JP2005003665A - 汎用ナノスケール計測技術による熱拡散率一点測定法 - Google Patents

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Abstract


【課題】ナノスケールにおいて、バルク体又は薄膜の熱拡散率を測定する汎用ナノスケール計測技術による熱拡散率一点測定法の提供。
【構成】薄膜が有る又は無い物質のτ値及びそのD値を、TGC法を使って行う一点測定法において、該物質表面の温度変化に対する高い空間分解能を持たせるために創られた波長266nmのポンプパルス光の回折縞を有し、その回折縞の過渡変化を測定した過渡格子信号データ(TGS)又は過渡格子信号プロファイル(TGSプロファイル)から、既に用意されているレーザーフラッシュ(LFM)法による文献値に最も近いD値及びそのτ値を抽出するために創作されたフィッティング関数{S(t)= k [exp(-t/τ)]3}を使用してデータ解析処理する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ナノスケールにおいて、バルク体又は薄膜の熱拡散率を測定する汎用ナノスケール計測技術による熱拡散率一点測定法に関するものである。
物質上に作られたポンプパルス光の過渡格子から熱拡散率(D値)を決定する概念は、有望なナノスケール測定技術の一つと見られ、過渡格子構成法(TGC法)としてよく記述されている。そのTGC法は、例えば、文献(1-8)に記載されている。しかし、驚いたことに、そのTGC法の完成した原理はまだ知られていない。というのは、透光性半導体が測定されたその事例が未だに見られない。
従来の問題点(その1)
TGC法を完全な原理に創り上げるため、数多くの試みが企てられたが、しかし無駄であった。その試みの事例は、例えば、文献(1-9)に記載されている。過去に遡(さかのぼ)ってその困難の要因は次の通り。最初に立ちはだかったその要因は、短い波長の光がポンプパルス光として研究に使われなかったことと併せて、ワイドギャップ半導体が参照物質として目録に上げられなかったことである。その根拠は誤った初期の熱源モデルに有ったと思える。その初期の熱源モデルは、例えば、文献(1)に記載されている。
と云うのは、その熱源モデルは単位モデルを横一列に配置した集合体であり、図1に示すTGC法に基づいて創られたSiC(0001)基板をサンプルとする光の回折縞イメージの概略説明図において、その単位モデルの断面(XZ面)はリボンをイメージさせ、その断面の長辺(Z軸)がその短辺(X軸)に比べて非常に大きい。
具体的には、物質表面で、そのリボンの長辺に相当する光格子の透過深さが短辺に相当する光格子の幅(X軸)に比べて十分に大きいことが必要であった。もし、長い波長でなくて短い波長のポンプパルス光が使われたとき、それは、光格子の透過深さは浅くなり、リボン状モデルは存在しないことを意味する。逆に、長い波長が使われたとき、リボン状熱源モデルが要求する条件が満たされるので、深さ方向の熱輸送の変化は小さく無視できると云う。
言い換えれば、リボン状熱源モデルは、光格子間の熱輸送だけがイメージされたものであった。そうであっても、本発明者は、そのリボン状熱源モデルに疑問をもつ。というのは、長い波長の使用はそのリボン状モデルにとって必要とされるけれども、それは透光性半導体を透過し、光格子を創らない欠点を有する。
それは、一方において、透光性半導体のD値が測定されたという事例が未だに見られないことを示唆する。他方、物質表面で、その光格子の光学的ジオメトリーをイメージしたとき、長い波長の使用は一つの矛盾を示唆する。
それはポンプパルス光の入射角が大きいときに起こると思われる。そのとき、その透過深さとその分布は浅くそして平坦にイメージされる。それは、そのリボン状モデルにとって大変不都合なことであり、少なくとも、リボン状熱源モデルの存在を許さないことを意味する。
改良点(その1)
ところが、吸収端より長い波長の光は結晶性の高い物質内ではほとんど吸収されないけれど、それが吸収端より短波長の光のとき、吸収係数が非常に大きいので、光の吸収のほとんどが表面層だけで起こる。要するに、TGC法の原理において、ポンプパルス光として吸収端より短い波長の光が使用されたとき、その光格子の透過深さ及び深さの分布はポンプパルス光の入射角の影響から開放されることを意味する。
その短い波長の光を使用する条件下で、一つの光格子は一つの熱格子を生成し、その熱格子は一つの単位熱源に相当する単位熱源モデルを有する。その単位モデルの断面形状(XZ面)は、リボン状モデルと異なり、長辺と短辺の比が1:1又はそれに近い四角形をイメージさせる。そういうわけで、SiC(0001)基板において、吸収端より短い266nmの波長を使用することが決定され、その単位熱源モデルの断面形状において、四角又は四角な熱源モデルが提案される。
