JP2004527208A - ヒトセリンプロテアーゼd−gをコードするdna - Google Patents
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Abstract
ここに我々は、我々がD−Gと呼ぶ新規のセリンプロテアーゼをコードするcDNAの分子同定を記載する。推論されるアミノ酸配列、および他の特性が良く解明されたセリンプロテアーゼとの整列は、これがS1セリンプロテアーゼファミリーのメンバーであることを明確に示す。我々は、プロテアーゼD−G mRNAが表皮、繊維芽細胞、ケラチノサイト、結腸、小腸、胃、肺、腎、骨髄、リンパ節、胸腺、卵巣、前立腺、子宮および脊髄を含む身体各部の数々の組織内で広範に発現されることを発見した。重要なことは、このプロテアーゼはNH2 末端近くの推定貫通膜であるアミノ酸の疎水性部分を含む。従って、このセリンプロテアーゼは、タイプII内在性タンパク質として合成されると考えられる。我々は、異種セリンプロテアーゼ触媒ドメインの包括的活性化を許容するように設計されたチモーゲン活性化構築物内に、触媒ドメインをコードするプロテアーゼD−G cDNAの部分を挿入することにより、この新規のヒトプロテアーゼの可溶性形を発現した。この結果は、アミド分解基質のサブセットに対する活性を有するプロテアーゼD−Gの活性調製物である。この酵素活性プロテアーゼD−G調製物は、生物学的基質の同定のためのさらなる生化学的分析を受けならびに特異性阻害剤である。
Description
【0001】
[関連出願への言及]
本出願は、2000年6月30日付け出願の米国特許仮出願番号第09/607,745号の利益を主張する。
【0002】
[発明の背景]
トリプシン/キモトリプシン様(S1)セリンプロテアーゼファミリーのメンバーは、不活性チモーゲン前駆体のタンパク質分解活性化を介する消化過程および調節増幅カスケードを含む種々様々の生理学的過程において鍵となる役割を有する。多数の例において、これらのカスケード中のプロテアーゼ基質は、それら自身が「下流」セリンプロテアーゼの不活性形、すなわちチモーゲンである。セリンプロテアーゼ媒介調節の周知の例には、血液凝固(Davie et al.(1991). Biochemistry 30:10363−70)、キニン形成(Proud and Kaplan (1988). Ann Rev Immunol 6:49−83)および相補系(Reid and Porter (1981). Ann Rev Biochemistry 50:433−464) が含まれる。それらのタンパク質分解経路は以前より知られているが、新規のセリンプロテアーゼ遺伝子およびそれらの生成物の発見は、これらの存在するカスケード内の調節の我々の理解を向上し、そして完全に新規のプロテアーゼネットワークの解明に導くであろう。
【0003】
プロテアーゼは、クリーニング用界面活性剤、食品加工、織物加工および皮膚手入れ製品を含む種々の商業的目的のために非天然環境で使用される。クリーニング用界面活性剤では、プロテアーゼは、有機性で溶解度が低い化合物を分解して界面活性剤および水中にさらに容易に溶解できるさらに可溶性の形とするために用いられる。この能力において、プロテアーゼは「ストレイン除去剤」として作用する。食品加工の例には、食肉の柔軟化およびチーズ製造が含まれる。プロテアーゼは例えば織物収縮を防ぐために羊毛を処理するための織物加工に使用される。プロテアーゼは、落屑速度の不均衡により蓄積する皮膚表面上の乾燥表皮を除去するために皮膚手入れ製品内に含まれることがある。一部のこれらの用途に使用される通常のプロテアーゼは、それらの酵素の工業的製造のために容易に培養できる原核または真核細胞から誘導され、例えば使用される通常の種は米国特許(US)第5,217,878号に記載のバチラス(Bacillus)属である。あるいは、米国特許(US)第5,278,062号は、クリーニング用界面活性剤組成物に使用するための真菌トリチラキウム・アルブム(Tritirachium album)より単離されたセリンプロテアーゼを記載している。不幸にも、ある種のプロテアーゼの使用は、敏感な個体内にアレルギー反応を起こすそれらの可能性によりまたは非天然環境で使用された場合に低下する効率により制限される。ヒト以外の起源より誘導されたプロテアーゼタンパク質は、敏感な個体内に免疫反応を誘導する可能性が高いことが予想される。これらの制限のために、敏感な個体に対して免疫原性が低いかおよび/または非天然環境で効率的なタンパク質分解活性を提供する別のプロテアーゼへの要求がある。組換え技術の出現は、工業的製造に適する宿主内でのあらゆる種のタンパク質の発現を許容する。
【0004】
本明細書中で、我々はD−Gと呼ばれる小腸より単離された新規のセリンプロテアーゼを記載する。推論(deduce)されるアミノ酸配列は435アミノ酸のポリペプチドをコードする。興味あることに、配列はNH2 末端に近い推定貫通膜(transmembrane) であるアミノ酸の疎水性部分を含む。従って、このセリンプロテアーゼは、タイプII内在性膜タンパク質として合成されると考えられる。他の良く特性が分かっているセリンプロテアーゼとの整列は、これが、分子のC−末端部分内に存在する触媒性三つ組を有するS1セリンプロテアーゼファミリーのメンバーであることを明確に示す。プロテアーゼD−G推論アミノ酸配列は、タイプII内在性膜プロテアーゼでもあるクローニングされたセリンプロテアーゼTMPRSS2(Paoloni−Giacobino et al. (1997)、Genomics 44:309−320)およびヘプシン(Leytus et al. (1988). Biochemistry 27:1067−74) に最も類似している。我々は、プロテアーゼD−G mRNAが、表皮、繊維芽細胞、ケラチノサイト、結腸、小腸、胃、肺、腎臓、骨髄、リンパ節、胸腺、卵巣、前立腺、子宮および脊髄を含む身体各部の種々の組織内に広範に発現されることを見いだした。この酵素の改変された発現または調節は、これらの組織内の多数の病理学的状態のいずれかの原因であるらしい。
【0005】
さらに、正常な生理学的条件下でプロテアーゼD−G mRNAのが発現されず、そしてこのために検出されないが、しかし病理学的状態でこれが著しく上昇しているアップレギュレーションは、ある種の疾患状態の開始または再燃病勢悪化をもたらす可能性がある。我々は、触媒ドメインをコードするプロテアーゼD−G cDNAの部分を、異種セリンプロテアーゼ触媒ドメインの包括的活性化を許容するように設計されたチモーゲン活性化構築物内に挿入してこの新規のヒトプロテアーゼの可溶性形を発現した。その結果は、アミド分解性基質のサブセットに対して活性を有するプロテアーゼD−Gの活性調製物である。精製した酵素的に活性のプロテアーゼD−Gの単離は、例えば酵素の化学的モジュレーターを発見するためまたは商業製品内の添加剤としてのタンパク質の直接使用を可能とする。プロテアーゼD−Gはヒト宿主から誘導されるので、敏感な個体内でアレルギー反応を誘導する可能性は低く、従って、プロテアーゼD−Gはクリーニング用界面活性剤および皮膚手入れ製品のための組成物の処方にも有用であろう。
【0006】
[発明の要旨]
プロテアーゼd−gをコードするDNA分子をクローニングしそして特性を検討するとこれは新規のセリンプロテアーゼを表している。組換え発現系を用いて、プロテアーゼをコードする機能性DNA分子を単離した。アミノ酸およびヌクレオチド配列としてのこれらのタンパク質の生物学的および構造的性質を開示する。組換えDNA分子、およびその部分は、DNA分子の同族体の単離、DNA分子のゲノム等価物の同定および単離、およびDNA分子の変異形の同定、検出または単離のために有用である。組換えタンパク質は、機能性プロテアーゼd−gのモジュレーターを同定するために有用である。本明細書中で開示するアッセイ中で同定されたモジュレーターは、ガン、皮膚障害、神経障害的疼痛、炎症、または凝固体質/血栓症のための治療剤として有用であろう。
【0007】
[詳細な説明]
定義:
本明細書中に使用される場合の用語「タンパク質ドメイン」は、タンパク質の残部から独立してもよい特定の三次元構造を有してもよいタンパク質の領域を呼ぶ。この構造は、酵素活性、他の分子のための認識モチーフの創成を含むタンパク質内のドメインの機能と関連する特定の活性を維持するか、または特定の環境内に存在するためにタンパク質に必要な構造成分を提供してもよい。タンパク質ドメインは、通常、タンパク質ファミリー内および同様の機能を行うタンパク質スーパーファミリー内の双方において、タンパク質の進化的に保存される領域である。本明細書中に使用される場合の用語「タンパク質スーパーファミリー」は、その進化的関係が完全には確立されていなくても、または受容された系統発生的標準により遠くてもよいが、しかし類似した三次元構造を示すかまたは重要なアミノ酸の独特の同一性を示すタンパク質を呼ぶ。本明細書中に使用される場合の用語「タンパク質ファミリー」は、その進化的関係が受容された系統発生的標準により確立されているタンパク質を呼ぶ。
【0008】
本明細書中に使用される場合の用語「融合タンパク質」は、ドメインまたはリンカー領域の組み合わせた機能を得る目的のために複数のタンパク質ドメインまたはリンカーを組み合わせた結果であるタンパク質構築物を呼ぶ。これは、所望の融合タンパク質をコードする新規のポリヌクレオチド配列を生成するためのかかるドメインをコードするヌクレオチド配列の分子クローニングにより達成されてもよい。あるいは、融合タンパク質の創成は、2種のタンパク質を化学的に結合して達成されてもよい。
【0009】
本明細書中に使用される場合の用語「リンカー領域」または「リンカードメイン」または類似のかかる記述用語は、クローニングベクターまたは融合タンパク質の構築に使用されるポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列を呼ぶ。リンカー領域の機能は、ヌクレオチド配列内へのクローニング部位の導入、2個のタンパク質ドメインの間のフレキシブル成分またはスペース創成領域の送入、または特定の分子相互作用のためのアフィニティータグの創成を含むことができる。リンカー領域は、ポリペプチドまたはヌクレオチド配列構築の間に行われる選択よりもたらされた融合タンパク質内に導入されてもよい。
【0010】
本明細書中に使用される場合の用語「クローニング部位」または「ポリクローニング部位」は、1種またはそれ以上の利用可能な制限エンドヌクレアーゼ共通切断配列を有するヌクレオチド配列の領域を呼ぶ。これらのヌクレオチド配列は、新規の融合タンパク質を創成するためのDNAベクター内への導入、または特異性部位指定変異を導入するための種々の目的のために使用されてもよいがこれらに限定はされない。クローニング部位が、サイレント変異、保存変異、または所望の制限酵素共通配列を含むリンカー領域の導入により所望の位置で操作できることは当該技術分野の熟練者には周知である。クローニング部位の正確な位置がヌクレオチド配列内のいかなる位置内へも操作できることは当該技術分野の熟練者には周知である。
【0011】
本明細書中に使用される場合の用語「タグ」は、アミノ酸配列をコードするか、タグを含むタンパク質の単離、精製または検出を促進するアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を呼ぶ。かかるタグの広範な種類は当該技術分野の熟練者には既知であり、そして本発明に使用するために適する。適当なタグは、HAペプチド、ポリヒスチジンペプチド、ビオチン/アビジン、およびその他の抗体エピトープ結合部位を含み、これらに限定はされない。
プロテアーゼD−G核酸の単離
本発明は、小腸の細胞から単離されたヒトセリンプロテアーゼD−GをコードするDNAに関する。本明細書中に使用されるプロテアーゼD−Gは、プロテアーゼとして特異的に機能できるタンパク質を呼ぶ。
【0012】
プロテアーゼD−Gの完全なアミノ酸配列は、従来まで知られず、また既知のプロテアーゼD−Gをコードする完全なヌクレオチド配列でもなかった。細胞および細胞タイプの広範な種類が記載するプロテアーゼD−G mRNAを含むことは予測されている。プロテアーゼD−Gを生成できる組織は、我々が感度が高いポリメラーゼ連鎖反応(PCR)媒介mRNA検出方法により決定したように、表皮、繊維芽細胞、ケラチノサイト、結腸、小腸、胃、肺、腎臓、骨髄、リンパ節、胸腺、卵巣、前立腺、子宮および脊髄を含みこれらに限定はされない。
【0013】
その他の細胞および細胞系統も単離されたプロテアーゼD−G cDNAを単離するための使用に適するであろう。適当な細胞の選択は、本明細書中に記載する細胞抽出液中または全細胞アッセイ中でプロテアーゼD−G活性のスクリーニングにより行ってもよい。これらのアッセイのいずれかでプロテアーゼD−G活性を有する細胞は、プロテアーゼD−G DNAまたはmRNAの単離のために適するであろう。
【0014】
当該技術分野で既知の各種の方法のいずれもプロテアーゼD−GDNAを分子的にクローニングするために使用してもよい。これらの方法には、適当な発現ベクター系内でプロテアーゼD−Gを含むcDNAライブラリーの構築の後のプロテアーゼD−G遺伝子の直接機能的発現が含まれるが、これらに限定はされない。他の方法は、プロテアーゼD−Gサブユニットのアミノ酸配列から設計された標識オリゴヌクレオチドプローブを用いてバクテリオファージまたはプラスミドシャトルベクター内で構築されたプロテアーゼD−Gを含むcDNAライブラリーをスクリーニングことである。別の方法は、プロテアーゼD−Gタンパク質をコードする部分cDNAを用いてバクテリオファージまたはプラスミドシャトルベクター内で構築されたプロテアーゼD−G含有cDNAライブラリーをスクリーニングことより成る。この部分cDNAは、精製されたプロテアーゼD−Gタンパク質のアミノ酸配列からの変性オリゴヌクレオチドプライマーの設計を介するプロテアーゼD−G DNAフラグメントの特異性PCR増幅により得られる。
【0015】
別の方法は、プロテアーゼD−G生成細胞よりRNAを単離しそして生体外または生体内翻訳系を介してRNAをタンパク質内に翻訳することである。ペプチドタンパク質へのRNAの翻訳は、例えば抗プロテアーゼD−G抗体との免疫学的反応性によりまたはプロテアーゼD−Gタンパク質の生物学的活性により特定できるプロテアーゼD−Gタンパク質の少なくとも一部分の生成をもたらす。この方法では、プロテアーゼD−G生成細胞から単離されたRNAのプールは、プロテアーゼD−Gタンパク質の少なくとも一部分をコードするRNAの存在を分析できる。RNAプールのさらなる分別は、非−プロテアーゼD−G RNAからプロテアーゼD−G RNAを精製するために行うことができる。この方法で生成されたペプチドまたはタンパク質は、一方ではプロテアーゼD−G cDNAの生成のためのプライマーを提供するために使用されるアミノ酸配列を提供するために分析してもよく、または翻訳に用いられたRNAはプロテアーゼD−Gをコードするヌクレオチド配列を提供するために分析しそしてプロテアーゼD−G cDNAのこの生成のためのプローブを作製できる。この方法は当該技術分野では既知であり、例えばManiatis, T., Fritsch, E.F., Sambrook, J,,「分子クローニング、実験マニュアル」(”Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY. 1989)中に見いだすことができる。
【0016】
他のタイプのライブラリー、ならびに他の細胞または細胞タイプより構築されたライブラリーがプロテアーゼD−GをコードするDNAを単離するために有用であることは当該技術分野の熟練者には容易に認められる。他のタイプのライブラリーには、他の細胞より、プロテアーゼD−G以外の生物体より誘導されたcDNAライブラリー、およびYAC(酵母人工染色体)およびコスミドライブラリーを含むゲノムDNAライブラリーが含まれ、これらに限定はされない。
【0017】
適当なcDNAライブラリーは、プロテアーゼD−G活性を有する細胞または細胞系統より調製してもよいことは、当該技術分野の熟練者には容易に認められる。プロテアーゼD−G cDNAを単離するためにcDNAライブラリーの調製への使用のための細胞または細胞系統の選択は、プロテアーゼD−G関連生物学的活性の測定またはリガンド結合アッセイを用いて細胞関連プロテアーゼD−G活性を最初に測定して行ってもよい。
【0018】
cDNAライブラリーの調製は、当該技術分野で周知の標準技術により行うことができる。周知のcDNAライブラリー調製技術は、例えばManiatis, T., Fritsch, E.F., Sambrook, J,,「分子クローニング、実験マニュアル」(”Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY. 1989)中に見出すことができる。
【0019】
プロテアーゼD−GをコードするDNAは、適当なゲノムDNAライブラリーより単離してもよいことも当該技術分野の熟練者には容易に認められる。ゲノムDNAライブラリーの構築は、当該技術分野で周知の標準技術により行うことができる。周知のDNAライブラリー構築技術は、Maniatis, T., Fritsch, E.F., Sambrook, J,,「分子クローニング、実験マニュアル」(”Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY. 1989)中に見出すことができる。
【0020】
上記の方法によりプロテアーゼD−G遺伝子をクローニングするために、プロテアーゼD−Gのアミノ酸配列が必要であろう。これを達成するために、プロテアーゼD−Gタンパク質を精製しそして自動化配列決定装置により部分アミノ酸配列を決定してもよい。完全にアミノ酸配列を決定する必要はなく、むしろタンパク質からの6〜8個のアミノ酸の2領域の線型配列が部分プロテアーゼD−G DNAフラグメントのPCR増幅のためのプライマーの生成のために決定される。適当なアミノ酸配列が特定されると、これらをコードできるDNA配列を合成する。遺伝子コードは縮退しているので、特定のアミノ酸をコードするための1個を越えるコドンを使用してもよく、従って、アミノ酸配列は類似のDNAオリゴヌクレオチドのいずれかの一組によりコードされることができる。組の一つのメンバーのみがプロテアーゼD−G配列に同一性するであろうが、しかしミスマッチを有するDNAオリゴヌクレオチドの存在下でもプロテアーゼD−G DNAにハイブリダイゼーションできる。ミスマッチDNAオリゴヌクレオチドは、それでもプロテアーゼD−G DNAに十分ハイブリダイゼーションし、DNAをコードするプロテアーゼD−Gの同定および単離を可能とする。これらの方法により単離されたDNAは、種々の細胞タイプ、無脊椎動物、脊椎動物起源よりのDNAライブラリーをスクリーニングするため、および同種遺伝子を単離するために使用できる。
【0021】
精製された生物学的に活性のプロテアーゼD−Gは、種々の物理的形を有してもよい。プロテアーゼD−Gは、全長の初期もしくは未処理ポリペプチドとしてまたは部分的に処理されたポリペプチドもしくは処理ポリペプチドの組み合わせとして存在してもよい。全長初期プロテアーゼD−Gポリペプチドは、全長初期ポリペプチドのフラグメントの形成をもたらす特異性タンパク質分解切断事象により翻訳後変性されてもよい。フラグメント、またはフラグメントの物理的会合は、プロテアーゼD−Gと関連する全生物学的活性を有してもよいが、しかしプロテアーゼD−G活性の程度は、個別のプロテアーゼD−Gフラグメントと物理的に会合したプロテアーゼD−Gポリペプチドフラグメントの間で変動してもよい。
【0022】
遺伝子コードは縮退しているので、特定のアミノ酸をコードするために1個を越えるコドンを使用してもよく、従って、アミノ酸配列は類似DNAオリゴヌクレオチドのいずれかの一組によりコードされることができる。組の一個のメンバーのみがプロテアーゼD−G配列に同一性するがしかし適当な条件下でミスマッチを有するDNAオリゴヌクレオチドの存在下でもプロテアーゼD−G DNAにハイブリダイゼーションできるであろう。別の条件下で、ミスマッチがあるDNAオリゴヌクレオチドはそれでもプロテアーゼD−G DNAにハイブリダイゼーションして、DNAをコードするプロテアーゼD−Gの同定および単離を可能とすることができる。
【0023】
特定の生物体からのプロテアーゼD−GをコードするDNAは、他の生物体からのプロテアーゼD−Gの同族体を単離および精製するために使用してもよい。これを達成するために、最初のプロテアーゼD−G DNAを適当なハイブリダイゼーション条件下でプロテアーゼD−Gの同族体をコードするDNAを含む試料と混合してもよい。ハイブリダイゼーションしたDNA複合体を単離しそして同族体DNAをコードするDNAをこれから精製してもよい。
機能性誘導体/変異体
特定のアミノ酸をコードする種々のコドンにかなりの量の重複があることが知られている。従って、本発明は最終的には同一性するアミノ酸の翻訳をコードする別のコドンを含むこれらのDNA配列も指向する。この指定の目的のために、1種またはそれ以上の置換コドンを有する配列を縮退変異と定義する。発現されたタンパク質の最終的物理的性質を本質的には改変しないDNA配列または翻訳されたタンパク質のいずれかの中の変異も本発明の範囲内に含まれる。例えば、脂肪族アミノ酸のアラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンの置換、ヒドロキシ残基のセリンとトレオニンとの交換、酸性残基のアスパラギン酸とグルタミン酸との交換、アミド残基のアスパラギンとグルタミンとの間の置換、塩基性残基のリシンとアルギニンとの交換および芳香族残基のフェニルアラニン、チロシンとの間の変異体(Variant) は、ポリペプチドの機能性に変化を起こさないであろう。かかる置換は周知でありそして、例えば「遺伝子の分子生物学」(Molecular Biology of the Gene, 4th.Ed. Bengamin Cummings Pub. Co. by Watson etal.)に記載されている。
【0024】
ペプチドをコードするDNA配列が天然に存在するペプチドのものとは異なる性質を有するペプチドをコードするように改変されてもよいことは既知である。DNA配列の改変の方法は、部位特異的変異誘発、キメラ置換、および遺伝子融合を含むが、しかしこれらに限定はれない。部位特異的変異誘発は、サイレント変異、保存変異、または非保存変異をもたらすであろう1個またはそれ以上のDNA残基の交換のために使用される。キメラ遺伝子は、プロテアーゼD−G遺伝子内に類似のドメインを置換するために類似または異なる遺伝子のドメインを交換して作製される。同様に、融合遺伝子は、遺伝子の同定および単離を容易にするために例えばアフィニティータグなどのドメインをプロテアーゼD−G遺伝子に付加して作製されてもよい。融合遺伝子は、例えばタンパク質の正常な輸送の方向を変えるために膜貫通ドメインを除去するかもしくは標的配列を付加し、またはプロテアーゼD−G遺伝子に新しい翻訳後修飾配列を付加して、タンパク質の可溶性型を創成するためにプロテアーゼD−G遺伝子の領域を置換するために作製される。改変された性質の例には、基質のための酵素またはリガンドのための受容体のアフィニティーを変化させることを含むが、これに限定はされない。ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列のすべてのかかる変化は、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の当初の機能が本明細書中に記載のように維持される限り、本発明の有用な変異体として期待される。
【0025】
