JP2004536527A - イベント通知を用いたテレビ番組の選択的な記録のための方法および装置 - Google Patents

Abstract

【課題】改良されたエンハンスド・テレビ番組によって、テレビ番組および番組セグメントがイベント駆動によって記録される事を可能にする。
【解決手段】デジタル・テレビ番組中の選択された番組セグメントの記録は、デジタル・テレビ番組を含むデジタル・テレビ・ストリームを受信する事と、第１イベント通知を受信した際にデジタル・テレビ番組中の選択された番組セグメントの記録を自動的に開始する事と、第２イベント通知を受信した際に選択された番組セグメントの受信を自動的に終了する事を含む。
【選択図】図１

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、広義にはデジタル・テレビおよび放送システムに関し、より詳細には、デジタル・テレビ番組の記録の制御のためにイベント通知を使用することに関する。
【背景技術】
【０００２】
放送産業は、新たな特徴、より高解像度のビデオおよびオーディオ、および他の技術的な拡張（エンハンスメント）が見込まれるデジタル放送技術へと拡張しつつある。デジタル・テレビ（ＤＴＶ）放送は、放送番組のエンハンスメントに関して少なくとも幾つかの進歩をもたらす。番組のエンハンスメントの１つとして、通常の放送の送信に補足的情報を追加すると言う事が挙げられる。この補足的情報は、ハイパーテキスト・マークアップ言語（ＨＭＴＬ）、メタデータ、および情報を伝達するための他のデータ構造のような多くの形式を採る事が出来る。エンハンスド・テレビ、または双方向型のテレビは、双方向型のディスプレイ、インターネット上のウェブ・ページへのリンクおよび他の特徴によって、画像に補足的情報を組み入れる。
【０００３】
先進テレビ拡張フォーラム（Ａｄｖａｎｃｅｄ ＴｅｌｅＶｉｓｉｏｎ Ｅｎｈａｎｃｅｍｅｎｔ Ｆｏｒｕｍ：ＡＴＶＥＦ）（ｗｗｗ．ａｔｖｅｆ．ｏｒｇ）は、放送およびケーブルテレビネットワーク、テレビ配信、民生用電子機器産業、パーソナルコンピュータ（ＰＣ）産業を代表する異業種間の業界団体である。ＡＴＶＥＦは、エンハンスド・テレビ用のＨＴＭＬベースのプロトコルを定義し、これによって、コンテンツ製作者は、全ての形式（アナログ、デジタル、ケーブルテレビ、インターネットおよび衛星放送）による拡張した番組を情報処理能力を有するレシーバに配信する事が出来る。アナログおよびデジタル放送システムの双方におけるエンハンスメントをもたらす統一された方法の普及を推し進めるために、ＡＴＶＥＦは非特許文献１（以下「ＡＴＶＥＦ仕様」と称する）を公表した。ＡＴＶＥＦ仕様によって、様々なツールを使用して一度製作された後に、様々なテレビ、セットトップ・ボックスおよびＰＣベースのレシーバに適用され得る、双方向テレビ配信を実現するための標準が提供される。ＡＴＶＥＦ仕様は、エンハンスド・テレビの送信に対応したトリガ、リソース、アナウンスメント、およびコンテンツの送信および処理のためのコンテンツ・フォーマットおよび配信メカニズムを規定している。多くの場合、このようなエンハンスメントは、インターネットまたは他のネットワークに接続された（ＰＣのような）コンピュータ・システムによって使用される場合に適している。例えば、補足的情報の１つとして、テレビ番組に関するある付加的な情報を得る事が出来るテレビ・ネットワークのウェブサイトへのユニバーサル・リソース・ロケーター（ＵＲＬ）が挙げられる。例えば、エンハンスド・テレビを視聴する際、視聴者はテレビ番組を視聴し、関連ウェブサイトに関する通知を受信して良い。その後、視聴者は識別されたウェブサイトから１つ以上のウェブ・ページを取得し、テレビの画面にこれらを表示しても良いし、テレビを視聴するのと同時に他のディスプレイにこれらを表示しても良い。
【非特許文献１】
拡張コンテンツ仕様（Ｅｎｈａｎｃｅｄ Ｃｏｎｔｅｎｔ Ｓｐｅｃｉｆｉｃａｔｉｏｎ）、第１．１版、改訂２６、ＡＴＶＥＦ、１９９８〜２０００
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
