する撮像制御部17から供給された制御信号CTに基づいて駆動制御信号RDCを生成して撮像部11に供給する。
撮像信号処理部13は、撮像信号Spaを増幅したのちノイズ成分を除去する。またノイズ除去された画像信号をディジタル信号に変換したのち、フィードバッククランプ処理やフレアー補正、撮像素子の欠陥に対する補正処理、プロセス処理等を行い、画像信号DVaを生成する。この画像信号DVaは、フレーム加算処理部14に供給される。なお、撮像信号処理部13で行う信号処理動作は、後述する撮像制御部17から供給された制御信号CTに基づいて設定される。
フレーム加算処理部14は、画像信号DVaに対してフレーム加算処理を行い、画像信号DVaのフレームレートを可変する。このフレーム加算処理は、RAM(Random Access Memory)を用いて行うことができる。例えば、3フレーム加算を行う場合、1フレーム目の画像信号DVaをRAM-1に記憶させ、このRAM-1に記憶された信号を読み出して2フレーム目の画像信号DVaと加算してRAM-2に記憶させる。このRAM-2に記憶されている加算信号を読み出して3フレーム目の画像信号DVaと加算してRAM-3に記憶させる。このRAM-3に記憶された信号は、3フレーム分の画像信号DVaを加算した信号となり、この信号を読み出して信号レベルを(1/3)倍すれば、所要の信号レベルであるとともに、フレームレートを(1/3)倍した信号となる。また、4フレーム目の画像信号DVaをRAM-1に記憶させ、このRAM-1に記憶された信号を読み出して5フレーム目の画像信号DVaと加算してRAM-2に記憶させる。このRAM-2に記憶されている加算信号を読み出して6フレーム目の画像信号DVaと加算してRAM-3に記憶させる。このRAM-3に記憶された信号は、3フレーム分の画像信号DVaを加算した信号となり、この信号を読み出して信号レベルを(1/3)倍すれば、所要の信号レベルであるとともに、フレームレートを(1/3)倍した信号となる。以下同様にして、3フレーム分の画像信号DVaが加算された所要の信号レベルの画像信号DVbを順次生成することができる。
また、3フレーム分の画像信号DVaを加算した信号を、信号記録装置の記録フレームレートFRwで読み出して信号レベルを(1/3)倍すれば、画像信号DVaのフレームレートを(1/3)倍したフレームレートで撮像画像のフレームが含まれている記録フレームレートFRwの画像信号DVbを生成できる。この画像信号DVbは、本線画出力部15とモニタ画出力部16に供給される。
なお、フレーム加算処理は、フレーム遅延回路を用いても行うことができる。例えば、1フレーム目の画像信号DVaをフレーム遅延回路で2フレーム期間遅延させるとともに、2フレーム目の画像信号DVaをフレーム遅延回路で1フレーム期間遅延させる。この遅延させた1フレーム目の画像信号と2フレーム目の画像信号DVaを、3フレーム目の画像信号DVaに加算して3フレーム分の画像信号DVaが加算された信号を得る。この信号を上述のように、予め定められた記録フレームレートFRwで読み出したのち信号レベルを(1/3)倍すれば、所要の信号レベルであるとともに、画像信号DVaのフレームレートを(1/3)倍したフレームレートで撮像画像のフレームが含まれた記録フレームレートFRwの画像信号DVbを生成できる。
このようにフレーム加算処理を行うことで、例えば画像信号DVaのフレームレートが「60P(数字は1秒当たりのフレーム数、Pはプログレッシブ方式の信号であることを示すものであり、他の場合も同様である)」であるとき、加算フレーム数を2フレームとして例えば60Pの出力フレームレートで読み出すものとすれば、「30P」のフレームレートでの撮像画像が含まれた画像信号を得ることができる。また加算フレーム数を4フレームとすれば、「15P」のフレームレートでの撮影画像が含まれた画像信号を得ることができる。
さらに、加算フレーム数の切り換えだけでなく、撮像素子からの信号読み出しを制御して撮像信号Spaのフレームレートを可変すれば、記録フレームレートの画像信号に含まれる撮像画像のフレーム数を連続して可変することが可能となる。すなわち、撮像画像のフレームレートを連続的に可変しながら、このフレームレートで撮像画像のフレームが含まれた記録フレームレートFRwの画像信号DVbを生成できる。
