JP2005025259A - 高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】高齢者の介護サービスを民間事業として実施する上で必要となる事業者側の固定費、運営管理費、入居者側の固定費、会員費、特別会員の施設利用、サービス利用費等の諸経費を多角的に分析し、効率的な事業経営を行う。
【解決手段】施設の建設、改築等の初期の固定費や人件費、食費等の諸経費、入居者数、当初入居金、施設の利用率等の入居者動態状況を表わす値等の変動値を変数化する手段、前記各変数を基に関連式を作り、各変数の変化で適切な解を算出する手段を備えたシュミレーション・システム。
【選択図】 図1
【解決手段】施設の建設、改築等の初期の固定費や人件費、食費等の諸経費、入居者数、当初入居金、施設の利用率等の入居者動態状況を表わす値等の変動値を変数化する手段、前記各変数を基に関連式を作り、各変数の変化で適切な解を算出する手段を備えたシュミレーション・システム。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高齢者の介護サービスを民間事業として遂行する上で必要となる事業者側の固定費、運営管理費費、入居者側の入居費、会員費、特別会員の施設利用・サービス利用費等の経理上の諸費用を多角的視野で分析(計算式化)し、円滑な事業遂行を可能とするシミュレーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
日本は、男女とも世界第1位の長寿国となっている。厚生省によると、2002年度の日本人の平均寿命は女性が84.93歳、男性が78.07歳である。一方、出産率は低下し、65歳以上の高齢者が急増している。間違いなく、日本は高齢者社会を迎えている。核家族化した現在、高齢者のひとり暮らしが急増し、高齢者対策は緊急を要する案件となっている。
【0003】
公的介護保険制度の導入を機に、様々な分野で高齢者介護が人々の関心を呼んでいる。しかしながらデイケアセンター、グループホーム、ケアハウス高齢者介護施設の不足は大きな社会問題となっている。特養、老健等の公的介護施設の整備拡充が重要であることはいうまでもないが、民間による良質な高齢者介護施設の供給も同時に重要な要素となっている。
【0004】
高齢者介護を目的としたシステムとしては、『高齢者介護システム』(特開2003−044593)がある。この公開特許では、要介護者または介護依頼者が携帯端末等の装置を利用して、介護計画に基づいた介護サービスを端末を通して受けられるシステムについて述べられている。『高齢者福祉事業方法および高齢者福祉施設』(特開2003−041791)では、高齢者およびその家族が安心して利用でき、かつ高齢者および職員が過ごしやすい高齢者福祉施設の運営を支援する高齢者福祉事業方法および高齢者福祉施設を提供する方法について述べられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
日本では高齢化が急速に進んでいる。これは日本だけの現象ではなく、欧米のような先進国で見られる共通の現象である。このような状況下、高齢者介護・福祉事業は早急に対処されなければならない課題である。しかし公的高齢者介護・福祉政策だけでは対処できず、民間の活力が不可欠な要素となっている。
【0006】
民間が高齢介護事業を行う場合、高齢者介護福祉を目的としたものであっても、事業を運営する上で財政的な破綻を来すことはできない。財政的に破綻すれば、介護福祉の目的の達成できないからである。しかし、現実に高齢者介護事業を推進していく上において、確たる経営運営手法が打ち出されていないのが現状である。
【0007】
特許庁の公開特許を「高齢者介護&事業」で検索すると、229件の出願文献が抽出された。従来技術では2例紹介したが、これらの大半は、携帯端末やインターネットを使用した介護や考え方(アイデア)のみのものである。もちろん、高齢者介護が主目的でないものも数多く含まれている。このように、高齢者介護事業を運営する際に必要となる経営運営上の指針が数量で示されていないのが現実である。
【0008】
そこで本発明が解決しようとする課題は、高齢者介護事業を遂行する上で避けては通れない経済的な問題(入居者の入会金・会員費や地域会員の会員費あるいは事業経営者の利潤等の問題)を、コンピュータを使ってシミュレートする手段を示すことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の発明が解決しようとする課題を解決するために、本発明では以下のような方法を用いる。すなわち、施設の建設あるいは購入などの初期に掛かる固定費や経費、人件費、食費、管理費、修理費などの運営管理費、入居者の支払う入居金、入居者や地域会員の支払う会員費、月々の管理費等の、高齢者介護事業に必要な財務上の要素を変数化する。変数には独立変数と従属変数があり、従属変数は独立変数から計算できる変数である。これらの変数を計算式で結び付け、コンピュータでシミュレートすることによって適切かつ最適な解を求める。
【0010】
本発明は、基本的に高齢者用介護施設およびサービスを提供する事業を対象とする。また高齢者介護は入居者と地域会員を対象とする。入居者については基本的に入居時に入居金として一括支払とするが、入居時の一時金(例えば入居金の半額)と分割払いも考慮する。地域会員とは、在宅の高齢者であり、食事配達・出張介護などのサービス(デイサービス)、あるいは食堂、風呂、遊技施設、運動施設など施設利用ができる会員である。事業を遂行する上で掛かる費用は、事業立ち上げ時の固定費や諸々の経費と、月々に掛かる運営管理費とに分けられるが、基本的に入居者の入居費は固定費・初期経費と運営管理費から算出され、地域会員の運営管理費(ただし施設の利用床面積も考慮する)から算出される。
【0011】
高齢者介護事業を遂行していく上で重要な要素として、本発明では入居者あるいは地域会員の平均余命を導入する。平均余命は厚生省などが公表している統計に従って決められる値である。平成11年度の70歳の平均余命は男性が13.48年、女性が17.67年である。同年の男性の平均寿命が77.10年、女性が83.99年であるから、年齢に平均余命を加えた値は平均寿命を上回る。これは、この年齢まで生きた人は、平均寿命より長く生きられる可能性が高いことを表している。入居者があと何年生きられるかを知ることは、事業計画を立てる上で重要な要素になる。そこで本発明では、入居者、地域会員の会員費は平均余命を考慮して計算する(発明の実施の形態で述べるが、入居者動態分析、会員動態分析における入居者の動態計算<入居者数、地域会員数の推移>は平均余命でなく、年齢別・男女別の死亡率で行う)。また本発明では男女別、単身・夫婦別に入居者の入居状況を計算し、各年ごとの空き室を求める。これにより各年ごとの会員収入や部屋の空き状況を把握することができる。ちなみに夫婦で入居する場合、夫婦の片方が死亡しても、部屋は空きとならない。なぜなら、どちらかが生きている場合には、その部屋はそのまま継続使用を認めることを原則としているからである。単身者の場合は、入居者が死亡した時点で空き部屋となる。
【0012】
