【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアゾール容器に関し、より詳しくは、エアゾール内容物の噴射に伴うエアゾール容器内部の噴射圧力低下の抑制が可能であり、さらに内容物の充填量を多くできるエアゾール容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エアゾール製品には、噴射剤として、液化ガスを用いたものと、二酸化炭素等の圧縮ガスを用いたものが存在する。
【0003】
噴射剤として液化ガスを用いたものは、液化ガスが気化する膨張比率が高いため、エアゾール内容物の噴射が相当程度継続した場合においても、エアゾール容器内の圧力は均一に保たれ、圧力降下を生じることは少ない。しかしながら、LPG、DME等の可燃物を用いるために安全性の問題、多量の液化ガスが必要であるので内容物の充填量が少なくなるという問題、さらに液化ガスが気化する際の気化熱により噴射物の温度が下がるという問題がある。また、温度に対する内圧変化が大きく、制御しにくいという問題がある。
【0004】
一方、噴射剤として二酸化炭素等の圧縮ガスを用いる場合には、エアゾール容器の使用開始初期においては、強い圧力でエアゾール内容物の噴射を行うことができる。しかしながら、噴射の継続によって、圧縮ガスが内容物とともに外部に排出されると、エアゾール容器内の圧力は急激に減少する。すると、エアゾール容器内の圧力の減少に比例して、エアゾール内容物の単位時間当たりの噴射量も減少し、使用開始初期と使用継続後におけるエアゾール内容物の単位時間当たりの噴出量に大きな変化が生じ、使用上好ましくないものとなる。
【0005】
そこで、液化ガスの安全性の問題および内容物の充填量の問題を解決する目的で提案されたものに、噴射剤と内容物が隔離されて収納されている二重構造エアゾール容器がある(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。すなわち、内容物はインナーバッグに収納され、該インナーバッグとエアゾール缶内壁との間に形成される空間に加圧用ガスが充填され、バルブを解放した時に、加圧用ガス(噴射剤)の圧力により、インナーバッグを圧縮変形させ、インナーバッグ内に収容されている内容物が外部に噴射される技術である。該加圧用ガスとしては、フロン、LPG、二酸化炭素、窒素ガスなどが利用可能である。噴射剤が内容物と分離されているため、内容物のみを噴射することができて安全であり、温度低下の問題も解決できる。しかしながら、噴射剤として液化ガスを用いた場合には、廃棄時の安全性の問題が残る。一方、噴射剤として圧縮ガスを用いた場合には、使用時および廃棄時の安全性の問題はないが、使用にともなう圧力の低下による噴射量の悪化の問題がある。
【0006】
【非特許文献1】
小林陽明著,「エアゾール包装技術」,エアゾール産業新聞社,1998年第1版
【0007】
【特許文献1】
特公昭45−37340号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のエアゾール容器は、いずれの場合においても問題がある。すなわち、LPG、DME等の液化ガスを使用した場合には、安全性の問題および噴射物の温度低下による冷害の問題があり、圧縮ガスを用いた場合には、噴射剤の圧力低下による噴射量の悪化等の問題がある。二重構造容器にした場合でも、このような問題は存在する。
【0009】
本発明の目的は、安全性、噴射物の温度低下による冷害、および噴射剤の圧力低下による噴射量の悪化等の問題を解決するエアゾール容器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述の如き課題を解決するため、鋭意検討した結果、内容物および該内容物とともに噴射される噴射剤が内包されている外筒缶に、吸着材および該吸着材に吸着貯蔵される圧縮ガスを内包したインナーバッグを収納してなるエアゾール容器により、上記の課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、下記に示すとおりのエアゾール容器および該容器に用いられる吸着材を提供するものである。
項1. 内容物および該内容物とともに噴射される噴射剤が内包されている外筒缶に、外部と内部の圧力差により変形・伸縮可能なインナーバッグが収納され、該インナーバッグがインナーバッグ用圧縮ガスおよび吸着材を内包して密閉されてなることを特徴とするエアゾール容器。
項2. 噴射剤が噴射剤用圧縮ガスであることを特徴とする項1に記載のエアゾール容器。
項3. インナーバッグが、外部と内部の圧力差により上下方向に変形・伸縮可能であることを特徴とする項1または2に記載のエアゾール容器。
項4. 吸着材が、活性炭、ゼオライト、シリカゲルおよび金属錯体からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする項1〜3のいずれかに記載のエアゾール容器。
項5. インナーバッグ用圧縮ガスおよび噴射剤用圧縮ガスが、二酸化炭素、窒素、空気および亜酸化窒素からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする項2〜4のいずれかに記載のエアゾール容器。
項6. インナーバッグ用圧縮ガスが、二酸化炭素または二酸化炭素と窒素との混合ガスまたは二酸化炭素と空気との混合ガスであることを特徴とする項5に記載のエアゾール容器。
項7. 吸着材のBET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とする項1〜6のいずれかに記載のエアゾール容器。
項8. 298K、10気圧における二酸化炭素の吸着量が100ml/g以上である吸着材を用いることを特徴とする項1〜7のいずれかに記載のエアゾール容器。
項9. 298K、10気圧における二酸化炭素の吸着量と298K、3気圧における二酸化炭素の吸着量との差が30ml/g以上である吸着材を用いることを特徴とする項1〜8のいずれかに記載のエアゾール容器。
項10. 内容物および該内容物とともに噴射される噴射剤が内包されている外筒缶に、外部と内部の圧力差により変形・伸縮可能なインナーバッグが収納され、該インナーバッグがインナーバッグ用圧縮ガスおよび吸着材を内包して密閉されてなるエアゾール容器に用いられる吸着材であって、BET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とするエアゾール容器用吸着材。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のエアゾール容器は、内容物および該内容物とともに噴射される噴射剤が内包されている外筒缶に、吸着材および該吸着材に吸着貯蔵される圧縮ガスを内包したインナーバッグが収納されているので、内容物および噴射剤の噴射に伴って外筒缶の内圧が低下してくると、インナーバッグ内の吸着材に吸着しているガスが脱着してインナーバッグが膨張し、その圧力で内容物の噴射を良好に維持する。すなわち、使用開始初期においては噴射剤の圧力により縮められていたインナーバッグが、内容物および噴射剤の噴射に伴う外筒缶内圧の低下により膨張するので、外筒缶内において内容物および噴射剤が占める容積が減少し、外筒缶内の噴射剤の圧力低下を抑制することができる。特定の吸着材をインナーバッグ内に充填することにより、外筒缶内の圧力低下率が大幅に改善される。