アナログ手段を用いてテレビ番組を記録することは一般的に行われている。ビデオカセットレコーダー（ＶＣＲ）が、所望するテレビ番組を記録するために多くの人によって使用される。最近、デジタル手段を用いてテレビ番組を記憶する装置が導入されつつある。これらの装置は、コンピュータ・ハードドライブのような記憶媒体上に選択されたテレビ番組を格納する。他のテレビ記録技術として、所望の番組を自動的に見つけ、スケジューリングし、そしてＶＣＲに記録するような製品が挙げられる。しかしながら、これらの装置の全ては、時間駆動型の記録を行う事しか出来ない。すなわち、視聴者は通常、番組のチャンネル番号、開始時間、および所要時間（または終了時間）をセットし、選択されたチャンネルかつ指定された時間に、装置が放送番組を記録する。どの番組が記録されるかに関しての制御は、番組の開始時間および終了時間によって規定される。
【０００５】
これに対して、番組中の特定の興味を有するフラグメントまたはセグメントのみを自動的に記録する事が望まれる場合もある。例えば、視聴者は、地方ニュースの天気予報、コマーシャルをカットした映画、あるいはフットボールの試合の得点シーンを記録する事を所望し得る。更に、多くの場合、番組のこれらのセグメントが放送される時間を視聴者は正確に知り得ない。番組の一部だけに興味を有する視聴者が全番組の記録をセットした際、ビデオ記憶装置が無駄遣いされる。さらに、記録された番組全体から興味のあるセグメントを後日に捜し出す事は、時間がかかる上に困難である。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００６】
本発明の実施形態によって、デジタル・テレビ番組をイベント駆動型で記録する事が出来る。視聴者は、記録されるべき番組のセグメントを選択し得る。セグメントは全番組であってもよいし、番組の任意の一部分であっても良い。番組のセグメントは、興味のあるイベントとして知られていて良い。イベントが番組の放送中に生じる時、デジタル・テレビ番組の放送信号にイベント通知が埋め込まれる。デジタル・テレビ番組のレシーバは、イベント通知を解釈し、要望に応じて番組の記録を自動的に開始または終了して良い。従って、記録された番組は、視聴者によって選択された所望のコンテンツのみを含む。記録されるべきコンテンツの選択は、イベント駆動型であり、従来技術の時間駆動型のシステムによるコンテンツの選択とは異なる。
【０００７】
本願明細書における本発明の「一実施形態」または「実施形態」に対する参照は、この実施形態に関連して記載される特定の特徴、構成または特性が本発明の少なくとも１つの実施形態に含まれるという事を意味する。従って、本願明細書の様々な箇所に記載されている「一実施形態において」という語句の出現は、必ずしも全て同一の実施形態に関連しているというわけでは無い。
【０００８】
図１は、本発明の実施形態における、記録されるべき番組のセグメントに対応するイベント通知を提供するためのシステムの図である。テレビ（ＴＶ）１０は、放送ネットワーク１４を経由してデジタルＴＶ（ＤＴＶ）放送を受信するたのセットトップ・ボックス１２に接続されて良い。セットトップ・ボックスは、アンテナ、ケーブル、衛星放送アンテナ、コンピュータネットワーク（例えばインターネット）あるいは他の適切な伝送メカニズムを備える放送ネットワークを経由してデジタル放送テレビ信号を受信するように構成されていて良い。いくつかの実施形態において、セットトップ・ボックスは、テレビ１０あるいは他の関連する民生用電子機器またはコンピュータ製品と統合されていても良い。
【０００９】
セットトップ・ボックス１２はＡＴＶＥＦレシーバ１６を備える。レシーバは、ＡＴＶＥＦコンテンツをデコードして再生する。一般に、ＡＴＶＥＦレシーバは、セットトップ・ボックス内のプロセッサによって実行されるソフトウェア製品であり得るが、ハードウェア回路をセットトップ・ボックス内に更に備えても良い。一実施形態において、ＡＴＶＥＦレシーバは、ＡＴＶＥＦ仕様に従ってエンハンスド・コンテンツを抽出するためにＤＴＶ放送信号を処理する。エンハンスド・コンテンツの抽出工程は、受信したトリガの信号をストリッピングし、ソフトウェア・スクリプトを実行し、データまたはデータ構造を分離するべく受信したＤＴＶ信号を処理する事、またはデータをグループに分割する他の方法をその少なくとも一部分に含む。ＤＴＶ放送信号から抽出されたエンハンスド・コンテンツは、表示装置（例えばテレビ１０あるいは別のモニタ画面）に表示される情報を更新するためのＡＴＶＥＦトリガ、ユニバーサル・リソース・ロケーター（ＵＲＬ）、メタデータ、スクリプト、Ｊａｖａアプレット、ＨＴＭＬ、ウェブ・ページ、イメージあるいは他の有用なデータ等の様々なエンハンスド・テレビ・リソースを備えて良い。その後、テレビ視聴者は、良好な視聴状態を得るために、セットトップ・ボックスとテレビから得られたエンハンスド・コンテンツとインタラクトしても良い。例えば、エンハンスド・テレビ放送は、テレビ番組とタイアップしているウェブ・ページ上のバナーを変更するか、あるいはテレビ画面の一部かテレビまたはセットトップ・ボックスに通信可能なように接続された他のモニタに表示されているウェブ・ページを変更するために、トリガとスクリプトを使用しても良い。
