JP2005015951A - Leathery sheet-shaped product and method for producing the same - Google Patents

Leathery sheet-shaped product and method for producing the same Download PDF

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a leathery sheet-shaped product excellent in moisture permeability, hydraulic pressure resistance and touch feeling, and to provide a method for producing the same. <P>SOLUTION: The leathery sheet-shaped product is such that the surface of a base comprising a polymeric elastomer and extra-fine fibers is provided with a skin layer of a polymeric elastomer. In the sheet-shaped product, the skin layer has a three-layer structure composed of a solid layer, porous layer and binder layer, wherein the solid layer has fine openings each smaller than 5μm in diameter on the surface of the solid layer, the section of the porous layer has voids 5-200μm in mean diameter, the extra-fine fibers in fiber bundles are intruded into the binder layer, and although the polymeric elastomer constituting the binder layer surrounds the outer circumference of the fiber bundles, no polymeric elastomer exists inside the fiber bundles. The method for producing the leathery sheet-shaped product comprises forming a 2nd layer of a polymeric elastomer containing microparticles soluble with a solvent and a 1st layer of the polymeric elastomer containing no such microparticles followed by dissolving and removing the microparticles with the solvent. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮革様シート状物およびその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、透湿、耐水、及び風合いに同時に優れた銀付き調の皮革様シート状物およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
天然皮革の代替物として、繊維と高分子弾性体を用いた人工皮革が皮革様シート状物として広く用いられている。だが、特に銀面を有する銀付き調人工皮革においては、強度的には優れるものの、天然皮革に比べて透湿及び風合いの面では不充分な点が多かった。
【0003】
例えば銀付き調人工皮革としては、極細繊維と高分子弾性体とからなる基体上に、通常の充実高分子弾性体をラミネート法やグラビア法によって表皮として塗布した人工皮革や、湿式凝固法による多孔ポリウレタン層を表皮として付与した人工皮革がある。
【0004】
しかし、通常の充実高分子弾性体を、ラミネート法やグラビア法を用いて繊維を含む基体上に直接塗布した場合には、開口部の存在しない密度の高い充実層となり、透湿性が悪く、風合いに劣るという問題があった。
【0005】
また、湿式凝固法による多孔ポリウレタン層を用いた場合でも、風合いこそ向上するものの、その表面には、湿式凝固特有の皮膜層が形成され、透湿が得られにくいという問題があった。そのため、例えば特許文献1には、湿式多孔層表面を形成する高分子弾性体の良溶剤を含む高分子弾性体溶液を表面に塗布して、人工皮革の表面に開放孔を有する充実層を形成させる方法が開示されている。しかしこのようにして人工皮革表面に開孔部を形成させることはできるものの、その開孔部は比較的大きく充実層も薄いために、耐水圧について劣っているという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−820665号公報
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、これら従来の皮革様シート状物では持ち得なかった透湿、耐水圧、及び風合いに優れた皮革様シート状物およびその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の皮革様シート状物は、高分子弾性体と極細繊維とからなる基体上に、高分子弾性体からなる表皮層が存在するシート状物であって、表皮層が表面側から充実層、多孔層、バインダー層の3層構造を有し、充実層の表面に直径が5μm未満の微小開口部が存在し、多孔層の断面に平均直径が5〜200μmの空隙が存在し、バインダー層内には基体を構成する極細繊維が繊維束状態で侵入し、バインダー層を構成する高分子弾性体が該繊維束の外周を包囲しているが、繊維束の内部には高分子弾性体が存在していないことを特徴とする。さらには、透湿度が2000g/m・24hr以上であり、耐水圧が1.9kPa以上であることや、充実層の厚さが1〜50μmであることが好ましい。
【0008】
また、本発明の皮革様シート状物の製造方法は、溶剤(1)に対する溶解性の異なる2つ以上の成分からなる極細繊維形成性の複合繊維と高分子弾性体からなる基体上に、溶剤(2)に対する膨潤率が10〜300%である高分子弾性体(A)層と、溶剤(2)で溶解される微粒子を含有する高分子弾性体(B)層と、基体中に浸透しているバインダー層とからなる表皮層を形成し、次いで溶剤(1)を用いて複合繊維を極細繊維化し、溶剤(2)を用いて微粒子を溶解除去することを特徴とする。さらには、溶剤(1)と溶剤(2)が同一溶剤であることや、溶剤で溶解される微粒子の直径が200μm以下であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる基体は、高分子弾性体と極細繊維からなるものである。ここで用いられる繊維は、織編物でも良いが、風合を向上させるためには不織布が主体であり、織編物は補強用として一部に含むか、全く含まないことが好ましい。
【0010】
さらに本発明で用いられる極細繊維としては、0.2dtex以下、好ましくは0.1dtex以下、特に好ましくは0.0001〜0.05dtexの繊度のものが挙げられる。また、そのような極細繊維の例としては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミド繊維を挙げることができる。高分子弾性体/繊維の比率は、30〜80%であることが好ましく、最も好ましくは40〜60%の範囲である。
【0011】
さらに本発明では、極細繊維の存在形態として繊維束状態を含むものである。例えばこのような繊維としては、多成分繊維の少なくとも一成分を除去し極細化した極細収束繊維等が挙げられる。一つの束に極細繊維が好ましくは、10本から5000本、更に好ましくは、100本から2000本含まれていることが好ましい。
【0012】
基体に好ましく用いられる高分子弾性体としては、特に制限するものではないが、なかでもポリウレタンエラストマー、ポリウレアエラストマー、ポリウレタン・ポリウレアエラストマー等のポリウレタン系高分子が好ましい。このときの高分子は、後に述べる表皮層の高分子弾性体と同じであっても、異なっていても構わないが、好ましくは湿式凝固性の多孔質高分子弾性体であることが好ましい。高分子弾性体の100%伸長モジュラスとしては、390〜3000N/cmであることが好ましい。
【0013】
本発明は、基体上に、高分子弾性体からなる表皮層が存在するシート状物、すなわち銀付調の皮革様シート状物に関するものであり、この高分子弾性体からなる表皮層は表面側から充実層、多孔層、バインダー層の3層構造を有するものである。
【0014】
この3層で形成される表皮層に用いられる高分子弾性体は、共通でもよく、異なっていても良い。このような高分子弾性体としては、ポリウレタンエラストマー、ポリウレアエラストマー、ポリウレタン・ポリウレアエラストマー、ポリアクリル酸樹脂、アクリロニトリル・ブタジエンエラストマー、スチレン・ブタジエンエラストマー等が挙げられるが、なかでもポリウレタンエラストマー、ポリウレアエラストマー、ポリウレタン・ポリウレアエラストマー等のポリウレタン系が好ましい。100%伸長モジュラスは300〜1500N/cmであることが好ましい。100%伸長モジュラスが、300N/cm未満の場合には得られた皮革様シート状物は柔軟性に富むが、耐磨耗性、耐熱性、耐溶剤性等が減少する傾向にある。逆に、1500N/cmを越える場合には得られた皮革様シート状物の風合いが硬くなる傾向や、耐屈曲性、低温時硬さ等の性質が低下する傾向にある。
【0015】
また、表皮層に用いる高分子弾性体は耐溶剤性が高いことが好ましい。より具体的な例を挙げると、80℃の熱トルエン中に3分間浸漬した後の重量減少率が0〜25重量%の範囲であることが、さらには3〜10重量%の範囲であることが好ましい。
【0016】
本発明のシート状物の表皮層のうち、最も表面に存在する充実層は、その表面に直径が5μm未満の微小開口部が存在するものである。さらに好ましくは4μm未満の微小開口部が存在するものであり、下限としては0.1μm以上、さらには0.3μm以上の微小開口部が存在するものであることが好ましい。開口部が5μm以上の場合には大きくなればなるほど通気・透湿性能は良好になっていくが、防水機能の特性値になる耐水圧が低くなるという問題点が出てくる。また、開口部が小さい場合には皮革様シート状物における透湿性能が不十分となり目的の機能を発現することが困難となる傾向にある。
【0017】
また、その表面に存在する開口部の数は1mmあたり10〜1000個の範囲であることが好ましく、より好ましくは25〜750個の範囲であり、もっとも好ましくは50〜500個の範囲である。数が少ない場合、表面において均一な透湿性能がとれにくく、数が多い場合にはその透湿性能は良好になっていくが、表皮層の強度が弱くなり表面の耐摩耗性能が低くなってしまう。
【0018】
このような充実層と次に述べる多孔層とは、断面の電子顕微鏡写真を撮ったときに空隙が観察されるかどうかで区別することができる。充実層では基本的に空隙は存在せず、おそらく多孔層から表面に抜ける開口部が存在するだけである。この開口部は微小であるために表面観察では見つかるものの、断面観察ではほとんど見つからない。
【0019】
さらに本発明では表皮層中の多孔層の断面に平均直径が5〜200μmの空隙が存在することが必要である。さらには空隙の平均直径は100μm未満であることが好ましく、特に10〜50μmであることが好ましい。この空隙の平均直径が小さいとき、その基材の通気性能が低下する傾向にある。一方この空隙の平均直径が大きくなると表皮層の強度が弱くなり、耐摩耗性能や剥離性能が低くなるなどの問題を発生しやすい傾向にある。ただし、ここでの直径は、表面層に垂直な断面を観察した場合の空隙を測定したものであり、必ずしも空隙の最大径を測定したものではない。また空隙が楕円状の場合には、その空隙の最大径を直径とする。本発明のシート状物は柔軟なために変形しやすく、張力がかかって開孔部が楕円となることが多く、このような場合、その最大径が品質に大きく影響するためである。
【0020】
また、多孔層の多孔を構成する各空隙の断面において、外接円の直径の内接円の直径に対する比が2以下であることが好ましい。さらにはその直径の外接円/内接円は1.5以下であることが好ましい。また本発明では、その多孔を構成する各空隙の形状がおおおよそ球形であることが好ましく、ここで各空隙の形状が球形とは、その空隙の形状が球形に近ければ足り、さらには湿式凝固法による空隙と異なり、空隙の壁面に凹凸が存在しない孔であることが好ましい。本発明ではさらに比較的均一な大きさの空隙が多く存在していることが好ましく、本発明における多孔構造は、高分子弾性体の湿式凝固法における三角形状の多孔構造を持ったものとは明らかに異なっており、独立多孔構造ではあるが、その一部の孔において部分的にそれぞれつながっていることが好ましい。
【0021】
