JP2005037137A - 分光測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして小型化を実現することが可能な分光測定装置を提供する。
【解決手段】光源1により照明された光が測定域によって反射する反射光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部5は、回転可能な第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52により構成され、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52には、任意の数の光学フィルタFi,Fjが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓H1,H2が配置され、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52は、一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが反射光が受光センサ4に至る光路上に重なるように縦列配置されている。
【選択図】 図1
【解決手段】光源1により照明された光が測定域によって反射する反射光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部5は、回転可能な第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52により構成され、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52には、任意の数の光学フィルタFi,Fjが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓H1,H2が配置され、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52は、一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが反射光が受光センサ4に至る光路上に重なるように縦列配置されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象を経由することで生成される透過光、反射光又は放射光等の被測定光を分光し、測定対象が有している情報を得るための分光測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、試料による反射光や透過光等の波長ごとの反射率や透過率を測定する分光測定装置が知られている。このような分光測定装置では、反射光や透過光を分光することによって波長ごとの反射率や透過率を測定し、測定した反射率や透過率に基づいて三刺激値などが求められる。
【0003】
図15は、従来の分光測定装置200の構成を示す図である。図15に示す従来の分光測定装置200は、光源201、コリメータレンズ202、受光光学系203、受光センサ204、回転盤205及びモータ206を備えて構成される。
【0004】
光源201は、測定対象である試料20を照明するためのものである。コリメータレンズ202は、光源201からの光を平行光にし、効率よく試料20を照明するためのものである。受光光学系203は、試料20による反射光を受光センサ204に導くものである。受光センサ204は、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を出力する。受光光学系203と受光センサ204との間には、回転盤205が配置されている。
【0005】
図16は、従来の分光測定装置の回転盤における光学フィルタの配置の一例を示す図である。回転盤205は、モータ206によって中心軸205aを中心として回転する。図16に示すように、回転盤205には、分光を所望する数だけの複数の光学フィルタ210が、回転中心である中心軸205aの同心円Sc上に配置されている。光学フィルタ210は、それぞれ異なる分光透過率特性を有しており、各光学フィルタ210によって反射光が分光される(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−48645号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図16に示すように、従来の分光測定装置200では、回転盤205の1つの円周上に光学フィルタ210を全て配置している。したがって、分光を所望する数が少ない場合、光学フィルタ210の数も少なくてすみ、回転盤205の径も小さくすることが可能であるが、分光を所望する数が多い場合、光学フィルタ210の数が多くなってしまい、回転盤205の径も光学フィルタ210の数に応じて大きくなってしまう。回転盤205の大きさは、装置全体の大きさに影響を与えるため、回転盤205の径が大きくなることによって、分光測定装置が大型化してしまい、近年求められている小型化を実現することが困難である。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして小型化を実現することが可能な分光測定装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る分光測定装置は、測定対象の測定域に光を照射する照明部と、
前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部と、
前記分光部によって分光された光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光部とを備え、
前記分光部は、回転可能な複数の回転盤により構成され、前記回転盤には、任意の数の前記光学フィルタが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓が配置され、前記複数の回転盤は、前記複数の回転盤のうちの一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが前記被測定光が前記受光部に至る光路上に重なるように縦列配置されている。
【0010】
この構成によれば、照明部によって、測定対象の測定域に光が照射され、分光部によって、照明された光が測定域を経由することで生成された被測定光が複数の波長の光に分光される。ここで、分光部は、回転可能な複数の回転盤により構成され、各回転盤には、任意の数の光学フィルタが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓が配置され、複数の回転盤は、複数の回転盤のうちの一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが被測定光が受光部に至る光路上に重なるように縦列配置されている。被測定光は、複数の回転盤における複数の光学フィルタと透過窓とを透過して複数の波長の光に分光される。そして、受光部によって、分光された光が受光され、受光された各波長成分の光強度に応じた電気信号が光電変換により検出される。
【0011】
したがって、従来のように、測定対象を経由することで生成された被測定光を分光するための複数の光学フィルタを1つの回転盤に設けることなく、複数の光学フィルタを複数の回転盤に分散して配置することによって、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして小型化を実現することができる。
【0012】
また、上記の分光測定装置において、前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を複数の光に分岐する光分岐部をさらに備えることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、光分岐部によって分岐された複数の被測定光が、回転盤に配置された複数の光学フィルタを透過することによって、1度に複数の波長の被測定光を受光することができ、測定時間を短縮することができる。
【0014】
また、上記の分光測定装置において、測定対象の測定域に光を照射する照明部と、
前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部と、
前記分光部によって分光された光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光部とを備え、
前記分光部は、回転可能な回転盤により構成され、前記回転盤には、任意の数の前記光学フィルタが回転中心の同心円上に環状に複数列並べて配置される。
【0015】
この構成によれば、照明部によって、測定対象の測定域に光が照射され、分光部によって、照明された光が測定域を経由することで生成された被測定光が複数の波長の光に分光される。ここで、分光部は、回転可能な回転盤により構成され、回転盤には、任意の数の光学フィルタが回転中心の同心円上に環状に複数列並べて配置されている。被測定光は、回転盤における光学フィルタを透過して複数の波長の光に分光される。そして、受光部によって、分光された光が受光され、受光された各波長成分の光強度に応じた電気信号が光電変換により検出される。
【0016】
したがって、測定対象を経由することで生成された被測定光を分光するための複数の光学フィルタの数がたとえ増えたとしても、複数の光学フィルタを回転盤の複数の同心円上に環状に分散して配置することによって、回転盤の大きさを大きくする必要がなく、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして小型化を実現することができる。
【0017】
また、上記の分光測定装置において、前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を複数の光に分岐する光分岐部をさらに備えることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、光分岐部によって分岐された複数の被測定光が、回転盤に配置された複数の光学フィルタを透過することによって、1度に複数の波長の被測定光を受光することができ、測定時間を短縮することができる。
【0019】
また、上記の分光測定装置において、前記回転盤の中心軸を光軸に対して垂直な方向にシフトさせる中心軸駆動部をさらに備えることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、中心軸駆動部によって、回転盤の中心軸を光軸に対して垂直な方向にシフトさせることで、回転盤の複数の同心円上に配置された複数の光学フィルタのうち、各同心円上に配置された複数の光学フィルタを受光部に入射する被測定光の光路上に移動させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における分光測定装置の構成を示す図であり、図2は、光学フィルタ回転盤の配置について説明するための図である。
【0023】
図1に示す分光測定装置10は、光源1、コリメータレンズ2、受光光学系3、受光センサ4、分光部5及びモータ6を備えて構成される。
【0024】
光源1は、例えば、連続点灯が可能なハロゲンランプ又はLED(Light Emitting Diode)等で構成され、測定対象である試料20を照明する。コリメータレンズ2は、効率よく試料20を照明するために光源1からの光を平行光にする。
【0025】
受光光学系3は、例えば、カメラレンズ等で構成され、試料20によって反射した反射光を受光センサ4に導くものである。なお、受光光学系3としては、有限距離の受光センサ4に反射光を結像させる有限結像の光学系や、受光した光を拡散させる光学系などを用いてもよい。
【0026】
受光センサ4は、例えば、フォトダイオード等で構成され、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する。なお、受光センサ4としては、CCD(Charge Coupled Device)等を用いてもよい。
【0027】
分光部5は、光源1により照明された光が試料20の測定域によって反射した反射光を複数の波長の光に分光するものであり、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52を備えて構成される。
【0028】
第1光学フィルタ回転盤51は、第1モータ61の回転軸61aを中心とする同心円Sa(図2参照)上に、分光する数(本実施形態では16)の光学フィルタを2等分した数の光学フィルタFi(本実施形態では、i=1〜8)と、光学フィルタが設けられておらず、光をそのまま透過させる1つの透過窓H1とを備えて構成される。光学フィルタFiは、例えば、色ガラスフィルタで構成され、特定の波長の光を透過させる分光透過率特性を有する。なお、光学フィルタFiとしては、例えば、干渉フィルタを用いてもよい。透過窓H1は、例えば、透明ガラスなどで構成され、受光光学系3によって導かれた反射光を透過させる。なお、透過窓H1としては、例えば、第1光学フィルタ回転盤51上に穴を形成することによって構成してもよい。
【0029】
第2光学フィルタ回転盤52は、第2モータ62の回転軸62aを中心とする同心円Sb(図2参照)上に、分光する数(本実施形態では16)の光学フィルタを2等分した数の光学フィルタFj(本実施形態では、j=1〜8)と、光学フィルタが設けられておらず、光をそのまま透過させる1つの透過窓H2とを備えて構成される。光学フィルタFjは、例えば、色ガラスフィルタで構成され、特定の波長の光を透過させる分光透過率特性を有する。なお、光学フィルタFjとしては、例えば、干渉フィルタを用いてもよい。透過窓H2は、例えば、透明ガラスなどで構成され、受光光学系3によって導かれた反射光を透過させる。なお、透過窓H2としては、例えば、第2光学フィルタ回転盤52上に穴を形成することによって構成してもよい。
【0030】
第1光学フィルタ回転盤51に設けられた複数の光学フィルタFi及び第2光学フィルタ回転盤52に設けられた複数の光学フィルタFjは、それぞれ異なる分光透過率特性を有している。
【0031】
図2に示すように、第1光学フィルタ回転盤51と第2光学フィルタ回転盤52とは、受光光学系3から受光センサ4に入射する光に対して並列に重ねて配置される。第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52に設けられた光学フィルタFi,Fj及び透過窓H1,H2は、受光光学系3から受光センサ4に入射する光の光路上に重なるように縦列配置される。そして、受光光学系3からの光は、第1光学フィルタ回転盤51の光学フィルタFiを通過した場合、第2光学フィルタ回転盤52の透過窓H2を通過して受光センサ4に入射し、第1光学フィルタ回転盤51の透過窓H1を通過した場合、第2光学フィルタ回転盤52の光学フィルタFjを通過して受光センサ4に入射することとなる。
