JP2005030923A - 着色液体の色の検査方法 - Google Patents

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Hiromichi Takada
博道 高田
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Abstract

【課題】着色液体を採取する工程や乾燥する工程が必要なく、着色液体の色の検査を迅速に行うことができる着色液体の色の検査方法を提供する。
【解決手段】側面に孔1を有する保持容器2の内側には収容容器4が収容されている。該収容容器4は透視部7と、蓋部に設けられた注ぎ口5と、注ぎ口5に螺合される栓6とを有している。測定手段としての分光反射率計により、保持容器2の孔1と透視部7とを通して、収容容器4に着色液体としての塗料8が収容された状態で、塗料8の色を測定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、着色液体の製造工程において製品検査の際に使用される、着色液体の色を液体の状態で測定するための検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の着色液体の色の検査方法としては、着色液体を紙や板等の上に塗装してから乾燥し、乾燥塗膜の状態で色の検査を行っていた。
【0003】
また、液体の状態で着色液体の色を検査する方法としては、着色液体中に測色用プローブを浸漬して測定する方法(例えば、特許文献1参照。)、測色液体の液面に対し所定の入射角で標準光を入射させ、垂直方向の反射光をカラーセンサーで検知する方法(例えば、特許文献2参照。)がある。その他、着色液体の分光反射率と分光透過率を測定する着色液体連続測定方法(例えば、特許文献3参照。)等がある。
【0004】
【特許文献1】
特開昭61−56923号公報(第2〜4頁)
【特許文献2】
特開平6−50819号公報(第2〜4頁)
【特許文献3】
特開2002−122535号公報(第2〜3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、着色液体を乾燥塗膜の状態で検査する方法においては、前記着色液体を乾燥させる時間が必要であるため、検査に時間がかかるものであった。また、着色液体の色を液体の状態で測定する方法においては、いずれも人又は機械にて着色液体の採取等を行う必要があるため、工程が増すものであった。
【0006】
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、着色液体を採取する工程や乾燥する工程を必要とせず、着色液体の色の検査を迅速に行うことができる着色液体の色の検査方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、収容容器には展色液に着色剤を混合した着色液体を収容し、前記収容容器に着色液体が収容された状態で、該着色液体の色を測定することを要旨とした。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記収容容器に収容された着色液体は、収容容器毎に混合調製され、各収容容器に収容された着色液体の色の検査を収容容器毎に行うことを要旨とした。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記収容容器は透明材料により形成された透視部を有することを要旨とした。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の検査方法による色と、前記着色液体の乾燥後の色との相関関係を求めた後、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法により別の着色液体の色を収容容器に収容された状態で測定し、その着色液体の乾燥後の色を前記相関関係に基づいて決定することを要旨とした。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。
本実施形態においては、具体例として、着色液体としての塗料の製造工程について説明する。図1に示すように、一側面に円形の孔1を有する保持容器2は、ダンボールを折り曲げることによって蓋板及び底板が形成され、接着剤により接着されて四角箱状に成形されている。前記蓋板の端部には円形の貫通孔3が設けられている。保持容器2の内側には、保持容器2よりも小さな四角箱状をなすポリプロピレン樹脂製の収容容器4が収容されている。該収容容器4の上端部には円筒状をなすポリプロピレン樹脂製の注ぎ口5がその基端部において熱融着により接合されており、注ぎ口5を通して収容容器4の内部に着色液体を収容することが可能である。前記注ぎ口5は保持容器2の貫通孔3に挿通されており、その先端部外周には雄ねじが設けられている。前記注ぎ口5には、その先端部に栓6を被せ、栓6の内周に設けられた雌ねじを注ぎ口5に設けられた雄ねじに螺合することにより、収容容器4は密閉されるようになっている。収容容器4はブロー成形法により製造されており、その容積は18リットルである。
