JP2004538605A - 蒸気流が改善されたデカボラン蒸発装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一定の蒸気流量を安定に供給できる蒸発装置を有するイオン注入装置用イオン源を提供すること。
【解決手段】本発明に係るイオン注入装置用イオン源は、(i)昇華するイオン源材料(68)を収容しかつそのイオン源材料を昇華するための空洞(66)を有する昇華器(52)と、(ii)空洞(66)内にガスを注入するためのガス注入部(104)と、(iii)昇華器(52)から遠くに配置され、昇華されたイオン源材料をイオン化するためのイオン化室(58)と、(iv)昇華器(52)とイオン化室(58)とを連結する供給管(62)とを含むことを特徴とする。空洞内に注入されるガスは、ヘリウムまたは水素のいずれであってもよく、昇華器(52)の壁(64)とイオン源材料(68)との間の熱伝達性を向上させるものである。
【選択図】図2
【解決手段】本発明に係るイオン注入装置用イオン源は、(i)昇華するイオン源材料(68)を収容しかつそのイオン源材料を昇華するための空洞(66)を有する昇華器(52)と、(ii)空洞(66)内にガスを注入するためのガス注入部(104)と、(iii)昇華器(52)から遠くに配置され、昇華されたイオン源材料をイオン化するためのイオン化室(58)と、(iv)昇華器(52)とイオン化室(58)とを連結する供給管(62)とを含むことを特徴とする。空洞内に注入されるガスは、ヘリウムまたは水素のいずれであってもよく、昇華器(52)の壁(64)とイオン源材料(68)との間の熱伝達性を向上させるものである。
【選択図】図2
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、イオン注入装置用イオン源に関し、より詳しくは、蒸気流の特性が改善されたイオン源用デカボラン蒸発装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン注入は、集積回路やフラットパネルディスプレイ等の製品の大量生産において、シリコンウエハやガラス基板に不純物をドーピングするための標準的な技術となっている。従来のイオン注入システムは、所望のドーパント元素をイオン化するイオン源を含み、イオン化後、このドーパント元素は加速され、所定エネルギーのイオンビームが形成される。イオンビームは、加工物の表面に導かれて加工物にドーパント元素が注入される。イオンビーム中の高エネルギーイオンは、加工物の表面内に侵入して加工物材料の結晶格子中に埋込まれ、所望の導電率を有する領域が形成される。
【0003】
イオン注入処理は、通常、高真空処理室で実施されて、残留ガス分子との衝突によるイオンビームの分散を回避し、飛散微粒子による加工物の汚染のリスクを最小源に抑えるものである。
【0004】
イオン線量およびエネルギーは、注入工程を規定するために使用される最も重要な2つの変数である。イオン線量は、半導体材料に対して注入されるイオンの濃度に関連する。通常、高線量での注入処理には、高電流注入装置(通常は10mAよりも大きなイオン電流)が使用され、一方、低線量での処理には、中電流注入装置(通常は、最大で1mAのイオン電流が可能)が使用される。イオンエネルギーは、半導体デバイスの接合部の深さを制御するために使用される。イオンビームを構成するイオンのエネルギーレベルによって、注入されるイオンの深度が決まる。半導体デバイス中にレトログレード・ウェル(retrograde well)を形成するために使用されるような高エネルギー処理では、最大で数百万エレクトロンボルト(MeV)での注入が必要であり、一方、接合が浅い場合には、1キロエレクトロンボルト(Kev)よりも低いエネルギーしか必要としない場合もある。
【0005】
半導体デバイスがますます微細化するにつれて、低エネルギーで高ビーム電流を供給するイオン源を有する注入装置が必要とされている。高ビーム電流によって必要な線量レベルが提供される一方、低エネルギーによって浅い注入が可能になる。たとえば、相補型金属−酸化物−半導体(complementary metal-oxide-semiconductor:CMOS)デバイスのソース/ドレイン接合には、このような高電流かつ低エネルギーでの処理が必要である。
【0006】
イオン化するための原子を固体から取得する典型的なイオン源10を、図1に示す。このイオン源は、一対の蒸発装置12、14およびイオン化室16を含んでいる。各蒸発装置は、固体の元素または化合物が収容されるるつぼ18を備え、このるつぼは、ヒータコイル20により加熱されて固体イオン源材料を蒸発させるものである。ヒータコイルのリード部22は、温度フィードバック機構を形成するヒータコイルおよび熱電対24に電流を通電する。このイオン源は、空冷管26および水冷管28も備えている。
【0007】
蒸発したイオン源材料は、グラファイトのノズル保持部32によってるつぼ18に固定されたノズル30を通過し、蒸気吸気口34を通じてイオン化室16内部に入る。あるいは、ガス供給ライン38を通じてガス吸気口36により、圧縮ガスを直接イオン化室に供給してもよい。いずれの場合でも、ガスまたは蒸気のイオン源材料は、熱電子を放出するように加熱されたアーク室のフィラメント40によってイオン化される。