【0032】
モータ6は、複数の光学フィルタ回転盤を回転させるものであり、第1モータ61及び第2モータ62を備えて構成される。
【0033】
第1モータ61は、例えば、一時停止可能なステッピングモータなどで構成され、第1光学フィルタ回転盤51を回転させる。なお、第1モータ61としては、全ての光学フィルタFiの位置を検出することができれば、DCモータのような連続回転式のものを使用してもよい。
【0034】
第2モータ62は、例えば、一時停止可能なステッピングモータなどで構成され、第2光学フィルタ回転盤52を回転させる。なお、第2モータ62としては、全ての光学フィルタFjの位置を検出することができれば、DCモータのような連続回転式のものを使用してもよい。
【0035】
図3は、第1の実施形態における分光測定装置10の内部構成を示すブロック図である。図3に示す分光測定装置10は、光源1、受光センサ4、第1モータ61、第2モータ62及び制御部100を備えて構成される。なお、光源1、受光センサ4、第1モータ61及び第2モータ62については、既に説明しているので、ここでは制御部100についてのみ説明する。
【0036】
制御部100は、例えば、CPU(中央演算処理装置)等で構成され、発光制御部101、光学フィルタ位置制御部102及び分光データ測定処理部103として機能する。
【0037】
発光制御部101は、光源1の発光タイミング及び発光時間を制御する。光学フィルタ位置制御部102は、第1モータ61及び第2モータ62の駆動を制御し、第1光学フィルタ回転盤51の光学フィルタFi及び透過窓H1の位置と、第2光学フィルタ回転盤52の光学フィルタFj及び透過窓H2の位置とを制御する。分光データ測定処理部103は、試料20からの反射光を受光した受光センサ4から出力される分光データを測定し、この分光データを用いて試料20の分光反射特性R(λ)を求め、求めた分光反射特性R(λ)に基づいて三刺激値X,Y,Zを算出する。
【0038】
次に、第1の実施形態における分光測定装置10の動作について説明する。図4は、第1の実施形態における分光測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0039】
ステップS1において、制御部100は、光源1の発光タイミング及び発光時間を制御する発光制御信号を光源1に出力し、光源1は、制御部100からの発光制御信号に基づいて発光する。光源1から放射される光は、コリメータレンズ2によって平行光にされ、試料20に照射する。試料20による反射光は、受光光学系3に入射する。
【0040】
ステップS2において、受光光学系3は試料20による反射光を受光する。受光光学系3によって受光された反射光は、受光センサ4に向けて出射される。
【0041】
ステップS3において、制御部100は、第1モータ61及び第2モータ62の駆動を制御し、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52のうちの回転させる回転盤以外の回転盤における透過窓の位置を受光センサ4へ入射する光の光路上に移動させる。例えば、第1光学フィルタ回転盤51に配置された光学フィルタを用いて分光する場合、第2光学フィルタ回転盤52の透過窓H2を、受光光学系3から受光センサ4への光路上に移動させる。
【0042】
ステップS4において、制御部100は、第1モータ61及び第2モータ62の駆動を制御し、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52のうちのいずれか一方の回転盤を回転させ、所望の光学フィルタを受光光学系3から受光センサ4への光路上に移動させる。例えば、第1光学フィルタ回転盤51に配置された光学フィルタFiを用いて分光する場合、第1光学フィルタ回転盤51の所望の光学フィルタFiを、受光センサ4へ入射する光の光路上に移動させる。受光光学系3によって受光センサ4に向けて出射された反射光は、第1光学フィルタ回転盤51の光学フィルタFi又は透過窓H1を通過した後、第2光学フィルタ回転盤52の透過窓H2又は光学フィルタFjを通過して、受光センサ4に入射する。
【0043】
ステップS5において、受光センサ4は、光学フィルタFi,Fjによる透過光を受光し、受光した波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する。なお、受光センサ4によって検出される電気信号は、分光データとして制御部100に出力される。
【0044】
ステップS6において、制御部100は、受光光学系3から出射される光が、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52のうちの回転している回転盤に配置されている光学フィルタを全て通過したか否かを判断する。ここで、受光光学系3から出射される光が、回転している回転盤の光学フィルタを全て通過したと判断されると(ステップS6でYES)、ステップS7に移行する。受光光学系3から出射される光が、回転している回転盤の光学フィルタを全て通過していないと判断されると(ステップS6でNO)、ステップS4に戻ることとなり、回転している回転盤の光学フィルタを全て通過するまでステップS4〜S6までの動作が繰り返し行われる。
【0045】
ステップS7において、制御部100は、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52に配置されている全ての光学フィルタの分光データを取得したか否かを判断する。ここで、全ての光学フィルタの分光データを取得したと判断されると(ステップS7でYES)、ステップS8に移行する。全ての光学フィルタの分光データを取得していないと判断されると(ステップS7でNO)、ステップS3に戻ることとなり、全ての光学フィルタの分光データが取得されるまでステップS3〜S7までの動作が繰り返し行われる。
【0046】
ステップS8において、制御部100は、試料20による反射光の分光データを測定する。
【0047】
このように、試料20による反射光が受光センサ4に入射する光路上に、光学フィルタ及び透過窓がそれぞれ設けられた第1光学フィルタ回転盤51と第2光学フィルタ回転盤52とを並列に配置し、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52のうちの一方の回転盤の透過窓を前記光路上に移動させ、他方の回転盤の光学フィルタを前記光路上に移動させる。したがって、従来、1つの回転盤上に配置していた複数の光学フィルタを、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52上に分散して配置することによって、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして装置の小型化を実現することができる。
【0048】
なお、本実施形態において、分光測定装置10は、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52の2つの回転盤を備えているが、本発明は特にこれに限定されず、3つ以上の複数の回転盤を備えてもよい。この場合、3つ以上の回転盤に光学フィルタを分散して配置することで、さらに回転盤の径を小さくすることができ、装置の小型化を実現することができる。
【0049】
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。第1の実施形態の分光測定装置では、受光センサに入射する反射光が1つであり、この反射光が光学フィルタ及び透過窓を通過することで分光しているが、第1の実施形態の変形例では、受光センサに入射する反射光を複数に分割し、分割された複数の反射光が複数の光学フィルタ及び透過窓を同時に通過することで分光し、受光センサによって分光された光を同時に受光する。
【0050】
図5及び図6は、第1の実施形態の変形例について説明するための図であり、図5は、第1の実施形態の変形例における光学フィルタ回転盤の配置について説明するための図であり、図6は、受光光学系から出射される反射光について説明するための図である。
【0051】
第1の実施形態の変形例における分光測定装置は、光源1、コリメータレンズ2、受光光学系3、受光センサ4、分光部5、モータ6、光分岐部7及び反射鏡8を備えて構成される。
【0052】
分光部5は、第1光学フィルタ回転盤51’及び第2光学フィルタ回転盤52’を備えて構成される。
【0053】
第1光学フィルタ回転盤51’は、第1モータ61の回転軸61aを中心とする同心円Sa(図5参照)上に、分光する数(本実施形態では14)の光学フィルタを2等分した数の光学フィルタFi(本実施形態では、i=1〜7)と、光学フィルタが設けられておらず、光をそのまま透過させる2つの透過窓H11,H12とを備えて構成される。
【0054】
第2光学フィルタ回転盤52’は、第2モータ62の回転軸62aを中心とする同心円Sb(図5参照)上に、分光する数(本実施形態では14)の光学フィルタを2等分した数の光学フィルタFj(本実施形態では、j=1〜7)と、光学フィルタが設けられておらず、光をそのまま透過させる2つの透過窓H21,H22とを備えて構成される。
【0055】
第1光学フィルタ回転盤51’に設けられた複数の光学フィルタFi及び第2光学フィルタ回転盤52’に設けられた複数の光学フィルタFjは、それぞれ異なる分光透過率特性を有している。
【0056】
光分岐部7は、例えば、ビームスプリッタ等で構成され、受光光学系3より出射した反射光を、互いに異なる角度を有する複数の光に分離させる。すなわち、光分岐部7は、受光光学系3より出射した反射光Lxを、直進する光Laと、当該直進する光に対して90度の方向の光Lbとに分割する。反射鏡8は、光分岐部7によって90度の方向に分割された光Lbを、第1光学フィルタ回転盤51’に向けて反射させる。反射鏡8によって反射された光Lcは、第1光学フィルタ回転盤51の光学フィルタFi、透過窓H11又は透過窓H12に入射する。
【0057】
受光センサ4は、第1受光センサ41及び第2受光センサ42を備えて構成される。第1受光センサ41は、光分岐部7によって分割された光のうちの一方の光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する。第2受光センサ42は、光分岐部7によって分割された光のうちの他方の光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する。
【0058】
図5に示すように、第1光学フィルタ回転盤51’と第2光学フィルタ回転盤52’とは、受光光学系3から受光センサ4に入射する光に対して並列に重ねて配置される。第1光学フィルタ回転盤51’及び第2光学フィルタ回転盤52’に設けられた光学フィルタFi,Fj及び透過窓H11,H12,H21,H22は、受光光学系3から受光センサ4に入射する光の光路上に重なるように縦列配置される。そして、受光光学系3からの光は、光分岐部7によって2つの光に分岐され、分岐された2つの光は、第1光学フィルタ回転盤51の光学フィルタFiのうちの2つの光学フィルタを通過した場合、第2光学フィルタ回転盤52の透過窓H21,H22を通過して受光センサ41,42に入射し、第1光学フィルタ回転盤51’の透過窓H11,H12を通過した場合、第2光学フィルタ回転盤52’の光学フィルタFjのうちの2つの光学フィルタを通過して受光センサ41,42に入射することとなる。
【0059】
このように、光分岐部7によって分割した光の数に応じた透過窓を第1光学フィルタ回転盤51’及び第2光学フィルタ回転盤52’にそれぞれ設けるとともに、光分岐部7によって分割した光の数に応じた受光センサ4を設け、試料20による反射光を光分岐部7によって複数に分割し、分割された反射光を第1受光センサ41及び第2受光センサ42で同時に受光することによって、1度に複数の波長の反射光を受光することができ、測定時間を短縮することができる。
【0060】
なお、本実施形態では、受光センサ4に入射する光を光分岐部7によって2つの光に分岐しているが、本発明は特にこれに限定されず、光分岐部7は、3つ以上の複数の光に分岐してもよい。この場合、分岐する光の数に応じた数の受光センサが設けられる。
【0061】
なお、本実施形態における分光測定装置は、積分球方式の分光測色計として用いることが可能である。
【0062】
図7は、積分球方式の分光測色計の構成を示す図である。図7に示す分光測定装置30は、光源1、コリメータレンズ2、受光光学系3、受光センサ4、分光部5、モータ6及び積分球9を備えて構成される。
【0063】
積分球9は、その内壁に高拡散性、高反射率の例えば酸化マグネシウムや硫酸バリウム等の白色拡散反射塗料が塗布された中空の球で、光源1からの光線を内壁で多重反射して拡散光を生成するものである。
【0064】
この構成では、積分球9によって生成された拡散光により試料20をあらゆる方向から均等に照明することができ、拡散光による試料20の反射光を測定することができる。
【0065】
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態における分光測定装置の構成を示す図であり、図9は、光学フィルタ回転盤における光学フィルタの配置について説明するための図である。
【0066】
図8に示す分光測定装置10’は、光源1、コリメータレンズ2、受光光学系3、受光センサ4、分光部5’及びモータ6’を備えて構成される。
【0067】
分光部5’は、光源1により照明された光が試料20の測定域によって反射した反射光を複数の波長の光に分光するものであり、光学フィルタ回転盤53を備えて構成される。光学フィルタ回転盤53は、回転中心の複数の同心円上に環状に複数の光学フィルタが配置されている。すなわち、図9に示すように、光学フィルタ回転盤53の回転中心である回転軸63aの第1の同心円S1上に複数の光学フィルタFnが配置され、さらに第1の同心円S1よりも小さい第2の同心円S2上に複数の光学フィルタFmが配置されている。光学フィルタ回転盤53に設けられた光学フィルタFnが、受光光学系3から受光センサ4に入射する光の光路上にある場合、受光光学系3からの光は、光学フィルタ回転盤53の光学フィルタFnを通過して受光センサ4に入射する。光学フィルタ回転盤53に設けられた光学フィルタFmが、受光光学系3から受光センサ4に入射する光の光路上にある場合、受光光学系3からの光は、光学フィルタ回転盤53の光学フィルタFmを通過して受光センサ4に入射する。
