JP2004536323A - 初期腎機能障害の診断方法 - Google Patents

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Abstract

以下の行程:
−ヒトの体液又は組織サンプル中のアポA−IV量を測定し、そして
−アポA−IVの測定値とリファレンス値とを比較する、
ことを特徴とする、ヒトにおける初期腎機能障害の診断方法が開示される。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、初期腎機能障害の診断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
糖タンパク質アポリポタンパク質A−IV(アポA−IV)は、ほとんどヒト腸細胞のみで産生されており、リンパに分泌されている(1)。乳状脂粒の構造タンパク質であり、平均血漿レベルはおよそ15mg/dl(2)である。絶食状態では、アポA−IVの大半はアポA−Iを含有せず脂質の少ない低分子HDL様粒子の一部として血漿中を循環する(3、4)。アポA−IVの生理的機能は、まだ解明されておらず、議論の最中である。脂質吸収(5)及び食物摂取の制御に関わっていると仮定されたが、こうした発見は遺伝学的に改変されたマウスにおいて確認されなかった(7、8)。in vitro研究は、アポA−IVが、コレステロールを末梢細胞から除去し、代謝のため肝臓及びステロイド産生臓器に送るコレステロール逆輸送経路のいくつかの工程に関与しているという説得力のある証拠を報告した(9〜11)。アポA−IVはレシチン−コレステロール アシルトランスフェラーゼ(LCAT)を活性化し(12、13)、リポタンパク質リパーゼの活性化(14)、及びコレステロースエステルのHDLからLDLへのCETP−介在転移(15)を調節する。これは、アポA−IVが抗アテローム発生性因子を代表するかもしれないことを示唆している。このことは、動物及びヒトにおける研究により支持されている。ヒト(16)又はマウスのアポA−IV(17)を過剰発現している、脂肪食を与えたマウスは、対照マウスよりも、大動脈における粥状硬化性病変の発生が著しく少ない。これは、高レベルで動脈にアテロームを形成する背景(16)を有するアポE−欠失マウスにおいてアポA−IVが過剰発現した場合でさえも観察された。
【0003】
腎患者におけるアポA−IVについていくつか研究が行われ、アポA−IVの増加が観察された。Nestel et al.(18)、並びにSeishima及びMuto(19)は、血液透析患者及びCAPD患者の小群においてアポA−IV濃度が顕著に上昇していたことを記載している。このことは、対照と比較して高密度リポタンパク質(HDL)中へアポA−IVが蓄積していることと共に、アポA−IVの血漿内分布に著しい差を発見したDieplinger et al.により裏付けられた(20)。彼らは、この変化した分布が、これらの患者におけるコレステロール逆輸送の障害を反映するかもしれないことを示唆した(21)。534人の血液透析患者及び168人のCAPD患者についての大きな多センター研究において、対照と比較して、およそ2倍のアポA−IV濃度上昇が観察された(22)。腎疾患が末期に至るや否や、2つの透析処置様式間、又は糖尿病患者及び非糖尿病患者(22)のあいだで、アポA−IV濃度に差がなくなるように見える。しかしながら、腎機能障害のどの段階でアポA−IVが上昇し始めるのか、及びこの疾患集団においても粥状硬化性合併症と関連があるか否かについては知られていない。
【0004】
Seishima et al.(Clin.Chim.Acta 167(1987),303−311)は、血液透析を受けている末期腎不全患者、即ち末期腎疾患(腎置換療法)におけるアポA−IVについて調査した。
【0005】
Seishima et al.(J.Lipid Res.33(1992),1441−1447)では、5/6の腎切除を受けた7匹のラットが 7匹の対照ラットと比較された。この介入により、実験腎機能制限が作製され、BUN(15.2対56.1mg/dl)及び血清クレアチニン(0.69対1.46mg/dl)の顕著な増加を示した。絶対濃度はないが単に任意単位が表示されており、アポA−IVは5/6腎切除ラットの2倍も高かった。
【0006】
しかし、ラットは典型的なHDL動物(そしてアポA−IVが主にHDLに結合している)であり、したがって、結果は、主にLDL−含有リポタンパク質が見られるヒトに適用できないことが知られている。
【0007】
Massy et al.(Clin Nephrol.55(2001),156−158)では、36人の腎移植患者及び20人の対照人のアポA−IV濃度をアッセイした。クレアチニンクリアランスは計算され、直接測定されなかった。その上、患者は、いずれもヒトのリポタンパク質代謝に顕著で確定された影響がある3つの強力な免疫抑制剤(シクロスポリン、アザチオプリン及びコルチコステロイド)の影響下にあった。更に、シクロスポリンを受けた患者は、シクロスポリンを受けていない患者よりもアポA−IVレベルがより高かった。この効果がシクロスポリン自体によるものか又は腎機能に対するシクロスポリンの影響によるものかは示されていない。
