【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路作成に使用するウエハ表面の凹凸をケミカルメカニカル研磨法で平坦化する工程に使用される研磨パッドとその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路を製造する工程には、ウエハ表面に導電性膜を形成した後フォトリソグラフィー及びエッチングによって配線パターンを形成する工程や、該配線パターンの上に層間絶縁膜を形成する工程が存在する。しかしながら、これらの工程によって、ウエハ表面には導電体及び絶縁体からなる好ましからざる凹凸が同時に発生する。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線パターンの微細化や多層化が進んでいるが、フォトリソグラフィー工程における焦点深度を確保するためにウエハ表面の該凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
【0003】
半導体集積回路作成用のウエハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、現在、ケミカルメカニカル研磨(以下、「CMP」という。)法が主として使用されている。
CMP法は、砥粒がスラリー状に分散した加工液(以下、「スラリー」という。)を用いて、加工液による化学的な作用と砥粒による機械的な作用とを併せて研磨する方法である。
CMP法で使用する研磨装置は、主にプラテン、ウエハキャリアヘッド、スラリー供給ノズル、ドレッサーから構成される。プラテンは研磨パッドを貼りつけるためのものであり、ウエハキャリアヘッドはウエハを取り付けるためのものであり、スラリー供給ノズルはスラリーを研磨パッドの研磨面上に供給するためのものである。また、ドレッサーは研磨面の更新処理(以下、「ドレッシング処理」、または「コンディショニング処理」という。)を行うためのものである。
【0004】
CMP法による研磨工程は、上記ウエハキャリアヘッドに取り付けられたウエハの被研磨面が上記プラテンに取り付けられた研磨パッドの研磨面に押しつけられると同時に、該プラテン及び該ウエハキャリアヘッドが回転し、研磨面上に供給されたスラリーを被研磨面と研磨面の間にはさみ込むことで行われる。なお、研磨パッドは研磨時間の経過とともに表面に研磨くず等が詰まって研磨速度が低下するために、定期的にドレッサーでドレッシング処理を行う必要がある。該ドレッシング処理は、研磨面の更新以外にも、研磨面にスラリーを保持することのできる微細なきめ(数ミクロンオーダー)を形成する働きを併せ持っている。
【0005】
CMP法による研磨工程において、研磨パッドに対して第一に要求されるのは、研磨速度が高くウエハの被研磨面内で均一であることである。このために研磨パッドには、スラリー供給ノズルより研磨面の一部分上に供給されたスラリーを研磨面全面に渡って効率的に移送し、研磨部位で発生したウエハ由来の研磨生成物、あるいは研磨パッドくずを排出できるように、格子状、同心円状、ないしはスパイラル状の溝等の研磨面全面に渡る凹凸構造(数百ミクロンオーダー)が存在する必要がある。
また、スラリー、もしくはスラリー中に含まれる砥粒を被研磨面全面に渡って、研磨パッドとウエハの隙間に効率的に保持できるように、研磨パッドの研磨面には気泡、あるいは研磨パッドの研磨面表面に露出する繊維の一部等の局所的な凹凸構造(数十ミクロンオーダー)が存在することが、研磨速度の向上に好ましい。
【0006】
第二に要求されるのは、研磨パッドの寿命が長いこと、すなわち研磨パッドを交換せずに研磨することのできるウエハの枚数が多いことである。このためには、研磨パッドは耐磨耗性が高い必要がある。
第三に要求されるのは、被研磨面の平坦化能力が高いことである。特に、ダマシン配線における銅メッキ配線の研磨工程においては、1000nm以上の厚みを持つ銅配線を研磨する必要があるので、メッキプロセスでメッキ表面にトレンチから転写された凹凸を解消するためには高い平坦化能力が要求される。また、銅やアルミニウムからなる配線、酸化ケイ素等からなる層間絶縁膜、及びチタン等からなるバリアメタル層、といった異なる材料からなる被研磨面の研磨においては、材料の硬さが異なるためにディシング・エロージョンと呼ばれる平坦化不良が発生しやすい。
【0007】
ディシングとは、銅等の導電体パターンを有する被研磨面のCMP研磨後に見られる平坦化不良の一つで、被研磨面における導電体パターンの中心部分と絶縁体部分の高さとの差で定義される。エロージョンとは、高密度配線部分を有する被研磨面のCMP研磨後に見られる平坦化不良の一つで、被研磨面の高密度配線部分全体における最も低い部分と、広い絶縁体部分の高さとの差で定義される。これらは、一般的に表面段差計を用いてCMP研磨後の被研磨面を微小な針で走査することによって測定されるが、値が小さいほど平坦度がよく好ましいことはいうまでもない。
ディシングやエロージョンの発生量を抑制するには、研磨パッド自体の素材の物性、及び表面状態の均一性が高いことに加えて、研磨面が変形しにくいもの、また表面におけるキメの状態が最適に調整された研磨パッドを使用する必要がある。
【0008】
従来知られているCMP用研磨パッドは、独立発泡構造の研磨パッド、連続発泡構造の研磨パッド、無発泡構造の研磨パッド、あるいはこれらを貼り合わせた複合構造の研磨パッドに分類することができる。
独立発泡構造の研磨パッドとしては、ポリウレタンの発泡体からなる研磨パッドが知られている。該研磨パッドは、通常、バッチ式反応によってブロック状のウレタン発泡体を製造した後、該発泡体を研磨パッドの形状にスライスするという工程によって製造される。該研磨パッドは局所的な凹凸構造としてスライスされた気泡に由来する半球状のくぼみ(数十ミクロンオーダー)を既に持っているので、通常は切削加工により溝からなる研磨面全面に渡る凹凸構造(数百ミクロンオーダー)を形成して使用される。
【0009】
しかしながら、当該研磨パッドの製造工程においては、反応温度の均一性、発泡倍率の均一性を反応容器全体に渡って確保することは困難であるため、研磨パッド全体に渡って均質な製品を製造することが困難である。また、当該パッドは、スラリー成分、或いは研磨作用において発生した生成物が上記の半球状の窪みに堆積しやすいため、目詰まりが比較的短い研磨時間で起こりやすい。従って、高い研磨速度を保つためには、頻繁にドレッサーで研磨面の目詰まりした部分を削除する必要が生じる。そのため、研磨工程中に長い合計ドレッシング処理時間を必要とするという問題と、研磨パッドの寿命が短いという問題を有している。
すなわち、このようなポリウレタンの発泡体からなる研磨パッドは、上記3つの研磨パッドに要求される性能(すなわち、高い研磨速度、耐磨耗性、平坦化性能)が常に満足できるものとは限らなかった。
【0010】
連続発泡構造の研磨パッドとしては、ポリエステル製のフェルト状繊維シートにポリウレタンを含浸させた研磨パッドが代表的なものである(例えば、特許文献1参照)。該研磨パッドは、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどの溶媒に溶解させた熱硬化性のウレタン樹脂をフェルト状繊維シートに含浸させ、乾燥によって溶媒を蒸発させた後、加熱によって該ウレタン樹脂を硬化させる、という工程によって製造される。該研磨パッドは局所的な凹凸構造としてフェルトに由来する連続気泡(数十〜数百ミクロンオーダー)を持っている。またスラリーが該連続気泡を通して研磨パッド全体に染み込み、被研磨面の圧力によって染み出る機構によって移送されるので、パッド全面に渡る溝等を形成せずに使用することも可能である。
【0011】
しかしながら、上記の製造工程は乾燥工程、熱反応工程を主としており、反応組成物が凝集しやすい状態に置かれることになるため、研磨パッド材料の組成、物性をミクロなレベルに至るまで均一に保つことは困難である。
また、研磨パッド自体が連続発泡構造に由来する圧縮性を有するため、平坦化性能が劣るという問題点を有している。さらに、フェルト状繊維シートの繊維間の隙間が連続気泡として存在するため、該繊維にウエハ研磨で発生した研磨クズが絡まり、被研磨製品にスクラッチを生じさせる場合が多い。従って、このようなポリエステル製のフェルト状繊維シートにポリウレタンを含浸させた研磨パッドにおいては、研磨速度及び研磨速度の均一性、及び平坦化性能を同時に満足できる結果は得られていない。
【0012】
無発泡構造の研磨パッドとしては、ポリウレタン等の固体均質重合体が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、ポリウレタン系の光硬化樹脂で作成した無発泡構造の研磨パッドも提案されている(特許文献3参照)。該研磨パッドは前述の2種の研磨パッドとは異なり製法に由来する局所的な凹凸構造を持たないため、コンディショニング処理による微細なきめ(数ミクロンオーダー)を設けることが必須である。また、切削加工により溝等の研磨面全面に渡る凹凸構造(数百ミクロンオーダー)を形成することも必須である。なお、光硬化樹脂で作成した無発泡構造の研磨パッドの場合は、溝等の研磨面全面に渡る凹凸構造(数百ミクロンオーダー)をフォトリソグラフィー法によって作成することも可能である。(特許文献4参照)。
【0013】
しかしながら、上記無発泡構造の研磨パッドは、製法に由来する局所的な凹凸構造(数十ミクロンオーダー)を有さず、コンディショニング処理による微細なきめ(数ミクロンオーダー)しか有さないために、十分なスラリーの保持力が得られず研磨速度が低いという問題点がある。その上に、研磨パッドの寿命が短いという問題も有している。
そこで、上記無発泡構造を有する樹脂を用いた研磨パッドの表面に局所的な凹凸構造を形成させスラリー保持力を向上させるために、研磨パッドを構成する光硬化樹脂中に、ポリマーフィラー、アルミナ、シリカ、中空セラミックスバルーン、中空ガラスビーズ等のフィラーを添加することが、前述の特許文献4に提案されている。しかしながら、樹脂にフィラーを添加しても、各フィラーは独立に研磨パッド中に分散しており研磨によって研磨面より除去されていくため、研磨面の耐磨耗性を向上させる効果が少なく、研磨パッドの長寿命化は期待できない。
【0014】
このように、無発泡構造を有する樹脂を用いた研磨パッドによって、独立発泡、連続発泡構造を有する樹脂を用いた研磨パッドの製法に起因する欠点を取り除くことは可能であっても、前述した3つの研磨パッドに対する要求性能を同時に満足するものはなかった。すなわち、無発泡構造を有する樹脂を用いた研磨パッドによって、発泡構造を有する樹脂を用いた研磨パッドにおける気泡の目詰まりという問題を解消したり、平坦化性能を向上させることはできるものの、研磨速度(スラリー移送・保持能力)または耐磨耗性の点で満足の行くものではなかった。
【0015】
【特許文献1】
米国特許第4,927,432号明細書(特許請求の範囲)
【特許文献2】
米国特許第5,489,233号明細書(特許請求の範囲)
【特許文献3】
米国特許第5,965,460号明細書(特許請求の範囲)
【特許文献4】
米国特許第6,036,579号明細書(特許請求の範囲、明細書第2欄第45行〜第56行)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の研磨パッドに比較して高い研磨速度が得られ、しかも均一性が高く、かつ寿命の長い研磨パッドを提供することを目的とする。特に、ダマシン配線の銅配線、あるいはアルミニウム配線パターン等の厚い導電体パターンの研磨に適する、平坦化能力の高い研磨パッドを提供することを目的とする。また、上述の研磨パッドの製法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するために検討した結果、布帛及び非多孔質の樹脂からなる研磨パッドであって、該布帛を構成する繊維が、断面積が小さく、かつ乾燥時の引張強さが大きい高分子材料からなる繊維である研磨パッドが高い研磨速度とともに高い平坦化能力を示すことを見出し、本発明をなすに至った。