撮像信号Spaのフレームレートを可変する場合は、駆動部12から撮像部11に供給する駆動制御信号RDCによって、撮像素子での電荷蓄積期間や撮像電荷の読み出しタイミング等を制御することでフレームレートが可変された撮像信号Spaを得ることができる。さらに、CDR方式(Common Data Rate:共通サンプリング周波数方式)を用いるものとして、水平帰線期間あるいは垂直帰線期間の長さを調整して、撮像フレームレートFRpの可変処理を行うものとすれば、撮像フレームレートFRpを可変しても有効画面期間の画像サイズが変化しない撮像信号Spaを生成できる。また、CDR方式を用いることで、撮像フレームレートFRpを用いる各部の動作周波数を撮像フレームレートFRpに応じて可変する必要がなく、構成が簡単となる
本線画出力部15は、フレーム加算処理部14から供給された画像信号DVbと、撮像制御部17から供給された識別信号DJを用いて、所定フォーマットの本線画信号CMSを生成して信号記録装置30に供給する。
モニタ画出力部16は、フレーム加算処理部14から供給された画像信号DVbのフレームレートを電子ビューファインダー50に対応したフレームレートに変換して、ビューファインダー信号VFoutとして出力する。
撮像制御部17には、ユーザインタフェース部18が接続されている。このユーザインタフェース部18を介して、ユーザ操作等に応じた操作信号PScが供給されると、撮像制御部17は、この操作信号PScに基づいて制御信号CT等を生成して各部の動作を制御することにより、撮像装置をユーザの操作に応じて動作させる。また、撮像画像のフレームレートを設定するフレームレート設定信号RSFがユーザインタフェース部18を介して、撮像制御部17に供給されたとき、撮像制御部17は、フレームレート設定信号RSFに基づいて、撮像部11で生成する撮像信号Spaのフレームレートやフレーム加算処理部14の加算フレーム数を制御信号CTによって制御する。例えば操作部で撮像速度の切り換えを行い、操作信号PScとしてフレームレート設定信号RSFが撮像制御部17に供給されたとき、あるいはリモートコントロール装置や外部の機器からフレームレート設定信号RSFが撮像制御部17に供給されたとき、撮像部11で生成する撮像信号Spaのフレームレートやフレーム加算処理部14の加算フレーム数を制御する。さらに、撮像制御部17では、画像信号DVbに対して、可変速フレームレートの撮像画像のフレームを示す識別信号DJを生成して本線画出力部15に供給する。
ここで、撮像装置10の動作について説明する。フレームレート設定信号RSFで設定される撮像画像のフレームレート(可変速フレームレートFRc)は、上述したように撮像部11で生成される撮像信号Spaのフレームレート(撮像フレームレートFRp)とフレーム加算処理部14での加算フレーム数FAを切り替えることで連続して可変できる。例えば図3に示すように、フレームレート設定信号RSFによって可変速フレームレートFRcが「60P≧FRc>30P」の範囲内に設定されたときは、加算フレーム数FAを「1」として、撮像フレームレートFRpを可変速フレームレートFRcと等しくする。可変速フレームレートFRcが「30P≧FRc>20P」の範囲内に設定されたときは、加算フレーム数FAを「2」として、撮像フレームレートFRpを可変速フレームレートFRcの2倍とする。可変速フレームレートFRcが「20P≧FRc>15P」の範囲内に設定されたときは、加算フレーム数FAを「3」として、撮像フレームレートFRpを可変速フレームレートFRcの3倍とする。以下同様にして、撮像フレームレートFRpと加算フレーム数FAを切り替える。
図4は画像信号DVbの生成動作を説明するための図である。例えば可変速フレームレートFRcを「18P」とする場合、撮像フレームレートは「54P」、加算フレーム数は「3」となる。なお、図4Aは画像信号DVaのフレーム、図4Bはフレーム加算処理部14を構成するRAM-1の動作、図4CはRAM-2の動作、図4DはRAM-3の動作、図4Eは画像信号DVbのフレームを示している。なお、画像信号DVbは、信号記録装置30によって記録可能な信号のフレームレートである記録フレームレートとされており、図4では例えば「60P」とする。