以上のように、年tを関数として入居者数、地域会員数が算出でき、その数に基づいて各種の変数値(例えばt年目入居金、入居金分割金、年間会費、事業収入など)が計算できる。このように年tの関数として各種の変数を定義すれば、経年tで各変数が計算できる。各変数のうち、事業経営において重要な影響を及ぼす変数の値を変えて計算を行うことによって、事業内容をシミュレートできることになる。例えば平均余命、資金調整率、開発時借入金、単身入居会員毎月支払限度額などを変えることによって収益など変数の値がどのように変化するかを見ることができる。ちなみに平均余命を変えるということは、入居者の入居条件に入居可能な最低年齢を“引き上げる・引き上げ”を意味する。適切な収益が得られることを条件に、入居金、開発時借入金、資金調達率などを変えてシミュレートしていくことによって、どの値が最適かを見いだすことが可能となる。
【0013】
入居金返済保証金や会員費および会員費返済保証金を決める一要素として平均余命がある。従って、入居者は平均余命未満で死亡した場合には、入居金や会員費の未消化分(余剰)が残る。例えば平均余命が12年の人が入居して1年目で死亡した場合、11年分が未消化となる。これを事業主催者がすべて没収したのでは、死亡した遺族は納得できない。しかしながら本発明の高齢者介護コミュニティでは、平均余命よりも長く生きる入居者に対しては、新たな入居費は徴収することなく、部屋の継続使用を認めている。また入居者、地域会員に課せられる会員費も平均余命で計算されるが、平均余命より長く生きる人に対しては、新たな会員費の要求はしない。なぜなら、平均余命を超える入居者や地域会員に新たな入居金や会員費を要求することは経済的な困難さが伴うからである。もちろん、「平均余命を過ぎたから出て行け」ということは、福祉上かつ人道上、認められることではない。入居者および地域会員が平均余命に達しないで死亡した場合には、入居金や会員費の未消化分を全額払い戻し、なおかつ経営を圧迫しないようにするために、本発明では入居金返済保証金や会員費返済保証金を入居金や会員費に上乗せる。以上の本発明の高齢者介護事業シミュレーションシステムの具体的な説明は、発明の実施の形態に譲る。
【0014】
【発明の実施の形態】
表1および表2は、実際のコミュニティをモデルに本発明を用いてシミュレートしたときに使用した主な変数をまとめた表である。表1は独立変数であり、表2は従属変数である。従属変数は独立変数から導かれるもので、該変数を導くための式が表の最後尾の算定式である。例えば表2の1番目に記載の住居戸数Nは、
N=N1+N2
の算定式で計算できる。なおN1は第1モデル住居戸数、N5を第5モデル住居戸数である。ここでいうモデルとは、基本的に部屋の大きを表し、この表で扱っている変数は二つのモデルを有する施設(コミュニティ、図1、図2参照)であることを意味している。図1は1階部分の見取り図であり、図2は2階部分の見取り図である。なお、1階のショートステイ住居は特別会員が短期間利用することのできる部屋である。また1階の個室は入居者の部屋であり、基本的に単身者が対象であるが、個室7は夫婦が入居できる部屋である。
【0015】
【表1】
【表2】
【0016】
本発明の高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステムでシミュレーション時に用いる関係式を説明する。[数1]〜[数4]は建築規模、人数に関する関係式である。
【0017】
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【0018】
モデル住居は、基本的に部屋の広さでモデル分けしたものである。[数1]の添字kはモデルを表し、最高6モデルまでを想定している(ただし、モデル数はコミュニティによって異なる)。
【0019】
[数1]〜[数4]は当初開発事業費に関する関係式である。
【0020】
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】
【0021】
以上は固定費や事業立ち上げに掛かるかる経費であり、経過年tには影響されない。[数9]〜[数15]は入居金対象運営費に関する関係式である。それぞれの変数は経過時間tの関数となっていて、シミュレーションを行う際は経過年すなわち1年単位で求められる変数である。
【0022】
【数9】
【数10】
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
【数15】
【0023】
[数9]中、φはインフレ率、S(t)はt年目募集住居面積である。t年目住居原状回復費E1(t)計算にあたっては、t=1〜3は当初募集住居面積を除く。[数14]中、P(t)はt年目全入居死亡者数、P´(t)はiモデル入居会員t年目死亡者数である。[数15]中、x1(t)、y1(t)はt年目の入居金単価と会員費であり、h(t)、h´(t)はt年目の加入者入居会員数と在籍入居会員数である。これらの変数は、また後で扱う。ここで重要なのは、インフレ率φを考慮して各変数値を計算している点である。インフレ率が一定としているために、t年後のインフレ率による各費用への影響は、(1+φ)tで表れる(複利計算)。[数16]〜[数23]は管理費、食費対象運営費に関連する関係式である。
【0024】
【数16】
【数17】
【数18】
【数19】
【数20】
【数21】
【数22】
【数23】
【0025】
[数20]中、n(t)はt年目在籍入居会員数である。[数21]中、vは空室安全率、Xは入居者および地域会員月額管理費である。夫婦入居者の場合には、会員費は単身入居者または地域会員の月額管理費の1.5倍を想定している(後記の[数55]参照)。[数23]中、Yは食費(1日3食)である。これらの変数は、また後で扱う。なお[数22]のt年目食堂材料費V(t)に含まれるqkとλkは朝昼夕の喫食率と食費率である(表1参照、添字kの値が1は朝、2は昼、3は夕を表す)。食費率は1日の食費が朝昼夕でどのように配分されているかを表す指標であり、喫食率は入居者・地域会員のうち、何割が各時間帯の食事を取るかを示す指標である。したがって食材費μYにΣqkλk(Σはk<=1〜3>の総和)を乗算した値が一人当たりの1日の食材費である。またインフレ率も考慮して(1+φ)tを乗算している。さらに全体入居者、地域会員の総人数は{}内であり、総人数と365日を掛けると、t年目の年間食材費が計算される。式では1年を365日で近似しているが、正確に計算するなら閏年も考慮することになる。ただ、シミュレートする上でそこまで正確な数値をはじき出すは必要はない。
【0026】
[数24]〜[数46]は変動分析に関連する関係式である。式中、モデル住居を6モデル(例えばiモデルt年目空室発生率di(t)のi=1〜6)までを取り扱っているが、コミュニティによってもモデル数は異なる。
【0027】
【数24】
【数25】
【数26】
【数27】
【数28】
【数29】
【数30】
【数31】
【数32】
【数33】
【数34】
【数35】
【数36】
【数37】
【数38】
【数39】
【数40】
【数41】
【数42】
【数43】
【数44】
【数45】
【数46】
【0028】