本発明の皮革様シート状物では、表皮層の表面と反対側の基体側にはバインダー層が存在する。このバインダー層内には、基体を構成する極細繊維が繊維束状態で侵入し、バインダー層を構成する高分子弾性体が該繊維束の外周を包囲してはいるが、繊維束の内部には高分子弾性体が存在していないことが特徴である。さらに表皮層の中間層である多孔層と異なり、バインダー層が最表面層と同じく充実層であることが好ましく、接着力を高くすることができる。このようにバインダー層が充実層であり高密度である場合には、繊維束間の空隙の存在が本発明の通気、透湿に大きく寄与している。またこのように極細繊維が繊維束で存在する場合には、繊維目付に比して繊維間空隙が大きいので高分子弾性体は大きな塊で存在し、弾性体としての性質が強く引き出され変形しやすい。それに比して逆にバインダー層内に極細繊維が繊維束ではなくそのまま極細単繊維の状態で侵入している場合には、極細単繊維が高分子弾性体間に密に存在し、極細単繊維に補強された高分子弾性体が硬く変形しにくいものとなりやすい。極細繊維と高分子弾性体の距離が短く繊維の自由度が低くなり、どうしても固い構造物である層が形成される傾向にあるのである。また、本発明では高分子弾性体は繊維束を包囲して、繊維束内部に高分子弾性体が存在しないので、極細繊維と高分子弾性体間の距離が大きく、繊維の自由度が大きくより柔軟な構造物となり、柔軟な風合を実現できる。
【0022】
本発明では、高分子弾性体が繊維束を包囲しているので、シート状物の小変形時には高分子弾性体のみが変形し小さな応力だけが発生するが、大変形時には補強繊維である高分子弾性体に包囲されている繊維束に変形が伝達され、大きな応力が発生する。このような現象が発生するためには、繊維束が高分子弾性体に充分に囲まれていることが必要であり、できればその断面がほぼ円形であることが好ましい。例えば繊維束の周辺の高分子弾性体に割れ目が存在していたり、その繊維束周囲の空間に、繊維束への応力が伝わりにくい部分、方向が存在すると、高分子弾性体が大変形した時のみ繊維の複合効果が発生するので好ましくない。さらには繊維束を包囲している高分子弾性体の空隙空間を、極細繊維が体積にして20〜80%占めていることが好ましく、さらには30〜70%、最も好ましくは40〜60%を占めている状態が好ましい。繊維束周辺の空隙空間が大きすぎると繊維束への応力が伝わりにくく、伸び止め感の低いものとなる傾向にあり、逆に空隙空間が小さすぎると硬くなる傾向にある。
【0023】
さらに本発明のシート状物における表皮層では、充実層、多孔層の内部に繊維が侵入していないことが好ましい。繊維束が侵入していない充実層、多孔層が表面側に存在することで、表皮層全体が薄層であっても表面への極細繊維の毛羽発生を防ぐことができ、また繊維束が侵入しているバインダー層が強いアンカー効果を発揮するため、物理的な接着力を向上させることができる。
【0024】
さらには、表皮層の全体、あるいは特にバインダー層が架橋タイプの高分子弾性体から構成されていることも好ましい。架橋タイプを用いることによりその表面強度や耐溶剤性を高めることが可能である。
【0025】
さらに本発明では、透湿度が2000g/m・24hr以上であることが好ましい。上限は一般には8000g/m・24hrであり、さらには2000〜5000g/m・24hrの範囲であることが好ましい。またこのように高い透湿度を有しながら、耐水圧が1.9kPa以上であることが好ましい。上限としては500kPa程度であるが、さらには5〜100kPaであることが好ましい。本発明では皮革様シート状物の表面に微小開口部が存在し、かつバインダー層に極細繊維が繊維束状態で存在することによって、このような相反する特性を高レベルで維持することが可能である。
【0026】
また、本発明の皮革様シート状物の多孔構造を有する表皮層では、充実層が1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは3〜20μmであり、さらには5〜20μmであることが最も好ましい。厚すぎると微小な開口部が存在している本発明のシート状物でも、透湿度が低下する傾向にあり、薄すぎると耐水圧が低下する傾向にある。また多孔層の厚さが10〜200μm、密度は0.20〜0.90g/cmであることが好ましい。さらには0.3〜0.7g/cmであることが好ましい。密度が低すぎる場合には高分子弾性体の強度が弱くなり、耐摩耗性能や剥離強力が低いものとなる傾向にあり、密度が高すぎると透湿性能が低下する傾向にある。さらには多孔層の厚さが、10〜200μmであることが好ましく、さらには20〜50μmであることが最も好ましい。密度や厚さが小さいと密度が低すぎる時と同様に表面物性が低下する傾向にあり、逆に大きいと折り曲げ時の小皺外観等の高級外観が低下する傾向にある。
【0027】
このような本発明の皮革様シート状物は、例えばもう一つの本発明である皮革様シート状物の製造方法によって得ることができる。
【0028】
本発明の皮革様シート状物の製造方法とは、溶剤(1)に対する溶解性の異なる2つ以上の成分からなる極細繊維形成性の複合繊維と高分子弾性体からなる基体上に、溶剤(2)に対する膨潤率が10〜300%である高分子弾性体(A)層と、溶剤(2)で溶解される微粒子を含有する高分子弾性体(B)層と、基体中に浸透しているバインダー層とからなる表皮層を形成し、次いで溶剤(1)を用いて複合繊維を極細繊維化し、溶剤(2)を用いて微粒子を溶解除去する方法である。このとき溶剤(1)と溶剤(2)とは異なっていても良いが、生産効率の点から共通であることが好ましい。また、高分子弾性体(A)と高分子弾性体(B)とは異なっていても良いが、溶剤(2)に対する膨潤率が同程度である方が、風合いや接着の面から好ましい。
【0029】
本発明で用いられる、溶剤(1)に対する溶解性の異なる2つ以上の成分からなる極細繊維形成性の複合繊維としては、例えば具体的には、溶剤溶解性の異なる2成分以上の重合体組成物から複合紡糸法、混合紡糸法などにより紡糸し、海島型繊維としたものである。極細繊維化する際には、海島繊維の海成分が易溶解成分であることが好ましい。このとき島成分の繊度は0.2dtex以下、好ましくは0.1dtex以下、特に好ましくは0.0001〜0.5dtexの繊度であることが好ましい。
【0030】
また、そのような溶剤溶解性の異なる2成分以上の重合体組成物の好ましい組み合わせとしては、不溶解成分としてポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルを選定したときには易溶解成分としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリオレフィン類が、不溶解成分としてナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミドを選定した時には易溶解成分としてポリエステル類、ポリオレフィン類が好ましく選定される。
【0031】
本発明で用いるこのような極細繊維形成性の複合繊維と高分子弾性体からなる基体としては、シート状であれば特に制限されるものではなく、複合繊維以外の繊維や、その他の成分を含んでも良く、繊維の形態も各種織編物や不織布のいずれでもよいが、最も好ましくは、繊維質基材に高分子弾性体を含浸凝固させたものである。また繊維質基材も不織布をベースとするものであることが好ましい。例えば繊維を不織布化するには、公知のカード、レーヤー、ニードルロッカー、流体絡合装置などを用いることができ、交絡繊維密度の高い緻密に3次元絡合した不織布を得ることができる。また、各種繊維質基材に高分子弾性体を含浸・凝固させるためには、繊維質基材に高分子弾性体の有機溶剤溶液または分散液(水性エマルジョンを含む)を含浸し、加熱乾燥や湿式凝固法により凝固させればよい。このとき含浸させる高分子弾性体液の濃度は、5〜25%であることが好ましい。
【0032】
さらには含浸させる高分子弾性体は多孔を有するものとすることが好ましく、最も好ましくは公知のポリウレタン湿式凝固法で得られるような密度が0.5g/cm以下となる多孔高分子弾性体であることが好ましい。
【0033】
本発明の製造方法では、このような基体上に高分子弾性体(A)層と、高分子弾性体(B)層と、高分子弾性体のバインダー層とからなる表皮層を形成する。
【0034】
本発明の皮革用シート状物の製造方法に用いられる高分子弾性体は、上記の皮革用シート状物で記述した高分子弾性体と同様なものを用いることができる。
【0035】
特に表皮層の高分子弾性体について述べると、100%伸長モジュラスは300〜1500N/cmであることが好ましい。100%伸長モジュラスが小さい場合には得られた皮革様シート状物は柔軟性に富むが、耐磨耗性、耐熱性、耐溶剤性等が低下する傾向にあり、逆に大きい場合には得られた皮革様シート状物の風合いが硬くなり、耐屈曲性、低温時硬さ等の性質が低下する傾向にある。
【0036】
また高分子弾性体(A)は溶剤(2)に対する膨潤率が10〜300%であることが必要である。この膨潤率は、より好ましくは15〜250%の範囲であり、もっとも好ましくは20〜200%の範囲である。10%未満の場合、後に述べる高分子弾性体(B)層に溶剤(2)が浸透していきにくく、高分子弾性体(B)層の溶剤(2)で溶解される微粒子を十分に溶解することができず、高分子弾性体(B)層を多孔にすることや、高分子弾性体(A)層に微小開口部を形成させることが困難になる。一方300%より大きい場合は溶剤中での表皮の変形が大きく、皮革様シート状物の外観が損なわれる。さらに、ここで用いる高分子弾性体は、溶剤中で面積膨潤率10〜300%の膨潤現象は起こるが、該溶剤を除去することで面積変化率において5%以下となりほぼ元の形状に戻る物を選定し用いることが好ましい。高分子弾性体(B)も、微粒子を溶解するために高分子弾性体(A)と同じ膨潤率を有することが好ましい。逆にバインダー層を構成する高分子弾性体は、接着力を向上させるために高分子弾性体(A)や(B)よりも膨潤率が低いことが好ましい。基体層を構成する高分子弾性体も、高分子弾性体(A)や(B)よりも膨潤率が低いことが好ましい。
【0037】
さらに、表皮層に用られる高分子弾性体は耐溶剤性が高いことが好ましい。より具体的な例を挙げると、80℃の熱トルエン中に3分間浸漬した後の重量減少率が0〜25重量%の範囲であることが、さらには3〜10重量%の範囲であることが好ましい。重量減少率は小さい方が、処理後の表面外観をより良好とする傾向にある。重量減少率が大きすぎる場合、溶剤中で溶解現象が起こってしまい、その表面外観を維持しにくい傾向になる。
【0038】
ここで、面積膨潤率や重量減少率を求める場合には、高分子弾性体の厚さ200μmのフィルムを作成し、処理を行う該溶剤中に3分間浸漬した後のフィルムで測定する。例えば溶解成分にポリエチレンを用いた場合には、溶剤としてはトルエンなどを用いて測定する。また、測定温度としては処理時の温度を用いればよく、例えば80℃の熱トルエンを用いるなどする。
【0039】
また高分子弾性体(B)層には、溶剤(2)で溶解される微粒子を含有することが必要である。ここで高分子弾性体固形分重量に対して、該微粒子は3〜300%の範囲で含有させることが好ましい。さらには該微粒子の含有量が10〜200%の範囲が好ましく、特には20〜150%の範囲が好ましい。含有量が少ないと、表面の微小開口部や内部の多孔が少なくなり透湿性能などが低下する。一方、含有量が多くなると微小開口や多孔が多くなり、強度が弱くなり剥離性能等が低下する。またその微粒子の直径は200μm以下の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは100μm以下であり、もっとも好ましいのは、50μm以下である。
【0040】
本発明では、高分子弾性体と極細繊維とからなる基体上に、高分子弾性体(A)層と、高分子弾性体(B)層と、バインダー層とからなる表皮層を形成することが必要であるが、溶剤を用いて複合繊維を極細繊維化する前には、一部に気泡などの独立発泡がバインダー層の繊維の周辺に存在することは構わないが、基本的にバインダー層の複合繊維と高分子弾性体には空隙が無いことが好ましい。空隙があった場合には、最終的に高分子弾性体が極細繊維束の外周をうまく包囲することができない。
【0041】
表皮層の形成方法としては、公知のいずれの方法を用いることもでき、高分子弾性体含む溶液や分散液を、基材上にラミネートあるいはコーティングすることにより表皮層とすることができる。最も好ましい方法は、ラミネート法であり、具体的には、例えば、高分子弾性体(A)を含む溶液を離型紙上に流延し、ついで乾燥してフィルム化し第一層を形成した上に、高分子弾性体(B)を含む溶液を離型紙上に流延し、ついで乾燥してフィルム化し第二層を形成し、その後バインダー層となる高分子弾性体の溶液を再塗布し、その溶液が乾燥する前に基材と貼りあわせ、加熱により乾燥、接着を行う方法である。この時バインダー層となる高分子弾性体は架橋剤を含んでいることが好ましい。また表皮層は、複合繊維が侵入したバインダー層と、海島繊維が侵入していない第一層、第二層の3層から形成されており、表皮層が薄い場合にも繊維の毛羽が表面にでない利点がある。
【0042】