【0008】
従来のイオン源では、イオン性ドーパントガスが使用され、このドーパントガスは、圧縮ガス源から直接的に取得するか、または固体を蒸発させることによって間接的に取得するものである。典型的なイオン源材料は、ホウ素(B)、リン(P)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、アンチモン(Sb)、ヒ素(As)である。これらのイオン源元素の大部分は固体として供給されるが、ホウ素は、通常、たとえば三フッ化ホウ素(BF3)のようなガスとして供給される。
【0009】
三フッ化ホウ素を注入する場合、一価のホウ素イオン(B+)を含むプラズマが形成される。ビームのエネルギーレベルが重要ではない場合、通常は、十分に高線量のホウ素を形成して基板に注入することに問題はない。しかし、低エネルギー処理では、ホウ素イオンのビームは「ビームの膨張(blow-up)」として知られる状態に至り、それは、イオンビーム中の同種電荷を有するイオン同士が互いに反発し合う傾向に起因する。このような相互斥力によって、イオンビームは輸送中にその直径が拡大し、その結果、ビームライン中の複数の開口部によって口径食(vignetting)が生じる。これによって、ビームエネルギーの低下につれて、ビームの伝達効率が著しく低減する。
【0010】
デカボラン(B10H14)は、これまでホウ素注入のための主要なホウ素源としては使用されていない化合物である。固体デカボランの融点は約100℃であるため、図1に示すようなイオン源のるつぼでは、デカボランの蒸発を適切に制御することはできない。固体材料とアーク室とが近接しているために材料の放射加熱が生じ、蒸発装置のヒータが作動していない場合でも、るつぼの温度は、アーク室16で発生した熱によって上述したような温度に達してしまう。(一方、リンの蒸発は、その融点が約400℃であるため、図1に示すイオン源のるつぼで正確に制御できる。)これによって、イオン源材料付近の環境において、中温(200℃よりも低温)での熱平衡の確立が妨げられる。
【0011】
しかし、デカボランは、蒸発してイオン化されると、各デカボラン分子(B10H14)が10個のホウ素原子を含む分子イオンを形成するため、ホウ素注入のための優れた供給源材料である。デカボラン分子のイオンビームは、単原子ホウ素のイオンビームに比べて、単位電流当たり10倍のホウ素線量を注入できるため、このイオン源材料は、浅い接合を形成するための高線量/低エネルギー注入処理のために特に好適である。さらに、デカボラン分子は、加工物の表面において元のビームエネルギーの約1/10のエネルギーを有する個別のホウ素原子に分解するため、デカボラン分子のイオンビームは、線量が等しい単原子ホウ素のイオンビームの10倍のエネルギーを輸送することができる。この特性によって、デカボラン分子のイオンビームは、低エネルギーイオンビーム輸送により通常は発生する伝達損失を回避することができる。
【0012】
固体イオン源蒸発装置にとって重要なもう1つの要求は、(図1のノズル30に対して)出力される蒸気流量を一定に維持し、イオン化処理室に、常に一定のイオン源材料の蒸気が供給されるようにすることである。たとえば、蒸発装置に収容される材料の温度変動によって蒸発装置からイオン化室への蒸気流量が減少し、その結果、イオンの発生量が減少する場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、従来のイオン源の問題点を克服するために、デカボランまたは他の適切な注入材料の蒸発を正確に制御可能なイオン注入装置用イオン源を提供することにある。さらに、本発明は、一定の蒸気流量を安定に供給できる蒸発装置を有するイオン源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
イオン注入装置のためのイオン源であって、(i) 昇華するイオン源材料を収容しかつ該イオン源材料を昇華するための空洞を有する昇華器と、(ii) 前記空洞内にガスを注入するためのガス注入部と、(iii) 前記昇華器から遠くに配置され、昇華された前記イオン源材料をイオン化するためのイオン化室と、(iv) 前記昇華器(52)と前記イオン化室とを連結する供給管とを含むことを特徴とするイオン源が提供される。前記空洞内に注入される前記ガスは、ヘリウムまたは水素のいずれであってもよく、前記昇華器の壁と前記イオン源材料との間の熱伝達性を向上させるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図2には、本発明に従って構成されたイオン注入装置用イオン源50の第1の実施形態が示されている。イオン源50は、非反応性かつ熱伝導性の昇華器またはるつぼ52、加熱媒体貯留室54、加熱媒体ポンプ55、温度コントローラ56、イオン化室58、質量流量コントローラ60を含んでいる。るつぼ52は、イオン化室58から遠い位置に配置され、石英またはステンレス鋼からなる供給管62によってイオン化室に連結されている。供給管62は、そのほぼ全長に渡って、外側に単一の空洞を有する環状シース90によって囲われている。