[数27]、[数32]、[数44]などで空室安全率vを使用している。事業経営者にとって、部屋が100%埋まっていることが好ましい。しかし現実には常に100%の利用率で推移することは難しいし、また特別な事情が発生し、緊急に部屋が必要となるような場合に、空き室があれが都合のよいこともある。100%の利用率で予測することは経営面においても危険であり、安全率の導入は健全な経営を目指すためにも必要欠くことのできない変数である。表1の例では5%にしている。したがって、iモデルの部屋の利用されている総数はNi(1−v)と計算される。
【0029】
[数44]と[数45]で総和Σをk=1〜50(年)としている。これは、前者は建物の耐久年数以上の値での総和、後者は初期に入居した人が全員死亡するまでの総和を取るためである。従って、前者の左辺R1は平均住居使用年数、後者の左辺R2は入居者平均余命が導かれる。なお、[数45]の分母の(N−N1´)(1−v)は住宅戸数Nからショートステイ用戸数N1´を引いた値に部屋の利用率(1−v)を掛けた値、すなわち空室安全率を考慮した使用全戸数である。本発明では、単身者用(独身者用、1人用)と夫婦入居者用(2人用)の2タイプの入居部屋を用意する。したがって、独身入居者率δ(単身入居者率)とすると、単身入居者、夫婦入居者を含めた総入居者が(N−N1´)(1−v)×2/(1+δ)であることを表している。[数31]からわかるように、この値はΣpk(t)(=P(t):t年目死亡者数<1〜t年までの累計>)である。これにより、入居者が何年で死亡したの平均値が入居者会員平均余命R2として求められる。
【0030】
[数47]〜[数52]は入居金計算に関連する関係式である。計算されるx1、x2、y1、y2は単位当たりの金額(部屋の床面積平米当たりの金額)である。
【0031】
【数47】
【数48】
【数49】
【数50】
【数51】
【数52】
【0032】
t年目入居金単価x1(t)は[数51]で、t年目会員費y1(t)は[数52]で求まる。[数51]の右辺において、1項目は建築工事費H1、設計設計監理料H2、開発費償却対象費I、土地・建物年間固定資産税F、t年目地代・家賃L(t)など土地、建物、建設設計などから発生する費用であり、2項目はt年目共用部分修繕費E2(t)から発生する費用である。右辺のx1に(1−c)(1−β)を掛けているのは、募集費率cと資金計画安全率βを考慮しているためである。[数52]のt年目会員費y1(t)は入居者、地域会員に掛かる費用で、対象になる施設面積はB2(共用部分床面積のうち、入居者会員、地域会員が共同使用する床面積)である。またこの会員費用には、介護費m([数15]の下に記述の変数説明を参照)が付加されている。
【0033】
以上の関係式から、入居者が入居時に支払うべき入居金は、t年目入居金単価x1(t)の1〜(平均余命)までの総和値に、入居する部屋の床面積を掛けた値である。ただし、入居者に対しては余命未満で死亡した場合には未消化の入居金は払い戻されるために、返済を保証するための入居返済保証金([数47])が付加される。シミュレーション時、入居金返済保証金率ε1と会員費返済保証金率ε2は入力項目になるが、これらの値を様々に変えてシミュレートすることによって適切な値(返済を保証し、なおかつ経営を圧迫しない値)を割り出すことになる。なお、入居金分割金額x3(t)、会員費分割金額y3(t)は後記の[数61]、[数62]で求めている。
【0034】
[数53]〜[数60]は管理費、食費、介護保険料に関連する関係式である。なお以下の式で、Xは初年度の月額管理費X1(0)、Yは初年度の食費Y(0)としてある。
【0035】
【数53】
【数54】
【数55】
【数56】
【数57】
【数58】
【数59】
【数60】
【0036】
t年目の単身入居者および地域会員に対する月額管理費X1(t)は、初年度の月額管理費Xにインフレ率(1+φ)tを掛けて求められる。夫婦入居に対する月額管理費X2(t)はX1の1.5である。初年度の月額管理費Xは[数56]、初年度の食費Yは[数58]で求められる。[数60]のt年目食堂材料費V(t)は、[数22]で計算されているV(t)と同じものである。
【0037】
入居金x1や会員費y1は一括払いが原則であるが、入居者あるいは地域会員の事情に合わせて分割支払も可能としている。その場合の計算式が[数61]〜[数62]である。なお、x3(t)はt年目戸当たり入居金分割金額、y3(t)はt年目1人当たり会員費分割金額である。
【0038】
【数61】
【数62】
【0039】
実際にシミュレーションを行う場合、年ごとの入居者、地域会員の人数の把握は重要な要素となる。なぜなら、入居金、会員費、月別管理費、食費、介護費などの収入は入居者数や地域会員数などで決まるからである。図3は、住居者動態分析をモデル化したフローチャートである。[初期設定]で初年度t=0年の年齢別夫婦男人数A1、年齢別単身男人数B1、年齢別夫婦女人数D1、年齢別単身女人数C1を設定する。この年齢別・夫婦単身別の人数は初年度に入居するだろうと予想される値である。各人数にその年に死亡する予想人数は、
Gi=Ai×Ei
Hi=Bi×Ei
Ii=Ai×Ei×Fi
Ji=Ci×Ei
Ki=Ci×Ei
である。ここで、Giは年齢別夫婦男死亡数、Hiは年齢別単身男死亡数、Jiは年齢別単身女死亡数、Kiは年齢別夫婦女死亡数、Iiは夫婦男女同時死亡数であり、添字のiは年齢を表す。t年目入居者死亡人数p(t)は
p(t)=p(t−1)+(Gi+Hi+Ji+Ki)
と計算される(ただし、p(0)=0)。t年目空室発生件数d(t)は
d(t)=d(t−1)+(Gi+Ii+Ji)
である(ただし、d(0)は初年度の空室数、通常空室安全率vを考慮して(1−v)掛けた値)。
上記の式は、単身入居者の死亡はすぐに空室件数に反映されるが、夫婦入居者の死亡は夫婦同時に死亡したときのみ空室件数に反映されることを表している。
【0040】
プログラミングテクニックとしては、男女別、年齢別の死亡率を予めテーブル化しておき、入居者の年齢と性別をキーにテーブルの年齢別男女別死亡率を引き、その年(t年)の年齢別・男女別の入居者数を掛けることによって、年齢・男女別の入居者死亡数を求める。その累計値が死亡者数p(t)である。この計算により、1年後の年齢別の、夫婦男生存者数Li、単身男生存者数Mi、夫婦女生存者数Oi、単身女生存者数Niが求められる。ただし夫婦入居者の場合には、夫を亡くした妻は単身女生存者数に加算され、夫婦生存者数から差し引かれる。また妻を亡くなったは夫は単身男生存者数に加算され、夫婦生存者数から差し引かれる。それが、フローチャートの[単身女への移動人数]、[単身男への移動人数]の意味である。以上は計算上の人数の変動であり、夫婦入居者の片方が亡くなっても、実際の部屋の移動はない。したがって夫婦入居者の場合、夫婦がともに死亡して初めて空室発生件数d(t)に加算される。
【0041】
なお地域会員の動態分析も同様な計算が行えるが、基本的には夫婦別人数や空室数などの計算は不要となる。
【0042】