次いで本発明の製造方法では溶剤(1)を用いて複合繊維を極細繊維化し、溶剤(2)を用いて微粒子を溶解除去する。このとき極細繊維化と微粒子の溶解除去とはどちらを先に行っても良いし、同時に行っても良い。同時に行う場合には、先に述べたように溶剤(1)と溶剤(2)とが同一であることが好ましい。さらには、繊維の易溶解成分と微粒子とは回収の観点から、同一であることが好ましい。同一成分を用いた場合、溶解した後その溶液から海成分を回収する事が容易となりより環境に優しく好ましい。
【0043】
溶解除去する際の抽出効率を高めるために加熱した溶剤を用いるのも好ましい方法であり、処理温度としては75〜100℃であることが好ましい。温度が高すぎると樹脂の膨潤がおこりやすく、表皮層が劣化する傾向にある。また、微粒子を溶解除去する際には、シートをこのような溶剤中に含浸した後ニップするなどの方法により、表皮層中から微粒子を積極的に追い出す方法であることが好ましい。ニップ回数としては3〜10回繰り返し行うことが、ニップ時のクリアランスとしてはシート全体の厚さの60〜90%であることが好ましい。
【0044】
この時溶剤処理する際に、基材部分を元の面積より収縮させることが好ましい。基材を構成する不織布密度とその不織布に含浸される高分子弾性体のモジュラスおよびその含浸付与量によってその収縮度合いを調整することが出来る。不織布密度を低く、また高分子弾性体のモジュラスを低く、さらにその含浸付与量を少なくすると収縮が大きくなる傾向になり、反対に不織布密度を高く、また高分子弾性体のモジュラスを高く、さらにその含浸付与量を多くすると収縮しにくい傾向となる。そこでこれらの条件を最適化し、基材部分を元の面積から2〜20%収縮させることが好ましい。さらに好ましくは2〜12%の範囲で収縮させることが望ましく、最も好ましくは2〜7%の範囲で収縮させることが望ましい。
【0045】
一方、表皮層を形成する高分子弾性体は、溶剤中で面積の膨潤現象は起こるが、該溶剤を除去することで面積変化率が5%以下、さらに好ましくは2%以下となり、ほぼ元の形状に戻ること好ましい。
【0046】
そして、基材の収縮率から表皮層の収縮率を引いた時の値は、1〜25%であることが好ましい。さらには20%以下、最も好ましくは2〜10%であることが好ましい。このように基材の収縮率の方が表皮層の収縮率よりも大きい場合には、基材は表皮の元の面積に対し収縮しているため表皮層が少しあまり感を持ち、銀面の突っ張り感がないソフトなシート状物を得ることが出来る。表皮の元の面積に対する基材の収縮が少ない場合には、その表皮との面積差が小さく表面層のあまり感がほとんど無く銀面の突っ張り感を感じる傾向にある。一方、表皮の元の面積に対する基材の収縮が大きすぎる場合には、その表皮との面積差が大きすぎ、表面層のあまりからくるシワが多く発生し、外観の悪い表面となる傾向にある。
【0047】
さらに得られた皮革様シート状物は、揉み加工を施すことも好ましい。揉み加工の方法としては、例えばシート状物をクランプに把持し、一方のクランプをシートに揉み変形が加わるように駆動させる方法、あるいは2つの組み合わさった突起を有するステーの間にシート状物を通しシート状物に突起を押し込みながら揉みほぐしを行う方法等が挙げられる。
【0048】
このようにして得られた本発明の皮革様シート状物は、高品位外観を有しながら銀面の突っ張り感がないソフトなものであり、かつ銀面のあまり感と、折り曲げ時の小皺外観を有している。さらに本発明の製造方法で得られた皮革用シート状物の表面には、高分子弾性体(B)層に存在する粒子に由来する孔が表面に存在し、透湿、耐水に優れた銀付き調の皮革様シート状物となる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではない。実施例で特段断りのない限りパーセント(%)、比率は重量%、または重量比率を示す。実施例における測定値はそれぞれ以下の方法によったものである。
【0050】
(1)100%モジュラス
樹脂フィルム(厚さ約0.1mm)より採取したテストピースを、恒速伸長試験器で100%/minにて伸長試験し、100%伸長時点の荷重を読み取りN/cm単位に換算する。テストピースはJIS−K−6301−2号型ダンベル法に準拠する。
【0051】
(2)溶剤膨潤率
樹脂フィルム(厚さ約200μm)より採取した15cm×15cmに切断した試験片に10cm×10cmの正方形の印をつけ、80℃のトルエン中に3分浸漬した後にこの印の部分の面積を求めその増加率を求める。
【0052】
(3)表皮層理論厚み
離型紙上に高分子弾性体溶液の目付をあわせて塗布した後、乾燥させた後のフィルムの厚さを測定し求める。
【0053】
(4)孔の直径と個数
本願における表面及び断面に存在する孔の直径の求め方は、基材の表面及び断面を倍率1000倍にて撮影した電顕写真より、単位面積(1mm)当たりにおける孔の直径と個数を測定し、直径は平均値をもとめる。また、このときの孔が真円でない場合は、その孔の最大径を測定することとする。
また、形状に関しては、断面写真よりその各孔の外接円と内接円の直径を測定し、その比(外接円/内接円)を計算する。
【0054】
(5)厚さ
スプリング式ダイアルゲージ(荷重1.18N/cm)にて測定する。
【0055】
(6)重量
10cm×10cmに切断した試験片を、精密天秤にて測定する。
【0056】
(7)摩耗
テーバー摩耗試験器にて摩耗輪CS10荷重1kgにて1万回処理した後の状態を5級から1級まで等級で示す。5級が一番磨耗が少ない。
【0057】
(8)外観
表中の「外観」は以下の評価をする。
◎:優れている 〇:良い △:普通 ×:悪い
【0058】
(9)挫掘感
表中の「挫屈感」は以下の評価をする。
◎:優れている 〇:良い △:普通 ×:大シワ
【0059】
(10)ソフト性
表中の「ソフト性」は以下の評価をする。
◎:優れている 〇:良い △:普通 ×:硬い
【0060】
(11)通気量
JIS P−8117の方法に準じて、ガーレのデンソメータを使用して測定した50cmの空気が通過するのに要した時間から計算により「リットル/cm・hr」の単位に換算した値である。
【0061】
(12)耐水圧
JIS L−1092 高水圧法に準拠する。
【0062】
(13)透湿度
JIS L−1099 A−1法 塩化カルシュウム法に準拠する。測定は1時間で3回行いその平均値を求める。得られた値を24倍し1日(24時間)あたりの数値(g/m・24hr)として求める。
【0063】
(14)防汚性
5cm×5cmに切断した試験片の上に直径36mmの丸穴型板をのせ円部分が試験片の中央に来るよう固定する。円の中央試験片の上にタバコの灰を薬さじで3mg置き指で右に25回、左に25回、計50回円を描くようにすり込む。試験片を逆さに向け余分な灰を落とした後、丸穴型板を取り除き、きれいな指で1回ずつ指を変えて3回汚れを拭き取り、さらに軽く水を含ませた脱脂綿で10回ワイピングし汚れの除去度合いを標準見本と比較し級判定を行う。(5級が良、1級が不可)
この試験で使用するタバコの灰は、マイルドセブンの灰を乳鉢ですり潰したものを使用する。
【0064】
[実施例1]
基材の作成
島成分であるナイロン−6と海成分である低密度ポリエチレンとを50/50で混合紡糸し、繊度8.8dtexの海島型の複合繊維を得た。得られた複合繊維を、カット長51mにカットし原綿とした。この原綿をカードとクロスレイヤーを用いウェブとし、ニードルパンチングを1000本/cm実施し、次いで、150℃の熱風チャンバーで加熱処理し、基体が冷える前に30℃のカレンダーロールでプレスし、目付け約370g/m、厚さ1.4mm、見かけ密度0.26g/cmの極細繊維形成性の複合繊維からなる不織布を得た。
【0065】
次に、高分子弾性体クリスボンTF50P(100%伸張応力が1080N/cmのポリウレタン樹脂、大日本インキ化学工業(株)製、固形分濃度30重量%)のジメチルホルムアミド溶液(濃度15%)を、先に得た不織布に目付け920g/mで含浸し、12%のDMF水溶液中に浸漬し凝固させた後、40℃の温水中で十分洗浄し、135℃の熱風チャンバーで乾燥して、高分子弾性体と極細繊維形成性の繊維からなる基体を得た。
【0066】
表皮層の成形
充実層用の高分子弾性体(A)の溶液として、Cu9430NL(100%伸張応力が325N/cmのポリウレタン樹脂、大日精化工業(株)製、固形分濃度30重量%)100部、ジメチルホルムアミド 40部、メチルエチルケトン 60部で配合した配合液(1)を作成した。この溶液から作成したフィルムのトルエンにおける膨潤率は113.2%であり、またそのフィルムの熱トルエン中浸漬後の重量減少率は5.39%であった。
【0067】
また多孔層用の高分子弾性体(B)の溶液として、Cu9430NL 100部、ジメチルホルムアミド 40部、メチルエチルケトン 60部で配合した溶液中にポリエチレンの微粉末(フローセンUF−80 中位粒度20〜30ミクロン)を20部分散させた配合液(2)を作成した。
【0068】
またバインダー層用の配合液として、クリスボンTA265(100%伸張応力が245N/cmの架橋型ポリウレタン樹脂、大日本インキ化学工業(株)製、固形分濃度65重量%)20部、高分子弾性体クリスボンTA290(100%伸張応力が245N/cmの架橋型ポリウレタン樹脂、大日本インキ化学工業(株)製、固形分濃度41重量%)80部、コロネートL(イソシアネート系架橋剤、日本ポリウレタン(株)製)15部、クリスボンアクセルT(架橋促進剤、大日本インキ化学工業(株)製)3部、ジメチルホルムアミド 10部 で配合した配合液(3)を作成した。
【0069】
充実層用に配合液(1)を離型紙(AR―74M、厚さ0.25mm、旭ロール(株)製)上に、理論上の厚みが12.0μmとなるよう、塗布量目付け100g/m(wet)で塗布し、70℃で3分間乾燥させた。次いでその上に、多孔層用のトルエンに溶解しないがよく膨潤する高分子弾性体(B)の配合液(2)を理論上の厚みが12.0μmとなるよう、塗布量目付け100g/m(wet)で塗布し、70℃で3分間乾燥させた。さらにその上にバインダー層用の高分子弾性体からなる接着層用の配合液(3)を、理論上バインダー層の厚みが49.0μmとなるよう、塗布量目付け130g/m(wet)で塗布し、その上にあらかじめ作成しておいた上記基体を貼り合わせた後、100℃で30秒乾燥し、次いで70℃で48時間エージングを行った後12時間放置冷却を行い離型紙を分離し、表面側から高分子弾性体(A)の第一層、高分子弾性体(B)の第二層、高分子弾性体のバインダー層からなる3層の表皮構造を持った基材を得た。
【0070】
仕上げ
表皮を持った基材を80℃のトルエン中でディップとニップを繰り返して複合繊維の海成分である低密度ポリエチレン成分を溶解除去し、複合繊維の極細化を行うと共に、高分子弾性体の層に分散されているポリエチレンの微粉末成分を溶解除去し、高分子弾性体層の多孔化を行った。その後、90℃の温水中で基材に含まれているトルエンを共沸除去し、120℃の熱風チャンバーで乾燥し、次いで柔軟剤、撥水剤を付与し揉み加工を行い、ソフトで表面挫屈感の良好な銀付き調皮革様シート状物を得た。
【0071】
得られた銀付き調の皮革様シート状物の表面には、平均直径3.2μmの孔が単位面積(1mm)当たり84個あいていることを基材表面の電顕写真で確認した。また、この基材断面の電顕写真より、表皮層にあいている孔において外接円の直径の内接円の直径に対する比は1.1〜1.7の範囲であることを確認した。このシートの厚みは、1.23mm、重量は、432g/cmとなり、ソフトで表面挫屈感の良好なものとなった。またこのシートにおける通気性能は、0.04l/cm・hrと低いものの、耐水圧は25.5kPaであり空気も水も通さないシートであることが確認された。一方このシートの透湿性能は、2120g/m・24hrと良好な結果が得られ、表面からの水が進入しにくく内部の湿気を表面に透す機能を持ったシートであることが確認できた。またこの基材の表面の防汚性を測定すると4−5級と汚れにくい表面であった。ここで得られた銀付き調皮革様シート状物の物性を表1にまとめた。
【0072】
[実施例2]
バインダー層用の配合液として、実施例1の配合液(3)にポリエチレンの微粉末を配合した、クリスボンTA265 20部、高分子弾性体クリスボンTA290 80部、コロネートL 15部、クリスボンアクセルT 3部、ジメチルホルムアミド 10部 の溶液中にポリエチレンの微粉末UF−80を10部分散させた配合液(3’)を用いた以外は、実施例1と同様にして、皮革様シート状物を作成した。
【0073】
得られた銀付き調皮革様シート状物の表面には、平均直径3.6μmの孔が単位面積(1mm)当たり93個あいていることを基材表面の電顕写真で確認した。また、この基材断面の電顕写真より表皮層にあいている孔において外接円の直径の内接円の直径に対する比は1.1〜1.6の範囲であることを確認した。このシートの厚みは、1.24mm重量は、436g/cmとなり、ソフトで表面挫屈感の良好なものとなった。またこのシートにおける通気性能は、0.05l/m・hrと低く、耐水圧は26.5kPaであり空気も水も通さないシートであることが確認された。一方このシートの透湿性能は、2430g/m・24hrと良好な結果が得られ、表面からの水が進入しにくく内部の湿気を表面に透す機能を持ったシートであることが確認できた。またこの基材の表面の防汚性を測定すると4−5級と汚れにくい表面であった。ここで得られた銀付き調皮革様シート状物の物性を表1に併せて示した。
【0074】
[比較例1]
