JP2005014411A - フォルダグルア - Google Patents

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Abstract

【課題】フォルダグルアに関し、段ボールシートの高い折れ精度が容易に且つ確実に得られるようにする。
【解決手段】段ボールシート1を走行させながら左右一対の折畳み定規6´,6´に折り畳み部分の内側を案内させて折り畳んで箱にするフォルダグルアであって、折畳み定規6´の段ボールシート案内用エッジの位置が、段ボールシート1を折り畳んでいく過程で次第に装置幅方向の内側に移っていくように横傾斜して配置され、折畳み定規6´の要部を装置幅方向方向に移動させることでそのエッジの横傾斜状態を微調整する調整機構25,41を設けるようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製函機にそなえられ、段ボールシートを折り畳んで箱にする折畳み装置であるフォルダグルアに関する。
【0002】
【従来の技術】
製函機には、フォルダグルアと呼ばれる段ボールシートの折畳み装置がそなえられる。このフォルダグルアの従来技術について、図3を参照して説明する。
図3はフォルダグルアの概要を説明する斜視図であり、図3に示すように、段ボールシート1は上流のスロッタクリーザ部(図示略)で罫線CやスロットSを加工されて、フォルダグルアにより折り畳まれて箱(段ボール箱)となる。なお、図3ではフォルダグルアで折り曲げられる罫線を破線C1,C2で示している。
【0003】
フォルダグルアには、そのシート進行方向に沿って、左右の上フレーム2,2が設けられており、上フレーム2,2の入口および出口にはそれぞれプーリ3がそなえられ(出口側は図示を省略)、入口のプーリ3と出口のプーリ3とに搬送ベルト4が掛かっている。左右の各搬送ベルト4の下には、同じく左右に下フレーム5,5がそなえられ、各搬送ベルト4は対応する下フレーム5の上面を走行する。
【0004】
段ボールシート1はこれらの搬送ベルト4と下フレーム5との間に送り込まれ、搬送ベルト4の摩擦力で搬送ベルト4に保持され、下フレーム5の上面を滑って移動する。下フレーム5は折り曲げる罫線C1,C2よりも内側(機械の中心寄り)に位置している。この下フレーム5に支持されて折畳み定規6が段ボールシート1の走行路に沿って設けられている。段ボールシート1の走行路の外側には、走行路に沿うように折畳みバー7がそなえられている。
【0005】
段ボールシート1は走行する過程で、折畳み定規6の先端規制部(以下「エッジ」と記す)に正確に折畳み位置を規制されながらこの折畳みバー7により押圧されて折り畳まれる。段ボールシート1が下流部まで走行して折畳み角度が180゜近くになると、更に折畳みベルト8により折り畳まれる。その後、左右のパネルのエッジを糊付けされて、箱が完成する。
【0006】
しかしながら、折畳み定規6のエッジ位置が不適切な場合、図6(a),(b)に示すように、製函された段ボール箱1Aのパネルの端縁間の隙間Gが変動してしまい、箱精度の不良を引き起こすことがある。
従来のフォルダグルアでは、この折畳み定規6は下フレームに固定して取付けられていた。勿論、入口側及び出口側とも、夫々できるだけ多くのシートに適応できるような位置に設けられているが、折畳み定規自体独立での調整はできず、調整するとすればフレーム全体、即ち定規全体を平行移動して、拡げたり狭めたりすることしかできなかった。
【0007】
このような定規全体を平行移動するだけでは、高い折れ精度を得るようにして上記の箱精度の不良を確実に防止することは困難であり、特に、幅広いフルート構成や原紙構成の段ボールシートに対してこの不具合が著しくなる。
なお、フォルダグルアによる箱精度の不良を防止しようとする技術として、特許文献1には、段ボールシートを折り曲げ加工するフォルダグルアにおいて、上記折畳み定規6に相当する左右に対を成してそなえられるフォールディングバーの一方を他方に対して機械幅方向に位置調整することにより、左右のフォールディングバーを精度良く平行にさせて、段ボールシートをクリーザで付した罫線に沿って正しくガイドさせようとする技術が提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−121624号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、折畳み定規6のエッジ6aの適正位置について検討する。なお、図4はフォルダグルアの要部の模式的な横断面図であり、(a),(b),(c)は図3のX−X,Y−Y,Z−Zの各矢視断面に対応している。
