JP2004529607A - ヒトポリヌクレオチドおよびそれによってコードされるポリペプチド - Google Patents

ヒトポリヌクレオチドおよびそれによってコードされるポリペプチド Download PDF

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Abstract

Wnt、亜鉛トランスポーター、ミツグミン29、slit−3、LRR/GPCR、主要組織適合性複合体エンハンサータンパク質MAD3、インターロイキン9、5−ヒドロキシトリプタミンレセプタ、およびチオレドキシン関連ポリペプチドをコードする、核酸配列が本明細書中にて開示される。これらの核酸配によってコードされるポリペプチド、およびこのポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体、ならびに前述の、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、または抗体の、誘導体、改変体、変異体、またはフラグメントがまた、開示される。本発明はまた、これらの新規のヒトの核酸およびタンパク質のいずれか1つに関連する、障害の診断、治療、および予防のための、治療方法、診断方法、および研究方法を、さらに開示する。

Description

【0001】
(発明の背景)
本発明は、概して、核酸およびそれによってコードされるポリペプチドに関する。より詳細には、本発明は、細胞質、核、膜結合、および分泌ポリペプチドをコードする核酸、ならびにこれらの核酸およびポリペプチドを産生するためのベクター、宿主細胞、抗体および組換え方法に関する。
【0002】
(発明の要旨)
本発明は、新規なポリペプチドをコードする核酸配列の発見に一部は基づく。この新規な核酸およびポリペプチドを、本明細書において、NOVX、またはNOV1a、NOV1b、NOV1c、NOV2a、NOV2b、NOV2c、NOV3a、NOV3b、NOV4a、NOV4b、NOV5a、NOV5b、NOV6、NOV7、NOV8、およびNOV9の核酸およびポリペプチドと称する。これらの核酸およびポリペプチド、ならびにその誘導体、相同体(ホモログ)、類似体(アナログ)、およびフラグメントを、本明細書において以降は、総称して「NOVX」核酸配列または「NOVX」ポリペプチド配列と称する。
【0003】
1つの局面において、本発明は、NOVXポリペプチドをコードする単離されたNOVX核酸分子を提供し、これは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31に開示される核酸に対して同一性を有する核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、このNOVX核酸分子は、NOVX核酸配列のタンパク質コード配列を含む核酸分子に相補的な核酸配列に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする。本発明はまた、NOVXポリペプチド、あるいはそのフラグメント、ホモログ、アナログまたは誘導体をコードする、単離された核酸を包含する。例えば、この核酸は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32のアミノ酸配列を含むポリペプチドに対して少なくとも80%同一であるポリペプチドをコードし得る。この核酸は、例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31のいずれかの核酸配列を含む、ゲノムDNAフラグメントまたはcDNA分子であり得る。
【0004】
オリゴヌクレオチド(例えば、NOVX核酸(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31)の少なくとも6個連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドまたはそのオリゴヌクレオチドの相補体)もまた、本発明に含まれる。
【0005】
実質的に精製されたNOVXポリペプチド(配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32)もまた、本発明に含まれる。特定の実施形態において、このNOVXポリペプチドは、ヒトNOVXポリペプチドのアミノ酸配列に実質的に同一であるアミノ酸配列を含む。
【0006】
本発明はまた、NOVXポリペプチド、あるいはそれらのフラグメント、ホモログ、アナログまたは誘導体に免疫選択的に結合する抗体を特徴とする。
【0007】
別の局面において、本発明は、治療有効量または予防有効量の治療剤および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物を包含する。この治療剤は、例えば、NOVX核酸、NOVXポリペプチド、またはNOVXポリペプチドに特異的な抗体であり得る。さらなる局面において、本発明は、1以上の容器に、この薬学的組成物の治療有効量または予防有効量を含む。
【0008】
さらなる局面において、本発明は、ポリペプチドを産生する方法を包含し、この方法は、NOVX核酸を含む細胞を、このDNAによってコードされるNOVXポリペプチドの発現を可能にする条件下で培養することによる。所望の場合、次いで、このNOVXポリペプチドを回収し得る。
【0009】
別の局面において、本発明は、サンプル中のNOVXポリペプチドの存在を検出する方法を包含する。この方法において、サンプルを、このポリペプチドに選択的に結合する化合物と、このポリペプチドとこの化合物との間での複合体の形成を可能にする条件下で接触させる。この複合体を、存在するならば、検出し、それによって、このサンプル中のNOVXポリペプチドを同定する。
【0010】
本発明はまた、NOVXの発現に基づいて特定の細胞型または組織型を同定するための方法を包含する。
【0011】
サンプル中のNOVX核酸分子の存在を検出する方法もまた本発明に包含され、この方法は、このサンプルに、NOVX核酸プローブまたはプライマーを接触させ、そしてこの核酸プローブまたはプライマーが、このサンプル中のNOVX核酸分子に結合したか否かを検出することによる。
【0012】
さらなる局面において、本発明は、NOVXポリペプチドの活性を調節するための方法を提供し、この方法は、このNOVXポリペプチドを含む細胞サンプルに、このNOVXポリペプチドに結合する化合物を、このポリペプチドの活性を調節するに十分な量で接触させることによる。この化合物は、例えば、本明細書中にさらに記載されるような、低分子(例えば、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣物、糖質、脂質または他の有機分子(炭素含有)または無機分子)であり得る。
【0013】
以下を含む障害または症候群を処置または予防するための医薬の製造における治療剤の使用もまた、本発明の範囲内にある:例えば、発達障害、内分泌障害、脈管障害、感染症、食欲不振、癌、神経変性障害、肺障害、生殖障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、免疫障害、および造血障害、または細胞シグナルプロセシングおよび代謝経路の調節に関連する他の障害。治療剤は、例えば、NOVX核酸、NOVXポリペプチド、またはNOVX特異的抗体、あるいはそれらの生物学的に活性な誘導体またはフラグメントであり得る。
【0014】
例えば、本発明の組成物は、以下に罹患した患者の処置についての有効性を有する:神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンティングトン病、多発性硬化症、筋萎縮性外側硬化症(Amyotropic Lateral Sclerosis))、急性脳損傷(例えば、発作、頭部損傷、脳性麻痺)、CNS機能不全(例えば、うつ病、てんかん、および精神分裂病)、炭水化物代謝に影響する障害(例えば、ガラクトース血症および遺伝性果糖不耐症)、組織障害(例えば、ヴィスコット−オールドリッチ症候群、オールドリッチ症候群、湿疹−血小板減少−免疫欠損症候群、血小板減少、夜盲、バッテン病、セロイド脂褐素症、レット症候群およびピック症候群)、異常な新脈管形成に関連する障害(例えば、癌)、ぜん息、無精子症、学習障害、顔の異形症、自己免疫脳脊髄炎、X連鎖重症複合免疫不全、および他の免疫学的障害、発作、片頭痛、炎症、自己免疫障害、ならびに睡眠、欲求、温度調節、疼痛知覚、ホルモン分泌および性的行動に影響する他の障害。
【0015】
このポリペプチドは、本発明に特異的な抗体を産生するための免疫原として、およびワクチンとして使用され得る。これらはまた、潜在的なアゴニスト化合物およびアンタゴニスト化合物についてスクリーニングするためにも使用され得る。例えば、NOVXをコードするcDNAは、遺伝子治療において有用であり得、そしてNOVXは、それを必要とする被験体に投与される場合に有用であり得る。
【0016】
本発明はさらに、例えば、発達障害、内分泌障害、脈管障害、感染症、食欲不振、癌、神経変性障害、肺障害、生殖障害、免疫障害および自己免疫障害を含む障害または症候群、ならびに/または細胞のシグナルプロセシングおよび代謝経路の調節に関連する障害のモジュレーターについてスクリーニングするための方法を含む。この方法は、試験化合物にNOVXポリペプチドを接触させる工程、およびこの試験化合物がこのNOVXポリペプチドに結合するか否かを決定する工程を包含する。NOVXポリペプチドへの試験化合物の結合は、この試験化合物が、前述の障害または症候群に対する活性のモジュレーターあるいは前述の障害または症候群に対する潜在性または素因のモジュレーターであることを示す。
【0017】
また、例えば、発達障害、内分泌障害、脈管障害、感染症、食欲不振、癌、神経変性障害、肺障害、生殖障害、免疫障害および自己免疫障害を含む障害もしくは症候群、ならびに/または細胞のシグナルプロセシングおよび代謝経路の調節に関連する他の障害に対する活性のモジュレーター、あるいはこれらに対する潜在性または素因のモジュレーターについて、上記の障害または症候群の危険性が高い試験動物に試験化合物を投与することによってスクリーニングするための方法も本発明の範囲内である。この試験動物は、NOVX核酸によってコードされる組換えポリペプチドを発現する。次いで、NOVXポリペプチドを組換え的に発現し、そしてこの障害または症候群の危険性が高くないコントロール動物におけるタンパク質の発現または活性と同様に、NOVXポリペプチドの発現または活性が試験動物において測定される。次に、試験動物およびコントロール動物の両方におけるNOVXポリペプチドの発現が比較される。コントロール動物と比較して、試験動物におけるNOVXポリペプチドの活性における変化は、この試験化合物が、この障害または症候群の潜在性のモジュレーターであることを示す。
【0018】
なお別の局面において、本発明は、被験体(例えば、ヒト被験体)におけるNOVXポリペプチド、NOVX核酸、またはその両方の変化したレベルに関連する疾患の存在またはこれらの疾患に対する素因を決定するための方法を包含する。この方法は、被験体由来の試験サンプルにおけるNOVXポリペプチドの量を測定する工程、およびこの試験サンプルにおけるNOVXポリペプチドの量を、コントロールサンプル中に存在するNOVXポリペプチドの量と比較する工程を包含する。コントロールサンプルと比較した場合の試験サンプルにおけるNOVXポリペプチドレベルの変化は、この被験体における疾患の存在または素因を示す。好ましくは、この素因としては、例えば、発達障害、内分泌障害、脈管障害、感染症、食欲不振、癌、神経変性障害、肺障害、生殖障害、免疫障害および自己免疫障害、ならびに/または細胞シグナルプロセシングおよび代謝経路の調節に関連する他の障害が挙げられる。また、本発明の新しいポリペプチド発現レベルは、種々の癌についてスクリーニングするための方法、ならびに癌の段階を決定するための方法において使用され得る。
【0019】
さらなる局面において、本発明は、病理学的状態を緩和または予防するために十分な量で、被験体(例えば、ヒト被験体)にNOVXポリペプチド、NOVX核酸、またはNOVX特異的抗体を投与することによって、哺乳動物における障害に関連した病理学的状態を処置または予防する方法を包含する。好ましい実施形態において、この障害としては、例えば、発達障害、内分泌障害、脈管障害、感染症、食欲不振、癌、神経変性障害、肺障害、生殖障害、免疫障害および自己免疫障害、ならびに/または細胞シグナルプロセシングおよび代謝経路の調節に関連する他の障害が挙げられる。
【0020】
なお別の局面において、本発明は、当該分野において一般的に使用される多数の技術のうちのいずれか1つによって、本発明の細胞性レセプターおよび下流のエフェクターを同定する方法において使用され得る。これらの技術としては、ツーハイブリッド系、アフィニティ精製、抗体または他の特異的に相互作用する分子を用いる共沈が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
他に規定されない限り、本明細書中において使用されるすべての専門用語および科学技術用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載された方法および物質と類似または等価な方法および物質が、本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および物質を以下に記載する。本明細書中で引用されたすべての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献が、それらの全体において、参考として援用される。矛盾する場合には、定義を含む本明細書中が規約する。さらに、物質、方法および例は、例示のみであり、限定されることは意図されない。
【0022】
本発明の他の特徴および利点が、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかである。
【0023】
(発明の詳細な説明)
本発明に含まれるのは、新規の核酸配列およびそのポリペプチドである。この配列は、集合的に、「NOVX核酸」または「NOVXポリヌクレオチド」といわれ、そしてその対応する、コードされたポリペプチドは、「NOVXポリペプチド」または「NOVXタンパク質」といわれる。別な方法で表示されていない場合、「NOVX」は、本明細書中で開示された任意の新規配列をいうことが意味される。
【0024】
NOVX核酸およびそれらがコードするポリペプチドは、種々の適用および状況において有用である。本発明によるこの種々のNOVX核酸およびポリペプチドは、ドメインおよび配列の、既に記載されているタンパク質との関連性の存在に従って、このタンパク質ファミリーの新規のメンバーとして有用である。さらに、NOVX核酸およびポリペプチドは、NOVXポリペプチドが属するファミリーのメンバーであるタンパク質を同定するためにもまた使用され得る。
【0025】
NOV1は、Wnt遺伝子ファミリーに相同である。従って、本発明のNOV1ポリペプチドは、Wnt遺伝子ファミリーのメンバーと同様に機能するポリペプチドを含む。この遺伝子ファミリーは、脊椎動物の発生および分化において重要な役割を果たすことが公知の、システインリッチなタンパク質のクラスをコードする。Wnt遺伝子ファミリーは、脳の発達に関係する胚性神経細胞の運命を決定するシグナル伝達経路に関係している。最近の研究は、Wntシグナル伝達が、神経板の初期形成、および、神経堤の形成を含む胚性神経系における多くの引き続くパターン形成の決定、を制御することを示している。Wntタンパク質シグナル伝達は、引き続き発生後期段階に重要である。Wntタンパク質は、小脳における神経細胞骨格の解剖学的構造およびシナプスの分化を調節することが示されている。Wntタンパク質シグナル伝達は、アポトーシスを調節することが立証されており、そして、その加齢した脳における細胞死を導く変性過程に関与し得る。リンパ球増強因子(Lymphocyte enhancer factor)−1(LEF−1)が媒介するWntタンパク質シグナル伝達は、B細胞発達に関与することが示されている。最近の研究は、このWntタンパク質シグナル伝達経路がまた、アルツハイマー病において役割を果たし得ることを示唆している。
【0026】
このWnt遺伝子ファミリーは、いくつかのメンバーを含む。それらのうち、分泌シグナルをコードするWnt−1およびWnt−3aは、背面のパターン形成と同時に、発達中の神経管の背側正中線で同時発現される。それぞれのシグナルは胚発生に不可欠であり、Wnt−1は中脳のパターン形成のために、そしてWnt−3aは沿軸中胚葉の形成のために不可欠である。Wnt−3a変異胚は、尾部からその前肢レベルに欠損を示し、体節は存在せず、脊索は破壊され、そして中枢神経系は著しい異常形態を有する。最近の遺伝学研究は、このシグナル伝達因子Wnt−3aが海馬の形成に必要であることを示している。さらに、研究は、始原軸形成がWnt−3に依存することを示している。この神経細胞の発達および維持以外に、Wnt−1およびWnt−3は、マウス乳腺腫瘍において活性化されたオンコジーンとして発見されている。従って、本発明による、このNOV1核酸およびNOV1ポリペプチド、抗体、ならびに関連化合物は、種々の神経学的障害における治療適用に有用である。この種々の神経学的障害には、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、ハンティングトン病、筋萎縮(amyotropic)側索硬化症)、急性脳損傷(例えば、発作、頭部損傷、脳性麻痺)および多数の中枢神経系機能障害(例えば、うつ病、てんかん、および精神分裂病)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
NOV2は、亜鉛輸送体(Zinc−transporter)様(ZNT)ファミリーのタンパク質に相同である。従って、本発明のNOV2ポリペプチドは、このZNTファミリーのメンバーと同様に機能するポリペプチドを含む。亜鉛輸送体は、亜鉛イオンを細胞内に輸送すること、ならびに細胞生存および増殖のような過程を調節することにおいて役割を果たす。亜鉛結合タンパク質は、脳において単離されており、そして、亜鉛の定常状態濃度を調節する。亜鉛は、多数のスルフヒドリル含有酵素の強力なインヒビターなので、亜鉛結合タンパク質は、脳における遊離亜鉛の上昇を防止することにより、中枢神経毒性の予防において役割を果たし得る。神経細胞の維持以外に、亜鉛結合タンパク質は、炭水化物代謝において重要な役割を果たすことが見出されている。従って、本発明による、このNOV2核酸およびNOV2ポリペプチド、抗体、および関連化合物は、神経学的維持、ならびにガラクトース血症および遺伝性果糖不耐症のような炭水化物代謝における種々の障害における治療適用に有用である。
【0028】
NOV3は、Mitsugumin29様(MG29)ファミリーのタンパク質に相同であり、このMG29ファミリーはシナプトフィジンファミリーのメンバーである。従って、本発明のNOV3ポリペプチドは、MG29およびシナプトフィジンファミリーの他のメンバーと同様に機能するポリペプチドを含む。シナプトフィジンおよびシナプトポリン(synaptoporin)は、糖タンパク質と関連がある:これらはまた、種々の非内分泌細胞の小胞において発見され得るが、特定のクラスの小さな神経分泌小胞の主要な一体型膜タンパク質である。このポリペプチド鎖は膜を4回貫通し、そしてイオンチャネルまたは溶質チャネルとしておそらく作用する。最近、骨格筋における三つ組結合部(triad junction)に特有のMG29が、シナプトフィジンファミリーの新規メンバーとして単離された;このファミリーのメンバーは、4回膜貫通セグメントを有し、そして、細胞内小胞上に分布する。マウスMG29 cDNAおよびこの遺伝子を含むゲノムDNAが単離され、そして解析されている。マウス3番染色体のF3〜H2にマッピングされるこのMG29遺伝子は、エキソン−イントロン構成においてシナプトフィジン遺伝子と密接に関連があり、このことは、分子進化におけるそれらの親密な関係を示している。RNAブロット・ハイブリダイゼーションおよび免疫ブロット解析は、MG29が、骨格筋において大量に、そして腎臓において低レベルで発現されていることを示した。免疫蛍光顕微鏡検査は、MG29が、腎臓の近位細管細胞および遠位細管細胞の細胞質領域において特異的に存在することを立証した。得られたこの結果は、MG29が、骨格筋および腎細管細胞における特殊化した小胞体系の形成に関係していることを示唆する。
【0029】
シナプトフィジンファミリーメンバーの生理学的な役割、4回膜貫通セグメントを有すること、そしてシナプス小胞を含む細胞内の膜上に基本的に分布することは、まだ立証されていない。最近、MG29は、シナプトフィジンファミリーの新規のメンバーとして、骨格筋から単離された。MG29は、三つ組結合部(ここで、脱分極シグナルが、SRからのCa(2+)放出に変換される)と呼ばれる、細胞表面横側の(T)細管と筋小胞体(SR)との間の接合部膜複合体において発現される。MG29の分布およびタンパク質構造は、このタンパク質が、そのT細管と接合部SR膜との間の連絡に関係していることを示唆する。さらに、その変異筋肉の形態学的および機能的な異常は、互いに関連しているようであり、そして、MG29が、その膜構造の微細さおよび骨格筋三つ組結合部における有効な興奮−収縮連結の両方に不可欠であることを示す。
【0030】
従って、本発明による、このNOV3核酸およびポリペプチド、抗体、ならびに関連化合物は、組織障害における治療適用に有用である。この組織障害としては、ヴィスコット−オールドリッチ症候群、オールドリッチ症候群、湿疹−血小板減少−免疫不全症候群、血小板減少症、夜盲症、筋萎縮性(amyotropic)側索硬化症、バッテン病、セロイド脂褐素症、レット症候群、およびピック病(葉性萎縮)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
NOV4は、Slit−3様ファミリーのタンパク質に相同である。従って、本発明のNOV4ポリペプチドは、Slit−3およびSlitファミリータンパク質のメンバーと同様に機能するポリペプチドを含む。Slitは、脊椎動物および無脊椎動物の両方における中枢神経系の正中線で発現される。それぞれのSlit遺伝子は、推定分泌型タンパク質をコードし、ロイシンリッチリピート(LRR)および上皮増殖因子(EGF)様モチーフを含む、Drosophilaタンパク質のモチーフのような、保存されたタンパク質−タンパク質相互作用ドメインを含む。ノーザンブロット分析は、ヒトSlit−1 mRNA、Slit−2 mRNA、およびSlit−3 mRNAが、それぞれ、脳、脊髄および甲状腺において、排他的に発現されていることを示している。Slitタンパク質は、タンパク質−タンパク質相互作用による神経系および内分泌系の形成および維持に関与し得る。従って、本発明による、NOV4核酸およびNOV4ポリペプチド、抗体、ならびに関連化合物は、種々の神経学的障害における治療適用に有用である。この種々の神経学的障害としては、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、ハンティングトン病、筋萎縮(amyotropic)側索硬化症)、急性脳損傷(例えば、発作、頭部損傷、脳性麻痺)および多数の中枢神経系機能不全(例えば、うつ病、てんかん、および精神分裂病)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
NOV5は、ロイシンリッチリピート(LRR)/GPCRファミリーのタンパク質に相同である。従って、本発明のNOV5ポリペプチドは、ロイシンリッチリピート(LRR)/GPCRファミリーの他のメンバーと同様に機能するポリペプチドを含む。このファミリー内のタンパク質は、個体発生中ならびに創傷治癒、組織修復、および腫瘍支質形成のような病理学的プロセス中の、組織構成、膠原原線維の方向付けおよび順序付けに、関与している。従って、NOV5は、重要な構造および/または腫瘍新脈管形成に特徴的な生理学的機能を有する。具体的には、NOV5は、LRR/GPCR様タンパク質中のLRRドメインの存在により示唆されるように、腫瘍新脈管形成中に生じる、その細胞外マトリックスのリモデリングに関与している。NOV5ポリペプチドはまた、未知のリガンドに対するレセプターとして作用し、そして下流のシグナル伝達を媒介する。
【0033】
従って、本発明による、このNOV5核酸およびNOV5ポリペプチド、抗体、ならびに関連化合物は、下記の種々の疾患および障害ならびに/または他の病理に関与する、潜在的な診断上の適用および治療適用において有用である。例えば、NOV5の組成物は、癌およびより具体的には悪性の転移性癌(特に、肺、腎臓、脳、肝臓、および結腸の腫瘍)のような、異常な新脈管形成に関連する障害を被っている患者の処置に効果がある。
【0034】
NOV6は、主要組織適合遺伝子複合体エンハンサー結合タンパク質であるMAD3に相同である。従って、本発明のNOV6ポリペプチドは、MAD3およびMADファミリータンパク質の他のメンバーと同様に機能するポリペプチドを含む。MAD3は、微小管の機能の喪失に応じた細胞周期停止に必要とされる、チェックポイントタンパク質である。このタンパク質は、5個のankリピートを含み、そして、接着性単球において誘導される。MAD3は、単球活性化の接着依存性経路を含む、NF−κBに対する転写応答を調節し得る。このMAD3は、おそらくP65サブユニットを介して、nf−κb複合体と直接相互作用する。
【0035】
従って、本発明による、このNOV6核酸およびNOV6ポリペプチド、抗体、ならびに関連化合物は、下記の種々の疾患および障害、ならびに/または他の病理に関与する、潜在的な診断上の適用および治療適用に有用である。例えば、NOV6の組成物は、癌およびより具体的には悪性の転移性癌(特に、肺、腎臓、脳、肝臓、および結腸の腫瘍)のような、異常な新脈管形成に関連する障害を被っている患者の処置に効果がある。
【0036】
NOV7は、インターロイキン−9タンパク質に相同である。従って、本発明のNOV7ポリペプチドは、インターロイキン−9と同様に機能するポリペプチドを含む。インターロイキン−9(IL−9)は、ヘルパーT細胞のIL−2非依存性増殖およびIL−4非依存性増殖を支持するサイトカインである。インターロイキン−9は、リンパ系および骨髄系の両方の調節因子として働くサイトカインである。IL−9は、オートクライン増殖因子として、ホジキン病および未分化大細胞リンパ腫において役割を果たし得る。
【0037】
従って、本発明による、このNOV7核酸およびNOV7ポリペプチド、抗体、ならびに関連化合物は、下記の種々の疾患および障害、ならびに/または他の病理に関与する、潜在的な診断上の適用および治療適用に有用である。例えば、本発明のこの組成物は、喘息、種々のタイプの癌、無精子症、学習障害、顔面異形症、多発性硬化症、自己免疫脳脊髄炎、X連鎖重症複合型免疫不全、および他の免疫学的障害を被っている患者の処置に効果がある。
【0038】
NOV8は、ヒドロキシトリプタミンレセプタ様ファミリーのタンパク質に相同である。従って、本発明のNOV8ポリペプチドは、ヒドロキシトリプタミンレセプターファミリーと同様に機能するポリペプチドを含む。神経伝達物質、セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン、5−HT)は、多数のレセプターを介して、広範な種々の生理学的機能に影響を発揮し、そして、不安、うつ病、または片頭痛のような、ヒト神経精神医学的障害に関係し得る。これらのレセプターは、細胞内セカンドメッセンジャーおよび神経系内での分布に関連するそれらの薬理学的特性に基づいて、いくつかの異なるサブタイプに分類される、4つの主要な群(5−HT−1、5−HT−2、5−HT−3、および5−HT4)から成る。このセロトニン作動性レセプターは、グアニンヌクレオチド結合タンパク質と共役しているレセプターであるマルチ5−ヒドロキシトリプタミンレセプターファミリーに属する。従って、これらのレセプターは、神経に報いる経路(neural reward pathway)の活性を調節し得、そしてそれ故に種々の薬物乱用の影響を調節し得る。
【0039】
従って、本発明による、このNOV8核酸およびNOV8ポリペプチド、抗体、ならびに関連化合物は、下記の種々の疾患および障害、ならびに/または他の病理に関与する、潜在的な診断上の適用および治療適用に有用である。例えば、本発明のこの組成物は、痙攣、アルツハイマー病、精神の抑鬱、片頭痛、てんかん、脅迫行動(精神分裂病)、ならびに、他の、睡眠、食欲、体温調節、疼痛認知、ホルモン分泌、および性行動に影響を及ぼす障害を被っている患者の処置に効果がある。
【0040】
NOV9は、チオレドキシン様ファミリーのタンパク質に相同である。チオレドキシンは、タンパク質構築および修復、電離放射線への耐性、DNA複製、転写、ならびに細胞分裂のような、いくつかの細胞性プロセスに関係している。NADP/チオレドキシン系において、チオレドキシンの還元は、フラビン酵素であるNADP−チオレドキシン還元酵素(NTR)を介するNADPHと関連する。従って、本発明による、このNOV9核酸、ポリペプチド、抗体、および関連化合物は、例えば、炎症、自己免疫障害、加齢、および癌、ならびに/または、他の病理/障害に関わる、治療上および診断上の適用に有用である。
【0041】
これらのNOVX核酸およびNOVXポリペプチドはまた、NOVX活性またはNOVX機能を阻害または増強する分子をスクリーニングするために使用され得る。具体的には、本発明によるこれらの核酸およびポリペプチドは、例えば、神経発生、細胞分化、細胞増殖、造血、創傷治癒および新脈管形成を調節または阻害する、低分子同定のための標的として使用され得る。
【0042】
本発明によるこれらのNOVX核酸およびNOVXポリペプチドに関するさらなる有用性は、本明細書中に開示されている。
【0043】
(NOV1)
本発明に従うNOV1ポリペプチドは、Wnt様タンパク質を含む。本明細書中で開示されたNOV1核酸配列は、染色体1に位置する。三つのNOV1配列ーNOV1a、NOV1b、およびNOV1cの核酸配列(およびコードされたポリペプチド)を提供する。
【0044】
(NOV1a)
NOV1a(あるいは本明細書中でsggc_draft_dj881p19_20000725、sggc_draft_dj881p19_20000725−A、X56842_dal、またはCG55702−01として参照されている)は、1082核酸配列(配列番号(SEQ ID NO:)1)を含み、これは表1Aに示されるアミノ酸配列をもつWnt様タンパク質をコードする。開示されたORFは、ヌクレオチド16〜18のKozakコンセンサスATG開始コドンで始まり、ヌクレオチド1072〜1074のTAGコドンで終了する。表1Aにおいて、開始コドンから上流および終止コドンから下流の非翻訳領域に下線を施し、開始コドンおよび終止コドンを太字にする。
【0045】
【表1A】
Figure 2004529607
NOV1bの改変体配列は、実施例2、表48および表49に含まれる。改変体配列は、一塩基多型(SNP)を含み得る。いくつかの実施例において、SNPは、SNPを含むヌクレオチド配列がcDNAとして生じることを表すために「cSNP」として参照され得る。
【0046】
配列番号1によってコードされているNOV1aポリペプチド(配列番号2)は、352アミノ酸残基長で、分子量39364.3ダルトンを有し、表1Bに示される。
【0047】
【表1B】
Figure 2004529607
(NOV1b)
NOV1の改変体はまた、NOV1b(あるいは本明細書中でGM_AL136379_Aとして参照されている)も含む。開示された1116ヌクレオチド配列(配列番号3)のNOV1b配列を、表1Cに示す。開示されたORFは、ヌクレオチド31〜33のKozakコンセンサスATG開始コドンで始まり、ヌクレオチド1087〜1089のTAGコドンで終了する。表1Cにおいて、開始コドンより上流および終止コドンより下流の非翻訳領域に下線を施し、開始コドンおよび終止コドンを太字にする。
【0048】
【表1C】
Figure 2004529607
NOV1bの改変体配列は、実施例2、表50中に含まれる。改変体配列は、一塩基多型(SNP)を含み得る。いくつかの例において、SNPは、SNPを含むヌクレオチド配列がcDNAとして生じることを表すために「cSNP」として参照され得る。
【0049】
配列番号3によってコードされているNOV1bタンパク質(配列番号4)は、352アミノ酸残基長で、分子量39364.3ダルトンを有し、表1Dに示される。
【0050】
【表1D】
Figure 2004529607
(NOV1c)
NOV1の改変体は、開示されたNOV1c(あるいは本明細書中でCG55702−04として参照されている)であり、表1Eに示された947ヌクレオチド配列(配列番号5)を含む。NOV1cのORFは、ヌクレオチド5〜7で始まり、ヌクレオチド944〜946で終了する。表1Eにおいて、開始コドンより上流および終止コドンより下流の非翻訳領域に下線を施し、開始コドンおよび終止コドンを太字にする。
【0051】
【表1E】
Figure 2004529607
配列番号5によってコードされるNOV1cタンパク質(配列番号6)は、313アミノ酸残基長で、分子量34988.3ダルトンを有し、表1Fに示される。
【0052】
【表1F】
Figure 2004529607
Nov1cポリペプチドは、開示されたN末端および/またはC末端のアミノ酸配列から、一アミノ酸残基によって変化し得る。具体的には、ロイシン残基がN末端メチオニン残基の前にある、NOV1cポリペプチドを開示する。あるいは、ロイシンがN末端メチオニン残基の前にあり、20個の天然に存在するアミノ酸のうちの一つから選ばれた一つのアミノ酸残基によって、C末端が伸びている、NOV1cポリペプチドを開示する。さらに他の型において、NOV1cポリペプチドは、N末端メチオニン残基を有し、20個の天然に存在するアミノ酸のうちの一つから選ばれた一つのアミノ酸残基によって、そのC末端が伸びている。
【0053】
(NOV1クローン)
NOV1に対するPsortプロフィールは、このペプチド配列が0.4037の確実性で細胞外に局在化している可能性があることを予測する。シグナルPは、NOV1ポリペプチドに対する可能性のある切断部位が18位と19位との間、つまり、配列ALG−SY中のダッシュにあることを予測する。
【0054】
Patpデータベース、特許において公開された配列を含む専用データベースまたは特許公報に対する検索によって、いくつかの相同なタンパク質が得られる。これらのタンパク質は、表1G中で同定される。
【0055】
【表1G】
Figure 2004529607
公の配列データベースのBLAST検索において、例えば、NOV1aの核酸配列がMus musculus(GENBANK−ID:MMWNT3A|acc:X56842)由来のWnt−3Aシステインリッチタンパク質mRNAに対して、1075塩基のうちの939塩基(87%)の同一性を有することを見出した。本発明のタンパク質の全アミノ酸配列は、Mus musculus(SWISSPROT−ACC:P27467)由来の352アミノ酸残基のWnt−3A PROTEIN PRECURSORに対して、352アミノ酸残基のうちの338残基(96%)の同一性および、352アミノ酸残基のうちの344残基(97%)の類似性を有することを見出した。
【0056】
同様に、公の配列データベースのBLAST検索において、例えば、NOV1bの核酸配列はMus musculus(GENBANK−ID:X56842)由来のWnt−3A mRNAに対して1084塩基のうちの946塩基(87%)の同一性を有することを見出した。NOV1bのタンパク質の全アミノ酸配列は、Mus musculus(ACC:P27467)由来のWnt−3A タンパク質に対して、352アミノ酸残基のうちの338残基(96%)の同一性および、352アミノ酸残基のうちの344残基(97%)の類似性を有することを見出した。さらに、公の配列データベースのBLAST検索において、例えば、NOV1cのタンパク質の全アミノ酸配列は、ヒトWnt−3A(TREMBLNEW−ACC:BAB61052)に対して、193アミノ酸残基のうちの191アミノ酸残基(98%)の同一性を有することを見出した。
【0057】
さらなるBLAST結果を、表1Hに示す。本明細書中のすべてのBLASTアライメントにおいて、「E値」(”E−value”)または「期待」(”Expect”)値は、並べられた配列が、検索されたデータベース内で、偶然のみによって、BLAST検索配列への類似性を達成し得る可能性の数値的示度である。例えば、IIT BLAST解析から引き出された対象(”Sbjct”)が、純粋に偶然に質問(Query)IIT配列に一致する確率が、E値である。期待値(E)は、ある特定のサイズのデータベースを検索しているとき、単に偶然に出あうことを「期待」(”expect”)し得るヒットの数を表すパラメーターである。それは、二つの配列の間の一致を指示するスコアー(S)とともに指数関数的に減少する。本質的に、E値は配列間の一致に対して存在するランダムなバックグラウンドノイズを表す。ブラスト処理(Blasting)は、GenBankデータベースおよびGeneSeq特許データベースのような公のヌクレオチドデータベースに対して実行される。例えば、BLASTX検索は、GenBankデータベース、SwissProt、PDBおよびPIRを含む公のタンパク質データベースに対して実行される。
【0058】
期待値は、報告される結果に対する有意な閾値を生成する便利な方法として使用される。ブラスト処理に使用されるデフォルト値は、代表的には0.0001に設定される。BLAST2.0において、期待値はまた、一致の有意性を報告するためにP値(確率)の代わりに使用される。例えば、1ヒットを指示するE値1は、現在の大きさのデータベースにおいて、単純に偶然に類似するスコアとの一つの一致が確認されることが期待され得ることを意味するとして解釈され得る。E値0は、単純に偶然に類似するスコアとのいかなる一致も確認することが期待されないことを意味する。例えば、http://www.ncbl.nlm.nih.gov/Education/BLASTinfo/を参照のこと。時折、XまたはNの記号列がBLAST検索の結果として生じる。これは、擬似ヒットを防ぐために実行される複雑さが低い配列に対する質問の自動フィルタリングの結果である。このフィルターは、発見した複雑さが低い配列を、ヌクレオチド配列の場合は文字「N」(例えば「NNNNNNNNNNNNN」)に、またはタンパク質配列の場合は文字「X」(例えば「XXXXXXXXX」)に置換する。複雑さが低い配列は、重要な位置ごとのアライメントよりむしろ組成のバイアスを反映したハイスコアを生じ得る。WoottonおよびFederhen、Methods Enzymol 266:554−571、1996。
【0059】
【表1H】
Figure 2004529607
マルチプル配列アライメントは、表1Iに与えられ、開示されたNOV1タンパク質配列は列1に示され、ClustalW解析において、NOV1と関連したタンパク質の配列との比較は、表1Hに開示される。NOV1aポリペプチド、NOV1bポリペプチド、およびNOV1cポリペプチドによって共有される相同性はまた、表1Iに示される。
【0060】
【表1I】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
本明細書中に開示されているタンパク質中の同定可能なドメインの存在は、PROSITE、Blocks、Pfam、ProDomain、Printsのようなアルゴリズムを使用した検索によって決定され、Interproウェブサイト(http:www.ebi.ac.uk/interpro/)を使用したドメインマッチ(またはドメインマッチ数)を掛け合わせることによって、Interpro数が決定された。表4Jは、NOV1に対するDOMAIN解析結果由来のドメインの記述を列挙する。
【0061】
【表1J】
Figure 2004529607
Wntドメイン(IPR000970)と相同であるNOV1上のタンパク質領域の存在は、Wntタンパク質ファミリーのメンバーの構成と一致する。これは、NOV1配列がこれらのドメインを含むことが知られている他のWnt様タンパク質の配列と似た性質を有することを示す。
【0062】
本発明のWnt様タンパク質は、胎児の脳および成人の脳で発現されるNOV1配列を含む。本発明に対する発現パターン、地図上の位置、ドメイン解析、およびタンパク質類似情報は、本発明がWnt様タンパク質として機能するNOV1ポリペプチドを含むことを明らかにする。従って、本発明のNOV1核酸およびNOV1タンパク質は、例えば、以下に記載されている様々な病理/障害および/または他の病理/障害に関連する強力な治療的応用に有用であるが、これらに限定されない。本発明に対する強力な治療的使用は、例えば、以下のとおりであるが、これらに限定されない:(i)タンパク質治療法、(ii)小分子薬剤標的、(iii)抗体標的(治療的、診断的、薬剤標的/細胞毒性抗体)、(iv)診断的マーカーおよび/または予後マーカー、(v)遺伝子療法(遺伝子輸送/遺伝子除去)、(vi)研究ツール、および(vii)インビトロおよびインビボでの組織再生(これら組織およびこれら組織由来の細胞型を構成する全てのこれら組織および細胞型の再生)。
【0063】
本発明の核酸およびタンパク質は、以下に記載された様々な疾患および障害ならびに/または他の病理に関連する強力な診断的および治療的応用において、有用である。非限定的な実施例によって、本発明の組成物は神経発達欠陥、神経変性病(アルツハイマー病を含む)、癌(乳房腫瘍を含む)およびB細胞増殖障害のような神経障害を患っている患者の治療に効果を有する。また、NOV1を発現する他の器官障害を処置するのに有用である。NOV1は発達ならびに分化を損なった条件、およびWnt−3aシグナル伝達経路によって修正され得る状態、を治療するのに使用され得る。例えば、Wnt様タンパク質をコードするcDNAは、遺伝子療法に有用であり得、Wnt様タンパク質は、それを必要としている被験体に投薬する場合、有用であり得る。NOV1タンパク質および核酸またはそれらのフラグメントは、核酸またはタンパク質の存在または量を評価する診療的応用において有用である。
【0064】
これらの材料は、さらに治療法または診断法において使用するための、本発明の新規の物質に免疫特異的に結合する抗体の産生において有用である。開示されたNOV1タンパク質は、多数の親水的領域を有し、その領域それぞれは、免疫源として使用され得る。一つの実施形態において、意図されるNOV1エピトープはアミノ酸約50〜約100からなる。別の実施形態において、NOV1エピトープはアミノ酸約120〜約200からなる。さらなる実施形態において、NOV1エピトープはアミノ酸約205〜約300からなり、約301〜約345からなる。
【0065】
(NOV2)
本明細書中でNOV2と記される本発明のタンパク質は、亜鉛トランスポーター様タンパク質(ZNT)様タンパク質である。3つのNOV2配列(NOV2a、NOV2bおよびNOV2c)の核酸配列(およびコードされるポリペプチド)が提供される。
【0066】
(NOV2a)
NOV2a(本明細書では他に30370359_da1と記される)は、表2Aに示される、1431ヌクレオチドの配列(配列番号7)を含む。開示されたORFは、ヌクレオチド292〜294にあるコザックコンセンサスATG開始コドンにて開始し、そしてヌクレオチド1399〜1401にあるTAGコドンにて終結する。開始コドン上流および終止コドン下流の非翻訳領域は、表2A中に下線で示され、そして開始コドンおよび終止コドンはボールド文字である。
【0067】
【表2A】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
配列番号7によりコードされるNOV2aポリペプチド(配列番号8)は、369アミノ酸残基の長さであり、分子量40784.1ダルトンを有し、そして1文字アミノ酸コードを用いて表2Bに提示される。
【0068】
【表2B】
Figure 2004529607
(NOV2b)
NOV2b(本明細書では他にCG57799−01と記される)は、表2Cに示される、1623ヌクレオチドの配列(配列番号9)を含む。開示されたORFは、ヌクレオチド292〜294にあるコザックコンセンサスATG開始コドンにて開始し、そしてヌクレオチド1588〜1560にあるTAGコドンにて終結する。開始コドン上流および終止コドン下流の非翻訳領域は、表2C中に下線で示され、そして開始コドンおよび終止コドンはボールド文字である。
【0069】
【表2C】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
配列番号9によりコードされるNOV2bポリペプチド(配列番号10)は、422アミノ酸残基の長さであり、分子量47199.6ダルトンを有し、そして1文字アミノ酸コードを用いて表2Dに提示される。
【0070】
【表2D】
Figure 2004529607
(NOV2c)
NOV2c(本明細書では他にCG57799−02と記される)は、表2Eに示される、1318ヌクレオチドの配列(配列番号11)を含む。開示されたORFは、ヌクレオチド51〜53にあるコザックコンセンサスATG開始コドンにて開始し、そしてヌクレオチド1158〜1160にあるTAGコドンにて終結する。開始コドン上流および終止コドン下流の非翻訳領域は、表2E中に下線で示され、そして開始コドンおよび終止コドンはボールド文字である。
【0071】
【表2E】
Figure 2004529607
配列番号11によりコードされるNOV2cタンパク質(配列番号12)は、369アミノ酸残基の長さであり、分子量40721ダルトンを有し、そして1文字コードを用いて表2Fに提示される。
【0072】
【表2F】
Figure 2004529607
(NOV2クローン)
NOV2のPsortプロフィールにより、このポリペプチド配列は0.6000の値で形質膜に局在しそうであると予想される。
【0073】
特許および特許公報にて公開された配列を包含する独自のデータベースであるPatpデータベースに対する検索は、表2Gに記されるいくつかのホモローグのタンパク質を引き出した。
【0074】
【表2G】
Figure 2004529607
公共の配列データベースであるBLAST検索においては、例えば、本発明のNOV2b配列は、gb:GENBANK−ID:RNU50927|acc:U50927.1 Rattus norvegicus由来のmRNA(Rattus norvegicus亜鉛トランスポーター(ZnT−2)mRNA、完全cds)に対して、920塩基中の587塩基(63%)の同一塩基を有していることが見出された。本発明のタンパク質の全長アミノ酸配列は、359アミノ酸残基のptnr:SWISSNEW−ACC:Q62941タンパク質(Rattus norvegicus由来)(Rat)(ZINC TRANSPORTER 2(ZNT−2))に対して、333アミノ酸残基中165残基(49%)の同一残基、および333アミノ酸残基中230残基(69%)の類似の残基を有することが見出された。
【0075】
同様に、公共の配列データベースのBLAST検索において、例えば、本発明のNOV2c配列は、gb:GENBANK−ID:AX061210|acc:AX061210.1mRNA(Homo sapiens由来)(特許 WO0078953の配列57)に対して、1239塩基中1221塩基(98%)の同一塩基を有していることが見出された。本発明のタンパク質の全長アミノ酸配列は、359アミノ酸残基のptnr:SWISSNEW−ACC:Q62941タンパク質(Rattus norvegicus由来)(Rat)(ZINC TRANSPORTER 2(ZNT−2))に対して、333アミノ酸残基中173残基(51%)の同一残基、および333アミノ酸残基中235残基(70%)の類似残基を有していることが見出された。
