【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐水性、耐熱性、および持続性等の耐久性に優れる機能性付与剤、並びにその付与剤を用いて繊維製品の耐水性、耐熱性、および持続性等の耐久性を向上ざせる方法、およびその付与剤を含有する機能性繊維製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビタミンC(アスコルビン酸)およびプロビタミンC等のビタミンC誘導体、セリンおよびアルギニン等のアミノ酸、スクワラン、並びにキシリトール等の機能性付与剤を配合したいわゆるスキンケア繊維が多く開発されている。しかし機能性付与剤が水溶性である場合、染色工程や洗濯時に機能性付与剤が溶出して消失しまうといった問題がある。また機能性付与剤の耐熱性が悪い場合、機能性付与剤が分解して溶融紡糸が出来ない。更に、洗濯した物を乾燥器による加熱乾燥する時に、機能性付与剤の分解や揮発等が起こり機能が低下または消失する恐れがある。
【0003】
アスコルビン酸は水溶性であるため、その耐洗濯性を向上させる方法が各種提案されている。例えば、アスコルビン酸、第1鉄塩および抗菌物質とを合成樹脂を使用して繊維に固着させる消臭抗菌繊維が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この固着方法では、繊維表面に出ているアスコルビン酸は洗濯により水に溶解してしまい、効力を失ってしまう。
【0004】
水に難溶なアスコルビン酸誘導体を含有する乳化液で処理した繊維材料が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この水に難溶なアスコルビン酸誘導体とは、アスコルビン酸のオリゴ脂肪酸エステルであり、このような難溶性の材料を使用しているため耐洗濯性には優れるが、耐熱性には劣り、乾燥機で乾燥することにより劣化する可能性がある。
また、アスコルビン酸の不安定さを解消させるためアスコルビン酸アルキルエステルとし、これを含む酸化防止剤を内包した小胞体を有する柔軟仕上げ剤が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。これは洗濯後の柔軟仕上げ剤であるため耐洗濯性が劣るものである。
【0005】
肌と接する表面部にセリシンを配した繊維質肌当て用品が提案されている(例えば特許文献4参照。)。このものはガーゼにセリシン水溶液を浸漬し、絞り、乾燥させただけのものである。使い捨て用品には有効であるが、セリシンは水溶性であるため、洗濯をして繰り返し使用する衣料品等に用いると、洗濯時にセリシンが溶出し機能が低下する。また、繊維表面に脱アセチル化キチンとセリシンとからなる複合体を固着する繊維製品が提案されている(例えば、特許文献5参照。)。セリシンについては脱アセチル化キチンを単にバインダーとして繊維表面に担持されているにすぎず、耐洗濯性が十分とはいえない。
【0006】
繊維に清涼性を持たせるため、キシリトール添加加工した布帛が提案されている(商品名ベリークルウェア(ヨネックス(株)製や商品名クールプラス(ダイワタオル協同組合)など))。これらは、キシリトールが負の水和熱を有することにより、汗などの水分を吸収して、温度を低下させることが出来ることを活用したものである。しかし、キシリトールは水溶性物質であるため、洗濯時に溶解してしまい、清涼効果の持続性に問題がある。
【0007】
カフェインは、優れた脂肪分解促進効果を有する成分として広く知られており、カフェインを固着した機能性繊維が提案されている(例えば、特許文献6参照。)。このものはバインダーを用いてカフェインを繊維表面に担持させてあるだけなので、繊維表面に露出ている部分は染色工程や洗濯時に溶出してしまう問題がある。
【0008】
○先行文献
【特許文献1】特開昭62−250284号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開2002−61073号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特開平10−131042号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】特開平10−1872号公報(特許請求の範囲および実施例)
【特許文献5】特開平9−31847号公報(特許請求の範囲)
【特許文献6】特開2000−212873号公報(特許請求の範囲)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、繊維等に用いる耐水性、耐熱性、および持続性等の耐久性を向上させた機能性付与剤を提供すること、並びにこれらを用いることにより耐水性、耐熱性、および持続性等を向上させる方法を提供することである。そして当該機能性付与剤による耐久性に優れる機能繊維製品を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、層状構造を有する無機化合物、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、およびリン酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の無機化合物に、機能性付与剤の少なくとも1種以上を複合化させた無機複合機能性付与剤、および当該無機複合機能性付与剤を繊維製品に担持させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】
○機能性付与剤
本発明の無機複合機能性付与剤に用いる機能性付与剤としては、皮膚に対し美白効果、シワ防止効果、血行促進効果、保湿効果、清涼効果、脂肪分解効果、または紫外線遮蔽効果などを有するもので洗濯のような水洗処理により流失するものであれば特に限定されない。具体的な例として次のようなものが本発明の機能性付与剤として挙げられる。水洗処理とは、例えばイオン交換水100質量部に対して機能性付与剤を4質量部添加し10分間攪拌、ろ過するものである。また、この操作を10回繰り返したものでもよい。
機能性付与剤としては、例えば、美白やシワ防止に効果があるとされるビタミンCやプロビタミンCなどのビタミンC誘導体等;美白効果、血行促進効果、および皮膚老化防止効果があるとされるビタミンE等;肌を弱酸性にする効果があるとされるトリメチルグリシンなどのアミノ酸誘導体等;肌の潤いを整える効果あるとされるアルギンニンなどのアミノ酸等;肌の老化防止効果あるとされるビタミンA等;老化防止および肥満防止に効果があるとされるコンドロイチン硫酸等;美白効果があるとされるコウジ酸、α−アルブチン等のフェノール配糖体類、並びにα−ヘスペリジン等;メラニン生成抑制効果があるとされるカロチノイドおよびメタリチオネイン等;抗アトピー性効果があるとされるグリチルリチン酸及びグリチルレチン酸化合物等;保湿効果があるとされるコラーゲン、尿素、セリシン、スクワラン、およびセラミド等;肌荒れ防止効果があるとされるキリンサイなどの多糖類等、およびバイサミン等;清涼効果があるとされるキシリトール、エリスリトール、ズルシトールなどの糖アルコール類等;中性脂肪分解に効果があるとされるカフェイン等;血行促進効果があるとされるピロリドンカルボン酸等;抗白癬菌性能があるとされるクロトリマゾールおよび硝酸ミコナゾールなどのアゾール系抗真菌剤等;UV遮蔽能があるとされるケイ皮酸化合物、4−アミノ安息香酸、ウロカニン酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸、および2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等;桜の葉由来の芳香成分として知られているクマリンなどの芳香成分;並びに抗酸化剤として知られているカテキン等が挙げられる。
【0013】
本発明における機能性付与剤としては、当該機能性付与剤を複合化した無機複合機能性付与剤を水で洗浄した後の当該機能性付与剤の残存率が10%以上のものであれば限定するものではない。この残存率が、20%以上のものが好ましく、更に好ましくは30%以上のものである。残存率が10%未満では、機能性付与剤を複合化する必要がない場合がある。
この残存率とは、無機複合機能性付与剤を水で洗浄した後の機能性付与剤残量から算出したものである。例えば、4質量部の無機複合機能性付与剤に100質量部の精製水を入れて10分間撹拌し、その後ろ過する。この操作を10回行った後の無機複合機能性付与剤中の機能性付与剤量(例えば元素分析により算出)から算出したものである。