【0016】
るつぼ52は、イオン源材料68を収容するための空洞を取囲んで収容部を形成する壁64を備えている。この収容部は、好ましくは、ステンレス鋼、グラファイト、石英、または窒化ホウ素等の適切な非反応性(不活性)の材料から形成され、デカボラン(B10H14)のようなイオン源材料を十分な量だけ保持できるものである。以下、本発明を、デカボランのみに関して説明するが、本発明の原理は、塩化インジウム(InCl)等の低融点(すなわち、20℃〜150℃の昇華温度)および高蒸気圧(すなわち、10-2トル〜103トル(1.333Pa〜1.333×105Pa))の両方の特徴を有する他の分子固体イオン源材料にも適用できるものである。
【0017】
デカボランは昇華処理によって蒸発し、この昇華処理は、貯留室54に収容された加熱媒体70を使用して収容部の壁64を加熱することによって実施される。昇華処理において、デカボランは、固体状態から途中液体状態に移ることなく気体状態に変換される。ワイヤメッシュ71は、未蒸発のデカボランがるつぼ52から脱出することを防止する。完全に蒸発したデカボランは、供給管62を通じてるつぼ52を出て質量流量コントローラ60に入る。質量流量コントローラは、周知のように、蒸気流量を制御し、それによってイオン化室に供給されるデカボラン蒸気の量を計量するものである。イオン化室58では、周知のように、質量流量コントローラ60から供給されたデカボラン蒸気がイオン化される。
【0018】
本発明のイオン源50は、るつぼ52の動作温度と共にデカボラン蒸気がイオン化室58への移動中に通過する供給管62の温度を制御するための制御機構を備えている。加熱媒体70は、抵抗または同様の加熱体80によって貯留室内54内で加熱される。温度制御手段は、温度コントローラ80を含み、この温度コントローラは、熱電対92によって貯留室54から温度フィードバックを入力として取得し、制御信号を加熱体80へ出力する。後述するように、これによって貯留室内の加熱媒体70は適切な温度に加熱される。
【0019】
加熱媒体70は、鉱油または高い熱容量を有する他の適切な媒体(たとえば、水)からなる。この油は、加熱体80によって20℃〜150℃の範囲内の温度に加熱され、ポンプ55によってシース90を通じてるつぼ52および供給管62の周りを循環する。ポンプ55は入口82および出口84を備え、貯留室54も同様に入口86および出口88を備えている。るつぼ52および供給管62の周りの加熱媒体の流動パターンは、図2には時計回り方向のみのパターンとして示されているが、るつぼ52および供給管62の周りを適切に循環する任意のパターンをとることができる。
【0020】
図2を参照すると、るつぼの空洞66は加圧され、蒸発した(昇華した)デカボランの供給管62を通じたるつぼ52からイオン化室58への物質移動を促進するものである。空洞66内の圧力が上昇すると、物質の移動流量(rate)も対応して増大する。イオン化室は真空に近い状態(約1ミリトル(0.1333Pa))で動作するため、るつぼ52からイオン化室58に至る供給管62の全長に渡って圧力勾配が存在する。るつぼの典型的な圧力は、1トル(133.3Pa)程度である。
【0021】
るつぼ52をイオン化室から遠くに配置することによって、るつぼの空洞66内の温度は熱的に分離されており、それによって、イオン化室58の温度の影響を受けることなく熱的に安定な環境が実現する。したがって、デカボランの昇華が発生するるつぼの空洞66の温度を、イオン化室58の動作温度とは独立に高精度(1℃以内)に制御することができる。また、供給管62を通じてイオン化室58へ輸送する間もデカボラン蒸気の温度は一定に維持されるため、蒸気の凝結または熱分解は発生しない。
【0022】
温度コントローラ56は、加熱媒体貯留室70の加熱体80の動作を制御することによって、るつぼ52および供給管62の温度を制御する。熱電対92は、貯留室70の温度を感知し、温度コントローラ56に温度フィードバック信号93を送信する。温度コントローラは、貯留室の加熱体80に制御信号80を出力することによって、周知の方法でこの入力フィードバック信号に応答する。このようにして、イオン化室の位置まで、固体デカボランおよびデカボラン蒸気が曝されるすべての表面の温度が一定に維持される。
【0023】
るつぼ52の壁64の温度およびるつぼの空洞66内の圧力を制御することに加えて、本発明は、壁64とイオン源材料68との間の熱伝達性を向上させる機構も備えている。この機構は、弁98によって制御されてるつぼの空洞66に供給されるガスの供給源96を含んでいる。詳しくは、ガス源96は、導管または管100によって弁98の入口に連結され、弁98の出口は管102によって空洞66に連結されており、管102は、出口オリフィスまたは注入部104を備えている。好適な実施形態では、ガス源96に収容されるガス(本明細書では、「共存ガス(co-gas)」とも呼ぶ)は水素またはヘリウムであるが、適切な熱伝導率を有する他の不活性ガスを使用することも考えられる。