【0011】
前記収容容器4はその内外両表面が平滑であるポリプロピレン樹脂製の透明材料により形成され、全体が透視部7となっている。収容容器4は保持容器2の内部に収容されていることにより、収容容器4を運搬又は積載する際に該収容容器4が破損又は変形することを防止することができる。
【0012】
前記収容容器4の大きさは特に限定されないが、人力にて運搬可能な大きさに設定することが好ましい。人力にて運搬可能であることにより、運搬が容易なものである。また、運搬をより容易にするために取手等を設けても良い。
【0013】
前記収容容器4は、着色液体としての塗料8をその内部に収容するためのものである。前記透視部7の表面は平滑であることが好ましい。図2に示すように、塗料8の色を測定するために光9を照射した場合、孔1を通して塗料8の色を測定する場合には、透視部7の表面が平滑であることにより、塗料8の状態によらず表面が平滑となり、光9が乱反射しないため、正確な色の測定をすることができる。
【0014】
前記透視部7の表面の平滑度はJIS B 601−2001に規定する算術平均高さ(Ra)で0.1〜30μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、0.1〜10μmであることが最も好ましい。この範囲にあるとき、孔1を通して塗料8の色を測定する場合において、光9が乱反射せず、正確な塗料8の色を測定することができる。算術平均高さが0.1μm未満の場合には、透視部7を形成する透明材料の成形が困難となり、逆に30μmを超える場合には、光9が乱反射してしまうため、正確な塗料8の色を測定することができない。
【0015】
図3(a)に示す高粘度の塗料8や、図3(b)に示す凹凸形状付与材10が混入された塗料8に光9を照射すると、光9が乱反射してしまうことがある。従って、注ぎ口5を通して塗料8の色を測定する場合には、低粘度で凹凸形状付与材10が混入されていない塗料を使用することが好ましい。ここで凹凸形状付与材10とは、塗料8の塗膜表面に凹凸形状を付与するための成分のことであり、その粒径は通常0.5mm以上である。
【0016】
前記収容容器4に設けた透視部7を形成する透明材料はポリプロピレンに限らず、透明な材料であれば任意に設定することができる。例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、MS樹脂(メチルメタクリレート・スチレン共重合樹脂)、ABS樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ナイロン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、ポリ−4−メチルペンテン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、フッ素化ポリイミドアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等のプラスチック、ガラス、水晶、石英等が挙げられる。
【0017】
前記透視部7の可視光線の透過率は好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上である。ここで、可視光線とは波長が380〜780nmの光をいう。透視部7の可視光線の透過率が70%以上であることにより、前記保持容器2の側面に設けられた孔1を通して収容容器4に収容された着色液体の色を測定することができる。
【0018】
前記保持容器2は側面に孔1を有することにより、収容容器4を密閉した状態で、保持容器2に設けられた孔1を通して、収容容器4に収容されている塗料8の色を測定することができるため、収容容器4を開栓し、塗料8を採取する工程を省略することができる。本実施形態では収容容器4の全体に透視部7が設けられているため、保持容器2に設ける孔1の大きさ・形状・数・配置は特に限定されず、任意に設けることができる。収容容器4の一部に透視部7を設けた場合には、保持容器2に設ける孔1の位置は図4(c)に示すように、収容容器4に設けた透視部7に対向する位置に限定される。また、前記保持容器2はダンボール製でなくとも良い。例えばプラスチック、紙、金属等でも良い。
【0019】
孔1を保持容器2の側面に設ける場合には、保持容器2の底板の高さを0、蓋板の高さを100としたとき、孔1の中心部の位置は好ましくは20〜80、より好ましくは40〜70、最も好ましくは50〜60である。この範囲にあるとき、収容容器4に収容された塗料8の色の測定精度が安定する。孔1の中心部の位置が20未満の場合には、塗料8の組成中、比重の大きな成分が集まっているため、塗料8の正確な色を測定することができない。逆に80を越える場合には、塗料8中に混入している空気の泡が集まっているため、塗料8の色の測定精度が低下する。
【0020】
次に、着色液体としての塗料8の製造は以下のように行われる。まず始めに、前記収容容器4の内部に、該収容容器4の端部に設けられた注ぎ口5を通して、展色液と着色剤とが収容される。前記展色液とは、着色剤を固着するための糊の役割を果たすものであり、例えば、着色液体が塗料の場合には合成樹脂等、インキの場合には合成樹脂、鉱物油、植物油等、プラスチックフィルムの場合には合成樹脂等がその主成分として使用される。