図4は、シミュレーションの全体フローチャートである。[初期値設定]では各種変数を初期化する。シミュレーションは経過年tでループさせて行うが、図の例ではシミュレーション終了年数teを経過年tが超えたときを、シミュレーションの終了時としている。teを40年と設定すれば、初年度に入居した人のほぼ全員がすべて死亡という設定のシミュレーションが行える。入居者の数が求まれば、t年目の入居金、会員費、月別管理費等の各種の収入が計算できる([各種変数の計算])。[各種変数の計算]後、その年に空室になった部屋の募集追加を行い、入居者の再設定を行う。[入居者の再設定]は図3のAi、Bi、Ci、Diに対して
Li+(新規夫婦男入居人数) → Ai
Mi+(新規単身男入居人数) → Bi
Ni+(新規単身女入居人数) → Ci
Oi+(新規夫婦女入居人数) → Di
と設定しなおす処理である。さらに経過年tを1カウントアップして再度同様な処理を行えば、さらに次の年(t+1)のシミュレートができる。なお、図4のフローチャートの[入居者動態分析]は図3の[入居者動態分析]と同じものである。地域会員についても、同様な処理が行えるが、この場合、[入居者動態分析]を[地域会員動態分析]に変える(詳細は略)。
【0043】
[初期値設定]で住居戸数、敷地床面積、建設費、家具備品費、地代・家賃、空室安全率、インフレ率、入居者の年齢・性別・単身夫婦別数などの数値を設定するが、これらの数値を変えることによって様々な返済保証金率、入居金、会員費、月別管理費、収益などが計算できる。これらの結果を評価することによって、適切かつ最適な入会金や会員費や初期に掛かる諸経費(固定費や調度品等)を決定することができる。
【0044】
【発明の効果】
わが国をはじめ、各先進国は過去に前例を見ない高齢者社会を迎えている。かつては戦争、疫病、干ばつ、自然災害、食糧難などの人災や天災によって人口のバランスが保たれてきた。近年は科学技術の発達もあり、先進国では安定した食料、エネルギーの調達が可能となり、医療進歩、衛生管理などの医療面の充実と相まって、人間の寿命が著しく延びている。さらに少子化が拍車をかけ、逆ピラミッド型の人口構成になってきている。わが国では、2020年には4人に1人が高齢者になると予想されている。
【0045】
このような状況下、高齢者に対する福祉・介護対策が急がれている。しかし現実は、公的、私的機関とともに、高齢者の福祉・介護対策は遅れている。私的機関による高齢者向け介護ビジネスが実行されているが、現実にはどんぶり勘定的経営が行われているところも少なくなく、経済的破綻を来している。その原因は、経営理念が曖昧であり、なおかつ総合的、多角的視点に立った経営手法が採用されていないからである。
【0046】
本発明はこのような問題点を解決するために、数値計算によるシミュレーションシステムを開発した。経験に基づき、経営運営数量を変数化して関係式を確立することによって、入居金、入居者や地域会員の会員費、月別管理費、収益等の高齢者介護施設・サービスに欠くことのできない数量を厳密に引き出すことができるようになった。しかも、変数化した変数の初期値を様々に変えることによって施設運営をシミュレートすることが可能となり、適切かつ最適な解答を得ることができるようになっている。
【0047】
本発明の高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステムでは、入居者に対しては入居金の返済、会員費の返済、地域会員に対しても会員費の返済を保証している。これは、前払いした前記金額が未消化の状態で死亡した場合に、入居者親族からの不満を解消するためである。本発明では、入居金や会員費の計算に平均余命も算出要素の一つとして採り入れている。したがって平均余命に達しない入居者や地域会員に対しては、前払いした前記金額の未消化分を返済することは当然であり、また良心的でもある。しかし一方、平均余命よりも長く生きた場合には、新たに入居金や会員費は取らない制度にしている。というのも、平均余命以上長生きする入居者や地域会員が、平均余命年数を過ぎてから新たに入居金や会員費を払うことは、経済的負担が大きすぎるからである。
【0048】
他方経営面から見ると、入居金や会員費の返済を保証し、かつ平均余命よりも長生きした入居者や地域会員に介護施設や介護サービスを提供しつづけることは、それだけ施設維持、介護サービスを運営持続する上で、経済的負担が大きすぎる。そこで本発明では、入居金返済保証率や会員費返済保証率を設け、入居金や会員費に上乗せすることによって、安定的な返済制度を確立している。これにより、入居金や会員費の返済制度を維持しつづけることができるとともに、健全な介護施設・サービス運営を可能にすることができる。
【0049】
本発明で用いた各変数(入居金、会員費等)の計算は床面積単位で行っているので、床面積の異なる別モデルの施設に対しても容易に応用できる。また利用者は利用床面積に対応した入居金や会員費を分担することになるために、利用者に対して公平さを保つことができる。
【0050】
本発明では空室安全率、入会者契約達成率、インフレ率、入居金・会員費返済保証率などの安定経営を目的とした変数を導入してシミュレートできるようになっているために、介護施設・サービス運営上、余裕を持った計画が立てられるようになっている。これにより、入居者には適切な経済的負担で質の高い介護施設と介護サービスが提供でき、経営者には安全性が高く、しかも健全な経営方針を打ち立てることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステムでシミュレートしたときの一例である、モデル施設1階部の見取り図である。
【図2】本発明の高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステムでシミュレートしたときの一例である、モデル施設2階部の見取り図である。
【図3】本発明の計算シミュレーションで用いる入居者動態分析のフローチャートである。
【図4】本発明の高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステムのフローチャートである。
【符号の説明】
とくになし。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高齢者の介護サービスを民間事業として遂行する上で必要となる事業者側の固定費、運営管理費費、入居者側の入居費、会員費、特別会員の施設利用・サービス利用費等の経理上の諸費用を多角的視野で分析(計算式化)し、円滑な事業遂行を可能とするシミュレーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
日本は、男女とも世界第1位の長寿国となっている。厚生省によると、2002年度の日本人の平均寿命は女性が84.93歳、男性が78.07歳である。一方、出産率は低下し、65歳以上の高齢者が急増している。間違いなく、日本は高齢者社会を迎えている。核家族化した現在、高齢者のひとり暮らしが急増し、高齢者対策は緊急を要する案件となっている。
【0003】
公的介護保険制度の導入を機に、様々な分野で高齢者介護が人々の関心を呼んでいる。しかしながらデイケアセンター、グループホーム、ケアハウス高齢者介護施設の不足は大きな社会問題となっている。特養、老健等の公的介護施設の整備拡充が重要であることはいうまでもないが、民間による良質な高齢者介護施設の供給も同時に重要な要素となっている。
【0004】