【0068】
モータ6’は、回転駆動モータ63及び軸駆動モータ64を備えて構成される。回転駆動モータ63は、例えば、一時停止可能なステッピングモータなどで構成され、回転軸63aを中心として光学フィルタ回転盤53を回転させる。なお、回転駆動モータ63としては、全ての光学フィルタFn,Fmの位置を検出することができれば、DCモータのような連続回転式のものを使用してもよい。軸駆動モータ64は、例えば、連続回転可能なDCモータ等で構成され、光学フィルタ回転盤53の回転軸63aを、受光センサ4に入射する光に対して垂直な方向(図8及び図9の矢印Y1の方向)に移動させる。軸駆動モータ64によって、光学フィルタ回転盤53の回転軸63aを受光センサ4に入射する光に対して垂直な方向に移動させることで、光学フィルタ回転盤53の第1の同心円S1上又は第2の同心円S2上に受光光学系3から受光センサ4に入射する光の光路が位置することとなり、受光光学系3から受光センサ4に入射する光の光路上に光学フィルタFnあるいは光学フィルタFmが配置されることとなる。
【0069】
図10は、第2の実施形態における分光測定装置10’の内部構成を示すブロック図である。図10に示す分光測定装置10’は、光源1、受光センサ4、回転駆動モータ63、軸駆動モータ64及び制御部100を備えて構成される。なお、光源1、受光センサ4、回転駆動モータ63及び軸駆動モータ64については、既に説明しているので、ここでは制御部100についてのみ説明する。
【0070】
制御部100は、例えば、CPU(中央演算処理装置)で構成され、発光制御部101、光学フィルタ位置制御部102及び分光データ測定処理部103として機能する。なお、発光制御部101及び分光データ測定処理部103の機能については、第1の実施形態で説明しているので、ここでは光学フィルタ位置制御部102についてのみ説明する。
【0071】
光学フィルタ位置制御部102’は、回転駆動モータ63及び軸駆動モータ64の駆動を制御し、光学フィルタ回転盤53の光学フィルタFn,Fmの位置を制御する。
【0072】
次に、第2の実施形態における分光測定装置10’の動作について説明する。図11は、第2の実施形態における分光測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS11において、制御部100は、光源1の発光タイミング及び発光時間を制御する発光制御信号を光源1に出力し、光源1は、制御部100からの発光制御信号に基づいて発光する。光源1から放射される光は、コリメータレンズ2によって平行光にされ、試料20に照射する。試料20による反射光は、受光光学系3に入射する。
【0074】
ステップS12において、受光光学系3は試料20による反射光を受光する。受光光学系3によって受光された反射光は、受光センサ4に向けて出射される。
【0075】
ステップS13において、制御部100は、軸駆動モータ64の駆動を制御し、光学フィルタ回転盤53の回転軸を受光センサ4へ入射する光に対して垂直な方向に移動させることにより、第1の同心円S1上の光学フィルタFn及び第2の同心円S2上の光学フィルタFmのうちのいずれか一方が受光センサ4へ入射する光の光路上に位置するように移動させる。例えば、第1の同心円S1上の光学フィルタFnを用いて分光する場合、光学フィルタ回転盤53の光学フィルタFnが受光センサ4へ入射する光の光路上にくるように回転軸を移動させ、第2の同心円S2上の光学フィルタFmを用いて分光する場合、光学フィルタ回転盤53の光学フィルタFmが受光センサ4へ入射する光の光路上にくるように回転軸を移動させる。
【0076】
ステップS14において、制御部100は、回転駆動モータ63の駆動を制御し、光学フィルタ回転盤53を回転させ、所望の光学フィルタを受光光学系3から受光センサ4へ入射する光の光路上に移動させる。例えば、光学フィルタ回転盤53の第1の同心円S1上に配置された光学フィルタFnを用いて分光する場合、光学フィルタ回転盤53の所望の光学フィルタFnを受光光学系3から受光センサ4へ入射する光の光路上に移動させる。受光光学系3によって受光センサ4に向けて出射された反射光は、光学フィルタ回転盤53の光学フィルタを通過して、受光センサ4に入射する。
【0077】
ステップS15において、受光センサ4は、光学フィルタによる透過光を受光し、受光した波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する。なお、受光センサ4によって検出される電気信号は、分光データとして制御部100に出力される。
【0078】
ステップS16において、制御部100は、受光光学系3から出射される光が、光学フィルタ回転盤53の同一同心円上に配置されている光学フィルタを全て通過したか否かを判断する。ここで、受光光学系3から出射される光が、光学フィルタ回転盤53の同一同心円上に配置されている光学フィルタを全て通過したと判断されると(ステップS16でYES)、ステップS17に移行する。受光光学系3から出射される光が、光学フィルタ回転盤53の同一同心円上に配置されている光学フィルタを全て通過していないと判断されると(ステップS16でNO)、ステップS14に戻ることとなり、光学フィルタ回転盤53の同一同心円上に配置されている光学フィルタを全て通過するまでステップS14〜S16までの動作が繰り返し行われる。
【0079】
ステップS17において、制御部100は、光学フィルタ回転盤53に配置されている全ての光学フィルタの分光データを取得したか否かを判断する。ここで、全ての光学フィルタの分光データを取得したと判断されると(ステップS17でYES)、ステップS18に移行する。全ての光学フィルタの分光データを取得していないと判断されると(ステップS17でNO)、ステップS13に戻り、制御部100は、他の同心円上の光学フィルタの分光データを取得するべく軸駆動モータ64を制御して回転軸63aを移動させる。そして、他の全ての光学フィルタの分光データが取得されるまでステップS13〜S17までの動作が繰り返し行われる。
【0080】
ステップS18において、制御部100は、試料20による反射光の分光データを測定する。
【0081】
このように、光源1によって、試料20の測定域に光が照射され、分光部5’によって、照明された光が測定域によって反射する反射光が複数の波長の光に分光される。ここで、分光部5’は、回転可能な光学フィルタ回転盤53により構成され、光学フィルタ回転盤53には、任意の数の光学フィルタが回転中心の同心円上に複数列並べて配置されている。反射光は、光学フィルタ回転盤53における光学フィルタを透過して複数の波長の光に分光される。そして、受光センサ4によって、分光された光が受光され、受光された各波長成分の光強度に応じた電気信号が光電変換により検出される。
【0082】
したがって、試料20によって反射した反射光を分光するための複数の光学フィルタの数がたとえ増えたとしても、複数の光学フィルタを光学フィルタ回転盤53の複数の同心円S1,S2上に分散して配置することによって、光学フィルタ回転盤53の大きさを大きくする必要がなく、光学フィルタが設けられた分光部5’の回転盤の径を小さくして装置の小型化を実現することができる。
【0083】
また、軸駆動モータ64によって、光学フィルタ回転盤53の中心軸(回転軸63a)を光軸に対して垂直な方向にシフトさせることで、光学フィルタ回転盤53の複数の同心円S1,S2上に配置された複数の光学フィルタのうち、各同心円上に配置された複数の光学フィルタを受光センサ4に入射する反射光の光路上に移動させることができる。
【0084】
なお、本実施形態では、光学フィルタ回転盤53における第1の同心円S1及び第2の同心円S2の2つの同心円上に光学フィルタをそれぞれ配置しているが、本発明は特にこれに限定されず、3つ以上の複数の同心円上に光学フィルタを配置してもよい。
【0085】
次に、第2の実施形態の変形例について説明する。第2の実施形態の分光測定装置では、受光センサに入射する反射光が1つであり、この反射光が光学フィルタを通過することで分光しているが、第2の実施形態の変形例では、受光センサに入射する反射光を複数に分割し、分割された複数の反射光が複数の光学フィルタを同時に通過することで分光し、受光センサによって分光された光を同時に受光する。
【0086】
図12は、第2の実施形態の変形例について説明するための図である。第2の実施形態の変形例における分光測定装置は、光源1、コリメータレンズ2、受光光学系3、受光センサ4、分光部5’、モータ6’、光分岐部7及び反射鏡8を備えて構成される。なお、光源1、コリメータレンズ2、受光光学系3、受光センサ4、モータ6’、光分岐部7及び反射鏡8の構成は、第1の実施形態の変形例における分光測定装置と同じであり、分光部5’の構成は、第2の実施形態における分光測定装置と同じであるので説明を省略する。
【0087】
図12に示すように、光学フィルタ回転盤53には、回転軸を中心とする第1の同心円S1上に光学フィルタFnが配置され、第1の同心円S1よりも小さい第2の同心円S2上に光学フィルタFmが配置されている。そして、光分岐部7によって分割された反射光は、それぞれ異なる同心円上の光学フィルタに入射する。すなわち、光分岐部7を透過した反射光は、光学フィルタ回転盤53における第2の同心円S2上の光学フィルタFmを通過して受光センサ41に入射し、光分岐部7により90度の角度で反射された光は、反射鏡8によりさらに90度の角度で反射され、光学フィルタ回転盤53における第1の同心円S1上の光学フィルタFnを通過して受光センサ42に入射する。
【0088】
このように、光分岐部7によって分割した光の数に応じた受光センサ4を設け、試料20による反射光を光分岐部7によって複数に分割し、分割された反射光が第1の同心円S1上の光学フィルタFn及び第2の同心円S2上の光学フィルタFmを同時に透過し、光学フィルタFn及び光学フィルタFmを透過した反射光を第1受光センサ41及び第2受光センサ42で同時に受光することによって、1度に複数の波長の反射光を受光することができ、測定時間を短縮することができる。
【0089】
なお、上記各実施形態において、分光部5は、光源により照明された光が試料の測定域で反射した反射光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光しているが、本発明は特にこれに限定されず、例えば、試料による透過光や試料による放射光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光してもよく、光源により照明された光が試料の測定域を経由することで生成された被測定光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光してもよい。
【0090】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。上記第1及び第2の実施形態では、試料20による反射光を分光部5により分光しているが、第3の実施形態では、光源1の放射光を分光部5により分光する。
【0091】
図13は、第3の実施形態における分光測定装置の構成を示す図である。図13に示す分光測定装置40は、光源1、受光光学系3、受光センサ4、分光部5及びモータ6を備えて構成される。
【0092】
光源1は、連続点灯が可能なハロゲンランプ又はLED(Light Emitting Diode)等で構成され、放射光を出力する。受光光学系3は、例えば、カメラレンズ等で構成され、光源1によって出力される放射光を受光センサ4に導くものである。受光センサ4は、例えば、フォトダイオード等で構成され、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する。分光部5は、光源1により出力された放射光を複数の波長の光に分光するものであり、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52を備えて構成される。モータ6は、複数の光学フィルタ回転盤を回転させるものであり、第1モータ61及び第2モータ62を備えて構成される。なお、第1光学フィルタ回転盤51、第2光学フィルタ回転盤52、第1モータ61及び第2モータ62については第1の実施形態で説明しているので、ここではその説明を省略する。
【0093】
また、第1の実施形態における分光測定装置10が試料20による反射光を分光して測定するものであるのに対して、第3の実施形態における分光測定装置40は、光源1からの放射光を分光して測定するものであるので、分光測定装置40の動作については説明を省略する。
【0094】
このように、分光測定装置40は、測定対象となる光源1から照射された被測定光(放射光)を、光学フィルタFi,Fjによって複数の波長の光に分光する分光部5と、分光部5によって分光された光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光センサ4とを備え、分光部5は、回転可能な第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52により構成され、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52には、任意の数の光学フィルタFi及び光学フィルタFjが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓H1及び透過窓H2が配置され、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52は、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52のうちの一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが被測定光が受光センサ4に至る光路上に重なるように縦列配置されている。
【0095】
したがって、光源の放射光を分光測定することができ、従来、1つの回転盤上に配置していた複数の光学フィルタを、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52上に分散して配置することによって、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして装置の小型化を実現することができる。
【0096】
なお、第3の実施形態における分光測定装置40の分光部5としては、図5に示す第1光学フィルタ回転盤51’及び第2光学フィルタ回転盤52’を用いてもよく、また、図8及び図9に示す光学フィルタ回転盤53を用いてもよい。
