JP2004531993A - キャッシュ及び空白化手法を用いてテキストベースの圧縮を行なうための装置と方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、一般的に、通信システムの分野に関し、特に、テキストベースの圧縮方式に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電話通信サービスは、主として、回線交換網を介して提供される。急速に台頭しつつある新様式の所謂IP電話通信は、インターネットプロトコル(IP)ネットワークを介して、電話通信サービスを提供する。データネットワークを介した音声トラフィック搬送の動因は、音声とデータアプリケーションの統合であるが、このことによって、ビジネスプロセスの効率が高まり、音声通話コストが低減され、また、企業や顧客が数多くの新しいサービスを利用できるようになる。IP電話通信が提供する柔軟性は、情報交換がネットワークから端末局に移ることにあり、これによって、従来存在しなかった数多くの新しいサービスが利用可能になる。インターネット電話通信とセルラ式電話通信を統合しようとする場合、端末間通話確立遅延及び音声品質という2つの側面が注目される。
【0003】
セッション起動プロトコル(SIP)及びセッション記述プロトコル(SDP)等のプロトコルは、通常、通話の確立や切断に用いられる。しかしながら、SIPやSDP等のASCIIベースのプロトコルを帯域が限定されたアクセスネットワークで採用すると、通話確立に多大な遅延が生じる。規模が大きいテキストメッセージを無線インターフェイスで送信しても、伝送媒体を極めて非効率的に用いることになる。更に、GSM_EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)等、従来の技術を受け継いだ高度時分割多元(TDM)セルラ式送受信機には、受信通話SIP通信メッセージを送信するために、音声帯域幅を“盗用”しなければならないものがある。音声帯域幅をこのように盗用すると、無音の状態が長く続く可能性がある。
【0004】
従って、スペクトル効率を向上し、伝送遅延を低減し、また、回線交換システムと比較して遜色の無いレベルのサービス品質を提供するために、テキストベースのメッセージを圧縮する方法に対するニーズがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、スペクトル効率を向上し、伝送遅延を低減し、また、回線交換システムと比較して遜色の無いレベルのサービス品質を提供するために、テキストベースのメッセージを圧縮するための方法と装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
特に、本発明は、キャッシュ及び空白化手法(TCCB)を用いて、テキストベースの圧縮を行なうための装置と方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
TCCBは、拡張可能であり、様々なアクセス技術で動作することが可能であり、また、その原理は、あらゆるテキストベースのプロトコルに適用し得る。TCCB法の利点は、テキストベースメッセージを圧縮したり解凍したりするために、ユーザ装置(UE)(例:移動装置)とピアコアネットワークエンティティ(例:プロキシCSCF)だけが情報の記憶と検索に関与すればよいことである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本発明によるTCCB装置及び方法を実現するために用い得る構成を示すブロック図である。好適な実施形態において、この構成には、無線アクセスネットワーク(RAN)104に接続された移動装置100とプロキシCSCF(P−CSCF)102とが含まれる。移動装置100は、RAN104に無線インターフェイス106を介してRAN104に接続され、また、P−CSCF102は、IPインターフェイス108を介してRAN104に接続される。上記構成要素の機能と接続性に関する更に詳細な説明は、TR23.821v1.0.0(2000−06)のセクション5及び3GPP_TS23.060v4.0.0(2001−03)のセクション5.6.1.1を参照されたい。当技術分野で知られているように、移動装置100及びP−CSCF102のソフトウェア構成には、通常、マイクロプロセッサ上で走る7層の階層が含まれる。