【0076】
さらなるBLASTの結果は表2Hに記される。
【0077】
【表2H】
Figure 2004529607
マルチプル配列アラインメントは表2Iに挙げられ、本発明のNOV2タンパク質が1行目に示され、関連タンパク質配列とNOV2を比較したClustalW解析におけるマルチプル配列アラインメントが表2Hに明示される。NOV2aポリペプチド、NOV2bポリペプチドおよびNOV2cポリペプチドに共有されるホモロジーも表2Iに示される。
【0078】
【表2I】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
本明細書にて開示されるタンパク質の同定可能なドメインの存在を、アルゴリズム(例えば、PROSITE、Block、Pfam、ProDomain、Print)を使用した検索により決定し、それからInterproウェブサイト(http:www.ebi.ac.uk/interpro/)を使用して、ドメインマッチ(または数)を組み合わせることにより、Interpro数を決定した。表2Jは、NOV2に対するDOMAIN解析の結果からのドメインの詳細を記載する。
【0079】
【表2J】
Figure 2004529607
NOV2において、カチオン流出(Cation Efflux)ドメイン(IPR002524)のホモローグであるタンパク質領域の存在は、ZNTタンパク質ファミリーのメンバーの構成に適合する。このことは、NOV2配列が、それらドメインを含むことが公知の他のカチオン流出タンパク質の性質に類似の性質を有することを、示す。
【0080】
NOV2 ZNT様遺伝子は、少なくとも次の組織において発現される:膵臓、骨髄、軟骨、胎盤、および腎臓。本発明の発現パターン、マップ位置、ドメイン解析、およびタンパク質類似性の情報は、このNOV2がZNT様のタンパク質として機能し得ることを示唆する。
【0081】
従って、本発明のNOV2核酸およびタンパク質は、非限定的な例として、以下に挙げるような様々な病理/障害、および/または他の病理/障害に関係する、潜在的な治療的な用途に有益である。例えば、本発明の組成物は、癌、外傷、再生(インビトロおよびインビボ)、ウイルス/細菌/寄生生物の感染、受胎、ならびに他の疾患、障害および状態、に苦しむ患者の治療に有効性を有し得る。本発明についての潜在的な治療的な用途は、非限定的な例として、次の例がある:(i)タンパク質治療、(ii)小分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療的な抗体、診断的な抗体、薬物標的/細胞傷害性の抗体)、(iv)診断および/または予後診断のマーカー、(v)遺伝子治療(遺伝子送達、遺伝子除去)、(vi)解析ツール、ならびに(vii)インビトロおよびインビボにおける組織再生(これら組織から誘導される組織および細胞型を含む、全ての組織および細胞型の再生)
非限定的な例として、本発明の組成物は、糖尿病、自己免疫疾患、腎動脈狭窄、間質性腎炎、糸球体腎炎、多発性嚢胞腎疾患、全身性エリテマトーデス、腎尿細管アシドーシス、IgAネフロパシー、高カルシウム血症、レッシュ−ナイハン症候群、フォン・ヒッペル−リンダウ症候群(VHL)、膵臓炎、肥満症、血友病、凝固能亢進、特発性血小板減少性紫斑病、アレルギー、免疫不全、移植、対宿主性移植、関節炎、腱炎、T細胞増殖性障害および疾患、亜鉛中毒、さらには他の疾患、障害および状態、を被る患者の処置に有効性を有する。ZNT様タンパク質をコードするcDNAは遺伝子治療に有用であり得、そしてZNT様タンパク質は、それを必要とする被験体に投与される場合に、有益であり得る。ZNT様タンパク質をコードする新規の核酸および本発明のZNT様タンパク質またはこれらのフラグメントは、さらに診断用途に有益であり得、ここで核酸またはタンパク質の、存在または量が測定され得る。
【0082】
これらの物質は、治療的または診断的な方法における使用のための、本発明の新規の物質に免疫特異的に結合する抗体の産生に、さらに有益である。開示されたNOV2タンパク質は複数の親水性領域を有し、各々が免疫原として使用され得る。1つの実施形態において、企図されたNOV2エピトープはおよそアミノ酸10位〜75位である。別の実施形態において、NOV2エピトープはおよそアミノ酸100位〜150位である。さらなる実施形態において、NOV2エピトープはおよそアミノ酸175位〜250位、およびおよそアミノ酸310位〜410位である。
【0083】
(NOV3)
NOV3ポリペプチドは、Mitsugumin29様タンパク質(MG29)である。本明細書中に開示されるNOV1核酸配列は、第3染色体に位置付けされる。2つのNOV3配列(NOV3aおよびNOV3b)の核酸配列(およびコードされたポリペプチド)が提供される。
【0084】
(NOV3a)
854ヌクレオチド配列(配列番号13)を含み、新規のMG29様タンパク質をコードするNOV3a(あるいはSC126413398_Aとして本明細書中に述べられる)が、表3Aに示される。開示されるORFは、ヌクレオチド2〜4にあるコザックコンセンサスATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド803〜805にあるTAAコドンで終わる。この開始コドンから上流の非翻訳領域およびこの終止コドンから下流の非翻訳領域は、表3Aにおいて下線が引かれており、そしてこの開始コドンおよびこの終止コドンは太字である。
【0085】
【表3A】
Figure 2004529607
NOV3aの改変体配列は、実施例2、表51に含まれる。改変体配列は、一塩基多型(SNP)を含み得る。SNPは、いくつかの場合には、そのSNPを含有するヌクレオチド配列がcDNAとして生じることを示すために、「cSNP」として呼ばれ得る。
【0086】
配列番号13によってコードされたNOV3aポリペプチド(配列番号14)は、267アミノ酸残基長であり、29583.5ダルトンの分子量を有し、そして表3Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて示される。
【0087】
【表3B】
Figure 2004529607
(NOV3b)
NOV3b(あるいはCG55861−02として本明細書中に述べられる)は、表3Cに示される642ヌクレオチド配列(配列番号15)を含む。開示されるORFは、ヌクレオチド2〜4にあるコザックコンセンサスATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド626〜628にあるTAAコドンで終わる。この開始コドンから上流の非翻訳領域およびこの終止コドンから下流の非翻訳領域は、表3Cにおいて下線が引かれており、そしてこの開始コドンおよびこの終止コドンは太字である。
【0088】
【表3C】
Figure 2004529607
配列番号15によってコードされるNOV1bタンパク質(配列番号16)は、208アミノ酸残基長であり、23618.6ダルトンの分子量を有し、そして表3Dに一文字アミノ酸コードを用いて示される。
【0089】
【表3D】
Figure 2004529607
(NOV3 クローン)
NOV3aのPsortプロフィールは、このポリペプチド配列が、確実性0.6000で原形質膜に局在化されるようであることを推測する。NOV3bのPsortプロフィールは、このポリペプチド配列が、確実性0.4400で原形質膜に局在化されるようであることを推測する。Signal Pは、NOV3ポリペプチドの可能な切断部位が57位と58位との間(すなわち、配列SYS−GE中のダッシュ)にあることを推測する。
【0090】
Patpデータベース(特許および特許公開にて公開される配列を含む独自のデータベース)に対する検索は、表3Eに示されるいくつかな相同タンパク質をもたらした。
【0091】
【表3E】
Figure 2004529607
公の配列データベースのBLASTサーチにおいて、例えば、NOV1aの核酸配列が、Oryctolagus cuniculus(GENBANK−ID:AB004816)由来のMG29mRNAと同一の725塩基を801塩基中に有する(90%)ことが見出された。本発明のタンパク質の全アミノ酸配列は、Oryctolagus cuniculus(ウサギ)由来の264アミノ酸残基のMG29タンパク質(O62646)と同一の254アミノ酸残基を267アミノ残基中に有し(95%)、そしてOryctolagus cuniculus(ウサギ)由来の264アミノ酸残基のMG29タンパク質(O62646)と類似する258アミノ酸残基を267アミノ酸残基中に有する(96%)ことが見出された。
【0092】
同様に、公の配列データベースのBLAST検索において、例えば、NOV3bの核酸配列は、Oryctolagus cuniculus(Oryctolagus cuniculusのMG29のmRNA、完全cds)由来のgb:GENBANK−ID:AB004816|acc:AB004816.1 mRNAと同一の511塩基を617塩基中に有する(82%)ことが見出された。本発明のタンパク質の全アミノ酸配列は、Oryctolagus cuniculus(ウサギ)由来の264アミノ酸残基のptnr:SPTREMBL−ACC:O62646タンパク質(MG29)と同一の148アミノ酸残基を171アミノ酸残基中に有し(86%)、そしてOryctolagus cuniculus(ウサギ)由来の264アミノ酸残基のptnr:SPTREMBL−ACC:O62646タンパク質(MG29)と類似する153アミノ酸残基を171アミノ酸残基中に有する(89%)ことが見出された。
【0093】
さらなるBLAST結果が、表3Fに示される。
【0094】
【表3F】
Figure 2004529607
マルチプル配列アラインメントが、表3Gに与えられ、表3Fに開示される関連タンパク質配列とNOV3とを比較するClustalW解析において、本発明のNOV3タンパク質が、1列目に示されている。NOV3aポリペプチドとNOV3bポリペプチドとによって共有される相同性もまた、表3Gに示される。
【0095】
【表3G】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
本明細書中に開示されたタンパク質における同定可能なドメインの存在を、PROSITE、Blocks、Pfam、ProDomain、Printsのようなアルゴリズムを用いた検索によって、次いで、Interproウェブサイト(http:www.ebi.ac.uk/interpro/)を用いてドメインマッチ(または数)をクロスすることによるInterpro数を決定することによって決定した。表3Hは、NOV3に対するDOMAIN分析の結果からのドメインの説明を列挙する。
【0096】
【表3H】
Figure 2004529607
シナプトフィジンドメイン(IRP11111)と相同であるNOV3におけるタンパク質領域の存在は、MG29タンパク質ファミリーのメンバーの構成と一致する。このことは、NOV3配列が、他のシナプトフィジンドメイン含有タンパク質の特性と類似の性質を有することを示す。
【0097】
NOV3 MG29様遺伝子は、少なくとも心臓および脳で発現される。本発明のための発現パターン、マップ位置、ドメイン分析およびタンパク質類似情報は、このNOV3がMG29様タンパク質として機能し得ることを示唆する。
【0098】
従って、本発明のNOV3核酸およびNOV3タンパク質は例えば、限定はしないが、以下に記載される種々の病理/障害、ならびに/または他の病理/障害に関連する潜在的な治療適用において有用である。例えば、本発明の組成物は、癌、外傷、再生(インビトロおよびインビボ)、ウイルス感染/細菌感染/寄生生物感染、受精能、ならびに他の疾患、障害および状態に羅患している患者の治療に効力を有する。本発明の潜在的な治療用途としては、例えば、限定はしないが、以下が挙げられる:(i)タンパク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療的抗体、診断的抗体、薬物標的抗体/細胞傷害性抗体)、(iv)診断マーカーおよび/または予後マーカー、(v)遺伝子治療(遺伝子送達/遺伝子切除)、(vi)研究ツール、ならびに(vii)インビトロおよびインビボでの組織再生(これらの組織全ての再生、ならびにこれらの組織およびこれらの組織由来の細胞型から構成される細胞型の全ての再生)。
【0099】
非限定的な例として、本発明の組成物は、ヴィスコット−オールドリッチ症候群、オールドリッチ症候群、湿疹−血小板減少−免疫不全(Eczema−Thrombocytopenia−Immunodeficiency)症候群、血小板減少、夜盲症、筋萎縮性側索硬化症、バッテン病、セロイド脂褐素症、レット症候群、ピック病(葉性の萎縮)に罹患している患者の処置のための効力を有する。NOV3タンパク質をコードするcDNAは、遺伝子治療において有用であり得、そしてMG29様タンパク質は、それを必要とする被検体に投与された場合に有用であり得る。本発明のMG29様タンパク質をコードする新規な核酸、およびMG29様タンパク質、もしくはそのフラグメントは、診断適用においてさらに有用であり得、その適用において、その核酸またはタンパク質の存在または量が、評価される。
【0100】
これらの物質は、治療方法もしくは診断方法における使用のための、本発明の新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の産生において、さらに有用である。開示されるNOV3タンパク質は、複数の親水性領域を有し、その各々が、免疫原として用いられ得る。1つの実施形態において、企図されるNOV3エピトープは、アミノ酸およそ1〜4である。別の実施形態において、NOV3エピトープは、アミノ酸およそ50〜75である。さらなる実施形態において、NOV3エピトープは、アミノ酸およそ125〜170、アミノ酸およそ171〜200、そしてアミノ酸およそ225〜267である。
【0101】
(NOV4)
NOV4は、以下に開示される新規な2つのSlit3様タンパク質を含む。二つのNOV4配列(NOV4aおよびNOV4b)の核酸配列(およびコードされるポリペプチド)が提出される。
【0102】
(NOV4a)
新規のSlit3様タンパク質をコードする2380ヌクレオチドの開示されたNOV4a(20760813.0.10ともいわれる)の核酸(配列番号17)を、表4Aに示す。ヌクレオチド237〜239のATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド2055〜2057のTGAコドンで終止するオープンリーディングフレームが、同定された。開始コドンから上流および終止コドンから下流の非翻訳領域に、表4Aにおいて下線を伏す。開始コドンおよび終止コドンを、太字で示す。
【0103】
【表4A】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
NOV4aの改変体配列は、実施例2、表52に挙げられる。改変体配列は一塩基多型(SNP)を含み得る。ある場合において、SNPは、SNPを含むヌクレオチド配列がcDNAとして生じることを示すために、「cSNP」といわれ得る。
【0104】
配列番号17によってコードされるNOV4aタンパク質(配列番号18)は、606アミノ酸残基長であり、68046ダルトンの分子量を有し、そしてNOV4aタンパク質の配列を、1文字アミノ酸コードを用いて表4Bに示す。
【0105】
【表4B】
Figure 2004529607
(NOV4b)
新規のSlit3様タンパク質をコードする2187ヌクレオチドの開示されたNOV4b核酸(CG51514−05ともいわれる)(配列番号19)を、表4Dに示す。ヌクレオチド83〜85のATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド1901〜1903のTGAコドンで終止するオープンリーディングフレームが、同定された。開始コドンから上流および終止コドンから下流の非翻訳領域に、表4Cにおいて下線を伏す。開始コドンおよび終止コドンを、太字で示す。
【0106】
【表4C】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
NOV4bの改変体配列は、実施例2、表53に挙げられている。改変体配列は一塩基多型(SNP)を含み得る。ある場合において、SNPは、SNPを含むヌクレオチド配列がcDNAに由来することを意味するため、「cSNP」と呼ばれ得る。
【0107】
配列番号19にコードされるNOV4bタンパク質(配列番号20)は、606アミノ酸残基の長さである。NOV4bタンパク質の配列を、1文字アミノ酸表記を用いて表4Dに示す。
【0108】
【表4D】
Figure 2004529607
(NOV4 クローン)
NOV4についてのPsortプロフィールは、これらの配列が単一のペプチドを有し、そして0.4600の確実性を有して原形質膜に局在化されている可能性が高いと予測する。他の実施形態において、NOV4は0.1000の確実性を有して小胞体(膜)に、0.1000の確実性を有して小胞体管腔に、または0.1000の確実性を有して細胞外に局在化する。Signal Pは、NOV4ペプチドについて可能性のある切断部位が27位と28位との間、すなわち、配列TIG−CP中のダッシュ(dash)の位置であること予測する。
【0109】
データベースに対する検索法である、特許として公開された配列および特許公開公報のなかで公開された配列を含む独自のデータベースは、表4Eに示すいくつかの相同なタンパク質を見出した。
【0110】
【表4E】
Figure 2004529607
公共の配列データベースのBLAST検索において、例えば、本発明のタンパク質のアミノ酸配列全長は、Homo Sapiens由来の606アミノ酸残基のタンパク質(ptnr:SPTREMBL−ACC:Q9BZ20)に対して、606アミノ酸残基中603残基(99%)同一であり、そして606残基中606残基(100%)陽性であることが見出された。
【0111】
NOV4は、表4Fの中のBLASTPデータに示されるタンパク質に対して相同性を有する。
【0112】
【表4F】
Figure 2004529607
マルチプル配列アライメントを表4Gに示し、NOV4aおよびNOV4bをそれぞれ1行目および2行目に示す。このClustal W解析は、NOV4タンパク質を表4Fに示される関連タンパク質の配列と比較する。NOV4aポリペプチドとNOV4bポリペプチドによって共有される相同性をまた、表4Gに示す。
【0113】
【表4G】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
本明細書中に開示されるタンパク質の中の同定し得るドメインの存在を、Pfamのようなアルゴリズムを用いる検索によって決定した。表4Hは、NOV4に対するDOMAIN解析からのドメインの記述を、列挙する。
【0114】
【表4H】
Figure 2004529607
ロイシンリッチリピートドメインに相同的なNOV4の中のタンパク質領域の存在は、Slit−3様タンパク質としてのNOV4タンパク質の同定と合致する。このことは、NOV4の配列が、これらのドメインを含むことが公知である他のタンパク質の特性と同様の特性を有することを示唆する。
【0115】
本発明のためのドメインおよびタンパク質の類似性の情報は、この遺伝子が「Slit−3」として機能し得ることを示唆する。このようなものとして、本発明のNOV4タンパク質は、神経系の形成および維持において機能し得る。従って、NOV4は、これらの組織が関連する障害に関与する。
【0116】
本発明の核酸およびタンパク質は、記載されている種々の病理学/障害に関与する潜在的な治療用の適用において有用である。本発明についての潜在的な治療的使用標的として、例えば;タンパク質治療用の、低分子薬物標的、抗体標的(治療用、診断用、薬物標的化/細胞傷害性抗体)、診断用および/または予後用マーカー、遺伝子治療(遺伝子送達/遺伝子除去)、研究ツール、インビトロおよびインビボにおける組織再生(これらの組織およびこれらの組織に由来する細胞型を含む、これらの組織および細胞型の全てについての再生)が挙げられる。
【0117】
本発明のNOV4をコードする新規の核酸またはそのフラグメントは、さらに診断用の適用に有用であり得、ここで、核酸またはタンパク質の存在または量が評価され得る。これらの物質はさらに、本発明の新規物質に免疫特異的に結合する治療法または診断法で使用するための、抗体の産生において有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の項で記載されるような、疎水性チャートからの予測を用いる、当該分野において公知の方法に基づいて生成され得る。開示されたNOV4タンパク質は、各々が免疫原として使用され得る複数の親水性領域を有する。本発明についての疎水性親水性プロットは、タンパク質配列が、原形質膜を標的化とするシグナルペプチドとして機能し得る、アミノ末端疎水性領域を有することを示す。
【0118】
(NOV5)
本発明に従うNOV5ポリペプチドは、LRR/GPCR様タンパク質を含む。2つのNOV5配列(NOV5aおよびNOV5b)の核酸配列(およびコードされたポリペプチド)が、提供される。
【0119】
(NOV5a)
新規のLRR/GPCR様タンパク質をコードする4245ヌクレオチド(配列番号21)のNOV5a核酸(133783508extともいう)は、表5Aに示される。オープンリーディングフレームは、ヌクレオチド214〜216におけるATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド4168〜4170におけるTAAコドンで終了すると同定された。開始コドンから上流および終止コドンから下流の非翻訳領域は、表5Aで下線を引く。開始コドンおよび終止コドンは、太い文字である。
【0120】
【表5A】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
公の配列データベースの検索において、第4染色体のp31領域に位置するNOV5a核酸配列は、Homo Sapiens由来のmRNAのp58タンパク質キナーゼ(clk−1)遺伝子のエキソン12(GENBANK−ID:M88565)と1344塩基中1326塩基(98%)の相同性を有する(E=0.0)。公のヌクレオチドデータベースとしては、全てのGenBankデータベースおよびGeneSeq特許データベースが挙げられる。
【0121】
配列番号21によってコードされるNOV5aタンパク質(配列番号22)は、長さ1318アミノ酸残基であり、表5Bで一文字のアミノ酸コードを用いて示される。
【0122】
【表5B】
Figure 2004529607
(NOV5b)
新規のLRR/GPCR様タンパク質をコードする1410のヌクレオチド(配列番号23)の公開されたNOV5b核酸(BE304119extともいう)は、表5Cに示される。オープンリーディングフレームは、ヌクレオチド204〜206におけるAGG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド1154〜1156におけるTGAコドンで終了すると同定された。開始コドンから上流および終止コドンから下流の非翻訳領域は、表5Cで下線を引く。開始コドンおよび終止コドンは、太い文字である。
【0123】
【表5C】
Figure 2004529607
配列番号23によってコードされるNOV5bタンパク質(配列番号24)は、長さ317アミノ酸残基であり、表5Dで一文字のアミノ酸コードを用いて示される。
【0124】
【表5D】
Figure 2004529607
(NOV5 クローン)
NOV5aに対するPsortプロフィールは、この配列が、シグナル配列を有し、そして0.6400の信頼度で原形質膜に局在化する可能性があると予測する。他の実施形態において、NOV5aは、0.4600の信頼度でゴルジ体、0.3700の信頼度で小胞体(膜)、0.1000の信頼度で小胞体(管腔)に局在する。NOV5aペプチドの最も適当な切断部位は、アミノ酸38と39との間(AAA−LP)である。
【0125】
Patpデータベースに代わる検索(特許および特許公開で公表される配列を含む独自のデータベースより)、表5Eに示されるNOV5aに対する様々な相同性タンパク質が得られる。
【0126】
【表5E】
Figure 2004529607
公の配列のデータべースのBLAST検索において、NOV5aの完全なアミノ酸配列が、Homo Sapiens由来のLRR/GPCR様タンパク質である1060アミノ酸残基のKIAA1531PROTAIN(GENBANK−ID:BAA96055)と、554のアミノ酸残基中315アミノ酸残基(98%)の相同性、554アミノ酸残基中404アミノ酸残基(99%)の類似性を有すると見出された(E=4.1e−185)。
【0127】
NOV5aはまた、表5FでBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有する。
【0128】
【表5F】
Figure 2004529607
NOV5bの同様のBLAST分析は、このポリペプチドが、表5GのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有することを示す。
【0129】
【表5G】
Figure 2004529607
多種配列アライメントは、表5Hで与えられ、NOV5aおよびNOV5bはそれぞれ、レーン1およびレーン2で示される。このClustal W分析は、NOV5タンパク質を表5Fおよび5Gに示される関係するタンパク質配列と比較する。NOV5aおよびNOV5bポリペプチドよって共有された相同性はまた、表5Hにも示される。
【0130】
【表5H】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
本明細書中で開示されるタンパク質中の同一と確認できるドメインの存在は、Pfamのようなアルゴリズムを用いる検索によって決定された。表5Iは、NOV5aに対するDOMAIN分析結果からのドメイン記述を列挙する。
【0131】
【表5I】
Figure 2004529607
ロイシンリッチリピートドメインと相同性のあるNOV5a中のタンパク質領域の存在は、LRR/GPCR様タンパク質としてのNOV5タンパク質の同定と一致する。これは、NOV5配列が、それらのドメインを含む既知である他の配列の特性と類似する特性を有することを示す。
【0132】
本発明におけるドメインおよびタンパク質の類似性情報は、この遺伝子が「LRR/GPCR」として機能し得ることを示唆する。このように、本発明のNOV5タンパク質が、神経系の形成および維持において機能し得る。NOV5は、従って、それらの組織を含む障害(例えば、癌、より具体的には、侵襲性癌、転移性癌、より具体的には肺癌、腎臓癌、脳腫瘍、肝臓癌および大腸癌のような異常な新脈管形成)に関係する。
【0133】
本発明の核酸およびタンパク質は、記述された様々な病理/障害に関する潜在的な治療適用において有用である。潜在的な治療は、本発明のために使用され、これには、例えば、タンパク質治療、低分子薬物標的、抗体標的(治療用抗体、診断用抗体、薬物標的/細胞障害性抗体)、診断および/または予後マーカー、遺伝子治療(遺伝子送達/遺伝子切断)、検索ツール、インビトロおよびインビボでの組織再生(それらの全ての組織およびそれらの組織を構成する細胞型およびそれらの組織由来の細胞型のための再生)が挙げられる。
【0134】
NOV5核酸およびポリペプチドは、治療方法および診断方法使用するための本発明の新規の物質と免疫特異的に結合する抗体の産出において、さらに有用である。それらの抗体は、以下の節「抗NOVX抗体」で記載されるように、疎水性チャートからの予測を用いて、当該分野で公知の方法に従って産出され得る。開示されたNOV5aタンパク質は、複数の親水性領域を有し、この親水性領域の各々は、免疫原として用いられ得る。1つの実施形態において、意図されるNOV5aのエピトープは、アミノ酸約20〜30である。別の実施形態において、NOV5aのエピトープは、アミノ酸約50〜75である。さらなる実施形態において、NOV5aのエピトープは、アミノ酸約100〜120、アミノ酸約180〜300、アミノ酸約325〜425、アミノ酸約525〜600、アミノ酸約625〜725、アミノ酸約850〜900、アミノ酸約950〜1000、そしてアミノ酸約1050〜1350である。これらの新規のタンパク質は、様々なヒトの障害の機能分析のためのアッセイシステムで使用され得、このアッセイシステムは、疾患の病理の理解および様々な障害に対する新しい薬物標的の開発において有用である。
【0135】
(NOV6)
新規の主要組織適合性複合体エンハンサー結合タンパク質MAD3様タンパク質をコードする、961ヌクレオチドの開示されたNOV6核酸(配列番号25)(これはまた、jgigc_draft_citb−e1_2540b15_20000803_da1と呼称される)は、表6Aに示される。ヌクレオチド1〜3のATG開始コドンに始まり、そしてヌクレオチド955〜957のTGAコドンで終止するオープンリーディングが同定された。この開始コドンの上流の非翻訳領域およびこの終止コドンの下流の非翻訳領域は、表6Aにおいて下線が付されている。この開始コドンおよび終止コドンは、太字である。
【0136】
【表6A】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
NOV6の改変体の配列は、実施例2、表54に含まれる。改変体の配列は、一塩基多型(SNP)を含み得る。SNPは、いくつかの例において、「cSNP」と称され得、SNPを含むヌクレオチド配列がcDNAに由来することを示す。
【0137】
公の配列データベース検索において、このNOV6核酸配列は、第4染色体に位置し、p58プロテインキナーゼ(clk−1)遺伝子(Homo sapiences由来のmRNA)のエキソン12(GENBANK−ID:M88565)の1344塩基のうち1326塩基(98%同一性)を有する(E=0.0)。公のヌクレオチドデータベースとしては、全てのGenbankデータベースおよびGeneSeq特許データベース(GeneSeq patent database)が挙げられる。
【0138】
配列番号25によってコードされるNOV6タンパク質(配列番号26)は、318アミノ酸残基長であり、このタンパク質は、35427.5ダルトンの分子量を有し、そして1文字アミノ酸コードを使用して表6Bで提供される。NOV6についてのPsortプロフィールによって、この配列がシグナル配列を有さず、そして0.6500という確実度でこの細胞質に局在する。他の実施形態において、NOV6タンパク質は、0.2195という確実性でリソソーム(内腔)に局在するか、または、0.1000という確実性でミトコンドリアの膜間隙に局在する。
【0139】
【表6B】
Figure 2004529607
公の配列データベースのBLAST検索において、例えば、このNOV6の全長アミノ酸が、Homo sapiens由来の1060アミノ酸残基のLRR/GPCR様タンパク質である主要組織適合性複合体エンハンサー結合タンパク質(MAJOR HISTOCOMPATATIBILITY COMPLEX ENHANCER−BINDING PROTEIN)(SWISSPROT−ACC:P25963)に対して、318アミノ酸残基のうち同一な288アミノ酸残基(90%)を有し、かつ318アミノ酸残基のうち類似の292アミノ酸残基(91%)を有していることが見出された(E=5.5e−151)。
【0140】
NOV6は、表6CにおけるBLASTPにて示されたタンパク質に対する相同性を有する。
【0141】
【表6C】
Figure 2004529607
マルチプル配列アライメントを、表6Dに示す。このNOV6タンパク質は、ClustalW解析で表6Dの1行目に示され、そして、NOV6タンパク質を表6Cに示される関連するタンパク質配列と比較する。このBLASTPデータは、表6DにClustalWで図示される。
【0142】
【表6D】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
本明細書中に開示されるタンパク質における同定可能なドメインの存在は、Pfamのようなアルゴリズムを使用する検索によって決定された。表6Eは、NOV6に対するDOMAIN解析の結果によるドメイン記述を列挙する。
【0143】
【表6E】
Figure 2004529607
ロイシンリッチリピートドメインに対して相同である、NOV6におけるタンパク質領域の存在は、主要組織適合性複合体エンハンサー結合タンパク質MAD3様タンパク質としてNOV6タンパク質を同定することと矛盾しない。このことによって、NOV6配列がこれらのドメインを含むことが既知である他のタンパク質の特性と類似する特性を有することが示される。
【0144】
本発明についての、ドメインおよびタンパク質の類似性情報は、この遺伝子が「主要組織適合性複合体エンハンサー結合タンパク質MAD3」として機能し得ることを示唆する。従って、本発明のNOV6タンパク質は、免疫系の、形成および維持において機能し得る。NOV6は、従って、これらの組織に関連する障害に関与する。
【0145】
本発明の、核酸およびタンパク質は、記載したような種々の病理および/または障害に関する、潜在的な治療学的用途において有用である。本発明に関する潜在的な治療学的用途としては、例えば、以下が挙げられるタンパク質治療剤、低分子薬物標的、抗体標的(治療学的抗体、診断学的抗体、薬物標的化抗体および/または細胞傷害性抗体)、診断マーカーおよび/または予後マーカー、遺伝子治療(遺伝子送達および/または遺伝子切除(gene ablation))、研究ツール、インビトロおよびインビボにおける組織再生(全てのこれらの組織およびこれらの組織を構成する細胞型ならびにこれらの組織由来の細胞型についての再生)。
【0146】
NOV6核酸およびNOV6ポリペプチドは、治療方法および診断法における用途のための本発明の新規物質に免疫特異的に結合する抗体の生成においてさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節に記載の疎水性チャートによる予測を使用する、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。この開示されたNOV6タンパク質は、複数の親水性領域を有し、この親水性領域の各々は、免疫原として使用され得る。1つの実施形態において、企図されるNOV6エピトープは、約1〜75のアミノ酸である。別の実施形態において、NOV6エピトープは、約125〜160のアミノ酸である。さらなる実施形態において、NOV6エピトープは、約175〜190のアミノ酸、約200〜230のアミノ酸、および約240〜320のアミノ酸である。これらの新規のタンパク質は、種々のヒトの障害の機能的解析のためのアッセイ系において使用され得、これらの解析は、疾患の病理の理解および種々の障害の新規薬物標的の開発において有用である。
【0147】
(NOV7)
新規インターロイキン9様のタンパク質をコードする457ヌクレオチド(配列番号27)の開示されたNOV7核酸(GMAP001948_Aと呼ばれる)を、表7Aに示す。オープンリーディングフレームは、開始コドンを伴わずに始まり、そしてヌクレオチド445〜447のTAAコドンで終結することが、同定された。表7Aにおいて、開始コドンより上流の非翻訳領域および終止コドンより下流の非翻訳領域に、下線を引く。開始コドンおよび終止コドンは、太字である。
【0148】
【表7A】
Figure 2004529607
公の配列データベースの検索において、第4染色体のp31領域に位置するこのNOV7核酸配列は、Homo sapiens由来のP40サイトカインmRNAに対するhp40遺伝子(GENBANK−ID:X17543)と、241塩基のうち152塩基(71%)の同一性を有した(E=9.5e−14)。公のヌクレオチドデータベースとしては、全GenBankデータベースおよびGeneSeq特許データベースが、挙げられる。
【0149】
配列番号27によってコードされるNOV7タンパク質(配列番号28)は、148アミノ酸残基長であり、そして、表7Bにおいて、1文字アミノ酸コードを使用して、表記される。NOV7についてのPsortプロフィールによって、この配列がシグナル配列を有さず、そして0.4500の信頼度で細胞質に局在化する可能性があることが、予想される。他の実施形態において、このNOV7タンパク質は、0.3000の信頼度でマイクロボディ(ペルオキシソーム)に、0.1000の信頼度で糸粒体基質間に、または0.1000の信頼度でリソソーム(ルーメン)に局在化する。NOV7ペプチドの最も可能性のある切断部位は、66番目のアミノ酸と67番目のアミノ酸との間(SLC−CF)である。
【0150】
【表7B】
Figure 2004529607
公の配列データベースのBLAST検索において、例えば、NOV7の全アミノ酸配列は、Homo sapiens(P15248)由来の144アミノ酸残基のINTERLEUKIN−9PRECURSOR(IL−9)(T−CELL GROWTH FACTOR P40)(P40 CYTOKINE)タンパク質と、98アミノ酸残基のうち52アミノ酸残基(53%)の同一性を有し、98アミノ酸残基のうち63アミノ酸残基(64%)の類似性を有する(E=6.5e−21)、ということが見出された。
【0151】
NOV7は、表7CにおけるBLASTPのデータ中に示されているタンパク質と、相同性を有する。
【0152】
【表7C】
Figure 2004529607
マルチプル配列アライメントを、表7Dに示し、NOV7タンパク質を、ClustalW分析において表7D中の1行目に示す。そして、表7C中に示された関連したタンパク質配列と、NOV7タンパク質とを比較する。このBLASTPデータを、表7D中のClustalWにおいて、図表で示す。
【0153】
【表7D】
Figure 2004529607
本明細書中で開示されたタンパク質における同定可能なドメインの存在を、Pfamのようなアルゴリズムを使用して検索することによって、決定した。表7Eに、NOV7に対するDOMAIN分析結果からのドメインの説明を、列挙する。
【0154】
【表7E】
Figure 2004529607
ロイシンリッチリピート配列と相同性があるNOV7中のタンパク質領域の存在は、Interleukin−9様タンパク質としてのNOV7タンパク質の同定と、一致する。これは、NOV7配列が、これらのドメインを含むことが既知の他のタンパク質の特性と類似した特性を有する、ということを示す。
【0155】
本発明に対するドメイン類似性情報およびタンパク質類似性情報は、この遺伝子が、「Interleukin−9」として機能し得ることを、示唆する。従って、本発明のNOV7タンパク質は、喘息、様々な型の癌、無精子症、学習障害、および顔面異形症、多発性硬化症、自己免疫性脳脊髄炎、X連鎖重症複合免疫不全ならびに他の免疫学的障害において、機能し得る。
【0156】
本発明の核酸およびタンパク質は、記載された種々の病状/障害に関係する、見込みのある治療的適用において、役立つ。本発明のための見込みある治療的使用としては、例えば;タンパク質治療の低分子薬剤標的、タンパク質治療の抗体標的(Therapeutic,Diagnostic,Drug targeting/Cytotoxic antibody)、診断マーカーおよび/または予後マーカー、遺伝子治療(遺伝子送達/遺伝子切除)、研究手段、インビトロおよびインビボにおける組織再生(これらの組織およびこれらの組織に由来する細胞型を含む、これらの全組織および全細胞型のための再生)、が挙げられる。
【0157】
NOV7核酸およびNOV7ポリペプチドは、治療法または診断法における使用のために、本発明の新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の生成において、さらに有用である。これらの抗体は、以下の節「抗NOVX抗体」で記載されるように、疎水性チャートからの予測を使用し、当該分野において公知の方法に従って、生成され得る。この開示されたNOV7タンパク質は、複数の親水性領域を有し、親水性領域の各々は、免疫原として使用され得る。1つの実施形態において、意図されたNOV7エピトープは、おおよそ5番目のアミノ酸〜おおよそ45番目のアミノ酸である。別の実施形態において、NOV7エピトープは、おおよそ70番目のアミノ酸〜おおよそ125番目のアミノ酸である。これらの新規なタンパク質は、種々のヒト障害の機能解析のためのアッセイ系において使用され得、これらの新規なタンパク質は、疾患の病状の理解において、そして種々の障害に対する新規薬物標的の開発において、有用である。
【0158】
(NOV8)
新規な5−ヒドロキシトリプタミンレセプター様タンパク質をコードする1155ヌクレオチドの開示されたNOV8核酸(SC129285515_Aとも称される)(配列番号29)を表8Aに示す。オープンリーディングフレームは、ヌクレオチド5〜7のATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド1145〜1147のTGAコドンで終わることが確認された。開始コドンから上流の非翻訳領域および終止コドンから下流の非翻訳領域は、表8Aにおいて下線を付している。開始コドンおよび終止コドンは、太字にしている。
【0159】
【表8A】
Figure 2004529607
公的な配列データベースの検索において、NOV8核酸配列は、第2染色体のp31領域に位置され、Mus musculus由来の5−HT5BセロトニンレセプターmRNA(GENBANK−ID:X69867)に対して1089塩基のうち812塩基(74%)の同一性を有する(E=1.8e−115)。公的なヌクレオチドデータベースとしては、全てのGenBankデータベースおよびGeneSeq特許データベースが含まれる。
【0160】
配列番号29によってコードされるNOV8タンパク質(配列番号30)は、380アミノ酸残基長であり、そしてこれを表8Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて示す。NOV8に対するPsortプロフィールは、この配列が、シグナル配列を有し、そして0.6850の確実性で小胞体(膜)に局在化されている可能性があることを予測する。他の実施形態において、NOV8タンパク質は、0.6400の確実性で形質膜、0.4600の確実性でゴルジ体、または0.1000の確実性で小胞体(内腔)に局在化する。NOV8ペプチドに対する最も可能性の高い切断部位は、アミノ酸16と17との間のALA−PEである。
【0161】
【表8B】
Figure 2004529607
公的な配列データベースのBLAST検索において、例えば、NOV8の全アミノ酸配列が、Mus musclus由来の370アミノ酸残基の5−ヒドロキシトリプタミン5Bレセプター(5−HT−5B)(セロトニンレセプター)タンパク質(ACC:P31387)に対して、362アミノ酸残基のうち288アミノ酸残基(79%)の同一性、および362アミノ酸残基のうち306アミノ酸残基(84%)の類似性を有することが見出された(E=2.8e−144)。
【0162】
NOV8は、表8CのBLASTPデータにおいて示されるタンパク質と相同性を有する。
【0163】
【表8C】
Figure 2004529607
マルチプル配列アライメントを表8Dに示す。ここでは、NOV8タンパク質が、ClustalW分析において、表8Dの1行目に示され、そして表8Cに示された関連のタンパク質配列とNOV8タンパク質を比較している。このBLASTPデータを、表8DのClustalWにおいて図示する。
【0164】
【表8D】
Figure 2004529607
本明細書に開示されたタンパク質における同定可能なドメインの存在を、Pfamのようなアルゴリズムを用いた検索によって決定した。表8Eは、NOV8に対するDOMAIN分析結果からのドメインの説明を列挙する。
【0165】
【表8E】
Figure 2004529607
ロイシンリッチリピートドメインに相同性であるNOV8におけるタンパク質領域の存在は、NOV8タンパク質が5−ヒドロキシトリプタミンレセプター様タンパク質として同定されたことと一致する。このことは、NOV8配列が、これらのドメインを含むことが公知の他のタンパク質と類似の特性を有することを示す。
【0166】
本発明についてのこのドメインおよびタンパク質の類似性の情報は、この遺伝子が「5−ヒドロキシトリプタミンレセプター」として機能し得ることを示唆する。このように、本発明のNOV8タンパク質は、発作、アルツハイマー病、睡眠、食欲、体温調節、痛覚、ホルモン分泌、および性行動、精神の抑鬱、片頭痛、てんかん、強迫性の行動(精神分裂病)、および情動障害、において機能し得る。
【0167】
本発明の核酸およびタンパク質は、記載された種々の病状/疾患に関連した潜在的な治療適用において有用である。本発明の潜在的な治療法としては、例えば、;タンパク質治療剤、低分子薬物標的、抗体標的(治療的抗体、診断的抗体、薬物標的化抗体/細胞傷害性抗体)、診断マーカーおよび/または予後マーカー、遺伝子治療(遺伝子送達/遺伝子切除)、検索ツール、インビトロおよびインビボでの組織再生(これらの組織全て、ならびにこれらの組織を構成する細胞型およびこれらの組織由来の細胞型ての再生)が挙げられる。
【0168】
NOV8核酸およびNOV8ポリペプチドはさらに、治療方法または診断方法における使用のための本発明の新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の生成において有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節に記載されるような、疎水性チャートからの予測を使用して、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。開示されたNOV8タンパク質は、複数の親水性領域を有し、この各々が、免疫原として用いられ得る。1つの実施形態において、意図されたNOV8エピトープは、アミノ酸約20〜50である。別の実施形態において、NOV8エピトープは、アミノ酸約120〜140である。さらなる実施形態において、NOV8エピトープは、アミノ酸約160〜180、アミノ酸約200〜240、アミノ酸約245〜280、アミノ酸約290〜325、およびアミノ酸約350〜375である。これらの新規なタンパク質は、種々のヒト障害の機能的な分析のためのアッセイ系において用いられ得、これが、疾患の病理の理解において、そして種々の障害のための新しい薬物標的の開発において有用である。
【0169】
(NOV9)
新規なチオレドキシン様タンパク質をコードする620ヌクレオチドの開示されたNOV9核酸(AC013554_dalとも呼ばれる)(配列番号31)を表9Aに示す。オープンリーディングフレームは、ヌクレオチド282〜284のATG開始コドンで始まり、ヌクレオチド618〜620のTGAコドンで終わることが確認された。開始コドンの上流の非翻訳領域および終止コドンの下流の非翻訳領域は、表9Aにおいて下線を付す。開始コドンおよび終止コドンを太字で示す。
【0170】
【表9A】
Figure 2004529607
NOV9の改変体配列は、実施例2、表55に含まれる。改変体配列は、一塩基多型(SNP)を含み得る。SNPは、ある場合には、「cSNP」と呼ばれ得、このSNPを含むヌクレオチド配列がcDNAとして生じることを示す。