【0013】
外筒缶の構造は特に限定されず、一般的なものが使用でき、吸着材および圧縮ガスが内包されたインナーバッグを挿入して収納できる構造であればよい。また、外筒缶の材質に関しては、内容物および噴射剤に応じて最適なものを選定すればよい。
【0014】
インナーバッグとしては、外部と内部の圧力差により変形・伸縮可能であれば特に限定されず、従来より二重構造容器で使用されている樹脂膜、金属膜または金属酸化物膜の使用が可能である。インナーバッグに用いられる樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ナイロン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の単層または積層構造のものが挙げられ、これらの樹脂を2種以上複合させたものや一部アルミニウムを使用したものでもよい。エチレン−ビニルアルコール(EVOH)、ポリプロピレン(PP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、低密度ポリエチレン(LDE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ナイロン(Ny)およびこれらのコポリマーから選ばれる1種または2種以上の積層体から形成することが好ましい。特に、ガス遮蔽性に優れたエチレン−ビニルアルコール(EVOH)層もしくはNy層を含ませることが好ましい。また、ジメチルエーテル等の噴射剤に対する劣化を抑制する点からは、エチレン−ビニルアルコール層をポリエチレン層で挟んだ3層構造材料を使用することが好ましい。
【0015】
インナーバッグとしては、均一な厚みや機械的強度を実現しやすいブロー成形法により製造されたものを使用する。インナーバッグの形状としては特に制限はなく、例えば、断面が円形形状となるもの、ひだおりのプリーツ形状となるもの、断面が一部に凹みを有する円形形状となるもの、蛇腹形状となるもの、断面が一部に突起を有する円形形状となるもの等を使用することができる。これらのインナーバッグは、外筒缶の内壁に沿って、外部と内部の圧力差により上下方向に変形・伸縮可能であってもよい。
【0016】
本発明のエアゾール容器に用いられる噴射剤としては、公知のものでよく、圧縮ガスが好ましく用いられる。具体的には、二酸化炭素、窒素、空気または亜酸化窒素の単体またはこれらの混合ガスなどが、好ましく用いられ、二酸化炭素、窒素、空気、二酸化炭素と窒素との混合ガス、または二酸化炭素と空気との混合ガスが、より好ましい。圧縮ガスは、安全性が高く、温度変化に対して圧力変化が少なく、価格が安いという点で好ましい。噴射剤用の圧縮ガスの貯蔵圧力としては、特に制限されないが、0.15〜1.0MPaGが好ましく、0.25〜0.95MPaGがより好ましい。
【0017】
本発明のエアゾール容器に用いられるバルブとしては、一般的にエアゾール容器に用いられるものであれば、特に限定されないが、原液の物理特性、噴射剤の種類、原液と噴射剤の比率、内容物中の溶剤とバルブ構成部品である有機材料(樹脂やゴム材質)との適合性(膨潤や劣化など)を考慮して、選択するのが好ましい。
【0018】
本発明のエアゾール容器に用いられるアクチュエーターとしては、一般的にエアゾール容器に用いられるものであれば、特に限定されないが、具体的には、公知の噴射用ボタン式、泡沫用スパウト式、および長口ノズル付、連続噴射型等の特殊タイプのアクチュエーターを用いることができる。
【0019】
本発明のエアゾール容器に用いられるキャップとしては、一般的にエアゾール容器に用いられるものであれば、特に限定されないが、例えば、次のようなものが挙げられる。
(1)カバーキャップエアゾール製品用容器と着脱自在で、バルブおよびアクチュエーターを保護する目的のキャップであり、材質は、耐溶剤性、耐クラック性、耐衝撃性、寸法安定性、成形性等から、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
(2)アクチュエーターキャップエアゾール製品用容器に合し、使用時にも離脱する必要がないもので、アクチュエーターが一体で成形されているか、あるいはキャップ内に組み込まれているものであり、例えば、ワンタッチキャップ、チャイルドプルーキャップなどが用いられる。
【0020】
本発明のエアゾール容器に用いられるインナーバッグ用圧縮ガスとしては、特に制限されず、公知のものが用いられる。具体的には、二酸化炭素、窒素、空気または亜酸化窒素の単体またはこれらの混合ガスなどが、好ましく用いられ、二酸化炭素または二酸化炭素と窒素との混合ガスまたは二酸化炭素と空気との混合ガスが、より好ましい。圧縮ガスは、安全性が高く、温度変化に対して圧力変化が少なく、価格が安いという点で好ましい。インナーバッグ用圧縮ガスの貯蔵圧力としては、特に制限されないが、0.1〜0.95MPaGが好ましく、0.2〜0.9MPaGがより好ましい。このインナーバッグ用圧縮ガスの貯蔵圧力は、上述した噴射剤用の圧縮ガスの貯蔵圧力より小さく設定する。
【0021】
本発明に使用される吸着材としては、インナーバッグ用圧縮ガスを吸着貯蔵し得るものであれば特に限定されないが、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、金属錯体等の多孔体等が例示される。これらの吸着材は、1種単独で使用してもよく、あるいは2種以上を併用してもよい。
【0022】
本発明に使用される吸着材としては、BET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であるものが好ましい。BET比表面積は窒素ガス吸着BET法により測定し、全細孔容量は窒素ガス吸着法により相対圧0.99での窒素吸着量をもとに算出し、平均細孔径は窒素ガス吸着tプロット法により測定することができる。これらのうち、BET比表面積としては700〜3300m2/gのものがより好ましく、全細孔容積としては0.3〜1.3cm3/gのものがより好ましく、平均細孔径が7〜15Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の80%以上である吸着材がより好ましい。
