JP2004529920A - Mrp1を阻害するための化合物および方法 - Google Patents

Mrp1を阻害するための化合物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、MRP1により耐性の一部または全てが付与される耐性新生物の阻害に有用である式(I):
【化1】
Figure 2004529920

で表される化合物に関する。

Description

【0001】
外科手術および放射線療法と共に、化学療法は多数の癌に対して有効な治療であり続けている。事実、いくつかのタイプの癌(例えば、ホジキン病、大細胞型リンパ腫、急性リンパ性白血病、睾丸癌および初期乳癌)は、現在、化学療法により治癒可能であると認識されている。他方、未だ治癒可能ではない他の癌(例えば、卵巣癌、小細胞肺癌および進行性乳癌)は、併用化学療法に対して陽性反応を示す。
【0002】
癌治療における解決されていない最も重要な問題のうちの1つは薬物耐性である。1つの細胞障害性薬物に対する耐性に関しての選択の後、細胞は異なる構造および細胞標的を有する全範囲の薬物(例えば、アルキル化剤、代謝拮抗物質、ホルモン、プラチナ含有薬物および天然産物)に対して交差耐性となるかもしれない。この現象は多剤耐性(MDR)として知られている。いくつかのタイプの細胞において、耐性は遺伝的なものであるが、他方、小細胞肺癌のような他のものでは通常、後天性のものである。
【0003】
このような耐性は多要素的であることが知られており、少なくとも2つのタンパク質(170kDa P-糖タンパク質(MDR1)およびより近年に同定された190kDa多剤耐性タンパク質(MRP1))により付与される。MDR1およびMRP1は両方とも輸送タンパク質のATP−結合カセットスーパーファミリーに属するが、これらは構造的には非常に異なる分子であり、15%未満のアミノ酸ホモロジーを共有している。2個のタンパク質間の構造的相違にもかかわらず、1994年までは、MDR1およびMRP1細胞株の耐性パターンにおける一貫した差異は知られていなかった。しかしながら、MRP1と特定の腫瘍細胞崩壊剤に対する耐性との関連、またはその欠如は公知である。Coleら、「Pharmacological Characterization of Multidrug Resistant MRP-transfected Human Tumor Cells」、Cancer Research, 54:5902-5910, 1994を参照のこと。ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ビンクリスチン、パクリタキセル、 ミトザントロン、メルファランおよびエトポシドはMRP1の基質である(すなわち、MRP1はこれらの腫瘍崩壊剤に結合し得、それらを作用部位である核から細胞外へと再分配する)(前述、ならびにMarquardt, D.およびCenter, M.S., Cancer Research, 52:3157, 1992)。
【0004】
ドキソルビシン、ダウノルビシンおよびエピルビシンはアントラサイクリンクラスの腫瘍崩壊剤のメンバーである。これらはストレプトミセス属の種々の株の単離物であり、核酸合成の阻害により機能する。これらの薬剤は、骨、卵巣、膀胱、甲状腺および特に胸部の新生物の治療に有用である。また、急性のリンパ芽球性および骨髄芽球性の白血病、ウィルムス腫瘍、神経芽腫、軟組織肉腫、ホジキンリンパ腫および非ホジキン性リンパ腫ならびに気管支原性癌の治療に有用である。
【0005】
ビンクリスチン(ビンカアルカロイドクラスの腫瘍崩壊剤のメンバー)は、一般的な開花ハーブであるツルニチ草植物(Vinca rosea Linn)の単離物である。ビンクリスチンの作用機構は未だに研究中であるが、紡錘体における微小管形成の阻害に関連している。ビンクリスチンは急性白血病、ホジキン病、非ホジキン性悪性リンパ腫、横紋筋肉腫、神経芽細胞腫およびウィルムス腫瘍の治療に有用である。
【0006】
エトポシド(エピポドフィロトキシンクラスの腫瘍崩壊剤のメンバー)は、ポドフィロトキシンの半合成誘導体である。エトポシドはトポイソメラーゼインヒビターとして作用し、精巣および肺の新生物の治療に有用である。
【0007】
PCT公報(WO 99/07343、WO 99/51236およびWO 99/51228)は、MRP1モジュレーターとして有用であることが公知である化合物を開示する。種々の疾患においてMRP1を調節するさらなる化合物の開示に対する必要性が残っている。
【0008】
本発明は、式I:
【化1】
Figure 2004529920
[式中、
V、W、XまたはYは窒素であり、
は、NHR、CHNHR、CHC(O)NHRまたはC(O)NHRであり、
は、水素、ハロまたはトリフルオロメチルであり、
は、C(O)ORまたはC(O)Rであり、
は、場合により置換されているフェニルまたはCH−(場合により置換されているフェニル)であり、
は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロ環またはCH(OH)−(場合により置換されているフェニル)であり、
は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロ環またはCH(OH)−(場合により置換されているフェニル)である]
で表される化合物またはその薬学的な塩に関する。
【0009】
さらに、本発明は哺乳動物においてMRP1を阻害する方法に関し、この方法はそのような方法を必要とする哺乳動物に式Iの化合物またはその薬学的な塩を有効量で投与することを含む。
【0010】
別の実施態様において、本発明は、哺乳動物における耐性新生物または耐性になりやすい新生物を阻害する方法に関し、この方法はそのような方法を必要とする哺乳動物に式Iの化合物またはその薬学的な塩の有効量を、腫瘍崩壊剤の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0011】
さらに、本発明はMRP1の阻害用医薬の製造のための式Iの化合物の使用を提供する。本発明はまた、耐性新生物の阻害用医薬の製造のための式Iの化合物の使用を提供する。
【0012】
本発明はまた、式Iの化合物またはその薬学的な塩を、それらに対する1種以上の腫瘍崩壊剤、薬学的なキャリア、希釈剤または賦形剤と共に含有する医薬製剤に関する。
【0013】
本発明は、選択群の化合物(式Iの化合物)が多剤耐性タンパク質(MRP1)の選択的インヒビターであり、それゆえ耐性新生物および耐性になりやすい新生物においてMRP1が付与する多剤耐性(MDR)の処置に有用であるという発見に関する。
【0014】
用語、MRP1に関連する場合の「阻害する」および「MRP1の阻害」は、腫瘍崩壊剤の作用部位(多くの場合は新生物の核)から離れた部位、および細胞外へ腫瘍崩壊剤を再配置するMRP1の能力の進行の阻止、軽減、改善、停止、抑制、遅延または後退、またはその能力の減少を意味する。
【0015】
本明細書中で用いる用語「式Iの化合物の有効量」は、MRP1を阻害し得る本発明の化合物の量を意味する。用語「腫瘍崩壊剤の有効量」は、耐性であるか、またはそうではない新生物を阻害し得る腫瘍崩壊剤の量を意味する。
【0016】
用語「耐性新生物、または耐性になりやすい新生物の阻害」は、耐性新生物および/または耐性になりやすい新生物の増殖の進行を予防、停止、抑制、遅延または後退すること、その増殖を減少すること、または殺すことを意味する。
【0017】
用語「耐性新生物」とは、化学療法に対して耐性である新生物を意味し、この場合の耐性はMRP1により部分的または完全に付与される。このような新生物としては、膀胱、骨、胸部、肺(小細胞)、精巣および甲状腺の新生物が挙げられ(しかしこれらに限定されない)、そしてまた、より具体的な癌のタイプとしては例えば、急性リンパ芽球性白血病および急性骨髄芽球性白血病、ウィルムス腫瘍、神経芽腫、軟組織肉腫、ホジキンおよび非ホジキン性リンパ腫および気管支原性癌が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
「耐性になりやすい」新生物とは、新生物の耐性が本質的なものではなく、また現在は存在するものではないが、化学療法が始まった後にMRP1により付与され得る、新生物である。それゆえ、本発明の方法は、式Iの化合物の予防的および治療的投与を意味する。
【0019】
用語「化学療法」は、少なくとも1つの腫瘍崩壊剤がMRP1の基質である、1つ以上の腫瘍崩壊剤の使用を意味する。「MRP1の基質」とは、MRP1に結合し、それにより腫瘍崩壊剤作用部位(新生物の核)から離れたところへ、そして細胞外へと再分配される腫瘍崩壊剤であり、このため治療効果を低くする。
【0020】
用語「治療(処置)」または「治療(処置)する」は、多剤耐性腫瘍におけるMRP1由来薬物耐性の進行を阻害、予防、軽減、改善、停止、抑制、遅延または逆転あるいはその重篤度を減少させることを含む一般的な意味を有する。
【0021】
本明細書の一般式において、一般的な化学用語は通常の意味を有する。例えば、用語「C1〜C4アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、シクロブチル、s-ブチルおよびt-ブチルを意味する。用語「C1〜C6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む1価の直鎖、分枝鎖または環式の飽和炭化水素を意味し、C1-C4アルキル基を包含する。さらに、C1〜C6アルキルは、シクロペンチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシルなどを含むが、これらに限定されない。用語「C3〜C6シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルチルを意味する。用語「C5〜C7シクロアルキル」は、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを意味する。用語「C6〜C10ビシクロアルキル」は、環が、環上の置換に利用可能な任意の点で親分子部分に連結しているビシクロ-[2.1.1]ヘキサニル、[2.2.1]ヘプタニル、[3.2.1]オクタニル、[2.2.2]オクタニル、[3.2.2]ノナニル、[3.3.1]ノナニル、[3.3.2]デカニルおよび[4.3.1]デカニル環系を意味する。
【0022】
用語「C1〜C4アルコキシ」および「C1〜C6アルコキシ」は、それぞれ、式O-(C1〜C4アルキル)およびO-(C1〜C6アルキル)部分を意味する。
【0023】
用語「ハロ」または「ハロゲン化物(ハライド)」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0024】
用語「場合により置換されているフェニル」は、場合により1〜3個のC1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ、ハロ、ベンジル、フェニルまたはトリフルオロメチルで独立して置換されているフェニル環を意味する。
【0025】
用語「ヘテロ環」は、酸素、硫黄および窒素からなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、一価の飽和、不飽和または芳香族の、合計5〜7個の原子の単環または縮合環系を意味する。
【0026】
用語「場合により置換されているヘテロ環」は、場合により、1〜2個のC1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ、ハロ、ベンジル、フェニル、トリフルオロメチルまたはオキソ基で独立して置換されているヘテロ環式環を意味する。
【0027】
用語「保護基」(Pg)は、アミノ保護基またはヒドロキシ保護基を意味する。保護基の種類は、「Pg」基が窒素原子に結合している(アミノ保護基)か、または酸素原子に結合している(ヒドロキシ保護基)かによって明らかである。
【0028】
本明細書中で使用する用語「アミノ保護基」は、化合物上の他の官能基を反応させる間、アミノ官能基をブロックまたは保護するために一般的に使用されるアミノ基の置換基を意味する。このようなアミノ保護基の例としては、ホルミル基、トリチル基、フタルイミド基、アセチル基、トリクロロアセチル基、クロロアセチル、ブロモアセチルおよびヨードアセチル基、ウレタン型保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル(「FMOC」)など)が挙げられる。誘導体化したアミノ基が分子の他の位置における以後の反応条件に対して安定であり、分子の残りの部分を破壊することなく適切な点で取り除かれ得る限り、用いられるアミノ保護基の種類は重要ではない。セファロスポリン、ペニシリンおよびペプチドの分野で用いられる類似のアミノ保護基もまた、上記の用語内に含まれる。上記の用語により意味される基のさらなる例は、T. W. Greene,「Protective Groups in Organic Synthesis」、John WileyおよびSons、New York, N. Y., 1991,第7章(以下、この本を「Greene」と称する)に記載されている。好ましいアミノ保護基はt-ブチルオキシカルボニルである。
【0029】
用語「ヒドロキシ保護基」は、Greeneの第2章に記載される型の、有機化学の分野の当業者により理解される基を意味する。代表的なヒドロキシ保護基としては、例えば、エーテル基[メチルおよび置換メチルエーテル基(例えば、メチルエーテル、メトキシメチルエーテル、メチルチオメチルエーテル、tert-ブチルチオメチルエーテル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチルエーテル、ベンジルオキシメチルエーテル、p-メトキシベンジルオキシメチルエーテルおよびtert-ブトキシメチルエーテル)、置換エチルエーテル基(例えば、エトキシエチルエーテル、1-(2-クロロエトキシ)エチルエーテル、2,2,2-トリクロロエトキシメチルエーテルおよび2-(トリメチルシリル)エチルエーテルなど)、イソプロピルエーテル基、フェニルおよび置換フェニルエーテル基(例えば、フェニルエーテル、p−クロロフェニルエーテル、p−メトキシフェニルエーテルおよび2,4-ジニトロフェニルエーテル)、ベンジルおよび置換ベンジルエーテル基(例えば、ベンジルエーテル、p−メトキシベンジルエーテル、o-ニトロベンジルエーテルおよび2,6-ジクロロベンジルエーテル)およびアルキルシリルエーテル基(例えば、トリメチル−、トリエチル−およびトリイソプロピルシリルエーテル、ジメチルイソプロピルシリルエーテルおよびジエチルイソプロピルシリルエーテルのような混合型アルキルシリルエーテル基)を含む]およびエステル保護基(例えば、ホルメートエステル、ベンジルホルメートエステル、モノ−、ジ−およびトリクロロアセテートエステル、フェノキシアセテートエステルおよびp−クロロフェノキシアセテート)などが挙げられる。誘導体化したヒドロキシ基が中間体分子の他の位置における以後の反応条件に対して安定であり、ヒドロキシ保護基以外の任意のものを含む分子の残りの部分を破壊することなく適切な点で選択的に取り除くことができる限り、用いられるヒドロキシ保護基の種類は重要ではない。
【0030】
一般的に、形容詞的な意味として使用する場合、用語「薬学的(製薬上)」は、生存生物に対して実質的に非毒性であることを意味する。例えば、本明細書中で使用する用語「薬学的な塩」は生存生物に対して実質的に非毒性である式Iの化合物の塩を意味する。例えば、Berge, S. M, Bighley, L. D., and Monkhouse, D. C.,「Pharmaceutical Salts」、J. Pharm. Sci., 66: 1,1977を参照のこと。代表的な薬学的な塩としては、式Iの化合物の無機的または有機的な酸または塩基との反応により製造される塩が挙げられる。そのような塩は、それぞれ、酸付加塩または塩基付加塩として公知である。これらの製薬上の塩は、しばしば、それらが由来する化合物と比較して高い溶解性特性を有し、従って、液体または乳濁液としての製剤にしやすいことが多い。