【0010】
図4(a)は折畳み開始位置でのフォルダグルアの横断面図であるが、図示するように、罫線C1,C2の真下に折畳み定規6の先端規制部(以下「エッジ」と記す)6aがあるのが適正である。そして、このエッジに規制されて段ボールシートは罫線部から正確に折り曲げられる。
図4(b)は約90゜折り畳まれた位置での段ボールシート1の折り曲げ状態を示すフォルダグルアの横断面図であるが、図示するように、ここで注目すべき点は、パネル(段ボールシートのうち折り畳まれる部分を「パネル」と記す)が平らなときに比べて、折り畳みが進行した時の方が折畳み定規6のエッジ6aの適正位置が内側に寄っている点である。
【0011】
図5は(a)〜(d)にそれぞれ段ボールシートの折り曲げ部の状態を示す拡大図であり、この図を用いて、折畳み定規6のエッジ6aの適切な位置について説明する。
図5(a)はパネルがまだ折り畳まれない平らなときの状態を示し、段ボールシート1の上面(折り畳んだとき箱の外側)の罫線位置Pと下面(折り畳んだとき箱の内側)の罫線位置Qとは段ボールシート1の面と垂直な仮想平面VP上に位置しており、折畳み定規6のエッジ6aもこれらの罫線位置P,Qの真下(即ち、罫線位置P,Qを含む仮想平面VP上)にあるのが望ましいことは明らかである。
【0012】
ところが、例えば図5(b)に示すように、パネルがほぼ90゜折り畳まれたときの折り曲げ部の状態を見ると、段ボールシート1の上ライナは延びないから上面の罫線位置Pはパネルが平坦なときとほぼ同じ(厳密に言えばライナが曲がった分内側に移動する)位置であるのに対し、内側罫線位置Qは上側罫線位置Pに対し約45゜傾いた位置となるため、その分内側に寄ることになる。
【0013】
更に内側ライナは圧縮されて内側罫線Qの近辺の腹部Rが膨らむことから、折畳み定規6のエッジ6aはQより更に内側に寄るのが望ましい。このエッジの寄り量を図4(b)及び図5(b)中に符号D1で示している。更に折畳みが進めば、図4(c)に示すように、エッジ6aの位置は更に内側に寄るのが望ましい。このときのエッジ6aの更なる寄り量(寄り量の増分)を図4(c)中に符号D2で示す。
【0014】
なお、図5(c),(d)は折畳み定規6のエッジ位置が不適切な場合の折れ曲がり方を示す図であり、図5(c)は折畳み定規6が内側に入り過ぎた場合、図5(d)は定規6が外側に出過ぎた場合を示す。いずれの場合も、段ボールシート1は罫線の位置から正しく対称に折れず、図6(a),(b)に示すように、パネルの端縁間の隙間Gが変動してしまい、箱精度の不良を引き起こすことになる。
【0015】
このように、折畳み定規6のエッジ位置は、パネルの折り畳み角度に応じてそれぞれ適正な位置がある。この適正位置は、単に、折り畳み角度だけ無く、シートの厚さや剛性、即ちフルート構成や、構成する原紙の坪量やグレード等によっても異なる。
このような点に着目すれば、段ボールシートのパネルが折り畳まれていくのにしたがって、折り畳み部分の内面側の罫線位置が次第に内側(装置幅方向の内側)に移動していくのに対応するように、段ボールシートの移動方向下流側に行くにしたがって折畳み定規6のエッジ位置を次第に内側(装置幅方向の内側)に寄るように適切に横傾斜させることが必要になる。特に、幅広いフルート構成や原紙構成の段ボールシートに対しては、この折畳み定規6のエッジ位置の横傾斜調整が重要になる。
【0016】
しかしながら、上記の特許文献1の技術は、フォールディングバー(折畳み定規)位置を次第に内側に寄せるという技術思想はなく、単に、左右のフォールディングバー(折畳み定規)が確実に平行になるように位置調整するもので、これでは、上記課題は何ら解決し得ない。
【0017】
本発明は、このような課題に鑑み案出されたもので、段ボールシートの高い折れ精度が容易に且つ確実に得られるようにした、フォルダグルアを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目標を達成するため、本発明のフォルダグルアは、段ボールシートを走行させながら左右一対の折畳み定規に折り畳み部分(段ボールシートのパネル)の内側を案内させて折り畳んで箱にするフォルダグルアであって、該折畳み定規の段ボールシート案内用エッジの位置が、段ボールシートを折り畳んでいく過程で次第に装置幅方向の内側に移っていくように横傾斜して配置され、該折畳み定規の要部を装置幅方向方向に移動させることで該エッジの横傾斜状態を微調整する調整機構が設けられていることを特徴としている(請求項1)。
