JP2005013813A - 汚水処理方法及びシステム並びにそれに使用される連続拡大培養装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期にわたって十分な有機物分解能を維持し、汚泥の削減及び臭気の低減を図る。
【解決手段】汚水を一時貯留すると共に汚水に含まれる有機物を有効微生物群と反応させて汚水処理する曝気槽3と、予め設定されたプログラムに従って有効微生物群を連続的に培養すると共に曝気槽3の汚水に対し複数回に分けて有効微生物群を投与する連続拡大培養装置4とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】汚水を一時貯留すると共に汚水に含まれる有機物を有効微生物群と反応させて汚水処理する曝気槽3と、予め設定されたプログラムに従って有効微生物群を連続的に培養すると共に曝気槽3の汚水に対し複数回に分けて有効微生物群を投与する連続拡大培養装置4とを備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚水処理方法及びシステムに関し、特に有効微生物群を使用して悪臭防止、水質保全、余剰汚泥の減量化等を図れるようにした汚水処理方法及びシステム並びにそれに使用される連続拡大培養装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、有効微生物群を使用した一般的な汚水処理の方式として活性汚泥方式が知られている。この方式は、汚水に曝気(エアレーション)をかけることで、汚水中の好気性微生物の働きを活性化させ、汚水中の有機物を分解して水質を浄化させるというものである。この活性汚泥方式による汚水処理は、優れた浄化能力を有するものの、悪臭の抑制、汚泥の発生量の削減のためには、有効微生物群の強化、改善が必要であり、そのための種々の試みがなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、沈澱池より排出された汚泥を曝気しつつ、硅藻土、パーライト等の混合物の層を通して返送することにより、有機物分解能、臭気減少を図るようにした装置が開示されている。また、特許文献2には、主に好気性菌群が生息する反応槽から送られる汚泥を固液分離して、濃縮され抜き出された汚泥の一部又は全部にケイ酸を含有する溶液を添加すると共に、曝気によって好気状態に保持し、熟成により脱臭効果を安定的に発現させるようにした汚泥処理方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特公昭62−016155号公報、第2頁 左欄第10〜18行
【特許文献2】
特開平12−084595号公報、第2頁、段落0009
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の汚水処理方法では、活性汚泥中に含まれる有効微生物群が相互に影響しあって時間の経過と共に反応槽における有機物分解能が低下し、十分な臭気低減効果が得られないとう問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、長期にわたって十分な有機物分解能を維持し、効果的に汚泥の削減及び臭気の低減を図ることができる汚水処理方法及びシステム並びにそれに使用される連続拡大培養装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る汚水処理方法は、汚水に対して有効微生物群を投与して汚水に含まれる有機質を分解する汚水処理方法において、前記有効微生物群を連続拡大培養装置で連続的に培養しつつ、前記連続拡大培養装置に収容された有効微生物群を複数回に分けて前記汚水に投与するようにしたことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る汚水処理システムは、汚水を一時貯留すると共に汚水に含まれる有機物を有効微生物群と反応させて汚水処理する反応槽と、予め設定されたプログラムに従って前記有効微生物群を連続的に培養すると共に前記反応槽の汚水に対し複数回に分けて前記有効微生物群を投与する連続拡大培養装置とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、有効微生物群の培養と投入とを、複数回に分けて行うようにしているので、一度のセッティングで、有効微生物層は殆ど劣化させずに、長期間に亘る連続運転が可能になる。これにより、効果的に汚泥の削減及び臭気の低減を図ることが可能になる。
【0010】
