JP2004531691A - 一過性ナトリウムチャネルと持続性ナトリウムチャネルとを選択的に識別するチャネル遮断薬を同定するためのハイスループットスクリーン - Google Patents
一過性ナトリウムチャネルと持続性ナトリウムチャネルとを選択的に識別するチャネル遮断薬を同定するためのハイスループットスクリーン Download PDFInfo
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Abstract
一過性電流と持続性電流の両方を示すNa+チャネルを持つ細胞を用意することを含む、Na+チャネル遮断薬を同定する方法。この細胞は、カリウム(K)チャネルおよびNa/K ATPアーゼ(Na+ポンプ)を含む。蛍光色素をウェルに配置する。この蛍光色素は、細胞膜電位を光学的に測定することができるように、細胞膜電位の変化に対して感受性を持つ。同定しようとするNa+チャネル遮断薬をウェルに添加し、Na+チャネル遮断薬の添加前および添加後に、活動電位を発生させるのに十分な量の刺激電流を細胞に通す。その後、細胞膜電位の変化を光学的に測定する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、チャネル遮断薬を同定するためのスクリーンに関し、より具体的には、一過性ナトリウムチャネルと持続性または非不活化ナトリウムチャネルと選択的に区別するチャネル遮断薬を同定するためのハイスループットスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
電位作動型ナトリウム(Na+)チャネルは神経、筋および心臓細胞における電気的活動にとって極めて重要である。これらのチャネルは活動電位の立ち上がりをもたらす。活動電位は、神経系における電気的伝達ならびに心臓および骨格筋における収縮性に関与している(Aidley, 1991)。Na+チャネルの構造および機能に関する最近の総説としてCatterall(2000)を参照されたい。一般に、静止条件では、細胞が刺激によって閾値レベルに脱分極するまで、Na+チャネルは閉じている。この閾値でNa+チャネルは開きはじめ、次に活動電位の立ち上がりを迅速に引き起こす。通常、活動電位中は、Na+チャネルは極めて短時間(1ミリ秒)だけ開いた後、閉じて(不活化して)、興奮性細胞(ニューロン、筋細胞、筋)がその静止電位に再分極する。
【0003】
上述した電位作動型Na+チャネルの挙動は次のように理解することができる。Na+チャネルは3つの主なコンフォメーションまたは状態をとる。負の膜電位(≦-60mV)では静止状態、すなわち閉口状態が優勢である。脱分極が起こるとチャネルは活性状態に入り、開口して電流フローを可能にする。静止状態から活性状態への遷移は、正の膜電位への脱分極後1ミリ秒以内に起こる。最後に、持続的脱分極(<1〜2ms)中に、チャネルは第2の閉口または不活化状態に入る。その後、チャネルが再び開くには、チャネルが不活化状態から静止状態へ再び戻る必要がある(これは膜電位が負の値に戻ると起こる)。これは、膜の脱分極がナトリウムチャネルを開口させるだけでなく、持続的脱分極中でもナトリウムチャネルが閉じる原因になることを意味している(HodgkinおよびHuxley, 1952)。このように、通常のNa+チャネルは脱分極中に短時間だけ開き、静止時(≦-60mV)には閉じている。
【0004】
しかし一部のNa+チャネルには、比較的に負の膜電位の静止条件下に、またさらには持続的脱分極中にも、開いているものがある(Stys, 1998;Taylor, 1993)。これらの非不活化Na+チャネルは、持続性Na+電流と呼ばれるものを生成する(図1を参照されたい)。持続性Na+チャネルがこれらの性質を持つ理由は、持続性Na+チャネルが通常のNa+チャネルより負電位側の膜電位で活性化(開口)し、通常のNa+チャネルより正電位側の電位で不活化することにある(Alonsoら, 1999)。これは、持続性Na+チャネルが、-80mVという負電位側の膜電位でも開き(Stys, 1998)、0mVという正電位側の膜電位でもまだ開いた状態に留まっていられる(Alonsoら, 1999)ことを意味する。
【0005】
本発明のアッセイでは上述した持続性Na+チャネルのユニークな特性を利用する。これれらの持続性Na+チャネルは、シナプス増幅およびスパイク生成挙動の改変に関与すると共に、細胞機能不全につながる状態の発生にも関与すると考えられている(Ragsdaleら, 1998およびTaylor, 1993)。
【0006】
Na+チャネルは、生理学的条件下で重要であるばかりでなく、病理生理学的状況でも重要である。例えばNa+チャネルは、てんかん発作、不整脈、ならびに虚血/低酸素誘発性の心臓およびニューロン細胞死に、ある役割を果たしているようである(Taylorら, 1997;Ragsdaleら, 1998)。重要なことに、持続性Na+電流は、上述した細胞異常の発生に大きく関与しているようである(Stys, 1998;Taylorら, 1997)。例えば、低酸素の間は、心臓細胞でもニューロン細胞でも、持続性Na+電流が調節されず(Saintら, 1996;Hammarstrom, 1998)、ついには細胞Na+およびカルシウムの過負荷が起こり、細胞死をもたらす状態となりうる(Stys, 1998)。電位作動型Na+チャネルの遮断薬は、電位作動型ナトリウムチャネルの誤作動に起因する細胞機能不全および細胞死の改善に有効であることが示されている(Stys, 1998)。