【0031】
用語「酸付加塩」は、式Iの化合物の無機または有機酸との反応により製造される式Iの化合物の塩を意味する。薬学的な酸付加塩の例に関しては、例えば、Berge, S. M, Bighley, L. D.およびMonkhouse, D. C., J. Pharm. Sci., 66: 1, 1977を参照のこと。本発明の化合物は性質は塩基性であり得るので、それゆえ多数の無機及び有機酸のいずれかと反応して薬学的な酸付加塩を形成する。
【0032】
代表的には、本発明の薬学的な酸付加塩は、式Iの化合物を等量または過剰量の酸と反応させることにより形成される。通常、反応物を相互溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼンなど)中で混合する。通常、塩は約1時間〜約10日間で溶液から析出し、ろ過または他の従来的な方法により単離され得る。
【0033】
酸付加塩を形成するために通常使用される酸は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸など)および有機酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、蓚酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、琥珀酸、クエン酸、安息香酸、酢酸など)である。従って、製薬上許容される塩の例は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、蓚酸塩、マロン酸塩、琥珀酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩(dioate)、ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、1,5−ナフタレン−二スルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、マンデル酸塩などである。
【0034】
用語「塩基付加塩」は、式Iの化合物の無機または有機塩基との反応により製造される式Iの化合物の塩を意味する。薬学的な塩基付加塩の例示に関しては、例えば、Berge, S. M, Bighley, L. D.およびMonkhouse, D. C., J. Pharm. Sci., 66: 1,1977を参照のこと。また、本発明は式Iの化合物の薬学的な塩基付加塩を考慮する。当業者は、式Iの化合物のいくつかは本質的に酸性であり、それゆえ、多数の無機及び有機塩基の任意のもののいずれかと反応して薬学的な塩基付加塩を形成し得ることを理解するであろう。薬学的な塩基付加塩の例は、式Iの化合物のアンモニウム、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、メチルアミノ、ジエチルアミノ、エチレンジアミノ、シクロヘキシルアミノおよびエタノールアミノの塩などである。
【0035】
本発明の化合物は全て有用であるが、特定の化合物が特に興味深く、好ましい。以下のリストは、好ましい化合物のいくつかのグループを記載する。各リストは他のリストと組み合わせて別の好ましい実施態様のグループを作製することができることが理解される。
a)R1はCH2NHR3である、
b)R2は水素またはトリフルオロメチルである、
c)R3はC(O)R6である、
d)R6はフェニルまたは場合により置換されているヘテロ環である、
e)化合物は薬学的な塩である、
f)化合物は塩酸塩である、
g)実施例の章の化合物、
h)哺乳動物がヒトである場合の方法、
i)腫瘍崩壊剤がドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ビンクリスチンおよびエトポシドから選択される方法、
j)新生物がウィルムス型、膀胱、骨、乳房、肺(小細胞)、精巣または甲状腺のものであるか、あるいは新生物が急性のリンパ芽球性および骨髄芽球性の白血病、神経芽腫、軟組織肉腫、ホジキンリンパ腫および非ホジキン性リンパ腫または気管支原性癌と関連している場合の方法、
k)腫瘍崩壊剤が、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ビンクリスチンおよびエトポシドから選択される製剤。
【0036】
本発明の化合物は種々の方法により製造することができ、これらのうちのいくつかを以下の反応式に例示する。式Iの化合物を製造するために必要とされる工程の特定の順番は、合成される特定の化合物、出発化合物および置換部分の相対的な不安定度に依存する。
【0037】
式Iの化合物は以下の反応式1[式中、V、W、X、Y、R1およびR2は上記の通りである。R1は上記の通りであり得るか、または保護基であり得る。]に例示される式IIの化合物から製造され得る。
【0038】
【化2】
Figure 2004529920
【0039】
式Iの化合物は、式IIの化合物を適切な溶媒(好ましくはジメチルホルムアミド)中に溶解または懸濁し、適切な塩基(カリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、炭酸カリウム、ナトリウムヘキサメチルジシラザンおよびカリウムヘキサメチルジシラザン)を添加することにより製造することができる。代表的には、塩基は1対1の比で利用される。しかし、当業者であれば理解するように、わずかにモル過剰、通常、式IIの化合物に比較して約1.1〜約3倍モル過剰が許容される。
【0040】
代表的には、反応物質は約0℃〜約100℃の温度で混合する。好ましくは、反応物質は室温で混合し、代表的には、得られた溶液を約5分間〜約18時間、好ましくは、約15分〜約1時間混合する。
【0041】
式Iの環化化合物中に残存する保護基はいずれもGreeneに教示されるように取り除いてさらなる式Iの化合物を得ることができる。保護基の好ましい選択および除去方法は、以下の製造例および実施例の章に見出すことができる。
【0042】
V、W、X、Y、R1およびR2が上記の通りである場合、式IIの化合物は反応式2の記載に従って製造することができる。R1は上記のものであるか、または保護基であってもよい。
【0043】
【化3】
Figure 2004529920
【0044】
式Vの化合物は、当業者に周知の方法により対応する酸ハロゲン化物へと変換され得る。式IIの化合物は、式Vの化合物の酸ハロゲン化物を、適切な溶媒中に溶解または懸濁し、適切な溶媒中の式IVの化合物を添加することにより製造することができる。トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドおよびそれらの混合物は便利な溶媒である。このアミド形成反応はまた、4-ジメチルアミノピリジン (DMAP)、1-(3-ジメチル-アミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (EDCI)または1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾールの存在下で行なうことができる。好ましくは、式Vの化合物は、式IVの化合物に関して対応するカルボン酸であり、等量で用いるが、わずかに過剰(約0.05〜約0.15モル過剰)であることも許容される。DMAPは触媒様式で使用される。例えば、代表的に、式IVの化合物に関して約5モル%〜約15モル%が用いられる。通常、10モル%が好ましい。
【0045】
式IVの化合物は当該分野において周知であり、市販されていない場合(to the extent not commercially available)、当該分野において通常用いられる標準的な方法により簡単に合成される。
【0046】
式Vの化合物は、反応式3に記載される方法と類似の方法で製造され得る。
【0047】
【化4】
Figure 2004529920
【0048】
式VIIの化合物は、式VIの化合物を適切な溶媒中に、塩酸ヒドロキシルアミンと共に溶解または懸濁すること、および適切な塩基を滴下することにより製造することができる。エタノール/水は便利な溶媒であり、代表的には好ましい。水酸化ナトリウムは好ましい塩基である。代表的には、そして好ましくは、式VIの化合物をヒドロキシルアミンに対して等量で用いるが、わずかに過剰であることも許容される。好ましくは、反応物質を約0℃で合わせ、得られた溶液を、通常、室温まで昇温させ、約1〜約3時間混合する。
【0049】
次いで、当業者に周知の方法により、式VIIの化合物を式VIIIの化合物に変換することができる。好ましい方法に関しては、製造例3、11、20および28を参照のこと。
【0050】
次いで、式VIIIの化合物を適切な溶媒中に溶解または懸濁し、メチル-2-ブチノエートおよび適切な塩基を添加することにより、式VIIIの化合物を式XIIIの化合物に変換することができる。ジエチルエーテルは便利な溶媒であり、通常、好ましい。トリエチルアミンは便利な塩基であり、通常、好ましい。次いで、エステル基を当該分野において通常用いられる標準的な方法により式V(a)の対応するカルボン酸に加水分解する(例えば、Larock, Comprehensive Organic Transformations、981-985頁、VCH Publishers, New York, N.Y., 1999を参照のこと)。
【0051】
本発明の任意の塩の一部を形成する特定の対イオンは、塩が全体として薬理学的に許容され、そして対イオンが全体として塩に望ましくない特性の一因とならない限り重要な性質のものではないことが認識されるべきである。
【0052】
反応式1〜3の反応を行うために最適の時間は、従来的なクロマトグラフィー技術を介して反応の進行をモニターすることにより決定することができる。さらに、本発明の反応を不活性雰囲気下(例えば、アルゴンまたは特に窒素)で行なうことが好ましい。通常、溶媒の選択は、用いられる溶媒が進行する反応に対して不活性であり、所望の反応をもたらすために十分に反応物質を溶解する限り、重要なものではない。好ましくは、化合物は続いての反応での使用前に単離し、精製する。いくつかの化合物は形成中に反応溶液から析出するかもしれず、次いでろ過により回収してもよいし、または抽出、エバポレーションまたはデカンテーションにより反応溶媒を取り除いてもよい。所望されるならば、再結晶またはシリカゲルもしくはアルミナのような固体支持体でのクロマトグラフィーのような通常の技術により式Iの中間体および最終生成物をさらに精製することができる。
【0053】
当業者であれば、全ての置換機が全ての反応条件と適合性であるわけではないことを理解する。これらの化合物は、当該分野において周知の方法による合成で都合のよい点で保護または修飾され得る。
【0054】
以下の製造例および実施例は、本発明の実施をより良く明瞭にするために提供され、いかなる様式においても本発明の範囲を制限するように理解されるべきではない。当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱せずに種々の変更が行われ得ることを理解する。本明細書中に記載の全ての刊行物は本発明が寄与する分野における当業者のレベルの指標である。本明細書の製造例および実施例で用いる用語および略語は、特に記載しない限り、通常の意味を有する。例えば、「℃」、「N」、「mmol」、「g」、「mL」、「M」、「HPLC」、「IR」、「MS(FD)」、「MS(IS)」、「MS(FIA)」、「MS(FAB)」、「MS(EI)」、「UV」および「1H NMR」は、それぞれ、摂氏温度、規定(normal)または規定度、ミリモル、グラム、ミリリットル、重量モル濃度、高性能液体クロマトグラフィー、赤外分光法、電解脱離質量分析法、イオンスプレー質量分析法、フローインジェクション分析質量分析法、高速原子衝撃質量分析法、電子衝撃質量分析法、紫外分光法およびプロトン核磁気共鳴を意味する。さらに、IRスペクトルに関して列挙する吸収極大は単なる一例であり、観察された極大の全てではない。
【0055】
製造例
製造例1
2-クロロピリジン-3-カルボキシアルデヒド
n-ブチルリチウム(37.5 mL,0.06 mol,ヘキサン中1.6M)をテトラヒドロフラン(200mL)中のジイソプロピルアミン(8.39 mL, 0.06 mol)に-10℃〜-20℃で窒素雰囲気下で加えることによりリチウムジイソプロピルアミドの溶液を形成する。20分間攪拌した後、混合物を-70℃まで冷却し、2-クロロピリジン(4.96 mL, 0.05 mol)をシリンジを介して滴下し、この温度で混合物を1時間攪拌した。N,N-ジメチルホルムアミド(7.73 mL, 0.10 mol)をシリンジを介して滴下し、-70℃付近で1時間攪拌し、この後に、冷却浴を取り除き、5N 塩酸/テトラヒドロフラン (5 ml/25 mL)の水溶液を滴下する。水(200 mL)を加え、混合物を-10℃まで昇温させる。酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残渣を10%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルから溶離し、所望のアルデヒドの固体としての単離を可能とする (2.86 g, 40%)。MS(EI): (M)+140.2, 141.3, 143.3 m/z。
【0056】
製造例2
2-クロロピリジン-3-カルボキシアルデヒドオキシム
2-クロロピリジン-3-カルボキシアルデヒド (2.75 g, 0.0195 mol) をヒドロキシルアミン塩酸塩(1.38 g, 0.021 mol)および氷 (40 g) とエタノール/水 (15 mL/15 mL)の混合物中で合わせる。水性水酸化ナトリウム (水5mL中1.95 g, 0.049 mol)を滴下し、周囲温度の近傍で2.5時間攪拌する。水性塩酸を用いて混合物を約pH7.0に調整し、生成物を析出させる。ジエチルエーテルで抽出し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮して所望の粗オキシムを白色固体として得る (2.78 g, 91%)。MS(EI): (M)+156.3, 158.3 m/z。
【0057】
製造例3
クロロ(2-クロロ(3-ピリジル))(ヒドロキシイミノ)メタン
2-クロロピリジン-3-カルボキシアルデヒドオキシム (2.50 g, 0.016 mol)をN,N-ジメチルホルムアミド (20 mL)に溶解する。N-クロロスクシンイミド (2.14 g, 0.016 mol) を少しずつ、少量の気体の塩酸と共に加える。3時間、攪拌する。TLC分析が反応の完了を示した時点で、氷/水に注ぐ。ジエチルエーテルで抽出し、合わせた抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。抽出物を濃縮して粗生成物をオフホワイトの固体として得る(3.00 g,98%)。MS(FD):(M)+190.0, 192.0 m/z。
【0058】
製造例4
3-(2-クロロ-ピリジン-3-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸メチルエステル
クロロ(2-クロロ(3-ピリジル))(ヒドロキシイミノ)メタン (2.90 g, 0.015 mol)をメチル-2-ブチノエート(1.19 mL, 0.012 mol)とジエチルエーテル(75 mL)中で合わせる。窒素雰囲気下、氷浴中で混合物を冷却する。トリエチルアミン(1.77 mL, 0.013 mol)のジエチルエーテル(10 mL)溶液を滴下する。混合物を一晩、周囲温度まで加温しながら攪拌する。混合物を水でクエンチし、ジエチルエーテルで抽出する。合わせた抽出物を濃縮し、10%メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離させて、所望のイソキサゾールを同時溶離の不純物と共に得る(2.30 g, 60%)。MS(ES):(M+1)+253.0, 255.0 m/z。
【0059】
製造例5
3-(2-クロロ-ピリジン-3-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸
3-(2-クロロ-ピリジン-3-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸メチルエステル (1.90 g, 0.0075 mol) を水性水酸化ナトリウム(2N, 15.0 mL, 0.03 mol)、エタノール (3 mL)およびテトラヒドロフラン(3 mL)と合わせる。周囲温度で4時間攪拌する。減圧下で有機溶媒を除去し、水性混合物を、水性塩酸を用いてpH3.0に調整する。酢酸エチルで抽出し、合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルを溶離し、所望のイソキサゾール酸をオフホワイトの固体として単離し得る (0.98 g, 55%)。MS(ES):(M+1)+238.97, 240.97 m/z。
【0060】
製造例6
(3-{[3-(2-クロロ-ピリジン-3-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル
3-(2-クロロ-ピリジン-3-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸 (0.50 g, 0.0021 mol)を (3-アミノ-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル (0.63 g, 0.0021 mol)、1-[3-(ジメチル-アミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (0.40, 0.0021 mol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (0.29 g, 0.0021 mol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (1.10 mL, 0.0063 mol)をN,N-ジメチルホルムアミド (10 mL)中で合わせる。周囲温度で週末にかけて攪拌する。減圧下で濃縮し、水に採取し、酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルで溶離して、所望のアミドを白色固体として単離し得る(0.87 g,86%)。MS(ES):(M+1)+483.1, 485.1 m/z。
【0061】
製造例7
[3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,6-トリアザ-シクロペンタ-[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-カルバミン酸ベンジルエステル
窒素雰囲気下、周囲温度で(3-{[3-(2-クロロ-ピリジン-3-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル (0.74 g, 0.0015 mol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10 mL)に溶解する。カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(トルエン中0.5M, 3.38 mL, 0.0017 mol)の溶液を加え、周囲温度で15分間攪拌する。暗色の混合物を水でクエンチし、続いて固体の塩化ナトリウムを加える。酢酸エチルで抽出し、合わせた抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮し、メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望の生成物の単離物を白色の柔らかい固体として得る(0.61 g,89%)。MS(ES):(M+1)+447.1, 448.1 m/z。
【0062】
製造例8
5-(3-アミノメチル-シクロヘキシル)-3-メチル-5H-2-オキサ-1,5,6-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-4-オンヨウ化水素酸塩(hydroiodide)
[3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,6-トリアザ-シクロペンタ-[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-カルバミン酸ベンジルエステル (0.52 g, 0.0012 mol)を乾燥ジクロロメタン中に溶解し、窒素下で氷浴中で冷却する。ヨードトリメチルシラン (0.50 mL, 0.0035 mol)を加え、周囲温度まで昇温させながら一晩攪拌する。混合物をメタノール(約5mL)でクエンチし、減圧下で濃縮する。得られた残渣を最小量のジクロロメタン中に採取し、ジエチルエーテルを加える。濃縮し、ジクロロメタン/ジエチルエーテルから滴定して暗色の固体を得る。溶媒をデカントし、減圧下で固体を乾燥させてほぼ等量の(a near quantitative)収率の粗アミン塩を暗色固体として得る。精製することなく直接用いる。MS(ES):(M+1)+313.2, 314.2 m/z。
【0063】
製造例9
3-フルオロピリジン-4-カルボキシアルデヒド
窒素雰囲気下、0〜10℃でn-ブチルリチウム(37.5 mL, 0.06 mol, ヘキサン中1.6M)をテトラヒドロフラン(200mL)中のジイソプロピルアミン(8.40 mL, 0.06 mol)に加えることによりリチウムジイソプロピルアミドの溶液を形成する。30分間攪拌する。-70℃まで冷却し、3-フルオロピリジン (4.29 mL, 0.05 mol)をシリンジで滴下する。この温度で1時間、攪拌する。N,N-ジメチルホルムアミド (7.75 mL, 0.10 mol)をシリンジで滴下し、約-70℃で2時間、攪拌する。混合物を-20℃まで暖めた時点で水(200mL)を加え、酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残渣をシリカゲルから溶離し、所望のアルデヒドを油状物として単離することができる (4.28 g, 68%)。MS(EI): M+125.0 m/z。
【0064】
製造例10
3-フルオロピリジン-4-カルボキシアルデヒド オキシム
エタノール/水(30 mL/30 mL)の混合物中で3-フルオロピリジン-4-カルボキシアルデヒド (2.37 g, 0.037 mol)および氷(50 g)を合わせる。水性水酸化ナトリウム (3.41 g, 0.083 mol, 水30mL中)を滴下し、ほぼ周囲温度で3時間、攪拌する。混合物を水性塩酸を用いて約pH7.0に調整し、ジエチルエーテルで抽出する。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮すると所望の粗オキシムが白色固体として残る (4.60 g, 98%)。MS(ES): (M+1)+141.0, 142.0 m/z。
【0065】
製造例11
クロロ(2-フルオロ(3-ピリジル))(ヒドロキシイミノ)メタン
3-フルオロピリジン-4-カルボキシアルデヒド オキシム (4.60 g, 0.033 mol)をN,N-ジメチルホルムアミド(30 mL)に溶解する。N-クロロスクシンイミド (4.97 g, 0.037 mol)を少しずつ加え、週末にわたって周囲温度で攪拌する。混合物を氷/水に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出する。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、褐色の固体としてほぼ等量の粗生成物の回収を得る。MS(FD): M+174.0, 176.0 m/z。
【0066】
製造例12
3-(3-フルオロ-ピリジン-4-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸エチルエステル
クロロ(2-フルオロ(3-ピリジル))(ヒドロキシイミノ)メタン(5.70 g, 0.033mol)をエチル-2-ブチノエート(9.70 mL, 0.083 mol)とジエチルエーテル (150 mL)中で合わせ、窒素雰囲気下氷浴中で冷却する。トリエチルアミン (6.03 mL, 0.043 mol)を滴下し、周囲温度まで昇温させながら一晩攪拌する。混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を濃縮し、メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のイソキサゾールの油状物としての回収を得る(2.15 g, 26%)。これは静置すると固化する。ES(EI):M+250.1, 251.1 m/z。
【0067】
製造例13
3-(3-フルオロ-ピリジン-4-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸
3-(3-フルオロ-ピリジン-4-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸エチルエステル (2.00 g, 0.008 mol)を水性水酸化ナトリウム(2N, 15.0 mL, 0.03 mol)、エタノール (3 mL)およびテトラヒドロフラン(3 mL)と合わせ、一晩周囲温度で攪拌する。減圧下で有機溶媒を取り除き、水性塩酸を用いて水性混合物を約pH 3.5に調整する。酢酸エチルを用いて抽出し、合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。所望の正味の(nets)イソキサゾール酸(isoxazole acid)をオフホワイトの固体として乾燥させる(1.35 g, 76%)。MS(FD):M+ 223.2 m/z。
【0068】
製造例14
(3-{[3-(3-フルオロ-ピリジン-4-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル
3-(3-フルオロ-ピリジン-4-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルバミン酸 (0.41 g, 0.0019 mol) を (3-アミノ-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル (0.55 g, 0.0019 mol)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (0.36, 0.0019 mol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (0.25 g, 0.0019 mol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.96 mL, 0.0055 mol)とN,N-ジメチルホルムアミド (10 mL)中で合わせる。混合物を一晩周囲温度で攪拌する。減圧下で濃縮し、残渣を水中に採取し、酢酸エチルで抽出する。濃縮し、メタノール/ ジクロロメタンを用いるシリカゲルから溶離して所望のアミドの明るい黄色の固体としての単離物を得た(0.66 g,76%)。MS(ES):(M+1)+467.0, 468.1 m/z。
【0069】
製造例15
[3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-カルバミン酸ベンジルエステル
(3-{[3-(3-フルオロ-ピリジン-4-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル (0.65 g, 0.0014 mol)をN,N-ジメチルホルムアミド (6 mL)中に周囲温度で窒素雰囲気下で溶解する。カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(トルエン中0.5M、3.35 mL、0.0017 mol)の溶液を加え、周囲温度で15分間攪拌する。暗色の混合物を水でクエンチし、続いて固体の塩化ナトリウムを加える。酢酸エチルで抽出し、合わせた抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮し、メタノール/ ジクロロメタンを用いて、シリカゲルから溶離して所望の生成物をオフホワイトの固体として単離し得る(0.44 g,71%)。MS(ES):(M+1)447.2。448.2 m/z。
【0070】
製造例16
5-(3-アミノメチル-シクロヘキシル)-3-メチル-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-4-オンヨウ化水素酸塩
[3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-カルバミン酸ベンジルエステル (0.42 g, 0.00093 mol)を乾燥ジクロロメタンに溶解する。ヨードトリメチルシラン(0.33 mL, 0.0023 mol)を加え、一晩周囲温度で攪拌する。混合物をメタノール(5mL)でクエンチし、減圧下で濃縮する。得られた残渣を最小量のジクロロメタンに採取し、ジエチルエーテルを加える。濃縮し、ジクロロメタン/ジエチルエーテルから滴定して暗色の固体を形成する。溶媒をデカントし、減圧下で乾燥させてほぼ等量の粗アミン塩を暗色固体として得、精製することなく直接用いる。MS(ES):(M+1)+313.2, 314.2 m/z。
【0071】
製造例17
4-クロロピリジン-3-カルボキシアルデヒド
n-ブチルリチウム (37.5 mL, 0.06 mol, ヘキサン中1.6 M)をテトラヒドロフラン(200mL)中のジイソプロピルアミン (8.40 mL, 0.06 mol)に、−10〜−20℃で窒素雰囲気下で加えることによりリチウムジイソプロピルアミドの溶液を形成する。30分間攪拌し、−60℃まで冷却する。4-クロロピリジン塩酸塩 (3.75 g, 0.025 mol)を少しずつ加え、この温度で1.5時間攪拌する。ジメチルホルムアミド (4.0 mL, 0.052 mol)をシリンジを用いて滴下し、ほぼ-60℃で1時間、攪拌する。混合物がほぼ0℃まで昇温したら水 (200 mL)を加える。酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残渣をメタノール/ジクロロメタンを用いてシリカから溶離し、所望のアルデヒドを明るい黄色の固体として単離し得る。MS(EI):(M)+141.0, 142.0, 143.0 m/z。
【0072】
製造例18
4-クロロピリジン-3-カルボキシアルデヒド オキシム
エタノール/水(25 mL/25 mL)の混合物中で4-クロロピリジン-3-カルボキシアルデヒド (2.75 g, 0.020 mol) をヒドロキシルアミン塩酸塩 (1.38 g, 0.021 mol)および氷(50 g)と合わせる。水性水酸化ナトリウム(水25mL中2.00 g, 0.049 mol)を滴下し、ほぼ周囲温度で3時間攪拌する。混合物を水性塩酸を用いて約pHを約7.0に調整し、ジエチルエーテルで抽出する。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮すると所望の粗オキシムが残る(2.67 g, 88%)。MS(ES):(M+1)+156.0, 158.0 m/z。
【0073】
製造例19
クロロ(4-クロロ(3-ピリジル))(ヒドロキシイミノ)メタン
N,N-ジメチルホルムアミド(20mL)中に4-クロロピリジン-3-カルボキシアルデヒド オキシム (2.60 g, 0.017 mol) を溶解する。N-クロロスクシンイミド (2.48 g, 0.018 mol) を少しずつ加え、周囲温度で一番攪拌する。混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。減圧下で濃縮して粗生成物を黄色固体として得る(2.45g,75%)。1H NMRは構造式と一致した。
【0074】
製造例20