また、本発明に係る連続拡大培養装置は、第1の嫌気性菌を含む培養液を収容する第1の培養液槽、通性嫌気性・好気性菌を含む培養液を収容する第2の培養液槽、第2の嫌気性菌を含む培養液を収容する第3の培養液槽、前記第1〜第3の培養液槽にそれぞれ水を供給するための給水手段、前記第1〜第3の培養液槽に収容された培養液の液面をそれぞれ検出する第1〜第3の液面検出手段、前記第1〜第3の培養液槽に収容された培養液の温度を検出する第1〜第3の温度検出手段、前記第1〜第3の培養液槽に収容された培養液を加温する第1〜第3の加温手段、及び前記第1〜第3の培養液槽に収容された培養液を所定の割合で汚水に投入する投入手段を備えた培養槽と、予め設定されたプログラムに従って、前記第1〜第3の加温手段を制御すると共に、前記反応槽に対し複数回に分けて前記有効微生物群を前記汚水に投入するように前記投入手段を制御するコントローラとを備えたことを特徴とする。
【0011】
この連続拡大培養装置によれば、前述した利点に加え、有効微生物群は、第1〜第3の培養液槽に別個に培養されることにより、最も望ましい温度条件を含む環境条件で培養がなされ、混合による相互の影響は皆無となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る汚水処理システムの概略構成を示す図である。
し尿、生活廃水、工業排水等の汚水である原水は、原水ポンプ槽1に一旦貯留され、図示しない圧送ポンプによって後段の処理部に順次供給される。流入調整槽2は、原水に対する脱臭・分解の前処理を行うと共に、後段に供給される汚水の流入量を調整する。曝気槽(反応槽)3は、流入調整槽2から供給された汚水を一旦貯留し、所定の曝気条件のもと、連続拡大培養装置4からの有効微生物群の投与によって、汚水に対して生化学反応を生起し、有機物を分解する。曝気槽3から排出された処理水は、沈澱槽5に供給され、ここで汚泥と上澄み液とに分離される。沈澱された汚泥は、図示しない汚泥脱水気等の汚泥処理装置で適宜処理されるが、その一部が引き抜かれ、流入調整槽2及び/又は曝気槽3に返送されていても良い。また、汚泥の余剰分は、種菌種汚泥(シーディング材)として他の処理施設で活用することもできる。上澄み液は、処理水槽6に貯留されたのち、土壌トレンチ7等を介して中水として再利用される。この中水は、後述する培養層8に上水の代わりに補給水として用いられたり、雑用水として利用される。また、中水は、曝気槽3でエアレーションをかけている場合に発生する気泡を消滅させるための消泡水としてノズルから噴霧されるようにしても良い。
【0013】
連続拡大培養装置4は、培養槽8とコントローラ9とにより構成されている。培養槽8は、例えば図2に示すように構成されている。即ち、この培養槽8は、独立した3つの培養液槽11,12,13を備えている。各培養液槽11〜13には、給水弁14,15,16,17を介して給水がなされ、各培養液槽11〜13の有効微生物群を含む培養液21,22,23は、投入弁18,19,20及び投入ポンプ30によって、流入調整槽2及び曝気槽3に一括投入される。各培養液槽11〜13には、培養液21,22,23を槽内で循環させるための循環ポンプ24,25,26が設けられている。また、各培養液槽11〜13には、培養液21〜23をそれぞれ個別に加温するためのヒータ27,28,29と、培養液21〜23の温度を検出するためのサーモスタット31,32,33と、培養液21〜23の液面を三段階にわたって検出する液面検出用の電極棒34,35,36とが設けられている。更に、各培養液槽11〜13は、内部が密閉された構造をなっているが、上部に空気逃がし弁37,38,39が設けられている。
【0014】
この培養槽8では、三種類の有効微生物群を各培養液槽11,12,13でそれぞれ個別に培養し、所定の割合で混合投入することができる。コントローラ9には、設定パネル(図示せず)が設けられており、この設定パネルによって培養時間、一括投入時間、投入量、培養温度等をコントロールすることができる。
【0015】
図3は、コントローラ9によって制御される連続拡大培養装置の工程を示すフローチャートである。
先ず、各培養液槽11〜13に、別々に有効微生物の原液と糖蜜とを投入し(S1)、給水を行う(S2)。満水状態になったら給水を停止する。続いて予め設定された時間及び温度で培養が行われ(S3)、1回目の投入を行う(S4)。以後、培養(S5,S7,S9)と投入(S6,S8,S10)を繰り返し、最後に培養液槽11〜13の洗浄を行って(S11)、休止状態に入る(S12)。
【0016】
このように、有効微生物群の投入を、4回に分けて行うと、1回の投入では、1週間程度しか運転ができなかったものが、一度の原液と糖蜜のセッティングで、1ヶ月に亘る連続運転が可能になり、管理業務の省力化が促進される。しかも、4回であれば、有効微生物層は殆ど変化しないことも確認されている。しかし、投入回数が増えると、雑菌の繁殖も増えるので、投入回数は最大でも4回と限定することが望ましい。複数回に亘る培養、投入後は、培養液層11〜13を自動洗浄して雑菌を洗い流すことが望ましい。