当該技術分野では既知のように同一性および類似は、配列の比較により決定される2種またはそれ以上のポリペプチド配列または2種またはそれ以上のポリヌクレオチド配列の間の関係である。当該技術分野では、同一性は、該当する場合に、かかる配列の鎖の間のマッチにより決定されるようなポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列の間の配列関連の程度も意味する。同一性および類似の双方共に、容易に算出できる(Computational Molecular Biology, Lesk, A.M., ed., Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D.W., ed., Academic Press, New York, 1998; Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M., and Griffin, H.G., eds., Humana Press,New Jersey, 1994; Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; およびSequence Analysis Primer,Gribskov, M. and Devereux, J. eds., M Stockton Press, New York, 1991) 。2個のポリヌクレオチドまたは2個のポリペプチド配列の間の同一性および類似を測定するための多数の方法があるけれども、この両方の用語は熟練者には周知である(Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; Sequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J. eds., M Stockton Press, New York, 1991;およびCarillo, H., and Lipman, D., (1988) SIAM J. Applied Math., 48, 1073)。配列間の同一性または類似を決定するために一般的に使用される方法には、Carillo, H., and Lipman, D., (1988) SIAM J. Applied Math., 48, 1073 に開示された方法が含まれるが、それに限定はされない。同一性を決定するための好ましい方法は、試験する配列間に最大のマッチを与えるように設計される。同一性および類似を決定するための方法は、コンピュータープログラムにコード化されている。2個の配列の間の同一性および類似を決定するための好ましいコンピュータープログラム方法には、GCGプログラムパッケージ(Devereux, J. et al., (1984) Nucleic Acids Research 12(1), 387)、BLASTP、BLASTNおよびFASTA(Atschul, S.F. et al., (1990) J. Molec. Biol. 215, 403) が含まれるが、これらに限定はされない。
【0026】
ポリヌクレオチドは、一般に、非修飾RNAもしくはDNAまたは修飾RNAもしくはDNAであってもよいあらゆるポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを呼ぶ。従って、例えば、本明細書中で使用されるポリヌクレオチド、なかでも、一本鎖または二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域または一本鎖、二本鎖および三本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖または二本鎖RNA、一本鎖および二本鎖領域混合物であるRNA、一本鎖、またはさらに典型的には、二本鎖、または三本鎖、または一本鎖および二本鎖領域の混合物であってもよいDNAおよびRNAを含んでなるハイブリッド分子を呼ぶ。さらに、本明細書中に使用される場合のポリヌクレオチドは、RNAもしくはDNAまたはRNAおよびDNAの両者を含んでなる三本鎖領域を呼ぶ。かかる領域内の鎖は、同じ分子由来でも異なる分子由来でもよい。領域は1個またはそれ以上の分子の全体を含んでもよいが、しかしさらに典型的には分子の一部の領域のみを包含する。
【0027】
三本らせん領域の分子の一つは、しばしばオリゴヌクレオチドである。本明細書中に使用される場合に、ポリヌクレオチドという用語は、1個またはそれ以上の修飾された塩基を含む上記のDNAまたはRNAを含む。従って、安定性のためまたはその他の理由で修飾された骨格を有するDNAまたはRNAは、本明細書中で意図される用語としての場合に「ポリヌクレオチド」である。さらに、例えば2例を挙げると、通常ではない塩基、例えばイノシン、または修飾された塩基、例えばトリチル化塩基を含んでなるDNAまたはRNAは、本明細書中で使用される用語としてのポリヌクレオチドである。多種の修飾が当該技術分野の熟練者に既知の多数の有用な目的に役立つDNAおよびRNAになされることが認められるであろう。本明細書中に使用されるポリヌクレオチドという用語は、かかる化学的、酵素的または代謝的に修飾されたポリヌクレオチドの形、ならびにウイルスおよびなかでも単純および複合細胞を含む細胞のDNAおよびRNA特性の化学的の形を包含する。ポリヌクレオチドはしばしばオリゴヌクレオチドとも呼ばれる短いポリヌクレオチドも包含する。
【0028】
本明細書中で使用されるポリペプチドという用語は、当該分野で周知でありそして教科書およびその他の出版物に記載されているポリペプチドの基本的化学構造を呼ぶ。この範囲内で、この用語は、ペプチド結合により互いに線型鎖に結合した2個またはそれ以上のアミノ酸を含んでなるあらゆるペプチドまたはタンパク質を呼ぶように本明細書中では使用される。本明細書中に使用される場合に、この用語は、当該分野では例えばペプチド、オリゴペプチドおよびオリゴマーとも一般に呼ばれる短い鎖、および種々の形があり、当該分野では一般にタンパク質と呼ばれるさらに長い鎖の双方を呼ぶ。ポリペプチドは20種の天然に存在するアミノ酸と一般に呼ばれる20種のアミノ酸の他のアミノ酸をしばしば含み、そして末端アミノ酸を含む多数のアミノ酸は、天然の過程、例えばプロセシングおよびその他の翻訳後修飾により、また当該技術分野では周知の化学的修飾技術のいずれかにより、与えられたポリペプチド内で修飾されていてもよいことが認められる。ポリペプチド中に天然で起きる一般的な修飾であっても、包括的にここに列記するには多すぎるが、しかし、これらは基本的教科書そしてさらに詳細には論文中、ならびに当該技術分野の熟練者には周知の長大な研究論文中に詳しく記載されている。
【0029】
現在のポリペプチド中に存在していてもよい既知修飾中で、少数を例示的に挙げると、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合付加、ヘム領域の共有結合付加、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合付加、脂質または脂質誘導体の共有結合付加、ホスホチジルイニシトールの共有結合付加、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋形成、シスチンの形成、ピログルタマートの形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プロセシング、ホスホリル化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、タンパク質へのアミノ酸のトランスファー−RNA媒介付加例えばアルギニル化、およびユビキチン化である。かかる修飾は、当該技術分野の熟練者には周知でありそして科学文献中に詳細に記載されている。特に一般的な修飾である例えばグリコシル化、脂質付加、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ−カルボキシル化、ヒドロキシル化およびADP−リボシル化は、最も基本的な教科書、例えば「タンパク質−構造および分子の性質」(PROTEIN−STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES, 2nd Ed., T.E. Creighton, W.H. Freeman and Company, New York,(1983))に記載されている。多数の詳細な総説がこの主題に関して利用でき、例えば、Wold, F., Posttranslational Protein Modifications: Perspectives and Prospects, 1−12 ページ、POSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS, B.C. Johnson, Ed., Academic Press, New York(1983); Seifter et al., (1990) Meth. Enzymol. 182, 626−646、およびRattman et al., ”Protein Synthesis: Posttranslational Modifications and Aging”, (1992) Ann. N.Y. Acad. Sci. 663,48−62 により提供されるものである。
【0030】
周知のようにそして上記のように、ポリペプチドは必ずしも常に完全には線型でないことが認められている。例えば、ポリペプチドは、一般に天然のプロセシング事象および天然には起きない人的操作によりもたらされる事象を含む翻訳後事象の結果としてのものである。環状、分枝状および分枝環状ポリペプチドが非翻訳天然過程によりそして完全に合成法によっても合成されてもよい。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシル末端を含むポリペプチド中のあらゆる位置で起こることができる。実際、共有結合修飾によるポリペプチド中のアミノもしくはカルボキシル基または双方の遮断は、天然に存在および合成ポリペプチド中に一般的でありそしてかかる修飾は本発明のポリペプチド中に存在してもよい。例えば、タンパク質分解プロセシング前に大腸菌またはその他の細胞内に生成するポリペプチドのアミノ末端残基は、ほとんど常にN−ホルミルメチオニンである。
【0031】
ペプチドの翻訳後修飾の間に、NH2 末端のメチオニン残基が欠失されてもよい。従って、本発明は、本発明のタンパク質のメチオニン含有およびメチオニン欠失アミノ末端変異体の双方の使用を意図する。ポリペプチド内に起きる修飾は、しばしばその作製の方法の関数であろう。例えば、宿主内にクローニングされた遺伝子を発現して作製されるポリペプチドにおいて、修飾の性質およびその範囲は大部分が宿主細胞翻訳後修飾能力およびポリペプチドアミノ酸配列内に存在する修飾シグナルにより決定されるであろう。例えば、周知のように、グリコシル化は例えば大腸菌のような細菌宿主中にしばしばは起きない。従って、グリコシル化を望む場合には、ポリペプチドはグリコシル化宿主、一般的には真核細胞内に発現されるべきである。昆虫細胞はしばしば哺乳動物細胞と同様の翻訳後グリコシル化を行いそして、この理由から、昆虫細胞発現系はなかでもグリコシル化の本来のパターンを有する哺乳動物タンパク質を効率的に発現するために開発される。同様の考慮は他の修飾にも適用される。修飾の同じ形式が与えられたポリペプチド内の数個の部位で同様または異なる程度で存在してもよいことが認められる。また、与えられたポリペプチドは、修飾の多数の形式を含んでもよい。一般に、本明細書中に使用される場合には、ポリペプチドという用語は、すべてのかかる修飾、特には宿主細胞内にポリヌクレオチドを発現することにより組換え的に合成されるポリペプチド中に存在するものを包含する。
【0032】
本明細書中に使用される用語としてのポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体は、それぞれ基準のポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは異なるポリヌクレオチドまたはポリペプチドである。ポリヌクレオチドの変異体は、天然に存在する変異体、例えば天然に存在する対立遺伝子変異体であってもよく、またはこれは天然に存在することが知られていない変異体であってもよい。(1)他の基準ポリヌクレオチドとはヌクレオチド配列が異なるポリヌクレオチド。一般に、基準および変異体のヌクレオチド配列が全体的に類似しそして、多くの領域内で同一性するように相違が限定される。以下に記載するように、変異体のヌクレオチド配列内の変化は、サイレントであってもよい。すなわち、これらはポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸を改変しなくてもよい。改変がこの形式の変異体のサイレント変化に限定される場合には、変異体は基準と同様のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする。同様に以下に記載するように、変異体のヌクレオチド配列における変化は、基準ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を改変してもよい。かかるヌクレオチド変化は、以上に考察したように基準配列によりコードされるポリペプチド中でアミノ酸置換、付加、欠失、融合および末端切除をもたらしてもよい。(2)他の基準ポリペプチドとはアミノ酸配列が異なるポリペプチド。
【0033】
一般に、相違は、基準と変異体の配列が全体的に類似でありそして多くの領域内で同一性するように限定される。変異体および基準ポリペプチドは、アミノ酸配列中で1個またはそれ以上の置換、付加、欠失、融合および末端切除により異なってもよく、それらはあらゆる組み合わせで存在してもよい。本明細書中に使用される場合に、プロテアーゼD−Gの「機能性誘導体」とは、プロテアーゼD−Gの生物学的活性に本質的に類似する生物学的活性(機能的または構造的のいずれか)を有する化合物である。
【0034】
「機能性誘導体(functional derivatives)」の用語は、「フラグメント」、「変異体」、「縮退変異体」、「類似体」および「同族体」またはプロテアーゼD−Gの「化学誘導体」を含むことを意図する。ポリペプチドの有用な化学誘導体は、当該技術分野では周知でありそして例えば二次化学部分を有するポリペプチド内に含まれる反応性有機部位の共有結合修飾を含む。周知の架橋剤は、アフィニティータグ、例えばビオチン、蛍光染料を導入するため、または固相表面にポリペプチドを結合するために(例えばアフィニティーレジンを創成するために)、アミノ、カルボキシル、またはアルデヒド残基に反応させるために有用である。
【0035】
「フラグメント」という用語は、プロテアーゼD−Gのあらゆるポリペプチドサブセットを呼ぶと意図する。双方の分子が本質的に類似した構造を有する場合または双方の分子が類似した生物学的活性を有する場合に分子はプロテアーゼD−Gに「本質的に類似」である。従って、2個の分子が本質的に類似した活性を有する場合に、分子の一方の構造が他方に見いだされない場合でもまたは2個のアミノ酸配列が同一性していない場合でも、これらは、変異体と考えられる。
【0036】
「類似体」の用語は、全プロテアーゼD−G分子またはそのフラグメントのいずれかに対して機能的に本質的に類似した分子を呼ぶ。これに関して特に好ましいのは、配列番号1の変異体、類似体、誘導体およびフラグメントをコードするポリヌクレオチドおよびその中で数個、2、3個、5〜10、1〜5、1〜3、2、1または0個のアミノ酸残基がいずれかの組み合わせで置換、欠失または付加されている、配列番号2のポリペプチドのアミノ酸配列を有する変異体、類似体、誘導体およびフラグメントである。それらの中で特に好ましいは、配列番号1の遺伝子の性質および活性を改変しないサイレント置換、付加および欠失である。これに関して特に好ましいのは、保存性置換でもある。最高に好ましいのは、置換がなくて配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0037】
本発明のさらなる好ましい態様は、配列番号2中に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに、その全長にわたって少なくとも70%同一性するポリヌクレオチド、およびかかるポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドである。あるいは、高度に好ましいのは、少なくとも80%同一性する領域を含んでなるポリヌクレオチドでありさらに高度に好ましいのは、少なくとも90%同一性する領域を含んでなるポリヌクレオチドであり、そしてこれらの好ましいポリヌクレオチドの中で少なくとも95%同一性するものが特に好ましい。さらに、少なくとも95%同一性するものの中で少なくとも97%同一性を有するものが高度に好ましく、そしてそれらの中で少なくとも98%、そして少なくとも99%が特に高度に好ましく、少なくとも99%が最も好ましい。好ましい態様中で本明細書中に記載のポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドは、配列番号2の推論されたアミノ酸配列により特性付けられるポリペプチドとして本質的に同じ生物学的機能または活性を保持するポリペプチドをコードする。さらに、この観点で好ましい態様は、配列番号1のDNAによりコードされる成熟ポリペプチドとして本質的に同様の生物学的機能または活性を保持するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。本発明は、さらに、本明細書中の上記の配列にハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドに関する。これに関して、本発明は、特に本明細書中の上記のポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドに関する。本明細書中に使用される場合に、「ストリンジェント条件」という用語は、配列間に少なくとも95%、そして好ましくは少なくとも97%の同一性が存在する場合にのみハイブリダイゼーションが起きることを意味する。
【0038】
本発明のポリヌクレオチドアッセイに関して本明細書中に追加して考察するように、例えば、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号1の配列をコードする全長cDNAおよびゲノムクローンを単離するためおよび配列番号1に高度の配列類似性を有する他の遺伝子のcDNAおよびゲノムクローンを単離するために、RNA、cDNAおよびゲノムDNAのためのハイブリダイゼーションプローブとして使用してもよい。かかるプローブは、一般に少なくとも15個の塩基を含んでなる。好ましくは、かかるプローブは少なくとも30個の塩基を有しそして少なくとも50個の塩基を有してもよい。特に好ましいプローブは少なくとも30個の塩基を有しそして50個またはそれ以下の塩基を有する。例えば、本発明の遺伝子のコード領域は、オリゴヌクレオチドプローブを合成するために既知のDNA配列を用いるスクリーニングにより単離されてもよい。本発明の遺伝子のものに相補的な配列を有する標識されたオリゴヌクレオチドは、次いで、cDNA、ゲノムDNAまたはmRNAのライブラリーをスクリーニングして、ライブラリーのどのメンバーにプローブがハイブリダイゼーションするかを決定するために使用される。
【0039】
本発明のポリペプチドは、配列番号2のポリペプチド(特に成熟ポリペプチド)ならびに配列番号2のポリペプチドに少なくとも70%同一性、好ましくは配列番号2のポリペプチドに少なくとも80%同一性、さらに好ましくは配列番号2のポリペプチドに少なくとも90%類似(さらに好ましくは少なくとも90%同一性)、そしてそれ以上に好ましくは配列番号2のポリペプチドに少なくとも95%類似(さらに好ましくは少なくとも97%同一性)を有するポリペプチドを含み、そして一般に少なくとも30個のアミノ酸およびさらに好ましくは少なくとも50個のアミノ酸を含むポリペプチドのかかる部分であるかかるポリペプチドの部分も含む。本発明のポリペプチドフラグメントの代表的な例には、例えば配列番号2の末端切除ポリペプチドが含まれる。末端切除ポリペプチドには、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはそれらの変異体もしくは誘導体が含まれるが、しかし、アミノ末端を含む残基の連続シリーズ(すなわち、連続領域、部分またはポーション)、もしくはカルボキシル末端を含む残基の連続シリーズの欠失または、二重末端切除変異体として、一方はアミノ酸末端を含み他方はカルボキシル末端を含む残基の2個の連続シリーズの欠失を除く。本発明のこの局面で好ましいのは、配列番号2の配列により特性付けられるポリペプチドの構造的または機能的属性により特性付けられるフラグメントである。
【0040】
この観点において本発明の好ましい態様には、アルファらせんおよびアルファらせん形成領域、ベータ−シートおよびベータ−シート形成領域、ターンおよびターン形成領域、コイルおよびコイル形成領域、親水性領域、疎水性領域、アルファ両親媒性領域、ベータ両親媒性領域、フレキシブル領域、表面形成領域、基質結合領域、本発明のポリペプチドの高抗原性インデックス領域、およびかかるフラグメントの組み合わせを含んでなるフラグメントが含まれる。好ましい領域は、本発明のポリペプチドの活性を媒介するものである。この観点から最も好ましいのは、本発明の応答レギュラーターポリペプチドの化学的、生物学的またはその他の活性を有するフラグメントであり、これらには同様の活性もしくは改善された活性を有するか、または低下した望ましくない活性を有するものが含まれる。
プロテアーゼD−Gの組換え発現
本明細書中に記載の方法を介して得られたクローニングされたプロテアーゼD−G DNAは、適合するプロモーターおよびその他の適当な転写調節要素を含む発現ベクター内に分子クローニングすることにより組換え的に発現され、そして組換えプロテアーゼD−Gタンパク質を生成するために原核または真核宿主細胞内に転移されてもよい。かかる操作の技術は、上記のManiatis et al. 中に詳細に記載されそして当該技術分野では周知である。
【0041】
発現ベクターは、遺伝子のクローニングされたコピーの転写および適当な宿主内のそれらのmRNAの翻訳のために必要なDNA配列として本明細書中で定義される。かかるベクターは、種々の宿主、例えば大腸菌を含む細菌、藍藻植物、植物細胞、昆虫細胞、酵母細胞を含む真菌細胞、および動物細胞内に真核遺伝子を発現するために使用できる。
【0042】
特異的に設計されたベクターは、宿主、例えば細菌−酵母または細菌−動物細胞または細菌−真菌細胞または細菌−脊椎動物間のDNAのシャトリングを可能とする。適切に構築された発現ベクターは、宿主細胞内の自律的複製のための複製起点、選択可能マーカー、有用な制限酵素部位の限定された数、高いコピー数のための潜在能力、および活性プロモーターを含まなければならない。プロモーターは、RNAポリメラーゼにDNAを結合しそしてRNA合成を開始することを指示するDNA配列として定義される。強力なプロモーターは、mRNAに高い頻度で開始させるものである。発現ベクターは、クローニングベクター、修飾クローニングベクター、特異的に設計されたプラスミドまたはウイルスを含んでもよいがこれらに限定はされない。
【0043】
種々の哺乳動物発現ベクターを組換えプロテアーゼD−Gを哺乳動物内に発現するために使用してもよい。組換えプロテアーゼD−G発現のために適するであろう商業的に入手できる哺乳動物発現ベクターには、pMAMneo(Clontech)、pcDNA3(Invitrogen)、pMC1neo(Stratagene)、pXT1(Stratagene)、pSG5(Stratagene)、EBO−pSV2−neo(ATCC37593) 、pBPV−1(8−2)(ATCC37110) 、pdBPV−MMTneo(342−12)(ATCC37224) 、pRSVgpt(ATCC37199) 、pRSVneo(ATCC37198) 、pSV2−dhfr(ATCC37146) 、pUCTag(ATCC37460) 、およびIZD35(ATCC37565) が含まれるがこれらに限定はされない。種々の細菌発現ベクターを細菌細胞内で組換えプロテアーゼD−Gを発現するために使用してもよい。組換えプロテアーゼD−G発現のために適するであろう商業的に入手できる細菌発現ベクターには、pETベクター(Novagen) およびpQEベクター(Qiagen)が含まれるがこれらに限定はされない。
【0044】
種々の真菌細胞発現ベクターを真菌細胞、例えば酵母内で組換えプロテアーゼD−Gを発現するために使用してもよい。組換えプロテアーゼD−G発現のために適するであろう商業的に入手できる真菌細胞発現ベクターには、pYES2(Invitrogen)およびPichia発現ベクター(Invitrogen)が含まれるがこれらに限定はされない。
【0045】
種々の昆虫細胞発現ベクターを昆虫細胞内で組換えプロテアーゼD−Gを発現するために使用してもよい。プロテアーゼD−Gの組換え発現のために適するであろう商業的に入手できる昆虫細胞発現ベクターには、pBlueBacII(Invitrogen)が含まれるがこれらに限定はされない。
【0046】
プロテアーゼD−GをコードするDNAは、組換え宿主細胞内の発現のために発現ベクター内にクローニングされてもよい。組換え宿主細胞は、大腸菌などの細菌、酵母などの真菌細胞、ヒト、ウシ、ブタ、サルおよびネズミ起源の細胞系統を含むがこれらに限定はされない哺乳動物細胞、およびショウジョウバエおよびカイコ誘導細胞系統を含むがこれらに限定はされない昆虫細胞を含むがこれらに限定はされない、原核または真核性であってもよい。
【0047】
適当でありそして商業的に入手できる哺乳動物種より誘導される細胞系統には、CV−1(ATCC CCL 70)、COS−1(ATCC CRL 1650)、COS−7(ATCC CRL 1651)、CHO−K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、HIN/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS−C−1(ATCC CCL 26)、MRC−5(ATCC CCL 171)、L−細胞、およびHEK−293(ATCC CRL 1573)が含まれこれらに限定はされない。