しかし多くの場合、これらの遮断薬は通常型(一過性)Na+チャネルと非不活化型(持続性)Na+チャネルとを同じ程度に阻害する。通常の一過性Na+チャネルを著しく遮断すると、細胞機能および器官機能が深刻に損なわれる可能性があり、死をもたらす可能性さえある。したがって、仮に持続性Na+電流が治療標的であるとすると、Na+電流のこの成分は遮断するが、通常の一過性成分は遮断しない薬物を開発することが重要である。しかし、ある化合物が一過性Na+電流との比較で持続性Na+電流を選択的に遮断するかどうかを識別するには、卵母細胞調製物でのホールセルパッチクランプ法または電位固定法など、従来の電気生理学的方法を実施しなければならない(MartyおよびNeher, 1995;Shihら, 1998)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電位固定法は一過性Na+電流および持続性Na+電流に関して詳細な情報を与えるが、これら従来型の電気生理学的技術では、比較的わずかな化合物しか試験することができない。したがって、持続性Na+電流の高度に選択的な遮断薬を見つけようとする創薬プログラムでは、多数の化合物を同時に試験することが容易になるような迅速ハイスループットスクリーンが必要とされている。今までのところ、そのようなスクリーンは存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のNa+チャネル遮断薬同定方法では、一般に、Na+チャネルを有する細胞を用意する。このチャネルは一過性電流と持続性電流の両方を示す。この細胞はカリウム(K)チャネルおよびNa/K ATPアーゼ(Na+ポンプ)を有する。蛍光色素をウェルに配置する。この蛍光色素は、細胞膜電位を光学的に測定することができるように、細胞膜電位の変化に対して感受性を持つ。アッセイ、スクリーニングまたは同定しようとするNa+チャネル遮断薬をウェルに添加し、Na+チャネル遮断薬の添加前および添加後に、活動電位を発生させるのに十分な量の刺激電流を細胞に通す。その後、細胞膜電位の変化を光学的に測定する。
【0009】
本発明の装置はNa+チャネル遮断薬を同定するためのスクリーンを含んでいる。このスクリーンは、一過性電流と持続性電流の両方を示すNa+チャネルを有する細胞を少なくとも1つは含んでいる。加えて、この細胞はカリウム(K)チャネルおよびNa/K ATPアーゼ(Na+ポンプ)も有する。この細胞を入れるために、少なくとも1つのウェルを用意する。細胞膜電位を光学的に測定することができるように、細胞膜電位の変化に対して感受性を持つ蛍光色素も含める。同定しようとするNa+チャネル遮断薬の前記細胞への添加前および添加後に、活動電位を発生させるのに十分な量の刺激電流を細胞に通すために、上記のウェルに電極を配置する。
【0010】
本発明の利点および特徴は、以下の詳細な説明を添付の図面と合わせて考察すれば、より良く理解されるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明では、Na+チャネルの適当なサブタイプ、すなわち一過性電流と持続性電流の両方を示すものを持っている遺伝子改変細胞を使用する。そのような細胞は、適当な生物物理的性質を持つNa+チャネルのcDNAを、このタイプのチャネルを通常持たない細胞タイプに組み込むことによって造ることができる。いくつかのNa+チャネルファミリーのcDNAがクローン化され配列決定されている(概要についてはGoldin, 1999;Catterall, 2000を参照されたい)。これらのcDNAは周知の分子生物学的方法によって細胞株に導入することができる(SambrookおよびRussell, 2000)。また、適当な性質を持つNa+チャネルを内因的に発現させる細胞株を使用することもでき、そのような細胞株も本発明に含まれる。細胞はカリウム(K)チャネルおよびNa/K ATPアーゼ(Na+ポンプ)も有しうる。膜電位を測定するために、周知の方法を使って、96〜386ウェルプレートアッセイシステム10を光学系20と共に使用することができる(図5参照)。蛍光色素は、ニューロンおよび他の細胞タイプで、膜電位をモニターするために広く使用されてきた(Grinvaldら, 1988;Lowe, 1988)。電位感受性色素は、活動電位中に発生するような膜電位の変化に対して、高い感受性と極めて迅速な応答を示すことが要求されうる(Gonzalezら, 1995;1997)。そのようなアッセイには、米国特許第5,662,035号および第6,107,066号に記載の共鳴エネルギー移動(FRET)に基づく高速レシオメトリック電位感受性蛍光色素を使用することができる。本発明の実際の詳細を以下に詳しく説明する。
【0012】
図1に、横断(transected)III型Na+チャネルを持つHEK-293細胞の電流記録を示す。これらのチャネルは、持続性Na+電流と一過性Na+電流の両方を発生することが知られている。細胞をホールセル形式でパッチクランプし、-80〜-10mVの保持電位から脱分極させた。この記録は一過性電流成分と持続性電流成分の両方を示している。本文に説明するとおり、素早く減衰する電流の後に、長く続く持続性Na+電流が認められる。
【0013】
図2は、一過性電流と持続性電流の両方を示すナトリウムチャネルを持つ遺伝子改変細胞を表す図である。この細胞はKチャネルおよびNa+ポンプも持っている。本発明によるアッセイの重要な必要条件は、細胞を含む槽にKを添加することによって測定可能な脱分極が起こるように、カリウムコンダクタンス(gK)が適当な大きさを持つことである。加えて、活性化後のNa+チャネルの持続性成分のコンダクタンス(gNa持続性)は、Na非含有アッセイ培地に細胞外Na+を導入したときに電位変化が生じるほど十分に大きくなければならない。
