【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、神経細胞の生存に重要な役割を果たす新規遺伝子、および該遺伝子がコードするタンパク質に関する。本発明者らは、この遺伝子の機能およびその遺伝子座から、この遺伝子はアルツハイマー病およびパーキンソン病と関連する遺伝子であると結論づけた。
【0002】
【従来の技術】
神経活動は、記憶、神経伝達、神経成長、分化、シナプスの発生、神経細胞の生死などの広範囲の機能を制御している。特に、神経活動はアポトーシスを抑制しニューロンの生存を促進することにより神経細胞の数および接合パターンを調節していることが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。神経活動が神経細胞の死を抑制してその生存を促進することは、多くのin vivo およびin vitro の系を用いた実験により証明されてきた(例えば、非特許文献2、3、または4を参照)。in vitro の実験系では、高濃度KClによる脱分極刺激やグルタミン酸レセプターアゴニストによる神経細胞への刺激が用いられる。これらの刺激はin vivo における神経活動を模倣すると考えられ、これらの刺激がin vitro の実験系で多用されてきた。これらの刺激が神経細胞の生存を促進する機構は次のように考えられている。高濃度のKClまたはグルタミン酸レセプターアゴニストを用いて神経細胞を刺激すると、それぞれの刺激は電位依存性Ca2+チャネルおよびグルタミン酸レセプターチャネルを介して細胞内へのCa2+の流入をもたらし、それにより細胞内外へのCa2+の代謝回転(細胞内へのCa2+流入と細胞外へのCa2+排出)が昂進する(例えば非特許文献5または6を参照)。このCa2+代謝回転シグナルはCa2+/カルモジュリン−依存性プロテインキナーゼ、プロテインキナーゼB(PKB/Akt)(例えば、非特許文献7を参照)およびRAS/MEK/MAPKのカスケードを活性化し、これらの下流に存在する転写依存性の経路および転写非依存性の経路の両方の経路を介してアポトーシスを抑制しニューロンの生存を促進する(例えば、非特許文献8を参照)。転写に依存する生存促進の経路としては、転写因子であるCREB(Ca2+/cAMP response element binding protein)やMEF2C(myocyte−specific enhancer binding factor 2C)が介在する経路が報告されている(例えば、非特許文献8、9、または10を参照)。しかしながら神経活動依存性の生存を仲介すると考えられるこれらの転写因子の下流の標的は未だ十分に解明されていない。BDNF(brain derived neurotrophic factor)、PACAP(pituitary adenylate cyclase−activating polypeptide)および副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP: parathyroid hormone related protein)などのいくつかの分泌タンパク質は神経活動またはCa2+依存的に遺伝子発現され、神経細胞の生存を促進する効果や神経保護効果を有することが報告されている(例えば、非特許文献11、12、または13を参照)。これらのタンパク質は神経細胞から神経活動依存的に分泌され、オートクリンおよび/またはパラクリン的に作用して、神経細胞の生存を促進する。例えば、BDNFはCa2+シグナルの下流に存在するCREBおよびCaRF(calcium−responsive transcription factor)を介する転写によって発現し(例えば、非特許文献14、15、または16を参照)、神経細胞の生存を促進する(例えば、非特許文献11を参照)ことが多くの研究によって示されている。しかしながら、BDNF単独ではニューロンの生存を十分に支えるには不十分であるので(例えば、非特許文献17を参照)、BDNF以外のシグナル因子が神経活動依存性の生存に関与していると考えられている(例えば、非特許文献18を参照)。
【0003】
神経細胞の生存が神経活動またはCa2+依存的に促進される過程に関与する因子を包括的に突き止めるため、本発明者らはmRNAディファレンシャルディスプレーを利用して、生存促進(即ち脱分極)条件下で培養した小脳顆粒細胞で特異的に発現される遺伝子をスクリーニングした。この方法により、神経活動依存的な細胞の生存に関与すると思われるいくつかの候補遺伝子を見いだしてきた。例えば、本発明者らは既に、遺伝子の発現パターンと神経活動依存的な生存の間の相関性を比較することにより、既知の因子であるPTHrPを突き止めている(例えば、非特許文献12を参照)。
【0004】
【非特許文献1】
Oppenheim,R.W.;Annu.Rev.Neurosci.,(1991),Vol.14,p.453−501.
【非特許文献2】
Gallo,V.,et al.;J.Neurosci.,(1987),Vol.7,p.2203−2213.
【非特許文献3】
Ikonomidou,C.,et al.;Science,(1999),Vol.283,p.70−74.
【非特許文献4】
Monti,B.,and Contestabile,A.;Eur.J.Neurosci.,(2000),Vol.12,p.3117−3123.
【非特許文献5】
Ono,T.,et al.;Neurosci.Lett.,(1997),Vol.228,p.123−126.
【非特許文献6】
Kohara,K.,et al.;Brain Res.,(1998),Vol.809,p.231−237.
【非特許文献7】
Yano,S.,et al.;Nature,(1998),Vol.396,p.584−587.
【非特許文献8】
Bonni,A.,et al.;Science,(1999),Vol.286,p.1358−1362.
【非特許文献9】
Mao,Z.,et al.;Science,(1999),Vol.286,p.785−790.
【非特許文献10】
Walton,M.R.and Dragunow,I.;Trends Neurosci.,(2000),Vol.23,p.48−53.
【非特許文献11】
Ghosh,A.,et al.;Science,(1994),Vol.263,p.1618−1623.
【非特許文献12】
Ono,T.,et al.;J.Biol.Chem.,(1997),Vol.272,p.14404−14411.
【非特許文献13】
Tabuchi,A.,et al.;Neurosci.Res.,(2001),Vol.39,p.85−93.
【非特許文献14】
Shieh,P.B.,et al.;Neuron,(1998),Vol.20,p.727−740.
【非特許文献15】
Tao,X.,et al.;Neuron,(1998),Vol.20,p.709−726.
【非特許文献16】
Tao,X.,et al.;Neuron,(2002),Vol.33,p.383−395.
【非特許文献17】
Ichikawa,D.,et al.;Brain Res.Mol.Brain Res.,(1998),Vol.56,p.218−226.
【非特許文献18】
Franke,B.,et al.;Exp.Neurol.,(2000),Vol.165,p.125−135.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、alivin 1 もしくはali1 と命名した小脳顆粒細胞の神経活動依存的生存に対して重要な役目を果たす新規遺伝子、該遺伝子を含むベクター、および該ベクターで形質転換した宿主細胞を提供する。なお、alivin 1 は、”alive” および“activity−dependent Leucine−rich−repeat and immunoglobulin superfamily survival−related protein”に因んで命名された。
【0006】
本発明は上記宿主細胞を培養して、alivin 1 がコードする新規タンパク質Alivin 1 (Ali1)を製造する方法、および当該方法で製造した新規タンパク質も提供する。
【0007】
以下の発明は、本発明に包含される:
(1)配列番号4に示すアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するAlivin 1タンパク質をコードするDNA、または上記アミノ酸配列において1または複数のアミノ酸に欠失、置換、挿入、付加を有し、且つAlivin 1 タンパク質と実質的に同じ活性またはAlivin 1 の活性を阻害する活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(2)ラット由来である、Alivin 1 タンパク質またはそれと実質的に同じ活性を有するタンパク質をコードする(1)に記載のDNA。
(3)配列番号5に示すアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するAlivin 1タンパク質をコードするDNA、または上記アミノ酸配列において1または複数のアミノ酸に欠失、置換、挿入、付加を有し、且つAlivin 1 タンパク質と実質的に同じ活性またはAlivin 1 の活性を阻害する活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(4)配列番号6に示すアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するAlivin 1タンパク質をコードするDNA、または上記アミノ酸配列において1または複数のアミノ酸に欠失、置換、挿入、付加を有し、且つAlivin 1 タンパク質と実質的に同じ活性またはAlivin 1 の活性を阻害する活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(5)(1)ないし(4)のいずれか1項目に記載のDNAを有するベクター。
(6)(5)に記載のベクターを有する形質転換細胞。
(7)(6)に記載の形質転換細胞をAlivin 1 タンパク質を発現する条件で培養し、培養細胞またはその培地からAlivin 1 タンパク質を分離することよりなる、Alivin 1 タンパク質の製造方法。
(8)配列番号4に示すアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1または複数の塩基配列に欠失、置換、挿入、付加を有する配列からなる、Alivin 1 タンパク質。
(9)ラット由来タンパク質である、(8)に記載のAlivin 1 タンパク質。
(10)配列番号5に示すアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1または複数の塩基配列に欠失、置換、挿入、付加を有する配列からなる、Alivin 1 タンパク質。
(11) 配列番号6に示すアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1または複数の塩基配列に欠失、置換、挿入、付加を有する配列からなる、Alivin 1タンパク質。
(12)(8)ないし(11)のいずれか1項目に記載のタンパク質に特異的な抗体。
(13)(1)ないし(5)のいずれか1項目に記載のDNAを投与することからなる神経細胞の生存を促進する方法。
(14)(1)ないし(5)のいずれか1項目に記載のDNAを投与することからなる神経細胞死の抑制方法。
(15)(1)ないし(5)のいずれか1項目に記載のDNAを含む、神経細胞死の抑制剤。
(16)(1)ないし(5)のいずれか1項目に記載のDNAを投与することからなるアルツハイマー病およびパーキンソン病の治療方法。
(17)(1)ないし(5)のいずれか1項目に記載のDNAを含む、アルツハイマー病およびパーキンソン病の治療のための医薬組成物。
(18)(8)ないし(11)のいずれか1項目に記載のタンパク質を含む医薬組成物。
(19)神経細胞死の抑制のために用いる、(18)に記載の医薬組成物。
(20)(8)ないし(11)のいずれか1項目に記載のタンパク質を誘導的または構成的に発現する、非ヒトのトランスジェニック動物。
(21)(8)ないし(11)のいずれか1項目に記載のタンパク質をコードする遺伝子を欠損させた、非ヒトのノックアウト動物。
(22)配列番号1、2または3に示す塩基配列を有するAlivin 1 タンパク質をコードするDNA。
(23)配列番号4、5または6に示すアミノ酸配列を有するAlivin 1 タンパク質。
【0008】
【課題を解決するための手段】
alivin 1 (ali1) 遺伝子およびタンパク質
本発明の遺伝子alivin 1 は、小脳顆粒細胞において、神経活動またはCa2+依存的に発現し、転写過程を経て神経細胞の生存を高める。また、当該遺伝子はその機能およびその遺伝子座からアルツハイマー病およびパーキンソン病と関係を有すると本発明者は結論づけた。
【0009】
alivin 1 遺伝子のヌクレオチド配列は、ラット、マウスおよびヒト由来のものは、それぞれ配列番号1、2および3に示す。これらのヌクレオチド配列がコードするアミノ酸配列は配列番号4、5および6に示す。
【0010】
alivin 1 遺伝子がコードするタンパク質(Alivin 1)は、7個のロイシンリッチリピート、1個の免疫グロブリンC2様ループ、および1個の膜貫通ドメインを有する。ロイシンリッチリピートおよび免疫グロブリンC2様ループおよび膜貫通ドメインをもつ領域はKek(kekkon)およびTrk(tropomyosin receptor kinase)とホモロジーがある。
【0011】
本発明のalivin 1 遺伝子の発現は、in vivo では肺において多く観察される。また、小脳顆粒細胞の初代培養系では、その発現は、細胞周囲のKClおよび/またはNMDA (N−メチル−D−アスパラギン酸) 濃度に依存して変化する。例えば、培養した小脳顆粒細胞を25mMのKClで刺激すると、電位依存性L型Ca2+チャネルを通ってCa2+が細胞に流入し、alivin 1 mRNAの転写が昂進する。この昂進は神経細胞の生存を高める。
【0012】
上記の種々の事実から、alivin 1 遺伝子は神経細胞の生存に重要な役目を有することが明らかになった。さらにその事実は、小脳顆粒細胞の培養液中に、抗Alivin 1 抗体または抗血清を添加すると、神経細胞の生存率が低下すること、また、抗体等の代りにAlivin 1 の細胞外ドメインを添加しても、小脳顆粒細胞の生存率が低下することからも確認された。
【0013】
ヒトalivin 1 遺伝子は、12番染色体上の家族性アルツハイマー病5型およびパーキンソン病8型の原因遺伝子座が存在する領域に一致して存在する。したがって、alivin 1 の変異または発現の低下がヒトにおけるアルツハイマー病5型の原因であると本発明者らは結論づけた。
【0014】
各種動物または組織からの alivin 1 遺伝子の単離および変異 alivin 1 遺伝子の作製
本発明の遺伝子のmRNAは、動物の脳、肺を含む器官または組織に分布して発現する。したがって、それらの器官または組織からのゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーを材料とし、配列番号1〜3のいずれかのヌクレオチド配列をプローブとして用い、または配列番号1〜3のヌクレオチド配列の適当な部分をプライマーとして用いて、種々の動物からalivin 1 遺伝子を単離することが可能である。
【0015】
各アミノ酸をコードするコドンは複数存在する場合があり、したがって配列番号1〜3のヌクレオチド配列以外にも、同じアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列は存在する。本発明はそのようなヌクレオチド配列からなるalivin 1 遺伝子、および、それがコードするタンパク質を包含する。
【0016】
また、天然のタンパク質の中にはそれを生産する生物種の違い等による遺伝子の変異、あるいは1ないし複数個のアミノ酸の変異を有し、且つ変異前のタンパク質と実質的に同じ活性またはAlivin 1 の活性を阻害する活性を有するタンパク質が存在することも周知である。したがって、天然型のAlivin 1 タンパク質についての変異型のタンパク質であって、天然型と同じ活性またはAlivin 1 の活性を阻害する活性を有するタンパク質およびそれらをコードするDNAは、本願発明の範囲内である。 具体的には、本発明は、配列番号1ないし3のヌクレオチド配列において、1またはそれ以上のヌクレオチド残基の欠失、置換、挿入もしくは付加による変異を含むヌクレオチド配列によってコードされ、かつAlivin 1 タンパク質と実質的に同じ活性またはAlivin 1 の活性を阻害する活性を有するタンパク質を含む。また、本発明は、配列番号4ないし6のアミノ酸配列において1またはそれ以上のアミノ酸残基の欠失、置換、挿入もしくは付加による変異アミノ酸配列からなる、生物学的に活性なAlivin 1 タンパク質と同じ活性またはAlivin 1 の活性を阻害する活性を有するタンパク質も含む。加えて、本発明は、配列番号1ないし3のヌクレオチド配列において、1またはそれ以上のヌクレオチド残基の欠失、置換、挿入もしくは付加による変異を含むヌクレオチド配列を有し、かつAlivin 1 タンパク質と実質的に同じ活性またはAlivin 1 の活性を阻害する活性を有するタンパク質をコードするDNAを含む。また、本発明は、配列番号4ないし6のアミノ酸配列において1またはそれ以上のアミノ酸残基の欠失、置換、挿入もしくは付加による変異アミノ酸配列からなる、生物学的に活性なAlivin 1 タンパク質と同じ活性を有するタンパク質またはAlivin 1 の活性を阻害する活性をコードするDNAも含む。
【0017】
本明細書においてAlivin 1 タンパク質というときは、天然型のAlivin 1 タンパク質のみならず、変異アミノ酸配列からなるタンパク質であってAlivin 1 タンパク質と同じ活性を有するタンパク質をも包含する。その際、特定のヌクレオチド配列における1またはそれ以上のヌクレオチド残基の欠失、置換、挿入もしくは付加による変異とは、例えば、部位特異的変異形成法で修飾できる程度の変異をいう。
【0018】
また、本明細書において、Alivin 1 の活性を阻害する活性を有するタンパク質とは、Alivin 1 の作用と拮抗することなどによりその阻害活性を発揮して、神経細胞の生存を抑制する活性を有するAlivin 1 の変異タンパク質である。その際、当該変異はAlivin 1 タンパク質のアミノ酸配列において複数のアミノ酸残基の欠失、置換、挿入、もしくは付加を含む。Alivin 1 の活性を阻害する活性を有するタンパク質には、たとえば、Alivin 1 タンパク質の細胞外セグメント、好ましくは、ラットAlivin 1(52−402)などが含まれる。
【0019】
さらに、本発明のAlivin 1 タンパク質は、本明細書中に記載した特性を有する限り全てのタンパク質を含む。例えば、配列番号1ないし3のアミノ酸配列との類似性が40%以上(例えば、Alivin 1 類似体である Alivin 2, Alivin 3)、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上であるタンパク質、および該タンパク質をコードする遺伝子は、該タンパク質がAlivin 1 タンパク質と同じ活性またはAlivin 1 の活性を阻害する活性を有する限り本発明に含まれる。相同性のパーセントは、例えばAltschulら(Nucl.Acids.Res.,Vol.25,p.3389−3402,1997)に記載されているBLASTプログラムを用いて配列情報と比較し決定することが可能である。BLASTプログラムによる相同性検索の各種条件(パラメーター)は同プログラムの使用説明に詳しく記載されており、一部の設定を適宜変更することが可能であるが、検索は通常デフォルト値を用いて行う。
【0020】
本発明の遺伝子は、配列番号1ないし3のヌクレオチド配列に対して、特定の条件でハイブリダイゼーションするヌクレオチドとして定義することもできる。例えば、本発明は、ストリンジェントな条件下で(例えば、2xSSC中、50℃で一晩ハイブリダイゼーション;2xSSC中、50℃で洗浄)配列番号1ないし3のいずれかのヌクレオチド配列を有するDNAとハイブリダイズする遺伝子であって、かつ、7つのロイシンリッチリピート、1つの免疫グロブリンC2−様ループ、および1個の膜貫通ドメインを有し、細胞表面でのタンパク質間相互作用によって細胞接着および/またはシグナル伝達の役目をするタンパク質をコードする遺伝子も包含する。
【0021】
さらに、本発明は、Alivin 1 タンパク質の一部分を持つ部分Alivin 1 タンパク質(例えばAlivin 1 タンパク質の細胞外ドメイン、または細胞内ドメインのみを持つタンパク質など)をも含む。部分Alivin 1 タンパク質は、抗Alivin 1 抗体を作成するのに用いたり、Alivin 1 の機能を評価するなどの用途がある。