従来の問題点(その2)
次に立ちはだかったその要因は、リボン状熱源モデルに基づいて用意された汎用のフィッティング関数 (S(t) = RpIpI2A2[exp(-t/τT)- r exp(-t/τA)cos{2πF(t+ tD)}]2 はもはや四角又は四角な熱源モデルに役立たないと云うことである。その汎用のフィッティング関数は、例えば、文献(2-9)に記載されている。
事実、そのTGC法を使って決定したD値がJIS法によるD値より大きく与えられる。そのJIS法は、例えば、文献(10)に記載されている。別の言い方をすれば、そのTGC法において、その汎用のフィッティング関数を使って抽出された実験上の熱減衰時定数(τ値)が、現在用意されている関係式(τ= Λ2/4π2D)を使って逆算される理論上のτ値より小さく与えられることである。その関係式において、Λは光格子間の間隔である。その関係式は、例えば、文献(1)に記載されている。
通常、その理論上のτ値を逆算するため、汎用のマクロスケールテクノロジーであり、JIS法としてもよく知られているレーザーフラッシュ法(LFM法)から与えられるD値を参照し、その関係式のD値に代入する。そのLFM法から与えられるD値は、例えば、文献(11)に記載されている。そのようにして、理論上のτ値を算出する。
改良点(その2)
そういうわけで、汎用なフィッティング関数に代わって、適切なフィッティング関数が求められる。つまり、すでに提案された四角又は四角な熱源モデルに基づいて、その適切なフィッティング関数が創られたならば、その要求は満足されるであろう。
そのモデルは、物質表面において、その四角又は四角な断面から熱は物質の下方向と左右方向の計3方向に輸送され、上方向の空間への輸送は小さいので無視できることを示している。一方、実際に、過渡格子信号(TGS)の時間依存性が測定されると、その信号強度変化の全容は一つのTGSプロファイルとして表示される。そうであっても、そのTGSプロファイルは、その一部が熱輸送にのみ関係し、且つ測定時間(t)の関数{S(t)}で表される領域を有する。必要とされる領域は、熱変化によって占有されている時間帯である。
キャリアーの拡散と再結合の過程を有する半導体においても、熱変化に占有されるその時間帯はそのTGSプロファイルの後半部分と見なされよう。次に、その熱変化は3方向の熱輸送の時間的変化によって構成されているとしたとき、関数{S(t)}は1方向に対する熱変化{exp(-t/τ)}の3乗で表示されよう。そのようにして、本発明者は、新しいフィッティング関数、S(t)=k {exp(-t/τ)}3 ・・・(式1)を見つけた。そのkは時間依
存性を持たない定数である。
従来の問題点(その3)
フィッティング行為は測定されたTGSプロファイルからそのτ値を見事に抽出するまでのその過程を意味する。式1を用いてフィッティング計算を開始する前に、オペレータ自らが決定しなければならないパラメータがある。それは、測定時間t値を持って示され、フィッティング計算が開始されるその始点と終了されるその終点を意味する。その始点と終点をきっちり選択することは重要である。特に、その始点の選択は、TGSプロファイルから熱信号だけを正確に読み取る上で最も重要である。何故なら、間違った始点は誤ったτ値をもたらすから。
二つの異なった始点は、TGSプロファイル上の選択された始点だけでなく、計算上の曲線の始点もあることを意味する。一方では、そのTGSプロファィル上の選択された始点について云うと、それはTGSプロファィル上で選択されたより高い方のポイントを意味する。終点の方ではないということ。
他方、計算上の曲線について云うと、その始点はTGSプロファイルと式1との間の繰り返しフィッティング行為の後で描かれた曲線上で最も高いポイントを意味する。ではあるが、熱格子の温度が、その最大値に達した時、その時が理想的な始点であるけれども、TGSプロファイル上で、そんな見事な始点を与えるかもしれない、そんな適切な理論を見たことが無い。logプロットを取ればおおよその目星はつくと云うものの、本発明者もまた、その始点を決める理論を持っていない。
改良点(その3)
そのため、本発明者は、他の幾つかの物質についてTGSプロファイルを取得するための追加実験を持った。何故なら、サンプル物質の種類がそのような始点にどのように影響するのか、その違いを確認するために。その結果は、物質の種類が異なったとき、その始点が変わると云うことである。