3-(4-クロロ-ピリジン-3-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸エチルエステル
窒素雰囲気下、クロロ(4-クロロ(3-ピリジル))(ヒドロキシイミノ)メタン(2.40 g, 0.013 mol)をエチル-2-ブチノエート(3.66 mL, 0.031 mol) とジエチルエーテル (150mL) 中で合わせる。トリエチルアミン (2.27 mL, 0.016 mol) を滴下様式で加え、周囲温度で週末にわたって攪拌する。混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を濃縮し、メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のイソキサゾールを油状物として得る(0.95 g, 27%)。ES(EI):M266.0, 267.0, 268.0 m/z。
【0075】
製造例21
3-(4-クロロ-ピリジン-3-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸
3-(4-クロロ-ピリジン-3-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸エチルエステル(0.90 g, 0.003 mol) を水性水酸化ナトリウム(2N, 7.0 mL, 0.014 mol)、エタノール (2 mL)およびテトラヒドロフラン(2 mL)と合わせ、周囲温度で一番攪拌する。水性混合物を水性塩酸を用いて約pH2.5に調整する。酢酸エチルを用いて抽出し、合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。正味の所望のイソキサゾール酸を明るい固体として乾燥させる (0.78 g, 97%)。MS(ES):(M+1)239.0, 241.0 m/z。
【0076】
製造例22
(3-{[3-(4-クロロ-ピリジン-3-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル
3-(4-クロロ-ピリジン-3-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸 (0.50 g, 0.0021 mol)を(3-アミノ-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル (0.63 g, 0.0021 mol)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (0.40, 0.0021 mol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (0.29 g, 0.0021 mol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (1.10 mL, 0.0063 mol)をN,N-ジメチルホルムアミド (10 mL)中で合わせ、周囲温度で一番攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮し、メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のアミドを得る(0.67 g,66%)。MS(ES):(M+1)483.2, 485.2 m/z。
【0077】
製造例23
[3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,8-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-カルバミン酸ベンジルエステル
(3-{[3-(4-クロロ-ピリジン-3-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル (0.63 g, 0.0013 mol) をN,N-ジメチルホルムアミド (10 mL) 中に窒素雰囲気下で周囲温度で溶解する。カリウムビス(トリメチルシリル)アミド (トルエン中0.5 M, 3.12 mL, 0.0016 mol)の溶液を加え、周囲温度で15分間攪拌する。暗色の混合物を水でクエンチし、続いて固体の塩化ナトリウムを加える。酢酸エチルで抽出し、合わせた抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮し、メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望の生成物を白色固体として得る(0.47g,81%)。MS(ES):(M+1)447.2, 448.2 m/z。
【0078】
製造例24
5-(3-アミノメチル-シクロヘキシル)-3-メチル-5H-2-オキサ-1,5,8-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-4-オンヨウ化水素酸塩
[3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,8-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-カルバミン酸ベンジルエステル (0.45 g, 0.0010 mol)を乾燥ジクロロメタン (10mL)中に溶解する。ヨードトリメチルシラン (0.36 mL, 0.0025 mol)を加え、一晩周囲温度で攪拌する。混合物をメタノール(5 mL)でクエンチし、減圧下で濃縮する。最小量のジクロロメタン中に採取し、ジエチルエーテルを加える。濃縮し、ジクロロメタン/ジエチルエーテルから滴定して暗色の固体を形成する。溶媒をデカントし、固体を減圧下で乾燥させてほぼ等量の粗アミン塩を暗色固体として得、これを精製することなく直接用いる。MS(ES):(M+1)313.2, 314.2 m/z。
【0079】
製造例25
3,5-ジクロロピリジン-4-カルボキシアルデヒド
n-ブチルリチウム (37.5 mL, 0.06 mol, ヘキサン中1.6 M)をテトラヒドロフラン(200mL)中ジイソプロピルアミン (8.40 mL, 0.06 mol)を-10℃〜-20℃で窒素雰囲気下で加えることによりリチウムジイソプロピルアミドの溶液を形成する。30分間攪拌し、-60℃まで冷却する。3,5-ジクロロピリジン塩酸塩 (7.40 g, 0.05 mol)を少しずつ加え、この温度で1.5時間攪拌する。N,N-ジメチルホルムアミド (7.75 mL, 0.10 mol)をシリンジを用いて滴下し、ほぼ-60℃で1時間攪拌する。混合物がほぼ0℃に昇温したら水 (200mL)を加え、酢酸エチルで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離させて所望のアルデヒドを明るい固体として得る (2.94 g, 33%)。
MS(EI):正確な質量の計算値(C6H3NOCl2について)176.9562 m/z。
実測値:176.9582 m/z。
【0080】
製造例26
3,5-ジクロロピリジン-4-カルボキシアルデヒドオキシム
3,5-ジクロロピリジン-4-カルボキシアルデヒド (2.80 g, 0.016 mol) をヒドロキシルアミン塩酸塩 (1.13 g, 0.018 mol) および氷(50 g)とエタノール/水(30 mL/30 mL)の混合物中で合わせる。水性水酸化ナトリウム (1.63 g, 0.024 mol, 水20 mL中)を滴下し、ほぼ周囲温度で4時間攪拌する。水性塩酸を用いて混合物を約pH 7.0に調整し、ジエチルエーテルで抽出する。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して所望の粗オキシムを明るい固体として得る (3.00 g, 88%)。MS(ES):(M+1)190.9, 192.9 m/z。
【0081】
製造例27
クロロ(2,5-ジクロロ(4-ピリジル))(ヒドロキシイミノ)メタン
3,5-ジクロロピリジン-4-カルボキシアルデヒドオキシム (2.90 g, 0.015 mol)をN,N-ジメチルホルムアミド (20 mL)中に溶解する。N-クロロスクシンイミド (2.26 g, 0.017 mol) を少しずつ加え、周囲温度で2時間、攪拌する。水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。減圧下で濃縮してほぼ等量の半固体を得、これをさらに精製することなく用いる。MS(ES):(M+1)+205.95, 207.95 m/z。
【0082】
製造例28
3-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸エチルエステル
窒素雰囲気下、クロロ(2,5-ジクロロ(4-ピリジル))(ヒドロキシイミノ)メタン (3.40 g, 0.015 mol)をエチル-2-ブチノエート (5.11 g, 0.046 mol) とジエチルエーテル (150 mL)中で合わせる。滴下様式でトリエチルアミン (2.75 mL, 0.020 mol)を加え、周囲温度で一番攪拌する。混合物を水性重炭酸ナトリウムでクエンチし、酢酸エチルで抽出する。濃縮し、20% 酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルから溶離して所望のイソキサゾールを油状物として得る(2.91 g, 64%)。ES(ES): (M+1)266.0, 301.0, 303.0 m/z。
【0083】
製造例29
3-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸
3-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸エチルエステル (2.75 g, 0.009 mol) を水性水酸化ナトリウム (2N, 30.0 mL, 0.06 mol)、エタノール (5 mL)およびテトラヒドロフラン (5 mL)と合わせ、周囲温度で一番攪拌する。減圧下で有機溶媒を取り除き、水性塩酸を用いて水性混合物を約pH2.0まで調整する。酢酸エチルで抽出し、合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。正味の所望のイソキサゾール酸を明るい固体として乾燥させる(2.42 g, 97%)。MS(ES): (M+1)273.0, 275.0 m/z。
【0084】
製造例30
(3-{[3-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル
3-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸 (0.41 g, 0.0015 mol)を(3-アミノ-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル (0.45 g, 0.0015 mol)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (0.29, 0.0015 mol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (0.20 g, 0.0015 mol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.78 mL, 0.0045 mol)とN,N-ジメチルホルムアミド (10 mL) 中で合わせ、周囲温度で週末にわたり攪拌する。混合物を減圧下で濃縮し、水中に採取し、酢酸エチルで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮し、メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のアミドを白色の泡状物として得る(0.64 g,82%)。MS(ES):(M+1)516.9, 518.9 m/z。
【0085】
製造例31
[3-(9-クロロ-3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-カルバミン酸ベンジルエステル
(3-{[3-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル (0.60 g, 0.0012 mol)をN,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) に周囲温度で窒素雰囲気下で溶解する。カリウムビス (トリメチルシリル)アミドの溶液 (トルエン中0.5 M, 2.32 mL, 0.0012 mol) を加え、20分間、周囲温度で攪拌する。暗色混合物を水でクエンチし、続いて固体の塩化ナトリウムを加える。酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮し、メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望の生成物を得る(0.33 g,58%)。MS(ES):(M+1)481.0 m/z。
【0086】
製造例32
3-フルオロピリジン-2-カルボキシアルデヒド
n-ブチルリチウム (34.4 mL, 0.055 mol, ヘキサン中1.6M) の溶液を1,4-ジアザビシクロ-[2.2.2]オクタン(6.16, 0.055 mol) のジエチルエーテル (250 mL)中の混合物に−10℃〜−20℃で窒素雰囲気下で加える。1時間攪拌し、−70℃まで冷却する。3-フルオロ-ピリジン (4.29 mL, 0.05 mol) を滴下し、この温度で2.5時間攪拌する。N,N-ジメチルホルムアミド (7.75 mL, 0.10 mol) をシリンジを用いて滴下し、−70℃付近で1時間攪拌する。混合物が−20℃付近に昇温した時点で水 (200 mL)を加え、酢酸エチルで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のアルデヒドを暗色の固体として得る(3.06 g, 49%)。MS(ES):(M+1)126.0 m/z。
【0087】
製造例33
3-フルオロピリジン-2-カルボキシアルデヒドオキシム
3-フルオロピリジン-2-カルボキシアルデヒド (3.00 g, 0.024 mol)をヒドロキシルアミン塩酸塩 (1.70 g, 0.026 mol) および氷 (50g) とエタノール/水(30 mL/30 mL) の混合物中で合わせる。水性水酸化ナトリウム (2.46 g, 0.06 mol, 水(25 mL)中)を滴下し、ほぼ周囲温度で4時間攪拌する。水性塩酸を用いて混合物を約pH 7.0に調整し、ジエチルエーテルで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、 減圧下で濃縮する。得られた残渣をメタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のオキシムをオフホワイトの固体として得る(2.59 g,77%)。MS(ES):(M+1)140.9, 142.0 m/z。
【0088】
製造例34
3-(3-フルオロ-ピリジン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸エチルエステル
3-フルオロピリジン-2-カルボキシアルデヒド オキシム (2.55 g, 0.018 mol)をN,N-ジメチルホルムアミド (20 mL)に溶解する。N-クロロスクシンイミド (2.71 g, 0.02 mol) を少しずつ加え、周囲温度で6時間、攪拌する。水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。減圧下で濃縮して粗生成物を得る。さらに精製することなく用いる。MS(FD): M174.0, 175.9 m/z。この物質をエチル-2-ブチノエート(5.30 mL, 0.046 mol) とジエチルエーテル (200 mL)中で窒素雰囲気下で合わせる。トリエチルアミン (3.29 mL, 0.024 mol)を滴下様式で加え、周囲温度で週末にわたって攪拌する。混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のイソキサゾールを得る(0.52 g, 11%)。ES(ES):(M+1)251.0, 252.0 m/z。