【0022】
Alivin 1 タンパク質の製造
本発明は、本発明の遺伝子を組み込んだ発現ベクターを使用し、該ベクターで形質転換した宿主細胞を、遺伝子が発現する条件で培養し、培養物から単離回収して、Alivin 1 タンパク質を製造する方法にも関する。
【0023】
発現ベクターは、Alivin 1 タンパク質を発現させようとする宿主細胞に適するベクターを適宜選択して用いる。大腸菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞などの種々の細胞で使用可能なベクターは、遺伝子工学の分野で良く知られている。ベクターには、alivin 1 遺伝子に加え、プロモーター、ターミネーター、さらに必要に応じて他の発現を制御要素や、遺伝子発現の確認を容易にするためのマーカーを含んでもよい。
【0024】
宿主細胞の形質転換、培地、培養温度、培養時間等は当業者が適宜設定することができる。完全長のAlivin 1 タンパク質は膜貫通ドメインを有し、宿主細胞中で核画分と細胞膜画分に主として存在する。したがって、例えば培養後の細胞からショ糖密度勾配遠心法またはFicoll密度勾配遠心法により精製してAlivin 1タンパク質を単離することができる。膜貫通ドメイン(配列番号4、6(それぞれラット、ヒト)のアミノ酸配列における399番目〜419番目の部分、配列番号5(マウス)のアミノ酸配列における398番目〜418番目の部分)をコードする領域を除外したalivin 1 遺伝子を用いて、膜貫通ドメインを含まない本発明のタンパク質を製造する場合、適当なリーダー配列を含むタンパク質として発現させ、培養上清中に分泌させることも可能である。
【0025】
したがって、本発明は、本発明のAlivin 1 タンパク質をコードするDNAを有するAlivin 1 タンパク質発現ベクター、当該発現ベクターを有する形質転換細胞、および当該形質転換細胞を用いて本発明のAlivin 1 タンパク質を製造するための方法を包含する。
【0026】
本発明は、Alivin 1 タンパク質に対する抗体も提供する。本発明のタンパク質に対する抗血清および/またはポリクローナルもしくはモノクローナル抗体の製造は、公知の方法で行うことができる。
【0027】
治療方法および医薬組成物
本発明の遺伝子を神経細胞に導入すると、当該神経細胞のアポトーシスが抑制され、生存が促進することを本発明者らは見いだした。このことから、本発明のタンパク質は神経細胞のアポトーシスを抑制し、生存を促進をする機能を有する。
【0028】
本発明のタンパク質は、神経細胞の変性により引き起こされる各種疾患、例えばアルツハイマー病およびパーキンソン病の患者に投与して、神経細胞の生存を昂進し、症状の予防、改善、進行阻止のために用いることが期待できる。本発明のタンパク質および抗体は、神経細胞の変性により引き起こされる各種疾患の、メカニズムの研究の試薬としても有用である。
【0029】
したがって、本発明は、本発明の遺伝子を神経細胞に投与して、神経細胞の死を抑制し、生存を促進する方法、および当該方法に用いる細胞死抑制剤に関する。
【0030】
本発明のこの態様においては、本発明の遺伝子をヒトを含む動物に投与して、該動物の神経細胞を活性化し、アポトーシスを抑制し、および/またはアルツハイマー病、パーキンソン病などの疾患を治療する方法、および該治療方法に用いる医薬組成物も包含される。
【0031】
本発明の遺伝子を含む抑制剤または医薬組成物は、有効成分として、遺伝子治療に使用可能なベクターにalivin 1 遺伝子を組み込んで含んでなる。例えば、治療対象の動物に対する感染力を残して毒性を除去したウイルス性ベクターとして、アデノウィルスやレトロウィルス等が使用できる。ベクターには、特定の条件下、例えば光、温度等の物理的刺激や、テトラサイクリン等による化学的刺激で本発明の遺伝子を発現させることができるプロモーターを含めておき、ヒトを含む動物に投与後の適当な時期に発現条件に置いて、治療効果を高めることが可能である。さらに、alivin 1 遺伝子を組織特異的プロモーターの下流に組み込み、目的とする組織で特異的に発現させることも可能である。組成物は、ベクターを対象動物の治療を必要とする部位、好ましくは脳神経に選択的にalivin 1 遺伝子を運ぶための単鎖抗体やペプチドリガンドまたはレセプター、動物体中での組成物の安定性を高めるため、その他薬剤として使用される各種添加物を含んでもよい。
【0032】
また、本発明は、本発明のAlivin 1 タンパク質をヒトを含む動物に投与して、該動物の神経細胞の細胞死を抑制し生存を促進する、および/またはアルツハイマー病、パーキンソン病などの疾患を治療する方法、および該治療方法に用いる医薬組成物にも関する。
【0033】
本発明のAlivin 1 タンパク質を含む医薬組成物は、有効成分として本発明のタンパク質を含むほか、薬学的に使用可能な、種々の医薬的に許容できるキャリアー、希釈剤、賦形剤などを含んでいてもよい。医薬的に許容できるキャリアーまたは希釈剤などは、本質的に化学的に不活性および無害な組成物であり、本発明の医薬組成物の生物学的活性に全く影響を与えないものである。医薬組成物は、いかなる形態であってもよく、例えば、錠剤、カプセル剤等であってもよく、また、液剤もしくは使用時に溶解して用いる乾燥製剤とすることもできる。液剤、もしくは溶解して用いる乾燥製剤は、溶液状態では浸透圧やpHが投与される患者のそれらと適合するように調整する。
【0034】
本発明の医薬組成物の投与は、血管内投与、経口投与、局所投与、皮下投与等により行うことが可能である。また、本発明の医薬組成物の投与量は、個々の患者の症状、体重、年齢などによって変化するが、医師が個々の患者に適した量を決定することができ、それらの用量範囲は本発明に含まれる。
【0035】
アルツハイマー病およびパーキンソン病の動物モデル
本発明により、alivin 1 遺伝子の変異または発現異常が、アルツハイマー病およびパーキンソン病の原因の一つであると本発明者らは結論づけた。したがって、ラット、マウス等の実験動物を用いて、alivin 1 遺伝子の機能についてのトランスジェニック動物、および/またはノックアウト動物を作成することにより、アルツハイマー病およびパーキンソン病の実験モデルとすることが可能である。
【0036】
トランスジェニック/ノックアウト動物の作成は、当業者に既知の方法により行うことができる(たとえば、マウスラボマニュアル 第2版−ポストゲノム時代の実験法−、(財)東京都臨床医学総合研究所 実験動物研究部門編、シュプリンガー・フェアラーク東京、(2003)などを参照)。
【0037】
このようなモデル動物は、alivin 1 遺伝子および遺伝子産物のより詳細な生理機能の解明に役立つ。alivin 1 遺伝子の変異または発現異常がアルツハイマー病およびパーキンソン病の原因であるため、これらの病気のモデル動物として病気の発症のメカニズムの解明、発症の予防法の開発、診断法の開発、治療法の開発のための薬物のスクリーニングなど、病気の早期発見、治療法の開発、進行防止に役立つ。
【0038】
薬物のスクリーニング
本発明は、本発明のタンパク質に関連する物質のスクリーニング方法にも関する。本発明のタンパク質に関連する物質には、本発明のタンパク質と同様の作用を有するもの、本発明のタンパク質に作用してその活性を促進または阻害して、本発明のタンパク質の活性を制御することができるものなどがある。そのような物質は、作動薬、または、拮抗薬と表現することもできる。ここで、拮抗薬は、競合的拮抗薬および非競合的拮抗薬の両方を意味する。 Alivin 1 の神経細胞に対する生存促進活性の測定法を用いて、これらの薬物のスクリーニングが可能である。
【0039】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
【0040】
【実施例】
実施例1 ラットの alivin 1 遺伝子の同定
ラット小脳顆粒細胞の初代培養および細胞生存率の測定
ラット小脳顆粒細胞はLeviら(Leviら、preparation of 98% pure cerebellar granule cell cultures.、”A dissection and tissue culture manual of the nervous system” (A. S, de Vellis J, A. V, B. H, eds), p.211−214, New York: Alan R. Liss Inc., (1989)、を参照)の方法を若干修正した方法(Onoら、J. Biol. Chem., Vol.272, p.14404−14411, (1997) を参照)で培養した。細胞生存率はMosman(Mosmann, T., J. Immunol. Methods., Vol.65, p.55−63, (1983)、を参照)の記載に従って、上記 Onoらの論文に記載された方法で測定した。
【0041】
RNAの単離およびノーザンブロット
全細胞RNAの単離は、ChomezynskiとSacchiの方法(Chomczynski, P. and Sacchi, N., Anal. Biochem., Vol.162, p.156−159, (1987)、を参照)を若干修正した方法で行った。細胞をsolution Aおよび水飽和フェノールの1:1混合物で溶解した。得られたトータルRNAを1%ホルムアルデヒドアガロースゲルで分離し、Biodyne B 膜(Pall)に転写した。0.24−9.5kb RNAラダー(Invitrogen)をサイズマーカーとして用いた。cDNAプローブをランダム9−mer(Takara)および[α−32P]dCTPで標識した。ハイブリダイゼーションは、Rapid Hybridization buffer(Amersham)中で65℃で販売元の指示に従って行った。ハイブリダイゼーション後、膜を0.1% SDSを含む2xSSCにて室温で、続いて0.1% SDSを含む0.1xSSCにて55℃で洗浄した。膜を、マウスのグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼcDNA(G6PDH)で再プローブして、RNAサンプルが等量負荷されたことを確認した(Inokuchi, K., et al., FEBS Lett., Vol.382, p.48−52, (1996)、を参照)。ハイブリダイゼーションシグナルはFUJIX BAS2000 Bioimage analyzer(Fuji Photo film)を用いて解析した。mRNAのレベルはG6PDH mRNAのレベルで標準化した。
【0042】
ディファレンシャルディスプレーおよびcDNAクローニング
ディファレンシャルディスプレーは、文献記載の方法(Ono et al., J. Biol. Chem., Vol.272, p.14404−14411, (1997); マウスラボマニュアル 第2版−ポストゲノム時代の実験法−、(財)東京都臨床医学総合研究所 実験動物研究部門編、シュプリンガー・フェアラーク東京、(2003)を参照)で行った。用いたプライマー対は、5’−ACA CGC TCA C−3’(配列番号7)および5’−TTTTTTTTTTTTVA−3’(アンカープライマー、配列番号8; V はA, G, またはC)であった。生じたPCR産物はpCR−Script Amp SK(+)ベクター(Stratagene)中にクローニングした。ノーザンプロッティング分析により陽性クローンを選択し、得られたクローンのDNAの配列をThermo Sequenase fluorescent labeled primer cycle kit(Amersham)で決定した。
【0043】
神経活動依存性遺伝子である alivin 1 の同定
小脳顆粒細胞は、25mM KClまたは150μM NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)/15mM KClを含む培地で培養すると非常によく生存する(図1、それぞれ、○−○および●−●)。逆に、これらの神経細胞は5mMまたは15mM KClを含有する培地中で培養すると、細胞は徐々にアポトーシスで死滅する(Gallo, V., et al., J. Neurosci., Vol.7, p.2203−2213, (1987);Balazs, R., et al., Neuroscience, Vol.27, p.437−451, (1988);または、Ono et al., J. Biol. Chem., Vol.272, p.14404−14411, (1997)、を参照)。生存率は15mM KClを含む培地での培養の方が、5mM KClを含む培地での培養よりも高い(図1、それぞれ□−□および■−■)。また、150μM NMDA/15mM KCl培地で3.5DIV(days in vitro)培養後、300μM AP−5((±)−2−amino−5−phosphonopentanoic acid)を培養液中に添加すると、アポトーシスが誘導され、36時間後までに約半数の細胞が死滅した(図1、▲−▲)。神経細胞の神経活動依存性生存に関連する遺伝子として、脱分極条件またはNMDA存在条件により誘導される遺伝子群を同定する目的のために、まずアポトーシスのコミットメント時間を決定した。コミットメント時間は培養開始後3.0DIVであった(Ono et al., J. Biol. Chem., Vol.272, p.14404−14411, (1997)、を参照)。それゆえに、本発明者らは生存促進条件(150μM NMDAおよび15mM KClを含有する培地)およびアポトーシス誘導条件(5mM KClを含有する培地)で培養した細胞群から、3.0DIVに、それそれRNAを抽出した。これらのRNAサンプルは、cDNAに変換した後、ディファレンシャルディスプレイ解析に供した。図2に示すように、生存促進条件下で培養した細胞に由来するPCR産物をのせたレーンにおいてはバンドが検出されたが(図2、レーンS上の矢印)、アポトーシス誘導条件下で培養した細胞由来のPCR産物をのせたレーンでは、この位置にバンドは検出されなかった(図2、レーンA)。レーンS上の矢印のバンドをゲルから取り出して、以前に報告した方法で(Ono et al., J. Biol. Chem., Vol.272, p.14404−14411, (1997)、を参照)再増幅した。PCR産物はpCR−Script Amp SK(+)ベクター(Strategene)へクローニングし、配列解析を行った。得られたcDNAはラットalivin 1 cDNAの、3’−非翻訳配列の最も下流側の領域であるヌクレオチド断片(配列番号1の2957−3095bpに相当する配列)と同定された。
【0044】
ラット alivin 1 完全長cDNAの同定
15mM KClおよび150μM NMDAを含有する培地中で5.0日間培養したラット小脳顆粒細胞から抽出したRNAから構築したλZap IIライブラリーを、クローン化したラットalivin 1 cDNAフラグメントを用いてスクリーニングした。その結果、いくつかのオーバーラップする配列を持つクローンが得られた。得られた配列の最も上流領域を用いて、同じライブラリーの再スクリーニングを行い、およそ500bp上流の配列を有するいくつかのクローンを得た。その結果、完全長ラットalivin 1 cDNA(配列番号1)を同定した。
【0045】
実施例2 マウスおよびヒト alivin 1 cDNAのクローニング
データベース検索
実施例1で得られた完全長ラットalivin 1 cDNAについて、データベース検索(DDBJ/EMBL/GenBank databases)を行った。その結果、ラットalivin 1 cDNAの3’領域についての有意な相同性を持つ複数のマウスおよびヒトESTクローンが存在することが明らかになった。さらにラットalivin 1 cDNA配列の全体はヒト染色体DNAのBACクローンの一部(GenBankアクセッション番号:AC004010)と、かなりの同一性(連続した16塩基以上のギャップなしで72%同一性)を示し、これは、ラットalivin 1 のヒトホモログ(ヒトalivin 1)の完全長mRNA配列は単一のエキソンにコードされていることを示している。
【0046】
マウス alivin 1 cDNAのクローニング
マウスalivin 1 cDNAは、鋳型としてマウス全脳から調整したcDNAを用い、LA−Tag DNAポリメラーゼ(TaKaRa)を用いてPCRでクローニングした。本発明者らは、マウスおよびヒトalivin 1 cDNAを同じプライマー対でクローニングできるように、以下の二つのプライマーを設計した。5’−プライマー(5’−GCT AAG TAT TTC CGT TCA ATT GTT T−3’; sense:配列番号9)は、ラットalivin 1 cDNA配列およびヒトalivin 1 のゲノム配列の比較を行い、これらの二つの配列の最も上流側の領域のコンセンサス配列に基づいて設計した。また、3’−プライマー(5’−GGT ATT CAG GAC AGC GAG GAC GGA G−3’; antisense:配列番号10)は、マウスおよびヒトESTクローンの3’非翻訳配列のコンセンサス配列からこれらのalivin 1 cDNAに特徴的なプライマーとして設計した。
PCR条件は、94℃ 1分につづいて、94℃ 30秒;66℃ 30秒;68℃ 30秒を35サイクル繰り返した後、68℃ 3分で加熱して行った。
上記の5’−プライマーおよび3’−プライマーを用いて、PCRにより完全長マウスalivin 1 cDNA(配列番号2)を得た。
【0047】
ヒト alivin 1 cDNAのクローニング
まず、マウスalivin 1 cDNAのクローニングで用いたのと同じプライマー対(配列番号9および10)を用いてヒトalivin 1 cDNAをクローニングすることを試みたが、このプライマーでクローニングすることはできなかった。そこで、ヒトalivin 1 のゲノム配列に基づいて、新たに 5’−GCT GGT CTT TTG GTA TCG TAG GC−3 ’(sense 1−23)(配列番号11), 5’− TCC CCC TCG TGG ACT TTA GG−3’(antisense 791−772)(配列番号12), 5’−GAG GGC ATC CTA AAG TCC ACG−3’(sense 746−784)(配列番号13), および5’−GTG TAG TCT ATT CAT TCT GGT CTA AAA CGG−3’ (antisense 1384−1355)(配列番号14)を設計して使用した。
上記2組のプライマー対を用いて、ヒトcDNAを鋳型として、マウスalivin 1 cDNAのクローニングのときと同条件でPCRを行った。上記2組のプライマー対を用いて得られた2つのPCR産物の塩基配列がオーバーラップする部分を重ね合わせて、ヒトalivin 1 cDNAの一部分が得られた(配列番号3の781−2163番目の塩基)。ヒトESTクローン(GenBankアクセッション番号:BG724413)はこの部分的なヒトalivin 1 cDNAとオーバーラップすることが確認できたので、これらの二つの配列を連結して完全長ヒトalivin 1 cDNA(配列番号3)を構築した。当該ESTクローンは配列番号6の1−239番目のアミノ酸配列を含む領域をコードし、一方、PCRによって得られた部分ヒトalivin 1 cDNAは配列番号6の240−522番目のアミノ酸配列をコードしている。
【0048】
実施例3 ラット、マウスおよびヒトAliタンパク質の構造的特徴
図3に示すように、ラットマウスおよびヒトalivin 1 cDNAのオープンリーディングフレームはそれぞれ、520、519、522アミノ酸のタンパク質をコードする。それぞれのタンパク質は、NH2−末端にシグナルペプチド配列(L)、二つのシステイン−リッチドメイン(NCおよびCC)に囲まれた7つのロイシンリッチリピート(LRR)、1つの免疫グロブリンC2−様ドメイン(IG)および1つの膜貫通ドメイン(TM)を有する。シグナルペプチド切断部位は、Neilsenらの方法(Nielsen, H., et al., Protein Eng. Vol.10, p.1−6, (1997)、を参照)を用いて、ラット、マウス、ヒトのAlivin 1 について38から39残基の間であると予測した。特に、5番目のLRRの後半(ラットおよびマウスについてはそれぞれ配列番号4および5の169−190番目のアミノ酸配列、ヒトについては配列番号6の170−191番目のアミノ酸配列)はロイシンジッパー配列のコンセンサス(LxxxxxxLxxxxxxLxxxxxxL;Lはロイシン、xは任意のL体のαアミノ酸を表す:配列番号15)と100%一致した。それぞれのタンパク質はCOOH−末端領域におよそ100アミノ酸の細胞内ドメイン(ID)を含み、このドメインは他の既知のタンパク質と相同性がなかった。