第2層用の配合液として、実施例1の多孔層用の配合液(2)を用いる替わりに、実施例1の充実層用の配合液(1)を用い、第1層と第2層の配合液を同一にした以外は、実施例1と同じく3層の表皮層を有する皮革様シート状物を作成した。
【0075】
得られた銀付き調皮革様シート状物の表面には、平均直径0.1μm以上の孔が存在していないことを基材表面の電顕写真で確認した。また、この基材断面の電顕写真より表皮層には孔があいていないことを確認した。このシートにおける通気性能は、0.00l/cm・hrと全く通気が無く、耐水圧は27.4kPaではあるものの、空気も水も通さないシートであり、さらにこのシートの透湿性能は、170g/m・24hrと低く従来の物と変わらない性能であった。ここで得られた銀付き調皮革様シート状物の物性を表1に併せて示す。
【0076】
[比較例2]
第1層用の配合液として、実施例1の充実層用の配合液(1)を用いる替わりに、実施例1の多孔層用の配合液(2)を用い、第2層用の配合液として、実施例1の多孔層用の配合液(2)を用いる替わりに、実施例1の充実層用の配合液(1)を用い、第1層と第2層の配合液を逆にした以外は、実施例1と同じく3層の表皮層を有する皮革様シート状物を作成した。
【0077】
得られた銀付き調皮革様シート状物の表面には、平均直径5μm以上の孔が単位面積(1mm)当たり1000個以上あいていることを基材表面の電顕写真で確認した。また、この基材断面の電顕写真より表皮層にあいている孔において外接円の直径の内接円の直径に対する比は1.1〜1.8の範囲であることを確認した。またこのシートにおける通気性能は、0.04l/m・hrと低く、耐水圧は2.16kPaであり空気も水も通さないシートであり、さらにこのシートの透湿性能は、340g/cm・24hrと低く従来の物と変わらない性能であった。またこの基材の表面の防汚性を測定すると2−3級と汚れやすい表面であった。ここで得られた銀付き調皮革様シート状物の物性を表1に併せて示す。
【0078】
[比較例3]
第1層用の配合液として、実施例1の充実層用の配合液(1)を用いる替わりに、実施例1の多孔層用の配合液(2)を用いた以外は、実施例1と同じく3層の表皮層を有する皮革様シート状物を作成した。
【0079】
得られた銀付き調皮革様シート状物の表面には、平均直径5μm以上の孔が単位面積(1mm)当たり1000個以上あいていることを基材表面の電顕写真で確認した。また、この基材断面の電顕写真より表皮層が多孔層であり、あいている孔において外接円の直径の内接円の直径に対する比は1.0〜1.7の範囲であることを確認した。このシートにおける通気性能は、1.50l/cm・hrと高いものの、耐水圧は8.8kPaしかなく、空気も水も通すシートであった。またこの基材の表面の防汚性を測定すると2−3級と汚れやすい表面であった。ここで得られた銀付き調皮革様シート状物の物性を表1に併せて示す。
【0080】
[比較例4]
第1層用の配合液として、実施例1の充実層用の配合液(1)を用いる替わりに、実施例1の多孔層用の配合液(2)を用い、第3層用の配合液として、実施例2の多孔バインダー層用配合液(3’)を用いた以外は、実施例1、および実施例2と同じく3層の表皮層を有する皮革様シート状物を作成した。
【0081】
得られた銀付き調皮革様シート状物の表面には、平均直径5μm以上の孔が単位面積(1mm)当たり1000個以上あいていることを基材表面の電顕写真で確認した。また、この基材断面の電顕写真より第1層が多孔層であることを確認した。このシートにおける通気性能は、1.80l/cm・hrと高いものの、耐水圧は6.9kPaしかなく、空気も水も通すシートであった。またこの基材の表面の防汚性を測定すると2−3級と汚れやすい表面であった。ここで得られた銀付き調皮革様シート状物の物性を表1に併せて示す。
【0082】
[比較例5]
実施例1の充実層用の配合液(1)の替わりに、クリスボンTF500TD(100%伸張応力が2750N/cmのポリウレタン樹脂、大日本インキ化学工業(株)製、固形分濃度30重量%)100部、コロネートL 15部、クリスボンアクセルT 3部、ジメチルホルムアミド 40部、メチルエチルケトン60部で配合した溶液を用いた。それ以外は実施例1と同様にして銀付き調皮革様シート状物を作成した。
【0083】
得られた銀付き調皮革様シート状物の表面には、孔が存在しないことを基材表面の電顕写真で確認した。またその表皮層の断面電顕写真から第二層目中に分散されているポリエチレンの微粉末が溶剤に溶け残り粒子状で存在していることも確認できた。このシートにおける通気性能は、0.00l/cm・hrと全く通気が無く、耐水圧は29kPaであり空気も水も通さないシートであり、さらにこのシートの透湿性能は、52g/m・24hrと低く従来の透湿性能を有しない物と変わらない性能であった。ここで得られた銀付き調皮革様シート状物の物性を表1に併せて示す。
【0084】
【表1】

Figure 2005015951
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、透湿、耐水圧、及び風合いに優れた皮革様シート状物およびその製造方法が提供される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a leather-like sheet and a method for producing the same. More particularly, the present invention relates to a leather-like sheet-like material with a silver tone that is excellent in moisture permeability, water resistance, and texture, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
As an alternative to natural leather, artificial leather using fibers and polymer elastic bodies is widely used as a leather-like sheet. However, the silver-tone artificial leather having a silver surface is excellent in strength, but has insufficient points in terms of moisture permeability and texture compared to natural leather.
[0003]
For example, as artificial leather with silver, artificial leather in which a normal solid polymer elastic body is applied as a skin by a laminating or gravure method on a substrate made of ultrafine fibers and a polymeric elastic body, or a porous solidified by a wet coagulation method. There is an artificial leather provided with a polyurethane layer as the skin.
[0004]
However, when an ordinary solid polymer elastic body is applied directly onto a substrate containing fibers by using a lamination method or a gravure method, a dense solid layer having no openings is formed, moisture permeability is poor, and texture There was a problem of being inferior.
[0005]
Moreover, even when a porous polyurethane layer formed by a wet coagulation method is used, although the texture is improved, there is a problem that a film layer peculiar to wet coagulation is formed on the surface and moisture permeation is difficult to obtain. Therefore, for example, in Patent Document 1, a polymer elastic body solution containing a good solvent for a polymer elastic body forming a wet porous layer surface is applied to the surface to form a solid layer having open holes on the surface of artificial leather. Is disclosed. However, although an opening can be formed on the surface of the artificial leather in this manner, the opening has a problem that it is inferior in water pressure resistance because the opening is relatively large and the solid layer is thin.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-6-820665
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, an object of the present invention is to provide a leather-like sheet-like material excellent in moisture permeability, water pressure resistance and texture, which could not be possessed by these conventional leather-like sheet-like materials, and a method for producing the same.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The leather-like sheet-like material of the present invention is a sheet-like material in which a skin layer made of a polymer elastic body exists on a substrate made of a polymer elastic body and ultrafine fibers, and the skin layer is a solid layer from the surface side. The porous layer has a three-layer structure of a binder layer, a fine opening having a diameter of less than 5 μm exists on the surface of the solid layer, and a void having an average diameter of 5 to 200 μm exists in the cross section of the porous layer. The ultrafine fibers constituting the substrate enter the fiber bundle state, and the polymer elastic body constituting the binder layer surrounds the outer periphery of the fiber bundle, but the polymer elastic body is contained inside the fiber bundle. It is characterized by not existing. Furthermore, the water vapor transmission rate is 2000 g / m. 2 -It is 24 hours or more, it is preferable that water pressure resistance is 1.9 kPa or more, and the thickness of a full layer is 1-50 micrometers.