【0018】
すなわち本発明の一は、以下の研磨パッドの発明である。
1.半導体集積回路作成用ウエハの表面研磨に用いられる研磨パッドであって、布帛及び布帛の構成繊維間の間隙を埋める非多孔質の樹脂からなり、該布帛を構成する繊維が断面積1平方ミクロン以上70平方ミクロン以下、かつ乾燥時の引張強さ0.26N/tex以上の高分子材料からなる繊維であることを特徴とする研磨パッド。
2.布帛が、少なくとも1種の分割繊維を含む繊維で構成された布帛である上記1に記載の研磨パッド。
3.布帛を構成する繊維が、ポリエステル繊維、アクリル繊維、及びポリアミド繊維からなる群から選択された少なくとも一種の繊維である上記1または2のいずれかに記載の研磨パッド。
4.布帛が、化学線照射による表面処理を施した布帛である上記1から3のいずれかに記載の研磨パッド。
【0019】
また、本発明の二は、以下の研磨パッドの製法の発明である。
5.半導体集積回路作成用ウエハの表面研磨に用いられる研磨パッドの製法であって、感光性樹脂組成物を断面積1平方ミクロン以上70平方ミクロン以下、かつ乾燥時の引張強さ0.26N/tex以上の高分子材料からなる繊維で構成された布帛からなる基材に含浸させた後、該樹脂組成物に紫外線または可視光線を照射して硬化させることを特徴とする研磨パッドの製法。
6.断面積1平方ミクロン以上70平方ミクロン以下、かつ乾燥時の引張強さ0.26N/tex以上の高分子材料からなる繊維で構成された布帛に化学線照射による表面処理を施した後、感光性樹脂組成物を該布帛からなる基材に含浸させ、該樹脂組成物に紫外線または可視光線を照射して硬化させる上記5に記載の研磨パッドの製法。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明の研磨パッドは、断面積1平方ミクロン以上70平方ミクロン以下、かつ乾燥時の引張強さ0.26N/tex(3.0g/デニール)以上の高分子材料からなる繊維で構成される布帛からなる基材と、該基材の構成繊維間の間隙を埋める非多硬質の樹脂からなる。なお、ここでいう繊維の断面積とは、繊維の長手方向に垂直な断面の断面積をいうものとする。
【0021】
本発明において、繊維とは分割繊維であってもよい。分割繊維とは、長手方向に2本以上の部分繊維に分割することができる単繊維をいう。分割繊維は、単繊維を構成する各部分繊維に分割されることによって各部分繊維がエッジを持つブレード状の断面構造をとるので、通常の円形断面の単繊維と比べて対象物への密着性が高まるとされている。また、単繊維が分割された後の各部分繊維の隙間がスラリー中の砥粒を捕捉する場所として機能することで研磨速度を確保できると同時に、分割された後の各部分繊維の断面積が小さいため、後述のように、平坦化性能にすぐれている。従って、分割繊維は本発明の研磨パッドの基材である布帛を構成する繊維として好適なものである。該分割繊維の好ましい例としては、ポリエステル65%とナイロン35%からなる複合繊維があげられる。
【0022】
分割繊維の各部分繊維の間には切れ目が入っているが、該分割繊維で構成される布帛を基材とする研磨パッドにおいて、該布帛の構成繊維間の間隙を埋める非多孔質の樹脂に埋まっている状態では、単繊維が各部分繊維に分割されていても分割されていなくてもよい。しかしながら、単繊維が研磨パッドの研磨面に露出した時は、コンディショニング処理あるいはウエハによる負荷のために該単繊維は各部分繊維に分割される。従って、本発明における繊維の断面積は、該繊維が分割繊維の場合には、分割された後の各部分繊維の断面積をいうものとする。
【0023】
また、本発明の研磨パッドは、従来の無発泡構造の研磨パッドと異なり、研磨パッド全体に渡って連続する布帛からなる基材を用いたことにより、研磨パッド全体が強靭な構造となっている。そのために、研磨を繰り返した時の磨耗量が抑えられ、研磨パッド1枚で研磨しうるウエハの枚数を増加させることができる。
さらに、本発明の研磨パッドにおいては、研磨パッドの研磨面の一部分に露出した布帛を構成する繊維に由来する、表面の数十ミクロンオーダーの凹凸構造がスラリ−の効率的な移送及び保持に寄与し、高い研磨速度を達成することを可能としている。また、このように布帛そのものの構造に起因する凸凹構造を用いることによって、発泡構造の研磨パッドが有する独立気泡への目詰まりや、連続気泡への研磨クズの絡まりによるスクラッチのような問題を回避することが可能となる。
【0024】
本発明の研磨パッドにおいて基材として使用される布帛は、織布でも不織布でもかまわないが、不織布がより好ましく用いられる。不織布の作製方法は、浸漬接着法、ニードルパンチ法、スパンボンド法、ステッチボンド法、あるいは湿式のウォータージェット法などが知られているが、本発明において使用される布帛としては、研磨速度を高くかつ均一に保つために、高密度かつ均質なものが好ましい。好ましいものの一例としてはウォータージェット法で生産した不織布があげられる。また、他の方法で作成された不織布をプレス等により圧縮して高密度化させたものも好ましい。
【0025】
また、該基材の構成繊維としては、乾燥時に0.26N/tex(3.0g/デニール)以上の引張強さを有する高分子材料からなる繊維が好ましく、0.40N/tex(4.5g/デニール)以上の引張強さを有する高分子材料からなる繊維がより好ましい。引張強さが0.26N/tex未満の高分子材料からなる繊維は、砥粒をウエハの被研磨面に押し付ける力が弱いために高い研磨速度を達成することが困難になる。乾燥時に0.26N/tex(3.0g/デニール)以上の引張強さを有する高分子材料からなる繊維の例としては、アクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維の一部があげられる。なお、上記高分子材料の引張強さは、該高分子材料を化学繊維フィラメント糸に紡糸した状態でJIS L1013(化学繊維フィラメント糸試験方法)に規定された測定方法に基づいて得られるものであり、texとは繊維1kmあたりのグラム数をいう。
【0026】
本発明者が検討した結果、不織布を基材として用いている研磨パッドの場合、研磨パッドの研磨面から突出している繊維(以下、「毛羽立ち」という。)の量とその断面積が研磨パッドとしての性能に重要な役割を果たすことが判明した。
本発明者が検討した結果、布帛と布帛を構成する繊維の間隙を埋める非多孔質の樹脂からなる研磨パッドにおいて、乾燥時に0.26N/tex(3.0g/デニール)以上の引張強さを有する高分子材料からなる繊維を使用すると、該繊維の断面積が大きい場合は研磨速度を高くすることができた。この理由は、ウエハと研磨パッドの研磨面との間隔が該繊維の断面積に応じて大きくなるので、スラリーまたは砥粒を保持する空間も大きくなったためと考えられる。しかしながら、繊維一本の引張強さが0.26N/tex(3.0g/デニール)以上と大きく毛羽立ちがたわみにくいため、平坦化性能を良好に保つことはできなかった。これに対し本発明では、基材となる布帛を、引張強さは大きいが断面積は小さい繊維で構成することで、研磨速度を保ちながら、良好な平坦化性能を得ることができることを見出した。
【0027】
本発明の研磨パッドの基材となる布帛を構成する繊維の断面形状は、円形、あるいは楕円形でも構わない。また、本発明の研磨パッドの基材となる布帛には、前述した分割繊維のほか、断面に空孔を有する多孔質の繊維、または異形断面を有する繊維からなる不織布も好ましく用いられる。
本発明の研磨パッドの基材に使用される布帛は、断面積1平方ミクロン以上70平方ミクロン以下、かつ引張強さ0.26N/tex(3.0g/デニール)以上の高分子材料からなる繊維からなる布帛である時に、高い研磨速度と良好な平坦化性能とのバランスの取れた研磨性能を得ることができる。該断面積は、1平方ミクロン以上50平方ミクロン以下であることが好ましく、1平方ミクロン以上30平方ミクロン以下であることがさらに好ましい。該断面積が70平方ミクロンより大きい場合は、研磨速度は高くなるものの、毛羽立ちの量が大きくなるため、ディシングやエロージョンの値が大きくなり好ましくない。また、該断面積が1平方ミクロン未満の場合はスラリーを保持する能力が低下するため研磨速度が低下して好ましくない。
【0028】
本発明の研磨パッドを用いて、前述したダマシン配線の銅パターンを有するウエハを研磨するためのスラリーには、酸化アルミニウムやフュームドシリカを砥粒として用い、主に機械的な作用により研磨するスラリーを使用することが高い研磨速度を得るためには好ましい。
本発明の研磨パッドの基材である布帛には、繊維表面を改質するための処理を施すことも好ましい。このような処理は、2つの効果を生むと考えられる。一つは、樹脂と布帛の結合を増加させ、研磨パッド表面においてコンディショニング処理時に布帛を構成する繊維が樹脂から引き抜かれたり、布帛を構成する繊維が研磨面から露出した時に、必要以上に毛羽立たないようにして、研磨面上に長く露出した糸を出さないという効果である。2つ目は、布帛の機械的物性をコントロールすることで、コンディショニング処理により更新された研磨面に露出した繊維の長さと量を調整しやすくすることである。
【0029】
一般に繊維表面の改質には、大きく2つの方法が存在する。一つは湿式で行う化学処理法、もう一つは乾式で行う物理処理法である。化学処理法とは主に大量の水や薬品を用いて繊維を処理する手法であり、化学薬品処理・コーティング・電着・グラフトなどの手法が存在する。布帛の原料となる繊維に各種の機能を持つ樹脂をコーティングしたり、酸やアルカリで繊維表面を酸化・エッチングしたりする事で改質する。化学処理法の場合、処理が繊維表面から比較的深い所まで改質することが出来るという特長がある。
【0030】
これに対して物理処理法とは光・プラズマ・電子線などによって繊維表面を処理する手法であり、放電処理(コロナ放電処理、グロー放電処理)・火炎処理・オゾン処理・電離活性線処理(紫外線照射、電子線照射、放射線照射、レーザー照射・イオンビーム処理)などの手法が存在する。布帛の原料となる繊維にグロー放電する事で官能基を付与したり、火炎処理によって表面酸化や架橋を行ったりする事で改質する。物理処理法の場合、繊維が有するバルクとしての本来の性質を保持しつつ、繊維表面のみを改質する事が出来るという特長がある。
【0031】
本発明者が検討した結果、これらの処理法の中で、紫外線などの化学線照射による表面処理を施すことが、ディシングの抑制に効果があることが判明した。化学線照射による表面処理の反応機構は主に光洗浄効果と表面改質効果からなっている。前者は汚染物として表面に付着している有機化合物が、非常に高いエネルギーをもつ化学線によって気体レベルまで分解される反応である。また後者は化学線のエネルギーによって高分子の主鎖、あるいは側鎖の結合をいったん切り、切られた結合が再結合することによって、表面が改質される反応である。
【0032】
本発明における化学線照射に使用する化学線としては、波長が100〜400nmの化学線が利用できる。ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の改質効果の観点から、波長が150〜250nmの化学線が好ましく、波長が160〜200nmの化学線がより好ましい。また照射する化学線のエネルギーの値は、600mJ/cm2以上1200mJ/cm2以下が好ましく、1000mJ/cm2以上1200mJ/cm2以下がより好ましい。