【0089】
製造例35
3-(3-フルオロ-ピリジン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸
3-(3-フルオロ-ピリジン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸エチルエステル (0.515 g, 0.002 mol) を水性水酸化ナトリウム (2N, 8.0 mL, 0.016 mol)、エタノール (2 mL)およびテトラヒドロフラン (2 mL) と合わせ、一晩周囲温度で攪拌する。水を加え、水性塩酸を用いて約pH2.0に調整する。酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。正味の所望のイソキサゾール酸を乾燥させる (0.44 g, 97%)。MS(ES): (M+1)221.9, 222.9 m/z。
【0090】
製造例36
(3-{[3-(3-フルオロ-ピリジン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル
3-(3-フルオロ-ピリジン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸 (0.425 g, 0.0019 mol) を (3-アミノ-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル (0.57 g, 0.0019 mol)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (0.37, 0.0019 mol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (0.26 g, 0.0019 mol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (1.0 mL, 0.0057 mol)とN,N-ジメチルホルムアミド (8 mL)中で合わせ、周囲温度で一晩攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮し、メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから所望のアミドを溶離させる(0.265 g,30%)。MS(ES):(M+1)467.2, 468.2 m/z。
【0091】
製造例37
[3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,9-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-カルバミン酸ベンジルエステル
(3-{[3-(3-フルオロ-ピリジン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル (260 mg, 0.56 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) 中に周囲温度で窒素雰囲気下で溶解する。カリウムビス (トリメチルシリル)アミド (トルエン中0.5 M, 1.34 mL, 0.67 mmol) の溶液を加え、周囲温度で15分間攪拌する。暗色の混合物を水でクエンチし、続いて固体の塩化ナトリウムを加える。酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮し、メタノール /ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望の生成物を得る(131 mg,53%)。MS(ES):(M+1)447.2, 448.2 m/z。
【0092】
製造例38
3-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸
市販のイソキサゾール、3-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリリン(pyririn)-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸エチルエステル (490 mg, 1.46 mmol)を、水性水酸化ナトリウム (1N, 10.0 mL, 10 mmol)、エタノール (2 mL)およびテトラヒドロフラン (2 mL)と合わせ、一晩、周囲温度で攪拌する。水性混合物を水性塩酸を用いてpH2.5に調整する。酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。正味の所望のイソキサゾール酸を乾燥させてオフホワイトの固体としてほぼ等量の収率で得る。MS(ES):(M+1)307.0, 309.0 m/z。
【0093】
製造例39
(3-{[3-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル
3-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリリン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸 (400 mg, 1.30 mmol)を(3-アミノ-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル (389 mg, 1.35 mmol)、1-[3-(ジメチル-アミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (250 mg, 1.30 mmol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (177 mg, 1.30 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.68 mL, 4.27 mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド (10 mL)中で合わせ、一晩、周囲温度で攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮し、メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のアミドをオフホワイトの固体として得る(630 mg,88%)。MS(ES):(M+1)551.0, 553.0 m/z。
【0094】
製造例40
[3-(3-メチル-4-オキソ-7-トリフルオロメチル-5H-2-オキサ-1,5,9-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-カルバミン酸ベンジルエステル
(3-{[3-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル (600 mg, 1.09 mmol) をN,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) 中に周囲温度で窒素雰囲気下で溶解する。カリウムビス(トリメチルシリル)アミド (トルエン中0.5 M,2.62 mL, 1.31 mmol) の溶液を加え、周囲温度で10分間攪拌する。暗色の混合物を水でクエンチし、続いて固体の塩化ナトリウムを加える。酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮し、メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望の生成物を明るい泡状物として得る(200 mg,36%)。MS(ES):(M+1)515.2, 516.2 m/z。
【0095】
製造例41
5-(3-アミノメチル-シクロヘキシル)-3-メチル-7-トリフルオロメチル-5H-2-オキサ-1,5,9-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-4-オンヨウ化水素酸塩
[3-(3-メチル-4-オキソ-7-トリフルオロメチル-5H-2-オキサ-1,5,9-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-カルバミン酸ベンジルエステル (200 mg, 0.39 mmol) を乾燥ジクロロメタン (10 mL)に溶解する。ヨードトリメチルシラン (0.14 mL, 0.98 mmol) を加え、周囲温度で一晩攪拌する。メタノール (5 mL) で混合物をクエンチし、減圧下で濃縮する。得られた暗色の粗アミン塩を精製することなく直接用いる。MS(ES):(M+1)381.2 m/z。
【0096】
製造例42
3-{[3-(3-フルオロ-ピリジン-4-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
3-メトキシカルボニルアミノ-シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル (513 mg, 2.24 mmol) を乾燥ジクロロメタン(10 mL)に溶解する。ヨードトリメチルシラン (0.48 mL, 3.4 mmol) を加え、得られた混合物を周囲温度で2.5時間攪拌する。メタノール (5 mL) でクエンチし、減圧下で濃縮する。得られた残渣をジエチルエーテルから2回濃縮し、粗アミン塩を精製することなく直接用いる。このアミン塩を3-(3-フルオロ-ピリジン-4-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸 (500 mg, 2.24 mmol)、1-[3-(ジメチルアミノ)-プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (430 mg, 2.24 mmol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (305 mg, 2.24 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (2.0 mL, 11.5 mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド (15 mL)中で合わせ、一晩、周囲温度で攪拌する。混合物を減圧下で濃縮し、水中に採取し、ジクロロメタンで抽出する。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、 減圧下で濃縮する。得られた残渣をメタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のアミドを白色固体として得る(720 mg,86%)。MS(ES):(M+1)376.2, 377.3 m/z。
【0097】
製造例43
3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
3-{[3-(3-フルオロ-ピリジン-4-イル)-5-メチルイソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロ-ヘキサンカルボン酸エチルエステル (0.70 g, 1.87 mmol)を周囲温度で窒素雰囲気下でN,N-ジメチルホルムアミド (10 mL)中に溶解する。カリウムビス(トリメチルシリル)アミド (トルエン中0.5 M, 4.11 mL, 2.06 mmol) の溶液を加え、周囲温度で20分間攪拌する。水でクエンチし、続いて固体の塩化ナトリウムを加える。酢酸エチルで抽出し、合わせた抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮させ、メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離し、所望の生成物を明るい固体として単離し得る(656 mg,99%)。MS(ES):(M+1)356.2, 357.2 m/z。
【0098】
製造例44
3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキサンカルボン酸
3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキサン-カルボン酸エチルエステル (620 mg, 1.75 mmol)を水性水酸化ナトリウム (2N, 5.0 mL, 10.0 mmol)、エタノール (2 mL)およびテトラヒドロフラン (2 mL)と合わせ、加水分解が完了するまで周囲温度で攪拌する。水を加え、水性塩酸を用いて約pH3.0に調整する。ジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して所望の酸を褐色の固体として得る (500 mg, 88%)。MS(ES):(M+1)328.1, 329.1 m/z。
【0099】
製造例45
3,5-ジクロロピリジン-2-カルボキシアルデヒド
n-ブチルリチウム (37.5 mL, 0.06 mol,ヘキサン中1.6 M) の溶液を1,4-ジアザビシクロ-[2.2.2]オクタン (6.16 g, 0.055 mol) のジエチルエーテル (250 mL) 中の混合物に−10℃〜−20℃で窒素雰囲気下で加える。45分間攪拌し、次いで−70℃まで冷却する。3,5-ジロロピリジン (7.40 g, 0.05 mol) を少しずつ加え、この温度で1.5時間攪拌する。N,N-ジメチルホルムアミド (7.75 mL, 0.10 mol) をシリンジにより滴下し、2時間攪拌し、約−20℃までゆっくりと昇温させる。水 (200 mL) を加え、酢酸エチルで抽出する。 硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。ヘキサン/酢酸エチルを用いてシリカゲルから溶離して所望のアルデヒドを明るい黄色の固体として得る(2.12 g, 49%)。MS(ES): (M+1)174.8, 175.8 m/z。
【0100】
製造例46
3,5-ジクロロピリジン-2-カルボキシアルデヒドオキシム
3,5-ジクロロピリジン-2-カルボキシアルデヒド(2.00 g, 0.011 mol)をヒドロキシルアミン塩酸塩 (0.81 g, 0.012 mol)および氷 (40 g) とエタノール/水 (20 mL/20 mL)の混合物中で合わせる。水性水酸化ナトリウム (1.16 g, 0.028 mol, 水(15 mL)中)を滴下し、周囲温度で一番攪拌する。混合物を水性塩酸を用いて約pH 7.0に調整し、酢酸エチルで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。酢酸エチル/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のオキシムを黄色の固体として得る(1.90 g,88%)。MS(ES):(M+1)190.9, 192.9 m/z。
【0101】
製造例47
3-(3,5-ジクロロ-ピリジン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸エチルエステル
3,5-ジクロロピリジン-2-カルボキシアルデヒド オキシム (0.70 g, 0.0037 mol) をN,N-ジメチルホルムアミド (10 mL)中に溶解する。N-クロロスクシンイミド (0.55 g, 0.004 mol) を少しずつ加え、反応が完了するまで周囲温度で攪拌する。混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。減圧下で濃縮し、さらに精製することなく用いる。この物質をエチル-2-ブチノエート (6.0 mL, 0.052 mol) と窒素雰囲気下で合わせる。トリエチルアミン (3.29 mL, 0.024 mol) をジエチルエーテル (10 mL) に滴下様式で加え、周囲温度で一晩攪拌する。水でクエンチし、酢酸エチルで抽出する。濃縮し、ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のイソキサゾールを得る (0.43 g, 39%)。MS(ES):(M+1)301.0, 303.0 m/z。