【0097】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。上記第1及び第2の実施形態では、試料20による反射光を分光部5により分光しているが、第3の実施形態では、光源1の放射光を分光部5により分光し、分光された光が試料20によって反射された反射光を受光センサ4により受光する。
【0098】
図14は、第4の実施形態における分光測定装置の構成を示す図である。図14に示す分光測定装置50は、光源1、受光光学系3、受光センサ4、分光部5及びモータ6を備えて構成される。
【0099】
光源1は、例えば、連続点灯が可能なハロゲンランプ又はLED(Light Emitting Diode)等で構成され、測定対象である試料20を照明する。コリメータレンズ2は、効率よく試料20を照明するために光源1からの光を平行光にする。分光部5は、光源1により出力され、コリメータレンズ2によって平行光にされた光を複数の波長の光に分光するものであり、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52を備えて構成される。モータ6は、複数の光学フィルタ回転盤(第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52)を回転させるものであり、第1モータ61及び第2モータ62を備えて構成される。なお、第1光学フィルタ回転盤51、第2光学フィルタ回転盤52、第1モータ61及び第2モータ62については第1の実施形態で説明しているので、ここではその説明を省略する。受光光学系3は、例えば、カメラレンズ等で構成され、分光部5によって分光され、試料20によって反射した反射光を受光センサ4に導くものである。受光センサ4は、例えば、フォトダイオード等で構成され、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する。
【0100】
なお、第1の実施形態における分光測定装置10が試料20による反射光を分光し、分光された光を受光センサ4により受光するものであるのに対して、第4の実施形態における分光測定装置50は、光源1からの放射光を分光し、分光された光が試料20によって反射された反射光を受光センサ4により受光するものであるので、分光測定装置40の動作については説明を省略する。
【0101】
このように、分光測定装置50は、光源1と、光源1からの光を、光学フィルタFi,Fjによって複数の波長の光に分光する分光部5と、分光部5によって分光され、測定対象である試料20を照明した後の反射光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光センサ4とを備え、分光部5は、回転可能な第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52により構成され、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52には、任意の数の光学フィルタFi及び光学フィルタFjが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓H1及び透過窓H2が配置され、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52は、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52のうちの一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが被測定光が試料20に至る光路上に重なるように縦列配置されている。
【0102】
したがって、光源の放射光を分光し、分光された光が試料20によって反射した反射光を測定することができ、従来、1つの回転盤上に配置していた複数の光学フィルタを、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52上に分散して配置することによって、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして装置の小型化を実現することができる。
【0103】
なお、第4の実施形態における分光測定装置50の分光部5としては、図5に示す第1光学フィルタ回転盤51’及び第2光学フィルタ回転盤52’を用いてもよく、また、図8及び図9に示す光学フィルタ回転盤53を用いてもよい。
【0104】
また、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0105】
(1)測定対象の測定域に光を照射する照明部と、
前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部と、
前記分光部によって分光された光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光部とを備え、
前記分光部は、回転可能な複数の回転盤により構成され、前記回転盤には、任意の数の前記光学フィルタが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓が配置され、前記複数の回転盤は、前記複数の回転盤のうちの一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが前記被測定光が前記受光部に至る光路上に重なるように縦列配置されていることを特徴とする分光測定装置。
【0106】
(2)前記複数の回転盤は、それぞれ中心軸が同一であり、同心円上に複数の光学フィルタと、少なくとも1つの透過窓とが配置されており、
前記複数の回転盤をそれぞれ回転駆動する複数の回転駆動部をさらに備え、
前記複数の回転駆動部は、前記複数の回転盤のうちの1の回転盤の光学フィルタが前記受光部に入射する被測定光の光路上に位置するように前記1の回転盤を回転駆動し、他の回転盤の透過窓が前記受光部に入射する被測定光の光路上に位置するように前記他の回転盤を回転駆動することを特徴とする上記(1)記載の分光測定装置。
【0107】
(3)前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を複数の光に分岐する光分岐部をさらに備えることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の分光測定装置。
【0108】
(4)前記複数の回転盤は、それぞれ中心軸が同一であり、同心円上に複数の光学フィルタと、少なくとも2つの透過窓とが配置されており、
前記複数の回転駆動部は、前記複数の回転盤のうちの1の回転盤の光学フィルタが、前記光分岐部によって分岐される複数の被測定光の光路上に位置するように前記1の回転盤を回転駆動し、他の回転盤の透過窓が、前記光分岐部によって分岐される複数の被測定光の光路上に位置するように前記他の回転盤を回転駆動することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の分光測定装置。
【0109】
(5)測定対象の測定域に光を照射する照明部と、
前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部と、
前記分光部によって分光された光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光部とを備え、
前記分光部は、回転可能な回転盤により構成され、前記回転盤には、任意の数の前記光学フィルタが回転中心の同心円上に環状に複数列並べて配置されることを特徴とする分光測定装置。
【0110】
(6)前記回転盤を回転駆動する回転駆動部をさらに備え、
前記回転駆動部は、前記回転盤の光学フィルタが前記受光部に入射する被測定光の光路上に位置するように前記回転盤を回転駆動することを特徴とする上記(5)記載の分光測定装置。
【0111】
(7)前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を複数の光に分岐する光分岐部をさらに備えることを特徴とする上記(5)記載の分光測定装置。
【0112】
(8)前記回転駆動部は、前記回転盤における複数の同心円上の光学フィルタが、前記光分岐部によって分岐される複数の被測定光の光路上に位置するように前記回転盤を回転駆動することを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれかに記載の分光測定装置。
【0113】
(9)前記回転盤の中心軸を光軸に対して垂直な方向にシフトさせる中心軸駆動部をさらに備えることを特徴とする上記(5)〜(8)のいずれかに記載の分光測定装置。
【0114】
(10)測定対象となる光源から照射された被測定光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部と、
前記分光部によって分光された光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光部とを備え、
前記分光部は、回転可能な複数の回転盤により構成され、前記回転盤には、任意の数の前記光学フィルタが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓が配置され、前記複数の回転盤は、前記複数の回転盤のうちの一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが前記被測定光が前記受光部に至る光路上に重なるように縦列配置されていることを特徴とする分光測定装置。
【0115】
(11)照明部と、
前記照明部からの光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部と、
前記分光部によって分光され、測定対象を照明した後の反射光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光部とを備え、
前記分光部は、回転可能な複数の回転盤により構成され、前記回転盤には、任意の数の前記光学フィルタが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓が配置され、前記複数の回転盤は、前記複数の回転盤のうちの一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが前記被測定光が前記測定対象に至る光路上に重なるように縦列配置されていることを特徴とする分光測定装置。
【0116】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、従来のように、測定対象を経由することで生成された被測定光を分光するための複数の光学フィルタを1つの回転盤に設けることなく、複数の光学フィルタを複数の回転盤に分散して配置することによって、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして小型化を実現することができる。
【0117】
請求項2に記載の発明によれば、光分岐部によって分岐された複数の被測定光が、回転盤に配置された複数の光学フィルタを透過することによって、1度に複数の波長の被測定光を受光することができ、測定時間を短縮することができる。
【0118】
請求項3に記載の発明によれば、測定対象を経由することで生成された被測定光を分光するための複数の光学フィルタの数がたとえ増えたとしても、複数の光学フィルタを回転盤の複数の同心円上に環状に分散して配置することによって、回転盤の大きさを大きくする必要がなく、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして小型化を実現することができる。
【0119】
請求項4に記載の発明によれば、光分岐部によって分岐された複数の被測定光が、回転盤に配置された複数の光学フィルタを透過することによって、1度に複数の波長の被測定光を受光することができ、測定時間を短縮することができる。
【0120】
請求項5に記載の発明によれば、中心軸駆動部によって、回転盤の中心軸を光軸に対して垂直な方向にシフトさせることで、回転盤の複数の同心円上に配置された複数の光学フィルタのうち、各同心円上に配置された複数の光学フィルタを受光部に入射する被測定光の光路上に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における分光測定装置の構成を示す図である。
【図2】光学フィルタ回転盤の配置について説明するための図である。
【図3】第1の実施形態における分光測定装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態における分光測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態の変形例における光学フィルタ回転盤の配置について説明するための図である。
【図6】受光光学系から出射される反射光について説明するための図である。
【図7】積分球方式の分光測色計の構成を示す図である。
【図8】第2の実施形態における分光測定装置の構成を示す図である。
【図9】光学フィルタ回転盤における光学フィルタの配置について説明するための図である。
【図10】第2の実施形態における分光測定装置の内部構成を示すブロック図である。
【図11】第2の実施形態における分光測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施形態の変形例について説明するための図である。
【図13】第3の実施形態における分光測定装置の構成を示す図である。
【図14】第4の実施形態における分光測定装置の構成を示す図である。
【図15】従来の分光測定装置の構成を示す図である。
【図16】従来の分光測定装置の回転盤における光学フィルタの配置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 光源
2 コリメータレンズ
3 受光光学系
4 受光センサ
5 分光部
6 モータ
10 分光測定装置
51 第1光学フィルタ回転盤
52 第2光学フィルタ回転盤
53 光学フィルタ回転盤
61 第1モータ
62 第2モータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象を経由することで生成される透過光、反射光又は放射光等の被測定光を分光し、測定対象が有している情報を得るための分光測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、試料による反射光や透過光等の波長ごとの反射率や透過率を測定する分光測定装置が知られている。このような分光測定装置では、反射光や透過光を分光することによって波長ごとの反射率や透過率を測定し、測定した反射率や透過率に基づいて三刺激値などが求められる。
