JP2005010871A - 計算機通信制御方法およびシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の技術において通信エラーとなる接続を行おうとするピア同士が互いに異なるファイアウォールの内側に存在する場合においても、Peer to Peer(P2P)通信の利点(サーバを介さないピア同士の高速な通信)を出来る限り損なうことなく、ピア間の通信を可能にすること。
【解決手段】予めP2P通信を行う装置または計算機に、ピア間を中継するGateway機能を付加する。接続・通信を行うピア同士が、互いに異なるファイアウォールの内側に存在し、接続を確立できない場合に、Gateway機能を持つ外部のピアを検索・利用し通信を行う。
【効果】Gateway機能を備えた外部ネットワーク上のピアをダイナミックに利用することにより、異なるファイアウォールに存在するピア間の通信を可能とする。
【選択図】 図1
【解決手段】予めP2P通信を行う装置または計算機に、ピア間を中継するGateway機能を付加する。接続・通信を行うピア同士が、互いに異なるファイアウォールの内側に存在し、接続を確立できない場合に、Gateway機能を持つ外部のピアを検索・利用し通信を行う。
【効果】Gateway機能を備えた外部ネットワーク上のピアをダイナミックに利用することにより、異なるファイアウォールに存在するピア間の通信を可能とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Peer to Peer(P2P)通信において、通信を行おうとするピアが互いに異なるファイアウォールの内側に存在する場合の通信に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、ファイアウォールは内部のオブジェクトから外部のネットワーク・オブジェクトへの接続を行えるようにしても、その逆方向である外部から内部への接続は行えないようにする。
【0003】
現在次の2つに大別されるPureP2P、HybridP2Pにおいて、P2P通信を行おうとするピア同士が保護しているイントラネットの外側から内側に対する接続を許さないような一般的なファイアウォールでお互いに保護されている場合、どちら側からも相手先のファイアウォールに阻まれP2P接続を確立出来ないため、Pushリクエスト(*1)を用いても、P2P接続は失敗し、通信が出来ないという問題がある。
【0004】
(*1)Pushリクエストとは、ファイアウォールの外側のピア3がファイアウォールの内側のピア1に対して接続に失敗した時、ファイアウォールの内側のピア1側からピア3に対して内側から外側への接続を行わせ、内側からのリソース(*2)のアップロードによって、リソースの取得を可能とするためのリクエストメッセージである。このPushリクエストを用いたPush機能によって、1つのファイアウォールで阻まれたファイアウォールの内側と外側のピアの通信を実現している。
【0005】
(*2)リソースとは、ネットワークを通過できる電子的なデータ、プログラム、およびサービス等のことを指す。
【0006】
すなわち、従来技術を用いたP2P通信では、接続を行おうとするピア同士が、互いに異なるファイアウォールの内側に存在するようなパターンの場合、P2P接続が確立できない環境としてエラー終了としており、ピア間での通信を実現させるための配慮が十分になされていなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−154953号公報
【特許文献2】
特開平11−261640号公報
【特許文献3】
特開2001−251367号公報
【非特許文献1】
森下民平著:「P2Pアーキテクチャ」CAC技術レポート誌、SOFTECHS、2002年、5月発行、VOL25・NO1
http://www.cac.co.jp/softechs/
http://www.cac.co.jp/softechs/images/st2501_07.pdf
【非特許文献2】
manuka著:「Gnutella とファイヤーウォール」
http://www.jnutella.org/docs/gnutella/Firewalls.html
http://www.jnutella.org/
【非特許文献3】
「P2P用語辞典」
http://www.jnutella.org/gnutella/p2p−glossary.shtml
http://www.jnutella.org/
【非特許文献4】
井口圭一著:「ネットワーク管理者のためのGnutella入門」
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/experiments/gnutella_for_admin/gnutella_for_admin_1.html
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、従来の技術において通信が行えないパターンである、接続を行おうとするピア同士が互いに異なるファイアウォールの内側に存在する場合においても、P2Pの利点(特定のサーバに負荷を集中させないピア同士の高速な通信)を出来る限り損なうことなく、通常エラー終了となるピア間の通信を可能にすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、P2P通信において、接続を開始し通信を確立しようとするピアが、互いに異なるファイアウォールの内側に存在し、P2P接続できない場合に、P2Pの利点を大きく損なうことなくピア間の通信を可能にすることにあって、P2P通信を行うプログラムまたはハードウェアに、ピア間を中継するゲートウェイ機能を付加し、第1のファイアウォールの内側に構築された第1の内部ネットワークに接続されたピア1と第2のファイアウォールの内側に構築された第2の内部ネットワークに接続されたピア2との接続・通信を、前記第1のファイアウォールおよび前記第2のファイアウォールの外側の外部ネットワークに接続されたダイナミックゲートウェイ機能を有するピア3を検出し、検索したゲートウェイ機能を持つ外部のピアをダイナミックゲートウェイとして利用し実現する処理方法であって、ピア1とピア2の接続エラー検出時の段階(1)に、PureP2Pの場合は既に接続しているP2Pネットワーク、HybridP2Pの場合はピア管理サーバを用いて、外部ネットワークに接続されておりダイナミックゲートウェイ機能を有している利用可能なピアを検索する段階(2)と段階(2)で検索されたピア3へピア1が第1のファイアウォールの外への接続が許可されたプロトコルを用いてピア3へP2P接続する段階(3)、接続したピア3へピア2との中継を依頼する段階(4)、P2Pネットワーク、またはピア管理サーバを介して、ピア2へピア3にPush接続を依頼する段階(5)、ピア2が第1のファイアウォールの外への接続が許可されたプロトコルを用いてピア3へP2P接続を行う段階(6)、ピア3からピア1へピア2との中継開始を通知する段階(7)、ピア2がピア3へリソースをアップロードする段階(8)、ピア1がピア3からリソースをダウンロードする段階(9)を順次有することを特徴とする通信方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を使って本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、PureP2Pにおいて、本発明の実施形態にかかる通信システムの構成要素を示すブロック図である。