高齢者介護を目的としたシステムとしては、『高齢者介護システム』(特開2003−044593)がある。この公開特許では、要介護者または介護依頼者が携帯端末等の装置を利用して、介護計画に基づいた介護サービスを端末を通して受けられるシステムについて述べられている。『高齢者福祉事業方法および高齢者福祉施設』(特開2003−041791)では、高齢者およびその家族が安心して利用でき、かつ高齢者および職員が過ごしやすい高齢者福祉施設の運営を支援する高齢者福祉事業方法および高齢者福祉施設を提供する方法について述べられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
日本では高齢化が急速に進んでいる。これは日本だけの現象ではなく、欧米のような先進国で見られる共通の現象である。このような状況下、高齢者介護・福祉事業は早急に対処されなければならない課題である。しかし公的高齢者介護・福祉政策だけでは対処できず、民間の活力が不可欠な要素となっている。
【0006】
民間が高齢介護事業を行う場合、高齢者介護福祉を目的としたものであっても、事業を運営する上で財政的な破綻を来すことはできない。財政的に破綻すれば、介護福祉の目的の達成できないからである。しかし、現実に高齢者介護事業を推進していく上において、確たる経営運営手法が打ち出されていないのが現状である。
【0007】
特許庁の公開特許を「高齢者介護&事業」で検索すると、229件の出願文献が抽出された。従来技術では2例紹介したが、これらの大半は、携帯端末やインターネットを使用した介護や考え方(アイデア)のみのものである。もちろん、高齢者介護が主目的でないものも数多く含まれている。このように、高齢者介護事業を運営する際に必要となる経営運営上の指針が数量で示されていないのが現実である。
【0008】
そこで本発明が解決しようとする課題は、高齢者介護事業を遂行する上で避けては通れない経済的な問題(入居者の入会金・会員費や地域会員の会員費あるいは事業経営者の利潤等の問題)を、コンピュータを使ってシミュレートする手段を示すことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の発明が解決しようとする課題を解決するために、本発明では以下のような方法を用いる。すなわち、施設の建設あるいは購入などの初期に掛かる固定費や経費、人件費、食費、管理費、修理費などの運営管理費、入居者の支払う入居金、入居者や地域会員の支払う会員費、月々の管理費等の、高齢者介護事業に必要な財務上の要素を変数化する。変数には独立変数と従属変数があり、従属変数は独立変数から計算できる変数である。これらの変数を計算式で結び付け、コンピュータでシミュレートすることによって適切かつ最適な解を求める。
【0010】
本発明は、基本的に高齢者用介護施設およびサービスを提供する事業を対象とする。また高齢者介護は入居者と地域会員を対象とする。入居者については基本的に入居時に入居金として一括支払とするが、入居時の一時金(例えば入居金の半額)と分割払いも考慮する。地域会員とは、在宅の高齢者であり、食事配達・出張介護などのサービス(デイサービス)、あるいは食堂、風呂、遊技施設、運動施設など施設利用ができる会員である。事業を遂行する上で掛かる費用は、事業立ち上げ時の固定費や諸々の経費と、月々に掛かる運営管理費とに分けられるが、基本的に入居者の入居費は固定費・初期経費と運営管理費から算出され、地域会員の運営管理費(ただし施設の利用床面積も考慮する)から算出される。
【0011】
高齢者介護事業を遂行していく上で重要な要素として、本発明では入居者あるいは地域会員の平均余命を導入する。平均余命は厚生省などが公表している統計に従って決められる値である。平成11年度の70歳の平均余命は男性が13.48年、女性が17.67年である。同年の男性の平均寿命が77.10年、女性が83.99年であるから、年齢に平均余命を加えた値は平均寿命を上回る。これは、この年齢まで生きた人は、平均寿命より長く生きられる可能性が高いことを表している。入居者があと何年生きられるかを知ることは、事業計画を立てる上で重要な要素になる。そこで本発明では、入居者、地域会員の会員費は平均余命を考慮して計算する(発明の実施の形態で述べるが、入居者動態分析、会員動態分析における入居者の動態計算<入居者数、地域会員数の推移>は平均余命でなく、年齢別・男女別の死亡率で行う)。また本発明では男女別、単身・夫婦別に入居者の入居状況を計算し、各年ごとの空き室を求める。これにより各年ごとの会員収入や部屋の空き状況を把握することができる。ちなみに夫婦で入居する場合、夫婦の片方が死亡しても、部屋は空きとならない。なぜなら、どちらかが生きている場合には、その部屋はそのまま継続使用を認めることを原則としているからである。単身者の場合は、入居者が死亡した時点で空き部屋となる。
【0012】
以上のように、年tを関数として入居者数、地域会員数が算出でき、その数に基づいて各種の変数値(例えばt年目入居金、入居金分割金、年間会費、事業収入など)が計算できる。このように年tの関数として各種の変数を定義すれば、経年tで各変数が計算できる。各変数のうち、事業経営において重要な影響を及ぼす変数の値を変えて計算を行うことによって、事業内容をシミュレートできることになる。例えば平均余命、資金調整率、開発時借入金、単身入居会員毎月支払限度額などを変えることによって収益など変数の値がどのように変化するかを見ることができる。ちなみに平均余命を変えるということは、入居者の入居条件に入居可能な最低年齢を“引き上げる・引き上げ”を意味する。適切な収益が得られることを条件に、入居金、開発時借入金、資金調達率などを変えてシミュレートしていくことによって、どの値が最適かを見いだすことが可能となる。
【0013】
入居金返済保証金や会員費および会員費返済保証金を決める一要素として平均余命がある。従って、入居者は平均余命未満で死亡した場合には、入居金や会員費の未消化分(余剰)が残る。例えば平均余命が12年の人が入居して1年目で死亡した場合、11年分が未消化となる。これを事業主催者がすべて没収したのでは、死亡した遺族は納得できない。しかしながら本発明の高齢者介護コミュニティでは、平均余命よりも長く生きる入居者に対しては、新たな入居費は徴収することなく、部屋の継続使用を認めている。また入居者、地域会員に課せられる会員費も平均余命で計算されるが、平均余命より長く生きる人に対しては、新たな会員費の要求はしない。なぜなら、平均余命を超える入居者や地域会員に新たな入居金や会員費を要求することは経済的な困難さが伴うからである。もちろん、「平均余命を過ぎたから出て行け」ということは、福祉上かつ人道上、認められることではない。入居者および地域会員が平均余命に達しないで死亡した場合には、入居金や会員費の未消化分を全額払い戻し、なおかつ経営を圧迫しないようにするために、本発明では入居金返済保証金や会員費返済保証金を入居金や会員費に上乗せる。以上の本発明の高齢者介護事業シミュレーションシステムの具体的な説明は、発明の実施の形態に譲る。
【0014】
【発明の実施の形態】
表1および表2は、実際のコミュニティをモデルに本発明を用いてシミュレートしたときに使用した主な変数をまとめた表である。表1は独立変数であり、表2は従属変数である。従属変数は独立変数から導かれるもので、該変数を導くための式が表の最後尾の算定式である。例えば表2の1番目に記載の住居戸数Nは、