この階層には、上層から下層に向かって、アプリケーション層110、124;テキストベースプロトコル(TBP)層112、126;ユーザデータグラムプロトコル(UDP)層116、130;トランスミッション・コントロール・プロトコル(TCP)層118、132;IP層120、134;及び物理層122、136が含まれる。UDP、IP、及びTCP層は、一般的に、下位トランスポート層と呼ばれる。OSI参照モデル(7レイヤモデル)については、アンドリュ・S・タネンバウム(Andrew_S_Tannenbaum)による“コンピュータネットワーク”(第2版)15−20頁に詳細に説明してある。本発明は、新たなTCCB層114、128を導入する。好適な実施形態において、TCCB層114、128は、TBP層112、126と下位トランスポート層との間に位置する。TCCB層114、128は、圧縮されたメッセージを用いて、移動装置100とP−CSCF102が通信可能なように構成されている。移動装置100において、TCCB層114は、移動装置キャッシュ(MDC)115を含む。P−CSCF102において、TCCB層128は、コアネットワークキャッシュ(CNC)127を含む。本発明によるTCCB法を参照して後述するように、移動装置100とP−CSCF102との間で送信されるメッセージを圧縮したり解凍したりするために用いられる情報テーブルが、MDC115とCNC127を用いて記憶される。本発明によるTCCB法は、任意の市販のマイクロプロセッサを用いて実現できる。
【0009】
移動装置100及びP−CSCF102双方におけるTCCB層114、128には、本発明による圧縮方法と解凍方法とが含まれる。移動装置100又はP−CSCF102の何れかがメッセージ送信の準備が整った場合、TCCB圧縮法が、呼び出され、メッセージに含まれる冗長なヘッダ情報が全て除去される。冗長なヘッダ情報は、受信装置のMDC115又はCNC127に既に記憶された送信装置から発せられる情報である。このことが起こり得るのは、例えば、ヘッダのコンテンツが、特定のセッションの間、以前送信されたメッセージから変化しなかった時である。TCCB圧縮法が、ヘッダのコンテンツは、特定のシーケンスの間、以前送信又は受信されたものと同じであると検出した場合、TCCB法は、ヘッダコンテンツを空白にする。受信装置において、ヘッダコンテンツが空白状態であるメッセージをTCCB層が受信した場合、TCCB解凍方法が呼び出され、そのキャッシュからヘッダを再構成する。圧縮方法と解凍方法の詳細については、図2及び3のフローチャートを参照して後述する。
【0010】
図2は、本発明によるTCCB圧縮法の好適な実施形態を示すフロー図である。ステップ202において、本方法は、送信されるメッセージの特性(例:タイプ)を判断する。メッセージのタイプの場合、本方法は、メッセージのどのヘッダ(群)が、キャッシュ115又は127を指す正しいインデックス情報を含むか判断する(ステップ204)。例えば、移動装置100が、メッセージを送信中であれば、キャッシュ115を指す正しいインデックス情報は、ステップ204で判断される。ステップ206において、本方法は、変数“i”を初期化する。この変数は、動作が継続しているメッセージの特定のヘッダを追跡するために用いられる。ステップ207において、本方法は、ヘッダ(i)にコンテンツがあるかどうか判断する。ヘッダにコンテンツがある場合、ステップ207において、本方法は、MDC115又はCNC127を指すインデックス情報を用いて、テーブルからヘッダ(i)のコンテンツを抽出する。ステップ210において、本方法は、テーブルからの情報がメッセージ中のヘッダ(i)のコンテンツと合致するかどうか判断する。情報が合致しない場合、本方法は、ステップ214において、メッセージからのヘッダ(i)のコンテンツをテーブルに記憶する。ステップ216において、本方法は、次のヘッダを指すように“i”をインクリメントして処理する。ステップ218において、本方法は、メッセージの全てのヘッダが処理されたかどうか判断する。全てのヘッダが処理されていた場合、本方法は、下位トランスポート層116、118、120、130、132、134(図1)の1つにメッセージを転送して、送信する(ステップ220)。全てのヘッダが処理されていなかった場合、本方法は、ステップ208に戻り、残りのヘッダの処理を継続する。