【0012】
本実施形態にかかる通信システムは、リソース取得側のピア101、リソース提供側のピア102、ダイナミックゲートウェイの役割をする103で構成される。
【0013】
ファイアウォール201の内側には内部ネットワーク301が構築されてイントラネット401を構成している。
【0014】
ファイアウォール202の内側には内部ネットワーク302が構築されてイントラネット402を構成している。
【0015】
ファイアウォール201およびファイアウォール202の外側には、インターネット等のオープンネットワークを含む外部ネットワーク303が構築されている。
【0016】
リソース取得側のピア101は、イントラネット401に接続されて利用される。
【0017】
リソース提供側のピア102は、イントラネット402に接続されて利用される。
【0018】
ダイナミックゲートウェイとして利用する103は、外部ネットワーク303から接続可能な状態で接続されている。
【0019】
本実施形態は、イントラネット401の環境下にいるピア101が、イントラネット402の環境下にいるピア102からお互いのファイアウォールを障害とすることなくリソースを取得するものである。
【0020】
つぎに、図1の各機器、各機能の説明をする。
【0021】
一般的なピアはServer機能とClient機能で構成されている。Server機能は、Client機能からの接続受付、ファイルの格納およびデータ通信機能を有する。Client機能は、Server機能への接続、ファイルの格納およびデータ通信機能を有する。本発明では、従来のピアにGateway機能を付加する。また、各ピアは自ピアがGateway機能を有し、外部からの接続が可能であるかどうかの問い合わせに回答できる機能を有する。図1のピアはGateway機能とGateway問い合わせに回答する機能を有するピアを表している。
【0022】
Gateway機能は、接続・通信を行おうとしている2つのピアのClient機能からの接続を受け付け、接続された2つのピア間のデータを中継する機能、ファイルを格納する機能、2つのClient機能とデータ通信する機能を有する。
【0023】
Gateway問い合わせに回答する機能は、Gateway検索時のメッセージに対して、他のピア同士のGatewayとして自ピアが利用可能かどうかを回答する機能である。
【0024】
ファイアウォール201および202は、内部ネットワークと外部ネットワークとの間のアクセスを管理し制限する機能を有するコンピュータまたは専用ハードウエアである。ファイアウォールには、通常その目的に応じて、内部ネットワークから外部ネットワークへの接続のみが可能に設定されたポートおよび外部ネットワークと内部ネットワークとの間の双方向の接続が可能に設定されたポートが設けられており、さらに通信に用いるプロトコルごとに、予め使用するポートが決められている。通常、前記内部ネットワークから外部ネットワークへの接続のみが可能に設定されたポートを使用するプロトコルとしてはHTTP、FTP等が、前記外部ネットワークと内部ネットワークとの間の双方向の接続が可能に設定されたポートを使用するプロトコルとしてはSMTP等が割り当てられることが多い。本実施形態においては、上記各機器はこれらのポートやプロトコルを用いることにより、後述する特定の通信を行うものである。
【0025】
内部ネットワーク401および402は、例えば、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDIなどのLANや、これらのLAN同士を専用線等で接続したWANで構成されている。なお、内部ネットワークおよび401,402上、外部ネットワーク303上の機器の種類および台数は、実際には図1に示す例に限定されない。
【0026】
外部ネットワーク303は、ファイアウォール201および202の外側に構築されたネットワークであり、バリアセグメントおよびインターネット等のオープンネットワークを含むものである。
【0027】
図3は一般的なPureP2P、HybridP2Pにおいて、リソース検索後のP2P接続の流れを示すフローチャートである。次に図3のフローチャートの説明を行う。
【0028】
ピア1、ピア2は、Pure P2Pネットワークに既に接続しているものとし、リソースの取得側をピア1、リソース検索によって見つかったリソースの提供側をピア2とし、ピア1からピア2へP2P接続を開始し(3001)、ピア2側がファイアウォール等で保護されていない等で、接続が成功した場合(3002のYes)、ピア1はピア2からリソースをダウンロードし(3003)、接続を閉じて(3004)処理を終了する。
【0029】
3002の分岐において、ピア2側がファイアウォール等で保護されている場合で、接続が失敗した場合(3002のNo)、ピア1はピア2側からの接続を行ってもらうために、ピア1からピア2へメッセージを用いてPushリクエストを送信することでPush接続を要求し(3005)、Push接続の要求を受信したピア2はピア2からピア1に対してP2P接続を開始し(3006)、ピア1側がファイアウォール等で保護されていない等で、接続が成功した場合(3007のYes)、ピア2はピア1からリソースをアップロードし(3008)、接続を閉じて(3009)処理を終了する。
【0030】
3007の分岐において、ピア1側がファイアウォール等で保護されている場合で、接続が失敗した場合(3007のNo)、P2P接続は不可能であるため、処理をエラー終了(3010)する。
【0031】
以上のフローの流れから、P2P接続のパスをまとめると、以下の3パターンとなる。
(a)ピア1がピア2からリソースを取得する際、ピア1、ピア2共にファイアウォールで保護されたネットワークに属さない場合、または、ピア1がファイアウォールで保護されたネットワークに属し、ピア2がファイアウォールで保護されたネットワークに属さない場合の処理フローは次のようになる。
【0032】
スタート→3001→3002→3003→3004→エンド
(b)ピア1がピア2からリソースを取得する際、P2P技術の中には、外側から内側のピアへの接続が行えない場合でもPushリクエストを用いてファイアウォールの外側から内側のリソースを取得する処理を可能にしているものがある。ピア1がファイアウォールで保護されたネットワークに属さず、ピア2がファイアウォールで保護されたネットワークに属す場合の処理フローは次のようになる。
【0033】
スタート→3001→3002→3005→3006→3007→3008→3009→エンド