【0021】
前記展色液の組成は例えば以下のようなものである。
展色液の組成:合成樹脂としてのアクリル樹脂エマルジョン30重量部、界面活性剤5重量部、水10重量部、増粘剤1重量部。この他にも防腐剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、艶消材としての微粉珪酸、充填材としての炭酸カルシウム、骨材等、通常の塗料に使用される添加剤を用いることができる。
【0022】
前記着色剤は有機顔料に限らず一般の着色に用いられるものを使用することができる。例えば、無機顔料、蛍光顔料、染料等が挙げられる。
有機顔料としては例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、アントラピリミジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、イソインドリン系、キノフタロン系のものが挙げられる。
【0023】
無機顔料としては例えば、二酸化チタン、亜鉛華、炭酸カルシウム、カーボンブラック、ベンガラ、黄鉛、金属粉、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム等が挙げられる。蛍光顔料としては例えば、硫化亜鉛、珪酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウム等が挙げられる。染料としては例えば、アントラキノン系、複素環系、ペリノン系等が挙げられる。
【0024】
前記着色剤は希釈して使用しても良い。希釈して使用することで、塗料8の着色の度合いを微調整することが容易になる。着色剤を希釈する希釈剤としては、水、アルコール類等の無機溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族類、ケトン類、エステル類、エーテル類等の有機溶剤を使用することができる。また、展色液により希釈しても良い。展色液によって希釈することで、塗料8中に占める合成樹脂成分の比率の低下を抑制することができる。また、着色剤と展色液とに加えて、希釈剤としての水、添加剤としての増粘剤等も同時に混合することができる。
【0025】
前記展色液100質量部に対する着色剤の混合割合は好ましくは20質量部未満、より好ましくは15重量部未満、最も好ましくは10重量部未満である。着色剤の混合割合が20重量部を超える場合には、塗料8中に占める合成樹脂成分の比率が低下してしまう。
【0026】
塗料の製造工程は以下のように行われる。まず、収容容器4に展色液と着色剤とを収容した後、収容容器4の上端部に設けられた注ぎ口5に栓6を被せて螺合することによって収容容器4を密閉する。その後、混合手段としてのジャイロミキサーによって収容容器4自体を回転運動させ、収容容器4の内部に収容された展色液と着色剤とを均一に混合し、塗料8を得る。前記混合手段としてジャイロミキサーを使用することにより、収容容器4自体を回転させて混合できるため、ミキサーや混合容器の清掃は不要になる。また、前記ジャイロミキサーは天地回転と、自転回転との2軸で回転することにより、高速で短時間に混合することができる。このジャイロミキサーは天地回転と自転回転とのどちらか1軸で回転させても良いし、公転回転を行っても良い。
【0027】
前記混合手段はジャイロミキサーによらず、他の任意の方法を使用することができる。例えば、保持容器の蓋板及び収容容器の上端部がスライドファスナー、ボタン等により開閉可能な場合には、該上端部を開き、ディゾルバーやハンドミキサー等によって混合しても良い。
【0028】
このように混合することで、前記収容容器4に設けられた表面が平滑な透視部7には塗料8が浸され、それにより塗料8の色の測定をする際、液面の形状による乱反射の影響を避けることができる。
【0029】
塗料8の色の検査方法は以下のように行われる。まず、前記混合手段による混合の後、収容容器4は、図示しない移動手段としてのベルトコンベアーによって移動され、倉庫等へ運搬される。この移動の途中で、測定手段としての分光反射率計により、保持容器2の側面に設けられた孔1と透視部7とを通して、収容容器4に塗料8が収容された状態で、塗料8の色が測定される。分光反射率計とは、着色液体の液面に対し所定の入射角で標準光を入射させ、前記液面に対する反射光を検知するものである。塗料8を収容容器4に収容した状態で、塗料8の色を測定することにより、塗料8を採取する工程や乾燥させる工程の必要がなく、塗料8の色の検査を迅速に行うことができる。
【0030】
前記移動手段はベルトコンベアーに限らず、任意の方法を用いることができる。例えば、人力や滑車によってでも良い。また、塗料8の色の測定は移動中に行っても良いし、停止させて行っても良い。
【0031】
前記測定手段は分光反射率計に限定されず、任意の方法が使用できる。例えば、光電色彩計、CCD(Charege Coupled Device)カメラ等による方法等でも良い。
【0032】