即ち、残存率10%以上の機能性付与剤を用いる無機複合機能性付与剤である。
【0014】
本発明における機能性付与剤としては、当該機能性付与剤を複合化した無機複合機能性付与剤の分解温度がもとの機能性付与剤より上昇しているものである。例えば、この上昇率は10%であり、好ましくは20%であり、特に好ましくは30%である。
【0015】
○無機化合物
本発明の機能性付与剤の複合化に用いる無機化合物は、層状構造を有する無機化合物、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、およびリン酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のものであり、層状構造を有する無機化合物、酸化亜鉛、および酸化ケイ素から選ばれる少なくとも1種以上のものであることが更に好ましい。この層状構造を有する無機化合物としては、層状ケイ酸塩、ハイドロタルサイト類化合物、ハイドロタルサイト類焼成物、および4価金属リン酸塩から選ばれる少なくとも1種以上のものである。
【0016】
層状ケイ酸塩の具体例としては粘土鉱物がある。モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト等のスメクタイト族、バーミキュライト族、イライト、白雲母、金雲母、黒雲母等の雲母族、マーガライト、クリントナイト等の脆雲母族、スドーアイト等の緑泥石族、カオリナイト、ハロイサイト等のカオリン類、アンチゴライト等の蛇紋石族等が挙げられる。その他の好ましい層状ケイ酸塩として以下のものがある。即ち、マガディアイト、ケニヤアイト、カネマイト、マカタイト、アイラーアイト等の層状ナトリウム珪酸塩、トバモライト等の層状カルシウム珪酸塩、及び水酸イオン等の陰イオンをフッ素イオンで置換せしめた合成雲母等がある。
層状ケイ酸はそのまま使用してもよいが、Mg、Ca、Sr、およびBaなどのアルカリ土類金属イオンや、Zn、Al、Mn、Fe、Co、Ni、およびCu等の金属イオンをあらかじめ層間にイオン交換等により担持せしめておけば、用いる機能性付与剤によっては、そのイオンと配位結合を形成しやすくなることから複合化しやすくなる。特に、このような層状ケイ酸は窒素原子や硫黄原子を化合物中に含有する機能性付与剤に有効である。
【0017】
ハイドロタルサイト類化合物は、下記一般式(1)で表現され、ハイドロタルサイト構造を有する化合物であり、好ましい化合物としてはアルミニウムマグネシウムハイドロタルサイト、アルミニウム亜鉛ハイドロタルサイト、アルミニウ銅ハイドロタルサイトなどがある。
M1xM2y(OH)2An− d・mH2O (1)
一般式(1)のM1は2価の金属であり、M2は3価の金属であり、An−は炭酸イオンまたは硫酸イオン等のn価の陰イオンであり、x、y、z、d、およびmは正数である。
ハイドロタルサイト類化合物としては、
Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O
Zn4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O
Ni4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O
Mg4.5Fe2(OH)13CO3・3.5H2O
Mg5Al1.5(OH)12.5CO3・3.5H2O
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O
Mg4.3Al2(OH)12.6CO3・4H2O
等が挙げられる。
【0018】
ハイドロタルサイト類焼成物は、ハイドロタルサイト類化合物を約500℃以上で焼成し、炭酸根や水酸基が脱離することにより得られる物であり、例えば下記式(2)で表されるものである。
M1xM2yO(x+1.5y) (2)
式(1)のM1は2価金属、M2は3価金属を表わし、xおよびyは正数である。
ハイドロタルサイト類焼成物としては、
Mg0.7Al0.3O1.15
Zn0.7Al0.3O1.15
Ni0.7Al0.3O1.15
Mg0.7Fe0.3O1.15
Mg0.8Al0.24O1.16
Mg0.9Al0.3O1.35
Mg0.6Al0.3O1.05
等が挙げられる。
【0019】
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ケイ素、および酸化アルミニウムは、無水物または水和物を含む。これらのものと機能性付与剤と強固な結合を形成させるために、比表面積が大きなもの、あるいは表面活性が高いものが好ましい。
【0020】
4価金属リン酸塩の具体例として、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、またはリン酸スズ等がある。これらの化合物には、α型結晶、β型結晶、γ型結晶、およびナシコン型結晶等、種々の結晶系を有する結晶質のものと非晶質のものがあるが、いずれも本発明に含まれる。
【0021】
リン酸カルシウムは、ヒドロキシアパタイトまたは3リン酸カルシウム等が挙げられ、結晶質または非晶質いずれでもかまわない。これらのうち、層状構造を有するもの(α型結晶、β型結晶、およびγ型結晶等)が特に好ましい。これらリン酸はそのまま使用してもよいが、Mg、Ca、Sr,およびBaなどのアルカリ土類金属イオンや、Zn、Al、Mn、Fe、Co、Ni、およびCu等の金属イオンをあらかじめ層間にイオン交換等により担持せしめておけば、用いる機能性付与剤によっては、そのイオンと配位結合を形成しやすくなることから複合化しやすくなる。特に、このようなリン酸カルシウムは窒素原子や硫黄原子を化合物中に含有する機能性付与剤に有効である。
【0022】
以上述べてきたこれらの無機化合物は、機能性付与剤との間に何らかの相互作用を持たせることが出来ることから、機能性付与剤の耐水性、耐熱性および/または持続性等を向上させることができる。この相互作用の種類として、無機化合物の層間への機能性付与剤のインターカレーションまたは無機化合物の表面水酸基と機能性付与剤との弱い化学結合(水素結合、ファンデルワールス結合等)などが例示できる。
【0023】
機能性付与剤と無機化合物とを複合化させるものとしては、無機化合物にインターカレーションするものが好ましいので、層状構造を有する無機化合物を用いることが好ましい。層状構造を有する無機化合物(無機層状化合物)としては、層状ケイ酸塩、ハイドロタルサイト類化合物、ハイドロタルサイト類焼成物、および4価金属リン酸塩などが特に好ましい。
【0024】
無機層状化合物の層間へ機能性付与剤をインターカレーションさせる方法として、層間に陰電荷を有する化合物(例えば層状ケイ酸塩および4価金属リン酸塩等)に塩基性を有する機能性付与剤をインターカレートさせる方法、層間に陽電荷を有する化合物(例えばハイドロタルサイト類化合物およびハイドロタルサイト焼成物等)に酸性有する機能性付与剤をインターカレートさせる方法、無機層状化合物の層間に銅、亜鉛、およびカルシウム等の金属イオンをあらかじめインターカレートさせ、その金属イオンに硫黄原子や窒素原子等を化学構造式中に含む機能性付与剤を配位結合させる方法等が挙げられる。
【0025】
また、無機複合機能性付与剤に用いる無機化合物としては、比表面積及び細孔容積が大きく、且つ表面活性の高い材料が得やすい酸化ケイ素(特にシリカゲル)や酸化亜鉛も好ましい。
【0026】
○無機化合物と機能性付与剤とからの無機複合機能性付与剤の作製
上記無機化合物と機能性付与剤との間に相互作用ができていれば無機複合機能性付与剤の作製方法について特に限定されるものではない。
例えば、機能性付与剤の水溶液および/または有機溶媒溶液に上記記載の無機化合物を添加して複合化させる方法、乾式で機能性付与剤と無機化合物とを混合、加熱して複合化させる方法等が挙げられる。
また、繊維後加工用バインダーに機能性付与剤と上記記載の無機化合物とを添加し、これを用いて布帛に後加工してもよい。すなわち、事前に無機複合機能性付与剤としておかなくても、バンイダー添加時、バインダー後加工時、またはバインダーの加熱硬化時等の工程のいずれかの段階で機能性付与剤と無機化合物とが複合化し、無機複合機能性付与剤が繊維製品に担持できていればよい。
【0027】