画像信号DVaのフレーム「0f」が開始する時点t1において、フレーム加算処理部14は、例えばRAM-1を書き込みRAMに設定して、書き込みRAMにフレーム「0f」の画像信号DVaを記憶させる。
時点t2で画像信号DVbのフレーム開始タイミングとなったとき、3フレームの画像信号の加算が完了していないことから、画像信号DVbはブランクフレームとする。
画像信号DVaのフレーム「0f」が終了してフレーム「1f」が開始するタイミングである時点t3では、フレーム「0f」の画像信号が記憶されたRAM-1を内部読み出しRAMとして指定するとともに、書き込みRAMをRAM-1から例えばRAM-2に変更する。さらに、内部読み出しRAMに記録されている信号、すなわちRAM-1に記憶されているフレーム「0f」の信号を読み出して、この信号にフレーム「1f」の画像信号DVaを加算器で加算して書き込みRAMであるRAM-2に記憶させる。
画像信号DVaのフレーム「1f」が終了してフレーム「2f」が開始するタイミングである時点t4となると、3フレームの加算信号を生成するために、フレーム「0f」とフレーム「1f」を加算した信号が書き込まれているRAM-2を内部読み出しRAMに指定する。また、書き込みRAMをRAM-2から例えばRAM-3に変更する。さらに、内部読み出しRAMに記録されている信号、すなわちRAM-2に記憶されている信号を読み出して、この信号にフレーム「2f」の画像信号DVaを加算器で加算して書き込みRAMであるRAM-3に記憶させる。
画像信号DVaのフレーム「2f」が終了してフレーム「3f」が開始するタイミングである時点t5となると、3フレーム分の画像信号DVaを加算した3フレーム加算信号の生成が完了したことから、この3フレーム加算信号が記憶されているRAM-3を外部読み出しRAMに指定する。また、RAM-1を書き込みRAMに設定して、書き込みRAMにフレーム「3f」の画像信号DVaを記憶させる。
3フレーム加算信号の生成後、画像信号DVbのフレーム開始タイミングとなった場合、例えば時点t6で画像信号DVbのフレーム開始タイミングとなった場合、3フレーム加算信号を外部読み出しRAMから読み出して、この読み出した信号の信号レベルを(1/3)倍して画像信号DVbとして出力させる。また、外部読み出しRAMから3フレーム加算信号の読み出しを行って生成した画像信号DVbのフレームを、図4Fに示す識別信号DJによって可変速フレームレートの撮像画像のフレームとする。なお、RAMに対して3フレーム加算信号の書き込みが完了していないとき、あるいは3フレーム加算信号の読み出しが完了しても次の3フレーム加算信号の読み出しを行うことができないとき、新たな撮像画像のフレームを生成できない。この場合、可変速フレームレートの撮像画像のフレームを繰り返すことで、画像信号DVbに撮像画像の画像信号がないフレーム(ブランクフレーム)が設けられてしまうことがない。また、このフレームは可変速フレームレートの撮像画像のフレームを繰り返したものであるから、識別信号DJによって無効フレームとする。なお、ブランクフレームが設けられるときには、このブランクフレームも無効フレームとする。このように識別信号DJを生成することで、可変速フレームレートの撮像画像のフレームを識別信号DJによって判別できる。すなわち、識別信号DJによって有効フレームとされたフレームの画像信号を選択すれば、可変速フレームレートの撮像画像の画像信号を選択できる。
以下同様に、RAM-1〜RAM-3と加算器等を使用して画像信号DVaを3フレーム加算して3フレーム加算信号を生成し、この3フレーム加算信号を画像信号DVbのフレーム開始タイミングで読み出すことにより、撮影画像のフレームが可変速フレームレートFRcで含まれた記録フレームレートの画像信号DVbを得ることができる。すなわち、図4Eに示すように、信号記録装置に対応した記録フレームレート「60P」であり、所望の可変速フレームレート「18P」で可変速フレームレートの撮像画像のフレームが含まれた画像信号DVbを生成することができる。また、可変速フレームレートの撮像画像のフレームを示す識別信号DJが上述のように撮像制御部17で生成されて本線画出力部15に供給される。
次に、信号記録装置30の構成を図5に示す。なお、図5では、撮影画像を記録媒体に効率良く記録できるように、画像信号を符号化して記録する場合を示している。また、図5では、記録媒体に記録された信号の再生動作を説明するため、再生時に用いる復調部と画像伸長部も合わせて図示している。