【0102】
製造例48
3-(3,5-クロロ-ピリジン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸
3-(3,5-ジクロロ-ピリジン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸エチルエステル (0.755 g, 0.0025 mol)を水性水酸化ナトリウム、(2N, 6.0 mL, 0.012 mol)、エタノール (2 mL)、およびテトラヒドロフラン(2 mL)と合わせ、一晩周囲温度で攪拌する。水を加え、水性塩酸を用いて約pH3.0に調整する。酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。正味の所望のイソキサゾール酸を褐色の固体として得る(0.65 g, 95%)。MS(ES):(M+1)273.0, 275.0 m/z。
【0103】
製造例49
(3-{[3-(3,5-ジクロロ-ピリジン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル
3-(3,5-ジクロロ-ピリジン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボン酸 (0.35 g, 0.0013 mol) を (3-アミノ-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル (0.38 g, 0.0013 mol)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (0.25, 0.0013 mol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (0.18 g, 0.0013 mol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.67 mL, 0.0039 mol)とN,N-ジメチルホルムアミド (8 mL) 中で合わせ、一晩周囲温度で攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、ジクロロメタンで抽出する。濃縮し、酢酸エチル/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のアミドを得る(0.603 g,90%)。MS(ES):(M+1)517.2, 519.2 m/z。
【0104】
製造例50
[3-(7-クロロ-3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,9-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-カルバミン酸ベンジルエステル
(3-{[3-(3,5-ジクロロ-ピリジン-2-イル)-5-メチル-イソキサゾール-4-カルボニル]-アミノ}-シクロヘキシルメチル)-カルバミン酸ベンジルエステル (600 mg, 1.16 mmol) をN,N-ジメチルホルムアミド (10mL)に周囲温度で窒素雰囲気下で溶解する。カリウムビス(トリメチルシリル)アミド (トルエン中0.5 M, 2.32 mL, 1.16 mmol) の溶液を加え、周囲温度で20分間攪拌する。水でクエンチし、続いて固体の塩化ナトリウムを加える。酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮し、シリカゲルから溶離して所望の生成物を得る(70 mg,12%)。MS(ES): (M+1)481.2, 483.2 m/z。
【0105】
実施例
実施例1
N-[3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,6-トリアザ-シクロペンタ-[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-ニコチンアミド
5-(3-アミノメチル-シクロヘキシル)-3-メチル-5H-2-オキサ-1,5,6-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-4-オンヨウ化水素酸塩 (200 mg, 0.45 mmol)をニコチン酸(56 mg, 0.45 mmol)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (87 mg, 0.45 mmol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (62 mg, 0.45 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.24 mL, 1.38 mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド (4 mL)中で合わせ、周囲温度で週末にわたり攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、酢酸エチルで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のアミドを明るい褐色の固体として得る(88 mg,47%)。MS(ES):(M+1)418.2, 419.2 m/z。
【0106】
実施例2
N-[3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,6-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-ベンズアミド
5-(3-アミノメチル-シクロヘキシル)-3-メチル-5H-2-オキサ-1,5,6-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-4-オンヨウ化水素酸塩 (100 mg, 0.23 mmol)を安息香酸 (28 mg, 0.23 mmol)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(44 mg, 0.23 mmol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (31 mg, 0.23 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.12 mL, 0.69 mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド (4 mL) 中で合わせ、周囲温度で週末にわたり攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、酢酸エチルで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のアミドをオフホワイトの固体として得る(72 mg,75%)。MS(ES):(M+1)417.2, 418.2 m/z.
【0107】
実施例3
N-[3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-ベンズアミド
5-(3-アミノメチル-シクロヘキシル)-3-メチル-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-4-オンヨウ化水素酸塩 (136 mg, 0.31 mmol) を安息香酸(42 mg, 0.34 mmol)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (65 mg, 0.34 mmol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (46 mg, 0.34 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.20 mL, 1.15 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド (4 mL) 中で合わせ、周囲温度で週末にわたり攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、ジクロロメタンで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望の生成物をオフホワイトの固体として得る(96mg,74%)。MS(ES):(M+1)417.2, 418.2 m/z。
【0108】
実施例4
N-[3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ-[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-ニコチンアミド
5-(3-アミノメチル-シクロヘキシル)-3-メチル-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-4-オンヨウ化水素酸塩 (136 mg, 0.31 mmol) をニコチン酸(42 mg, 0.34 mmol)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (65 mg, 0.34 mmol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (46 mg, 0.34 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.20 mL, 1.15 mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド (4 mL)中で合わせ、周囲温度で週末にわたり攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、ジクロロメタンで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。メタノール /ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のアミドを白色固体として得る(22mg,17%)。
MS(EI):
正確な質量計算値(C23H24N5O3について)418.1879 m/z。
実測値:418.1869 m/z。
【0109】
実施例5
N-[3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,8-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-ベンズアミド
5-(3-アミノメチル-シクロヘキシル)-3-メチル-5H-2-オキサ-1,5,8-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-4-オンヨウ化水素酸塩 (145 mg, 0.33 mmol)を安息香酸 (44 mg, 0.36 mmol)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (70 mg, 0.36 mmol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (49 mg, 0.36 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.20 mL, 1.15 mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド (4 mL) 中で合わせ、周囲温度で週末にわたり攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、ジクロロメタンで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。メタノール /ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離させて所望の生成物を白色の固体として得る(98 mg,71%)。MS(ES):(M+1)417.0, 418.1 m/z。
【0110】
実施例6
N-[3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,8-トリアザ-シクロペンタ-[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-ニコチンアミド
5-(3-アミノメチル-シクロヘキシル)-3-メチル-5H-2-オキサ-1,5,8-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-4-オンヨウ化水素酸塩 (145 mg, 0.31 mmol) をニコチン酸 (45 mg, 0.36 mmol)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (70 mg, 0.36 mmol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (49 mg, 0.36 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.20 mL, 1.15 mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド (4 mL) 中で合わせ、周囲温度で週末にわたり攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、ジクロロメタンで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のアミドを固体として得る(115 mg,83%)。MS(ES):(M+1)418.0, 419.0 m/z。
【0111】
実施例7
N-[3-(9-クロロ-3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-ベンズアミド
[3-(9-クロロ-3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-カルバミン酸ベンジルエステル (310 mg, 0.64 mmol)を乾燥ジクロロメタン(8 mL)に溶解する。ヨードトリメチルシラン (0.23 mL, 1.62 mmol) を加え、周囲温度で一番攪拌する。メタノール (5 mL)でクエンチし、減圧下で濃縮する。ジエチルエーテルから2回濃縮し、暗色固体の粗アミン塩を精製することなく直接用いる。MS(ES):(M+1)347.1 m/z。このアミン塩を安息香酸 (94 mg, 0.77 mmol)、1-[3-(ジメチルアミノ)-プロピル]-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (148 mg, 0.77 mmol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (105 mg, 0.77 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.45 mL, 2.59 mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド (8 mL) 中で合わせ、周囲温度で週末にわたり攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、ジクロロメタンで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望の生成物を白色固体として得る(74 mg,26%)。MS(ES):(M+1)451.1, 453.1 m/z。