【0011】
再度ステップ207において、ヘッダ(i)にコンテンツが無い場合、本方法は、ステップ216に進み、“i”をインクリメントして、残りのあらゆるヘッダの処理を継続する。再度ステップ210において、テーブルからの情報がメッセージのヘッダ(i)のコンテンツに合致する場合、ステップ212において、本方法は、ヘッダ(i)がメッセージのタイプであるか、又は、ヘッダ(i)がキャッシュを指すインデックス情報を含むか、判断する。ヘッダ(i)が、メッセージのタイプでなく、また、インデックス情報を含まない場合、本方法は、ヘッダ(i)のコンテンツを空白にする(ステップ222)。次に、本方法は、“i”をインクリメントして(ステップ216)進み、残りのあらゆるヘッダの処理を継続する。ステップ212において、本方法が、ヘッダ(i)は、メッセージのタイプである、又は、キャッシュを指すインデックス情報を含むと判断した場合、本方法は、ステップ222を飛び越し、ステップ216で“i”をインクリメントして、残りのあらゆるヘッダの処理を継続する。好適な実施形態において、メッセージのタイプを表すヘッダ(要求行)やインデックス情報を含むヘッダは、空白にすることはできない。
【0012】
図3は、本発明によるTCCB解凍法の好適な実施形態を示すフロー図である。ステップ302において、本方法は、受信されたメッセージの特性(例:タイプ)を判断する。判断された特性に対して、本方法は、メッセージのどのヘッダ(群)が、キャッシュ115又は127を指す正しいインデックス情報を含むか判断する(ステップ304)。例えば、P−CSCF102が、メッセージを受信中であれば、キャッシュ127を指す正しいインデックス情報は、ステップ304で判断される。ステップ306において、本方法は、変数“i”を1に初期化する。ステップ307において、本方法は、ヘッダ(i)が、メッセージネーム及びプロトコルを含むかどうか判断する。この答えが“いいえ”である場合、ステップ308において、本方法は、ヘッダ(i)のコンテンツが空白状態であるかどうか判断する。コンテンツが空白状態でない場合、本方法は、MDC115又はCNC127を指すインデックス情報を用いて、受信メッセージ中のヘッダ(i)のコンテンツをヘッダ(i)に対応するテーブルに記憶する(ステップ312)。ステップ314において、本方法は、“i”をインクリメントする。ステップ316において、本方法は、メッセージの全てのヘッダが処理されたかどうか判断する。全てのヘッダが処理されていた場合、ステップ318において、本方法は、TBP層112、126(図1)にメッセージを転送して、処理する。全てのヘッダが処理されていなかった場合、本方法は、ステップ308に戻り、残りのヘッダの処理を継続する。
【0013】
再度ステップ307において、答えが“はい”である場合、本方法は、ステップ314に進み、“i”をインクリメントして、残りのあらゆるヘッダの処理を継続する。再度ステップ308において、メッセージ中のヘッダ(i)のコンテンツが空白状態である場合、本方法は、インデックス情報を用いてヘッダ(i)に対応するキャッシュテーブルにアクセスして、テーブルから情報を抽出しメッセージ中のヘッダ(i)のコンテンツを埋める(ステップ310)。次に、本方法は、ステップ314で“i”をインクリメントして、残りのあらゆるヘッダの処理を継続する。
【0014】
TCCB圧縮及び解凍法がどのように動作するか例示するために、移動装置100のP−CSCF102への登録例について説明する。この例の特徴は、SIPメッセージが、移動装置100とP−CSCF102との間で交換されることである。しかしながら、任意のテキストベースメッセージを、本発明に用いることができる。第1の例は、移動装置100起動後における初めての登録である。プロセスを開始するために、REGISTER要求が、MD100(図1)のアプリケーション層110からTCCB層114送信される。本例では、メッセージには、以下のフィールド(ヘッダ)がある。
【0015】
このメッセージには、8つのヘッダ、即ち、REGISTER、Via、From、To、Call−ID、Cseq、Contact、及びExpiresが含まれる。各ヘッダのコンテンツは、コロンの後に示す情報であるが、第1行(要求行)は例外であり、ここでは、コンテンツがメッセージネームの後の全てである。例えば、“REGISTER”ヘッダのコンテンツは、“sip:bell−tel.comSIP/2.0”である。“Via”ヘッダのコンテンツは、“SIP/2.0/UDPsaturn.bell−tel.com”である。