撮像装置10から出力された本線画信号CMSは、信号記録装置30の入力処理部31に供給される。入力処理部31は、本線画信号CMSから画像信号DVbと識別信号DJを分離して、画像信号DVbを記録処理部32の画像圧縮部321に供給する。また識別信号DJを制御部40に供給する。
画像圧縮部321は、画像信号DVbの信号量を削減する圧縮処理を行い、符号化信号DQaを生成する。この生成された符号化信号DQaは記憶処理部322に供給される。なお、記録処理部32では、後述するように有効とされたフレームの信号を選択することから、圧縮処理として例えばフレーム内予測符号化を実施する。
記憶処理部322は、制御部40からの制御信号CUに基づき、符号化信号DQaから可変速フレームレートの撮像画像の符号化信号DQwを、識別信号DJによってフレーム単位で選択して記憶する。また、記憶している符号化信号DQwを読み出して変調部323に供給する。
図6は、記憶処理部322構成を示す図である。データ変換処理回路322aには、符号化信号DQwを記憶する画像メモリ322bが接続されている。また、画像メモリ322bには、信号の書き込みや読み出しを制御する書込読出回路322cが接続されている。
データ変換処理回路322aは、符号化信号DQwを画像メモリ322bに対応したフォーマットの信号MEwに変換して画像メモリ322bに供給する。ここで、圧縮処理を行うことにより得られた符号化信号DQwは、画像の内容によって信号量が異なる。このため、信号MEwの信号量がフレーム毎に異なってしまい、この信号MEwを画像メモリ322bに順次書き込むと、信号の読み出しをフレーム単位で簡単に行うことができない。このため、画像メモリ322bからフレーム単位で信号を簡単に読み出すことができるように、データ変換処理回路322aは信号MEwの信号量をフレーム毎に等しくする。すなわち、画像圧縮部321は、符号化信号DQaのフレーム毎の信号量が予め設定された信号量を超えないように圧縮処理を行う。また、データ変換処理回路322aは、予め設定された信号量の符号化信号DQwに基づいて信号MEwを生成した場合よりも信号MEwの信号量が少ないときには、例えば無効信号を加えて一定の信号量の信号MEwとして、画像メモリ322bに書き込む。
また、データ変換処理回路322aは、画像メモリ322bから読み出した信号MErから無効信号を除き、さらに元のフォーマットの符号化信号DQwに戻して、図5に示す変調部323に供給する。
書込読出回路322cは、制御部40から供給された制御信号CUに基づき、書込制御信号WCvと読出制御信号RCvを生成する。この書込制御信号WCvと読出制御信号RCvを画像メモリ322bに供給して、識別信号DJに基づいて選択された可変速フレームレートの撮像画像の信号MEwを画像メモリ322bに書き込む。また、画像メモリ322bに記憶されている信号量、すなわち画像メモリ322bに書き込まれているが読み出しが行われていない信号の信号量が所定量に達したときには、書き込まれている信号を書き込み順に読み出して、信号MErとしてデータ変換処理回路322aに供給する。
また、書込読出回路322cは、画像メモリ322bに記憶されている信号量を示す情報として、例えば画像メモリ322bに対する信号の書き込み位置と読み出し位置の位相差を示す位相差情報APを制御部40に供給する。この位相差は、書き込み位置と読み出し位置とのアドレス距離あるいは書き込み位置と読み出し位置間のフレーム画像数を示すものである。
図5の変調部323では、符号化信号DQwに誤り訂正符号を付加して記録媒体に応じたチャンネルコーディングを行い、所定の記録フォーマットの記録信号Swを生成してヘッド部324に供給する。
タイムコード処理部33は、制御部40からのタイムコード生成制御信号TCTに基づいてタイムコードTCwを生成してヘッド部324に供給する。また、画像信号DVbには、ブランクフレームや前のフレームの画像信号DVbを繰り返し用いたフレームが設けられる場合があることから、タイムコード生成制御信号TCTに基づき、識別信号DJによって示された可変速フレームレートの撮像画像のフレームに対してタイムコードTCwを歩進させながら生成する。また、タイムコード処理部33に外部からタイムコードTCwの初期値TCsetが供給されたときは、この初期値TCsetから歩進させる。