【0003】
図15は、従来の分光測定装置200の構成を示す図である。図15に示す従来の分光測定装置200は、光源201、コリメータレンズ202、受光光学系203、受光センサ204、回転盤205及びモータ206を備えて構成される。
【0004】
光源201は、測定対象である試料20を照明するためのものである。コリメータレンズ202は、光源201からの光を平行光にし、効率よく試料20を照明するためのものである。受光光学系203は、試料20による反射光を受光センサ204に導くものである。受光センサ204は、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を出力する。受光光学系203と受光センサ204との間には、回転盤205が配置されている。
【0005】
図16は、従来の分光測定装置の回転盤における光学フィルタの配置の一例を示す図である。回転盤205は、モータ206によって中心軸205aを中心として回転する。図16に示すように、回転盤205には、分光を所望する数だけの複数の光学フィルタ210が、回転中心である中心軸205aの同心円Sc上に配置されている。光学フィルタ210は、それぞれ異なる分光透過率特性を有しており、各光学フィルタ210によって反射光が分光される(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−48645号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図16に示すように、従来の分光測定装置200では、回転盤205の1つの円周上に光学フィルタ210を全て配置している。したがって、分光を所望する数が少ない場合、光学フィルタ210の数も少なくてすみ、回転盤205の径も小さくすることが可能であるが、分光を所望する数が多い場合、光学フィルタ210の数が多くなってしまい、回転盤205の径も光学フィルタ210の数に応じて大きくなってしまう。回転盤205の大きさは、装置全体の大きさに影響を与えるため、回転盤205の径が大きくなることによって、分光測定装置が大型化してしまい、近年求められている小型化を実現することが困難である。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして小型化を実現することが可能な分光測定装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る分光測定装置は、測定対象の測定域に光を照射する照明部と、
前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部と、
前記分光部によって分光された光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光部とを備え、
前記分光部は、回転可能な複数の回転盤により構成され、前記回転盤には、任意の数の前記光学フィルタが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓が配置され、前記複数の回転盤は、前記複数の回転盤のうちの一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが前記被測定光が前記受光部に至る光路上に重なるように縦列配置されている。
【0010】
この構成によれば、照明部によって、測定対象の測定域に光が照射され、分光部によって、照明された光が測定域を経由することで生成された被測定光が複数の波長の光に分光される。ここで、分光部は、回転可能な複数の回転盤により構成され、各回転盤には、任意の数の光学フィルタが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓が配置され、複数の回転盤は、複数の回転盤のうちの一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが被測定光が受光部に至る光路上に重なるように縦列配置されている。被測定光は、複数の回転盤における複数の光学フィルタと透過窓とを透過して複数の波長の光に分光される。そして、受光部によって、分光された光が受光され、受光された各波長成分の光強度に応じた電気信号が光電変換により検出される。
【0011】
したがって、従来のように、測定対象を経由することで生成された被測定光を分光するための複数の光学フィルタを1つの回転盤に設けることなく、複数の光学フィルタを複数の回転盤に分散して配置することによって、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして小型化を実現することができる。
【0012】
また、上記の分光測定装置において、前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を複数の光に分岐する光分岐部をさらに備えることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、光分岐部によって分岐された複数の被測定光が、回転盤に配置された複数の光学フィルタを透過することによって、1度に複数の波長の被測定光を受光することができ、測定時間を短縮することができる。
【0014】
また、上記の分光測定装置において、測定対象の測定域に光を照射する照明部と、
前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部と、
前記分光部によって分光された光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光部とを備え、
前記分光部は、回転可能な回転盤により構成され、前記回転盤には、任意の数の前記光学フィルタが回転中心の同心円上に環状に複数列並べて配置される。
【0015】
この構成によれば、照明部によって、測定対象の測定域に光が照射され、分光部によって、照明された光が測定域を経由することで生成された被測定光が複数の波長の光に分光される。ここで、分光部は、回転可能な回転盤により構成され、回転盤には、任意の数の光学フィルタが回転中心の同心円上に環状に複数列並べて配置されている。被測定光は、回転盤における光学フィルタを透過して複数の波長の光に分光される。そして、受光部によって、分光された光が受光され、受光された各波長成分の光強度に応じた電気信号が光電変換により検出される。
【0016】
したがって、測定対象を経由することで生成された被測定光を分光するための複数の光学フィルタの数がたとえ増えたとしても、複数の光学フィルタを回転盤の複数の同心円上に環状に分散して配置することによって、回転盤の大きさを大きくする必要がなく、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして小型化を実現することができる。
【0017】
また、上記の分光測定装置において、前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を複数の光に分岐する光分岐部をさらに備えることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、光分岐部によって分岐された複数の被測定光が、回転盤に配置された複数の光学フィルタを透過することによって、1度に複数の波長の被測定光を受光することができ、測定時間を短縮することができる。
【0019】
また、上記の分光測定装置において、前記回転盤の中心軸を光軸に対して垂直な方向にシフトさせる中心軸駆動部をさらに備えることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、中心軸駆動部によって、回転盤の中心軸を光軸に対して垂直な方向にシフトさせることで、回転盤の複数の同心円上に配置された複数の光学フィルタのうち、各同心円上に配置された複数の光学フィルタを受光部に入射する被測定光の光路上に移動させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における分光測定装置の構成を示す図であり、図2は、光学フィルタ回転盤の配置について説明するための図である。
【0023】
図1に示す分光測定装置10は、光源1、コリメータレンズ2、受光光学系3、受光センサ4、分光部5及びモータ6を備えて構成される。
【0024】
光源1は、例えば、連続点灯が可能なハロゲンランプ又はLED(Light Emitting Diode)等で構成され、測定対象である試料20を照明する。コリメータレンズ2は、効率よく試料20を照明するために光源1からの光を平行光にする。
【0025】
受光光学系3は、例えば、カメラレンズ等で構成され、試料20によって反射した反射光を受光センサ4に導くものである。なお、受光光学系3としては、有限距離の受光センサ4に反射光を結像させる有限結像の光学系や、受光した光を拡散させる光学系などを用いてもよい。
【0026】
受光センサ4は、例えば、フォトダイオード等で構成され、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する。なお、受光センサ4としては、CCD(Charge Coupled Device)等を用いてもよい。
【0027】
分光部5は、光源1により照明された光が試料20の測定域によって反射した反射光を複数の波長の光に分光するものであり、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52を備えて構成される。
【0028】
第1光学フィルタ回転盤51は、第1モータ61の回転軸61aを中心とする同心円Sa(図2参照)上に、分光する数(本実施形態では16)の光学フィルタを2等分した数の光学フィルタFi(本実施形態では、i=1〜8)と、光学フィルタが設けられておらず、光をそのまま透過させる1つの透過窓H1とを備えて構成される。光学フィルタFiは、例えば、色ガラスフィルタで構成され、特定の波長の光を透過させる分光透過率特性を有する。なお、光学フィルタFiとしては、例えば、干渉フィルタを用いてもよい。透過窓H1は、例えば、透明ガラスなどで構成され、受光光学系3によって導かれた反射光を透過させる。なお、透過窓H1としては、例えば、第1光学フィルタ回転盤51上に穴を形成することによって構成してもよい。
【0029】
第2光学フィルタ回転盤52は、第2モータ62の回転軸62aを中心とする同心円Sb(図2参照)上に、分光する数(本実施形態では16)の光学フィルタを2等分した数の光学フィルタFj(本実施形態では、j=1〜8)と、光学フィルタが設けられておらず、光をそのまま透過させる1つの透過窓H2とを備えて構成される。光学フィルタFjは、例えば、色ガラスフィルタで構成され、特定の波長の光を透過させる分光透過率特性を有する。なお、光学フィルタFjとしては、例えば、干渉フィルタを用いてもよい。透過窓H2は、例えば、透明ガラスなどで構成され、受光光学系3によって導かれた反射光を透過させる。なお、透過窓H2としては、例えば、第2光学フィルタ回転盤52上に穴を形成することによって構成してもよい。
【0030】
第1光学フィルタ回転盤51に設けられた複数の光学フィルタFi及び第2光学フィルタ回転盤52に設けられた複数の光学フィルタFjは、それぞれ異なる分光透過率特性を有している。
【0031】
図2に示すように、第1光学フィルタ回転盤51と第2光学フィルタ回転盤52とは、受光光学系3から受光センサ4に入射する光に対して並列に重ねて配置される。第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52に設けられた光学フィルタFi,Fj及び透過窓H1,H2は、受光光学系3から受光センサ4に入射する光の光路上に重なるように縦列配置される。そして、受光光学系3からの光は、第1光学フィルタ回転盤51の光学フィルタFiを通過した場合、第2光学フィルタ回転盤52の透過窓H2を通過して受光センサ4に入射し、第1光学フィルタ回転盤51の透過窓H1を通過した場合、第2光学フィルタ回転盤52の光学フィルタFjを通過して受光センサ4に入射することとなる。
【0032】
モータ6は、複数の光学フィルタ回転盤を回転させるものであり、第1モータ61及び第2モータ62を備えて構成される。
【0033】
第1モータ61は、例えば、一時停止可能なステッピングモータなどで構成され、第1光学フィルタ回転盤51を回転させる。なお、第1モータ61としては、全ての光学フィルタFiの位置を検出することができれば、DCモータのような連続回転式のものを使用してもよい。
【0034】
第2モータ62は、例えば、一時停止可能なステッピングモータなどで構成され、第2光学フィルタ回転盤52を回転させる。なお、第2モータ62としては、全ての光学フィルタFjの位置を検出することができれば、DCモータのような連続回転式のものを使用してもよい。
【0035】
図3は、第1の実施形態における分光測定装置10の内部構成を示すブロック図である。図3に示す分光測定装置10は、光源1、受光センサ4、第1モータ61、第2モータ62及び制御部100を備えて構成される。なお、光源1、受光センサ4、第1モータ61及び第2モータ62については、既に説明しているので、ここでは制御部100についてのみ説明する。
【0036】
制御部100は、例えば、CPU(中央演算処理装置)等で構成され、発光制御部101、光学フィルタ位置制御部102及び分光データ測定処理部103として機能する。
【0037】
発光制御部101は、光源1の発光タイミング及び発光時間を制御する。光学フィルタ位置制御部102は、第1モータ61及び第2モータ62の駆動を制御し、第1光学フィルタ回転盤51の光学フィルタFi及び透過窓H1の位置と、第2光学フィルタ回転盤52の光学フィルタFj及び透過窓H2の位置とを制御する。分光データ測定処理部103は、試料20からの反射光を受光した受光センサ4から出力される分光データを測定し、この分光データを用いて試料20の分光反射特性R(λ)を求め、求めた分光反射特性R(λ)に基づいて三刺激値X,Y,Zを算出する。
【0038】
次に、第1の実施形態における分光測定装置10の動作について説明する。図4は、第1の実施形態における分光測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0039】