(c)ピア1がピア2からリソースを取得する際、ピア1、ピア2が異なるファイアウォールで保護されたネットワークに属する場合の処理フローは次のようになる。
【0034】
スタート→3001→3002→3005→3006→3007→3010→エンド
パターン(c)の場合に分岐3007でP2P通信が不可能な理由は、P2P通信を行おうとするピア同士がお互いに異なるファイアウォールで保護されている場合、どちら側からも相手先のファイアウォールに阻まれP2P接続を確立出来ないため、Pushリクエストを用いても、P2P接続は失敗し、通信が出来ないという問題があるためである。
【0035】
つぎに、本実施形態における通信システムの動作の概要を説明する。本実施形態の場合でも、3001から3009の流れは同様である。本実施形態で、流れの変わる3007以降のフローを図4に示す。
【0036】
次に図4のフローの説明を行う。但し、3001から3007と3007から3009は図3と同様なので、説明は割愛する。
【0037】
3007の分岐において、ピア1側がファイアウォール等で保護されている場合で、接続が失敗した場合(3007のNo)、P2P接続は不可能であるため、外部ネットワークに存在するGateway機能を有するピアをダイナミックGatewayとして利用する処理シーケンスを開始し(4001)、Pure P2Pネットワークへメッセージを用いて中継可能なGateway機能を持つピアを検索し(4002)、中継可能なピアが存在するかを判断し(4003)、中継可能なピアが存在する場合(4003のYes、中継可能ピアとしてピア3が応答したとする)、ピア1はピア3へピア2との中継(Gateway)を依頼し、ピア3へ接続し(4004)、ピア1はピア2へPushリクエストを送信して、ピア3へのPush接続を要求し(4005)、Push接続の要求を受信したピア2はピア2からピア3に対してP2P接続を開始し、接続確立後ピア2はピア3へリソースをアップロードし、ピア3はピア2からアップロードされたデータをピア1へ中継し、ピア1はピア3からリソースをダウンロードし、接続を閉じて処理を終了する(4006)。
【0038】
4003の分岐において、中継可能なピアが存在しない場合(4003のNo)、Gatewayを介すことが出来ないため、ピア1とピア2との接続が不可能なため、エラー終了する(4008)。
【0039】
図5は、図1の環境において、ピア101をピア1、ピア102をピア2、ピア103をピア3として、それぞれのメッセージ処理を示したシーケンス図である。シーケンス図は、ピア1、ピア2が、Pure P2Pネットワークに既に接続しているものとし、リソースの取得側をピア1、リソース検索によって見つかったリソースの提供側をピア2とし、ピア1からピア2へP2P接続を開始するところから記述している。
【0040】
ピア1からピア2へP2P接続を開始するが、ピア2がファイアウォールで保護されているため、接続は失敗する(5001)。ピア1はピア2からの接続を行ってもらうために、ピア1からピア2へPureP2Pネットワークを介して(5002)Pushリクエストを送信する(5003)。ピア1からのPushリクエストを受信したピア2はピア1に対して、P2P接続を開始するが、ピア1がファイアウォールで保護されているため、接続は失敗する(5004)。ピア2はP2Pネットワークを介して(5005)ピア1へピア2側からの接続に失敗したことを送信する(5006)。この場合、通常のP2P接続は不可能なため、ピア1は、メッセージを用いて、P2Pネットワークの構成ピアに対してGateway提供依頼メッセージを送信する(5007)、メッセージはP2Pネットワークを構成している様々なピアに送信され(5008,5009,5010)、ピア3がGateway機能を提供可能であることをP2Pネットワークを介して(5011)、ピア1へ返信する(5012)。次に、図7の処理シーケンスに移行するが、図7の処理シーケンスは、以下の図2、図6の説明の後に行う。
【0041】
図2は、HybridP2Pにおいて、本発明の実施形態にかかる通信システムの構成要素を示すブロック図である。
【0042】
本実施形態にかかる通信システムは、リソース取得側のピア101、リソース提供側のピア102、ダイナミックゲートウェイの役割をする103、ピア管理サーバー503で構成される。
【0043】
図2で、図1と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるため割愛し、図1と異なる部分の説明のみ行う。
【0044】
ピア管理サーバ503は、ピア管理サーバーが構成するネットワークに参加しているピアを管理するコンピュータまたは専用ハードウエアであり、外部ネットワーク303からピア管理サーバーへ接続されたピアの所持リソース、ピアの接続アドレス、ピアのGateway機能の有無等を管理し、ピア管理サーバに接続しているピアからのリソース、Gateway検索要求に対し、条件に合うピアの情報を返す機能を有する。
【0045】
図6は、図2の環境において、ピア101をピア1、ピア102をピア2、ピア103をピア3として、それぞれのメッセージ処理を示したシーケンス図である。シーケンス図は、ピア1、ピア2が、ピア管理サーバに既に接続しているものとし、リソースの取得側をピア1、リソース検索によって見つかったリソースの提供側をピア2とし、ピア1からピア2へP2P接続を開始するところから記述している。
【0046】
ピア1からピア2へP2P接続を開始するが、ピア2がファイアウォールで保護されているため、接続は失敗する(6001)。ピア1はピア2からの接続を行ってもらうために、ピア1からピア2へピア管理サーバを介して(6002)Pushリクエストを送信する(6003)。ピア1からのPushリクエストを受信したピア2はピア1に対して、P2P接続を開始するが、ピア1がファイアウォールで保護されているため、接続は失敗する(6004)。ピア2はピア管理サーバを介して(6005)ピア1へピア2側からの接続に失敗したことを送信する(6006)。この場合、通常のP2P接続は不可能なため、ピア1は、ピア管理サーバを用いて、P2Pネットワークの構成ピアに対してGateway提供可能なピアを検索する(5007)、ピア管理サーバはピアの管理情報から、Gatewayを提供できるピアを検索する(6008)。検索の結果、導き出されたピア(=ピア3)にたいして、Gateway可能か問い合わせメッセージを送信し(6009)、可能であるという応答の場合(6010)、検索呼び出しもとのピア1へ、Gateway可能なピア(=ピア3)の情報を返す(6011)。
【0047】
メッセージはP2Pネットワークを構成している様々なピアに送信され(5008,5009,5010)、ピア3がGateway機能を提供可能であることをP2Pネットワークを介して(5011)、ピア1へ返信する(5012)。次に、図7の処理シーケンスに移行する。
【0048】