【0008】
先行技術に開示されているこれら2つのモデル(腎移植及び5/6腎摘ラットのもの)は、制限された腎機能の初期パラメーターとしてアポA−IVを表すのには適していないことが示されている。末期腎機能に関し、これはどのみち定義により予測できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
初期診断、特に腎疾患の初期診断は常に重要である。したがって、本発明の1つの目的は、初期、即ち腎疾患の進行において腎機能障害が依然としてわずかであり、療法を開始することでより好結果が見込まれる時期における腎障害の診断方法を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、以下の工程:
−ヒトの体液又は組織サンプル中のアポA−IV量を測定し、そして
−アポA−IVの測定値とリファレンス値とを測定する、
ことを特徴とするヒトの初期の腎機能障害を診断する方法により達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
驚くべきことに、本発明において、種々の腎疾患の極初期にアポA−IV濃度の上昇が起こることが示されるであろう。他の多くの疾患のように、患者は、後期には複数の生理的に正常でないレベルのタンパク質(中でもアポA−IV)を発現するが、初期腎機能障害における重要なマーカーであることを証明するものはない。実際、透析を受けている末期腎疾患患者において、アポA−IV濃度上昇が、糖尿病性合併症及び透析治療に関わるプロセスに関連することも疑われている。
【0012】
初期の腎機能障害にアポA−IVは上昇するが、HDLコレステロール、アポA−I又はアポBのような他の(脂肪)代謝マーカーはこのような初期に有意なマーカー機能を示さないことは非常に興味深い。実際、HDL及びLDLコレステロールのレベルは変化しないが、患者のアポA−I及びアポBの濃度は減少する。しかしながら、初期腎疾患における最も有意な変化はアポA−IV濃度の上昇であり、患者の濃度は対照に比べておよそ70%も高い。
【0013】
したがって、腎疾患によるわずかな障害でさえ、アポA−IV濃度の有意な上昇を伴い、これによりアポA−IVを初期腎機能障害に関連する有意なマーカーにする。初期腎機能障害は90ml/分/1.73mより高いGFR範囲により定義することができる。例えば、平均GFR120mlは、初期腎機能障害の状況とみなすこともできる。
【0014】
本発明の範囲内で、最も初期の段階から進行した段階まで腎機能が制限された患者について調べた。部分的に、この制限された機能は従来の測定法では全く測定されない(例えばこれらの段階の血清クレアチニンは依然として正常であることが多く、糸球体ろ過速度でさえ依然として正常であることが多い)。これ自体がすでに本研究の特異性の証明である。腎機能は「黄金の基準」(イオヘキソールクリアランス)で測定した。これらの段階の腎不全について他のパラメータが測定されたリファレンスの主要部分は、クレアチニン及び年齢のようなパラメータを含む腎機能の測定に主に数学的方法を用いた。しかし、腎機能が50%以上制限されている場合にのみ、クレアチニンが上昇し始めることは十分に知られている。しかしながら、本発明の範囲では、このクレアチニンに関知しない範囲がクリアランス法により十分に認識される。さらに、本発明により実施される試験によれば、多くの患者における疾患の診断は、生検又は超音波手段により明確に証明されている。したがって、本発明によれば、受容された有効な方法により腎機能及び基本的な腎疾患が測定された研究が初めて提供された。
【0015】
サンプル中のアポA−IV量と比較するリファレンス値は、好ましくは腎機能障害のないヒト(健常人)から得られる。次に検査すべきヒト、例えば腎機能障害に罹患していると思われるヒトの体液又は組織サンプル中のアポA−IVレベルの上昇により、腎機能障害を診断することができる。
【0016】
本発明の方法は、健常人の日常の分析、すなわち、非常に初期つまり治療処置によりヒトが治癒する蓋然性が通常非常に高い時期に腎機能障害を診断するために毎年行われる分析に特に好適である。
【0017】
上昇したアポA−IVレベルは、健常な対照人よりも高いレベルとして判別される。好ましくは、この上昇したレベルは、腎機能障害のないヒトから採取したリファレンスレベルよりも、少なくとも20%、好ましくは少なくとも50%、特に少なくとも70%高い。最適な「健常」リファレンス値は、同一のヒトから得た健常期の、即ちこのヒトに全く腎機能障害がなかった極初期のリファレンス値である。また、上昇したレベルの関連性の証明は、アポA−IVレベルが測定される方法にも依存するであろう。即ち、関連性アッセイの感受性、再現性など、診断の結果を定義するための重要な因子による。
【0018】