【0171】
公的な配列データベースの検索において、NOV9核酸配列は、第2染色体のp31領域に位置され、Mus musculus由来の5−HT5BセロトニンレセプターmRNA(GENBANK−ID:X69867)に対して1089塩基のうち812塩基(74%)同一性を有する(E=1.8e−115)。公的なヌクレオチドデータベースとしては、全てのGenBankデータベースおよびGeneSeq特許データベースが含まれる。
【0172】
配列番号31によってコードされるNOV9タンパク質(配列番号32)は、112アミノ酸残基長であり、12746.6ダルトンの分子量を有し、そしてこれを表9Bに一文字アミノ酸コードを用いて示す。NOV9に対するPsortプロフィールは、この配列が、シグナル配列を有し、そして0.6500の確実性で細胞質に局在化されている可能性があることを予測する。
【0173】
【表9B】
Figure 2004529607
公的な配列データベースのBLAST検索において、例えば、NOV9の全アミノ酸配列が、105アミノ酸残基のチオレドキシン−Equus caballus(ACC:O97508)に対して、103アミノ酸残基のうち65アミノ酸残基(63%)の同一性、および103アミノ酸残基のうち80アミノ酸残基(77%)の類似性を有し(E=3.2e−32)、そして104アミノ酸残基のチオレドキシン(ATL由来因子)(ADF)(表面結合スルフヒドリルタンパク質)(SASP)−Homo sapiens(ACC:P10599)に対して、103アミノ酸残基のうち63アミノ酸残基(61%)の同一性、および103アミノ酸残基のうち80アミノ酸残基(77%)の類似性を有することが見出された(E=2.2e−31)。
【0174】
NOV9は、表9CのBLASTPデータにおいて示されるタンパク質と相同性を有する。
【0175】
【表9C】
Figure 2004529607
マルチプル配列アライメントを表9Dに示す。ここでは、NOV9タンパク質が、ClustalW分析において、表9Dの1行目に示され、そして表9Cに示された関連のタンパク質配列とNOV9タンパク質を比較している。このBLASTPデータを、表9DのClustalWにおいて図示する。
【0176】
【表9D】
Figure 2004529607
本明細書に開示されたタンパク質における同定可能なドメインの存在を、Pfamのようなアルゴリズムを用いた検索によって決定した。表9Eは、NOV9に対するDOMAIN分析結果からのドメインの説明を列挙する。
【0177】
【表9E】
Figure 2004529607
ロイシンリッチリピートドメインに相同性であるNOV9におけるタンパク質領域の存在は、NOV9タンパク質がチオレドキシン様タンパク質として同定されたことと一致する。このことは、NOV9配列が、これらのドメインを含むことが公知の他のタンパク質と類似の特性を有することを示す。
【0178】
本発明についてのこのドメインおよびタンパク質の類似性の情報は、この遺伝子が「チオレドキシン」として機能し得ることを示す。このように、本発明のNOV9タンパク質は、炎症、自己免疫障害、加齢、およびガンまたは他のチオレドキシン関連障害において機能し得る。
【0179】
本発明の核酸およびタンパク質は、記載された種々の病状/疾患に関連した潜在的な治療適用において有用である。本発明の潜在的な治療的使用としては、例えば、以下が挙げられる;タンパク質治療剤、低分子薬物標的、抗体標的(治療的抗体、診断的抗体、薬物標的化抗体/細胞傷害性抗体)、診断マーカーおよび/または予後マーカー、遺伝子治療(遺伝子送達/遺伝子切除)、検索ツール、インビトロおよびインビボでの組織再生(これらの組織全て、ならびにこれらの組織を構成する細胞型およびこれらの組織由来の細胞型の再生)。
【0180】
NOV9核酸およびNOV9ポリペプチドはさらに、治療方法または診断方法における使用のための本発明の新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の生成において有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節に記載されるような、疎水性チャートからの予測を使用して、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。開示されたNOV9タンパク質は、複数の親水性領域を有し、この各々が、免疫原として用いられ得る。これらの新規なタンパク質は、種々のヒト障害の機能的な分析のためのアッセイ系において用いられ得、これが、疾患の病理の理解において、そして種々の障害のための新しい薬物標的の開発において有用である。
【0181】
【表10】
Figure 2004529607
(NOVX核酸およびポリペプチド)
本発明の1つの局面は、NOVXポリペプチドまたはその生物学的に活性な部分をコードする、単離された核酸分子に関する。また、NOVXをコードする核酸(例えば、NOVX mRNA)を同定するためのハイブリダイゼーションプローブとしての用途のために十分な核酸フラグメント、およびNOVX核酸分子の増幅および/または変異のためのPCRプライマーとしての使用のためのフラグメントもまた、本発明に含まれる。本明細書中で使用される場合、用語「核酸分子」は、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、ヌクレオチドアナログを使用して作成されるDNAまたはRNAのアナログ、ならびにそれらの誘導体、フラグメントおよびホモログを含むことを意図する。核酸分子は一本鎖または二本鎖であり得るが、好ましくは二本鎖DNAで構成される。
【0182】
NOVX核酸は、成熟NOVXポリペプチドをコードし得る。本明細書中で使用される場合、本発明において開示されるポリペプチドまたはタンパク質の「成熟」形態は、天然に存在するポリペプチドの産物または前駆体形態またはプロプロテイン(proprotein)である。天然に存在するポリペプチド前駆体またはプロプロテインとしては、非限定的な例として、対応する遺伝子によりコードされる全長遺伝子産物が挙げられる。あるいは、これらは、本明細書中に記載されるORFによりコードされるポリペプチド、前駆体またはプロプロテインとして規定され得る。生成物「成熟」形態は、また非限定的な例の目的として、1以上の天然に存在するプロセシング工程(これらがこの遺伝子産物が生じる細胞または宿主細胞内で起こり得る場合)の結果として生じる。ポリペプチドまたはタンパク質の「成熟」形態に至るこのようなプロセシング工程の例としては、ORFの開始コドンによりコードされるN末端メチオニン残基の切断、またはシグナルペプチドまたはリーダー配列のタンパク質分解切断が挙げられる。従って、残基1〜N(残基1がN末端メチオニンである場合)を有する前駆体ポリペプチドまたはタンパク質から生じる成熟形態は、N末端メチオニンの除去後に残基2〜Nが残る。あるいは、残基1〜N(ここで、N末端シグナル配列(残基1〜残基M)が切断される)を有する前駆体ポリペプチドまたはタンパク質から生じる成熟形態は、残りの残基M+1〜残基Nを有する。さらに、本明細書中で使用される場合、ポリペプチドまたはタンパク質の「成熟」形態は、タンパク質分解事象ではなく、翻訳後修飾の工程から生じ得る。このようなさらなるプロセスとしては、非限定的な例として、グリコシル化、ミリストイル化またはリン酸化が挙げられる。一般に、成熟ポリペプチドまたはタンパク質は、これらのプロセスの1つのみまたはこれらの任意の組み合わせの操作から生じ得る。
【0183】
用語「プローブ」とは、本明細書中で使用される場合、種々の長さの核酸配列をいい、好ましくは、特定の用途に依存して、少なくとも約10ヌクレオチド(nt)、100nt、または例えば、約6,000ntほどの大きさの間である。プローブは、同一、類似または相補的な核酸配列の検出において使用される。より長いプローブは、通常、天然供給源または組換え供給源から入手され、非常に特異的であり、そしてより長さの短いオリゴマープローブよりもはるかに遅くハイブリダイズする。プローブは、一本鎖または二本鎖であり得、そしてPCR、膜ベースのハイブリダイゼーション技術、またはELISA様の技術において特異性を有するように設計され得る。
【0184】
用語「単離された」核酸分子は、本明細書中で使用される場合、この核酸の天然の供給源中に存在する他の核酸分子から分離された核酸分子である。好ましくは、「単離された」核酸は、この核酸が由来する生物のゲノムDNA中でこの核酸に天然に隣接する配列(すなわち、この核酸の5’末端および3’末端に位置する配列)を含まない。例えば、種々の実施形態において、単離されたNOVX核酸分子は、この核酸が由来する細胞/組織(例えば、脳、心臓、肝臓、脾臓など)のゲノムDNA中でこの核酸分子に天然で隣接する、約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kb、または0.1kb未満のヌクレオチド配列を含み得る。さらに、「単離された」核酸分子、例えば、cDNA分子は、組換え技術により産生される場合、その他の細胞物質または培養培地を実質的に含まないか、または化学的に合成される場合、化学物質前駆体もしくはその他の化学物質を実質的に含まないものであり得る。
【0185】
本発明の核酸分子、例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31のヌクレオチド配列を有する核酸分子、または上記のヌクレオチド配列の相補体は、標準的な分子生物学的技術および本明細書で提供される配列情報を用いて単離され得る。ハイブリダイゼーションプローブとして、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、または31の核酸配列の全部または一部を使用して、NOVX分子は、標準的なハイブリダイゼーションおよびクローニング技術(例えば、Sambrookら(編)、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL 第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、1989;およびAusubelら、(編)、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley&Sons、New York、NY、1993に記載されるように)を用いて単離され得る。
【0186】
本発明の核酸は、標準的なPCR増幅技術に従って、テンプレートとしてcDNA、mRNAあるいはゲノムDNA、および適切なオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅され得る。このように増幅された核酸は、適切なベクター中にクローン化され、そしてDNA配列分析により特徴付けられ得る。さらに、NOVXヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドは、標準的な合成技術、例えば、自動化DNA合成機を用いることにより調製され得る。
【0187】
本明細書で用いられる場合、用語「オリゴヌクレオチド」は、一連の連結されたヌクレオチド残基をいい、このオリゴヌクレオチドは、PCR反応で用いられるに十分な数のヌクレオチド塩基を有する。短いオリゴヌクレオチド配列は、ゲノム配列もしくはcDNA配列に基づき得るか、またはそれから設計され得、そして特定の細胞もしくは組織において、同一、類似もしくは相補的なDNAもしくはRNAを増幅し、確認し、もしくはその存在を示すために用いられる。オリゴヌクレオチドは、約10nt、50nt、または100nt、好ましくは約15nt〜30ntの長さを有する核酸配列の部分を含む。本発明の1つの実施形態では、100nt未満の長さの核酸分子を含むオリゴヌクレオチドは、さらに、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31の少なくとも6個連続するヌクレオチド、またはその相補体を含む。オリゴヌクレオチドは、化学的に合成され得、そしてまたプローブとして用いられ得る。
【0188】
別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31に示されるヌクレオチド配列またはこのヌクレオチド配列の一部分(例えば、プローブまたはプライマーとして使用され得るフラグメント、あるいはNOVXポリペプチドの生物学的に活性な部分をコードするフラグメント)の相補体である核酸分子を含む。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、または31に示されるヌクレオチド配列に相補的である核酸分子は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、または31に示されるヌクレオチド配列に十分相補的である核酸分子であり、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31に示されるヌクレオチド配列に対しミスマッチがほとんどまたは全くなく水素結合し得、それによって安定な二重鎖を形成する核酸分子である。
【0189】
本明細書で用いる場合、用語「相補的」は、核酸分子のヌクレオチド単位間のWatson−CrickまたはHoogsteen塩基対形成をいい、そして用語「結合」は、2つのポリペプチドまたは化合物または関連ポリペプチドもしくは化合物またはその組合せ間の物理的または化学的相互作用を意味する。結合は、イオン性、非イオン性、ファンデルワールス性、疎水性相互作用などを含む。物理的相互作用は直接的または間接的のいずれかであり得る。間接的相互作用は、別のポリペプチドまたは化合物を介するか、またはその効果に起因し得る。直接的結合とは、別のポリペプチドもしくは化合物を介して、またはその効果に起因して生じるのではなく、他の実質的な化学的中間体がない相互作用をいう。
【0190】
本明細書中に提供されるフラグメントは、少なくとも6個の(連続する)核酸配列または少なくとも4個の(連続する)アミノ酸配列(それぞれ、核酸の場合には、特異的なハイブリダイゼーションを可能にし、またはアミノ酸の場合には、エピトープの特異的な認識を可能にするに十分な長さ)として規定され、そして全長配列未満のせいぜいいくらかの部分である。フラグメントは、選択された核酸配列またはアミノ酸配列の任意の連続する部分に由来し得る。誘導体は、直接的にかまたは改変もしくは部分的置換によってかのいずれかでネイティブな化合物から形成される核酸配列またはアミノ酸配列である。アナログは、ネイティブな化合物に類似する構造(ただし、同一ではない)を有するが、特定の成分または側鎖に関してそれとは異なる核酸配列またはアミノ酸配列である。アナログは、合成物であり得るか、または進化的に異なる起源に由来し得、そして野生型と比較して、類似の代謝活性または反対の代謝活性を有し得る。ホモログは、異なる種由来の特定の遺伝子の核酸配列またはアミノ酸配列である。
【0191】
誘導体およびアナログは、以下に記載のように、誘導体またはアナログが、修飾された核酸またはアミノ酸を含む場合、全長、または全長以外のものであり得る。本発明の核酸またはタンパク質の誘導体またはアナログは、種々の実施形態において、本発明の核酸もしくはタンパク質に、同一の大きさの核酸またはアミノ酸配列にわたって、またはアライメントした配列と比較した場合(このアライメントは、当該分野で公知であるコンピューター相同性プログラムによって実施される)、少なくとも約70%、80%、または95%の同一性(好ましい同一性は、80〜95%)で実質的に相同であるか、あるいはそのコードする核酸がストリンジェントの、中程度にストリンジェントの、または低いストリンジェントの条件下で上記のタンパク質をコードする配列の相補体にハイブリダイズし得る、領域を含む分子を包含するが、これらに限定されない。例えば、Ausubelら、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley & Sons、New York、NY、1993、および以下を参照のこと。
【0192】
「相同な核酸配列」もしくは「相同なアミノ酸配列」、またはその改変体とは、上記で考察したように、ヌクレオチドレベルまたはアミノ酸レベルにおける相同性によって特徴付けられる配列をいう。相同なヌクレオチド配列は、NOVXポリペプチドのアイソフォームをコードする配列をコードする。アイソフォームは、例えば、RNAの選択的スプライシングの結果として、同一の生物の異なる組織において発現され得る。あるいは、アイソフォームは、異なる遺伝子によってコードされ得る。本発明において、相同なヌクレオチド配列は、ヒト以外の種(脊椎動物が挙げられるが、これに限定されず、従って、例えば、カエル、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマおよび他の生物が挙げられ得る)のNOVXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。相同なヌクレオチド配列としてはまた、天然に生じる対立遺伝子改変体および本明細書に記載されるヌクレオチド配列の変異体が挙げられるが、これらに限定されない。しかし、相同的ヌクレオチド配列は、ヒトNOVXタンパク質をコードする正確なヌクレオチド配列を含まない。相同な核酸配列は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31の保存的アミノ酸置換(以下を参照のこと)、ならびにNOVX生物学的活性を保有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOVXタンパク質の種々の生物学的活性は以下に記載されている。
【0193】
NOVXポリペプチドは、NOVX核酸のオープンリーディングフレーム(「ORF」)によりコードされる。ORFは、ポリペプチドに潜在的に翻訳され得るヌクレオチド配列に対応する。ORFを含む核酸のストレッチは、終止コドンによって途切れない。全タンパク質についてのコード配列を表すORFは、ATG「開始(start)」コドンで始まり、そして3つの「停止(stop)」コドン(すなわち、TAA、TAG、またはTGA)のうちの1つで終止する。本発明の目的で、ORFは、開始コドン、終止コドンまたはその両方を有するかまたは有さない、コード配列の任意の部分であり得る。bona fide細胞タンパク質のコードのための良好な候補としてみなされるORFについて、最小サイズの要求、例えば、50アミノ酸以上のタンパク質をコードするDNAのストレッチがしばしば設定される。
【0194】
ヒトNOVX遺伝子のクローニングから決定されたヌクレオチド配列は、他の細胞型(例えば、他の組織由来)におけるNOVXホモログ、ならびに他の脊椎動物由来のNOVXホモログを同定および/またはクローニングする際の使用のために設計されるプローブおよびプライマーの作製を可能にする。このプローブ/プライマーは、代表的には、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含む。このオリゴヌクレオチドは、代表的には、少なくとも約12個、約25個、約50個、約100個、約150個、約200個、約250個、約300個、約350個または約400個連続する、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、または31のセンス鎖ヌクレオチド配列;あるいは配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31のアンチセンス鎖ヌクレオチド配列;あるいは配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31の天然に存在する変異体に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域を含む。
【0195】
ヒトNOVXヌクレオチド配列に基づくプローブは、同じかまたは相同なタンパク質をコードする転写物またはゲノム配列を検出するために使用され得る。種々の実施形態において、このプローブはさらに、プローブに付着した標識基を含み、例えば、この標識基は放射性同位体、蛍光化合物、酵素、または酵素補因子であり得る。このようなプローブは、NOVXタンパク質を誤って発現する細胞または組織を同定するための診断試験キットの一部として、例えば、被験体由来の細胞のサンプル中のNOVXをコードする核酸のレベルを測定すること(例えば、NOVX mRNAレベルを検出すること、またはゲノムNOVX遺伝子が変異しているかまたは欠失しているか否かを決定すること)によって使用され得る。
【0196】
「NOVXポリペプチドの生物学的に活性な部分を有するポリペプチド」とは、本発明のポリペプチドの活性に類似するが必ずしも同一である必要ははない活性を示すポリペプチドをいい、これには、用量依存性の有無に関わらず、特定の生物学的アッセイにおいて測定されるような成熟形態を含む。「NOVXの生物学的に活性な部分」をコードする核酸フラグメントは、NOVXの生物学的活性(NOVXタンパク質の生物学的活性は、以下に記載される)を有するポリペプチドをコードする、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、または31の一部を単離し、NOVXタンパク質のコードされた部分を発現させ(例えば、インビトロでの組換え発現によって)、そしてNOVXのコードされた部分の活性を評価することによって調製され得る。
【0197】
(NOVXの核酸およびポリペプチドの改変体)
本発明はさらに、遺伝コードの縮重に起因して、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31に示されるヌクレオチド配列とは異なる核酸分子を包含し、従って、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31に示されるヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質と同じNOVXタンパク質をコードする。別の実施形態において、本発明の単離された核酸分子は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する。
【0198】
配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31に示されるヒトNOVXヌクレオチド配列に加えて、このNOVXポリペプチドのアミノ酸配列における変化を導くDNA配列多型は、集団(例えば、ヒト集団)内に存在し得ることが、当業者によって理解される。NOVX遺伝子中のこのような遺伝的多型は、天然の対立遺伝子のバリエーションに起因して、集団内の個体間に存在し得る。本明細書中で使用される場合、用語「遺伝子」および「組換え遺伝子」とは、NOVXタンパク質、好ましくは脊椎動物のNOVXタンパク質をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含む核酸分子をいう。このような天然の対立遺伝子のバリエーションは、代表的には、NOVX遺伝子のヌクレオチド配列において1〜5%の変動を生じ得る。天然の対立遺伝子バリエーションの結果であり、そしてこのNOVXポリペプチドの機能的活性を変化させない、NOVXポリペプチド内の任意および全てのこのようなヌクレオチドのバリエーションならびに得られるアミノ酸多型は、本発明の範囲内であると意図される。
【0199】
さらに、他の種由来のNOVXタンパク質をコードし、従って、ヒト配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31とは異なるヌクレオチド配列を有する核酸分子は、本発明の範囲内にあることが意図される。本発明のNOVXのcDNAの天然の対立遺伝子改変体およびホモログに対応する核酸分子は、本明細書中に開示されるヒトNOVX核酸に対するその相同性に基づいて、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、標準的なハイブリダイゼーション技術に従うハイブリダイゼーションプローブとしてヒトcDNAまたはその一部を用いて単離され得る。
【0200】
従って、別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、少なくとも6ヌクレオチド長であり、そしてストリンジェント条件下で配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31のヌクレオチド配列を含む核酸分子にハイブリダイズする。別の実施形態では、この核酸は、少なくとも10、25、50、100、250、500、750、1000、1500、または2000以上のヌクレオチド長である。なお別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、コード領域にハイブリダイズする。本明細書中で用いられる場合、用語「ストリンジェント条件下でハイブリダイズする」は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄に関して、互いに少なくとも60%相同なヌクレオチド配列が代表的には互いにハイブリダイズしたままである条件を記載することを意図する。
【0201】
ホモログ(すなわち、ヒト以外の種由来のNOVXタンパク質をコードする核酸)または他の関連配列(例えば、パラログ)は、特定のヒト配列の全てまたは一部をプローブとし、核酸ハイブリダイゼーションおよびクローニングに関して当該分野で周知の方法を使用して、低い、中程度の、または高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションによって入手され得る。
【0202】
本明細書で用いられる場合、語句「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、その条件下で、プローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチドが、その標的配列にハイブリダイズするが、その他の配列にはハイブリダイズしない条件をいう。ストリンジェントな条件は配列依存性であり、そして異なる状況で異なる。より長い配列は、より短い配列より高い温度で特異的にハイブリダイズする。一般に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度およびpHで、特定の配列の熱融解点(Tm)より約5℃低いように選択される。このTmは、標的配列に相補的なプローブの50%が、平衡状態で標的配列にハイブリダイズする(規定されたイオン強度、pHおよび核酸濃度下)温度である。標的配列は一般に過剰で存在するので、Tmでは、50%のプローブが平衡状態で占有されている。代表的には、ストリンジェントな条件は、pH7.0〜8.3で、塩濃度が約1.0Mナトリウムイオンより少なく、代表的には約0.01〜1.0Mナトリウムイオン(またはその他の塩)、そして温度が短いプローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチド(例えば、10nt〜50nt)について少なくとも約30℃、そしてより長いプローブ、プライマーおよびオリゴヌクレオチドについて少なくとも約60℃であるような条件である。ストリンジェントな条件はまた、ホルムアミドのような、不安定化剤の添加で達成され得る。
【0203】
ストリンジェント条件は、当業者に公知であり、そしてAusubelら(編),CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1−6.3.6に見出され得る。好ましくは、この条件は、互いに少なくとも約65%、約70%、約75%、約85%、約90%、約95%、約98%または約99%相同な配列が、代表的には互いにハイブリダイズしたままであるような条件である。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の非限定的な例は、6×SSC、50mM Tris−HCl(pH7.5)、1mM EDTA、0.02% PVP、0.02% Ficoll、0.02% BSA、および500mg/ml変性サケ精子DNAを含む高塩緩衝液中での65℃でのハイブリダイゼーションで、続いて0.2×SSC、0.01% BSA中での50℃での1回以上の洗浄である。ストリンジェント条件下で配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31の配列にハイブリダイズする、本発明の単離された核酸分子は、天然に存在する核酸分子に対応する。本明細書中で使用される場合、「天然に存在する」核酸分子とは、天然に存在する(例えば、天然のタンパク質をコードする)ヌクレオチド配列を有する、RNA分子またはDNA分子をいう。
【0204】
第2の実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31のヌクレオチド配列、またはそれらのフラグメント、アナログもしくは誘導体を含む核酸分子に、中程度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする核酸配列が提供される。中程度のストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の非限定的な例は、55℃での6×SSC、5×デンハルト溶液、0.5% SDSおよび100mg/ml変性サケ精子DNA中でのハイブリダイゼーション、続いて1×SSC、0.1% SDS中での37℃での1回以上の洗浄である。用いられ得る中程度のストリンジェンシーの他の条件は、当該分野で周知である。例えば、Ausubelら(編),1993,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,NYおよびKriegler,1990,GENE TRANSFER AND EXPRESSION,A LABORATORY MANUAL,Stockton Press,NYを参照のこと。
【0205】
第3の実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31のヌクレオチド配列、またはそれらのフラグメント、アナログもしくは誘導体を含む核酸分子に、低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする核酸が提供される。低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の非限定的な例は、35%ホルムアミド、5×SSC、50mM Tris−HCl(pH7.5)、5mM EDTA、0.02% PVP、0.02% Ficoll、0.2% BSA、100mg/mlの変性サケ精子DNA、10%(重量/容量)硫酸デキストラン中での40℃でのハイブリダイゼーション、続いて2×SSC、25mM Tris−HCl(pH7.4)、5mM EDTAおよび0.1% SDS中での50℃での1回以上の洗浄である。用いられ得る低ストリンジェンシーの他の条件は、当該分野で周知である(例えば、種交差ハイブリダイゼーションについて用いられるように)。例えば、Ausubelら(編),1993,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,NYならびにKriegler,1990,GENE TRANSFER AND EXPRESSION,A LABORATORY MANUAL,Stockton Press,NY;ShiloおよびWeinberg,1981,Proc Natl Acad Sci USA 78:6789−6792を参照のこと。
【0206】
(保存的変異)
集団中に存在し得るNOVX配列の天然に存在する対立遺伝子改変体に加えて、当業者は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31のヌクレオチド配列への変異によって変化が導入され得、それによって、このNOVXタンパク質の機能的能力を変更することなく、コードされるNOVXタンパク質のアミノ酸配列に変化がもたらされることをさらに理解する。例えば、「非必須」アミノ酸残基にてアミノ酸置換をもたらすヌクレオチド置換は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32の配列において行われ得る。「非必須」アミノ酸残基は、その生物学的活性を変更することなく、このNOVXタンパク質の野生型配列から変更され得る残基であり、一方、「必須」アミノ酸残基は、このような生物学的活性に必要とされる。例えば、本発明のNOVXタンパク質の間で保存されているアミノ酸残基は、特に変更を受け入れ難いと予測される。保存的置換がなされ得るアミノ酸は、当該分野で周知である。
【0207】
本発明の別の局面は、活性に必須ではないアミノ酸残基における変化を含む、NOVXタンパク質をコードする核酸分子に関する。このようなNOVXタンパク質は、アミノ酸配列が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、または32とは異なるが、生物学的活性をなお保持する。1つの実施形態では、単離された核酸分子は、タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、このタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、または32のアミノ酸配列に少なくとも約45%相同であるアミノ酸配列を含む。好ましくは、この核酸分子によってコードされるタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、または32に対して少なくとも約60%相同であり;より好ましくは配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32に対して少なくとも約70%相同であり;なおより好ましくは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32に対してして少なくとも約80%相同であり;なおより好ましくは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32に対して少なくとも約90%相同であり;そして最も好ましくは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32に対して少なくとも約95%相同である。
【0208】
配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32のタンパク質に相同なNOVXタンパク質をコードする単離された核酸分子は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31のヌクレオチド配列に1以上のヌクレオチドの置換、付加または欠失を導入することにより作製され得、その結果、1以上のアミノ酸の置換,付加または欠失が、コードされるタンパク質に導入される。
【0209】
変異は、標準技術(例えば、部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発)によって配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32に導入され得る。好ましくは、保存的アミノ酸置換が、1以上の推定非必須アミノ酸残基にて作製される。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換される、アミノ酸置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該分野で定義されている。これらのファミリーとしては、以下が挙げられる:塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アルパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分枝側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)。従って、NOVXタンパク質中の推定非必須アミノ酸残基は、同じ側鎖のファミリー由来の別のアミノ酸残基で置換される。あるいは、別の実施形態では、変異は、NOVXコード配列の全てまたは一部に沿って(例えば、飽和変異誘発(saturation mutagenesis)によって)ランダムに導入され得、そして得られる変異体は、NOVXの生物学的活性についてスクリーニングされて、活性を維持する変異体を同定し得る。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31の変異誘発に続いて、コードされるタンパク質は、当該分野で公知の任意の組換え技術によって発現され得、そしてこのタンパク質の活性が決定され得る。
【0210】
アミノ酸ファミリーの関連性はまた、側鎖の相互作用に基づいて決定され得る。置換されたアミノ酸は、完全に保存された「強い」残基または完全に保存された「弱い」残基であり得る。保存されたアミノ酸残基の「強い」群は、以下の群のいずれかであり得る:STA、NEQK、NHQK、NDEQ、QHRK、MILV、MILF、HY、FYW(ここで、一文字アミノ酸コードは、互いに置換され得るこれらのアミノ酸残基によりグループ化される)。同様に、保存された残基の「弱い」群は、以下のいずれか1つで有り得る:CSA、ATV、SAG、STNK、STPA、SGND、SNDEQK、NDEQHK、NEQHRK、VLIM、HFY(ここで、各群内の文字は、一文字アミノ酸コードを表する)。
【0211】
1つの実施形態では、変異NOVXタンパク質は、以下についてアッセイされ得る:(i)他のNOVXタンパク質、他の細胞表面タンパク質、または生物学的に活性なそれらの部分と、タンパク質:タンパク質相互作用を形成する能力;(ii)変異NOVXタンパク質と、NOVXのリガンドとの間の複合体形成;または(iii)変異NOVXタンパク質が細胞内標的タンパク質またはその生物学的に活性な部分に結合する能力;(例えば、アビジンタンパク質)。
【0212】
なお別の実施形態において、変異体NOVXタンパク質は、特定の生物学的機能を調節する能力(例えば、インスリン放出の調節)についてアッセイされ得る。
【0213】
(アンチセンス核酸)
本発明の別の局面は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31のヌクレオチド配列またはそのフラグメント、アナログもしくは誘導体を含む核酸分子にハイブリダイズし得るかまたは相補的である、単離されたアンチセンス核酸分子に関する。「アンチセンス」核酸は、タンパク質をコードする「センス」核酸に相補的である(例えば、二本鎖cDNA分子のコード鎖に相補的であるかまたはmRNA配列に相補的である)ヌクレオチド配列を含む。特定の局面では、少なくとも約10、約25、約50、約100、約250もしくは約500ヌクレオチドまたはNOVXコード鎖の全体、またはそれらの一部のみに相補的な配列を含む、アンチセンス核酸分子が提供される。配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32のNOVXタンパク質のフラグメント、ホモログ、誘導体およびアナログをコードする核酸分子、または配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31のNOVX核酸配列に相補的なアンチセンス核酸がさらに提供される。
【0214】
1つの実施形態では、アンチセンス核酸分子は、NOVXタンパク質をコードするヌクレオチド配列のコード鎖の「コード領域」に対してアンチセンスである。用語「コード領域」とは、アミノ酸残基に翻訳されるコドンを含む、ヌクレオチド配列の領域をいう。別の実施形態では、このアンチセンス核酸分子は、NOVXタンパク質をコードするヌクレオチド配列のコード鎖の「非コード領域」に対してアンチセンスである。用語「非コード領域」とは、コード領域に隣接する、アミノ酸に翻訳されない、5’配列および3’配列をいう(すなわち、5’非翻訳領域および3’非翻訳領域ともいわれる)。
【0215】
本明細書中に開示されるNOVXタンパク質をコードするコード鎖配列を考慮すれば、本発明のアンチセンス核酸は、WatsonおよびCrickの塩基対形成の規則またはHoogsteenの塩基対形成の規則に従って設計され得る。アンチセンス核酸分子は、NOVX mRNAのコード領域全体に相補的であり得るが、より好ましくは、NOVX mRNAのコード領域または非コード領域の一部にのみアンチセンスであるオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NOVX mRNAの翻訳開始部位を取り囲む領域に相補的であり得る。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、長さが約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45または約50ヌクレオチドであり得る。本発明のアンチセンス核酸は、当該分野で公知の手順を用いて、化学的合成または酵素連結反応を用いて構築され得る。例えば、アンチセンス核酸(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、天然に存在するヌクレオチド、またはこの分子の生物学的安定性を増大させるように、もしくはアンチセンス核酸とセンス核酸との間で形成される二重鎖の物理的安定性を増大させるように設計された種々に改変されたヌクレオチドを用いて化学的に合成され得る(例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドが用いられ得る)。
【0216】
アンチセンス核酸を作製するために用いられ得る改変されたヌクレオチドの例としては以下が挙げられる:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルキュエオシン(galactosylqueosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルキュエオシン(mannosylqueosine)、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、プソイドウラシル、キュエオシン(queosine)、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6−ジアミノプリン。あるいは、このアンチセンス核酸は、核酸がアンチセンス方向でサブクローニングされた発現ベクターを用いて生物学的に生成され得る(すなわち、挿入された核酸から転写されたRNAは、以下の小節にさらに記載される、目的の標的核酸に対してアンチセンス方向である)。
【0217】
本発明のアンチセンス核酸分子は、代表的には被験体に投与されるか、またはインサイチュで生成され、その結果それらは、NOVXタンパク質をコードする細胞性mRNAおよび/またはゲノムDNAとハイブリダイズするか、またはそれに結合し、それによってこのタンパク質の発現を阻害する(例えば、転写および/または翻訳を阻害することによって)。ハイブリダイゼーションは、安定な二重鎖を形成する従来のヌクレオチド相補性によってか、または例えばDNA二重鎖に結合するアンチセンス核酸分子の場合には、二重らせんの主溝における特異的相互作用を介してであり得る。本発明のアンチセンス核酸分子の投与経路の例としては、組織部位での直接的注射が挙げられる。あるいは、アンチセンス核酸分子は、選択された細胞を標的化するように改変され得、次いで全身に投与される。例えば、全身投与のために、アンチセンス分子は、選択された細胞表面上に発現されたレセプターまたは抗原にそれらが特異的に結合するように改変され得る(例えば、そのアンチセンス核酸分子を細胞表面レセプターまたは抗原に結合するペプチドまたは抗体に連結することによって)。このアンチセンス核酸分子はまた、本明細書中に記載されるベクターを用いて細胞に送達され得る。十分な核酸分子を達成するために、アンチセンス核酸分子が強力なpol IIプロモーターまたはpol IIIプロモーターの制御下に置かれているベクター構築物が、好ましい。
【0218】
なお別の実施形態において、本発明のアンチセンス核酸分子は、α−アノマー核酸分子である。α−アノマー核酸分子は、相補的RNAと特異的な二本鎖ハイブリッドを形成し、ここで、通常のβ−ユニットとは対照的に、これらの鎖は、互いに平行に延びる(例えば、Gaultierら,1987,Nucl.Acids Res.15:6625−6641を参照のこと)。このアンチセンス核酸分子はまた、2’−o−メチルリボヌクレオチド(例えば、Inoueら,1987,Nucl.Acids Res.15:6131〜6148を参照のこと)またはキメラRNA−DNAアナログ(例えば、Inoueら,1987,FEBS Lett.215:327〜330を参照のこと)を含み得る。
【0219】
(リボザイムおよびPNA部分)
核酸の改変としては、非制限的な例として、改変塩基、および糖リン酸骨格が改変または誘導体化された核酸が挙げられる。これらの改変は、少なくとも一部は、改変された核酸の化学的安定性を増強するために実施され、その結果、それらは、例えば、被験体での治療的適用におけるアンチセンス結合核酸として使用され得る。
【0220】
1つの実施形態において、本発明のアンチセンス核酸はリボザイムである。リボザイムは、一本鎖核酸(例えば、mRNA)を切断し得るリボヌクレアーゼ活性を有する触媒性RNA分子であり、これらは、その一本鎖核酸に対して相補領域を有する。従って、リボザイム(例えば、HaselhoffおよびGerlach 1988.Nature 334:585−591に記載されるハンマーヘッド型リボザイム)を使用して、NOVX mRNA転写物を触媒的に切断し、それによってNOVX mRNAの翻訳を阻害し得る。NOVXをコードする核酸に特異性を有するリボザイムは、本明細書中に開示されるNOVX cDNAのヌクレオチド配列(すなわち、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31)に基づいて設計され得る。例えば、活性部位のヌクレオチド配列が、NOVXをコードするmRNA内で切断されるヌクレオチド配列に相補的である、テトラヒメナ(Tetrahymena)L−19 IVS RNAの誘導体が構築され得る。例えば、Cechらの米国特許第4,987,071号およびCechらの米国特許第5,116,742号を参照のこと。NOVX mRNAをまた使用して、RNA分子のプールから、特異的リボヌクレアーゼ活性を有する触媒性RNAを選択し得る。例えば、Bartelら(1993)Science 261:1411〜1418を参照のこと。
【0221】
あるいは、NOVX遺伝子発現は、NOVX核酸の調節領域(例えば、NOVXのプロモーターおよび/またはエンハンサー)に相補的なヌクレオチド配列を標的化し、標的細胞中でNOVX遺伝子の転写を妨害する三重らせん構造を形成することによって阻害され得る。例えば、Helene,1991.Anticancer Drug Des.6:569〜84;Heleneら.1992.Ann.N.Y.Acad.Sci.660:27−36;Maher,1992.Bioassays 14:807−15を参照のこと。
【0222】