【0014】
本アッセイを始めるために、改変細胞を96〜386ウェルアッセイプレート10のウェル12に播種する。これらの細胞はNa非含有生理緩衝液に入っており、そのNa非含有生理緩衝液は例えば以下の成分を含むことができる(単位:mM):135 NMDG(N-メチル-d-グルカミン)Cl、5 KCl、2.0 CaCl2、1.5mM MgCl2および20mMヘペス(pH7.4に調節)。ウェルにはまず、小さい(10mVまたはそれ以上)脱分極を誘発してNa+チャネルを活性化するのに十分なだけK濃度を上昇させるために、濃KCl液を添加する。しかし、細胞外Na+が存在しない状態では、さらなる脱分極は認められないだろう。K添加後、数ミリ秒以内に、一過性Na+チャネルが活性化し、次に不活化するが、持続性Na+電流を発生させるチャネルは依然として開いたままだろう。
【0015】
細胞外Na+が存在せず(NMDG+がNaに代わる)、NMDGはNa+チャネルを透過しないので、脱分極は起こらないだろう。しかし、ウェルに濃NaCl液を添加すると、持続性電流を発生させる開口Na+チャネルが、膜の脱分極を引き起こすはずである。脱分極の強さは、槽に添加するNa+の濃度および持続性電流を発生させるNa+チャネルの相対コンダクタンスに依存しうる。脱分極が大きいほど、試験対象化合物を使って信頼できる用量反応を行なうことが容易になるだろう。
【0016】
したがって本アッセイにより、持続性Na+電流を遮断する化合物を発見することができ、よって本アッセイは持続性Na+チャネルのスクリーンである。しかし、このアッセイでは、持続性Na+チャネルを遮断することがわかった化合物が、一過性電流を発生させるNa+チャネルも遮断するかどうかは、取り扱わない。後述するように、並行したアッセイで、上記のアッセイで持続性ナトリウム電流を遮断することがわかった化合物が、典型的なNa+チャネルによって生じる一過性Na+電流も遮断するかどうかを識別しうる。
【0017】
図3は、持続性Na+チャネルの遮断薬を選別するために使用される、図2に示した細胞の変形である。このアッセイでは、持続性Na+チャネルが、既述のように(Stys, 1998)、相対的に負の膜電位で開いているという事実を利用する。この場合は、KチャネルおよびNa+チャネルの持続性電流を発生させる部分の相対コンダクタンスがよく似たものになるように、KチャネルおよびNa+チャネルで細胞を改変する。これにより、静止膜電位はNa+とKに関する平衡(ネルンスト)電位の中間付近(−40〜−20mV)になりうる。これらの条件では、非不活化Na+チャネル(これらは開いたままの状態にある)を遮断することにより、Kの平衡電位に向かって膜の過分極が起こりうる。持続性Na+チャネルの完全な遮断は、(Na+とKの平衡電位に依存して)50〜60mVもの著しい過分極をもたらしうる。この場合、添加は1回だけでよく、薬物濃度はμM域になるので、浸透圧変化(濃KClまたはNaCl液は添加されないだろう)による細胞容積の変化に関する問題は重大でない。このスクリーンにより、非不活化Na+チャネルによって生じる持続性Na+電流を遮断する薬剤の検出が可能になるはずである。
【0018】
図4は、ハイスループットスクリーンで持続性Na+チャネルの遮断薬を検出するための細胞のもう一つの変形を表す。この改変細胞には、Kチャネル、電流が持続性である部分を持つ電位作動型Na+チャネル、およびウアバイン感受性Na/K ATPアーゼ(Na+ポンプ)が存在する。この場合はgK≫gNa持続性である。これは静止膜電位がEK近くになることを意味する。
【0019】
アッセイを開始するために、Na+ポンプを遮断する目的でウアバインを槽に添加する。これにより、小さい脱分極(起電性Na+ポンプの遮断による)と、大きな二次脱分極が起こりうる。この二次脱分極は本アッセイの要点であり、Kに関する平衡電位が正電位側に変化しうるという事実によっている。理論的根拠は次のとおりである。ウアバインの添加後に、細胞は、静止膜電位付近で開いている持続性Na+チャネルを通してNa+を獲得するだろう。Clコンダクタンスが存在しない場合(またはCl非含有培地では)、細胞が獲得したNa+は、等モル量のKが失われることによって、電気的に相殺されるだろう。相対gKは大きいので、ミリモル濃度のK喪失により、そのネルンスト電位が正電位側に変化するにつれて、脱分極が起こる。脱分極の程度は、ウアバイン添加後に細胞が獲得するNa+の量に依存し、よって細胞が失うKの量に依存しうる。持続性Na+チャネルを遮断する化合物はこの脱分極を妨げ、しかも用量依存的にそうしうる。
【0020】
上記の方法はいずれも、非不活化/持続性Na+チャネルを阻害する化合物の同定を可能にしうる。しかしこれらの化合物は、一過性Na+電流を発生させるチャネルも遮断するかもしれない。したがって、本発明によるスクリーンの第2部分では、一過性Na+チャネルではなく持続性Na+チャネルを優先的に遮断する化合物を識別することができるような方法を取り扱う。
【0021】