N=N1+N2
の算定式で計算できる。なおN1は第1モデル住居戸数、N5を第5モデル住居戸数である。ここでいうモデルとは、基本的に部屋の大きを表し、この表で扱っている変数は二つのモデルを有する施設(コミュニティ、図1、図2参照)であることを意味している。図1は1階部分の見取り図であり、図2は2階部分の見取り図である。なお、1階のショートステイ住居は特別会員が短期間利用することのできる部屋である。また1階の個室は入居者の部屋であり、基本的に単身者が対象であるが、個室7は夫婦が入居できる部屋である。
【0015】
【表1】
【表2】
【0016】
本発明の高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステムでシミュレーション時に用いる関係式を説明する。[数1]〜[数4]は建築規模、人数に関する関係式である。
【0017】
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【0018】
モデル住居は、基本的に部屋の広さでモデル分けしたものである。[数1]の添字kはモデルを表し、最高6モデルまでを想定している(ただし、モデル数はコミュニティによって異なる)。
【0019】
[数1]〜[数4]は当初開発事業費に関する関係式である。
【0020】
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】
【0021】
以上は固定費や事業立ち上げに掛かるかる経費であり、経過年tには影響されない。[数9]〜[数15]は入居金対象運営費に関する関係式である。それぞれの変数は経過時間tの関数となっていて、シミュレーションを行う際は経過年すなわち1年単位で求められる変数である。
【0022】
【数9】
【数10】
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
【数15】
【0023】
[数9]中、φはインフレ率、S(t)はt年目募集住居面積である。t年目住居原状回復費E1(t)計算にあたっては、t=1〜3は当初募集住居面積を除く。[数14]中、P(t)はt年目全入居死亡者数、P´(t)はiモデル入居会員t年目死亡者数である。[数15]中、x1(t)、y1(t)はt年目の入居金単価と会員費であり、h(t)、h´(t)はt年目の加入者入居会員数と在籍入居会員数である。これらの変数は、また後で扱う。ここで重要なのは、インフレ率φを考慮して各変数値を計算している点である。インフレ率が一定としているために、t年後のインフレ率による各費用への影響は、(1+φ)tで表れる(複利計算)。[数16]〜[数23]は管理費、食費対象運営費に関連する関係式である。
【0024】
【数16】
【数17】
【数18】
【数19】
【数20】
【数21】
【数22】
【数23】
【0025】
[数20]中、n(t)はt年目在籍入居会員数である。[数21]中、vは空室安全率、Xは入居者および地域会員月額管理費である。夫婦入居者の場合には、会員費は単身入居者または地域会員の月額管理費の1.5倍を想定している(後記の[数55]参照)。[数23]中、Yは食費(1日3食)である。これらの変数は、また後で扱う。なお[数22]のt年目食堂材料費V(t)に含まれるqkとλkは朝昼夕の喫食率と食費率である(表1参照、添字kの値が1は朝、2は昼、3は夕を表す)。食費率は1日の食費が朝昼夕でどのように配分されているかを表す指標であり、喫食率は入居者・地域会員のうち、何割が各時間帯の食事を取るかを示す指標である。したがって食材費μYにΣqkλk(Σはk<=1〜3>の総和)を乗算した値が一人当たりの1日の食材費である。またインフレ率も考慮して(1+φ)tを乗算している。さらに全体入居者、地域会員の総人数は{}内であり、総人数と365日を掛けると、t年目の年間食材費が計算される。式では1年を365日で近似しているが、正確に計算するなら閏年も考慮することになる。ただ、シミュレートする上でそこまで正確な数値をはじき出すは必要はない。
【0026】
[数24]〜[数46]は変動分析に関連する関係式である。式中、モデル住居を6モデル(例えばiモデルt年目空室発生率di(t)のi=1〜6)までを取り扱っているが、コミュニティによってもモデル数は異なる。
【0027】
【数24】
【数25】
【数26】
【数27】
【数28】
【数29】
【数30】
【数31】
【数32】
【数33】
【数34】
【数35】
【数36】
【数37】
【数38】
【数39】
【数40】
【数41】
【数42】
【数43】
【数44】
【数45】
【数46】
【0028】
[数27]、[数32]、[数44]などで空室安全率vを使用している。事業経営者にとって、部屋が100%埋まっていることが好ましい。しかし現実には常に100%の利用率で推移することは難しいし、また特別な事情が発生し、緊急に部屋が必要となるような場合に、空き室があれが都合のよいこともある。100%の利用率で予測することは経営面においても危険であり、安全率の導入は健全な経営を目指すためにも必要欠くことのできない変数である。表1の例では5%にしている。したがって、iモデルの部屋の利用されている総数はNi(1−v)と計算される。
【0029】
[数44]と[数45]で総和Σをk=1〜50(年)としている。これは、前者は建物の耐久年数以上の値での総和、後者は初期に入居した人が全員死亡するまでの総和を取るためである。従って、前者の左辺R1は平均住居使用年数、後者の左辺R2は入居者平均余命が導かれる。なお、[数45]の分母の(N−N1´)(1−v)は住宅戸数Nからショートステイ用戸数N1´を引いた値に部屋の利用率(1−v)を掛けた値、すなわち空室安全率を考慮した使用全戸数である。本発明では、単身者用(独身者用、1人用)と夫婦入居者用(2人用)の2タイプの入居部屋を用意する。したがって、独身入居者率δ(単身入居者率)とすると、単身入居者、夫婦入居者を含めた総入居者が(N−N1´)(1−v)×2/(1+δ)であることを表している。[数31]からわかるように、この値はΣpk(t)(=P(t):t年目死亡者数<1〜t年までの累計>)である。これにより、入居者が何年で死亡したの平均値が入居者会員平均余命R2として求められる。
【0030】
[数47]〜[数52]は入居金計算に関連する関係式である。計算されるx1、x2、y1、y2は単位当たりの金額(部屋の床面積平米当たりの金額)である。
【0031】
【数47】
【数48】
【数49】
【数50】
【数51】
【数52】
【0032】
t年目入居金単価x1(t)は[数51]で、t年目会員費y1(t)は[数52]で求まる。[数51]の右辺において、1項目は建築工事費H1、設計設計監理料H2、開発費償却対象費I、土地・建物年間固定資産税F、t年目地代・家賃L(t)など土地、建物、建設設計などから発生する費用であり、2項目はt年目共用部分修繕費E2(t)から発生する費用である。右辺のx1に(1−c)(1−β)を掛けているのは、募集費率cと資金計画安全率βを考慮しているためである。[数52]のt年目会員費y1(t)は入居者、地域会員に掛かる費用で、対象になる施設面積はB2(共用部分床面積のうち、入居者会員、地域会員が共同使用する床面積)である。またこの会員費用には、介護費m([数15]の下に記述の変数説明を参照)が付加されている。