【0019】
段ボールシートを折り畳む際に、段ボールシートの折り畳み部分内側の罫線に沿って、折畳み定規の段ボールシート案内用エッジで案内させることになるが、折り畳み部分の内側の罫線は、段ボールシートを折り畳んでいく過程で次第に装置幅方向内側に変位していく。本フォルダグルアでは、エッジの位置が、段ボールシートを折り畳んでいく過程で次第に装置幅方向の内側に移っていくように横傾斜して配置されているので、このような折り畳み部分内側の罫線位置の変位に対応することができ、エッジを折り畳み部分内側の罫線に合わせることが可能になる。このような罫線位置の変位は微妙であるが、調整機構によってエッジの横傾斜状態を微調整できるので、エッジを折り畳み部分内側の罫線に精度良く合わせることが可能になる。
【0020】
該折畳み定規は、シート走行方向に複数の部分定規に分割され、上記の複数の部分定規の何れかが、その要部を装置幅方向方向に移動可能に構成されていることが好ましい(請求項2)。
さらに、上記の複数の部分定規は互いに滑らかに連続するように連結され、上記の横傾斜して配置されたエッジをそなえた部分定規の上流又は下流に接続された部分定規を、装置幅方向に平行移動させる第1駆動機構が備えられていることが好ましい(請求項3)。
【0021】
また、上記の複数の部分定規を支持するフレームを、装置幅方向に平行移動させる第2駆動機構が備えられ、上記の第1駆動機構及び第2駆動機構から該調整機構が構成されていることが好ましい(請求項4)。
さらに、該部分定規のうち上下に隣接する2つの該部分定規のうち、該下流側定規に、上記の横傾斜して配置されたエッジが備えられるとともに、上流側定規が該第1駆動機構により装置幅方向に平行移動されるように構成され、
該第1駆動機構により該上流側の定規を平行移動させて該下流側定規の該エッジの横傾斜状態を微調整する際には、該上流側定規のエッジが該段ボールシートの罫線に対応した位置(真下)に来るよう該第2駆動機構を用いて該上流側定規の装置幅方向位置を調整することが好ましい(請求項5)。
【0022】
この場合、該折畳み定規は、シート走行方向に上流側から入口側定規,中間定規,出入口側定規の3つの部分定規に分割され、該中間定規に、上記の横傾斜して配置されたエッジが備えられるとともに、該入口側定規が該第1駆動機構により装置幅方向に平行移動されるように構成され、該第1駆動機構により該入口側定規を平行移動させて該中間定規の該エッジの横傾斜状態を微調整する際には、該入口側定規のエッジが該段ボールシートの罫線に対応した位置(真下)に来るよう該第2駆動機構を用いて該入口側定規の装置幅方向位置を調整することが好ましい(請求項6)。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
図1,図2は本発明の一実施形態に係るフォルダグルアの要部を示すもので、図1はその折畳み定規の配置構成を示す上面図、図2はその折畳み定規の横断面図である。
【0024】
本実施形態のフォルダグルアの概要構成は、折畳み定規とその周辺を除き、従来技術のものと同様である。つまり、図3を参照すると(折畳み定規の符号は6´と読み替える)、製函機にそなえられフォルダグルアには、そのシート進行方向に沿って、左右の上フレーム2,2が設けられ、上フレーム2,2の入口および出口にはそれぞれプーリ3がそなえられ(出口側は図示を省略)、入口のプーリ3と出口のプーリ3とに搬送ベルト4が掛かっている。左右の各搬送ベルト4の下には、同じく左右に下フレーム5,5がそなえられ、各搬送ベルト4は対応する下フレーム5の上面を走行する。段ボールシート1はこれらの搬送ベルト4と下フレーム5との間に送り込まれ、搬送ベルト4の摩擦力で搬送ベルト4に保持され、下フレーム5の上面を滑って移動するようになっている。下フレーム5は折り曲げる罫線C1,C2よりも内側(機械の中心寄り)に位置している。
【0025】