上記構造の特徴から、データベース検索により、alivinファミリーの他の構成要素(alivin 2およびalivin 3)も明らかにした(実施例11参照)。
【0049】
実施例4 小脳顆粒細胞の神経活動依存性生存と alivin 1 mRNAの発現の関連
ラット alivin 1 発現解析のための競合的RT−PCR
ラットalivin 1 mRNAの発現量の評価は、競合的RT−PCRにより行った。細胞から抽出した全RNA(1μg)をDNase I(Gibco−BRL Life Technologies)で処理し、 Superscript II(Gibco−BRL Life technologies)により、メーカーのマニュアルにしたがって、cDNAに変換した。サンプルの一部(1/20)を用いて、競合的RT−PCR分析を行った。競合相手は、’competitive DNA construction kit’(Takara)を用いて構築した。ラットalivin 1 の競合的PCR分析には次の配列を用いた: sense primer (1992−2014) : 5’−AAA CGC ACT GAA CCA AAG CAA CG−3 ’(配列番号16)およびantisense primer (2266−2291) : 5 ’−AAT CAC GAC ACC AGA CGA ACA CAG G−3’(配列番号17)、ならびに、competitive sense primer: 5 ’−AAA CGC ACT GAA CCA AAG CAA CGT ACG GTC ATC ATC TGA CAC−3’(配列番号18)およびcompetitive antisense primer: 5 ’−AAT CAC GAC ACC AGA CGA ACA CAG GCG GTG AGT ATC TGC ATA TGA T−3’(配列番号19)。このセンスおよびアンチセンスプライマー対は、300bp産物を生じ、一方、競合的プライマー対を用いたPCRは、199bp産物を増幅した。競合的PCRは、104コピーの競合相手およびサンプルより調製した50ngのcDNAを用いて行った。
【0050】
ラット alivin 1 mRNAの発現と小脳顆粒細胞の神経活動依存性生存の関連
小脳顆粒細胞の生存とalivin 1 mRNAの発現の間の関係を明らかにするために、ノーザンブロッティングにより発現パターンの時間的変化を検討した。alivin 1 mRNAのサイズは3.3kbのサイズであり、8.5kb付近にもマイナーな転写産物が検出された(図4−1A)。alivin 1 mRNAの発現は生存促進条件下(すなわち、25mM KCl、または、150μM NMDAおよび15mM KClを含有する培地)で培養した細胞に限定して発現し、その発現は経日的に増加した。対照的に、アポトーシス誘導条件下(すなわち、5mM KClまたは15mM KClを含有する培養培地)で培養した細胞では、alivin 1 mRNAはほとんど検出されなかった(図4−1A、B)。NMDA存在下で培養した細胞に、NMDAレセプターの特異的なアンタゴニストであるAP−5を終濃度300μMで加えたとき、alivin 1 mRNAの発現は著しく速く下方制御された(t1/2=1.4h、図4−2AおよびB)。この下方制御は大多数の小脳顆粒細胞細胞の死滅の前に起こり、alivin 1 が神経細胞生存において重大な役割を果たすことが明らかになった。下方制御された後、神経細胞は25mM KCl、または150μM NMDAおよび15mM KClのいずれかで再度刺激した(図4−3A、B)。alivin 1 mRNAは上方制御されたが、元のレベルに戻るには5〜24時間かかった。alivin 1 mRNAの上方制御のメカニズムを調べるために、培養液に様々な阻害剤を加えた後、KCl及び/またはNMDAで刺激を行い、刺激後24時間の転写物の発現を検定した。
【0051】
alivin 1 mRNAの発現はアクチノマイシンDによって完全に阻害され、シクロヘキシミドによっては部分的に阻害された(それぞれ25mM KCl刺激においては対照レベルの43%、NMDA刺激においては対照レベルの49%)。さらに、alivin 1 mRNAの上方制御は、電位依存型L型Ca2+チャネルの特異的な阻害剤であるニフェジピンによって阻害された。これらの結果は、alivin 1 は、電位依存型L型Ca2+チャネルを通してのCa2+流入により、転写過程でその発現が制御される初期応答遺伝子であることを示す。
【0052】
実施例5 alivin 1 mRNAの神経活動依存性発現
ラット大脳皮質ニューロンの初代培養
ラット大脳皮質ニューロンは小倉らの方法(Ogura, A., et al., Neurosci. Lett., Vol.78, p.69−74 (1987)、を参照)で培養した。胎生20日のウィスターラットから大脳を取り出し、神経細胞分散液(住友ベークライト B−X9901)を用いて神経細胞を調整した。分散させた神経細胞は3.5cm径ディッシュあたり5x106個の密度で、ウシ胎児血清および5%ウマ血清を含有する2mlのDMEM培地中に播種し培養を行った。
【0053】
ラット alivin 1 mRNAの神経活動依存性発現
これまでに報告された多くの論文では、高濃度のKClを用いた長期の脱分極刺激を神経活動依存性遺伝子の研究に用いていた。例えば、Brosenitsch と Katz(Brosenitsch, T. A. and Katz, D. M., J. Neurosci., Vol.21, p.2571−2579 (2001)、を参照)は、長期の脱分極刺激は、生体内で起こる生理的な神経活動とは異なる遺伝子応答を引き起こすことを報告している。また、小倉ら(Ogura, A., et al., Neurosci. Lett., Vol.78, p.69−74, (1987)、を参照)および黒田ら(Kuroda, Y., et al., Neurosci. Lett., Vol.135, p.255−258, (1992)、を参照)は、それぞれ、初代培養した海馬ニューロンおよび大脳皮質ニューロンは、神経細胞間で実際に機能するシナプスを形成し、外から刺激を与えなくても、神経細胞が自発的にしかも同調的に興奮することを報告した。彼らは、培養系にテトロドトキシンを加えることにより、ニューロンの自発的な興奮を抑制でき、さらに培養液からテトロドトキシンを除くと神経細胞の自発的な興奮が回復すること報告している。
【0054】
そこで本発明者らは、大脳皮質ニューロンの初代培養系を用いてalivin 1 の遺伝子発現が、上記の報告のような生理的な神経活動により制御されているか否か、すなわち、神経細胞の電気的な活動により制御されているか否かを検討した。上記のように調製したラット胎児の大脳皮質ニューロンは、ニューロンが成熟しシナプスを形成する期間である2週間培養した。図5に示したように2週間培養した細胞はalivin 1 mRNAを発現していた。この細胞にNa2+チャンネルの阻害剤であるテトロドトキシンを加えるとalivin 1 mRNAの発現は著しく抑制された。テトロドトキシンを培養液から除くとalivin 1 mRNAの発現は、ほぼ元のレベルまで回復した。これらの結果からalivin 1 遺伝子の発現は神経細胞の電気的活動に依存しており、従ってalivin 1 は神経活動依存的に発現制御される遺伝子であることが結論された。
【0055】
実施例6 alivin 1 mRNAの組織分布および発生過程における発現制御
alivin 1 mRNAは肺において最も豊富に発現していた(図6A)。肺以外では、検定した組織のすべてに低レベルのalivin 1 mRNA発現が観察された。
小脳におけるalivin 1 mRNAの発現は発生にともなって発現制御を受けていた。ラットの小脳は生後に発生し、発生形態形成は生後21日で完了する。生後7日から14日は、小脳顆粒神経細胞が顆粒層外部から内部へ移動する期間であるが、この間に、小脳のalivin 1 mRNAは生後0日のおよそ半分まで下方制御された(図6B、C)。このレベルは生後90日まで維持された。これらのデータはalivin 1は小脳の形態形成において役割を持つことを示唆している。
【0056】
実施例7 免疫組織分析
ラット Alivin 1 の細菌による発現と抗 Alivin 1 抗体の作製
ラットalivin 1 cDNAをPfuポリメラーゼを用いてPCRにより増幅した。両方のプライマーに適当な制限部位を組み込み、アンチセンスプライマーにはHisタグ配列を含めた。ラットAlivin 1(57−520)(本明細書において、「ラットAlivin 1(x−y)」という表記は、配列番号4のx番目からy番目のアミノ酸配列からなる、ラットAlivin 1 の部分タンパク質であることを示す)に特異的な抗体を製造するためのプライマーは、5’−GGA ATT CCA TAT GAA CCT GTC TAA GGT GCC TGG G−3’(配列番号20)および5’−CCG CTC GAG AGT GGA TGC CAC GAA GGG G−3’(配列番号21)を用いた。細胞外ドメイン(ラットAlivin 1(57−402))の増幅のためのプライマーは、5’−GGA ATT CCA TAT GAA CCT GTC TAA GGT GCC TGG G−3’(配列番号22)および5’−CCG CTC GAG GGT GGT GAA AGC−3’(配列番号23)を用いた。得られたPCR産物は、pET22bベクターに、読み枠を一致させてクローニングした。これを大腸菌にトランスフェクションし、Alivin 1 タンパク質の発現のため、1mM IPTGで3時間誘導した後、生じたタンパク質をNi2+−NTAカラム(QIAGEN)クロマトグラフィーで精製した。精製したラットAlivin 1(57−520)は、SDSゲル電気泳動でさらに精製し、ウサギに免疫して抗Alivin 1 抗血清を得た。得られた抗血清をそのまま又は精製して、抗体として用いた。この抗体は、ラット脳の66Kおよび63KのAlivin 1 タンパク質と交差反応することをウエスタンブロットで確認した(図7A)。
【0057】
ラット Alivin 1 タンパク質の免疫組織分析
成熟したラットの脳の凍結切片(厚さ15μm)を100%メタノールで−20℃にて10分間固定した。切片を、5%ウシ血清アルブミンおよび5%ヤギ血清を含むダルベッコのリン酸緩衝食塩でブロックした。次に切片を上述したウサギ抗Alivin 1 抗体と、次いでフルオレセインイソチオシアネートに結合した抗ウサギIgGと反応させた。陰性対照の染色には、非免疫ウサギ抗体を使用した。
【0058】
ラット脳における Alivin 1 タンパク質の免疫組織化学的局在
ラット脳におけるAlivin 1 タンパク質の分布を評価するため、上述したウサギ抗Alivin 1 抗体を用い、ラット脳の免疫組織化学を行った(図7B、C)。ラット小脳において、Alivin 1 免疫反応性の大部分が小脳顆粒神経細胞およびプルキンエ細胞の細胞体に局在した、一方ラット海馬においてAlivin 1 免疫反応性は、CA1領域とCA3領域(CAは、Cornu Ammonis(アンモン角)の略)の間における錐体細胞の体および歯状回における顆粒細胞の細胞体に局在した。陰性対照標本においては染色されなかった(データは示さない)。
【0059】
実施例8 Alivin 1 タンパク質の細胞内局在
ラット脳の細胞分画
10週齢の雄ラットから脳を摘出し、細胞内顆粒をGordon−Weeks(Gordon−Weeks, P. R., (1987) Isolation of synaptosomes, growth cones and their subcellular components. ”Neurochemistry; a practical approach” (Turner, A. J., Bachelard, H. S., eds), pp 1−26. Oxford: IRL Press、を参照)の方法で分画した。細胞膜画分、シナプトソーム画分およびミトコンドリア画分を、同じくGordon−Weeksの方法で、Ficoll濃度勾配遠心で得た。細胞膜のマーカー酵素である5’−ヌクレオチダーゼをGrahamら(Graham, J. M., et al., Biochim. Biophys. Acta., Vol.150, p.303−305, (1968)、を参照)の方法でアッセイした。
【0060】
ウェスタンブロット分析
細胞抽出物は10% SDSゲルで電気泳動した。泳動後、タンパク質をPVDF膜に転写し、3000倍希釈の抗Alivin 1 抗体を用いてECLまたはECL−プラス(Amersham)でAlivin 1 の免疫反応性を検出した。
【0061】
ラット脳における Alivin 1 タンパク質の細胞内局在
ラット脳の全体を、上述したように密度勾配遠心分離によって、様々な細胞内顆粒画分に分画した。個々の画分を抗Alivin 1 抗体でのウェスタンブロッティング解析に供した。Alivin 1 の免疫反応性の大部分は細胞核画分(図8、レーン2)および細胞膜画分(図8、レーン6)に局在した。後者の画分は細胞膜のマーカー酵素である5’−ヌクレオチダーゼ活性を最も高く示した(データは示していない)。これらの実験結果から、Alivin 1 は核と細胞膜に局在することが判明した。
【0062】
細胞膜に局在すると考えられていたシグナル伝達受容体が実際には細胞核に存在していた例が、EGFレセプター、FGFレセプター、増殖因子レセプター、c−erb−4/HER−4増殖因子レセプター(Lobie, P. E., et al., J. Biol. Chem., Vol.269, p.31735−31746, (1994);Xie, Y. and Hung, M. C., Biochem. Biophys. Res. Commun., Vol.203, p.1589−1598, (1994);Maher, P. A., J. Cell Biol., Vol.134, p.529−536, (1996);Srinivasan, R., et al., Cancer Res., Vol.60, p.1483−1487, (2000);Lin, S. Y., et al., Nat. Cell Biol., Vol.3, p.802−808, (2001);または、Marti, U., et al., Thyroid, Vol.11, p.137−145, (2001)、を参照)について報告されている。EGFレセプターについては、それ自身がトランスアクチベーター活性を示し、転写因子として働きうることが報告されている(Lin, S. Y., et al., Nat. Cell Biol., Vol.3, p.802−808, (2001)、を参照)。核にAlivin 1 が局在している事実により、細胞表面での機能に加えて、細胞核においてもAlivin 1 がなんらかの役割を担っていると考えられる。
【0063】
実施例9 Alivin 1 による小脳顆粒細胞の脱分極依存性生存の促進
Alivin 1 発現ベクターの初代培養小脳顆粒細胞への導入
PCRを用いてFlagエピトープをコードするヌクレオチドをラットalivin 1 cDNAのコード領域の3’−側に融合させた。合成したcDNAはpTriEx−1.1 ベクター(Novagen)にクローングした。発現ベクターは、Lipofectamine2000(Invitrogen)を用いて、細胞播種時(培養0日)に小脳顆粒細胞へ導入した。Alivin 1 発現ベクターまたは対照ベクター(pTriEx−1.1 ベクター)をEGFP発現ベクター(pEGFP−N3; Clontech)と4:1に混合し、これをBME培地と混合した。発現ベクターと等量のLipofectamine2000をBME培地で希釈し、室温で5分間保温した。この希釈したLipofectamine2000溶液をDNA/BME溶液と混合し、室温で20分間保温し、Liopfectamine/DNA複合体を形成させた。10%ウシ胎児血清を含むBME培地に分散させた小脳顆粒細胞とLiopfectamine/DNA複合体を4:1の割合で混合した。この混合液を0.5ml/ウェルの割合で、ポリエチレンイミンでコートしたカバーグラスを含む12ウェル・プレート上に播種し、培養を開始した。培養1ウェルには2.5x106個の細胞と1.25μgのDNAが含まれるようにした。培養開始後5時間に培養液を新しいものと交換した。24時間後に30μM AP−5と100μM AraCを加えた。3.0DIVに細胞を4%ホルムアルデヒドで固定し、抗Flag抗体(M2; Sigma)で免疫染色した。細胞の核はSeeらの方法(See, V., et al., Faseb. J., Vol.15, p.134−144, (2001)、を参照)により、Hoechst 33342で染色してアポトーシスで死んだ細胞を同定した。
【0064】
Alivin 1 タンパク質による小脳顆粒細胞の脱分極依存性生存の促進
Alivin 1−Flag融合タンパク質発現ベクターとEGFP発現ベクターを初代培養小脳顆粒細胞へ同時にトランスフェクションし、alivin 1 の細胞生存率に対する効果を検討した。生存率に対する効果はトランスフェクションした細胞群(Flag陽性かつEGFP陽性)中のアポトーシスを起こして死んだ細胞の割合を測定することにより検討した。対照実験群へは対照ベクターとEGFP発現ベクターを同時にトランスフェクションし、EGFPの蛍光によりベクターが導入されている細胞を同定した。図9AおよびBに示すようにAlivin 1−Flag発現ベクターをトランスフェクションし、5mM KCl/30μM AP−5を含む培養液中で培養した細胞では、トランスフェクションした細胞の内、47%の細胞がアポトーシスを生じたのに対し、対照群では75%の細胞がアポトーシスを生じた。これらの結果により、Alivin 1 タンパク質が小脳顆粒細胞のアポトーシスを抑制し、生存を促進することが確認された。
【0065】
図8の結果は一部のAlivin 1 タンパク質が細胞膜上に存在することを示しているので、次に細胞膜上に存在するAlivin 1 タンパク質が細胞の生存に関係しているか否かを検討した。本発明者らは神経細胞の表面でのAlivin 1 タンパク質の機能を阻害するために、抗Alivin 1 抗体を培養液に加えた。図9Cに示したように、25mM KClを含む培養液で培養した細胞の培養液中に抗Alivin 1 抗体を添加すると用量依存的に小脳顆粒細胞の生存を阻害した。一方、5mM KClを含む培養液で培養した小脳顆粒細胞の生存は抗体添加により影響されなかった。これらの結果から、細胞表面に存在するAlivin 1 タンパク質が小脳顆粒細胞の脱分極依存性の生存に関与していることが判明した。細胞膜上に存在するAlivin 1 タンパク質が脱分極依存性の生存に関与していることをさらに確認するために、大腸菌で発現させたAlivin 1 タンパク質の細胞外セグメントを用いて検討を行った。Alivin 1 タンパク質の細胞外セグメントはタンパク質間相互作用に働くドメイン(LRRとimmunoglobulinドメイン)を持っており、これらのドメインはAlivin 1 タンパク質のリガンドに結合すると考えられることから、細胞外セグメントはAlivin 1 タンパク質に対して競合的阻害剤として働くと考えられる。同様な実験はTGFβ受容体とTrkAで報告されており、これらのタンパク質の可溶性細胞外ドメインがこれら受容体の機能を阻害することが既に報告されている。図9Dに示したように、25mM KCl/30μMAP−5を含む培養液にAlivin 1 タンパク質の細胞外セグメント(ラットAlivin 1(52−402))を添加して培養を行ったところ、用量依存的に小脳顆粒細胞の生存が65%に抑制された。以上の結果から細胞表面に存在するAlivin 1 タンパク質は脱分極依存性の生存に関与していることが明らかになった。尚、これらの結果は核に存在するAlivin 1 タンパク質の脱分極依存性生存への関与を否定するものではない。これらの結果から、抗Alivin 1 抗体が小脳顆粒細胞の生存を阻害し、細胞の表面でのAlivin 1 への結合およびAlivin 1 とその特異的なリガンド(類)の間の相互作用を妨害していることが示された。また、Alivin 1 の細胞外ドメインの可溶型は初代培養小脳顆粒神経細胞の生存を阻害することから、添加したAlivin 1 の細胞外ドメインは競合的にAlivin 1 リガンド(類)に結合して、Alivin 1 とAlivin 1 リガンド(類)の相互作用を妨害することにより生存シグナルを阻害することが明らかとなった。
【0066】
実施例10 マウス alivin 1 の染色体遺伝子座の
ラディエーションハイブリッド(RH)によるマッピングとヒト alivin 1 遺伝子座