タイムコード処理部33で生成するタイムコードTCwは、SMPTE(米国映画テレビ技術者協会)によって規格化されている24フレームシステムのタイムコードや25フレームシステムのタイムコード、30フレームシステムのタイムコード等を用いることができる。この24フレームシステムは、フィルム用のシステムであり、24フレーム/secに対応している。25フレームシステムは、625/50テレビジョン用のシステムであり、25P(プログレッシブ方式の25フレーム/sec)及び50i(インターレース方式の50フィールド/sec)に対応している。30フレームシステムは、1125/60HDTVやNTSC用のシステムであり、30P(プログレッシブ方式の30フレーム/sec),29.97P(プログレッシブ方式の29.97フレーム/sec),60i(インターレース方式の60フィールド/sec)及び59.94i(インターレース方式の59.94フィールド/sec)に対応している。また、タイムコードとしては、LTC(Longitudinal Time Code)やVITC(Vertical Interval Time Code)を用いる。なお、図7はLTCとVITCのビット割当てを示している。このタイムコード処理部33で生成されたタイムコードTCwは、ヘッド部324に供給される。
ヘッド部324は、例えば磁気テープや磁気ディスクあるいは光ディスク等の記録媒体45に記録信号SwとタイムコードTCwを記録する。ここで、タイムコードTCwは、従来のビデオテープレコーダのように、記録信号Swに付加して傾斜トラックに記録したり、記録信号Swの記録位置に応じた長手トラック上に記録する。また、磁気ディスクあるいは光ディスク等のランダムアクセス可能な記録媒体に記録するときには、記録信号SwにタイムコードTCwを付加して記録したり、記録信号SwとタイムコードTCwを別個の領域に記録する。ここで、記録信号SwとタイムコードTCwを別個の領域に記録するときは、記録信号Swの記録位置に基づいてタイムコードTCwを読み出すことができるように記録する。例えば、記録信号Swの記録位置を示す位置情報をタイムコードTCwとともに記録したり、記録信号Swの記録開始位置を示す位置情報を最初のタイムコードTCwに付加して記録する。また、図5は、記録信号SwとタイムコードTCwを記録媒体に記録する場合を示しているが、撮像画像の信号を読み出す際に、関連付けされたタイムコードを正しく読み出すことができれば、記録媒体にタイムコードTCwを記録しなくとも良い。例えば、記録媒体45の識別情報と記録信号Swの記録位置とタイムコードTCwを関連付けてメモリ等に記憶させておき、再生時に使用する記録媒体45と識別情報が一致する情報から、信号の読み出し位置に対応したタイムコードを読み出す。あるいは、再生時に使用する記録媒体45と識別情報が一致する情報から、所望のタイムコードと対応する記録位置を読み出して、この位置から信号の読み出しを行う。このように処理することで、記録媒体にタイムコードTCwを記録しなくとも、記録媒体45に記録されている撮像画像を再生したとき、正しいタイムコードを得ることができる。
記録媒体45をヘッド部324で再生して得られた再生信号Srは、復調部34に供給される。復調部34は、再生信号Srの復号処理や誤り訂正処理を行い、得られた符号化信号DQrを画像伸長部35に供給する。画像伸長部35は、符号化信号DQrの伸長処理を行い画像信号DMoutを生成し、この画像信号DMoutを画像表示装置60に供給する。また、ヘッド部324で読み出されたタイムコードTCrは、タイムコード処理部33に供給される。
タイムコード処理部33は、画像信号DMoutに同期してタイムコードTCrを出力する。また、タイムコード処理部33から、可変速フレームレート撮像画像の記録中に生成したタイムコードTCwを外部機器に出力するものとしても良い。このように、可変速フレームレート撮像画像の記録中に生成したタイムコードTCwを出力すれば、どのくらいのフレーム数の可変速フレームレート撮像画像を記録したか外部機器で容易に判別できる。