図7の処理シーケンスは、図5、図6の処理シーケンス後の共通処理シーケンスである。Gateway可能なピアがピア3であることを理解したピア1は、ピア3へP2P接続を行い、ピア3に対して、ピア2との中継を依頼する(7001)。ピア1はピア2に対して、PureP2Pネットワークの場合はP2Pネットワーク、HybridP2Pの場合はピア管理サーバを介して(7002)、ピア3へのPush接続を依頼する(7003)。依頼を受け取ったピア2は、ピア3に対して、P2P接続を行う(7004)。ピア2からの接続が完了し、その接続がピア1に向けてのものであることを確認すると、ピア3はピア1に対してピア2の中継を開始したことを通知する(7005)。ピア2はピア3にリソースをアップロードする(7006)。ピア1はピア3の中継を介してピア3からピア2のリソースをダウンロードする(7007)。以上のようにして、本発明では、異なるファイアウォールの内側に存在するピア同士の通信を実現する。
【0049】
以下に、その他の図の説明補足を示す。
【0050】
図8は、PureP2PにおけるPureP2Pネットワークの一例を示した図である。Pure P2Pの場合は、接続開始時に、新たなピアとして既存のピア間が結合されたP2Pネットワークに参加する。図8は101は105と、105は106と101,106は105と108というように、ピア同士が接続し、一つのネットワークを構成している状態を示した図である。ネットワーク上をメッセージが流れて、ピア間の問い合わせ、応答、配信が行われる。リソース等の検索等は、P2Pネットワークに、メッセージを配信して(コミュニケーションによって)行う。P2Pネットワークにメッセージを送信することで、特定の相手先が決定すると、決定したピアとのP2P接続が行い、リソースを得る。例えば、104が105のリソースを必要とする場合、図8の999で示すように104から105へ直接セッションを確立しリソースをダウンロードする。
【0051】
図9は、Hybrid P2Pのネットワークトポロジーの一例である。
【0052】
101とピア管理サーバ、102とピア管理サーバ、103とピア管理サーバというように、ピア管理サーバを利用したネットワークを構成している。Hybrid P2Pの場合は、接続開始時にピアを集中管理しているピア管理サーバに接続し、リソースの検索などはピア管理サーバを利用して行い、必要なリソースを持ったピアの接続先を管理サーバから受け取る。必要なリソース等を持つピアが見つかった場合、そのリソースを所有しているピアへP2P接続を行い、リソースを得る。例えば104が105のリソースを必要とする場合、図9の999で示すように104から105へ直接セッションを確立しリソースをダウンロードする。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、Gateway機能を備えた外部ネットワーク上のピアをダイナミックに利用することにより、従来接続不能だった、異なるファイアウォールに存在するピア間の通信を行う。
【0054】
本発明によれば、必ず1つ以上は存在する外部ネットワーク上のピアをダイナミックに検索しゲートウェイとして利用するため、別途Gateway用のピアを用意する必要はない。
【0055】
本発明によれば、ファイアウォールの既存の設定を変更する必要がないため、ファイアウォールの防御機能を有効にしたままで、ピア間の通信が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Pure P2Pにおいて本発明の実施形態にかかる通信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】Hybrid P2Pにおいて本発明の実施形態にかかる通信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図3】Pure P2P、Hybrid P2Pにおいて、従来技術でP2P接続を確立するまでのフローチャートである。
【図4】Pure P2P、Hybrid P2Pにおいて、本発明を用いて、通信を行うまでのフローチャートである。本発明によって、変更される図3のフローチャートの流れの3007以降を示した。3001から3006までのフローは図3と同様である。
【図5】図1において、ピア101がピア102とのP2P接続を開始するところから、Gateway機能を有するピア103をダイナミックに検索・取得するまでの処理手順を示すシーケンスチャートである。
【図6】図2において、ピア101がピア102とのP2P接続を開始するところから、Gateway機能を有するピア103を取得するまでの処理手順を示すシーケンスチャートである。
【図7】図5、図6において、Gateway機能を有するピア103を取得した後、ピア103を中継させてピア101とピア102が通信を行う処理手順を示すシーケンスチャートである。
【図8】Pure P2Pにおいて構築されるP2Pネットワークトポロジーとピア104とピア105のP2P接続の一例を示すブロック図である。
【図9】Hybrid P2Pにおいて構築されるネットワークトポロジーとピア104とピア105のP2P接続の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111…ピア、201,202…ファイアウォール、301,302…内部ネットワーク、303…外部ネットワーク、401,402…イントラネット、503…ピア管理サーバ、999…新たなP2P接続。
【発明の属する技術分野】
本発明は、Peer to Peer(P2P)通信において、通信を行おうとするピアが互いに異なるファイアウォールの内側に存在する場合の通信に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、ファイアウォールは内部のオブジェクトから外部のネットワーク・オブジェクトへの接続を行えるようにしても、その逆方向である外部から内部への接続は行えないようにする。
【0003】
現在次の2つに大別されるPureP2P、HybridP2Pにおいて、P2P通信を行おうとするピア同士が保護しているイントラネットの外側から内側に対する接続を許さないような一般的なファイアウォールでお互いに保護されている場合、どちら側からも相手先のファイアウォールに阻まれP2P接続を確立出来ないため、Pushリクエスト(*1)を用いても、P2P接続は失敗し、通信が出来ないという問題がある。
【0004】
(*1)Pushリクエストとは、ファイアウォールの外側のピア3がファイアウォールの内側のピア1に対して接続に失敗した時、ファイアウォールの内側のピア1側からピア3に対して内側から外側への接続を行わせ、内側からのリソース(*2)のアップロードによって、リソースの取得を可能とするためのリクエストメッセージである。このPushリクエストを用いたPush機能によって、1つのファイアウォールで阻まれたファイアウォールの内側と外側のピアの通信を実現している。
【0005】
(*2)リソースとは、ネットワークを通過できる電子的なデータ、プログラム、およびサービス等のことを指す。