【0024】
オリフィス104を通じて空洞66に注入されるガスは、るつぼの壁64とつるぼ内で蒸発するイオン源材料68との間の熱伝達性を向上させるように機能する。このようにして、イオン源材料は効率的かつ完全に蒸発し、所定の量のデカボランイオン源材料68に対してるつぼがデカボラン蒸気を供給できる時間が増大する。さらに、出力される蒸気流量の安定性も向上する。
【0025】
空洞66に供給される共存ガスによって、るつぼの収容材料の温度変動が低減する。この温度変動は、るつぼからイオン化室58への蒸気流量を減少させ、結果としてイオンの発生量を減少させるものである。さらに、デカボラン蒸気をイオン化室58に安定に供給することによって、イオン化室のイオン引出し特性も改善される。
【0026】
システム中の加熱媒体の循環を(ポンプ55により)制御し、加熱媒体の温度を(加熱体80により)制御することによって、イオン源50の動作温度を20℃〜150℃(+/−1℃)に制御することができる。るつぼの圧力およびその結果としてのるつぼからの蒸気流量を制御するには、供給管のイオン化室付近の端部よりも、るつぼにおいて温度を高精度に制御することが重要である。さらに、るつぼの空洞内のデカボランの分圧を制御することによって、るつぼからの蒸気流の一様性が向上する。
【0027】
図3は、るつぼの空洞内に共存ガス(この場合には、流量0.5sccmのヘリウム)を加えることによって、デカボランの分圧が蒸発装置の全作動時間に渡って安定化する様子を示す図である。図3には、ヘリウム共存ガスを使用した場合と使用しない場合の両方の場合における、るつぼの空洞66内のデカボラン蒸気の分圧が示されている。図3に示すように、共存ガスを使用しない場合、デカボランの分圧は、最初にスパイクが現れてその後急激に減少する。しかし、共存ガスを使用すると、デカボランの分圧は、図示された3時間の大部分を通じて比較的安定に維持される。その結果、るつぼからのデカボラン蒸気の出力も対応して安定化される。
【0028】
イオン注入装置において図2のイオン源50を使用すると、加工物に分子全体(10個のホウ素原子)が注入される。この分子は加工物の表面で分解し、各ホウ素原子のエネルギーは、10個のホウ素原子からなるクラスター(B10H14の場合)のエネルギーのおよそ1/10になる。したがって、所望のホウ素注入エネルギーの10倍のエネルギーでビームを輸送することができ、大きなビーム伝達損失を被ることなく非常に浅い注入を実施することが可能となる。
【0029】
加えて、所定のビーム電流において、単位電流当たり10倍の線量を加工物に供給することができる。さらに、単位線量当たりの電荷は、単原子ビーム注入の場合に比べて1/10であるため、所定の線量に対して加工物の帯電の問題が大幅に軽減される。最後に、蒸発装置の空洞内に共存ガスが存在することによって、イオン源材料と空洞の壁との間の熱伝達性が向上し、その結果、蒸発装置から出力される蒸気流量が一様かつ安定なものになる。
【0030】
以上、改善されたイオン注入装置用イオン源の好適な実施形態を説明したが、この説明は専ら例示のためになされたものであり、本発明は、ここに記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付請求項およびその均等物による本発明の範囲を逸脱することなく、上述した説明に関して種々の再構成、修正、および代替が実施できることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、従来のイオン注入装置用イオン源を一部断面図として示す透視図である。
【図2】図2は、本発明の原理に従って構成されたイオン注入装置用イオン源の第1の好適な実施形態を、一部断面図により図式的に示す図である。
【図3】図3は、本発明に係る共存ガス注入機構を伴う場合と伴わない場合において、図2のイオン源中のデカボラン蒸気の分圧を示すグラフである。
【0001】
本発明は、一般的には、イオン注入装置用イオン源に関し、より詳しくは、蒸気流の特性が改善されたイオン源用デカボラン蒸発装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン注入は、集積回路やフラットパネルディスプレイ等の製品の大量生産において、シリコンウエハやガラス基板に不純物をドーピングするための標準的な技術となっている。従来のイオン注入システムは、所望のドーパント元素をイオン化するイオン源を含み、イオン化後、このドーパント元素は加速され、所定エネルギーのイオンビームが形成される。イオンビームは、加工物の表面に導かれて加工物にドーパント元素が注入される。イオンビーム中の高エネルギーイオンは、加工物の表面内に侵入して加工物材料の結晶格子中に埋込まれ、所望の導電率を有する領域が形成される。
【0003】
イオン注入処理は、通常、高真空処理室で実施されて、残留ガス分子との衝突によるイオンビームの分散を回避し、飛散微粒子による加工物の汚染のリスクを最小源に抑えるものである。