マウスalivin 1 の染色体上の位置をPCR分析で決定し、T31 ラディエーションハイブリッド(RH)パネル(Research Genetics/Invitrogen)(McCarthy, L. C., et al., Genome Res. Vol.7, p.1153−1161 (1997)、を参照)からの94 DNAサンプル (基準細胞ライン12、25、61、62、99および100は除く) に対して、二連でタイプ分析した。このPCR反応は全量15μl中で、20ngゲノムDNA、0.55μMの各プライマー、0.15UのAmpliTaq Gold(Applied Biosystems)、200μM dNTP、1.5mM MgCl2および1x Gold bufferを含む全量15μl中で行った。サイクル条件は次の通りとした:95℃ 5分(酵素活性化)、94℃ 30秒;55℃ 40秒;72℃ 12分のサイクルを40サイクル。PCR産物は、TAEバッファー中で4%アガロースゲル(3% NuSierve agaroseおよび1% SeaKem ME agarose)により電気泳動し、エチジウムブロミドで染色して可視化した。データはゲルのイメージから、特別のスコアシステム(0=ネガティブ、 1=ポジティブ、および2=試験しないラインまたは再現性なし) により記録した。得られたデータを用いて、ラディエーション・ハイブリッド・フレームワーク・マップを確定した。座位のマッピングに続き、RHパネルの細胞ラインを用いて、隣接マーカーを再度タイプ分析した。Map Manager QT(Manly, K. F. and Olson, J. M., Mamm. Genome Vol.10, p.327−334, (1999))中のRHマッピングデータの分析により、cR3000中の距離を決定した。
【0067】
マウス alivin 1 の染色体マッピング
マウス染色体におけるalivin 1 の染色体上の局在を決定するために、われわれは放射線雑種(RH)マッピングを行った(図10)。得られたデータをマウスゲノムデータベース(MGD2002(http://www.informatics.jax.org/mgihome/))と比較した結果、マウスalivin 1 の遺伝子座は、15番染色体のセントロメアからおよそ55.3cMの位置にマッピングされた。この領域はヒト12番染色体とシンテニー(遺伝子相同性)がある。データベースによると、ヒトalivin 1 は12q13.11にマッピングされている(アクセッション番号AC004010)。この領域に一致して、家族性アルツハイマー病5型(AD5:OMIM 602096、12p11.23−q13.12)およびパーキンソン病8型(PARK8: OMIM 607060、12p11.23−q13.11)の原因遺伝子が存在するが、AD5とPARK8の原因遺伝子は特定されていない。AD5は60歳以上で発症する遅発性(少なくとも60歳)のアルツハイマー病であり、これまでに報告されているAPP、プレセネリン1/2、アポリポプロテインEの変異が原因ではない。また、PARK8はこれまでに報告されているパーキンソン病の原因遺伝子であるα−synuclein、parkin、DJ1、UCH−L1とは異なる遺伝子座を持つ。さらに、AD5およびPARK8がマッピングされている領域には細胞の生存と死に関連する遺伝子はこれまで報告されていない。従ってalivin 1 はこれらの原因遺伝子と本発明者は結論づけた。
【0068】
実施例11 Alivin ファミリータンパク質の構造
Alivin 1 は、LRRおよび免疫グロブリンスーパーファミリーの新しいメンバーである。データベースの検索によりalivin 遺伝子ファミリーに属する他の遺伝子も明らかとなった:すなわち、マウスalivin 2(アクセッション番号BC010598)、ヒトalivin 2(アクセッション番号LOC127001、AB032989)、およびヒトalivin 3(アクセッション番号AB058754)である。図3および図11−1に示したように、alivin 遺伝子ファミリーがコードするタンパク質の間に著しい配列の相同性が見られた。Alivin 相同分子種(オルソログ)における類似性は92%から95%の間であり、一方Alivin パラログの間の類似性は46%から56%の間である。ヒトAlivin パラログのドメイン構造の間の相同性は、膜貫通ドメインが最も高く、次いでN末端隣接システイン−リッチおよびLRRドメイン著しい相同性が認められた(図11−2)。さらに、Alivin タンパク質全体のドメイン構造はAlivin パラログ間で著しく保存されていた。それぞれのAlivin パラログは、NH2−末端にシグナルペプチド配列、NH2−末端側およびCOOH−末端側のシステイン−リッチ配列に囲まれた7つのLRRs、一個の免疫グロブリンC2−様ドメイン、一個の膜貫通ドメイン、およびおよそ100アミノ酸の細胞内ドメインから構成されている。Alivin ファミリータンパク質のLRRドメインの相同配列は、LxxLxxLxLxxNxaxxaxxxa(配列番号24)であり、これは典型的な動物細胞の細胞外LRR配列として報告されている配列に一致する(Kobe, B. and Deisenhofer, J., Trends Biochem. Sci., Vol.19, p.415−421, (1994);または、Kajava, A. V., J. Mol. Biol., Vol.277, p.519−527, (1998)、を参照)。
【0069】
現在までのところ、多くのLRRファミリーの構成要素が同定されてきた(Kobe, B. and Deisenhofer, J., Trends Biochem. Sci., Vol.19, p.415−421, (1994)、を参照)。しかしながら、LRRsおよび免疫グロブリン様ドメインの両方を持つタンパク質はほんの数例しか報告されていない。これらのタンパク質はKek 1/2(Musacchio, M. and Perrimon, N., Dev. Biol., Vol.178, p.63−76, (1996);または、Ghiglione, C., et al., Cell, Vol.96, p.847−856, (1999)、を参照)、Trk A/B/C(Schneider, R. and Schweiger, M., Oncogene, Vol.6, p.1807−1811, (1991)、を参照)、ISLR(Nagasawa, A., et al., Genomics, Vol.44, p.273− 279, (1997)、を参照)、NLRR 1/2/3(Taguchi, A., et al., Brain Res. Mol. Brain Res., Vol.35, p.31−40, (1996);または、Taniguchi, H., et al., Brain Res. Mol. Brain Res., Vol.36, p.45−52, (1996)、を参照)、Pal(Gomi, F., et al., J. Neurosci., Vol.20, p.3206−3213, (2000)、を参照)、LIG−1(Suzuki, Y., et al., J. Biol. Chem., Vol.271, p.22522−22527, (1996)、を参照)およびペルオキシダシン(Nelson, R. E., et al., Embo J., Vol.13, p.3438−3447, (1994)、を参照)である。LRRsおよび免疫グロブリン様ドメインに加えて、NLRR 1/2/3およびPalはフィブロネクチン タイプ3 ドメインを有する。また、ペルオキシダシンはペルオキシダーゼおよびスロンボスポンジン(thrombospondin)/プロコラーゲン ドメインを有する。LRRsおよび免疫グロブリン様ドメイン(類)の両方を有するタンパク質においては、Aliファミリーの細胞外ドメインは、キイロショウジョウバエ(Drosophila)のKek1およびKek2のそれらと有意の類似性を示し、前者のそれはキイロショウジョウバエの胚におけるEGFレセプター(EGFR)に結合して、腹側化シグナルを制限することにより背腹のパターニングを制御するGrk/EFGR経路を阻害する(Ghiglione, C., et al., Cell, Vol.96, p.847−856, (1999)、を参照)。KekおよびAlivin ファミリーの間で一次構造の構成は高く保存されている(図11−3)。Kekファミリーは、システイン−リッチ配列に隣接した1個の不完全なLRR,および6つの完全なLRRs、1つの免疫グロブリンC2様ループ、ならびに一個の一回貫通型膜貫通ドメイン(Musacchio, M. and Perrimon, N., Dev. Biol., Vol.178, p.63−76, (1996)、を参照)を有する。膜貫通ドメインおよびLRRドメインにおいて、Alivin ファミリーおよびKekファミリーの間に最も高い相同性が観察されたが、細胞内ドメインでは相同性は観察されなかった。さらにAlivin ファミリーの細胞外ドメインは、Trkファミリーのそれと相同であった。Trkタンパク質は、シグナルペプチド配列、システイン−リッチ配列に隣接した3つのLRRs、二つの免疫グロブリンC2様ループ、一回膜貫通型膜貫通ドメイン、および細胞内チロシン−キナーゼドメインを含んでいる神経栄養因子受容体である(Schneider, R. and Schweiger, M., Oncogene, Vol.6, p.1807−1811, (1991)、を参照)。ヒトTrk Cの細胞外ドメインはヒトAlivin 1 のそれについて21%のアミノ酸同一性と37%の類似性を示し、ヒトAlivin 1 と最も高い相同性を示した。
【0070】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、小脳顆粒細胞の脱分極依存性およびNMDA依存性生存を示すグラフである。小脳顆粒細胞を、5mM KClおよび30μM AP−5を含む培養液(■−■)、15mM KClおよび30μM AP−5を含む培養液(□−□)、25mM KClおよび30μM AP−5を含む培養液(○−○)、ならびに、150μM NMDAおよび15mM KClを含む培養液(●−●)中で培養した。さらに、150μM NMDAおよび15mM KClを含む培養液中で培養した細胞については、3.5日間培養を行った後、300μM AP−5を加えてNMDA受容体をブロックし、アポトーシスを誘導した(▲−▲)。細胞の生存率はMTT法で測定し、25mM KClおよび30μM AP−5を含む培養液中で培養した細胞の細胞生存に対する相対的生存率をプロットした。
【図2】図2は、ディファレンシャルディスプレイの結果を示すゲル電気泳動の写真である。レーンAは、5mM KClの存在下で3.0DIV培養した小脳顆粒細胞のトータルRNAをcDNAに変換した後、ディファレンシャルディスプレイPCRで増幅したPCR産物である。レーンSは、150μM NMDA、15mM KCl存在下で3.0DIV培養した小脳顆粒神経細胞のトータルRNAをcDNAに変換した後、ディファレンシャルディスプレイPCRで増幅したPCR産物である。6%シークエンシングゲルで分析した。
【図3】図3は、Alivin 1 タンパク質のドメインを示す模式図である。ラットマウスおよびヒトalivin 1 cDNAのオープンリーディングフレームはそれぞれ、520、519、522アミノ酸のタンパク質をコードする。LはNH2−末端のシグナルペプチド配列を、NCおよびCCはシステイン−リッチドメインを、LRRはロイシンリッチリピートを、IGは免疫グロブリンC2−様ドメインを、TMは膜貫通ドメインを、ならびに、IDはCOOH−末端領域のおよそ100アミノ酸の細胞内ドメインを表す。
【図4−1】図4−1Aは、神経顆粒細胞におけるalivin 1 mRNA発現のノーザンブロッティングの結果を示す写真である。5mM KCl、15mMKCl、25mM KCl、または、150μM NMDAおよび15mM KClの両方、のいずれかの存在下で培養した顆粒神経細胞から抽出した全RNAサンプル(10μg)をノーザンブロッティングに供した。ディファレンシャルディスプレイ解析で得られたcDNA(ラットalivin 1 cDNAの3’−非翻訳領域に対応する)をプローブとして用いた。下の枠はG6PDH mRNAの発現レベルを示す。
図4−1Bは、図4−Aの結果を定量した値を示すグラフである。神経顆粒細胞は5mM KCl(△−△);15mM KCl(○−○);25mM KCl(▲−▲);または、15mM KClおよび150μM NMDAの両方(●−●);のいずれかの存在下で培養した。
【図4−2】図4−2Aは、AP−5でのNMDAレセプターのブロッキングによるalivin 1 mRNA発現の早い下方制御を示すノーザンブロッティングの写真である。神経顆粒細胞は15mM KClおよび150μM NMDAを含有する培地中で4.5日培養し、NMDAレセプターは最終濃度300μMのAP−5の添加によってブロックした。3.3kbのバンドはalivin 1 mRNAに対応するバンドである。下の枠はG6PDH mRNAの発現レベルを示す。
図4−2Bは、図4−2Aの結果を定量化した値を示すグラフである。
【図4−3】図4−3Aは、alivin 1 mRNA発現についての様々な阻害剤の効果を示すゲル電気泳動の写真である。小脳の顆粒神経細胞は、25mM KClを含有する培地中で4日間培養した。培地は5mM KClを含有するものに交換し、さらに24時間培養を続け、その後その細胞は5mM KCl(5);15mM KCl(15);25mM KCl(25);または、15 mM KClおよび150μM NMDAの両方(N);で刺激した。阻害剤はKClおよび/またはNMDAによる刺激の30分前に培養培地に加えた。刺激の後(24時間)、全RNAを抽出し、競合PCR解析に供した。使用した阻害剤は35μM シクロヘキシイミド(CHX)、4.0μM アクチノマイシンD(AcD)または0.2μM ニフェジピン(NFD)を含む。ニフェジピンのビヒクルとしてエタノールを用いた。
図4−3Bは、図4−3Aに示したデータを定量化したグラフである。
【図5】図5は、テトロドトキシン存在下および非存在下でのalivin 1 mRNAの発現量を評価したグラフである。ラットの大脳皮質神経細胞を14日間培養した(control)。テトロドトキシン(1μM)を培養液に加え、さらに30時間培養を行った(+TTX)。その後、培養液を新しいものと取り替え、さらに30時間培養した(−TTX)。それぞれのサンプルからRNAを抽出し、競合的PCRによりalivin 1 mRNAの発現量を評価した。
【図6】図6Aは、alivin 1 mRNAの組織分布をノーザンブロッティングにより評価した結果の写真である。全RNA(10μg)を成体ラットの様々な組織から抽出し、ノーザンブロッティングに供した。下の枠は28S rRNAのエチジウムブロマイド染色を示す。
図6Bは、ラット小脳におけるalivin 1 mRNAの発生期の発現をノーザンブロッティングで評価した際の写真である。全RNAは生後の特定の日の小脳から抽出し、10μg RNAをノーザンブロッティング解析に供した。下の枠は28S rRNAのエチジウムブロマイド染色を示す。
図6Cは、図6Bの結果を定量化したデータを示すグラフである。
【図7】図7Aは、ラットの全脳抽出物を10%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、抗ラットAlivin 1 抗体を用いてウエスタンブロッティングを行った結果を示す写真である。
図7Bは、ラット小脳におけるAlivin 1 の免疫組織化学上の局在を示す写真である。MLは分子層、PLはプルキンエ細胞層、GLは顆粒細胞層をそれぞれ表す。
図7Cは、ラット海馬におけるAlivin 1 の免疫組織化学上の局在を示す写真である。図中、CA、CA1およびCA2における“CA”は、Cornu Ammonis(アンモン角)の略であり、“DG”はdentate gyrus(歯状回)の略である。
【図8】図8は、脳におけるAlivin 1 の細胞下の分布を評価したウエスタンブロッティングの結果を示す写真である。10週齢のラットの全脳を様々な細胞成分画分に分離した。タンパク質(100μg)を10%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。
【図9】図9Aは、初代培養小脳顆粒細胞へAlivin 1 タンパク質発現ベクターを導入した細胞の写真を示す。発現ベクターを培養0日目に小脳顆粒細胞に導入し、5mM KClおよび30μM AP−5を含む培養液で培養した。培養3.0日に4%パラホルムアルデヒドで固定し、抗Flag抗体およびヘキスト色素による染色を行った。トランスフェクションした細胞は抗Flag抗体による免疫染色およびEGFPによる蛍光により同定した。アポトーシスを起こしている細胞はヘキスト色素による染色により、収縮した、あるいは断片化した核を持つ細胞として検出した。(a−d)Alivin 1−Flag融合タンパク質発現ベクターをトランスフェクションした細胞、(e−h)対照ベクターをトランスフェクションした細胞、(aおよびe)EGFPの蛍光、(bおよびf)抗Flag抗体およびアレキサ594フロアー結合二次抗体による免疫染色、(cおよびg)ヘキスト色素による染色、(dおよびh)EGFP蛍光像、抗Flag抗体免疫染色像、ヘキスト染色色素のオーバーレイ。矢印は、遺伝子導入された細胞を示す。
図9Bは、Alivin 1 発現ベクター、または、対照ベクターを小脳顆粒細胞へトランスフェクションした後、5mM KCl/30μM AP−5の存在下での培養でアポトーシスする細胞の割合を示すグラフである。
図9Cは、小脳の顆粒神経細胞生存における抗Alivin 1 抗体の効果を示すグラフである。抗Alivin 1 抗体はBME培地に対してよく透析し、0.22μmメンブラン(Millipore)で濾過することにより滅菌した。顆粒神経細胞は25mM KClを含有する培地中で培養した。抗Alivin 1 抗体または非免疫抗体を培養液に1.0DIVで加え、5.0DIVにおいて生存を解析した。2回のの独立した実験の典型的な結果を示した。それぞれの値は二つの解析の平均±S.D.である。抗Alivin 1 抗体(●−●)、非免疫抗体(□−□)。図9Dは、ラットAlivin 1(57−402)の小脳の顆粒神経細胞の生存における効果を示すグラフである。ラットAlivin 1(52−402)をBME培地に対してよく透析し、0.22μmメンブラン(Millipore)を通じて濾過することにより滅菌した。小脳顆粒神経細胞は、25mM KClを含有する培地中で培養した。ラットAlivin 1(57−402)を培養液に2.0DIVで加え、そして神経細胞の生存は6.0DIVで検定した。2回の独立した実験の典型的な結果を示した。それぞれの値は二つの実験の平均±S.D.である。
【図10】図10は、マウスalivin 1 遺伝子の染色体上の局在のマッピングを示す模式図である。マーカーの間の隔たりをcentiRays(cR)として示したマウス染色体15の高分解能RHマップ。マウスalivin 1 の遺伝子座は染色体15のセントロメアからおよそ55.3cMに位置する。Mitマーカーの相対的な位置はマウスゲノムデータベース(MGD2002)から取得した。
【図11−1】図11−1は、Aliファミリーの構成要素のそれぞれの間の相同性を示す概略図である。かっこの外側の数字は同一性%を示し、一方かっこの中の数字は類似性%を示す。
【図11−2】図11−2は、ヒトAliファミリーの構成要素のドメインの構成を示す模式図である。かっこの外側の数字は同一性%を示し、一方かっこの中の数字は類似性%を示す。L:シグナルペプチド配列を含むリーダー配列、NC:NH2−末端隣接システイン−リッチドメイン、LRR:ロイシン−リッチリピート、CC:COOH−末端隣接システイン−リッチドメイン、IG:免疫グロブリンC2−様ループ、TM:膜貫通ドメイン、ID:細胞内ドメイン。
【図11−3】図11−3は、ヒトAlivin 1 のドメイン構成およびキイロショウジョウバエKekファミリーのドメインの構成を示す模式図である。かっこの外側の数字は同一性%を示し、一方かっこの中の数字は類似性%を示す。L:シグナルペプチド配列を含むリーダー配列、NC:NH2−末端隣接システイン−リッチドメイン、LRR:ロイシン−リッチリピート、CC:COOH−末端隣接システイン−リッチドメイン、IG:免疫グロブリンC2−様ループ、TM:膜貫通ドメイン、ID:細胞内ドメイン。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel gene that plays an important role in the survival of nerve cells, and a protein encoded by the gene. The present inventors concluded from the function of this gene and its locus that this gene is a gene associated with Alzheimer's disease and Parkinson's disease.