【００１０】
一実施形態において、セットトップ・ボックス１２はレコーダ１７を更に備えて良い。レコーダ１７は、セットトップ・ボックスによって受信されたテレビ番組を、アナログあるいはデジタル手段のいずれかによって記録するための装置または機能を備える。レコーダ１７はソフトウェア、ハードウェアあるいはこれら２つの任意の組合せによって実施されて良い。レコーダによってテレビ番組を記録することは、従来の公知技術によって達成され得る。視聴者とのインタラクション、およびイベント通知の受け入れの結果を受けて、セットトップ・ボックス１２が、どの番組および番組のセグメントを記録するかについて決定する。従って、セットトップ・ボックスは、番組の記録に際してレコーダの操作を制御して良い。他の実施形態において、レコーダは、テレビ、またはセットトップ・ボックスに通信可能なように接続された他のコンピュータまたは民生用電子機器装置と統合されていても良い。
【００１１】
放送ヘッドエンド１８は、放送ネットワーク１４を経由してセットトップ・ボックス１２へＤＴＶ信号を公知の方法を用いて放送する。放送ヘッドエンドはエンハンスド・テレビ・ストリーム２０を受け取り、エンハンスド・テレビ・ストリーム２０は、放送ヘッドエンドによってネットワークを通して放送されるＤＴＶ信号に再フォーマットされ得る。放送ヘッドエンドは、配信業者として公知であり得る。配信業者は、ＡＴＶＥＦデータの配信作業を含むビデオ配信インフラストラクチュアを管理する。エンハンスド・テレビ・ストリーム２０はコンテンツ製作者（図示されない）によって製作されて良い。コンテンツ製作者は、オーディオ、ビデオ、グラフィックス、レイアウト、インタラクションおよびトリガを含むエンハンスド・コンテンツのコンポーネントを創作する。コンテンツ製作者は、テレビ・コンテンツ２２（例えば、少なくともオーディオおよびビデオ部分を有する１つ以上のテレビ番組）および０以上のＡＴＶＥＦトリガ２４を備えるエンハンスド・テレビ・ストリームを製作する。コンテンツ製作者は、放送網、テレビ製作会社あるいは他のテレビの番組を製作する実体であって良い。一実施形態において、コンテンツ製作者は、放送ヘッドエンドまたは配信業者を運営する実体と同一の実体であって良い。上述されたように、コンテンツ製作者がテレビ番組と関連するデータ・エンハンスメントとを統合する事がエンハンスド・テレビによって実現可能になる。エンハンスド番組を様々な伝送メカニズムを経由して仕様に準拠したレシーバに配達する方法に関しての信頼できる定義が、ＡＴＶＥＦ仕様によってコンテンツ製作者に提供される。本発明のいくつかの実施形態において、番組イベント通知を作成し、かつセットトップ・ボックス１２のような任意の情報処理能力を有しつつ仕様に準拠したレシーバに番組イベント通知を配信するために、ＡＴＶＥＦ仕様によって定義されるプロトコルが使用される。いくつかの実施形態において、イベント通知２６は、レシーバ（例えばセットトップ・ボックスおよび（または）テレビ）において実行され得るＡＴＶＥＦパッケージおよびトリガとして実施されるデータ・エンハンスメントであって良い。他の実施形態では、ＭＰＥＧデータ・ストリーム、あるいは他のデータ・ストリーム・フォーマットまたはプロトコルにイベント通知が埋め込まれていても良い。
【００１２】
ＡＴＶＥＦトリガについては、ＡＴＶＥＦ仕様の１．１．５章に記載されている。トリガとは、エンハンスド・テレビ番組のために配信されるリアルタイムのイベントの事である。一実施形態において、エンハンスド・テレビ番組用のアナウンスによって定義されたアドレスおよびポートに伝達された単一のインターネット・プロトコル（ＩＰ）マルチキャストパケットにトリガが含まれていて良い。アナログ・テレビのための他の実施形態において、ＮＴＳＣテレビ信号による垂直ブランキング・インタバル（ＶＢＩ）の２１番目上にトリガが伝送されて良い。ＡＴＶＥＦレシーバ１６は、エンハンスド・テレビ・コンテンツを視聴するかしないかをユーザが決定し得るために方針を設定して良く、エンハンスド・コンテンツの利用可能性をユーザに通知する信号としてトリガの到着を使用することが出来る。トリガはＵＲＬを含んでいても良いし、人間によって判読可能な名前、有効期限およびスクリプトを任意に含んでいても良い。ＡＴＶＥＦレシーバは、放送ヘッドエンドから受信したトリガを解釈する方法を決定する。本発明において、ＡＴＶＥＦレシーバは、チャンネル上で放送されている番組の興味を有するセグメントのイベント通知として受信されるトリガを解釈しても良い。