【0004】
イオン線量およびエネルギーは、注入工程を規定するために使用される最も重要な2つの変数である。イオン線量は、半導体材料に対して注入されるイオンの濃度に関連する。通常、高線量での注入処理には、高電流注入装置(通常は10mAよりも大きなイオン電流)が使用され、一方、低線量での処理には、中電流注入装置(通常は、最大で1mAのイオン電流が可能)が使用される。イオンエネルギーは、半導体デバイスの接合部の深さを制御するために使用される。イオンビームを構成するイオンのエネルギーレベルによって、注入されるイオンの深度が決まる。半導体デバイス中にレトログレード・ウェル(retrograde well)を形成するために使用されるような高エネルギー処理では、最大で数百万エレクトロンボルト(MeV)での注入が必要であり、一方、接合が浅い場合には、1キロエレクトロンボルト(Kev)よりも低いエネルギーしか必要としない場合もある。
【0005】
半導体デバイスがますます微細化するにつれて、低エネルギーで高ビーム電流を供給するイオン源を有する注入装置が必要とされている。高ビーム電流によって必要な線量レベルが提供される一方、低エネルギーによって浅い注入が可能になる。たとえば、相補型金属−酸化物−半導体(complementary metal-oxide-semiconductor:CMOS)デバイスのソース/ドレイン接合には、このような高電流かつ低エネルギーでの処理が必要である。
【0006】
イオン化するための原子を固体から取得する典型的なイオン源10を、図1に示す。このイオン源は、一対の蒸発装置12、14およびイオン化室16を含んでいる。各蒸発装置は、固体の元素または化合物が収容されるるつぼ18を備え、このるつぼは、ヒータコイル20により加熱されて固体イオン源材料を蒸発させるものである。ヒータコイルのリード部22は、温度フィードバック機構を形成するヒータコイルおよび熱電対24に電流を通電する。このイオン源は、空冷管26および水冷管28も備えている。
【0007】
蒸発したイオン源材料は、グラファイトのノズル保持部32によってるつぼ18に固定されたノズル30を通過し、蒸気吸気口34を通じてイオン化室16内部に入る。あるいは、ガス供給ライン38を通じてガス吸気口36により、圧縮ガスを直接イオン化室に供給してもよい。いずれの場合でも、ガスまたは蒸気のイオン源材料は、熱電子を放出するように加熱されたアーク室のフィラメント40によってイオン化される。
【0008】
従来のイオン源では、イオン性ドーパントガスが使用され、このドーパントガスは、圧縮ガス源から直接的に取得するか、または固体を蒸発させることによって間接的に取得するものである。典型的なイオン源材料は、ホウ素(B)、リン(P)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、アンチモン(Sb)、ヒ素(As)である。これらのイオン源元素の大部分は固体として供給されるが、ホウ素は、通常、たとえば三フッ化ホウ素(BF3)のようなガスとして供給される。
【0009】
三フッ化ホウ素を注入する場合、一価のホウ素イオン(B+)を含むプラズマが形成される。ビームのエネルギーレベルが重要ではない場合、通常は、十分に高線量のホウ素を形成して基板に注入することに問題はない。しかし、低エネルギー処理では、ホウ素イオンのビームは「ビームの膨張(blow-up)」として知られる状態に至り、それは、イオンビーム中の同種電荷を有するイオン同士が互いに反発し合う傾向に起因する。このような相互斥力によって、イオンビームは輸送中にその直径が拡大し、その結果、ビームライン中の複数の開口部によって口径食(vignetting)が生じる。これによって、ビームエネルギーの低下につれて、ビームの伝達効率が著しく低減する。
【0010】
デカボラン(B10H14)は、これまでホウ素注入のための主要なホウ素源としては使用されていない化合物である。固体デカボランの融点は約100℃であるため、図1に示すようなイオン源のるつぼでは、デカボランの蒸発を適切に制御することはできない。固体材料とアーク室とが近接しているために材料の放射加熱が生じ、蒸発装置のヒータが作動していない場合でも、るつぼの温度は、アーク室16で発生した熱によって上述したような温度に達してしまう。(一方、リンの蒸発は、その融点が約400℃であるため、図1に示すイオン源のるつぼで正確に制御できる。)これによって、イオン源材料付近の環境において、中温(200℃よりも低温)での熱平衡の確立が妨げられる。
【0011】
しかし、デカボランは、蒸発してイオン化されると、各デカボラン分子(B10H14)が10個のホウ素原子を含む分子イオンを形成するため、ホウ素注入のための優れた供給源材料である。デカボラン分子のイオンビームは、単原子ホウ素のイオンビームに比べて、単位電流当たり10倍のホウ素線量を注入できるため、このイオン源材料は、浅い接合を形成するための高線量/低エネルギー注入処理のために特に好適である。さらに、デカボラン分子は、加工物の表面において元のビームエネルギーの約1/10のエネルギーを有する個別のホウ素原子に分解するため、デカボラン分子のイオンビームは、線量が等しい単原子ホウ素のイオンビームの10倍のエネルギーを輸送することができる。この特性によって、デカボラン分子のイオンビームは、低エネルギーイオンビーム輸送により通常は発生する伝達損失を回避することができる。