本発明の方法で診断されるヒトの測定値とリファレンス値との比較は、それらの値が誘導され測定される体液又は組織にも依存するであろう。当然、アポA−IV ELISAを用いて試験した場合、(健常)リファレンス値が、通常10〜18mgのアポA−IV/dl血清の範囲である血清を試験することが好ましい。このようなシステムでは、18mg、好ましくは22mg、特に28mgのアポA−IV/dl血清よりも高い値により、初期の腎機能障害を測定することができる。しかしながら、先に説明したように、これらの絶対値は、それぞれ非常に特異的なアポA−IV量の測定様式及びアポA−IV量が測定される体液又は組織に常に依存するであろう。
【0019】
血清について測定されるアポA−IV濃度は、血漿について測定される値と非常に高い相関がある。数%の差は、血清について測定される値は通常血漿について測定されるものよりも数%高いという一般的な観察により説明することができる。したがって、結果を、同一の「媒体」で測定しているリファレンス集団と比較する限り、測定を血漿で行っても血清で行っても差はない。
【0020】
血液由来体液以外で、本発明にしたがい試験される好ましい材料源には、腎組織、特に腎組織から得た生検材料、及びリンパを含めることができる。
本発明の方法を用いて、普通の腎疾患の特定の病理に関わりなく、初期のいかなる腎機能障害も診断することができる。好ましくは、この初期の腎機能障害は、初期糸球体腎炎、初期腎嚢胞、初期慢性「腎盂腎炎」又は初期糖尿病性腎症である。
【0021】
さらに、初期の腎機能障害において、冠動脈疾患に罹患するヒト又は粥状硬化性合併症のあるヒトは、健常人と比較して、そのように有意なアポA−IV濃度の上昇はないことが本発明により解析されている。これは、そのような冠動脈疾患に罹患するヒト又は粥状硬化性合併症に罹患するヒトにおいて、腎機能障害がない場合はアポA−IVが減少するという事実によるものでもある。したがって、そのようなヒトにおける初期腎機能障害の診断は、それらの状態に対応して適合させなければならず、そして冠動脈疾患又は粥状硬化性合併症に罹患するが腎機能障害のないヒトのリファレンスレベル(アポA−IVに関するそのようなリファレンスレベルは健常人よりも低いであろう)を考慮することによりなされる必要がある。したがって、冠動脈疾患又は粥状硬化性合併症に罹患するヒトにおいて本発明が実施される場合は、好ましくは、腎機能障害がないことを示すリファレンス値であって、腎機能障害がなく、そして冠動脈疾患にも粥状硬化性合併症にも罹患していないヒトよりも低いリファレンス値が提供される必要がある。そのような場合、初期腎機能障害がないことを示す、より低いリファレンス値は、腎機能障害に罹患しておらず、そして冠動脈疾患にも粥状硬化性合併症にも罹患していないヒトのリファレンス値よりも、少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、特に少なくとも60%低い。この場合、初期腎機能障害の欠如は、先に定義したように、6〜14mgのアポA−IV/dl血清という低いリファレンス値により特徴づけられる。そのような冠動脈疾患又は粥状硬化性合併症に罹患するヒトにおいて、初期の腎機能障害は、14mg、好ましくは18mg、特に22mgのアポA−IV/dl血清よりも高い値により診断されることができる。
【0022】
他の態様において、本発明は、初期に腎機能障害の進行を観察するための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法の使用に関する。したがって、本発明は、初期腎機能障害を診断するために、アポA−IV又はアポA−IVの分析剤若しくは測定剤を使用するためにも使用される。
【0023】
更なる態様によれば、本発明は、本発明の方法を実施するためのキットにも関するものであり、前記キットは:
−腎機能障害に罹患するか又は腎機能障害の危険性を有するヒトから得た体液若しくは組織のサンプルを含有する容器、又はこのサンプルが満たされていると仮定した容器、
−体液又は組織サンプル中のアポA−IV量測定手段、そして
−このヒトの初期腎機能障害の診断を可能にするリファレンス値手段、
を含む。
【0024】
アポA−IV量を測定する手段は、アポA−IVを分析/定量するための好適な手段、例えば、抗アポA−IV抗体、特にポリクローナル抗体、2次抗体、特に酵素標識又は化学標識された2次抗体、アポA−IV−RNA−特異的核酸、アポA−IV−特異的酵素アッセイ、アポA−IV−特異的ELISA又はそれらの組合せから選択することができる。
【0025】
このヒトの初期腎機能障害の診断を可能にするリファレンスレベルの手段は、好ましくは、予め決められた量のアポA−IVを有する容器、健常人から得た体液又は組織サンプルを有する容器、腎機能障害のあるヒトから得た体液又は組織サンプルを有する容器、これらはそれぞれ好ましくは凍結乾燥された形態である、検量線、キットの使用説明書、又はそれらの組合せから選択される。キットと共に、好ましくは、初期腎機能障害の診断に関する特異的情報を与える好適な指示(例えば書面で)も提供される必要がある。
【0026】
更なる態様において、本発明は、(初期)腎機能障害に罹患するヒトにおける冠動脈性心疾患の診断方法にも関するものであり、以下の工程:
−ヒトの体液又は組織サンプル中のアポA−IV量を測定し、そして