ステップS1において、制御部100は、光源1の発光タイミング及び発光時間を制御する発光制御信号を光源1に出力し、光源1は、制御部100からの発光制御信号に基づいて発光する。光源1から放射される光は、コリメータレンズ2によって平行光にされ、試料20に照射する。試料20による反射光は、受光光学系3に入射する。
【0040】
ステップS2において、受光光学系3は試料20による反射光を受光する。受光光学系3によって受光された反射光は、受光センサ4に向けて出射される。
【0041】
ステップS3において、制御部100は、第1モータ61及び第2モータ62の駆動を制御し、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52のうちの回転させる回転盤以外の回転盤における透過窓の位置を受光センサ4へ入射する光の光路上に移動させる。例えば、第1光学フィルタ回転盤51に配置された光学フィルタを用いて分光する場合、第2光学フィルタ回転盤52の透過窓H2を、受光光学系3から受光センサ4への光路上に移動させる。
【0042】
ステップS4において、制御部100は、第1モータ61及び第2モータ62の駆動を制御し、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52のうちのいずれか一方の回転盤を回転させ、所望の光学フィルタを受光光学系3から受光センサ4への光路上に移動させる。例えば、第1光学フィルタ回転盤51に配置された光学フィルタFiを用いて分光する場合、第1光学フィルタ回転盤51の所望の光学フィルタFiを、受光センサ4へ入射する光の光路上に移動させる。受光光学系3によって受光センサ4に向けて出射された反射光は、第1光学フィルタ回転盤51の光学フィルタFi又は透過窓H1を通過した後、第2光学フィルタ回転盤52の透過窓H2又は光学フィルタFjを通過して、受光センサ4に入射する。
【0043】
ステップS5において、受光センサ4は、光学フィルタFi,Fjによる透過光を受光し、受光した波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する。なお、受光センサ4によって検出される電気信号は、分光データとして制御部100に出力される。
【0044】
ステップS6において、制御部100は、受光光学系3から出射される光が、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52のうちの回転している回転盤に配置されている光学フィルタを全て通過したか否かを判断する。ここで、受光光学系3から出射される光が、回転している回転盤の光学フィルタを全て通過したと判断されると(ステップS6でYES)、ステップS7に移行する。受光光学系3から出射される光が、回転している回転盤の光学フィルタを全て通過していないと判断されると(ステップS6でNO)、ステップS4に戻ることとなり、回転している回転盤の光学フィルタを全て通過するまでステップS4〜S6までの動作が繰り返し行われる。
【0045】
ステップS7において、制御部100は、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52に配置されている全ての光学フィルタの分光データを取得したか否かを判断する。ここで、全ての光学フィルタの分光データを取得したと判断されると(ステップS7でYES)、ステップS8に移行する。全ての光学フィルタの分光データを取得していないと判断されると(ステップS7でNO)、ステップS3に戻ることとなり、全ての光学フィルタの分光データが取得されるまでステップS3〜S7までの動作が繰り返し行われる。
【0046】
ステップS8において、制御部100は、試料20による反射光の分光データを測定する。
【0047】
このように、試料20による反射光が受光センサ4に入射する光路上に、光学フィルタ及び透過窓がそれぞれ設けられた第1光学フィルタ回転盤51と第2光学フィルタ回転盤52とを並列に配置し、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52のうちの一方の回転盤の透過窓を前記光路上に移動させ、他方の回転盤の光学フィルタを前記光路上に移動させる。したがって、従来、1つの回転盤上に配置していた複数の光学フィルタを、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52上に分散して配置することによって、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして装置の小型化を実現することができる。
【0048】
なお、本実施形態において、分光測定装置10は、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52の2つの回転盤を備えているが、本発明は特にこれに限定されず、3つ以上の複数の回転盤を備えてもよい。この場合、3つ以上の回転盤に光学フィルタを分散して配置することで、さらに回転盤の径を小さくすることができ、装置の小型化を実現することができる。
【0049】
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。第1の実施形態の分光測定装置では、受光センサに入射する反射光が1つであり、この反射光が光学フィルタ及び透過窓を通過することで分光しているが、第1の実施形態の変形例では、受光センサに入射する反射光を複数に分割し、分割された複数の反射光が複数の光学フィルタ及び透過窓を同時に通過することで分光し、受光センサによって分光された光を同時に受光する。
【0050】
図5及び図6は、第1の実施形態の変形例について説明するための図であり、図5は、第1の実施形態の変形例における光学フィルタ回転盤の配置について説明するための図であり、図6は、受光光学系から出射される反射光について説明するための図である。
【0051】
第1の実施形態の変形例における分光測定装置は、光源1、コリメータレンズ2、受光光学系3、受光センサ4、分光部5、モータ6、光分岐部7及び反射鏡8を備えて構成される。
【0052】
分光部5は、第1光学フィルタ回転盤51’及び第2光学フィルタ回転盤52’を備えて構成される。
【0053】
第1光学フィルタ回転盤51’は、第1モータ61の回転軸61aを中心とする同心円Sa(図5参照)上に、分光する数(本実施形態では14)の光学フィルタを2等分した数の光学フィルタFi(本実施形態では、i=1〜7)と、光学フィルタが設けられておらず、光をそのまま透過させる2つの透過窓H11,H12とを備えて構成される。
【0054】
第2光学フィルタ回転盤52’は、第2モータ62の回転軸62aを中心とする同心円Sb(図5参照)上に、分光する数(本実施形態では14)の光学フィルタを2等分した数の光学フィルタFj(本実施形態では、j=1〜7)と、光学フィルタが設けられておらず、光をそのまま透過させる2つの透過窓H21,H22とを備えて構成される。
【0055】
第1光学フィルタ回転盤51’に設けられた複数の光学フィルタFi及び第2光学フィルタ回転盤52’に設けられた複数の光学フィルタFjは、それぞれ異なる分光透過率特性を有している。
【0056】
光分岐部7は、例えば、ビームスプリッタ等で構成され、受光光学系3より出射した反射光を、互いに異なる角度を有する複数の光に分離させる。すなわち、光分岐部7は、受光光学系3より出射した反射光Lxを、直進する光Laと、当該直進する光に対して90度の方向の光Lbとに分割する。反射鏡8は、光分岐部7によって90度の方向に分割された光Lbを、第1光学フィルタ回転盤51’に向けて反射させる。反射鏡8によって反射された光Lcは、第1光学フィルタ回転盤51の光学フィルタFi、透過窓H11又は透過窓H12に入射する。
【0057】
受光センサ4は、第1受光センサ41及び第2受光センサ42を備えて構成される。第1受光センサ41は、光分岐部7によって分割された光のうちの一方の光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する。第2受光センサ42は、光分岐部7によって分割された光のうちの他方の光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する。
【0058】
図5に示すように、第1光学フィルタ回転盤51’と第2光学フィルタ回転盤52’とは、受光光学系3から受光センサ4に入射する光に対して並列に重ねて配置される。第1光学フィルタ回転盤51’及び第2光学フィルタ回転盤52’に設けられた光学フィルタFi,Fj及び透過窓H11,H12,H21,H22は、受光光学系3から受光センサ4に入射する光の光路上に重なるように縦列配置される。そして、受光光学系3からの光は、光分岐部7によって2つの光に分岐され、分岐された2つの光は、第1光学フィルタ回転盤51の光学フィルタFiのうちの2つの光学フィルタを通過した場合、第2光学フィルタ回転盤52の透過窓H21,H22を通過して受光センサ41,42に入射し、第1光学フィルタ回転盤51’の透過窓H11,H12を通過した場合、第2光学フィルタ回転盤52’の光学フィルタFjのうちの2つの光学フィルタを通過して受光センサ41,42に入射することとなる。
【0059】
このように、光分岐部7によって分割した光の数に応じた透過窓を第1光学フィルタ回転盤51’及び第2光学フィルタ回転盤52’にそれぞれ設けるとともに、光分岐部7によって分割した光の数に応じた受光センサ4を設け、試料20による反射光を光分岐部7によって複数に分割し、分割された反射光を第1受光センサ41及び第2受光センサ42で同時に受光することによって、1度に複数の波長の反射光を受光することができ、測定時間を短縮することができる。
【0060】
なお、本実施形態では、受光センサ4に入射する光を光分岐部7によって2つの光に分岐しているが、本発明は特にこれに限定されず、光分岐部7は、3つ以上の複数の光に分岐してもよい。この場合、分岐する光の数に応じた数の受光センサが設けられる。
【0061】
なお、本実施形態における分光測定装置は、積分球方式の分光測色計として用いることが可能である。
【0062】
図7は、積分球方式の分光測色計の構成を示す図である。図7に示す分光測定装置30は、光源1、コリメータレンズ2、受光光学系3、受光センサ4、分光部5、モータ6及び積分球9を備えて構成される。
【0063】
積分球9は、その内壁に高拡散性、高反射率の例えば酸化マグネシウムや硫酸バリウム等の白色拡散反射塗料が塗布された中空の球で、光源1からの光線を内壁で多重反射して拡散光を生成するものである。
【0064】
この構成では、積分球9によって生成された拡散光により試料20をあらゆる方向から均等に照明することができ、拡散光による試料20の反射光を測定することができる。
【0065】
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態における分光測定装置の構成を示す図であり、図9は、光学フィルタ回転盤における光学フィルタの配置について説明するための図である。
【0066】
図8に示す分光測定装置10’は、光源1、コリメータレンズ2、受光光学系3、受光センサ4、分光部5’及びモータ6’を備えて構成される。
【0067】
分光部5’は、光源1により照明された光が試料20の測定域によって反射した反射光を複数の波長の光に分光するものであり、光学フィルタ回転盤53を備えて構成される。光学フィルタ回転盤53は、回転中心の複数の同心円上に環状に複数の光学フィルタが配置されている。すなわち、図9に示すように、光学フィルタ回転盤53の回転中心である回転軸63aの第1の同心円S1上に複数の光学フィルタFnが配置され、さらに第1の同心円S1よりも小さい第2の同心円S2上に複数の光学フィルタFmが配置されている。光学フィルタ回転盤53に設けられた光学フィルタFnが、受光光学系3から受光センサ4に入射する光の光路上にある場合、受光光学系3からの光は、光学フィルタ回転盤53の光学フィルタFnを通過して受光センサ4に入射する。光学フィルタ回転盤53に設けられた光学フィルタFmが、受光光学系3から受光センサ4に入射する光の光路上にある場合、受光光学系3からの光は、光学フィルタ回転盤53の光学フィルタFmを通過して受光センサ4に入射する。
【0068】
モータ6’は、回転駆動モータ63及び軸駆動モータ64を備えて構成される。回転駆動モータ63は、例えば、一時停止可能なステッピングモータなどで構成され、回転軸63aを中心として光学フィルタ回転盤53を回転させる。なお、回転駆動モータ63としては、全ての光学フィルタFn,Fmの位置を検出することができれば、DCモータのような連続回転式のものを使用してもよい。軸駆動モータ64は、例えば、連続回転可能なDCモータ等で構成され、光学フィルタ回転盤53の回転軸63aを、受光センサ4に入射する光に対して垂直な方向(図8及び図9の矢印Y1の方向)に移動させる。軸駆動モータ64によって、光学フィルタ回転盤53の回転軸63aを受光センサ4に入射する光に対して垂直な方向に移動させることで、光学フィルタ回転盤53の第1の同心円S1上又は第2の同心円S2上に受光光学系3から受光センサ4に入射する光の光路が位置することとなり、受光光学系3から受光センサ4に入射する光の光路上に光学フィルタFnあるいは光学フィルタFmが配置されることとなる。
【0069】
図10は、第2の実施形態における分光測定装置10’の内部構成を示すブロック図である。図10に示す分光測定装置10’は、光源1、受光センサ4、回転駆動モータ63、軸駆動モータ64及び制御部100を備えて構成される。なお、光源1、受光センサ4、回転駆動モータ63及び軸駆動モータ64については、既に説明しているので、ここでは制御部100についてのみ説明する。
【0070】
制御部100は、例えば、CPU(中央演算処理装置)で構成され、発光制御部101、光学フィルタ位置制御部102及び分光データ測定処理部103として機能する。なお、発光制御部101及び分光データ測定処理部103の機能については、第1の実施形態で説明しているので、ここでは光学フィルタ位置制御部102についてのみ説明する。
【0071】
光学フィルタ位置制御部102’は、回転駆動モータ63及び軸駆動モータ64の駆動を制御し、光学フィルタ回転盤53の光学フィルタFn,Fmの位置を制御する。
【0072】
次に、第2の実施形態における分光測定装置10’の動作について説明する。図11は、第2の実施形態における分光測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS11において、制御部100は、光源1の発光タイミング及び発光時間を制御する発光制御信号を光源1に出力し、光源1は、制御部100からの発光制御信号に基づいて発光する。光源1から放射される光は、コリメータレンズ2によって平行光にされ、試料20に照射する。試料20による反射光は、受光光学系3に入射する。