【0012】
固体イオン源蒸発装置にとって重要なもう1つの要求は、(図1のノズル30に対して)出力される蒸気流量を一定に維持し、イオン化処理室に、常に一定のイオン源材料の蒸気が供給されるようにすることである。たとえば、蒸発装置に収容される材料の温度変動によって蒸発装置からイオン化室への蒸気流量が減少し、その結果、イオンの発生量が減少する場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、従来のイオン源の問題点を克服するために、デカボランまたは他の適切な注入材料の蒸発を正確に制御可能なイオン注入装置用イオン源を提供することにある。さらに、本発明は、一定の蒸気流量を安定に供給できる蒸発装置を有するイオン源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
イオン注入装置のためのイオン源であって、(i) 昇華するイオン源材料を収容しかつ該イオン源材料を昇華するための空洞を有する昇華器と、(ii) 前記空洞内にガスを注入するためのガス注入部と、(iii) 前記昇華器から遠くに配置され、昇華された前記イオン源材料をイオン化するためのイオン化室と、(iv) 前記昇華器(52)と前記イオン化室とを連結する供給管とを含むことを特徴とするイオン源が提供される。前記空洞内に注入される前記ガスは、ヘリウムまたは水素のいずれであってもよく、前記昇華器の壁と前記イオン源材料との間の熱伝達性を向上させるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図2には、本発明に従って構成されたイオン注入装置用イオン源50の第1の実施形態が示されている。イオン源50は、非反応性かつ熱伝導性の昇華器またはるつぼ52、加熱媒体貯留室54、加熱媒体ポンプ55、温度コントローラ56、イオン化室58、質量流量コントローラ60を含んでいる。るつぼ52は、イオン化室58から遠い位置に配置され、石英またはステンレス鋼からなる供給管62によってイオン化室に連結されている。供給管62は、そのほぼ全長に渡って、外側に単一の空洞を有する環状シース90によって囲われている。
【0016】
るつぼ52は、イオン源材料68を収容するための空洞を取囲んで収容部を形成する壁64を備えている。この収容部は、好ましくは、ステンレス鋼、グラファイト、石英、または窒化ホウ素等の適切な非反応性(不活性)の材料から形成され、デカボラン(B10H14)のようなイオン源材料を十分な量だけ保持できるものである。以下、本発明を、デカボランのみに関して説明するが、本発明の原理は、塩化インジウム(InCl)等の低融点(すなわち、20℃〜150℃の昇華温度)および高蒸気圧(すなわち、10-2トル〜103トル(1.333Pa〜1.333×105Pa))の両方の特徴を有する他の分子固体イオン源材料にも適用できるものである。
【0017】
デカボランは昇華処理によって蒸発し、この昇華処理は、貯留室54に収容された加熱媒体70を使用して収容部の壁64を加熱することによって実施される。昇華処理において、デカボランは、固体状態から途中液体状態に移ることなく気体状態に変換される。ワイヤメッシュ71は、未蒸発のデカボランがるつぼ52から脱出することを防止する。完全に蒸発したデカボランは、供給管62を通じてるつぼ52を出て質量流量コントローラ60に入る。質量流量コントローラは、周知のように、蒸気流量を制御し、それによってイオン化室に供給されるデカボラン蒸気の量を計量するものである。イオン化室58では、周知のように、質量流量コントローラ60から供給されたデカボラン蒸気がイオン化される。
【0018】
本発明のイオン源50は、るつぼ52の動作温度と共にデカボラン蒸気がイオン化室58への移動中に通過する供給管62の温度を制御するための制御機構を備えている。加熱媒体70は、抵抗または同様の加熱体80によって貯留室内54内で加熱される。温度制御手段は、温度コントローラ80を含み、この温度コントローラは、熱電対92によって貯留室54から温度フィードバックを入力として取得し、制御信号を加熱体80へ出力する。後述するように、これによって貯留室内の加熱媒体70は適切な温度に加熱される。
【0019】
加熱媒体70は、鉱油または高い熱容量を有する他の適切な媒体(たとえば、水)からなる。この油は、加熱体80によって20℃〜150℃の範囲内の温度に加熱され、ポンプ55によってシース90を通じてるつぼ52および供給管62の周りを循環する。ポンプ55は入口82および出口84を備え、貯留室54も同様に入口86および出口88を備えている。るつぼ52および供給管62の周りの加熱媒体の流動パターンは、図2には時計回り方向のみのパターンとして示されているが、るつぼ52および供給管62の周りを適切に循環する任意のパターンをとることができる。