【００１３】
テレビ番組の一部分がセグメントとして識別されて良く、その際、興味を有するイベントとは、番組セグメントの開始および終了で有り得る。テレビ番組のコンテンツ製作者は、どの番組セグメントがある視聴者にとって興味を有するイベントとなり得るかについて事前に判断しても良い。一実施形態において、第１イベント通知が番組セグメントの開始を示して良く、第２イベント通知が番組セグメントの終了を示して良い。一般に、各テレビ番組中の選択された個々の部分が、視聴者によって登録される別々の独立したイベントとして識別されても良い。例えば、ニュース番組において、起こり得るイベントとして、全国ニュース、地方ニュース、全国の天気予報、地方の天気予報、スポーツの試合結果、スポーツ・ハイライト、毎日の金融情報、地域の話題等の体裁を含んで良い。別の例において、フットボールの試合の放送のようなスポーツ番組では、起こり得るイベントとして、得点プレー、ツーミニッツ・ウォーニング、２０ヤード以上を獲得するプレー、ロングパス、インターセプト、ファンブルなどを含んで良い。更に別の例において、ドラマ番組における起こり得るイベントとして、番組の筋書きを進めるような重要なシーンを含んで良い。任意のテレビ番組の任意の部分が視聴者が興味を有するイベントとして識別されても良い、ということは明白である。各イベントに対してグローバル一意識別子を割り当てても良い。更に、テレビ番組のこの部分が予め録画されていても良いし、あるいは生放送であっても良い。生放送の場合、放送ヘッドエンドまたはコンテンツ製作者によって、リアルタイムで生じるイベントが手動または自動で添付されるかあるいは他の方法によって放送と同時に識別されて良い。
【００１４】
一実施形態において、セットトップ・ボックス上で利用可能なユーザー・インターフェースを経由して、イベント通知の予約または登録を視聴者が行ってよい。例えば、興味を有する１つ以上の選択されたチャンネル上の１つ以上の選択された番組のイベントのリストが、テレビまたは他のモニタ上に表示されて視聴者に提供されて良い（例えば、地方のニュース番組の全てのニュースのセグメントの提供）。一実施形態において、番組イベントの宣伝専用のテレビ・チャンネルが使用されても良い。視聴者は、登録または予約のために、イベントのリストを視聴するべくこのチャンネルを選択して良い。他の実施形態において、日刊紙、雑誌、あるいは番組ガイドのような印刷された形式、あるいは電子番組ガイド（ＥＰＧ）のような電子形式でイベントが識別されても良い。その後、セットトップ・ボックスと通信可能なように接続された任意の適切なユーザー・インターフェースを使用して、視聴者が０以上のイベントを選択して良い。例えば、視聴者は、テレビのリモコンまたはマウスを使用するといったような、公知のユーザー・インターフェース・メカニズムを使用して、興味を有するイベントを選択しても良い。選択されたイベントは、所定の視聴者のための一連の登録されたイベントとして、セットトップ・ボックスによって編集・格納されて良い。
【００１５】
視聴者によって登録された一連のイベントは、複数のチャンネルに生じ得る。例えば、１０個の異なるイベントの登録手続きをすることを視聴者が所望し得る。具体的には、第４チャンネルで放送される番組に生じ得る２つのイベント、第１１チャンネルで放送される番組に生じ得る４つのイベント、第３２チャンネルで放送される番組に生じ得る１つのイベント、および第１５６チャンネルで放送される番組に生じ得る３つのイベントの登録手続きをすることを所望して良い。
【００１６】
あるチャンネルにおいて、視聴者によって選択された番組セグメントの開始を示すイベント通知が受信される際、セットトップ・ボックスはレコーダをそのチャンネルへチューニングさせ、番組セグメントの記録を開始させて良い。番組セグメントの終了を示すイベント通知が受信される際、セットトップ・ボックスはレコーダにそのチャンネルで放送される番組セグメントの記録を終了させて良い。このように、放送ヘッドエンドによって送信されるイベント通知は、視聴者側における記録作業の制御のために使用されて良い。
【００１７】