【0016】
TCCB層114、128は、圧縮方法を呼び出して、(可能ならば)メッセージを圧縮した後、トランスポート層116、118、120、130、132、134にそれを送り、送信する。図2の圧縮アルゴリズムにおいて、本方法は、ステップ202で、メッセージが“REGISTER”メッセージであると判断する。この判断は、メッセージの要求行(第1行)を見ることによって行なわれる。ステップ204において、本方法は、どのヘッダが、要求行に対応するMDC115のテーブルを指す正しいインデックス情報を含むか判断する。好適な実施形態において、“To”ヘッダは、“REGISTER”メッセージ用のインデックス情報を含む。他の実施形態において、異なるヘッダ又は異なる組み合わせのヘッダが、このインデックス情報を含み得る。ステップ206において、本方法は、REGISTERメッセージの第1ヘッダ(ヘッダ(1))を指すように、変数“i”を1に初期化する。ステップ207において、本方法は、REGISTERメッセージにコンテンツがあると判断し、ステップ208において、“To”ヘッダのコンテンツを、MDC115の要求行テーブルを指すインデックス情報として用いる。本例において、“sip:watson@bell−tel.com”は、正しいインデックス情報である。ステップ210において、本方法は、要求行テーブルのコンテンツが、本例では“sip:bell−tel.comSIP/2.0”であるヘッダ(1)のコンテンツと合致するかどうか判断する。これは、送信される最初のメッセージであることから、このメッセージは、MDC115にまだ記憶されていない。ステップ214において、本方法は、“sip:bell−tel.comSIP/2.0”をMDC115の要求行テーブルに記憶する。
【0017】
ステップ216において、本方法は、“Via”ヘッダ(ヘッダ(2))を指すように“i”をインクリメントして、処理する。ステップ218において、本方法は、処理すべきヘッダが更に存在すると判断して、ステップ207に戻る。本方法は、全てのヘッダが処理されるまで、ステップ207、208、210、214、216、及び218を繰り返す。本方法は、“To”ヘッダコンテンツをインデックス情報として用いて、そのMDC115中の対応するテーブルとメッセージの各ヘッダのコンテンツとを突き合わせてチェックする。これは、送信される最初のメッセージであることから、ヘッダコンテンツは何れもMDC115に未だ記憶されておらず、また、ヘッダコンテンツは何れも空白にされない。最後のヘッダが処理された時、このメッセージは、(上述したように)圧縮されていない状態で、下位トランスポート層114、118、120の内の1つに送られ、無線インターフェイス106を介して、RAN104に送信される。メッセージは、図4に示すようにMDC115に記憶される。RAN104は、IPインターフェイス108を介して、P−CSCF102にメッセージを転送する。
【0018】
メッセージを受信すると、P−CSCF102は、本発明による解凍方法を呼び出す。図3において、ステップ302で、本方法は、REGISTERメッセージを受信したと判断する。ステップ304において、本方法は、REGISTERメッセージの場合、“To”ヘッダがCNC127(図1)を指すインデックス情報を含んでいると判断する。ステップ306において、本方法は、受信メッセージの第1ヘッダを指すように“i”を1に初期化する。ステップ307において、本方法は、ヘッダ(1)がメッセージネーム及びプロトコルを含まないと判断して、ステップ308において、ヘッダ(1)のコンテンツが空白状態でないと判断する。ステップ312において、本方法は、インデックス情報を用いて、ヘッダ(1)のコンテンツ“sip:bell−tel.comSIP/2.0”で要求行テーブルを更新する。ステップ314において、本方法は、ヘッダ(2)を指すように、“i”をインクリメントする。ステップ316において、本方法は、処理すべきヘッダが更に存在すると判断して、全てのヘッダが処理されるまで、ステップ307、308、312、314、及び316を繰り返す。全てのヘッダが処理されると、メッセージは、TBP層126に転送され、処理される(ステップ318)。CNC127は、図5に示す値を含む。