種々の実施形態において、NOVX核酸は、塩基部分、糖部分またはリン酸骨格で改変され、例えば、その分子の安定性、ハイブリダイゼーションまたは可溶性を改善し得る。例えば、核酸のデオキシリボースリン酸骨格を改変して、ペプチド核酸を生成し得る(例えば、Hyrupら,1996.Bioorg Med Chem 4:5−23を参照のこと)。本明細書中で使用される場合、用語「ペプチド核酸」または「PNA」とは、デオキシリボースリン酸骨格が偽ペプチド骨格によって置換され、そして4つの天然の核酸塩基のみが保持されている核酸模倣物(例えば、DNA模倣物)をいう。PNAの中性の骨格は、低いイオン強度の条件下でDNAおよびRNAに対する特異的ハイブリダイゼーションを可能にすることが示されている。PNAオリゴマーの合成は、Hyrupら,1996.前出;Perry−O’Keefeら,1996.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:14670−14675において記載されるような標準的固相ペプチド合成プロトコルを用いて行われ得る。
【0223】
NOVXのPNAは、治療的適用および診断的適用において使用され得る。例えば、PNAは、例えば転写または翻訳の停止を誘導することまたは複製を阻害することによる、遺伝子発現の配列特異的調節のためのアンチセンスまたは抗遺伝子剤として使用され得る。NOVXのPNAはまた、例えばPNA指向性PCRクランピングによる遺伝子における一塩基対変異の分析において;他の酵素(例えば、Sヌクレアーゼ)と組み合わせて使用される場合の人工制限酵素として(Hyrupら,1996.前出を参照のこと);またはDNA配列およびハイブリダイゼーションのプローブもしくはプライマーとして(Hyrupら,1996,前出;Perry−O’Keefeら,1996,前出を参照のこと)、使用され得る。
【0224】
別の実施形態において、NOVXのPNAは、例えば、それらの安定性または細胞性取り込みを増強するために、PNAに脂溶性基または他のヘルパー基を結合することによって、PNA−DNAキメラの形成によって、またはリポソームもしくは当該分野において公知の薬物送達の他の技術の使用によって改変され得る。例えば、PNAおよびDNAの有利な特性を組合せ得る、NOVXのPNA−DNAキメラが生成され得る。PNA部分が高い結合親和性および特異性を提供する一方で、そのようなキメラは、DNA認識酵素(例えば、RNase HおよびDNAポリメラーゼ)がDNA部分と相互作用するのを可能にする。PNA−DNAキメラは、塩基のスタッキング、核酸塩基間の結合数および方向を考慮して選択される適切な長さのリンカーを使用して連結され得る(Hyrupら,1996,前出を参照のこと)。PNA−DNAキメラの合成は、Hyrupら,1996,前出およびFinnら,1996,Nucl Acids Res 24:3357−3363において記載されるように行われ得る。例えば、DNA鎖は、標準的なホスホルアミダイトカップリング化学を用いて固体支持体上で合成され得、そして改変されたヌクレオシドアナログ(例えば、5’−(4−メトキシトリチル)アミノ−5’−デオキシ−チミジンホスホルアミダイト)が、PNAとDNAの5’末端との間に使用され得る(Magら,1989,Nucl Acid Res 17:5973〜5988を参照のこと)。次いで、PNAモノマーが段階様式でカップリングされ、5’PNAセグメントおよび3’DNAセグメントを有するキメラ分子を生成する(例えば、Finnら,1996,前出を参照のこと)。あるいは、5’DNAセグメントおよび3’PNAセグメントを用いて、キメラ分子が合成され得る。例えば、Petersenら,1975,Bioorg.Med.Chem.Lett.5:1119〜11124を参照のこと。
【0225】
他の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、以下のような他の付属の基を含み得る:ペプチド(例えば、インビボで宿主細胞レセプターを標的化するため)、または細胞膜を横切る輸送を容易にする因子(例えば、Letsingerら、1989、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.86:6553〜6556;Lemaitreら、1987、Proc.Natl.Acad.Sci.84:648〜652;PCT公開番号WO88/09810を参照のこと)、または血液脳関門(例えば、PCT公開番号WO89/10134を参照のこと)。さらに、オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーション誘発切断剤(例えば、Krolら、1988、BioTechniques 6:958〜976を参照のこと)、またはインターカレート剤(例えば、Zon,1988、Pharm.Res.5:539〜549を参照のこと)で改変され得る。この目的のために、オリゴヌクレオチドは、別の分子(例えば、ペプチド、ハイブリダイゼーション誘発架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーション誘発切断剤など)に結合され得る。
【0226】
(NOVXポリペプチド)
本発明に従うポリペプチドは、配列が配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32に提供されるNOVXポリペプチドのアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。本発明はまた、なおそのNOVX活性および生理学的機能を維持するタンパク質、またはその機能的フラグメントをコードするが、その任意の残基が配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32に示される対応する残基から変化し得る、変異体または改変体タンパク質を含む。
【0227】
一般に、NOVX様機能を保持するNOVX改変体は、配列中の特定位置の残基が他のアミノ酸により置換されている任意の改変体を含み、そしてさらに、親タンパク質の2つの残基間にさらなる残基(単数または複数)を挿入する可能性、および親配列から1つ以上の残基を欠失する可能性を含む。任意のアミノ酸置換、挿入または欠失が、本発明に包含される。好適な状況では、この置換は、上記で規定されるような保存的置換である。
【0228】
本発明の1つの局面は、単離されたNOVXタンパク質、およびその生物学的に活性な部分、またはそれらの誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログに関する。抗NOVX抗体を惹起するための免疫原としての使用のために適切なポリペプチドフラグメントもまた提供される。1つの実施形態において、ネイティブなNOVXタンパク質は、標準的なタンパク質精製技術を用いる適切な精製スキームによって、細胞または組織供給源から単離され得る。別の実施形態において、NOVXタンパク質は、組換えDNA技術によって産生される。組換え発現に代わるものとして、NOVXタンパク質またはポリペプチドは、標準的なペプチド合成技術を用いて化学合成され得る。
【0229】
「単離された」または「精製された」ポリペプチドまたはタンパク質あるいはその生物学的に活性な部分は、NOVXタンパク質の由来する細胞または組織供給源由来の細胞性物質または他の夾雑タンパク質を実質的に含まないか、あるいは化学合成される場合に化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない。用語「細胞性物質を実質的に含まない」は、NOVXタンパク質の調製物を含み、この調製物において、NOVXタンパク質が単離または組換え産生される細胞の細胞性成分から、NOVXタンパク質は分離されている。1つの実施形態において、用語「細胞性物質を実質的に含まない」は、非NOVXタンパク質(本明細書中において「夾雑タンパク質」とも呼ばれる)を約30%未満(乾燥重量にて)、より好ましくは非NOVXタンパク質を約20%未満、なおより好ましくは非NOVXタンパク質を約10%未満、そして最も好ましくは非NOVXタンパク質を約5%未満有する、NOVXタンパク質の調製物を含む。NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分が組換え産生される場合、好ましくは、調製物はまた培養培地を実質的に含まない。すなわち、培養培地は、そのNOVXタンパク質調製物の容量の約20%未満、より好ましくは約10%未満、そして最も好ましくは約5%未満を示す。
【0230】
用語「化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」は、タンパク質が、そのタンパク質の合成に関与する化学前駆体または他の化学物質から分離されているNOVXタンパク質の調製物を含む。1つの実施形態において、用語「化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」は、化学前駆体または非NOVXの化学物質を約30%未満(乾燥重量にて)、より好ましくは化学前駆体または非NOVX化学物質を約20%未満、なおより好ましくは化学前駆体または非NOVX化学物質を約10%未満、そして最も好ましくは化学前駆体または非NOVX化学物質を約5%未満有する、NOVXタンパク質の調製物を含む。
【0231】
NOVXタンパク質の生物学的に活性な部分は、全長NOVXタンパク質より少ないアミノ酸を含み、そしてNOVXタンパク質の少なくとも1つの活性を示す、NOVXタンパク質のアミノ酸配列(例えば、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32に示されるアミノ酸配列)に十分に相同なアミノ酸配列、またはNOVXタンパク質のアミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。代表的には、生物学的に活性な部分は、NOVXタンパク質の少なくとも1つの活性を有するドメインまたはモチーフを含む。NOVXタンパク質の生物学的に活性な部分は、例えば、長さが10、25、50、100またはそれより多いアミノ酸残基であるポリペプチドであり得る。
【0232】
さらに、タンパク質の他の領域が欠失している他の生物学的に活性な部分は、組換え技術によって調製され得、そしてネイティブなNOVXタンパク質の機能的活性のうちの1つ以上について評価され得る。
【0233】
1つの実施形態において、NOVXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32に示されるアミノ酸配列を有する。他の実施形態において、NOVXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32に実質的に相同であり、そして以下に詳細に議論されるように、天然の対立遺伝子改変体または変異誘発に起因してアミノ酸配列が異なるが、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32のタンパク質の機能的活性を保持する。従って、別の実施形態において、NOVXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32のアミノ酸配列に少なくとも約45%相同なアミノ酸配列を含み、そして、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32のNOVXタンパク質の機能的活性を保持するタンパク質である。
【0234】
(2つ以上の配列間の相同性の決定)
2つのアミノ酸配列または2つの核酸の相同性の百分率を決定するために、配列を、至適な比較の目的のために整列する(例えば、ギャップを、第2のアミノ酸または核酸配列との最適な整列のために、第1のアミノ酸または核酸配列の配列中に導入し得る)。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置でのアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第1の配列中の位置が、第2の配列中の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められる場合、分子は、その位置で相同である(すなわち、本明細書中で使用される場合、アミノ酸または核酸の「相同性」は、アミノ酸または核酸の「同一性」と等価である)。
【0235】
核酸配列の相同性は、2つの配列間の同一性の程度として決定され得る。相同性は、当該分野において公知のコンピュータープログラム(例えば、GCGプログラムパッケージにおいて提供されるGAPソフトウェア)を用いて決定され得る。NeedlemanおよびWunsch,1970 J Mol Biol 48:443〜453を参照のこと。核酸配列比較のための以下の設定(GAP作製ペナルティー、5.0、およびGAP伸長ペナルティー、0.3)を用いてGCG GAPソフトウェアを使用すると、上記で言及される類似の核酸配列のコード領域は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31に示されるDNA配列のCDS(コード)部分と、好ましくは少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%の同一性の程度を示す。
【0236】
用語「配列同一性」は、2つのポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列が、特定の比較領域にわたって、残基毎を基準として同一である程度をいう。用語「配列同一性のパーセンテージ」は、以下により算出される:この比較領域にわたって最適に整列された2つの配列を比較すること、両方の配列において同一の核酸塩基(例えば、核酸の場合にはA、T、C、G、U、またはI)が存在する位置の数を決定し、一致した位置の数を導くこと、この一致した位置の数を、比較領域の内の位置の総数(すなわち、ウインドウサイズ)で除算すること、およびその結果を100で乗算して、配列同一性のパーセンテージを導くこと。用語「実質的な同一性」は、本明細書中で使用される場合、ポリヌクレオチド配列の特徴を示し、ここでこのポリヌクレオチドは、比較領域にわたり参照配列と比較して、少なくとも80%の配列同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、そして頻繁には90〜95%の配列同一性、より通常には少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。
【0237】
(キメラタンパク質および融合タンパク質)
本発明はまた、NOVXキメラタンパク質または融合タンパク質を提供する。本明細書中で使用される場合、NOVX「キメラタンパク質」またはNOVX「融合タンパク質」は、非NOVXポリペプチドに作動可能に連結された、NOVXポリペプチドを含む。「NOVXポリペプチド」は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32のNOVXタンパク質に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをいうが、「非NOVXポリペプチド」は、NOVXタンパク質に対して実質的に相同ではないタンパク質(例えば、NOVXタンパク質とは異なり、かつ同一でかまたは異なる生物体に由来するタンパク質)に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをいう。NOVX融合タンパク質において、このNOVXポリペプチドは、NOVXタンパク質のすべてまたは一部分に対応し得る。1つの実施形態では、NOVX融合タンパク質は、NOVXタンパク質の少なくとも1つの生物学的に活性な部分を含む。別の実施形態では、NOVX融合タンパク質は、NOVXタンパク質の少なくとも2つの生物学的に活性な部分を含む。なお別の実施形態においてNOVX融合タンパク質は、NOVXタンパク質の少なくとも3つの生物学的に活性な部分を含む。融合タンパク質において、用語「作動可能に連結された」は、NOVXポリペプチドおよび非NOVXポリペプチドが、インフレームで互いに融合されていることを示すことが意図される。非NOVXポリペプチドは、NOVXポリペプチドのN末端またはC末端に融合され得る。
【0238】
1つの実施形態においては、この融合タンパク質は、GST−NOVX融合タンパク質であり、ここではNOVX配列が、GST(グルタチオンS−トランスフェラーゼ)配列のC末端に融合される。このような融合タンパク質は、組換えNOVXポリペプチドの精製を容易にし得る。
【0239】
別の実施形態において、この融合タンパク質は、そのN末端に異種シグナル配列を含むNOVXタンパク質である。特定の宿主細胞(例えば、哺乳動物宿主細胞)において、NOVXの発現および/または分泌は、異種シグナル配列の使用を介して増加され得る。
【0240】
なお別の実施形態において、この融合タンパク質は、NOVX−免疫グロブリン融合タンパク質であり、ここで、NOVX配列が、免疫グロブリンタンパク質ファミリーのメンバーに由来する配列に融合される。本発明のこのNOVX−免疫グロブリン融合タンパク質は、薬学的組成物中に取り込まれ、そして被験体に投与されて、細胞の表面上でNOVXリガントとNOVXタンパク質との間の相互作用を阻害し、それによってインビボのNOVX媒介シグナル伝達を抑制し得る。このNOVX−免疫グロブリン融合タンパク質を用い、NOVX同族リガンドの生体利用性に影響を与え得る。NOVXリガンド/NOVX相互作用の阻害は、増殖障害および分化障害の両方の処置、および細胞生存を調節(例えば、促進または阻害)することに、治療的に有用であり得る。さらに、本発明のこのNOVX−免疫グロブリン融合タンパク質は、被験体中で抗NOVX抗体を産生するための免疫原として用いられ得、NOVXリガンドを精製し、そしてNOVXリガンドとのNOVXの相互作用を阻害する分子を同定するスクリーニングアッセイで用いられ得る。
【0241】
本発明のNOVXキメラまたは融合タンパク質は、標準的な組換えDNA技術により産生され得る。例えば、異なるポリペプチド配列をコードするDNAフラグメントを、従来の技術に従って、例えば、連結のための平滑末端または付着(stagger)末端、適切な末端を提供するための制限酵素消化、必要に応じて粘着(cohesive)末端のフィルイン、所望しない連結を避けるためのアルカリホスファターゼ処理、および酵素的連結を採用することにより、インフレームで一緒に連結する。別の実施形態では、融合遺伝子を、自動化DNA合成機を含む従来技術により合成し得る。あるいは、遺伝子フラグメントのPCR増幅を、2つの連続遺伝子フラグメント間の相補的オーバハングを生じるアンカープライマーを用いて実施し得、これを次にキメラ遺伝子配列を生成するためにアニールおよび再増幅し得る(例えば、Ausubelら(編)CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley&Sons、1992を参照のこと)。さらに、融合成分(例えば、GSTポリペプチド)をすでにコードした多くの発現ベクターが市販されている。NOVXをコードする核酸は、この融合成分がNOVXタンパク質にインフレーム連結されるように、このような発現ベクター中にクローニングされ得る。
【0242】
(NOVXアゴニストおよびNOVXアンタゴニスト)
本発明はまた、NOVXアゴニスト(すなわち、模倣物)として、またはNOVXアンタゴニストのいずれかとして、あるいはNOVXアゴニストとして機能するNOVXタンパク質の改変体に関する。NOVXタンパク質の改変体(例えば、NOVXタンパク質の離散した点変異または短縮)が、変異誘発により生成され得る。NOVXタンパク質のアゴニストは、天然に存在する形態のNOVXタンパク質と実質的に同じ生物学的活性、またはその生物学的活性のサブセットを保持し得る。NOVXタンパク質のアンタゴニストは、天然に存在する形態のNOVXタンパク質の1つ以上の活性を、例えば、NOVXタンパク質を含む細胞シグナル伝達カスケードの下流または上流メンバーに競合的に結合することにより阻害し得る。従って、特定の生物学的効果が、限られた機能の改変体を用いた処理により惹起され得る。1つの実施形態では、このタンパク質の天然に存在する形態の生物学活性のサブセットを有する改変体を用いた被験体の処置は、NOVXタンパク質の天然に存在する形態を用いた処置に対して被験体における副作用がさらに少ない。
【0243】
NOVXアゴニスト(すなわち、模倣物)、またはNOVXアンタゴニストのいずれかとして機能するNOVXタンパク質の改変体は、NOVXタンパク質アゴニストまたはアンタゴニスト活性についてNOVXタンパク質の変異体(例えば短縮型変異体)のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることにより同定され得る。1つの実施形態では、NOVX改変体の多彩なライブラリーは、核酸レベルでのコンビナトリアル変異誘発により生成され、そして多彩な遺伝子ライブラリーによりコードされる。NOVX改変体の多彩なライブラリーは、例えば、潜在的なNOVX配列の縮重セットが、個々のポリペプチドとして、あるいは、その中にNOVX配列のセットを含む(例えば、ファージディスプレイのための)より大きな融合タンパク質のセットとして発現可能であるように、合成オリゴヌクレオチドの混合物を、遺伝子配列に酵素的に連結することによって、産生され得る。縮重オリゴヌクレオチド配列から潜在的なNOVX改変体のライブラリーを産生するために用いられ得る種々の方法がある。縮重遺伝子配列の化学的合成は、自動化DNA合成機中で実施され得、次いでこの合成遺伝子は、適切な発現ベクター中に連結される。遺伝子の縮重セットの使用は、1つの混合物において、潜在的なNOVX配列の所望のセットをコードする配列のすべての供給を可能にする。縮重オリゴヌクレオチドを合成する方法は当該分野で周知である。例えば、Narang,1983.Tetrahedron 39:3;Itakuraら,1984.Annu.Rev.Biochem.53:323;Itakuraら,1984.Science 198:1056;Ikeら,1983.Nucl.Acids Res.11:477を参照のこと。
【0244】
(ポリペプチドライブラリー)
さらに、NOVXタンパク質コード配列のフラグメントのライブラリーを用いて、NOVXタンパク質の改変体のスクリーニングおよび引き続く選択のためのNOVXフラグメントの多彩な集団を生成し得る。1つの実施形態では、コード配列フラグメントのライブラリーは、NOVXコード配列の二本鎖PCRフラグメントを、1分子あたり約1つのみのニックが生じる条件下、ヌクレアーゼで処理すること、二本鎖DNAを変性させること、異なるニック産物からのセンス/アンチセンス対を含み得る二本鎖DNAを形成するためにこのDNAを再生すること、S1ヌクレアーゼを用いた処理により再形成された二本鎖から一本鎖部分を除去すること、および得られるフラグメントライブラリーを発現ベクター中に連結することにより生成し得る。この方法によって、NOVXタンパク質の種々のサイズのN末端および内部フラグメントをコードする発現ライブラリーが派生し得る。
【0245】
点変異または短縮により作成されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングするため、および選択された性質を有する遺伝子産物のcDNAライブラリーをスクリーニングするための種々の技術が当該分野で公知である。このような技術を、NOVXタンパク質のコンビナトリアル変異誘発により生成された遺伝子ライブラリーの迅速なスクリーニングに適用可能である。大きな遺伝子ライブラリーをスクリーニングするための、ハイスループット分析に適した最も広く用いられる技術は、代表的には、遺伝子ライブラリーを複製可能な発現ベクター中にクローニングすること、得られるベクターのライブラリーで適切な細胞を形質転換すること、およびこのコンビナトリアル遺伝子を、遺伝子(その産物が検出された)をコードするベクターの単離が、所望の活性の検出によって容易になる条件下で発現することを含む。ライブラリー中の機能的変異体の頻度を増大する新規技術であるリクルーシブアンセブル変異誘発(recursive ensemble mutagenesis)(REM)を、スクリーニングアッセイと組み合わせて用い、NOVX改変体を同定し得る。例えば、ArkinおよびYourvan,1992.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7811−7815;Delgraveら,1993.Protein Engineering 6:327−331を参照のこと。
【0246】
(抗NOVX抗体)
本発明は、本発明のNOVXポリペプチドのいずれかに免疫特異的に結合する、Fabまたは(Fabのような抗体および抗体フラグメントを包含する。
【0247】
単離されたNOVXタンパク質、またはその部分もしくはフラグメントは、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体調製のための標準的な技術を用いて、NOVXポリペプチドに結合する抗体を産生するための免疫原として用いられ得る。完全長のNOVXタンパク質が用いられ得るか、あるいは、本発明は、免疫原としての使用のためのNOVXタンパク質の抗原性ペプチドフラグメントを提供する。NOVXの抗原性ペプチドは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32で示されるアミノ酸配列の少なくとも4アミノ酸残基を含み、そしてこのペプチドに対して惹起された抗体がNOVXと特異的な免疫複合体を形成するように、NOVXのエピトープを含む。好ましくは、この抗原性ペプチドは、少なくとも6、8、10、15、20、または30個のアミノ酸残基を含む。より長い抗原性ペプチドが、用途に依存して、そして当業者に周知の方法に従い、より短い抗原性ペプチドよりもしばしば好適である。
【0248】
本発明の特定の実施形態では、抗原性ペプチドに含まれる少なくとも1つのエピトープは、タンパク質の表面上に位置するNOVXの領域、例えば、親水性領域である。抗体産生を標的する手段として、親水性および疎水性の領域を示すヒドロパシープロットを、例えば、フーリエ変換を伴うかまたは伴わないかのいずれかの、Kyte DoolittleまたはHopp Woods法を含む、当該分野で周知の任意の方法により生成し得る(例えば、各々がその全体において本明細書に参考として援用される、HoppおよびWoods、1981、Proc.Nat.Acad.Sci.USA 78:3824−3828;KyteおよびDoolittle 1982、J.Mol.Biol.157:105−142を参照のこと)。
【0249】
本明細書で開示されるように、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32のNOVXタンパク質配列、またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログを、これらのタンパク質成分に免疫特異的に結合する抗体の産生における免疫原として利用し得る。本明細書で用いる用語「抗体」は、免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、NOVXのような抗原に特異的に結合(免疫反応)する抗原結合部位を含む分子をいう。このような抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、FabフラグメントおよびF(ab’)2フラグメント、ならびにFab発現ライブラリーが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ヒトNOVXタンパク質に対する抗体が開示される。当該分野で公知の種々の手順が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32のNOVXタンパク質配列、またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログに対するポリクローナルまたはモノクローナル抗体の産生のために用いられ得る。これらのタンパク質のいくつかを以下で論議する。
【0250】
ポリクローナル抗体の産生のために、種々の適切な宿主動物(例えば、ウサギ、ヤギ、マウスまたはその他の哺乳動物)が、ネイティプタンパク質、またはその合成改変体、または前述の誘導体での注射により免疫され得る。適切な免疫原性調製物は、例えば、組換えにより発現されたNOVXタンパク質または化学的に合成されたNOVXポリペプチドを含有し得る。この調製物は、アジュバントをさらに含み得る。免疫学的応答を増大するために用いられる種々のアジュバントとしては、フロイント(完全および不完全)アジュバント、ミネラルゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、界面活性物質(例えば、リゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、オイルエマルジョン、ジニトロフェノールなど)、Bacille Calmette−GuerinおよびCorynebacterium parvumのようなヒトアジュバント、または類似の免疫刺激剤が挙げられるが、これらに限定されない。所望であれば、NOVXに対する抗体分子は、哺乳動物(例えば、血液)から単離され、そしてさらに、IgG画分を得るために、プロテインAクロマトグラフィーのような、周知の技術により精製され得る。
【0251】
本明細書で用いられる用語「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」は、NOVXの特定のエピトープと免疫反応し得る、1種類のみの抗原結合部位を含む抗体分子の集団をいう。従って、代表的には、モノクローナル抗体組成物は、それと免疫反応する特定のNOVXタンパク質に対し、単一の結合親和性を示す。特定のNOVXタンパク質、またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログに対するモノクローナル抗体の調製には、継続的な細胞株培養による抗体分子の産生を提供する任意の技術が利用され得る。このような技術としては、ハイブリドーマ技術(例えば、Kohler&Milstein、1975 Nature 256:495−497を参照のこと);トリオーマ(trioma)技術;ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(例えば、Kozborら、1983.Immunol.Today 4:72)およびヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBVハイブリドーマ技術(例えば、Coleら、1985.MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY、Alan R.Liss,Inc.77−96頁を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。ヒトモノクローナル抗体は、本発明の実施において利用され得、そしてヒトハイブリドーマを用いることによって(例えば、Coteら、1983.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:2026−2030を参照のこと)か、またはインビトロでヒトB細胞をエプスタイン−バーウイルスで形質転換することによって(例えば、Coteら、1985 MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY、Alan R.Liss,Inc.77−96頁を参照のこと)産生され得る。上記の引用の各々は、その全体において参考として本明細書に援用される。
【0252】
本発明によれば、技術は、NOVXタンパク質に特異的な単鎖抗体の産生のために適合され得る(例えば、米国特許第4,946,778号を参照のこと)。さらに、方法は、Fab発現ライブラリーの構築のために適合されて(例えば、Huseら、1989 Science 246:1275−1281を参照のこと)、NOVXタンパク質、またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログに対する所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ有効な同定を可能にし得る。非ヒト抗体は、当該分野で周知の技術により「ヒト化」され得る。例えば、米国特許第5,225,539号を参照のこと。NOVXタンパク質に対するイディオタイプを含む抗体フラグメントは、当該分野で公知の技術により産生され得、これらとしては:(i)抗体分子のペプシン消化により産生されるF(ab’フラグメント;(ii)F(ab’フラグメントのジスルフィド架橋を還元することにより産生されるFabフラグメント;(iii)抗体分子のパパインおよび還元剤での処理により産生されるFabフラグメント;ならびに(iv)Fフラグメントが挙げられるがこれらに限定されない。
【0253】
さらに、ヒトおよび非ヒト部分の両方を含むキメラ抗体およびヒト化モノクローナル抗体のような、組換え抗NOVX抗体(これらは、標準的な組換えDNA技術を用いて作製され得る)は、本発明の範囲内である。このようなキメラ抗体およびヒト化モノクローナル抗体は、当該分野で公知の組換えDNA技術により産生され得る。この技術は例えば、以下に記載の方法を用いる:国際出願番号PCT/US86/02269;欧州特許出願番号184,187;欧州特許出願番号171,496;欧州特許出願番号173,494;PCT国際公開番号WO 86/01533;米国特許第4,816,567号;米国特許第5,225,539号;欧州特許出願番号125,023;Betterら(1988)Science 240:1041〜1043;Liuら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3439〜3443;Liuら(1987)J.Immunol.139:3521〜3526;Sunら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:214〜218;Nishimuraら(1987)Cancer Res.47:999〜1005;Woodら(1985)Nature 314:446〜449;Shawら(1988)J.Natl.Cancer Inst.80:1553〜1559);Morrison(1985)Science 229:1202〜1207;Oiら(1986)BioTechniques 4:214;Jonesら(1986)Nature 321:552〜525;Verhoeyanら(1988)Science 239:1534;ならびにBeidlerら(1988)J.Immunol.141:4053〜4060。上記引用の各々は、それらの全体において参考として本明細書中に援用される。
【0254】
1つの実施形態において、所望の特異性を保有する抗体のスクリーニングのための方法としては、当該分野内で公知の酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)および他の免疫学的に媒介された技術が挙げられるがこれらに限定されない。特定の実施形態において、NOVXタンパク質の特定のドメインに対して特異的である抗体の選択は、このようなドメインを所有しているNOVXタンパク質のフラグメントに結合するハイブリドーマの生成により容易にされる。従って、NOVXタンパク質、またはそれらの誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログ内の所望のドメインについて特異的である抗体がまた、本明細書において提供される。
【0255】
抗NOVX抗体は、NOVXタンパク質の局在化および/または定量化に関する当該分野で公知の方法において用いられ得る(例えば、適切な生理学的サンプル中のNOVXタンパク質のレベルを測定する使用のために、診断的方法における使用のために、タンパク質の画像化における使用のために、など)。所定の実施形態において、NOVXタンパク質、またはそれらの誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログについての抗体(抗体由来の結合ドメインを含む)は、薬理学的に活性な化合物(本明細書中、以降において「治療剤」)として利用される。
【0256】
抗NOVX抗体(例えば、モノクローナル抗体)は、標準的技術(例えばアフィニティークロマトグラフィまたは免疫沈降)によって、NOVXポリペプチドを単離するために用いられ得る。抗NOVX抗体は、細胞からの天然のNOVXポリペプチド、そして宿主細胞において発現される組換え的に産生されたNOVXポリペプチドの精製を容易にし得る。さらに、抗NOVX抗体が、(例えば、細胞の溶解産物または細胞上清における)NOVXタンパク質を検出するために用いられて、NOVXタンパク質の発現の量およびパターンを評価し得る。抗NOVX抗体は、例えば、所定の治療レジメンの有効性を決定するために、臨床試験の手順の一部として、組織におけるタンパク質レベルを診断的にモニターするために用いられ得る。検出は、抗体を検出可能物質に結合する(すなわち、物理的に連結する)ことにより容易にされ得る。検出可能物質の例としては、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質および放射性物質が挙げられる。適切な酵素の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼが挙げられる;適切な補欠分子族複合体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられる;適切な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミン(dichlorotriazinylamine)フルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンが挙げられる;発光物質の例としては、ルミノールが挙げられる;生物発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンが挙げられる;そして、適切な放射性物質の例としては125I、131I、35SまたはHが挙げられる。
【0257】
(NOVX組換え発現ベクターおよび宿主細胞)
本発明の別の局面は、NOVXタンパク質、またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログをコードする核酸を含む、ベクター、好ましくは、発現ベクターに関する。本明細書において使用する場合、用語「ベクター」は、連結された別の核酸を輸送し得る核酸分子をいう。1つの型のベクターは、「プラスミド」である。これはさらなるDNAセグメントが連結され得る環状の二本鎖DNAループをいう。別の型のベクターは、ウイルス性ベクターであり、ここでは、さらなるDNAセグメントが、ウイルスゲノムに連結され得る。特定のベクターは、ベクターが導入される宿主細胞中で自律複製し得る(例えば、細菌性の複製起点を有する細菌ベクター、およびエピソーム性哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム性哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入の際、宿主細胞のゲノムに組み込まれ、そして、これにより宿主ゲノムとともに複製される。さらに、特定のベクターは、それらが作動可能に連結される遺伝子の発現を指示し得る。このようなベクターは、本明細書において「発現ベクター」と呼ばれる。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、しばしばプラスミドの形態である。本明細書において、「プラスミド」および「ベクター」は、プラスミドが最も一般的に用いられる形態のベクターであるので、交換可能に使用され得る。しかし、本発明は、等価の機能を果たす、ウイルス性ベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルス)のような、このような他の形態の発現ベクターを含むことを意図する。
【0258】
本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞における核酸の発現に適切な形態の本発明の核酸を含む。これは、組換え発現ベクターが、発現されるべき核酸配列に作動可能に連結されている、発現に用いられる宿主細胞に基づいて選択された1つ以上の調節配列を含むことを意味する。組換え発現ベクターにおいて、「作動可能に連結する」とは、目的のヌクレオチド配列が、(例えば、インビトロの転写/翻訳系において、またはベクターが宿主細胞に導入される場合は、宿主細胞において)ヌクレオチド配列の発現を可能にする様式で調節配列に連結されることを意味することを意図する。
【0259】
用語「調節配列」は、プロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことを意図する。このような調節配列は、例えば、Goeddel;GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY 185、Academic Press、San Diego、Calif.(1990)に記載されている。調節配列は、多くの型の宿主細胞においてヌクレオチド配列の構成的発現を指示する配列、および特定の宿主細胞のみにおいてヌクレオチド配列の発現を指示する配列(例えば、組織特異的調節配列)を含む。発現ベクターの設計が、形質転換される宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現のレベルなどのような因子に依存し得ることが当業者に理解される。本発明の発現ベクターは、宿主細胞に導入され得、それにより、本明細書に記載される核酸によってコードされるタンパク質またはペプチド(融合タンパク質またはペプチドを含む)(例えば、NOVXタンパク質、NOVXタンパク質の変異形態、融合タンパク質など)を産生し得る。
【0260】
本発明の組換え発現ベクターは、原核生物細胞または真核生物細胞における、NOVXタンパク質発現のために設計され得る。例えば、NOVXタンパク質は、細菌細胞(例えば、Escherichia coli)、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを用いる)、酵母細胞または哺乳動物細胞において発現され得る。適切な宿主細胞は、Goeddel;GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY 185、Academic Press、San Diego、Calif.(1990)にさらに考察されている。あるいは、組換え型発現ベクターは、例えば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを用いて、インビトロで転写および翻訳され得る。
【0261】
原核生物におけるタンパク質の発現は、最も頻繁には、融合タンパク質または非融合タンパク質のいずれかの発現を指示する、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターを含むベクターを有するEscherichia coliにおいて実施される。融合ベクターは、そこにコードされるタンパク質に、通常、組換えタンパク質のアミノ末端に、多数のアミノ酸を付加する。このような融合ベクターは、代表的には、以下の3つの目的のために役立つ:(i)組換えタンパク質の発現を増加させるため;(ii)組換えタンパク質の可溶性を増加させるため;および(iii)アフィニティー精製においてリガンドとして作用することによって組換えタンパク質の精製の際に補助するため。しばしば、融合発現ベクターにおいて、タンパク質分解の切断部位が、融合部分と組換えタンパク質との結合部に導入されて、融合タンパク質の精製の後に融合部分から組換えタンパク質を分離することを可能とする。このような酵素、およびその同族(cognate)の認識配列は、第Xa因子、トロンビン、およびエンテロキナーゼを含む。代表的な融合発現ベクターとしては、それぞれ、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質、またはプロテインAを標的の組換えタンパク質に融合する、pGEX(Pharmacia Biotech Inc.;SmithおよびJohnson(1988)Gene 67:31−40)、pMAL(New England Biolabs,Beverly,Mass.)およびpRIT5(Pharmacia,Piscataway,N.J.)が挙げられる。
【0262】
適切な誘導性非融合E.coli発現ベクターの例には、pTrc(Amrannら(1988)Gene 69:301−315)およびpET 11d(Studierら、GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY 185,Academic Press,San Diego,Calif.(1990)60−89)が挙げられる。
【0263】
E.coliにおける組換えタンパク質発現を最大化するための1つのストラテジーは、組換えタンパク質をタンパク質分解的に切断する能力を欠損した宿主細菌中でタンパク質を発現させることである。例えば、Gottesman,GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY 185,Academic Press,San Diego,Calif.(1990)119−128を参照のこと。別のストラテジーは、各アミノ酸についての個々のコドンが、E.coliにおいて優先的に利用されるコドンであるように、発現ベクターに挿入される核酸の核酸配列を変更することである(例えば、Wadaら(1992)Nucl.Acids Res.20:2111−2118を参照のこと)。本発明の核酸配列のこのような変更は、標準的なDNA合成技術によって実行され得る。
【0264】
別の実施形態において、NOVX発現ベクターは、酵母発現ベクターである。酵母Saccharomyces cerivisaeにおける発現のためのベクターの例には、pYepSec1(Baldariら、(1987)EMBO J.6:229−234)、pMFa(KurjanおよびHerskowitz、(1982)Cell 30:933−943)、pJRY88(Schultzら、(1987)Gene 54:113−123)、pYES2(Invitrogen Corporation,San Diego,Calif.)、およびpicZ(InVitrogen Corp.,San Diego,Calif.)が挙げられる。
【0265】
あるいは、NOVXは、バキュロウイルス発現ベクターを使用して、昆虫細胞中で発現され得る。培養昆虫細胞(例えば、SF9細胞)中でのタンパク質の発現のために利用可能なバキュロウイルスベクターには、pAcシリーズ(Smithら(1983)Mol.Cell.Biol.3:2156−2165)およびpVLシリーズ(LucklowおよびSummers(1989)Virology 170:31−39)が挙げられる。
【0266】
なお別の実施形態において、本発明の核酸は、哺乳動物発現ベクターを使用して、哺乳動物細胞中で発現される。哺乳動物発現ベクターの例には、pCDM8(Seed(1987)Nature 329:840)およびpMT2PC(Kaufmanら(1987)EMBO J.6:187−195)が挙げられる。哺乳動物細胞中で使用される場合、発現ベクターの制御機能は、しばしば、ウイルスの調節エレメントによって提供される。例えば、一般に使用されるプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス、およびシミアンウイルス40に由来する。原核生物細胞および真核生物細胞の両方のために適切な他の発現系については、例えば、Sambrookら、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL.第2版、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989の第16章および第17章を参照のこと。