【0023】
本発明に使用される吸着材の物性の中で、二酸化炭素の吸着量は、エアゾール容器の性能に大きく関係する。この二酸化炭素の吸着量は、298K、10気圧の状態で100ml/g以上であるのが好ましく、120ml/g以上であるのがより好ましい。さらに、エアゾール噴射前と噴射後の内部圧力の低下に関連するファクターである、298K、10気圧の状態における二酸化炭素の吸着量と298K、3気圧の状態における二酸化炭素の吸着量との差が、30ml/g以上であるのが好ましく、40ml/g以上であるのがより好ましい。吸着材の充填密度は、0.3〜1g/mlであるのが好ましく、0.4〜1g/mlであるのがより好ましい。
【0024】
本発明に吸着材として使用される活性炭は、炭化物を破砕または成型した炭素質材料を、水蒸気雰囲気中、二酸化炭素雰囲気中、水蒸気と二酸化炭素との混合雰囲気中、または水蒸気と二酸化炭素と窒素との混合雰囲気中で、600〜1200℃の温度で賦活することにより製造することができる。好ましくは水蒸気3〜30容量%、二酸化炭素15〜80容量%および残余ガスが窒素である雰囲気中で、より好ましくは水蒸気3〜20容量%、二酸化炭素15〜60容量%および残余ガスが窒素である雰囲気中で、600〜1200℃の温度で賦活する。炭素質材料としては、やしがら、パームやしがら等の植物系原料、石炭系原料、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成原料が使用できる。特に、やしがら原料が好ましい。
【0025】
本発明に吸着材として使用される金属錯体(有機金属錯体)としては、例えば、フマル酸銅、スチルベンジカルボン酸銅、テレフタル酸銅、ターフェニルジカルボン酸銅、ビフェニルジカルボン酸銅等の二次元錯体、フマル酸銅またはテレフタル酸銅またはシンナミックジカルボン酸銅またはビフェニルジカルボン酸銅とトリエチレンジアミン等の二座配位可能な有機物との三次元錯体等が例示できる。
【0026】
本発明に使用される吸着材としては、単一粒度分布を有する吸着材でもよいし、複数の異なる粒径の吸着材を組み合わせてもよい。単一粒度分布を有する吸着材の場合は、粒径が1〜1000μmでメディアン径が5〜100μmのものが好ましい。複数の異なる粒径の吸着材を組み合わせて使用する場合には、粒径が0.2〜4mmでメディアン径が0.8〜3mmの大粒径のものと、粒径が1〜1000μmでメディアン径が5〜500μmの小粒径のものとを混合することが好ましい。それらの重量比での混合割合は、大粒径:小粒径=30〜70:70〜30であるのが好ましい。
【0027】
吸着材の形状としては、特に限定されないが、粉末、粒状、成型物等が使用できる。
【0028】
上述した外筒缶、噴射剤、バルブ、アクチュエーターおよびキャップを用いて、インナーバッグ内に吸着材およびその吸着材に吸着させる圧縮ガスを充填して封入した後に、外筒缶内にそのインナーバッグを収納する工程が入る以外は、本発明に係るエアゾール製品は、公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って製造することができる。具体的には、本発明のエアゾール容器は、通常、内容物調合工程→内容物充填工程→吸着材およびインナーバッグ用圧縮ガスのインナーバッグへの充填工程→そのインナーバッグの外筒缶への収納工程→噴射剤充填工程→包装工程の順、内容物調合工程→吸着材およびインナーバッグ用圧縮ガスのインナーバッグへの充填工程→そのインナーバッグの外筒缶への収納工程→内容物充填工程→噴射剤充填工程→包装工程の順、または、内容物調合工程→吸着材およびインナーバッグ用圧縮ガスのインナーバッグへの充填工程→そのインナーバッグの外筒缶への収納工程→噴射剤充填工程→内容物充填工程→包装工程の順で製造することができる。
【0029】
内容物調合工程は、各種エアゾール製品に応じた調製方法で行われる。
【0030】
インナーバッグの外筒缶内への挿入・収納は、外筒缶上部または外筒缶下部から行うことができる。下部から挿入した場合は、その後に底蓋を取り付ける。
【0031】
また、外筒缶に噴射剤を充填した後に内容物を充填する場合には、内容物を圧入する。
【0032】
吸着材およびインナーバッグ用圧縮ガスのインナーバッグへの充填は、まず所定量の吸着材を充填した後、所定の内圧になるまで二酸化炭素等の吸着させるガスを圧入または液化充填する。その後、導入口を塞ぎ密閉する。
【0033】
外筒缶への噴射剤の充填は、インナーバッグを外筒缶内に挿入・収納した後に行う。噴射剤の充填方法は、従来法である圧縮ガス充填方法と液化ガス充填方法のいずれでも可能である。圧縮ガス充填方法には、例えば、サチュレーター方法による充填方法、スルーバルブ方式によるインパクト充填方法、アンダーカップ方式によるインパクト充填方法およびガッサーシェーカー方式による充填方法等がある。液化ガス充填方法には、例えば、二酸化炭素等の冷却充填法、圧力充填方法等がある。この噴射剤用の圧縮ガスの貯蔵圧力は、インナーバッグ用圧縮ガスの貯蔵圧力より大きく設定されているので、外筒缶に噴射剤を充填すると、外筒缶内に収納されているインナーバッグが収縮する。
【0034】
包装工程は、公知の方法に従って行うことができる。
【0035】
本発明のエアゾール容器の適用先は、特に限定されないが、例えば、殺虫剤、ガラスクリーナー、消臭剤除菌スプレー等の家庭用品、ヘアースプレー、染毛剤、泡状ヘアーケアー、育毛トニック、制汗消臭剤、泡状除毛剤等の人体用品、喘息薬、水虫、皮膚疾患剤等の医薬品、防錆潤滑剤、離型剤、接着剤等の工業品、くもり止め、自動車用ガラス磨き、エアコン消臭剤等の自動車用品等に使用できる。
【0036】
【実施例】
次に、実施例によって本発明をより詳細に説明する。
【0037】
実施例1(インナーバッグが収納されたエアゾール容器の製造)
インナーバッグが収納されたエアゾール容器を製造し、内容物の噴射に伴なう噴射剤の内圧変化の測定を行った。但し、内容物としては、エアゾールによく使用される溶剤であるエタノールを用いた。また、製造したエアゾール容器には、外筒缶の内部圧力を測定するために特別に圧力計を取り付けた。製造方法としては、まずインナーバッグ内に吸着材(活性炭または金属錯体)を充填し、次いでインナーバッグ内に吸着ガスである二酸化炭素を充填し、次いでインナーバッグを密閉して外筒缶内へ収納し、外筒缶内に噴射剤(二酸化炭素)を充填し、次いで外筒缶内に内容物(エタノール)を充填し、次いでクリンチャーによる包装にて製造した。製造したエアゾール容器のトータルの内容積は、500mlであった。
【0038】