[0002]
[Prior art]
Neural activity controls a wide range of functions, such as memory, nerve transmission, nerve growth, differentiation, synapse development, and nerve cell life and death. In particular, it is known that neural activity regulates the number and junction pattern of nerve cells by suppressing apoptosis and promoting the survival of neurons (see, for example, Non-Patent Document 1). It has been proved by experiments using many in vivo and in vitro systems that neural activity suppresses the death of nerve cells and promotes their survival (see, for example, Non-Patent Documents 2, 3, or 4). reference). In an in vitro experimental system, depolarization stimulation by high concentration KCl and stimulation to nerve cells by a glutamate receptor agonist are used. These stimuli are thought to mimic neural activity in vivo, and these stimuli have been extensively used in in vitro experimental systems. The mechanism by which these stimuli promote neuronal survival is considered as follows. When nerve cells are stimulated with high concentrations of KCl or glutamate receptor agonists, each stimulus is voltage-dependent Ca2+Ca into cells via channels and glutamate receptor channels2+Influx of Ca and thereby into and out of the cell2+Turnover of calcium (intracellular Ca2+Inflow and extracellular Ca2+(E.g., discharge) advances (see, for example, Non-Patent Document 5 or 6). This Ca2+The turnover signal is Ca2+Activating the / calmodulin-dependent protein kinase, protein kinase B (PKB / Akt) (see, eg, Non-Patent Document 7) and the RAS / MEK / MAPK cascade and their downstream transcription-dependent pathways and It suppresses apoptosis and promotes survival of neurons through both pathways that are transcription-independent (see, for example, Non-Patent Document 8). The transcription-dependent survival promotion pathway includes CREB (Ca2+/ CAMP response element binding protein (MEF2C) and a path mediated by MEF2C (myocyte-specific enhancer binding factor 2C) have been reported (for example, see Non-Patent Documents 8, 9, or 10). However, the downstream targets of these transcription factors that are thought to mediate neuronal activity-dependent survival have not yet been fully elucidated. BDNF (brain degenerated neurotrophic factor), PACAP (pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide) and some parathyroid hormone related proteins (PTHrP: parathyroid hormone protein)2+It has been reported that the gene expression is dependent and has an effect of promoting the survival of nerve cells and a neuroprotective effect (see, for example, Non-Patent Documents 11, 12, or 13). These proteins are secreted from nerve cells in a neural activity-dependent manner and act in an autocrine and / or paracrine manner to promote nerve cell survival. For example, BDNF is Ca2+Expressed by transcription via CREB and CaRF (calcium-response transcription factor) existing downstream of the signal (see, for example, Non-Patent Documents 14, 15, or 16), and promote the survival of neuronal cells (for example, non-patented) (Ref. 11) has been shown by many studies. However, since BDNF alone is insufficient to sufficiently support the survival of neurons (see, for example, Non-Patent Document 17), it is considered that signal factors other than BDNF are involved in survival dependent on nerve activity. (See, for example, Non-Patent Document 18).
[0003]
Neuronal survival depends on neural activity or Ca2+In order to comprehensively identify the factors involved in the dependently promoted process, we specifically utilize mRNA differential displays in cerebellar granule cells cultured under conditions that promote survival (ie, depolarization). The expressed gene was screened. By this method, several candidate genes that have been thought to be involved in neural activity-dependent cell survival have been found. For example, the present inventors have already identified a known factor, PTHrP, by comparing the correlation between gene expression patterns and neural activity-dependent survival (see, for example, Non-Patent Document 12). ).
[0004]
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Tao, X. , Et al. Neuron, (2002), Vol. 33, p. 383-395.
[Non-Patent Document 17]
Ichikawa, D .; , Et al. Brain Res. Mol. Brain Res. , (1998), Vol. 56, p. 218-226.
[Non-Patent Document 18]
Franke, B.M. , Et al. Exp. Neurol. , (2000), Vol. 165, p. 125-135.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention provides a novel gene that plays an important role in neural activity-dependent survival of cerebellar granule cells designated as alivin 1 or ali1, a vector containing the gene, and a host cell transformed with the vector. Alivin 1 is “alive” and “activity-dependentLeucine-rich-repeat andimmunoglobulin superfamily survival-related proteinnIt was named after "".
[0006]
The present invention also provides a method for producing a novel protein Alivin 1 (Ali1) encoded by alivin 1 by culturing the host cell, and a novel protein produced by the method.
[0007]
The following inventions are encompassed by the present invention:
(1) DNA encoding Alivin 1 protein having the base sequence encoding the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 4, or one or more amino acids in the above amino acid sequence having deletion, substitution, insertion, addition, and Alivin 1 A DNA encoding a protein having substantially the same activity as the protein or an activity that inhibits the activity of Alivin 1.
(2) The DNA according to (1), which encodes the Alivin 1 protein or a protein having substantially the same activity as that derived from a rat.
(3) DNA encoding Alivin 1 protein having a base sequence encoding the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 5, or one or more amino acids in the above amino acid sequence having deletions, substitutions, insertions, additions, and Alivin 1 A DNA encoding a protein having substantially the same activity as the protein or an activity that inhibits the activity of Alivin 1.
(4) DNA encoding Alivin 1 protein having a base sequence encoding the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 6, or one or more amino acids in the amino acid sequence having deletion, substitution, insertion, addition, and Alivin 1 A DNA encoding a protein having substantially the same activity as the protein or an activity that inhibits the activity of Alivin 1.
(5) A vector having the DNA according to any one of (1) to (4).
(6) A transformed cell having the vector according to (5).
(7) A method for producing Alivin 1 protein, comprising culturing the transformed cell according to (6) under conditions for expressing Alivin 1 protein, and separating Alivin 1 protein from the cultured cell or a medium thereof.
(8) Alivin 1 protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 4 or a sequence having a deletion, substitution, insertion, or addition in one or more nucleotide sequences in the amino acid sequence.
(9) The Alivin 1 protein according to (8), which is a rat-derived protein.
(10) An Alivin 1 protein comprising the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 5 or a sequence having a deletion, substitution, insertion, or addition in one or more nucleotide sequences in the amino acid sequence.
(11) An Alivin 1 protein comprising the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 6 or a sequence having a deletion, substitution, insertion, or addition in one or more nucleotide sequences in the amino acid sequence.
(12) An antibody specific for the protein according to any one of (8) to (11).
(13) A method for promoting the survival of nerve cells, comprising administering the DNA according to any one of (1) to (5).
(14) A method for suppressing neuronal cell death, comprising administering the DNA according to any one of (1) to (5).
(15) A neuronal cell death inhibitor comprising the DNA according to any one of (1) to (5).
(16) A method for treating Alzheimer's disease and Parkinson's disease, comprising administering the DNA according to any one of (1) to (5).
(17) A pharmaceutical composition for the treatment of Alzheimer's disease and Parkinson's disease, comprising the DNA according to any one of (1) to (5).
(18) A pharmaceutical composition comprising the protein according to any one of (8) to (11).
(19) The pharmaceutical composition according to (18), which is used for suppressing neuronal cell death.
(20) A non-human transgenic animal that inducibly or constitutively expresses the protein according to any one of (8) to (11).
(21) A non-human knockout animal in which the gene encoding the protein according to any one of (8) to (11) is deleted.
(22) DNA encoding an Alivin 1 protein having the base sequence shown in SEQ ID NO: 1, 2, or 3.
(23) Alivin 1 protein having the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 4, 5 or 6.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
alivin 1 (ali1) Genes and proteins
The gene alivin 1 of the present invention is expressed in neural activity or Ca in cerebellar granule cells.2+It is expressed in a dependent manner and enhances the survival of neurons through the transcription process. In addition, the present inventor concluded that the gene has a relationship with Alzheimer's disease and Parkinson's disease from its function and its locus.
[0009]
The nucleotide sequences of the alivin 1 gene are shown in SEQ ID NOs: 1, 2 and 3, respectively, derived from rat, mouse and human. The amino acid sequences encoded by these nucleotide sequences are shown in SEQ ID NOs: 4, 5 and 6.
[0010]
The protein encoded by the alivin 1 gene (Alivin 1) has seven leucine-rich repeats, one immunoglobulin C2-like loop, and one transmembrane domain. Regions with leucine-rich repeats and immunoglobulin C2-like loops and transmembrane domains are homologous to Kek (kekkon) and Trk (tropomyosin receptor kinase).
[0011]
The expression of the alivin 1 gene of the present invention is frequently observed in the lung in vivo. In the primary culture system of cerebellar granule cells, the expression changes depending on the concentration of KCl and / or NMDA (N-methyl-D-aspartic acid) around the cells. For example, when cultured cerebellar granule cells are stimulated with 25 mM KCl, voltage-dependent L-type Ca2+Ca through the channel2+Flows into the cell and transcription of alivin 1 mRNA is promoted. This progression increases neuronal survival.
[0012]
From the various facts described above, it was revealed that the alivin 1 gene has an important role in the survival of nerve cells. Furthermore, the fact is that the addition of anti-Alivin 1 antibody or antiserum to the culture medium of cerebellar granule cells reduces the survival rate of neurons, and the addition of Alivin 1 extracellular domain instead of antibodies, etc. Even so, it was confirmed that the survival rate of cerebellar granule cells decreased.
[0013]
The human alivin 1 gene is present in a region corresponding to the locus of familial Alzheimer's disease type 5 and Parkinson's disease type 8 on chromosome 12. Therefore, we conclude that a mutation or decreased expression of alivin 1 is responsible for Alzheimer's disease type 5 in humans.
[0014]
From various animals or tissues alivin 1 Gene isolation and mutation alivin 1 Gene production
The mRNA of the gene of the present invention is distributed and expressed in organs or tissues including the brain and lungs of animals. Therefore, a genomic library or cDNA library from those organs or tissues is used as a material, and any nucleotide sequence of SEQ ID NO: 1 to 3 is used as a probe, or an appropriate part of the nucleotide sequence of SEQ ID NO: 1 to 3 is used. It can be used as a primer to isolate the alivin 1 gene from various animals.
[0015]
There may be a plurality of codons encoding each amino acid. Therefore, in addition to the nucleotide sequences of SEQ ID NOs: 1 to 3, there are nucleotide sequences encoding the same amino acid sequence. The present invention includes the alivin 1 gene consisting of such a nucleotide sequence and the protein encoded by the gene.
[0016]
Further, some of the natural proteins have gene mutations due to differences in the species that produce them, or one or more amino acid mutations, and have substantially the same activity as that of the protein before mutation or Alivin 1 It is also well known that there are proteins that have the activity of inhibiting the activity of. Therefore, proteins that are mutants of the native type of Alivin 1 protein and have the same activity as that of the natural type or an activity that inhibits the activity of Alivin 1 and the DNA encoding them are within the scope of the present invention. . Specifically, the present invention is encoded by a nucleotide sequence comprising a mutation by deletion, substitution, insertion or addition of one or more nucleotide residues in the nucleotide sequence of SEQ ID NOs: 1 to 3, and the Alivin 1 protein And a protein having substantially the same activity or that inhibits the activity of Alivin 1. Further, the present invention is the same as a biologically active Alivin 1 protein comprising a mutated amino acid sequence by deletion, substitution, insertion or addition of one or more amino acid residues in the amino acid sequences of SEQ ID NOs: 4 to 6. Also included is a protein having an activity or an activity that inhibits the activity of Alivin 1. In addition, the present invention has a nucleotide sequence comprising a mutation by deletion, substitution, insertion or addition of one or more nucleotide residues in the nucleotide sequence of SEQ ID NOs: 1 to 3, and substantially A DNA encoding a protein having the same activity or an activity that inhibits the activity of Alivin 1. Further, the present invention is the same as a biologically active Alivin 1 protein comprising a mutated amino acid sequence by deletion, substitution, insertion or addition of one or more amino acid residues in the amino acid sequences of SEQ ID NOs: 4 to 6. Also included is a protein having an activity or a DNA encoding an activity that inhibits the activity of Alivin 1.
[0017]
In the present specification, the term “Aliven 1 protein” includes not only a naturally-occurring Alivin 1 protein but also a protein comprising a mutated amino acid sequence and having the same activity as the Alivin 1 protein. In this case, mutation caused by deletion, substitution, insertion or addition of one or more nucleotide residues in a specific nucleotide sequence refers to a mutation that can be modified by a site-specific mutagenesis method, for example.
[0018]
Moreover, in this specification, the protein which has the activity which inhibits the activity of Alivin 1 is the Alivin which has the activity which exhibits the inhibitory activity by antagonizing the effect | action of Alivin 1 etc., and suppresses survival of a nerve cell. 1 mutant protein. In this case, the mutation includes deletion, substitution, insertion or addition of a plurality of amino acid residues in the amino acid sequence of Alivin 1 protein. The protein having the activity of inhibiting the activity of Alivin 1 includes, for example, an extracellular segment of Alivin 1 protein, preferably rat Alivin 1 (52-402).
[0019]
Furthermore, the Alivin 1 protein of the present invention includes all proteins as long as they have the properties described herein. For example, a protein whose similarity to the amino acid sequence of SEQ ID NOs: 1 to 3 is 40% or more (for example, Alivin 1 and Alivin 3 which are Alivin 1 analogues), preferably 80% or more, more preferably 90% or more, And a gene encoding the protein are included in the present invention as long as the protein has the same activity as the Alivin 1 protein or an activity that inhibits the activity of Alivin 1. The percent homology can be determined by comparison with sequence information using, for example, the BLAST program described in Altschul et al. (Nucl. Acids. Res., Vol. 25, p. 3389-3402, 1997). is there. Various conditions (parameters) for the homology search by the BLAST program are described in detail in the usage instructions of the program, and some settings can be appropriately changed. However, the search is usually performed using default values.