無機複合機能性付与剤における上記記載の無機化合物と機能性付与剤との配合割合は、上記記載の無機化合物100質量部に対して、機能性付与剤が1〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは10〜80質量部であり、20〜75質量部が特に好ましい。1質量部未満では機能性付与剤の効果が乏しく、逆に100質量部より多く添加しても無機化合物と複合体とならない物が残ることがあり、機能性付与剤が無駄になる場合がある。
【0028】
○繊維製品への加工
本発明の無機複合機能性付与剤を担持させる繊維は特に限定されない。具体例として、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリエチレン、ポリビニル、ポリビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、アセテート、綿、ウール、および麻等であり、混紡したものでもよい。
【0029】
無機複合機能性付与剤の繊維製品への加工方法に特に制限はないが、バインダーを含有した水系或いは有機系懸濁液に本発明の無機複合機能性付与剤を分散させ、塗布やディッピング等の方法で繊維製品に付着させ、溶媒を除去することにより繊維製品に無機複合機能性付与剤をコーティングする方法が一般的である。バインダー樹脂は、溶媒を除去した後、布帛に付着力が出れば特に制限はなく、アクリル系またはウレタン系等を用いることができる。無機複合機能性付与剤の布帛への添着量は特に制限はない。添着量が多いほど無機複合機能性付与剤の効果は向上するが、あまり多すぎると、粉落ちしたり、繊維製品の肌触りを悪化させるので、無機複合機能性付与剤として、0.5〜5g/m2が好ましく、1〜4g/m2が特に好ましい。
【0030】
無機複合機能性付与剤に対するバインダー樹脂の量も特に限定はないが、無機複合機能性付与剤100質量部に対して、バインダー樹脂固形分が30〜300質量部が好ましく、更に40〜100質量部が好ましい。
【0031】
尚、必要に応じて、無機複合機能性付与剤の水系或いは有機系懸濁液に、当該複合体の分散性を向上させるために界面活性剤および/または分散剤等を添加しても良く、界面活性剤等はアニオン系、ノニオン系、およびカチオン系等いずれのものでも良い。
【0032】
また、無機複合機能性付与剤は、繊維用樹脂や分散液に混合し、溶融紡糸、乾式紡糸あるいは湿式紡糸することにより繊維に担持させることができる。無機複合機能性付与剤の配合量は多いほど無機複合機能性付与剤の効果は向上するが、あまり多すぎると、繊維の性能を低下させたり、繊維製品の肌触りを悪化させるので、無機複合機能性付与剤の配合量は、0.5〜5質量%が好ましく、1〜4質量%が特に好ましい。
【0033】
本発明の無機複合機能性付与剤を担持した繊維製品(機能性繊維製品)は、耐水性、耐熱性、および/または持続性に優れることから、紡糸や後加工で加熱工程を行うもの、糸、布帛、および繊維製品等を精錬や染色など水系の溶液で処理を必要とするもの、洗濯を行ない繰り返し使用するもの等に有効である。
機能性繊維製品の具体的用途は、無機複合機能性付与剤の種類により異なるが、例えば、アンダーウェア、ワイシャツ、ブラウス、靴下、およびストッキング等の衣料;シーツ、布団カバー、および枕カバー等の寝装具;タオル;ハンカチ;マスク;並びに帽子等に使用することができる。
【0034】
○実施態様
層状構造を有する無機化合物、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、リン酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の無機化合物に、水洗処理により流失する機能性付与剤の少なくとも1種以上を複合化させたことを特徴とする無機複合機能性付与剤。
【0035】
【実施例】
以下に本発明をさらに具体的に説明する。
【0036】
<実施例1〜2>
アスコルビン酸40質量部をイオン交換水1,500質量部に溶解させ、ついで活性酸化亜鉛60質量部を添加し2時間攪拌した。ろ過により複合体を回収し、複合体は100℃で6時間乾燥させ、アスコルビン酸複合体1を得た。
また、アスコルビン酸30質量部と、スメクタイト70質量部、およびイオン交換水10質量部とを乾式で混合し、ついで120℃で2時間加熱することによりアスコルビン酸複合体2を得た。
イオン交換水100質量部に対して、アスコルビン酸複合体1またはアスコルビン酸複合体2を4質量部添加し10分間攪拌した。その後、ろ過し、ろ過残渣を100℃で乾燥した。この操作を10回繰り返した(この試験は洗濯10回を想定した代用試験である)。
アスコルビン酸複合体中のアスコルビン酸の含有量は元素分析より測定し、その結果を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】
<実施例3〜4>
アスコルビン酸パルミチン酸エステル40質量部をエタノール1,500質量部に溶解させ、ついでアルミニウム−マグネシウムハイドロタルサイト焼成物60質量部を添加し2時間攪拌した。ろ過により複合体を回収し、複合体は100℃で6時間乾燥させ、アスコルビン酸パルミチン酸エステル複合体を得た。
また、アスコルビン酸テトラパルミチン酸エステル30質量部と、活性酸化亜鉛70質量部とを乾式で混合し、ついで120℃で2時間加熱することによりアスコルビン酸テトラパルミチン酸エステル複合体を得た。
アスコルビン酸パルミチン酸エステル複合体、アスコルビン酸テトラパルミチン酸エステル複合体、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、およびアスコルビン酸テトラパルミチン酸エステルの熱分析測定(TG−DTA)を行ない、熱減量曲線よりこれら化合物の分解温度を求めた。その結果を表2に示した。
【0039】
【表2】
【0040】
表2の結果から、アスコルビン酸パルミチン酸エステルまたはアスコルビン酸テトラパルミチン酸エステルを無機化合物と複合化させることによりアスコルビン酸パルミチン酸エステルおよびアスコルビン酸テトラパルミチン酸エステルの分解温度が上昇し、耐熱性が大幅に改善されていることが確認できた。
【0041】
<実施例5〜7>
尿素30質量部をイオン交換水300質量部に溶解させ、ついで表3に示した無機化合物70質量部を添加し2時間攪拌した。ろ過により複合体を回収し、複合体は80℃で24時間乾燥させ、尿素複合体1〜3を得た。
<実施例8〜9>
尿素30質量部、表3に示した無機化合物70質量部、およびイオン交換水10質量部とを乾式で混合し、ついで80℃で2時間加熱することにより尿素複合体4〜5を得た。
【0042】
【表3】
【0043】
イオン交換水100質量部に対して、上記記載の尿素複合体1〜5を4質量部添加し10分間攪拌した。その後、ろ過し、ろ過残渣を80℃で乾燥した。この操作を10回繰り返した(この試験は、洗濯10回を想定した代用試験である)。
尿素複合体中の尿素の含有量は、元素分析により測定し、その結果を表4に示した。
【0044】
【表4】
【0045】
<実施例10〜11>
表5に示した糖アルコール40質量部をイオン交換水500質量部に溶解させ、ついで無機化合物100質量部を添加し2時間攪拌した。ろ過により複合体を回収し、複合体は100℃で6時間乾燥させ、糖アルコール複合体1および糖アルコール複合体2を得た。
<実施例12〜13>
表5に示した糖アルコール50質量部と、無機化合物100質量部およびイオン交換水10質量部とを乾式で混合し、ついで所定温度で2時間加熱することにより糖アルコール複合体複合体3および糖アルコール複合体4を得た。
【0046】
【表5】
【0047】
イオン交換水100質量部に対して、糖アルコール複合体1〜4を4質量部添加し10分攪拌した。その後、ろ過し、ろ過残さを100℃で乾燥した。この操作を10回繰り返した(この試験は洗濯10回を想定した代用試験である)。
糖アルコール複合体中の糖アルコールの含有量は元素分析より測定し、その結果を表6に示した。
【0048】
【表6】
【0049】
<実施例14〜16>
セリシンの主成分であるセリン20質量部をイオン交換水500質量部に溶解させ、ついで表7に示した無機化合物80質量部を添加し2時間攪拌した。ろ過により複合体を回収し、複合体は120℃で6時間乾燥させ、セリン複合体1〜3を得た。
<実施例17〜18>
セリン15質量部、表7に示した無機化合物85質量部、およびイオン交換水10質量部とを乾式で混合し、ついで120℃で2時間加熱することによりセリン複合体4〜5を得た。