この事例は、SiC(0001)基板だけでなく、それ以外の物質にもまた見られた。初めに、SiC(0001)基板について云うと、計算上の曲線の始点はそのTGSプロファイル上の選択された始点と見事に一致する。しかも、そのTGSプロファイルにおいて、その始点は光格子が生きていた時間帯に近いところにあり、そのTGS強度の高いポイントから始まっているのである。
これに反して、コンポジション・スプレッドライブラリー:TiO2(100)基板上に創られた[(Ca1-xSrx)3Co4O9(0≦x≦0.125)](CSCO)薄膜については次の通りである。その始点が変わると云うことについて、そのCSCO(組成比xがおおよそ0.035のとき)とそのTiO2(100)基板の時もまた、計算上の曲線の始点はそのTGSプロファイルの始点と見事に一致するが、しかし、おおよそ1nsの遅れ時間を持って、である。
それは、わずかな修正がそのTGSプロファイルから伝えられるように思える。即ち、プロットされた実験データが、本発明者が次のやり方を使ってそのフィッティング時間の範囲を選択するように仕向ける。そのフィッティング時間の範囲と云うのは、その熱格子温度が最大値を持つと思われるところの始点から熱平衡後に経過した時間までのところである。特に決定的なその始点について云うと、式1がそのTGSプロファィルと最初に一致し始めるようなやり方でその始点を創ることが要点である。
と云うのは、計算上の曲線が実験データのバラツキ幅の中央を貫通すると云う意味において、計算上の曲線と実験データとの綺麗な相互関係が目で見てみて容易に確認されるの
で、始点を幾つか取り替えながら、そのTGSプロファイルと式1を使って、ほんの数回のフィッティング試行が繰り返し行われるだけだから。したがって、このやり方で、薄膜が有る又は無い、そんな幾つかの物質のτ値がTGC法を使って行う本熱拡散率一点測定法によって見事に測定できることを確認した。
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本発明者は、第一に、透光性半導体について、その吸収端より短い266nmの波長を有するポンプパルス光を使ってTGC法の中核を担う光格子の寿命を捕らえることに成功し、第二に、測定データから熱減衰時定数(τ値)をきっちり抽出できるフィッティング関数を見つけた。さらに、そのフィッティング関数について、その適切な取り扱い方を見つけた。
すなわち、本発明は、(1)薄膜が有る又は無い物質のτ値及びそのD値を、TGC法を使って行う一点測定法において、該物質表面の温度変化に対する高い空間分解能を持たせるために創られた波長266nmのポンプパルス光の回折縞を有し、その回折縞の過渡変化を測定した過渡格子信号データ(TGS)又は過渡格子信号プロファイル(TGSプロファ
イル)から、既に用意されているレーザーフラッシュ(LFM)法による文献値に最も近いD値及びそのτ値を抽出するために創作されたフィッティング関数[S(t) = k {exp(-t/τ)}3]を使用してデータ解析処理する、ことを特徴とする汎用ナノスケール計測技術による熱拡散率一点測定法、である。
また、本発明は、(2)そのポンプパルス光として、吸収端より短い波長の光を使用する条件下で、一つの光格子は一つの熱格子を生成し、その熱格子は一つの理想的単位熱源に相当する断面が四角又は四角な単位熱源モデルを有することを特徴とする上記(1)の汎用ナノスケール計測技術による熱拡散率一点測定法、である。
また、本発明は、(3)その創作されたフィッティング関数がナノテクノロジーのTGC法とマクロテクノロジーのLFM法を緊密に関連させ、そしてその両者が同じ熱拡散率(D値)を共有できることを特徴とする上記(1)の汎用ナノスケール計測技術による熱拡散率一点測定法、である。
また、本発明は、(4)そのTGS又はTGSプロファイルを解析処理するとき、そのフィッティング時間の範囲は、その熱格子の温度が最大値を持つと思われるところの始点から熱平衡後に経過した時間までのところであることを特徴とする上記(1)の汎用ナノスケール計測技術による熱拡散率一点測定法、である。
本発明において、薄膜が有る又は無い、そんな幾つかの物質のτ値及びそのD値を、TGC法を使って一点測定する際に、物質表面において創られた光の回折縞を種別し、少なくとも、光格子と熱格子から構成されているとする。最初に創られた光格子が使い切るエネルギーの一部は、少なくとも、その寿命が尽きた後、熱に変わり始める。その熱は、光格子に取って代って、空間的に同じ位置で、熱格子を創る。その熱格子もまた光格子と対になって、一定の周期をもって出現と消滅を繰り返す。