[0008]
Further, the method for producing a leather-like sheet of the present invention comprises a solvent on a substrate composed of an ultrafine fiber-forming composite fiber composed of two or more components having different solubility in the solvent (1) and a polymer elastic body. The polymer elastic body (A) layer having a swelling ratio of 10 to 300% with respect to (2), the polymer elastic body (B) layer containing fine particles dissolved in the solvent (2), and penetrated into the substrate. A skin layer comprising a binder layer is formed, and then the composite fiber is made ultrafine using a solvent (1), and fine particles are dissolved and removed using a solvent (2). Furthermore, it is preferable that the solvent (1) and the solvent (2) are the same solvent, and the diameter of the fine particles dissolved in the solvent is 200 μm or less.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The substrate used in the present invention is composed of a polymer elastic body and ultrafine fibers. The fiber used here may be a woven or knitted fabric, but in order to improve the feeling, the nonwoven fabric is mainly used, and it is preferable that the woven or knitted fabric is partially included or not included for reinforcement.
[0010]
Furthermore, the ultrafine fibers used in the present invention include those having a fineness of 0.2 dtex or less, preferably 0.1 dtex or less, particularly preferably 0.0001 to 0.05 dtex. Examples of such ultrafine fibers include polyester fibers such as polyethylene terephthalate and polybutylene terephthalate, and polyamide fibers such as nylon 6, nylon 66, and nylon 12. The ratio of polymer elastic body / fiber is preferably 30 to 80%, and most preferably 40 to 60%.
[0011]
Furthermore, in this invention, a fiber bundle state is included as an existence form of an ultrafine fiber. For example, such a fiber includes an ultrafine convergent fiber obtained by removing at least one component of a multicomponent fiber and making it ultrafine. One bundle preferably contains 10 to 5000 fibers, and more preferably 100 to 2000 fibers.
[0012]
The polymer elastic body preferably used for the substrate is not particularly limited, but polyurethane polymers such as polyurethane elastomers, polyurea elastomers and polyurethane / polyurea elastomers are particularly preferable. The polymer at this time may be the same as or different from the polymer elastic body of the skin layer described later, but is preferably a wet-coagulable porous polymer elastic body. The 100% elongation modulus of the polymer elastic body is 390 to 3000 N / cm. 2 It is preferable that
[0013]
The present invention relates to a sheet-like material having a skin layer made of a polymer elastic body on a substrate, that is, a leather-like sheet material with a silver tone, and the skin layer made of a polymer elastic body has a surface side. To a solid layer, a porous layer, and a binder layer.
[0014]
The polymer elastic body used for the skin layer formed by these three layers may be common or different. Examples of such polymer elastic bodies include polyurethane elastomers, polyurea elastomers, polyurethane / polyurea elastomers, polyacrylic resins, acrylonitrile / butadiene elastomers, styrene / butadiene elastomers, among others, polyurethane elastomers, polyurea elastomers, polyurethanes. -Polyurethanes such as polyurea elastomers are preferred. 100% elongation modulus is 300-1500 N / cm 2 It is preferable that 100% elongation modulus is 300 N / cm 2 If it is less than 1, the obtained leather-like sheet is rich in flexibility, but it tends to decrease the wear resistance, heat resistance, solvent resistance and the like. Conversely, 1500 N / cm 2 When the content exceeds 1, the texture of the obtained leather-like sheet tends to be hard, and properties such as bending resistance and hardness at low temperatures tend to decrease.
[0015]
Moreover, it is preferable that the polymer elastic body used for a skin layer has high solvent resistance. To give a more specific example, the weight reduction rate after being immersed in hot toluene at 80 ° C. for 3 minutes is in the range of 0 to 25% by weight, and further in the range of 3 to 10% by weight. Is preferred.
[0016]
Of the skin layers of the sheet-like material of the present invention, the solid layer present on the most surface is a surface having a minute opening having a diameter of less than 5 μm on the surface. More preferably, there are micro openings of less than 4 μm, and the lower limit is preferably 0.1 μm or more, more preferably 0.3 μm or more. When the opening is 5 μm or more, the air permeability / moisture permeability becomes better as the opening becomes larger, but the problem arises that the water pressure resistance that is a characteristic value of the waterproof function is lowered. Further, when the opening is small, the moisture permeability in the leather-like sheet is insufficient, and it tends to be difficult to express the intended function.
[0017]
The number of openings on the surface is 1 mm. 2 The number is preferably in the range of 10 to 1000, more preferably in the range of 25 to 750, and most preferably in the range of 50 to 500. When the number is small, it is difficult to obtain uniform moisture permeability on the surface, and when the number is large, the moisture permeability is improved, but the strength of the skin layer is weakened and the wear resistance of the surface is lowered. End up.
[0018]
Such a solid layer and a porous layer described below can be distinguished by whether or not voids are observed when an electron micrograph of a cross section is taken. There are basically no voids in the solid layer, perhaps only an opening through the porous layer to the surface. Although this opening is small, it can be found by surface observation, but is hardly found by cross-sectional observation.
[0019]
Further, in the present invention, it is necessary that voids having an average diameter of 5 to 200 μm exist in the cross section of the porous layer in the skin layer. Furthermore, the average diameter of the voids is preferably less than 100 μm, particularly preferably 10 to 50 μm. When the average diameter of the voids is small, the ventilation performance of the substrate tends to decrease. On the other hand, when the average diameter of the voids increases, the strength of the skin layer becomes weak, and problems such as wear resistance and peeling performance tend to occur. However, the diameter here is a value obtained by measuring a void when a cross section perpendicular to the surface layer is observed, and does not necessarily measure the maximum diameter of the void. When the gap is elliptical, the maximum diameter of the gap is the diameter. This is because the sheet-like material of the present invention is flexible and easily deformed, and tension is often applied to make the opening portion elliptical. In such a case, the maximum diameter greatly affects the quality.
[0020]
Further, in the cross section of each void constituting the porosity of the porous layer, the ratio of the diameter of the circumscribed circle to the diameter of the inscribed circle is preferably 2 or less. Further, the circumscribed circle / inscribed circle of the diameter is preferably 1.5 or less. Further, in the present invention, the shape of each void constituting the pore is preferably approximately spherical. Here, the shape of each void is spherical, and it is sufficient that the shape of the void is close to a spherical shape, and further, wet solidification. Unlike the void by the method, it is preferable that the hole has no irregularities on the wall surface of the void. In the present invention, it is preferable that many voids having a relatively uniform size exist, and it is clear that the porous structure in the present invention has a triangular porous structure in the wet solidification method of a polymer elastic body. Although they are independent porous structures, they are preferably partially connected to each other in some of the pores.
[0021]
In the leather-like sheet-like material of the present invention, a binder layer is present on the substrate side opposite to the surface of the skin layer. In this binder layer, the ultrafine fibers constituting the substrate penetrate in a fiber bundle state, and the polymer elastic body constituting the binder layer surrounds the outer periphery of the fiber bundle. It is characterized by the absence of a polymer elastic body. Further, unlike the porous layer which is an intermediate layer of the skin layer, the binder layer is preferably a solid layer like the outermost surface layer, and the adhesive force can be increased. Thus, when the binder layer is a solid layer and has a high density, the presence of voids between the fiber bundles greatly contributes to the ventilation and moisture permeability of the present invention. In addition, when the ultrafine fibers are present in the fiber bundle, the inter-fiber gap is larger than the fiber basis weight, so that the polymer elastic body exists as a large lump, and the properties as an elastic body are strongly extracted and deformed. Cheap. On the other hand, when the ultrafine fibers penetrate into the binder layer in the state of the ultrafine single fibers as they are instead of the fiber bundle, the ultrafine single fibers are densely present between the polymer elastic bodies. The polymer elastic body reinforced to be hard is likely to be hard and not easily deformed. The distance between the ultrafine fiber and the polymer elastic body is short, and the degree of freedom of the fiber is low, and a layer that is inevitably a hard structure tends to be formed. In the present invention, the polymer elastic body surrounds the fiber bundle, and the polymer elastic body does not exist inside the fiber bundle. Therefore, the distance between the ultrafine fiber and the polymer elastic body is large, and the degree of freedom of the fiber is larger. It becomes a flexible structure and can realize a flexible texture.
[0022]
In the present invention, since the polymer elastic body surrounds the fiber bundle, only the polymer elastic body is deformed and only a small stress is generated when the sheet-like material is small deformed. The deformation is transmitted to the fiber bundle surrounded by the elastic body, and a large stress is generated. In order to generate such a phenomenon, it is necessary that the fiber bundle is sufficiently surrounded by the polymer elastic body, and if possible, the cross section is preferably substantially circular. For example, when there is a crack in the polymer elastic body around the fiber bundle, or there is a part or direction in which stress to the fiber bundle is difficult to be transmitted in the space around the fiber bundle, Only the composite effect of fibers occurs, which is not preferable. Furthermore, it is preferable that the fine fiber occupies 20 to 80% of the void space of the polymer elastic body surrounding the fiber bundle, more preferably 30 to 70%, most preferably 40 to 60%. The occupied state is preferable. If the void space around the fiber bundle is too large, the stress to the fiber bundle is difficult to be transmitted and tends to have a low feeling of stretching, and conversely, if the void space is too small, it tends to be hard.
[0023]
Furthermore, in the skin layer in the sheet-like material of the present invention, it is preferable that fibers do not penetrate into the solid layer and the porous layer. The presence of a solid layer or porous layer on which the fiber bundle has not penetrated prevents the occurrence of fluff of ultrafine fibers on the surface even if the entire skin layer is thin, and the fiber bundle penetrates. Since the binder layer that is used exhibits a strong anchoring effect, the physical adhesion can be improved.
[0024]
Furthermore, it is also preferable that the entire skin layer, or in particular the binder layer, is composed of a crosslinked type polymer elastic body. By using a crosslinking type, the surface strength and solvent resistance can be increased.
[0025]
Further, in the present invention, the moisture permeability is 2000 g / m. 2 -It is preferable that it is 24 hours or more. The upper limit is generally 8000 g / m 2 ・ It is 24hr, and also 2000-5000g / m 2 -It is preferable that it is the range of 24 hr. In addition, the water pressure resistance is preferably 1.9 kPa or more while having such a high moisture permeability. The upper limit is about 500 kPa, and more preferably 5 to 100 kPa. In the present invention, the presence of minute openings on the surface of the leather-like sheet and the presence of ultrafine fibers in the binder layer in a fiber bundle state makes it possible to maintain such conflicting characteristics at a high level. is there.