制御部40には、ユーザインタフェース部41が接続されており、ユーザ操作に応じた信号あるいはリモートコントロール装置や外部の機器等からの信号がユーザインタフェース部41から操作信号PSvとして制御部40に供給される。制御部40は、操作信号PSvに基づいて制御信号CU等を生成して各部の動作を制御することにより、信号記録装置をユーザ操作やリモートコントロール装置あるいは外部機器等からの信号に応じて動作させる。
また、制御部40は、信号記録装置30の動作モードが可変速フレームレートの撮像画像を記録するモード(可変速撮像画記録モード)とされている場合、記憶処理部322から供給された位相差情報APに基づき、位相差が記録開始レベルに達したとき、記録媒体駆動部36に駆動信号RMを供給して、記録媒体駆動部36によって記録媒体45を駆動する。また、制御信号CUによって記憶処理部322の動作を制御して、画像メモリ322bに記憶している信号を書き込み順に読み出して信号MErとして変調部323に供給させる。また、タイムコード生成制御信号TCTをタイムコード処理部33に供給して、読み出した信号MErに対してフレーム毎にタイムコードTCwを歩進して生成させる。位相差情報APに基づき位相差が記録停止レベルまで低下したときには、画像メモリ322bからの信号の読み出しとタイムコード処理部33でのタイムコードTCwの生成を停止するとともに、記録媒体45への信号の記録を停止する。その後、画像メモリ322bに記憶されている信号の信号量が記録開始レベルに達したときには、再度記録媒体45への記録信号やタイムコードの記録を開始する。以下同様にして、可変速撮像画記録モードでは、画像メモリ322bに記憶されている信号量に応じて、記録媒体45への画像の記録を間欠的に行う。
操作信号PSvに基づき信号記録装置30の動作モードが可変速撮像画記録モードから停止モードに切り替えられたとき、制御部40は、記憶処理部322における信号の書き込み動作を停止させるとともに、記憶処理部322の画像メモリ322bに記憶されている信号の読み出しを行い、画像メモリ322bに記憶されている信号をタイムコードとともに記録媒体45に記録してから記録動作を終了する。
このようにして、例えば、記録フレームレートFRwが「60P」とされた画像信号DVbから可変速フレームレートの撮像画像のフレームを選択して、選択した画像信号の記録を行い、この記録された画像信号を「24P」で再生すると、可変速フレームレートFRcを「24P」として撮像したときには、再生画像に於ける被写体の動きの速さが実際の被写体と等しくなる。また、可変速フレームレートFRcを「24P」よりも高く設定して撮像を行い「24P」で再生すると、再生画像に於ける被写体の動きの速さは低速となり、可変速フレームレートFRcを「24P」よりも低く設定して撮像を行い「24P」で再生すると、再生画像に於ける被写体の動きの速さは高速となり、画像表示装置60の画面上には、フレームレート設定信号RSFに応じて被写体の動きの速さを可変した画像を表示できる。また、電子ビューファインダー50には、撮像装置10で撮像中の画像が表示される。
次に、信号記録動作について図8のフローチャートを用いて説明する。ステップST1で可変速撮像画記録モードが選択されたか否かを判別する。ここでユーザインタフェース部41からの操作信号PSvによって可変速撮像画記録モードが選択されていないときにはステップST2に進み、通常記録動作すなわち撮像装置10から供給された画像信号DVbの各フレームを順次記録媒体45に記録する。また、可変速撮像画記録モードが選択されているときにはステップST3に進む。
ステップST3では、ユーザインタフェース部41からの操作信号PSvによって記録開始操作が行われたか否かを判別する。ここで、記録開始操作が行われていないときにはステップST3に戻り、記録開始操作が行われたときにはステップST4に進む。
ステップST4では、記録動作を開始する。すなわち、識別信号DJによって示された可変速フレームレートの撮像画像の画像信号を記憶処理部322の画像メモリ322bに順次記憶させてステップST5に進む。例えば、図4Eに示す「60P」のフレームレートの画像信号DVbから、図4Fに示す識別信号DJによって示された有効フレームの画像信号を選択して記憶処理部322の画像メモリ322bに記憶させる。