その現象は、光格子の光の濃淡変化から始まり、サンプルが半導体物質にあってはキャリアーの拡散と再結合の過程を経て、熱格子の温度の高低変化に終わる、とする一連の過渡変化として観測される。その熱格子が一つの理想的単位熱源として、その断面(XZ面)が四角又は四角な単位熱源モデルを有するとき、本発明者が云うところの熱拡散率一点測定を行う環境が整うのであり、そして、その熱格子が熱輸送を使って熱を放出し、そして消滅するとき、その熱輸送が行われる三つの方向と一つの距離が定義される。
その二つの方向(+Xと-X軸)は、図1で示される通り、熱格子パターンに対し垂直である。そのX軸の方向の熱輸送に相当する信号成分は、そのTGS又はそのTGSプロファイルの中で、exp(-t/τ)2 の通り、exp(-t/τ) の二乗で表される強度を分担する。最後の方向(+Z軸)は、この発明で提案している方向で、透過方向に対し平行であり、その+Z軸方向の熱輸送に相当する信号成分は、そのTGS又はそのTGSプロファイルの中で、exp(-t/τ) の通り、exp(-t/τ) の一乗で表される強度を分担する。
そういうわけで、その三つの方向の熱輸送に相当する信号成分をまとめると、全体の信号強度は時間変化(t)を伴う創作されたフィッティング関数[S(t)= k {exp(-t/τ)}3]で表される。その創作されたフィッティング関数が適用できる理想的熱源、例えば、高い空間分解能を持つ回折縞を意図的に創りだしてしまうことが本発明の狙いである。
そうすれば、熱拡散率一点測定を行う環境が整うので、その理想的回折縞でもあるその熱格子の温度の高低に対する過渡変化を測定したTGSデータ又はTGSプロファイルに対して、創作されたフィッティング関数[S(t) = k {exp(-t/τ)]3]が適用でき、データ解析処理できることにより、すでに用意されているレーザーフラッシュ(LFM)法による文
献値に最も近いD値及びそのτ値が抽出されると云うのである。
そして、その熱輸送のための距離は、X軸方向における回折縞間でもあるその熱格子間の格子間隔である。そのX軸方向の単位長さ当たりに存在する熱格子の数が、サンプル物質表面における熱又は温度の過渡変化を精密に捕らえるためのセンサーの数に相当すると云う意味において、その熱格子の数を増加させて、高い空間分解能を持つ理想的熱格子を意図的に創りだすことができる。
その単位長さ当たりの熱格子の数を増やすために、例えば、格子間隔を小さくする対策が必要である。その格子間隔(Λ)は、Λ= λ/2sin(θ/2)によって表されるBragg条件で制約されているので、一方では波長(λ)を小さくし、他方ではポンプパルス光の交差角(θ)を大きくする、そのような対策の実行は格子間隔を小さくする効果がある。
そのようにして、例えば、短い波長266nmを持ったポンプパルス光の適用は、該物質表面における光格子の光の濃淡及び熱格子の熱又は温度の高低に対する過渡変化を精密に捕らえられると云う意味において、そのTGC法の空間分解能を高める役目を果たす。それだけでなく、おおよそ5eVの光子エネルギーを持つその短い波長266nmの光は、透光性半導体、例えば、SiC単結晶にあっては一般に光の吸収係数(α)はおおよそ105 cm-1なので、該物質の表面層内{光の透過深さ(1/α) = 100 nm台}でほとんど吸収されよう。その吸収係数と透過深さは、例えば、文献12に記載されている。
このように、その回折縞の物質への透過深さ(1/α)は自ずと浅く且つその深さの分布は平坦化され、結果として高い空間分解能と併せて理想的熱格子がもたらされる。それゆえに、熱拡散率一点測定を行う環境が整うので、一つの正しいD値を抽出するために、以前には必要であったわずらわしくて時間のかかるその交差角(θ)を少なくとも三回変える作業から開放されると云う意味においてかなりの経済的効果をもたらす。
一方、その交差角(θ)を大きくして、TGC法の空間分解能を高める対策は、例えば、短い波長266nmに限らず、長い波長800nmを持つ光をも吸収する幾つかのサンプル物質に対し、その交差角(θ)をおおよそ29°以上の条件下で使用した時においてもまた有効的である。その事例は、例えば文献8に記載されている。
その交差角(θ)を大きくしたとき、その波及効果は、物質表面下での光の干渉領域の深さ(h)にも及び、その深さ(h)は、h = [tan {π*(90-θ)/180}]*(Λ/2) から推定されるように浅くなり、結果として高い空間分解能と併せて理想的熱格子がもたらされるはずである。