【0033】
布帛に化学線処理を行った場合に、布帛が示す特性の違いとしては、繊維の吸水性(濡れ性)の変化があげられる。これは化学線照射によって繊維表面に光洗浄効果(不純物の分解)と表面改質効果(繊維表面への極性基の導入)が起こった為と考えられる。例えばナイロン繊維からなる布帛の場合、波長172nmの化学線を600mJ/cm2照射することによって、吸水性が約2倍に改善された。またポリエステル繊維からなる布帛の場合は、化学線処理前は吸水性をほとんど示さなかったが、化学線処理によって吸水性を示すようになった。
【0034】
なおここで言う吸水性は次のような手順で測定される吸水速度によって評価した。(1)布帛を9.0×0.5mmの大きさに切り抜く。(2)1cmの深さに染料(マラカイトグリーン)を溶解させた水の入った容器に浸漬する。(3)10秒後に、布帛の着色した部分の水面からの高さ(mm)を測定し、10で割ることで吸水速度(mm/s)を求める。
また化学線処理は繊維の表面形態にも影響を与える。例えばナイロンでは通常繊維表面は平らであるが、上記化学線処理後は繊維表面に化学線によるエッチングによって発生したと考えられる縞状の模様が発生していた。上述の吸水性の向上はこの表面形態の違いに由来する差であると考えられる。
【0035】
上述の布帛の化学線処理によって繊維−樹脂間の濡れ性が改善されたことは、研磨パッド製作後の繊維−樹脂間の界面の顕微鏡観察によっても裏付けられる。上述の化学線処理を行わなかった研磨パッドでは繊維と樹脂との界面に小さい空孔が認められる箇所があった。しかしながら、化学線処理を行った研磨パッドでは界面に空孔はほとんど認められなくなり、両者の間の濡れ性の差異が確認できた。
【0036】
一般に、研磨パッドの研磨面における毛羽立ちが多い場合には、これによって配線部分等の余分な研磨が発生するため被研磨面の平坦性を悪化させるものと考えられる。従って、前述した布帛を構成する繊維の断面積のみならず、上述の化学線処理による布帛の濡れ性の改善や強度の変化も、該布帛を基材とする研磨パッドにおける研磨特性に影響するものと考えられる。
【0037】
本発明では化学線処理する事で、研磨面の毛羽立ちをコントロールする事を可能とした。本発明者が顕微鏡観察を行ったところ、化学線照射を行わない布帛を基材とする研磨パッドの研磨面においては、長い繊維の毛羽立ちが多数発生していたが、化学線照射を行った布帛を基材とする研磨パッドの研磨面では繊維の毛羽立ちは短く切れていた。この原因は、前述のナイロン繊維の表面に発生した縞状の模様から推定すると、化学線照射によって繊維の破断強度を低下させコンディショニング処理時に切断しやすくさせた事、および布帛を構成する繊維と樹脂の濡れ性を向上させ界面の接着強度を向上させた結果、繊維の樹脂からの離脱が抑制された事、の複合的な作用と考えられる。すなわち、化学線処理によって研磨面に露出した毛羽立ちの長さを調整する事ができ、従来の不織布を使用した連続発泡構造の研磨パッドで問題になっていた平坦化不良のさらなる改善が可能になる。
【0038】
本発明の研磨パッドで使用される樹脂は、非多孔質の樹脂である必要があるが、非多孔質の光硬化樹脂であることが好ましい。熱硬化樹脂を使用して本発明の非多孔質の研磨パッドを製造する場合は熱分布等に由来する硬化後の残留応力により研磨パッドが反ることがあるのに対して、光硬化樹脂を使用した場合は短時間で均一に反応が進行するためこのような問題は発生しにくい。
該光硬化樹脂は、感光性樹脂組成物に紫外線や可視光線を照射して硬化させたもので、該感光性樹脂組成物は、少なくとも光重合性ポリマー或いはオリゴマー、及び光重合性モノマーのうちの少なくとも一種を含む。
【0039】
上記光重合性ポリマー或いはオリゴマーとしては、不飽和ポリエステル、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記光重合性モノマーとしては、少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基を末端又は側鎖に有する化合物が好ましい。エチレン性の不飽和基とは、アクリレート、メタクリレート、ビニル、アリル等に含まれるものを指す。具体的には、ラウリル(メタ)アクリレート、N−(3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート等の各種のエチレン性不飽和基を1つ有する化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオぺンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変成ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変成トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ぺンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールの3モルエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。
【0040】
或いはペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート類を、モノイソシアネートと反応させることによって得られるウレタン基を分子内に含む光重合性モノマーも好ましい
また、水酸基含有化合物とエチレン性不飽和基を持つモノイソシアネートを反応させることによって得られるウレタン基を分子内に含む光重合性モノマーも好ましい。
【0041】
具体的な例としては、ポリ(オキシプロピレン)ポリオール、コポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)ジオール、ポリテトラメチレンエーテルジオール等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール等のポリエステル系ポリオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリブタジエンポリオール等の直鎖状ポリオール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、アクリルポリオール、フェノールレジンポリオール、エポキシポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオール、カーボネートポリオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、カプロラクトンジオール、ヒドロキシエトキシ化ビスフェノールA、ヒドロキシエトキシ化ビスフェノールS、単官能アルコール類、飽和・不飽和ポリエステル等の水酸基含有化合物を、エチレン性不飽和基を持ったモノイソシアネートと反応させることによって得られる光重合性モノマーが挙げられる。
【0042】
また、これらの水酸基含有化合物のいずれか、或いはこれらのうちの複数を組み合わせて用いることができる。なお、当該水酸基含有化合物は、分子内に複数の水酸基を有することが好ましい。
上述のモノイソシアネートとしては、2−イソシアネートエチルメタクリレート、イソシアン酸フェニル、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が好ましい。この中で、2−イソシアネートエチルメタクリレートは、光または熱硬化の結合点として機能するエチレン性不飽和基を持っており、2−イソシアネートエチルメタクリレートとエチレン性不飽和基を有しないそれ以外のモノイソシアネートとの混合割合を調整することにより、研磨パッドの硬度を制御することもできる。
【0043】
それに対して、ジイソシアネートの片方のイソシアネート基を水酸基含有化合物と反応させて得られるモノイソシアネートを用いた場合は、光硬化後の樹脂の凝集が強くなるため好ましくない。このことは、研磨に使用した時に径の大きな研磨くずが発生しやすく、研磨する対象にスクラッチを引き起こす可能性が高くなることを意味する。
本発明においては、光重合性ポリマー或いはオリゴマー20〜95質量%に対し、光重合性モノマー80〜5質量%を配合して用いるのが好ましい。より好ましくは、光重合性ポリマー或いはオリゴマーが30〜80質量%、光重合性モノマーが70〜20質量%である。
【0044】
本発明においては、感光性樹脂組成物は、上記光重合性ポリマー或いはオリゴマー、及び/または光重合性モノマーを含み、通常は光重合開始剤を添加して用いる。該光重合開始剤としては、例えばべンゾフェノン類、アセトフェノン類、α−ジケトン類、アシロイン類、アシロインエーテル類、べンジルアルキルケタール類、多核キノン類、チオキサントン類、アシルフォスフィン類等が挙げられる。具体的にはベンゾフェノン、クロルべンゾフェノン、アセトフェノン、べンジル、ジアセチル、ベンゾイン、ビバロイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジエチルケタール、べンジルジイソプロピルケタール、アントラキノン、1,4−ナフトキノン、2−クロルアントラキノン、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、アシルフォスフィンオキサイド等が好ましい。これらは単独で使用しても組合せて使用してもよい。
【0045】
また、光重合開始剤は、上記光重合性ポリマー或いはオリゴマーと光重合性モノマーの合計量100質量部に対して、1〜20質量部添加して用いるのが好ましい。本発明においては布帛の存在により光の透過率が低下するため、光感度が高い光開始剤を使用することが好ましい。
さらに、かかる感光性樹脂組成物には、本発明の効果を損ねない範囲で他の添加物を適宜添加することができる。
【0046】
本発明の研磨パッドは、前記の布帛に、塗布、或いはディップ法等により上記感光性樹脂組成物を含浸させた後、該樹脂組成物の感光性に応じた波長の紫外線或いは可視光線を照射して該樹脂組成物を硬化させて光硬化樹脂とすることによって得られる。
本発明の研磨パッドにおける非多孔質の樹脂とは、空孔率が10%以下の樹脂をいう。空孔率は、以下のように定義される。空孔率を測定すべき対象物から10点サンプリングを行い、そのサンプル片をスライスして断面を出し、光学顕微鏡、あるいは電子顕微鏡で60倍の写真をとる。スライスされたサンプル片の縦1mm、横1mmの断面積中に占める空孔の面積比を画像処理等で求め10点で平均した値を空孔率と定義する。ここで、本発明のように研磨パッドが布帛部分と樹脂部分を含んで構成される場合における樹脂部分の空孔率は、研磨パッド内の布帛を除いた部分について計算された空孔率(空孔の面積/研磨パッド内の布帛を除いた部分の面積(樹脂の面積+空孔の面積))をいうものとする。本発明の研磨パッドに使用される樹脂は、非多孔質であり、たとえ布帛への含浸工程で混入する気泡が存在したとしても、研磨パッドの空孔率は10%以下のものである。研磨速度と研磨の均一性を保つために、研磨パッドの空孔率は5%以下が好ましく、2%以下がより好ましい。
【0047】