ステップST5では、操作信号PSvによって記録終了操作が行われたか否かを判別する。ここで、記録終了操作が行われていないときにはステップST6に進み、記録終了操作が行われたときにはステップST10に進む。
ステップST6では、画像メモリ322bに対する信号の書き込み位置と読み出し位置との位相差が、記録動作開始レベル「Lws(フレーム)」まで増加したか否かを判別する。ここで、位相差が記録動作開始レベル「Lws」まで増加していないときにはステップST5に戻る。また、位相差が記録動作開始レベル「Lws」まで増加したときにはステップST7に進む。
ステップST7では、記録媒体45に対して画像信号やタイムコードの記録動作を開始する。例えば、記録媒体45を駆動して、記録信号SwとタイムコードTCwを記録媒体45に記録可能となったとき、画像メモリ322bに記憶されている信号を順次読み出して記録信号Swを生成し、この記録信号Swとタイムコード処理部33で生成したフレーム毎に歩進されているタイムコードTCwとをヘッド部324に供給して記録媒体45に記録する。また、外部からタイムコードの初期値が供給されているときには、画像メモリ322bから読み出される信号MErの最初のフレームにタイムコードTCwの初期値を設定して、その後、信号MErのフレーム毎にタイムコードTCwを歩進させて記録媒体45に記録する。このように、識別信号DJによって示された可変速フレームレートの撮像画像のフレームに対してタイムコードTCwを歩進させて関連付けることにより、本線画信号CMSに無効なフレームが含まれていても、可変速フレームレートの撮像画像のフレームに対してのみタイムコードを設定できる。
さらに、記録するタイムコードTCwは、1つのフレームシステムのタイムコードに限られるものではなく、複数システムのタイムコードを記録しても良い。例えば、24フレームシステムのタイムコードや25フレームシステムのタイムコード、30フレームシステムのタイムコード等のいずれか1つのフレームシステムのタイムコードを記録したり、複数のフレームシステムのタイムコードを記録する。ここで、複数システムのタイムコードを記録すれば、異なるフレームシステムの再生装置で記録媒体45をしても、タイムコードを付け替えることなく正しいタイムコードを読み出すことができる。
ステップST8では、書き込み位置と読み出し位置との位相差が記録停止レベル「Lwe(フレーム)」まで低下したか否かを判別する。ここで、位相差が記録停止レベル「Lwe」まで低下していないときにはステップST8に戻る。また、位相差が記録停止レベル「Lwe」まで低下したときにはステップST9に進む。
ステップST9では、記録媒体への画像信号やタイムコードの記録を停止する。例えば、画像メモリ322bに記憶されている信号の読み出しを中止して記録信号Swの生成を停止する。また、磁気テープのようにランダムアクセスを行うことができない記録媒体を用いているときには、記録媒体45の駆動を停止してからステップST5に戻る。
その後、記録終了操作が行われて、ステップST5からステップST10に進むと、ステップST10では、記憶処理部322で行われていた画像メモリ322bに対する信号の書き込みを終了してステップST11に進む。
ステップST11では、画像メモリ322bから読み出されていない信号を記録媒体45に記録する処理を行い、この読み出されていない信号をタイムコードとともに記録媒体45に全て記録させてからステップST12に進む。ステップST12では、記録動作を終了させる。すなわち、記憶処理部322での信号読み出し動作を終了するとともに、記録媒体45の駆動を終了させて、可変速記録モードでの記録動作を終了させる。
図9は信号記録動作を示している。なお、図9において、図9Aは画像信号DVb、図9Bは記憶処理部322の画像メモリ322bに書き込まれる信号MEw、図9Cは画像メモリ322bから読み出される信号MEr、図9Dは記録媒体45に記録された信号を示している。
撮像画像のフレームレートである可変速フレームレートFRcが例えば40Pとされているとき、画像信号DVbでは、60Pの記録フレームレートの中に可変速フレームレートの撮像画像のフレームが40Pだけ含まれた信号となる。
時点t11で信号記録動作を開始すると、記憶処理部322の画像メモリ322bには、画像信号DVbから可変速フレームレートの撮像画像の信号が選択されて記憶される。このため、例えば1.5秒の撮像時間分の撮影画像が記録フレームレートの1秒間の画像として、画像メモリ322bに記憶されることとなる。