そうは云っても、光の透過深さ(1/α)を100nm台に留めると云う意味において、短い波長266nmの優先的利用は非常に重要であり、例えば、サンプル物質が基板付き薄膜のとき、その膜厚がおおよそ数100nm台の薄膜であれば、その熱格子はその基板による影響から開放され、言い換えればその薄膜の内からはみ出ることはない。メカニカルな最適条件、例えば、そのTGSを捕らえる検出器の最適配置を考慮しながら、大きな交差角(θ)のもとで行う熱拡散率一点測定法は有効である。
本発明において、透光性半導体にあっては、その光格子及び/又は熱格子の物質への透過深さ及びその深さの分布をポンプパルス光の入射角の影響から開放するため、ポンプパルス光として吸収端より短い波長の光を使用する。例えば、物質が透光性半導体のとき、少なくとも、266nmの波長をポンプパルス光に使う方法。おおよそ5eVの光子エネルギーを持つその短い波長266nmの光は、透光性半導体、例えば、SiC単結晶にあっては一般に光の吸収係数(α)はおおよそ105 cm-1なので、該物質の表面層内{光の透過深
さ(1/α) = 100 nm台}でほとんど吸収されよう。
このように、その回折縞の物質への透過深さ(1/α)は自ずと浅く且つその深さの分布は平坦化されるので、結果としてポンプパルス光の入射角の影響から開放されて、高い空間分解能と併せて理想的熱格子がもたらされる。
そのポンプパルス光として、吸収端より短い波長の光を使用する条件下で、一つの光格子は一つの熱格子を生成し、その熱格子は一つの単位熱源に相当する単位熱源モデルを有する。その単位モデルの断面形状は、従来のリボン状モデルと異なり、長辺と短辺の比が1:1又はそれに近い四角形をイメージさせる。少なくとも、266nmの短い波長を使用することは、その単位熱源の断面形状において、四角又は四角な熱源を形成させる。
おおよそ5eVの光子エネルギーを持つその短い波長266nmの光は、透光性半導体、例えば、SiC単結晶にあっては一般に光の吸収係数(α)はおおよそ105 cm-1なので、該物質の表面層内{光の透過深さ(1/α) = 100 nm台}でほとんど吸収されよう。
このように、その回折縞の物質への透過深さ(1/α)は自ずと浅く且つその深さの分布は平坦化されるので、結果としてその透過深さ(1/α)がその格子間隔(Λ = 1175 nm)のほぼ十分の一と云う意味において、その熱源の単位モデルの断面形状(XZ面)は長辺と短辺の比が1:1又はそれに近い四角形をイメージさせ、四角又は四角な熱源を形成させる理想的熱格子がもたらされる。
本発明において、その光格子及び熱格子の時間的変化は、光学遅延回路を経由した吸収端より長い波長を有するプローブパルス光をポンプパルス光の焦点に合せて照射し、少なくとも、その一次の回折光を検出器で捕らえることにより測定される。少なくとも、800nmの波長をプローブパルス光に使う方法、例えば、プローブパルス光として、透光性半導体に対する光吸収の少ない波長を持つ光を選択すると云う意味において、800nmの波長は有効である。
プローブパルス光の回折条件は、一般式 |sin i - sin d| = nλ800/Λで規定され、本発明において、i とd はそれぞれプローブパルス光の入射角2°と回折角46°、そのλ800は800nm、そのnは1次の回折次数である。そのiとdはメカニカルな条件、例えば、光学レンズや信号検出機の配置を考慮しながら任意に決められる。そのようにして、回折縞イメージはTGC法を使って創られ、且つ観測される。その観測信号はTGSである。
本発明において、その熱格子において、その熱変化は、熱減衰時定数(τ値)を持ち、その熱格子から3方向への熱輸送に対する時間(t)の関数として表される。少なくとも、その関数{S(t)}は1方向の熱輸送に対する熱変化{exp(-t/τ)}の3乗で表示されるとするフィッティング関数で、S(t) = k {exp(-t/τ)}3 で表示される。
例えば、その熱格子が一つの理想的単位熱源として、その断面(XZ面)が四角又は四角な単位熱源モデルを有するとき、本発明者が云うところの熱拡散率一点測定を行う環境が整うのであり、そしてその熱格子が熱輸送を使って熱を放出し、そして消滅するとき、その熱輸送が行われる三つの方向と一つの距離が定義される。
その二つの方向(+Xと-X軸)は、図1で示される通り、熱格子パターンに対し垂直である。そのX軸の方向の熱輸送に相当する信号成分は、そのTGS又はそのTGSプロファイルの中で、exp(-t/τ)2 の通り、exp(-t/τ) の二乗で表される強度を分担する。最後の方向(+Z軸)は、この発明で提案している方向で、透過方向に対し平行であり、その+