[0026]
Further, in the skin layer having a porous structure of the leather-like sheet material of the present invention, the solid layer is preferably 1 to 50 μm, more preferably 3 to 20 μm, and most preferably 5 to 20 μm. preferable. If it is too thick, even the sheet-like material of the present invention in which minute openings are present tends to lower the moisture permeability, and if it is too thin, the water pressure resistance tends to decrease. The thickness of the porous layer is 10 to 200 μm, and the density is 0.20 to 0.90 g / cm. 3 It is preferable that Furthermore, 0.3 to 0.7 g / cm 3 It is preferable that When the density is too low, the strength of the polymer elastic body becomes weak and the wear resistance and peel strength tend to be low, and when the density is too high, the moisture permeability tends to decrease. Furthermore, it is preferable that the thickness of a porous layer is 10-200 micrometers, and it is most preferable that it is 20-50 micrometers. If the density and thickness are small, the surface physical properties tend to be lowered as in the case where the density is too low, whereas if the density and thickness are large, the high-grade appearance such as the appearance of a gavel when bent tends to be lowered.
[0027]
Such a leather-like sheet material of the present invention can be obtained, for example, by another method of producing a leather-like sheet material of the present invention.
[0028]
The method for producing a leather-like sheet according to the present invention includes a solvent (1) on a substrate composed of ultrafine fiber-forming composite fibers composed of two or more components having different solubility in the solvent (1) and a polymer elastic body. 2) a polymer elastic body (A) layer having a swelling ratio of 10 to 300%, a polymer elastic body (B) layer containing fine particles dissolved in the solvent (2), and penetrating into the substrate. In this method, a skin layer composed of a binder layer is formed, then the composite fiber is made ultrafine using a solvent (1), and fine particles are dissolved and removed using a solvent (2). At this time, the solvent (1) and the solvent (2) may be different from each other, but are preferably common in terms of production efficiency. The polymer elastic body (A) and the polymer elastic body (B) may be different from each other, but it is preferable from the viewpoint of texture and adhesion that the swelling ratio with respect to the solvent (2) is about the same.
[0029]
As the ultrafine fiber-forming composite fiber comprising two or more components having different solubility in the solvent (1) used in the present invention, specifically, for example, a polymer composition having two or more components having different solvent solubility is used. The product is spun from a product by a composite spinning method, a mixed spinning method or the like to form a sea-island type fiber. When making ultrafine fibers, the sea component of the sea-island fibers is preferably an easily soluble component. At this time, the fineness of the island component is 0.2 dtex or less, preferably 0.1 dtex or less, particularly preferably 0.0001 to 0.5 dtex.
[0030]
In addition, as a preferable combination of two or more polymer compositions having different solvent solubility, when polyester such as polyethylene terephthalate or polybutylene terephthalate is selected as an insoluble component, polyethylene, polypropylene, polystyrene as easily soluble components are selected. When a polyamide such as nylon 6, nylon 66, nylon 12 or the like is selected as the insoluble component, polyesters and polyolefins are preferably selected as the easily soluble component.
[0031]
The substrate made of such ultrafine fiber-forming composite fiber and polymer elastic body used in the present invention is not particularly limited as long as it is in a sheet form, and includes fibers other than the composite fiber and other components. However, the fiber may be any of various woven or knitted fabrics and non-woven fabrics. Most preferably, the fibrous base material is impregnated and solidified with a polymer elastic body. The fibrous base material is also preferably based on a nonwoven fabric. For example, in order to make a fiber into a non-woven fabric, a known card, layer, needle locker, fluid entanglement device, or the like can be used, and a non-woven fabric that is densely entangled with a high density of entangled fibers can be obtained. Also, in order to impregnate and solidify various elastic substrates with a polymer elastic body, the fibrous base material is impregnated with an organic solvent solution or dispersion liquid (including an aqueous emulsion) of the polymer elastic body, heated and dried. What is necessary is just to solidify by the wet coagulation method. At this time, the concentration of the polymer elastic body liquid to be impregnated is preferably 5 to 25%.
[0032]
Further, the polymer elastic body to be impregnated is preferably porous, and most preferably has a density of 0.5 g / cm as obtained by a known polyurethane wet coagulation method. 3 A porous polymer elastic body which is as follows is preferable.
[0033]
In the production method of the present invention, a skin layer comprising a polymer elastic body (A) layer, a polymer elastic body (B) layer, and a polymer elastic body binder layer is formed on such a substrate.
[0034]
The polymer elastic body used in the method for producing a leather sheet of the present invention can be the same as the polymer elastic body described in the above leather sheet.
[0035]
In particular, the polymer elastic body of the skin layer is described. The 100% elongation modulus is 300 to 1500 N / cm. 2 It is preferable that When the 100% elongation modulus is small, the obtained leather-like sheet is rich in flexibility, but wear resistance, heat resistance, solvent resistance, etc. tend to decrease. The texture of the obtained leather-like sheet tends to be hard, and properties such as bending resistance and hardness at low temperatures tend to decrease.
[0036]
The polymer elastic body (A) needs to have a swelling ratio of 10 to 300% with respect to the solvent (2). This swelling ratio is more preferably in the range of 15 to 250%, and most preferably in the range of 20 to 200%. When the amount is less than 10%, the solvent (2) hardly penetrates into the polymer elastic body (B) layer described later, and the fine particles dissolved in the solvent (2) of the polymer elastic body (B) layer are sufficiently dissolved. Therefore, it becomes difficult to make the polymer elastic body (B) layer porous and to form micro openings in the polymer elastic body (A) layer. On the other hand, if it is larger than 300%, the skin is greatly deformed in the solvent, and the appearance of the leather-like sheet is impaired. Furthermore, the polymer elastic body used here has a swelling phenomenon with an area swelling rate of 10 to 300% in the solvent, but by removing the solvent, the area change rate becomes 5% or less and returns to its original shape. Is preferably selected and used. The polymer elastic body (B) also preferably has the same swelling rate as the polymer elastic body (A) in order to dissolve the fine particles. Conversely, the polymer elastic body constituting the binder layer preferably has a lower swelling rate than the polymer elastic bodies (A) and (B) in order to improve the adhesive force. The polymer elastic body constituting the base layer also preferably has a lower swelling rate than the polymer elastic bodies (A) and (B).
[0037]
Furthermore, it is preferable that the polymer elastic body used for the skin layer has high solvent resistance. To give a more specific example, the weight reduction rate after being immersed in hot toluene at 80 ° C. for 3 minutes is in the range of 0 to 25% by weight, and further in the range of 3 to 10% by weight. Is preferred. The smaller the weight loss rate, the better the surface appearance after treatment. When the weight reduction rate is too large, a dissolution phenomenon occurs in the solvent, and the surface appearance tends to be difficult to maintain.
[0038]
Here, when calculating | requiring an area swelling rate and a weight decreasing rate, the film of 200 micrometers in thickness of a polymeric elastic body is created, and it measures with the film after immersing for 3 minutes in this solvent to process. For example, when polyethylene is used as the dissolved component, the measurement is performed using toluene as the solvent. Moreover, the temperature at the time of processing may be used as the measurement temperature, for example, hot toluene at 80 ° C. is used.
[0039]
The polymer elastic body (B) layer needs to contain fine particles dissolved in the solvent (2). Here, the fine particles are preferably contained within a range of 3 to 300% based on the solid weight of the elastic polymer. Furthermore, the content of the fine particles is preferably in the range of 10 to 200%, particularly preferably in the range of 20 to 150%. If the content is low, the surface fine openings and the internal porosity are reduced, and the moisture permeability and the like are lowered. On the other hand, when the content increases, the number of micro openings and porosity increases, the strength becomes weak, and the peeling performance and the like deteriorate. The diameter of the fine particles is preferably in the range of 200 μm or less, more preferably 100 μm or less, and most preferably 50 μm or less.
[0040]
In the present invention, a skin layer composed of a polymer elastic body (A) layer, a polymer elastic body (B) layer, and a binder layer may be formed on a substrate composed of a polymer elastic body and ultrafine fibers. Although it is necessary, before the composite fiber is made into ultrafine fibers using a solvent, there may be some closed foam such as bubbles around the fibers of the binder layer. The composite fiber and the polymer elastic body preferably have no voids. When there is a void, the polymer elastic body cannot finally surround the outer periphery of the ultrafine fiber bundle.
[0041]
As a method for forming the skin layer, any known method can be used, and a skin layer can be formed by laminating or coating a solution or dispersion containing a polymer elastic body on a substrate. The most preferable method is a laminating method. Specifically, for example, a solution containing the polymer elastic body (A) is cast on a release paper, and then dried to form a film to form a first layer. Then, a solution containing the polymer elastic body (B) is cast on a release paper, and then dried to form a film to form a second layer, and then the polymer elastic body solution to be a binder layer is re-coated, It is a method in which the substrate is bonded to a substrate before drying and dried and bonded by heating. At this time, the polymer elastic body serving as the binder layer preferably contains a crosslinking agent. The skin layer is composed of a binder layer into which the composite fibers have infiltrated, and a first layer and a second layer into which the sea-island fibers have not infiltrated, and even when the skin layer is thin, the fluff of the fibers is on the surface. There are no advantages.
[0042]
Next, in the production method of the present invention, the composite fiber is made into ultrafine fibers using the solvent (1), and the fine particles are dissolved and removed using the solvent (2). At this time, either ultrafine fiber formation or fine particle dissolution / removal may be performed first or simultaneously. When performing simultaneously, it is preferable that the solvent (1) and the solvent (2) are the same as mentioned above. Furthermore, the easily soluble component of the fiber and the fine particles are preferably the same from the viewpoint of recovery. When the same component is used, it is easy to recover the sea component from the solution after being dissolved, which is preferable to the environment.
[0043]
It is also a preferred method to use a heated solvent in order to increase the extraction efficiency during dissolution and removal, and the treatment temperature is preferably 75 to 100 ° C. If the temperature is too high, the resin tends to swell and the skin layer tends to deteriorate. In addition, when the fine particles are dissolved and removed, it is preferable that the fine particles are actively expelled from the skin layer by a method of impregnating the sheet in such a solvent and then niping. The number of nips is preferably repeated 3 to 10 times, and the clearance during nip is preferably 60 to 90% of the total thickness of the sheet.
[0044]
At this time, when the solvent treatment is performed, it is preferable to shrink the base material portion from the original area. The degree of shrinkage can be adjusted by the density of the nonwoven fabric constituting the substrate, the modulus of the elastic polymer impregnated in the nonwoven fabric, and the amount of impregnation applied. If the density of the nonwoven fabric is low, the modulus of the polymer elastic body is low, and if the amount of impregnation is reduced, the shrinkage tends to increase. When the impregnation amount is increased, it tends to be difficult to shrink. Therefore, it is preferable to optimize these conditions and shrink the base material portion by 2 to 20% from the original area. More preferably, the shrinkage is in the range of 2 to 12%, and most preferably, the shrinkage is in the range of 2 to 7%.
[0045]
On the other hand, in the polymer elastic body forming the skin layer, an area swelling phenomenon occurs in the solvent, but by removing the solvent, the area change rate becomes 5% or less, more preferably 2% or less. It is preferable to return to the shape.
[0046]
And it is preferable that the value when the shrinkage rate of a skin layer is subtracted from the shrinkage rate of a base material is 1 to 25%. Furthermore, it is preferably 20% or less, most preferably 2 to 10%. Thus, when the shrinkage rate of the base material is larger than the shrinkage rate of the skin layer, the skin layer has a little feeling because the base material is shrinking relative to the original area of the skin, and the silver surface It is possible to obtain a soft sheet-like material that does not feel sticky. When the shrinkage of the base material with respect to the original area of the skin is small, the difference in area from the skin is small, and there is little feeling of the surface layer, and there is a tendency to feel the tension of the silver surface. On the other hand, if the shrinkage of the substrate relative to the original area of the skin is too large, the area difference from the skin is too large, and many wrinkles are generated from the surface layer, which tends to result in a surface with a poor appearance. .