[0020]
The gene of the present invention can also be defined as nucleotides that hybridize under specific conditions to the nucleotide sequences of SEQ ID NOs: 1 to 3. For example, the present invention hybridizes with DNA having the nucleotide sequence of any one of SEQ ID NOs: 1 to 3 under stringent conditions (eg, hybridization in 2 × SSC overnight at 50 ° C .; washed in 2 × SSC at 50 ° C.). A soybean gene that has seven leucine-rich repeats, one immunoglobulin C2-like loop, and one transmembrane domain, and cell adhesion and / or signal through protein-protein interactions at the cell surface It also includes a gene encoding a protein that plays a role in transmission.
[0021]
Furthermore, the present invention also includes a partial Alivin 1 protein having a part of the Alivin 1 protein (for example, a protein having an extracellular domain of the Alivin 1 protein or only an intracellular domain). The partial Alivin 1 protein has uses such as producing an anti-Aliven 1 antibody and evaluating the function of Alivin 1.
[0022]
Alivin 1 Protein production
In the present invention, an expression vector incorporating the gene of the present invention is used, and host cells transformed with the vector are cultured under conditions where the gene is expressed, and isolated and recovered from the culture to produce Alivin 1 protein. Also related to how to do.
[0023]
As the expression vector, a vector suitable for the host cell in which the Alivin 1 protein is to be expressed is appropriately selected and used. Vectors that can be used in various cells such as E. coli, yeast, animal cells, and insect cells are well known in the field of genetic engineering. In addition to the alivin 1 gene, the vector may contain a promoter, a terminator, and, if necessary, other expression control elements and markers for facilitating confirmation of gene expression.
[0024]
Those skilled in the art can appropriately set host cell transformation, medium, culture temperature, culture time, and the like. The full-length Alivin 1 protein has a transmembrane domain and is mainly present in the nuclear and cell membrane fractions in the host cell. Thus, for example, Alivin 1 protein can be isolated from cells after culture by purification by sucrose density gradient centrifugation or Ficoll density gradient centrifugation. A region encoding a transmembrane domain (parts 399 to 419 in the amino acid sequence of SEQ ID NOs: 4 and 6 (rat and human, respectively), and part 398 to 418 in the amino acid sequence of SEQ ID NO: 5 (mouse)) When producing the protein of the present invention not containing a transmembrane domain using the excluded alivin 1 gene, it can be expressed as a protein containing an appropriate leader sequence and secreted into the culture supernatant.
[0025]
Therefore, this invention manufactures the Alivin 1 protein of this invention using the Alivin 1 protein expression vector which has DNA which codes the Alivin 1 protein of this invention, the transformed cell which has the said expression vector, and the said transformed cell. To include a method.
[0026]
The present invention also provides an antibody against Alivin 1 protein. Production of antisera and / or polyclonal or monoclonal antibodies against the protein of the present invention can be carried out by known methods.
[0027]
Method of treatment and pharmaceutical composition
The present inventors have found that introduction of the gene of the present invention into nerve cells suppresses apoptosis of the nerve cells and promotes survival. Therefore, the protein of the present invention has a function of suppressing apoptosis of nerve cells and promoting survival.
[0028]
The protein of the present invention is administered to patients with various diseases caused by neuronal degeneration, such as Alzheimer's disease and Parkinson's disease, to promote the survival of nerve cells, and to be used for the prevention, improvement, and inhibition of progression of symptoms. Can be expected. The proteins and antibodies of the present invention are also useful as reagents for studying the mechanism of various diseases caused by neuronal degeneration.
[0029]
Therefore, the present invention relates to a method for suppressing death of nerve cells by administering the gene of the present invention to nerve cells and promoting survival, and a cell death inhibitor used in the method.
[0030]
In this aspect of the invention, the gene of the invention is administered to animals including humans to activate the neurons of the animals, suppress apoptosis and / or treat diseases such as Alzheimer's disease, Parkinson's disease, etc. Also encompassed are methods and pharmaceutical compositions for use in the methods of treatment.
[0031]
The inhibitor or pharmaceutical composition containing the gene of the present invention comprises, as an active ingredient, the alivin 1 gene incorporated into a vector that can be used for gene therapy. For example, an adenovirus, a retrovirus, or the like can be used as a viral vector from which toxicity has been removed while remaining infectious to an animal to be treated. The vector contains a promoter capable of expressing the gene of the present invention under specific conditions, for example, physical stimulation such as light or temperature, or chemical stimulation such as tetracycline, and after administration to animals including humans. It is possible to enhance the therapeutic effect by placing it in expression conditions at an appropriate time. Furthermore, the alivin 1 gene can be incorporated downstream of the tissue-specific promoter and expressed specifically in the target tissue. The composition may comprise a single chain antibody or peptide ligand or receptor for selectively delivering the alivin 1 gene to a site requiring treatment of the subject animal, preferably the cranial nerve, and the stability of the composition in the animal body. In order to enhance, other additives used as drugs may be included.
[0032]
In addition, the present invention provides the Alivin 1 protein of the present invention to animals including humans to suppress cell death of nerve cells of the animals and promote survival, and / or to treat diseases such as Alzheimer's disease and Parkinson's disease. It also relates to a method of treatment and a pharmaceutical composition for use in the method of treatment.
[0033]
The pharmaceutical composition containing the Alivin 1 protein of the present invention contains the protein of the present invention as an active ingredient, and includes various pharmaceutically acceptable carriers, diluents, excipients and the like that can be used pharmaceutically. May be. Pharmaceutically acceptable carriers or diluents and the like are essentially chemically inert and harmless compositions that do not affect the biological activity of the pharmaceutical composition of the present invention at all. The pharmaceutical composition may be in any form, and may be, for example, a tablet, a capsule, or the like, or may be a solution or a dry preparation used by dissolving at the time of use. The liquid preparation or the dry preparation used after dissolution is adjusted so that the osmotic pressure and pH in the solution state are compatible with those of the patient to be administered.
[0034]
The pharmaceutical composition of the present invention can be administered by intravascular administration, oral administration, topical administration, subcutaneous administration or the like. In addition, although the dosage of the pharmaceutical composition of the present invention varies depending on the symptoms, weight, age, etc. of each individual patient, a doctor can determine an amount suitable for each individual patient, Included in the invention.
[0035]
Animal models of Alzheimer's disease and Parkinson's disease
In accordance with the present invention, the inventors have concluded that mutation or abnormal expression of the alivin 1 gene is one of the causes of Alzheimer's disease and Parkinson's disease. Therefore, experimental animals such as rats and mice can be used as experimental models for Alzheimer's disease and Parkinson's disease by creating transgenic animals and / or knockout animals for the function of the alivin 1 gene. .
[0036]
A transgenic / knockout animal can be prepared by a method known to those skilled in the art (for example, Mouse Lab Manual Second Edition-Experimental Method in the Post-Genome Era-, Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science, Experimental Animal) (See Research Division, Springer Fairlark Tokyo, (2003)).
[0037]
Such a model animal is useful for elucidating more detailed physiological functions of the alivin 1 gene and gene product. Since the mutation or abnormal expression of the alivin 1 gene is the cause of Alzheimer's disease and Parkinson's disease, elucidation of the mechanism of disease development as a model animal of these diseases, development of prevention methods, development of diagnostic methods, treatment methods Useful for early detection of diseases, development of treatment methods, and prevention of progression, such as screening for drugs for development.
[0038]
Drug screening
The present invention also relates to a method for screening a substance related to the protein of the present invention. Substances related to the protein of the present invention have the same action as the protein of the present invention, act on the protein of the present invention to promote or inhibit its activity, and control the activity of the protein of the present invention There are things that you can do. Such substances can also be expressed as agonists or antagonists. Here, antagonist means both competitive and non-competitive antagonists. These drugs can be screened using a method for measuring the survival promoting activity of Alivin 1 on nerve cells.
[0039]
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention concretely, this invention is not limited by an Example.
[0040]
【Example】
Example 1 Rat alivin 1 Gene identification
Measurement of primary culture and cell viability of rat cerebellar granule cells
Rat cerebellar granule cells are described in Levi et al. (Levi et al., Preparation of 98% pure cerebellar granule cell cultures, “A detection and tissue culture of the V. A. V. Eds), p. 211-214, New York: Alan R. Lis Inc., (1989)) (Ono et al., J. Biol. Chem., Vol. 272, p. 272). 14404-14411, (1997)). Cell viability was determined by the method described in the above-mentioned Ono et al. According to the description of Mosman (see Mosmann, T., J. Immunol. Methods., Vol. 65, p. 55-63, (1983)). It was measured.
[0041]
RNA isolation and Northern blot
Isolation of total cellular RNA was slightly modified by the method of Chomezyski and Sacchi (see Chomczynski, P. and Sacchi, N., Anal. Biochem., Vol. 162, p. 156-159, (1987)). Went in the way. Cells were lysed with a 1: 1 mixture of solution A and water saturated phenol. The obtained total RNA was separated on a 1% formaldehyde agarose gel and transferred to a Biodyne B membrane (Pall). A 0.24-9.5 kb RNA ladder (Invitrogen) was used as a size marker. cDNA probes were randomly generated from 9-mer (Takara) and [α-32Labeled with P] dCTP. Hybridization was performed in a Rapid Hybridization buffer (Amersham) at 65 ° C. according to the manufacturer's instructions. After hybridization, the membrane was washed with 2 × SSC containing 0.1% SDS at room temperature, followed by 0.1 × SSC containing 0.1% SDS at 55 ° C. The membrane was reprobed with mouse glucose-6-phosphate dehydrogenase cDNA (G6PDH) to confirm that an equal amount of RNA sample was loaded (Inokuchi, K., et al., FEBS Lett., Vol. 382, p. 48-52, (1996)). Hybridization signals were analyzed using a FUJIX BAS2000 Bioimage analyzer (Fuji Photo film). mRNA levels were normalized to G6PDH mRNA levels.
[0042]
Differential display and cDNA cloning
The differential display is a method described in the literature (Ono et al., J. Biol. Chem., Vol. 272, p. 14404-14411, (1997); (See, Tokyo Institute of Clinical Medicine, Laboratory Animal Research, Springer Fairlark Tokyo, (2003)). The primer pairs used were 5'-ACA CGC TCA C-3 '(SEQ ID NO: 7) and 5'-TTTTTTTTTTTVA-3' (anchor primer, SEQ ID NO: 8; V is A, G, or C). The resulting PCR product was cloned into the pCR-Script Amp SK (+) vector (Stratagene). Positive clones were selected by Northern plotting analysis, and the DNA sequence of the obtained clones was determined with Thermo Sequenase fluoresced primer cycle kit (Amersham).
[0043]
Neural activity dependent gene alivin 1 Identification
Cerebellar granule cells survive very well when cultured in medium containing 25 mM KCl or 150 μM NMDA (N-methyl-D-aspartic acid) / 15 mM KCl (FIG. 1, ◯-○ and ●-●, respectively). Conversely, when these neurons are cultured in a medium containing 5 mM or 15 mM KCl, the cells gradually die from apoptosis (Gallo, V., et al., J. Neurosci., Vol. 7, p. 7). 2203-2213, (1987); Balazs, R., et al., Neuroscience, Vol. 27, p.437-451 (1988); or Ono et al., J. Biol. Chem., Vol.272. , P. 14404-14411, (1997)). Viability is higher in cultures containing medium containing 15 mM KCl than in cultures containing 5 mM KCl (FIG. 1, □-□ and ■-■, respectively). Moreover, apoptosis is induced by adding 300 μM AP-5 ((±) -2-amino-5-phosphonopentanoic acid) to the culture solution after 3.5 DIV (days in vitro) culture in 150 μM NMDA / 15 mM KCl medium. By the end of 36 hours, about half of the cells were killed (FIG. 1, ▲-▲). In order to identify a gene group induced by depolarization conditions or NMDA presence conditions as genes related to nerve activity-dependent survival of nerve cells, the commitment time of apoptosis was first determined. The commitment time was 3.0 DIV after the start of culture (see Ono et al., J. Biol. Chem., Vol. 272, p. 14404-14411, (1997)). Therefore, the present inventors transferred RNA to 3.0 DIV from a group of cells cultured under the conditions for promoting survival (medium containing 150 μM NMDA and 15 mM KCl) and apoptosis-inducing conditions (medium containing 5 mM KCl). Extracted. These RNA samples were converted to cDNA and then subjected to differential display analysis. As shown in FIG. 2, although a band was detected in the lane on which the PCR product derived from the cells cultured under the survival promoting condition was placed (FIG. 2, arrow on the lane S), it was cultured under the apoptosis-inducing condition. In the lane on which the cell-derived PCR product was placed, no band was detected at this position (FIG. 2, lane A). The arrowed band on lane S was removed from the gel and reconstituted as previously reported (see Ono et al., J. Biol. Chem., Vol. 272, p. 14404-14411, (1997)). Amplified. The PCR product was cloned into pCR-Script Amp SK (+) vector (Strategene) and sequence analysis was performed. The obtained cDNA was identified as a nucleotide fragment (sequence corresponding to 2957-3095 bp of SEQ ID NO: 1) which is the most downstream region of the 3'-untranslated sequence of rat alivin 1 cDNA.
[0044]
Rat alivin 1 Identification of full-length cDNA
A λZap II library constructed from RNA extracted from rat cerebellar granule cells cultured for 5.0 days in medium containing 15 mM KCl and 150 μM NMDA was screened with the cloned rat alivin 1 cDNA fragment. As a result, clones with several overlapping sequences were obtained. The same library was re-screened using the most upstream region of the resulting sequence, resulting in several clones with sequences approximately 500 bp upstream. As a result, full-length rat alivin 1 cDNA (SEQ ID NO: 1) was identified.
[0045]
Example 2 Mouse and human alivin 1 cDNA cloning
Database search
The full-length rat alivin 1 cDNA obtained in Example 1 was subjected to database search (DDBJ / EMBL / GenBank databases). As a result, it was revealed that there are a plurality of mouse and human EST clones having significant homology with respect to the 3 'region of rat alivin 1 cDNA. Furthermore, the entire rat alivin 1 cDNA sequence shows considerable identity (72% identity without a gap of 16 consecutive bases or more) with a part of the BAC clone of human chromosomal DNA (GenBank accession number: AC004010), This indicates that the full-length mRNA sequence of the human homolog of rat alivin 1 (human alivin 1) is encoded by a single exon.
[0046]
mouse alivin 1 cDNA cloning
Mouse alivin 1 cDNA was cloned by PCR using LA-Tag DNA polymerase (TaKaRa) using cDNA prepared from whole mouse brain as a template. The present inventors designed the following two primers so that mouse and human alivin 1 cDNA can be cloned with the same primer pair. The 5′-primer (5′-GCT AAG TAT TTC CGT TCA ATT GTT T-3 ′; sense: SEQ ID NO: 9) compares the genomic sequences of rat alivin 1 cDNA sequence and human alivin 1 Designed based on the consensus sequence of the region upstream of the sequence. In addition, the 3′-primer (5′-GGT ATT CAG GAC AGC GAG GAC GGA G-3 G; antisense: SEQ ID NO: 10) is derived from the consensus sequence of 3 ′ untranslated sequences of mouse and human EST clones from these alibin 1 It was designed as a primer characteristic of cDNA.
PCR conditions were 94 ° C. for 1 minute, followed by 35 cycles of 94 ° C. for 30 seconds; 66 ° C. for 30 seconds; 68 ° C. for 30 seconds, followed by heating at 68 ° C. for 3 minutes.
A full-length mouse alivin 1 cDNA (SEQ ID NO: 2) was obtained by PCR using the above 5'-primer and 3'-primer.
[0047]
Human alivin 1 cDNA cloning
First, an attempt was made to clone human alibin 1 cDNA using the same primer pair (SEQ ID NOs: 9 and 10) used in cloning mouse alivin 1 cDNA, but this primer could not be cloned. Therefore, based on the genome sequence of human alivin 1, 5′-GCT GGT CTT TTG GTA TCG TAG GC-3 ′ (sense 1-23) (SEQ ID NO: 11), 5′-TCC CCC TCG TGG ACT TTA GG 3 ′ (antisense 791-772) (SEQ ID NO: 12), 5′-GAG GGC ATC CTA AAG TCC ACG-3 ′ (sense 746-784) (SEQ ID NO: 13), and 5′-GTG TAG TCT ATT CAT TCT GGT CTA AAA CGG-3 ′ (antisense 1384-1355) (SEQ ID NO: 14) was designed and used.
PCR was carried out using the above two primer pairs, using human cDNA as a template, and under the same conditions as those for cloning mouse alivin 1 cDNA. By overlapping the overlapping portions of the base sequences of the two PCR products obtained using the above two primer pairs, a part of human alivin 1 cDNA was obtained (the 781 to 2163rd bases of SEQ ID NO: 3). ). Since it was confirmed that the human EST clone (GenBank accession number: BG724413) overlaps with this partial human alivin 1 cDNA, these two sequences were ligated to form a full-length human alivin 1 cDNA (SEQ ID NO: 3 ) Was built. The EST clone encodes a region containing the amino acid sequence 1-239 of SEQ ID NO: 6, while the partial human alibin 1 cDNA obtained by PCR encodes the amino acid sequence 240-522 of SEQ ID NO: 6. Yes.
[0048]
Example 3 Structural characteristics of rat, mouse and human Ali proteins
As shown in FIG. 3, the open reading frames of rat mouse and human alivin 1 cDNA encode proteins of 520, 519, and 522 amino acids, respectively. Each protein is NH2-Signal peptide sequence (L) at the end, seven leucine rich repeats (LRR) surrounded by two cysteine-rich domains (NC and CC), one immunoglobulin C2-like domain (IG) and one transmembrane Has a domain (TM). The signal peptide cleavage site was determined using the method of Neilsen et al. (See Nielsen, H., et al., Protein Eng. Vol. 10, p. 1-6, (1997)). Expected to be between 38 and 39 residues for Alivin 1. In particular, the second half of the 5th LRR (the amino acid sequence of positions 169-190 of SEQ ID NO: 4 and 5 for rat and mouse, and the amino acid sequence of positions 170-191 of SEQ ID NO: 6 for human) is a consensus of leucine zipper sequences. (LxxxxxxxxLxxxxxxxxLxxxxXXXL; L represents leucine, x represents an α-amino acid of an arbitrary L form: SEQ ID NO: 15) and 100% coincidence. Each protein contained an approximately 100 amino acid intracellular domain (ID) in the COOH-terminal region, which was not homologous to other known proteins.