【0020】
図2を参照すると、るつぼの空洞66は加圧され、蒸発した(昇華した)デカボランの供給管62を通じたるつぼ52からイオン化室58への物質移動を促進するものである。空洞66内の圧力が上昇すると、物質の移動流量(rate)も対応して増大する。イオン化室は真空に近い状態(約1ミリトル(0.1333Pa))で動作するため、るつぼ52からイオン化室58に至る供給管62の全長に渡って圧力勾配が存在する。るつぼの典型的な圧力は、1トル(133.3Pa)程度である。
【0021】
るつぼ52をイオン化室から遠くに配置することによって、るつぼの空洞66内の温度は熱的に分離されており、それによって、イオン化室58の温度の影響を受けることなく熱的に安定な環境が実現する。したがって、デカボランの昇華が発生するるつぼの空洞66の温度を、イオン化室58の動作温度とは独立に高精度(1℃以内)に制御することができる。また、供給管62を通じてイオン化室58へ輸送する間もデカボラン蒸気の温度は一定に維持されるため、蒸気の凝結または熱分解は発生しない。
【0022】
温度コントローラ56は、加熱媒体貯留室70の加熱体80の動作を制御することによって、るつぼ52および供給管62の温度を制御する。熱電対92は、貯留室70の温度を感知し、温度コントローラ56に温度フィードバック信号93を送信する。温度コントローラは、貯留室の加熱体80に制御信号80を出力することによって、周知の方法でこの入力フィードバック信号に応答する。このようにして、イオン化室の位置まで、固体デカボランおよびデカボラン蒸気が曝されるすべての表面の温度が一定に維持される。
【0023】
るつぼ52の壁64の温度およびるつぼの空洞66内の圧力を制御することに加えて、本発明は、壁64とイオン源材料68との間の熱伝達性を向上させる機構も備えている。この機構は、弁98によって制御されてるつぼの空洞66に供給されるガスの供給源96を含んでいる。詳しくは、ガス源96は、導管または管100によって弁98の入口に連結され、弁98の出口は管102によって空洞66に連結されており、管102は、出口オリフィスまたは注入部104を備えている。好適な実施形態では、ガス源96に収容されるガス(本明細書では、「共存ガス(co-gas)」とも呼ぶ)は水素またはヘリウムであるが、適切な熱伝導率を有する他の不活性ガスを使用することも考えられる。
【0024】
オリフィス104を通じて空洞66に注入されるガスは、るつぼの壁64とつるぼ内で蒸発するイオン源材料68との間の熱伝達性を向上させるように機能する。このようにして、イオン源材料は効率的かつ完全に蒸発し、所定の量のデカボランイオン源材料68に対してるつぼがデカボラン蒸気を供給できる時間が増大する。さらに、出力される蒸気流量の安定性も向上する。
【0025】
空洞66に供給される共存ガスによって、るつぼの収容材料の温度変動が低減する。この温度変動は、るつぼからイオン化室58への蒸気流量を減少させ、結果としてイオンの発生量を減少させるものである。さらに、デカボラン蒸気をイオン化室58に安定に供給することによって、イオン化室のイオン引出し特性も改善される。
【0026】
システム中の加熱媒体の循環を(ポンプ55により)制御し、加熱媒体の温度を(加熱体80により)制御することによって、イオン源50の動作温度を20℃〜150℃(+/−1℃)に制御することができる。るつぼの圧力およびその結果としてのるつぼからの蒸気流量を制御するには、供給管のイオン化室付近の端部よりも、るつぼにおいて温度を高精度に制御することが重要である。さらに、るつぼの空洞内のデカボランの分圧を制御することによって、るつぼからの蒸気流の一様性が向上する。
【0027】
図3は、るつぼの空洞内に共存ガス(この場合には、流量0.5sccmのヘリウム)を加えることによって、デカボランの分圧が蒸発装置の全作動時間に渡って安定化する様子を示す図である。図3には、ヘリウム共存ガスを使用した場合と使用しない場合の両方の場合における、るつぼの空洞66内のデカボラン蒸気の分圧が示されている。図3に示すように、共存ガスを使用しない場合、デカボランの分圧は、最初にスパイクが現れてその後急激に減少する。しかし、共存ガスを使用すると、デカボランの分圧は、図示された3時間の大部分を通じて比較的安定に維持される。その結果、るつぼからのデカボラン蒸気の出力も対応して安定化される。
【0028】
イオン注入装置において図2のイオン源50を使用すると、加工物に分子全体(10個のホウ素原子)が注入される。この分子は加工物の表面で分解し、各ホウ素原子のエネルギーは、10個のホウ素原子からなるクラスター(B10H14の場合)のエネルギーのおよそ1/10になる。したがって、所望のホウ素注入エネルギーの10倍のエネルギーでビームを輸送することができ、大きなビーム伝達損失を被ることなく非常に浅い注入を実施することが可能となる。
【0029】