[0047]
Furthermore, it is preferable that the obtained leather-like sheet-like material is subjected to stagnation. As a method of stagnation processing, for example, a sheet-like object is gripped by a clamp and one clamp is driven so that stagnation deformation is applied to the sheet, or a sheet-like object is placed between stays having two combined protrusions. For example, a method of carrying out kneading while pushing the protrusions into the threaded sheet.
[0048]
The leather-like sheet-like material of the present invention thus obtained is a soft one that has a high-grade appearance and does not have a feeling of tension on the silver surface. have. Furthermore, on the surface of the leather sheet obtained by the production method of the present invention, pores derived from particles present in the polymer elastic body (B) layer are present on the surface, and silver having excellent moisture permeability and water resistance It becomes a leather-like sheet-like material.
[0049]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention further, this invention is not restrict | limited by these. Unless otherwise specified in the examples, percentages (%) and ratios indicate weight% or weight ratios. The measured values in the examples are based on the following methods.
[0050]
(1) 100% modulus
A test piece taken from a resin film (thickness of about 0.1 mm) is subjected to an extension test at 100% / min with a constant speed extension tester, and the load at the time of 100% extension is read and N / cm. 2 Convert to a unit. The test piece conforms to JIS-K-6301-2 type dumbbell method.
[0051]
(2) Solvent swelling rate
A test piece taken from a resin film (thickness: about 200 μm) and cut to 15 cm × 15 cm is marked with a 10 cm × 10 cm square mark, immersed in toluene at 80 ° C. for 3 minutes, and the area of this mark is determined. Find the rate of increase.
[0052]
(3) Theoretical skin layer thickness
After coating the release weight of the polymer elastic body solution together with the basis weight, the thickness of the film after drying is measured and determined.
[0053]
(4) Diameter and number of holes
In the present application, the diameter of the holes existing on the surface and the cross section is determined by the unit area (1 mm) from the electron micrograph obtained by photographing the surface and cross section of the substrate at a magnification of 1000 times. 2 ) Measure the diameter and number of holes per contact, and find the average value for the diameter. Moreover, when the hole at this time is not a perfect circle, the maximum diameter of the hole is measured.
Regarding the shape, the diameter of the circumscribed circle and the inscribed circle of each hole is measured from the cross-sectional photograph, and the ratio (circumscribed circle / inscribed circle) is calculated.
[0054]
(5) Thickness
Spring type dial gauge (Load 1.18 N / cm 2 ) To measure.
[0055]
(6) Weight
A test piece cut to 10 cm × 10 cm is measured with a precision balance.
[0056]
(7) Wear
The state after processing 10,000 times with a wear wheel CS10 load of 1 kg with a Taber abrasion tester is shown in grades from grade 5 to grade 1. Grade 5 has the least wear.
[0057]
(8) Appearance
“Appearance” in the table is evaluated as follows.
◎: Excellent ○: Good △: Normal ×: Bad
[0058]
(9) Feeling of digging
“Crimp” in the table is evaluated as follows.
◎: Excellent ○: Good △: Normal ×: Large wrinkles
[0059]
(10) Softness
“Softness” in the table is evaluated as follows.
◎: Excellent ◯: Good △: Normal ×: Hard
[0060]
(11) Aeration rate
50 cm measured using a Gurley densometer according to the method of JIS P-8117 3 "L / cm by calculation from the time required for the air to pass 2 -Value converted to "hr" units.
[0061]
(12) Water pressure resistance
Conforms to JIS L-1092 high water pressure method.
[0062]
(13) Moisture permeability
JIS L-1099 A-1 method Conforms to the calcium chloride method. The measurement is performed 3 times in 1 hour and the average value is obtained. The obtained value is multiplied by 24 and the value per day (24 hours) (g / m 2 * Calculated as 24 hr).
[0063]
(14) Antifouling property
A round hole plate having a diameter of 36 mm is placed on the test piece cut to 5 cm × 5 cm, and fixed so that the circular portion is at the center of the test piece. Place 3 mg of tobacco ash with a spoonful on the center test piece of the circle and rub it with your finger to draw a circle for 50 times, 25 times to the right and 25 times to the left. After turning the test piece upside down and removing excess ash, remove the round hole template, change the finger once with a clean finger, wipe off the dirt 3 times, and then wipe 10 times with lightly moistened absorbent cotton. The grade is judged by comparing the degree of dirt removal with a standard sample. (5th grade is good, 1st grade is not possible)
Tobacco ash used in this test is mild seven ash ground with a mortar.
[0064]
[Example 1]
Creating a substrate
Nylon-6, which is an island component, and low density polyethylene, which is a sea component, were mixed and spun at 50/50 to obtain a sea-island type composite fiber having a fineness of 8.8 dtex. The obtained conjugate fiber was cut into a cut length of 51 m to obtain raw cotton. This raw cotton is made into a web using a card and a cross layer, and needle punching is 1000 pieces / cm. 2 Then, heat treatment is performed in a hot air chamber at 150 ° C., and the substrate is pressed with a calender roll at 30 ° C. before the substrate cools down, and the basis weight is about 370 g / m. 2 , Thickness 1.4mm, apparent density 0.26g / cm 3 A non-woven fabric made of the ultrafine fiber-forming composite fiber was obtained.
[0065]
Next, the polymer elastic body Chrisbon TF50P (100% elongation stress is 1080 N / cm 2 Polyurethane resin, manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc., solid content concentration of 30% by weight) with a dimethylformamide solution (concentration of 15%) applied to the previously obtained nonwoven fabric at 920 g / m 2 After being immersed in a 12% DMF aqueous solution and solidified, it is thoroughly washed in warm water at 40 ° C. and dried in a hot air chamber at 135 ° C. A substrate was obtained.
[0066]
Molding of the skin layer
As a solution of the polymer elastic body (A) for the enhancement layer, Cu9430NL (100% tensile stress is 325 N / cm) 2 (1) was prepared by blending 100 parts of a polyurethane resin (manufactured by Dainichi Seika Kogyo Co., Ltd., solid content concentration 30 wt%), 40 parts of dimethylformamide, and 60 parts of methyl ethyl ketone. The swelling ratio of the film prepared from this solution in toluene was 113.2%, and the weight reduction ratio of the film after immersion in hot toluene was 5.39%.
[0067]
In addition, as a solution of the polymer elastic body (B) for the porous layer, polyethylene fine powder (Flucene UF-80 medium particle size 20-30 microns) in a solution formulated with Cu 9430NL 100 parts, dimethylformamide 40 parts, methyl ethyl ketone 60 parts ) Was dispersed to prepare a blended liquid (2).
[0068]
As a compounding liquid for the binder layer, Crisbon TA265 (100% elongation stress is 245 N / cm 2 Cross-linked polyurethane resin, manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Inc., solid content concentration 65% by weight) 20 parts, polymer elastic body Chrisbon TA290 (100% elongation stress is 245 N / cm) 2 Cross-linked polyurethane resin, manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc., solid content concentration: 41% by weight, 15 parts of coronate L (isocyanate-based cross-linking agent, manufactured by Nippon Polyurethane Co., Ltd.), Crisbon Axel T (cross-linked) A blended liquid (3) was prepared by blending 3 parts of an accelerator, manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Ltd. and 10 parts of dimethylformamide.
[0069]
For the enhancement layer, the blended liquid (1) is applied on a release paper (AR-74M, thickness 0.25 mm, manufactured by Asahi Roll Co., Ltd.), and the coating weight is 100 g / kg so that the theoretical thickness is 12.0 μm m 2 (Wet) and dried at 70 ° C. for 3 minutes. Next, a blended liquid (2) of the polymer elastic body (B) that does not dissolve in toluene for the porous layer but swells well is applied on the basis weight so that the theoretical thickness becomes 12.0 μm. 2 (Wet) and dried at 70 ° C. for 3 minutes. Furthermore, a coating solution (3) for the adhesive layer made of a polymer elastic body for the binder layer is coated on the basis weight of 130 g / m so that the thickness of the binder layer is theoretically 49.0 μm. 2 (Wet), and the substrate prepared in advance is bonded to the substrate, followed by drying at 100 ° C. for 30 seconds, followed by aging at 70 ° C. for 48 hours, followed by standing cooling for 12 hours. A base having a three-layer skin structure comprising a first layer of a polymer elastic body (A), a second layer of a polymer elastic body (B), and a binder layer of a polymer elastic body from the surface side. I got the material.
[0070]
Finish
The base material with the skin is repeatedly dip and niped in toluene at 80 ° C. to dissolve and remove the low-density polyethylene component, which is the sea component of the composite fiber, to make the composite fiber ultrafine and to form a layer of polymer elastic body The fine powder component of polyethylene dispersed in was dissolved and removed to make the elastic polymer layer porous. Thereafter, toluene contained in the base material is removed azeotropically in 90 ° C. warm water, dried in a hot air chamber at 120 ° C., then softened and water repellent added, and then subjected to squeezing to create a soft surface A textured leather-like leather-like sheet-like material having a good bending feeling was obtained.
[0071]
On the surface of the obtained leather-like sheet-like material with silver, pores having an average diameter of 3.2 μm have a unit area (1 mm 2 ) Was confirmed by an electron micrograph of the substrate surface. Further, from the electron micrograph of the cross section of the substrate, it was confirmed that the ratio of the diameter of the circumscribed circle to the diameter of the inscribed circle in the hole formed in the skin layer was in the range of 1.1 to 1.7. This sheet has a thickness of 1.23 mm and a weight of 432 g / cm. 2 As a result, it was soft and had good surface tightness. The air permeability of this sheet is 0.04 l / cm. 2 Although it was low as hr, the water pressure resistance was 25.5 kPa, and it was confirmed that the sheet does not allow air and water to pass through. On the other hand, the moisture permeability of this sheet is 2120 g / m. 2 -A favorable result of 24 hr was obtained, and it was confirmed that the sheet had a function of preventing moisture from entering from the surface and allowing moisture inside to pass through the surface. Moreover, when the antifouling property of the surface of this base material was measured, it was a 4-5 grade and the surface which is hard to get dirty. The physical properties of the leather-like leather-like sheet-like material obtained here are summarized in Table 1.
[0072]
[Example 2]
As a blending liquid for the binder layer, 20 parts of Crisbon TA265, 80 parts of polymer elastic body Crisbon TA290, 15 parts of Coronate L, and Crisbon Axel T 3 were blended with the blending liquid (3) of Example 1. A leather-like sheet-like material was prepared in the same manner as in Example 1 except that a compounded liquid (3 ′) in which 10 parts of polyethylene fine powder UF-80 was dispersed in 10 parts of dimethylformamide was used. did.