【0267】
別の実施形態において、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞型(例えば、組織特異的調節エレメントを使用して核酸を発現する)中で優先的に核酸の発現を指示し得る。組織特異的調節エレメントは、当該分野で公知である。適切な組織特異的なプロモーターの非限定的な例には、アルブミンプロモーター(肝臓特異的;Pinkertら(1987)Genes Dev.1:268−277)、リンパ特異的プロモーター(CalameおよびEaton(1988)Adv.Immunol.43:235−275)、T細胞レセプターの特定のプロモーターにおいて(WinotoおよびBaltimore(1989)EMBO J.8:729−733)および免疫グロブリンの特定のプロモーターにおいて(Banerjiら(1983)Cell 33:729−740;QueenおよびBaltimore(1983)Cell 33:741−748)、ニューロン特異的プロモーター(例えば、神経フィラメントプロモーター;ByrneおよびRuddle(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:5473−5477)、膵臓特異的プロモーター(Edlundら(1985)Science 230:912−916)、ならびに乳腺特異的プロモーター(例えば、乳清プロモーター;米国特許第4,873,316号および欧州出願公開第264,166号)が挙げられる。発達的に調節されるプロモーターもまた含まれる(例えば、マウスhoxプロモーター(KesselおよびGruss(1990)Science 249:374−379)およびα−フェトプロテインプロモーター(CampesおよびTilghman(1989)Genes Dev.3:537−546))。
【0268】
本発明はさらに、アンチセンス方向で発現ベクターにクローニングされた本発明のDNA分子を含む組換え発現ベクターを提供する。すなわち、そのDNA分子は、NOVX mRNAに対してアンチセンスであるRNA分子の発現(DNA分子の転写によって)を可能にする様式で調節配列に作動可能に連結される。種々の細胞型においてアンチセンスRNA分子の持続的な発現を指示する、アンチセンス方向でクローニングされた核酸に作動可能に連結された調節配列(例えば、ウイルスプロモーターおよび/もしくはエンハンサー)が選択され得るか、または、アンチセンスRNAの構成的発現、組織特異的発現、または細胞型特異的発現を指示する調節配列が、選択され得る。アンチセンス発現ベクターは、組換えプラスミド、ファージミド、または弱毒化されたウイルスの形態であり得、ここではアンチセンス核酸は、高効率調節領域の制御下で産生され、その活性は、ベクターが導入される細胞型によって決定され得る。アンチセンス遺伝子を使用する遺伝子発現の調節の考察については、例えば、Weintraubら、「Antisense RNA as a molecular tool for genetic analysis」、Reviews−Trends in Genetics、第1巻(1)1986を参照のこと。
【0269】
本発明の別の局面は、本発明の組換え発現べクターが導入された宿主細胞に関する。用語「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」は、本明細書中で、交換可能に使用される。このような用語は、特定の被験細胞をいうのみでなく、そのような細胞の子孫または潜在的な子孫をもいうことが理解される。変異または環境の影響のいずれかに起因して、特定の改変は次の世代において生じ得るので、このような子孫は、実際には、親の細胞と同一でないかもしれないが、なお、本明細書中で使用される場合のこの用語の範囲内に含まれる。
【0270】
宿主細胞は、任意の原核生物細胞または真核生物細胞であり得る。例えば、NOVXタンパク質は、細菌細胞(例えば、E.coli)、昆虫細胞、酵母または哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)またはCOS細胞)において発現され得る。他の適切な宿主細胞は、当業者に公知である。
【0271】
ベクターDNAは、従来の形質転換またはトランスフェクション技術を介して原核生物細胞または真核生物細胞に導入され得る。本明細書中で使用される場合、用語「形質転換」および「トランスフェクション」とは、外来性の核酸(例えば、DNA)を宿主細胞に導入するために当該分野で容認されている種々の技術をいうことを意図し、これらには、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロポレーションが含まれる。宿主細胞を形質転換またはトランスフェクションするための適切な方法は、Sambrookら(MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL.第2版、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)および他の実験室マニュアルに見出され得る。
【0272】
安定な哺乳動物細胞のトランスフェクションのために、使用される発現ベクターおよびトランスフェクション技術に依存して、細胞のほんの一部のみが外来DNAをそのゲノムに組み込み得ることが知られている。これらの要素を同定および選択するために、選択マーカー(例えば、抗生物質に対する耐性)をコードする遺伝子が、一般的には目的の遺伝子とともに宿主細胞に導入される。種々の選択マーカーには、薬物(例えば、G418、ハイグロマイシン、およびメトトレキサート)に対する耐性を付与するものが含まれる。選択マーカーをコードする核酸は、NOVXをコードするベクターと同じベクター上で宿主細胞に導入され得るか、あるいは別々のベクター上で導入され得る。導入された核酸で安定にトランスフェクトされた細胞は、薬物選択によって同定され得る(例えば、選択マーカー遺伝子を取り込んだ細胞は生存するが、他の細胞は死滅する)。
【0273】
本発明の宿主細胞(例えば、培養中の原核生物宿主細胞および真核生物宿主細胞)は、NOVXタンパク質を産生(すなわち、発現)するために使用され得る。従って、本発明はさらに、本発明の宿主細胞を使用して、NOVXタンパク質を産生するための方法を提供する。1つの実施形態において、本発明の方法は、NOVXタンパク質が産生されるような適切な培地中で、本発明の宿主細胞(ここに、NOVXタンパク質をコードする組換え発現ベクターが導入されている)を培養する工程を包含する。別の実施形態において、本発明はさらに、培地または宿主細胞からNOVXタンパク質を単離する工程を包含する。
【0274】
(トランスジェニックNOVX動物)
本発明の宿主細胞はまた、非ヒトトランスジェニック動物を作製するために使用され得る。例えば、1つの実施形態において、本発明の宿主細胞は、NOVXタンパク質コード配列が導入された、受精卵母細胞または胚性幹細胞である。次いで、このような宿主細胞は、外因性のNOVX配列がゲノムに導入された非ヒトトランスジェニック動物、または内因性のNOVX配列が変更された相同組換え動物を作製するために使用され得る。このような動物は、NOVXタンパク質の機能および/または活性を研究するため、ならびにNOVXタンパク質活性のモジュレーターを同定および/または評価するために有用である。本明細書中で使用される場合、「トランスジェニック動物」とは、非ヒト動物であり、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくは、ラットまたはマウスのような齧歯類であり、ここで、その動物の1つ以上の細胞が、導入遺伝子を含む。トランスジェニック動物の他の例としては、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ヤギ、ニワトリ、両生類などが挙げられる。導入遺伝子は、細胞(この細胞からトランスジェニック動物を発生させた)のゲノムに組み込まれかつ成熟動物のゲノムに残存し、それによって、トランスジェニック動物の1つ以上の細胞型または組織においてコードされた遺伝子産物の発現を指示する、外因性のDNAである。本明細書中で使用される場合、「相同(homologous)組換え動物」とは、非ヒト動物であり、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはマウスであり、ここで内因性のNOVX遺伝子は、内因性の遺伝子と、その動物の発生の前にその動物の細胞(例えば、その動物の胚細胞)に導入された外因性のDNA分子との間の相同組換えによって変更されている。
【0275】
本発明のトランスジェニック動物は、NOVXをコードする核酸を、例えば、マイクロインジェクション、レトロウイルス感染によって、受精卵母細胞の雄性前核に導入すること、およびその卵母細胞を偽妊娠雌性養育動物(foster animal)中で発達させることを可能にすることによって作製され得る。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31のヒトのNOVX cDNA配列は、非ヒト動物のゲノムに導入遺伝子として導入され得る。あるいは、ヒトのNOVX遺伝子の非ヒトホモログ(例えば、マウスのNOVX遺伝子)は、ヒトのNOVX cDNA(上記にさらに記載された)に対するハイブリダイゼーションに基づいて単離され得、そして導入遺伝子として使用され得る。イントロン配列およびポリアデニル化シグナルもまた導入遺伝子中に含まれ得、その導入遺伝子の発現の効率を増大させ得る。組織特異的調節配列(単数または複数)は、特定の細胞に対して、NOVXタンパク質の発現を指示するように、NOVX導入遺伝子に作動可能に連結され得る。胚の操作およびマイクロインジェクションを介するトランスジェニック動物(特に、マウスのような動物)を作製するための方法は、当該分野で慣習的になっており、そして例えば、米国特許第4,736,866号;同第4,870,009号;および同第4,873,191号;ならびにHogan 1986、MANIPULATING THE MOUSE EMBRYO,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.に記載されている。同様の方法が、他のトランスジェニック動物の作製のために使用される。トランスジェニック創始(founder)動物は、そのゲノムにおけるNOVX導入遺伝子の存在および/またはその動物の組織もしくは細胞中のNOVX mRNAの発現に基づいて同定され得る。次いで、トランスジェニック創始動物は、導入遺伝子を有するさらなる動物を育種するために使用され得る。さらに、NOVXタンパク質をコードする導入遺伝子を有するトランスジェニック動物は、さらに、他の導入遺伝子を有する他のトランスジェニック動物に交雑され得る。
【0276】
相同組換え動物を作製するために、NOVX遺伝子の少なくとも一部を含むベクターを調製する。ここで、この遺伝子には、欠失、付加、または置換が導入され、それによってそのNOVX遺伝子が変更されている(例えば、機能的に破壊されている)。NOVX遺伝子は、ヒト遺伝子(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31のcDNA)であり得るが、より好ましくは、ヒトのNOVX遺伝子の非ヒトホモログである。例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31のヒトのNOVX遺伝子のマウスホモログは、マウスゲノムにおける内因性のNOVX遺伝子を変更するのに適切な相同組換えベクターを構築するために使用され得る。1つの実施形態において、そのベクターは、相同組換えに際して、その内因性のNOVX遺伝子が、機能的に破壊されるように設計される(すなわち、機能的タンパク質をもはやコードしない;「ノックアウト」ベクターともいわれる)。
【0277】
あるいは、このベクターは、相同組換えに際して、内因性NOVX遺伝子が変異されるか、あるいはさもなければ、変更されるが、なお機能性タンパク質をコードするように、設計され得る(例えば、上流の調節領域が変更され、それによって内因性NOVXタンパク質の発現を変更し得る)。相同組換えベクターにおいて、NOVX遺伝子の変更された部分は、NOVX遺伝子のさらなる核酸によって、その5’末端および3’末端で隣接されることにより、相同組換えが、ベクターによって保有される外因性NOVX遺伝子と胚性幹細胞中の内因性NOVX遺伝子との間で起こることを可能にする。さらなる隣接するNOVX核酸は、内因性遺伝子との首尾よい相同組換えのために十分な長さである。典型的に、数キロベースの隣接DNA(5’末端および3’末端の両方における)が、ベクターに含まれる。例えば、相同組換えベクターの説明について、Thomasら(1987)Cell 51:503を参照のこと。次いで、このベクターは、(例えば、エレクトロポレーションによって)胚性幹細胞株に導入され、そして導入されたNOVX遺伝子が内因性NOVX遺伝子と相同組換えした細胞が、選択される(例えば、Liら(1992)Cell 69:915を参照のこと)。
【0278】
次いで、選択された細胞が、動物(例えば、マウス)の未分化胚芽細胞へ注入され、凝集キメラを形成する。例えば、Bradley(1987)のTeratocarcinomas and Embryonic Stem Cells:A Practical Approach、Robertson編、IRL、Oxford、113頁〜152頁を参照のこと。次いで、キメラ胚が、適切な偽妊娠雌性養育動物に移植され得、そしてその胚は分娩に到る。その生殖細胞中に相同組換えされたDNAを保有する子孫が、動物を育種するために使用され得、ここでこの動物の全ての細胞は、導入遺伝子の生殖系列伝達によって、相同組換えされたDNAを含む。相同組換えベクターおよび相同組換え動物を構築するための方法が、さらに以下に記載される;Bradley(1991)Curr.Opin.Biotechnol.2:823−829;PCT国際公開番号:WO90/11354;WO91/01140;WO92/0968;およびWO93/04169。
【0279】
別の実施形態において、導入遺伝子の調節された発現を可能にする選択された系を含む非ヒトトランスジェニック動物が産生され得る。このような系の1つの例は、バクテリオファージP1のcre/loxPリコンビナーゼ系である。cre/loxPリコンビナーゼ系の説明については、例えば、Laksoら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:6232−6236を参照のこと。リコンビナーゼ系の別の例は、Saccharomyces cerevisiaeのFLPリコンビナーゼ系である(O’Gormanら(1991)Science 251:1351−1355を参照のこと)。cre/loxPリコンビナーゼ系が導入遺伝子の発現を調節するために使用される場合、Creリコンビナーゼおよび選択されたタンパク質の両方をコードする導入遺伝子を含む動物が必要となる。このような動物は、例えば、2つのトランスジェニック動物(一方は選択されたタンパク質をコードした導入遺伝子を含み、他方はリコンビナーゼをコードした導入遺伝子を含む)を交配することによる「二重の」トランスジェニック動物の構築によって提供され得る。
【0280】
本明細書中に記載される非ヒトトランスジェニック動物のクローンがまた、Wilmutら(1997)Nature 385:810−813に記載される方法に従って、産生され得る。簡単には、トランスジェニック動物からの細胞(例えば、体細胞)が単離され得、そして増殖サイクル(growth cycle)から出て、G期に入るように誘導され得る。次いで、静止性細胞が、例えば、電気パルスの使用により、その静止性細胞が単離されたのと同種の動物から摘出された卵母細胞へ融合され得る。次いで、この再構築された卵母細胞は培養され、これにより、これは桑実胚または未分化胚芽細胞に発達し、次いで、偽妊娠雌性養育動物に移される。この雌性養育動物から産まれた子孫は、その細胞(例えば、その体細胞)が単離された動物のクローンである。
【0281】
(薬学的組成物)
本発明のNOVX核酸分子、NOVXタンパク質、および抗NOVX抗体(これはまた、本明細書中で、「活性化合物」とも呼ばれる)、ならびにそれらの誘導体、フラグメント、アナログ、およびホモログが、投与に適した薬学的組成物に組み込まれ得る。このような組成物は、典型的に、核酸分子、タンパク質または抗体、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本明細書中で使用される場合、「薬学的に受容可能なキャリア」は、薬学的な投与に適合性の任意のおよび全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤(delaying agent)などを含むことが意図される。適切なキャリアは、Remington’s Pharmaceutical Sciences(当該分野の標準的参考文献であって、本明細書中に参考として援用される)の最新版に記載される。このようなキャリアまたは希釈剤の好ましい例としては、水、生理食塩水、リンガー(finger)溶液、デキストロース溶液、および5%ヒト血清アルブミンが挙げられるが、これらに限定されない。リポソームおよび非水性ビヒクル(例えば、不揮発性油)もまた、使用され得る。薬学的に活性な物質に対するこのような媒体および薬剤の使用は、当該分野で周知である。任意の従来の媒体または薬剤が活性化合物と不適合である場合を除いて、組成物におけるその使用が意図される。補助的な活性化合物もまた、組成物へ組み込まれ得る。
【0282】
本発明の薬学的組成物は、その意図される投与経路と適合性であるように処方される。投与経路の例には、非経口(例えば、静脈内、皮内、皮下)投与、経口(例えば、吸入)投与、経皮(すなわち、局所的)投与、経粘膜(transmucosal)投与、および直腸投与が挙げられる。非経口適用、皮内適用または皮下適用のために使用される溶液または懸濁液は、以下の成分を含み得る:注射用水、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒のような、滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンのような、抗菌剤;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムのような、抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)のような、キレート剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩のような緩衝液、および塩化ナトリウムまたはデキストロースのような、張度の調整のための薬剤。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムのような酸または塩基で調整され得る。非経口調製物は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ、または多用量のバイアル中に入れられ得る。
【0283】
注入用途に適した薬学的組成物は、滅菌水溶液(ここでは、水溶性)または分散物、および滅菌注入可能溶液または分散物の即座の調製のための滅菌粉末を含む。静脈内投与において、適切なキャリアには、生理食塩水、静菌水、Cremophor ELTM(BASF、Parsippany、N.J.)またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は、無菌でなければならず、そして容易な注入性(syringeability)が存在する程度に流動性であるべきである。これは、製造および保存の条件下で安定でなければならず、そして、細菌および真菌のような微生物の汚染行為に対して保護されなければならない。このキャリアは、例えば、以下を含む溶媒または分散媒であり得る:水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)ならびにそれらの適切な混合物。適切な流動性が、例えば、レシチンのようなコーティングの使用によって、分散物の場合には、要求される粒子サイズを維持することによって、および界面活性剤を使用することによって維持され得る。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなど)によって達成され得る。多くの場合、組成物中に等張剤(例えば、糖、ポリアルコール(例えば、マンニトール(manitol)、ソルビトール)、塩化ナトリウム)を含むことが好ましい。注入可能組成物の吸収期間の延長は、組成物に吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を含ませることによってもたらされ得る。
【0284】
滅菌注射可能溶液は、必要量のこの活性化合物(例えば、NOVXタンパク質または抗NOVX抗体)を、適切な溶媒中で、上記で列挙される成分の1つまたは組み合わせと共に組み込み、必要な場合、続いて濾過滅菌することによって調製され得る。一般的に、分散物は、活性化合物を、基本(basic)の分散媒と上記で列挙される成分から必要とされる他の成分とを含む滅菌ビヒクル中へ組み込むことによって調製される。滅菌注射可能液剤の調製のための滅菌粉末の場合において、調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥であり、これにより、予め滅菌濾過されたその溶液から活性成分および任意のさらなる所望の成分の粉末を得る。
【0285】
経口組成物は、一般的に、不活性希釈剤または食用キャリアを含む。これらは、ゼラチンカプセルに封入され得るか、または錠剤へと圧縮され得る。経口治療投与の目的のために、この活性化合物は、賦形剤とともに組み込まれ得、そして錠剤、トローチ剤、またはカプセル剤の形態で使用され得る。経口組成物はまた、うがい薬としての使用のために流体キャリアを使用して調製され得、ここで、この流体キャリア中のこの化合物は、経口的に適用され、そして音を立てられ(swish)、そして吐き出されるか、または飲み込まれる。薬学的に適合性の結合剤、および/またはアジュバント物質が、この組成物の一部として含まれ得る。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などが、任意の以下の成分または同様の性質を有する化合物を含み得る:結合剤(例えば、微結晶セルロース、ガムトラガントまたはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)、またはコーンスターチ);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはステロテス(Sterotes));潤滑剤(glidant)(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン);あるいは香味剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジフレーバー)。
【0286】
吸入による投与について、この化合物は、適切な噴霧剤(例えば、二酸化炭素のような気体)を含む圧縮容器またはディスペンサー、あるいは噴霧器から、エアロゾル噴霧の形態で送達される。
【0287】
全身的投与はまた、経粘膜手段または経皮手段により得る。経粘膜投与または経皮投与について、浸透される障壁に適切な浸透剤が、処方物において使用される。このような浸透剤は、一般的に、当該分野で公知であり、そして、例えば、経粘膜投与については、界面活性剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻噴霧または坐剤の使用によって達成され得る。経皮投与については、この活性化合物は、当該分野で一般的に公知である軟膏剤(ointment)、軟膏(salve)、ゲル、またはクリーム剤へ処方される。
【0288】
この化合物はまた、直腸送達のための坐剤(例えば、ココアバターおよび他のグリセリドのような従来の坐剤基剤と共に)または貯留(rentention)浣腸の形態で調製され得る。
【0289】
1つの実施形態において、この活性化合物は、身体からの迅速な排出に対してこの化合物を保護するキャリアを用いて調製され(例えば、制御放出処方物)、これには、移植片およびマイクロカプセル化された送達系が挙げられる。酢酸エチレンビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸のような、生分解性、生体適合性ポリマーが使用され得る。このような処方物の調製のための方法は、当業者には明らかである。これらの物質はまた、Alza Corporation and Nova Pharmaceuticals,Inc.から商業的に入手され得る。リポソーム懸濁物(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を感染させた細胞へ標的化されるリポソームを含む)もまた、薬学的に受容可能なキャリアとして使用され得る。これらは、例えば米国特許第4,522,811号に記載されるような、当業者に公知の方法に従って調製され得る。
【0290】
投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、投薬単位形態で、経口組成物または非経口組成物を処方することが、特に有益である。本明細書で使用される投薬単位形態は、処置される被験体に対する単位投薬量として適切な物理的に個々の単位をいい;各単位は、必要とされる薬学的キャリアと関連して所望の治療的効果を生じるように計算された、所定量の活性化合物を含む。本発明の投薬単位形態についての詳細は、この活性化合物の固有の特徴、および達成される特定の治療効果、ならびに個体の処置のためのこのような活性化合物を調合する分野に固有の制限によって決定されるか、あるいはこれらに直接依存する。
【0291】
本発明の核酸分子は、ベクターに挿入され得、そして遺伝子治療ベクターとして使用され得る。遺伝子治療ベクターは、被験体へ、例えば静脈内注射、局所投与(米国特許第5,328,470号を参照のこと)によって、または定位注射(例えば、Chenら(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:3054−3057を参照のこと)によって送達され得る。遺伝子治療ベクターの薬学的調製物には、受容可能な希釈剤中の遺伝子治療ベクターが挙げられ得るか、または遺伝子送達ビヒクルが組み込まれる除放性マトリックスが挙げられ得る。あるいは、完全な遺伝子送達ベクターが組換え細胞からインタクトで産生され得(例えば、レトロウイルスベクター)、薬学的調製物は、遺伝子送達系を産生する1以上の細胞を含み得る。
【0292】
薬学的組成物は、投与のための使用説明書と共に、容器、包装、またはディスペンサーに含まれ得る。
【0293】
(スクリーニングおよび検出の方法)
本発明の単離された核酸分子は、以下にさらに説明されるように、NOVXタンパク質(例えば、遺伝子治療適用における宿主細胞中の組換え発現ベクターを介する)を発現するため、NOVX mRNA(例えば、生物学的サンプルにおいて)またはNOVX遺伝子における遺伝子損傷を検出するため、ならびにNOVX活性を調節するために使用され得る。さらに、NOVXタンパク質は、NOVXタンパク質の活性または発現を調節する薬物または化合物をスクリーニングするために、ならびにNOVXタンパク質の不十分もしくは過剰な産生によって、あるいはNOVX野生型タンパク質と比較して減少した活性もしくは異常な活性を有するNOVXタンパク質形態の産生によって特徴付けられる障害(例えば、発達障害、内分泌障害、脈管障害、感染症、食欲不振、癌、神経変性障害、肺障害、生殖障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、免疫障害、および造血障害、または細胞シグナルプロセシングおよび代謝経路の調節に関連する他の障害、および種々の癌、ならびに感染症(抗菌活性を有する))を処置するために使用され得る。さらに、本発明の抗NOVX抗体が、NOVXタンパク質を検出および単離するため、ならびにNOVX活性を調節するために使用され得る。さらなる局面において、本発明を、正の様式および負の様式の両方で、食欲、栄養吸収、および代謝物の廃棄に影響する方法で用い得る。
【0294】
本発明は、さらに、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイによって同定される新規の薬剤、および上記で本明細書中で記載されるような処置のためのそれらの使用に関する。
【0295】
(スクリーニングアッセイ)
本発明は、調節因子、すなわち、NOVXタンパク質に結合するか、あるいは例えば、NOVXタンパク質の発現またはNOVXタンパク質の活性に対して刺激効果または阻害効果を有する、候補または試験化合物または薬剤(例えば、ペプチド、ペプチド模倣物、低分子または他の薬物)を同定するための方法(本明細書中において「スクリーニングアッセイ」とも称される)を提供する。本発明はまた、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイにおいて同定された化合物を含む。
【0296】
1実施形態において、本発明は、NOVXタンパク質またはポリペプチド、あるいはその生物学的に活性な部分の膜結合形態に結合するか、またはその膜結合形態の活性を調節する、候補化合物もしくは試験化合物をスクリーニングするためのアッセイを提供する。本発明の試験化合物は、当該分野において公知のコンビナトリアルライブラリー法における多数のアプローチのいずれかを使用して得られ得、これには、以下が挙げられる:生物学的ライブラリー;空間的に位置付け可能な並行固相もしくは溶液相ライブラリー;デコンボリューションを要する合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー法;およびアフィニティークロマトグラフィー選択を使用する合成ライブラリー法。生物学的ライブラリーアプローチはペプチドライブラリーに限定されるが、他の4つのアプローチは、ペプチド、非ペプチドオリゴマーもしくは化合物の低分子ライブラリーに適用可能である(例えば、Lam(1997)Anticancer Drug Design 12:145を参照のこと)。
【0297】
本明細書中で使用される場合、「低分子」とは、約5kD未満の分子量、最も好ましくは約4kD未満の分子量を有する組成物をいうように意味される。低分子は、例えば、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣体、炭水化物、脂質または他の有機分子もしくは無機分子であり得る。化学的および/または生物学的混合物(例えば、真菌、細菌または藻類抽出物)のライブラリーは、当該分野で公知であり、そして本発明のアッセイのいずれかを用いてスクリーニングされ得る。
【0298】
分子ライブラリーの合成のための方法の例は、当該分野において、例えば以下に見出され得る:DeWittら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:6909;Erbら(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.91:11422;Zuckermannら(1994)J.Med.Chem.37:2678;Choら(1993)Science 261:1303;Carrellら(1994)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2059;Carellら(1994)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2061;およびGallopら(1994)J.Med.Chem.37:1233。
【0299】
化合物のライブラリーは、溶液中で(例えば、Houghten(1992)Biotechniques 13:412〜421)、あるいはビーズ上(Lam(1991)Nature 354:82〜84)、チップ上(Fodor(1993)Nature 364:555〜556)、細菌(Ladner 米国特許第5,223,409号)、胞子(Ladner 米国特許第5,233,409号)、プラスミド(Cullら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1865〜1869)またはファージ上(ScottおよびSmith(1990)Science 249:386〜390;Devlin(1990)Science 249:404〜406;Cwirlaら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.87:6378〜6382;Felici(1991)J.Mol.Biol.222:301〜310;Ladner、米国特許第5,233,409号)において提示され得る。
【0300】
1つの実施形態において、アッセイは細胞ベースのアッセイであり、ここで、膜結合形態のNOVXタンパク質、またはその生物学的に活性な部分を細胞表面上に発現する細胞が、試験化合物と接触され、そしてこの試験化合物が、NOVXタンパク質に結合する能力が、決定される。例えば、細胞は、哺乳動物起源または酵母細胞であり得る。この試験化合物がNOVXタンパク質に結合する能力の決定は、例えば、その試験化合物を放射性同位体または酵素標識とカップリングさせて、その結果、この試験化合物のNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分に対する結合が、複合体におけるその標識化合物を検出することによって決定され得ることによって達成され得る。例えば、試験化合物は、125I、35S、14C、またはHで直接的または間接的のいずれかで標識され得、そしてその放射性同位体が、放射線放射の直接の計数により、またはシンチレーション計数により、検出され得る。あるいは、試験化合物は、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはルシフェラーゼで酵素的に標識され得、そしてこの酵素的標識が、適切な基質の生成物への転換を決定することにより、検出され得る。1つの実施形態において、このアッセイは、膜結合形態のNOVXタンパク質、またはその生物学的に活性な部分をその細胞表面上に発現する細胞を、NOVXと結合する既知の化合物と接触させて、アッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物に試験化合物を接触させる工程、ならびにこの試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程を包含し、ここで、この試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程は、この試験化合物が、既知の化合物と比較して、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分と優先的に結合する能力を決定する工程を包含する。
【0301】
別の実施形態において、アッセイは、細胞ベースのアッセイであり、これは、膜結合形態のNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を細胞表面上で発現する細胞を、試験化合物と接触させる工程、ならびにこの試験化合物が、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分の活性を調節(例えば、刺激または阻害)する能力を決定する工程を包含する。この試験化合物が、NOVXまたはその生物学的に活性な部分の活性を調節する能力の決定は、例えば、NOVXタンパク質が、NOVX標的分子に結合またはこれら標的分子と相互作用する能力を決定することによって、達成され得る。本明細書中において使用する場合には、「標的分子」とは、NOVXタンパク質が天然に結合または相互作用する分子であり、例えば、NOVX相互作用タンパク質を発現する細胞表面上の分子、第二の細胞表面上の分子、細胞外環境中の分子、細胞膜の内面と会合する分子、または細胞質分子である。NOVX標的分子は、非NOVX分子あるいは本発明のNOVXタンパク質またはポリペプチドであり得る。1つの実施形態において、NOVX標的分子は、シグナル伝達経路の構成要素であり、これは、細胞膜を通る細胞内への細胞外シグナル(例えば、化合物が膜結合NOVX分子に結合することにより発生するシグナル)の伝達を促進する。その標的は、例えば、触媒活性を有する第二の細胞内タンパク質、または下流シグナル伝達分子とNOVXとの会合を容易にするタンパク質であり得る。
【0302】
NOVXタンパク質がNOVX標的分子に結合するかまたはその標的分子と相互作用する能力の決定は、直接的結合を決定するための上記方法の1つにより、達成され得る。1つの実施形態において、NOVXタンパク質がNOVX標的分子に結合するかまたはその標的分子と相互作用する能力の決定は、その標的分子の活性を決定することにより、達成され得る。例えば、この標的分子の活性は、その標的の細胞性セカンドメッセンジャー(すなわち、細胞内Ca2+、ジアシルグリセロール、IPなど)の誘導を検出すること、適切な基質への標的の触媒活性/酵素活性を検出すること、レポーター遺伝子(検出可能なマーカー(例えば、ルシフェラーゼ)をコードする核酸に作動可能に連結されたNOVX応答性調節エレメントを含む)の誘導を検出すること、または細胞応答(例えば、細胞生存度、細胞分化、または細胞増殖)を検出することにより、決定され得る。
【0303】
なお別の実施形態において、本発明のアッセイは、無細胞(cell−free)アッセイであり、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を試験化合物に接触させる工程、ならびにその試験化合物がNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分と結合する能力を決定する工程を包含する。この試験化合物の、NOVXタンパク質への結合は、上記のように、直接的または間接的にのいずれかで決定され得る。1つのこのような実施形態において、このアッセイは、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を、NOVXを結合する既知の化合物に接触させて、アッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物を試験化合物に接触させる工程、ならびにその試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程を包含し、ここで、この試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程は、この試験化合物が、既知の化合物と比較して、NOVX、またはその生物学的に活性な部分と優先的に結合する能力を決定する工程を包含する。
【0304】
なお別の実施形態において、アッセイは、無細胞アッセイであり、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を試験化合物と接触させる工程、ならびにその試験化合物がNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分の活性を調節(例えば、刺激または阻害)する能力を決定する工程を包含する。この試験化合物がNOVXの活性を調節する能力の決定は、例えば、NOVXタンパク質が、NOVX標的分子に結合する能力を、直接的結合の決定のための上記方法の1つによって決定することにより、達成され得る。代替の実施形態において、この試験化合物がNOVXタンパク質の活性を調節する能力の決定は、NOVXタンパク質が、NOVX標的分子をさらに調節する能力を決定することにより、達成され得る。例えば、この標的分子の適切な基質に対する触媒活性/酵素活性は、上記のように決定され得る。
【0305】
さらに別の実施形態において、無細胞アッセイは、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を、NOVXタンパク質を結合する既知の化合物に接触させてアッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物を試験化合物と接触させる工程、ならびにこの試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程を包含し、ここで、この試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力の決定は、NOVXタンパク質が、NOVX標的分子と優先的に結合するか、またはその標的分子の活性を優先的に調節する能力を決定する工程を包含する。
【0306】
本発明の無細胞アッセイは、NOVXタンパク質の、可溶性の形態または膜結合形態の両方の使用に受け入れられる。膜結合形態のNOVXタンパク質を含む無細胞アッセイの場合には、NOVXタンパク質の膜結合形態が溶液中に維持されるように、可溶化剤を利用することが所望され得る。このような可溶化剤の例としては、非イオン性界面活性剤が挙げられ、例えば、n−オクチルグルコシド、n−ドデシルグルコシド、n−ドデシルマルトシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、デカノイル−N−メチルグルカミド、Triton(登録商標)X−100、Triton(登録商標)X−114、Thesit(登録商標)、イソトリデシルポリ(エチレングリコールエーテル)(Isotridecypoly(ethylene glycol ether))、N−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、3−(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオール−1−プロパンスルホネート(3−(3−cholamidopropyl)dimethylamminiol−1−propane sulfonate)(CHAPS)、または3−(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオール−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート(3−(3−cholamidopropyl)dimethylamminiol−2−hydroxy−1−propane sulfonate)(CHAPSO)である。
【0307】
本発明の上記アッセイ方法の1つより多い実施形態において、NOVXタンパク質またはその標的分子のいずれかを固定して、そのタンパク質の一方または両方の非複合形態からの複合形態の分離を促進し、そしてそのアッセイの自動化に適合させることが、所望され得る。試験化合物の、NOVXタンパク質への結合、または候補化合物の存在下および非存在下での、NOVXタンパク質と標的分子との相互作用は、これらの反応物を収容するために適切な任意の容器内で、達成され得る。このような容器の例には、マイクロタイタープレート、試験管、および微小遠心管が挙げられる。1実施形態において、そのタンパク質の一方または両方がマトリックスに結合することを可能にするドメインを付加する融合タンパク質が、提供され得る。例えば、GST−NOVX融合タンパク質またはGST標的融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical、St.Louis、MO)またはグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレート上に吸着され得、次いでこれらは、試験化合物と合わせられるか、あるいは試験化合物および未吸着標的タンパク質またはNOVXタンパク質のいずれかと合わせられ、そしてこの混合物が、複合体形成を誘導する条件下(例えば、塩およびpHに関して生理学的条件)でインキュベートされる。インキュベーション後、ビーズまたはマイクロタイタープレートウェルを洗浄して、結合していないあらゆる成分を除去し、ビーズの場合にはマトリックスを固定し、例えば上記のように、複合体を直接的または間接的のいずれかで決定する。あるいは、複合体がマトリックスから解離され得、そしてNOVXタンパク質の結合レベルまたは活性レベルを、標準的な技術を使用して決定し得る。
【0308】
タンパク質をマトリックスに固定するための他の技術もまた、本発明のスクリーニングアッセイにおいて使用され得る。例えば、NOVXタンパク質、またはその標的分子のいずれかが、ビオチンとストレプトアビジンとの結合を利用して、固定され得る。ビオチン化NOVXタンパク質、または標的分子は、当該分野において周知の技術(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals、Rockford、Ill.)を使用して、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)から調製され得、そしてストレプトアビジンでコーティングした96ウェルのプレート(Pierce Chemical)のウェルに固定され得る。あるいは、NOVXタンパク質、または標的分子と反応性であるがNOVXタンパク質のその標的分子への結合を妨害しない抗体が、そのプレートのウェルに誘導体化され得、そして結合していない標的またはNOVXタンパク質が、抗体の結合によってウェル内に捕捉され得る。このような複合体を検出するための方法としては、GST固定複合体に関しての上記で述べた方法に加えて、NOVXタンパク質または標的分子と反応性の抗体を使用する、複合体の免疫検出、ならびにNOVXタンパク質、または標的分子に関する酵素活性の検出に依存する酵素結合アッセイが挙げられる。
【0309】
別の実施形態において、NOVXタンパク質発現のモジュレーターは、細胞を候補化合物と接触させ、そして細胞中のNOVX mRNAまたはタンパク質の発現を決定する方法において同定される。候補化合物の存在下でのNOVX mRNAまたはタンパク質の発現レベルは、候補化合物の非存在下でのNOVX mRNAまたはタンパク質の発現レベルと比較される。次いで、候補化合物は、この比較に基づいて、NOVX mRNAまたはタンパク質発現のモジュレーターとして同定され得る。例えば、NOVX mRNAまたはタンパク質の発現が、候補化合物の非存在下よりも、その存在下における方が大きい(すなわち、統計的に有意に大きい)場合、この候補化合物は、NOVX mRNAまたはタンパク質の発現の刺激物質として同定される。あるいは、NOVX mRNAまたはタンパク質の発現が、候補化合物の非存在下よりもその存在下の方が少ない(統計的に有意に少ない)場合、この候補化合物は、NOVX mRNAまたはタンパク質の発現のインヒビターとして同定される。細胞中のNOVX mRNAまたはタンパク質の発現レベルは、NOVX mRNAまたはタンパク質を検出するために本明細書中に記載の方法によって決定され得る。
【0310】