【0019】
本例において、P−CSCF102は、“REGISTER”メッセージに“200OK”メッセージで応答する。200OKメッセージは、以下の通りである。
200OKメッセージにはコンテンツが無いことに留意されたい。200OKメッセージのヘッダは、“SIP/2.0200OK”である。P−CSCF102は、圧縮方法を呼び出して、ヘッダコンテンツ全てを空白にした後、移動装置100に送信し得るか判断する。図2において、本方法は、このメッセージが200OKメッセージであると判断する(ステップ202)。ステップ204において、本方法は、“To”ヘッダが、200OKメッセージ用のインデックス情報を含むと判断する。(他の実施形態において、他のヘッダ又は他の組み合わせのヘッダが、このインデックス情報を含み得る。)ステップ206において、本方法は、要求行ヘッダ(ヘッダ(1))を指すように、変数“i”を1に初期化する。ステップ207において、本方法は、ヘッダ(1)には、コンテンツが無いと判断して、ステップ216に進み、“i”をインクリメントする。ステップ218において、本方法は、処理すべきヘッダが更に存在すると判断して、ステップ207に進む。ステップ207において、本方法は、ヘッダ(2)、つまり、“Via”ヘッダにコンテンツがあると判断する。ステップ208において、本方法は、“sip:watson@bell−tel.com”を、CNC127のViaテーブルを指すインデックス情報として用いる。図5に示すように、Viaテーブルのコンテンツは、“SIP/2.0/UDPsaturn.bell−tel.com”である。従って、ステップ210において、本方法は、CNC127のViaテーブルのコンテンツは、メッセージのViaヘッダ(ヘッダ(2))のコンテンツと合致すると判断する。ステップ212において、本方法は、ヘッダ(2)が、メッセージのタイプではなく、また、インデックス情報を含まないと判断して、Viaヘッダのコンテンツを空白にする(ステップ222)。次に、本方法は、ステップ216に進み“i”をインクリメントする。
【0020】
ステップ218において、本方法は、処理すべきヘッダが更に存在すると判断して、ステップ207に進む。ステップ207において、本方法は、ヘッダ(3)にコンテンツがあると判断し、ステップ208において、“sip:watson@bell−tel.com”を、CNC127の“From”テーブルを指すインデックス情報として用いる。図5に示すように、Fromテーブルのコンテンツは、“<sip:watson@bell−tel.com>;tag=19a1”であり、これは、200OKメッセージ中のFromヘッダのコンテンツと合致する。ステップ210において、本方法は、合致したと判断して、ステップ212において、Fromヘッダがメッセージのタイプを示すかどうか、又は、インデックス情報を含むかどうか判断する。この両方の質問に対する答えは“いいえ”であるため、本方法は、Fromヘッダのコンテンツを空白にして(ステップ222)、ステップ216で“i”をインクリメントして“Call−ID”ヘッダ(ヘッダ(4))を処理する。
【0021】
残りのヘッダが処理された後、圧縮された200OKメッセージは、以下のようになる。即ち、
SIP/2.0200OK
Via:
From:
To:sip:watson@bell−tel.com
Call−ID:
Cseq:
Contact:
圧縮されたメッセージは、下位トランスポート層130、132、134の内の1つに送られ、移動装置100に送信される。
【0022】
移動装置100のTCCB層114において、圧縮された200OKメッセージが受信されると、解凍方法が呼び出される。図3において、本方法は、“200OK”メッセージが受信されたと判断する(ステップ302)。ステップ304において、本方法は、“To”ヘッダのコンテンツは、MDC115を指すインデックス情報を含むと判断する。ステップ306において、変数“i”を1に初期化する。ステップ307において、本方法は、ヘッダ(1)がメッセージネーム(200OK)及びプロトコル(SIP)を含むと判断し、ステップ314において、“i”をインクリメントする。ステップ316において、本方法は、処理すべきヘッダが更に存在すると判断して、ステップ307に進む。ステップ307において、本方法は、ヘッダ(2)にメッセージネーム及びプロトコルが含まれないと判断する。