【0050】
【表7】
【0051】
イオン交換水100質量部に対して、上記記載のセリン複合体1〜5を4質量部添加し10分攪拌した。その後、ろ過し、ろ過残渣を100℃で乾燥した。この操作を10回繰り返した(この試験は、洗濯10回を想定した代用試験である)。
セリン複合体中のセリンの含有量は、元素分析により測定し、その結果を表8に示した。
【0052】
【表8】
【0053】
<実施例19〜22>
カフェイン30質量部、表9に示した無機化合物70質量部、イオン交換水10質量部とを乾式で混合し、ついで120℃で2時間加熱することによりカフェイン複合体1〜4を得た。
【0054】
【表9】
【0055】
カフェイン複合体1.0gをイオン交換水100mlに入れ、90℃で2時間加熱した。ろ過後、100℃で乾燥した。この操作を10回繰り返した(この試験は、洗濯10回を想定した代用試験である)。
カフェイン複合体中のカフェインの含有量は元素分析により測定した。その結果を表10に示した。
【0056】
【表10】
【0057】
<実施例23〜24>
グリチルリチン酸二ナトリウムを10質量部、表11に示した無機化合物90質量部、およびイオン交換水10質量部とを乾式で混合し、ついで100℃で8時間加熱することによりグリチルリチン酸複合体1〜2を得た。
【0058】
【表11】
【0059】
イオン交換水100質量部に対して、上記記載のグリチルリチン酸複合体1、2を4質量部添加し10分間攪拌した。その後、ろ過し、ろ過残渣を100℃で乾燥した。この操作を10回繰り返した(この試験は、洗濯10回を想定した代用試験である)。
グリチルリチン酸複合体中のグリチルリチン酸の含有量は、元素分析により測定し、その結果を表12に示した。
【0060】
【表12】
【0061】
<実施例25〜26>
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸20質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させ、ついで表13に示した無機化合物80質量部を添加し24時間攪拌した。ろ過により複合体を回収し、複合体は100℃で6時間乾燥させ、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸複合体1〜2を得た。
【0062】
【表13】
【0063】
イオン交換水100質量部に対して、上記記載の2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸複合体1〜2を4質量部添加し10分間攪拌した。その後、ろ過し、ろ過残渣を100℃で乾燥した。この操作を10回繰り返した(この試験は、洗濯10回を想定した代用試験である)。
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸複合体中の2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸の含有量は、元素分析により測定し、その結果を表14に示した。
【0064】
【表14】
【0065】
<実施例27〜31>
クロトリマゾールを20質量部、表15に示した無機化合物80質量部、およびイオン交換水10質量部とを乾式で混合し、ついで120℃で8時間加熱することによりクロトリマゾール複合体1〜5を得た。
【0066】
【表15】
【0067】
クロトリマゾール複合体1gをpH=2.5の酢酸水溶液100mlに入れ、90℃で2時間加熱した。ろ過後、軽く水洗後、100℃で乾燥し、クロトリマゾール複合体中のクロトリマゾール含有量を元素分析により測定した。その結果を表16に示した。
【0068】
【表16】
【0069】
<実施例32〜38、比較例3〜9>
イオン交換水10gに、表17に示した各種複合体を2g、アクリル系バインダー(東亞合成(株)製KB−4900、固形分45wt%)3.3gを添加し懸濁液を得た。この懸濁液全量をスプレーでポリエステル布帛1m2をに噴霧後、150℃で乾燥し試験布帛を得た(複合体担持量は2g/m2)。
各種複合体の代わりに、アスコルビン酸0.6g、尿素0.6g、キシリトール0.66g、セリン0.3g、カフェイン0.6g、グリチルリチン酸0.2g、または2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸複合体0.3gを用いた以外は実施例32と同様に行ない試験布帛を得た(これらを比較例3〜9とした)。
得られた試験布帛を、(洗濯5分間+すすぎ2分間+脱水2分間)を1セットとした洗濯を10回繰り返して行った後、機能性付与剤の含有量を求めた。その結果を表17に示した。
【0070】
<実施例39、比較例10>
イオン交換水10gに、クロトリマゾール複合体2を2g、アクリル系バインダー(東亞合成(株)製KB−4900、固形分45wt%)3.3gを添加し懸濁液を得た。この懸濁液全量をスプレーでポリエステル布帛1m2をに噴霧後、150℃で乾燥し試験布帛を得た(複合体担持量は2g/m2)。
クロトリマゾール複合体2の代わりに、クロトリマゾール0.4gを用いた以外は実施例39と同様に行ない、比較例10とした。
得られた試験布帛(10cm×10cm)を、pH=2.3の酢酸水溶液100mlに添加し、90℃で2時間加熱した。試験布帛を軽く水洗後、クロトリマゾールの含有量を求めた。その結果を表17に示した。
【0071】
【表17】
【0072】
【発明の効果】
機能性付与剤を特定の無機化合物に複合化させた無機複合機能性付与剤により機能性付与剤の耐水性、耐熱性、および/または持続性等を向上させることができる。そして本発明の無機複合機能性付与剤を繊維に担持させた機能性繊維は、機能性付与剤の機能の耐水性、耐熱性、および/または持続性等を向上させることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention aims to improve the durability, such as water resistance, heat resistance, and durability, of a textile product by using a functionality-imparting agent excellent in durability, such as water resistance, heat resistance, and durability, and the imparting agent. And a functional fiber product containing the imparting agent.
[0002]
[Prior art]
In recent years, many so-called skin care fibers have been developed that contain vitamin C derivatives such as vitamin C (ascorbic acid) and provitamin C, amino acids such as serine and arginine, squalane, and functional agents such as xylitol. However, when the functionality-imparting agent is water-soluble, there is a problem that the functionality-imparting agent dissolves and disappears during the dyeing process and washing. Further, when the heat resistance of the function-imparting agent is poor, the function-imparting agent decomposes and melt spinning cannot be performed. Furthermore, when the laundry is heated and dried by a drier, the function-imparting agent may be decomposed or volatilized, and the function may be reduced or lost.