【0006】
すなわち、従来技術を用いたP2P通信では、接続を行おうとするピア同士が、互いに異なるファイアウォールの内側に存在するようなパターンの場合、P2P接続が確立できない環境としてエラー終了としており、ピア間での通信を実現させるための配慮が十分になされていなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−154953号公報
【特許文献2】
特開平11−261640号公報
【特許文献3】
特開2001−251367号公報
【非特許文献1】
森下民平著:「P2Pアーキテクチャ」CAC技術レポート誌、SOFTECHS、2002年、5月発行、VOL25・NO1
http://www.cac.co.jp/softechs/
http://www.cac.co.jp/softechs/images/st2501_07.pdf
【非特許文献2】
manuka著:「Gnutella とファイヤーウォール」
http://www.jnutella.org/docs/gnutella/Firewalls.html
http://www.jnutella.org/
【非特許文献3】
「P2P用語辞典」
http://www.jnutella.org/gnutella/p2p−glossary.shtml
http://www.jnutella.org/
【非特許文献4】
井口圭一著:「ネットワーク管理者のためのGnutella入門」
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/experiments/gnutella_for_admin/gnutella_for_admin_1.html
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、従来の技術において通信が行えないパターンである、接続を行おうとするピア同士が互いに異なるファイアウォールの内側に存在する場合においても、P2Pの利点(特定のサーバに負荷を集中させないピア同士の高速な通信)を出来る限り損なうことなく、通常エラー終了となるピア間の通信を可能にすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、P2P通信において、接続を開始し通信を確立しようとするピアが、互いに異なるファイアウォールの内側に存在し、P2P接続できない場合に、P2Pの利点を大きく損なうことなくピア間の通信を可能にすることにあって、P2P通信を行うプログラムまたはハードウェアに、ピア間を中継するゲートウェイ機能を付加し、第1のファイアウォールの内側に構築された第1の内部ネットワークに接続されたピア1と第2のファイアウォールの内側に構築された第2の内部ネットワークに接続されたピア2との接続・通信を、前記第1のファイアウォールおよび前記第2のファイアウォールの外側の外部ネットワークに接続されたダイナミックゲートウェイ機能を有するピア3を検出し、検索したゲートウェイ機能を持つ外部のピアをダイナミックゲートウェイとして利用し実現する処理方法であって、ピア1とピア2の接続エラー検出時の段階(1)に、PureP2Pの場合は既に接続しているP2Pネットワーク、HybridP2Pの場合はピア管理サーバを用いて、外部ネットワークに接続されておりダイナミックゲートウェイ機能を有している利用可能なピアを検索する段階(2)と段階(2)で検索されたピア3へピア1が第1のファイアウォールの外への接続が許可されたプロトコルを用いてピア3へP2P接続する段階(3)、接続したピア3へピア2との中継を依頼する段階(4)、P2Pネットワーク、またはピア管理サーバを介して、ピア2へピア3にPush接続を依頼する段階(5)、ピア2が第1のファイアウォールの外への接続が許可されたプロトコルを用いてピア3へP2P接続を行う段階(6)、ピア3からピア1へピア2との中継開始を通知する段階(7)、ピア2がピア3へリソースをアップロードする段階(8)、ピア1がピア3からリソースをダウンロードする段階(9)を順次有することを特徴とする通信方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を使って本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、PureP2Pにおいて、本発明の実施形態にかかる通信システムの構成要素を示すブロック図である。
【0012】
本実施形態にかかる通信システムは、リソース取得側のピア101、リソース提供側のピア102、ダイナミックゲートウェイの役割をする103で構成される。
【0013】
ファイアウォール201の内側には内部ネットワーク301が構築されてイントラネット401を構成している。
【0014】
ファイアウォール202の内側には内部ネットワーク302が構築されてイントラネット402を構成している。
【0015】
ファイアウォール201およびファイアウォール202の外側には、インターネット等のオープンネットワークを含む外部ネットワーク303が構築されている。
【0016】
リソース取得側のピア101は、イントラネット401に接続されて利用される。
【0017】
リソース提供側のピア102は、イントラネット402に接続されて利用される。
【0018】
ダイナミックゲートウェイとして利用する103は、外部ネットワーク303から接続可能な状態で接続されている。
【0019】
本実施形態は、イントラネット401の環境下にいるピア101が、イントラネット402の環境下にいるピア102からお互いのファイアウォールを障害とすることなくリソースを取得するものである。
【0020】
つぎに、図1の各機器、各機能の説明をする。
【0021】
一般的なピアはServer機能とClient機能で構成されている。Server機能は、Client機能からの接続受付、ファイルの格納およびデータ通信機能を有する。Client機能は、Server機能への接続、ファイルの格納およびデータ通信機能を有する。本発明では、従来のピアにGateway機能を付加する。また、各ピアは自ピアがGateway機能を有し、外部からの接続が可能であるかどうかの問い合わせに回答できる機能を有する。図1のピアはGateway機能とGateway問い合わせに回答する機能を有するピアを表している。
【0022】
Gateway機能は、接続・通信を行おうとしている2つのピアのClient機能からの接続を受け付け、接続された2つのピア間のデータを中継する機能、ファイルを格納する機能、2つのClient機能とデータ通信する機能を有する。
【0023】
Gateway問い合わせに回答する機能は、Gateway検索時のメッセージに対して、他のピア同士のGatewayとして自ピアが利用可能かどうかを回答する機能である。
【0024】