【0033】
以上の関係式から、入居者が入居時に支払うべき入居金は、t年目入居金単価x1(t)の1〜(平均余命)までの総和値に、入居する部屋の床面積を掛けた値である。ただし、入居者に対しては余命未満で死亡した場合には未消化の入居金は払い戻されるために、返済を保証するための入居返済保証金([数47])が付加される。シミュレーション時、入居金返済保証金率ε1と会員費返済保証金率ε2は入力項目になるが、これらの値を様々に変えてシミュレートすることによって適切な値(返済を保証し、なおかつ経営を圧迫しない値)を割り出すことになる。なお、入居金分割金額x3(t)、会員費分割金額y3(t)は後記の[数61]、[数62]で求めている。
【0034】
[数53]〜[数60]は管理費、食費、介護保険料に関連する関係式である。なお以下の式で、Xは初年度の月額管理費X1(0)、Yは初年度の食費Y(0)としてある。
【0035】
【数53】
【数54】
【数55】
【数56】
【数57】
【数58】
【数59】
【数60】
【0036】
t年目の単身入居者および地域会員に対する月額管理費X1(t)は、初年度の月額管理費Xにインフレ率(1+φ)tを掛けて求められる。夫婦入居に対する月額管理費X2(t)はX1の1.5である。初年度の月額管理費Xは[数56]、初年度の食費Yは[数58]で求められる。[数60]のt年目食堂材料費V(t)は、[数22]で計算されているV(t)と同じものである。
【0037】
入居金x1や会員費y1は一括払いが原則であるが、入居者あるいは地域会員の事情に合わせて分割支払も可能としている。その場合の計算式が[数61]〜[数62]である。なお、x3(t)はt年目戸当たり入居金分割金額、y3(t)はt年目1人当たり会員費分割金額である。
【0038】
【数61】
【数62】
【0039】
実際にシミュレーションを行う場合、年ごとの入居者、地域会員の人数の把握は重要な要素となる。なぜなら、入居金、会員費、月別管理費、食費、介護費などの収入は入居者数や地域会員数などで決まるからである。図3は、住居者動態分析をモデル化したフローチャートである。[初期設定]で初年度t=0年の年齢別夫婦男人数A1、年齢別単身男人数B1、年齢別夫婦女人数D1、年齢別単身女人数C1を設定する。この年齢別・夫婦単身別の人数は初年度に入居するだろうと予想される値である。各人数にその年に死亡する予想人数は、
Gi=Ai×Ei
Hi=Bi×Ei
Ii=Ai×Ei×Fi
Ji=Ci×Ei
Ki=Ci×Ei
である。ここで、Giは年齢別夫婦男死亡数、Hiは年齢別単身男死亡数、Jiは年齢別単身女死亡数、Kiは年齢別夫婦女死亡数、Iiは夫婦男女同時死亡数であり、添字のiは年齢を表す。t年目入居者死亡人数p(t)は
p(t)=p(t−1)+(Gi+Hi+Ji+Ki)
と計算される(ただし、p(0)=0)。t年目空室発生件数d(t)は
d(t)=d(t−1)+(Gi+Ii+Ji)
である(ただし、d(0)は初年度の空室数、通常空室安全率vを考慮して(1−v)掛けた値)。
上記の式は、単身入居者の死亡はすぐに空室件数に反映されるが、夫婦入居者の死亡は夫婦同時に死亡したときのみ空室件数に反映されることを表している。
【0040】
プログラミングテクニックとしては、男女別、年齢別の死亡率を予めテーブル化しておき、入居者の年齢と性別をキーにテーブルの年齢別男女別死亡率を引き、その年(t年)の年齢別・男女別の入居者数を掛けることによって、年齢・男女別の入居者死亡数を求める。その累計値が死亡者数p(t)である。この計算により、1年後の年齢別の、夫婦男生存者数Li、単身男生存者数Mi、夫婦女生存者数Oi、単身女生存者数Niが求められる。ただし夫婦入居者の場合には、夫を亡くした妻は単身女生存者数に加算され、夫婦生存者数から差し引かれる。また妻を亡くなったは夫は単身男生存者数に加算され、夫婦生存者数から差し引かれる。それが、フローチャートの[単身女への移動人数]、[単身男への移動人数]の意味である。以上は計算上の人数の変動であり、夫婦入居者の片方が亡くなっても、実際の部屋の移動はない。したがって夫婦入居者の場合、夫婦がともに死亡して初めて空室発生件数d(t)に加算される。
【0041】
なお地域会員の動態分析も同様な計算が行えるが、基本的には夫婦別人数や空室数などの計算は不要となる。
【0042】
図4は、シミュレーションの全体フローチャートである。[初期値設定]では各種変数を初期化する。シミュレーションは経過年tでループさせて行うが、図の例ではシミュレーション終了年数teを経過年tが超えたときを、シミュレーションの終了時としている。teを40年と設定すれば、初年度に入居した人のほぼ全員がすべて死亡という設定のシミュレーションが行える。入居者の数が求まれば、t年目の入居金、会員費、月別管理費等の各種の収入が計算できる([各種変数の計算])。[各種変数の計算]後、その年に空室になった部屋の募集追加を行い、入居者の再設定を行う。[入居者の再設定]は図3のAi、Bi、Ci、Diに対して
Li+(新規夫婦男入居人数) → Ai
Mi+(新規単身男入居人数) → Bi
Ni+(新規単身女入居人数) → Ci
Oi+(新規夫婦女入居人数) → Di
と設定しなおす処理である。さらに経過年tを1カウントアップして再度同様な処理を行えば、さらに次の年(t+1)のシミュレートができる。なお、図4のフローチャートの[入居者動態分析]は図3の[入居者動態分析]と同じものである。地域会員についても、同様な処理が行えるが、この場合、[入居者動態分析]を[地域会員動態分析]に変える(詳細は略)。
【0043】
[初期値設定]で住居戸数、敷地床面積、建設費、家具備品費、地代・家賃、空室安全率、インフレ率、入居者の年齢・性別・単身夫婦別数などの数値を設定するが、これらの数値を変えることによって様々な返済保証金率、入居金、会員費、月別管理費、収益などが計算できる。これらの結果を評価することによって、適切かつ最適な入会金や会員費や初期に掛かる諸経費(固定費や調度品等)を決定することができる。
【0044】
【発明の効果】
わが国をはじめ、各先進国は過去に前例を見ない高齢者社会を迎えている。かつては戦争、疫病、干ばつ、自然災害、食糧難などの人災や天災によって人口のバランスが保たれてきた。近年は科学技術の発達もあり、先進国では安定した食料、エネルギーの調達が可能となり、医療進歩、衛生管理などの医療面の充実と相まって、人間の寿命が著しく延びている。さらに少子化が拍車をかけ、逆ピラミッド型の人口構成になってきている。わが国では、2020年には4人に1人が高齢者になると予想されている。
【0045】
このような状況下、高齢者に対する福祉・介護対策が急がれている。しかし現実は、公的、私的機関とともに、高齢者の福祉・介護対策は遅れている。私的機関による高齢者向け介護ビジネスが実行されているが、現実にはどんぶり勘定的経営が行われているところも少なくなく、経済的破綻を来している。その原因は、経営理念が曖昧であり、なおかつ総合的、多角的視点に立った経営手法が採用されていないからである。