【0074】
ステップS12において、受光光学系3は試料20による反射光を受光する。受光光学系3によって受光された反射光は、受光センサ4に向けて出射される。
【0075】
ステップS13において、制御部100は、軸駆動モータ64の駆動を制御し、光学フィルタ回転盤53の回転軸を受光センサ4へ入射する光に対して垂直な方向に移動させることにより、第1の同心円S1上の光学フィルタFn及び第2の同心円S2上の光学フィルタFmのうちのいずれか一方が受光センサ4へ入射する光の光路上に位置するように移動させる。例えば、第1の同心円S1上の光学フィルタFnを用いて分光する場合、光学フィルタ回転盤53の光学フィルタFnが受光センサ4へ入射する光の光路上にくるように回転軸を移動させ、第2の同心円S2上の光学フィルタFmを用いて分光する場合、光学フィルタ回転盤53の光学フィルタFmが受光センサ4へ入射する光の光路上にくるように回転軸を移動させる。
【0076】
ステップS14において、制御部100は、回転駆動モータ63の駆動を制御し、光学フィルタ回転盤53を回転させ、所望の光学フィルタを受光光学系3から受光センサ4へ入射する光の光路上に移動させる。例えば、光学フィルタ回転盤53の第1の同心円S1上に配置された光学フィルタFnを用いて分光する場合、光学フィルタ回転盤53の所望の光学フィルタFnを受光光学系3から受光センサ4へ入射する光の光路上に移動させる。受光光学系3によって受光センサ4に向けて出射された反射光は、光学フィルタ回転盤53の光学フィルタを通過して、受光センサ4に入射する。
【0077】
ステップS15において、受光センサ4は、光学フィルタによる透過光を受光し、受光した波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する。なお、受光センサ4によって検出される電気信号は、分光データとして制御部100に出力される。
【0078】
ステップS16において、制御部100は、受光光学系3から出射される光が、光学フィルタ回転盤53の同一同心円上に配置されている光学フィルタを全て通過したか否かを判断する。ここで、受光光学系3から出射される光が、光学フィルタ回転盤53の同一同心円上に配置されている光学フィルタを全て通過したと判断されると(ステップS16でYES)、ステップS17に移行する。受光光学系3から出射される光が、光学フィルタ回転盤53の同一同心円上に配置されている光学フィルタを全て通過していないと判断されると(ステップS16でNO)、ステップS14に戻ることとなり、光学フィルタ回転盤53の同一同心円上に配置されている光学フィルタを全て通過するまでステップS14〜S16までの動作が繰り返し行われる。
【0079】
ステップS17において、制御部100は、光学フィルタ回転盤53に配置されている全ての光学フィルタの分光データを取得したか否かを判断する。ここで、全ての光学フィルタの分光データを取得したと判断されると(ステップS17でYES)、ステップS18に移行する。全ての光学フィルタの分光データを取得していないと判断されると(ステップS17でNO)、ステップS13に戻り、制御部100は、他の同心円上の光学フィルタの分光データを取得するべく軸駆動モータ64を制御して回転軸63aを移動させる。そして、他の全ての光学フィルタの分光データが取得されるまでステップS13〜S17までの動作が繰り返し行われる。
【0080】
ステップS18において、制御部100は、試料20による反射光の分光データを測定する。
【0081】
このように、光源1によって、試料20の測定域に光が照射され、分光部5’によって、照明された光が測定域によって反射する反射光が複数の波長の光に分光される。ここで、分光部5’は、回転可能な光学フィルタ回転盤53により構成され、光学フィルタ回転盤53には、任意の数の光学フィルタが回転中心の同心円上に複数列並べて配置されている。反射光は、光学フィルタ回転盤53における光学フィルタを透過して複数の波長の光に分光される。そして、受光センサ4によって、分光された光が受光され、受光された各波長成分の光強度に応じた電気信号が光電変換により検出される。
【0082】
したがって、試料20によって反射した反射光を分光するための複数の光学フィルタの数がたとえ増えたとしても、複数の光学フィルタを光学フィルタ回転盤53の複数の同心円S1,S2上に分散して配置することによって、光学フィルタ回転盤53の大きさを大きくする必要がなく、光学フィルタが設けられた分光部5’の回転盤の径を小さくして装置の小型化を実現することができる。
【0083】
また、軸駆動モータ64によって、光学フィルタ回転盤53の中心軸(回転軸63a)を光軸に対して垂直な方向にシフトさせることで、光学フィルタ回転盤53の複数の同心円S1,S2上に配置された複数の光学フィルタのうち、各同心円上に配置された複数の光学フィルタを受光センサ4に入射する反射光の光路上に移動させることができる。
【0084】
なお、本実施形態では、光学フィルタ回転盤53における第1の同心円S1及び第2の同心円S2の2つの同心円上に光学フィルタをそれぞれ配置しているが、本発明は特にこれに限定されず、3つ以上の複数の同心円上に光学フィルタを配置してもよい。
【0085】
次に、第2の実施形態の変形例について説明する。第2の実施形態の分光測定装置では、受光センサに入射する反射光が1つであり、この反射光が光学フィルタを通過することで分光しているが、第2の実施形態の変形例では、受光センサに入射する反射光を複数に分割し、分割された複数の反射光が複数の光学フィルタを同時に通過することで分光し、受光センサによって分光された光を同時に受光する。
【0086】
図12は、第2の実施形態の変形例について説明するための図である。第2の実施形態の変形例における分光測定装置は、光源1、コリメータレンズ2、受光光学系3、受光センサ4、分光部5’、モータ6’、光分岐部7及び反射鏡8を備えて構成される。なお、光源1、コリメータレンズ2、受光光学系3、受光センサ4、モータ6’、光分岐部7及び反射鏡8の構成は、第1の実施形態の変形例における分光測定装置と同じであり、分光部5’の構成は、第2の実施形態における分光測定装置と同じであるので説明を省略する。
【0087】
図12に示すように、光学フィルタ回転盤53には、回転軸を中心とする第1の同心円S1上に光学フィルタFnが配置され、第1の同心円S1よりも小さい第2の同心円S2上に光学フィルタFmが配置されている。そして、光分岐部7によって分割された反射光は、それぞれ異なる同心円上の光学フィルタに入射する。すなわち、光分岐部7を透過した反射光は、光学フィルタ回転盤53における第2の同心円S2上の光学フィルタFmを通過して受光センサ41に入射し、光分岐部7により90度の角度で反射された光は、反射鏡8によりさらに90度の角度で反射され、光学フィルタ回転盤53における第1の同心円S1上の光学フィルタFnを通過して受光センサ42に入射する。
【0088】
このように、光分岐部7によって分割した光の数に応じた受光センサ4を設け、試料20による反射光を光分岐部7によって複数に分割し、分割された反射光が第1の同心円S1上の光学フィルタFn及び第2の同心円S2上の光学フィルタFmを同時に透過し、光学フィルタFn及び光学フィルタFmを透過した反射光を第1受光センサ41及び第2受光センサ42で同時に受光することによって、1度に複数の波長の反射光を受光することができ、測定時間を短縮することができる。
【0089】
なお、上記各実施形態において、分光部5は、光源により照明された光が試料の測定域で反射した反射光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光しているが、本発明は特にこれに限定されず、例えば、試料による透過光や試料による放射光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光してもよく、光源により照明された光が試料の測定域を経由することで生成された被測定光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光してもよい。
【0090】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。上記第1及び第2の実施形態では、試料20による反射光を分光部5により分光しているが、第3の実施形態では、光源1の放射光を分光部5により分光する。
【0091】
図13は、第3の実施形態における分光測定装置の構成を示す図である。図13に示す分光測定装置40は、光源1、受光光学系3、受光センサ4、分光部5及びモータ6を備えて構成される。
【0092】
光源1は、連続点灯が可能なハロゲンランプ又はLED(Light Emitting Diode)等で構成され、放射光を出力する。受光光学系3は、例えば、カメラレンズ等で構成され、光源1によって出力される放射光を受光センサ4に導くものである。受光センサ4は、例えば、フォトダイオード等で構成され、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する。分光部5は、光源1により出力された放射光を複数の波長の光に分光するものであり、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52を備えて構成される。モータ6は、複数の光学フィルタ回転盤を回転させるものであり、第1モータ61及び第2モータ62を備えて構成される。なお、第1光学フィルタ回転盤51、第2光学フィルタ回転盤52、第1モータ61及び第2モータ62については第1の実施形態で説明しているので、ここではその説明を省略する。
【0093】
また、第1の実施形態における分光測定装置10が試料20による反射光を分光して測定するものであるのに対して、第3の実施形態における分光測定装置40は、光源1からの放射光を分光して測定するものであるので、分光測定装置40の動作については説明を省略する。
【0094】
このように、分光測定装置40は、測定対象となる光源1から照射された被測定光(放射光)を、光学フィルタFi,Fjによって複数の波長の光に分光する分光部5と、分光部5によって分光された光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光センサ4とを備え、分光部5は、回転可能な第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52により構成され、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52には、任意の数の光学フィルタFi及び光学フィルタFjが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓H1及び透過窓H2が配置され、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52は、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52のうちの一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが被測定光が受光センサ4に至る光路上に重なるように縦列配置されている。
【0095】
したがって、光源の放射光を分光測定することができ、従来、1つの回転盤上に配置していた複数の光学フィルタを、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52上に分散して配置することによって、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして装置の小型化を実現することができる。
【0096】
なお、第3の実施形態における分光測定装置40の分光部5としては、図5に示す第1光学フィルタ回転盤51’及び第2光学フィルタ回転盤52’を用いてもよく、また、図8及び図9に示す光学フィルタ回転盤53を用いてもよい。
【0097】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。上記第1及び第2の実施形態では、試料20による反射光を分光部5により分光しているが、第3の実施形態では、光源1の放射光を分光部5により分光し、分光された光が試料20によって反射された反射光を受光センサ4により受光する。
【0098】
図14は、第4の実施形態における分光測定装置の構成を示す図である。図14に示す分光測定装置50は、光源1、受光光学系3、受光センサ4、分光部5及びモータ6を備えて構成される。
【0099】
光源1は、例えば、連続点灯が可能なハロゲンランプ又はLED(Light Emitting Diode)等で構成され、測定対象である試料20を照明する。コリメータレンズ2は、効率よく試料20を照明するために光源1からの光を平行光にする。分光部5は、光源1により出力され、コリメータレンズ2によって平行光にされた光を複数の波長の光に分光するものであり、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52を備えて構成される。モータ6は、複数の光学フィルタ回転盤(第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52)を回転させるものであり、第1モータ61及び第2モータ62を備えて構成される。なお、第1光学フィルタ回転盤51、第2光学フィルタ回転盤52、第1モータ61及び第2モータ62については第1の実施形態で説明しているので、ここではその説明を省略する。受光光学系3は、例えば、カメラレンズ等で構成され、分光部5によって分光され、試料20によって反射した反射光を受光センサ4に導くものである。受光センサ4は、例えば、フォトダイオード等で構成され、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する。
【0100】
なお、第1の実施形態における分光測定装置10が試料20による反射光を分光し、分光された光を受光センサ4により受光するものであるのに対して、第4の実施形態における分光測定装置50は、光源1からの放射光を分光し、分光された光が試料20によって反射された反射光を受光センサ4により受光するものであるので、分光測定装置40の動作については説明を省略する。
【0101】