本発明のなお別の局面において、NOVXタンパク質は、ツーハイブリッドアッセイまたはスリーハイブリッドアッセイにおいて「ベイト(bait)タンパク質」として使用されて(例えば、米国特許第5,283,317号;Zervosら(1993)Cell 72:223−232;Maduraら、1993 J.Biol.Chem.268:12046−12054;Bartelら、1993 Biotechniques 14:920−924;Iwabuchiら、1993 Oncogene 8:1693−1696;およびBrent WO94/10300を参照のこと)、NOVX(「NOVX結合タンパク質」すなわち「NOVX−bp」)に結合するか、またはこれと相互作用し、そしてNOVX活性を調節する他のタンパク質を同定し得る。このようなNOVX結合タンパク質はまた、例えば、NOVX経路の上流または下流エレメントとしてNOVXタンパク質によるシグナル伝達に関与する可能性がある。
【0311】
ツーハイブリッドシステムは、分離可能なDNA結合ドメインおよび活性化ドメインからなる、大部分の転写因子のモジュール的性質に基づく。簡潔には、このアッセイは、2つの異なるDNA構築物を利用する。一方の構築物においては、NOVXをコードする遺伝子が既知の転写因子(例えば、GAL−4)のDNA結合ドメインをコードする遺伝子に融合される。他方の構築物においては、DNA配列のライブラリー由来の、未同定タンパク質(「餌食(prey)」または「サンプル」)をコードするDNA配列が、既知の転写因子の活性化ドメインをコードする遺伝子に融合される。「ベイト」タンパク質および「餌食」タンパク質がインビボで相互作用して、NOVX依存性複合体を形成し得る場合、この転写因子のDNA結合ドメインおよび活性化ドメインは、非常に近くにある。近位にあることにより、転写因子に応答性の転写調節部位に作動可能に連結されたレポーター遺伝子(例えば、LacZ)の転写が可能となる。レポーター遺伝子の発現が検出され得、そして機能的転写因子を含む細胞コロニーが、単離され得、そしてNOVXと相互作用するタンパク質をコードするクローニングされた遺伝子を得るために使用され得る。
【0312】
本発明はさらに、上記のスクリーニングアッセイにより同定される新規な薬剤(因子)および本明細書中に記載されるような処置のためのこの薬剤(因子)の使用に関する。
【0313】
(検出アッセイ)
本明細書中で同定されるcDNA配列の一部またはフラグメント(および対応する完全な遺伝子配列)は、ポリヌクレオチド試薬として多くの方法で使用され得る。例えば、限定はしないが、これらの配列を使用して、(i)染色体上にそれぞれの遺伝子をマッピングし得;従って遺伝病と関連する遺伝子領域を位置決定し得る;(ii)微量の生物学的サンプルから個体を同定し得る(組織型決定);そして(iii)生物学的サンプルの法医学的識別を助け得る。これらの適用のいくつかは、以下の節において記載される。
【0314】
(染色体マッピング)
一旦、遺伝子の配列(または配列の一部分)が単離されると、この配列を用いて染色体上に遺伝子の位置をマッピングし得る。このプロセスは、染色体マッピングとよばれる。従って、NOVX配列の一部またはフラグメント、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31、またはそのフラグメントもしくは誘導体を用いて、それぞれ、NOVX遺伝子の位置を染色体上にマッピングし得る。NOVX配列を染色体にマッピングすることは、これらの配列と、疾患と関連する遺伝子とを相関付ける際の重要な第一歩である。
【0315】
簡潔には、NOVX遺伝子は、NOVX配列からPCRプライマー(好ましくは、15〜25bpの長さ)を調製することにより染色体にマッピングし得る。NOVX配列のコンピューター分析を用いて、ゲノムDNAにおける1つを超えるエキソンにまたがらないプライマーを迅速に選択し得、従って、増幅プロセスを複雑にし得る。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含む体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングのために使用され得る。NOVX配列に対応するヒト遺伝子を含むハイブリッドのみが増幅されたフラグメントを生じる。
【0316】
体細胞ハイブリッドは、異なる哺乳動物由来の体細胞(例えば、ヒトおよびマウス細胞)を融合することにより調製される。ヒトおよびマウスの細胞のハイブリッドが増殖および分裂するにつれ、それらは、無作為な順序で徐々にヒト染色体を失うが、マウス染色体を維持する。マウス細胞は増殖できないが、ヒト細胞は増殖できる培地を使用することにより、それらは特定の酵素を失うので、必要な酵素をコードする遺伝子を含む1つのヒト染色体が維持される。種々の培地を使用することによって、ハイブリッド細胞株のパネルが確立され得る。パネルにおける各細胞株は、単一のヒト染色体または少数のヒト染色体いずれかおよびマウス染色体の完全なセットを含み、これにより、個々の遺伝子を特定のヒト染色体にマッピングすることが容易に可能になる(例えば、D’Eustachioら(1983)Science 220:919−924を参照のこと)。ヒト染色体のフラグメントのみを含む体細胞ハイブリッドはまた、転座および欠失を伴うヒト染色体を使用することにより生成され得る。
【0317】
体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは、特定の染色体に特定の配列を割り当てるための迅速な手順である。1つのサーマルサイクラーを用いて一日に3つ以上の配列が割り当てられ得る。NOVX配列を使用して、オリゴヌクレオチドプライマーを設計すると、下位位置決定(sublocalization)は、特定の染色体由来のフラグメントのパネルを用いて達成され得る。
【0318】
中期染色体スプレッドに対するDNA配列の蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)をさらに使用して、一工程で正確な染色体位置を提供し得る。染色体スプレッドは、コルセミド(紡錘体を破壊する)のような化学物質により分裂が中期においてブロックされた細胞を使用して行われ得る。この染色体は、トリプシンで短時間処理され得、次いで、ギムザ染色され得る。薄いバンドおよび濃いバンドのパターンが各染色体で発生し、その結果、この染色体は、個々に同定され得る。FISH技術は、500または600塩基ほどの短さのDNA配列と共に使用され得る。しかし、1,000塩基より大きなクローンは、簡単な検出に十分なシグナル強度で、独特の染色体位置に結合する可能性がより高い。好ましくは、1,000塩基、そしてより好ましくは、2,000塩基が妥当な時間量で良好な結果を得るために十分である。この技術の総説については、Vermaら、HUMAN CHROMOSOMES:A MANUAL OF BASIC TECHNIQUES(Pergamon Press,New York 1988)を参照のこと。
【0319】
染色体マッピングの試薬は、単一の染色体またはその染色体上の単一部位を印付けするために個々に使用され得るか、または試薬のパネルは複数部位および/または複数染色体を印付けするために使用され得る。遺伝子の非コード領域に対応する試薬は、実際に、マッピング目的のために好ましい。コード配列は、遺伝子ファミリー内に保存されており、従って、染色体マッピングの間に交叉ハイブリダイゼーションの機会が増大する可能性が高い。
【0320】
一旦、配列が正確な染色体位置にマッピングされると、その配列の染色体上の物理的位置は、遺伝子マップデータと相関し得る。このようなデータは、例えば、McKusick,MENDELIAN INHERITANCE IN MAN(Johns Hopkins University Welch Medical Libraryを通じてオンラインで入手可能)において見いだされる。次いで、同じ染色体領域にマッピングされる遺伝子と疾患との間の関係は、例えば、Egelandら(1987)Nature,325:783−787に記載される連鎖分析(物理的に隣接する遺伝子の同時遺伝)によって同定され得る。
【0321】
さらに、NOVX遺伝子と関連する疾患に罹患した個体と、この疾患に罹患していない個体との間のDNA配列における差異が決定され得る。罹患した個体のいくらかまたは全てにおいて変異が認められるが、非罹患個体のいずれにおいても認められない場合、この変異は特定の疾患の候補薬剤(因子)である可能性が高い。罹患個体と非罹患個体の比較は、一般に、染色体における構造的変化(例えば、染色体スプレッドから可視であるか、またはそのDNA配列に基づいたPCRを用いて検出可能な欠失または転座)を最初に探すことを包含する。最終的に、いくらかの個体に由来する遺伝子の完全な配列決定を行って、変異の存在を確認し、かつ多型に由来する変異を区別し得る。
【0322】
(組織型決定(tissue typing))
本発明のNOVX配列はまた、わずかな生物学的サンプルから個体を識別するために使用され得る。この技術において、個体のゲノムDNAは、1つ以上の制限酵素で消化され、そして同定のために独特のバンドを生成するためにサザンブロット上でプローブされる。本発明の配列は、RFLP(米国特許第5,272,057号に記載の「制限酵素断片長多型」)のためのさらなるDNAマーカーとして有用である。
【0323】
さらに、本発明の配列を用いて、個体のゲノムの選択された部分について実際の塩基ごとにDNA配列を決定する代替的技術を提供し得る。従って、本明細書中に記載のNOVX配列を用いて、配列の5’末端および3’末端から2つのPCRプライマーを調製し得る。次いで、これらのプライマーを使用して、個体のDNAを増幅し得、引き続いて、配列決定し得る。
【0324】
この様式で調製された個体由来の対応するDNA配列のパネルは、各個体が、対立遺伝子差異に起因するこのようなDNA配列の独特のセットを有するので、唯一の個体識別を提供し得る。本発明の配列は、個体由来および組織由来の配列のこのような識別を得るために使用され得る。本発明のNOVX配列は、ヒトゲノムの部分を独特に表す。対立遺伝子変異は、これらの配列のコード領域においてある程度生じ、そして非コード領域においてより大きな程度に生じる。個々のヒト間での対立遺伝子変異は、各500塩基につき約1回の頻度で生じると見積もられる。対立遺伝子変異の多さは、制限酵素断片長多型(RFLP)を含む単一塩基多型(SNP)に起因する。
【0325】
本明細書中に記載の配列の各々は、ある程度、標準物質(これに対して個体からのDNAが識別の目的で比較され得る)として使用され得る。より多くの多型が非コード領域で生じるので、個体を区別するために、それほど多くの配列が必要であるわけではない。非コード配列は、おそらく10〜1,000プライマーのパネルを用いてポジティブな個体識別を不自由なく提供し得る。これらのプライマーは、各々が100塩基の増幅された非コード配列を生じる。推定コード配列(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31における配列)が使用される場合、ポジティブな個体識別に関するプライマーのより適切な数は、500〜2,000である。
【0326】
(予測医療)
本発明はまた、診断アッセイ、予後アッセイ、ゲノム薬理学(pharmacogenomics)およびモニタリング臨床試験が、予後(予測)の目的に使用され、これによって個体を予防的に処置する、予測医療の分野に関する。従って、本発明の1つの局面は、生物学的サンプル(例えば、血液、血清、細胞、組織)の場合においては、NOVXタンパク質および/または核酸の発現、ならびにNOVXの活性を決定し、これによって、異常なNOVXの発現または活性に関連して、個体が疾患または障害に罹患するかどうか、あるいは障害を発症するリスクがあるかどうかを決定するための診断アッセイに関する。この障害としては、発達障害、内分泌障害、脈管障害、感染症、食欲不振、癌、神経変性障害、肺障害、生殖障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、免疫障害、および造血障害、または細胞シグナルプロセシングおよび代謝経路の調節に関連する他の障害、および種々の癌、ならびに感染症(抗菌活性を有する)が挙げられる。本発明はまた、個体が、NOVXのタンパク質、核酸の発現または活性と関連した障害を発症するリスクがあるかどうかを決定するための予後的(または予測的)アッセイを提供する。例えば、NOVXの遺伝子における変異が、生物学的サンプルにおいてアッセイされ得る。このようなアッセイは、予後的または予測的な目的に使用され、これによってNOVXのタンパク質、核酸の発現または生物学的活性によって特徴付けられるかまたは関連した障害の発病の前に、個体を予防的に処置し得る。
【0327】
本発明の別の局面は、個体におけるNOVXのタンパク質、核酸の発現または活性を決定するための方法を提供し、これによって、その個体についての適切な治療的または予防的試薬(本明細書において「ゲノム薬理学」とよばれる)を選択する。ゲノム薬理学は、個体の遺伝型(例えば、特定の因子に対して応答する個体の能力を決定するために試験された個体の遺伝型)に基づいて、個体の治療的または予防的処置のための因子(例えば、薬物)の選択を可能にする。
【0328】
本発明のなお別の局面は、臨床試験におけるNOVXの発現または活性に対する因子(例えば、薬物、化合物)の影響をモニタリングすることに関する。
【0329】
これらおよび他の因子は、以下の節でさらに詳細に記載される。
【0330】
(診断アッセイ)
生物学的サンプルにおけるNOVXの存在または非存在を検出するための例示的な方法は、試験被験体から生物学的サンプルを得る工程、およびその生物学的サンプルをNOVXのタンパク質またはNOVXタンパク質をコードする核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)を検出し得る化合物もしくは薬剤(因子)とを接触させ、その結果、NOVXの存在が、その生物学的サンプルにおいて検出される工程を包含する。NOVXのmRNAもしくはゲノムDNAを検出するための因子は、NOVX mRNAもしくはゲノムDNAにハイブリダイズし得る、標識された核酸プローブである。この核酸プローブは、例えば、全長のNOVXの核酸(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、および31の核酸またはそれらの一部)(例えば、少なくとも、15、30、50、100、250もしくは500ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドであり、ストリンジェントな条件下でNOVXのmRNAまたはゲノムDNAと特異的にハイブリダイズするに十分である核酸)であり得る。本発明の診断アッセイにおける使用のための他の適切なプローブは、本明細書において記載されている。
【0331】
NOVXのタンパク質を検出するための薬剤(因子)は、NOVXのタンパク質に結合し得る抗体であり、好ましくは、検出可能な標識を有する抗体である。抗体は、ポリクローナルであり得るか、またはより好ましくはモノクローナル抗体であり得る。インタクトな抗体またはそのフラグメント(例えば、FabまたはF(ab’))が使用され得る。用語「標識(された)」とは、プローブまたは抗体に関して、検出可能な物質をそのプローブもしくは抗体にカップリングさせる(すなわち、物理的に連結する)ことによってそのプローブまたは抗体を直接標識すること、ならびに、直接標識された別の試薬との反応性によってそのプローブもしくは抗体の間接的な標識をすることを包含することが意図される。間接的な標識の例としては、蛍光標識された二次抗体を用いた一次抗体の検出、および蛍光標識されたストレプトアビジンを用いて検出され得るようにDNAプローブのビオチンを用いた末端標識が挙げられる。用語「生物学的サンプル」とは、被験体から単離された、組織、細胞および生物学的流体ならびに被験体に存在する組織、細胞および流体を含むことが意図される。すなわち、本発明の検出方法を用いて、NOVXのmRNA、タンパク質またはゲノムDNAを、生物学的サンプル中で、インビトロおよびインビボで検出し得る。例えば、NOVXのmRNAの検出のためのインビトロ技術としては、ノーザンハイブリダイゼーションおよびインサイチュハイブリダイゼーションが挙げられる。NOVXのタンパク質の検出のためのインビトロ技術としては、酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)、ウェスタンブロット、免疫沈降および免疫蛍光が挙げられる。NOVXのゲノムDNAを検出するためのインビトロ技術としては、サザンハイブリダイゼーションが挙げられる。さらに、NOVXのタンパク質の検出のためのインビボ技術としては、標識された抗NOVX抗体を被験体に導入することが挙げられる。例えば、その抗体は、放射性マーカーを用いて標識され得る。被験体における放射性マーカーの存在および位置は、標準的な画像化技術によって検出され得る。
【0332】
1つの実施形態において、この生物学的サンプルは、その試験被験体からのタンパク質分子を含む。あるいは、その生物学的サンプルは、その試験被験体からのmRNA分子またはその試験被験体からのゲノムDNA分子を含み得る。好ましい生物学的サンプルは、被験体から従来の手段によって単離された末梢血白血球サンプルである。
【0333】
別の実施形態において、本発明の方法はさらに、コントロール被験体からコントロール生物学的サンプルを得る工程、そのコントロールサンプルを、NOVXのタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAを検出し得る化合物もしくは薬剤(因子)と接触させ、その結果、NOVXのタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAの存在がその生物学的サンプルにおいて検出される工程、およびそのコントロールサンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAの存在と、その試験サンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAの存在とを比較する工程を包含する。
【0334】
本発明はまた、生物学的サンプルにおけるNOVXの存在を検出するためのキットを包含する。例えば、このキットは、以下を備え得る:生物学的サンプルにおいてNOVXのタンパク質またはmRNAを検出し得る、標識された化合物または薬剤(因子);そのサンプルにおいてNOVXの量を決定するための手段;およびそのサンプルにおいて、標準と、NOVXの量とを比較するための手段。この化合物または薬剤は、適切な容器内に包装され得る。このキットは、さらに、NOVXのタンパク質または核酸を検出するためにキットを用いるための指示書を備え得る。
【0335】
(予後アッセイ)
本明細書において記載された診断方法をさらに利用して、NOVXの異常発現または異常活性に関連した疾患もしくは障害を有するか、またはその発症の危険性を有する被験体を同定し得る。例えば、本明細書に記載されるアッセイ(例えば、上述の診断アッセイまたは下記のアッセイ)を利用して、NOVXのタンパク質、核酸の発現または活性に関連する障害を有するかまたはその発症の危険性を有する被験体を同定し得る。あるいは、この予後アッセイを利用して、疾患または障害を有するかまたはその発症の危険性を有する被験体を同定し得る。従って、本発明は、NOVXの異常発現または異常活性に関連する疾患もしくは障害を同定するための方法を提供する。ここで、試験サンプルは、被験体から得られ、そしてNOVXのタンパク質または核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)が検出され、ここで、NOVXのタンパク質または核酸の存在は、NOVXの異常発現または異常活性に関連する疾患または障害を有するかまたはその発症の危険性を有する被験体についての診断指標である。本明細書において使用される場合「試験サンプル」とは、目的の被験体から得られた生物学的サンプルをいう。例えば、試験サンプルは、生物学的流体(例えば、血清)、細胞サンプル、または組織であり得る。
【0336】
さらに、本明細書に記載される予後アッセイを使用して、被験体に薬剤(因子)(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣物、タンパク質、ペプチド、核酸、低分子、または他の薬物候補)を投与してNOVXの異常発現または異常活性に関連する疾患または障害を処置し得るか否かを、決定し得る。例えば、このような方法を使用して、被験体が障害のための因子で有効に処置され得るか否かを決定し得る。従って、本発明は、NOVXの異常発現または異常活性に関連する障害のための因子を用いて、被験体が有効に処置され得るか否かを決定するための方法を提供する。ここで、試験サンプルが得られ、そしてNOVXのタンパク質または核酸が検出される(例えば、ここで、NOVXのタンパク質または核酸の存在は、この因子が投与されてNOVXの異常発現または異常活性に関連する障害が処置され得る被験体についての、診断指標である)。
【0337】
本発明の方法はまた、NOVX遺伝子における遺伝的損傷を検出し、それによって、その損傷遺伝子を有する被験体が異常な細胞増殖および/または分化によって特徴付けられる障害についての危険性を有するか否かを決定するためにも使用され得る。種々の実施形態において、この方法は、その被験体由来の細胞のサンプルにおいて、NOVXタンパク質をコードする遺伝子の統合性に影響を与える少なくとも1つの変更によって特徴付けられる遺伝的損傷の存在または非存在、あるいはNOVX遺伝子の誤発現を検出する工程を包含する。例えば、そのような遺伝的損傷は、以下の少なくとも1つの存在を確認することによって検出され得る:(i)NOVX遺伝子からの1つ以上のヌクレオチドの欠失;(ii)NOVX遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの付加;(iii)NOVX遺伝子の1つ以上のヌクレオチドの置換、(iv)NOVX遺伝子の染色体再配置;(v)NOVX遺伝子のメッセンジャーRNA転写物のレベルにおける変更、(vi)NOVX遺伝子の異常改変(例えば、ゲノムDNAのメチル化パターンの異常改変)、(vii)NOVX遺伝子のメッセンジャーRNA転写物の非野生型スプライシングパターンの存在、(viii)NOVXタンパク質の非野生型レベル、(ix)NOVX遺伝子の対立遺伝子の欠失、ならびに(x)NOVXタンパク質の不適切な翻訳後修飾。本明細書において記載されるように、当該分野において、NOVX遺伝子における損傷を検出するために使用され得る、多数の公知のアッセイ技術が存在する。好ましい生物学的サンプルは、従来手段によって被験体から単離された末梢血白血球サンプルである。しかし、有核細胞を含む任意の生物学的サンプルが使用され得、これには、例えば、頬粘膜細胞が挙げられる。
【0338】
特定の実施形態において、損傷の検出は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば、米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号を参照のこと)(例えば、アンカーPCRまたはRACE PCR)、あるいは、連結連鎖反応(LCR)(例えば、Landegranら(1988)Science 241:1077−1080;およびNakazawaら(1994)Proc.Natl.Acad.Sic.USA 91:360−364を参照のこと)におけるプローブ/プライマーの使用を包含する。後者は、NOVX遺伝子における点変異を検出するために特に有用であり得る(Abravayaら,1995 Nucl Acids Res 23:675−682を参照のこと)。この方法は、患者から細胞のサンプルを収集する工程、核酸(例えば、ゲノム、mRNAまたはその両方)をそのサンプルの細胞から単離する工程、NOVXの遺伝子に特異的にハイブリダイズする1つ以上のプライマーとその核酸サンプルとを、NOVX遺伝子(存在する場合)のハイブリダイゼーションおよび増幅が生じるような条件下で接触させる工程、ならびに増幅産物の存在もしくは非存在を検出する工程、またはその増幅産物のサイズを検出する工程およびその長さをコントロールサンプルと比較する工程を包含し得る。PCRおよび/またはLCRは、本明細書中に記載される変異を検出するために使用される技術のいずれかとともに予備的増幅工程として使用されることが望ましくあり得ることが予想される。
【0339】
代替的な増幅方法としては、以下が挙げられる:当業者に周知な技術を用いた、その増幅された分子の検出の前の、自己維持配列複製(Guatelliら、1990、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−1878を参照のこと)、転写増幅系(Kwohら、1989、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173−1177を参照のこと)、Qβレプリカーゼ(Lizardiら、1988、BioTechnology 6:1197を参照のこと)、または他の任意の核酸増幅方法。これらの検出スキームは、核酸分子が非常に極少数で存在する場合に、そのような核酸分子の検出のために特に有用である。
【0340】
代替の実施形態において、サンプル細胞からのNOVX遺伝子における変異は、制限酵素切断パターンにおける変更によって同定され得る。例えば、サンプルおよびコントロールのDNAが単離され、増幅され(必要に応じて)、1つ以上の制限エンドヌクレアーゼを用いて消化され、そしてフラグメント長の大きさがゲル電気泳動によって決定され、そして比較される。サンプルDNAとコントロールDNAとの間のフラグメント長の大きさにおける差異は、そのサンプルDNAにおける変異を示す。さらに、配列特異的なリボザイムの使用(例えば、米国特許第5,493,531号を参照のこと)を使用して、リボザイム切断部位の発生または喪失による特異的な変異の存在についてスコア付けし得る。
【0341】
他の実施形態において、NOVXにおける遺伝子変異は、サンプル核酸およびコントロール核酸(例えば、DNAまたはRNA)を、数百または数千のオリゴヌクレオチドプローブを含む高密度アレイに対してハイブリダイズさせることによって同定され得る(例えば、Croninら(1996)Human Mutation 7:244−255;Kozalら(1996)Nat.Med.2:753−759を参照のこと)。例えば、NOVXにおける遺伝子変異は、Croninら(前出)に記載されるように光生成DNAプローブを含む二次元アレイにおいて同定され得る。手短には、プローブの第一ハイブリダイゼーションアレイを用いて、サンプルおよびコントロールにおける長いストレッチのDNAにわたって走査し、連続的に重複するプローブの線形アレイを作成することによって、その配列間の塩基変化を同定し得る。この工程は、点変異の同定を可能にする。この工程に第二のハイブリダイゼーションアレイが続き、これによって、検出される全ての改変体または変異体に相補的な、より小さな特化されたプローブアレイを用いることによる特定の変異の特徴付けが可能になる。各変異アレイは、一方が野生型遺伝子に対して相補的であり、そして他方が変異遺伝子に対して相補である並行プローブセットから構成される。
【0342】
なお別の実施形態において、当該分野で公知の種々の配列決定反応のいずれかを使用して、NOVX遺伝子を直接配列決定し得、そしてサンプルNOVX配列と対応する野生型(コントロール)配列とを比較することによって、変異を検出し得る。配列決定反応の例としては、MaxamおよびGilbert(1977)Proc.Natl.Acad.Sic.USA 74:560またはSanger(1977)Proc.Natl.Acad.Sic.USA 74:5463によって開発された技術に基づくものが挙げられる。診断アッセイを実施する場合、種々の自動化配列決定手順のいずれかを利用し得ることもまた企図される(例えば、Naeveら(1995)Biotechniques 19:448を参照のこと)。これらには、質量分析法による配列決定法(例えば、PCT国際公開番号WO 94/16101;Cohenら(1996)Adv.Chromatography 36:127−162;およびGriffinら(1993)Appl.Biochem.Biotechnol.38:147−159を参照のこと)が挙げられる。
【0343】
NOVX遺伝子における変異を検出するための他の方法としては、切断剤からの保護を使用して、RNA/RNAもしくはRNA/DNAのヘテロ二重鎖におけるミスマッチ塩基を検出する方法が挙げられる(例えば、Myersら(1985)Science 230:1242を参照のこと)。一般に、「ミスマッチ切断」の当該分野の技術は、野生型のNOVX配列を含む(標識された)RNAまたはDNAを、組織サンプルから得られた潜在的な変異体RNAまたはDNAとハイブリダイズさせることによって形成されるヘテロ二重鎖を提供する工程によって始まる。この二本鎖の二重鎖を、二重鎖の一本鎖領域(例えば、そのコントロールとサンプルの鎖との間の塩基対ミスマッチに起因して存在するもの)を切断する因子を用いて処理する。例えば、RNA/DNA二重鎖は、RNaseを用いて処理し得、そしてDNA/DNAハイブリッドは、そのミスマッチ領域を酵素的に消化するために、Sヌクレアーゼを用いて処理し得る。他の実施形態において、DNA/DNAまたはRNA/DNAのいずれかの二重鎖を、ミスマッチ領域を消化するために、ヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウム、およびピペリジンを用いて処理し得る。そのミスマッチ領域の消化後、次いで、得られた物質を変性ポリアクリルアミドゲル上で、大きさにより分離して、変異の部位を決定する。例えば、Cottonら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:4397;Saleebaら(1992)Methods Enzymol.217:286−295を参照のこと。1つの実施形態において、コントロールのDNAまたはRNAは、検出のために標識され得る。
【0344】
なお別の実施形態において、ミスマッチ切断反応は、二本鎖DNAにおけるミスマッチ塩基対を認識する1つ以上のタンパク質(いわゆる「DNAミスマッチ修復」酵素)を、細胞のサンプルから得られたNOVX cDNAにおける点変異を検出およびマッピングするために規定された系において使用する。例えば、E.coliのmutY酵素は、G/AミスマッチでAを切断し、そしてHeLa細胞由来のチミジンDNAグリコシラーゼは、G/TミスマッチでTを切断する(例えば、Hsuら(1994)Carcinogenesis 15:1657〜1662を参照のこと)。例示的な実施形態に従って、NOVX配列(例えば、野生型NOVX配列)に基づくプローブは、試験細胞由来のcDNAまたは他のDNA産物にハイブリダイズされる。二重鎖は、DNAミスマッチ修復酵素を用いて処理され、そしてその切断産物(存在する場合)は、電気泳動プロトコルなどから検出され得る。例えば、米国特許第5,459,039号を参照のこと。
【0345】
他の実施形態において、電気泳動の移動度における変化は、NOVX遺伝子における変異を同定するために使用される。例えば、一本鎖コンホメーション多型(SSCP)は、変異体と野生型核酸との間の電気泳動の移動度における差異を検出するために使用され得る(例えば、Oritaら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA:86:2766、またCotton(1993)Mutat.Res.285:125〜144;Hayashi(1992)Genet.Anal.Tech.Appl.9:73〜79を参照のこと)。サンプルおよびコントロールNOVX核酸の一本鎖DNAフラグメントは、変性され、そして再生される。一本鎖核酸の二次構造は、配列に従って変化し、電気泳動の移動度において得られる変化は、1つの塩基変化の検出さえも可能にする。DNAフラグメントは、標識され得るか、または標識されたプローブを用いて検出され得る。アッセイの感度は、DNAよりもむしろ、二次構造が配列中の変化に対してより感受的であるRNAを使用することによって増強され得る。1つの実施形態において、本発明の方法は、ヘテロ二重鎖分析を利用して、電気泳動の移動度における変化に基づいて二本鎖のヘテロ二重鎖分子を分離する。例えば、Keenら(1991)Trends Genet.7:5を参照のこと。
【0346】
なお別の実施形態において、一定勾配の変性剤を含有するポリアクリルアミドゲルにおける変異体または野生型フラグメントの移動は、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)を使用してアッセイされる。例えば、Myersら(1985)Nature 313:495を参照のこと。DGGEが分析の方法として使用される場合、DNAは、例えば、PCRにより約40bpの高融点GCリッチDNAのGCクランプを付加することによって、完全には変性されないことを確実するように改変される。さらなる実施形態において、温度勾配は、コントロールおよびサンプルDNAの移動度における差異を同定するために、変性剤勾配の代わりに使用される。例えば、RosenbaumおよびReissner(1987)Biophys.Chem.265:12753を参照のこと。
【0347】
点変異を検出するための他の技術の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増幅、または選択的プライマー伸長。例えば、オリゴヌクレオチドプライマーは、既知の変異が中心的に配置されるように調製され得、次いで、完全なマッチが見出される場合にのみハイブリダイゼーションを許容する条件下で標的DNAにハイブリダイズされる。例えば、Saikiら(1986)Nature 324:163;Saikiら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:6230を参照のこと。このような対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは、このオリゴヌクレオチドがハイブリダイズ膜に付着され、そして標識された標的DNAとハイブリダイズされる場合に、PCR増幅された標的DNAまたは多くの異なる変異にハイブリダイズされる。
【0348】
あるいは、選択的PCR増幅に依存する対立遺伝子特異的増幅技術は、本発明と合わせて使用され得る。特異的増幅についてのプライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドは、分子の中心において(その結果、増幅は、ディファレンシャルハイブリダイゼーションに依存する)(例えば、Gibbsら(1989)Nucl.Acids Res.17:2437〜2448を参照のこと)か、あるいは適切な条件下でミスマッチが妨げられ得るかまたはポリメラーゼ伸長を減少し得る、1つのプライマーの3’の最末端で、目的の変異を保有し得る(例えば、Prossner(1993)Tibtech 11:238を参照のこと)。さらに、切断に基づく検出を行うために、変異領域に新規な制限部位を導入することが、望ましくあり得る。例えば、Gaspariniら(1992)Mol.Cell.Probes.6:1を参照のこと。特定の実施形態において、増幅はまた、増幅用Taqリガーゼを使用して実施され得ることが予測される。例えば、Barany(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:189を参照のこと。このような場合において、連結は、5’配列の3’末端に完全なマッチが存在する場合にのみ生じ、増幅の存在または欠如を探索することによって、特定の部位における既知の変異の存在を検出することを可能にする。
【0349】
本明細書中に記載される方法は、例えば、本明細書中に記載れる少なくとも1つのプローブ核酸または抗体試薬を含む、予めパッケージングされた診断キットを利用することによって実施され得、これは、例えば、NOVX遺伝子を含む疾患または疾病の症状または家族病歴を示す患者を診断するための臨床的設定において好都合に使用され得る。
【0350】
さらに、NOVXが発現される任意の細胞型または組織(好ましくは、末梢血白血球)は、本明細書中に記載される予後アッセイにおいて利用され得る。しかし、有核細胞を含む任意の生物学的サンプル(例えば、頬粘膜細胞を含む)が、使用され得る。
【0351】
(ゲノム薬理学(Pharmacogenomics))
NOVX活性(例えば、NOVX遺伝子発現)に対する刺激性または阻害性の影響を有する因子、すなわちモジュレーターは、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイによって同定されるように、障害[この障害としては、発達障害、内分泌障害、脈管障害、感染症、食欲不振、癌、神経変性障害、肺障害、生殖障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、免疫障害、および造血障害、または細胞シグナルプロセシングおよび代謝経路の調節に関連する他の障害、および種々の癌、ならびに感染症(抗菌活性を有する)が挙げられる]を(予防的または治療的に)処置するために個体に投与され得る。このような処置と合わせて、個体のゲノム薬理学(すなわち、個体の遺伝子型と外来化合物または薬物に対するその個体の応答との間の関係についての研究)が、考慮され得る。治療剤の代謝における差異は、薬理学的に活性な薬物の用量と血中濃度との間の関係を変更することによって、重篤な毒性または治療の失敗を導き得る。従って、個体のゲノム薬理学は、個体の遺伝子型の考慮に基づく予防的または治療的処置のために有効な因子(例えば、薬物)の選択を可能にする。このようなゲノム薬理学は、さらに、適切な投薬量および治療剤レジメンを決定するために使用され得る。従って、NOVXタンパク質の活性、NOVX核酸の発現、あるいは個体におけるNOVX遺伝子の変異含量が決定されて、それによって個体の治療的または予防的処置のために適切な因子を選択し得る。
【0352】
ゲノム薬理学は、罹患した人おける変更された薬物の性質および異常な作用に起因して、薬物に応答する臨床的に有意な遺伝性変更を扱う。例えば、Eichelbaum、1996、Clin.Exp.Pharmacol.Physiol,23:983〜985;Linder、1997、Clin.Chem,43:254〜266を参照のこと。一般に、2つの型のゲノム薬理学状態が、区別され得る。薬物が身体に作用する方法を変更する1つの因子として伝達される遺伝的状態(変更された薬物作用)、または身体が薬物に作用する方法を変更する1つの因子として伝達される遺伝的状態(変更された薬物代謝)。これらのゲノム薬理学状態は、稀な欠損としてか、または多型としてのいずれかで生じ得る。例えば、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)欠損は、一般的な遺伝性酵素病であり、この主な臨床的合併症は、酸化剤薬物(抗マラリア剤、スルホンアミド、鎮痛薬、ニトロフラン)の摂取およびソラマメの摂食後の溶血である。
【0353】
例示的な実施形態として、薬物代謝酵素の活性は、薬物作用の強度および持続期間の両方の主要な決定因子である。薬物代謝酵素(例えば、N−アセチルトランスフェラーゼ2(NAT2)およびシトクロムP450酵素CYP2D6およびCYP2C19)の遺伝的多型の発見は、幾人かの患者が予期される薬物効果を得ないか、または標準的かつ安全な用量の薬物を摂取した後に過大な薬物応答および深刻な毒性を示すことに関しての説明を提供した。これらの多型は、集団において2つの表現型(高い代謝能を持つ人(extensive metabolizer)(EM)および低い代謝能を持つ人(poor metabolizer)(PM))で表現される。PMの有病率は、異なる集団の間で異なる。例えば、CYP2D6をコードする遺伝子は高度に多型であり、そしていくらかの変異がPMにおいて同定されており、この全ては機能的CYP2D6の非存在に至る。CYP2D6およびCYP2C19の低い代謝能を持つ人は、彼らが標準的な用量を受ける場合に、かなり頻繁に過大な薬物応答および副作用を経験する。代謝産物が活性な治療的部分である場合、そのCYP2D6形成代謝産物によって媒介されるコデインの鎮痛効果について実証されるように、PMは治療的応答を示さない。他の極端なものは、標準的な用量に応答しない、いわゆる超迅速な代謝能を持つ人である。最近、超迅速な代謝の基準となる分子は、CYP2D6遺伝子増幅に起因していることが同定されている。
【0354】
従って、NOVXのタンパク質の活性、NOVXの核酸の発現、あるいは個体におけるNOVXの遺伝子の変異内容を決定して、それによって、その個体の治療的または予防的処置のために適切な因子を選択し得る。さらに、ゲノム薬理学の研究を使用して、個体の薬物応答性の表現型の同定に対して薬物代謝酵素をコードする多型対立遺伝子の遺伝子型を適用し得る。この知見は、用量または薬物選択に適用される場合、有害な反応または治療の失敗を回避し得、従って、被験体をNOVXの調節因子(例えば、本明細書中に記載される例示的なスクリーニングアッセイの1つによって同定される調節因子)を用いて処置する場合に治療的または予防的効率を増強し得る。
【0355】
(臨床試験中の効果のモニタリング)
NOVXの発現または活性(例えば、異常な細胞増殖および/または分化を調節する能力)に対する因子(例えば、薬物、化合物)の影響をモニタリングすることは、基本的な薬物スクリーニングだけでなく臨床試験にも適用され得る。例えば、本明細書中に記載されるようなスクリーニングアッセイによって、NOVXの遺伝子発現、タンパク質レベルを増加するため、またはNOVX活性をアップレギュレートすることが決定される因子の効力は、減少されたNOVXの遺伝子発現、タンパク質レベル、またはダウンレギュレートしたNOVXの活性を示す被験体の臨床試験においてモニターされ得る。あるいは、スクリーニングアッセイによって、NOVXの遺伝子発現、タンパク質レベルを減少、またはNOVXの活性をダウンレギュレートすることが決定される因子の効率は、増加したNOVXの遺伝子発現、タンパク質レベル、またはアップレギュレートしたNOVXの活性を示す被験体の臨床試験においてモニターされ得る。このような臨床試験において、NOVXの発現または活性、および好ましくは、例えば、細胞増殖または免疫障害に関与する他の遺伝子が、「リードアウト(読み出し)(read out)」、すなわち、特定の細胞の免疫応答性のマーカーとして使用され得る。
【0356】
例えば、NOVXを含む遺伝子(これは、NOVX活性(例えば、本明細書中に記載されるようなスクリーニングアッセイにおいて同定される)を調節する因子(例えば、化合物、薬物または低分子)を用いる処置によって、細胞内で調節される)が同定され得るが、これらに限定されない。従って、細胞性増殖障害に対する因子の効果を研究するために、例えば、臨床試験において、細胞が単離され得、そしてRNAが調製され得、そしてNOVXおよびこの障害に関与する他の遺伝子の発現のレベルについて分析され得る。遺伝子発現のレベル(すなわち、遺伝子発現パターン)は、本明細書中に記載されるように、ノーザンブロット分析もしくはRT−PCRによるか、あるいは産生されるタンパク質の量を測定することによるか、本明細書中に記載されるような方法の1つによるか、あるいはNOVXまたは他の遺伝子の活性のレベルを測定することによって、定量され得る。この様式で、この遺伝子発現パターンは、この薬剤に対する細胞の生理学的応答の指標であるマーカーとして作用し得る。従って、この応答状態は、この因子を用いる個体の処置の前、および処置の間の種々の時点で、決定され得る。
【0357】
1つの実施形態において、本発明は、因子(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、核酸、低分子、または本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイによって同定される他の薬物候補物)を用いる、被験体の処置の効力をモニタリングするための方法を提供し、これは、以下の工程を包含する:(i)因子の投与の前に、被験体から投与前サンプルを得る工程;(ii)この投与前サンプルにおいて、NOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現のレベルを検出する工程;(iii)この被験体から1つ以上の投与後サンプルを得る工程;(iv)この投与後サンプルにおいて、NOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性のレベルを検出する工程;(v)この投与前サンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性のレベルを、この投与後サンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性のレベルと比較する工程;ならびに(vi)従って、この被験体に対する因子の投与を変更する工程。例えば、この因子の増加した投与は、検出されるよりも高いレベルにNOVXの発現または活性を増加すること(すなわち、この因子の効力を増加すること)が望ましくあり得る。あるいは、この因子の減少した投与は、検出されるよりも低いレベルにNOVXの発現または活性を減少すること(すなわち、この因子の効力を減少すること)が望ましくあり得る。
【0358】
(処置方法)
本発明は、異常なNOVXの発現または活性に関連する障害の危険性のある(または感受性である)か、またはこの障害を有する被験体を処置する予防的および治療的の両方の方法を提供する。これらの障害としては、内分泌障害、;発達障害;胃腸疾患;肺疾患;呼吸障害;脈管疾患;血液障害;自己免疫障害および免疫障害;多発性硬化症;炎症性障害およびC型肝炎;外傷;再生(インビトロおよびインビボ);ウイルス/細菌/寄生生物感染;甲状腺機能亢進;甲状腺機能低下;子宮内膜症;受胎能;新脈管形成;高血圧;発作;虚血;動脈硬化;動脈瘤;発作;および出血障害;不全リンパ球症候群;II型;遺伝性球状赤血球症;楕円赤血球症;熱変形赤血球症;溶血性貧血;ヴェルナー症候群(強皮症様の皮膚変化);若年性関節炎;グレーヴズ病;創傷治癒;X連鎖精神遅滞;および受胎能障害;精神病性および神経学的な障害;神経退化(パーキンソン病およびアルツハイマー病が挙げられるが、これらに限定されない);形成異常母斑および癌(神経膠腫;白血病;黒色腫;膵腺癌;非ホジキンリンパ腫;腎癌;肝細胞癌;および骨髄性白血病肺癌または乳癌が挙げられるがこれらに限定されない)、ならびに他の疾患、障害および状態などが挙げられる。
【0359】
これらの処置方法は、以下により詳細に記載される。
【0360】
(疾患および障害)
(その疾患または障害に罹患していない被験体と比較して)増加したレベルまたは生物学的活性によって特徴付けられる疾患および障害は、活性を拮抗する(すなわち、低減または阻害する)治療剤を用いて処置され得る。活性を拮抗する治療剤は、治療的または予防的な様式で、投与され得る。利用され得る治療剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(i)上記ペプチド、またはそのアナログ、誘導体、フラグメントもしくはホモログ;(ii)上記ペプチドに対する抗体;(iii)上記ペプチドをコードする核酸;(iv)相同組換えによって上記ペプチドの内因性機能を「ノックアウトする」ために利用される、アンチセンス核酸および「機能不全性」である(すなわち、上記ペプチドに対するコード配列のコード配列内の異種挿入に起因する)核酸の投与、(例えば、Capecchi、1989、Science 244:1288〜1292を参照のこと);または(v)上記ペプチドとその結合パートナーとの間の相互作用を変化させる、調節因子(すなわち、インヒビター、アゴニストおよびアンタゴニスト(本発明のさらなるペプチド模倣物または本発明のペプチドに対して特異的な抗体を含む))。