【0046】
本発明はこのような問題点を解決するために、数値計算によるシミュレーションシステムを開発した。経験に基づき、経営運営数量を変数化して関係式を確立することによって、入居金、入居者や地域会員の会員費、月別管理費、収益等の高齢者介護施設・サービスに欠くことのできない数量を厳密に引き出すことができるようになった。しかも、変数化した変数の初期値を様々に変えることによって施設運営をシミュレートすることが可能となり、適切かつ最適な解答を得ることができるようになっている。
【0047】
本発明の高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステムでは、入居者に対しては入居金の返済、会員費の返済、地域会員に対しても会員費の返済を保証している。これは、前払いした前記金額が未消化の状態で死亡した場合に、入居者親族からの不満を解消するためである。本発明では、入居金や会員費の計算に平均余命も算出要素の一つとして採り入れている。したがって平均余命に達しない入居者や地域会員に対しては、前払いした前記金額の未消化分を返済することは当然であり、また良心的でもある。しかし一方、平均余命よりも長く生きた場合には、新たに入居金や会員費は取らない制度にしている。というのも、平均余命以上長生きする入居者や地域会員が、平均余命年数を過ぎてから新たに入居金や会員費を払うことは、経済的負担が大きすぎるからである。
【0048】
他方経営面から見ると、入居金や会員費の返済を保証し、かつ平均余命よりも長生きした入居者や地域会員に介護施設や介護サービスを提供しつづけることは、それだけ施設維持、介護サービスを運営持続する上で、経済的負担が大きすぎる。そこで本発明では、入居金返済保証率や会員費返済保証率を設け、入居金や会員費に上乗せすることによって、安定的な返済制度を確立している。これにより、入居金や会員費の返済制度を維持しつづけることができるとともに、健全な介護施設・サービス運営を可能にすることができる。
【0049】
本発明で用いた各変数(入居金、会員費等)の計算は床面積単位で行っているので、床面積の異なる別モデルの施設に対しても容易に応用できる。また利用者は利用床面積に対応した入居金や会員費を分担することになるために、利用者に対して公平さを保つことができる。
【0050】
本発明では空室安全率、入会者契約達成率、インフレ率、入居金・会員費返済保証率などの安定経営を目的とした変数を導入してシミュレートできるようになっているために、介護施設・サービス運営上、余裕を持った計画が立てられるようになっている。これにより、入居者には適切な経済的負担で質の高い介護施設と介護サービスが提供でき、経営者には安全性が高く、しかも健全な経営方針を打ち立てることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステムでシミュレートしたときの一例である、モデル施設1階部の見取り図である。
【図2】本発明の高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステムでシミュレートしたときの一例である、モデル施設2階部の見取り図である。
【図3】本発明の計算シミュレーションで用いる入居者動態分析のフローチャートである。
【図4】本発明の高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステムのフローチャートである。
【符号の説明】
とくになし。
Claims (4)
- 高齢者を対象とした介護施設およびサービスを提供する事業を円滑にするための、事業計画ならびに事業実施をシミュレートする計算システムにおいて、
(1)施設の建設、購入、改築、内装、改装等の施設運営の初期に掛かる固定費や経費、食費、人件費、管理費等の事業を遂行していく上で掛かる運営費、入居者に関しては入居者数、当初入居金、入会契約率、施設の利用率、入居時独身率等の入居者動態状況を表す値、さらに施設ならびにサービスを利用する特別会員の動態状況等を表す変動値等を変数化する手段、
(2)上記の各種の変数をもとに関連式を作成し、各変数を変えることによって上記の入居金、会員費、管理費、収益等の変化をシミュレートして適切かつ最適な解を算出する手段、
を備えたことを特徴とする高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステム。 - 請求項1に記載の高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステムにおいて、
(1)平均余命(計算上は死亡率)を導入し、入居者、特別会員の年ごとの年齢別夫婦男人数・女人数、年齢別独身者男人数・女人数を算出する入居者動態分析手段、
(2)前記の各種人数をもとに平均住居使用率(空室率)、入居者、特別会員の実質平均余命を算出し、かつ新規入居者の入居募集人数を予測する手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステム。 - 請求項1に記載の高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステムにおいて、
(1)平均余命よりも長く生きる入居者や特別会員に対しては、新たに入居金や会員費を請求しないで継続入居や会員であることを認めるという条件の下、平均余命に達しない入居者の死亡時に、入居時に入居者が納入した入居金および入居者、特別会員の納入した会員費のうち未消化分の入会金、会員費を返済するために、入居金返済保証金率、会員費返済保証金率を導入し、請求項2で求められる年次入居者数(t年目入居者数)より入居者の死亡率を算出し、年ごとの入居金や会員費の返済金額をシミュレートする手段、
(2)同様に請求項2で求められる年次入居者数よりt年目入居金単価、t年目会員費、年ごとの入居金分割金額、会員費分割金額などの収入額をシミュレートする手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステム。 - 請求項1に記載の高齢者コミュニティ事業シミュレーションシステムにおける、本シミュレーションシステムの計算の基礎となる、本稿に記載の変数一覧表ならびに計算式。
Priority Applications (1)
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JP2008186293A (ja) * | 2007-01-30 | 2008-08-14 | Miracle Three Corporation | 介護保険報酬シュミレーションシステム、プログラム及び方法 |
CN111652433A (zh) * | 2020-06-02 | 2020-09-11 | 泰康保险集团股份有限公司 | 养老费用测算装置 |
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- 2003-06-30 JP JP2003186893A patent/JP2005025259A/ja active Pending
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