ファイアウォール201および202は、内部ネットワークと外部ネットワークとの間のアクセスを管理し制限する機能を有するコンピュータまたは専用ハードウエアである。ファイアウォールには、通常その目的に応じて、内部ネットワークから外部ネットワークへの接続のみが可能に設定されたポートおよび外部ネットワークと内部ネットワークとの間の双方向の接続が可能に設定されたポートが設けられており、さらに通信に用いるプロトコルごとに、予め使用するポートが決められている。通常、前記内部ネットワークから外部ネットワークへの接続のみが可能に設定されたポートを使用するプロトコルとしてはHTTP、FTP等が、前記外部ネットワークと内部ネットワークとの間の双方向の接続が可能に設定されたポートを使用するプロトコルとしてはSMTP等が割り当てられることが多い。本実施形態においては、上記各機器はこれらのポートやプロトコルを用いることにより、後述する特定の通信を行うものである。
【0025】
内部ネットワーク401および402は、例えば、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDIなどのLANや、これらのLAN同士を専用線等で接続したWANで構成されている。なお、内部ネットワークおよび401,402上、外部ネットワーク303上の機器の種類および台数は、実際には図1に示す例に限定されない。
【0026】
外部ネットワーク303は、ファイアウォール201および202の外側に構築されたネットワークであり、バリアセグメントおよびインターネット等のオープンネットワークを含むものである。
【0027】
図3は一般的なPureP2P、HybridP2Pにおいて、リソース検索後のP2P接続の流れを示すフローチャートである。次に図3のフローチャートの説明を行う。
【0028】
ピア1、ピア2は、Pure P2Pネットワークに既に接続しているものとし、リソースの取得側をピア1、リソース検索によって見つかったリソースの提供側をピア2とし、ピア1からピア2へP2P接続を開始し(3001)、ピア2側がファイアウォール等で保護されていない等で、接続が成功した場合(3002のYes)、ピア1はピア2からリソースをダウンロードし(3003)、接続を閉じて(3004)処理を終了する。
【0029】
3002の分岐において、ピア2側がファイアウォール等で保護されている場合で、接続が失敗した場合(3002のNo)、ピア1はピア2側からの接続を行ってもらうために、ピア1からピア2へメッセージを用いてPushリクエストを送信することでPush接続を要求し(3005)、Push接続の要求を受信したピア2はピア2からピア1に対してP2P接続を開始し(3006)、ピア1側がファイアウォール等で保護されていない等で、接続が成功した場合(3007のYes)、ピア2はピア1からリソースをアップロードし(3008)、接続を閉じて(3009)処理を終了する。
【0030】
3007の分岐において、ピア1側がファイアウォール等で保護されている場合で、接続が失敗した場合(3007のNo)、P2P接続は不可能であるため、処理をエラー終了(3010)する。
【0031】
以上のフローの流れから、P2P接続のパスをまとめると、以下の3パターンとなる。
(a)ピア1がピア2からリソースを取得する際、ピア1、ピア2共にファイアウォールで保護されたネットワークに属さない場合、または、ピア1がファイアウォールで保護されたネットワークに属し、ピア2がファイアウォールで保護されたネットワークに属さない場合の処理フローは次のようになる。
【0032】
スタート→3001→3002→3003→3004→エンド
(b)ピア1がピア2からリソースを取得する際、P2P技術の中には、外側から内側のピアへの接続が行えない場合でもPushリクエストを用いてファイアウォールの外側から内側のリソースを取得する処理を可能にしているものがある。ピア1がファイアウォールで保護されたネットワークに属さず、ピア2がファイアウォールで保護されたネットワークに属す場合の処理フローは次のようになる。
【0033】
スタート→3001→3002→3005→3006→3007→3008→3009→エンド
(c)ピア1がピア2からリソースを取得する際、ピア1、ピア2が異なるファイアウォールで保護されたネットワークに属する場合の処理フローは次のようになる。
【0034】
スタート→3001→3002→3005→3006→3007→3010→エンド
パターン(c)の場合に分岐3007でP2P通信が不可能な理由は、P2P通信を行おうとするピア同士がお互いに異なるファイアウォールで保護されている場合、どちら側からも相手先のファイアウォールに阻まれP2P接続を確立出来ないため、Pushリクエストを用いても、P2P接続は失敗し、通信が出来ないという問題があるためである。
【0035】
つぎに、本実施形態における通信システムの動作の概要を説明する。本実施形態の場合でも、3001から3009の流れは同様である。本実施形態で、流れの変わる3007以降のフローを図4に示す。
【0036】
次に図4のフローの説明を行う。但し、3001から3007と3007から3009は図3と同様なので、説明は割愛する。
【0037】
3007の分岐において、ピア1側がファイアウォール等で保護されている場合で、接続が失敗した場合(3007のNo)、P2P接続は不可能であるため、外部ネットワークに存在するGateway機能を有するピアをダイナミックGatewayとして利用する処理シーケンスを開始し(4001)、Pure P2Pネットワークへメッセージを用いて中継可能なGateway機能を持つピアを検索し(4002)、中継可能なピアが存在するかを判断し(4003)、中継可能なピアが存在する場合(4003のYes、中継可能ピアとしてピア3が応答したとする)、ピア1はピア3へピア2との中継(Gateway)を依頼し、ピア3へ接続し(4004)、ピア1はピア2へPushリクエストを送信して、ピア3へのPush接続を要求し(4005)、Push接続の要求を受信したピア2はピア2からピア3に対してP2P接続を開始し、接続確立後ピア2はピア3へリソースをアップロードし、ピア3はピア2からアップロードされたデータをピア1へ中継し、ピア1はピア3からリソースをダウンロードし、接続を閉じて処理を終了する(4006)。
【0038】
4003の分岐において、中継可能なピアが存在しない場合(4003のNo)、Gatewayを介すことが出来ないため、ピア1とピア2との接続が不可能なため、エラー終了する(4008)。
【0039】
図5は、図1の環境において、ピア101をピア1、ピア102をピア2、ピア103をピア3として、それぞれのメッセージ処理を示したシーケンス図である。シーケンス図は、ピア1、ピア2が、Pure P2Pネットワークに既に接続しているものとし、リソースの取得側をピア1、リソース検索によって見つかったリソースの提供側をピア2とし、ピア1からピア2へP2P接続を開始するところから記述している。
【0040】