【0361】
(その疾患または障害に罹患していない被験体と比較して)減少したレベルまたは生物学的活性によって特徴付けられる疾患および障害は、活性を増加させる(すなわち、活性に対するアゴニストである)治療剤を用いて処置され得る。活性をアップレギュレートする治療剤は、治療的または予防的な様式で、投与され得る。利用され得る治療剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:上記ペプチド、またはそのアナログ、誘導体、フラグメントもしくはホモログ;あるいはバイオアベイラビリティーを増加させるアゴニスト。
【0362】
増加したレベルまたは減少したレベルは、ペプチドおよび/またはRNAを定量することによって、容易に検出され得る。この定量は、患者の組織サンプルを(例えば、生検組織から)入手し、そしてそのサンプルを、その発現したペプチド(または上記ペプチドのmRNA)のRNAレベルまたはペプチドレベル、構造および/または活性をインビトロでアッセイすることによる。当該分野において周知の方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:イムノアッセイ(例えば、ウェスタンブロット分析、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリルアミドゲル電気泳動が後に続く免疫沈降、免疫細胞化学などによる)および/またはmRNAの発現を検出するためのハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、ノーザンアッセイ、ドットブロット、インサイチュハイブリダイゼーションなど)。
【0363】
(予防的方法)
1つの局面において、本発明は、被験体において異常なNOVXの発現または活性と関連する疾患または状態を、NOVXの発現または少なくとも1つのNOVX活性を調節する因子をこの被験体に投与することによって予防するための方法を提供する。異常なNOVXの発現または活性によって引き起こされるかまたはこれらに起因する、疾患にかかる危険がある被験体は、例えば、本明細書中に記載の診断アッセイまたは予後アッセイのいずれか、またはそれらの組み合わせによって、同定され得る。予防薬剤の投与は、疾患または障害が予防されるか、あるいはその進行を遅らせられるように、このNOVX異常を特徴とする症状の発現の前に行い得る。このNOVX異常の型に依存して、例えば、NOVXアゴニスト薬剤またはNOVXアンタゴニスト薬剤が、その被験体を処置するために使用され得る。その適切な薬剤は、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイに基づいて決定され得る。本発明の予防方法は、以下の小節において、さらに議論される。
【0364】
(治療方法)
本発明の別の局面は、治療目的のためにNOVXの発現または活性を調節する方法に関する。本発明の調節方法は、細胞と、その細胞に関するNOVXタンパク質活性の活性のうちの1つ以上を調節する因子とを接触させる工程を包含する。NOVXタンパク質活性を調節する因子は、核酸またはタンパク質、NOVXタンパク質の天然に存在する同族リガンド、ペプチド、NOVXペプチド模倣物、または他の低分子のような、本明細書中に記載されるような因子であり得る。1つの実施形態において、この因子は、NOVXタンパク質活性のうちの1つ以上を刺激する。このような刺激因子の例としては、活性なNOVXタンパク質、およびその細胞に導入されたNOVXをコードする核酸分子が挙げられる。別の実施形態において、この因子は、NOVXタンパク質活性のうちの1つ以上を阻害する。このような阻害因子の例としては、アンチセンスNOVX核酸分子、および抗NOVX抗体が挙げられる。これらの調節方法は、インビトロで(例えば、その因子とともにその細胞を培養することによって)、あるいはインビボで(例えば、被験体にその因子を投与することによって)実施され得る。このように、本発明は、NOVXのタンパク質または核酸分子の、異常な発現または異常な活性によって特徴付けられる、疾患または障害に罹患した個体を処置する方法を提供する。1つの実施形態において、この方法は、NOVXの発現または活性を調節する(例えば、アップレギュレートまたはダウンレギュレートする)因子(例えば、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイによって同定される因子)あるいはそのような因子の組み合わせを投与する工程を包含する。別の実施形態において、この方法は、NOVXのタンパク質または核酸分子を、低減したかまたは異常な、NOVXの発現または活性を補償するための治療として、投与する工程を包含する。
【0365】
NOVX活性の刺激は、NOVXが異常にダウンレギュレートされている状況、および/またはNOVX活性の増加が有益な効果を有するようである状況において、望ましい。このような状況の1つの例は、被験体が、異常な細胞増殖および/または細胞分化によって特徴付けられる障害(例えば、癌または免疫関連障害)を有する場合である。このような状況の別の例は、被験体が妊娠性疾患(例えば、プレクランプシア(preclampsia))を有する場合である。
【0366】
(治療剤の生物学的効果の決定)
本発明の種々の実施形態において、適切なインビトロまたはインビボアッセイを行って、特定の治療剤の効果およびその投与が罹患組織の処置を示すか否かを決定する。
【0367】
種々の特定の実施形態において、インビトロアッセイが患者の障害に関与する代表的な細胞型で行われ、所定の治療剤がこの細胞型に対して所望の効果を発揮するか否かを決定し得る。治療において使用する化合物は、ヒト被験体において試験する前に、適切な動物モデル系において試験され得る。これらの動物モデル系としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ラット、マウス、ニワトリ、ウシ、サル、ウサギなど。同様に、インビボ試験については、当該分野で公知の任意の動物モデル系が、ヒト被験体に対する投与の前に使用され得る。
【0368】
(本発明の組成物の予防的用途および治療的用途)
本発明のNOVX核酸およびNOVXタンパク質は、以下を含むが、これらに限定されない種々の障害に関連する潜在的な予防的適用および治療的適用に有用である:発達障害、内分泌障害、脈管障害、感染症、食欲不振、癌、神経変性障害、肺障害、生殖障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、免疫障害および自己免疫障害、ならびに造血障害、または細胞シグナルプロセシングおよび代謝経路の調節に関連する他の障害。
【0369】
例えば、本発明のNOVXタンパク質をコードするcDNAは、遺伝子治療に有用であり得、そしてこのタンパク質は、遺伝子治療を必要とする被験体に投与される場合、有用であり得る。非制限的な例示として、本発明の組成物は、以下に罹患した患者の処置についての効力を有する:発達障害、内分泌障害、脈管障害、感染症、食欲不振、癌、神経変性障害、肺障害、生殖障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、免疫障害および自己免疫障害、ならびに造血障害、または細胞シグナルプロセシングおよび代謝経路の調節に関連する他の障害。
【0370】
本発明のNOVXタンパク質をコードする新規の核酸、およびNOVXタンパク質の両方、またはそれらのフラグメントは、診断適用にもまた有用であり得、ここで、この核酸またはタンパク質の存在または量が評価される。さらなる用途は、抗菌分子としての用途である(すなわち、いくつかのペプチドは、抗菌特性を有することが見出されている)。これらの材料は、治療的または診断的な方法における用途に関する本発明の新規の物質に免疫特異的に結合する抗体の生成においてさらに有用である。
【0371】
(実施例)
(実施例1.種々の細胞および組織中でのクローンの定量的発現分析)
種々のクローンの定量的な発現を、種々の正常なおよび病理由来の細胞、細胞株および組織に由来するRNAサンプルを含有しているマイクロタイタープレートを使用し、実時間定量PCR(RTQ PCR)を使用して評価した。RTQ PCRを、Perkin−Elmer Biosystems ABI PRISM(登録商標)7700 Sequence Detection Systemによって実施した。サンプルの種々のコレクションは、プレート上に組立てられ、そしてパネル1(正常な供給源および癌の供給源に由来する細胞および細胞株を含む)、パネル2(正常な供給源および癌の供給源に由来する(特に、外科手術のサンプルに由来する)組織由来のサンプルを含む)、パネル3(多種多様の癌の供給源に由来するサンプルを含む)、パネル4(正常細胞および炎症状態に関係する細胞由来の細胞および細胞株を含む)およびパネルCNSD.01(正常な脳および疾患の脳由来のサンプルを含む)と言及される。
【0372】
最初に、RNAサンプルを、恒常的に発現される遺伝子(例えば、β−アクチンおよびGAPDH)のような参照核酸について規格化した。規格化したRNA(5μl)を、cDNAに転換させ、そしてOne Step RT−PCR Master Mix Reagents(PE Biosystems;カタログ番号4309169)および遺伝子特異的プライマーを使用し、製造業者の説明書に従って、RTQ−PCRにより分析した。プローブおよびプライマーを、Perkin Elmer BiosystemのPrimer Express Softwareパッケージ(Apple ComputerのMachintosh Power PC用バージョンI)または入力として標的配列を使用する同様のアルゴリズムに従って、それぞれのアッセイについて設計した。デフォルト設定を、反応条件について使用し、そして以下のパラメーターを、プライマーの選択の前に設定した:プライマー濃度=250nM、プライマーの融点(T)範囲=58℃〜60℃、プライマーの最適なT=59℃、最大のプライマー較差=2℃、プローブは5’にGを有さない、プローブのTはプライマーのTよりも10℃高くなければならない、アンプリコンの大きさは75bp〜100bpである。選択したプローブおよびプライマー(下記を参照のこと)を、Synthegen(Houston,TX,USA)により合成した。プローブを、カップリングしていない色素を除去するためにHPLCによって二重に精製し、そしてプローブのそれぞれ5’末端および3’末端へのレポーター色素およびクエンチャー色素のカップリングを確認するために質量分析により評価した。それらの最終濃度は:順方向プライマーおよび逆方向プライマーは、それぞれ900nM、そしてプローブは200nMであった。
【0373】
PCR条件:各組織および各細胞株に由来する規格化したRNAを、96ウェルPCRプレート(Perkin Elmer Biosystems)の各ウェルにスポットした。2つのプローブ(標的クローンに対して特異的なプローブおよび標的プローブと多重結合する(multiplexed)別の遺伝子特異的プローブ)を含有するPCRカクテルを、PE Biosystems 7700のための1XTaqManTM PCR Master Mixを使用して、5mMのMgCl2、dNTP(1:1:1:2の割合のdA、G、C、U)、0.25U/mlのAmpliTaq GoldTM (PE Biosystems)、および0.4U/μlのRNaseインヒビター、ならびに0.25U/μlの逆転写酵素とともにセットした。逆転写を、48℃で30分間行い、続いて以下のような増幅/PCRサイクルを実施した:95℃で10分間、次いで、95℃で15秒間、60℃で1分間を40サイクル。結果を、対数目盛を使用するCT値(所定のサンプルが蛍光の閾値と交差する時点のサイクル)として、2のΔCT乗で示される所定のサンプルと最も低いCT値を有するサンプルとの間でのRNA濃度の較差とともに記録した。次いで、相対的な発現の百分率は、このRNA較差の逆数をとり、そして100を乗じることにより得られる。
【0374】
パネル1についての結果においては、以下の略号が使用される:
ca.=癌腫、
=転移により樹立された、
met=転移、
s cell var=小細胞変異株、
non−s=non−sm=小さくない
squam=扁平上皮の、
pl.eff=pl effusion=胸水、
glio=神経膠腫、
astro=神経膠星状細胞腫、および
neuro=神経芽細胞腫。
【0375】
(パネル2)
パネル2についてのプレートは、一般的に、2個のコントロールのウェルおよび94個の試験サンプルを含み、National Cancer InstituteのCooperative Human Tissue Network(CHTN)またはNational Disease Research Initiative(NDRI)との密接な共同研究に協力して働く外科医により得られたヒト組織から単離したRNAまたはcDNAを含む。組織は、ヒトの悪性腫瘍に由来し、そして示した多くの悪性腫瘍組織が「揃った境界(matched margin)」を有する場合には、腫瘍にすぐ隣接する非癌性の組織から得た。これらを、正常な隣接組織と称し、そして以下の結果には「NAT」と記載する。腫瘍組織および「揃った境界」を、2人の独立した病理学者によって評価する(外科の病理学者、そしてNDRIまたはCHTNの病理学者により再度)。この分析は、腫瘍の分化の悪性度分類の全体的な組織病理学的評価を提供する。さらに、ほとんどのサンプルは、もともとの外科的病理報告を含み、患者の臨床段階に関する情報を提供する。これらの揃った境界を、周辺組織(すなわち、すぐ隣接する)から外科手術領域まで採取する(表RRにおいて正常な隣接組織に対して「NAT」と明示する)。さらに、RNAおよびcDNAサンプルを、高齢者または突然死の被害者(事故など)について実施した死体解剖に由来する種々のヒト組織から得た。これらの組織が疾患を有さないことを確認し、そしてClontech(Palo Alto,CA)、Research Genetics、およびInvitrogenのような種々の商業的な供給源から購入した。
【0376】
全てのサンプルに由来するRNAの完全性を、指針として28SリボソームRNAおよび18SリボソームRNAの染色強度比(2:1〜2.5:1の28s:18s)、および分解産物の指標である低分子量のRNAが存在しないことを利用して、アガロースゲル電気泳動図の視覚的な評価により質について管理した。サンプルを、単一のエキソンの範囲全体を増幅するように設計したプローブおよびプライマーのセットを使用して、逆転写酵素の非存在下でのRTQ PCR反応の実行によるゲノムDNAの混入に対して、管理した。
【0377】
(パネル3D)
パネル3Dのプレートは、94個のcDNAサンプルおよび2個のコントロールサンプルを含む。詳細には、これらのうちの92個は培養されたヒトの癌細胞株に由来し、2個のサンプルはヒトの初期の小脳組織であり、そして2個はコントロールである。ヒトの細胞株は、一般的に、ATCC(American Type Culture Collection)、NCIまたはGerman腫瘍細胞バンクから入手し、そして以下の組織グループに分類される:舌の扁平上皮細胞癌細胞株、乳癌細胞株、前立腺癌細胞株、黒色腫細胞株、類表皮腫細胞株、肉腫細胞株、膀胱癌細胞株、膵臓癌細胞株、腎臓癌細胞株、白血病/リンパ腫の細胞株、卵巣/子宮/子宮頚癌の細胞株、胃癌細胞株、結腸癌細胞株、肺癌細胞株およびCNS癌細胞株。さらに、2つの独立した小脳の異なるサンプルが存在する。これらの細胞を、全て、標準的な推奨される条件下で培養し、そして標準的な手順を使用してRNAを抽出する。パネル3Dおよびパネル1.3D内の細胞株は、科学文献において使用される最も一般的な細胞株である。
【0378】
全てのサンプルに由来するRNAの完全性を、指針として28SリボソームRNAおよび18SリボソームRNAの染色強度比(2:1〜2.5:1の28s:18s)、および分解産物の指標である低分子量のRNAが存在しないことを利用して、アガロースゲル電気泳動図の視覚的な評価により質について管理した。サンプルを、単一のエキソンの範囲全体を増幅するように設計したプローブおよびプライマーのセットを使用して、逆転写酵素の非存在下でのRTQ PCR反応の実行によるゲノムDNAの混入に対して、管理した。
【0379】
(パネル4)
パネル4は、96ウェルプレート(2個のコントロールのウェル、94個の試験サンプル)上にサンプルを含み、炎症状態に関係する種々のヒトの細胞株または組織から単離したRNA(パネル4r)またはcDNA(パネル4d)を含む。結腸および肺(Stratagene,La Jolla,CA)ならびに胸腺および腎臓(Clontech)のようなコントロールの正常組織に由来する全RNAを使用した。肝硬変患者の肝臓組織および狼瘡患者の腎臓に由来する全RNAを、BioChain(Biochain Institute,Inc.,Hayward,CA)から入手した。クローン病および潰瘍性大腸炎を有すると診断された患者からのRNAの調製のための腸組織を、National Disease Research Interchange(NDRI)(Philadelphia,PA)から入手した。
【0380】
星状細胞、肺繊維芽細胞、皮膚繊維芽細胞、冠状動脈平滑筋細胞、小気道上皮細胞、気管支上皮細胞、微小血管皮膚内皮細胞、微小血管肺内皮細胞、ヒト肺大動脈血管内皮細胞、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞を、全て、Clonetics(Walkersville,MD)から購入し、そしてCloneticsによってこれらの細胞型について提供される培地中で増殖させた。これらの初代細胞型を、示すように、種々のサイトカインまたはサイトカインの組合せを用いて6時間および/または12〜14時間の間、活性化した。以下のサイトカインを使用した;約1〜5ng/mlのIL−1β、約5〜10ng/mlのTNFα、約20〜50ng/mlのIFNγ、約5〜10ng/mlのIL−4、約5〜10ng/mlのIL−9、約5〜10ng/mlのIL−13。内皮細胞を、時折、0.1%の血清を含むCloneticsによる基本培地中での培養によって種々の時間餓死させた。
【0381】
単核細胞を、Ficollを使用して、CuraGen Corporationの従業員の血液から調製した。LAK細胞を、DMEM 5%のFCS(Hyclone)、100μMの可欠アミノ酸(Gibco/Life Technologies,Rockville,MD)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、および10mMのHepes(Gibco)およびインターロイキン2中での4〜6日間の培養によってこれらの細胞から調製した。次いで、細胞を、10〜20ng/mlのPMAおよび1〜2μg/mlのイオノマイシン、5〜10ng/mlのIL−12、20〜50ng/mlのIFNγおよび5〜10ng/mlのIL−18のいずれかで、6時間活性化した。いくつかの場合には、単核細胞を、約5μg/mlのPHA(フィトヘマグルチニン)またはPWN(アメリカヤマゴボウマイトジェン)を含有する、DMEM 5%のFCS(Hyclone)、100μMの可欠アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、および10mMのHepes(Gibco)中で、4〜5日間培養した。RNAの調製のための、サンプルを24、48、および72時間で採取した。MLR(混合リンパ球反応)サンプルを、2人のドナーからの採血、Ficollを使用する単核細胞の単離、および単離した単核細胞の、DMEM 5%のFCS(Hyclone)、100μMの可欠アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール(5.5×10−5M)(Gibco)、および10mMのHepes(Gibco)中の約2×10個の細胞/mlの最終濃度での1:1での混合によって得た。このMLRを培養し、そしてRNAの調製のために1〜7日までの範囲の種々の時点でサンプルを採取した。
【0382】
単球を、製造業者の説明書に従って、CD14 Miltenyi Beads、+ve VS選択カラムおよびVario Magnetを使用して単核細胞から単離した。単球を、DMEM 5%のウシ胎児血清(FCS)(Hyclone,Logan,UT)、100μMの可欠アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、および10mMのHepes(Gibco)、50ng/mlのGMCSFおよび5ng/mlのIL−4中での5〜7日間の培養によって樹状細胞に分化させた。マクロファージを、DMEM 5%のFCS(Hyclone)、100μMの可欠アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、10mMのHepes(Gibco)および10%のABヒト血清または約50ng/mlのMCSF中で5〜7日間の単球の培養によって調製した。単球、マクロファージおよび樹状細胞を、100ng/mlのリポ多糖類(LPS)を用いて6時間および12〜14時間刺激した。樹状細胞をまた、10μg/mlの抗CD40モノクローナル抗体(Pharmingen)で6時間および12〜14時間刺激した。
【0383】
CD4リンパ球、CD8リンパ球、およびNK細胞をまた、CD4、CD8、およびCD56のMiltenyiビーズ、ポジティブVS選択カラム、およびVario Magnetを、製造業者の指示に従って用いて、単核細胞から単離した。CD8、CD56、CD14、およびCD19のMiltenyiビーズおよびポジティブ選択を用いて、CD8、CD56、CD14、およびCD19細胞の単核細胞を枯渇することによって、CD45RAおよびCD45ROのCD4のリンパ球を単離した。次いで、CD45ROビーズを用いて、CD45RA CD4リンパ球である細胞を残したままで、CD45RO CD4リンパ球を単離した。CD45RA CD4、CD45RO CD4、およびCD8のリンパ球をDMEM 5% FCS(Hyclone)、100μMの非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5×10−5M(Gibco)、および10mM Hepes(Gibco)に入れ、そしてFalcon6ウェル組織培養プレート上に10細胞/mlでプレートし、これをPBS中の0.5μg/ml抗CD28(Pharmingen)および3μg/ml抗CD3(OKT3、ATCC)を用いて一晩コーティングした。RNA調製のために、6時間後、および24時間後に、この細胞を収集した。慢性的に活性化されたCD8リンパ球を調製するために、本発明者らは、抗CD28コーティングしたプレートおよび抗CD3コーティングしたプレート上で4日間、単離したCD8リンパ球を活性化し、次いでこの細胞を回収して、それをDMEM 5% FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5×10−5M(Gibco)、ならびに10mM Hepes(Gibco)およびIL−2中で増殖させた。次いで増殖したCD8細胞を、4日間抗CD3および抗CD28結合したプレートで再度活性化し、前のように増殖させた。第二の活性化から6時間後および24時間後、ならびに4日間の第二の増殖培養後、RNAを単離した。単離したNK細胞を、RNAの調製の前に、DMEM 5% FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5×10−5M(Gibco)、ならびに10mM Hepes(Gibco)、およびIL−2中で4〜6日間培養した。
【0384】
B細胞を得るために、NDRIから扁桃を入手した。扁桃を無菌解剖鋏によって切り出し、次に篩いに通過させた。次いで、扁桃細胞をスピンダウンして、DMEM 5% FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5×10−5M(Gibco)、および10mM Hepes(Gibco)中に10細胞/mlで再懸濁した。細胞を活性化するために、本発明者らは、PWM(5μg/ml)、または抗CD40(Pharmingen)(約10μg/ml)およびIL−4(5〜10ng/ml)を用いた。RNA調製のために、24時間、48時間、および72時間で細胞を収集した。
【0385】
一次および二次のTh1/Th2およびTr1細胞を調製するため、10μg/ml抗CD28(Pharmingen)、および2μg/ml OKT3(ATCC)を用いて、6ウェルFalconプレートを一晩コーティングし、次いでPBSで2回洗浄した。臍帯血CD4リンパ球(Poietic Systems,German Town,MD)を、DMEM 5% FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5×10−5M(Gibco)、および10mM Hepes(Gibco)、およびIL−2(4ng/ml)中で、10〜10細胞/mlで培養した。Th1を指向するために、IL−12(5ng/ml)および抗IL4(1μg/ml)を用い、一方、Th2を指向するためにIL−4(5ng/ml)および抗IFNγ(1μg/ml)を用い、そしてTr1を指向するためにIL−10を5ng/mlで用いた。4〜5日後、活性化したTh1、Th2およびTr1のリンパ球を、DMEM中で1回洗浄し、そしてDMEM 5% FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5×10−5M(Gibco)、10mM Hepes(Gibco)およびIL−2(1ng/ml)中で4〜7日間増殖させた。この後、活性化したTh1、Th2、およびTr1リンパ球を、上記のように、ただし、アポトーシスを防ぐために抗CD95L(1μg/ml)を添加して、抗CD28/OKT3およびサイトカインで5日間、再刺激した。4〜5日後、Th1、Th2、およびTr1リンパ球を洗浄し、次いでIL−2で、再度4〜7日間増殖させた。活性化したTh1およびTh2のリンパ球を、最大3回のサイクルまでこの方式で維持した。抗CD3および抗CD28 mAbを結合したプレートでの第二および第三の活性化から6時間後および24時間後、ならびにインターロイキン2における第二および第三の増殖の4日後に、一次および二次のTh1、Th2、およびTr1からRNAを調製した。
【0386】
以下の白血球細胞株を、ATCCから得た:Ramos、EOL−1、KU−812。EOL細胞を、0.1mM dbcAMP中での8日間にわたる5×10細胞/mlでの培養、3日ごとの培地の交換、および細胞濃度を5×10細胞/mlに調整することによってさらに分化させた。これらの細胞の培養のために、本発明者らは、DMEMまたはRPMIを(ATCCによって推奨されるように)、5%FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5×10−5M(Gibco)、10mM Hepes(Gibco)の添加を伴って、用いた。休止している細胞、または6時間および14時間、PMA(10ng/ml)およびイオノマイシン(1μg/ml)で活性化した細胞のいずれかから、RNAを調製した。ケラチノサイト株CCD106、および気道上皮腫瘍株NCI−H292をまた、ATCCから得た。この両方をDMEM 5% FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5×10−5M(Gibco)、ならびに10mM Hepes(Gibco)中で培養した。約5ng/ml TNFαおよび1ng/ml IL−1βを用いて6時間および14時間、CCD1106細胞を活性化し、一方、NCI−H292細胞を、以下のサイトカインを用いて6時間および14時間活性化した:5ng/ml IL−4、5ng/ml IL−9、5ng/ml IL−13、および25ng/ml IFNγ。
【0387】
これらの細胞株および血球について、Trizol(Gibco BRL)を用いて約10細胞/mlを溶解することによってRNAを調製した。簡単に言うと、1/10容量のブロモクロロプロパン(Molecular Research Corporation)をRNAサンプルに添加し、ボルテックスし、そして室温で10分後に、このチューブをSorvall SS34ローター中で14,000rpmでスピンした。水相を取り出し、そして15ml Falconチューブに入れた。等容量のイソプロパノールを添加し、そして−20℃に一晩放置した。沈殿したRNAを、15分間Sorvall SS34ローター中で9,000rpmでスピンダウンし、そして70%エタノール中で洗浄した。このペレットを300μlのRNAseを含有しない水に再溶解し、そして35μlの緩衝液(Promega)、5μl DTT、7μl RNAsinおよび8μl DNAseを添加した。このチューブを37℃で30分間インキュベートし、混入しているゲノムDNAを除去し、フェノールクロロホルムで1回抽出し、そして1/10容量の3M酢酸ナトリウム、および2容量の100%エタノールで再沈殿させた。このRNAをスピンダウンし、そしてRNAseを含有しない水に入れた。RNAを−80℃で保存した。
【0388】
(パネル CNSD.01)
パネルCNSD.01のプレートは、2つのコントロールウェルおよびHarvard Brain Tissue Resource Centerから入手した死後のヒト脳組織から単離したcDNAからなる94の試験サンプルを含む。脳を、死後4時間〜24時間の間にドナーの頭蓋冠から取り出し、神経解剖学者によって切片化し、そして液体窒素蒸気中で−80℃で凍結させた。全ての脳を神経病理学者によって切片化して試験し、明確に関連した神経病理学によって診断を確認した。
【0389】
疾患診断を患者記録から得る。このパネルは、以下の各々の診断由来の2つの脳を含む:アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンティングトン舞踏病、進行性核上麻痺(Progressive Supernuclear Palsy)、抑うつ、および「正常なコントロール(Normal control)」。これらの脳の各々において、以下の領域が示される:帯状回、側頭極、淡蒼球、黒質、ブロードマン野(Brodman Area)4(一次運動線条(primary motor strip))、ブロードマン野(Brodman Area)7(頭頂葉皮質)、ブロードマン野(Brodman Area)9(前前頭皮質)、およびブロードマン野(Brodman Area)17(後頭皮質)。全ての場合に全ての脳領域を示すわけではない;例えば、ハンティングトン舞踏病は、淡蒼球における神経変性によって部分的に特徴付けられる。従って、この領域は、確認されたハンティングトン舞踏病の症例から入手することが不可能である。同様にパーキンソン病は、黒質の変性によって特徴付けられ、このことがこの領域を入手することをさらに困難にする。正常なコントロールの脳を神経病理学について試験し、そして神経変性と合致するいかなる病理もないことを見出した。
【0390】
ガイドとして28Sと18SとのリボソームRNA染色強度の比(2:1〜2.5:1 28s:18s)、および分解産物の指標となる低分子量RNAの非存在を用いた、アガロースゲル電気泳動図の視覚的評価によって、全てのサンプルからのRNAの完全性を品質について管理する。単一のエキソンのスパンにわたって増幅するように設計したプローブおよびプライマーのセットを用い、逆転写酵素の非存在下において実行したRTQ PCR反応によって、ゲノムDNAの混入に対してサンプルを管理する。
【0391】
CNSパネルにおいて組織を同定するために使用した表示においては、以下の略号を用いる:
PSP=進行性核上麻痺
Sub Nigra=黒質(Substantia nigra)
Glob Palladus=淡蒼球(Globus palladus)
Temp Pole=側頭極(Temporal pole)
Cing Gyr=帯状回(Cingulate gyrus)
BA 4=ブロードマン野(Brodman Area)4。
【0392】
(NOV1(NOV1a〜c))
NOV1aの遺伝子(およびその改変体)の発現を、表11に記載されるプライマー−プローブセットAg2445を用いて評価した。RTQ−PCR実行の結果を表12および13に示す。
【0393】
【表11】
Figure 2004529607
【0394】
【表12】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
【0395】
【表13】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
(パネル1.3Dの要約)
(Ag2445) 同じプローブ/プライマーセットを用いた2つの複製実験由来の結果は、組織分布ではなく発現レベルで微小な相違はあったものの優れた一致をみた。NOV1a遺伝子の有意な発現は、肺、気管、および胎盤に制限されている。それゆえ、NOV1a核酸はこれらの組織についてのマーカーとして利用され得る。
【0396】
(パネル2Dの要約)
(Ag2445) 同じプローブ/プライマーセットを用いた3つの複製実験からの結果は、適度に一致する。NOV1a遺伝子発現は、正常な肺組織において最も高い(CT値=31.2)。この結果は、パネル1.3Dにみられるものと一致している。さらに、肝臓癌および正常の前立腺組織に由来するサンプルにおいて、この遺伝子の有意ではあるが低い発現が存在する。注目すべきは、正常肺と肺癌サンプルとの間の一致したNOV1の遺伝子発現の調節不全であり、癌性組織と比較した場合、5サンプルのうち5サンプルで、正常に適合した肺組織内において顕著な発現を示す。このように、この遺伝子の発現は、正常な肺組織と疾患(癌)肺組織を識別するために用いられ得る。さらに、NOV1a遺伝子産物の活性の治療的な調節は、肺癌の処置において有用である。
【0397】
(パネル4Dの要約)
(Ag2445) NOV1a遺伝子の発現は、このパネル上のサンプルにおいて低/検出不能(CT値>35)である(データは示していない)。
【0398】
(パネルCNSD.01の要約)
(Ag2445) NOV1a遺伝子の発現は、このパネル上のサンプルにおいて低/検出不能(CT値>35)である(データは示していない)。
【0399】
(NOV2(NOV2a〜c))
NOV2a遺伝子、およびその改変体の発現を、表14および表15に記載されるプライマー−プローブセットAg3334およびAg4403を用いて評価した。Ag4403は、NOV2aおよびNOV2C配列に関連した逆方向(rev)プライマーの5’末端中に、一塩基挿入を含み、RTQ−PCRの結果を変えないことが予想される。RTQ−PCR実行の結果を表16に示す。
【0400】
【表14】
Figure 2004529607
【0401】
【表15】
Figure 2004529607
【0402】
【表16】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
(パネル2.2の要約:)
(Ag3334) NOV2a遺伝子の発現は、このパネル上のすべてのサンプルにわたって低い/検出不可能(CT値>35)である(データ示さず)。
【0403】
(パネル4Dの要約:)
(Ag3334) NOV2a遺伝子の発現は、このパネル上のすべてのサンプルにわたって低い/検出不可能(CT値>35)である(データ示さず)。
【0404】
(パネル4.1Dの要約:)
(Ag4403) NOV2a遺伝子の有意な発現は、腎臓(CT=30.8)に制限されている。従って、NOV2a核酸は、他の組織から腎臓を区別するマーカーとして用いられ得る。NOV2a遺伝子は、推定亜鉛輸送体をコードしている。このファミリーのメンバーは、カドミウム、亜鉛、およびコバルトのような二価の金属イオンに対する許容度を増加させることが見出された内在性膜タンパク質である。これらのタンパク質は細胞[IPR002524]からこれらのイオンを取り除く流出ポンプであると考えられる。したがって、NOV2a遺伝子によってコードされるタンパク質は、通常の陽イオンの恒常性に含まれ得、狼瘡のような腎臓の疾患を調節できない。
【0405】
(パネル CNS_神経変性_v1.0(CNS_neurodegeneration_v1.0)の要約:)
(Ag3334) NOV2a遺伝子の発現は、このパネル上のすべてのサンプルにわたって低い/検出不可能(CT値>35)である(データ示さず)。
【0406】
(NOV3)
遺伝子NOV3a(およびその改変体)の発現は、表17、18、および19で記載されたAg1508,Ag2284、およびAg2454のプライマー−プローブセットを使用して評価された。その改変体CG55861−02は、プライマーープローブセットAg1508によってのみ認識される。RTQ−PCRを実行した結果を表20、21、22、23、および24に示す。
【0407】
【表17】
Figure 2004529607
【0408】
【表18】
Figure 2004529607
【0409】
【表19】
Figure 2004529607
【0410】
【表20】
Figure 2004529607
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【0411】
【表21】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
【0412】
【表22】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
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【0413】
【表23】
Figure 2004529607
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【0414】
【表24】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
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(パネル1.2の要約:)
(Ag1508) NOV3A遺伝子の発現は、骨格筋由来のサンプルで最も高い(CT=19.5)。したがって、この遺伝子は、他の組織から骨格筋を区別するのに使用され得る。NOV3aの発現はまた、腎臓で高い(CT=23)。
NOV3a遺伝子の産物は、ミツグミン(mitsugumin)29に高い相同性がある。骨格筋および腎臓でのNOV3a遺伝子の発現は、ミツグミン29遺伝子(参考文献1)で観察されたことと一致している。興味深いことに、ミツグミン29欠損マウスは、わずかに体重が減少し、そして異常な骨格筋をもつようである(参考文献2)。したがって、NOV3a遺伝子の産物は、肥満および/または筋ジストロフィーを含む骨格筋疾患、レッシュ−ナイハン症候群、および重症筋無力症の処置における小分子の薬剤標的として役に立ち得る。NOV3a遺伝子はまた、心臓、副腎、膵臓、甲状腺、下垂体、および肝臓(29〜32でのCT値)を含む代謝的に関連した他の組織でさらに中程度に発現される。
【0415】
NOV3a遺伝子は、少なくとも視床、海馬、小脳、扁桃体において、脳で中程度に発現され、そして大脳皮質で高度に発現され、このことは、この遺伝子産物がCNSで機能的な有意性をもつことを示す。NOV3a遺伝子の産物は、シナプトフィジンファミリーの一員であるミツグミンと高い相同性がある。ミツグミンは、シナプス小胞および三つ組結合部を含む細胞内膜上で発現され、脱分極によって誘導される、細胞内のカルシウム放出を媒介する。研究は、大脳皮質での異常なニューロンのシグナル伝達に関与することが知られている精神分裂病が、シナプスの遺伝子(特に、シナプス前の遺伝子)の異常な発現を包含することを示している(参考文献3〜4)。シナプス小胞の可動化および脱分極に対するカルシウム反応は、潜在的にNOV3a遺伝子が関与するシナプス前後のシグナル伝達の事象である。したがって、NOV3a遺伝子産物およびその機能を調節する薬剤は、精神分裂症のようなCNSの疾患の処置に役に立ち得る。シナプスの機能はまた、癲癇、脳卒中、アルツハイマー病のような他の疾患、および他の神経変性の疾患で損なわれる。したがって、NOV3a遺伝子の産物およびその機能を調節する薬剤は、同様に、これらのCNSの処置に役に立ち得る。
【0416】
(パネル1.3Dの要約:)
(Ag2284/Ag2454) ふたつの異なったプローブ/プライマーのセットを使用する実験の結果は、合理的に一致する。これらの結果はまた、パネル1.2で観察されたことと一致している。Ag2284 NOV3a遺伝子は、胎児の骨格筋(CT=26.3)および成人の骨格筋(CT=26.4)で最も高く発現される。非常に低いが有意な発現はまた、脂肪、精巣、子宮、卵巣、腎臓、心臓、甲状腺および副腎(CT=31〜33)で検出される。Ag2454この実験でのNOV3a遺伝子の発現は、胎児の骨格筋について最も高く、そしてほとんど独占的である(CT=29.5)。しかし、有意な発現はまた、成人の骨格筋でみられる(CT=33.4)。したがって、NOV3a遺伝子の発現は、他の組織から骨格筋を区別するのに使用され得る。さらに、代償療法を介するこの遺伝子または遺伝子産物の治療モジュレーションは、筋肉疾患の再生治療として使用でき得る。
【0417】
(パネル2Dの要約:)
(Ag1508/Ag2454) ふたつの異なるプローブ/プライマーのセットを使用する実験の結果は、合理的に一致する。パネル2でのNOV3a遺伝子の発現は、転移性の癌に隣接した筋肉組織のサンプルで最も高い。さらに、悪性の腎臓と比較した場合に、正常な腎臓組織では中程度の発現がある(CT30〜31)。したがって、この遺伝子の発現は、悪性の腎臓組織から正常な腎臓組織を区別するのに使用され得る。さらに、NOV3a遺伝子産物の治療モジュレーションは、腎臓癌の処置に有用となる。
【0418】
(パネル4Dの要約:)
(Ag2454) このパネルでのNOV3a遺伝子の有意な発現は、胸腺に限られている(CT=33)。そのNOV3a遺伝子は、シナプトフィジンファミリーの一員であるミツグミンに相同性のあるタンパク質をコードする。シナプトフィジリンはまた、胸腺で発現され、そして分泌活性およびおそらく特定の小胞体系に関与すると考えられる(参考文献5)。したがって、NOV3A遺伝子産物に対して設計された治療薬物は、胸腺の機能を調節するのに重要であり得る。胸腺の機能を調節することは、次に、T細胞の発達および免疫機能を調節し得る。
【0419】
(パネル4.1Dの要約:)Ag2284 このパネルでの有意な発現は、腎臓に限られている。この知見は、他のパネルで観察されたものと一致している。さらに、相同性のあるミツグミン29遺伝子はまた、腎臓で発現され、そして分泌活性およびおそらく特定の小胞体系に関与すると考えられる(参考文献1)。したがって、NOV3a遺伝子産物に対して設計された治療薬物は、腎臓の機能を調節するのに重要であり得る。
【0420】
(NOV4)
NOV4遺伝子の発現は、表25、26、および27で記載されたGpcr38、Ag998、およびGpcr10のプライマー−プローブのセットを使用して評価された。RTQ−PCRを実行した結果を、表28、29、30、31、32、33、および34に示す。
【0421】
【表25】
Figure 2004529607
【0422】
【表26】
Figure 2004529607
【0423】
【表27】
Figure 2004529607
【0424】
【表28】
Figure 2004529607
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【0425】
【表29】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
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【0426】
【表30】
Figure 2004529607
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【0427】
【表31】
Figure 2004529607
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【0428】
【表32】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
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【0429】
【表33】
Figure 2004529607
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【0430】
【表34】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
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(パネル1の要約:)
(Gpcr10)NOV4遺伝子は、中枢神経系に由来するサンプルにおいて比較的高度に発現される。これらの組織の中では、視床、海馬、扁桃体および黒質において穏和な発現が検出されるが、脊髄、視床下部および小脳においてより低い発現が見られる(潜在的な有用性に対するパネル1.3Dの考察を参照のこと)。正常な組織の中では、結腸、腎臓、甲状腺、精巣および子宮において、NOV4遺伝子発現はまた検出される。
【0431】
NOV4遺伝子は、肺癌細胞株に由来するサンプルにおいてもっとも高度に発現され、そして肺癌細胞株に由来する他のサンプルにおいて有意な発現を示す。さらに、CNS癌由来細胞株、卵巣癌細胞株、および膵臓癌細胞株において、この遺伝子の有意な発現があることは明白である。従って、NOV4遺伝子産物の活性の治療的な調節は、この遺伝子発現のパターンに基づいて、CNS悪性腫瘍(malignancies)、肺癌、膵臓癌および/または卵巣癌の処置において有用である。
【0432】
(パネル1.1の要約:)
(Gpcr10/Gpcr38)異なるプローブ/プライマーセットを用いて行われた3つの複製実験は、よく一致する結果を与えた。NOV4遺伝子の強い発現は、扁桃体、小脳、海馬、黒質、視床および大脳皮質を含むCNSにおいて再び観察される。脊髄においては、より低い発現レベルがまた見られる。この遺伝子はSlit−3に対する相同性を示し、そして脳優先的な発現を示す。これらのスリット(Slit)は、それらの細胞周辺レセプターとの相互作用を介するニューロン移動および軸索成長に抵抗し得る分泌ガイダンスタンパク質のファミリーであり、このファミリーを、通常、軸索、樹状突起および/または成長錐体(growth cone)のための優れた候補ニューロンガイダンスタンパク質とする(参考文献2〜3)。このタンパク質のレベルの治療的な調節、またはこのタンパク質を介しての可能なシグナル伝達は、ニューロンの死(脳卒中、頭部外傷)、軸索損傷(脊髄損傷)、あるいは神経変性(アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンティングトン病、血管性痴呆症または任意の神経変性疾患)に対する、CNSにおける代償的なシナプス形成および繊維成長の増強/指向において有用であり得る。
【0433】