【0017】
投入の割合は、例えば、1回目が全培養液の7割投入、2回目が残留培養液の6割投入、3回目が残留培養液の5割投入、4回目が残留培養液を全て投入というように投入量を徐々に減じながら投入していくのが望ましい。このような投入方法により、微生物群の密度(培養液の中の有効微生物群の数又は絶対量)を1回目から4回目の投入まで平均的に保つことができバラツキを防止することができるからである。
【0018】
このシステムに用いられる望ましい有効微生物群としては、乳酸菌、光合成菌等の嫌気性菌、放線菌等の通性嫌気性・好気性菌等があげられる。乳酸菌は、有害な微生物の繁殖や汚水中に含まれる残留有機物の急激な腐敗分解を抑制し、悪臭ガスの発生を抑制すると共に、醗酵を進め、有効な養分を生成する。光合成菌は、硫化水素や植物の根から出る分泌物や有機物を餌としてビタミンや植物の養分を合成する。放線菌(グラム陽性放線菌群)は、抗生物質を生成し、カビや病原菌を抑制する。例えば、乳酸菌(第1の嫌気性菌)、放線菌(通性嫌気性・好気性菌)及び光合成菌(第2の嫌気性菌)は、それぞれ培養液槽11〜13に別個に培養されることにより、最も望ましい温度条件を含む環境条件で培養がなされ、混合による相互の悪影響は皆無となる。汚水への投入に際しては、これらのうち嫌気性菌を70%以上、通性嫌気性・好気性菌を5〜10%の割合で混合投入するのが望ましい。嫌気性菌が70%以上であると、曝気量を大幅に削減できるので、曝気による電力量の削減により、ランニングコストを大幅に削減することができるからである。なお、汚水に硫化水素が多く含まれている場合には、嫌気性菌のうち光合成菌の割合を乳酸菌よりも多くすることが望ましい。また、8〜12ppmの酵素、ミネラル分又はアミノ酸を添加すると、汚泥量の減少を促進し、有効微生物を更に活性化させるのでより望ましい。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、有効微生物群の培養と投入とを複数回に分けて行うようにしているので、一度のセッティングで、有効微生物層は殆ど劣化させずに、長期間に亘る連続運転が可能になり、効果的に汚泥の削減及び臭気の低減を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る汚水処理システムのブロック図である。
【図2】同システムにおける連続拡大培養装置の概略構成図である。
【図3】同システムを用いた汚水処理の工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…原水ポンプ槽、2…流入調整槽、3…曝気槽、4…連続拡大培養装置、5…沈澱槽、6…処理水槽、7…土壌トレンチ、8…培養槽、9…コントローラ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚水処理方法及びシステムに関し、特に有効微生物群を使用して悪臭防止、水質保全、余剰汚泥の減量化等を図れるようにした汚水処理方法及びシステム並びにそれに使用される連続拡大培養装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、有効微生物群を使用した一般的な汚水処理の方式として活性汚泥方式が知られている。この方式は、汚水に曝気(エアレーション)をかけることで、汚水中の好気性微生物の働きを活性化させ、汚水中の有機物を分解して水質を浄化させるというものである。この活性汚泥方式による汚水処理は、優れた浄化能力を有するものの、悪臭の抑制、汚泥の発生量の削減のためには、有効微生物群の強化、改善が必要であり、そのための種々の試みがなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、沈澱池より排出された汚泥を曝気しつつ、硅藻土、パーライト等の混合物の層を通して返送することにより、有機物分解能、臭気減少を図るようにした装置が開示されている。また、特許文献2には、主に好気性菌群が生息する反応槽から送られる汚泥を固液分離して、濃縮され抜き出された汚泥の一部又は全部にケイ酸を含有する溶液を添加すると共に、曝気によって好気状態に保持し、熟成により脱臭効果を安定的に発現させるようにした汚泥処理方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特公昭62−016155号公報、第2頁 左欄第10〜18行
【特許文献2】
特開平12−084595号公報、第2頁、段落0009