前記測定手段により測定された塗料8の色は色相、明度、彩度等によって表現される。色の表現方法は表色系と呼ばれ、任意の表色系を設定できる。表色系には例えば、国際照明委員会が規定するRGB系、XYZ系(Yxy系)、X10Y10Z10系、L*u*v*系、L*a*b*系、CAM97s系等、マンセルが考案したマンセル表色系、PCCS表色系、ハンターのLab系、CCDカメラやパソコンのモニター等で使用されるsRGB系、AppleRGB系、AdobeRGB系等が挙げられる。これら表色系のうち、L*u*v*系、L*a*b*系、CAM97s系を用いるのが好ましく、計算が容易であるL*a*b*系を用いるのがより好ましい。L*u*v*系、L*a*b*系、CAM97s系を用いることにより、人間の目の感度に近く、測定手段による依存性がなくなる。
【0033】
前記CCDカメラ等による方法によりRGB信号を抽出した場合には、該RGB信号は測定手段としてのCCDカメラに依存するため、別のCCDカメラにて測定を行ったときには、異なるRGB信号が抽出され、同じ色の再現ができない。これを回避するため、CCDカメラ等の画像より抽出したRGB信号をXYZ表色系等の測定手段による依存性のない表色系へ変換することが好ましい。測定手段による依存性のない表色系へ変換することにより、異なる測定手段を用いても同じ色を再現できる。測定手段による依存性のない表色系としては例えば、XYZ系(Yxy系)、X10Y10Z10系、L*u*v*系、L*a*b*系、CAM97s系等が挙げられる。
【0034】
前記測定手段を使用する際の光源は、特に限定されない。光源としては例えば、国際照明委員会が規定するA光源、C光源、D65光源、D50光源、D55光源、D75光源等、太陽光等が挙げられる。
【0035】
前記測定手段によって測定された塗料8の色が、基準とする合格範囲内にあった場合には、検査合格品として顧客に出荷される。逆に前記測定手段によって測定された塗料8の色が、基準とする合格範囲外にあった場合には、塗料8が収容された収容容器4は検査不合格品となり顧客には出荷されない。
【0036】
前記合格範囲は任意に設定することができる。例えば、基準とする塗料8の色と測定された塗料8の色との色差(ΔE)によって範囲を定めても良い。色差はΔL*=L*(基準)−L*(測定)、Δa*=a*(基準)−a*(測定)、Δb*=b*(基準)−Δb*(測定)としたとき、ΔE=(ΔL*+Δa*+Δb*0.5で表される。
【0037】
前記合格範囲は好ましくはΔE=0.8以内、より好ましくはΔE=0.5以内である。この範囲にあるとき、収容容器4に収容された塗料8の色と、基準とする塗料8の色との差を人間が視認することができない程度に設定することができる。a*及びb*それぞれの測定値についても±0.5以内にあることが好ましい。
【0038】
この検査は収容容器4毎に行われることが好ましい。収容容器4毎に検査を行うことにより、出荷される全ての製品について、塗料8の色が合格範囲内にあることを確認することができる。
【0039】
その後、前記測定手段により測定した塗料8の色と、塗料8を乾燥させた後の色との相関関係を重回帰分析により求める。塗料8においては、前記着色剤が展色液に均一に混合されているが、塗料8を乾燥させると該塗料8中の着色剤と展色液とは、その比重や電気特性の違い等により分離する場合があるため、塗料8の色と塗料8を乾燥させた後の色とは異なることがある。前記塗料8の色の測定に用いる測定手段と塗料8の乾燥後の色の測定に用いる測定手段とは同じであることが好ましい。測定手段が同じであることで、測定手段の違いによる誤差がなくなる。
【0040】
前記塗料8の色と該塗料8の乾燥後の色との相関関係を求めることで、以降の製造においては、前記検査方法により、塗料8の色を収容容器4に収容された状態で測定し、その塗料8の乾燥後の色を前記相関関係に基づいて決定することができる。したがって、以降は塗料8を乾燥させることなく、塗料8の乾燥後の色を予測することができる。前記相関関係は透視部7の材質により異なるため、透視部7の材質は収容容器4毎に同じであることが好ましい。
【0041】
以上の工程により、収容容器4に塗料8が収容された状態で、測定手段としての分光反射率計により、保持容器2の側面に設けられた孔1と透視部7とを通して、塗料8の色が測定され、検査される。
【0042】
本実施形態は以下に示す効果を発揮することができる。
・塗料8を収容した状態で、塗料8の色を測定することにより、塗料8を採取する工程や乾燥させる工程の必要がなく、塗料8の色の検査を迅速に行うことができる。
【0043】
・前記検査が収容容器4毎に行われることにより、出荷される全ての製品について、塗料の色が合格範囲内にあることを確認することができる。
・前記収容容器4が透明材料により形成された透視部7を有することにより、収容容器4を密閉した状態で、収容容器4に収容されている塗料8の色を測定することができるため、収容容器4を開栓し、塗料8を採取する工程を省略することができる。
【0044】
・前記塗料8の色と該塗料8の乾燥後の色との相関関係を求めることにより、塗料8を乾燥させることなく、塗料8の乾燥後の色を予測することができる。