この下フレーム5に支持されて折畳み定規6´が段ボールシート1の走行路に沿って設けられている。段ボールシート1の走行路の外側には、走行路に沿うように折畳みバー7がそなえられている。段ボールシート1は走行する過程で、折畳み定規6´の先端規制部(エッジ)に正確に折畳み位置を規制されながらこの折畳みバー7により押圧されて折り畳まれるようになっている。段ボールシート1が下流部まで走行して折畳み角度が180゜近くになると、更に折畳みベルト8により折り畳まれるようになっている。
【0026】
本フォルダグルアでは、図1に示すように、折畳み定規6´が、入口側定規10と出口側定規11と中間の定規12との3つに分割され、入口側定規10は下フレームに対し移動可能とされ、出口側定規11は従来のごとく下フレームに対し固定され、中間の定規12は両端を前記両定規に夫々ピンで接続され両定規のエッジをなだらかに結ぶように設定されている。以下に、その詳細を説明する。
【0027】
図2に示すように、下フレーム5の入口側には、ピン20が直角(入口側定規10の段ボールシート案内方向に対して直角、即ち、装置幅方向)に突き出して取付けられている。このピン20には、図2に示すように、断面コの字型の摺動腕21がピン20摺動可能に取付けられている。一方、下フレーム5には軸受22により軸23が回転自在に支持されている。
【0028】
この軸23は、軸心線をピン20と直交する方向に向けて設けられており、軸23には偏心輪24が取付けられている。また、軸23はモータ(第1駆動機構)25により回転駆動されるようになっている。これにより、偏心輪24を回転すると入口側定規10はピン20の軸方向に沿って(図2中で左右に)摺動する。
【0029】
入口側定規10のエッジ部の形状そのものは従来と特に変るところはなく、出口側の固定定規11のエッジ部も従来と特に変るところは無いため、ここでは、説明を省略する。
中間定規12は、図1に示すごとく、一端を可動の入口側定規10にピン30で連結され、他端を固定の出口側定規にピン31で連結されており、入口側定規10の移動に応じて装置幅方向に揺動するように支持されている。段ボールシート1は、主としてこの中間定規12を通過する過程でパネルを折り畳まれていくが、この折り畳み過程で、段ボールシート1折り畳み部分の内面側の罫線位置が次第に内側(装置幅方向の内側)に移動していく(図4参照)のに対応するように、左右の中間定規12は段ボールシートの移動方向下流側に行くにしたがってそのエッジ位置を次第に内側(装置幅方向の内側)に寄せるように横傾斜した基本配置となっている。
【0030】
なお、図1に示すように、下フレーム5にはネジ軸40が螺合しており、ネジ軸40はモータ(第2駆動機構)41により回転駆動されるようになっている。従って、モータ40を駆動してネジ軸40を回転させると、下フレーム5が機械の幅方向に移動するようになっている。また、図示していないが上フレーム2も下フレーム5と一体となって移動するようになっている。
【0031】
したがって、入口部定規10を移動するモータ25と下フレームを移動するモータ41とを協働させることにより、入口部定規10及び出口部定規11の各装置幅方向位置を調整することができる。これにより、中間定規12のエッジ位置が、入口部定規10側から出口部定規11側に向けて適切な寄り量で次第に内側(装置幅方向の内側)に寄っていくように微調整することができる。このように、本実施形態では、両モータ25,モータ41により、中間定規12のエッジの装置幅方向への傾き(横傾斜状態)を調整する調整機構が構成されている。
【0032】
下フレームを移動するモータ41や入口部定規10を移動するモータ25を制御ために、フォルダグルア用制御盤42が設けられている。この制御盤42には、入口部定規10を開方向あるいは閉方向に動かすよう駆動モータ25に指示する押釦スイッチ44が接続されている。また、制御盤25には製函機全体の生産管理をする生産管理装置43からの寸法データ等が入るようになっている。
【0033】
本発明の一実施形態にかかるフォルダグルアは上述のように構成されているので、フォルダグルア用制御盤42は、生産制御装置43から段ボールシート1の罫線C,Cの位置情報L,Lを得ると、モータ41を回転させて下フレーム5を(上フレーム2も)移動させ、入口側定規10のエッジが罫線C,Cの真下[図4(a)]参照]に来るように配置する。既に説明したように、入口部ではどの段ボールシート1であっても、このように罫線の真下に入口側定規10のエッジを持ってくればよい。
【0034】