製造したエアゾール容器を、図1を用いて詳説する。インナーバッグ2が収納されているアルミニウム製の耐圧容器本体(外筒缶)1に、噴出用バルブ5を備えた金属性のマウンテンキャップ6がクリンチされて、密封構造を形成している。インナーバッグ2は、ポリエチレン樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、およびポリエチレン樹脂の多層樹脂からなり、上下に伸縮可能なように蛇腹構造になっている。インナーバッグ2には、吸着材(活性炭または金属錯体)3とその吸着ガスである二酸化炭素8が所定の圧力で充填されている。噴射剤(二酸化炭素)9は、0.9MPaGの圧力になるように充填されている。二酸化炭素8は、0.9MPaGよりも小さな圧力で充填されているので、インナーバッグ2は収縮している。
【0039】
この状態から、アクチュエーターとしてのトップボタン7を押し下げてバルブ5を開口すると、噴射剤9とともに内容物(エタノール)4が外部に噴射される。内容物および噴射剤の噴射に伴ない内部圧力が低下すると、図2に示すように、インナーバッグ2内の吸着材3に吸着している二酸化炭素が脱着してインナーバッグ2が上下方向に膨張し、容器本体(外筒缶)1内において内容物4および噴射剤9が占める容積が減少するので、容器本体(外筒缶)1の内部圧力の低下が抑制され、内容物の噴射を良好に維持することができる。
【0040】
実施例2
水蒸気15容量%、二酸化炭素20容量%および窒素65容量%の雰囲気中、860℃で80分間賦活を行なって、BET比表面積が1121m2/gで、全細孔容積が0.465cm3/gで、平均細孔径が9Åで、粒子径が0.212〜4.00mm(平均粒子径:0.5mm)で、細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が0.437cm3/gで、298K、10気圧での二酸化炭素の吸着量が176ml/gで、298K、10気圧と3気圧における二酸化炭素の吸着量の差が50ml/gで、充填密度が0.71g/mlである椰子殻活性炭を得た。この椰子殻活性炭を吸着材として用いて、エアゾール容器を製造した。
【0041】
インナーバッグに該椰子殻活性炭70gを充填し、二酸化炭素を0.4MPaGの圧力まで充填した(膨張時のインナーバッグの容積:450ml)。次いで、このインナーバッグを外筒缶1内に挿入し、内容物であるエタノール300mlおよび噴射剤である二酸化炭素を0.9MPaGの圧力になるように充填した。この時点では、図1に示すように、インナーバッグ2は収縮していた。
【0042】
この状態から内容物と噴射剤を噴射すると、噴射量に従って外筒缶内の内部圧力が低下した。その内部圧力と内容物の噴射量を測定した。その結果を図3に示す。
【0043】
実施例3
CuSO4・5H2O(64g)のメタノール溶液1000ml、テレフタル酸42gおよびギ酸64mlのDMF溶液1200mlを混合撹拌し、65℃で撹拌しながら6時間反応させた。その後、沈殿物を吸引濾過し、その沈殿物を、トリエチレンジアミン(Teda)14gのメタノール2400ml溶液および上記反応溶液800mlの混合溶液に加え、オートクレーブにて170℃で1時間反応させた。その後、沈殿物を吸引ろ過し、メタノールで洗浄し、真空下110℃で約2時間加熱乾燥し、目的物であるテレフタル酸銅金属錯体を63.2g得た。生成物のBET比表面積は1905cm2/gで、全細孔容積が0.73cm3/gで、平均細孔径が7.4Åで、細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が0.73cm3/gで、298K、10気圧での二酸化炭素の吸着量が273ml/gで、298K、10気圧と3気圧における二酸化炭素の吸着量の差が97ml/gで、充填密度が0.6g/mlであった。吸着材としてこの粉末状のテレフタル酸銅金属錯体60gを用いた以外は実施例2と同様に行った。その結果を図3に示す。
【0044】
実施例4
実施例3と同様の公知方法により、ビフェニルジカルボン酸銅金属錯体を得た。生成物のBET比表面積は3265m2/gで、全細孔容積が1.18cm3/gで、平均細孔径が10.8Åで、細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が1.18cm3/gで、298K、10気圧での二酸化炭素の吸着量が289ml/gで、298K、10気圧と3気圧における二酸化炭素の吸着量の差が190ml/gで、充填密度が0.4g/mlであった。吸着材としてこのビフェニルジカルボン酸銅金属錯体40gを用いた以外は実施例2と同様に行った。その結果を図3に示す。
【0045】
比較例1
インナーバッグを収納していないエアゾール容器を用いた以外は実施例2と同様に行った。その結果を図3に示す。
【0046】
図3から明らかなように、吸着材と圧縮ガスを充填したインナーバッグを用いることにより、内部圧力の低下が大幅に改善され、内容物が少なくなってきても良好な噴射状態が維持できることがわかった。
【0047】
【発明の効果】
本発明のエアゾール容器によれば、吸着材と圧縮ガスを内包したインナーバッグを用いるので、噴射を継続しても、エアゾール容器内の圧力の急激な低下が発生せず、エアゾール内容物の単位時間当たりの噴射量の減少を防ぐことができる。従って、使用開始初期と使用継続後におけるエアゾール内容物の単位時間当たりの噴射量に大きな変化が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の一実施例の使用状態を示す概略断面図である。
【図3】実施例と比較例における内部圧力と内容物の噴射量を示す図である。
【符号の説明】
1 容器本体(外筒缶)
2 インナーバッグ
3 吸着材
4 内容物
5 噴出用バルブ
6 マウンテンキャップ
7 トップボタン
8 吸着ガス
9 噴射剤[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an aerosol container, and more particularly to an aerosol container capable of suppressing a decrease in the injection pressure inside the aerosol container due to the injection of the aerosol contents and further increasing the filling amount of the contents.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, aerosol products include those using liquefied gas as propellants and those using compressed gas such as carbon dioxide.