【0112】
実施例8
N-[3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,9-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-ベンズアミド
[3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,9-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-カルバミン酸ベンジルエステル (130 mg, 0.29 mmol)を乾燥ジクロロメタン (5 mL)中に溶解する。ヨードトリメチルシラン(0.11 mL, 0.77 mmol) を加え、周囲温度で一晩攪拌する。メタノール (5 mL) でクエンチし、減圧下で濃縮する。最小量のジクロロメタンに溶解し、過剰なジエチルエーテルを加える。デカントし、暗色の固体の粗アミン塩を減圧下で乾燥させ、精製することなく直接用いる。MS(ES):(M+1)313.1, 314.1 m/z。このアミン塩を安息香酸 (36 mg, 0.29 mmol)、1-[3-(ジメチルアミノ)-プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (56 mg, 0.29 mmol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (40 mg, 0.29 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.20 mL, 1.15 mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド (5 mL)中で合わせ、周囲温度で一晩攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、ジクロロメタンで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離させて所望の生成物を明るい褐色の固体として得る(97 mg,80%)。MS(ES):(M+1)417.1, 418.1 m/z。
【0113】
実施例9
N-[3-(3-メチル-4-オキソ-7-トリフルオロメチル-5H-2-オキサ-1,5,9-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-ベンズアミド
5-(3-アミノメチル-シクロヘキシル)-3-メチル-7-トリフルオロメチル-5H-2-オキサ-1,5,9-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-4-オンヨウ化水素酸塩 (0.39 mmol)を安息香酸 (57 mg, 0.47 mmol)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (90 mg, 0.47 mmol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (63 mg, 0.47 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.27 mL, 1.55 mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) 中で合わせ、周囲温度で週末にわたり攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、ジクロロメタンで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。1%メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望の生成物を白色固体として得る(74mg,39%)。MS(ES): (M+1)485.0, 486.1 m/z。
【0114】
実施例10
N-[3-(3-メチル-4-オキソ-7-トリフルオロメチル-5H-2-オキサ-1,5,9-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-ニコチンアミド
5-(3-アミノメチル-シクロヘキシル)-3-メチル-7-トリフルオロメチル-5H-2-オキサ-1,5,9-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-4-オンヨウ化水素酸塩 (0.19 mmol) をニコチン酸 (27 mg, 0.22 mmol)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (43 mg, 0.22 mmol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (30 mg, 0.22 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.10 mL, 0.56 mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド (4 mL) 中で合わせ、周囲温度で一番攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、酢酸エチルで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望のアミドを白色固体として得る(62 mg,69%)。MS(ES):(M+1)486.1, 487.2 m/z。
【0115】
実施例11
3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキサンカルボン酸3,4,5-トリメトキシ-ベンジルアミド
3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキサンカルボン酸 (50 mg, 0.15 mmol)を1-[3-(ジメチル-アミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (32 mg, 0.17 mmol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (23 mg, 0.17 mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン (44 mg, 3.4 mmol)および3,4,5-トリメトキシベンジルアミン (33 mg, 0.17 mmol) とN,N-ジメチルホルムアミド (4 mL)中で合わせ、周囲温度で一晩攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、ジクロロメタンで抽出する。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮し、シリカゲルでのクロマトグラフにかけて所望の生成物を白色固体として得る(66 mg,85%)。MS(ES):(M+1)507.2, 508.2, 509.2 m/z。
【0116】
実施例12
3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキサンカルボン酸ベンジルアミド
3-(3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,7-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキサンカルボン酸 (50 mg, 0.15 mmol)を1-[3-(ジメチル-アミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (32 mg, 0.17 mmol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (23 mg, 0.17 mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン (44 mg, 3.4 mmol)およびベンジルアミン (18 mg, 0.17 mmol) とN,N-ジメチルホルムアミド (4 mL) 中で合わせ、周囲温度で一晩攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、ジクロロメタンで抽出する。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮し、メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望の生成物を白色固体として得る(60 mg,94%)。MS(ES):(M+1)417.3, 418.3 m/z。
【0117】
実施例13
N-[3-(7-クロロ-3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,9-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-ベンズアミド
[3-(7-クロロ-3-メチル-4-オキソ-5H-2-オキサ-1,5,9-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-シクロヘキシルメチル]-カルバミン酸ベンジルエステル(70 mg, 0.15 mmol) を乾燥ジクロロメタン (5 mL)中に溶解する。ヨードトリメチルシラン (0.05 mL, 0.35 mmol) を加え、周囲温度で一晩攪拌する。メタノール (5 mL) でクエンチし、減圧下で濃縮する。得られた残渣をジエチルエーテルから2回濃縮し、精製することなく直接用いる。このアミン塩を安息香酸 (22 mg, 0.18 mmol)、1-[3-(ジメチルアミノ)-プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (34 mg, 0.18 mmol)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾ-トリアゾール (24 mg, 0.18 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.10 mL, 0.57 mmol) とN,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) 中で合わせ、周囲温度で週末にわたり攪拌する。減圧下で濃縮し、水中に採取し、酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残渣を酢酸エチル/ジクロロメタンを用いてシリカゲルから溶離して所望の生成物を白色固体として得る(26 mg,38%)。
MS(ES):(M+1)正確な質量計算値:451.1537。
実測値:451.1554 m/z。
【0118】
本発明の化合物はMRP1のインヒビターである。それゆえ、本発明の化合物は、腫瘍崩壊剤に対して先天的及び/または後天的な耐性(部分的にまたは完全にMRP1により付与されている)を有する任意の新生物を阻害するために使用することができる。言い換えると、このような新生物を本発明の化合物を有効量で用いて処置することにより、MRP1によって有効性が低下した化学療法に対する該新生物の感受性が高くなる。
【0119】
ビンクリスチン、エピルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびエトポシドはMRP1の基質である腫瘍崩壊剤の例である。Coleら、「Pharmacological Characterization of Multidrug Resistant MRP-transfected Human Tumor Cells」, Cancer Research, 54: 5902-5910,1994を参照のこと。MRP1は、哺乳動物、特にヒトにおいて遍在的である(Nooter, K,ら、「Expression of the Multidrug Resistance-Associated Protein (MRP) Gene in Human Cancers」, Clin. Can. Res., 1: 1301-1310, (1995))ので、任意の薬剤を用いて新生物を阻害することを目的とする化学療法はMRP1により効果が弱められる可能性がある。したがって、膀胱、骨、乳房、肺(小細胞)、精巣および甲状腺の新生物、さらに具体的なタイプの癌(例えば、急性リンパ芽球性および骨髄性白血病、ウィルムス腫瘍, 神経芽腫、軟組織肉腫、ホジキンおよび非ホジキン性リンパ腫、ならびに気管支癌腫)は、上記の腫瘍崩壊剤の1つ以上と本発明の化合物との組み合わせを用いて阻害することができる。
【0120】
本発明の化合物の生物学的活性は、初期スクリーニングアッセイを用いて評価した。この方法でMRP1またはMDR1を阻害する際の試験化合物の活性を迅速かつ正確に測定した。この逆転(reverse)能力を評価するために有用なアッセイは当該分野において周知である。例えば、T. McGrathら、Biochemical Pharmacology, 38: 3611,1989; D. MarquardtおよびM. S. Center, Cancer Research, 52: 3157,1992; D. Marquardtら、Cancer Research, 50: 1426,1990;ならびにColeら、Cancer Research, 54: 5902-5910,1994を参照のこと。
【0121】
MRP1媒介ドキソルビシン耐性およびMDR1媒介ビンクリスチン耐性の逆転に関するアッセイ
HL60/ADRおよびHL60/VCRは継代細胞株であり、これらは、HL60(ヒト急性骨髄性白血病細胞株)を高濃度のドキソルビシンまたはビンクリスチン中で、非常に耐性の変異体が得られるまで培養することにより、それぞれ、ドキソルビシンおよびビンクリスチン耐性に関して選択した。
【0122】
HL60/ADRおよびHL60/VCR細胞を、10%ウシ胎仔血清(FBS) および250μg/ml GENTAMICINTM(Sigma)を含むRPMI 1640 (Gibco)中で増殖させた。細胞を回収し、アッセイ培地(培養培地と同じ)で2回洗浄し、計測し、アッセイ培地中で2×105細胞/mlまで希釈した。細胞(50μl)を96ウェル組織培養プレートのウェルに分注した。各96ウェルプレートの1列はネガティブコントロールとして用い、これには細胞無しでアッセイ培地をいれる。
【0123】
試験化合物及び参照化合物を、5mMの濃度でジメチルスルホキシド(DMSO) に溶解した。サンプルはアッセイ培地で20μMに希釈し、各試験化合物(25μl)を6ウェルに加えた。アッセイ標準は4連で行った。0.4%DMSO(25μl)を溶媒コントロールとして4ウェルに加えた。アッセイ培地を全てのウェルに加えて最終体積を100μl/ウェルにした。
【0124】
プレートを、湿潤インキュベーター(5%二酸化炭素雰囲気)中で37℃で72時間インキュベートした。細胞生存率および生命力を、標準条件を用いてテトラゾリウム塩の酸化により測定した。プレートを37℃で3時間インキュベートした。蛍光は、マイクロタイタープレートリーダーを用いて、490nmで測定した。
【0125】
試験化合物のHL60/ADRおよびHL60/VCR細胞のドキソルビシンに対する耐性を逆転させる能力を、腫瘍崩壊剤(ドキソルビシン)に加えて試験化合物を含むウェルの吸光度を腫瘍崩壊剤を含むが試験化合物は含まないウェルの吸光度と比較することにより測定した。コントロールは、バックグラウンドを取り除くため、そして結果が偽りではないことを確実にするために用いた。アッセイの結果は細胞増殖の阻害%として表した。通常、試験濃度では、腫瘍崩壊剤単独ではHL60/ADRまたはHL60/VCR細胞の増殖を阻害しない。
【0126】
式Iの代表的な化合物は、MRP1多剤耐性を逆転させる際に顕著な効果を示した。化合物の多くは、腫瘍崩壊剤単独の場合とは反対に、腫瘍崩壊剤と組み合わせると活性の非常に顕著な増加を示した。さらに、試験した化合物の大多数が、HL60/VCR細胞株よりもHL60/ADR細胞株の顕著な程度での選択的阻害を示した。