ピア1からピア2へP2P接続を開始するが、ピア2がファイアウォールで保護されているため、接続は失敗する(5001)。ピア1はピア2からの接続を行ってもらうために、ピア1からピア2へPureP2Pネットワークを介して(5002)Pushリクエストを送信する(5003)。ピア1からのPushリクエストを受信したピア2はピア1に対して、P2P接続を開始するが、ピア1がファイアウォールで保護されているため、接続は失敗する(5004)。ピア2はP2Pネットワークを介して(5005)ピア1へピア2側からの接続に失敗したことを送信する(5006)。この場合、通常のP2P接続は不可能なため、ピア1は、メッセージを用いて、P2Pネットワークの構成ピアに対してGateway提供依頼メッセージを送信する(5007)、メッセージはP2Pネットワークを構成している様々なピアに送信され(5008,5009,5010)、ピア3がGateway機能を提供可能であることをP2Pネットワークを介して(5011)、ピア1へ返信する(5012)。次に、図7の処理シーケンスに移行するが、図7の処理シーケンスは、以下の図2、図6の説明の後に行う。
【0041】
図2は、HybridP2Pにおいて、本発明の実施形態にかかる通信システムの構成要素を示すブロック図である。
【0042】
本実施形態にかかる通信システムは、リソース取得側のピア101、リソース提供側のピア102、ダイナミックゲートウェイの役割をする103、ピア管理サーバー503で構成される。
【0043】
図2で、図1と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるため割愛し、図1と異なる部分の説明のみ行う。
【0044】
ピア管理サーバ503は、ピア管理サーバーが構成するネットワークに参加しているピアを管理するコンピュータまたは専用ハードウエアであり、外部ネットワーク303からピア管理サーバーへ接続されたピアの所持リソース、ピアの接続アドレス、ピアのGateway機能の有無等を管理し、ピア管理サーバに接続しているピアからのリソース、Gateway検索要求に対し、条件に合うピアの情報を返す機能を有する。
【0045】
図6は、図2の環境において、ピア101をピア1、ピア102をピア2、ピア103をピア3として、それぞれのメッセージ処理を示したシーケンス図である。シーケンス図は、ピア1、ピア2が、ピア管理サーバに既に接続しているものとし、リソースの取得側をピア1、リソース検索によって見つかったリソースの提供側をピア2とし、ピア1からピア2へP2P接続を開始するところから記述している。
【0046】
ピア1からピア2へP2P接続を開始するが、ピア2がファイアウォールで保護されているため、接続は失敗する(6001)。ピア1はピア2からの接続を行ってもらうために、ピア1からピア2へピア管理サーバを介して(6002)Pushリクエストを送信する(6003)。ピア1からのPushリクエストを受信したピア2はピア1に対して、P2P接続を開始するが、ピア1がファイアウォールで保護されているため、接続は失敗する(6004)。ピア2はピア管理サーバを介して(6005)ピア1へピア2側からの接続に失敗したことを送信する(6006)。この場合、通常のP2P接続は不可能なため、ピア1は、ピア管理サーバを用いて、P2Pネットワークの構成ピアに対してGateway提供可能なピアを検索する(5007)、ピア管理サーバはピアの管理情報から、Gatewayを提供できるピアを検索する(6008)。検索の結果、導き出されたピア(=ピア3)にたいして、Gateway可能か問い合わせメッセージを送信し(6009)、可能であるという応答の場合(6010)、検索呼び出しもとのピア1へ、Gateway可能なピア(=ピア3)の情報を返す(6011)。
【0047】
メッセージはP2Pネットワークを構成している様々なピアに送信され(5008,5009,5010)、ピア3がGateway機能を提供可能であることをP2Pネットワークを介して(5011)、ピア1へ返信する(5012)。次に、図7の処理シーケンスに移行する。
【0048】
図7の処理シーケンスは、図5、図6の処理シーケンス後の共通処理シーケンスである。Gateway可能なピアがピア3であることを理解したピア1は、ピア3へP2P接続を行い、ピア3に対して、ピア2との中継を依頼する(7001)。ピア1はピア2に対して、PureP2Pネットワークの場合はP2Pネットワーク、HybridP2Pの場合はピア管理サーバを介して(7002)、ピア3へのPush接続を依頼する(7003)。依頼を受け取ったピア2は、ピア3に対して、P2P接続を行う(7004)。ピア2からの接続が完了し、その接続がピア1に向けてのものであることを確認すると、ピア3はピア1に対してピア2の中継を開始したことを通知する(7005)。ピア2はピア3にリソースをアップロードする(7006)。ピア1はピア3の中継を介してピア3からピア2のリソースをダウンロードする(7007)。以上のようにして、本発明では、異なるファイアウォールの内側に存在するピア同士の通信を実現する。
【0049】
以下に、その他の図の説明補足を示す。
【0050】
図8は、PureP2PにおけるPureP2Pネットワークの一例を示した図である。Pure P2Pの場合は、接続開始時に、新たなピアとして既存のピア間が結合されたP2Pネットワークに参加する。図8は101は105と、105は106と101,106は105と108というように、ピア同士が接続し、一つのネットワークを構成している状態を示した図である。ネットワーク上をメッセージが流れて、ピア間の問い合わせ、応答、配信が行われる。リソース等の検索等は、P2Pネットワークに、メッセージを配信して(コミュニケーションによって)行う。P2Pネットワークにメッセージを送信することで、特定の相手先が決定すると、決定したピアとのP2P接続が行い、リソースを得る。例えば、104が105のリソースを必要とする場合、図8の999で示すように104から105へ直接セッションを確立しリソースをダウンロードする。
【0051】
図9は、Hybrid P2Pのネットワークトポロジーの一例である。
【0052】
101とピア管理サーバ、102とピア管理サーバ、103とピア管理サーバというように、ピア管理サーバを利用したネットワークを構成している。Hybrid P2Pの場合は、接続開始時にピアを集中管理しているピア管理サーバに接続し、リソースの検索などはピア管理サーバを利用して行い、必要なリソースを持ったピアの接続先を管理サーバから受け取る。必要なリソース等を持つピアが見つかった場合、そのリソースを所有しているピアへP2P接続を行い、リソースを得る。例えば104が105のリソースを必要とする場合、図9の999で示すように104から105へ直接セッションを確立しリソースをダウンロードする。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、Gateway機能を備えた外部ネットワーク上のピアをダイナミックに利用することにより、従来接続不能だった、異なるファイアウォールに存在するピア間の通信を行う。
【0054】
本発明によれば、必ず1つ以上は存在する外部ネットワーク上のピアをダイナミックに検索しゲートウェイとして利用するため、別途Gateway用のピアを用意する必要はない。