[0003]
When the liquefied gas is used as a propellant, the expansion ratio at which the liquefied gas is vaporized is high.Therefore, even when the aerosol contents continue to be sprayed to a considerable extent, the pressure in the aerosol container is kept uniform and the pressure drop is reduced. It rarely occurs. However, in order to use combustible materials such as LPG and DME, there is a safety problem, a large amount of liquefied gas is required, and therefore the amount of filling of the content is reduced. There is a problem that the temperature of an object falls. In addition, there is a problem that the internal pressure change with respect to temperature is large and is difficult to control.
[0004]
On the other hand, when a compressed gas such as carbon dioxide is used as the propellant, the aerosol contents can be injected at a strong pressure in the initial stage of using the aerosol container. However, if the compressed gas is discharged to the outside together with the contents by continuing the injection, the pressure in the aerosol container is rapidly reduced. Then, in proportion to the decrease in the pressure in the aerosol container, the injection amount per unit time of the aerosol contents also decreases, and there is a large change in the ejection amount per unit time of the aerosol contents at the beginning of use and after continuing use. This is undesirable in use.
[0005]
Therefore, in order to solve the problem of the safety of the liquefied gas and the problem of the filling amount of the contents, there is a double-structure aerosol container in which the propellant and the contents are stored separately (for example, Non-Patent Document 1 and Patent Document 1). That is, the contents are stored in the inner bag, and the space formed between the inner bag and the inner wall of the aerosol can is filled with the pressurizing gas, and when the valve is released, the pressure is increased by the pressure of the pressurizing gas (propellant). In this technique, the inner bag is compressed and deformed, and the contents accommodated in the inner bag are injected to the outside. As the pressurizing gas, chlorofluorocarbon, LPG, carbon dioxide, nitrogen gas and the like can be used. Since the propellant is separated from the contents, it is safe to inject only the contents, and the problem of temperature drop can be solved. However, when liquefied gas is used as a propellant, there remains a safety problem at the time of disposal. On the other hand, when compressed gas is used as the propellant, there is no safety problem at the time of use and disposal, but there is a problem of deterioration of the injection amount due to a decrease in pressure accompanying use.
[0006]
[Non-Patent Document 1]
Yoshiaki Kobayashi, “Aerosol Packaging Technology”, Aerosol Sangyo Shimbun, 1998, 1st edition [0007]
[Patent Document 1]
Japanese Examined Patent Publication No. 45-37340 [0008]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, conventional aerosol containers have problems in any case. That is, when a liquefied gas such as LPG or DME is used, there are safety problems and a problem of cooling damage due to a decrease in the temperature of the propellant. When compressed gas is used, the injection amount due to a decrease in the pressure of the propellant. There are problems such as deterioration. Such a problem exists even when the container is a double structure.
[0009]
The objective of this invention is providing the aerosol container which solves problems, such as safety | security, the cold damage by the temperature fall of a projectile, and the deterioration of the injection amount by the pressure drop of a propellant.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the problems as described above, the present inventor adsorbed and stored the adsorbent and the adsorbent in the outer cylindrical can containing the propellant injected together with the content. The present inventors have found that the above-mentioned problems can be solved by an aerosol container containing an inner bag containing compressed gas, and the present invention has been completed.
[0011]
That is, this invention provides the aerosol container as shown below, and the adsorbent used for this container.
Item 1. An inner bag that contains the contents and a propellant that is injected together with the contents contains an inner bag that can be deformed and stretched due to a pressure difference between the outside and the inside, and the inner bag is a compressed gas for the inner bag and An aerosol container comprising an adsorbent and hermetically sealed.
Item 2. The aerosol container according to Item 1, wherein the propellant is a propellant compressed gas.
Item 3. Item 3. The aerosol container according to item 1 or 2, wherein the inner bag is deformable and expandable in the vertical direction by a pressure difference between the outside and the inside.
Item 4. Item 4. The aerosol container according to any one of Items 1 to 3, wherein the adsorbent is at least one selected from the group consisting of activated carbon, zeolite, silica gel, and a metal complex.
Item 5. Item 5. The compressed gas for inner bag and the compressed gas for propellant are at least one selected from the group consisting of carbon dioxide, nitrogen, air, and nitrous oxide. Aerosol container.
Item 6. Item 6. The aerosol container according to item 5, wherein the compressed gas for the inner bag is carbon dioxide, a mixed gas of carbon dioxide and nitrogen, or a mixed gas of carbon dioxide and air.
Item 7. The adsorbent has a BET specific surface area of 500 to 3500 m 2 / g, a total pore volume of 0.3 to 2 cm 3 / g, an average pore diameter of 7 to 20 mm and a pore diameter of 20 mm or less. Item 7. The aerosol container according to any one of Items 1 to 6, wherein the pore volume is 70% or more of the total pore volume.
Item 8. Item 8. The aerosol container according to any one of Items 1 to 7, wherein an adsorbent having an adsorption amount of carbon dioxide at 298K and 10 atm of 100 ml / g or more is used.
Item 9. Item 9. The adsorbent according to any one of Items 1 to 8, wherein an adsorbent having a difference between an adsorption amount of carbon dioxide at 298K and 10 atm and an adsorption amount of carbon dioxide at 298K and 3 atm is 30 ml / g or more. Aerosol container.
Item 10. An inner bag that contains the contents and a propellant that is injected together with the contents contains an inner bag that can be deformed and stretched due to a pressure difference between the outside and the inside, and the inner bag is a compressed gas for the inner bag and An adsorbent used in an aerosol container encapsulating an adsorbent and having a BET specific surface area of 500 to 3500 m 2 / g, a total pore volume of 0.3 to 2 cm 3 / g, An adsorbent for an aerosol container, wherein the pore volume is 7 to 20 mm, and the pore volume of pores having a pore diameter of 20 mm or less is 70% or more of the total pore volume.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the aerosol container of the present invention, the inner bag containing the adsorbent and the compressed gas adsorbed and stored in the adsorbent is accommodated in the outer cylinder can containing the contents and the propellant injected together with the contents. Therefore, when the internal pressure of the outer cylinder can decreases as the contents and propellant are injected, the gas adsorbed to the adsorbent in the inner bag is desorbed and the inner bag expands, and the pressure To maintain good jetting of contents. That is, since the inner bag that has been shrunk by the pressure of the propellant at the beginning of use expands due to a decrease in the inner cylinder can internal pressure accompanying the injection of the contents and the propellant, the contents and the propellant in the outer cylinder can The volume which occupies decreases and the pressure drop of the propellant in an outer cylinder can can be suppressed. By filling the inner bag with a specific adsorbent, the pressure drop rate in the outer cylinder can is greatly improved.