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の汚水処理方法では、活性汚泥中に含まれる有効微生物群が相互に影響しあって時間の経過と共に反応槽における有機物分解能が低下し、十分な臭気低減効果が得られないとう問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、長期にわたって十分な有機物分解能を維持し、効果的に汚泥の削減及び臭気の低減を図ることができる汚水処理方法及びシステム並びにそれに使用される連続拡大培養装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る汚水処理方法は、汚水に対して有効微生物群を投与して汚水に含まれる有機質を分解する汚水処理方法において、前記有効微生物群を連続拡大培養装置で連続的に培養しつつ、前記連続拡大培養装置に収容された有効微生物群を複数回に分けて前記汚水に投与するようにしたことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る汚水処理システムは、汚水を一時貯留すると共に汚水に含まれる有機物を有効微生物群と反応させて汚水処理する反応槽と、予め設定されたプログラムに従って前記有効微生物群を連続的に培養すると共に前記反応槽の汚水に対し複数回に分けて前記有効微生物群を投与する連続拡大培養装置とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、有効微生物群の培養と投入とを、複数回に分けて行うようにしているので、一度のセッティングで、有効微生物層は殆ど劣化させずに、長期間に亘る連続運転が可能になる。これにより、効果的に汚泥の削減及び臭気の低減を図ることが可能になる。
【0010】
また、本発明に係る連続拡大培養装置は、第1の嫌気性菌を含む培養液を収容する第1の培養液槽、通性嫌気性・好気性菌を含む培養液を収容する第2の培養液槽、第2の嫌気性菌を含む培養液を収容する第3の培養液槽、前記第1〜第3の培養液槽にそれぞれ水を供給するための給水手段、前記第1〜第3の培養液槽に収容された培養液の液面をそれぞれ検出する第1〜第3の液面検出手段、前記第1〜第3の培養液槽に収容された培養液の温度を検出する第1〜第3の温度検出手段、前記第1〜第3の培養液槽に収容された培養液を加温する第1〜第3の加温手段、及び前記第1〜第3の培養液槽に収容された培養液を所定の割合で汚水に投入する投入手段を備えた培養槽と、予め設定されたプログラムに従って、前記第1〜第3の加温手段を制御すると共に、前記反応槽に対し複数回に分けて前記有効微生物群を前記汚水に投入するように前記投入手段を制御するコントローラとを備えたことを特徴とする。
【0011】
この連続拡大培養装置によれば、前述した利点に加え、有効微生物群は、第1〜第3の培養液槽に別個に培養されることにより、最も望ましい温度条件を含む環境条件で培養がなされ、混合による相互の影響は皆無となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る汚水処理システムの概略構成を示す図である。
し尿、生活廃水、工業排水等の汚水である原水は、原水ポンプ槽1に一旦貯留され、図示しない圧送ポンプによって後段の処理部に順次供給される。流入調整槽2は、原水に対する脱臭・分解の前処理を行うと共に、後段に供給される汚水の流入量を調整する。曝気槽(反応槽)3は、流入調整槽2から供給された汚水を一旦貯留し、所定の曝気条件のもと、連続拡大培養装置4からの有効微生物群の投与によって、汚水に対して生化学反応を生起し、有機物を分解する。曝気槽3から排出された処理水は、沈澱槽5に供給され、ここで汚泥と上澄み液とに分離される。沈澱された汚泥は、図示しない汚泥脱水気等の汚泥処理装置で適宜処理されるが、その一部が引き抜かれ、流入調整槽2及び/又は曝気槽3に返送されていても良い。また、汚泥の余剰分は、種菌種汚泥(シーディング材)として他の処理施設で活用することもできる。上澄み液は、処理水槽6に貯留されたのち、土壌トレンチ7等を介して中水として再利用される。この中水は、後述する培養層8に上水の代わりに補給水として用いられたり、雑用水として利用される。また、中水は、曝気槽3でエアレーションをかけている場合に発生する気泡を消滅させるための消泡水としてノズルから噴霧されるようにしても良い。
【0013】
連続拡大培養装置4は、培養槽8とコントローラ9とにより構成されている。培養槽8は、例えば図2に示すように構成されている。即ち、この培養槽8は、独立した3つの培養液槽11,12,13を備えている。各培養液槽11〜13には、給水弁14,15,16,17を介して給水がなされ、各培養液槽11〜13の有効微生物群を含む培養液21,22,23は、投入弁18,19,20及び投入ポンプ30によって、流入調整槽2及び曝気槽3に一括投入される。各培養液槽11〜13には、培養液21,22,23を槽内で循環させるための循環ポンプ24,25,26が設けられている。また、各培養液槽11〜13には、培養液21〜23をそれぞれ個別に加温するためのヒータ27,28,29と、培養液21〜23の温度を検出するためのサーモスタット31,32,33と、培養液21〜23の液面を三段階にわたって検出する液面検出用の電極棒34,35,36とが設けられている。更に、各培養液槽11〜13は、内部が密閉された構造をなっているが、上部に空気逃がし弁37,38,39が設けられている。