−アポA−IVの測定値とリファレンス値とを比較する、
ことにより特徴づけられる。
【0027】
アポA−IVが、(健常)正常集団における関連マーカーであることが示されていても、コレステロール又はHDLコレステロールのような冠動脈性心疾患の他のマーカーは、腎疾患のある患者、特に透析患者においてCHDマーカーとして役に立たなかったため、このタンパク質が腎疾患に罹患するヒトにおける冠動脈性心疾患に対する信頼できるマーカーであることを証明したことは驚きである。したがって、本発明の方法論により、冠動脈性心疾患(またはその危険性)を解析することも可能である。
【0028】
多くの場合、制限された腎機能についての予測変数として及び粥状動脈硬化症の存在についての予測変数として共通する場合のみ、アポA−IVの評価が可能なことが多い。即ち、患者のアポA−IVが高い場合、その腎機能が制限されるおそれがあるかどうかを決定しなければならない。値が低い場合は、これは粥状動脈硬化症が起こり得ることを示しているかもしれない。アポA−IVが「正常範囲」にある場合、当然、制限された腎機能と粥状動脈硬化症が同時にあるかもしれない。例えば、腎機能が制限されていることが知られている患者が、「健常」人に関し比較的正常なアポA−IVを有する場合、粥状硬化性変化の存在についても調査される必要性がある。
【0029】
本発明を以下の実施例及び図面により更に特徴づけるが、それらに限定されるものではない。
【実施例】
【0030】
方法:
患者 :
1997年に、ドイツ(Gottingen、Greifswald、Heidelberg、Homburg/Saar、Munich)、オーストリア(Feldkirch、Innsbruck)及び南チロル(Bozen)の8カ所の腎臓病部門から患者を召集した。患者の約3分の2は2つの部門(Heidelberg及びInnsbruck)から来ていた(23)。前年に少なくとも1回外来を訪れた19〜65歳の白人患者がこの研究に関与した。排除基準は、血清クレアチニンが>6mg/dl、召集時に糖尿病、悪性疾患、肝疾患、甲状腺疾患又は感染症であること、1日蛋白尿>3.5g/1.73mとして定義されるネフローゼ症候群、臓器移植、イオン性造影剤に対するアレルギー、及び妊娠であった。340人の患者が基準を満たし、そのうちの28人には連絡をとれず、85人が研究への参加を拒否した。残りの227人の患者がこの研究に関与した。彼らの特徴を表1に示す。本研究は倫理委員会組織により承認され、被験者は同意書面を提出している。
【0031】
【表1】
Figure 2004536323
観察者間の差を避けるため、参加センターを訪れた1人の医者により全腎疾患患者を召集した。インタビューにより粥状硬化性事象を含む患者履歴を記録し、患者記録と比較した。各患者は健康診断を受けた。腎疾患の主な原因は、97人の患者(90例において生検により確認した)が糸球体腎炎(GN)、37人の患者が腎嚢胞(PCKD)、24人の患者が慢性「腎盂腎炎」(PN)、43人の患者が他のタイプの腎疾患、26人の患者が不明であった。
【0032】
患者を、1997年にPROCAM研究センターの1つから召集された、腎機能障害も肝疾患もない同一人種の227人の年齢及び性別の一致する白人対照と比較した(24)。
【0033】
実験方法:
12時間の一晩絶食後、血清及びEDTA血漿を採取した。低速遠心後、サンプルを凍結させ、解析前に−80℃で保存した(25)。同一の外来訪問時、血清クレアチニンレベルに応じて、イオヘキソールの注入後2〜3の血液サンプルを得、イオヘキソール法によりGFRを測定した(26)。大部分腎機能障害が進行した18人の患者について、コッククロフトとゴールトの式を用いてGFRを計算した(27)。蛋白尿を測定するための24時間尿サンプルの採取に関し、患者は注意深く指示された。
【0034】
アポA−IV、Lp(a)、血清アルブミン、GFR、C反応性タンパク質(CRP)の測定、及びアポ(a)表現型判別は、実験室間の測定誤差を避けるために集中して、即ち単一実験室でそれぞれ行った。この時点で、本研究に協力する実験室スタッフは、患者の腎機能及び医学的履歴について、又は測定サンプルの分類が患者であるか対照であるかについて何も知らなかった。
【0035】
アフィニティ精製したウサギ抗ヒトアポA−IVポリクローナル抗血清を捕捉抗体として、西洋ワサビペルオキシダーゼに結合した同一抗体を検出抗体として用いる固相酵素イムノアッセイにより、血漿アポA−IV濃度を測定した(25、28)。アポA−IV含量が既知の血漿(高圧液体クロマトグラフィによるフェニルアラニンの定量後、精製アポA−IVで標準化したもの)は、較正標準として役立つ。このアッセイの、イントラアッセイ及びインターアッセイの変動係数は、それぞれ4.5%及び6.6%であった(25)。患者及び対照からのサンプルを、−70℃での同様のサンプル保存期間後に盲検様式で、1シリーズ2重で解析した。最近詳細に記載されたようにして(23)、Lp(a)定量及びアポ(a)表現型判別を行った。ロシュ(バーゼル、スイス)から入手したキットで血清アルブミン(ブロムクレゾールグリーン法)を測定した。先に記載されるように(25)、測定にはマイクロタイタープレートを用いた。Behring Diagnostics(N Latex CRP Mono;Behring Diagnostics,Marburg,Germany)から購入した試薬を用いてベーリングBNA比濁計でCRPを測定した。この試験の検出下限は0.02mg/dlであった。