代謝関連組織の中では、胎児骨格筋、膵臓、および脳下垂体において、NOV4遺伝子の発現が見られる。この観察は、治療的な調節が代謝性疾患(例えば、肥満、および、糖尿病ならびに神経内分泌性疾患)の処置を助け得ることを示唆する。糖タンパク質ホルモンは、特定の高親和性レセプターに結合することによって、卵巣、精巣および甲状腺の、発達および機能に影響する。興味深いことに、これらのレセプターの細胞外ドメインは、ロイシンリッチリピート(LRR)タンパク質スーパーファミリーのメンバーであり、そして高親和性結合(参考文献1)の原因である。
【0434】
パネル1において観察されたことと同様に、NOV4遺伝子は、肺癌細胞株由来のサンプルにおいて最も高度な発現を示し、そしてまた正常な肺制御に関する肺癌細胞株に由来する他のサンプルにおいて有意な過剰発現を示す。さらに、NOV4遺伝子は、脳腫瘍由来細胞株によっても高度に発現され、脳腫瘍の発症および成長において可能な役割を示す。メラノーマ細胞株、ならびに、子宮組織および精巣組織において、NOV4遺伝子の有意な発現があることは明白である。従って、NOV4遺伝子産物の活性の治療的な調節は、この遺伝子発現のパターンに基づいて、CNS悪性腫瘍、メラノーマおよび/または肺癌の処置において有用である。
【0435】
(パネル1.2の要約:)
(Gpcr10)NOV4遺伝子の発現は、このパネルの全てのサンプルにおいて、低い/検出不可能(CT値>35)である(データを示さず)。
【0436】
(パネル1.3Dの要約:)
(Gpcr10/Ag998)異なるプローブ/プライマーセットを用いて行われた2つの複製実験の結果であり、これらの結果は優れた一致を示す。NOV4遺伝子は、大脳皮質において最も高度に発現され(CT=30)、そして、扁桃体、海馬、および視床を含む、他のCNS領域においても同様に穏和な発現を示す。このNOV4遺伝子は、ロイシンリッチリピートタンパク質をコードする。ロイシンリッチリピート(LRR)は、可逆的なタンパク質−タンパク質相互作用を媒介し、そして細胞付着およびシグナル伝達を含む多様な細胞機能を有する。これらのタンパク質のいくつか(例えば、コネクチン(connectin)、スリット、カオプチン(chaoptin)、およびトル(Toll))は、Drosophilaにおけるニューロン発達において中心的な役割を有し、そして、ニューロン発達において、およびヒトの成体の神経系において、有意ではあるが異なる役割を果し得る(参考文献2)。Drosophiliaにおいて、軸索ガイダンスタンパク質のLRR領域は、それらの(特に軸索反発における)機能にとって重要であることが示されている。NOV4遺伝子によってコードされるロイシンリッチリピートタンパク質は、大脳皮質において高度な発現を示すので、一般的に、軸索、樹状突起および/または成長錐体についての優れた候補ニューロンガイダンスタンパク質である。従って、このタンパク質のレベルの治療的な調節、またはこのタンパク質を介する可能なシグナル伝達は、ニューロンの死(脳卒中、頭部外傷)、軸索損傷(脊髄損傷)、または神経変性(アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンティングトン病、血管性痴呆症または任意の神経変性疾患)に対する、CNSにおける代償的なシナプス形成および繊維成長の増強/指向において有用であり得る。
【0437】
正常な組織の中では、甲状腺(CT=34)、胎児骨格筋(CT=33)、子宮(CT=32)および精巣(CT=33)においてもまた、NOV4遺伝子の発現が見られる。さらに、CNS癌由来細胞株および肺癌細胞株における発現の、強いクラスターが存在する。従って、NOV4遺伝子産物の活性の治療的な調節は、この遺伝子発現のパターンに基づいて、CNS悪性腫瘍または肺癌の処置において有用である。
【0438】
(パネル2Dの要約:)
(Gpcr10/Ag998)異なるプローブ/プライマーセットを用いて行われた2つの複製実験の結果であり、これらの結果は優れた一致を示す。NOV4遺伝子は、メラノーマ転移(CT=30.9)由来のサンプルにおいて、もっとも高度に発現される。さらに、この遺伝子は、関連する癌組織と比較した場合、正常な腎臓および甲状腺において、より高度に発現されることが明白である。対照的に、NOV4遺伝子は、正常な近接の組織と比較した場合、肺癌組織においてより高度に発現される。従って、このタンパク質産物自体の利用を介するか、または、遺伝子置換療法による、この遺伝子の活性の治療的な上方制御は、腎臓癌および甲状腺癌の処置において有用である。あるいは、抑制抗体または低分子薬剤の使用を介する、NOV4遺伝子産物の活性の下方制御は、メラノーマまたは肺癌の処置において有用である。
【0439】
(パネル3Dの要約:)
(Gpcr10/Ag998)異なるプローブ/プライマーセットを用いて行われた2つの複製実験の結果であり、これらの結果は優れた一致を示す。このパネルにおける、NOV4遺伝子のもっとも高度な発現は、小細胞肺癌(CT=29.1)に由来する細胞株において検出される。さらに、この遺伝子活性の抑制が肺癌の治療法において有用であることを示す、肺癌細胞株のクラスターにおける発現がある。この結果は、パネル1.3Dおよびパネル2Dにおいて観察されたものと一致する。
【0440】
(パネル4Dの要約:)
(Gpcr10/Ag998)異なるプローブ/プライマーセットを用いて行われた2つの複製実験の結果であり、これらの結果は優れた一致を示す。NOV4転写は、PMAおよびイオノマイシン処理された好塩基球細胞株KU−812において誘導される。好塩基球はヒスタミン、および、アレルゲンに依存する(repose)他の生物学的修飾因子を放出し、そして、喘息および超過敏反応の病理において重要な役割を果す。従って、NOV4遺伝子によってコードされる推定ロイシンリッチリピートタンパク質に対して治療的に設計された抗体は、これらの疾患における好塩基球機能をブロックすることによって、炎症を低下または阻害し得る。
【0441】
(パネルCNSD.01の要約:)
(Gpcr10)NOV4遺伝子は、皮質全体にわたって最も高度な発現を示し、黒質および淡蒼球においてはより低いレベルである。この結果は、パネル1、1.1、および1.3Dで観察されたものと一致する。さらに、このパネルに存在する、NOV4遺伝子発現パターンと罹患サンプルとの間には、明白な関連はない。
【0442】
(NOV5)
遺伝子NOV5の発現を、プライマー−プローブセットAg1439を用いて評価し、表35に記載した。RTQ−PCR実験の結果を、表36、表37、および表38に示す。
【0443】
【表35】
Figure 2004529607
【0444】
【表36】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
【0445】
【表37】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
【0446】
【表38】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
(パネル1.2の要約:)
(Ag1439)NOV5遺伝子の発現は、骨格筋(CT=24.2)においてもっとも高度である。しかし、この遺伝子の発現は非常に広範である。興味深いことに、NOV5遺伝子発現は、正常な組織と比較して、癌細胞において優先的に見られ、そして特に卵巣癌細胞株および肺癌細胞株において、極めて高度な遺伝子発現が検出される。正常な培養細胞株は高度に増殖性であるので、この観察は、NOV5遺伝子の発現が、休止細胞または静止(quiescent)細胞から増殖性細胞を区別するために用いられることを示し得る。さらに、この遺伝子産物の活性の治療的な調節は、卵巣癌および肺癌の処置において有用である。
【0447】
CNS組織の中で、大脳皮質(CT=26.3)および海馬(CT=26.8)において、この遺伝子の高度な発現が検出される。扁桃体、小脳、視床および脊髄において、より穏和な発現がまた検出される。Drosophiliaにおいて、軸索ガイダンスタンパク質のLRR領域は、(特に軸索反発における)機能にとって重要であることが示されている。NOV5遺伝子は、予想されるロイシンリッチリピートを有するタンパク質をコードし、そのタンパク質を、通常、軸索、樹状突起および/または成長錐体に対する優れた候補のニューロンガイダンスタンパク質とする。従って、このタンパク質のレベルの治療的な調節、またはこのタンパク質を介する可能なシグナル伝達は、ニューロンの死(脳卒中、頭部外傷)、軸索損傷(脊髄損傷)、または神経変性(アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンティングトン病、血管性痴呆症または任意の神経変性疾患)に対する、CNSにおける代償的なシナプス形成および繊維成長の増強/指向において有用であり得る。このタンパク質はまた、レセプターのGPCRファミリーに対する相同性を含む。いくつかの神経伝達物質はGPCRであり、これらとして、ドーパミンレセプターファミリー、セロトニンレセプターファミリー、GABABレセプター、ムスカリン性アセチルコリンレセプターなどが挙げられ;従って、このGPCRは、新規の神経伝達物質レセプターを表し得る。種々の神経伝達物質レセプター(ドーパミン、セロトニン)の標的化は、精神医学的疾患(例えば、分裂病、双極性障害および鬱病)における有効な治療法であることが判明している。さらに、大脳皮質および海馬は、アルツハイマー病、癲癇において、および、記憶形成の正常なプロセスにおいて、重要な役割を果すことが公知である脳の領域である。この遺伝子またはそのタンパク質産物の治療的な調節は、この遺伝子によってコードされるレセプターの刺激および/または遮断のように、これらの疾患のうちの1つ以上において有益であり得る。しかし、この遺伝子のレベルは、中枢神経系の外部の領域(心臓、筋肉、肝臓および腎臓)において高く、細胞間シグナル伝達における、より広範な役割の可能性を示唆する。
【0448】
代謝関連組織の中で、NOV5遺伝子は、心臓および胎児心臓(CT=25)、膵臓(CT=30)、副腎(CT=27)、甲状腺(CT=29)、脳下垂体(CT=31)、骨格筋(CT=24)、肝臓(CT=25)および胎児肝臓(CT=29)において発現される。従って、この遺伝子産物は、代謝組織における疾患(例えば、糖尿病および肥満)の処置のための低分子標的であり得る。
【0449】
(パネル2Dの要約:)
(Ag1439)同一のプローブ/プライマーセットを用いる2つの複製実験の結果は、優れた一致を示す。パネル2DにおけるNOV5遺伝子の発現は、肝臓癌に由来するサンプルにおいて最高である(CT=29.3)。しかし、この遺伝子はまた、このパネル上のほかのサンプルの殆どにおいて、より穏和なレベルで発現される。ある場合に、疾患関連性を有する、発現の実質的な調節不全があることは明白である。例えば、NOV5遺伝子の過剰発現は、卵巣癌、肝臓癌および胃癌と関連することが明白である。従って、この遺伝子の発現、またはその産物の機能の調節は、これらの癌の処置において有用である。
【0450】
(パネル4Dの要約:)
(Ag1439)NOV5遺伝子は、パネル4Dにわたる多数の細胞型において発現され、活性化Th1細胞、活性化Th2細胞、活性化T調節細胞、サイトカイン活性化および静止真皮繊維芽細ならびに肺繊維芽細胞、そしていくつかの供給源由来のサイトカイン活性化内皮において特に高度な発現が見られる。NOV5遺伝子は、予想されるセリン−スレオニンキナーゼ活性を有するLRR/GPCRをコードし、従って、自己免疫疾患および炎症性疾患の処置に対する低分子薬剤発見のための適切な標的であり得る。
【0451】
(NOV6)
遺伝子NOV6の発現を、プライマー−プローブセットAg1471を用いて評価し、表39に記載した。RPQ−PCR実験の結果を表40に示す。
【0452】
【表39】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
【0453】
【表40】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
(パネル1.2の要約:)
(Ag1471)NOV6遺伝子の発現は、このパネル上のサンプルの大部分において、高度〜穏和である。もっとも高度な発現は心臓(CT=22)において検出される。従って、この遺伝子は、心筋症、アテローム硬化、高血圧、先天性心臓欠損、大動脈狭窄、心房中隔欠損(ASD)、房室(A−V)管欠損、動脈管、肺動脈弁狭窄、大動脈弁下部狭窄、心室中隔欠損(VSD)、弁病、結節硬化、強皮症、肥満、および移植を含む心血管疾患において役割を果し得る。さらに、NOV6遺伝子は、胎児腎臓(CT=25.4)と比較した場合、成体腎臓(CT=22.4)において、より高度に発現する。従って、この遺伝子は、成体腎臓細胞の分化において作用し得、そしてNOV6遺伝子産物の治療的な調節は、腎臓の過剰増殖性疾患(例えば、多嚢胞性腎臓病)において有用である。
【0454】
NOV6遺伝子は、核因子κBインヒビターαと高度に相同であるタンパク質(炎症誘発性転写因子核因子κBを阻害するタンパク質)をコードする。代謝関連組織の中で、この遺伝子は、胎児心臓および成体心臓(CT=22)、副腎(CT=22)、骨格筋(CT=22.5)ならびに胎児肝臓および成体肝臓(CT=23〜24)において高度な発現を有する。これはまた、膵臓(CT=28)、甲状腺(CT=28)および脳下垂体(CT=28.5)において穏和に発現される。従って、NOV6遺伝子産物(または、このタンパク質のアゴニスト)は、上記の組織の各々の炎症条件の予防および/または処置のための薬剤処置であり得る。
【0455】
NOV6遺伝子はまた、脳(少なくとも、視床、大脳皮質、扁桃体、小脳、海馬および視床)ならびに脊髄において、高度に発現される。この遺伝子の、NF−κB(IκB)のインヒビターに対する密接な相同性は、この遺伝子がCNSにおいて類似の機能を所有することを示唆する。IκBは、酸化的ストレスまたはニトロソ化的ストレス、低酸素虚血および興奮毒性を含む多数の重要な病理的プロセスにおける、ニューロンのアポトーシスの重要な媒介因子である。これらのプロセスは、とりわけ、発作ならびに神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病)およびトリヌクレオチドリピート障害を含む多数の疾患の、心臓におけるニューロン細胞の死の基礎をなすと考えられる。従って、NOV6遺伝子産物およびその作用を調節する薬剤は、これらの疾患の処置のための治療剤として作用し得る。さらに、学習および記憶の基礎をなすシナプスのプロセスにおけるNF−κBの役割は、記憶障害における、この遺伝子産物およびその作用を調節する薬剤の可能な有用性を示唆する。炎症におけるNF−κBの役割はまた、炎症を伴うCNS疾患(例えば、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病およびハンティングトン病など))における、NOV6遺伝子産物およびその作用を調節する薬剤の有用性を示唆する。
【0456】
(NOV7)
遺伝子NOV7の発現を、プライマー−プローブセットAg2440を用いて評価し、表41に記載した。RTQ−PCR実験の結果を表42および表43に示す。
【0457】
【表41】
Figure 2004529607
【0458】
【表42】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
【0459】
【表43】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
(パネル1.3Dの要約:)
(Ag2440)NOV7遺伝子の発現は、このパネル上の全てのサンプルにわたって、低い/検出不可能(CT値>35)である(データを示さず)。
【0460】
(パネル2Dの要約:)
(Ag2440)NOV7遺伝子の発現は、正常な腎臓組織(CT=30.8)でもっとも高度であり、そしてまた、結腸組織および乳房組織において、低いが有意な発現を示す。特に興味深いことに、この遺伝子のより高度な発現が、正常な乳房組織と比較した場合、乳癌に由来するサンプルにおいて観察される。従って、NOV7遺伝子の発現は、正常な乳房組織から乳癌細胞を区別するために用いられ得る。さらに、低分子薬剤および抗体の使用を介する、NOV7遺伝子によりコードされるタンパク質の治療的な調節は、乳癌の処置において有用であり得る。
【0461】
(パネル4Dの要約:)
(Ag2440)NOV7遺伝子の発現は、胸腺においてもっとも高度であるが、非常に穏やかである(CT 33.1)。従って、NOV7遺伝子によりコードされる遺伝子産物に対するタンパク質治療法または抗体は、T細胞媒介疾患および自己免疫において有用であり得る。この遺伝子はまた、結腸(CT=33.9)において、低いレベルで発現される。
【0462】
(パネルCNS_neurodegeneration_v1.0の要約:) (Ag2440)NOV7遺伝子の発現は、このパネルの全てのサンプルにわたって、低い/検出不可能(CT値>35)である(データを示さず)。
【0463】
(NOV8)
遺伝子NOV8の発現を、プライマー−プローブセットAg1507、Ag1558、およびAg1602(同一の配列)を用いて評価し、表44に記載した。RTQ−PCR実験の結果を表45、表46、および表47に示す。
【0464】
【表44】
Figure 2004529607
【0465】
【表45】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
【0466】
【表46】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
【0467】
【表47】
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
Figure 2004529607
(パネル1.2 要約:)
(Ag1507) NOV8遺伝子発現は、脂肪組織において最も高いようである。しかし、このサンプルは、ゲノムDNAを混入しており、それゆえ、無視しなければならない。このことを考慮に入れると、この遺伝子は卵巣癌細胞株に由来するサンプルにおいて最も高く発現している(OVCAR−5)(CT=32.5)。概して、正常組織と比較した場合、癌細胞株においてはNOV8遺伝子の過剰発現を示す顕著なパターンが存在する。例えば、卵巣癌細胞株、黒色腫細胞株、肺癌細胞株、腎臓癌細胞株、および結腸癌細胞株において、この遺伝子の相対的な過剰発現が見られる。それゆえ、NOV8遺伝子の発現は、培養細胞株と正常細胞を区別するために用いられ得る。加えて、これらのデータは、この遺伝子の発現が癌に関連していることを示しており、それゆえ、NOV8遺伝子産物の治療的調節は、様々な癌の処置において有用である。
【0468】
(パネル1.3 要約:)
(Ag1507/Ag1558/Ag1602) NOV8遺伝子の発現は、このパネルにおけるサンプルの全てを通して低い/検出不可能である(CT値>35)(データは示さず)。
【0469】
(パネル2D 要約:)
Agl602 NOV8遺伝子の有意な発現は、正常肺のサンプルに限られる(CT=34.2)。従って、NOV8核酸は、肺組織を同定する為のマーカーとして用いられ得る。加えて、NOV8遺伝子は、ぜん息および気腫を含む肺疾患の発症に役割を果たし得る。Agl507/Agl558 NOV8遺伝子の発現は、このパネルにおけるサンプルの全てを通して低い/検出不可能である(CT値>34.5)(データは示さず)。
【0470】
(パネル4D 要約:)
(Agl507/Agl558) NOV8遺伝子の発現は、活性化された皮膚線維芽細胞およびPHA刺激されたPBMCにおいて、低いが、有意である(CT 34.4)。Agl507を用いる実験からの結果は、発現が活性化小気道上皮においても見られることを除いてAg1558と極めて似ている(CT 34.6)。この結果は、パネル2Dにおいて観察されたことと一致している。NOV8遺伝子がセロトニンレセプターに相同性を有するタンパク質をコードしていることから、小気道上皮における発現が予測される。従って、抗体の使用またはこのレセプターの細胞外ドメインは、ぜん息、湿疹、アトピー性皮膚炎、および遅延型過敏症に関連した任意の疾患などの対立遺伝子ギー疾患の治療に対して有益であり得る。 Agl602 NOV8遺伝子の発現は、このパネルにおけるサンプルの全てを通して低い/検出不可能である(CT値>34.5)(データは示さず)。
【0471】
(パネル CNSD.01の要約:)
(Ag1602) NOV8遺伝子の発現は、このパネルにおけるサンプルの全てを通して低い/検出不可能である(CT値>34.5)(データは示さず)。
【0472】
(パネル CNS_神経変性_v1.0(CNS_neurodegeneration_v1.0)の要約:)
(Agl507/Agl558/Agl602) NOV8遺伝子の発現は、このパネルにおけるサンプルの全てを通して低い/検出不可能である(CT値>34.5)(データは示さず)。
【0473】
(実施例2. NOVXクローンのSNP分析)
SeqCallingTM技術:cDNAは、異なったドナーからの、多数の組織型、正常および疾患状態、生理学的状態、ならびに発達段階を表す様々なヒトサンプルに由来した。サンプルを、全組織、細胞株、初代細胞または組織培養した初代細胞および細胞株として得た。細胞および細胞株は、遺伝子発現を制御する生物学的薬剤または化学的薬剤(例えば、増殖因子、ケモカイン、ステロイド)によって処置され得る。次に、このようにして得られたcDNAを、CuraGenの所有するSeqCalling技術を用いて配列決定した。配列決定の結果を、手動で評価し、適切な場合には、補正のために編集された。全てのサンプルからのcDNA配列を、SeqCallingアセンブリのCuraGen’sヒトSeqCallingデータベースを生み出すために、バイオインフォマティクスプログラムを用い、それ自体および公的ESTを用いてアセンブル(構築)した。それぞれのアセンブリは、1つ以上のヒトサンプルに由来する1つ以上の重複するcDNA配列を含む。フラグメントおよびESTを、アセンブリの別の成分に対する同一性の程度が、50塩基に対して少なくとも95%である場合、アセンブリのための成分として含めた。それぞれのアセンブリは、ある遺伝子および/またはスプライス形態などのその改変体および/または一塩基多型(SNP)ならびにそれらの組み合わせを表し得る。
【0474】
改変体配列が含まれる。改変体配列は、一塩基多型(SNP)を含み得る。SNPは、ある場合、SNPを含むヌクレオチド配列がcDNAを起源とすることを表すために、「cSNP」といわれ得る。SNPは、いくつかの様式において生じ得る。例えば、SNPは、多型部位における一ヌクレオチドの別のヌクレオチドへの置換を原因とし得る。このような置換は、トランジションまたはトランスバージョンのいずれかであり得る。SNPはまた、参照対立遺伝子に対するヌクレオチドの欠失またはヌクレオチドの挿入により生じ得る。この場合、多型部位は、1つの対立遺伝子がもう1つの対立遺伝子における特定のヌクレオチドに対してギャップを有する部位である。遺伝子内に生じるSNPは、SNPの位置において、遺伝子によってコードされるアミノ酸に変化を生じ得る。しかし、遺伝子内のSNPはまた、SNPを含むコドンが、遺伝コードの重複性の結果、同じアミノ酸をコードする場合、サイレントであり得る。遺伝子の領域の外側または遺伝子内のイントロンに生じるSNPは、タンパク質のいずれのアミノ酸配列にも変化を生じないが、発現パターンの調節、例えば、一過性発現、生理学的応答調節、細胞型発現調節、発現の強度、転写されるメッセージの安定性に変化を生じ得る。
【0475】
新規なSNP同定の方法:SNPは、CuraGenの所有するSNP Toolアルゴリズムを用いて配列アセンブリを解析することによって同定される。SNP Toolは、次の基準に対してアセンブリにおける変動を同定する:SNPは、アライメントの両端における10塩基対以内では解析されない;ウィンドウサイズ(一覧における塩基の数)が10である;ウィンドウにおけるミスマッチの許容数が2である;最小SNP塩基性質(PHREDスコア)が23である;SNPをスコア付けするための変化の最小数が、アセンブリ位置あたり2である。SNP Toolは、アセンブリを解析し、SNP位置、アセンブリにおける関連付けられた個々の改変体配列、与えられた位置におけるアセンブリの深度、想定されるアセンブリ対立遺伝子頻度、およびSNP配列変動を表示する。次に、配列決定の結果を選択し、手動で確認するために表示する。コンセンサスアセンブリ配列を、SNP配列変動に由来する潜在的なアミノ酸変化を同定するために、改変体の配列変化とともにCuraToolsにインポートする。次に、包括的SNPデータ解析を、SNPCallingデータベースにエクスポートする。
【0476】
新規なSNP確認の方法:SNPを、Pyrosequencing(Pyrosequencing,Westborough,MA)として知られる確証方法を使用し、確認する。Pyrosequencingに関する詳細なプロトコールは次の文献に見出され得る:Alderbornら、Determination of Single Nucleotide Polymorphisms by Real−time Pyrophosphate DNA Sequencing.(2000).Genome Research.10,8号,8月.1249−1265。一言でいえば、Pyrosequencingは、遺伝子型決定のリアルタイムプライマー伸長プロセスである。このプロトコールは、ゲノムDNAサンプルから二本鎖の、ビオチン化されたPCR産物を得、それらをストレプトアビジンビーズに結合させる。次に、一本鎖の結合したDNAを生み出すために、これらのビーズを変性させる。SNPは、DNA鎖伸長においてそれぞれのdNTPから放出されるピロリン酸(PPi)の間接的生物発光測定アッセイに基づく技術を用いて特徴づけられる。Klenowポリメラーゼを介する塩基の取り込みに続き、PPiが放出され、アデノシン5’−ホスホ硫酸(APS)と共に、ATPの形成を生じるATP硫酸基転移酵素の基質として用いられる。続いて、ATPは、ルシフェラーゼの作用によって、そのルシフェリンの酸化誘導体(oxi−derivative)への変換を達成する。その後の光出力は、約4塩基までは付加した塩基の数に比例する。この方法のプロセッシビティー(processivity)を得るために、過剰のdNTPを、アピラーゼによって分解し(アピラーゼは開始反応混合液中にも存在する)、よってdNTPだけが配列決定中に鋳型に付加される。本工程は、完全に自動化され、96ウェル形式に適合されており、それゆえ大SNPパネルの迅速なスクリーニングが可能である。新規の一ヌクレオチド多型改変体に関するDNA配列およびタンパク質配列が報告される。改変体は個別に報告されるが、改変体の全てまたは選択部分集合のいずれの組み合わせもまた、含まれる。加えて、改変塩基および改変アミノ酸残基の位置に下線が引かれる。
【0477】
(結果)
改変体は個別に報告されるが、改変体の全てまたは選択部分集合のいずれの組み合わせもまた、意図された本発明のNOVX実施形態として含まれる。
【0478】
(NOV1a SNPデータ:)
NOV1a(clone sggc_draft_dj881pl9_20000725)は、7つのSNP改変体を有し、そのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列に関する改変位置は、それぞれ、配列番号:1および配列番号:2に従って番号付けされる。NOV1改変体のヌクレオチド配列は、表48に示されるように異なる。
【0479】
【表48】
Figure 2004529607
さらに、NOV1a(X56842_dal)は、7つのSNP改変体を有し、ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列に関する改変位置は、それぞれ、配列番号:1および配列番号:2に従って番号付けされる。NOV1改変体のヌクレオチド配列は、表49に示されるように異なる。
【0480】
【表49】
Figure 2004529607
(NOV1b SNPデータ:)
NOV1bは、7つのSNP改変体を有し、そのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列に関する改変位置は、それぞれ、配列番号:3および配列番号:4に従って番号付けされる。NOV1b改変体のヌクレオチド配列は、表50に示されるように異なる。
【0481】
【表50】
Figure 2004529607
(NOV3a SNP データ:)
NOV3aは、 7つのSNP改変体を有し、そのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列に関する改変位置は、それぞれ、配列番号:13および配列番号:14に従って番号付けされる。NOV3a改変体のヌクレオチド配列は、表51に示されるように異なる。
【0482】
【表51】
Figure 2004529607
(NOV4a SNPデータ:)
次の位置において、ヌクレオチド配列の1つ以上のコンセンサス位置(Cons.Pos.)が、SNPとして同定された。「深度」は、SNPの領域を含むクローンの数を表す。想定される対立遺伝子頻度(Putative Allele Freq.)は、SNPを含む全てのクローンのフラクションである。ダッシュ(「―」)は、示される場合、塩基が存在しないことを意味する。記号「>」は、「変化している」を意味する。
【0483】
NOV4aは、1つのSNP改変体を有し、そのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列に関する改変位置は、それぞれ、配列番号:17および配列番号:18に従って番号付けされる。NOV3改変体のヌクレオチド配列は、表52に示されるように異なる。
【0484】
【表52】
Figure 2004529607
(NOV4b SNP データ:)
NOV4bは、4つのSNP改変体を有し、そのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列に関する改変位置は、それぞれ、配列番号:19および配列番号:20に従って番号付けされる。NOV4b改変体のヌクレオチド配列は、表53に示されるように異なる。
【0485】
【表53】
Figure 2004529607
(NOV6 SNP データ:)
NOV6は、3つのSNP改変体を有し、そのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列に関する改変位置は、それぞれ、配列番号:25および配列番号:26に従って番号付けされる。NOV6改変体のヌクレオチド配列は、表54に示されるように異なる。
【0486】
【表54】
Figure 2004529607
(NOV9 SNP データ:)
次の位置において、ヌクレオチド配列の1つ以上のコンセンサス位置(Cons.Pos.)が、SNPとして同定された。「深度」は、SNPの領域を覆うクローンの数を表す。想定される対立遺伝子頻度(Putative Allele Freq.)は、SNPを含む全てのクローンのフラクションである。ダッシュ(「―」)は、示される場合、塩基が存在しないことを意味する。記号「>」は、「変化している」を意味する。
【0487】
NOV9は、6つのSNP改変体を有し、そのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列に関する改変位置は、それぞれ、配列番号:31および配列番号:32に従って番号付けされる。NOV6改変体のヌクレオチド配列は、表55に示されるように異なる。
【0488】
【表55】
Figure 2004529607
(等価物)
特定の実施形態が、本明細書中に詳細に開示されるが、このことは例示のみの目的のために例によってなされ、上記の添付の特許請求の範囲の範囲に関して限定する意図はない。特に、様々な置換、変更、および改変が、特許請求の範囲によって規定されるような本発明の精神および範囲から逸脱せず、本発明に対してなされ得る。核酸出発物質、目的のクローン、またはライブラリー型の選択は、本明細書中に記載される実施形態に関する知識を有する当業者にとって慣用的な事項であると考えられる。他の局面、利点、および改変は、上記の特許請求の範囲の範囲内にあるとみなされる。

Claims (43)

  1. 単離されたポリペプチドであって、以下:
    (a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30および32からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態;
    (b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30および32からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態の改変体であって、ここで、該改変体中の1以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列と異なり、ただし、該改変体は、該成熟形態のアミノ酸配列と、そのアミノ酸残基のうちの15%以下において異なる、改変体;
    (c)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30および32からなる群より選択されるアミノ酸配列;ならびに
    (d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30および32からなる群より選択されるアミノ酸配列の改変体であって、ここで、該改変体中の1以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列と異なり、ただし、該改変体は、該アミノ酸配列と、そのアミノ酸残基のうちの15%以下において異なる、改変体;からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
  2. 請求項1に記載のポリペプチドであって、該ポリペプチドが、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30および32からなる群より選択されるアミノ酸配列の天然に存在する対立遺伝子改変体のアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
  3. 請求項2に記載のポリペプチドであって、ここで、前記対立遺伝子改変体が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29および31からなる群より選択される核酸配列と単一ヌクレオチドで異なる核酸配列の翻訳物であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
  4. 前記改変体のアミノ酸配列が、保存的アミノ酸置換含む、請求項1に記載のポリペプチド。
  5. 単離された核酸分子であって、以下:
    (a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30および32からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態;
    (b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30および32からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態の改変体であって、ここで、該改変体中の1以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列と異なり、ただし、該改変体は、該成熟形態のアミノ酸配列と、そのアミノ酸残基のうちの15%以下において異なる、改変体;
    (c)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30および32からなる群より選択されるアミノ酸配列;
    (d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30および32からなる群より選択されるアミノ酸配列の改変体であって、ここで、該改変体中の1以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列と異なり、ただし、該改変体は、該アミノ酸配列と、そのアミノ酸残基のうちの15%以下において異なる、改変体;
    (e)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30および32からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドまたは該ポリペプチドの改変体の、少なくとも一部をコードする核酸フラグメントであって、ここで、該改変体中の1以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列と異なり、ただし、該改変体は、該アミノ酸配列と、そのアミノ酸残基のうちの15%以下において異なる、核酸フラグメント;ならびに
    (f) (a)、(b)、(c)、(d)または(e)の相補体を含む、核酸分子、
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸配列を含む、単離された核酸分子。
  6. 前記核酸分子が天然に存在する対立遺伝子核酸改変体のヌクレオチド配列を含む、請求項5に記載の核酸分子。
  7. 前記核酸分子が天然に存在するポリペプチド改変体のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項5に記載の核酸分子。
  8. 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29および31からなる群より選択される核酸配列と単一ヌクレオチドで異なる、核酸分子。
  9. 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が以下:
    (a)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29および31からなる群より選択されるヌクレオチド配列;
    (b)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29および31からなる群より選択されるヌクレオチド配列と1つ以上のヌクレオチドで異なる、ヌクレオチド配列であって、ただし、そのヌクレオチドの20%以下が、該ヌクレオチド配列と異なる、ヌクレオチド配列;
    (c)(a)の核酸フラグメント;ならびに
    (d)(b)の核酸フラグメント;
    からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
  10. 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29および31からなる群より選択されるヌクレオチド配列または該ヌクレオチド配列の相補鎖にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、核酸分子。
  11. 請求項5に記載の核酸分子であって、該核酸分子は、以下:
    (a)第1のヌクレオチド配列であって、前記アミノ酸配列をコードするコード配列と1以上のヌクレオチド配列で異なるコード配列を含み、ただし、該第1のヌクレオチド配列中のコード配列におけるヌクレオチドの20%以下が、該コード配列と異なる、第1のヌクレオチド配列;
    (b)該第1のポリヌクレオチドの相補体である、単離された第2のポリヌクレオチド;ならびに
    (c)(a)または(b)の核酸フラグメント;
    からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
  12. 請求項11に記載の核酸分子を含む、ベクター。
  13. 前記核酸分子に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む、請求項12に記載のベクター。
  14. 請求項12に記載のベクターを含む、細胞。
  15. 請求項1に記載のポリペプチドに免疫特異的に結合する、抗体。
  16. 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項15に記載の抗体。
  17. 前記抗体がヒト化抗体である、請求項15に記載の抗体。
  18. サンプル中の請求項1に記載のポリペプチドの存在または量を決定するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)該サンプルを提供する工程;
    (b)該サンプルを、該ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体と接触させる工程;および
    (c)該ポリペプチドに結合した抗体の存在または量を決定して、それによって該サンプル中のポリペプチドの存在または量を決定する工程、
    を包含する、方法。
  19. サンプル中の請求項5に記載の核酸分子の存在または量を決定するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)該サンプルを提供する工程;
    (b)該サンプルを、該核酸分子に結合するプローブと接触させる工程;および
    (c)該核酸分子に結合した該プローブの存在または量を決定して、それによって該サンプル中の該核酸分子の存在または量を決定する工程、
    を包含する、方法。
  20. 前記核酸分子の存在または量が、細胞型または組織型についてのマーカーとして使用される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記細胞型または組織型が癌性である、請求項20に記載の方法。
  22. 請求項1に記載のポリペプチドに結合する因子を同定する方法であって、該方法は、以下:
    (a)該ポリペプチドを該因子と接触させる工程;および
    (b)該因子が該ポリペプチドに結合するか否かを決定する工程;
    を包含する、方法。
  23. 前記因子が、細胞レセプターまたは下流エフェクターである、請求項22に記載の方法。
  24. 請求項1に記載のポリペプチドの発現または活性を調節する因子を同定するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)該ポリペプチドを発現する細胞を提供する工程;
    (b)該因子と該細胞とを接触させる工程;および
    (c)該因子が、該ポリペプチドの発現または活性を調節するか否かを決定する工程、
    を包含し、それによって、該ペプチドの発現または活性における変化が、該因子が該ポリペプチドの発現または活性の調節することを示す、方法。
  25. 請求項1に記載のポリペプチドの活性を調節するための方法であって、該方法は、請求項1に記載のポリペプチドを発現する細胞サンプルを、該ポリペプチドの活性を調節するのに十分な量で、該ポリペプチドに結合する化合物と接触させる工程を包含する、方法。
  26. NOVX関連障害を処置または予防する方法であって、該方法は、そのような処置または予防が所望される被験体に、該被験体における該NOVX関連障害を処置または予防するのに十分な量で、請求項1に記載のポリペプチドを投与する工程を包含する、方法。
  27. 前記被験体がヒトである、請求項26に記載の方法。
  28. NOVX関連障害を処置または予防する方法であって、該方法は、そのような処置または予防が所望される被験体に、該被験体における該NOVX関連障害を処置または予防するのに十分な量で、請求項5に記載の核酸を投与する工程を包含する、方法。
  29. 前記被験体がヒトである、請求項28に記載の方法。
  30. NOVX関連障害を処置または予防する方法であって、該方法は、そのような処置または予防が所望される被験体に、該被験体における該NOVX関連障害を処置または予防するのに十分な量で、請求項15に記載の抗体を投与する工程を包含する、方法。
  31. 前記被験体がヒトである、請求項30に記載の方法。
  32. 請求項1に記載のポリペプチドおよび薬学的に受容可能なキャリアを含有する、薬学的組成物。
  33. 請求項5に記載の核酸分子および薬学的に受容可能なキャリアを含有する、薬学的組成物。
  34. 請求項15に記載の抗体および薬学的に受容可能なキャリアを含有する、薬学的組成物。
  35. 請求項32に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む、キット。
  36. 請求項33に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む、キット。
  37. 請求項34に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む、キット。
  38. 第1の哺乳動物被験体において、請求項1に記載のポリペプチドの変化したレベルと関連する、疾患の存在または該疾患に対する素因を決定するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)該第1の哺乳動物被験体由来のサンプル中の該ポリペプチドの発現レベルを測定する工程;および
    (b)工程(a)のサンプル中の該ポリペプチドの量を、該疾患を有さないことが既知であるか、または該疾患にかかりにくいことが既知の、第2の哺乳動物被験体由来のコントロールサンプル中に存在する該ポリペプチドの量と、比較する工程、
    を包含し、ここで、該コントロールサンプルと比較した場合の該第1の被験体における該ポリペプチドの発現レベルにおける変化が、該疾患の存在または該疾患に対する素因を示す、方法。
  39. 前記素因が癌に対するものである、請求項38に記載の方法。
  40. 第1の哺乳動物被験体において、請求項5に記載の核酸分子の変化したレベルと関連する、疾患の存在または該疾患に対する素因を決定するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)該第1の哺乳動物被験体由来のサンプル中の該核酸の量を測定する工程;および
    (b)工程(a)のサンプル中の該核酸の量を、該疾患を有さないことが既知であるかまたは該疾患にかかりにくいことが既知の、第2の哺乳動物被験体由来のコントロールサンプル中に存在する該核酸の量と比較する工程、
    を包含し、ここで、該コントロールサンプルと比較した場合の、該第1の被験体における該核酸のレベルにおける変化が、該疾患の存在または該疾患に対する素因を示す、方法。
  41. 前記素因が癌に対するものである、請求項40に記載の方法。
  42. 哺乳動物において病理学的状態を処置する方法であって、該方法は、該病理学的状態を緩和するのに十分な量でポリペプチドを該哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、該ポリペプチドが、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30および32のうちの少なくとも1つのアミノ酸配列を含むポリペプチドまたはそれらの生物学的に活性なフラグメントと、少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するポリペプチドである、方法。
  43. 哺乳動物において病理学的状態を処置する方法であって、該方法は、該病理学的状態を緩和するのに十分な量で請求項15に記載の抗体を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
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