図5を参照して説明すると、ウェルプレート10は、上述の改変細胞に活動電位を発生させるのに十分な強さの刺激電流を通すために一対の銀/塩化銀または白金電極14、16をそれぞれに含んでいるウェル12を持っている。上述した高速電位感受性色素(FRET)を使用すれば、光学系20で、膜電位を測定することができる。この電流通過法(電場刺激)により、持続性Na+チャネルを阻害することが示されたNa+チャネル遮断薬の投入前および投入後に活動電位を自由に発生させることができる。次に、用量反応を行なって、問題の薬剤が活動電位を、したがって一過性Na+電流の有意な部分を遮断するかどうかを観察することができる。このようにして、持続性Na+チャネルを優先的に遮断する薬物を迅速ハイスループット形式で発見することができる。
【0022】
一過性Na+チャネルと持続性Na+チャネルとをあまりよく区別しないTTXのような特異的Na+チャネル遮断薬は、両方のチャネルをほぼ同じ程度に阻害すると予想される。これに対して、リドカインおよびメキシレチンなどの薬物は、持続性Na+電流/チャネルを、一過性Na+チャネルには作用せずしたがって活動電位には影響しない濃度で遮断することが観察されるはずである。
【0023】
これらのアッセイは、製薬業でハイスループットスクリーンにしばしば使用されるロボットシステム(図示していない)を使って行なうことができる。一過性Na+電流には影響を与えないで、持続性Na+電流を遮断または改変する新規化合物が発見される可能性はかなり高くなるはずである。上記のスクリーンによって選択された化合物は、次に、さらなる検討とリード構造の最終的な選択を行なうために、従来の電気生理学的方法を使って詳細に調べることができる。
【0024】
(参考文献)
本願で述べる当業者に周知のいくつかの方法および性質をさらに詳しく説明するために、以下の参考文献を本発明の一部とする。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
本発明を有利に使用することができる方法を説明するために、本発明に従ってNa+チャネル遮断薬を同定するための方法およびスクリーンを上に記載したが、本発明がこれらに限定されないことは理解されるだろう。したがって、当業者が思いつくであろう一切の変更態様、変形または等価物は、本願特許請求の範囲に定義する本発明の範囲に含まれるとみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】持続的脱分極時の電位作動型Na+チャネルに関する電流対時間のプロットである。このプロットは不活化Na+チャネル一過性電流と非不活化Na+チャネル持続性電流との組合せを示している。
【0030】
【図2】脱分極アッセイを可能にする、一過性電流と持続性電流の両方を示すナトリウムチャネルを持つ遺伝子改変細胞を表す図である。この改変細胞はKチャネル(KコンダクタンスをgKで表す)、通常の一過性電流(gNa)と非不活化/持続性電流(gNa持続性)の両方を示すNa+チャネル、および細胞のイオン勾配を維持するNa+ポンプを有する。最適な感受性を得るには、Kコンダクタンス(gK)と持続性Na+コンダクタンス(gNa持続性)とは類似している(同程度の大きさである)べきである。gK≒gNa持続性。これらの細胞をウェルに播種し、Na非含有培地に懸濁しうる。小さい脱分極を誘発するために、まず最初に濃KClをウェルに加える(本文参照)。次にNaClをウェルに加えると、開いた持続性Na+チャネルを通ってNa+が移動するにつれて、さらなる脱分極が起こりうる。
【0031】
【図3】脱分極アッセイを可能にする細胞の図2と同様の図である。この改変細胞はKチャネル(KコンダクタンスをgKで表す)、通常の一過性電流(gNa)と非不活化/持続性電流(gNa持続性)の両方を示すNa+チャネル、および細胞のイオン勾配を維持するNa+ポンプを有する。この場合はgK=gNa持続性(等しいコンダクタンス)である。したがって膜電位はK(EK)とNa+(ENa)に関する平衡(ネルンスト)電位の中間付近にあるはずである。仮に細胞および培地のKおよびNa+濃度をそれぞれ140および20ならびに2および80mMであるとすると、EK=-107mVおよびENa +=35mVである。したがって静止膜電位は-36mV付近になりうる。持続性Na+チャネルが遮断されると、EmはEKに向かって(理論上70mVも)過分極しうる。
【0032】
【図4】図2および図3と同様の、ウアバイン添加後の二次脱分極を可能にする細胞の図である。この改変細胞はKチャネル(KコンダクタンスをgKで表す)、通常の一過性電流(gNa)と非不活化/持続性電流(gNa持続性)とを示すNa+チャネル、および細胞のイオン勾配を維持するNa+ポンプを有する。この場合はgK≫gNa持続性である。ウアバインの添加は、小さい脱分極と、それに続くはるかに大きな二次脱分極をもたらしうる。有意なClコンダクタンスが存在しない状況、またはCl非含有培地では、持続性Na+チャネルを通して獲得されるNa+をNa+ポンプによって除去することができないので、細胞はKと引換えにNa+を獲得することになる。細胞がKを失うにつれて、EKは正電位側に変化し、細胞は脱分極する。持続性Na+チャネルの遮断薬は、この二次脱分極を防止しうる。
【0033】
【図5】本発明での使用に適した96〜386ウェルプレートを表す図である。各ウェルに配置された一対の電極が示されている。
【0001】
本発明は概して、チャネル遮断薬を同定するためのスクリーンに関し、より具体的には、一過性ナトリウムチャネルと持続性または非不活化ナトリウムチャネルと選択的に区別するチャネル遮断薬を同定するためのハイスループットスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