【0036】
統計学的方法:
社会科学のための統計パッケージ(SPSS)、ウインドウズ10.0用を用いて統計解析を行った。変数が正常に分散していない場合は、対応のないt検定又はノンパラメトリックウィルコクソン順位和検定により、対照と腎疾患患者とのあいだの連続変数の1変量比較を行った。2元変数はピアソンのχ検定を用いて比較した。対照と、GFRの三分位値によりサブグループに分けられた腎疾患患者とのあいだの連続変数を、ANOVAを用いて比較した。正常に分散していない変数は、解析前に対数に変換した。スピアマンの相関検定を用いてアポA−IVと他の連続変数とを相関させた。患者の年齢及び蛋白尿についての血清アポA−IV濃度の補正を、直線回帰分析で行った。多重回帰分析を用いてそれぞれの変数と血清アポA−IV濃度との関連性を調査した。過去に発生した一般的な粥状硬化性事象についての予測変数を同定するためにロジスチック回帰分析を行った。
【0037】
結果:
アポA−IV濃度に対する腎機能の影響:
腎疾患患者は、対照と比較して、全コレステロール濃度、トリグリセリド濃度及びLp(a)濃度が有意に高かったが、HDL及びLDLコレステロールレベルに変化はなかった(表2)。アポA−I及びアポBの濃度は、患者において有意に低かった。最も際立った変化の1つはアポA−IV濃度であり、患者では対照よりも約70%も高かった(24.6±8.6対14.6±4.2mg/dl、P<0.001)。
【0038】
【表2】
Figure 2004536323
患者におけるアポA−IVといくつかの変数とのあいだの相関係数の計算により、腎機能パラメータと腎機能低下とともに起こるより高濃度のアポA−IVとのあいだに最も高い相関が得られた(血清クレアチニン r=0.73、血清尿素 r=0.66、及びGFR r=−0.62、1日蛋白尿 r=0.37)(表3及び図1)。年齢(r=0.20)、全コレステロール(r=0.13)、アポA−I(r=0.14)及びLp(a)(r=0.14)との相関は非常に低かった。年齢及び蛋白尿についてアポA−IV濃度を補正後も、依然として腎機能との相関が有意であることが判明した。しかし、リポタンパク質代謝の変数との相関は見られなかった。
【0039】
【表3】
Figure 2004536323
どの段階の腎機能障害でアポA−IV濃度が増加し始めるかを調査するために、腎機能の3つの段階においてアポA−IV濃度を計算した(表4)。このため、腎疾患患者をGFRの三分位値、即ち、>90ml/分/1.73m、45〜90ml/分/1.73m、及び<45ml/分/1.73mにしたがい分類した。アポA−IV濃度は腎機能低下とともに有意に増加し(ANOVAでP<0.001)、初期腎疾患患者群ですでにアポA−IVは増加しているが、対照と比較すると彼らのGRF値は依然としてほとんど正常であった(>90ml/分/1.73m)(17.7±6.2対14.6±4.2mg/dl、P<0.001)。これらの発見は、患者のアポA−IV濃度を年齢及び蛋白尿について補正したときも変化しなかった。腎疾患の主な原因がアポA−IV濃度に影響を及ぼすかどうかについても調べた。腎嚢胞の患者は、糸球体腎炎と比較した場合、アポA−IV濃度がわずかに高い傾向を示した(25.6±8.8対23.0±8.1mg/dl、P=0.11)。しかしながら、GFR及び蛋白尿の差についてアポA−IV濃度を補正したとき、これら2つの患者群でアポA−IVレベルにもはや差はなかった(24.5±6.7対23.5±7.1mg/dl、P=0.48)。
【0040】
【表4】
Figure 2004536323
次の段階で、どの変数が腎疾患患者のアポA−IV濃度に有意に関連するか、多重回帰分析により解析した。GFR、血清クレアチニン、及び血清尿素は非常に相関しているため、3つの異なるモデルについて計算したところ、非常に類似した結果を得た。アポA−IVは腎機能のパラメータと最も強い関連性を示し(GFR又は血清クレアチニン又は血清尿素)、約35%のアポA−IV濃度について説明した。さらに、非常に小さなものであるが、蛋白尿及びアポA−IがアポA−IV濃度に対して寄与した(表5)。
【0041】
【表5】
Figure 2004536323
多重回帰モデルに有意に寄与しなかった変数及び相互作用関係:全コレステロール、HDL及びLDLコレステロール、トリグリセリド、アポリポタンパク質B、リポタンパク質(a)、血清アルブミン、喫煙、肥満指数、年齢、性別、並びに相互作用関係GFR*蛋白尿、クレアチニン*蛋白尿、及び尿素*蛋白尿。
「ln蛋白尿」は変数が対数に変換されていることを意味する。
【0042】
GFR、クレアチニン及び尿素に対する係数及びSEは、よりよい解釈のための自然な尺度を提供する。対数に変換された値を使用しても、モデルに対するこれらの変数の寄与は同様であった。