作業者はこの状態でシートを通紙して折畳み状態を確認し、出口側定規11の位置が適切であるかどうかを判断し、拡げたり狭めたりする必要があれば、押釦スイッチ44で指示を出す。例えば出口側を狭める指示をしたとする。すると制御盤44は入口側定規10を拡げるようにモータ25を駆動する。それと同時に、下フレーム5を同量だけ狭めるようにモータ41を制御する。このようにして、入口側定規10の位置を変えることなく、出口側定規11の位置を狭めることができる。拡げる場合は全く逆の制御をすればよい。
【0035】
本フォルダグルアによれば、折畳み定規の位置を入口側(入口側定規10)と出口側(出口側定規11)とでそれぞれ自由に設定でき、この結果、入口側定規10と出口側定規11の間に連結された折畳み定規の中間部(中間定規)12に特別の移動装置を使用することなく、なだらかにエッジを形成できるので、簡単な構造によって、精度の高い段ボールシートの折畳み装置を得ることができる。
【0036】
つまり、左右の中間定規12は段ボールシートの移動方向下流側に行くにしたがってそのエッジ位置を次第に内側(装置幅方向の内側)に寄せるように横傾斜した基本配置となっており、段ボールシート1の折り畳み部分内面側の罫線位置が次第に内側(装置幅方向の内側)に移動していく(図4参照)のに対応している。これに加えて、調整機構、即ち、両モータ25,モータ41により、中間定規12のエッジの装置幅方向への傾き(横傾斜状態)を微調整することができるので、中間定規12のエッジを、段ボールシート1の折り畳み部分内面側の罫線に常時精度良く沿わせること[図5(b)参照]ができるようになる。
これにより、図6(a),(b)に示すような箱精度の不良を防止することができ、精度の高い段ボール箱を得ることができるのである。
【0037】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0038】
例えば、本発明の主旨から言えば入口側,出口側の折畳み定規が相対的に位置調整可能であればよいので、出口側定規を動かしても同じ効果が得られる。しかし、4(c)に示すように、パネルの折畳み角度が大きいところでは、パネルの間を定規が通るように定規を薄くしなければならず、移動装置を組み込むことが難しい。このような観点からは、上記の実施形態のように、入口側定規を幅方向に移動できるようにすることが好ましい。
【0039】
また、上記実施形態では、折畳み定規を入口側,中間,出口側に3分割し、中間で段ボールシートの折り畳みが行なわれる(即ち、エッジを横傾斜させる)ように構成しているが、入口側,中間,出口側の何れで段ボールシートの折り畳みを行なう(即ち、エッジを横傾斜させる)ように構成してもよい。例えば、出口側定規で段ボールシートの折り畳みを行なう(即ち、エッジを横傾斜させる)ようにして、中間定規を幅方向に移動できるようにしてもよい。
【0040】
また、折畳み定規を分割する場合には、分割数は実施形態のもの(3分割)に限定されず、2分割や4分割以上であってもよい。このように、折畳み定規を分割し、これらを互いに滑らかに接続するように連結すれば、段ボールシートの折り畳みを行なう(即ち、エッジを横傾斜させる)分割定規自体には、モータ等の駆動機構(第1駆動機構)を設けずに、これに隣接する分割定規を装置幅方向に移動させるようにして、位置調整をすることができ、装置を簡素に構成できる。
【0041】
もちろん、折畳み定規を特に分割せずに、段ボールシートの折り畳みを行なう(即ち、エッジを横傾斜させる)分割定規自体の一端を装置幅方向に移動させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1駆動機構及び第2駆動機構としてモータ(電動)25,41を用いているが、油圧モータ等他の機構を用いても良く、さらに、上記実施形態では、第1駆動機構25及び第2駆動機構41を協働させて、折畳み定規の各位置を調整するようにしているが、折畳み定規の各位置をそれぞれ単一の調整機構で直接調整するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のフォルダグルアによれば、段ボールシート案内用エッジを段ボールシートの折り畳み部分(即ち、パネル)の内側の罫線に精度良く合わせることが可能になり、段ボールシートの高い折れ精度を容易に且つ確実に得ることができ、段ボール箱の製造精度を大きく向上できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるフォルダグルアの折畳み定規の配置構成を示す上面図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるフォルダグルアの折畳み定規の横断面図(図1のA−A矢視断面図)である。