From the structural features, other members of the alivin family (alivin 2 and alivin 3) were also clarified by database search (see Example 11).
[0049]
Example 4 Neuronal activity-dependent survival of cerebellar granule cells alivin 1 Association of mRNA expression
Rat alivin 1 Competitive RT-PCR for expression analysis
Evaluation of the expression level of rat alivin 1 mRNA was performed by competitive RT-PCR. Total RNA (1 μg) extracted from cells was treated with DNase I (Gibco-BRL Life Technologies) and converted to cDNA with Superscript II (Gibco-BRL Life technologies) according to the manufacturer's manual. Competitive RT-PCR analysis was performed using a portion of the sample (1/20). Competitors were constructed using the 'competitive DNA construction kit' (Takara). The following sequences were used for competitive PCR analysis of rat alivin 1: sense primer (1992-2014): 5'-AAA CGC ACT GAA CCA AAG CAA CG-3 '(SEQ ID NO: 16) and antisense primer (2266- 2291): 5′-AAT CAC GAC ACC AGA CGA ACA CAG G-3 ′ (SEQ ID NO: 17), and complete sense primer: 5′-AAA CGC ACT GAA CCA AAG CAA CGT ACG CTC GTC C (SEQ ID NO: 18) and competent antisense primer: 5'-AAT CAC GAC ACC AGA CGA A A CAG GCG GTG AGT ATC TGC ATA TGA T-3 '(SEQ ID NO: 19). This sense and antisense primer pair yielded a 300 bp product, while PCR using the competitive primer pair amplified the 199 bp product. Competitive PCR is 104This was done using 50 ng cDNA prepared from the copy competitor and sample.
[0050]
Rat alivin 1 Association between mRNA expression and neuronal activity-dependent survival of cerebellar granule cells
In order to elucidate the relationship between survival of cerebellar granule cells and expression of alivin 1 mRNA, temporal changes in the expression pattern were examined by Northern blotting. Alivin 1 mRNA has a size of 3.3 kb, and a minor transcript was also detected in the vicinity of 8.5 kb (FIG. 4A). Alivin 1 mRNA expression was limited to cells cultured under pro-survival conditions (ie, medium containing 25 mM KCl or 150 μM NMDA and 15 mM KCl), and its expression increased daily. In contrast, almost no alivin 1 mRNA was detected in cells cultured under apoptosis-inducing conditions (ie, culture medium containing 5 mM KCl or 15 mM KCl) (FIGS. 4-1A and B). When AP-5, a specific antagonist of the NMDA receptor, was added to cells cultured in the presence of NMDA at a final concentration of 300 μM, the expression of alivin 1 mRNA was down-regulated significantly faster (t1/2= 1.4h, FIGS. 4-2A and B). This down-regulation occurs before the death of the majority of cerebellar granule cell cells, revealing that alivin 1 plays a critical role in neuronal cell survival. After being down-regulated, neurons were re-stimulated with either 25 mM KCl, or 150 μM NMDA and 15 mM KCl (FIGS. 4-3A, B). Alivin 1 mRNA was up-regulated, but it took 5-24 hours to return to the original level. In order to investigate the mechanism of up-regulation of alivin 1 mRNA, various inhibitors were added to the culture medium, and then stimulation with KCl and / or NMDA was performed, and the expression of transcripts was assayed 24 hours after stimulation.
[0051]
Alivin 1 mRNA expression was completely inhibited by actinomycin D and partially inhibited by cycloheximide (43% of the control level at 25 mM KCl stimulation and 49% of the control level at NMDA stimulation, respectively). Furthermore, up-regulation of alivin 1 mRNA is caused by voltage-dependent L-type Ca.2+It was inhibited by nifedipine, a specific inhibitor of the channel. These results show that alivin 1 is a voltage-dependent L-type Ca.2+Ca through the channel2+Inflow indicates that it is an early response gene whose expression is controlled during the transcription process.
[0052]
Example 5 alivin 1 Neural activity-dependent expression of mRNA
Primary culture of rat cerebral cortical neurons
Rat cerebral cortical neurons were cultured by the method of Ogura et al. (See Ogura, A., et al., Neurosci. Lett., Vol. 78, p. 69-74 (1987)). The cerebrum was removed from embryonic day 20 Wistar rats, and nerve cells were prepared using a nerve cell dispersion (Sumitomo Bakelite B-X9901). Dispersed neurons are 5x10 per 3.5cm dish6The cells were seeded at a density of 2 ml in DMEM medium containing fetal bovine serum and 5% horse serum and cultured.
[0053]
Rat alivin 1 Neural activity-dependent expression of mRNA
In many papers reported so far, long-term depolarization stimulation using a high concentration of KCl has been used to study neural activity-dependent genes. For example, Brosenitsch and Katz (see Brosenitsch, TA and Katz, DM, J. Neurosci., Vol. 21, p. 2571-2579 (2001)) are long-term depolarization stimuli: It has been reported that it induces a gene response different from the physiological nerve activity that occurs in vivo. See also Ogura et al. (Ogura, A., et al., Neurosci. Lett., Vol. 78, p. 69-74, (1987)) and Kuroda et al. (Kuroda, Y., et al., Neurosci). Lett., Vol.135, p.255-258, (1992)), respectively, primary cultured hippocampal neurons and cerebral cortical neurons form synapses that actually function between neurons, and It was reported that nerve cells were spontaneously and synchronously excited without any stimulation. They reported that the addition of tetrodotoxin to the culture system can suppress the spontaneous excitement of neurons, and that when the tetrodotoxin is removed from the culture medium, the spontaneous excitement of neurons is recovered.
[0054]
Therefore, the present inventors have used a primary culture system of cerebral cortical neurons to determine whether or not the expression of alivin 1 is controlled by physiological neural activity as described above, that is, the electrical properties of neurons. Whether it was controlled by various activities. Rat fetal cerebral cortex neurons prepared as described above were cultured for 2 weeks, which is the period during which neurons mature and synapse. As shown in FIG. 5, the cells cultured for 2 weeks expressed alivin 1 mRNA. Na into this cell2+Addition of tetrodotoxin, which is a channel inhibitor, significantly suppressed the expression of alivin 1 mRNA. When tetrodotoxin was removed from the culture solution, the expression of alivin 1 mRNA was restored to the original level. From these results, it was concluded that the expression of alivin 1 gene depends on the electrical activity of nerve cells, and thus alivin 1 is a gene whose expression is controlled depending on nerve activity.
[0055]
Example 6 alivin 1 Tissue distribution of mRNA and regulation of expression during development
Alivin 1 mRNA was most abundantly expressed in the lung (FIG. 6A). Except for the lung, low levels of alivin 1 mRNA expression were observed in all of the tissues tested.
The expression of alivin 1 mRNA in the cerebellum was subject to expression control with development. The rat cerebellum develops after birth and developmental morphogenesis is completed at 21 days of age. 7 to 14 days after birth is a period in which cerebellar granule neurons migrate from the outside of the granule layer to the inside, but during this period, cerebellar alibin 1 mRNA was down-regulated to approximately half of day 0 after birth (FIG. 6B, C). This level was maintained until 90 days after birth. These data suggest that alivin 1 has a role in cerebellar morphogenesis.
[0056]
Example 7 Immunohistochemical analysis
Rat Alivin 1 Bacterial expression and anti Alivin 1 Antibody production
Rat alivin 1 cDNA was amplified by PCR using Pfu polymerase. Appropriate restriction sites were incorporated into both primers and the His tag sequence was included in the antisense primer. Rat Alivin 1 (57-520) (in this specification, the expression “rat Alivin 1 (xy)” is a partial protein of rat Alivin 1 consisting of the amino acid sequence from the x-th to the y-th amino acid sequence of SEQ ID NO: 4. Primers for the production of specific antibodies for 5'-GGA ATT CCA TAT GAA CCT GTC TAA GGT GCC TGG G-3 '(SEQ ID NO: 20) and 5'-CCG CTC GAG AGT GGA TGC CAC GAA GGG G-3 ′ (SEQ ID NO: 21) was used. Primers for amplification of the extracellular domain (rat Alivin 1 (57-402)) were 5′-GGA ATT CCA TAT GAA CCT GTC TAA GGT GCC TGG G-3 ′ (SEQ ID NO: 22) and 5′-CCG CTC GAG GGT GGT GAA AGC-3 ′ (SEQ ID NO: 23) was used. The resulting PCR product was cloned into the pET22b vector with matching reading frames. This was transfected into Escherichia coli and induced with 1 mM IPTG for 3 hours for expression of Alivin 1 protein.2+-Purified by NTA column (QIAGEN) chromatography. Purified rat Alivin 1 (57-520) was further purified by SDS gel electrophoresis and immunized to rabbits to obtain anti-Alivin 1 antiserum. The obtained antiserum was used as an antibody as it was or after purification. It was confirmed by Western blot that this antibody cross-reacts with 66K and 63K Alivin 1 proteins of rat brain (FIG. 7A).
[0057]
Rat Alivin 1 Protein immunohistochemical analysis
A frozen section (15 μm thickness) of a mature rat brain was fixed with 100% methanol at −20 ° C. for 10 minutes. Sections were blocked with Dulbecco's phosphate buffered saline containing 5% bovine serum albumin and 5% goat serum. The sections were then reacted with the rabbit anti-Alivin 1 antibody described above, followed by anti-rabbit IgG conjugated to fluorescein isothiocyanate. Non-immune rabbit antibodies were used for negative control staining.
[0058]
In the rat brain Alivin 1 Immunohistochemical localization of proteins
In order to evaluate the distribution of Alivin 1 protein in the rat brain, rat brain immunohistochemistry was performed using the above-mentioned rabbit anti-Aliven 1 antibody (FIGS. 7B and 7C). In the rat cerebellum, the majority of Alivin 1 immunoreactivity was localized in the cell body of cerebellar granule neurons and Purkinje cells, whereas in the rat hippocampus, Alivin 1 immunoreactivity was measured in the CA1 and CA3 regions (CA is Cornu Ammonis). (Abbreviation of (Ammonian angle)) was localized in the body of cone cells and the cell body of granule cells in the dentate gyrus. There was no staining in the negative control specimen (data not shown).
[0059]
Example 8 Alivin 1 Intracellular localization of proteins
Cell fraction of rat brain
Brains were removed from 10-week-old male rats, and intracellular granules were collected from Gordon-Weeks (Gordon-Weeks, PR, (1987) Isolation of synaptosomes, growth conpens and cerp entral subcellular. (See Turner, AJ, Bachelard, HS, eds), pp 1-26. Oxford: IRL Press). The cell membrane fraction, synaptosome fraction and mitochondrial fraction were obtained by Ficoll concentration gradient centrifugation in the same manner as Gordon-Weeks. 5′-nucleotidase, a marker enzyme of cell membranes, is obtained from Graham et al. (See Graham, JM, et al., Biochim. Biophys. Acta., Vol. 150, p. 303-305, (1968)). The method was assayed.
[0060]
Western blot analysis
Cell extracts were electrophoresed on a 10% SDS gel. After electrophoresis, the protein was transferred to a PVDF membrane, and Alivi 1 immunoreactivity was detected with ECL or ECL-plus (Amersham) using a 3000-fold diluted anti-Aliven 1 antibody.
[0061]
In the rat brain Alivin 1 Intracellular localization of proteins
The entire rat brain was fractionated into various intracellular granule fractions by density gradient centrifugation as described above. Individual fractions were subjected to Western blot analysis with anti-Aliven 1 antibody. Most of the immunoreactivity of Alivin 1 was localized in the nuclear fraction (FIG. 8, lane 2) and the cell membrane fraction (FIG. 8, lane 6). The latter fraction showed the highest activity of 5'-nucleotidase, a marker enzyme in the cell membrane (data not shown). From these experimental results, it was found that Alivin 1 is localized in the nucleus and cell membrane.
[0062]
Examples of signaling receptors that were thought to be localized in the cell membrane were actually present in the cell nucleus are EGF receptor, FGF receptor, growth factor receptor, c-erb-4 / HER-4 growth factor receptor (Lobie) , P.E., et al., J. Biol.Chem., Vol.269, p.31735-31746, (1994); Xie, Y. and Hung, MC, Biochem.Biophys.Res. , Vol. 203, p. 1589-1598, (1994); Maher, PA, J. Cell Biol., Vol. 134, p. 529-536, (1996), Srinivasan, R., et al. , Cancer Res., Vol. 60, p.1483-1487, (2000); Lin, S.Y., et al., Nat.Cell Biol., Vol.3, p.802-808, (2001); et al., Thyroid, Vol. 11, p.137-145, (2001)). It has been reported that the EGF receptor itself exhibits transactivator activity and can act as a transcription factor (Lin, S. Y., et al., Nat. Cell Biol., Vol. 3, p. 802-808, (2001)). Due to the fact that Alivin 1 is localized in the nucleus, it is considered that Alivin 1 plays some role in the cell nucleus in addition to the function on the cell surface.
[0063]
Example 9 Alivin 1 Promotes depolarization-dependent survival of cerebellar granule cells
Alivin 1 Introduction of expression vector into primary cultured cerebellar granule cells
Using PCR, the nucleotide encoding the Flag epitope was fused to the 3'-side of the coding region of rat alivin 1 cDNA. The synthesized cDNA was cloned into pTriEx-1.1 vector (Novagen). The expression vector was introduced into cerebellar granule cells at the time of cell seeding (culture day 0) using Lipofectamine 2000 (Invitrogen). Alivin 1 expression vector or control vector (pTriEx-1.1 vector) was mixed 4: 1 with EGFP expression vector (pEGFP-N3; Clontech) and this was mixed with BME medium. Lipofectamine 2000 equivalent to the expression vector was diluted with BME medium and incubated at room temperature for 5 minutes. This diluted Lipofectamine 2000 solution was mixed with the DNA / BME solution and incubated at room temperature for 20 minutes to form a Liopfectamine / DNA complex. Cerebellar granule cells dispersed in BME medium containing 10% fetal bovine serum and Liopfectamine / DNA complex were mixed at a ratio of 4: 1. This mixture was seeded at a rate of 0.5 ml / well on a 12-well plate containing a cover glass coated with polyethyleneimine, and culture was started. 2.5x10 per well of culture6Cells and 1.25 μg of DNA. The culture medium was replaced with a new one 5 hours after the start of the culture. After 24 hours, 30 μM AP-5 and 100 μM AraC were added. Cells were fixed with 3% formaldehyde at 3.0 DIV and immunostained with anti-Flag antibody (M2; Sigma). Cell nuclei were stained with Hoechst 33342 by the method of See et al. (See See, V., et al., Faseb. J., Vol. 15, p. 134-144, (2001)). Identified dead cells.
[0064]
Alivin 1 Protein promotes depolarization-dependent survival of cerebellar granule cells
Alivin 1-Flag fusion protein expression vector and EGFP expression vector were simultaneously transfected into primary cultured cerebellar granule cells, and the effect of alivin 1 on cell viability was examined. The effect on the survival rate was examined by measuring the proportion of cells that caused apoptosis in the transfected cell group (Flag positive and EGFP positive) and died. A control vector and an EGFP expression vector were simultaneously transfected into a control experiment group, and cells into which the vector was introduced were identified by EGFP fluorescence. As shown in FIGS. 9A and B, when the Alivin 1-Flag expression vector was transfected and cultured in a culture medium containing 5 mM KCl / 30 μM AP-5, 47% of the transfected cells were apoptotic. Compared to 75% of the cells in the control group. These results confirmed that Alivin 1 protein suppresses cerebellar granule cell apoptosis and promotes survival.
[0065]
Since the result of FIG. 8 shows that some Alivin 1 proteins exist on the cell membrane, it was next examined whether the Alivin 1 proteins present on the cell membrane are related to cell survival. In order to inhibit the function of Alivin 1 protein on the surface of nerve cells, the inventors added anti-Aliven 1 antibody to the culture medium. As shown in FIG. 9C, when anti-Aliven 1 antibody was added to the culture medium of cells cultured in a culture medium containing 25 mM KCl, survival of cerebellar granule cells was inhibited in a dose-dependent manner. On the other hand, the survival of cerebellar granule cells cultured in a culture solution containing 5 mM KCl was not affected by the addition of antibody. From these results, it was revealed that Alivin 1 protein present on the cell surface is involved in the depolarization-dependent survival of cerebellar granule cells. In order to further confirm that Alivin 1 protein present on the cell membrane is involved in depolarization-dependent survival, examination was performed using the extracellular segment of Alivin 1 protein expressed in E. coli. The extracellular segment of Alivin 1 protein has domains (LRR and immunoglobulin domains) that act on protein-protein interactions, and these domains are thought to bind to the ligand of Alivin 1 protein, so that the extracellular segment is Alivin 1 protein. It is thought to act as a competitive inhibitor for. Similar experiments have been reported with TGFβ receptors and TrkA, and it has already been reported that the soluble extracellular domain of these proteins inhibits the function of these receptors. As shown in FIG. 9D, when an extracellular segment (rat Alivin 1 (52-402)) of Alivin 1 protein was added to a culture broth containing 25 mM KCl / 30 μMAP-5, culture was performed in a dose-dependent manner. Cerebellar granule cell survival was suppressed to 65%. From the above results, it was revealed that Alivin 1 protein present on the cell surface is involved in depolarization-dependent survival. These results do not deny the involvement of Alivin 1 protein present in the nucleus in depolarization-dependent survival. These results indicate that anti-Aliven 1 antibody inhibits cerebellar granule cell survival and interferes with the binding of Alivin 1 on the cell surface and the interaction between Alivin 1 and its specific ligand (s). It was shown that Moreover, since the soluble form of the extracellular domain of Alivin 1 inhibits the survival of primary cultured cerebellar granule neurons, the added extracellular domain of Alivin 1 competitively binds to Alivin 1 ligand (s), It has been found that the survival signal is inhibited by interfering with the interaction between Alivin 1 and Alivin 1 ligand (s).