本発明の研磨パッドは上記のように非多孔質の樹脂を用いるものであるため通気性を有さず、従来の連続発泡構造の研磨パッドのように、連続気泡を通じてスラリーを保持、移送することはできない。従って、加工によって、格子状、同心円状、ないしはスパイラル状の溝等の研磨パッドの研磨面全面に渡る凹凸構造(数百ミクロンオーダー)を設ける必要がある。しかしながら連続発泡構造の研磨パッドのように多孔質ではないため、気泡の分布や圧縮特性に由来する研磨の不均一性は発生しない。得られた研磨パッドの研磨面は、必要に応じてコンディショニング処理によって基材を露出させ、切削によって図1に示した溝部2を形成して用いる。
本発明の研磨パッドにおける基材と樹脂の比は、樹脂が50〜99.5質量%となるように構成するのが好ましく、70〜95質量%となるように構成するのがより好ましい。基材と樹脂の比は、基材となる布帛のかさ密度によってコントロールすることができる。
【0048】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明する。
以下の試験法を用いて、研磨パッドの基材である布帛を構成する繊維の断面積、及び研磨パッドの研磨性能を評価した。
(a)繊維の断面積の測定
まず、布帛をカッターで切断し、導電性を付与するために切断面に金の薄膜を形成した。次に、日立製作所社製のS−2400電子顕微鏡を用いて断面を観察し、繊維の長手方向に垂直に切断されている断面を見つけて写真をとった。断面の面積は画像処理によって算出した。
(b)研磨パッドの研磨性能
CMP研磨装置としてNANOTECH社製の500STZ−6を用いて研磨パッドの研磨特性を測定した。研磨速度の評価は、全面に銅層を設けたテストウエハを研磨して測定した。ディシングの評価は、100μm幅の銅配線と100μm幅のスペースを含むテストウエハにおいて、銅の部分の研磨量が1200nmになるように研磨した後の銅パターンの中央部分とスペース部分の中央部分の高さの差をアルバック社製の表面段差計DEKTAK3を用いて測定した。磨耗量は、100番のダイヤモンドサイズのドレッシング処理によって測定した。
【0049】
<実施例1>
感光性樹脂組成物の作成を以下の手順で行った。
(A)ジエチレングリコール1モル部、アジピン酸0.5モル部、フマル酸0.5モル部の割合で通常の重縮合反応によって合成した分子量2400の不飽和ポリエステルに、ウレタン化触媒としてジ−N−ブチル錫ラウレートを添加した後、上記ポリエステルに対する重量比で6.3%の2−イソシアネートエチルメタクリレートを攪拌しながら滴下してウレタン化処理を行った。なお、上記ウレタン化触媒は、2−イソシアネートエチルメタクリレートに対し重量比で5%の割合になるように添加した。
(B)3−メチル−1,5−ペンタンジオールに、ウレタン化触媒としてジ−N−ブチル錫ラウレートを添加した後、上記ジオール1モル部に対して2モル部の2−イソシアネートエチルメタクリレートを攪拌しながら滴下してウレタン化処理を行った。なお、上記ウレタン化触媒は、2−イソシアネートエチルメタクリレートに対し重量比で5%の割合になるように添加した。
(C)カプロラクトンジオールに、ウレタン化触媒としてジ−N−ブチル錫ラウレートを添加した後、上記ジオール1モル部に対して2モル部の2−イソシアネートエチルメタクリレートを攪拌しながら滴下してウレタン化処理を行った。なお、上記ウレタン化触媒は、2−イソシアネートエチルメタクリレートに対し重量比で5%の割合になるように添加した。
【0050】
反応が終了した(A)、(B)、(C)のウレタン化処理化合物、及び(D)トリアリルイソシアヌレートを重量比で1:1:1:0.2の割合で混合し、これに光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを、それぞれ(A)、(B)、(C)、(D)の合計量に対し、重量比で2%、及び0.038%添加し、粘調な液体である感光性樹脂組成物を調整した。
【0051】
乾燥時の引張強さが0.38N/tex、分割後の各部分繊維の断面積が24平方ミクロンのポリエステル65%と、乾燥時の引張強さが0.43N/tex、分割後の各部分繊維の断面積が24平方ミクロンのナイロン35%の分割繊維からなるかさ密度0.30g/cm3で1.0mm厚の不織布に、前出の手順で調整した感光性樹脂組成物を含浸させ、両面から紫外線を照射する事によって硬化させ、直径51cmの研磨パッドを作成した。
当該研磨パッドの空孔率(研磨パッド内の布帛部分を除いた部分について計算された面積)は4.0%であった。本研磨パッドにスラリー移送用の溝部を切削加工にて設けた後、本研磨パッドをCMP研磨装置に取り付け、アルミナ砥粒のスラリーを使用して、シリコンウェハー上の銅膜の平均研磨速度を測定したところ、最大で740nm/分の研磨速度が得られた。またこの際のディシングは330nmであった。研磨パッドの磨耗量を測定したところ、0.1μm/分であった。
【0052】
<実施例2>
乾燥時の引張強さが0.38N/tex、分割後の各部分繊維の断面積が24平方ミクロンのポリエステル65%と、乾燥時の引張強さが0.43N/tex、分割後の各部分繊維の断面積が24平方ミクロンのナイロン35%の分割繊維からなるかさ密度0.30g/cm3で1.0mm厚の不織布に、ウシオ電気社製のエキシマVUV/O3洗浄装置を用いて化学線処理を行った。光源として172nmの波長を持つXeエキシマ−ランプを用い、光源とサンプル間の距離を1mmに設定し、1178mJ/cm2に該当するエネルギー量を照射した。該化学線処理によって改質された不織布に、実施例1と同一の感光性樹脂組成物を含浸させ、両面から紫外線を照射する事によって硬化させ、直径51cmの研磨パッドを作成した。
当該研磨パッドの空孔率(研磨パッド内の布帛部分を除いた部分について計算された面積)は2.6%であった。本研磨パッドにおいては、化学線処理を行った不織布の側を研磨面とし、該研磨面にスラリー移送用の溝部を切削加工にて設けた後、本研磨パッドをCMP研磨装置に取り付け、アルミナ砥粒のスラリーを使用して、シリコンウェハー上の銅膜の平均研磨速度を測定したところ、最大で600nm/分の研磨速度が得られた。またこの際のディシングは200nmであった。研磨パッドの磨耗量を測定したところ、0.1μm/分であった。
【0053】
<実施例3>
乾燥時の引張強さが0.38N/tex、断面積が20平方ミクロンのポリエステル繊維からなるかさ密度0.28g/cm3で1.0mm厚の不織布に、不飽和ポリエステル系オリゴマー65質量%、水酸基含有単官能モノマー17質量%、他のモノマー16質量%、光重合開始剤2質量%を含有する感光性樹脂組成物を含浸させ、両面から紫外線を照射する事によって硬化させ、直径51cmの研磨パッドを作成した。
当該研磨パッドの空孔率(研磨パッド内の布帛部分を除いた部分について計算された面積)は0.2%であった。本研磨パッドにスラリー移送用の溝部を切削加工にて設けた後、本研磨パッドをCMP研磨装置に取り付け、アルミナ砥粒のスラリーを使用して、シリコンウェハー上の銅膜の平均研磨速度を測定したところ、最大で560nm/分の研磨速度が得られた。またこの際のディシングは130nmであった。研磨パッドの磨耗量を測定したところ、0.5μm/分であった。
【0054】
<比較例1>
乾燥時の引張強さが0.43N/tex、断面積が80平方ミクロンのナイロン繊維からなるかさ密度0.26g/cm3で1.0mm厚の不織布に、実施例3と同一の感光性樹脂組成物を含浸させ、両面から紫外線を照射する事によって硬化させ、直径51cmの研磨パッドを作成した。
当該研磨パッドの空孔率(研磨パッド内の布帛部分を除いた部分について計算された面積)は0%であった。本研磨パッドにスラリー移送用の溝部を切削加工にて設けた後、本研磨パッドをCMP研磨装置に取り付け、アルミナ砥粒のスラリーを使用して、シリコンウェハー上の銅膜の平均研磨速度を測定したところ、最大で580nm/分の研磨速度が得られた。しかしながら、この際のディシングは420nmと大きいものであった。研磨パッドの磨耗量を測定したところ、0.5μm/分であった。
【0055】
<比較例2>
乾燥時の引張強さが0.18N/tex、断面積が100平方ミクロンのレーヨン繊維からなるかさ密度0.23g/cm3で1.0mm厚の不織布に、実施例3と同一の感光性樹脂組成物を含浸させ、両面から紫外線を照射する事によって硬化させ、直径51cmの研磨パッドを作成した。
当該研磨パッドの空孔率(研磨パッド内の布帛部分を除いた部分について計算された面積)は2.0%であった。本研磨パッドにスラリー移送用の溝部を切削加工にて設けた後、本研磨パッドをCMP研磨装置に取り付け、アルミナ砥粒のスラリーを使用して、シリコンウェハー上の銅膜の平均研磨速度を測定したところ、最大で240nm/分の研磨速度しか得られなかった。なお、この際のディシングは250nmであった。研磨パッドの磨耗量を測定したところ、0.5μm/分であった。
【0056】
【発明の効果】
本発明の研磨パッドは、従来の研磨パッドに比較して高い研磨速度が得られ、しかも均一性が高く、かつ寿命が長いという効果を有する。特に、ダマシン配線の銅配線、あるいはアルミニウム配線パターン等の厚い導電体パターンの研磨において、平坦化能力が高いという効果を有する。また、本発明の研磨パッドの製法においては、上述の研磨パッドの製法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研磨パッドの一例の断面を表す模式図。
【符号の説明】
1 研磨面
2 溝部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polishing pad used in a step of planarizing unevenness on a wafer surface used for semiconductor integrated circuit fabrication by a chemical mechanical polishing method and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
In the process of manufacturing a semiconductor integrated circuit, there are a process of forming a wiring pattern by photolithography and etching after forming a conductive film on the wafer surface, and a process of forming an interlayer insulating film on the wiring pattern. However, these processes simultaneously cause undesirable irregularities made of a conductor and an insulator on the wafer surface. In recent years, miniaturization and multilayering of wiring patterns have progressed for the purpose of increasing the density of semiconductor integrated circuits, but it is important to have a technology for flattening the unevenness on the wafer surface in order to ensure the depth of focus in the photolithography process. It has become.