電位作動型ナトリウム(Na+)チャネルは神経、筋および心臓細胞における電気的活動にとって極めて重要である。これらのチャネルは活動電位の立ち上がりをもたらす。活動電位は、神経系における電気的伝達ならびに心臓および骨格筋における収縮性に関与している(Aidley, 1991)。Na+チャネルの構造および機能に関する最近の総説としてCatterall(2000)を参照されたい。一般に、静止条件では、細胞が刺激によって閾値レベルに脱分極するまで、Na+チャネルは閉じている。この閾値でNa+チャネルは開きはじめ、次に活動電位の立ち上がりを迅速に引き起こす。通常、活動電位中は、Na+チャネルは極めて短時間(1ミリ秒)だけ開いた後、閉じて(不活化して)、興奮性細胞(ニューロン、筋細胞、筋)がその静止電位に再分極する。
【0003】
上述した電位作動型Na+チャネルの挙動は次のように理解することができる。Na+チャネルは3つの主なコンフォメーションまたは状態をとる。負の膜電位(≦-60mV)では静止状態、すなわち閉口状態が優勢である。脱分極が起こるとチャネルは活性状態に入り、開口して電流フローを可能にする。静止状態から活性状態への遷移は、正の膜電位への脱分極後1ミリ秒以内に起こる。最後に、持続的脱分極(<1〜2ms)中に、チャネルは第2の閉口または不活化状態に入る。その後、チャネルが再び開くには、チャネルが不活化状態から静止状態へ再び戻る必要がある(これは膜電位が負の値に戻ると起こる)。これは、膜の脱分極がナトリウムチャネルを開口させるだけでなく、持続的脱分極中でもナトリウムチャネルが閉じる原因になることを意味している(HodgkinおよびHuxley, 1952)。このように、通常のNa+チャネルは脱分極中に短時間だけ開き、静止時(≦-60mV)には閉じている。
【0004】
しかし一部のNa+チャネルには、比較的に負の膜電位の静止条件下に、またさらには持続的脱分極中にも、開いているものがある(Stys, 1998;Taylor, 1993)。これらの非不活化Na+チャネルは、持続性Na+電流と呼ばれるものを生成する(図1を参照されたい)。持続性Na+チャネルがこれらの性質を持つ理由は、持続性Na+チャネルが通常のNa+チャネルより負電位側の膜電位で活性化(開口)し、通常のNa+チャネルより正電位側の電位で不活化することにある(Alonsoら, 1999)。これは、持続性Na+チャネルが、-80mVという負電位側の膜電位でも開き(Stys, 1998)、0mVという正電位側の膜電位でもまだ開いた状態に留まっていられる(Alonsoら, 1999)ことを意味する。
【0005】
本発明のアッセイでは上述した持続性Na+チャネルのユニークな特性を利用する。これれらの持続性Na+チャネルは、シナプス増幅およびスパイク生成挙動の改変に関与すると共に、細胞機能不全につながる状態の発生にも関与すると考えられている(Ragsdaleら, 1998およびTaylor, 1993)。
【0006】
Na+チャネルは、生理学的条件下で重要であるばかりでなく、病理生理学的状況でも重要である。例えばNa+チャネルは、てんかん発作、不整脈、ならびに虚血/低酸素誘発性の心臓およびニューロン細胞死に、ある役割を果たしているようである(Taylorら, 1997;Ragsdaleら, 1998)。重要なことに、持続性Na+電流は、上述した細胞異常の発生に大きく関与しているようである(Stys, 1998;Taylorら, 1997)。例えば、低酸素の間は、心臓細胞でもニューロン細胞でも、持続性Na+電流が調節されず(Saintら, 1996;Hammarstrom, 1998)、ついには細胞Na+およびカルシウムの過負荷が起こり、細胞死をもたらす状態となりうる(Stys, 1998)。電位作動型Na+チャネルの遮断薬は、電位作動型ナトリウムチャネルの誤作動に起因する細胞機能不全および細胞死の改善に有効であることが示されている(Stys, 1998)。しかし多くの場合、これらの遮断薬は通常型(一過性)Na+チャネルと非不活化型(持続性)Na+チャネルとを同じ程度に阻害する。通常の一過性Na+チャネルを著しく遮断すると、細胞機能および器官機能が深刻に損なわれる可能性があり、死をもたらす可能性さえある。したがって、仮に持続性Na+電流が治療標的であるとすると、Na+電流のこの成分は遮断するが、通常の一過性成分は遮断しない薬物を開発することが重要である。しかし、ある化合物が一過性Na+電流との比較で持続性Na+電流を選択的に遮断するかどうかを識別するには、卵母細胞調製物でのホールセルパッチクランプ法または電位固定法など、従来の電気生理学的方法を実施しなければならない(MartyおよびNeher, 1995;Shihら, 1998)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電位固定法は一過性Na+電流および持続性Na+電流に関して詳細な情報を与えるが、これら従来型の電気生理学的技術では、比較的わずかな化合物しか試験することができない。したがって、持続性Na+電流の高度に選択的な遮断薬を見つけようとする創薬プログラムでは、多数の化合物を同時に試験することが容易になるような迅速ハイスループットスクリーンが必要とされている。今までのところ、そのようなスクリーンは存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のNa+チャネル遮断薬同定方法では、一般に、Na+チャネルを有する細胞を用意する。このチャネルは一過性電流と持続性電流の両方を示す。この細胞はカリウム(K)チャネルおよびNa/K ATPアーゼ(Na+ポンプ)を有する。蛍光色素をウェルに配置する。この蛍光色素は、細胞膜電位を光学的に測定することができるように、細胞膜電位の変化に対して感受性を持つ。アッセイ、スクリーニングまたは同定しようとするNa+チャネル遮断薬をウェルに添加し、Na+チャネル遮断薬の添加前および添加後に、活動電位を発生させるのに十分な量の刺激電流を細胞に通す。その後、細胞膜電位の変化を光学的に測定する。