[0013]
The structure of the outer cylinder can is not particularly limited, and a general one can be used as long as it can store by inserting an inner bag containing an adsorbent and compressed gas. Moreover, what is necessary is just to select the optimal thing according to the content and propellant regarding the material of an outer cylinder can.
[0014]
The inner bag is not particularly limited as long as it can be deformed / stretched by the pressure difference between the outside and the inside, and the resin film, metal film or metal oxide film conventionally used in double-structure containers can be used. is there. Examples of the resin used for the inner bag include a single layer or laminated structure such as polyethylene, nylon, ethylene-vinyl alcohol copolymer, etc., and those obtained by combining two or more of these resins or partially aluminum. May be used. Ethylene-vinyl alcohol (EVOH), polypropylene (PP), polyacrylonitrile (PAN), polyethylene terephthalate (PET), low density polyethylene (LDE), linear low density polyethylene (LLDPE), nylon (Ny) and copolymers thereof It is preferable to form from 1 type, or 2 or more types of laminated bodies chosen from these. In particular, it is preferable to include an ethylene-vinyl alcohol (EVOH) layer or Ny layer excellent in gas shielding properties. Further, from the viewpoint of suppressing deterioration of the propellant such as dimethyl ether, it is preferable to use a three-layer structure material in which an ethylene-vinyl alcohol layer is sandwiched between polyethylene layers.
[0015]
As the inner bag, a bag manufactured by a blow molding method that easily achieves uniform thickness and mechanical strength is used. There is no particular limitation on the shape of the inner bag, for example, a cross-section having a circular shape, a pleated pleat shape, a cross-section having a circular shape with a depression in part, a bellows shape, A cross-section having a circular shape with a protrusion in part can be used. These inner bags may be deformable and extendable in the vertical direction by the pressure difference between the outside and the inside along the inner wall of the outer cylinder can.
[0016]
As a propellant used for the aerosol container of this invention, a well-known thing may be used and compressed gas is used preferably. Specifically, carbon dioxide, nitrogen, air, nitrous oxide alone or a mixed gas thereof is preferably used, and carbon dioxide, nitrogen, air, a mixed gas of carbon dioxide and nitrogen, or carbon dioxide and air. And a mixed gas is more preferable. Compressed gas is preferable in terms of high safety, low pressure change with respect to temperature change, and low price. Although it does not restrict | limit especially as a storage pressure of the compressed gas for propellants, 0.15-1.0 MPaG is preferable and 0.25-0.95 MPaG is more preferable.
[0017]
The valve used in the aerosol container of the present invention is not particularly limited as long as it is generally used in an aerosol container. However, the physical properties of the stock solution, the type of propellant, the ratio of the stock solution and the propellant, the contents The solvent is preferably selected in consideration of the compatibility (swelling, deterioration, etc.) between the solvent and the organic material (resin or rubber material) that is the valve component.
[0018]
The actuator used in the aerosol container of the present invention is not particularly limited as long as it is generally used in an aerosol container, and specifically, known spray button type, foam spout type, and long mouth Special types of actuators such as those with nozzles and continuous injection can be used.
[0019]
Although it will not specifically limit if it is generally used for an aerosol container as a cap used for the aerosol container of this invention, For example, the following are mentioned.
(1) Cover cap A cap intended to protect the valve and actuator, which is detachable from the aerosol product container. The materials are solvent resistance, crack resistance, impact resistance, dimensional stability, moldability, etc. Polyethylene and polypropylene are preferred.
(2) Actuator cap It fits into the container for aerosol products and does not need to be removed during use. The actuator is molded integrally or incorporated in the cap. For example, a one-touch cap, Child proof caps are used.
[0020]
The compressed gas for the inner bag used in the aerosol container of the present invention is not particularly limited, and known ones are used. Specifically, carbon dioxide, nitrogen, air, nitrous oxide alone or a mixed gas thereof is preferably used, and carbon dioxide, a mixed gas of carbon dioxide and nitrogen, or a mixed gas of carbon dioxide and air is used. More preferable. Compressed gas is preferable in terms of high safety, low pressure change with respect to temperature change, and low price. Although it does not restrict | limit especially as a storage pressure of the compressed gas for inner bags, 0.1-0.95 MPaG is preferable and 0.2-0.9 MPaG is more preferable. The storage pressure of the compressed gas for the inner bag is set smaller than the storage pressure of the compressed gas for the propellant described above.
[0021]
The adsorbent used in the present invention is not particularly limited as long as it can absorb and store the compressed gas for the inner bag, and examples thereof include porous bodies such as activated carbon, zeolite, silica gel, and metal complex. These adsorbents may be used alone or in combination of two or more.
[0022]
The adsorbent used in the present invention has a BET specific surface area of 500 to 3500 m 2 / g, a total pore volume of 0.3 to 2 cm 3 / g, an average pore diameter of 7 to 20 mm, and a pore diameter. Preferably, the pore volume of pores having a diameter of 20 mm or less is 70% or more of the total pore volume. The BET specific surface area is measured by the nitrogen gas adsorption BET method, the total pore volume is calculated based on the nitrogen adsorption amount at a relative pressure of 0.99 by the nitrogen gas adsorption method, and the average pore diameter is calculated by the nitrogen gas adsorption t plot method. Can be measured. Among these, the BET specific surface area is more preferably 700 to 3300 m 2 / g, the total pore volume is more preferably 0.3 to 1.3 cm 3 / g, and the average pore diameter is 7 to 15 mm. Further, an adsorbent in which the pore volume of pores having a pore diameter of 20 mm or less is 80% or more of the total pore volume is more preferable.
[0023]
Among the physical properties of the adsorbent used in the present invention, the amount of carbon dioxide adsorbed is greatly related to the performance of the aerosol container. The amount of carbon dioxide adsorbed is preferably 100 ml / g or more, more preferably 120 ml / g or more in the state of 298K and 10 atm. Furthermore, the difference between the adsorption amount of carbon dioxide in the state of 298K and 10 atm and the adsorption amount of carbon dioxide in the state of 298K and 3 atm, which is a factor related to the decrease in internal pressure before and after the aerosol injection, It is preferably 30 ml / g or more, and more preferably 40 ml / g or more. The packing density of the adsorbent is preferably 0.3 to 1 g / ml, and more preferably 0.4 to 1 g / ml.