その後、可変速フレームレートの撮像画像の画像信号を選択して画像メモリ322bに記憶させて、位相差が時点t12で記録動作開始レベル「Lws」に達したときは、図9Cに示すように、記憶されている信号を60Pのフレームレートで読み出すとともに、記録媒体45の駆動を開始して、信号の記録が可能となった時点t13で、読み出した信号とタイムコードを順次記録媒体に記録する。
その後、位相差が時点t14で記録動作停止レベル「Lwe」に達したときは、記憶されている信号の読み出しを停止する。また、読み出されている信号とタイムコードの記録が終了する時点t15で記録動作を終了する。
ここで、時点t13から時点t15までの期間中に680フレーム分(17秒の撮像時間に相当)の有効なフレームが記録媒体45に記録されたとき、最初のフレームのタイムコードTCwを「00(時):00(分):00(秒):00(フレーム)」とした場合、24フレームシステムでは、記録された信号のフレームに対して「00:00:00:00」〜「00:00:28:07」までタイムコードTCwが歩進して関連付けられる。また、30フレームシステムでは、記録された信号のフレームに対して「00:00:00:00」〜「00:00:22:19」までタイムコードTCwが歩進して関連付けられる。
その後、位相差が時点t16で記録動作停止レベル「Lwe」に達したときは、画像メモリ322bに記憶されている信号を60Pのフレームレートで読み出すとともに、記録媒体45の駆動を開始して、信号の記録が可能となった時点t17で、読み出された信号とタイムコードを順次記録媒体45に記録する。このとき、記録媒体に記録される信号に対して、24フレームシステムでは、「00:00:00:28」からタイムコードTCwが歩進して関連付けられる。また、30フレームシステムでは、「00:00:22:20」からタイムコードTCwが歩進して関連付けられる。
このようにして記録された信号をフィルム用システムである24Pのフレームレートで再生した場合、24フレームシステムのタイムコードを読み出すことで、正しいタイムコードを得ることができる。このとき、40Pの可変速フレームレートで撮像を行った画像は、動きの速さが(24/40)倍とされてスロー再生画像となる。また、上述のように18Pの可変速フレームレートで撮像を行った画像は、動きの速さが(24/18)倍とされて高速再生画像となる。
また、記録された信号をテレビジョン用システムである30Pのフレームレートで再生した場合、30フレームシステムのタイムコードを読み出すことで、正しいタイムコードを得ることができる。このとき、40Pの可変速フレームレートで撮像を行った画像は、動きの速さが(30/40)倍とされてスロー再生画像となる。また、18Pの可変速フレームレートで撮像を行った画像は、動きの速さが(30/18)倍とされて高速再生画像となる。
このように、フレームレートを可変させて撮像を行って得られた画像信号から、識別信号DJで可変速フレームレートの撮像画像とされたフレームの信号を選択して記録媒体45に記録フレームレートで記録するとともに、この記録されたフレームに対してタイムコードを歩進して関連付ければ、この記録媒体45を所望のフレームレートで再生したときに、正しいタイムコードを得ることができる。
なお、上述の実施の形態では画像信号DVbを符号化して記録媒体45に記録する場合を示したが、画像信号DVbを符号化することなく記録媒体45に記録するとき、画像圧縮部や画像伸長部を設ける必要がないことは勿論である。
10・・・撮像装置、11・・・撮像部、12・・・駆動部、13・・・撮像信号処理部、14・・・フレーム加算処理部、15・・・本線画出力部、16・・・モニタ画出力部、17・・・撮像制御部、18,41・・・ユーザインタフェース部、30・・・信号記録装置、31・・・入力処理部、32・・・記録処理部、33・・・タイムコード処理部、34・・・復調部、35・・・画像伸長部、36・・・記録媒体駆動部、40・・・制御部、45・・・記録媒体、50・・・電子ビューファインダー、60・・・画像表示装置、321・・・画像圧縮部、322・・・記憶処理部、323・・・変調部、324・・・ヘッド部