【0055】
本発明によれば、ファイアウォールの既存の設定を変更する必要がないため、ファイアウォールの防御機能を有効にしたままで、ピア間の通信が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Pure P2Pにおいて本発明の実施形態にかかる通信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】Hybrid P2Pにおいて本発明の実施形態にかかる通信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図3】Pure P2P、Hybrid P2Pにおいて、従来技術でP2P接続を確立するまでのフローチャートである。
【図4】Pure P2P、Hybrid P2Pにおいて、本発明を用いて、通信を行うまでのフローチャートである。本発明によって、変更される図3のフローチャートの流れの3007以降を示した。3001から3006までのフローは図3と同様である。
【図5】図1において、ピア101がピア102とのP2P接続を開始するところから、Gateway機能を有するピア103をダイナミックに検索・取得するまでの処理手順を示すシーケンスチャートである。
【図6】図2において、ピア101がピア102とのP2P接続を開始するところから、Gateway機能を有するピア103を取得するまでの処理手順を示すシーケンスチャートである。
【図7】図5、図6において、Gateway機能を有するピア103を取得した後、ピア103を中継させてピア101とピア102が通信を行う処理手順を示すシーケンスチャートである。
【図8】Pure P2Pにおいて構築されるP2Pネットワークトポロジーとピア104とピア105のP2P接続の一例を示すブロック図である。
【図9】Hybrid P2Pにおいて構築されるネットワークトポロジーとピア104とピア105のP2P接続の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111…ピア、201,202…ファイアウォール、301,302…内部ネットワーク、303…外部ネットワーク、401,402…イントラネット、503…ピア管理サーバ、999…新たなP2P接続。
Claims (5)
- P2P通信がエラー終了するパターンである第1のファイアウォールの内側に構築された第1の内部ネットワークに接続されたピア1と第2のファイアウォールの内側に構築された第2の内部ネットワークに接続されたピア2との接続と通信を前記第1のファイアウォールおよび前記第2のファイアウォールの外側の外部ネットワークに接続されているダイナミックゲートウェイ機能を有するピア3を用いて実現することを特徴とする2地点間のピアの計算機通信制御方法。
- P2P通信がエラー終了するパターンである第1のファイアウォールの内側に構築された第1の内部ネットワークに接続されたピア1と第2のファイアウォールの内側に構築された第2の内部ネットワークに接続されたピア2との接続・通信を前記第1のファイアウォールおよび前記第2のファイアウォールの外側の外部ネットワークに接続されているダイナミックゲートウェイ機能を有するピア3を用いて実現する計算機通信制御方法であって、ピア1とピア2の接続エラー検出時の段階(1)に、既に接続しているP2Pネットワークを用いて、外部ネットワークに接続されておりダイナミックゲートウェイ機能を有している利用可能なピアを検索する段階(2)と段階(2)で検索されたピア3へピア1が第1のファイアウォールの外への接続が許可されたプロトコルを用いてピア3へP2P接続する段階(3)と接続したピア3へピア2との中継を依頼する段階(4)とP2Pネットワークを用いて、ピア2へピア3にPush接続を依頼する段階(5)とピア2が第1のファイアウォールの外への接続が許可されたプロトコルを用いてピア3へP2P接続を行う段階(7)を順次有することを特徴とする2地点間のピアの計算機通信制御方法。
- P2P通信がエラー終了するパターンである第1のファイアウォールの内側に構築された第1の内部ネットワークに接続されたピア1と第2のファイアウォールの内側に構築された第2の内部ネットワークに接続されたピア2との接続・通信を前記第1のファイアウォールおよび前記第2のファイアウォールの外側の外部ネットワークに接続されているダイナミックゲートウェイ機能を有するピア3を用いて実現する処理方法であって、ピア1とピア2の接続エラー検出時の段階(1)に、既に接続しているピア管理サーバを用いて、外部ネットワークに接続されておりダイナミックゲートウェイ機能を有している利用可能なピアを検索する段階(2)と段階(2)で検索されたピア3へピア1が第1のファイアウォールの外への接続が許可されたプロトコルを用いてピア3へP2P接続する段階(3)と接続したピア3へピア2との中継を依頼する段階(4)とピア管理サーバを用いて、ピア2へピア3にPush接続を依頼する段階(5)とピア2が第1のファイアウォールの外への接続が許可されたプロトコルを用いてピア3へP2P接続を行う段階(7)を順次有することを特徴とする2地点間のピアの計算機通信制御方法。
- 請求項2、または請求項3の記載の計算機通信制御方法において、接続しているピア1、ピア2、ピア3において、ピア3からピア1へピア2との中継開始を通知する段階(1)、ピア2がピア3へリソースをアップロードする段階(2)、ピア1がピア3からリソースをダウンロードする段階(3)を順次有することでピア1がピア2からリソースを得ることを特徴とする計算機通信制御方法。
- P2P通信がエラー終了するパターンである第1のファイアウォールの内側に構築された第1の内部ネットワークに接続されたピア1と第2のファイアウォールの内側に構築された第2の内部ネットワークに接続されたピア2との接続と通信を前記第1のファイアウォールおよび前記第2のファイアウォールの外側の外部ネットワークに接続されているダイナミックゲートウェイ機能を有するピア3を用いて実現することを特徴とする2地点間のピアの計算機通信制御システム。
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JP2008236073A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Softbank Bb Corp | データ転送システム及びデータ転送方法 |
JP2018041224A (ja) * | 2016-09-06 | 2018-03-15 | 大日本印刷株式会社 | ソフトウェア更新システム |
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2003
- 2003-06-17 JP JP2003171472A patent/JP2005010871A/ja active Pending
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