[0024]
Activated carbon used as an adsorbent in the present invention is a carbonaceous material obtained by crushing or molding carbides in a steam atmosphere, a carbon dioxide atmosphere, a mixed atmosphere of steam and carbon dioxide, or steam, carbon dioxide and nitrogen. It can manufacture by activating at the temperature of 600-1200 degreeC in this mixed atmosphere. Preferably in an atmosphere where 3-30% by volume of water vapor, 15-80% by volume of carbon dioxide and the residual gas is nitrogen, more preferably 3-20% by volume of water vapor, 15-60% by volume of carbon dioxide and the residual gas is nitrogen. It is activated at a temperature of 600 to 1200 ° C. in a certain atmosphere. As a carbonaceous material, synthetic raw materials, such as plant-type raw materials, such as a palm tree, a palm, and a palm tree material, a coal-type raw material, a phenol resin, a vinyl chloride resin, can be used. In particular, raw material of coconut palm is preferable.
[0025]
Examples of the metal complex (organometallic complex) used as the adsorbent in the present invention include two-dimensional complexes such as copper fumarate, copper stilbene dicarboxylate, copper terephthalate, copper terphenyl dicarboxylate, copper biphenyl dicarboxylate, Examples thereof include a three-dimensional complex of copper fumarate, copper terephthalate, copper dicarboxylic dicarboxylate or copper biphenyl dicarboxylate and an organic substance capable of bidentate coordination such as triethylenediamine.
[0026]
The adsorbent used in the present invention may be an adsorbent having a single particle size distribution, or a combination of adsorbents having different particle sizes. In the case of an adsorbent having a single particle size distribution, those having a particle size of 1-1000 μm and a median diameter of 5-100 μm are preferred. When a plurality of adsorbents having different particle sizes are used in combination, a large particle size having a particle size of 0.2 to 4 mm and a median diameter of 0.8 to 3 mm, and a median size of 1 to 1000 μm It is preferable to mix those having a small particle diameter of 5 to 500 μm. The mixing ratio by weight ratio is preferably large particle size: small particle size = 30 to 70:70 to 30.
[0027]
Although it does not specifically limit as a shape of an adsorbent, A powder, a granule, a molding, etc. can be used.
[0028]
Using the outer cylinder can, propellant, valve, actuator and cap described above, the inner bag is filled with the adsorbent and the compressed gas to be adsorbed by the adsorbent, and then the inner bag is put into the outer cylinder can. Except for the storing step, the aerosol product according to the present invention can be produced according to a known method or a method analogous thereto. Specifically, the aerosol container of the present invention is usually a content preparation step → a content filling step → a filling step of an adsorbent and compressed gas for an inner bag into an inner bag → storage of the inner bag in an outer cylinder can Process → Propellant filling process → Packing process, contents preparation process → Adsorbent and inner bag compressed gas filling process → Inner bag storage process of inner bag → Contents filling process → Propellant filling process → packing process order or contents blending process → adsorbent and inner bag compressed gas filling process → inner bag storage process into outer cylinder can → propellant filling process → It can be manufactured in the order of content filling process → packaging process.
[0029]
The content preparation step is performed by a preparation method corresponding to various aerosol products.
[0030]
Insertion and storage of the inner bag into the outer cylinder can can be performed from the upper part of the outer cylinder can or the lower part of the outer cylinder can. If inserted from the bottom, attach the bottom lid afterwards.
[0031]
Moreover, when filling the contents after filling the outer cylinder can with the propellant, the contents are press-fitted.
[0032]
The inner bag is filled with the adsorbent and the compressed gas for the inner bag by first filling a predetermined amount of adsorbent and then press-fitting or liquefying a gas to be adsorbed such as carbon dioxide until a predetermined internal pressure is reached. Thereafter, the inlet is closed and sealed.
[0033]
The outer cylinder can is filled with the propellant after the inner bag is inserted and stored in the outer cylinder can. The propellant filling method can be either a compressed gas filling method or a liquefied gas filling method, which is a conventional method. Examples of the compressed gas filling method include a filling method using a saturator method, an impact filling method using a through valve method, an impact filling method using an undercup method, and a filling method using a gasser shaker method. Examples of the liquefied gas filling method include a cooling filling method such as carbon dioxide, a pressure filling method, and the like. The storage pressure of the compressed gas for the propellant is set to be larger than the storage pressure of the compressed gas for the inner bag. Therefore, when the outer cylinder can is filled with the propellant, the inner bag stored in the outer cylinder can Shrink.
[0034]
The packaging process can be performed according to a known method.
[0035]
Although the application destination of the aerosol container of the present invention is not particularly limited, for example, household products such as insecticides, glass cleaners, deodorant disinfectant sprays, hair sprays, hair dyes, foam hair care, hair growth tonics, control products. Human products such as sweat deodorants, foam hair removers, pharmaceuticals such as asthma drugs, athlete's foot, skin disease agents, industrial products such as anti-rust lubricants, mold release agents, adhesives, anti-fogging, glass polishing for automobiles It can be used for automobile supplies such as air conditioner deodorants.
[0036]
【Example】
Next, the present invention will be described in more detail with reference to examples.
[0037]
Example 1 (Manufacture of an aerosol container containing an inner bag)
An aerosol container containing the inner bag was manufactured, and the change in the internal pressure of the propellant accompanying the injection of the contents was measured. However, ethanol, which is a solvent often used for aerosols, was used as the contents. Moreover, in order to measure the internal pressure of an outer cylinder can, the pressure gauge was attached to the manufactured aerosol container specially. As a manufacturing method, first, the inner bag is filled with an adsorbent (activated carbon or metal complex), then the inner bag is filled with carbon dioxide, which is an adsorption gas, and then the inner bag is sealed and stored in an outer can. The outer cylinder can was filled with propellant (carbon dioxide), then the outer cylinder can was filled with the contents (ethanol), and then manufactured by packaging with a clincher. The total inner volume of the manufactured aerosol container was 500 ml.