【0048】
発現ベクターは、形質転換、トランスフェクション、プロトプラスト融合、リポフェクション、およびエレクトロポレーションを含むがこれらに限定はされない多数の技術のいずれか一つを介して宿主細胞内に導入されてもよい。発現ベクターを含む細胞はクローン的に繁殖しそしてこれらがプロテアーゼD−Gタンパク質を生成するかどうかを決定するために個別に分析される。プロテアーゼD−G発現宿主細胞クローンの同定は、抗−プロテアーゼD−G抗体との免疫学的反応性、および宿主細胞関連プロテアーゼD−G活性の存在を含むがこれらに限定はされない種々の技術により行ってもよい。
【0049】
プロテアーゼD−G DNAの発現は、生体外生成された合成mRNAを用いて行ってもよい。合成mRNAまたはプロテアーゼD−G生成細胞より分離されたmRNAは、大豆胚抽出液および網赤血球抽出液を含むがこれらに限定はされない種々の細胞を含まない系内で効率的に翻訳され、なたびにカエル卵母細胞内へのマイクロインジェクションを含むがこれらに限定はされない細胞に基づく系内に効率的に翻訳されることができ、ここでカエル卵母細胞内へのマイクロインジェクションが一般的に好まれる。
【0050】
プロテアーゼD−G活性および/またはプロテアーゼD−Gタンパク質の最適レベルを生成するプロテアーゼD−G DNA配列を決定するために、下記を含むがこれらに限定はされないプロテアーゼD−G DNA分子を構築できる:塩基〔277〕付近から塩基〔1581〕付近までの〔約48kDa〕タンパク質をコードするプロテアーゼD−G cDNAの全長オープンリーディングフレーム(これらの数字は、最初のメチオニンの最初のヌクレオチドおよび最初の終止コドンの前の最後のヌクレオチドに相当する)およびプロテアーゼD−Gタンパク質をコードするcDNAの部分を含む数種の構築物。すべての構築物は、プロテアーゼD−G cDNAの5’または3’非翻訳領域を全く含まないか、すべてまたは一部分を含むように設計できる。プロテアーゼD−G活性およびタンパク質発現のレベルは、適当な宿主細胞内へのこれらの構築物の単独および組み合わせの双方の導入の後に決定できる。一過性アッセイにおいて最適発現を生成するプロテアーゼD−G DNAカセットの決定の後に、哺乳動物細胞、バキュロウイルス感染昆虫細胞、大腸菌、および酵母S.cerevisiaeを含むがこれらに限定はされない宿主細胞内の発現のために、このプロテアーゼD−G
DNA構築物を種々の発現ベクターに転移する。
プロテアーゼD−Gのためのアッセイ方法
宿主細胞トランスフェクタントおよびマイクロインジェクションした卵母細胞は、下記の方法により機能性プロテアーゼD−G活性のレベルおよび全プロテアーゼD−Gタンパク質のレベルの双方をアッセイするために用いてもよい。組換え宿主細胞の場合に、これは触媒ドメインをコードする1個またはそれ以上のフラグメントをコードするプロテアーゼD−G DNAを含む1個または可能ならば2個またはそれ以上のプラスミドの同時トランスフェクションを含む。卵母細胞の場合に、これはプロテアーゼD−Gタンパク質のための合成RNAの同時注入を含む。発現させるために適当な時間が経過した後、細胞タンパク質を例えば35Sメチオニンを用いて24時間で代謝的に標識し、その後、細胞溶解物および細胞培地上清を採取しそしてプロテアーゼD−Gタンパク質に対抗して指向するポリクロナール抗体を用いて免疫沈降する。
【0051】
宿主細胞内のプロテアーゼD−Gタンパク質のレベルは、免疫アフィニティーおよび/またはタンパク質分解/アミド分解アッセイ技術により定量される。プロテアーゼD−Gを発現する細胞は、タンパク質分解/アミド分解活性の量を測定して発現されたプロテアーゼD−G分子の数をアッセイできる。プロテアーゼD−G特異性アフィニティービーズまたはプロテアーゼD−G特異性抗体を、例えば35Sメチオニン標識または非標識プロテアーゼD−Gタンパク質を単離するために使用する。標識プロテアーゼD−Gタンパク質はSDS−PAGEにより分析される。非標識プロテアーゼD−Gタンパク質はウエスタンブロティング、ELISAまたはRIAアッセイによりプロテアーゼD−G特異性抗体を用いて検出される。
細胞に基づくアッセイ
本発明は、プロテアーゼD−Gの化合物修飾を検出するための全細胞法を提供する。この方法は、工程
1)化合物、と機能性プロテアーゼD−Gとを接触させ、または機能性プロテアーゼD−Gを精製し、そして
2)化合物による応答またはプロテアーゼD−G活性の細胞内の変化を測定する、
を含んでなる。
【0052】
化合物とのプロテアーゼD−G相互作用のために必要な時間の長さは、例えば既知プロテアーゼD−Gモジュレーターを用いる経過時間実験を行いそして時間の関数として細胞/活性変化を測定することにより実験的に決定される。
【0053】
「細胞」の用語は、少なくとも1個の細胞、しかし検出方法の感度に適する複数個の細胞を含んで呼ぶ。本発明に適する細胞は、細菌、酵母、または真核性であってもよい。
【0054】
機能性プロテアーゼD−Gの化合物モジュレーションを決定するためのアッセイ方法は、慣用の実験フォーマットでありまたは高処理量に適合させることができる。「高処理量」の用語は、多重試料を同時に容易に分析できるアッセイ設計、およびロボット操作のための可能性を呼ぶ。高処理量アッセイの別の望ましい特徴は、所望の分析を達成するための試薬使用量の低減、または操作の数の最小化に関して最適化されたアッセイ設計である。アッセイフォーマットの例には、96−ウエルまたは384−ウエルプレート、浮揚液滴、および液体処理実験に用いられる「ラブオンアチップ(lab on a chip) 」マイクロチャンネルチップが含まれる。プラスチック型および液体取り扱い器具の小型化が進歩し、または本発明の設計を用いてさらに多数の試料を処理できる改善されたアッセイ器具が設計されることは当該技術分野の熟練者には周知である。
【0055】
本発明の方法に適する細胞変化は、プロテアーゼD−Gの機能もしくは量の変化を直接測定するか、または例えば転写における二次メッセンジャー濃度または変化を測定することによりまたはプロテアーゼD−Gにより転写的に影響される遺伝子のタンパク質レベルの変化によるプロテアーゼD−G機能の下流効果を測定することにより、または細胞内の表現型変化を測定することによるものを含んでなる。好ましい測定手段には、プロテアーゼD−Gタンパク質の量の変化、プロテアーゼD−Gの機能活性の変化、mRNAの量の変化、細胞内タンパク質の変化、細胞表面タンパク質、または分泌されるタンパク質の変化、またはCa+2、cAMPたはGTP濃度の変化が含まれる。プロテアーゼD−Gの量または機能活性の変化を本明細書中有に記載する。mRNAのレベルの変化は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)によりまたはディファレンシャル遺伝子発現により検出される。免疫アフィニティー、リガンドアフィニティー、または酵素測定は、宿主細胞内のタンパク質のレベルの変化を定量化する。タンパク質特異性アフィニティービーズまたは特異性抗体は、例えば35Sメチオニン標識または非標識タンパク質を単離するために使用される。標識タンパク質はSDS−PAGEにより測定される、非標識タンパク質は、ウエスタンブロティング、蛍光細胞分別による細胞表面検出、細胞イメージ分析、特異性抗体を用いるELISAまたはRIAにより検出される。タンパク質が酵素の場合には、タンパク質の誘導は、蛍光発光または比色基質の切断により測定される。
【0056】
細胞表面タンパク質に好ましい検出手段は、フローサイトメトリーまたは統計的細胞イメージングを含む。双方の技術において、関係するタンパク質は細胞表面に局在化され、特異性蛍光プローブにより標識され、そして細胞蛍光の程度により検出される。フローサイトメトリーでは、細胞は溶液中で分析され、一方細胞イメージング技術では、細胞の視野を相対蛍光に関して比較する。酵素、例えばアルカリホスファターゼまたはプロテアーゼである分泌されたタンパク質のための好ましい分析手段は、蛍光または比色酵素アッセイであろう。
【0057】
アルカリホスファターゼのための蛍光/発光/比色基質は商業的に入手できそしてかかるアッセイは高処理量のマルチウエルプレートスクリーンフォーマットに容易に適合される。蛍光エネルギートランスファービーズアッセイは、プロテアーゼアッセイに使用される。蛍光体およびクエンチャー分子をプロテアーゼのペプチド基質の両端内に組み込む。特異性基質が切断すると、蛍光体とクンチャーとの分離が蛍光を検出可能とする。分泌されたタンパク質が放射能法により測定できた場合に、シンチレーションプロキシミティー技術が使用できた。関係するタンパク質の基質は、蛍光物質を含む個体支持体上に被覆または組み込むかのいずれかにより固定される。酵素反応により固体相の近くにもたらされた放射性分子は、蛍光物質を励起させそして可視光を射出させる。可視光の射出は、リガンド/標的相互作用の検出成功の基礎を形成し、そして適当な測定器具により測定される。シンチレーションプロキシミティーアッセイの例は、1986年2月4日付け発行の米国特許(US)第4,568,649号に記載されている。これらの形式のアッセイのための物質は、フラッシュプレート(FlashPlate)TMの商標名でデュポン(Dupont)NENTM(Boston, Massachusetts) より商業的に入手可能である。
【0058】
内在性遺伝子が表現型細胞構造変化をもたらす場合の好ましい検出手段は、細胞形態または細胞内表現型変化の統計的イメージ分析である。限定の意味ではないが、例えば、表面に対して平のままであることに対して丸くなるように細胞は形態を変化するらしく、または増殖面に独立性となり従って腫瘍細胞生物学の分野では周知の形質転換細胞表現型に類似し、または細胞は新しい所生成物を生成するであろう。細胞内で起きてもよい表現型変化には、細胞骨格変化、新しい遺伝子転写に応答する小胞体/ゴルジ複合体の改変、または新しい小胞の生成が含まれる。
【0059】
内在性遺伝子が可溶性細胞内タンパク質をコードする場合に、内在性遺伝子の変化は細胞溶解物内に含まれる特定のタンパク質の変化により測定してもよい。可溶性タンパク質は、本明細書中に記載の方法により測定してもよい。
【0060】
本発明は、プロテアーゼD−GをコードするDNAまたはRNAの発現をモジュレーションする化合物のスクリーニングのための方法ならびに生体内のプロテアーゼD−Gタンパク質の機能も指向する。化合物は、プロテアーゼD−GをコードするDNAもしくはRNAの発現、またはプロテアーゼD−Gタンパク質の機能の増加もしくは減少によりモジュレーションされてもよい。プロテアーゼD−GをコードするDNAもしくはRNAの発現またはプロテアーゼD−Gタンパク質の機能をモジュレーションする化合物を種々のアッセイにより検出してもよい。そのアッセイは、発現または機能に変化があったかどうかを決定するための単純な「正/否」アッセイであってもよい。アッセイは、試験試料の発現または機能を標準試料内の発現または機能のレベルと比較して定量化してもよい。本プロセスで同定されたモジュレーターは、治療剤、およびプロテアーゼD−Gとして有用である。
プロテアーゼD−Gタンパク質の精製
組換え宿主細胞内のプロテアーゼD−Gの発現の後、プロテアーゼD−Gタンパク質を精製されたプロテアーゼD−Gを活性形で得るために回収してもよい。数種のプロテアーゼD−G精製方法が利用可能であり、そして使用に適する(精製スキームの基礎となるであろう類似タンパク質の精製のための文献追加)。天然起源よりのプロテアーゼD−Gの精製のために以上に記載したように、組換えプロテアーゼD−Gは、細胞溶解液および抽出液より、または条件調整した培養媒体より、塩分別、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイト吸着クロマトグラフィーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィー、レクチンクロマトグラフィー、および抗体/リガンドアフィニティークロマトグラフィーの種々の組み合わせ、または個別の適用により精製してもよい。
【0061】
組換えプロテアーゼD−Gは、全長初期プロテアーゼD−Gに特異性のモノクローナルもしくはポリクローナル抗体、プロテアーゼD−GもしくはプロテアーゼD−Gサブユニットのポリペプチドフラグメントを用いて作製した免疫アフィニティーカラムを用いて他の細胞タンパク質から分離できる。次いで、アフィニティーレジンを適当な緩衝液、例えばリン酸緩衝生理食塩水(pH7.3)中で平衡させ、そしてプロテアーゼD−GまたはプロテアーゼD−Gサブユニットを含む細胞培養上清または細胞抽出液をゆっくりとカラムに通す。次いでカラムを緩衝液を用いて光学密度(A280 )が背景値に下がるまで洗浄し、次いで緩衝条件を、例えば0.23Mグリシン−HCl(pH2.6)などの緩衝液を用いてpHを低下させて変化してタンパク質を溶離する。次いで精製されたプロテアーゼD−Gタンパク質を次いで適当な緩衝液、例えばリン酸緩衝生理食塩水に対して透析する。
タンパク質基づくアッセイ
本発明は、プロテアーゼD−Gタンパク質活性の化合物モジュレーションを検出するための生体外タンパク質アッセイ法を提供する。この方法は、工程
1)化合物、および機能性プロテアーゼD−Gタンパク質を接触させ、そして
2)化合物によるプロテアーゼD−G機能の変化を測定する
を含んでなる。
化合物との細胞接触のために必要な時間の長さは、例えば既知プロテアーゼD−Gモジュレーターを用いる時間経過実験を実行しそして時間の関数として変化を測定することにより実験的に決定される。
本セクションはプロテアーゼアッセイを記述する
プロテアーゼD−Gタンパク質分解活性をモジュレーションする化合物を検出するための方法は、推定モジュレーティング化合物、機能性プロテアーゼD−Gタンパク質、および適当な標識基質を組み合わせ、そして時間の関数としてまたは所定時間経過後のいずれかにおける基質の量の変化によりプロテアーゼに対する化合物の効果を測定することを含んでなる。標識基質には、放射能標識(Coolican et al.(1986). J. Biol. Chem. 261:4170−6)、蛍光定量法(Longergan et al.(1995). J. Food Sci. 60:72−3,78; Twining (1984). Anal. Biochem. 143:30−4)または比色法(Buroker−Kilgore and Wang (1993). Anal. Biochem. 208:378−92)である基質が含まれ、これらに限定はされない。本発明への使用に適する放射性同位元素には、当該技術分野では周知のもの、具体的には 125I、 131I、 3H、14C、35S、32P、および33Pが含まれる。放射性同位元素は、慣用の手段、例えばチロシン残基のヨウ素化、セリンまたはトレオニン残基のリン酸化、または放射性アミノ酸前駆体を用いるトリチウム、炭素または硫黄の組込はポリペプチド内に導入される。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に続く酵素電気泳動法(Waldstroem and Smyth (1973).Sci. Tools 20:17−21) 、ならびに蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)に基づく方法(Ng and Auld (1989). Anal. Biochem. 183:50−6) も、プロテアーゼD−Gタンパク質分解活性をモジュレーションする化合物を検出するために使用される方法である。アゴニストである化合物は、基質分解速度を上昇しそして時間の関数として残留基質がより減少する。アンタゴニストである化合物は、基質分解速度を低下しそして時間の関数として残留基質がより増加する。
【0062】
本発明の方法に有用な好ましいアッセイフォーマットは、プロテアーゼD−G切断部位をコードするペプチド配列により分離されたクエンチャーまたはアクセプターのいずれかを有する蛍光ドナーを含むペプチド基質を用いる、FRETに基づく方法である。蛍光ドナーは、エネルギーを吸収しそして他の化合物にエネルギーの一部分を転移できる蛍光発光性化合物である。本発明に使用するために適する蛍光ドナーの例には、クマリン、キサンテン染料例えばフルオレセイン、ロドール、およびローダミン、レゾルフィン、シアニン染料ビメーン(bimanes)、アクリジン、イソインドール、ダンシル染料、アミノフタル酸ヒドラジド例えばルミノールおよびイソルミノール誘導体、アミノフタルイミド、アミノナフタールイミド、アミノベンゾフラン、アミノキノリン、ジカノ(dicano)ヒドロキノン、およびユーロピウムおよびテルビウム複合体および関連化合物が含まれ、これらに限定はされない。クエンチャーは、ドナーに適切に近接して位置する場合に蛍光ドナーからの射出を低下する化合物であり、一般に蛍光の形でエネルギーを再射出しない。かかる部分の例には、インジゴ、ベンゾキノン、アントラキノン、アゾ化合物、ニトロ化合物、インドアニリン、およびジ−およびトリフェニルメタンが含まれる。ドナー/クエンチャー対を用いるFRET法は、ペプチド基質に対するプロテアーゼD−G酵素活性の関数として蛍光ドナーからの増加した射出を測定する。従って、プロテアーゼD−Gに拮抗する試験化合物は、FRETペプチド単独よりは低い(基底)蛍光と酵素活性プロテアーゼD−Gの活性により消化されたFRETペプチド単独からの低い蛍光および酵素活性プロテアーゼD−Gにほり消化されたFRETpHペプチドからの高い蛍光との2種の対立試料間の射出シグナルを生成する。
【0063】
アクセプターは、蛍光ドナーからエネルギーを吸収しそしてエネルギーの一部分を蛍光として再射出する蛍光分子である。アクセプターは、プロテアーゼD−Gタンパク質分解効力を測定するための別の機序を可能とするクエンチャーの特殊な形である。ドナー/アクセプター対を利用する方法は、ペプチド基質に対するプロテアーゼD−G酵素活性の関数としてのアクセプター射出の低下を測定する。従って、プロテアーゼD−Gに拮抗する試験化合物は、FRETペプチド単独からの高い方の基底蛍光および酵素活性プロテアーゼD−Gの活性により消化されたFRETペプチドからの低い方の蛍光の2種の対照試料間の射出シグナルを生成する。本発明の方法に有用なアクセプターの例には、クマリン、フルオレセイン、ロドール、ローダミン、レゾルフィン、シアニン、ジフルオロボラジアジンダセンおよびフタルシアニンが含まれるが、これらに減退はされない。
プロテアーゼD−Gに結合する抗体の生成および使用
プロテアーゼD−Gに対する単一特異性抗体は、プロテアーゼD−Gに対して反応性の抗体を含む哺乳動物抗血清より精製されるかまたは最初にコーラーとミルステイン(Kohler and Milstein, Nature 256:495−497 (1975))により記載された技術を用いてプロテアーゼD−Gと反応性のモノクローナル抗体として調製されるる。免疫学的技術は当該技術分野では周知でありそして例えば「抗体:実験マニュアル」(Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY 発行, ISBN 0879693142)に記載されている。本明細書中に使用される単一特異性抗体とは、プロテアーゼD−Gに対して均一結合(homogeneous binding) 特性を有する単一抗体種または多重抗体種として定義される。本明細書中に使用される均一結合とは、特異性の抗原またはエピトープ、例えば上記のプロテアーゼD−Gに関連するものに結合する抗体種の能力を呼ぶ。プロテアーゼD−G特異性抗体は、適当な濃度のプロテアーゼD−Gを免疫アジュバントを用いるかまたは用いないで動物、例えばマウス、ラット、モルモット、ラビット、ヤギ、ウマなど、好ましくはラビットを免疫化して得られる。
【0064】
最初の免疫化の前に未免疫血清を採取する。それぞれの動物は、受容できる免疫アジュバントと関連させたプロテアーゼD−Gの約0.001mg〜約1000mgを受ける。かかる受容できる免疫アジュバントには、フロイントの完全、フロイントの不完全、ミョウバン沈降物、コリネバクテリウム・パヴム(Corynebacterium pavum) およびtRNAを含む油中水エマルションが含まれるが、これらに限定はされない。最初の免疫化は、皮下(SC)、腹膜腔内(IP)または双方のいずれかの多重部位における好ましくはフロイントの完全アジュバント中のプロテアーゼD−Gより成る。それぞれの動物を、抗体力価を測定するために、定期的、好ましくは毎週採血される。動物は、最初の免疫化の後にブースター注入をうけても受けなくてもよい。ブースター注入を受けたこれらの動物は、同じ経路でフロイントの不完全アジュバント中の等量の抗原を一般に与えられる。ブースター注入は、最高力価が得られるまで約3週間の間隔で与えられる。それぞれのブースター免疫化の約7日毎または単回免疫化の約1週間後に、動物から採血し、血清を採取し、そして試料を約−20℃で保管する。
【0065】
プロテアーゼD−Gと反応性のモノクローナル抗体(mAb)を近交マウス、好ましくはBabl/cをプロテアーゼD−Gを用いて免疫化して調製する。マウスをIPまたはSC経路により、上記の受容できるアジュバントの等量内に混合した約0.1mlの緩衝液または生理食塩水中の約0.001mg〜約1.0mg、好ましくは約0.1mgのプロテアーゼD−Gを用いて免疫化する。フロイントのアジュバントが好ましく、ここでフロイントの完全アジュバントを最初の免疫化に使用しそしてフロイントの不完全アジュバントをその後に使用する。マウスは最初の免疫化を0日目に受けそして約2〜約30週間安息させる。免疫化したマウスは、静脈内(IV)経路によるリン酸緩衝生理食塩水などの緩衝液中のプロテアーゼD−G約0.001〜約1.0mgの1回またはそれ以上のブースター免疫化を与えられる。抗体陽性マウスからのリンパ球、好ましくは脾臓リンパ球を当該技術分野では既知の標準方法により免疫化マウスより脾臓を取り出して入手する。脾臓リンパ球と適当な融合相手、好ましくは骨髄腫細胞とを安定なハイブリドーマの形成を許容する条件下で混合してハイブリドーマ細胞を生成する。融合相手には、マウス骨髄腫P3/NS1/Ag4−1;MPC−11;S−194およびSp2/0が含まれてもよく、ここでSp2/0が一般に好ましく、これらに限定はされない。抗体生成細胞および骨髄腫細胞は、分子量約1000のポリエチレングリコール中、約30%〜約50%の濃度で融合させる。
【0066】
融合したハイブリドーマ細胞を、当該技術分野では既知の方法により、ヒポキサンチン、チミジンおよびアミノプテリンを補足したダルベッコの変法イーグル培地(DMEM)中で培養して選別する。上清液を約14、18、および21日目に培養陽性ウエルより採取しそして抗原としてプロテアーゼD−Gを用いて固相免疫ラジオアッセイ(SPIRA)のような免疫アッセイにより抗体生成に関してスクリーニングする。培養液もオクタロニー沈降アッセイにより試験してmAbのアイソタイプを決定する。抗体陽性ウエルからのハイブリドーマ細胞をマックファーソン(Mac Pherson, Soft Agar Techniques, Tissue Culture Methods and Applications 中, Kruse and Paterson編集, Academic Press, 1973) のソフトアガー法などの技術によりまたは限定希釈の技術によりクローニングする。
【0067】
モノクローナル抗体を生体内で、プライミングの少なくとも約4日目に約1x106 〜6x106 ハイブリドーマ細胞を用いて、マウス当たり約0.5mlでプリスタンプライムしたBalb/cマウスの注入により生成する。腹水を細胞転移の約8〜12日後に採取しそしてモノクローナル抗体を当該技術分野では既知の技術により精製する。
【0068】
抗プロテアーゼD−G mAbの生体外生成は、当該技術分野では周知の組織培養媒体中でハイブリドーマを増殖して行う。高密度生体外細胞培養は、当該技術分野では周知の中空繊維培養技術、空気リフト反応器、回転びん、または回転フラスコ培養技術を用いて、大量の抗プロテアーゼD−G mAbを生成するように行ってもよい。mAbは当該技術分野では公知の技術により精製される。
【0069】
腹水またはハイブリドーマ培養液の抗体力価は、沈降法、受動凝集法、酵素結合免疫吸着抗体(ELISA)技術および放射能免疫アッセイ(RIA)技術を含むが、これらに限定はされない種々の血清学的または免疫学的アッセイにより決定される。体液または身体組織および細胞抽出液中のプロテアーゼD−Gの存在を検出するために同様のアッセイが使用される。
【0070】
単一特異性抗体を生成するための上記の方法は、プロテアーゼD−Gポリペプチドフラグメント、または全長初期プロテアーゼD−Gポリペプチド、または個別のプロテアーゼD−Gサブユニットに特異性の抗体を生成するために使用してもよいことは当該技術分野の熟練者には直ちに理解できる。具体的には、唯一のプロテアーゼD−Gサブユニットまたは機能性プロテアーゼD−Gタンパク質全体に特異性である単一特異性抗体が生成されるであろうことは当該技術分野の熟練者には直ちに理解できる。プロテアーゼD−Gタンパク質の正常な機能を阻害する単一特異性抗体が生成されるであろうことも当該技術分野の熟練者には明らかである。