【0009】
本発明の装置はNa+チャネル遮断薬を同定するためのスクリーンを含んでいる。このスクリーンは、一過性電流と持続性電流の両方を示すNa+チャネルを有する細胞を少なくとも1つは含んでいる。加えて、この細胞はカリウム(K)チャネルおよびNa/K ATPアーゼ(Na+ポンプ)も有する。この細胞を入れるために、少なくとも1つのウェルを用意する。細胞膜電位を光学的に測定することができるように、細胞膜電位の変化に対して感受性を持つ蛍光色素も含める。同定しようとするNa+チャネル遮断薬の前記細胞への添加前および添加後に、活動電位を発生させるのに十分な量の刺激電流を細胞に通すために、上記のウェルに電極を配置する。
【0010】
本発明の利点および特徴は、以下の詳細な説明を添付の図面と合わせて考察すれば、より良く理解されるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明では、Na+チャネルの適当なサブタイプ、すなわち一過性電流と持続性電流の両方を示すものを持っている遺伝子改変細胞を使用する。そのような細胞は、適当な生物物理的性質を持つNa+チャネルのcDNAを、このタイプのチャネルを通常持たない細胞タイプに組み込むことによって造ることができる。いくつかのNa+チャネルファミリーのcDNAがクローン化され配列決定されている(概要についてはGoldin, 1999;Catterall, 2000を参照されたい)。これらのcDNAは周知の分子生物学的方法によって細胞株に導入することができる(SambrookおよびRussell, 2000)。また、適当な性質を持つNa+チャネルを内因的に発現させる細胞株を使用することもでき、そのような細胞株も本発明に含まれる。細胞はカリウム(K)チャネルおよびNa/K ATPアーゼ(Na+ポンプ)も有しうる。膜電位を測定するために、周知の方法を使って、96〜386ウェルプレートアッセイシステム10を光学系20と共に使用することができる(図5参照)。蛍光色素は、ニューロンおよび他の細胞タイプで、膜電位をモニターするために広く使用されてきた(Grinvaldら, 1988;Lowe, 1988)。電位感受性色素は、活動電位中に発生するような膜電位の変化に対して、高い感受性と極めて迅速な応答を示すことが要求されうる(Gonzalezら, 1995;1997)。そのようなアッセイには、米国特許第5,662,035号および第6,107,066号に記載の共鳴エネルギー移動(FRET)に基づく高速レシオメトリック電位感受性蛍光色素を使用することができる。本発明の実際の詳細を以下に詳しく説明する。
【0012】
図1に、横断(transected)III型Na+チャネルを持つHEK-293細胞の電流記録を示す。これらのチャネルは、持続性Na+電流と一過性Na+電流の両方を発生することが知られている。細胞をホールセル形式でパッチクランプし、-80〜-10mVの保持電位から脱分極させた。この記録は一過性電流成分と持続性電流成分の両方を示している。本文に説明するとおり、素早く減衰する電流の後に、長く続く持続性Na+電流が認められる。
【0013】
図2は、一過性電流と持続性電流の両方を示すナトリウムチャネルを持つ遺伝子改変細胞を表す図である。この細胞はKチャネルおよびNa+ポンプも持っている。本発明によるアッセイの重要な必要条件は、細胞を含む槽にKを添加することによって測定可能な脱分極が起こるように、カリウムコンダクタンス(gK)が適当な大きさを持つことである。加えて、活性化後のNa+チャネルの持続性成分のコンダクタンス(gNa持続性)は、Na非含有アッセイ培地に細胞外Na+を導入したときに電位変化が生じるほど十分に大きくなければならない。
【0014】
本アッセイを始めるために、改変細胞を96〜386ウェルアッセイプレート10のウェル12に播種する。これらの細胞はNa非含有生理緩衝液に入っており、そのNa非含有生理緩衝液は例えば以下の成分を含むことができる(単位:mM):135 NMDG(N-メチル-d-グルカミン)Cl、5 KCl、2.0 CaCl2、1.5mM MgCl2および20mMヘペス(pH7.4に調節)。ウェルにはまず、小さい(10mVまたはそれ以上)脱分極を誘発してNa+チャネルを活性化するのに十分なだけK濃度を上昇させるために、濃KCl液を添加する。しかし、細胞外Na+が存在しない状態では、さらなる脱分極は認められないだろう。K添加後、数ミリ秒以内に、一過性Na+チャネルが活性化し、次に不活化するが、持続性Na+電流を発生させるチャネルは依然として開いたままだろう。
【0015】
細胞外Na+が存在せず(NMDG+がNaに代わる)、NMDGはNa+チャネルを透過しないので、脱分極は起こらないだろう。しかし、ウェルに濃NaCl液を添加すると、持続性電流を発生させる開口Na+チャネルが、膜の脱分極を引き起こすはずである。脱分極の強さは、槽に添加するNa+の濃度および持続性電流を発生させるNa+チャネルの相対コンダクタンスに依存しうる。脱分極が大きいほど、試験対象化合物を使って信頼できる用量反応を行なうことが容易になるだろう。
【0016】