[0073]
On the surface of the resulting leather-like leather-like sheet, pores having an average diameter of 3.6 μm have a unit area (1 mm 2 ) Was confirmed by an electron micrograph of the substrate surface. Further, from the electron micrograph of the cross section of the substrate, it was confirmed that the ratio of the diameter of the circumscribed circle to the diameter of the inscribed circle in the hole formed in the skin layer was in the range of 1.1 to 1.6. The thickness of this sheet is 1.24 mm and the weight is 436 g / cm. 2 As a result, it was soft and had good surface tightness. The air permeability of this sheet is 0.05 l / m. 2 -It was as low as hr, and the water pressure resistance was 26.5 kPa, and it was confirmed that it is a sheet | seat which does not let air and water pass. On the other hand, the moisture permeability of this sheet is 2430 g / m. 2 -A favorable result of 24 hr was obtained, and it was confirmed that the sheet had a function of preventing moisture from entering from the surface and allowing moisture inside to pass through the surface. Moreover, when the antifouling property of the surface of this base material was measured, it was a 4-5 grade and the surface which is hard to get dirty. Table 1 shows the physical properties of the obtained leather-like leather-like sheet-like material.
[0074]
[Comparative Example 1]
Instead of using the liquid mixture (2) for the porous layer of Example 1 as the liquid mixture for the second layer, the liquid mixture (1) for the enhancement layer of Example 1 is used, and the first layer and the second layer A leather-like sheet-like material having three skin layers was prepared in the same manner as in Example 1 except that the blending solution was the same.
[0075]
It was confirmed by an electron micrograph of the substrate surface that no holes having an average diameter of 0.1 μm or more were present on the surface of the obtained leather-like leather-like sheet. Further, it was confirmed from the electron micrograph of the cross section of the substrate that the skin layer had no holes. The ventilation performance of this sheet is 0.00 l / cm. 2 ・ There is no ventilation at all with hr, and the water pressure resistance is 27.4 kPa, but it is a sheet that does not allow air and water to pass through. The moisture permeability of this sheet is 170 g / m. 2 -The performance was as low as 24 hours, which was not different from the conventional one. The physical properties of the leather-like leather-like sheet-like material obtained here are also shown in Table 1.
[0076]
[Comparative Example 2]
Instead of using the compounding liquid (1) for the enhancement layer of Example 1 as the compounding liquid for the first layer, the compounding liquid (2) for the porous layer of Example 1 is used, and the compounding liquid for the second layer is used. As an alternative to using the liquid mixture (2) for the porous layer of Example 1, the liquid mixture (1) for the enhancement layer of Example 1 was used, and the liquid mixture of the first layer and the second layer was reversed. Except for the above, a leather-like sheet-like material having three skin layers was prepared in the same manner as in Example 1.
[0077]
On the surface of the obtained leather-like leather-like sheet-like material, pores having an average diameter of 5 μm or more have a unit area (1 mm 2 ) It was confirmed by electron micrographs on the surface of the substrate that 1000 or more holes were open. Further, from the electron micrograph of the cross section of the substrate, it was confirmed that the ratio of the diameter of the circumscribed circle to the diameter of the inscribed circle in the hole formed in the skin layer was in the range of 1.1 to 1.8. The air permeability of this sheet is 0.04 l / m. 2 ・ It is low in hr and has a water pressure resistance of 2.16 kPa and does not allow air and water to pass through. The moisture permeability of this sheet is 340 g / cm. 2 -The performance was as low as 24 hours, which was not different from the conventional one. Moreover, when the antifouling property of the surface of this base material was measured, it was a surface easy to get dirty with 2-3 grade. The physical properties of the leather-like leather-like sheet-like material obtained here are also shown in Table 1.
[0078]
[Comparative Example 3]
Example 1 except that the compounding liquid (2) for the porous layer of Example 1 was used instead of the compounding liquid (1) for the enhancement layer of Example 1 as the compounding liquid for the first layer. Similarly, a leather-like sheet having three skin layers was prepared.
[0079]
On the surface of the obtained leather-like leather-like sheet-like material, pores having an average diameter of 5 μm or more have a unit area (1 mm 2 ) It was confirmed by electron micrographs on the surface of the substrate that 1000 or more holes were open. Further, from the electron micrograph of the cross section of the base material, the skin layer is a porous layer, and the ratio of the diameter of the circumscribed circle to the diameter of the inscribed circle in the open hole is in the range of 1.0 to 1.7. confirmed. The ventilation performance of this sheet is 1.50 l / cm. 2 Although it was high as hr, the water pressure resistance was only 8.8 kPa, and it was a sheet that allowed air and water to pass through. Moreover, when the antifouling property of the surface of this base material was measured, it was a surface easy to get dirty with 2-3 grade. The physical properties of the leather-like leather-like sheet-like material obtained here are also shown in Table 1.
[0080]
[Comparative Example 4]
Instead of using the liquid mixture (1) for the enhancement layer of Example 1 as the liquid mixture for the first layer, the liquid mixture (2) for the porous layer of Example 1 is used, and the liquid mixture for the third layer is used. As in Example 1 and Example 2, a leather-like sheet-like material having three skin layers was prepared except that the mixed liquid for porous binder layer (3 ′) of Example 2 was used.
[0081]
On the surface of the obtained leather-like leather-like sheet-like material, pores having an average diameter of 5 μm or more have a unit area (1 mm 2 ) It was confirmed by electron micrographs on the surface of the substrate that 1000 or more holes were open. Moreover, it confirmed that the 1st layer was a porous layer from the electron micrograph of this base-material cross section. The ventilation performance of this sheet is 1.80 l / cm. 2 Although it was high as hr, the water pressure resistance was only 6.9 kPa, and it was a sheet that allowed air and water to pass through. Moreover, when the antifouling property of the surface of this base material was measured, it was a surface easy to get dirty with 2-3 grades. The physical properties of the leather-like leather-like sheet-like material obtained here are also shown in Table 1.
[0082]
[Comparative Example 5]
Instead of the compounding liquid (1) for the enhancement layer of Example 1, Crisbon TF500TD (100% elongation stress is 2750 N / cm) 2 Polyurethane solution, manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc., solid content concentration of 30% by weight), 15 parts of Coronate L, 3 parts of Crisbon Axel T, 40 parts of dimethylformamide, 60 parts of methyl ethyl ketone It was. Other than that was carried out similarly to Example 1, and created the leather-like leather-like sheet-like material.
[0083]
The surface of the obtained leather-like leather-like sheet-like product was confirmed by electron micrographs on the surface of the base material to be free of pores. It was also confirmed from the cross-sectional electron micrograph of the skin layer that the fine polyethylene powder dispersed in the second layer was dissolved in the solvent and remained in the form of particles. The ventilation performance of this sheet is 0.00 l / cm. 2 -It is a sheet that has no ventilation with hr and has a water pressure resistance of 29 kPa and does not allow air and water to pass through. The moisture permeability of this sheet is 52 g / m. 2 -It was as low as 24 hours and was the same performance as a conventional product having no moisture permeability. The physical properties of the leather-like leather-like sheet-like material obtained here are also shown in Table 1.
[0084]
[Table 1]
Figure 2005015951
[0085]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the leather-like sheet-like material excellent in moisture permeability, water-resistant pressure, and texture and its manufacturing method are provided.

Claims (9)

高分子弾性体と極細繊維とからなる基体上に、高分子弾性体からなる表皮層が存在するシート状物であって、表皮層が表面側から充実層、多孔層、バインダー層の3層構造を有し、充実層の表面に直径が5μm未満の微小開口部が存在し、多孔層の断面に平均直径が5〜200μmの空隙が存在し、バインダー層内には基体を構成する極細繊維が繊維束状態で侵入し、バインダー層を構成する高分子弾性体が該繊維束の外周を包囲しているが、繊維束の内部には高分子弾性体が存在していないことを特徴とする皮革様シート状物。A sheet-like material in which a skin layer made of a polymer elastic body exists on a base made of a polymer elastic body and ultrafine fibers, and the skin layer is a three-layer structure of a solid layer, a porous layer, and a binder layer from the surface side A fine opening having a diameter of less than 5 μm is present on the surface of the solid layer, voids having an average diameter of 5 to 200 μm are present in the cross section of the porous layer, and the ultrafine fibers constituting the substrate are present in the binder layer. A leather characterized in that a polymer elastic body that penetrates in a fiber bundle state and constitutes a binder layer surrounds the outer periphery of the fiber bundle, but no polymer elastic body exists inside the fiber bundle. Like sheet. 透湿度が2000g/m・24hr以上であり、耐水圧が1.9kPa以上である請求項1記載の皮革様シート状物。The leather-like sheet material according to claim 1, wherein the moisture permeability is 2000 g / m 2 · 24 hr or more, and the water pressure resistance is 1.9 kPa or more. 充実層の厚さが1〜50μmである請求項1または2記載の皮革様シート状物。The leather-like sheet material according to claim 1 or 2, wherein the solid layer has a thickness of 1 to 50 µm. 多孔層の空隙の断面において、外接円の直径の内接円の直径に対する比が2以下である請求項1〜3のいずれか1項記載の皮革様シート状物。The leather-like sheet-like material according to any one of claims 1 to 3, wherein a ratio of a diameter of a circumscribed circle to a diameter of the inscribed circle is 2 or less in a cross section of a void of the porous layer. 溶剤(1)に対する溶解性の異なる2つ以上の成分からなる極細繊維形成性の複合繊維と高分子弾性体からなる基体上に、溶剤(2)に対する膨潤率が10〜300%である高分子弾性体(A)層と、溶剤(2)で溶解される微粒子を含有する高分子弾性体(B)層と、基体中に浸透しているバインダー層とからなる表皮層を形成し、次いで溶剤(1)を用いて複合繊維を極細繊維化し、溶剤(2)を用いて微粒子を溶解除去することを特徴とする皮革様シート状物の製造方法。A polymer having a swelling ratio of 10 to 300% with respect to the solvent (2) on a substrate composed of an ultrafine fiber-forming composite fiber composed of two or more components having different solubility in the solvent (1) and a polymer elastic body A skin layer comprising an elastic body (A) layer, a polymer elastic body (B) layer containing fine particles dissolved in the solvent (2), and a binder layer penetrating into the substrate is formed, and then the solvent A method for producing a leather-like sheet-like product, wherein the composite fiber is made into ultrafine fibers using (1) and the fine particles are dissolved and removed using a solvent (2). 溶剤(1)と溶剤(2)が同一溶剤である請求項5記載の皮革様シート状物の製造方法。The method for producing a leather-like sheet according to claim 5, wherein the solvent (1) and the solvent (2) are the same solvent. 複合繊維が海島繊維であり、海島繊維の海成分が易溶解成分である請求項5または6記載の皮革様シート状物の製造方法。The method for producing a leather-like sheet-like material according to claim 5 or 6, wherein the composite fiber is a sea-island fiber, and the sea component of the sea-island fiber is an easily soluble component. 溶剤で溶解される微粒子の直径が5〜200μmである請求項5〜7のいずれか1項記載の皮革様シート状物の製造方法。The method for producing a leather-like sheet material according to any one of claims 5 to 7, wherein the fine particles dissolved in the solvent have a diameter of 5 to 200 µm. 表皮層の形成方法がラミネート法である請求項5〜8のいずれか1項記載の皮革様シート状物の製造方法。The method for producing a leather-like sheet according to any one of claims 5 to 8, wherein the method for forming the skin layer is a laminating method.
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