ステップ308において、本方法は、ヘッダ(2)のコンテンツは、空白状態であると判断して、“sip:watson@bell−tel.com”を用いて、“Via”テーブル(SIP/2.0/UDPsaturn.bell−tel.com)から情報を抽出し、メッセージの“Via”ヘッダのコンテンツを埋める。ステップ314において、本方法は、ヘッダ(3)を指すように“i”をインクリメントする。ステップ316において、本方法は、処理すべきヘッダが更に存在すると判断して、ステップ308に進む。本方法は、メッセージ中の全てのヘッダが、MDCテーブルの情報で埋められるまで、ステップ307、308、310、314、及び316を繰り返す。ステップ318において、解凍されたメッセージが、TBP層112に転送され、処理される。
【0023】
本発明による圧縮及び解凍方法は、MDC115及びCNC127を指す多重レベル索引付けを用いても実現し得る。一例として、“INVITE”メッセージが移動装置100からP−CSCF102に送信される前に、移動装置100のP−CSCF102への登録が成功した場合を考える。INVITEメッセージの場合、圧縮及び解凍方法は、必要な場合、“From“ヘッダコンテンツと“To”ヘッダコンテンツの両方をMDC115及びCNC127を指すインデックス情報として用いる。“From“コンテンツは、第1レベルの索引付けを提供し、要求に応じて、“To”は、それ以上のレベルの細分性を提供する。SDP情報が除去されたINVITEメッセージの例を次に示す。
【0024】
TCCB層114は、INVITEメッセージを受信すると、圧縮アルゴリズムを呼び出す。図2において、本方法は、メッセージがINVITEメッセージであると判断する(ステップ202)。ステップ204において、本方法は、 “From”ヘッダ及び(必要に応じて)“To”ヘッダがINVITEメッセージ用のインデックス情報を含むと判断する。ステップ206において、本方法は、要求行ヘッダ(ヘッダ(1))を指すように、変数“i”を1に初期化する。ステップ207において、本方法は、ヘッダ(1)にコンテンツがあると判断し、ステップ208において、“From”ヘッダコンテンツ(sip:Watson@bell−tel.com)を、MDC115の要求行テーブルを指すインデックス情報として用いる。ステップ210において、本方法は、テーブルコンテンツ(図4参照)が、メッセージのINVITEヘッダのコンテンツと合致しないと判断する。コンテンツが合致しないため、本方法は、Toヘッダコンテンツ(<sip:simpson@bell−tel.com>)を用いて、MDC115の要求行テーブルにアクセスする。<sip:simpson@bell−tel.com>が、Inviteテーブルを指すインデックス情報として以前用いられていないため、そのインデックスが指すInviteテーブルは、ヘッダのINVITEメッセージのコンテンツとは合致しない。ステップ214において、本方法は、INVITEメッセージのコンテンツを要求行テーブルに記憶する。ステップ216において、本方法は、“i”をインクリメントし、ステップ218において、処理すべきヘッダが更に存在すると判断する。
【0025】
ステップ207において、本方法は、ヘッダ(2)にコンテンツがあると判断する。ステップ208において、本方法は、MDC115のViaテーブルを指すインデックス情報として、Fromヘッダのコンテンツを用いる。図4に示すように、Viaテーブルのコンテンツは、“SIP/2.0/UDPsaturn.bell−tel.com”である。従って、ステップ210において、本方法は、MDC115のViaテーブルのコンテンツは、メッセージのViaヘッダ(ヘッダ(2))のコンテンツと合致すると判断する。合致したことから、Viaテーブルを指す第2レベルの索引付け(Toヘッダ)を用いる必要はない。ステップ212において、本方法は、ヘッダ(2)が、メッセージのタイプではなく、また、インデックス情報を含まないと判断して、Viaヘッダのコンテンツを空白にする(ステップ222)。次に、本方法は、ステップ216に進み“i”をインクリメントする。ステップ218において、本方法は、処理すべきヘッダが更に存在すると判断して、ステップ207に進む。本方法は、全てのヘッダが処理されるまで、ステップ207、208、210、214、216、及び218を繰り返す。