【0071】
プロテアーゼD−G抗体アフィニティーカラムは、抗体がゲルビーズ支持体と共有結合を形成するようにゲル支持体に抗体を加えて作製される。好ましい共有結合は、抗体上に含まれるアミン、アルデヒドまたはスルフヒドリル残基を介して作製される。抗体上にアルデヒドまたは遊離スルフヒドリル基を生成するための方法は当該技術分野では周知である。アミン基は、例えばN−ヒドロキシスクシンイミドエステルと反応性である。
【0072】
タンパク質分解活性の異常な発現または調節は、多数の病理生理学的状態をもたらすことができる。例えば、遺伝的障害からもたらされる数種の出血異常は、多数の活性セリンプロテアーゼ凝集因子のいずれか1個の欠失により起きることが知られている。多数のガン細胞および腫瘍はプロテアーゼを過剰発現し、その数種はセリンプロテアーゼと同定されている。これらの酵素は、腫瘍増殖および/または転移を促進すると考えられている。同様に、皮膚内で同定されたセリンプロテアーゼは、組織再造形および落屑に関係すると考えられる。免疫系の多数の細胞は、炎症症状の間に機能するらしいセリンプロテアーゼを生成および分泌する。一般に、これらのセリンプロテアーゼは細胞外マトリックス分解によりまたは活性増殖レギュレーターまたは化学誘引物質へのプロ−ホルモン前駆体の特異性活性化により作用すると考えられる。従って、セリンプロテアーゼ活性のモジュレーターが種々の病理生理学的症状の重大な効果をどうして有することができたかは容易に想像できる。
プロテアーゼD−G特異性試薬を含むキット組成物
プロテアーゼD−G DNAもしくはRNA、プロテアーゼD−Gへの抗体、またはプロテアーゼD−Gタンパク質を含むキットを調製してもよい。かかるキットは、プロテアーゼD−G DNAに加水分解するDNAを検出するため、または試料中のプロテアーゼD−Gタンパク質またはペプチドフラグメントの存在を検出するために使用される。かかる特性化は、法医学分析、診断用途、および疫学的研究を含むがこれらに限定はされない種々の目的に有用である。
【0073】
本発明のDNA分子、RNA分子、組換えタンパク質および抗体は、プロテアーゼD−G DNA、プロテアーゼD−G RNAまたはプロテアーゼD−Gタンパク質のレベルのスクリーニングおよび測定に使用してもよい。組換えタンパク質、DNA分子、RNA分子および抗体は、プロテアーゼD−Gの検出および形式決定に適するキットの処方に役立つ。かかるキットは、少なくとも1個の容器内に密封して保持するために適する区画化キャリヤーを含んでなる。キャリヤーは、さらに試薬、例えば組換えプロテアーゼD−Gタンパク質またはプロテアーゼD−Gの検出に適する抗プロテアーゼD−G抗体を含んでなる。キャリヤーは、例えば標識抗原または酵素基質などの検出のための手段を含んでもよい。
遺伝子治療
DNA配列をコードするプロテアーゼD−Gに相補的なヌクレオチド配列はアンチセンス治療のために合成できる。これらのアンチセンス分子は、DNA、DNAの安定な誘導体、例えばホスホロチオエートまたはメチルホスホナート、RNA、RNAの安定な誘導体、例えば2’−O−アルキルRNA、またはその他のプロテアーゼD−Gアンチセンスオリゴヌクレオチド模擬体であってもよい。プロテアーゼD−Gアンチセンス分子は、マイクロインジェクション、リポソームカプセル化によりまたはアンチセンス配列を内包するベクターからの発現により細胞内に導入されてもよい。プロテアーゼD−Gアンチセンス治療は、プロテアーゼD−G活性を低下すると有益である疾患の治療のために特に有用であろう。
【0074】
プロテアーゼD−G遺伝子治療は、プロテアーゼD−Gを標的生物体の細胞内に導入するために使用してもよい。プロテアーゼD−G遺伝子は、プロテアーゼD−G DNAの転移を媒介するウイルスベクター内に、レシピエント細胞の注入により連結できる。適当なウイルスベクターには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポリオウイルスなどが含まれる。あるいは、プロテアーゼD−G DNAは、リガンド−DNA結合体またはアデノウイルス−リガンド結合体を用いるレセプター媒介標的DNA転移、リポフェクション膜融合または直接マイクロインジェクションを含む非ウイルス技術により、遺伝子治療のための細胞内に転移できる。それらの操作およびそれらの変形は、生体外ならびに生体内プロテアーゼD−G遺伝子治療に適する。プロテアーゼD−G遺伝子治療は、プロテアーゼD−G活性を上昇させることが有益な疾患の治療のために特に有用であろう。プロテアーゼD−G遺伝子を用いるために適する遺伝子治療の分子的方法のためのプロトコールは、「遺伝子治療プロトコール」(Gene Therapy Protocols, Paul D. Robbins編集, Human press, Totawa, NJ, 1996)に記載されている。
薬剤組成物
プロテアーゼD−G DNA、プロテアーゼD−G RNA、またはプロテアーゼD−Gタンパク質、またはプロテアーゼD−Gレセプター活性のモジュレーターを含んでなる製剤学的に有用な組成物は、製剤学的に許容できるキャリヤーを混合するなどの既知の方法に従って処方してもよい。かかるキャリヤーおよび処方の方法の例は、「レミントンの薬剤科学」(Remington’s Pharmaceutical Science)中に見いだされる。効果的な投与のために適する製剤学的に許容できる組成物を形成するために、かかる組成物は、タンパク質、DNA、RNA、またはモジュレーターの有効量を含む。
【0075】
本発明の治療用または診断用組成物は、プロテアーゼD−G関連活性のモジュレーションが指示された障害の治療または診断のために十分な量で個体に投与される。有効量は、様々な因子、例えば個体の状態、体重、性別および年齢などに従って変化してもよい。その他の因子には、投与の方法が含まれる。薬剤組成物は、個体に対して様々の経路、例えば皮下、局所、経口および筋肉内により投与されてもよい。
【0076】
「化学誘導体」という用語は、通常は基礎分子の一部分ではない追加の化学部分を含む分子を記述する。かかる部分は、基礎分子の溶解度、半減期、吸着等を改善してもよい。あるいは、この部分は基礎分子の望ましくない副作用を減少しまたは基礎分子の毒性を低下してもよい。かかる部分の例は、「レミントンの薬剤科学」などの種々の教科書中に記載されている。
【0077】
本明細書中に開示する方法に従って同定された化合物は、プロテアーゼD−Gレセプターまたはその活性の最適な阻害を得て他方ではあらゆる潜在的な毒性を最小化するための日常的な試験により定義される適当な用量のみで使用してもよい。さらに、他の薬剤の同時投与または連続投与も望ましいであろう。
【0078】
本発明は、本発明の治療の新規方法に使用するために適する局所、経口、全身および非経口薬剤処方を提供するという目的も有する。プロテアーゼD−Gのモジュレーションに使用するための活性成分としての本発明に従って同定された化合物またはモジュレーターを含む組成物は、投与のための慣用のビヒクル内の広範な治療投与形で投与することができる。例えば、化合物またはモジュレーターは、錠剤、カプセル剤(いずれも持効性および徐放性処方を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、液剤、シロップ剤および乳剤としての経口投与形、または注射により投与できる。同様に、これらは、静脈内(ボーラスおよび輸液の双方)、腹腔内、皮下、吸蔵を含むかまたは含まない局所、または筋肉内形で投与してもよく、すべての使用形は薬剤技術分野の通常の熟練者には周知である。所望の化合物の効果的ではあるが非毒性量をプロテアーゼD−Gモジュレーティング剤として使用できる。
【0079】
製品の日用量は、患者あたり、1日あたりに、0.01〜1,000mgの広範囲に変化してもよい。経口投与のために、組成物は、好ましくは、治療される患者への用量の病状適合のための活性成分の0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、および50.0mgを含む割れ目付または割れ目なしの錠剤の形で提供される。薬剤の有効量は、通常、1日あたり、体重kgあたりに約0.0001mg〜約100mgの用量レベルで提供される。この範囲は、さらに具体的には、1日あたり体重kgあたりに約0.001mg〜約10mgである。プロテアーゼD−Gレセプターモジュレーターの用量は、所望の効果を達成するために組み合わされる場合には調整される。他方、これらの種々の薬剤の用量は、いずれかの薬剤を単独で使用した場合に予想されるよりも病状が緩和するような相乗効果を達成するために独立して最適化および組み合わされてもよい。
【0080】
好ましくは、本発明の化合物またはモジュレーターは、単回の日用量で投与しても、または全日用量を毎日2回、3回、または4回に分割して投与してもよい。さらに、本発明の化合物またはモジュレーターは、適当な鼻内ビヒクルの使用を介する鼻内形で、または経皮経路を介して、当該分野の通常の技術者には周知の経皮貼付剤の形を用いて投与できる。経皮投与系の形で投与されるために、当然ながら、用量の投与は、用量レジメンの全体にわたって中断するよりは連続的である。
【0081】
活性薬剤が別々の投与処方にある場合に1種を越える活性剤を用いる組み合わせ治療のために、活性薬剤は同時に投与でき、または分離して交互の時期にそれぞれ投与できる。
【0082】
本発明の化合物またはモジュレーターを用いる用量レジメンは、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別および医学的状態;治療すべき病状の重症度;投与の経路;患者の腎臓および肝臓機能;および使用されるこれら特定の化合物を含む種々の因子に従って選択される。通常の技術の医師または獣医師は、病状の進行を防止、対抗または捕そくするために必要な薬剤の有効量を容易に決定しそして処方できる。毒性なく効力を発生する範囲内の薬剤の濃度を達成するための最適の精密性は、標的部位への薬剤利用性の速度論に基づくレジメンを必要とする。これには、薬剤の分布、平衡、および排出の考慮が含まれる。
【0083】
本発明の方法において、本明細書中に詳細に記載した化合物またはモジュレーターは活性成分を形成することができ、そして典型的には、投与の意図する形態、すなわち経口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤などに関して適切に選択され、そして慣用の製薬慣行と合致する適当な薬剤増量剤、賦形剤またはキャリヤー(集合的に本明細書中では「キャリヤー」物質と呼ぶ)と混合して投与できる。
【0084】
例えば、錠剤またはカプセル剤の形での経口投与のために、活性薬剤成分は、経口、非毒性の製剤学的に許容できる不活性キャリヤー、例えばエタノール、グリセロール、水などと混合できる。さらに、望ましいかまたは必要な場合に、適当な結合剤、滑剤、崩壊剤および着色剤も混合物中に組み込むことができる。適当な結合剤には、デンプン、ゼラチン、天然糖類例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、コーン甘味料、天然および合成ガム類、例えばアラビアゴム、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが含まれ、これらに限定はされない。これらの投与形内に使用される滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれ、これらに限定はされない。崩壊剤には、デンプン、メチルセルロース、アガー、ベントナイト、キサンタンガムなどが含まれ、これらに限定はされない。
【0085】
液状剤のために、活性薬剤成分は、適当な風味を有する懸濁剤または分散剤、例えば合成および天然ゴム、例えばトラガカント、アラビアゴム、メチル−セルロースなどと混合できる。使用してもよいその他の分散剤には、グリセリンなどが含まれる。非経口投与のためには、滅菌懸濁剤および液剤が望ましい。一般に適当な保存剤を含む等張性製剤は、静脈内投与が望ましい場合に使用される。
【0086】
活性薬剤成分を含む局所製剤は、当該技術分野に周知の種々のキャリヤー物質、例えばアルコール、ホンアロエゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンAおよびE油、鉱油、PPG2ミリスチルプロピオナートなどと混合して、例えばアルコール性溶液、局所清浄剤、洗顔クリーム、皮膚ゲル、スキンローション、および乳状またはゲル状処方のシャンプーを形成することができる。
【0087】
本発明の化合物またはモジュレーターは、リポソーム投与系、例えば小型単層ベシクル、大型単層ベシクルおよび多層ベシクルの形で投与されることができる。リポソームは、各種のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンから形成できる。
【0088】
本発明の化合物は、化合物分子が結合する個別のキャリヤーとしてモノクローナル抗体の使用により投与してもよい。本発明の化合物またはモジュレーターは、標的可能な薬剤キャリヤーとして可溶性ポリマーと結合することもできる。かかるポリマーは、ポリビニル−ピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメチルアクリル−アミドフェノール、ポリヒドロキシ−エチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンを含むことができる。さらに、本発明の化合物またはモジュレーターは、薬剤の制御された放出を達成するために有用なある種の生分解性ポリマー、例えばポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクタム、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロ−ピラン、ポリシアノアクリレートおよび架橋または両親媒性のヒドロゲルのブロックコポリマーと結合させてもよい。
【0089】
経口投与のために、化合物またはモジュレーターは、カプセル剤、錠剤、またはボーラス形で投与してもよくあるいは動物飼料中に混合できる。カプセル剤、錠剤、およびボーラスは、適当なキャリヤービヒクル、例えばデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、またはリン酸二カルシウムと組み合わせた活性成分を含んでなる。これらの単位投与形は、増量剤、充填剤、崩壊剤、および/または結合剤を含む適当に微粉化した不活性成分と活性成分とを緊密に混合して均質な混合物が得られるようにして調製される。不活性成分は、化合物またはモジュレーターと反応せずそして治療される動物に対して非毒性であるものである。適当な不活性成分には、デンプン、ラクトース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、植物性ゴムおよび油などが含まれる。これらの処方は、治療される動物種の大きさおよびタイプおよび感染のタイプおよび重症度などの種々の因子に応じて活性および不活性成分の広範に変化する量を含んでもよい。活性成分は、化合物を飼料と単に混合してまたは飼料の表面に化合物を添加して、飼料の添加剤として投与してもよい。あるいは、活性成分は、不活性キャリヤーと混合してもよく、そして得られた組成物を飼料と混合するかまたは直接動物に与えてもよい。適当な不活性キャリヤーには、コーンミール、サイトラスミール、発酵残さ、ダイズ粉、乾燥穀粒などが含まれる。活性成分は、粉砕、攪拌、磨砕、または振とうにより、最終組成物が活性成分0.001〜5重量%を含むように緊密に混合される。
【0090】
あるいは、化合物またはモジュレーターは、不活性液体キャリヤー中に溶解した活性成分より成る処方の注入を介して非経口的に投与してもよい。注入は、筋肉内、管腔内、気管内、または皮下のいずれかであってもよい。注入組成物は、適当な不活性液状キャリヤーと混合した活性成分より成る。受容できる液状キャリヤーには、植物油、例えばラッカセイ油、綿実油、ゴマ油などならびに有機溶剤、例えばソルケタール(solketal)、グリセロールホルマルなどが含まれる。別の方法として、水性非経口処方を使用してもよい。植物油が好ましい液状キャリヤーである。この処方は、活性成分を液状キャリヤー中に、最終処方剤が活性成分の0.005〜10重量%を含むように溶解または懸濁して調製される。
【0091】
化合物またはモジュレーターの局所適用は、水性溶液または懸濁液として本化合物またはモジュレーターを含む液状水剤またはシャンプーの使用を介して可能である。これらの処方剤は、一般にベントナイトなどの懸濁剤を含みそして通常消泡剤も含む。活性成分0.005〜10重量%を含む処方剤が受容できる。好ましい処方剤は、本化合物またはモジュレーター0.01〜5重量%を含むものである。
【0092】
下記の実施例は、本発明を説明するがしかしそれを限定するものではない。
実施例1
プラスミド操作
すべての生物学的方法は、従来の記載のものに従った(Maniatis et al.(1989). 1−1626) 。オリゴヌクレオチドは、Ransom Hill Biosciences (Ransom Hill,CA) よりそしてすべての制限エンドヌクレアーゼおよびその他のDNA変性酵素は、特に記載しない限りNew England Biolabs(Beverly, MA)より購入した。プロテアーゼD−G発現構築物は、下記のようにバキュロウイルス発現ベクターpFastBac1(Life Technologies, Gaithersberg, MD) 内で作製した。すべての構築操作は、Allied Biosystems 377 蛍光配列決定装置(Perkin Elmer, Foster City, CA) を用いてターミネーターサイクル配列決定により確認した。
プロテアーゼD−G cDNAの取得
プロテアーゼD−GcDNAを含む組換えファージをヒト小腸ライブラリー(Clontech, Palo Alto, CA) より単離した。挿入物を配列解析にかけそしてS1セリンプロテアーゼに相同性を有するTAA終止コドンを含まない1305ヌクレオチドのオープンリーディングフレームを含むことを見いだした(配列番号1)。重要なことは、オープンリーディングフレームが位置157におけるインフレームTGA終止コドンにより先行されているので、これが真正であるらしいことである。既知配列(AATAAA)と良く同一性する推定ポリアデニル化配列(ATTAAA)もポリA部分の直前の上流に同定されたので、このクローンも全3’非翻訳を含むらしい。推論されたオープンリーディングフレームは435アミノ酸のプレプロ−D−G−タンパク質をコードし(配列番号1)、これは約48−Kdの推定分子量(Mr )を有し、そして他のセリンプロテアーゼに高度に相同性である。プロテアーゼD−Gアミノ酸配列のさらなる配列分析は、アミノ末端近くの膜貫通セグメント(配列番号2中の残基31−52)を予測し、この新規のcDNAがタイプII膜貫通セリンプロテアーゼをコードすることを示唆する。プロテアーゼD−G cDNAを用いるジーンバンク(Genebank)データベースの相同性サーチは、これが新規のcDNAでありそしてクローニングされたセリンプロテアーゼTMPRSS2(Paolini−Giacobino et al. (1997). Genomtics 44:309−320) およびヘプシン(Leytus et al.(1988). Biochemistry 27:1067−74)に最も近い類似性を有し、これらもタイプII内在性膜タンパク質である。
【0093】
チモーゲン活性化配列は、他のS1セリンプロテアーゼのものと著しく類似しそして233アミノ酸の成熟タンパク質を予言する。プロテアーゼD−Gの触媒性三つ組H、DおよびSは、それぞれ位置243、339および385に位置する(第一番としてプレプロD−G配列のメチオニンイニシエーターを使用)。S1セリンプロテアーゼファミリーの他のメンバーとの推論プロテアーゼD−Gアミノ酸配列の系統発生樹は、Clustal Wプログラム(Higgins and Sharp(1989). Comput. Appl. Biosci. 5:151−3)により作製され、MegAlign3.1.7プログラム(DYNASTAR Inc., Madison, WI)を用いて決定され図2に示す。
実施例2
プロテアーゼD−G mRNAの組織分布
我々は、プロテアーゼD−G mRNAの組織分布を同定するために感受性が高いPCRプロファイリング技術を利用した。この適用のために、数種のヒトcDNAライブラリー(CHRF−288巨核球細胞系統を除きすべてClontech(Palo Alto, CA) より)および我々がZAP発現cDNA系(Stratagene, La Jolla, CA)を用いて構築したヒトゲル濾過血小板ライブラリーを用いた。プロファイリング分析のためのPCRプライマーは下記であった。
【0094】
配列番号3:5’−ACAGCCTCAGCATTTCTTGG−3’
配列番号4:5’−TCTTGCTCTAGTAGGCTTGG−3’
要約すると、50μlPCR反応は試験したそれぞれのcDNAライブラリーより希釈したファージストック(約108 〜1010pfu/ml)の1μlを用いた。反応は、最初94℃で5分間変性し、そして94℃で20秒間、56℃で20秒間、次いで72℃で30秒間の35サイクル、次いで最後の72℃の延伸を10分間行った。配列
配列番号5:5’−TTGGTGCTCCCAGCATCCCAGGGAGAGACACAGCCCACTG−3’のネストしたプライマープローブをガンマ32P−ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼ(Life Technologies, Gaithersberg, MD) を用いて放射能標識しそして組み込まれなかった標識を除去し、次いでQIAquickヌクレオチド除去カラム(Qiagen, Valencia, CA)を用いる反応を行った。32P末端標識したネストしたプライマープローブ(1X105 cpm)をPCR反応の後のそれぞれの試料10μlと混合した。PCR生成物−プローブ混合物を94、5分間で変性、60℃で15分間ハイブリダイゼーションしそして4℃に冷却した。アニーリングした試料(10μl)を6%トリス−ボレート−EDTA非変性ポリアクリルアミドゲル(Novaen)中で電気泳動し、乾燥しそしてオートラジオグラフィーに暴露した。ベータ−アクチンPCRプライマーおよび標識したネストしたプライマープローブを用いて図3中に用いたcDNAライブラリーのPCRプロフィールは、試験したすべての試料中でベータ−アクチンPCR生成物を生成した。
【0095】
図3から分かるように、D−G mRNAの分布は、特定の組織および細胞タイプに高度に制限される。プロテアーゼD−G転写物を発現する組織の種類は、表皮、繊維芽細胞、ケラチノサイト、結腸、小腸、胃、肺、腎、骨髄、リンパ節、胸腺、卵巣、前立腺、子宮および脊髄である。特に重要なことは、通常では多数のセリン遺伝子が発現されることが見いだされる組織である膵臓または肝臓中にD−GプロテアーゼmRNAが発現されないことである。
実施例3
活性プロテアーゼD−Gの発現のための構築物生成
S1プロテアーゼファミリーのメンバーは不活性チモーゲン前駆体として最もしばしば合成され、そしてタンパク質分解活性となるためには限定されたタンパク質分解を必要とするので、我々は異種セリンプロテアーゼcDNAの遺伝子活性化を発現しそして許容するチモーゲン活性化構築物を開発した。この構築物は、それぞれ分泌および抗体検出(PF)の目的で以前に記載(Ishii et al.(1993). J. Biol. Chem. 268:9780−6) のようにMoAb M2抗体FLAGエピトープとインフレームで融合したウシプレプロラクチンシグナル配列を特徴とする。重要なことは、この構築物は、インフレームおよびシグナル配列より下流に融合したヒトトリプシノーゲンIからのエンテロキナーゼ切断部位(EK)も含むことである。C−末端において、終止コドンの前にそれぞれのニッケルレジン上のアフィニティー精製のための6個のヒスチジンコドンをコードする追加の配列がある(6XHIS)。アフィニティータグ配列の直接の上流および上記のPFEKプレプロ配列の下流にある独自のXbaI制限酵素部位は、異種セリンプロテアーゼcDNAの触媒ドメインのインフレーム挿入の点である(図4)。上記のチモーゲン活性化ベクターは、PFEK−6XHIS−TAG FBを生成するための変性pFastBac1トランスプレースメント(transplacement)プラスミド内にクローニングされた。
【0096】
全長プロテアーゼD−G cDNAの精製されたプラスミドDNAを、製造者の推奨に従ってネーチブPfuポリメラーゼ(Stratagene, La Jolla, CA)を用いる100μl調製用PCR反応中の鋳型として使用した。使用したプライマー、配列番号6:D−G Xba−U 5’ATGCTCTAGATGTGGATTCTTGGCCTTGGC−3’、配列番号7:D−G Xba−L 5’GATGTCTAGACAGCTCAGCCTTCCAGACATTG−3’はXba−I切断可能末端を含み、そしてプロテアーゼD−Gの触媒ドメインに近接しそしてプロテアーゼD−G Xba−I触媒カセットを生成するように設計された。調製用PCR反応は、94℃で30秒間、60℃で30秒間、72℃で2.0分間の18サイクルで行った。