【0127】
本発明の方法の実施において腫瘍崩壊剤を投与する際、用いる腫瘍崩壊剤の量は可変的である。実際に投与される腫瘍崩壊剤の量が、関連する状況(処置される状態、選択した投与経路、実際の投与される腫瘍崩壊剤、患者個人(哺乳動物)の年齢、体重および反応、ならびに患者の症状の重篤度を含む)を考慮に入れて医師により決定されることは理解されるだろう。当然のことながら、投与される腫瘍崩壊剤の量は、その患者の医師により決定され、厳密にモニターされるべきである。用いられるべき腫瘍崩壊剤を決定した後は、「The Physician's Desk Reference(登録商標)」(Medical Economics Company、Montvale刊行、NJ 07645-1742)が投与する腫瘍崩壊剤の量を決定する際に医師にとって有用な情報源であり、これは毎年、改訂されている。
【0128】
好ましい製剤およびこれらの製剤を用いる本発明の方法は、腫瘍崩壊剤を含まないものである。それゆえ、本発明の化合物は腫瘍崩壊剤とは分けて投与されることが好ましい。本明細書中に記載の腫瘍崩壊剤は市販されており、本発明の方法に適した処方前の形態で購入することができる。
【0129】
単独、または場合により腫瘍崩壊剤と組み合わせた式Iの化合物は、通常、医薬製剤の形態で投与される。これらの製剤は、種々の経路により投与することができる(経口、経直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内及び鼻内をふくむ)。このような製剤は、製薬分野で周知の方法により製造され、式Iの活性化合物を少なくとも1種含む。
【0130】
また、本発明は、医薬キャリアと一緒に、活性成分として式Iの化合物、及び場合により腫瘍崩壊剤を含有する医薬製剤を用いる方法を包含する。本発明の製剤を製造する際、通常、活性成分は賦形剤と混合されるか、賦形剤により希釈されるか、あるいはカプセル、サシェ、紙または他の容器の形態であり得るそのようなキャリア内に封入されている。賦形剤が希釈剤として働く場合、固体、半固体または液体材料であり得、これは活性成分に対するビヒクル、キャリアまたは媒体として機能する。それゆえ、製剤は錠剤、丸薬、散剤、ロゼンジ、サシェ、カシェ、エリキシル、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ、エアロゾル(固体として、または液体媒体中で)、例えば10重量%以下の活性化合物を含有する軟膏、ゼラチンの軟および硬ゼラチンカプセル、坐剤、滅菌注射溶液および滅菌パッケージの散剤の形態であり得る。
【0131】
製剤を製造する際に、他の成分と混合する前に活性成分を粉砕して適切な粒子サイズを提供する必要があるかもしれない。活性化合物が実質的に不溶性である場合、通常、200メッシュ未満の粒子サイズまで粉砕する。活性成分が実質的に水溶性である場合、通常、粒子サイズは製剤中での実質的に均一な分配を提供するために、粉砕により、例えば約40メッシュに調節される。
【0132】
適切な賦形剤のいくつかの例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、でんぷん、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギナート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップおよびメチルセルロースが挙げられる。さらに、製剤は、滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびミネラルオイル)、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、保存剤(例えば、メチル-およびプロピルヒドロキシベンゾエート)、甘味料、および香料を含み得る。本発明の製剤は、当該分野において公知の方法を用いることにより、患者への投与後の、活性成分の即時、徐放または遅延型放出を提供するように処方され得る。
【0133】
好ましくは、製剤は単位投薬形態で製剤化され、各投薬は約5〜約100mg、通常、約10〜約30mgの各活性成分を含有する。用語「単位投薬形態」とは、ヒト被検体および他の哺乳動物に対する単位投薬として適した、物理的に別個のユニットを意味し、各ユニットは、所望の治療効果を生じるように計算された規定量の活性物質を、適切な医薬賦形剤とともに含む。
【0134】
式Iの化合物は、広範な投薬範囲にわたり有効である。例えば、1日あたりの投薬量は、通常、約0.5〜約30mg/体重kgの範囲内にある。成人の治療においては、単回または分割投薬での約1〜約15mg/kg/日の範囲が、特に好ましい。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、関連する状況(処置される状態、選択した投与経路、実際に投与される化合物、患者個人の年齢、体重および反応、ならびに患者の症状の重篤度を含む)を考慮に入れて医師により決定され、それゆえ上記の投薬範囲はいかなる様式においても本発明を限定することは意図しないことが理解されるべきである。いくつかの例では、上記の範囲の下限未満の投薬レベルがより適切であり、他方、さらに高い投薬量は、まず、1日を通しての投与用に数回のより低い投薬量へと分割されるならば、いずれの有害な副作用も伴わずにこのような高い投薬量が用いられ得る。
【0135】
錠剤のような固体製剤を製造するには、主活性成分を医薬賦形剤と混合して、本発明の化合物の均一な混合物を含有する、固体予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物が均一であるという場合、それは活性成分が製剤中に均一に分散し、結果としてその製剤が、等しく有効な単位投薬形態(例えば、錠剤、丸剤およびカプセル剤)に簡単にさらに分けることができることを意味する。次いで、この固体予備製剤を、本発明の活性成分を0.1〜約500mg含有する上記のタイプの単位投薬形態にさらに分ける。
【0136】
本発明の錠剤または丸剤はコーティングまたは配合することにより、長期作用の利点をもたらす投薬形態を提供する。例えば、錠剤または丸剤は、内部投薬と外部投薬成分とを含み得、後者は前者を覆う皮膜の形態である。2つの成分は胃の中での分解に抵抗するように働く腸溶層により分離されており、該層は内部成分がインタクトなままで十二指腸まで通過するか、または放出が遅延されるようにする。このような腸溶層またはコーティングには種々の材料(多数のポリマー酸、ポリマー酸とセラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースのような材料との混合物を含む)が使用され得る。
【0137】
液体形態である新規な製剤も経口投与または注射用に本発明に含まれ得、これには水溶液、適当に味付けしたシロップ、水性もしくは油性懸濁液および綿実油、ごま油、ココナッツ油またはピーナッツ油のような食用油を用いた風味のある乳剤、ならびにエリキシルおよび類似の医薬ビヒクルが挙げられる。
【0138】
吸入(inhalationまたはinsufflation)用の製剤としては、医薬用の水性もしくは有機溶媒またはそれらの混合物中の液剤および懸濁剤、ならびに散剤が挙げられる。液体または固体製剤は上記のような適切な医薬賦形剤を含有し得る。好ましくは、製剤は局所的または全身的な効果のため、経口または経鼻呼吸経路により投与される。好ましくは、医薬溶媒中の組成物を、不活性ガスを用いて噴霧することができる。噴霧溶液は、噴霧装置から直接吹き込まれるか、または噴霧装置をフェイスマスク、テントまたは間欠的陽圧呼吸機に取り付けてもよい。液剤、懸濁剤または散剤製剤は、好ましくは経口または経鼻的に、適切な様式で製剤を送達するデバイスから投与され得る。
【0139】
以下の製剤例は単なる例示であり、いかなる意味においても本発明の範囲を制限することは意図しない。「活性成分」は、場合により、1つ以上の腫瘍崩壊剤を含む、式Iに記載の化合物またはその製薬上の塩もしくは溶媒和物を意味する。
【0140】
本発明の方法に用いる別の好ましい製剤は、経皮送達デバイス(「パッチ」)を用いる。このような経皮パッチを用いて、制御された量で、本発明の化合物の連続的または非連続的な注入を提供することができる。製薬薬剤の送達のための経皮パッチの構築および使用は、当該分野において周知である。例えば、米国特許第5,023,252号(1991年6月11日発行)を参照のこと(これは本明細書中に参照して組み込む)。このようなパッチは製薬薬剤の連続的、周期的、または要求時送達のために構築され得る。
【0141】
しばしば、医薬製剤を脳に、直接的または間接的のいずれかで導入することが望ましいか、または必要である。通常、直接法は、血液脳関門を迂回するために患者の脳質系への薬物送達カテーテルの配置を伴う。身体の特定の解剖学的領域への生物学的因子の送達のために使用されるこのような埋め込み送達系の1つは、米国特許第5,011,472号(1991年4月30日発行)に記載されている(これは本明細書中に参照して組み込む)。
【0142】
一般的に好ましい間接法は、通常、親水性薬物を脂質溶解性薬物またはプロドラッグに変換することにより薬物潜伏化を提供する組成物を処方することを伴う。一般的に、潜伏化は、薬物上に存在するヒドロキシ、カルボニル、スルフェートおよび第1アミン基を保護することにより達成されて薬物をより脂質溶解性にし、血液脳関門を通る移動をしやすくする。あるいは、親水性薬物の送達が、高張性溶液の動脈内注入(一過的に血液脳関門を開かせることができる)により増強され得る。

Claims (10)

  1. 式I
    Figure 2004529920
    [式中、
    V、W、XまたはYのいずれか1つが窒素であり、
    は、NHR、CHNHR、CHC(O)NHRまたはC(O)NHRであり、
    は、水素、ハロまたはトリフルオロメチルであり、
    は、C(O)ORまたはC(O)Rであり、
    は、場合により置換されているフェニルまたはCH−(場合により置換されているフェニル)であり、
    は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロ環またはCH(OH)−(場合により置換されているフェニル)であり、
    は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロ環またはCH(OH)−(場合により置換されているフェニル)である]
    で表される化合物またはその薬学的な塩。
  2. 哺乳動物におけるMRP1の阻害方法であって、そのような方法を必要とする哺乳動物に、式I:
    Figure 2004529920
    [式中、
    V、W、XまたはYのいずれか1つが窒素であり、
    は、NHR、CHNHR、CHC(O)NHRまたはC(O)NHRであり、
    は、水素、ハロまたはトリフルオロメチルであり、
    は、C(O)ORまたはC(O)Rであり、
    は、場合により置換されているフェニルまたはCH−(場合により置換されているフェニル)であり、
    は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロ環またはCH(OH)−(場合により置換されているフェニル)であり、
    は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロ環またはCH(OH)−(場合により置換されているフェニル)である]
    で表される化合物またはその薬学的な塩を有効な量で投与することを含む方法。
  3. 哺乳動物がヒトである、請求項2に記載の方法。
  4. 哺乳動物における耐性新生物または耐性になりやすい新生物を阻害する方法であって、そのような方法を必要とする哺乳動物に式I:
    Figure 2004529920
    [式中、
    V、W、XまたはYのいずれか1つが窒素であり、
    は、NHR、CHNHR、CHC(O)NHRまたはC(O)NHRであり、
    は、水素、ハロまたはトリフルオロメチルであり、
    は、C(O)ORまたはC(O)Rであり、
    は、場合により置換されているフェニルまたはCH−(場合により置換されているフェニル)であり、
    は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロ環またはCH(OH)−(場合により置換されているフェニル)であり、
    は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロ環またはCH(OH)−(場合により置換されているフェニル)である]
    で表される化合物またはその薬学的な塩の有効量を、1種以上の腫瘍崩壊剤の有効量と組み合わせて投与することを含む方法。
  5. 哺乳動物がヒトである、請求項4に記載の方法。
  6. 腫瘍崩壊剤が、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ビンクリスチンおよびエトポシドから選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 新生物が、ウィルムス型、膀胱、骨、乳房、肺(小細胞)、精巣または甲状腺のものであるか、あるいは新生物が急性のリンパ芽球性および骨髄芽球性の白血病、神経芽腫、軟組織肉腫、ホジキンリンパ腫および非ホジキン性リンパ腫または気管支原性癌と関連している、請求項6に記載の方法。
  8. 式I
    Figure 2004529920
    [式中、
    V、W、XまたはYのいずれか1つが窒素であり、
    は、NHR、CHNHR、CHC(O)NHRまたはC(O)NHRであり、
    は、水素、ハロまたはトリフルオロメチルであり、
    は、C(O)ORまたはC(O)Rであり、
    は、場合により置換されているフェニルまたはCH−(場合により置換されているフェニル)であり、
    は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロ環またはCH(OH)−(場合により置換されているフェニル)であり、
    は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロ環またはCH(OH)−(場合により置換されているフェニル)である]
    で表される化合物またはその薬学的な塩を、1種以上の製薬的なキャリア、希釈剤または賦形剤とともに含有する医薬製剤。
  9. (a)式I
    Figure 2004529920
    [式中、
    V、W、XまたはYのいずれか1つが窒素であり、
    は、NHR、CHNHR、CHC(O)NHRまたはC(O)NHRであり、
    は、水素、ハロまたはトリフルオロメチルであり、
    は、C(O)ORまたはC(O)Rであり、
    は、場合により置換されているフェニルまたはCH−(場合により置換されているフェニル)であり、
    は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロ環またはCH(OH)−(場合により置換されているフェニル)であり、
    は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロ環またはCH(OH)−(場合により置換されているフェニル)である]
    で表される化合物またはその薬学的な塩、
    (b)1種以上の腫瘍崩壊剤、ならびに、
    (c)1種以上の薬学的なキャリア、希釈剤または賦形剤
    を含有する医薬製剤。
  10. 腫瘍崩壊剤が、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ビンクリスチンおよびエトポシドから選択される、請求項9に記載の製剤。
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