Z軸方向の熱輸送に相当する信号成分は、そのTGS又はそのTGSプロファイルの中で、exp(-t/τ) の通り、exp(-t/τ) の一乗で表される強度を分担する。そういうわけで、その三つの方向の熱輸送に相当する信号成分をまとめると、全体の信号強度は時間変化(t)を伴う創作されたフィッティング関数 [S(t) = k {exp(-t/τ)}3] で表される。
そのフィッティング関数[S(t) = k {exp(-t/τ)}3]は、測定された過渡格子信号データ(TGS)又は過渡格子信号プロファイル(TGSプロファイル)を解析処理するために使用される、創作された関数とする。そのkは時間依存性を持たない定数である。本発明において、その創作されたフィッティング関数がナノテクノロジーのTGC法とマクロテクノロジーのLFM法を緊密に関連させ、そしてその両者が同じ熱拡散率(D値)を共有できる。
その創作されたフィッティング関数が適用できる理想的熱源、例えば、高い空間分解能を持つ回折縞を意図的に創りだしてしまうのである。そうすれば、熱拡散率一点測定を行う環境が整うので、その理想的回折縞でもあるその熱格子の温度の高低に対する過渡変化を測定したTGSデータ又はTGSプロファイルに対して、創作されたフィッティング関数[S(t) = k {exp(-t/τ)}3]が適用でき、データ解析処理できることにより、すでに用意されているレーザーフラッシュ(LFM)法による文献値に最も近いD値及びそのτ値が抽出される。
本発明において、そのTGS又はTGSプロファイルを解析処理するとき、そのフィッティング時間の範囲は、その熱格子の温度が最大値を持つと思われるところの始点から熱平衡後に十分に経過した時間までのところであるとする。例えば、特に決定的なフィッティング時間の始点をどのようにして決めるかについて云うと、最初にTGSプロファイルの終点を決めるのである。その終点は熱平衡後、十分に経過していること。その終点に置けるTGSプロファイルは、信号強度のY軸方向でわずかに変動し、ある程度の変動幅を持っているとき、そのTGSプロファイルのテールの変動幅の中心をそのY軸の0点に一致させることで、そのTGSプロファイルのベースラインが固定される。
次に、始点を探す。その始点がどこか、おおよその目星は、logプロットから推測されるが、慣れてくれば容易に当たりがつくので、その始点を持って、前段でベースラインが固定されたそのTGSプロファイルに対し、創作されたフィッティング関数[S(t)= k {exp(-t/τ)}3]を適用して、数回、フィッティングする。それらしい始点は幾つか見つかるが、その熱格子の温度が最大値を持つと思われるところが正しい始点なので、信号強度が最も高い方の始点が正しい。
ただし、そのとき重要な判断基準がある。前述したように、そのTGSプロファイルはたいてい信号強度のY軸方向でわずかに変動し、ある程度の変動幅を持っているので、そのときは、その創作されたフィッティング関数によって算出された曲線が、そのTGSプロファイルの変動幅の中心を貫通していることを目で見てみて確認することが要件である。
実験プロセスは次の様に設定され、実施された。SiC(0001)基板が参照物質として使用された。その基板はワイドギャップ半導体の6Hタイプである。実験は室温で行われた。使用されたポンプパルス光は266nm(5eV)の短い波長を有する。そのポンプパルス光を供給するために、元の波長はTi−サファイアの800nmのレーザー光から出ており、その出力は1W、そして繰り返し周波数が200KHzで、200fsのパルス幅である。266nmの波長は、800nmの波長が順番に、SHG(第二高調波発生)、タイムプレート及びTHG(第三高調波発生)の光学結晶を通過した時に創られる。
市販品のTHG発生装置( 米国 U-Oplaz Technologies社製 TP-1B型)を使用した。そのとき、ポンプパルス光は50mWの出力を有した。次に、そのポンプパルス光は二つのビームに分割された。一つのビームは光学遅延回路を通過し、他の一つは最初の一つと一緒になってSiC(0001)基板面を照射した。その照射された二つのビームは約100μmの大きさで焦合された。
TGC法は、図1に示される様に三種類のパルス光を包含する。それらの二つはポンプパルス光で、他の一つはプローブパルス光である。これらの光学的ジオメトリーにおいて、Λ= mλ266/2sin(θ/2)によって表されるBragg条件は二つのポンプパルス光が如何にして回折縞を創るかを述べており、そこでは、Λは1175nm、θはポンプパルス光Aとポンプパルス光Bの交差角で13°であり、λ266は266nm波長である。そして、mは整数。