加えて、所定のビーム電流において、単位電流当たり10倍の線量を加工物に供給することができる。さらに、単位線量当たりの電荷は、単原子ビーム注入の場合に比べて1/10であるため、所定の線量に対して加工物の帯電の問題が大幅に軽減される。最後に、蒸発装置の空洞内に共存ガスが存在することによって、イオン源材料と空洞の壁との間の熱伝達性が向上し、その結果、蒸発装置から出力される蒸気流量が一様かつ安定なものになる。
【0030】
以上、改善されたイオン注入装置用イオン源の好適な実施形態を説明したが、この説明は専ら例示のためになされたものであり、本発明は、ここに記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付請求項およびその均等物による本発明の範囲を逸脱することなく、上述した説明に関して種々の再構成、修正、および代替が実施できることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、従来のイオン注入装置用イオン源を一部断面図として示す透視図である。
【図2】図2は、本発明の原理に従って構成されたイオン注入装置用イオン源の第1の好適な実施形態を、一部断面図により図式的に示す図である。
【図3】図3は、本発明に係る共存ガス注入機構を伴う場合と伴わない場合において、図2のイオン源中のデカボラン蒸気の分圧を示すグラフである。
Claims (16)
- イオン注入装置のためのイオン源(50)であって、
(i) 昇華するイオン源材料(68)を収容しかつ該イオン源材料を昇華するための空洞(66)を有する昇華器(52)と、
(ii) 前記空洞(66)内にガスを注入するためのガス注入部(104)と、
(iii) 前記昇華器(52)から遠くに配置され、昇華された前記イオン源材料をイオン化するためのイオン化室(58)と、
(iv) 前記昇華器(52)と前記イオン化室(58)とを連結する供給管(62)と、
を含むことを特徴とするイオン源。 - 前記昇華器(52)および前記供給管(62)の少なくとも一部を加熱するための加熱媒体(70)と、該加熱媒体(70)の温度を制御する制御機構と、をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のイオン源。
- 前記制御機構は、前記加熱媒体(70)を加熱するための加熱体(80)と、前記加熱媒体を循環させるためのポンプ(55)と、前記加熱媒体(70)からの温度フィードバックを供給する少なくとも1つの熱電対(92)と、前記温度フィードバックに応答して前記加熱体に第1制御信号(94)を出力するコントローラ(56)と、を含むことを特徴とする請求項2記載のイオン源。
- 前記ガスは、ヘリウムであることを特徴とする請求項2記載のイオン源。
- 前記ガスは、水素であることを特徴とする請求項2記載のイオン源。
- 前記イオン源材料は、10-2トル(1.333Pa)と103トル(1.333×105Pa)との間の蒸気圧および20℃と150℃との間の昇華温度を有する分子固体であることを特徴とする請求項2記載のイオン源。
- 前記イオン源材料は、デカボランであることを特徴とする請求項6記載のイオン源。
- 前記ガスは、前記昇華器(52)の壁(64)と前記イオン源材料(68)との間の熱伝達性を向上させることを特徴とする請求項7記載のイオン源。
- イオン源(50)のための蒸発装置であって、
(i) 蒸発するイオン源材料(68)を収容しかつ該イオン源材料を蒸発するための空洞(66)を有するるつぼ(52)と、
(ii) 前記空洞(66)内にガスを注入するためのガス注入部(104)と、
(iii) 蒸発器(52)を、その蒸発器から遠くに配置されて内部で前記イオン源材料がイオン化されるイオン化室(58)に連結するための供給管(62)と、
(iv) 前記蒸発器(52)および前記供給管(52)の少なくとも一部を加熱するための加熱媒体(70)と、
を含むことを特徴とする蒸発器。 - 前記加熱媒体(70)の温度を制御する制御機構をさらに含むことを特徴とする請求項9記載の蒸発装置。
- 前記制御機構は、前記加熱媒体(70)を加熱するための加熱体(80)と、前記加熱媒体を循環させるためのポンプ(55)と、前記加熱媒体(70)からの温度フィードバックを供給する少なくとも1つの熱電対(92)と、前記温度フィードバックに応答して前記加熱体に第1制御信号(94)を出力するコントローラ(56)と、を含むことを特徴とする請求項10記載の蒸発装置。
- 前記ガスは、ヘリウムであることを特徴とする請求項10記載の蒸発装置。
- 前記ガスは、水素であることを特徴とする請求項10記載の蒸発装置。
- 前記イオン源材料は、10-2トル(1.333Pa)と103トル(1.333×105Pa)との間の蒸気圧および20℃と150℃との間の昇華温度を有する分子固体であることを特徴とする請求項10記載の蒸発装置。
- 前記イオン源材料は、デカボランであることを特徴とする請求項14記載の蒸発装置。
- 前記ガスは、前記るつぼ(52)の壁(64)と前記イオン源材料(68)との間の熱伝達性を向上させることを特徴とする請求項15記載の蒸発装置。
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