【0014】
この培養槽8では、三種類の有効微生物群を各培養液槽11,12,13でそれぞれ個別に培養し、所定の割合で混合投入することができる。コントローラ9には、設定パネル(図示せず)が設けられており、この設定パネルによって培養時間、一括投入時間、投入量、培養温度等をコントロールすることができる。
【0015】
図3は、コントローラ9によって制御される連続拡大培養装置の工程を示すフローチャートである。
先ず、各培養液槽11〜13に、別々に有効微生物の原液と糖蜜とを投入し(S1)、給水を行う(S2)。満水状態になったら給水を停止する。続いて予め設定された時間及び温度で培養が行われ(S3)、1回目の投入を行う(S4)。以後、培養(S5,S7,S9)と投入(S6,S8,S10)を繰り返し、最後に培養液槽11〜13の洗浄を行って(S11)、休止状態に入る(S12)。
【0016】
このように、有効微生物群の投入を、4回に分けて行うと、1回の投入では、1週間程度しか運転ができなかったものが、一度の原液と糖蜜のセッティングで、1ヶ月に亘る連続運転が可能になり、管理業務の省力化が促進される。しかも、4回であれば、有効微生物層は殆ど変化しないことも確認されている。しかし、投入回数が増えると、雑菌の繁殖も増えるので、投入回数は最大でも4回と限定することが望ましい。複数回に亘る培養、投入後は、培養液層11〜13を自動洗浄して雑菌を洗い流すことが望ましい。
【0017】
投入の割合は、例えば、1回目が全培養液の7割投入、2回目が残留培養液の6割投入、3回目が残留培養液の5割投入、4回目が残留培養液を全て投入というように投入量を徐々に減じながら投入していくのが望ましい。このような投入方法により、微生物群の密度(培養液の中の有効微生物群の数又は絶対量)を1回目から4回目の投入まで平均的に保つことができバラツキを防止することができるからである。
【0018】
このシステムに用いられる望ましい有効微生物群としては、乳酸菌、光合成菌等の嫌気性菌、放線菌等の通性嫌気性・好気性菌等があげられる。乳酸菌は、有害な微生物の繁殖や汚水中に含まれる残留有機物の急激な腐敗分解を抑制し、悪臭ガスの発生を抑制すると共に、醗酵を進め、有効な養分を生成する。光合成菌は、硫化水素や植物の根から出る分泌物や有機物を餌としてビタミンや植物の養分を合成する。放線菌(グラム陽性放線菌群)は、抗生物質を生成し、カビや病原菌を抑制する。例えば、乳酸菌(第1の嫌気性菌)、放線菌(通性嫌気性・好気性菌)及び光合成菌(第2の嫌気性菌)は、それぞれ培養液槽11〜13に別個に培養されることにより、最も望ましい温度条件を含む環境条件で培養がなされ、混合による相互の悪影響は皆無となる。汚水への投入に際しては、これらのうち嫌気性菌を70%以上、通性嫌気性・好気性菌を5〜10%の割合で混合投入するのが望ましい。嫌気性菌が70%以上であると、曝気量を大幅に削減できるので、曝気による電力量の削減により、ランニングコストを大幅に削減することができるからである。なお、汚水に硫化水素が多く含まれている場合には、嫌気性菌のうち光合成菌の割合を乳酸菌よりも多くすることが望ましい。また、8〜12ppmの酵素、ミネラル分又はアミノ酸を添加すると、汚泥量の減少を促進し、有効微生物を更に活性化させるのでより望ましい。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、有効微生物群の培養と投入とを複数回に分けて行うようにしているので、一度のセッティングで、有効微生物層は殆ど劣化させずに、長期間に亘る連続運転が可能になり、効果的に汚泥の削減及び臭気の低減を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る汚水処理システムのブロック図である。
【図2】同システムにおける連続拡大培養装置の概略構成図である。
【図3】同システムを用いた汚水処理の工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…原水ポンプ槽、2…流入調整槽、3…曝気槽、4…連続拡大培養装置、5…沈澱槽、6…処理水槽、7…土壌トレンチ、8…培養槽、9…コントローラ。
Claims (9)
- 汚水に対して有効微生物群を投与して汚水に含まれる有機質を分解する汚水処理方法において、
前記有効微生物群を連続拡大培養装置で連続的に培養しつつ、前記連続拡大培養装置に収容された有効微生物群を複数回に分けて前記汚水に投与する