[0003]
Since ascorbic acid is water-soluble, various methods for improving its washing resistance have been proposed. For example, a deodorizing antibacterial fiber has been proposed in which ascorbic acid, a ferrous salt, and an antibacterial substance are fixed to the fiber using a synthetic resin (see, for example, Patent Document 1). However, in this fixing method, ascorbic acid that appears on the fiber surface is dissolved in water by washing and loses its effectiveness.
[0004]
A fiber material treated with an emulsion containing an ascorbic acid derivative hardly soluble in water has been proposed (see, for example, Patent Document 2). This ascorbic acid derivative which is hardly soluble in water is an oligo fatty acid ester of ascorbic acid, and since such a poorly soluble material is used, it is excellent in washing resistance, but is inferior in heat resistance, and is a dryer. There is a possibility of deterioration by drying with.
In addition, a softening agent having an endoplasmic reticulum that contains an ascorbic acid alkyl ester and an antioxidant containing the ascorbic acid alkyl ester in order to eliminate instability of ascorbic acid has been disclosed (for example, see Patent Document 3). Since this is a softening finish after washing, the washing resistance is inferior.
[0005]
There has been proposed a fibrous skin resting product in which sericin is arranged on the surface portion in contact with the skin (see, for example, Patent Document 4). This is obtained by immersing a sericin aqueous solution in gauze, squeezing and drying. Although effective for disposable items, since sericin is water-soluble, when used for clothing or the like that is repeatedly used after washing, sericin elutes during washing and its function decreases. In addition, a fiber product has been proposed in which a complex composed of deacetylated chitin and sericin is fixed to the fiber surface (see, for example, Patent Document 5). Sericin is merely supported on the fiber surface using deacetylated chitin as a binder, and the washing resistance is not sufficient.
[0006]
In order to impart a refreshing property to the fibers, fabrics with xylitol added have been proposed (trade name Belly Kourware (trade name Cool Plus (Daiwa Towel Cooperative), etc., manufactured by Yonex Co., Ltd.)). These take advantage of the fact that xylitol has a negative heat of hydration, thereby absorbing moisture such as sweat and lowering the temperature. However, since xylitol is a water-soluble substance, it dissolves at the time of washing, and there is a problem in sustaining the refreshing effect.
[0007]
Caffeine is widely known as a component having an excellent effect of promoting lipolysis, and functional fibers to which caffeine is fixed have been proposed (see, for example, Patent Document 6). Since this product only has caffeine supported on the fiber surface using a binder, there is a problem that the portion exposed on the fiber surface is eluted during the dyeing process or washing.
[0008]
○ Prior literature
[Patent Document 1] JP-A-62-250284 (Claims)
[Patent Document 2] Japanese Unexamined Patent Application Publication No. 2002-61073 (Claims)
[Patent Document 3] Japanese Patent Laid-Open No. 10-131042 (Claims)
[Patent Document 4] Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-1872 (Claims and Examples)
[Patent Document 5] JP-A-9-31847 (Claims)
[Patent Document 6] Japanese Unexamined Patent Publication No. 2000-212873 (Claims)
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a functionality-imparting agent having improved durability such as water resistance, heat resistance, and durability used for fibers and the like, and by using these, water resistance, heat resistance, and durability are improved. It is to provide a method for improving the properties and the like. And it is providing the functional fiber product excellent in the durability by the said functional provision agent.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventor has at least one inorganic compound selected from the group consisting of an inorganic compound having a layered structure, zinc oxide, titanium oxide, silicon oxide, aluminum oxide, and calcium phosphate. In addition, the present inventors have found that the above-mentioned problems can be solved by supporting an inorganic composite functionality-imparting agent obtained by combining at least one kind of functionality-imparting agent and a textile product with the inorganic composite functionality-imparting agent. It came to complete.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0012]
○ Functionality imparting agent
Functionality-imparting agents used in the inorganic composite functionality-imparting agent of the present invention have a whitening effect, an anti-wrinkle effect, a blood circulation promoting effect, a moisturizing effect, a cooling effect, a lipolytic effect, or an ultraviolet shielding effect on the skin. As long as it is washed away by a washing process such as washing, there is no particular limitation. Specific examples include the following as the functionality-imparting agent of the present invention. The washing treatment is, for example, adding 4 parts by mass of a function-imparting agent to 100 parts by mass of ion-exchanged water, and stirring and filtering for 10 minutes. Further, this operation may be repeated 10 times.
Examples of the function-imparting agent include vitamin C derivatives such as vitamin C and provitamin C that are effective for whitening and wrinkle prevention; whitening effect, blood circulation promoting effect, and skin aging preventing effect Vitamin E, etc .; amino acid derivatives such as trimethylglycine, which are said to have an effect of making the skin weakly acidic; amino acids such as arginine, which are said to have an effect of conditioning the skin; vitamins which are said to have an anti-aging effect on the skin A and the like; chondroitin sulfate and the like that are effective in preventing aging and obesity; phenol glycosides such as kojic acid and α-arbutin that are said to have a whitening effect, and α-hesperidin and the like; Carotenoids and metallichioneins that are considered to have glycyrrhizic acid and glycyrrhetinic acid that are said to have anti-atopic effects Compounds, etc .; collagen, urea, sericin, squalane, ceramide, etc., which are said to have a moisturizing effect; polysaccharides, such as giraffe, which are said to have a rough skin-preventing effect; and bisamine; Sugar alcohols such as erythritol and dulcitol, etc .; caffeine, which is said to be effective in neutral lipolysis; pyrrolidone carboxylic acid, etc., which is said to have an effect of promoting blood circulation; And azole antifungal agents such as miconazole nitrate; cinnamic acid compounds, 4-aminobenzoic acid, urocanic acid, 4-hydroxy-3-methoxybenzoic acid, and 2-hydroxy-4 -Methoxybenzophenone-5-sulfonic acid and the like; coumarin known as an aromatic component derived from cherry leaves Which fragrance; and catechin known as antioxidants.
[0013]
The functionality-imparting agent in the present invention is limited as long as the residual ratio of the functionality-imparting agent after washing the inorganic composite functionality-imparting agent obtained by compounding the functionality-imparting agent with water is 10% or more. Not what you want. The residual ratio is preferably 20% or more, more preferably 30% or more. If the residual ratio is less than 10%, there is a case where it is not necessary to combine the function-imparting agent.
This residual ratio is calculated from the remaining functionality-imparting agent after the inorganic composite functionality-imparting agent is washed with water. For example, 100 parts by mass of purified water is added to 4 parts by mass of the inorganic composite functionality-imparting agent, stirred for 10 minutes, and then filtered. This is calculated from the amount of the functionality-imparting agent in the inorganic composite functionality-imparting agent after performing this operation 10 times (for example, calculated by elemental analysis).
That is, it is an inorganic composite functionality-imparting agent that uses a functionality-imparting agent with a residual rate of 10% or more.
[0014]
As the functionality-imparting agent in the present invention, the decomposition temperature of the inorganic composite functionality-imparting agent obtained by complexing the functionality-imparting agent is higher than that of the original functionality-imparting agent. For example, the rate of increase is 10%, preferably 20%, and particularly preferably 30%.