【0043】
アポA−IV及び粥状硬化性合併症:
最後に、アポA−IV濃度と存在する粥状硬化性合併症との関連性について解析した。26人の患者は、36の粥状硬化性事象を体験しており、その中には17の冠事象(多くは心筋梗塞及び大動脈冠動脈バイパス)、9の卒中、及び末梢動脈系に影響する10の事象が含まれる。粥状硬化性合併症を有する患者は、GFRの3つの範囲全てにおいて、合併症のない患者と比較して、少なくともアポA−IV濃度が低下する傾向を示した(表6)。十中八九各範囲のサンプルサイズが小さいために、全ての群で差が有意なわけではなかった。この解析において、全患者群に対し、GFRを含むロジスチック回帰分析も行った。最も貧弱なモデルが、粥状硬化性合併症に関連する3つの変数を同定した:年齢、アポA−IV、及び性別である(表7)。アポA−IVがそれぞれ1mg/dl増加すると、粥状硬化性合併症に対するオッズ比が8%減少した(P=0.011)。低分子アポ(a)表現型及びGFRは粥状硬化性合併症との関連性が標準に満たなかった(表7)。
【0044】
【表6】
Figure 2004536323
【0045】
【表7】
Figure 2004536323
モデル内にない変数:低分子アポ(a)表現型(P=0.11)及び対数変換GFR(P=0.16)
議論 :
アポA−IV濃度に対する腎機能の影響:
ここで提示する研究は血清アポA−IV濃度に対する腎機能の強力な影響を証明している。初期の研究は、末期腎疾患患者アポA−IV濃度が顕著に増加することを示していた(18〜20、22)。しかしながら、ほとんどGFR値が正常な腎疾患によるわずかな障害でさえアポA−IV濃度の有意な増加を伴うことは全く知られていなかった。したがって、アポA−IVは腎機能障害の初期マーカーであると思われる。これはまたSun et al.による中高年の男性及び女性における最も最近の研究が、アポA−IV濃度の主要な決定要素として糖尿病を同定したことの理由であるかもしれない(29)。多くの糖尿病患者が腎機能障害を有しているため、そして腎機能の非常に軽度な障害がすでにアポA−IVの増加と関連しているため、糖尿病自体というよりも腎機能がアポA−IVの増加の原因であると考えられる。これは、糖尿病はアポA−IVの増加が生じていたにも関わらず本研究において排除基準であったため、本データによりさらに支持される。さらに、末期腎疾患患者における初期の研究において、189人の糖尿病患者と513人の非糖尿病患者を比較して、アポA−IVレベルに差は観察されなかった(22)。しかしながら、糖尿病患者における他の研究は、これらの患者のアポA−IV上昇について報告しているが、腎機能について注意深く評価していない(30、31)。Verges et al.は腎不全患者のみを排除したが、彼らは排除基準についての詳細な情報を提供しなかった(30、31)。しかしながら、およそ40%の患者はミクロアルブミン尿症であり(31)、少なくとも、アポA−IV濃度に有意に影響することが予想される腎疾患の併発を示している。
【0046】
Sun及び同僚による研究は、糖尿病の他に、腎機能により主に説明することができる、年齢とアポA−IV濃度とのあいだの有意な相関についても報告している(29)。加齢がネフロン及び糸球体ろか速度の非常に大きな欠失に関連していることは周知である。年齢が70歳の人は、GFRが若い成年のわずかに約60〜70%である。したがって、多くの例において、すでにアポA−IVレベルの顕著な増加を示している我々の患者の平均GFR三分位値内にあるような範囲内に、GFRがすでにある。PROCAM研究により召集された対照群のアポA−IVを年齢と相関させたとき、有意な相関は観察されなかった(r=0.057、P=0.39)。これは、腎機能障害を有する多くの対照が、血清クレアチニンが>1.5mg/dl及び/又はマクロアルブミン尿症を排除基準として採用することにより、解析から排除されたという事実により単純に説明することができる。これは、ケースコントロール研究における腎機能に関し、アポA−IV濃度を徹底的に制御する必要性を明確に示している。腎機能が考慮されない場合は、試験される人と対照とのあいだで腎機能に差が存在する場合に結果の解釈が誤った方向に導かれる可能性がある。結果は、試験される人及び対照における腎機能の分類により、関連性が偽陽性又は偽陰性のいずれかとなるであろう。腎臓問題においてアポA−IVが完全に機能的であるかどうかについて回答すべき疑問が残されている。尿毒症が、例えばアポA−IVの酵素活性化及び抗酸化特性に対して影響することが考えられるであろう。しかしながら、機能不全を補償するためのアポA−IVの増加は起こりそうにない。アポA−IVの増加は2次的であり、腎臓における代謝障害により生ずるということも非常にありそうに見える。これはアポA−IVが腎臓及び肝臓により代謝されるというラットにおける観察により支持される。組織学的解析により、アポA−IVが近位尿細管細胞内及び尿細管腔に局在することが示された(32)。およそ46kDaの分子量により、アポA−IVは、少なくともそのリポタンパク質非結合(遊離)型で糸球体によりろ過されることができる。次に、近位尿細管による取り込み後、分解されるであろう。しかしながら、依然として、ヒトにおける代謝経路がラットと同じであるか決定される必要がある。