したがって本アッセイにより、持続性Na+電流を遮断する化合物を発見することができ、よって本アッセイは持続性Na+チャネルのスクリーンである。しかし、このアッセイでは、持続性Na+チャネルを遮断することがわかった化合物が、一過性電流を発生させるNa+チャネルも遮断するかどうかは、取り扱わない。後述するように、並行したアッセイで、上記のアッセイで持続性ナトリウム電流を遮断することがわかった化合物が、典型的なNa+チャネルによって生じる一過性Na+電流も遮断するかどうかを識別しうる。
【0017】
図3は、持続性Na+チャネルの遮断薬を選別するために使用される、図2に示した細胞の変形である。このアッセイでは、持続性Na+チャネルが、既述のように(Stys, 1998)、相対的に負の膜電位で開いているという事実を利用する。この場合は、KチャネルおよびNa+チャネルの持続性電流を発生させる部分の相対コンダクタンスがよく似たものになるように、KチャネルおよびNa+チャネルで細胞を改変する。これにより、静止膜電位はNa+とKに関する平衡(ネルンスト)電位の中間付近(−40〜−20mV)になりうる。これらの条件では、非不活化Na+チャネル(これらは開いたままの状態にある)を遮断することにより、Kの平衡電位に向かって膜の過分極が起こりうる。持続性Na+チャネルの完全な遮断は、(Na+とKの平衡電位に依存して)50〜60mVもの著しい過分極をもたらしうる。この場合、添加は1回だけでよく、薬物濃度はμM域になるので、浸透圧変化(濃KClまたはNaCl液は添加されないだろう)による細胞容積の変化に関する問題は重大でない。このスクリーンにより、非不活化Na+チャネルによって生じる持続性Na+電流を遮断する薬剤の検出が可能になるはずである。
【0018】
図4は、ハイスループットスクリーンで持続性Na+チャネルの遮断薬を検出するための細胞のもう一つの変形を表す。この改変細胞には、Kチャネル、電流が持続性である部分を持つ電位作動型Na+チャネル、およびウアバイン感受性Na/K ATPアーゼ(Na+ポンプ)が存在する。この場合はgK≫gNa持続性である。これは静止膜電位がEK近くになることを意味する。
【0019】
アッセイを開始するために、Na+ポンプを遮断する目的でウアバインを槽に添加する。これにより、小さい脱分極(起電性Na+ポンプの遮断による)と、大きな二次脱分極が起こりうる。この二次脱分極は本アッセイの要点であり、Kに関する平衡電位が正電位側に変化しうるという事実によっている。理論的根拠は次のとおりである。ウアバインの添加後に、細胞は、静止膜電位付近で開いている持続性Na+チャネルを通してNa+を獲得するだろう。Clコンダクタンスが存在しない場合(またはCl非含有培地では)、細胞が獲得したNa+は、等モル量のKが失われることによって、電気的に相殺されるだろう。相対gKは大きいので、ミリモル濃度のK喪失により、そのネルンスト電位が正電位側に変化するにつれて、脱分極が起こる。脱分極の程度は、ウアバイン添加後に細胞が獲得するNa+の量に依存し、よって細胞が失うKの量に依存しうる。持続性Na+チャネルを遮断する化合物はこの脱分極を妨げ、しかも用量依存的にそうしうる。
【0020】
上記の方法はいずれも、非不活化/持続性Na+チャネルを阻害する化合物の同定を可能にしうる。しかしこれらの化合物は、一過性Na+電流を発生させるチャネルも遮断するかもしれない。したがって、本発明によるスクリーンの第2部分では、一過性Na+チャネルではなく持続性Na+チャネルを優先的に遮断する化合物を識別することができるような方法を取り扱う。
【0021】
図5を参照して説明すると、ウェルプレート10は、上述の改変細胞に活動電位を発生させるのに十分な強さの刺激電流を通すために一対の銀/塩化銀または白金電極14、16をそれぞれに含んでいるウェル12を持っている。上述した高速電位感受性色素(FRET)を使用すれば、光学系20で、膜電位を測定することができる。この電流通過法(電場刺激)により、持続性Na+チャネルを阻害することが示されたNa+チャネル遮断薬の投入前および投入後に活動電位を自由に発生させることができる。次に、用量反応を行なって、問題の薬剤が活動電位を、したがって一過性Na+電流の有意な部分を遮断するかどうかを観察することができる。このようにして、持続性Na+チャネルを優先的に遮断する薬物を迅速ハイスループット形式で発見することができる。
【0022】
一過性Na+チャネルと持続性Na+チャネルとをあまりよく区別しないTTXのような特異的Na+チャネル遮断薬は、両方のチャネルをほぼ同じ程度に阻害すると予想される。これに対して、リドカインおよびメキシレチンなどの薬物は、持続性Na+電流/チャネルを、一過性Na+チャネルには作用せずしたがって活動電位には影響しない濃度で遮断することが観察されるはずである。
【0023】
これらのアッセイは、製薬業でハイスループットスクリーンにしばしば使用されるロボットシステム(図示していない)を使って行なうことができる。一過性Na+電流には影響を与えないで、持続性Na+電流を遮断または改変する新規化合物が発見される可能性はかなり高くなるはずである。上記のスクリーンによって選択された化合物は、次に、さらなる検討とリード構造の最終的な選択を行なうために、従来の電気生理学的方法を使って詳細に調べることができる。
【0024】
(参考文献)
本願で述べる当業者に周知のいくつかの方法および性質をさらに詳しく説明するために、以下の参考文献を本発明の一部とする。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