【0097】
調製用PCR生成物をフェノール/CHCl3 (1:1)で抽出1回、CHCl3 抽出し、次いでグリコーゲン(Boeringer Mannheim Corp., Indianapolis, IN)およびキャリヤーを用いてEtOH沈降した。沈降したペレットを70%EtOHを用いてリンスし、減圧下で乾燥し、そして80μlH2 O、10μl 10制限緩衝液第2番および1μl 100xBSA(New England Biolabs, Beverly, MA)中に再懸濁した。生成物を200単位のXbaI制限酵素(New England Biolabs, Beverly, MA)を用いて37℃で3時間消化した。XbaI消化生成物をフェノール/CHCl3 (1:1)で抽出1回、CHCl3 抽出、EtOH沈降、70%EtOHを用いてリンスし、そして減圧下で乾燥した。混入している鋳型プラスミドDNAから精製するために、生成物をTAE緩衝液(40mM トリス−アセテート、1mM EDTA pH8.3)中の1.0%低融点温度アガロース(Life Technologies, Gaithersberg, MD) ゲルを通して電気泳動しそしてゲルから切除した。次いで、切除生成物の試料を上記のXbaI消化、脱リン酸化およびゲル精製、チモーゲン活性化ベクターを用いるゲル内結合に使用した。構築物PFEK−プロテアーゼD−G−6XHIS−TAG64を生成するために正しい方向に挿入したD−G Xbaカセットを含むクローンを配列分析により確認して、NH2 −末端PFEKプレプロ配列およびC−末端6XHISアフィニティータグに関して適切な翻訳レジスタが維持されていることを確認した。
実施例4
組換えプロテアーゼD−Gの発現
PFEK−プロテアーゼD−G−6XHIS構築物を含む組換えバクミド(bacmid)を、製造者の推奨に従って、細菌形質転換、選択、増殖、精製およびPCR確認により調製した。培養したSf9昆虫細胞(ATCC CRL−1711)を精製バクミドDNAを用いてトランスフェクションしそして数日後に、組換えPFEK−プロテアーゼD−G−6XHISバキュロウイルスを含む条件調整媒体をウイルスストック増幅のために採取した。2X106 /mlの密度でSf900II SFM中で増殖したSf9細胞を27℃で80時間、2の感染倍数により感染し、そして媒体を採取しそしてPFEK−プロテアーゼD−G−6XHISの精製のために濃縮した。
実施例5
組換えプロテアーゼD−Gの精製および活性化
PFEK−D−G−6XHISを発現するバキュロウイルス感染Sf9細胞からの培養上清を濃縮しそしてCentricon Plus−80 Biomax−8濃縮装置(Millipore,Marlborough, MA)を用いて4℃で脱塩した。Ni−NTA(チモーゲン100μgあたりに50%スラリー150μl)(Qiagen, Valencia, CA)を濃縮試料5mlに加えそして4℃で60分間振とうして混合した。チモーゲン結合レジンを洗浄緩衝液〔10mMトリス−HCl(pH8.0)、300mM NaCl、および15mMイミダゾール〕を用いて3回洗浄し、次いでdsH2 O1.5mlを用いて洗浄した。チモーゲン切断は、20mMトリス−HCl(pH7.4)、50mM NaCl、および2.0mM CaCl2 を含む緩衝液中で軽く振とうして一晩室温で少量のチモーゲン結合Ni−NTAビーズにエンテロキナーゼ(チモーゲン50μgあたりに10U)(Novagen, Inc., Madison WI; またはSigma, St. Louis, MO) を加えて行った。次いでレジンを洗浄緩衝液1.5mlを用いて2回洗浄した。活性化したプロテアーゼD−G−6XHISを溶離緩衝液〔20mMトリス−HCl(pH7.8)、250mM NaCl、および250mMイミダゾール〕を用いて溶離した。溶離したタンパク質濃縮物をマイクロ(Micro) BCAキット(Pierce, Rockford, IL)により、標準としてウシ血清アルブミンを用いて決定した。
組換えプロテアーゼD−Gの電気泳動およびウエスタンブロッティング検出
還元剤ジチオトレイトール(DTT)の存在下で変性した精製PFEK−プロテアーゼD−G−6XHISチモーゲンまたは活性化プロテアーゼD−G−6XHISの試料を、クーマシーブリリアントブルーを用いて染色したSDS−PAGE(Bio Rad, Hercules CA)により分析した。ウエスタンブロッティングのために、ゲルをハイボンド(Hybond)ECL膜(Amersham, Arlington Heights, IL) にエレクトロトランスファーした。感染Sf9細胞より発現したFLAGタグを付したPFEK−プロテアーゼD−G−6XHISチモーゲンを抗フラッグ(Flag)M2抗体(Babco, Richmond, CA) を用いて検出した。二次抗体は、ヤギ−抗マウスIgG(H+L)、ホースラディシュペルオキシダーゼ−結合F(ab’)2フラグメント(Boeringer Mannheim Corp., Indianapolis, IN)でありそしてECLキット(Amersham, Arlington Heights, IL) により検出した。
実施例6
活性化組換えプロテアーゼD−Gの色素原アッセイ
活性化セリンプロテアーゼのアミド分解活性は商業的に入手できる合成基質(Bachem California Inc., Torrance, PA); American Diagnostica Inc., Greenwich, CT; Kabi Pharmacia Hepar Inc., Franklin, OH)よりのパラ−ニトロアニリン(pNA)の放出により測定する。アッセイ混合物は500μMおよび10mMのトリス−HCl(pH7.8)、25mM NaCl、および25mMイミダゾール中に色素原基質を含む。pNAの放出は、マイクロプレートリーダー(Molecular Devices, Menlo Park, CA) 上で405nm吸収フィルターを用いて37℃で120分間測定する。最初の反応速度(Vmax、mOD/分)は、ソフトマックス(Softmax)(Molecular Devices, Menlo Park, CA)を用いて時間に対する吸光のプロットより測定した。種々の基質に対する活性化プロテアーゼD−G−6XHISの比活性(生成pNAnモル/分/μgタンパク質)を表1に示す。精製した非活性化PFEK−プロテアーゼD−G−6XHISチモーゲンを用いて、測定できる色素原アミド分解活性は検出されなかった。
【0098】
【表1】
【0099】
本発明のセリンプロテアーゼをモジュレーションする化合物は、加速に関して、またはさらに一般的にはタンパク質分解活性の阻害に関してスクリーニングすることにより同定される。本件の場合に、色素原活性は吸光の増加により測定されるけれども、蛍光原アッセイまたはその他の方法、例えば上記のようなタンパク質分解活性を測定するためのFRETが使用できる。化合物を適当な溶剤、例えばDMF、DMSO、メタノール中に溶かし、そして通常は100μMを越えない濃度範囲に水中で薄め、そしてプロテアーゼの1000倍濃度の濃度で(これに限定はされない)典型的には試験する。次いで化合物をタンパク質ストック溶液と混合し、次いで反応混合物に加える。あるいは、タンパク質および化合物溶液を反応混合物に独立して加え、ここで化合物はプロテアーゼD−Gタンパク質の添加の前、またはその直後のいずれかで加える。
【0100】
これらの研究の間に、本明細書中に記載の配列と類似するがしかし区別されるジーンバンク(Genebank)提出物が同定された(ジーンバンクアクセッション番号SF216312)。プロテアーゼD−G cDNAとAF216312配列との間の相違の正確な意義はこの時点で完全には理解されていないが、これはイニシエーターATG近くの異なるスプライシングの結果であり、これにより別個の配列が生成しその結果別個のタンパク質が生成するらしい。下記は、本明細書中に記載するプロテアーゼD−G cDNAの核酸(配列番号1)を大文字で上部に、そして下部に小文字で示したAF216312配列の間のGAP整列である。
【0101】
ジーンバンクの説明情報は下記である。
【0102】
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】
【表4】
【0106】
【表5】
下記は、推論される貫通膜ドメインの小文字で記した本明細書中に記載のプロテアーゼD−G cDNA(配列番号2)のアミノ酸配列とAF216312配列によりコードされるものの間のGAP整列である。
【0107】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1A】
新規プロテアーゼD−G cDNAのヌクレオチド(配列番号1)を示す。
【図1B】
新規プロテアーゼD−G cDNAのアミノ酸配列(配列番号2)を示す。推定ヌクレオチドポリアデニル化配列ならびに予測されたチモーゲン活性化切断部位に続く最初のアミノ酸4個に下線を付す。予測された疎水性膜貫通ドメインのアミノ酸を囲む。
【図2】
他のS1セリンプロテアーゼと関連させたプロテアーゼD−Gアミノ酸配列の系統樹を示す。
【図3】
PCRに基づく組織分布は、プロテアーゼD−G mRNAが制限されていることを示す。ゲルのオートラジオグラムをD−G特異性PCR生成物の位置で示し、これは遊離プローブ(F.P.)よりの電気泳動から識別された標識しネストしたプローブのハイブリダイゼーションにより検出された。分析した組織および細胞系統のcDNAライブラリーは図示の通りである。
【図4A、4B】
チモーゲン活性化構築物内のプロテアーゼD−G触媒ドメインのヌクレオチド(配列番号8)およびアミノ酸(配列番号9)配列を示す。
【図5】
精製した組換えプロテアーゼPFEKプロテアーゼD−G−6XHISのポリアクリルアミドゲルおよびウエスタンブロット分析。クーマシーブリリアントブルーを用いて染色した新規セリンプロテアーゼPFEK−プロテアーゼD−G−6XHISの試料を含むポリアクリルアミドゲルを示す(レーン2および3)。相対分子質量は、タンパク質標準の位置により示す(レーン1)。示されたレーンでは、精製チモーゲンは未処理(−)またはエンテロキナーゼ(EK)を用いて消化(+)し、EKはレーン1のチモーゲンを切断および活性化してレーン2に示す高い移動性の活性形とするために使用された。レーン4および5は、抗−FLAG MoAbM2と用いてプローブした相当するゲルレーン1および2のウエスタンブロットを示す。これは、処理および活性化されたプロテアーゼを生成する発現および精製されたチモーゲンの定量的な切断を証明する。FLAGエピトープは、配列毎にEKの直ちに上流に位置するので、EKを用いる切断は、ポリアクリルアミドゲル中に保持されるためには小さすぎるFLAG含有ポリペプチドを生成し、従って+EKレーン中では検出されない。
【図6】
活性化構築物より発現、精製および活性化された組換えプロテアーゼD−G−6XHISの機能性アミド分解活性を図示の色素原基質を用いて決定した。
[関連出願への言及]
本出願は、2000年6月30日付け出願の米国特許仮出願番号第09/607,745号の利益を主張する。
【0002】
[発明の背景]
トリプシン/キモトリプシン様(S1)セリンプロテアーゼファミリーのメンバーは、不活性チモーゲン前駆体のタンパク質分解活性化を介する消化過程および調節増幅カスケードを含む種々様々の生理学的過程において鍵となる役割を有する。多数の例において、これらのカスケード中のプロテアーゼ基質は、それら自身が「下流」セリンプロテアーゼの不活性形、すなわちチモーゲンである。セリンプロテアーゼ媒介調節の周知の例には、血液凝固(Davie et al.(1991). Biochemistry 30:10363−70)、キニン形成(Proud and Kaplan (1988). Ann Rev Immunol 6:49−83)および相補系(Reid and Porter (1981). Ann Rev Biochemistry 50:433−464) が含まれる。それらのタンパク質分解経路は以前より知られているが、新規のセリンプロテアーゼ遺伝子およびそれらの生成物の発見は、これらの存在するカスケード内の調節の我々の理解を向上し、そして完全に新規のプロテアーゼネットワークの解明に導くであろう。
【0003】
プロテアーゼは、クリーニング用界面活性剤、食品加工、織物加工および皮膚手入れ製品を含む種々の商業的目的のために非天然環境で使用される。クリーニング用界面活性剤では、プロテアーゼは、有機性で溶解度が低い化合物を分解して界面活性剤および水中にさらに容易に溶解できるさらに可溶性の形とするために用いられる。この能力において、プロテアーゼは「ストレイン除去剤」として作用する。食品加工の例には、食肉の柔軟化およびチーズ製造が含まれる。プロテアーゼは例えば織物収縮を防ぐために羊毛を処理するための織物加工に使用される。プロテアーゼは、落屑速度の不均衡により蓄積する皮膚表面上の乾燥表皮を除去するために皮膚手入れ製品内に含まれることがある。一部のこれらの用途に使用される通常のプロテアーゼは、それらの酵素の工業的製造のために容易に培養できる原核または真核細胞から誘導され、例えば使用される通常の種は米国特許(US)第5,217,878号に記載のバチラス(Bacillus)属である。あるいは、米国特許(US)第5,278,062号は、クリーニング用界面活性剤組成物に使用するための真菌トリチラキウム・アルブム(Tritirachium album)より単離されたセリンプロテアーゼを記載している。不幸にも、ある種のプロテアーゼの使用は、敏感な個体内にアレルギー反応を起こすそれらの可能性によりまたは非天然環境で使用された場合に低下する効率により制限される。ヒト以外の起源より誘導されたプロテアーゼタンパク質は、敏感な個体内に免疫反応を誘導する可能性が高いことが予想される。これらの制限のために、敏感な個体に対して免疫原性が低いかおよび/または非天然環境で効率的なタンパク質分解活性を提供する別のプロテアーゼへの要求がある。組換え技術の出現は、工業的製造に適する宿主内でのあらゆる種のタンパク質の発現を許容する。
【0004】
本明細書中で、我々はD−Gと呼ばれる小腸より単離された新規のセリンプロテアーゼを記載する。推論(deduce)されるアミノ酸配列は435アミノ酸のポリペプチドをコードする。興味あることに、配列はNH2 末端に近い推定貫通膜(transmembrane) であるアミノ酸の疎水性部分を含む。従って、このセリンプロテアーゼは、タイプII内在性膜タンパク質として合成されると考えられる。他の良く特性が分かっているセリンプロテアーゼとの整列は、これが、分子のC−末端部分内に存在する触媒性三つ組を有するS1セリンプロテアーゼファミリーのメンバーであることを明確に示す。プロテアーゼD−G推論アミノ酸配列は、タイプII内在性膜プロテアーゼでもあるクローニングされたセリンプロテアーゼTMPRSS2(Paoloni−Giacobino et al. (1997)、Genomics 44:309−320)およびヘプシン(Leytus et al. (1988). Biochemistry 27:1067−74) に最も類似している。我々は、プロテアーゼD−G mRNAが、表皮、繊維芽細胞、ケラチノサイト、結腸、小腸、胃、肺、腎臓、骨髄、リンパ節、胸腺、卵巣、前立腺、子宮および脊髄を含む身体各部の種々の組織内に広範に発現されることを見いだした。この酵素の改変された発現または調節は、これらの組織内の多数の病理学的状態のいずれかの原因であるらしい。
【0005】
さらに、正常な生理学的条件下でプロテアーゼD−G mRNAのが発現されず、そしてこのために検出されないが、しかし病理学的状態でこれが著しく上昇しているアップレギュレーションは、ある種の疾患状態の開始または再燃病勢悪化をもたらす可能性がある。我々は、触媒ドメインをコードするプロテアーゼD−G cDNAの部分を、異種セリンプロテアーゼ触媒ドメインの包括的活性化を許容するように設計されたチモーゲン活性化構築物内に挿入してこの新規のヒトプロテアーゼの可溶性形を発現した。その結果は、アミド分解性基質のサブセットに対して活性を有するプロテアーゼD−Gの活性調製物である。精製した酵素的に活性のプロテアーゼD−Gの単離は、例えば酵素の化学的モジュレーターを発見するためまたは商業製品内の添加剤としてのタンパク質の直接使用を可能とする。プロテアーゼD−Gはヒト宿主から誘導されるので、敏感な個体内でアレルギー反応を誘導する可能性は低く、従って、プロテアーゼD−Gはクリーニング用界面活性剤および皮膚手入れ製品のための組成物の処方にも有用であろう。
【0006】
[発明の要旨]
プロテアーゼd−gをコードするDNA分子をクローニングしそして特性を検討するとこれは新規のセリンプロテアーゼを表している。組換え発現系を用いて、プロテアーゼをコードする機能性DNA分子を単離した。アミノ酸およびヌクレオチド配列としてのこれらのタンパク質の生物学的および構造的性質を開示する。組換えDNA分子、およびその部分は、DNA分子の同族体の単離、DNA分子のゲノム等価物の同定および単離、およびDNA分子の変異形の同定、検出または単離のために有用である。組換えタンパク質は、機能性プロテアーゼd−gのモジュレーターを同定するために有用である。本明細書中で開示するアッセイ中で同定されたモジュレーターは、ガン、皮膚障害、神経障害的疼痛、炎症、または凝固体質/血栓症のための治療剤として有用であろう。
【0007】
[詳細な説明]
定義:
本明細書中に使用される場合の用語「タンパク質ドメイン」は、タンパク質の残部から独立してもよい特定の三次元構造を有してもよいタンパク質の領域を呼ぶ。この構造は、酵素活性、他の分子のための認識モチーフの創成を含むタンパク質内のドメインの機能と関連する特定の活性を維持するか、または特定の環境内に存在するためにタンパク質に必要な構造成分を提供してもよい。タンパク質ドメインは、通常、タンパク質ファミリー内および同様の機能を行うタンパク質スーパーファミリー内の双方において、タンパク質の進化的に保存される領域である。本明細書中に使用される場合の用語「タンパク質スーパーファミリー」は、その進化的関係が完全には確立されていなくても、または受容された系統発生的標準により遠くてもよいが、しかし類似した三次元構造を示すかまたは重要なアミノ酸の独特の同一性を示すタンパク質を呼ぶ。本明細書中に使用される場合の用語「タンパク質ファミリー」は、その進化的関係が受容された系統発生的標準により確立されているタンパク質を呼ぶ。
【0008】
本明細書中に使用される場合の用語「融合タンパク質」は、ドメインまたはリンカー領域の組み合わせた機能を得る目的のために複数のタンパク質ドメインまたはリンカーを組み合わせた結果であるタンパク質構築物を呼ぶ。これは、所望の融合タンパク質をコードする新規のポリヌクレオチド配列を生成するためのかかるドメインをコードするヌクレオチド配列の分子クローニングにより達成されてもよい。あるいは、融合タンパク質の創成は、2種のタンパク質を化学的に結合して達成されてもよい。
【0009】
本明細書中に使用される場合の用語「リンカー領域」または「リンカードメイン」または類似のかかる記述用語は、クローニングベクターまたは融合タンパク質の構築に使用されるポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列を呼ぶ。リンカー領域の機能は、ヌクレオチド配列内へのクローニング部位の導入、2個のタンパク質ドメインの間のフレキシブル成分またはスペース創成領域の送入、または特定の分子相互作用のためのアフィニティータグの創成を含むことができる。リンカー領域は、ポリペプチドまたはヌクレオチド配列構築の間に行われる選択よりもたらされた融合タンパク質内に導入されてもよい。
【0010】
本明細書中に使用される場合の用語「クローニング部位」または「ポリクローニング部位」は、1種またはそれ以上の利用可能な制限エンドヌクレアーゼ共通切断配列を有するヌクレオチド配列の領域を呼ぶ。これらのヌクレオチド配列は、新規の融合タンパク質を創成するためのDNAベクター内への導入、または特異性部位指定変異を導入するための種々の目的のために使用されてもよいがこれらに限定はされない。クローニング部位が、サイレント変異、保存変異、または所望の制限酵素共通配列を含むリンカー領域の導入により所望の位置で操作できることは当該技術分野の熟練者には周知である。クローニング部位の正確な位置がヌクレオチド配列内のいかなる位置内へも操作できることは当該技術分野の熟練者には周知である。
【0011】
本明細書中に使用される場合の用語「タグ」は、アミノ酸配列をコードするか、タグを含むタンパク質の単離、精製または検出を促進するアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を呼ぶ。かかるタグの広範な種類は当該技術分野の熟練者には既知であり、そして本発明に使用するために適する。適当なタグは、HAペプチド、ポリヒスチジンペプチド、ビオチン/アビジン、およびその他の抗体エピトープ結合部位を含み、これらに限定はされない。
プロテアーゼD−G核酸の単離
本発明は、小腸の細胞から単離されたヒトセリンプロテアーゼD−GをコードするDNAに関する。本明細書中に使用されるプロテアーゼD−Gは、プロテアーゼとして特異的に機能できるタンパク質を呼ぶ。
【0012】
プロテアーゼD−Gの完全なアミノ酸配列は、従来まで知られず、また既知のプロテアーゼD−Gをコードする完全なヌクレオチド配列でもなかった。細胞および細胞タイプの広範な種類が記載するプロテアーゼD−G mRNAを含むことは予測されている。プロテアーゼD−Gを生成できる組織は、我々が感度が高いポリメラーゼ連鎖反応(PCR)媒介mRNA検出方法により決定したように、表皮、繊維芽細胞、ケラチノサイト、結腸、小腸、胃、肺、腎臓、骨髄、リンパ節、胸腺、卵巣、前立腺、子宮および脊髄を含みこれらに限定はされない。
【0013】
その他の細胞および細胞系統も単離されたプロテアーゼD−G cDNAを単離するための使用に適するであろう。適当な細胞の選択は、本明細書中に記載する細胞抽出液中または全細胞アッセイ中でプロテアーゼD−G活性のスクリーニングにより行ってもよい。これらのアッセイのいずれかでプロテアーゼD−G活性を有する細胞は、プロテアーゼD−G DNAまたはmRNAの単離のために適するであろう。
【0014】
当該技術分野で既知の各種の方法のいずれもプロテアーゼD−GDNAを分子的にクローニングするために使用してもよい。これらの方法には、適当な発現ベクター系内でプロテアーゼD−Gを含むcDNAライブラリーの構築の後のプロテアーゼD−G遺伝子の直接機能的発現が含まれるが、これらに限定はされない。他の方法は、プロテアーゼD−Gサブユニットのアミノ酸配列から設計された標識オリゴヌクレオチドプローブを用いてバクテリオファージまたはプラスミドシャトルベクター内で構築されたプロテアーゼD−Gを含むcDNAライブラリーをスクリーニングことである。別の方法は、プロテアーゼD−Gタンパク質をコードする部分cDNAを用いてバクテリオファージまたはプラスミドシャトルベクター内で構築されたプロテアーゼD−G含有cDNAライブラリーをスクリーニングことより成る。この部分cDNAは、精製されたプロテアーゼD−Gタンパク質のアミノ酸配列からの変性オリゴヌクレオチドプライマーの設計を介するプロテアーゼD−G DNAフラグメントの特異性PCR増幅により得られる。
【0015】
別の方法は、プロテアーゼD−G生成細胞よりRNAを単離しそして生体外または生体内翻訳系を介してRNAをタンパク質内に翻訳することである。ペプチドタンパク質へのRNAの翻訳は、例えば抗プロテアーゼD−G抗体との免疫学的反応性によりまたはプロテアーゼD−Gタンパク質の生物学的活性により特定できるプロテアーゼD−Gタンパク質の少なくとも一部分の生成をもたらす。この方法では、プロテアーゼD−G生成細胞から単離されたRNAのプールは、プロテアーゼD−Gタンパク質の少なくとも一部分をコードするRNAの存在を分析できる。RNAプールのさらなる分別は、非−プロテアーゼD−G RNAからプロテアーゼD−G RNAを精製するために行うことができる。この方法で生成されたペプチドまたはタンパク質は、一方ではプロテアーゼD−G cDNAの生成のためのプライマーを提供するために使用されるアミノ酸配列を提供するために分析してもよく、または翻訳に用いられたRNAはプロテアーゼD−Gをコードするヌクレオチド配列を提供するために分析しそしてプロテアーゼD−G cDNAのこの生成のためのプローブを作製できる。この方法は当該技術分野では既知であり、例えばManiatis, T., Fritsch, E.F., Sambrook, J,,「分子クローニング、実験マニュアル」(”Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY. 1989)中に見いだすことができる。