[0066]
Example 10 Mouse alivin 1 Of the chromosomal locus
Radiation hybrid (RH) mapping and human alivin 1 Gene locus
The position of the mouse alivin 1 on the chromosome was determined by PCR analysis, and the T31 Radiation Hybrid (RH) panel (Research Genetics / Invitrogen) (McCarthy, LC, et al., Genome Res. Vol. 7, p. 7). The 94 DNA samples from 1153-1116 (1997) (excluding the reference cell lines 12, 25, 61, 62, 99 and 100) were type analyzed in duplicate. This PCR reaction was performed in a total volume of 15 μl, 20 ng genomic DNA, 0.55 μM each primer, 0.15 U AmpliTaq Gold (Applied Biosystems), 200 μM dNTP, 1.5 mM MgCl.2And 1 × Gold buffer in a total volume of 15 μl. The cycle conditions were as follows: 95 ° C. 5 minutes (enzyme activation), 94 ° C. 30 seconds; 55 ° C. 40 seconds; 72 ° C. 12 minutes 40 cycles. PCR products were electrophoresed in 4% agarose gels (3% NuSierve agarose and 1% SeaKem ME agarose) in TAE buffer and visualized by staining with ethidium bromide. Data were recorded from the gel images by a special scoring system (0 = negative, 1 = positive, and 2 = no test line or no reproducibility). Using the obtained data, the Radiation Hybrid Framework Map was established. Following loci mapping, adjacent markers were retyped using the cell line of the RH panel. Analysis of RH mapping data in Map Manager QT (Manly, K. F. and Olson, J. M., Mamm. Genome Vol. 10, p. 327-334, (1999)) determines the distance in cR3000. did.
[0067]
mouse alivin 1 Chromosome mapping
In order to determine the chromosomal localization of alivin 1 in the mouse chromosome, we performed radiohybrid (RH) mapping (FIG. 10). As a result of comparing the obtained data with the mouse genome database (MGD2002 (http://www.informatics.jax.org/mgihome/)), the locus of mouse alivin 1 was about 55.3 cM from the centromere of chromosome 15. Mapped to the position. This region has synteny (gene homology) with human chromosome 12. According to the database, human alivin 1 is mapped to 12q13.11 (accession number AC004010). Consistent with this region, the causative genes of familial Alzheimer's disease type 5 (AD5: OMIM 602096, 12p11.23-q13.12) and Parkinson's disease type 8 (PARK8: OMIM 607060, 12p11.23-q13.11) Although present, the causative genes for AD5 and PARK8 have not been identified. AD5 is a late-onset (at least 60 years) Alzheimer's disease that develops at the age of 60 years or older, and is not caused by mutations of APP, presenelin 1/2, and apolipoprotein E reported so far. PARK8 has a different locus from α-synuclein, parkin, DJ1, and UCH-L1, which have been reported so far. Furthermore, no genes related to cell survival and death have been reported in the region where AD5 and PARK8 are mapped. Therefore, the inventor concluded that alivin 1 is the causative gene.
[0068]
Example 11 Alivin Family protein structure
Alivin 1 is a new member of the LRR and immunoglobulin superfamily. Searching the database also revealed other genes belonging to the alivin gene family: mouse alivin 2 (accession number BC010598), human alivin 2 (accession number LOC127001, AB032989), and human alivin 3 (accession number) AB058754). As shown in FIGS. 3 and 11-1, significant sequence homology was observed between the proteins encoded by the alivin gene family. Similarities in Alivin homologous species (orthologs) are between 92% and 95%, while similarities between Alivin paralogs are between 46% and 56%. The homology between the domain structures of human Alivin paralogs was highest in the transmembrane domain, followed by significant homology between the N-terminal adjacent cysteine-rich and LRR domains (FIG. 11-2). Furthermore, the domain structure of the entire Alivin protein was remarkably conserved among Alivin paralogs. Each Alivin paralog is NH2-Signal peptide sequence at the end, NH2-Consists of seven LRRs surrounded by terminal and COOH-terminal cysteine-rich sequences, one immunoglobulin C2-like domain, one transmembrane domain, and an intracellular domain of approximately 100 amino acids. The homologous sequence of the LRR domain of Alivin family proteins is LxxLxxLxLxxNxaxxxxa (SEQ ID NO: 24), which matches the sequence reported as a typical animal cell extracellular LRR sequence (Kobe, B. and Deisenhofer, J , Trends Biochem.Sci., Vol.19, p.415-421 (1994); or Kajava, A.V., J. Mol.Biol., Vol.277, p.519-527, (1998). ).
[0069]
To date, many LRR family components have been identified (see Kobe, B. and Deisenhofer, J., Trends Biochem. Sci., Vol. 19, p. 415-421, (1994)). ). However, only a few examples of proteins with both LRRs and immunoglobulin-like domains have been reported. These proteins are known as Kek 1/2 (Musacchio, M. and Perrimon, N., Dev. Biol., Vol. 178, p. 63-76, (1996); or Giglione, C., et al., Cell. Vol. 96, p. 847-856 (1999)), Trk A / B / C (Schneider, R. and Schweiger, M., Oncogene, Vol. 6, p. 1807-1811, (1991). )), ISLR (see Nagasawa, A., et al., Genomics, Vol. 44, p. 273-279, (1997)), NLRR 1/2/3 (Taguchi, A., et. Al.). al., Brain Res Mol. Brain Res., Vol.35, p.31-40, (1996); or Taniguchi, H., et al., Brain Res. Mol.Brain Res., Vol.36, p.45-52, (See 1996)), Pal (see Gomi, F., et al., J. Neurosci., Vol. 20, p. 3206-3213, (2000)), LIG-1 (Suzuki, Y. et al.). , Et al., J. Biol. Chem., Vol.271, p.22522-22527, (1996)) and peroxidasin (Nelson, RE, et al., Embo J., Vol. .13, p. 3438-3447, (1994). It is. In addition to LRRs and immunoglobulin-like domains, NLRR 1/2/3 and Pal have fibronectin type 3 domains. Peroxidasin also has a peroxidase and a thrombospondin / procollagen domain. In proteins with both LRRs and immunoglobulin-like domain (s), the Ali family extracellular domain shows significant similarity to those of Drosophila Kek1 and Kek2, the former of Drosophila melanogaster Inhibits the Grk / EFGR pathway, which regulates dorsoventral patterning by binding to the EGF receptor (EGFR) in the embryo and restricting ventralization signals (Ghiglione, C., et al., Cell, Vol. 96). , P. 847-856, (1999)). The structure of the primary structure is highly conserved between the Kek and Alivin families (Figure 11-3). The Kek family consists of one incomplete LRR adjacent to a cysteine-rich sequence, and six complete LRRs, one immunoglobulin C2-like loop, and one single-pass transmembrane domain (Musacchio, M. and Perrimon, N., Dev. Biol., Vol.178, p.63-76, (1996)). The highest homology was observed between the Alivin family and the Kek family in the transmembrane domain and the LRR domain, but no homology was observed in the intracellular domain. In addition, the extracellular domain of the Alivin family was homologous to that of the Trk family. Trk protein is a neurotrophic factor comprising a signal peptide sequence, three LRRs adjacent to a cysteine-rich sequence, two immunoglobulin C2-like loops, a single transmembrane transmembrane domain, and an intracellular tyrosine-kinase domain It is a receptor (see Schneider, R. and Schweiger, M., Oncogene, Vol. 6, p. 1807-1811, (1991)). The extracellular domain of human Trk C showed 21% amino acid identity and 37% similarity to that of human Alivin 1, showing the highest homology with human Alivin 1.
[0070]
[Sequence Listing]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing depolarization-dependent and NMDA-dependent survival of cerebellar granule cells. Cerebellar granule cells were cultured in medium containing 5 mM KCl and 30 μM AP-5 (■-■), medium containing 15 mM KCl and 30 μM AP-5 (□-□), medium containing 25 mM KCl and 30 μM AP-5. The cells were cultured in (○ − ○) and a culture solution (●-●) containing 150 μM NMDA and 15 mM KCl. Furthermore, for cells cultured in a culture medium containing 150 μM NMDA and 15 mM KCl, after culturing for 3.5 days, 300 μM AP-5 was added to block the NMDA receptor and induce apoptosis (▲- ▲). The cell viability was measured by the MTT method, and the relative viability against the cell viability of cells cultured in a culture medium containing 25 mM KCl and 30 μM AP-5 was plotted.
FIG. 2 is a gel electrophoresis photograph showing the results of a differential display. Lane A is a PCR product amplified by differential display PCR after converting total RNA of cerebellar granule cells cultured in 3.0 DIV in the presence of 5 mM KCl into cDNA. Lane S is a PCR product obtained by converting total RNA of cerebellar granule neurons cultured in 3.0 DIV in the presence of 150 μM NMDA and 15 mM KCl into cDNA and then amplifying by differential display PCR. Analyzed on a 6% sequencing gel.
FIG. 3 is a schematic diagram showing domains of Alivin 1 protein. The open reading frames of rat mouse and human alivin 1 cDNA encode proteins of 520, 519, and 522 amino acids, respectively. L is NH2-Terminal signal peptide sequence, NC and CC for cysteine-rich domain, LRR for leucine rich repeat, IG for immunoglobulin C2-like domain, TM for transmembrane domain, and ID for COOH-terminal region Represents an approximately 100 amino acid intracellular domain.
FIG. 4-1 is a photograph showing the result of Northern blotting of alivin 1 mRNA expression in nerve granule cells. Total RNA samples (10 μg) extracted from granular neurons cultured in the presence of either 5 mM KCl, 15 mM KCl, 25 mM KCl, or both 150 μM NMDA and 15 mM KCl were subjected to Northern blotting. CDNA obtained by differential display analysis (corresponding to the 3'-untranslated region of rat alivin 1 cDNA) was used as a probe. The lower box shows the expression level of G6PDH mRNA.
FIG. 4-1B is a graph showing values obtained by quantifying the results of FIG. 4-A. Nerve granule cells in the presence of either 5 mM KCl (Δ-Δ); 15 mM KCl (O-O); 25 mM KCl (▲-▲); or both 15 mM KCl and 150 μM NMDA (●-●); Cultured.
FIG. 4-2 is a photograph of Northern blotting showing early down-regulation of alibin 1 mRNA expression by blocking NMDA receptor with AP-5. Neurogranular cells were cultured for 4.5 days in medium containing 15 mM KCl and 150 μM NMDA, and NMDA receptors were blocked by the addition of AP-5 at a final concentration of 300 μM. The 3.3 kb band is a band corresponding to alivin 1 mRNA. The lower box shows the expression level of G6PDH mRNA.
FIG. 4-2B is a graph showing values obtained by quantifying the results of FIG. 4-2A.
FIG. 4-3A is a gel electrophoresis photograph showing the effect of various inhibitors on alivin 1 mRNA expression. Cerebellar granule neurons were cultured in a medium containing 25 mM KCl for 4 days. The medium was changed to one containing 5 mM KCl and the culture continued for another 24 hours, after which the cells were 5 mM KCl (5); 15 mM KCl (15); 25 mM KCl (25); or 15 mM KCl and 150 μM NMDA. Stimulated with both (N); Inhibitors were added to the culture medium 30 minutes prior to stimulation with KCl and / or NMDA. After stimulation (24 hours), total RNA was extracted and subjected to competitive PCR analysis. Inhibitors used include 35 μM cycloheximide (CHX), 4.0 μM actinomycin D (AcD) or 0.2 μM nifedipine (NFD). Ethanol was used as the vehicle for nifedipine.
4-3B is a graph obtained by quantifying the data shown in FIG. 4-3A.
FIG. 5 is a graph evaluating the expression level of alivin 1 mRNA in the presence and absence of tetrodotoxin. Rat cerebral cortical neurons were cultured for 14 days (control). Tetrodotoxin (1 μM) was added to the culture and further cultured for 30 hours (+ TTX). Thereafter, the culture medium was replaced with a new one, and further cultured for 30 hours (-TTX). RNA was extracted from each sample, and the expression level of alivin 1 mRNA was evaluated by competitive PCR.
FIG. 6A is a photograph of the results of evaluation of the tissue distribution of alivin 1 mRNA by Northern blotting. Total RNA (10 μg) was extracted from various tissues of adult rats and subjected to Northern blotting. The lower box shows ethidium bromide staining of 28S rRNA.
FIG. 6B is a photograph when the developmental expression of alivin 1 mRNA in the rat cerebellum was evaluated by Northern blotting. Total RNA was extracted from the cerebellum on a specific day after birth and 10 μg RNA was subjected to Northern blotting analysis. The lower box shows ethidium bromide staining of 28S rRNA.
FIG. 6C is a graph showing data obtained by quantifying the result of FIG. 6B.
FIG. 7A is a photograph showing the results of subjecting a whole rat brain extract to 10% SDS polyacrylamide gel electrophoresis and performing Western blotting using an anti-rat Alivin 1 antibody.
FIG. 7B is a photograph showing the immunohistochemical localization of Alivin 1 in the rat cerebellum. ML represents a molecular layer, PL represents a Purkinje cell layer, and GL represents a granular cell layer.
FIG. 7C is a photograph showing the immunohistochemical localization of Alivin 1 in the rat hippocampus. In the figure, “CA” in CA, CA1 and CA2 is an abbreviation for Cornu Ammonis (Ammon angle), and “DG” is an abbreviation for dentate gyrus (dentate gyrus).
FIG. 8 is a photograph showing the results of Western blotting evaluating the subcellular distribution of Alivin 1 in the brain. The whole brain of 10 week old rats was separated into various cell component fractions. Protein (100 μg) was subjected to 10% SDS polyacrylamide gel electrophoresis.
FIG. 9A shows a photograph of cells obtained by introducing an Alivin 1 protein expression vector into primary cultured cerebellar granule cells. The expression vector was introduced into cerebellar granule cells on day 0 of culture and cultured in a culture medium containing 5 mM KCl and 30 μM AP-5. On day 3.0 of culture, the cells were fixed with 4% paraformaldehyde and stained with anti-Flag antibody and Hoechst dye. Transfected cells were identified by immunostaining with anti-Flag antibody and fluorescence with EGFP. Apoptotic cells were detected as cells with contracted or fragmented nuclei by staining with Hoechst dye. (Ad) cells transfected with Alivin 1-Flag fusion protein expression vector, (eh) cells transfected with control vector, (a and e) fluorescence of EGFP, (b and f) anti-Flag antibody and Immunostaining with Alexa 594 floor-bound secondary antibody, (c and g) staining with Hoechst dye, (d and h) EGFP fluorescence image, anti-Flag antibody immunostaining image, Hoechst staining dye overlay. Arrows indicate cells that have been transfected.
FIG. 9B is a graph showing the percentage of cells that apoptotic in culture in the presence of 5 mM KCl / 30 μM AP-5 after transfection of Alivin 1 expression vector or control vector into cerebellar granule cells.
FIG. 9C is a graph showing the effect of anti-Aliven 1 antibody on granule neuron survival in the cerebellum. Anti-Alivin 1 antibody was dialyzed well against BME medium and sterilized by filtration through a 0.22 μm membrane (Millipore). Granule neurons were cultured in a medium containing 25 mM KCl. Anti-Alivin 1 antibody or non-immune antibody was added to the culture medium at 1.0 DIV, and survival was analyzed at 5.0 DIV. Typical results from two independent experiments are shown. Each value is the mean ± SEM of two analyses. D. It is. Anti-Aliven 1 antibody (●-●), non-immune antibody (□-□). FIG. 9D is a graph showing the effect on survival of cerebellar granule neurons of rat Alivin 1 (57-402). Rat Alivin 1 (52-402) was dialyzed extensively against BME medium and sterilized by filtration through a 0.22 μm membrane (Millipore). Cerebellar granule neurons were cultured in a medium containing 25 mM KCl. Rat Alivin 1 (57-402) was added to the culture at 2.0 DIV and neuronal viability was assayed at 6.0 DIV. A typical result of two independent experiments was shown. Each value is the mean ± SEM of two experiments. D. It is.
FIG. 10 is a schematic diagram showing mapping of the localization of the mouse alivin 1 gene on the chromosome. High resolution RH map of mouse chromosome 15 showing the distance between markers as centrays (cR). The mouse alivin 1 locus is located approximately 55.3 cM from the centromere of chromosome 15. The relative position of the Mit marker was obtained from the mouse genome database (MGD2002).
FIG. 11-1 is a schematic showing the homology between each of the Ali family members. Numbers outside parentheses indicate% identity, while numbers inside parentheses indicate% similarity.
FIG. 11-2 is a schematic diagram showing the domain structure of the constituent elements of the human Ali family. Numbers outside parentheses indicate% identity, while numbers inside parentheses indicate% similarity. L: leader sequence including signal peptide sequence, NC: NH2-Terminal adjacent cysteine-rich domain, LRR: leucine-rich repeat, CC: COOH-terminal adjacent cysteine-rich domain, IG: immunoglobulin C2-like loop, TM: transmembrane domain, ID: intracellular domain.
FIG. 11-3 is a schematic diagram showing the domain configuration of human Alivin 1 and the domain configuration of Drosophila melanogaster Kek family. Numbers outside parentheses indicate% identity, while numbers inside parentheses indicate% similarity. L: leader sequence including signal peptide sequence, NC: NH2-Terminal adjacent cysteine-rich domain, LRR: leucine-rich repeat, CC: COOH-terminal adjacent cysteine-rich domain, IG: immunoglobulin C2-like loop, TM: transmembrane domain, ID: intracellular domain.