[0003]
Currently, a chemical mechanical polishing (hereinafter referred to as “CMP”) method is mainly used as a method for flattening the unevenness of the wafer surface for forming a semiconductor integrated circuit.
The CMP method is a method of polishing by combining a chemical action by a machining liquid and a mechanical action by an abrasive grain using a machining liquid in which abrasive grains are dispersed in a slurry state (hereinafter referred to as “slurry”). is there.
A polishing apparatus used in the CMP method mainly includes a platen, a wafer carrier head, a slurry supply nozzle, and a dresser. The platen is for attaching a polishing pad, the wafer carrier head is for attaching a wafer, and the slurry supply nozzle is for supplying slurry onto the polishing surface of the polishing pad. The dresser is used to perform a polishing surface update process (hereinafter referred to as “dressing process” or “conditioning process”).
[0004]
In the polishing process by the CMP method, the surface to be polished of the wafer attached to the wafer carrier head is pressed against the polishing surface of the polishing pad attached to the platen, and at the same time, the platen and the wafer carrier head rotate to polish the surface. This is done by sandwiching the slurry supplied on the surface between the surface to be polished and the polishing surface. It should be noted that the polishing pad needs to be periodically dressed with a dresser because the surface becomes clogged with polishing debris and the polishing rate decreases as the polishing time elapses. In addition to renewing the polishing surface, the dressing treatment also has a function of forming a fine texture (on the order of several microns) that can hold the slurry on the polishing surface.
[0005]
In the polishing process by the CMP method, the first requirement for the polishing pad is that the polishing rate is high and the surface is uniform within the surface to be polished. Therefore, the polishing pad efficiently transfers the slurry supplied onto a part of the polishing surface from the slurry supply nozzle over the entire polishing surface, and the polishing product derived from the wafer generated at the polishing site, or the polishing pad An uneven structure (on the order of several hundred microns) over the entire polishing surface, such as a lattice, concentric circle, or spiral groove, must be present so that waste can be discharged.
Also, the polishing surface of the polishing pad has air bubbles or polishing pad polishing so that the slurry or abrasive grains contained in the slurry can be efficiently held in the gap between the polishing pad and the wafer over the entire surface to be polished. It is preferable to improve the polishing rate that there is a local uneven structure (on the order of several tens of microns) such as a part of the fiber exposed on the surface of the surface.
[0006]
The second requirement is that the life of the polishing pad is long, that is, the number of wafers that can be polished without changing the polishing pad is large. For this purpose, the polishing pad needs to have high wear resistance.
The third requirement is a high leveling ability of the surface to be polished. In particular, in the polishing process of copper plating wiring in damascene wiring, it is necessary to polish copper wiring having a thickness of 1000 nm or more, so that it is highly flat to eliminate irregularities transferred from the trench to the plating surface in the plating process. Abilities are required. Also, in polishing of the surface to be polished made of different materials such as wiring made of copper or aluminum, interlayer insulating film made of silicon oxide, etc., and barrier metal layer made of titanium etc., the hardness of the material is different. A flattening failure called erosion is likely to occur.
[0007]
Dishing is one of the planarization defects observed after CMP of a polished surface having a conductor pattern such as copper, and is defined by the difference between the central portion of the conductor pattern and the height of the insulator portion on the polished surface. Is done. Erosion is one of the planarization defects observed after CMP of a surface to be polished having a high density wiring portion. The erosion is the difference between the lowest portion of the entire high density wiring portion of the surface to be polished and the height of a wide insulator portion. Defined by difference. These are generally measured by scanning the surface to be polished after CMP polishing with a fine needle using a surface level meter, but it goes without saying that the smaller the value, the better the flatness.
In order to reduce the amount of dicing and erosion, in addition to the high uniformity of the physical properties and surface condition of the polishing pad itself, the polishing surface is not easily deformed, and the texture state on the surface is optimal. It is necessary to use a conditioned polishing pad.
[0008]
Conventionally known CMP polishing pads can be classified into a polishing pad having an independent foam structure, a polishing pad having a continuous foam structure, a polishing pad having a non-foam structure, or a polishing pad having a composite structure obtained by bonding them together.
As a polishing pad having an independent foam structure, a polishing pad made of a polyurethane foam is known. The polishing pad is usually produced by a process of producing a block-like urethane foam by a batch reaction and then slicing the foam into the shape of a polishing pad. Since the polishing pad already has a hemispherical depression (in the order of several tens of microns) derived from the air bubbles sliced as a local uneven structure, the uneven structure over the entire polished surface made up of grooves usually by cutting ( (In the order of several hundred microns).
[0009]
However, in the manufacturing process of the polishing pad, it is difficult to ensure the uniformity of the reaction temperature and the uniformity of the foaming ratio over the entire reaction container, and thus a homogeneous product is manufactured over the entire polishing pad. Is difficult. In addition, the pad is likely to be clogged in a relatively short polishing time because a slurry component or a product generated in the polishing action is likely to accumulate in the hemispherical depression. Therefore, in order to maintain a high polishing rate, it is necessary to frequently remove clogged portions of the polishing surface with a dresser. Therefore, there are a problem that a long total dressing processing time is required during the polishing process and a problem that the life of the polishing pad is short.
That is, a polishing pad made of such a polyurethane foam does not always satisfy the performances required for the above three polishing pads (that is, high polishing speed, wear resistance, and planarization performance). It was.
[0010]
A typical example of a polishing pad having a continuous foam structure is a polishing pad obtained by impregnating a polyester felt-like fiber sheet with polyurethane (see, for example, Patent Document 1). The polishing pad is impregnated in a felt-like fiber sheet with a thermosetting urethane resin dissolved in a solvent such as dimethylformamide, methyl ethyl ketone, tetrahydrofuran, etc., the solvent is evaporated by drying, and then the urethane resin is cured by heating. , Manufactured by the process. The polishing pad has open cells (in the order of several tens to several hundreds of microns) derived from felt as a local uneven structure. Further, since the slurry soaks into the entire polishing pad through the continuous bubbles and is transported by a mechanism that exudes by the pressure of the surface to be polished, the slurry can be used without forming a groove or the like over the entire surface of the pad.
[0011]
However, the above manufacturing process mainly includes a drying process and a thermal reaction process, and the reaction composition is likely to be aggregated. Therefore, the composition and physical properties of the polishing pad material are kept uniform to the micro level. It is difficult.
Moreover, since the polishing pad itself has a compressibility derived from the continuous foam structure, it has a problem that the planarization performance is inferior. Furthermore, since the gaps between the fibers of the felt-like fiber sheet exist as open cells, the scraps generated by wafer polishing are entangled with the fibers, often causing scratches on the polished product. Therefore, in such a polishing pad in which a polyester felt-like fiber sheet is impregnated with polyurethane, results that can simultaneously satisfy the polishing rate, the uniformity of the polishing rate, and the planarization performance have not been obtained.
[0012]
A solid homogeneous polymer such as polyurethane has been proposed as a non-foamed polishing pad (for example, see Patent Document 2). A non-foamed polishing pad made of a polyurethane-based photo-curing resin has also been proposed (see Patent Document 3). Unlike the above-described two kinds of polishing pads, the polishing pad does not have a local uneven structure derived from the manufacturing method, and therefore it is essential to provide fine texture (on the order of several microns) by conditioning treatment. It is also essential to form a concavo-convex structure (on the order of several hundred microns) over the entire polished surface such as a groove by cutting. In the case of a non-foamed polishing pad made of a photo-curing resin, it is possible to create a concavo-convex structure (on the order of several hundred microns) over the entire polishing surface such as a groove by photolithography. (See Patent Document 4).
[0013]
However, the non-foamed polishing pad does not have a local uneven structure (in the order of several tens of microns) derived from the manufacturing method, and has only a fine texture (in the order of several microns) by the conditioning process. There is a problem that a sufficient holding power of the slurry cannot be obtained and the polishing rate is low. In addition, the polishing pad has a short life.
Therefore, in order to form a local concavo-convex structure on the surface of the polishing pad using the resin having the non-foamed structure and improve the slurry holding power, a polymer filler, alumina, The addition of fillers such as silica, hollow ceramic balloons, and hollow glass beads is proposed in the aforementioned Patent Document 4. However, even if fillers are added to the resin, each filler is independently dispersed in the polishing pad and is removed from the polishing surface by polishing, so there is little effect of improving the abrasion resistance of the polishing surface, and polishing Longer life of pads cannot be expected.
[0014]
As described above, even though it is possible to remove defects caused by the method of manufacturing a polishing pad using a resin having an independent foaming or continuous foaming structure with a polishing pad using a resin having a non-foaming structure, the above-mentioned 3 None of the performance requirements for two polishing pads were satisfied at the same time. In other words, the polishing pad using a resin having a non-foamed structure can eliminate the problem of clogging of bubbles in the polishing pad using a resin having a foamed structure or improve the planarization performance, but the polishing speed It was not satisfactory in terms of (slurry transfer / holding ability) or wear resistance.
[0015]
[Patent Document 1]
U.S. Pat. No. 4,927,432 (Claims)
[Patent Document 2]
US Pat. No. 5,489,233 (Claims)
[Patent Document 3]
US Pat. No. 5,965,460 (Claims)
[Patent Document 4]
U.S. Patent No. 6,036,579 (Claims, Specification, Column 2, lines 45-56)
[0016]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a polishing pad that has a higher polishing rate than that of a conventional polishing pad, has high uniformity, and has a long life. In particular, an object of the present invention is to provide a polishing pad having a high leveling ability suitable for polishing a thick conductor pattern such as a copper wiring of a damascene wiring or an aluminum wiring pattern. Moreover, it aims at providing the manufacturing method of the above-mentioned polishing pad.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
As a result of studies to solve the above problems, the present inventor has found that the polishing pad is made of a fabric and a non-porous resin, and the fibers constituting the fabric have a small cross-sectional area and a tensile strength at the time of drying. The present inventors have found that a polishing pad, which is a fiber made of a polymer material having a large thickness, exhibits a high leveling ability as well as a high polishing rate.
[0018]
That is, one aspect of the present invention is the following polishing pad invention.
1. A polishing pad used for surface polishing of a wafer for forming a semiconductor integrated circuit, comprising a non-porous resin that fills a gap between a fabric and a constituent fiber of the fabric, and the fiber constituting the fabric has a cross-sectional area of 1 square micron or more A polishing pad, which is a fiber made of a polymer material of 70 square microns or less and a tensile strength of 0.26 N / tex or more when dried.