[0015]
○ Inorganic compounds
The inorganic compound used for compositing the functionality-imparting agent of the present invention is at least one selected from the group consisting of an inorganic compound having a layered structure, zinc oxide, titanium oxide, silicon oxide, aluminum oxide, and calcium phosphate. And more preferably at least one selected from an inorganic compound having a layered structure, zinc oxide, and silicon oxide. The inorganic compound having a layered structure is at least one selected from layered silicates, hydrotalcite compounds, calcined hydrotalcites, and tetravalent metal phosphates.
[0016]
Specific examples of layered silicates include clay minerals. Smectites such as montmorillonite, beidellite, hectorite, saponite, vermiculite, illite, muscovite, phlogopite, biotite, mica; Examples include kaolins such as knight and halloysite, and serpentine groups such as antigolite. Other preferred layered silicates include: That is, there are layered sodium silicates such as magadiite, kenyanite, kanemite, macatite, and eyerite, layered calcium silicates such as tobermorite, and synthetic mica in which anions such as hydroxide ions are substituted with fluorine ions.
Layered silicic acid may be used as it is, but alkaline earth metal ions such as Mg, Ca, Sr, and Ba, and metal ions such as Zn, Al, Mn, Fe, Co, Ni, and Cu are preliminarily interlayered. If it is supported by ion exchange or the like, depending on the functionality-imparting agent used, it becomes easy to form a coordinate bond with the ion, so that it becomes easy to form a complex. In particular, such layered silicic acid is effective as a functional agent containing a nitrogen atom or a sulfur atom in the compound.
[0017]
The hydrotalcite compound is a compound represented by the following general formula (1) and having a hydrotalcite structure. Preferred examples of the compound include aluminum magnesium hydrotalcite, aluminum zinc hydrotalcite, and aluminum copper hydrotalcite. is there.
M1xM2y(OH)2An- d・ MH2O (1)
In the general formula (1), M1 is a divalent metal, M2 is a trivalent metal, and An-Is an n-valent anion such as carbonate ion or sulfate ion, and x, y, z, d, and m are positive numbers.
As hydrotalcite compounds,
Mg4.5Al2(OH)13CO3・ 3.5H2O
Zn4.5Al2(OH)13CO3・ 3.5H2O
Ni4.5Al2(OH)13CO3・ 3.5H2O
Mg4.5Fe2(OH)13CO3・ 3.5H2O
Mg5Al1.5(OH)12.5CO3・ 3.5H2O
Mg6Al2(OH)16CO3・ 4H2O
Mg4.3Al2(OH)12.6CO3・ 4H2O
Etc.
[0018]
The calcined hydrotalcite is a product obtained by calcining a hydrotalcite compound at about 500 ° C. or more and desorbing carbonate groups and hydroxyl groups, and is represented by the following formula (2), for example. is there.
M1xM2yO(X + 1.5y) (2)
In formula (1), M1 represents a divalent metal, M2 represents a trivalent metal, and x and y are positive numbers.
As fired hydrotalcite,
Mg0.7Al0.3O1.15
Zn0.7Al0.3O1.15
Ni0.7Al0.3O1.15
Mg0.7Fe0.3O1.15
Mg0.8Al0.24O1.16
Mg0.9Al0.3O1.35
Mg0.6Al0.3O1.05
Etc.
[0019]
Zinc oxide, titanium oxide, silicon oxide, and aluminum oxide include anhydrides or hydrates. In order to form a strong bond with these and the function-imparting agent, those having a large specific surface area or a high surface activity are preferred.
[0020]
Specific examples of the tetravalent metal phosphate include zirconium phosphate, titanium phosphate, and tin phosphate. These compounds include crystalline and amorphous materials having various crystal systems, such as α-type crystals, β-type crystals, γ-type crystals, and NASICON-type crystals, all of which are included in the present invention. It is.
[0021]
Examples of the calcium phosphate include hydroxyapatite, calcium triphosphate, and the like, and may be crystalline or amorphous. Of these, those having a layered structure (such as α-type crystals, β-type crystals, and γ-type crystals) are particularly preferable. These phosphoric acids may be used as they are, but alkaline earth metal ions such as Mg, Ca, Sr, and Ba, and metal ions such as Zn, Al, Mn, Fe, Co, Ni, and Cu are preliminarily layered. If it is supported by ion exchange or the like, depending on the functionality-imparting agent used, it becomes easy to form a coordinate bond with the ion, so that it becomes easy to form a complex. In particular, such calcium phosphate is effective as a function-imparting agent containing a nitrogen atom or a sulfur atom in the compound.
[0022]
Since these inorganic compounds described above can have some kind of interaction with the function-imparting agent, the water-resistance, heat resistance and / or durability of the function-imparting agent can be improved. Can do. Examples of this type of interaction include intercalation of a functionality-imparting agent between layers of an inorganic compound or weak chemical bonds (hydrogen bonds, van der Waals bonds, etc.) between the surface hydroxyl groups of the inorganic compound and the functionality-imparting agent. it can.
[0023]
As what makes a functional provision agent and an inorganic compound complex, what intercalates to an inorganic compound is preferable, Therefore It is preferable to use the inorganic compound which has a layered structure. As the inorganic compound having a layered structure (inorganic layered compound), a layered silicate, a hydrotalcite compound, a fired hydrotalcite, a tetravalent metal phosphate, and the like are particularly preferable.
[0024]
As a method for intercalating a functionality-imparting agent between layers of an inorganic layered compound, a functionality-imparting agent having basicity in a compound having a negative charge between layers (for example, a layered silicate and a tetravalent metal phosphate) is used. A method of intercalating, a method of intercalating an acid-functionality-imparting agent to a compound having a positive charge between layers (for example, a hydrotalcite compound and a hydrotalcite fired product), copper between layers of an inorganic layered compound, Examples include a method in which metal ions such as zinc and calcium are intercalated in advance, and a functionality-imparting agent containing a sulfur atom or a nitrogen atom in the chemical structural formula is coordinated to the metal ion.
[0025]
Moreover, as an inorganic compound used for an inorganic composite functional property imparting agent, silicon oxide (especially silica gel) and zinc oxide, which have a large specific surface area and pore volume and are easy to obtain a material having high surface activity, are also preferable.
[0026]
-Preparation of inorganic composite functionality-imparting agents from inorganic compounds and functionality-imparting agents
As long as the interaction between the inorganic compound and the functionality-imparting agent is achieved, the method for producing the inorganic composite functionality-imparting agent is not particularly limited.
For example, a method of adding the above-described inorganic compound to an aqueous solution and / or an organic solvent solution of the functionality-imparting agent to make it complex, a method of mixing the functionality-imparting agent and the inorganic compound in a dry method, and making it complex by heating, etc. Is mentioned.
Moreover, a functionality-imparting agent and the above-described inorganic compound may be added to a fiber post-processing binder, and this may be used to post-process the fabric. In other words, even if it is not preliminarily used as an inorganic composite functionality-imparting agent, the functionality-imparting agent and the inorganic compound are composited at any stage of the process, such as when adding a vanider, during post-binder processing, or during heat curing of the binder. And the inorganic composite functionality-imparting agent only needs to be supported on the fiber product.
[0027]
The blending ratio of the inorganic compound and the functionality-imparting agent described above in the inorganic composite functionality-imparting agent is preferably 1 to 100 parts by mass of the functionality-imparting agent with respect to 100 parts by mass of the inorganic compound as described above. More preferably, it is 10-80 mass parts, and 20-75 mass parts is especially preferable. If the amount is less than 1 part by mass, the effect of the function-imparting agent is poor, and on the contrary, even if it is added in an amount of more than 100 parts by mass, a substance that does not become a complex with the inorganic compound may remain, and the function-imparting agent may be wasted. .