【0016】
他のタイプのライブラリー、ならびに他の細胞または細胞タイプより構築されたライブラリーがプロテアーゼD−GをコードするDNAを単離するために有用であることは当該技術分野の熟練者には容易に認められる。他のタイプのライブラリーには、他の細胞より、プロテアーゼD−G以外の生物体より誘導されたcDNAライブラリー、およびYAC(酵母人工染色体)およびコスミドライブラリーを含むゲノムDNAライブラリーが含まれ、これらに限定はされない。
【0017】
適当なcDNAライブラリーは、プロテアーゼD−G活性を有する細胞または細胞系統より調製してもよいことは、当該技術分野の熟練者には容易に認められる。プロテアーゼD−G cDNAを単離するためにcDNAライブラリーの調製への使用のための細胞または細胞系統の選択は、プロテアーゼD−G関連生物学的活性の測定またはリガンド結合アッセイを用いて細胞関連プロテアーゼD−G活性を最初に測定して行ってもよい。
【0018】
cDNAライブラリーの調製は、当該技術分野で周知の標準技術により行うことができる。周知のcDNAライブラリー調製技術は、例えばManiatis, T., Fritsch, E.F., Sambrook, J,,「分子クローニング、実験マニュアル」(”Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY. 1989)中に見出すことができる。
【0019】
プロテアーゼD−GをコードするDNAは、適当なゲノムDNAライブラリーより単離してもよいことも当該技術分野の熟練者には容易に認められる。ゲノムDNAライブラリーの構築は、当該技術分野で周知の標準技術により行うことができる。周知のDNAライブラリー構築技術は、Maniatis, T., Fritsch, E.F., Sambrook, J,,「分子クローニング、実験マニュアル」(”Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY. 1989)中に見出すことができる。
【0020】
上記の方法によりプロテアーゼD−G遺伝子をクローニングするために、プロテアーゼD−Gのアミノ酸配列が必要であろう。これを達成するために、プロテアーゼD−Gタンパク質を精製しそして自動化配列決定装置により部分アミノ酸配列を決定してもよい。完全にアミノ酸配列を決定する必要はなく、むしろタンパク質からの6〜8個のアミノ酸の2領域の線型配列が部分プロテアーゼD−G DNAフラグメントのPCR増幅のためのプライマーの生成のために決定される。適当なアミノ酸配列が特定されると、これらをコードできるDNA配列を合成する。遺伝子コードは縮退しているので、特定のアミノ酸をコードするための1個を越えるコドンを使用してもよく、従って、アミノ酸配列は類似のDNAオリゴヌクレオチドのいずれかの一組によりコードされることができる。組の一つのメンバーのみがプロテアーゼD−G配列に同一性するであろうが、しかしミスマッチを有するDNAオリゴヌクレオチドの存在下でもプロテアーゼD−G DNAにハイブリダイゼーションできる。ミスマッチDNAオリゴヌクレオチドは、それでもプロテアーゼD−G DNAに十分ハイブリダイゼーションし、DNAをコードするプロテアーゼD−Gの同定および単離を可能とする。これらの方法により単離されたDNAは、種々の細胞タイプ、無脊椎動物、脊椎動物起源よりのDNAライブラリーをスクリーニングするため、および同種遺伝子を単離するために使用できる。
【0021】
精製された生物学的に活性のプロテアーゼD−Gは、種々の物理的形を有してもよい。プロテアーゼD−Gは、全長の初期もしくは未処理ポリペプチドとしてまたは部分的に処理されたポリペプチドもしくは処理ポリペプチドの組み合わせとして存在してもよい。全長初期プロテアーゼD−Gポリペプチドは、全長初期ポリペプチドのフラグメントの形成をもたらす特異性タンパク質分解切断事象により翻訳後変性されてもよい。フラグメント、またはフラグメントの物理的会合は、プロテアーゼD−Gと関連する全生物学的活性を有してもよいが、しかしプロテアーゼD−G活性の程度は、個別のプロテアーゼD−Gフラグメントと物理的に会合したプロテアーゼD−Gポリペプチドフラグメントの間で変動してもよい。
【0022】
遺伝子コードは縮退しているので、特定のアミノ酸をコードするために1個を越えるコドンを使用してもよく、従って、アミノ酸配列は類似DNAオリゴヌクレオチドのいずれかの一組によりコードされることができる。組の一個のメンバーのみがプロテアーゼD−G配列に同一性するがしかし適当な条件下でミスマッチを有するDNAオリゴヌクレオチドの存在下でもプロテアーゼD−G DNAにハイブリダイゼーションできるであろう。別の条件下で、ミスマッチがあるDNAオリゴヌクレオチドはそれでもプロテアーゼD−G DNAにハイブリダイゼーションして、DNAをコードするプロテアーゼD−Gの同定および単離を可能とすることができる。
【0023】
特定の生物体からのプロテアーゼD−GをコードするDNAは、他の生物体からのプロテアーゼD−Gの同族体を単離および精製するために使用してもよい。これを達成するために、最初のプロテアーゼD−G DNAを適当なハイブリダイゼーション条件下でプロテアーゼD−Gの同族体をコードするDNAを含む試料と混合してもよい。ハイブリダイゼーションしたDNA複合体を単離しそして同族体DNAをコードするDNAをこれから精製してもよい。
機能性誘導体/変異体
特定のアミノ酸をコードする種々のコドンにかなりの量の重複があることが知られている。従って、本発明は最終的には同一性するアミノ酸の翻訳をコードする別のコドンを含むこれらのDNA配列も指向する。この指定の目的のために、1種またはそれ以上の置換コドンを有する配列を縮退変異と定義する。発現されたタンパク質の最終的物理的性質を本質的には改変しないDNA配列または翻訳されたタンパク質のいずれかの中の変異も本発明の範囲内に含まれる。例えば、脂肪族アミノ酸のアラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンの置換、ヒドロキシ残基のセリンとトレオニンとの交換、酸性残基のアスパラギン酸とグルタミン酸との交換、アミド残基のアスパラギンとグルタミンとの間の置換、塩基性残基のリシンとアルギニンとの交換および芳香族残基のフェニルアラニン、チロシンとの間の変異体(Variant) は、ポリペプチドの機能性に変化を起こさないであろう。かかる置換は周知でありそして、例えば「遺伝子の分子生物学」(Molecular Biology of the Gene, 4th.Ed. Bengamin Cummings Pub. Co. by Watson etal.)に記載されている。
【0024】
ペプチドをコードするDNA配列が天然に存在するペプチドのものとは異なる性質を有するペプチドをコードするように改変されてもよいことは既知である。DNA配列の改変の方法は、部位特異的変異誘発、キメラ置換、および遺伝子融合を含むが、しかしこれらに限定はれない。部位特異的変異誘発は、サイレント変異、保存変異、または非保存変異をもたらすであろう1個またはそれ以上のDNA残基の交換のために使用される。キメラ遺伝子は、プロテアーゼD−G遺伝子内に類似のドメインを置換するために類似または異なる遺伝子のドメインを交換して作製される。同様に、融合遺伝子は、遺伝子の同定および単離を容易にするために例えばアフィニティータグなどのドメインをプロテアーゼD−G遺伝子に付加して作製されてもよい。融合遺伝子は、例えばタンパク質の正常な輸送の方向を変えるために膜貫通ドメインを除去するかもしくは標的配列を付加し、またはプロテアーゼD−G遺伝子に新しい翻訳後修飾配列を付加して、タンパク質の可溶性型を創成するためにプロテアーゼD−G遺伝子の領域を置換するために作製される。改変された性質の例には、基質のための酵素またはリガンドのための受容体のアフィニティーを変化させることを含むが、これに限定はされない。ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列のすべてのかかる変化は、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の当初の機能が本明細書中に記載のように維持される限り、本発明の有用な変異体として期待される。
【0025】
当該技術分野では既知のように同一性および類似は、配列の比較により決定される2種またはそれ以上のポリペプチド配列または2種またはそれ以上のポリヌクレオチド配列の間の関係である。当該技術分野では、同一性は、該当する場合に、かかる配列の鎖の間のマッチにより決定されるようなポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列の間の配列関連の程度も意味する。同一性および類似の双方共に、容易に算出できる(Computational Molecular Biology, Lesk, A.M., ed., Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D.W., ed., Academic Press, New York, 1998; Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M., and Griffin, H.G., eds., Humana Press,New Jersey, 1994; Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; およびSequence Analysis Primer,Gribskov, M. and Devereux, J. eds., M Stockton Press, New York, 1991) 。2個のポリヌクレオチドまたは2個のポリペプチド配列の間の同一性および類似を測定するための多数の方法があるけれども、この両方の用語は熟練者には周知である(Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; Sequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J. eds., M Stockton Press, New York, 1991;およびCarillo, H., and Lipman, D., (1988) SIAM J. Applied Math., 48, 1073)。配列間の同一性または類似を決定するために一般的に使用される方法には、Carillo, H., and Lipman, D., (1988) SIAM J. Applied Math., 48, 1073 に開示された方法が含まれるが、それに限定はされない。同一性を決定するための好ましい方法は、試験する配列間に最大のマッチを与えるように設計される。同一性および類似を決定するための方法は、コンピュータープログラムにコード化されている。2個の配列の間の同一性および類似を決定するための好ましいコンピュータープログラム方法には、GCGプログラムパッケージ(Devereux, J. et al., (1984) Nucleic Acids Research 12(1), 387)、BLASTP、BLASTNおよびFASTA(Atschul, S.F. et al., (1990) J. Molec. Biol. 215, 403) が含まれるが、これらに限定はされない。
【0026】
ポリヌクレオチドは、一般に、非修飾RNAもしくはDNAまたは修飾RNAもしくはDNAであってもよいあらゆるポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを呼ぶ。従って、例えば、本明細書中で使用されるポリヌクレオチド、なかでも、一本鎖または二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域または一本鎖、二本鎖および三本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖または二本鎖RNA、一本鎖および二本鎖領域混合物であるRNA、一本鎖、またはさらに典型的には、二本鎖、または三本鎖、または一本鎖および二本鎖領域の混合物であってもよいDNAおよびRNAを含んでなるハイブリッド分子を呼ぶ。さらに、本明細書中に使用される場合のポリヌクレオチドは、RNAもしくはDNAまたはRNAおよびDNAの両者を含んでなる三本鎖領域を呼ぶ。かかる領域内の鎖は、同じ分子由来でも異なる分子由来でもよい。領域は1個またはそれ以上の分子の全体を含んでもよいが、しかしさらに典型的には分子の一部の領域のみを包含する。
【0027】
三本らせん領域の分子の一つは、しばしばオリゴヌクレオチドである。本明細書中に使用される場合に、ポリヌクレオチドという用語は、1個またはそれ以上の修飾された塩基を含む上記のDNAまたはRNAを含む。従って、安定性のためまたはその他の理由で修飾された骨格を有するDNAまたはRNAは、本明細書中で意図される用語としての場合に「ポリヌクレオチド」である。さらに、例えば2例を挙げると、通常ではない塩基、例えばイノシン、または修飾された塩基、例えばトリチル化塩基を含んでなるDNAまたはRNAは、本明細書中で使用される用語としてのポリヌクレオチドである。多種の修飾が当該技術分野の熟練者に既知の多数の有用な目的に役立つDNAおよびRNAになされることが認められるであろう。本明細書中に使用されるポリヌクレオチドという用語は、かかる化学的、酵素的または代謝的に修飾されたポリヌクレオチドの形、ならびにウイルスおよびなかでも単純および複合細胞を含む細胞のDNAおよびRNA特性の化学的の形を包含する。ポリヌクレオチドはしばしばオリゴヌクレオチドとも呼ばれる短いポリヌクレオチドも包含する。
【0028】
本明細書中で使用されるポリペプチドという用語は、当該分野で周知でありそして教科書およびその他の出版物に記載されているポリペプチドの基本的化学構造を呼ぶ。この範囲内で、この用語は、ペプチド結合により互いに線型鎖に結合した2個またはそれ以上のアミノ酸を含んでなるあらゆるペプチドまたはタンパク質を呼ぶように本明細書中では使用される。本明細書中に使用される場合に、この用語は、当該分野では例えばペプチド、オリゴペプチドおよびオリゴマーとも一般に呼ばれる短い鎖、および種々の形があり、当該分野では一般にタンパク質と呼ばれるさらに長い鎖の双方を呼ぶ。ポリペプチドは20種の天然に存在するアミノ酸と一般に呼ばれる20種のアミノ酸の他のアミノ酸をしばしば含み、そして末端アミノ酸を含む多数のアミノ酸は、天然の過程、例えばプロセシングおよびその他の翻訳後修飾により、また当該技術分野では周知の化学的修飾技術のいずれかにより、与えられたポリペプチド内で修飾されていてもよいことが認められる。ポリペプチド中に天然で起きる一般的な修飾であっても、包括的にここに列記するには多すぎるが、しかし、これらは基本的教科書そしてさらに詳細には論文中、ならびに当該技術分野の熟練者には周知の長大な研究論文中に詳しく記載されている。
【0029】
現在のポリペプチド中に存在していてもよい既知修飾中で、少数を例示的に挙げると、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合付加、ヘム領域の共有結合付加、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合付加、脂質または脂質誘導体の共有結合付加、ホスホチジルイニシトールの共有結合付加、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋形成、シスチンの形成、ピログルタマートの形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プロセシング、ホスホリル化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、タンパク質へのアミノ酸のトランスファー−RNA媒介付加例えばアルギニル化、およびユビキチン化である。かかる修飾は、当該技術分野の熟練者には周知でありそして科学文献中に詳細に記載されている。特に一般的な修飾である例えばグリコシル化、脂質付加、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ−カルボキシル化、ヒドロキシル化およびADP−リボシル化は、最も基本的な教科書、例えば「タンパク質−構造および分子の性質」(PROTEIN−STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES, 2nd Ed., T.E. Creighton, W.H. Freeman and Company, New York,(1983))に記載されている。多数の詳細な総説がこの主題に関して利用でき、例えば、Wold, F., Posttranslational Protein Modifications: Perspectives and Prospects, 1−12 ページ、POSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS, B.C. Johnson, Ed., Academic Press, New York(1983); Seifter et al., (1990) Meth. Enzymol. 182, 626−646、およびRattman et al., ”Protein Synthesis: Posttranslational Modifications and Aging”, (1992) Ann. N.Y. Acad. Sci. 663,48−62 により提供されるものである。
【0030】
周知のようにそして上記のように、ポリペプチドは必ずしも常に完全には線型でないことが認められている。例えば、ポリペプチドは、一般に天然のプロセシング事象および天然には起きない人的操作によりもたらされる事象を含む翻訳後事象の結果としてのものである。環状、分枝状および分枝環状ポリペプチドが非翻訳天然過程によりそして完全に合成法によっても合成されてもよい。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシル末端を含むポリペプチド中のあらゆる位置で起こることができる。実際、共有結合修飾によるポリペプチド中のアミノもしくはカルボキシル基または双方の遮断は、天然に存在および合成ポリペプチド中に一般的でありそしてかかる修飾は本発明のポリペプチド中に存在してもよい。例えば、タンパク質分解プロセシング前に大腸菌またはその他の細胞内に生成するポリペプチドのアミノ末端残基は、ほとんど常にN−ホルミルメチオニンである。
【0031】
ペプチドの翻訳後修飾の間に、NH2 末端のメチオニン残基が欠失されてもよい。従って、本発明は、本発明のタンパク質のメチオニン含有およびメチオニン欠失アミノ末端変異体の双方の使用を意図する。ポリペプチド内に起きる修飾は、しばしばその作製の方法の関数であろう。例えば、宿主内にクローニングされた遺伝子を発現して作製されるポリペプチドにおいて、修飾の性質およびその範囲は大部分が宿主細胞翻訳後修飾能力およびポリペプチドアミノ酸配列内に存在する修飾シグナルにより決定されるであろう。例えば、周知のように、グリコシル化は例えば大腸菌のような細菌宿主中にしばしばは起きない。従って、グリコシル化を望む場合には、ポリペプチドはグリコシル化宿主、一般的には真核細胞内に発現されるべきである。昆虫細胞はしばしば哺乳動物細胞と同様の翻訳後グリコシル化を行いそして、この理由から、昆虫細胞発現系はなかでもグリコシル化の本来のパターンを有する哺乳動物タンパク質を効率的に発現するために開発される。同様の考慮は他の修飾にも適用される。修飾の同じ形式が与えられたポリペプチド内の数個の部位で同様または異なる程度で存在してもよいことが認められる。また、与えられたポリペプチドは、修飾の多数の形式を含んでもよい。一般に、本明細書中に使用される場合には、ポリペプチドという用語は、すべてのかかる修飾、特には宿主細胞内にポリヌクレオチドを発現することにより組換え的に合成されるポリペプチド中に存在するものを包含する。
【0032】
本明細書中に使用される用語としてのポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体は、それぞれ基準のポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは異なるポリヌクレオチドまたはポリペプチドである。ポリヌクレオチドの変異体は、天然に存在する変異体、例えば天然に存在する対立遺伝子変異体であってもよく、またはこれは天然に存在することが知られていない変異体であってもよい。(1)他の基準ポリヌクレオチドとはヌクレオチド配列が異なるポリヌクレオチド。一般に、基準および変異体のヌクレオチド配列が全体的に類似しそして、多くの領域内で同一性するように相違が限定される。以下に記載するように、変異体のヌクレオチド配列内の変化は、サイレントであってもよい。すなわち、これらはポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸を改変しなくてもよい。改変がこの形式の変異体のサイレント変化に限定される場合には、変異体は基準と同様のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする。同様に以下に記載するように、変異体のヌクレオチド配列における変化は、基準ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を改変してもよい。かかるヌクレオチド変化は、以上に考察したように基準配列によりコードされるポリペプチド中でアミノ酸置換、付加、欠失、融合および末端切除をもたらしてもよい。(2)他の基準ポリペプチドとはアミノ酸配列が異なるポリペプチド。
【0033】
一般に、相違は、基準と変異体の配列が全体的に類似でありそして多くの領域内で同一性するように限定される。変異体および基準ポリペプチドは、アミノ酸配列中で1個またはそれ以上の置換、付加、欠失、融合および末端切除により異なってもよく、それらはあらゆる組み合わせで存在してもよい。本明細書中に使用される場合に、プロテアーゼD−Gの「機能性誘導体」とは、プロテアーゼD−Gの生物学的活性に本質的に類似する生物学的活性(機能的または構造的のいずれか)を有する化合物である。
【0034】
「機能性誘導体(functional derivatives)」の用語は、「フラグメント」、「変異体」、「縮退変異体」、「類似体」および「同族体」またはプロテアーゼD−Gの「化学誘導体」を含むことを意図する。ポリペプチドの有用な化学誘導体は、当該技術分野では周知でありそして例えば二次化学部分を有するポリペプチド内に含まれる反応性有機部位の共有結合修飾を含む。周知の架橋剤は、アフィニティータグ、例えばビオチン、蛍光染料を導入するため、または固相表面にポリペプチドを結合するために(例えばアフィニティーレジンを創成するために)、アミノ、カルボキシル、またはアルデヒド残基に反応させるために有用である。
【0035】
「フラグメント」という用語は、プロテアーゼD−Gのあらゆるポリペプチドサブセットを呼ぶと意図する。双方の分子が本質的に類似した構造を有する場合または双方の分子が類似した生物学的活性を有する場合に分子はプロテアーゼD−Gに「本質的に類似」である。従って、2個の分子が本質的に類似した活性を有する場合に、分子の一方の構造が他方に見いだされない場合でもまたは2個のアミノ酸配列が同一性していない場合でも、これらは、変異体と考えられる。
【0036】
「類似体」の用語は、全プロテアーゼD−G分子またはそのフラグメントのいずれかに対して機能的に本質的に類似した分子を呼ぶ。これに関して特に好ましいのは、配列番号1の変異体、類似体、誘導体およびフラグメントをコードするポリヌクレオチドおよびその中で数個、2、3個、5〜10、1〜5、1〜3、2、1または0個のアミノ酸残基がいずれかの組み合わせで置換、欠失または付加されている、配列番号2のポリペプチドのアミノ酸配列を有する変異体、類似体、誘導体およびフラグメントである。それらの中で特に好ましいは、配列番号1の遺伝子の性質および活性を改変しないサイレント置換、付加および欠失である。これに関して特に好ましいのは、保存性置換でもある。最高に好ましいのは、置換がなくて配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0037】