本方法は、まず“From“ヘッダコンテンツをインデックスとして用いて、MDC115中の対応するテーブルとメッセージの各ヘッダのコンテンツとを突き合わせてチェックする。また、合致しなかった場合、“To”ヘッダコンテンツを用いて、テーブルに再度アクセスする。二回目も合致しなかった場合、メッセージのヘッダのコンテンツは、Toヘッダ情報に対応するインデックスが指すテーブルに記憶される。メッセージヘッダが、新しいヘッダ(即ち、本例において、Subject及びContent―typeのヘッダ等、以前メッセージにまだ用いられていないヘッダ)である場合、メッセージのヘッダのコンテンツは、MDCテーブルに二回記憶されるが、一回目は、Fromヘッダインデックス情報に対応する位置に、また、二回目は、Toヘッダインデックス情報に対応する位置に記憶される。各ヘッダが処理された後、MDCテーブルは、図6に示す情報を含む。
【0026】
本例において、メッセージのヘッダコンテンツをMDCテーブルのヘッダコンテンツと比較して分かった合致は、“Via”ヘッダのみである。(図4と6を比較。)MDC115は、他の全てのフィールドに対して更新されており、“From“ヘッダコンテンツと“To”ヘッダコンテンツとの組み合わせが、インデックス情報に用いられている。以下の圧縮されたINVITEメッセージが、P−CSCF102に送信される。
【0027】
圧縮されたINVITEメッセージを受信すると、P−CSCF102のTCCB層128は、解凍方法を呼び出す。メッセージがINVITEメッセージであると判断すると、本方法は、“From” 及び“To”ヘッダを用いて、CNC127にアクセスする。本例において、本方法は、メッセージのViaヘッダのコンテンツをCNC127のViaテーブルの情報で埋める。メッセージ中の他のヘッダに関しては、CNC127のテーブルが、現在の情報で更新される。
【0028】
当業者は、本発明による装置及び方法並びに本装置の構成において、本発明の範囲と精神から逸脱することなく、様々な変形や変更を成し得ると認識されるであろう。例えば、エラーチェック及び処理を本方法に組み込むことが可能である。この方法は、圧縮の前に、各メッセージにチェックサムを実施して、その結果をメッセージと共に受信装置の解凍装置に送信できる。メッセージを解凍する際、再構成されたメッセージにチェックサムを実施でき、また、その結果を元の値と比較できる。エラーが検出された場合、エラー処理機能を用いて、アプリケーション層110、124に通知し得る。
【0029】
更に、本明細書に述べたテキスト形式よりもむしろ、ビット状のタグをメッセージヘッダに用いてもよい。例えば、SIPに適用した場合、両ノード(移動装置100及びP−CSCF102)のTCCB層は、以下のマッピングで初期化し得る。
【0030】
Via: 0x000158
From: 0x000258
To: 0x000358
CALL−ID: 0x000458
Cseq: 0x000558
Contact−length: 0x000658
圧縮されたメッセージを送信する場合、”Via:”は、0x000158で置き換えられ、また、他のものも同様に置き換えられる。他の選択肢として、ハフマン(Huffman)符号化法を、タグ形式に用いることが可能である。
【0031】
INVITEメッセージの例で分かるように、多重レベルの索引付けを用いて、情報をキャッシュメモリに記憶したり、検索したりできる。メッセージからの新しい情報を用いて、必要な場合、それ以上のレベルの細分性を提供し得る。実現される索引付けレベルの数は、プロトコルの特性に依存する最適な圧縮比に左右される。例えば、本方法の効率を改善するために、三レベルの索引付けを用いると、更なる圧縮を行なうことができる。
【0032】
(例:From:コンテンツ
+To:コンテンツ
+Cseq:コンテンツ)
更なる圧縮は、強制ヘッダ方式が組み込まれたシステムで実現し得る。強制ヘッダ方式は、各メッセージが、或るヘッダを含まねばならない方式である。このようなシステムにおいて、更なる圧縮は、ヘッダコンテンツが空白になっている場合、圧縮されたメッセージにヘッダタイトルを含まないことによって実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明によるTCCB装置及び方法を実現するために用い得る構成を示すブロック図。