2. 2. The polishing pad according to 1 above, wherein the fabric is a fabric composed of fibers containing at least one kind of split fibers.
3. 3. The polishing pad according to any one of the above 1 or 2, wherein the fiber constituting the fabric is at least one fiber selected from the group consisting of polyester fiber, acrylic fiber, and polyamide fiber.
4). 4. The polishing pad according to any one of 1 to 3 above, wherein the fabric is a fabric subjected to a surface treatment by irradiation with actinic radiation.
[0019]
In addition, the second aspect of the present invention is an invention of a manufacturing method of the following polishing pad.
5. A method for producing a polishing pad used for surface polishing of a wafer for forming a semiconductor integrated circuit, wherein a photosensitive resin composition is made from 1 to 70 square microns in cross-sectional area and has a tensile strength of 0.26 N / tex or more when dried. A method for producing a polishing pad, comprising impregnating a base material made of a fabric made of a polymer material, and then curing the resin composition by irradiating the resin composition with ultraviolet light or visible light.
6). After a surface treatment by actinic irradiation is performed on a fabric made of a polymer material having a cross-sectional area of 1 square micron or more and 70 square micron or less and a tensile strength at drying of 0.26 N / tex or more, photosensitivity is applied. 6. The method for producing a polishing pad according to 5 above, wherein the substrate composed of the fabric is impregnated with the resin composition, and the resin composition is cured by irradiation with ultraviolet rays or visible light.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be specifically described below.
The polishing pad of the present invention is a fabric composed of fibers made of a polymer material having a cross-sectional area of 1 square micron or more and 70 square micron or less and a tensile strength at drying of 0.26 N / tex (3.0 g / denier) or more. And a non-multihard resin that fills the gaps between the constituent fibers of the substrate. In addition, the cross-sectional area of a fiber here shall mean the cross-sectional area of a cross section perpendicular | vertical to the longitudinal direction of a fiber.
[0021]
In the present invention, the fiber may be a split fiber. The split fiber refers to a single fiber that can be split into two or more partial fibers in the longitudinal direction. The split fiber is divided into the individual partial fibers constituting the single fiber, so that each partial fiber has a blade-like cross-sectional structure with an edge. It is said that will increase. In addition, the gap between each partial fiber after the single fiber is divided functions as a place for capturing the abrasive grains in the slurry, and at the same time, the polishing rate can be secured, and the cross-sectional area of each partial fiber after the division is Since it is small, it has excellent planarization performance as will be described later. Accordingly, the split fibers are suitable as fibers constituting the fabric that is the base material of the polishing pad of the present invention. A preferred example of the split fiber is a composite fiber made of 65% polyester and 35% nylon.
[0022]
Although there are cuts between the partial fibers of the split fibers, in the polishing pad based on the fabric composed of the split fibers, the non-porous resin that fills the gaps between the constituent fibers of the fabric In the buried state, the single fiber may or may not be divided into each partial fiber. However, when the single fibers are exposed on the polishing surface of the polishing pad, the single fibers are divided into partial fibers for conditioning or loading by the wafer. Therefore, the cross-sectional area of the fiber in the present invention refers to the cross-sectional area of each partial fiber after being divided when the fiber is a split fiber.
[0023]
Further, unlike the conventional non-foamed polishing pad, the polishing pad of the present invention has a tough structure as a whole by using a base material made of a continuous cloth over the entire polishing pad. . Therefore, the amount of wear when polishing is repeated can be suppressed, and the number of wafers that can be polished with one polishing pad can be increased.
Furthermore, in the polishing pad of the present invention, the concavo-convex structure on the order of several tens of microns, which is derived from the fibers constituting the fabric exposed on a part of the polishing surface of the polishing pad, contributes to efficient transfer and holding of the slurry. In addition, it is possible to achieve a high polishing rate. In addition, by using the uneven structure resulting from the structure of the fabric itself, problems such as clogging of closed cells of a polishing pad with a foam structure and scratches due to entanglement of polishing debris into open cells are avoided. It becomes possible to do.
[0024]
The fabric used as the substrate in the polishing pad of the present invention may be a woven fabric or a nonwoven fabric, but a nonwoven fabric is more preferably used. As a method for producing a nonwoven fabric, a dip adhesion method, a needle punch method, a spun bond method, a stitch bond method, a wet water jet method, or the like is known, but as a fabric used in the present invention, a polishing rate is high. In order to keep it uniform, a high density and homogeneous material is preferable. A non-woven fabric produced by a water jet method is an example of a preferable one. Moreover, what compressed and densified the nonwoven fabric produced by the other method with a press etc. is also preferable.
[0025]
Further, the constituent fiber of the base material is preferably a fiber made of a polymer material having a tensile strength of 0.26 N / tex (3.0 g / denier) or more when dried, and is 0.40 N / tex (4.5 g). / Denier) A fiber made of a polymer material having a tensile strength equal to or higher than that is more preferable. A fiber made of a polymer material having a tensile strength of less than 0.26 N / tex is difficult to achieve a high polishing rate because the force pressing the abrasive grains against the surface to be polished of the wafer is weak. Examples of fibers made of a polymer material having a tensile strength of 0.26 N / tex (3.0 g / denier) or more when dried include acrylic fibers, polyamide fibers, and polyester fibers. The tensile strength of the polymer material is obtained based on a measurement method defined in JIS L1013 (chemical fiber filament yarn test method) in a state where the polymer material is spun into a chemical fiber filament yarn. Tex refers to the number of grams per 1 km of fiber.
[0026]
As a result of investigation by the present inventor, in the case of a polishing pad using a nonwoven fabric as a base material, the amount of fibers protruding from the polishing surface of the polishing pad (hereinafter referred to as “fluffing”) and its cross-sectional area are determined as the polishing pad. It has been found to play an important role in performance.
As a result of examination by the present inventors, a polishing pad made of a non-porous resin that fills the gap between the fabric and the fibers constituting the fabric has a tensile strength of 0.26 N / tex (3.0 g / denier) or more when dried. When a fiber made of a polymer material having the same was used, the polishing rate could be increased when the cross-sectional area of the fiber was large. The reason for this is considered to be that the space for holding the slurry or abrasive grains has also increased because the distance between the wafer and the polishing surface of the polishing pad increases in accordance with the cross-sectional area of the fibers. However, since the tensile strength of one fiber is as large as 0.26 N / tex (3.0 g / denier) and the fluff is difficult to bend, the flattening performance cannot be kept good. On the other hand, in the present invention, it has been found that a good flattening performance can be obtained while maintaining the polishing rate by configuring the fabric as the base material with fibers having a large tensile strength but a small cross-sectional area. .
[0027]
The cross-sectional shape of the fibers constituting the fabric that is the base material of the polishing pad of the present invention may be circular or elliptical. In addition to the above-mentioned split fibers, non-woven fabric made of porous fibers having pores in the cross section or fibers having irregular cross sections is also preferably used for the fabric that is the base material of the polishing pad of the present invention.
The fabric used for the base material of the polishing pad of the present invention is a fiber made of a polymer material having a cross-sectional area of 1 to 70 square microns and a tensile strength of 0.26 N / tex (3.0 g / denier) or more. When the fabric is made of the above, it is possible to obtain a polishing performance balanced between a high polishing rate and a good flattening performance. The cross-sectional area is preferably 1 square micron or more and 50 square micron or less, and more preferably 1 square micron or more and 30 square micron or less. When the cross-sectional area is larger than 70 square microns, although the polishing rate is high, the amount of fluffing is large, so that the value of dishing and erosion becomes large, which is not preferable. Moreover, when the cross-sectional area is less than 1 square micron, the ability to hold the slurry is lowered, so that the polishing rate is lowered, which is not preferable.
[0028]
The slurry for polishing the wafer having the copper pattern of the damascene wiring described above using the polishing pad of the present invention is a slurry that uses aluminum oxide or fumed silica as abrasive grains and is polished mainly by mechanical action. Is preferable to obtain a high polishing rate.
It is also preferable that the fabric which is the base material of the polishing pad of the present invention is subjected to a treatment for modifying the fiber surface. Such a process is considered to produce two effects. One is that the bonding between the resin and the fabric is increased, and the fibers constituting the fabric are pulled out from the resin during the conditioning process on the polishing pad surface, or the fibers constituting the fabric are not fluffed more than necessary when exposed from the polishing surface. In this way, the effect is that the long exposed yarn is not taken out on the polished surface. Second, by controlling the mechanical properties of the fabric, it is easy to adjust the length and amount of the fiber exposed on the polished surface updated by the conditioning treatment.
[0029]
In general, there are roughly two methods for modifying the fiber surface. One is a chemical treatment method performed in a wet process, and the other is a physical process method performed in a dry process. The chemical treatment method is a method of treating fibers mainly using a large amount of water or chemicals, and there are methods such as chemical treatment, coating, electrodeposition, and grafting. It is modified by coating the fiber that is the raw material of the fabric with a resin having various functions, or oxidizing and etching the fiber surface with acid or alkali. The chemical treatment method has a feature that the treatment can be modified from the fiber surface to a relatively deep place.
[0030]
On the other hand, the physical treatment method is a method of treating the fiber surface with light, plasma, electron beam, etc., and discharge treatment (corona discharge treatment, glow discharge treatment), flame treatment, ozone treatment, ionizing active ray treatment (ultraviolet light) There are methods such as irradiation, electron beam irradiation, radiation irradiation, laser irradiation and ion beam processing. It is modified by imparting a functional group to the fiber as a raw material of the fabric by glow discharge or by surface oxidation or cross-linking by flame treatment. The physical processing method has a feature that only the fiber surface can be modified while maintaining the original properties of the fiber as a bulk.
[0031]
As a result of investigation by the present inventor, it has been found that, among these treatment methods, applying surface treatment by irradiation with actinic rays such as ultraviolet rays is effective in suppressing dishing. The reaction mechanism of surface treatment by actinic irradiation mainly consists of photo-cleaning effect and surface modification effect. The former is a reaction in which an organic compound adhering to the surface as a contaminant is decomposed to a gas level by actinic radiation having very high energy. The latter is a reaction in which the surface is modified by once breaking the bond of the main chain or side chain of the polymer with the energy of actinic radiation and rebonding the broken bond.
[0032]
As actinic radiation used for actinic radiation in the present invention, actinic radiation having a wavelength of 100 to 400 nm can be used. From the viewpoint of the modification effect of polyester fibers, nylon fibers, etc., actinic rays having a wavelength of 150 to 250 nm are preferred, and actinic rays having a wavelength of 160 to 200 nm are more preferred. The energy value of the irradiated actinic radiation is 600 mJ / cm. 2 1200 mJ / cm 2 The following is preferred, 1000 mJ / cm 2 1200 mJ / cm 2 The following is more preferable.