視聴者にイベント通知を送信するために、本発明の実施形態において、少なくとも３つの伝送メカニズムが使用されて良い。一実施形態において、セットトップ・ボックスまたはテレビは２つのチューナを備える。１つのチューナは、現在視聴しているテレビ番組を受信するために使用されて良く、第２チューナが、ＰＩＰのような付加価値サービスのために通常使用されて良い。しかしながら、ＰＩＰの代わりに、本発明の幾つかの実施形態において、放送ヘッドエンドからセットトップ・ボックスまで送信される現在のイベント通知を伝送する第２放送チャンネルへ第２チューナーがチューニングされる。他の実施形態において、セットトップ・ボックスまたはテレビが備えるのは（視聴しているテレビ番組を受信するための）１つのチューナのみであるが、インターネットのような通信網に接続している１つ以上の他の装置（ＰＣ、民生用電子機器設備、携帯電話、個人用デジタル情報処理端末（ＰＤＡ）等）を視聴者が更に有しても良い。この場合、視聴者側にイベント通知をＡＴＶＥＦトリガとして配信するために、インターネット・プロトコル（ＩＰ）マルチキャスト・チャンネルが伝送メカニズムとして使用されてもよい。
【００１８】
図１に示されるように、イベント通知を表すＡＴＶＥＦトリガは、インターネットを経由して、セットトップ・ボックスに通信可能なように接続されたコンピュータ・システム３０までデータパケットとして伝達されて良い。図１ではコンピュータ・システム３０として表されているが、本装置は、インターネットのようなネットワーク上のデータを受信する事が出来る任意の計算装置であっても良い。一実施形態において、ＡＴＶＥＦトリガを受信するために、セットトップ・ボックスがインターネットに接続され、個別のコンピュータ・システムは使用されない。更に他の実施形態において、セットトップ・ボックスまたはテレビは、１個のチューナを備えるのみで、ネットワークに接続されていない。この場合、イベント通知は、主番組と一緒に同一のテレビ・チャンネル上で送信されて良い。この際、複数の番組およびチャンネル用のイベント通知を伝送するために、複数の放送局が協力して、各放送局のチャンネルの帯域幅を他の放送ネットワークへ提供する事が必要となり得る。ＤＴＶについては、他のチャンネルのイベントに関するイベント通知データを有するデータパケットが放送信号中に含まれていても良い。
【００１９】
視聴者にイベント通知を伝達するための伝達メカニズムとして、本願明細書においてはＡＴＶＥＦとＡＴＶＥＦトリガが議論されるが、本発明の範囲はこの点に制限されない。放送ヘッドエンドからセットトップ・ボックスおよび（または）テレビまで適時にイベント通知を伝達するような公知のあるいは将来開発される任意の通信プロトコルが使用され得る。
【００２０】
図２は、本発明の実施形態における、イベント通知を使用したテレビ番組の記録の制御を例証するフローチャートである。放送局またはコンテンツ製作者が、放送予定の番組、あるいは現在放送されている番組用のイベントを定義する（ブロック５０）。一例として、放送局またはコンテンツ製作者は、放送スケジュール中の全ての録画番組用に一連のイベントを定義して良い。例えば、ケーブルテレビまたは衛星テレビ会社が複数のチャンネルを有する放送ネットワークを展開する場合、ケーブルテレビまたは衛星テレビ会社は、全部または一部のチャンネルにおいて放送される全ての番組用のイベントを定義して良い。放送局は、さらに生放送（例えばスポーツ番組、主なニュース番組等）用のリアルタイムのイベントを定義しても良い。
【００２１】
一般的に、イベントとは、番組中に発生するか、発生しつつある全ての事柄で有り得る。一実施形態において、イベントの記載が、放送業界の全体にわたって規定または標準化されて良い。例えば、拡張マークアップ言語（ＸＭＬ）あるいは他の適切な記述型言語が、全ての放送局およびコンテンツ製作者によって使用され得るイベント記述のスキーマを定義するために使用されてもよい。
【００２２】
１つの単純な例において、イベントの記載の定義は以下の通りであるが、イベント記載の定義は以下のものに限定されない。
【００２３】
【表１】

【００２４】
ここで、対応する具体的な特定のイベントの記載は以下の通りである。
【００２５】
【表２】

【００２６】
より詳細な例において、本発明の一実施形態においては、番組のセグメントを表すイベントを定義するためのスキーマは以下の通りである。
【００２７】
【表３】

【００２８】
以下は、番組セグメントを表すイベントの本定義を用いた２つの例である。
【００２９】
【表４】

【００３０】
イベント通知を定義するためのスキーマの例は以下の通りである。
【００３１】
【表５】

【００３２】
以下は、イベント通知の本定義を用いた２つの例である。
【００３３】
【表６】

【００３４】