[0038]
The manufactured aerosol container will be described in detail with reference to FIG. A metal mountain cap 6 provided with an ejection valve 5 is clinched to an aluminum pressure vessel main body (outer cylinder can) 1 in which the inner bag 2 is accommodated, thereby forming a sealed structure. The inner bag 2 is made of a polyethylene resin, an ethylene / vinyl alcohol copolymer resin, and a multilayer resin of polyethylene resin, and has an accordion structure so that it can expand and contract vertically. The inner bag 2 is filled with an adsorbent (activated carbon or metal complex) 3 and carbon dioxide 8 that is an adsorbed gas thereof at a predetermined pressure. The propellant (carbon dioxide) 9 is filled so as to have a pressure of 0.9 MPaG. Since the carbon dioxide 8 is filled with a pressure smaller than 0.9 MPaG, the inner bag 2 is contracted.
[0039]
From this state, when the top button 7 as an actuator is pushed down to open the valve 5, the content (ethanol) 4 is injected to the outside together with the propellant 9. When the internal pressure accompanying the injection of the contents and the propellant decreases, as shown in FIG. 2, the carbon dioxide adsorbed on the adsorbent 3 in the inner bag 2 is desorbed and the inner bag 2 expands in the vertical direction. In addition, since the volume occupied by the contents 4 and the propellant 9 in the container body (outer cylinder can) 1 is reduced, the decrease in the internal pressure of the container body (outer cylinder can) 1 is suppressed, and the contents are injected well. Can be maintained.
[0040]
Example 2
Activation was performed at 860 ° C. for 80 minutes in an atmosphere of 15% by volume of water vapor, 20% by volume of carbon dioxide and 65% by volume of nitrogen. The BET specific surface area was 1121 m 2 / g and the total pore volume was 0.465 cm 3 / g. The average pore diameter is 9 mm, the particle diameter is 0.212 to 4.00 mm (average particle diameter: 0.5 mm), and the pore volume of the pores having a pore diameter of 20 mm or less is 0.437 cm 3 / g. An insulator having an adsorption amount of carbon dioxide at 298K, 10 atmospheres of 176 ml / g, a difference in adsorption amount of carbon dioxide between 298K, 10 atmospheres and 3 atmospheres of 50 ml / g, and a packing density of 0.71 g / ml Shell activated carbon was obtained. An aerosol container was manufactured using this coconut shell activated carbon as an adsorbent.
[0041]
The inner bag was filled with 70 g of the coconut shell activated carbon, and carbon dioxide was filled up to a pressure of 0.4 MPaG (the volume of the inner bag when expanded: 450 ml). Next, this inner bag was inserted into the outer can 1 and filled with 300 ml of ethanol as the contents and carbon dioxide as the propellant so that the pressure became 0.9 MPaG. At this time, as shown in FIG. 1, the inner bag 2 was contracted.
[0042]
When the contents and the propellant were injected from this state, the internal pressure in the outer cylinder can decreased according to the injection amount. The internal pressure and the injection amount of the contents were measured. The result is shown in FIG.
[0043]
Example 3
1000 ml of a methanol solution of CuSO 4 .5H 2 O (64 g), 1200 ml of a DMF solution of 42 g of terephthalic acid and 64 ml of formic acid were mixed and stirred, and reacted at 65 ° C. for 6 hours with stirring. Thereafter, the precipitate was filtered by suction, and the precipitate was added to a mixed solution of 2400 ml of triethylenediamine (Teda) in 2400 ml of methanol and 800 ml of the above reaction solution, and reacted at 170 ° C. for 1 hour in an autoclave. Thereafter, the precipitate was suction filtered, washed with methanol, and heated and dried under vacuum at 110 ° C. for about 2 hours to obtain 63.2 g of the target copper terephthalate metal complex. The product has a BET specific surface area of 1905 cm 2 / g, a total pore volume of 0.73 cm 3 / g, an average pore diameter of 7.4 mm, and a pore volume of pores having a pore diameter of 20 mm or less of 0.1. At 73 cm 3 / g, the adsorption amount of carbon dioxide at 298 K, 10 atm is 273 ml / g, the difference between the adsorption amount of carbon dioxide at 298 K, 10 atm and 3 atm is 97 ml / g, and the packing density is 0.6 g / Ml. The same procedure as in Example 2 was performed except that 60 g of this powdery copper terephthalate metal complex was used as the adsorbent. The result is shown in FIG.
[0044]
Example 4
A biphenyldicarboxylic acid copper metal complex was obtained by the same known method as in Example 3. The product has a BET specific surface area of 3265 m 2 / g, a total pore volume of 1.18 cm 3 / g, an average pore diameter of 10.8 mm, and a pore volume of pores having a pore diameter of 20 mm or less of 1. At 18 cm 3 / g, the adsorption amount of carbon dioxide at 298K and 10 atmospheres is 289 ml / g, the difference in adsorption amount of carbon dioxide between 298K, 10 atmospheres and 3 atmospheres is 190 ml / g, and the packing density is 0.4 g. / Ml. The same procedure as in Example 2 was performed except that 40 g of this biphenyldicarboxylic acid copper metal complex was used as the adsorbent. The result is shown in FIG.
[0045]
Comparative Example 1
The same procedure as in Example 2 was performed except that an aerosol container that did not contain an inner bag was used. The result is shown in FIG.
[0046]
As can be seen from FIG. 3, the use of the inner bag filled with the adsorbent and the compressed gas greatly reduces the decrease in internal pressure, and can maintain a good injection state even when the content decreases. It was.
[0047]
【The invention's effect】
According to the aerosol container of the present invention, since the inner bag containing the adsorbent and the compressed gas is used, even if the injection is continued, the pressure in the aerosol container does not rapidly decrease, and the unit time of the aerosol contents It is possible to prevent a decrease in the amount of hit per shot. Therefore, there is no significant change in the injection amount per unit time of the aerosol contents at the beginning of use and after the use is continued.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic sectional view showing an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view showing a use state of an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a diagram showing the internal pressure and the injection amount of contents in an example and a comparative example.
[Explanation of symbols]
1 Container body (outer cylinder can)
2 Inner bag 3 Adsorbent 4 Contents 5 Valve for ejection 6 Mountain cap 7 Top button 8 Adsorbed gas 9 Propellant