[0033]
When the actinic radiation treatment is applied to the fabric, the difference in properties exhibited by the fabric includes a change in the water absorption (wetting property) of the fiber. This is thought to be due to the light cleaning effect (decomposition of impurities) and the surface modification effect (introduction of polar groups on the fiber surface) caused by actinic radiation. For example, in the case of a fabric made of nylon fiber, actinic radiation having a wavelength of 172 nm is 600 mJ / cm. 2 Irradiation improved the water absorption by about 2 times. Moreover, in the case of the cloth which consists of polyester fibers, water absorption was hardly shown before the actinic radiation treatment, but it became water absorptive by the actinic radiation treatment.
[0034]
The water absorption referred to here was evaluated by the water absorption rate measured by the following procedure. (1) Cut out the fabric to a size of 9.0 × 0.5 mm. (2) It is immersed in a container containing water in which a dye (malachite green) is dissolved to a depth of 1 cm. (3) After 10 seconds, the height (mm) of the colored portion of the fabric from the water surface is measured and divided by 10 to obtain the water absorption rate (mm / s).
Actinic radiation also affects the fiber surface morphology. For example, in nylon, the fiber surface is usually flat, but after the actinic radiation treatment, a striped pattern that appears to have occurred by etching with actinic radiation occurred on the fiber surface. The above-mentioned improvement in water absorption is considered to be a difference derived from the difference in the surface form.
[0035]
The fact that the wettability between the fibers and the resin has been improved by the above-mentioned actinic radiation treatment of the fabric is supported by the microscopic observation of the interface between the fibers and the resin after the production of the polishing pad. In the polishing pad that was not subjected to the above-mentioned actinic radiation treatment, there were portions where small pores were observed at the interface between the fiber and the resin. However, in the polishing pad subjected to actinic radiation treatment, almost no voids were observed at the interface, and a difference in wettability between the two was confirmed.
[0036]
Generally, when there is a lot of fluffing on the polishing surface of the polishing pad, this causes extra polishing of the wiring portion and the like, which is considered to deteriorate the flatness of the surface to be polished. Therefore, not only the above-described cross-sectional area of the fibers constituting the fabric, but also the improvement of the wettability of the fabric and the change in strength due to the above-mentioned actinic radiation treatment affect the polishing characteristics of the polishing pad based on the fabric. it is conceivable that.
[0037]
In the present invention, it is possible to control the fluffing of the polished surface by actinic radiation treatment. As a result of microscopic observation by the present inventor, a lot of fluff of long fibers was generated on the polishing surface of a polishing pad based on a cloth that was not irradiated with actinic radiation. On the polishing surface of the polishing pad having a base material, the fiber fluff was cut short. The cause of this is presumed from the striped pattern generated on the surface of the nylon fiber described above, that the fiber break strength is reduced by irradiation with actinic radiation to make it easy to cut during conditioning treatment, and the fibers and resins constituting the fabric As a result of improving the wettability of the resin and improving the adhesive strength at the interface, it is considered that the release of the fiber from the resin is suppressed. In other words, the length of the fluff exposed on the polishing surface can be adjusted by actinic radiation treatment, and further improvement of the flattening failure that has been a problem with a continuous foam structure polishing pad using a conventional nonwoven fabric becomes possible. .
[0038]
The resin used in the polishing pad of the present invention needs to be a non-porous resin, but is preferably a non-porous photo-curing resin. When producing a non-porous polishing pad of the present invention using a thermosetting resin, the polishing pad may be warped due to residual stress after curing resulting from heat distribution or the like, whereas a photo-curing resin is used. When used, such a problem is unlikely to occur because the reaction proceeds uniformly in a short time.
The photo-curing resin is obtained by irradiating a photo-sensitive resin composition with ultraviolet rays or visible light, and the photo-curing resin composition is composed of at least a photo-polymerizable polymer or oligomer and a photo-polymerizable monomer. Including at least one.
[0039]
Examples of the photopolymerizable polymer or oligomer include unsaturated polyester, polyether (meth) acrylate, polyester (meth) acrylate, polybutadiene (meth) acrylate, and epoxy (meth) acrylate.
As said photopolymerizable monomer, the compound which has an at least 1 or more ethylenically unsaturated group in the terminal or a side chain is preferable. An ethylenically unsaturated group refers to what is contained in acrylate, methacrylate, vinyl, allyl and the like. Specifically, lauryl (meth) acrylate, N- (3-dimethylaminopropyl) (meth) acrylamide, hydroxyethyl (meth) acrylate, hydroxypropyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, propyl (meth) acrylate Compounds having one ethylenically unsaturated group such as ethylene glycol di (meth) acrylate, diethylene glycol di (meth) acrylate, 1,4-butanediol di (meth) acrylate, 1,6-hexanediol di ( (Meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, glycerin di (meth) acrylate, triethylene glycol di (meth) acrylate, polyethylene glycol # 200 di (meth) acrylate, polyethylene glycol 400 di (meth) acrylate, 1,3-butanediol di (meth) acrylate, neopentyl glycol di (meth) acrylate, 1,10-decanediol di (meth) acrylate, bisphenol A ethylene oxide adduct Di (meth) acrylate, triallyl isocyanurate, isocyanuric acid ethylene oxide modified di (meth) acrylate, isocyanuric acid ethylene oxide modified tri (meth) acrylate, ethylene oxide modified trimethylolpropane tri (meth) acrylate, pentaerythritol tri (Meth) acrylate, pentaerythritol tetra (meth) acrylate, dipentaerythritol hexa (meth) acrylate, 1,9-nonanediol di (meth) acrylate, pentaerythris Tri (meth) acrylate of 3 molar ethylene oxide adduct of tall, oligo propylene glycol di (meth) acrylate, a polyfunctional monomer such as polytetramethylene glycol di (meth) acrylate.
[0040]
Alternatively, hydroxy (meth) acrylates such as pentaerythritol tri (meth) acrylate, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2-hydroxypropyl (meth) acrylate and 2-hydroxybutyl (meth) acrylate are reacted with monoisocyanate. A photopolymerizable monomer containing a urethane group in the molecule is also preferable.
Moreover, the photopolymerizable monomer which contains the urethane group obtained by making the hydroxyl-containing compound and monoisocyanate which has an ethylenically unsaturated group react is also preferable.
[0041]
Specific examples include polyether polyols such as poly (oxypropylene) polyol, copoly (oxyethylene-oxypropylene) diol, and polytetramethylene ether diol, polyester polyols such as polyester polyol, polycaprolactone polyol, and polycarbonate polyol, 1,4-butanediol, 1,5-pentadiol, 1,6-hexanediol, linear polyols such as polybutadiene polyol, trimethylolpropane, neopentyl glycol, methylpentanediol, acrylic polyol, phenol resin polyol, epoxy Polyol, polyester polyether polyol, carbonate polyol, ethylene glycol, diethylene glycol, propylene glycol, di By reacting hydroxyl-containing compounds such as propylene glycol, caprolactone diol, hydroxyethoxylated bisphenol A, hydroxyethoxylated bisphenol S, monofunctional alcohols and saturated / unsaturated polyesters with monoisocyanates having ethylenically unsaturated groups The photopolymerizable monomer obtained is mentioned.
[0042]
In addition, any one of these hydroxyl group-containing compounds or a combination thereof can be used. The hydroxyl group-containing compound preferably has a plurality of hydroxyl groups in the molecule.
As the above-mentioned monoisocyanate, 2-isocyanate ethyl methacrylate, phenyl isocyanate, 3-isocyanatopropyltriethoxysilane and the like are preferable. Among them, 2-isocyanate ethyl methacrylate has an ethylenically unsaturated group that functions as a bonding point for light or heat curing, and 2-isocyanate ethyl methacrylate and other monoisocyanates having no ethylenically unsaturated group The hardness of the polishing pad can also be controlled by adjusting the mixing ratio.
[0043]
On the other hand, when a monoisocyanate obtained by reacting one isocyanate group of diisocyanate with a hydroxyl group-containing compound is used, the aggregation of the resin after photocuring becomes unfavorable. This means that polishing scraps having a large diameter are likely to be generated when used for polishing, and the possibility of causing scratches on the object to be polished is increased.
In this invention, it is preferable to mix | blend and use 80-5 mass% of photopolymerizable monomers with respect to 20-95 mass% of photopolymerizable polymers or oligomers. More preferably, the photopolymerizable polymer or oligomer is 30 to 80% by mass, and the photopolymerizable monomer is 70 to 20% by mass.
[0044]
In the present invention, the photosensitive resin composition contains the photopolymerizable polymer or oligomer and / or the photopolymerizable monomer, and is usually used by adding a photopolymerization initiator. Examples of the photopolymerization initiator include benzophenones, acetophenones, α-diketones, acyloins, acyloin ethers, benzyl alkyl ketals, polynuclear quinones, thioxanthones, and acylphosphines. It is done. Specifically, benzophenone, chlorbenzophenone, acetophenone, benzyl, diacetyl, benzoin, bivalloin, benzoin methyl ether, benzoin ethyl ether, benzyl diethyl ketal, benzyl diisopropyl ketal, anthraquinone, 1,4-naphthoquinone, 2-chloro Anthraquinone, thioxanthone, 2-chlorothioxanthone, acylphosphine oxide and the like are preferable. These may be used alone or in combination.
[0045]
Moreover, it is preferable that 1-20 mass parts is added and used for a photoinitiator with respect to 100 mass parts of total amounts of the said photopolymerizable polymer or oligomer, and a photopolymerizable monomer. In the present invention, it is preferable to use a photoinitiator having high photosensitivity because the light transmittance decreases due to the presence of the fabric.
Furthermore, other additives can be appropriately added to the photosensitive resin composition as long as the effects of the present invention are not impaired.
[0046]
The polishing pad of the present invention is obtained by irradiating the cloth with the photosensitive resin composition by coating or dipping or the like, and then irradiating with ultraviolet light or visible light having a wavelength corresponding to the photosensitivity of the resin composition. The resin composition is cured to obtain a photocured resin.