一方、プローブパルス光の回折条件は、式 |sin i - sin d| = nλ800/Λで規定され、iとdはそれぞれプローブパルス光の入射角2°と回折角46°、そのλ800は800nm、そのnは1次の回折次数である。そのiとdはメカニカルな条件、例えば、光学レンズや信号検出機の配置を考慮しながら、回折条件の中で、任意に決められる。そのようにして、回折縞イメージはTGC法を使って創られる。その観測信号はTGSである。事実、SiC(0001)基板において、図1に示されたように、フォトダイオード検出器は入射するプローブパルス光の光軸から48°(= i + d)の方向に設置された時、その検出器は回折光からそのTGSを捕らえる。
光の回折縞を熱源モデルとするナノスケール熱輸送をイメージし、そのイメージを具体的に記述してみる。最初のイメージにおいて、SiC(0001)基板面が二つのポンプパルス光の照射によって創られた粗密のある回折縞に繰り返し感応させられるけれども、その回折縞は、ナノスケールの視点から見れば、あまりにも総称的である。
そこで、次のイメージにおいて、本発明者は、そんな回折縞を光格子と熱格子の二つに種別した。同時に、SiC(0001)基板において、熱格子から独立した光格子を実験によって捕らえ、その光格子の寿命を測定することが出来る。次のイメージとして、その光格子が使い切るエネルギーの一部は、少なくとも、その寿命が尽きた後、熱に変わり始める。その熱は、光格子に取って代って、空間的に同じ位置で、熱格子を創る。その熱格子もまた光格子と対になって、一定の周期をもって出現と消滅を繰り返す。
次のイメージとして、SiC(0001)基板面において、その熱格子が熱輸送を使って熱を放出し、そして消滅するとき、その熱輸送が行われる三つの方向と一つの距離が指定される。その二つの方向(+Xと-X軸)は、図1で示される通り、熱格子パターンに対し垂直である。最後の方向(+Z軸)は、透過方向に対し平行である。そして、その熱輸送のための距離は熱格子間の格子間隔である。
SiC(0001)基板について、その光格子の寿命測定は次の通り行われた。TGC法において二つのポンプパルス光の一つ(ポンプパルス光B)を走査していくと、図2(a)が示すように、光格子だけの寿命を観測できる。その寿命はFWHMとして600fsと測定された。
図2において、(a)オリジナルのレーザー光において、200fsのパルス幅を持って照射された一つのパルスによって創られた光格子の寿命。測定された四つの信号曲線は照射されたポンプ光の出力に対して、信号の変化を表す。その出力はそれぞれ10、20、50及び100%である。(b)その信号強度の照射されたポンプ光出力依存性につい
て。その図中の四角の印は図2(a)の各曲線上で最高点の値を持ってプロットされたデータを表す。実線は多項式回帰を使って算出された曲線である。図2(a)に示される様に、光格子の強さはポンプパルス光に対して照射出力依存性を示す。
その依存性を検証するため、ポンプパルス光の照射出力はそれぞれ10、20、50及び100%と加減された。その測定の結果、その照射強度依存性は、図2(b)において、3次式(Y = 0.0011 - 4.56E-4 X + 9.39E-5X2 + 5.56E-8 X3)を使って表示された。それは、本当に光格子から反射された回折光であることを立証する。
創作されたフィッティング関数を用いてTGSプロファイルからそのτ値を抽出する。ポンプパルス光の照射出力が100%のとき、SiC(0001)基板のTGSとそのプロファイルが測定される。図3は、SiC(0001)上に創られた光格子と熱格子の両方から捕らえられた過渡格子信号(TGSプロファイル)である。その図中の丸印は測定値を意味する。実線はそのTGSプロファイルと式1を使って算出された計算値である。その実線の始点は0.037nsを有する。実際、ポンプパルス光の代わりにプローブパルス光を走査すると、図3に○印でプロットしたように、光格子と熱格子の両方の変化を一緒に示すTGSプロファイルが得られる。
そして、フィッティング計算が開始されるその始点を幾つか取り替えながら、フィッティング試行が繰り返し行われた。その結果、その始点がおおよそ0.037nsの遅れ時間の時、図3に示される一本の実線が描かれる。同時に、そのτ値も与えられ、0.16nsを示した。次に、そのD値は、式D=Λ2/4π2τを使って、0.16nsのτ値と1175nmのΛ値をそれぞれ代入して決められ、最終的に2.2cm2/sの値を示した。明らかに、その2.2cm2/sの値は室温におけるLFM法より与えられる汎用値に等しいことを示す。