ようにしたことを特徴とする汚水処理方法。 - 前記連続拡大培養装置に収容された有効微生物群を、1回の投与量を徐々に減じながら複数回に分けて前記汚水に投与する
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の汚水処理方法。 - 前記有効微生物群として第1の嫌気性菌、通性嫌気性菌・好気性菌及び第2の嫌気性菌を前記連続拡大培養装置でそれぞれ別々に培養し、これらの菌を所定の割合で前記汚水に投与するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の汚水処理方法。
- 前記第1及び第2の嫌気性菌を70%以上、通性嫌気性・好気性菌を5〜10%の割合で前記汚水に投与することを特徴とする請求項3記載の汚水処理方法。
- 前記第1の嫌気性菌は乳酸菌、前記通性嫌気性菌・好気性菌は放線菌、前記第2の嫌気性菌は光合成細菌であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載の汚水処理方法。
- 汚水を一時貯留すると共に汚水に含まれる有機物を有効微生物群と反応させて汚水処理する反応槽と、
予め設定されたプログラムに従って前記有効微生物群を連続的に培養すると共に前記反応槽の汚水に対し複数回に分けて前記有効微生物群を投与する連続拡大培養装置と
を備えたことを特徴とする汚水処理システム。 - 前記連続拡大培養装置は、前記反応槽に対する1回の投与量を徐々に減じながら複数回に分けて前記有効微生物群を前記汚水に投与するものであることを特徴とする請求項6記載の汚水処理システム。
- 第1の嫌気性菌を含む培養液を収容する第1の培養液槽、通性嫌気性・好気性菌を含む培養液を収容する第2の培養液槽、第2の嫌気性菌を含む培養液を収容する第3の培養液槽、前記第1〜第3の培養液槽にそれぞれ水を供給するための給水手段、前記第1〜第3の培養液槽に収容された培養液の液面をそれぞれ検出する第1〜第3の液面検出手段、前記第1〜第3の培養液槽に収容された培養液の温度を検出する第1〜第3の温度検出手段、前記第1〜第3の培養液槽に収容された培養液を加温する第1〜第3の加温手段、及び前記第1〜第3の培養液槽に収容された培養液を所定の割合で汚水に投入する投入手段を備えた培養槽と、
予め設定されたプログラムに従って、前記第1〜第3の加温手段を制御すると共に、前記反応槽に対し複数回に分けて前記有効微生物群を前記汚水に投入するように前記投入手段を制御するコントローラと
を備えたことを特徴とする連続拡大培養装置。 - 前記第1の嫌気性菌は乳酸菌、前記通性嫌気性菌・好気性菌は放線菌、前記第2の嫌気性菌は光合成細菌であることを特徴とする請求項8記載の連続拡大培養装置。
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JP2003179919A JP2005013813A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 汚水処理方法及びシステム並びにそれに使用される連続拡大培養装置 |
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JP2003179919A JP2005013813A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 汚水処理方法及びシステム並びにそれに使用される連続拡大培養装置 |
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JP (1) | JP2005013813A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008011814A (ja) * | 2006-07-07 | 2008-01-24 | Unicon Engineering Co Ltd | 循環型再生水利用方法 |
JP2011189249A (ja) * | 2010-03-12 | 2011-09-29 | Nippon Steel Corp | アンモニア含有廃水の生物学的窒素処理方法 |
CN110104795A (zh) * | 2019-05-18 | 2019-08-09 | 山西汾西重工有限责任公司 | 处理生活污水的生物菌培养液快速制备装置及制备方法 |
CN110699313A (zh) * | 2019-10-29 | 2020-01-17 | 天津市工业微生物研究所有限公司 | 一种降解工业废水特定微生物菌群的筛选及培养方法 |
-
2003
- 2003-06-24 JP JP2003179919A patent/JP2005013813A/ja active Pending
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