イベントおよび対応するイベント通知が放送局またはコンテンツ製作者によって一旦定義されれば、一実施形態において、このイベント定義が放送ネットワークを経由して、またはインターネットや電話回線のようなバックチャンネルを経由してセットトップ・ボックスまで伝達されて良い。セットトップ・ボックスはイベント定義を受信し、視聴者に提示して選択させる。あるいは、イベント定義は、郵便または他の手段によって配信される印刷された刊行物の形式、あるいは電子番組ガイドのような他の形式によって視聴者に提示されても良い。図２のブロック５２において、１つ以上の番組の記録されるべき興味を有するイベントを選択するために、視聴者はセットトップ・ボックスによって操作されるユーザー・インターフェースを使用する。放送に先立って、または放送と同時に、放送局あるいはコンテンツ製作者は、放送されている番組に発生するイベント用にイベント通知を生成する（ブロック５４）。これは、全てのチャンネル、または一部チャンネルの全ての番組のために行われて良い。一実施形態において、イベント通知はＡＴＶＥＦトリガを含む。放送局は、生成されたイベント通知（例えばＡＴＶＥＦトリガ）とテレビ・コンテンツを組み合わせることによって、エンハンスド・テレビ・ストリームを製作する（ブロック５６）。任意の所定の時間において、エンハンスド・テレビ・ストリームの一部分に０個以上のイベント通知が存在して良い。
【００３５】
放送局は、（１個以上の番組の）テレビ・コンテンツおよび０個以上のイベント通知を含むエンハンスド・テレビ・ストリームを放送する（ブロック５８）。使用される伝送メカニズムに応じて、イベント通知は、インターネット上で、または選択されたイベント通知専用のチャンネル上で、または番組と同じチャンネル内に埋め込まれて伝送されて良い。テレビ番組と同様、イベント通知は記録および（または）再生または再放送されて良い。セットトップ・ボックスは、テレビ・コンテンツを放送ネットワークから受信し、イベント通知を放送ネットワークまたはインターネットから（コンピュータ・システム、セットトップ・ボックスそれ自身、または他の装置を経由して）受信する（ブロック６０）。セットトップ・ボックスがイベント通知を一旦受信すると、セットトップ・ボックスは、受信したイベント通知と、以前に視聴者によって選択された、記録されるべき興味を有する一連のイベントとを比較する。視聴者が選択したイベントと一致または対応する受信済みイベント通知に従ってイベントが発生しているか間も無く発生する場合、セットトップ・ボックスは、該イベントの記録をレコーダに開始させる（ブロック６２）。受信済イベント通知に従って、イベントの発生が終了した場合、セットトップ・ボックスはレコーダにイベントを記録することを終了させる（ブロック６４）。
【００３６】
従って、一実施形態において、本発明は、レコーダによる番組セグメントの記録が、放送時間に基づくのみならず、イベントの発生に基づいて行われる事を可能にするために、ＡＴＶＥＦトリガを使用する。その結果、記録されるコンテンツは、ユーザー・インターフェースによって視聴者によって選択された、視聴者が興味を有する番組セグメントのみとなる。番組セグメントが（ユニークに識別される）イベント通知を含むような実施形態において、番組セグメントが一旦記録されると、記録されたセグメントは、テレビ番組に埋め込まれるイベント通知に基づいて、容易に選別され探索され得る。
【００３７】
本願明細書に記述される技術は、ある特定のハードウェアあるいはソフトウェア構成に制限されない。本技術は、任意の計算または処理環境に適用されて良い。本技術は、ハードウェア、ソフトウェアあるいは２つの組合せによって実施されて良い。本技術は、セットトップ・ボックス、デジタル・テレビ、モバイルまたはデスクトップのコンピュータ、ＰＤＡ、およびプロセッサと（揮発性および不揮発性メモリおよび（または）記憶素子を含む）プロセッサによって読取可能な記憶媒体と少なくとも１つの入力装置と少なくとも１つ以上の出力装置を含む同様の装置のようなプログラマブル機械上で実行可能なプログラムにおいて実施され得る。プログラムコードは、記述された機能を実行し、かつ出力情報を生成するために、入力装置を使用して入力されたデータに対して適用される。出力情報は１つ以上の出力装置に対して適用されて良い。
【００３８】
処理システムと通信するために、各プログラムは高級なプロシージャ型あるいはオブジェクト指向プログラミング言語で製作されて良い。しかしながら、もし所望されれば、プログラムはアセンブリまたは機械語で製作されても良い。どの場合においても、言語はコンパイルされても良いし、解釈実行されても良い。