・前記収容容器4は保持容器2の内部に収容されていることにより、収容容器4を運搬又は積載する際に該収容容器4が破損又は変形することを防止することができる。
【0045】
・前記透視部7は可視光線の透過率が70%以上であることにより、前記保持容器2の側面に設けられた孔1を通して収容容器4に収容された着色液体の色を測定することができる。
【0046】
・前記保持容器2は側面に孔1を有することにより、収容容器4を密閉した状態で、保持容器2に設けられた孔1と透視部7とを通して、収容容器4に収容されている塗料8の色を測定することができるため、収容容器4の開栓し、塗料8を採取する工程を省略することができる。
【0047】
【実施例】
以下、前記実施形態を具体化した実施例について説明する。
本実施例においては、塗料8として、キクスイコートリシン骨材抜(菊水化学工業(株)製)を使用した。まず、色の異なる6種類の塗料8を収容容器4に各々収容して試験体とした。その状態で、測定手段としての色彩計測カメラ(エヌエスディ(株)製、TICLS−1)を使用して、保持容器2の側面に設けられた孔1と透視部7とを通して、国際照明委員会が規定するL*a*b*表色系により液体状態の塗料8の色を測定した。その結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 2005030923
次に、各試験体から抜き取った塗料8をスプレーを用いてスレート板に塗布し、50℃の恒温槽で乾燥させて乾燥後の試験体とした。その後、色差計(ミノルタカメラ(株)製、CM−3700d)を使用して、国際照明委員会が規定するL*a*b*表色系により乾燥後の試験体の色を測定した。その結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
Figure 2005030923
表1及び2のデータを用いて、重回帰分析を行うことにより、液体状態の塗料8の色から乾燥状態の塗料8の色を予測する。まず、乾燥後のL*値について、L*(乾燥後)=α・L*(液体)+β・a*(液体)+γ・b*(液体)+δであると仮定した(α、β、γ、δは係数。)。重回帰分析の結果、相関関係L*(乾燥後)=0.838L*(液体)+3.42a*(液体)+1.82b*(液体)−3.98を得た。
【0050】
次に、乾燥後のa*値について、a*(乾燥後)=α・L*(液体)+β・a*(液体)+γ・b*(液体)+δであると仮定した(α、β、γ、δは係数。)。重回帰分析の結果、相関関係a*(乾燥後)=−0.0885L*(液体)+0.681a*(液体)+0.201b*(液体)+7.17を得た。
【0051】
さらに、乾燥後のb*値について、b*(乾燥後)=α・L*(液体)+β・a*(液体)+γ・(a*(液体))+δ・b*(液体)+ε・(b*(液体))+ζであると仮定した(α、β、γ、δ、ε、ζは係数。)。重回帰分析の結果、相関関係b*(乾燥後)=0.142L*(液体)+2.23a*(液体)−0.602(a*(液体))+0.637b*(液体)+0.0305(b*(液体))−10.1を得た。
【0052】
以上の相関関係を用いて、収容容器4に収容した状態で測定した、液体状態の塗料8の色から乾燥後の塗料8の色を予測することができる。例えば、液体状態の塗料8の色が、L*(液体)=80.26、a*(液体)=5.83、b*(液体)=0.23である場合を考える。乾燥後の塗料8の色は前記相関関係にこれらの数値を代入することにより、L*(乾燥後)=83.63、a*(乾燥後)=4.08、b*(乾燥後)=−5.98と計算される。
【0053】
なお、本発明の前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・前記透視部7が収容容器4に占める範囲は特に限定されない。例えば、図4(a)に示すように、収容容器4の側面に透視孔11を設け、該透視孔11に透明材料をはめ込んで接着剤等によって接着することにより透視部7を設けても良い。透視部7は側面に限らず、任意の位置に設けることができる。
【0054】
このように構成した場合、保持容器2を省略することができる。
・図4(a)に示す収容容器4に設けた透視部7以外の部分12の材質は特に限定されず、任意に設定することができる。例えば、金属、不透明なプラスチック等でも良い。
【0055】
・図4(b)に示すように保持容器2を省略しても良い。この場合には、透視部7の厚みは2〜30mmであることが好ましい。透視部7の厚みが2mm未満の場合には、透視部7の強度が弱すぎて収容容器の積み重ねができない。逆に30mmを超える場合には、収容容器の質量が大きくなりすぎて運搬が困難となる。この場合には、透視部7を形成する透明材料は例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等の剛性を有する材料が好ましい。これらのうち、透明性及び成形の容易性の点からポリメチルメタクリレート樹脂がより好ましい。このように構成した場合、保持容器2を省略することができる。
【0056】
・図4(c)に示すように、保持容器2の内壁と収容容器4の外壁とを密着させても良い。