[0028]
○ Processing into textile products
The fiber on which the inorganic composite functionality-imparting agent of the present invention is supported is not particularly limited. Specific examples include polyester, nylon, acrylic, polyethylene, polyvinyl, polyvinylidene, polyurethane, polystyrene, acetate, cotton, wool, hemp, and the like, which may be blended.
[0029]
There is no particular limitation on the processing method of the inorganic composite functionality-imparting agent into a textile product, but the inorganic composite functionality-imparting agent of the present invention is dispersed in an aqueous or organic suspension containing a binder, and coating, dipping, etc. A method of coating the fiber product with an inorganic composite functionality imparting agent by attaching the fiber product to the fiber product and removing the solvent is common. The binder resin is not particularly limited as long as the adhesive force is exerted on the fabric after removing the solvent, and an acrylic or urethane type can be used. There is no particular limitation on the amount of the inorganic composite functionality-imparting agent attached to the fabric. The effect of the inorganic composite functionality imparting agent is improved as the amount of attachment increases, but if it is too much, the powder falls off or the touch of the fiber product is deteriorated. Therefore, 0.5 to 5 g as the inorganic composite functionality imparting agent. / M21 to 4 g / m2Is particularly preferred.
[0030]
The amount of the binder resin with respect to the inorganic composite functionality-imparting agent is not particularly limited, but the binder resin solid content is preferably 30 to 300 parts by mass, and more preferably 40 to 100 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the inorganic composite functionality-imparting agent. Is preferred.
[0031]
If necessary, a surfactant and / or a dispersant may be added to the aqueous suspension or the organic suspension of the inorganic composite functionality-imparting agent in order to improve the dispersibility of the composite. The surfactant and the like may be any of anionic, nonionic, cationic and the like.
[0032]
The inorganic composite functionality-imparting agent can be supported on the fiber by mixing it with a fiber resin or dispersion and melt spinning, dry spinning or wet spinning. The effect of the inorganic composite functionality imparting agent improves as the compounding amount of the inorganic composite functionality imparting agent increases, but if it is too much, the performance of the fiber deteriorates or the touch of the fiber product deteriorates. 0.5-5 mass% is preferable and, as for the compounding quantity of a property imparting agent, 1-4 mass% is especially preferable.
[0033]
The fiber product (functional fiber product) carrying the inorganic composite functionality-imparting agent of the present invention is excellent in water resistance, heat resistance, and / or sustainability, and therefore is subjected to a heating step in spinning or post-processing, yarn It is effective for fabrics, textile products and the like that require treatment with aqueous solutions such as refining and dyeing, and those that are used repeatedly after washing.
The specific use of the functional fiber product varies depending on the type of the inorganic composite functionality-imparting agent. For example, clothes such as underwear, shirts, blouses, socks, and stockings; sleeping sheets such as sheets, duvet covers, and pillow covers It can be used for orthoses, towels, handkerchiefs, masks, and hats.
[0034]
○ Implementation
At least one or more functional imparting agents that are washed away by washing with water to at least one inorganic compound selected from the group consisting of inorganic compounds having a layered structure, zinc oxide, titanium oxide, silicon oxide, aluminum oxide, and calcium phosphate. An inorganic composite functionality-imparting agent characterized by being combined.
[0035]
【Example】
The present invention will be described more specifically below.
[0036]
<Examples 1-2>
40 parts by mass of ascorbic acid was dissolved in 1,500 parts by mass of ion-exchanged water, and then 60 parts by mass of active zinc oxide was added and stirred for 2 hours. The complex was recovered by filtration, and the complex was dried at 100 ° C. for 6 hours to obtain ascorbic acid complex 1.
Further, ascorbic acid complex 2 was obtained by mixing 30 parts by mass of ascorbic acid, 70 parts by mass of smectite, and 10 parts by mass of ion-exchanged water in a dry manner and then heating at 120 ° C. for 2 hours.
4 parts by mass of ascorbic acid complex 1 or ascorbic acid complex 2 was added to 100 parts by mass of ion-exchanged water and stirred for 10 minutes. Then, it filtered and the filtration residue was dried at 100 degreeC. This operation was repeated 10 times (this test is a substitute test assuming 10 washes).
The content of ascorbic acid in the ascorbic acid complex was measured by elemental analysis, and the results are shown in Table 1.
[0037]
[Table 1]
[0038]
<Examples 3 to 4>
40 parts by mass of ascorbyl palmitate was dissolved in 1,500 parts by mass of ethanol, and then 60 parts by mass of the calcined aluminum-magnesium hydrotalcite was added and stirred for 2 hours. The complex was recovered by filtration, and the complex was dried at 100 ° C. for 6 hours to obtain an ascorbyl palmitate complex.
Further, 30 parts by mass of ascorbic acid tetrapalmitate and 70 parts by mass of active zinc oxide were mixed in a dry manner, and then heated at 120 ° C. for 2 hours to obtain an ascorbate tetrapalmitate complex.
Thermal analysis measurement (TG-DTA) of ascorbyl palmitate complex, ascorbate tetrapalmitate complex, ascorbyl palmitate, and ascorbate tetrapalmitate, and decomposition of these compounds from thermal loss curve The temperature was determined. The results are shown in Table 2.
[0039]
[Table 2]
[0040]
From the results in Table 2, the decomposition temperature of ascorbic acid palmitic acid ester and ascorbic acid tetrapalmitic acid ester is increased by combining ascorbic acid palmitic acid ester or ascorbic acid tetrapalmitic acid ester with an inorganic compound, and the heat resistance is greatly increased. It was confirmed that it was improved.
[0041]
<Examples 5-7>
30 parts by mass of urea was dissolved in 300 parts by mass of ion-exchanged water, and then 70 parts by mass of the inorganic compound shown in Table 3 was added and stirred for 2 hours. The complex was recovered by filtration, and the complex was dried at 80 ° C. for 24 hours to obtain urea complexes 1 to 3.
<Examples 8 to 9>
30 parts by mass of urea, 70 parts by mass of the inorganic compound shown in Table 3, and 10 parts by mass of ion-exchanged water were mixed in a dry manner, and then heated at 80 ° C. for 2 hours to obtain urea complexes 4 to 5.
[0042]
[Table 3]
[0043]
4 parts by mass of the urea complex 1-5 described above was added to 100 parts by mass of ion-exchanged water, and the mixture was stirred for 10 minutes. Then, it filtered and the filtration residue was dried at 80 degreeC. This operation was repeated 10 times (this test is a substitute test assuming 10 washes).
The urea content in the urea complex was measured by elemental analysis, and the results are shown in Table 4.
[0044]
[Table 4]
[0045]
<Examples 10 to 11>
40 parts by mass of the sugar alcohol shown in Table 5 was dissolved in 500 parts by mass of ion-exchanged water, and then 100 parts by mass of an inorganic compound was added and stirred for 2 hours. The complex was recovered by filtration, and the complex was dried at 100 ° C. for 6 hours to obtain sugar alcohol complex 1 and sugar alcohol complex 2.