【００３９】
このようなプログラムのそれぞれは、例えばコンパクトディスク型読み取り専用メモリ（ＣＤ−ＲＯＭ）、デジタル多用途ディスク（ＤＶＤ）、ハードディスク、磁気ディスク、または、本願明細書に記載された手順を実行するコンピュータによって読み取られる際に汎用または専用のプログラマブル機械を設定かつ操作するべく該機械によって読取可能である同様の媒体または装置のような記憶媒体または装置に格納されて良い。本システムが、ある機械を特定の方法で作動させるように構成されるプログラム内蔵型機械可読記憶媒体として実施されると考えられて良い。他の実施形態もまた、添付された特許請求の範囲内である。
【００４０】
本発明が例示された実施形態に関して記載された一方で、この記述は限定的に解釈されることを目的としない。本発明の他の実施形態と同様に、例示された実施形態に対する当業者にとって明らかであるようなさまざまな修正が、本発明の範囲内であると見做される。
【図面の簡単な説明】
【００４１】
【図１】本発明の実施形態における、イベント通知を用いて番組のセグメントを記録するためのシステムを示す図である。
【図２】本発明の実施形態における、イベント通知を用いた番組のセグメントの記録を例示するフローチャートである。

Claims (30)

1. デジタル・テレビ番組中の選択された番組セグメントを記録する方法であって、
   前記デジタル・テレビ番組を含むデジタル・テレビ・ストリーミングを受信するステップと、
   第１イベント通知が受信される時、前記デジタル・テレビ番組の前記選択された番組セグメントの記録を自動的に開始するステップと、
   第２イベント通知が受信される時、前記選択された番組セグメントの記録を自動的に終了するステップとを備える、方法。
2. 前記デジタル・テレビ・ストリームが、エンハンスド・テレビ・ストリームを備える、請求項１に記載の方法。
3. 前記エンハンスド・テレビ・ストリーム内の前記イベント通知を受信するステップを更に備え、
   前記イベント通知が、前記エンハンスド・テレビ・ストリームの前記選択された番組セグメントの放送の開始および終了のうちの１つの発生を示す、請求項２に記載の方法。
4. イベント通知のそれぞれが、ＡＴＶＥＦトリガを備える、請求項３に記載の方法。
5. イベント通知のそれぞれが、インターネットを経由して伝達されるＡＴＶＥＦトリガを備える、請求項１に記載の方法。
6. 前記第１イベント通知が受信される時に、前記選択された番組セグメントが放送されているチャンネルにチューニングするステップを更に備える、請求項１に記載の方法。
7. 前記イベント通知が、前記デジタル・テレビ・ストリームを放送する放送ヘッドエンドから受信される、請求項１に記載の方法。
8. 放送されている番組セグメントを、イベントの通知によって識別するステップを更に備える、請求項１に記載の方法。
9. イベントの通知を登録するステップを更に備え、
   第１イベントが、前記選択された番組セグメントの放送の前記開始を示し、第２イベントが、前記選択された番組セグメントの放送の前記終了を示す、
   請求項８に記載の方法。
10. 複数のイベント通知を受信するステップと、
    登録されたイベントに対応するイベント通知を識別するために、前記イベント通知をフィルタリングするステップと、
    受信された前記イベント通知が登録されたイベントに対応する時、前記選択された番組セグメントの記録を制御するステップと
    を更に備える、請求項９に記載の方法。
11. 登録されたイベントが、複数のチャンネルで放送される番組に発生する、請求項９に記載の方法。
12. 前記選択された番組セグメントが生放送され、前記イベントがリアルタイムに定義される、請求項９に記載の方法。
13. 機械によって読み取り可能な複数の命令を含む記憶媒体を備え、
    前記命令がプロセッサによって実行される時、デジタル・テレビ・ストリームの選択された番組セグメントを記録するために、
    前記デジタル・テレビ番組を含むデジタル・テレビ・ストリーミングを受信させ、
    第１イベント通知が受信される時、前記デジタル・テレビ番組の前記選択された番組セグメントの記録を自動的に開始させ、
    第２イベント通知が受信される時、前記選択された番組セグメントの記録を自動的に終了させる命令を備える、物品。
14. 前記デジタル・テレビ・ストリームが、エンハンスド・テレビ・ストリームを備える、請求項１３に記載の物品。