本発明のさらなる好ましい態様は、配列番号2中に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに、その全長にわたって少なくとも70%同一性するポリヌクレオチド、およびかかるポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドである。あるいは、高度に好ましいのは、少なくとも80%同一性する領域を含んでなるポリヌクレオチドでありさらに高度に好ましいのは、少なくとも90%同一性する領域を含んでなるポリヌクレオチドであり、そしてこれらの好ましいポリヌクレオチドの中で少なくとも95%同一性するものが特に好ましい。さらに、少なくとも95%同一性するものの中で少なくとも97%同一性を有するものが高度に好ましく、そしてそれらの中で少なくとも98%、そして少なくとも99%が特に高度に好ましく、少なくとも99%が最も好ましい。好ましい態様中で本明細書中に記載のポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドは、配列番号2の推論されたアミノ酸配列により特性付けられるポリペプチドとして本質的に同じ生物学的機能または活性を保持するポリペプチドをコードする。さらに、この観点で好ましい態様は、配列番号1のDNAによりコードされる成熟ポリペプチドとして本質的に同様の生物学的機能または活性を保持するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。本発明は、さらに、本明細書中の上記の配列にハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドに関する。これに関して、本発明は、特に本明細書中の上記のポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドに関する。本明細書中に使用される場合に、「ストリンジェント条件」という用語は、配列間に少なくとも95%、そして好ましくは少なくとも97%の同一性が存在する場合にのみハイブリダイゼーションが起きることを意味する。
【0038】
本発明のポリヌクレオチドアッセイに関して本明細書中に追加して考察するように、例えば、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号1の配列をコードする全長cDNAおよびゲノムクローンを単離するためおよび配列番号1に高度の配列類似性を有する他の遺伝子のcDNAおよびゲノムクローンを単離するために、RNA、cDNAおよびゲノムDNAのためのハイブリダイゼーションプローブとして使用してもよい。かかるプローブは、一般に少なくとも15個の塩基を含んでなる。好ましくは、かかるプローブは少なくとも30個の塩基を有しそして少なくとも50個の塩基を有してもよい。特に好ましいプローブは少なくとも30個の塩基を有しそして50個またはそれ以下の塩基を有する。例えば、本発明の遺伝子のコード領域は、オリゴヌクレオチドプローブを合成するために既知のDNA配列を用いるスクリーニングにより単離されてもよい。本発明の遺伝子のものに相補的な配列を有する標識されたオリゴヌクレオチドは、次いで、cDNA、ゲノムDNAまたはmRNAのライブラリーをスクリーニングして、ライブラリーのどのメンバーにプローブがハイブリダイゼーションするかを決定するために使用される。
【0039】
本発明のポリペプチドは、配列番号2のポリペプチド(特に成熟ポリペプチド)ならびに配列番号2のポリペプチドに少なくとも70%同一性、好ましくは配列番号2のポリペプチドに少なくとも80%同一性、さらに好ましくは配列番号2のポリペプチドに少なくとも90%類似(さらに好ましくは少なくとも90%同一性)、そしてそれ以上に好ましくは配列番号2のポリペプチドに少なくとも95%類似(さらに好ましくは少なくとも97%同一性)を有するポリペプチドを含み、そして一般に少なくとも30個のアミノ酸およびさらに好ましくは少なくとも50個のアミノ酸を含むポリペプチドのかかる部分であるかかるポリペプチドの部分も含む。本発明のポリペプチドフラグメントの代表的な例には、例えば配列番号2の末端切除ポリペプチドが含まれる。末端切除ポリペプチドには、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはそれらの変異体もしくは誘導体が含まれるが、しかし、アミノ末端を含む残基の連続シリーズ(すなわち、連続領域、部分またはポーション)、もしくはカルボキシル末端を含む残基の連続シリーズの欠失または、二重末端切除変異体として、一方はアミノ酸末端を含み他方はカルボキシル末端を含む残基の2個の連続シリーズの欠失を除く。本発明のこの局面で好ましいのは、配列番号2の配列により特性付けられるポリペプチドの構造的または機能的属性により特性付けられるフラグメントである。
【0040】
この観点において本発明の好ましい態様には、アルファらせんおよびアルファらせん形成領域、ベータ−シートおよびベータ−シート形成領域、ターンおよびターン形成領域、コイルおよびコイル形成領域、親水性領域、疎水性領域、アルファ両親媒性領域、ベータ両親媒性領域、フレキシブル領域、表面形成領域、基質結合領域、本発明のポリペプチドの高抗原性インデックス領域、およびかかるフラグメントの組み合わせを含んでなるフラグメントが含まれる。好ましい領域は、本発明のポリペプチドの活性を媒介するものである。この観点から最も好ましいのは、本発明の応答レギュラーターポリペプチドの化学的、生物学的またはその他の活性を有するフラグメントであり、これらには同様の活性もしくは改善された活性を有するか、または低下した望ましくない活性を有するものが含まれる。
プロテアーゼD−Gの組換え発現
本明細書中に記載の方法を介して得られたクローニングされたプロテアーゼD−G DNAは、適合するプロモーターおよびその他の適当な転写調節要素を含む発現ベクター内に分子クローニングすることにより組換え的に発現され、そして組換えプロテアーゼD−Gタンパク質を生成するために原核または真核宿主細胞内に転移されてもよい。かかる操作の技術は、上記のManiatis et al. 中に詳細に記載されそして当該技術分野では周知である。
【0041】
発現ベクターは、遺伝子のクローニングされたコピーの転写および適当な宿主内のそれらのmRNAの翻訳のために必要なDNA配列として本明細書中で定義される。かかるベクターは、種々の宿主、例えば大腸菌を含む細菌、藍藻植物、植物細胞、昆虫細胞、酵母細胞を含む真菌細胞、および動物細胞内に真核遺伝子を発現するために使用できる。
【0042】
特異的に設計されたベクターは、宿主、例えば細菌−酵母または細菌−動物細胞または細菌−真菌細胞または細菌−脊椎動物間のDNAのシャトリングを可能とする。適切に構築された発現ベクターは、宿主細胞内の自律的複製のための複製起点、選択可能マーカー、有用な制限酵素部位の限定された数、高いコピー数のための潜在能力、および活性プロモーターを含まなければならない。プロモーターは、RNAポリメラーゼにDNAを結合しそしてRNA合成を開始することを指示するDNA配列として定義される。強力なプロモーターは、mRNAに高い頻度で開始させるものである。発現ベクターは、クローニングベクター、修飾クローニングベクター、特異的に設計されたプラスミドまたはウイルスを含んでもよいがこれらに限定はされない。
【0043】
種々の哺乳動物発現ベクターを組換えプロテアーゼD−Gを哺乳動物内に発現するために使用してもよい。組換えプロテアーゼD−G発現のために適するであろう商業的に入手できる哺乳動物発現ベクターには、pMAMneo(Clontech)、pcDNA3(Invitrogen)、pMC1neo(Stratagene)、pXT1(Stratagene)、pSG5(Stratagene)、EBO−pSV2−neo(ATCC37593) 、pBPV−1(8−2)(ATCC37110) 、pdBPV−MMTneo(342−12)(ATCC37224) 、pRSVgpt(ATCC37199) 、pRSVneo(ATCC37198) 、pSV2−dhfr(ATCC37146) 、pUCTag(ATCC37460) 、およびIZD35(ATCC37565) が含まれるがこれらに限定はされない。種々の細菌発現ベクターを細菌細胞内で組換えプロテアーゼD−Gを発現するために使用してもよい。組換えプロテアーゼD−G発現のために適するであろう商業的に入手できる細菌発現ベクターには、pETベクター(Novagen) およびpQEベクター(Qiagen)が含まれるがこれらに限定はされない。
【0044】
種々の真菌細胞発現ベクターを真菌細胞、例えば酵母内で組換えプロテアーゼD−Gを発現するために使用してもよい。組換えプロテアーゼD−G発現のために適するであろう商業的に入手できる真菌細胞発現ベクターには、pYES2(Invitrogen)およびPichia発現ベクター(Invitrogen)が含まれるがこれらに限定はされない。
【0045】
種々の昆虫細胞発現ベクターを昆虫細胞内で組換えプロテアーゼD−Gを発現するために使用してもよい。プロテアーゼD−Gの組換え発現のために適するであろう商業的に入手できる昆虫細胞発現ベクターには、pBlueBacII(Invitrogen)が含まれるがこれらに限定はされない。
【0046】
プロテアーゼD−GをコードするDNAは、組換え宿主細胞内の発現のために発現ベクター内にクローニングされてもよい。組換え宿主細胞は、大腸菌などの細菌、酵母などの真菌細胞、ヒト、ウシ、ブタ、サルおよびネズミ起源の細胞系統を含むがこれらに限定はされない哺乳動物細胞、およびショウジョウバエおよびカイコ誘導細胞系統を含むがこれらに限定はされない昆虫細胞を含むがこれらに限定はされない、原核または真核性であってもよい。
【0047】
適当でありそして商業的に入手できる哺乳動物種より誘導される細胞系統には、CV−1(ATCC CCL 70)、COS−1(ATCC CRL 1650)、COS−7(ATCC CRL 1651)、CHO−K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、HIN/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS−C−1(ATCC CCL 26)、MRC−5(ATCC CCL 171)、L−細胞、およびHEK−293(ATCC CRL 1573)が含まれこれらに限定はされない。
【0048】
発現ベクターは、形質転換、トランスフェクション、プロトプラスト融合、リポフェクション、およびエレクトロポレーションを含むがこれらに限定はされない多数の技術のいずれか一つを介して宿主細胞内に導入されてもよい。発現ベクターを含む細胞はクローン的に繁殖しそしてこれらがプロテアーゼD−Gタンパク質を生成するかどうかを決定するために個別に分析される。プロテアーゼD−G発現宿主細胞クローンの同定は、抗−プロテアーゼD−G抗体との免疫学的反応性、および宿主細胞関連プロテアーゼD−G活性の存在を含むがこれらに限定はされない種々の技術により行ってもよい。
【0049】
プロテアーゼD−G DNAの発現は、生体外生成された合成mRNAを用いて行ってもよい。合成mRNAまたはプロテアーゼD−G生成細胞より分離されたmRNAは、大豆胚抽出液および網赤血球抽出液を含むがこれらに限定はされない種々の細胞を含まない系内で効率的に翻訳され、なたびにカエル卵母細胞内へのマイクロインジェクションを含むがこれらに限定はされない細胞に基づく系内に効率的に翻訳されることができ、ここでカエル卵母細胞内へのマイクロインジェクションが一般的に好まれる。
【0050】
プロテアーゼD−G活性および/またはプロテアーゼD−Gタンパク質の最適レベルを生成するプロテアーゼD−G DNA配列を決定するために、下記を含むがこれらに限定はされないプロテアーゼD−G DNA分子を構築できる:塩基〔277〕付近から塩基〔1581〕付近までの〔約48kDa〕タンパク質をコードするプロテアーゼD−G cDNAの全長オープンリーディングフレーム(これらの数字は、最初のメチオニンの最初のヌクレオチドおよび最初の終止コドンの前の最後のヌクレオチドに相当する)およびプロテアーゼD−Gタンパク質をコードするcDNAの部分を含む数種の構築物。すべての構築物は、プロテアーゼD−G cDNAの5’または3’非翻訳領域を全く含まないか、すべてまたは一部分を含むように設計できる。プロテアーゼD−G活性およびタンパク質発現のレベルは、適当な宿主細胞内へのこれらの構築物の単独および組み合わせの双方の導入の後に決定できる。一過性アッセイにおいて最適発現を生成するプロテアーゼD−G DNAカセットの決定の後に、哺乳動物細胞、バキュロウイルス感染昆虫細胞、大腸菌、および酵母S.cerevisiaeを含むがこれらに限定はされない宿主細胞内の発現のために、このプロテアーゼD−G
DNA構築物を種々の発現ベクターに転移する。
プロテアーゼD−Gのためのアッセイ方法
宿主細胞トランスフェクタントおよびマイクロインジェクションした卵母細胞は、下記の方法により機能性プロテアーゼD−G活性のレベルおよび全プロテアーゼD−Gタンパク質のレベルの双方をアッセイするために用いてもよい。組換え宿主細胞の場合に、これは触媒ドメインをコードする1個またはそれ以上のフラグメントをコードするプロテアーゼD−G DNAを含む1個または可能ならば2個またはそれ以上のプラスミドの同時トランスフェクションを含む。卵母細胞の場合に、これはプロテアーゼD−Gタンパク質のための合成RNAの同時注入を含む。発現させるために適当な時間が経過した後、細胞タンパク質を例えば35Sメチオニンを用いて24時間で代謝的に標識し、その後、細胞溶解物および細胞培地上清を採取しそしてプロテアーゼD−Gタンパク質に対抗して指向するポリクロナール抗体を用いて免疫沈降する。
【0051】
宿主細胞内のプロテアーゼD−Gタンパク質のレベルは、免疫アフィニティーおよび/またはタンパク質分解/アミド分解アッセイ技術により定量される。プロテアーゼD−Gを発現する細胞は、タンパク質分解/アミド分解活性の量を測定して発現されたプロテアーゼD−G分子の数をアッセイできる。プロテアーゼD−G特異性アフィニティービーズまたはプロテアーゼD−G特異性抗体を、例えば35Sメチオニン標識または非標識プロテアーゼD−Gタンパク質を単離するために使用する。標識プロテアーゼD−Gタンパク質はSDS−PAGEにより分析される。非標識プロテアーゼD−Gタンパク質はウエスタンブロティング、ELISAまたはRIAアッセイによりプロテアーゼD−G特異性抗体を用いて検出される。
細胞に基づくアッセイ
本発明は、プロテアーゼD−Gの化合物修飾を検出するための全細胞法を提供する。この方法は、工程
1)化合物、と機能性プロテアーゼD−Gとを接触させ、または機能性プロテアーゼD−Gを精製し、そして
2)化合物による応答またはプロテアーゼD−G活性の細胞内の変化を測定する、
を含んでなる。
【0052】
化合物とのプロテアーゼD−G相互作用のために必要な時間の長さは、例えば既知プロテアーゼD−Gモジュレーターを用いる経過時間実験を行いそして時間の関数として細胞/活性変化を測定することにより実験的に決定される。
【0053】
「細胞」の用語は、少なくとも1個の細胞、しかし検出方法の感度に適する複数個の細胞を含んで呼ぶ。本発明に適する細胞は、細菌、酵母、または真核性であってもよい。
【0054】
機能性プロテアーゼD−Gの化合物モジュレーションを決定するためのアッセイ方法は、慣用の実験フォーマットでありまたは高処理量に適合させることができる。「高処理量」の用語は、多重試料を同時に容易に分析できるアッセイ設計、およびロボット操作のための可能性を呼ぶ。高処理量アッセイの別の望ましい特徴は、所望の分析を達成するための試薬使用量の低減、または操作の数の最小化に関して最適化されたアッセイ設計である。アッセイフォーマットの例には、96−ウエルまたは384−ウエルプレート、浮揚液滴、および液体処理実験に用いられる「ラブオンアチップ(lab on a chip) 」マイクロチャンネルチップが含まれる。プラスチック型および液体取り扱い器具の小型化が進歩し、または本発明の設計を用いてさらに多数の試料を処理できる改善されたアッセイ器具が設計されることは当該技術分野の熟練者には周知である。
【0055】
本発明の方法に適する細胞変化は、プロテアーゼD−Gの機能もしくは量の変化を直接測定するか、または例えば転写における二次メッセンジャー濃度または変化を測定することによりまたはプロテアーゼD−Gにより転写的に影響される遺伝子のタンパク質レベルの変化によるプロテアーゼD−G機能の下流効果を測定することにより、または細胞内の表現型変化を測定することによるものを含んでなる。好ましい測定手段には、プロテアーゼD−Gタンパク質の量の変化、プロテアーゼD−Gの機能活性の変化、mRNAの量の変化、細胞内タンパク質の変化、細胞表面タンパク質、または分泌されるタンパク質の変化、またはCa+2、cAMPたはGTP濃度の変化が含まれる。プロテアーゼD−Gの量または機能活性の変化を本明細書中有に記載する。mRNAのレベルの変化は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)によりまたはディファレンシャル遺伝子発現により検出される。免疫アフィニティー、リガンドアフィニティー、または酵素測定は、宿主細胞内のタンパク質のレベルの変化を定量化する。タンパク質特異性アフィニティービーズまたは特異性抗体は、例えば35Sメチオニン標識または非標識タンパク質を単離するために使用される。標識タンパク質はSDS−PAGEにより測定される、非標識タンパク質は、ウエスタンブロティング、蛍光細胞分別による細胞表面検出、細胞イメージ分析、特異性抗体を用いるELISAまたはRIAにより検出される。タンパク質が酵素の場合には、タンパク質の誘導は、蛍光発光または比色基質の切断により測定される。
【0056】
細胞表面タンパク質に好ましい検出手段は、フローサイトメトリーまたは統計的細胞イメージングを含む。双方の技術において、関係するタンパク質は細胞表面に局在化され、特異性蛍光プローブにより標識され、そして細胞蛍光の程度により検出される。フローサイトメトリーでは、細胞は溶液中で分析され、一方細胞イメージング技術では、細胞の視野を相対蛍光に関して比較する。酵素、例えばアルカリホスファターゼまたはプロテアーゼである分泌されたタンパク質のための好ましい分析手段は、蛍光または比色酵素アッセイであろう。
【0057】
アルカリホスファターゼのための蛍光/発光/比色基質は商業的に入手できそしてかかるアッセイは高処理量のマルチウエルプレートスクリーンフォーマットに容易に適合される。蛍光エネルギートランスファービーズアッセイは、プロテアーゼアッセイに使用される。蛍光体およびクエンチャー分子をプロテアーゼのペプチド基質の両端内に組み込む。特異性基質が切断すると、蛍光体とクンチャーとの分離が蛍光を検出可能とする。分泌されたタンパク質が放射能法により測定できた場合に、シンチレーションプロキシミティー技術が使用できた。関係するタンパク質の基質は、蛍光物質を含む個体支持体上に被覆または組み込むかのいずれかにより固定される。酵素反応により固体相の近くにもたらされた放射性分子は、蛍光物質を励起させそして可視光を射出させる。可視光の射出は、リガンド/標的相互作用の検出成功の基礎を形成し、そして適当な測定器具により測定される。シンチレーションプロキシミティーアッセイの例は、1986年2月4日付け発行の米国特許(US)第4,568,649号に記載されている。これらの形式のアッセイのための物質は、フラッシュプレート(FlashPlate)TMの商標名でデュポン(Dupont)NENTM(Boston, Massachusetts) より商業的に入手可能である。
【0058】
内在性遺伝子が表現型細胞構造変化をもたらす場合の好ましい検出手段は、細胞形態または細胞内表現型変化の統計的イメージ分析である。限定の意味ではないが、例えば、表面に対して平のままであることに対して丸くなるように細胞は形態を変化するらしく、または増殖面に独立性となり従って腫瘍細胞生物学の分野では周知の形質転換細胞表現型に類似し、または細胞は新しい所生成物を生成するであろう。細胞内で起きてもよい表現型変化には、細胞骨格変化、新しい遺伝子転写に応答する小胞体/ゴルジ複合体の改変、または新しい小胞の生成が含まれる。
【0059】
内在性遺伝子が可溶性細胞内タンパク質をコードする場合に、内在性遺伝子の変化は細胞溶解物内に含まれる特定のタンパク質の変化により測定してもよい。可溶性タンパク質は、本明細書中に記載の方法により測定してもよい。
【0060】
本発明は、プロテアーゼD−GをコードするDNAまたはRNAの発現をモジュレーションする化合物のスクリーニングのための方法ならびに生体内のプロテアーゼD−Gタンパク質の機能も指向する。化合物は、プロテアーゼD−GをコードするDNAもしくはRNAの発現、またはプロテアーゼD−Gタンパク質の機能の増加もしくは減少によりモジュレーションされてもよい。プロテアーゼD−GをコードするDNAもしくはRNAの発現またはプロテアーゼD−Gタンパク質の機能をモジュレーションする化合物を種々のアッセイにより検出してもよい。そのアッセイは、発現または機能に変化があったかどうかを決定するための単純な「正/否」アッセイであってもよい。アッセイは、試験試料の発現または機能を標準試料内の発現または機能のレベルと比較して定量化してもよい。本プロセスで同定されたモジュレーターは、治療剤、およびプロテアーゼD−Gとして有用である。
プロテアーゼD−Gタンパク質の精製
組換え宿主細胞内のプロテアーゼD−Gの発現の後、プロテアーゼD−Gタンパク質を精製されたプロテアーゼD−Gを活性形で得るために回収してもよい。数種のプロテアーゼD−G精製方法が利用可能であり、そして使用に適する(精製スキームの基礎となるであろう類似タンパク質の精製のための文献追加)。天然起源よりのプロテアーゼD−Gの精製のために以上に記載したように、組換えプロテアーゼD−Gは、細胞溶解液および抽出液より、または条件調整した培養媒体より、塩分別、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイト吸着クロマトグラフィーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィー、レクチンクロマトグラフィー、および抗体/リガンドアフィニティークロマトグラフィーの種々の組み合わせ、または個別の適用により精製してもよい。
【0061】
組換えプロテアーゼD−Gは、全長初期プロテアーゼD−Gに特異性のモノクローナルもしくはポリクローナル抗体、プロテアーゼD−GもしくはプロテアーゼD−Gサブユニットのポリペプチドフラグメントを用いて作製した免疫アフィニティーカラムを用いて他の細胞タンパク質から分離できる。次いで、アフィニティーレジンを適当な緩衝液、例えばリン酸緩衝生理食塩水(pH7.3)中で平衡させ、そしてプロテアーゼD−GまたはプロテアーゼD−Gサブユニットを含む細胞培養上清または細胞抽出液をゆっくりとカラムに通す。次いでカラムを緩衝液を用いて光学密度(A280 )が背景値に下がるまで洗浄し、次いで緩衝条件を、例えば0.23Mグリシン−HCl(pH2.6)などの緩衝液を用いてpHを低下させて変化してタンパク質を溶離する。次いで精製されたプロテアーゼD−Gタンパク質を次いで適当な緩衝液、例えばリン酸緩衝生理食塩水に対して透析する。
タンパク質基づくアッセイ
本発明は、プロテアーゼD−Gタンパク質活性の化合物モジュレーションを検出するための生体外タンパク質アッセイ法を提供する。この方法は、工程
1)化合物、および機能性プロテアーゼD−Gタンパク質を接触させ、そして
2)化合物によるプロテアーゼD−G機能の変化を測定する
を含んでなる。
化合物との細胞接触のために必要な時間の長さは、例えば既知プロテアーゼD−Gモジュレーターを用いる時間経過実験を実行しそして時間の関数として変化を測定することにより実験的に決定される。
本セクションはプロテアーゼアッセイを記述する
プロテアーゼD−Gタンパク質分解活性をモジュレーションする化合物を検出するための方法は、推定モジュレーティング化合物、機能性プロテアーゼD−Gタンパク質、および適当な標識基質を組み合わせ、そして時間の関数としてまたは所定時間経過後のいずれかにおける基質の量の変化によりプロテアーゼに対する化合物の効果を測定することを含んでなる。標識基質には、放射能標識(Coolican et al.(1986). J. Biol. Chem. 261:4170−6)、蛍光定量法(Longergan et al.(1995). J. Food Sci. 60:72−3,78; Twining (1984). Anal. Biochem. 143:30−4)または比色法(Buroker−Kilgore and Wang (1993). Anal. Biochem. 208:378−92)である基質が含まれ、これらに限定はされない。本発明への使用に適する放射性同位元素には、当該技術分野では周知のもの、具体的には 125I、 131I、 3H、14C、35S、32P、および33Pが含まれる。放射性同位元素は、慣用の手段、例えばチロシン残基のヨウ素化、セリンまたはトレオニン残基のリン酸化、または放射性アミノ酸前駆体を用いるトリチウム、炭素または硫黄の組込はポリペプチド内に導入される。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に続く酵素電気泳動法(Waldstroem and Smyth (1973).Sci. Tools 20:17−21) 、ならびに蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)に基づく方法(Ng and Auld (1989). Anal. Biochem. 183:50−6) も、プロテアーゼD−Gタンパク質分解活性をモジュレーションする化合物を検出するために使用される方法である。アゴニストである化合物は、基質分解速度を上昇しそして時間の関数として残留基質がより減少する。アンタゴニストである化合物は、基質分解速度を低下しそして時間の関数として残留基質がより増加する。