The non-porous resin in the polishing pad of the present invention refers to a resin having a porosity of 10% or less. The porosity is defined as follows. Ten points are sampled from the object whose porosity is to be measured, the sample piece is sliced to obtain a cross section, and a 60 × photograph is taken with an optical microscope or an electron microscope. The area ratio of the holes in the cross-sectional area of 1 mm in length and 1 mm in width of the sliced sample piece is obtained by image processing or the like, and the average value at 10 points is defined as the porosity. Here, the porosity of the resin portion when the polishing pad is configured to include the fabric portion and the resin portion as in the present invention is the porosity (vacancy rate) calculated for the portion excluding the fabric in the polishing pad. The area of the hole / the area of the polishing pad excluding the fabric (resin area + hole area)). The resin used for the polishing pad of the present invention is non-porous, and the porosity of the polishing pad is 10% or less even if air bubbles mixed in the cloth impregnation step exist. In order to maintain the polishing rate and the uniformity of polishing, the porosity of the polishing pad is preferably 5% or less, and more preferably 2% or less.
[0047]
Since the polishing pad of the present invention uses a non-porous resin as described above, it does not have air permeability, and holds and transports slurry through open cells, like a conventional continuous foam structure polishing pad. I can't. Therefore, it is necessary to provide a concavo-convex structure (on the order of several hundred microns) over the entire polishing surface of the polishing pad such as a lattice, concentric circle, or spiral groove by processing. However, since it is not porous like a polishing pad having a continuous foam structure, non-uniform polishing due to bubble distribution and compression characteristics does not occur. The polishing surface of the obtained polishing pad is used by exposing the base material by conditioning treatment as necessary and forming the groove 2 shown in FIG. 1 by cutting.
The ratio of the base material to the resin in the polishing pad of the present invention is preferably configured such that the resin is 50 to 99.5% by mass, and more preferably 70 to 95% by mass. The ratio of the base material to the resin can be controlled by the bulk density of the fabric serving as the base material.
[0048]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically by way of examples.
The following test methods were used to evaluate the cross-sectional area of the fibers constituting the fabric that is the base material of the polishing pad and the polishing performance of the polishing pad.
(A) Measurement of fiber cross-sectional area
First, the cloth was cut with a cutter, and a gold thin film was formed on the cut surface in order to impart conductivity. Next, the cross-section was observed using an S-2400 electron microscope manufactured by Hitachi, Ltd., and a cross-section cut perpendicular to the longitudinal direction of the fiber was found and a photograph was taken. The area of the cross section was calculated by image processing.
(B) Polishing performance of the polishing pad
The polishing characteristics of the polishing pad were measured using 500STZ-6 manufactured by NANOTECH as a CMP polishing apparatus. The polishing rate was evaluated by polishing a test wafer having a copper layer on the entire surface. In the evaluation of the dicing, in a test wafer including a copper wiring having a width of 100 μm and a space having a width of 100 μm, the height of the central portion of the copper pattern and the central portion of the space portion after polishing so that the polishing amount of the copper portion becomes 1200 nm. The difference in thickness was measured using a surface level meter DEKTAK3 manufactured by ULVAC. The amount of wear was measured by a dressing process of # 100 diamond size.
[0049]
<Example 1>
Preparation of the photosensitive resin composition was performed in the following procedures.
(A) An unsaturated polyester having a molecular weight of 2400 synthesized by an ordinary polycondensation reaction at a ratio of 1 mol part of diethylene glycol, 0.5 mol part of adipic acid, and 0.5 mol part of fumaric acid is used as a urethanization catalyst. After adding butyltin laurate, 6.3% 2-isocyanatoethyl methacrylate in a weight ratio with respect to the polyester was added dropwise with stirring to perform a urethanization treatment. In addition, the said urethanization catalyst was added so that it might become a ratio of 5% by weight ratio with respect to 2-isocyanate ethyl methacrylate.
(B) After adding di-N-butyltin laurate as a urethanization catalyst to 3-methyl-1,5-pentanediol, 2 mol parts of 2-isocyanatoethyl methacrylate are stirred with respect to 1 mol part of the diol. While being dropped, urethane treatment was performed. In addition, the said urethanization catalyst was added so that it might become a ratio of 5% by weight ratio with respect to 2-isocyanate ethyl methacrylate.
(C) After adding di-N-butyltin laurate as a urethanization catalyst to caprolactone diol, 2 mol of 2-isocyanatoethyl methacrylate is added dropwise with stirring to 1 mol of the diol and urethanated. Went. In addition, the said urethanization catalyst was added so that it might become a ratio of 5% by weight ratio with respect to 2-isocyanate ethyl methacrylate.
[0050]
(A), (B), (C) urethanated compound and (D) triallyl isocyanurate, which have been reacted, are mixed at a weight ratio of 1: 1: 1: 0.2. 2,2-dimethoxy-2-phenylacetophenone as a photopolymerization initiator, 2,6-di-tert-butyl-4-methylphenol as a polymerization inhibitor, (A), (B), (C), ( The photosensitive resin composition which is a viscous liquid was prepared by adding 2% and 0.038% by weight to the total amount of D).
[0051]
65% polyester with a tensile strength of 0.38 N / tex when dried and a cross-sectional area of each divided fiber of 24 square microns, and a tensile strength of 0.43 N / tex when dried and each portion after dividing Bulk density of 0.30 g / cm consisting of 35% nylon split fibers with a cross-sectional area of 24 square microns 3 A 1.0 mm thick non-woven fabric was impregnated with the photosensitive resin composition prepared in the above procedure, and cured by irradiating with ultraviolet rays from both sides to prepare a polishing pad having a diameter of 51 cm.
The porosity of the polishing pad (area calculated for a portion excluding the fabric portion in the polishing pad) was 4.0%. After the groove for slurry transfer is provided in this polishing pad by cutting, this polishing pad is attached to the CMP polishing device, and the average polishing rate of the copper film on the silicon wafer is measured using the alumina abrasive slurry. As a result, a maximum polishing rate of 740 nm / min was obtained. Further, the dicing at this time was 330 nm. The amount of wear of the polishing pad was measured and found to be 0.1 μm / min.
[0052]
<Example 2>
65% polyester with a tensile strength of 0.38 N / tex when dried and a cross-sectional area of each divided fiber of 24 square microns, and a tensile strength of 0.43 N / tex when dried and each portion after dividing Bulk density of 0.30 g / cm consisting of 35% nylon split fibers with a cross-sectional area of 24 square microns 3 The actinic radiation treatment was performed on the 1.0 mm thick non-woven fabric using an excimer VUV / O3 cleaning device manufactured by USHIO ELECTRIC CO., LTD. A Xe excimer lamp having a wavelength of 172 nm was used as the light source, the distance between the light source and the sample was set to 1 mm, and 1178 mJ / cm 2 The amount of energy corresponding to was irradiated. The non-woven fabric modified by the actinic radiation treatment was impregnated with the same photosensitive resin composition as in Example 1, and cured by irradiating ultraviolet rays from both sides to prepare a polishing pad having a diameter of 51 cm.
The porosity of the polishing pad (area calculated for a portion excluding the fabric portion in the polishing pad) was 2.6%. In this polishing pad, the side of the non-woven fabric subjected to actinic radiation treatment is used as a polishing surface, and a groove for transferring slurry is provided on the polishing surface by cutting, and then the polishing pad is attached to a CMP polishing apparatus to obtain an alumina polishing pad. When the average polishing rate of the copper film on the silicon wafer was measured using the slurry of grains, a maximum polishing rate of 600 nm / min was obtained. Further, the dicing at this time was 200 nm. The amount of wear of the polishing pad was measured and found to be 0.1 μm / min.
[0053]
<Example 3>
A bulk density of 0.28 g / cm made of polyester fiber having a tensile strength of 0.38 N / tex when dried and a cross-sectional area of 20 square microns. 3 A photosensitive resin composition containing 65% by mass of an unsaturated polyester oligomer, 17% by mass of a hydroxyl group-containing monofunctional monomer, 16% by mass of another monomer, and 2% by mass of a photopolymerization initiator in a 1.0 mm thick nonwoven fabric. It was impregnated and cured by irradiating ultraviolet rays from both sides to prepare a polishing pad having a diameter of 51 cm.
The porosity of the polishing pad (area calculated for a portion excluding the fabric portion in the polishing pad) was 0.2%. After the groove for slurry transfer is provided in this polishing pad by cutting, this polishing pad is attached to the CMP polishing device, and the average polishing rate of the copper film on the silicon wafer is measured using the alumina abrasive slurry. As a result, a maximum polishing rate of 560 nm / min was obtained. Further, the dicing at this time was 130 nm. The amount of wear of the polishing pad was measured and found to be 0.5 μm / min.
[0054]
<Comparative Example 1>
Bulk density 0.26g / cm made of nylon fiber with a tensile strength of 0.43N / tex when dried and a cross-sectional area of 80 square microns 3 A 1.0 mm thick non-woven fabric was impregnated with the same photosensitive resin composition as in Example 3, and cured by irradiating ultraviolet rays from both sides to prepare a polishing pad having a diameter of 51 cm.
The porosity of the polishing pad (area calculated for a portion excluding the fabric portion in the polishing pad) was 0%. After the groove for slurry transfer is provided in this polishing pad by cutting, this polishing pad is attached to the CMP polishing device, and the average polishing rate of the copper film on the silicon wafer is measured using the alumina abrasive slurry. As a result, a maximum polishing rate of 580 nm / min was obtained. However, the dicing at this time was as large as 420 nm. The amount of wear of the polishing pad was measured and found to be 0.5 μm / min.
[0055]
<Comparative example 2>
Bulk density of 0.23 g / cm made of rayon fiber with a tensile strength of 0.18 N / tex when dried and a cross-sectional area of 100 square microns 3 A 1.0 mm thick non-woven fabric was impregnated with the same photosensitive resin composition as in Example 3, and cured by irradiating ultraviolet rays from both sides to prepare a polishing pad having a diameter of 51 cm.
The porosity of the polishing pad (area calculated for a portion excluding the fabric portion in the polishing pad) was 2.0%. After the groove for slurry transfer is provided in this polishing pad by cutting, this polishing pad is attached to the CMP polishing device, and the average polishing rate of the copper film on the silicon wafer is measured using the alumina abrasive slurry. As a result, a maximum polishing rate of 240 nm / min was obtained. In addition, the dicing at this time was 250 nm. The amount of wear of the polishing pad was measured and found to be 0.5 μm / min.
[0056]
【The invention's effect】
The polishing pad of the present invention has an effect that a high polishing rate can be obtained as compared with the conventional polishing pad, the uniformity is high, and the life is long. In particular, in polishing a thick conductor pattern such as a copper wiring of a damascene wiring or an aluminum wiring pattern, there is an effect that the planarization ability is high. Moreover, in the manufacturing method of the polishing pad of this invention, the manufacturing method of the above-mentioned polishing pad is provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a cross section of an example of a polishing pad of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Polished surface
2 groove