このように、分光測定装置50は、光源1と、光源1からの光を、光学フィルタFi,Fjによって複数の波長の光に分光する分光部5と、分光部5によって分光され、測定対象である試料20を照明した後の反射光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光センサ4とを備え、分光部5は、回転可能な第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52により構成され、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52には、任意の数の光学フィルタFi及び光学フィルタFjが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓H1及び透過窓H2が配置され、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52は、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52のうちの一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが被測定光が試料20に至る光路上に重なるように縦列配置されている。
【0102】
したがって、光源の放射光を分光し、分光された光が試料20によって反射した反射光を測定することができ、従来、1つの回転盤上に配置していた複数の光学フィルタを、第1光学フィルタ回転盤51及び第2光学フィルタ回転盤52上に分散して配置することによって、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして装置の小型化を実現することができる。
【0103】
なお、第4の実施形態における分光測定装置50の分光部5としては、図5に示す第1光学フィルタ回転盤51’及び第2光学フィルタ回転盤52’を用いてもよく、また、図8及び図9に示す光学フィルタ回転盤53を用いてもよい。
【0104】
また、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0105】
(1)測定対象の測定域に光を照射する照明部と、
前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部と、
前記分光部によって分光された光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光部とを備え、
前記分光部は、回転可能な複数の回転盤により構成され、前記回転盤には、任意の数の前記光学フィルタが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓が配置され、前記複数の回転盤は、前記複数の回転盤のうちの一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが前記被測定光が前記受光部に至る光路上に重なるように縦列配置されていることを特徴とする分光測定装置。
【0106】
(2)前記複数の回転盤は、それぞれ中心軸が同一であり、同心円上に複数の光学フィルタと、少なくとも1つの透過窓とが配置されており、
前記複数の回転盤をそれぞれ回転駆動する複数の回転駆動部をさらに備え、
前記複数の回転駆動部は、前記複数の回転盤のうちの1の回転盤の光学フィルタが前記受光部に入射する被測定光の光路上に位置するように前記1の回転盤を回転駆動し、他の回転盤の透過窓が前記受光部に入射する被測定光の光路上に位置するように前記他の回転盤を回転駆動することを特徴とする上記(1)記載の分光測定装置。
【0107】
(3)前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を複数の光に分岐する光分岐部をさらに備えることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の分光測定装置。
【0108】
(4)前記複数の回転盤は、それぞれ中心軸が同一であり、同心円上に複数の光学フィルタと、少なくとも2つの透過窓とが配置されており、
前記複数の回転駆動部は、前記複数の回転盤のうちの1の回転盤の光学フィルタが、前記光分岐部によって分岐される複数の被測定光の光路上に位置するように前記1の回転盤を回転駆動し、他の回転盤の透過窓が、前記光分岐部によって分岐される複数の被測定光の光路上に位置するように前記他の回転盤を回転駆動することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の分光測定装置。
【0109】
(5)測定対象の測定域に光を照射する照明部と、
前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部と、
前記分光部によって分光された光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光部とを備え、
前記分光部は、回転可能な回転盤により構成され、前記回転盤には、任意の数の前記光学フィルタが回転中心の同心円上に環状に複数列並べて配置されることを特徴とする分光測定装置。
【0110】
(6)前記回転盤を回転駆動する回転駆動部をさらに備え、
前記回転駆動部は、前記回転盤の光学フィルタが前記受光部に入射する被測定光の光路上に位置するように前記回転盤を回転駆動することを特徴とする上記(5)記載の分光測定装置。
【0111】
(7)前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を複数の光に分岐する光分岐部をさらに備えることを特徴とする上記(5)記載の分光測定装置。
【0112】
(8)前記回転駆動部は、前記回転盤における複数の同心円上の光学フィルタが、前記光分岐部によって分岐される複数の被測定光の光路上に位置するように前記回転盤を回転駆動することを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれかに記載の分光測定装置。
【0113】
(9)前記回転盤の中心軸を光軸に対して垂直な方向にシフトさせる中心軸駆動部をさらに備えることを特徴とする上記(5)〜(8)のいずれかに記載の分光測定装置。
【0114】
(10)測定対象となる光源から照射された被測定光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部と、
前記分光部によって分光された光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光部とを備え、
前記分光部は、回転可能な複数の回転盤により構成され、前記回転盤には、任意の数の前記光学フィルタが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓が配置され、前記複数の回転盤は、前記複数の回転盤のうちの一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが前記被測定光が前記受光部に至る光路上に重なるように縦列配置されていることを特徴とする分光測定装置。
【0115】
(11)照明部と、
前記照明部からの光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部と、
前記分光部によって分光され、測定対象を照明した後の反射光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光部とを備え、
前記分光部は、回転可能な複数の回転盤により構成され、前記回転盤には、任意の数の前記光学フィルタが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓が配置され、前記複数の回転盤は、前記複数の回転盤のうちの一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが前記被測定光が前記測定対象に至る光路上に重なるように縦列配置されていることを特徴とする分光測定装置。
【0116】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、従来のように、測定対象を経由することで生成された被測定光を分光するための複数の光学フィルタを1つの回転盤に設けることなく、複数の光学フィルタを複数の回転盤に分散して配置することによって、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして小型化を実現することができる。
【0117】
請求項2に記載の発明によれば、光分岐部によって分岐された複数の被測定光が、回転盤に配置された複数の光学フィルタを透過することによって、1度に複数の波長の被測定光を受光することができ、測定時間を短縮することができる。
【0118】
請求項3に記載の発明によれば、測定対象を経由することで生成された被測定光を分光するための複数の光学フィルタの数がたとえ増えたとしても、複数の光学フィルタを回転盤の複数の同心円上に環状に分散して配置することによって、回転盤の大きさを大きくする必要がなく、光学フィルタが設けられた分光部の回転盤の径を小さくして小型化を実現することができる。
【0119】
請求項4に記載の発明によれば、光分岐部によって分岐された複数の被測定光が、回転盤に配置された複数の光学フィルタを透過することによって、1度に複数の波長の被測定光を受光することができ、測定時間を短縮することができる。
【0120】
請求項5に記載の発明によれば、中心軸駆動部によって、回転盤の中心軸を光軸に対して垂直な方向にシフトさせることで、回転盤の複数の同心円上に配置された複数の光学フィルタのうち、各同心円上に配置された複数の光学フィルタを受光部に入射する被測定光の光路上に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における分光測定装置の構成を示す図である。
【図2】光学フィルタ回転盤の配置について説明するための図である。
【図3】第1の実施形態における分光測定装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態における分光測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態の変形例における光学フィルタ回転盤の配置について説明するための図である。
【図6】受光光学系から出射される反射光について説明するための図である。
【図7】積分球方式の分光測色計の構成を示す図である。
【図8】第2の実施形態における分光測定装置の構成を示す図である。
【図9】光学フィルタ回転盤における光学フィルタの配置について説明するための図である。
【図10】第2の実施形態における分光測定装置の内部構成を示すブロック図である。
【図11】第2の実施形態における分光測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施形態の変形例について説明するための図である。
【図13】第3の実施形態における分光測定装置の構成を示す図である。
【図14】第4の実施形態における分光測定装置の構成を示す図である。
【図15】従来の分光測定装置の構成を示す図である。
【図16】従来の分光測定装置の回転盤における光学フィルタの配置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 光源
2 コリメータレンズ
3 受光光学系
4 受光センサ
5 分光部
6 モータ
10 分光測定装置
51 第1光学フィルタ回転盤
52 第2光学フィルタ回転盤
53 光学フィルタ回転盤
61 第1モータ
62 第2モータ
Claims (5)
- 測定対象の測定域に光を照射する照明部と、
前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部と、
前記分光部によって分光された光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光部とを備え、
前記分光部は、回転可能な複数の回転盤により構成され、前記回転盤には、任意の数の前記光学フィルタが配置されるとともに、光をそのまま透過させる透過窓が配置され、前記複数の回転盤は、前記複数の回転盤のうちの一の回転盤の光学フィルタと他の回転盤の透過窓とが前記被測定光が前記受光部に至る光路上に重なるように縦列配置されていることを特徴とする分光測定装置。 - 前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を複数の光に分岐する光分岐部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の分光測定装置。
- 測定対象の測定域に光を照射する照明部と、
前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を、光学フィルタによって複数の波長の光に分光する分光部と、
前記分光部によって分光された光を受光し、受光した各波長成分の光強度に応じた電気信号を光電変換により検出する受光部とを備え、
前記分光部は、回転可能な回転盤により構成され、前記回転盤には、任意の数の前記光学フィルタが回転中心の同心円上に環状に複数列並べて配置されることを特徴とする分光測定装置。 - 前記照明部により照明された光が前記測定域を経由することで生成された被測定光を複数の光に分岐する光分岐部をさらに備えることを特徴とする請求項3記載の分光測定装置。
- 前記回転盤の中心軸を光軸に対して垂直な方向にシフトさせる中心軸駆動部をさらに備えることを特徴とする請求項3又は4記載の分光測定装置。
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-
2003
- 2003-07-15 JP JP2003196950A patent/JP2005037137A/ja active Pending
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WO2017094559A1 (ja) * | 2015-12-04 | 2017-06-08 | コニカミノルタ株式会社 | 反射特性測定システム |
CN108981918A (zh) * | 2017-05-31 | 2018-12-11 | Juki株式会社 | 测色装置及测色方法 |
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TWI784003B (zh) * | 2017-05-31 | 2022-11-21 | 日商重機股份有限公司 | 測色裝置及測色方法 |
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