【図3】従来のフォルダグルアを示す斜視図である。
【図4】図4は従来のフォルダグルアの要部の模式的な横断面図であり、(a)は図3のX−X矢視断面、(b)は図3のY−Y矢視断面,(c)は図3のZ−Z矢視断面である。
【図5】段ボールシートの折り曲げ部の状態を示す拡大図であり、(a)はパネルがまだ折り畳まれない平らなときの状態を示す図、(b)はパネルがほぼ90゜折り畳まれたときの折り曲げ部の状態を示す図、(c),(d)は折畳み定規のエッジ位置が不適切な場合の折れ曲がり状態を示す図である。
【図6】箱精度の不良状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 段ボールシート
1A 段ボール箱
2 上フレーム
3 プーリ
4 搬送ベルト
5 下フレーム
6,6´ 折畳み定規
6a 折畳み定規6のエッジ
7 折畳みバー
8 折畳みベルト
10 入口側定規
11 出口側定規
12 中間の定規
20 ピン
21 摺動腕
22 軸受
23 軸
24 偏心輪
25 モータ(第1駆動機構)
30,31 ピン
40 ネジ軸
41 モータ(第2駆動機構)
42 フォルダグルア用制御盤
43 生産管理装置
44 押釦スイッチ
C,C1,C2 罫線
D1,D2 定規の寄り量
G パネルの隙間
,L 罫線C,Cの位置情報
P 上ライナの罫線位置
Q 下ライナの罫線位置
R 下ライナ罫線側部の腹
S スロット
VP 段ボールシート1の面と垂直な仮想平面

Claims (6)

  1. 段ボールシートを走行させながら左右一対の折畳み定規に折り畳み部分の内側を案内させて折り畳んで箱にするフォルダグルアであって、
    該折畳み定規の段ボールシート案内用エッジの位置が、段ボールシートを折り畳んでいく過程で次第に装置幅方向の内側に移っていくように横傾斜して配置され、
    該折畳み定規の要部を装置幅方向方向に移動させることで該エッジの横傾斜状態を微調整する調整機構が設けられていることを特徴とする、フォルダグルア。
  2. 該折畳み定規は、シート走行方向に複数の部分定規に分割され、上記の複数の部分定規の何れかが、その要部を装置幅方向方向に移動可能に構成されていることを特徴とする、請求項1記載のフォルダグルア。
  3. 上記の複数の部分定規は互いに滑らかに連続するように連結され、
    上記の横傾斜して配置されたエッジをそなえた部分定規の上流又は下流に接続された部分定規を、装置幅方向に平行移動させる第1駆動機構が備えられていることを特徴とする、請求項2記載のフォルダグルア。
  4. 上記の複数の部分定規を支持するフレームを、装置幅方向に平行移動させる第2駆動機構が備えられ、
    上記の第1駆動機構及び第2駆動機構から該調整機構が構成されている
    ことを特徴とする、請求項3記載のフォルダグルア。
  5. 該部分定規のうち上下に隣接する2つの該部分定規のうち、該下流側定規に、上記の横傾斜して配置されたエッジが備えられるとともに、上流側定規が該第1駆動機構により装置幅方向に平行移動されるように構成され、該第1駆動機構により該上流側の定規を平行移動させて該下流側定規の該エッジの横傾斜状態を微調整する際には、該上流側定規のエッジが該段ボールシートの罫線に対応した位置に来るよう該第2駆動機構を用いて該上流側定規の装置幅方向位置を調整することを特徴とする、請求項4記載のフォルダグルア。
  6. 該折畳み定規は、シート走行方向に上流側から入口側定規,中間定規,出入口側定規の3つの部分定規に分割され、
    該中間定規に、上記の横傾斜して配置されたエッジが備えられるとともに、
    該入口側定規が該第1駆動機構により装置幅方向に平行移動されるように構成され、
    該第1駆動機構により該入口側定規を平行移動させて該中間定規の該エッジの横傾斜状態を微調整する際には、該入口側定規のエッジが該段ボールシートの罫線に対応した位置に来るよう該第2駆動機構を用いて該入口側定規の装置幅方向位置を調整することを特徴とする、請求項5記載のフォルダグルア。
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