このように構成した場合、運搬中の振動等による収容容器4の揺動を抑制することができる。
【0057】
・前記実施形態においては、収容容器4を密閉したままで塗料8の色を測定したが、開栓し、注ぎ口5から光を照射して測定しても良い。
・前記保持容器2と収容容器4の形状は四角箱状に限らず円筒状等でも良い。
【0058】
・前記実施形態において得られた塗料8の色と該塗料8の乾燥後の色との相関関係を用いて、乾燥した別の塗料8の色から、液体状態の塗料8の色を予測し、予測された塗料8の色を元にして塗料8を製造しても良い。そして、製造される塗料8の色が予測された塗料8の色と比較して許容範囲内にあるかどうかを検査しても良い。このように構成した場合、乾燥した別の塗料8の色に合致する塗料8の製造を行うことができる。
【0059】
次に、前記実施形態から把握できる請求項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの効果と共に記載する。
(1)請求項3に記載の着色液体の色の検査方法に使用され、透明材料により形成された透視部を有することを特徴とする収容容器。
【0060】
このように構成した場合、収容容器を密閉した状態で、透視部を介して着色液体の色を測定することができるため、収容容器を開放し、着色液体を採取する工程を省略することができる。
【0061】
(2)上記(1)に記載の着色液体の色の検査方法に使用され、透視部に対向する位置に孔を有する保持容器の内部に収容されていることを特徴とする収容容器。
【0062】
このように構成した場合、収容容器を運搬又は積載する際に該保持容器の内部に挿入されている収容容器が破損又は変形することを防止することができる。
【0063】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の着色液体の色の検査方法によれば、着色液体を採取する工程や乾燥させる工程の必要がなく、着色液体の色の検査を迅速に行うことができる。
【0064】
請求項2に記載の発明の着色液体の色の検査方法によれば、出荷される全ての製品について、着色液体の色が合格範囲内にあることを確認することができる。請求項3に記載の発明の着色液体の色の検査方法によれば、請求項1又は請求項2に記載の効果に加え、収容容器を開栓し、着色液体を採取する工程を省略することができる。
【0065】
請求項4に記載の発明の着色液体の色の検査方法によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の効果に加え、前記着色液体を乾燥させることなく、着色液体の乾燥後の色を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の保持容器に収容容器が収容された状態を示す断面図。
【図2】着色液体としての塗料に光を照射したときの状態を示す部分拡大断面図。
【図3】(a)及び(b)は、収容容器の上端部に設けられた注ぎ口から、着色液体としての塗料に光を照射したときの状態を示す断面図。
【図4】(a)〜(c)は、収容容器の別例を示す断面図。
【符号の説明】
4…収容容器、7…透視部、8…着色液体としての塗料。

Claims (4)

  1. 収容容器には展色液に着色剤を混合した着色液体を収容し、前記収容容器に着色液体が収容された状態で、該着色液体の色を測定することを特徴とする着色液体の色の検査方法。
  2. 前記収容容器に収容された着色液体は、収容容器毎に混合調製され、各収容容器に収容された着色液体の色の検査を収容容器毎に行うことを特徴とする請求項1に記載の着色液体の色の検査方法。
  3. 前記収容容器は透明材料により形成された透視部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の着色液体の色の検査方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の検査方法による色と、前記着色液体の乾燥後の色との相関関係を求めた後、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法により別の着色液体の色を収容容器に収容された状態で測定し、その着色液体の乾燥後の色を前記相関関係に基づいて決定することを特徴とする着色液体の色の検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007059903A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Internatl Business Mach Corp <Ibm> エレクトロルミネセンス・デバイス(光電子デバイスの安定性向上)
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WO2023214767A1 (ko) * 2022-05-04 2023-11-09 주식회사 케이씨씨 액상도료 색상값으로부터 건조도료 색상값을 예측하는 방법

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