【0047】
アポA−IV及び粥状硬化性合併症:
最近、血管造影的に明示されたCADを有する114人の白人試験男性において、年齢を調整した114人の男性対照と比較して、有意に低いアポA−IVレベルが初めて報告された。(10.2±3.8mg/dl対15.1±4.0mg/dl、P<0.001)。これはアポA−IVレベル間の関係を反対にし、血管造影的に示されたCADを有する68人のアジアのインド人男性及び年齢が一致する68人の対照の独立サンプルにおいてCADの存在が確認された。この知見と一致して、事象のない対象と比較し、より低濃度のアポA−IVがすでに粥状硬化性事象を体験している患者において観察された。これは3つの範囲のGFR全てにおいて観察されたが、最も低いGFRの範囲においてのみ、通常の有意レベルに達した。これは、1つの個別範囲における事象を有する少人数の患者により説明されるであろう(表6)。統計モデルに対してGFRが提示されているロジスチック回帰分析において全群が検討されたとき、GFRにかかわらず、アポA−IVは事象に対する信頼できる予測変数であることを証明した(表7)。この関係が非常に起こり得る証拠は強力である:コレステロール逆輸送のいくつかの工程へのアポA−IVの関与を示す細胞培養研究(9〜14)、並びに抗酸化特性(33);粥状動脈硬化症を減少させたマウスにおけるヒト及びマウスアポA−IVの過剰発現(16、17);そして最後に、血管造影的に証明されたCADを有する男性におけるより低濃度のアポA−IVについての最初の結果(34)。
【0048】
本研究及び他の研究の結果(34)は、大血管合併症のない患者と比較して有意に高濃度の患者のアポA−IVについて記載する、インスリン非依存性糖尿病患者における調査とは対照的である(31)。この食い違いの説明は、大血管合併症を有する糖尿病患者におけるミクロアルブミン尿症及び随伴する腎機能障害の罹患率の上昇により説明されるであろう。したがって、大血管合併症を有する糖尿病患者におけるより高いアポA−IVレベルは、単純に腎機能障害を反映するかもしれない。
【0049】
現在、治療的介入の開発に使用され得る血清アポA−IV濃度の調節についてはほとんど知られていない。アポA−IV濃度を上昇させる治療剤が開発されるや否や、アポA−IVの病原性を調査するための最も説得力のある実験の1つとして使用されるであろう。
【0050】
腎疾患患者は、彼らがそのように高濃度のアポA−IVを有するとき、粥状硬化性合併症に関し、何故そのように高い危険性を有するのかと尋ねるであろう(35)。アポA−IVが実際に抗アテローム発生性特性を有する場合、これらの患者は非腎疾患患者よりもより保護される必要がある。この議論は一変量の点で非常に興味をそそる。しかしながら、これらの患者において、いくつかの粥状動脈硬化症危険因子は好ましくないプロフィールに向かって実質的にシフトすることを念頭に置くべきである(35)。伝統的な粥状動脈硬化症危険因子の変化の他に、最近、Lp(a)及びホモシステインについての顕著な変化が、腎疾患がGFRのほんのわずかな変化に関与する段階においてさえ(23、38、39)示されている(概説として(36、37)を参照されたい)。いくつかの研究は、ホモシステイン及びLp(a)そして特に低分子アポ(a)表現型のLp(a)が、これらの患者において、粥状動脈硬化症の重要な危険因子であることを証明した(40〜48)。アポA−IVがこの負担を打ち消すか否かは未だに解決されていないが、この仮定は粥状硬化性問題を有する患者のより低いアポA−IVレベルにより支持される。
【0051】
本研究の患者はHDLコレステロール値が正常であるが、アポA−Iレベルは顕著に低下していることは興味深い知見である。他の研究は、通常、より低いGFR濃度を有するより進行した段階にある腎機能障害患者について調査し、HDLコレステロール濃度の減少について記載している(49〜51)。これらの調査とは対照的に、本研究における患者は、より高い平均GFRであるおよそ70ml/分/1.73mを示し、HDLコレステロールの減少が、コレステロール逆輸送経路の障害の徴候であり得るアポA−I枯渇又はHDLコレステロールの脂質粒子蓄積に先行されることを示唆している。アポA−I及びアポA−IVは実質的な機能の重複を示すため(例えばLCAT活性化)、アポA−IVの増加はアポA−Iの減少を補償するためのものであるのか否かを決定するべきである。
【0052】
要するに、初期腎不全でアポA−IVが上昇し始めることを本データは明確に示しており、アポA−IVを腎機能障害の初期マーカーにする。さらに、軽度及び中程度の腎不全患者において、アポA−IVは粥状硬化性合併症に関連しているようにみえる。
【0053】
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【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】アポA−IVと腎機能パラメータ(血清クレアチニン、血清尿素、糸球体ろ過速度(GFR)及び1日蛋白尿、r=0.37)との相関を示す。