15. 前記エンハンスド・テレビ・ストリーム内の前記イベント通知を受信させるための命令を更に備え、
    前記イベント通知が、前記エンハンスド・テレビ・ストリームの前記選択された番組セグメントの放送の開始および終了のうちの１つの発生を示す、
    請求項１４に記載の物品。
16. イベント通知のそれぞれが、ＡＴＶＥＦトリガを備える、請求項１５に記載の物品。
17. イベント通知のそれぞれが、インターネットを経由して伝達されるＡＴＶＥＦトリガを備える、請求項１３に記載の物品。
18. 前記第１イベント通知が受信される時に、前記選択された番組セグメントが放送されているチャンネルにチューニングさせる命令を更に備える、請求項１３に記載の物品。
19. 前記イベント通知が、前記デジタル・テレビ・ストリームを放送する放送ヘッドエンドから受信される、請求項１３に記載の物品。
20. 放送されている番組セグメントを、イベントの通知によって識別させる命令を更に備える、請求項１３に記載の物品。
21. イベントの通知の登録を更に備え、
    第１イベントが、前記選択された番組セグメントの放送の前記開始を示し、第２イベントが、前記選択された番組セグメントの放送の前記終了を示す、請求項２０に記載の物品。
22. 複数のイベント通知を受信させ、
    登録されたイベントに対応するイベント通知を識別するために、前記イベント通知をフィルタリングさせ、
    受信された前記イベント通知が登録されたイベントに対応する時、前記選択された番組セグメントの記録を制御させる命令を更に備える、請求項２０に記載の物品。
23. 登録されたイベントが、複数のチャンネルで放送される番組に発生する、請求項２０に記載の物品。
24. 前記選択された番組セグメントが生放送され、前記イベントがリアルタイムに定義される、請求項２０に記載の物品。
25. エンハンスド・テレビ番組を受信し記録する方法であって、
    番組に生じるイベントの定義を受信するステップと、
    記録されるべき興味を有するイベントの選択のために、イベント定義を視聴者に対して供給するステップと、
    前記番組セグメントが放送される時に選択されたイベントに対応する番組セグメントを将来的に記録するために、選択された興味を有するイベントの登録を前記視聴者から受信するステップと、
    １つ以上の番組セグメントとイベントに対応するイベント通知とを有するテレビ番組を備えるエンハンスド・テレビ・ストリームを受信するステップと、
    受信された前記イベント通知と前記登録されたイベントとを比較し、受信された前記イベント通知が登録されたイベントと一致する場合、放送されている前記テレビ番組中の選択された番組セグメントを記録するステップとを備える、方法。
26. 前記エンハンスド・テレビ・ストリームがデジタル・テレビ・ストリームを備え、前記イベントが複数のチャンネルで放送される番組に発生する、請求項２５に記載の方法。
27. 前記エンハンスド・テレビ・ストリームがデジタル・テレビ・ストリームを備え、ＡＴＶＥＦトリガが前記イベント通知に相当する、請求項２５に記載の方法。
28. 機械によって読み取り可能な複数の命令を含む記憶媒体を備え、
    前記命令がプロセッサによって実行される時、エンハンスド・テレビ番組を受信して記録するために、
    番組に生じるイベントの定義を受信させ、
    記録されるべき興味を有するイベントの選択のために、イベント定義を視聴者に対して供給させ、
    前記番組セグメントが放送される時に選択されたイベントに対応する番組セグメントを将来的に記録するために、選択された興味を有するイベントの登録を前記視聴者から受信させ、
    １つ以上の番組セグメントとイベントに対応するイベント通知とを有するテレビ番組を備えるエンハンスド・テレビ・ストリームを受信させ、
    受信された前記イベント通知と前記登録されたイベントとを比較し、受信された前記イベント通知が登録されたイベントと対応する場合、放送されている前記テレビ番組中の選択された番組セグメントを記録させる命令を備える、物品。
29. 前記エンハンスド・テレビ・ストリームがデジタル・テレビ・ストリームを備え、前記イベントが複数のチャンネルで放送される番組に発生する、請求項２８に記載の物品。
30. 前記エンハンスド・テレビ・ストリームがデジタル・テレビ・ストリームを備え、ＡＴＶＥＦトリガが前記イベント通知に相当する、請求項２８に記載の物品。

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