図4は、TiO2 (100)基板のTGSプロファイルである。四角印は測定値を表示し、一方、実線はそのTGSプロファイルと式1を使って算出された計算値を表す。その実線の始点は1.0nsを有する。そのTGSプロファイルと式1を使ってそのTiO2(100)基板のτを計算により抽出する。まず、フィッティング計算が開始されるその始点を幾つか取り替えながら、フィッティング試行が繰り返し行われた。その結果、その始点がおおよそ1nsの遅れ時間の時、計算上の曲線と実験データとの綺麗な相互関係が目で見てみて容易に確認された。その始点と終点がそれぞれ1.0nsと12.0nsの時、フィッティング計算によって、図4に示される一本の実線が描かれる。同時に、TiO2(100)基板のτ値も与えられ、11.4nsを示した。
次に、そのD値は、式D = Λ2/4π2τを使って、11.4nsのτ値と1175nmのΛ値をそれぞれ代入して決められ、最終的に0.031cm2/sを示した。その0.031cm2/sのD値は室温におけるLFM法より与えられる汎用値(0.025cm2/s)にほぼ等しいことを示す。
図5は、CSCO薄膜(組成比xがおおよそ0.035のとき)と云えども、見事なTGSプロファイルである。四角印は測定値を表示し、一方、実線はそのTGSプロファイルと式1を使って算出された計算値を表す。その実線の始点は1.0nsを有する。TiO2 (100)基板の時と同じ手順を使って、そのCSCO薄膜(組成比xがおおよそ0.035のとき)のτ値を計算により抽出した。
その結果、その始点がおおよそ1nsの遅れ時間の時、計算上の曲線と実験データとの綺麗な相互関係が目で見てみて容易に確認された。その始点と終点がそれぞれ1.0nsと12.0nsの時、フィッティング計算によって、図5に示される一本の実線が描かれ
る。同時に、そのCSCO薄膜のTGSプロファイルのτ値も与えられ、6.1nsを示した。次に、そのD値は、式D= Λ2/4π2τを使って、6.1nsのτ値と1175nmのΛ値をそれぞれ代入して決められ、最終的に0.057cm2/sのD値が算出された。
このやり方で、薄膜が有る又は無い、そんな幾つかの物質のτ値がTGC法を使って行う一点測定法によって見事に測定できることが確認された。それは、一方で、創作されたフィッティング関数がナノテクノロジーのTGC法とマクロテクノロジーのLFM法を緊密に関連させ、そして、その両者が同じD値を共有できる、そんなS(t)関数であることを示す。それは、そのTGC法の原理の完成を意味していると思われる。
TGC法に基づいて創られた光の回折縞イメージの概略説明図。サンプルはSiC(0001)基板。 SiC(0001)基板上に創られた光格子だけから捕らえられた光回折現象。 SiC(0001)上に創られた光格子と熱格子の両方から捕らえられた過渡格子信号(TGSプロファイル)。 TiO2 (100)基板のTGSプロファイル。 CSCO薄膜(組成比xがおおよそ0.035のとき)のTGSプロファイル。

Claims (4)

  1. 薄膜が有る又は無い物質のτ値及びそのD値を、TGC法を使って行う一点測定法において、該物質表面の温度変化に対する高い空間分解能を持たせるために創られた波長266nmのポンプパルス光の回折縞を有し、その回折縞の過渡変化を測定した過渡格子信号データ(TGS)又は過渡格子信号プロファイル(TGSプロファイル)から、既に用意されているレーザーフラッシュ(LFM)法による文献値に最も近いD値及びそのτ値を抽出するために創作されたフィッティング関数[S(t)= k {exp(-t/τ)}3]を使用してデータ解析処理する、ことを特徴とする汎用ナノスケール計測技術による熱拡散率一点測定法。
  2. そのポンプパルス光として、吸収端より短い波長の光を使用する条件下で、一つの光格子は一つの熱格子を生成し、その熱格子は一つの理想的単位熱源に相当する断面が四角又は四角な単位熱源モデルを有することを特徴とする請求項1記載の汎用ナノスケール計測技術による熱拡散率一点測定法。
  3. その創作されたフィッティング関数がナノテクノロジーのTGC法とマクロテクノロジーのLFM法を緊密に関連させ、そしてその両者が同じ熱拡散率(D値)を共有できることを特徴とする請求項1記載の汎用ナノスケール計測技術による熱拡散率一点測定法。
  4. そのTGS又はTGSプロファイルを解析処理するとき、そのフィッティング時間の範囲は、その熱格子の温度が最大値を持つと思われるところの始点から熱平衡後に経過した時間までのところであることを特徴とする請求項1記載の汎用ナノスケール計測技術による熱拡散率一点測定法。
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