Claims (18)

  1. 以下の行程:
    −ヒトの体液又は組織サンプル中のアポA−IVの量を測定し、そして
    −アポA−IVの測定値とリファレンス値とを比較する、
    ことを特徴とする、ヒトにおいて初期に腎機能障害を診断する方法。
  2. このリファレンス値が腎機能障害のないヒトから得られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 初期の腎機能障害が、体液又は組織サンプル中のアポA−IVの増加レベルとして診断されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. この増加値が、リファレンス値よりも少なくとも20%、好ましくは少なくとも50%、特に少なくとも70%高いことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. このリファレンス値が、10〜18mgのアポA−IV/dl血清であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 初期の腎機能障害が、18mg、好ましくは22mg、特に28mgのアポA−IV/dl血清よりも高値として診断されることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. この初期腎機能障害が、初期糸球体腎炎、初期腎嚢胞、初期慢性「腎盂腎炎」、又は初期糖尿病性腎症であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 冠動脈疾患に罹患するヒト又は粥状硬化性合併症に罹患するヒトに対し、腎機能障害がなく、冠動脈疾患も粥状硬化性合併症もないヒトよりも低い、腎機能障害の欠如を示すリファレンス値が提供されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 初期腎機能障害の欠如を示すこのより低いリファレンス値が、腎機能障害がなく、冠動脈疾患も粥状硬化性合併症もないヒトのリファレンス値よりも少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、特に少なくとも60%低いことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. このより低いリファレンス値が、6〜14mgのアポA−IV/dl血清であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 冠動脈疾患又は粥状硬化性合併症に罹患するヒトの初期腎機能障害が、14mg、好ましくは18mg、特に22mgのアポA−IV/dl血清よりも高いレベルとして診断されることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 初期腎機能障害の進行を観察するための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法の使用。
  13. この腎機能障害が初期糸球体腎炎、腎嚢胞、慢性「腎盂腎炎」又は糖尿病性腎症である、請求項12に記載の使用。
  14. 冠動脈疾患に罹患するヒト又は粥状硬化性合併症に罹患するヒトの鑑別診断のための、請求項14に記載の使用。
  15. −腎機能障害に罹患するか又は腎機能障害の危険性を有するヒトから得た体液若しくは組織サンプルを含有する容器、又はこのサンプルが満たされていると仮定した容器、
    −体液又は組織サンプル中のアポA−IV量測定手段、そして
    −このヒトの初期腎機能障害の診断を可能にするリファレンス値手段、
    を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法を行うためのキット。
  16. このアポA−IV量測定手段が、抗アポA−IV抗体、特にポリクローナル抗体、2次抗体、特に酵素標識若しくは化学標識された2次抗体、アポA−IV−RNA−特異的核酸、アポA−IV−特異的酵素試験、アポA−IV−特異的ELISA又はそれらの組合せから選択されることを特徴とする、請求項15に記載のキット。
  17. このリファレンス値が、予め決められた量のアポA−IVを含有する容器、健常人の体液若しくは組織サンプルを含有する容器、腎機能障害に罹患するヒトの体液若しくは組織サンプルを含有する容器、これらはそれぞれ好ましくは凍結乾燥された形態である、検量線、キットの使用説明書、又はそれらの組合せから選択されることを特徴とする、請求項15又は16に記載のキット。
  18. 以下の行程:
    −ヒトの体液又は組織サンプル中のアポA−IV量を測定し、そして
    −アポA−IVの測定値とリファレンス値とを比較する、
    ことを特徴とする、(初期)腎機能障害に罹患するヒトにおける冠動脈性心疾患の診断方法。
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