【図2】本発明によるTCCB圧縮法の好適な実施形態を示すフロー図。
【図3】本発明によるTCCB解凍法の好適な実施形態を示すフロー図。
【図4】登録メッセージを初めて送信した後の移動装置キャッシュの或る瞬間を捉えた図。
【図5】登録メッセージが、TCCB層によって初めて処理された後のコアネットワークキャッシュのある瞬間を捉えた図。
【図6】”INVITE”メッセージが、TCCB層によって初めて処理された後の移動装置キャッシュのある瞬間を捉えた図。
Claims (9)
- メモリを有する送信装置において、複数のヘッダを有するメッセージを圧縮するための方法であって、
前記メッセージの特性を判断する段階と、
前記メッセージの前記特性に基づき、前記メッセージのどの部分が前記第1メモリを指すインデックス情報を含むか判断する段階と、
前記メッセージ中の前記複数の各ヘッダに対して、前記メモリを指す前記インデックス情報を用いて、前記ヘッダのコンテンツが前記メモリに記憶されているかどうか判断する段階と、
前記ヘッダのコンテンツが前記メモリに記憶されている場合、前記メッセージ中の前記ヘッダの前記コンテンツを空白にする段階と、が含まれる方法。 - 請求項1に記載の方法であって、更に、
前記ヘッダの前記コンテンツがメモリに記憶されていない場合、前記ヘッダの前記コンテンツをメモリに記憶する段階が含まれる方法。 - 請求項2に記載の方法であって、
前記インデックス情報は、前記メッセージの少なくとも1つの所定のヘッダのコンテンツに対応する方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
前記ヘッダがメッセージタイプを示すか又は前記インデックス情報を含む場合、前記メッセージ中の前記ヘッダの前記コンテンツは、空白にされない方法。 - メモリを有する受信装置において、複数のヘッダを有するメッセージを解凍するための方法であって、
前記メッセージの特性を判断する段階と、
前記メッセージの前記特性に基づき、前記メッセージのどの部分が前記メモリを指すインデックス情報を含むか判断する段階と、
前記メッセージ中の前記複数の各ヘッダに対して、前記ヘッダのコンテンツが空白状態であるかどうか判断する段階と、
前記ヘッダの前記コンテンツが空白状態である場合、前記メモリを指す前記インデックス情報を用いて情報を検索し、前記ヘッダの前記コンテンツを埋める段階と、が含まれる方法。 - 請求項5に記載の方法であって、更に、
前記ヘッダの前記コンテンツが空白状態でない場合、前記メモリを指す前記インデックス情報を用いて、前記ヘッダの前記コンテンツを前記メモリ中の適切な位置に記憶する段階が含まれる方法。 - 請求項5に記載の方法であって、
前記インデックス情報は、前記メッセージの少なくとも1つの所定のヘッダのコンテンツに対応する方法。 - 無線インターフェイスを介して送信する前にテキストメッセージを圧縮するための装置において、アプリケーション層、テキストベースプロトコル層、及び物理層を含むソフトウェア構成を有する前記装置であって、更に、
前記メッセージの特性を判断し、
前記メッセージの前記特性に基づき、前記メッセージのどの部分が前記第1メモリを指すインデックス情報を含むか判断し、
前記メッセージ中の複数の各ヘッダに対して、前記メモリを指す前記インデックス情報を用いて、前記ヘッダのコンテンツが前記メモリに記憶されているかどうか判断し、
前記ヘッダのコンテンツが前記メモリに記憶されている場合、前記メッセージ中の前記ヘッダの前記コンテンツを空白にする、ためのテキストベース圧縮/解凍層が含まれる装置。 - テキストメッセージを解凍するための装置において、アプリケーション層、テキストベースプロトコル層、及び物理層を含むソフトウェア構成を有する前記装置であって、更に、
前記メッセージの特性を判断し、
前記メッセージの前記特性に基づき、前記メッセージのどの部分が前記メモリを指すインデックス情報を含むか判断し、
前記メッセージ中の複数の各ヘッダに対して、前記ヘッダのコンテンツが空白状態であるかどうか判断し、
前記ヘッダの前記コンテンツが空白状態である場合、前記メモリを指す前記インデックス情報を用いて情報を検索し、前記ヘッダの前記コンテンツを埋める、ためのテキストベース圧縮/解凍層が含まれる装置。
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