<Examples 12 to 13>
By mixing 50 parts by mass of the sugar alcohol shown in Table 5, 100 parts by mass of the inorganic compound and 10 parts by mass of ion-exchanged water in a dry manner, and then heating at a predetermined temperature for 2 hours, the sugar-alcohol complex complex 3 and the sugar The alcohol complex 4 was obtained.
[0046]
[Table 5]
[0047]
4 parts by mass of the sugar alcohol complex 1 to 4 was added to 100 parts by mass of ion-exchanged water and stirred for 10 minutes. Then, it filtered and the filtration residue was dried at 100 degreeC. This operation was repeated 10 times (this test is a substitute test assuming 10 washes).
The sugar alcohol content in the sugar alcohol complex was measured by elemental analysis, and the results are shown in Table 6.
[0048]
[Table 6]
[0049]
<Examples 14 to 16>
20 parts by mass of serine, which is the main component of sericin, was dissolved in 500 parts by mass of ion-exchanged water, and then 80 parts by mass of the inorganic compound shown in Table 7 was added and stirred for 2 hours. The complex was recovered by filtration, and the complex was dried at 120 ° C. for 6 hours to obtain serine complexes 1-3.
<Examples 17-18>
Serine composites 4 to 5 were obtained by mixing 15 parts by mass of serine, 85 parts by mass of the inorganic compound shown in Table 7 and 10 parts by mass of ion-exchanged water in a dry manner and then heating at 120 ° C. for 2 hours.
[0050]
[Table 7]
[0051]
4 parts by mass of the serine complexes 1 to 5 described above were added to 100 parts by mass of ion-exchanged water and stirred for 10 minutes. Then, it filtered and the filtration residue was dried at 100 degreeC. This operation was repeated 10 times (this test is a substitute test assuming 10 washes).
The serine content in the serine complex was measured by elemental analysis, and the results are shown in Table 8.
[0052]
[Table 8]
[0053]
<Examples 19 to 22>
30 parts by mass of caffeine, 70 parts by mass of the inorganic compound shown in Table 9 and 10 parts by mass of ion-exchanged water were mixed in a dry manner, and then heated at 120 ° C. for 2 hours to obtain caffeine complexes 1 to 4. .
[0054]
[Table 9]
[0055]
Caffeine complex 1.0g was put into ion-exchange water 100ml, and it heated at 90 degreeC for 2 hours. After filtration, it was dried at 100 ° C. This operation was repeated 10 times (this test is a substitute test assuming 10 washes).
The content of caffeine in the caffeine complex was measured by elemental analysis. The results are shown in Table 10.
[0056]
[Table 10]
[0057]
<Examples 23 to 24>
10 parts by mass of disodium glycyrrhizinate, 90 parts by mass of the inorganic compound shown in Table 11, and 10 parts by mass of ion-exchanged water were mixed in a dry manner, and then heated at 100 ° C. for 8 hours to thereby give the glycyrrhizic acid complex 1 to 1 2 was obtained.
[0058]
[Table 11]
[0059]
4 parts by mass of the above-described glycyrrhizic acid complexes 1 and 2 were added to 100 parts by mass of ion-exchanged water and stirred for 10 minutes. Then, it filtered and the filtration residue was dried at 100 degreeC. This operation was repeated 10 times (this test is a substitute test assuming 10 washes).
The content of glycyrrhizic acid in the glycyrrhizic acid complex was measured by elemental analysis, and the results are shown in Table 12.
[0060]
[Table 12]
[0061]
<Examples 25 to 26>
20 parts by mass of 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone-5-sulfonic acid was dissolved in 1000 parts by mass of ion-exchanged water, and then 80 parts by mass of the inorganic compound shown in Table 13 was added and stirred for 24 hours. The complex was recovered by filtration, and the complex was dried at 100 ° C. for 6 hours to obtain 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone-5-sulfonic acid complexes 1-2.
[0062]
[Table 13]
[0063]
4 parts by mass of the above-mentioned 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone-5-sulfonic acid complex 1-2 was added to 100 parts by mass of ion-exchanged water and stirred for 10 minutes. Then, it filtered and the filtration residue was dried at 100 degreeC. This operation was repeated 10 times (this test is a substitute test assuming 10 washes).
The content of 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone-5-sulfonic acid in the 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone-5-sulfonic acid complex was measured by elemental analysis. The results are shown in Table 14.
[0064]
[Table 14]
[0065]
<Examples 27 to 31>
20 parts by mass of clotrimazole, 80 parts by mass of the inorganic compound shown in Table 15 and 10 parts by mass of ion-exchanged water were mixed in a dry manner, and then heated at 120 ° C. for 8 hours to thereby obtain clotrimazole complex 1 5 was obtained.
[0066]
[Table 15]
[0067]
1 g of clotrimazole complex was placed in 100 ml of an aqueous acetic acid solution having a pH of 2.5 and heated at 90 ° C. for 2 hours. After filtration, lightly washed with water and dried at 100 ° C., the content of clotrimazole in the clotrimazole complex was measured by elemental analysis. The results are shown in Table 16.
[0068]
[Table 16]
[0069]
<Examples 32-38 and Comparative Examples 3-9>
2 g of various composites shown in Table 17 and 3.3 g of an acrylic binder (KB-4900 manufactured by Toagosei Co., Ltd., solid content 45 wt%) were added to 10 g of ion-exchanged water to obtain a suspension. 1m of polyester fabric is sprayed on the whole suspension2After spraying, the test fabric was obtained by drying at 150 ° C. (composite loading was 2 g / m 2).2).
Ascorbic acid 0.6 g, urea 0.6 g, xylitol 0.66 g, serine 0.3 g, caffeine 0.6 g, glycyrrhizic acid 0.2 g, or 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone- Test fabrics were obtained in the same manner as in Example 32 except that 0.3 g of 5-sulfonic acid complex was used (these were designated as Comparative Examples 3 to 9).
The obtained test fabric was washed 10 times as a set of (washing for 5 minutes + rinsing for 2 minutes + dehydration for 2 minutes), and then the content of the function-imparting agent was determined. The results are shown in Table 17.
[0070]
<Example 39, Comparative Example 10>
2 g of clotrimazole complex 2 and 3.3 g of an acrylic binder (KB-4900 manufactured by Toagosei Co., Ltd., solid content 45 wt%) were added to 10 g of ion-exchanged water to obtain a suspension. 1m of polyester fabric is sprayed on the whole suspension2After spraying, the test fabric was obtained by drying at 150 ° C. (composite loading was 2 g / m 2).2).
Comparative Example 10 was carried out in the same manner as in Example 39 except that 0.4 g of clotrimazole was used instead of clotrimazole complex 2.
The obtained test fabric (10 cm × 10 cm) was added to 100 ml of an aqueous acetic acid solution having a pH of 2.3 and heated at 90 ° C. for 2 hours. After lightly washing the test fabric, the content of clotrimazole was determined. The results are shown in Table 17.
[0071]
[Table 17]
[0072]
【The invention's effect】
The water resistance, heat resistance, and / or sustainability of the functionality imparting agent can be improved by the inorganic composite functionality imparting agent in which the functionality imparting agent is compounded with a specific inorganic compound. And the functional fiber which carry | supported the inorganic composite functional property imparting agent of this invention on the fiber can improve the water resistance of the function of a functional property imparting agent, heat resistance, and / or sustainability.