本発明を有利に使用することができる方法を説明するために、本発明に従ってNa+チャネル遮断薬を同定するための方法およびスクリーンを上に記載したが、本発明がこれらに限定されないことは理解されるだろう。したがって、当業者が思いつくであろう一切の変更態様、変形または等価物は、本願特許請求の範囲に定義する本発明の範囲に含まれるとみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】持続的脱分極時の電位作動型Na+チャネルに関する電流対時間のプロットである。このプロットは不活化Na+チャネル一過性電流と非不活化Na+チャネル持続性電流との組合せを示している。
【0030】
【図2】脱分極アッセイを可能にする、一過性電流と持続性電流の両方を示すナトリウムチャネルを持つ遺伝子改変細胞を表す図である。この改変細胞はKチャネル(KコンダクタンスをgKで表す)、通常の一過性電流(gNa)と非不活化/持続性電流(gNa持続性)の両方を示すNa+チャネル、および細胞のイオン勾配を維持するNa+ポンプを有する。最適な感受性を得るには、Kコンダクタンス(gK)と持続性Na+コンダクタンス(gNa持続性)とは類似している(同程度の大きさである)べきである。gK≒gNa持続性。これらの細胞をウェルに播種し、Na非含有培地に懸濁しうる。小さい脱分極を誘発するために、まず最初に濃KClをウェルに加える(本文参照)。次にNaClをウェルに加えると、開いた持続性Na+チャネルを通ってNa+が移動するにつれて、さらなる脱分極が起こりうる。
【0031】
【図3】脱分極アッセイを可能にする細胞の図2と同様の図である。この改変細胞はKチャネル(KコンダクタンスをgKで表す)、通常の一過性電流(gNa)と非不活化/持続性電流(gNa持続性)の両方を示すNa+チャネル、および細胞のイオン勾配を維持するNa+ポンプを有する。この場合はgK=gNa持続性(等しいコンダクタンス)である。したがって膜電位はK(EK)とNa+(ENa)に関する平衡(ネルンスト)電位の中間付近にあるはずである。仮に細胞および培地のKおよびNa+濃度をそれぞれ140および20ならびに2および80mMであるとすると、EK=-107mVおよびENa +=35mVである。したがって静止膜電位は-36mV付近になりうる。持続性Na+チャネルが遮断されると、EmはEKに向かって(理論上70mVも)過分極しうる。
【0032】
【図4】図2および図3と同様の、ウアバイン添加後の二次脱分極を可能にする細胞の図である。この改変細胞はKチャネル(KコンダクタンスをgKで表す)、通常の一過性電流(gNa)と非不活化/持続性電流(gNa持続性)とを示すNa+チャネル、および細胞のイオン勾配を維持するNa+ポンプを有する。この場合はgK≫gNa持続性である。ウアバインの添加は、小さい脱分極と、それに続くはるかに大きな二次脱分極をもたらしうる。有意なClコンダクタンスが存在しない状況、またはCl非含有培地では、持続性Na+チャネルを通して獲得されるNa+をNa+ポンプによって除去することができないので、細胞はKと引換えにNa+を獲得することになる。細胞がKを失うにつれて、EKは正電位側に変化し、細胞は脱分極する。持続性Na+チャネルの遮断薬は、この二次脱分極を防止しうる。
【0033】
【図5】本発明での使用に適した96〜386ウェルプレートを表す図である。各ウェルに配置された一対の電極が示されている。
Claims (5)
- Na+チャネル遮断薬を同定する方法であって、
一過性電流と持続性電流の両方を示すNa+チャネルを有し、かつカリウム(K)チャネルおよびNa/K ATPアーゼ(Na+ポンプ)を有する細胞を、ウェルに配置するステップ、
細胞膜電位を光学的に測定することができるように、細胞膜電位の変化に対して感受性を持つ蛍光色素を、前記ウェルに配置するステップ、
同定しようとするNa+チャネル遮断薬を前記ウェルに添加するステップ、
Na+チャネル遮断薬の添加前および添加後に、活動電位を発生させるのに十分な量の刺激電流を細胞に通すステップ、および
細胞膜電位の変化を光学的に測定するステップ、
を含む方法。 - 細胞のカリウムコンダクタンス(gK)が、細胞へのカリウムの添加によって測定可能な脱分極を引き起こすことができるような大きさを持ち、かつNa+チャネルの持続性成分のコンダクタンス(gNa持続性)が、ウェルに細胞外Na+を導入すると電位変化が生じるほど十分に大きい、請求項1に記載の方法。
- KチャネルおよびNa+チャネルの持続性電流を発生させる部分の相対コンダクタンスがよく似たものになるように、細胞をKチャネルおよびNa+チャネルで改変した、請求項1に記載の方法。
- 細胞がKチャネル、持続性電流を伴う部分を持つ電位作動型Na+チャネル、およびウアバイン感受性Na/K ATPアーゼ(Na+ポンプ)で改変したものであり、Na+ポンプを遮断するためにウェルにウアバインを添加するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- Na+チャネル遮断薬を同定するためのスクリーンであって、
一過性電流と持続性電流の両方を示すNa+チャネルを有し、かつカリウム(K)チャネルおよびNa/K ATPアーゼ(Na+ポンプ)も有する、少なくとも1つの細胞、
前記細胞を入れるための少なくとも1つのウェル、
細胞膜電位を光学的に測定することができるように、細胞膜電位の変化に対して感受性を持つ蛍光色素、および
同定しようとするNa+チャネル遮断薬の前記細胞への添加前および添加後に、活動電位を発生させるのに十分な量の刺激電流を前記細胞に通すために、前記ウェルに配置された電極、
を含むスクリーン。
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