【0062】
本発明の方法に有用な好ましいアッセイフォーマットは、プロテアーゼD−G切断部位をコードするペプチド配列により分離されたクエンチャーまたはアクセプターのいずれかを有する蛍光ドナーを含むペプチド基質を用いる、FRETに基づく方法である。蛍光ドナーは、エネルギーを吸収しそして他の化合物にエネルギーの一部分を転移できる蛍光発光性化合物である。本発明に使用するために適する蛍光ドナーの例には、クマリン、キサンテン染料例えばフルオレセイン、ロドール、およびローダミン、レゾルフィン、シアニン染料ビメーン(bimanes)、アクリジン、イソインドール、ダンシル染料、アミノフタル酸ヒドラジド例えばルミノールおよびイソルミノール誘導体、アミノフタルイミド、アミノナフタールイミド、アミノベンゾフラン、アミノキノリン、ジカノ(dicano)ヒドロキノン、およびユーロピウムおよびテルビウム複合体および関連化合物が含まれ、これらに限定はされない。クエンチャーは、ドナーに適切に近接して位置する場合に蛍光ドナーからの射出を低下する化合物であり、一般に蛍光の形でエネルギーを再射出しない。かかる部分の例には、インジゴ、ベンゾキノン、アントラキノン、アゾ化合物、ニトロ化合物、インドアニリン、およびジ−およびトリフェニルメタンが含まれる。ドナー/クエンチャー対を用いるFRET法は、ペプチド基質に対するプロテアーゼD−G酵素活性の関数として蛍光ドナーからの増加した射出を測定する。従って、プロテアーゼD−Gに拮抗する試験化合物は、FRETペプチド単独よりは低い(基底)蛍光と酵素活性プロテアーゼD−Gの活性により消化されたFRETペプチド単独からの低い蛍光および酵素活性プロテアーゼD−Gにほり消化されたFRETpHペプチドからの高い蛍光との2種の対立試料間の射出シグナルを生成する。
【0063】
アクセプターは、蛍光ドナーからエネルギーを吸収しそしてエネルギーの一部分を蛍光として再射出する蛍光分子である。アクセプターは、プロテアーゼD−Gタンパク質分解効力を測定するための別の機序を可能とするクエンチャーの特殊な形である。ドナー/アクセプター対を利用する方法は、ペプチド基質に対するプロテアーゼD−G酵素活性の関数としてのアクセプター射出の低下を測定する。従って、プロテアーゼD−Gに拮抗する試験化合物は、FRETペプチド単独からの高い方の基底蛍光および酵素活性プロテアーゼD−Gの活性により消化されたFRETペプチドからの低い方の蛍光の2種の対照試料間の射出シグナルを生成する。本発明の方法に有用なアクセプターの例には、クマリン、フルオレセイン、ロドール、ローダミン、レゾルフィン、シアニン、ジフルオロボラジアジンダセンおよびフタルシアニンが含まれるが、これらに減退はされない。
プロテアーゼD−Gに結合する抗体の生成および使用
プロテアーゼD−Gに対する単一特異性抗体は、プロテアーゼD−Gに対して反応性の抗体を含む哺乳動物抗血清より精製されるかまたは最初にコーラーとミルステイン(Kohler and Milstein, Nature 256:495−497 (1975))により記載された技術を用いてプロテアーゼD−Gと反応性のモノクローナル抗体として調製されるる。免疫学的技術は当該技術分野では周知でありそして例えば「抗体:実験マニュアル」(Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY 発行, ISBN 0879693142)に記載されている。本明細書中に使用される単一特異性抗体とは、プロテアーゼD−Gに対して均一結合(homogeneous binding) 特性を有する単一抗体種または多重抗体種として定義される。本明細書中に使用される均一結合とは、特異性の抗原またはエピトープ、例えば上記のプロテアーゼD−Gに関連するものに結合する抗体種の能力を呼ぶ。プロテアーゼD−G特異性抗体は、適当な濃度のプロテアーゼD−Gを免疫アジュバントを用いるかまたは用いないで動物、例えばマウス、ラット、モルモット、ラビット、ヤギ、ウマなど、好ましくはラビットを免疫化して得られる。
【0064】
最初の免疫化の前に未免疫血清を採取する。それぞれの動物は、受容できる免疫アジュバントと関連させたプロテアーゼD−Gの約0.001mg〜約1000mgを受ける。かかる受容できる免疫アジュバントには、フロイントの完全、フロイントの不完全、ミョウバン沈降物、コリネバクテリウム・パヴム(Corynebacterium pavum) およびtRNAを含む油中水エマルションが含まれるが、これらに限定はされない。最初の免疫化は、皮下(SC)、腹膜腔内(IP)または双方のいずれかの多重部位における好ましくはフロイントの完全アジュバント中のプロテアーゼD−Gより成る。それぞれの動物を、抗体力価を測定するために、定期的、好ましくは毎週採血される。動物は、最初の免疫化の後にブースター注入をうけても受けなくてもよい。ブースター注入を受けたこれらの動物は、同じ経路でフロイントの不完全アジュバント中の等量の抗原を一般に与えられる。ブースター注入は、最高力価が得られるまで約3週間の間隔で与えられる。それぞれのブースター免疫化の約7日毎または単回免疫化の約1週間後に、動物から採血し、血清を採取し、そして試料を約−20℃で保管する。
【0065】
プロテアーゼD−Gと反応性のモノクローナル抗体(mAb)を近交マウス、好ましくはBabl/cをプロテアーゼD−Gを用いて免疫化して調製する。マウスをIPまたはSC経路により、上記の受容できるアジュバントの等量内に混合した約0.1mlの緩衝液または生理食塩水中の約0.001mg〜約1.0mg、好ましくは約0.1mgのプロテアーゼD−Gを用いて免疫化する。フロイントのアジュバントが好ましく、ここでフロイントの完全アジュバントを最初の免疫化に使用しそしてフロイントの不完全アジュバントをその後に使用する。マウスは最初の免疫化を0日目に受けそして約2〜約30週間安息させる。免疫化したマウスは、静脈内(IV)経路によるリン酸緩衝生理食塩水などの緩衝液中のプロテアーゼD−G約0.001〜約1.0mgの1回またはそれ以上のブースター免疫化を与えられる。抗体陽性マウスからのリンパ球、好ましくは脾臓リンパ球を当該技術分野では既知の標準方法により免疫化マウスより脾臓を取り出して入手する。脾臓リンパ球と適当な融合相手、好ましくは骨髄腫細胞とを安定なハイブリドーマの形成を許容する条件下で混合してハイブリドーマ細胞を生成する。融合相手には、マウス骨髄腫P3/NS1/Ag4−1;MPC−11;S−194およびSp2/0が含まれてもよく、ここでSp2/0が一般に好ましく、これらに限定はされない。抗体生成細胞および骨髄腫細胞は、分子量約1000のポリエチレングリコール中、約30%〜約50%の濃度で融合させる。
【0066】
融合したハイブリドーマ細胞を、当該技術分野では既知の方法により、ヒポキサンチン、チミジンおよびアミノプテリンを補足したダルベッコの変法イーグル培地(DMEM)中で培養して選別する。上清液を約14、18、および21日目に培養陽性ウエルより採取しそして抗原としてプロテアーゼD−Gを用いて固相免疫ラジオアッセイ(SPIRA)のような免疫アッセイにより抗体生成に関してスクリーニングする。培養液もオクタロニー沈降アッセイにより試験してmAbのアイソタイプを決定する。抗体陽性ウエルからのハイブリドーマ細胞をマックファーソン(Mac Pherson, Soft Agar Techniques, Tissue Culture Methods and Applications 中, Kruse and Paterson編集, Academic Press, 1973) のソフトアガー法などの技術によりまたは限定希釈の技術によりクローニングする。
【0067】
モノクローナル抗体を生体内で、プライミングの少なくとも約4日目に約1x106 〜6x106 ハイブリドーマ細胞を用いて、マウス当たり約0.5mlでプリスタンプライムしたBalb/cマウスの注入により生成する。腹水を細胞転移の約8〜12日後に採取しそしてモノクローナル抗体を当該技術分野では既知の技術により精製する。
【0068】
抗プロテアーゼD−G mAbの生体外生成は、当該技術分野では周知の組織培養媒体中でハイブリドーマを増殖して行う。高密度生体外細胞培養は、当該技術分野では周知の中空繊維培養技術、空気リフト反応器、回転びん、または回転フラスコ培養技術を用いて、大量の抗プロテアーゼD−G mAbを生成するように行ってもよい。mAbは当該技術分野では公知の技術により精製される。
【0069】
腹水またはハイブリドーマ培養液の抗体力価は、沈降法、受動凝集法、酵素結合免疫吸着抗体(ELISA)技術および放射能免疫アッセイ(RIA)技術を含むが、これらに限定はされない種々の血清学的または免疫学的アッセイにより決定される。体液または身体組織および細胞抽出液中のプロテアーゼD−Gの存在を検出するために同様のアッセイが使用される。
【0070】
単一特異性抗体を生成するための上記の方法は、プロテアーゼD−Gポリペプチドフラグメント、または全長初期プロテアーゼD−Gポリペプチド、または個別のプロテアーゼD−Gサブユニットに特異性の抗体を生成するために使用してもよいことは当該技術分野の熟練者には直ちに理解できる。具体的には、唯一のプロテアーゼD−Gサブユニットまたは機能性プロテアーゼD−Gタンパク質全体に特異性である単一特異性抗体が生成されるであろうことは当該技術分野の熟練者には直ちに理解できる。プロテアーゼD−Gタンパク質の正常な機能を阻害する単一特異性抗体が生成されるであろうことも当該技術分野の熟練者には明らかである。
【0071】
プロテアーゼD−G抗体アフィニティーカラムは、抗体がゲルビーズ支持体と共有結合を形成するようにゲル支持体に抗体を加えて作製される。好ましい共有結合は、抗体上に含まれるアミン、アルデヒドまたはスルフヒドリル残基を介して作製される。抗体上にアルデヒドまたは遊離スルフヒドリル基を生成するための方法は当該技術分野では周知である。アミン基は、例えばN−ヒドロキシスクシンイミドエステルと反応性である。
【0072】
タンパク質分解活性の異常な発現または調節は、多数の病理生理学的状態をもたらすことができる。例えば、遺伝的障害からもたらされる数種の出血異常は、多数の活性セリンプロテアーゼ凝集因子のいずれか1個の欠失により起きることが知られている。多数のガン細胞および腫瘍はプロテアーゼを過剰発現し、その数種はセリンプロテアーゼと同定されている。これらの酵素は、腫瘍増殖および/または転移を促進すると考えられている。同様に、皮膚内で同定されたセリンプロテアーゼは、組織再造形および落屑に関係すると考えられる。免疫系の多数の細胞は、炎症症状の間に機能するらしいセリンプロテアーゼを生成および分泌する。一般に、これらのセリンプロテアーゼは細胞外マトリックス分解によりまたは活性増殖レギュレーターまたは化学誘引物質へのプロ−ホルモン前駆体の特異性活性化により作用すると考えられる。従って、セリンプロテアーゼ活性のモジュレーターが種々の病理生理学的症状の重大な効果をどうして有することができたかは容易に想像できる。
プロテアーゼD−G特異性試薬を含むキット組成物
プロテアーゼD−G DNAもしくはRNA、プロテアーゼD−Gへの抗体、またはプロテアーゼD−Gタンパク質を含むキットを調製してもよい。かかるキットは、プロテアーゼD−G DNAに加水分解するDNAを検出するため、または試料中のプロテアーゼD−Gタンパク質またはペプチドフラグメントの存在を検出するために使用される。かかる特性化は、法医学分析、診断用途、および疫学的研究を含むがこれらに限定はされない種々の目的に有用である。
【0073】
本発明のDNA分子、RNA分子、組換えタンパク質および抗体は、プロテアーゼD−G DNA、プロテアーゼD−G RNAまたはプロテアーゼD−Gタンパク質のレベルのスクリーニングおよび測定に使用してもよい。組換えタンパク質、DNA分子、RNA分子および抗体は、プロテアーゼD−Gの検出および形式決定に適するキットの処方に役立つ。かかるキットは、少なくとも1個の容器内に密封して保持するために適する区画化キャリヤーを含んでなる。キャリヤーは、さらに試薬、例えば組換えプロテアーゼD−Gタンパク質またはプロテアーゼD−Gの検出に適する抗プロテアーゼD−G抗体を含んでなる。キャリヤーは、例えば標識抗原または酵素基質などの検出のための手段を含んでもよい。
遺伝子治療
DNA配列をコードするプロテアーゼD−Gに相補的なヌクレオチド配列はアンチセンス治療のために合成できる。これらのアンチセンス分子は、DNA、DNAの安定な誘導体、例えばホスホロチオエートまたはメチルホスホナート、RNA、RNAの安定な誘導体、例えば2’−O−アルキルRNA、またはその他のプロテアーゼD−Gアンチセンスオリゴヌクレオチド模擬体であってもよい。プロテアーゼD−Gアンチセンス分子は、マイクロインジェクション、リポソームカプセル化によりまたはアンチセンス配列を内包するベクターからの発現により細胞内に導入されてもよい。プロテアーゼD−Gアンチセンス治療は、プロテアーゼD−G活性を低下すると有益である疾患の治療のために特に有用であろう。
【0074】
プロテアーゼD−G遺伝子治療は、プロテアーゼD−Gを標的生物体の細胞内に導入するために使用してもよい。プロテアーゼD−G遺伝子は、プロテアーゼD−G DNAの転移を媒介するウイルスベクター内に、レシピエント細胞の注入により連結できる。適当なウイルスベクターには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポリオウイルスなどが含まれる。あるいは、プロテアーゼD−G DNAは、リガンド−DNA結合体またはアデノウイルス−リガンド結合体を用いるレセプター媒介標的DNA転移、リポフェクション膜融合または直接マイクロインジェクションを含む非ウイルス技術により、遺伝子治療のための細胞内に転移できる。それらの操作およびそれらの変形は、生体外ならびに生体内プロテアーゼD−G遺伝子治療に適する。プロテアーゼD−G遺伝子治療は、プロテアーゼD−G活性を上昇させることが有益な疾患の治療のために特に有用であろう。プロテアーゼD−G遺伝子を用いるために適する遺伝子治療の分子的方法のためのプロトコールは、「遺伝子治療プロトコール」(Gene Therapy Protocols, Paul D. Robbins編集, Human press, Totawa, NJ, 1996)に記載されている。
薬剤組成物
プロテアーゼD−G DNA、プロテアーゼD−G RNA、またはプロテアーゼD−Gタンパク質、またはプロテアーゼD−Gレセプター活性のモジュレーターを含んでなる製剤学的に有用な組成物は、製剤学的に許容できるキャリヤーを混合するなどの既知の方法に従って処方してもよい。かかるキャリヤーおよび処方の方法の例は、「レミントンの薬剤科学」(Remington’s Pharmaceutical Science)中に見いだされる。効果的な投与のために適する製剤学的に許容できる組成物を形成するために、かかる組成物は、タンパク質、DNA、RNA、またはモジュレーターの有効量を含む。
【0075】
本発明の治療用または診断用組成物は、プロテアーゼD−G関連活性のモジュレーションが指示された障害の治療または診断のために十分な量で個体に投与される。有効量は、様々な因子、例えば個体の状態、体重、性別および年齢などに従って変化してもよい。その他の因子には、投与の方法が含まれる。薬剤組成物は、個体に対して様々の経路、例えば皮下、局所、経口および筋肉内により投与されてもよい。
【0076】
「化学誘導体」という用語は、通常は基礎分子の一部分ではない追加の化学部分を含む分子を記述する。かかる部分は、基礎分子の溶解度、半減期、吸着等を改善してもよい。あるいは、この部分は基礎分子の望ましくない副作用を減少しまたは基礎分子の毒性を低下してもよい。かかる部分の例は、「レミントンの薬剤科学」などの種々の教科書中に記載されている。
【0077】
本明細書中に開示する方法に従って同定された化合物は、プロテアーゼD−Gレセプターまたはその活性の最適な阻害を得て他方ではあらゆる潜在的な毒性を最小化するための日常的な試験により定義される適当な用量のみで使用してもよい。さらに、他の薬剤の同時投与または連続投与も望ましいであろう。
【0078】
本発明は、本発明の治療の新規方法に使用するために適する局所、経口、全身および非経口薬剤処方を提供するという目的も有する。プロテアーゼD−Gのモジュレーションに使用するための活性成分としての本発明に従って同定された化合物またはモジュレーターを含む組成物は、投与のための慣用のビヒクル内の広範な治療投与形で投与することができる。例えば、化合物またはモジュレーターは、錠剤、カプセル剤(いずれも持効性および徐放性処方を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、液剤、シロップ剤および乳剤としての経口投与形、または注射により投与できる。同様に、これらは、静脈内(ボーラスおよび輸液の双方)、腹腔内、皮下、吸蔵を含むかまたは含まない局所、または筋肉内形で投与してもよく、すべての使用形は薬剤技術分野の通常の熟練者には周知である。所望の化合物の効果的ではあるが非毒性量をプロテアーゼD−Gモジュレーティング剤として使用できる。
【0079】
製品の日用量は、患者あたり、1日あたりに、0.01〜1,000mgの広範囲に変化してもよい。経口投与のために、組成物は、好ましくは、治療される患者への用量の病状適合のための活性成分の0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、および50.0mgを含む割れ目付または割れ目なしの錠剤の形で提供される。薬剤の有効量は、通常、1日あたり、体重kgあたりに約0.0001mg〜約100mgの用量レベルで提供される。この範囲は、さらに具体的には、1日あたり体重kgあたりに約0.001mg〜約10mgである。プロテアーゼD−Gレセプターモジュレーターの用量は、所望の効果を達成するために組み合わされる場合には調整される。他方、これらの種々の薬剤の用量は、いずれかの薬剤を単独で使用した場合に予想されるよりも病状が緩和するような相乗効果を達成するために独立して最適化および組み合わされてもよい。
【0080】
好ましくは、本発明の化合物またはモジュレーターは、単回の日用量で投与しても、または全日用量を毎日2回、3回、または4回に分割して投与してもよい。さらに、本発明の化合物またはモジュレーターは、適当な鼻内ビヒクルの使用を介する鼻内形で、または経皮経路を介して、当該分野の通常の技術者には周知の経皮貼付剤の形を用いて投与できる。経皮投与系の形で投与されるために、当然ながら、用量の投与は、用量レジメンの全体にわたって中断するよりは連続的である。
【0081】
活性薬剤が別々の投与処方にある場合に1種を越える活性剤を用いる組み合わせ治療のために、活性薬剤は同時に投与でき、または分離して交互の時期にそれぞれ投与できる。
【0082】
本発明の化合物またはモジュレーターを用いる用量レジメンは、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別および医学的状態;治療すべき病状の重症度;投与の経路;患者の腎臓および肝臓機能;および使用されるこれら特定の化合物を含む種々の因子に従って選択される。通常の技術の医師または獣医師は、病状の進行を防止、対抗または捕そくするために必要な薬剤の有効量を容易に決定しそして処方できる。毒性なく効力を発生する範囲内の薬剤の濃度を達成するための最適の精密性は、標的部位への薬剤利用性の速度論に基づくレジメンを必要とする。これには、薬剤の分布、平衡、および排出の考慮が含まれる。
【0083】
本発明の方法において、本明細書中に詳細に記載した化合物またはモジュレーターは活性成分を形成することができ、そして典型的には、投与の意図する形態、すなわち経口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤などに関して適切に選択され、そして慣用の製薬慣行と合致する適当な薬剤増量剤、賦形剤またはキャリヤー(集合的に本明細書中では「キャリヤー」物質と呼ぶ)と混合して投与できる。
【0084】
例えば、錠剤またはカプセル剤の形での経口投与のために、活性薬剤成分は、経口、非毒性の製剤学的に許容できる不活性キャリヤー、例えばエタノール、グリセロール、水などと混合できる。さらに、望ましいかまたは必要な場合に、適当な結合剤、滑剤、崩壊剤および着色剤も混合物中に組み込むことができる。適当な結合剤には、デンプン、ゼラチン、天然糖類例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、コーン甘味料、天然および合成ガム類、例えばアラビアゴム、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが含まれ、これらに限定はされない。これらの投与形内に使用される滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれ、これらに限定はされない。崩壊剤には、デンプン、メチルセルロース、アガー、ベントナイト、キサンタンガムなどが含まれ、これらに限定はされない。
【0085】
液状剤のために、活性薬剤成分は、適当な風味を有する懸濁剤または分散剤、例えば合成および天然ゴム、例えばトラガカント、アラビアゴム、メチル−セルロースなどと混合できる。使用してもよいその他の分散剤には、グリセリンなどが含まれる。非経口投与のためには、滅菌懸濁剤および液剤が望ましい。一般に適当な保存剤を含む等張性製剤は、静脈内投与が望ましい場合に使用される。
【0086】
活性薬剤成分を含む局所製剤は、当該技術分野に周知の種々のキャリヤー物質、例えばアルコール、ホンアロエゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンAおよびE油、鉱油、PPG2ミリスチルプロピオナートなどと混合して、例えばアルコール性溶液、局所清浄剤、洗顔クリーム、皮膚ゲル、スキンローション、および乳状またはゲル状処方のシャンプーを形成することができる。
【0087】
本発明の化合物またはモジュレーターは、リポソーム投与系、例えば小型単層ベシクル、大型単層ベシクルおよび多層ベシクルの形で投与されることができる。リポソームは、各種のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンから形成できる。
【0088】
本発明の化合物は、化合物分子が結合する個別のキャリヤーとしてモノクローナル抗体の使用により投与してもよい。本発明の化合物またはモジュレーターは、標的可能な薬剤キャリヤーとして可溶性ポリマーと結合することもできる。かかるポリマーは、ポリビニル−ピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメチルアクリル−アミドフェノール、ポリヒドロキシ−エチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンを含むことができる。さらに、本発明の化合物またはモジュレーターは、薬剤の制御された放出を達成するために有用なある種の生分解性ポリマー、例えばポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクタム、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロ−ピラン、ポリシアノアクリレートおよび架橋または両親媒性のヒドロゲルのブロックコポリマーと結合させてもよい。
【0089】
経口投与のために、化合物またはモジュレーターは、カプセル剤、錠剤、またはボーラス形で投与してもよくあるいは動物飼料中に混合できる。カプセル剤、錠剤、およびボーラスは、適当なキャリヤービヒクル、例えばデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、またはリン酸二カルシウムと組み合わせた活性成分を含んでなる。これらの単位投与形は、増量剤、充填剤、崩壊剤、および/または結合剤を含む適当に微粉化した不活性成分と活性成分とを緊密に混合して均質な混合物が得られるようにして調製される。不活性成分は、化合物またはモジュレーターと反応せずそして治療される動物に対して非毒性であるものである。適当な不活性成分には、デンプン、ラクトース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、植物性ゴムおよび油などが含まれる。これらの処方は、治療される動物種の大きさおよびタイプおよび感染のタイプおよび重症度などの種々の因子に応じて活性および不活性成分の広範に変化する量を含んでもよい。活性成分は、化合物を飼料と単に混合してまたは飼料の表面に化合物を添加して、飼料の添加剤として投与してもよい。あるいは、活性成分は、不活性キャリヤーと混合してもよく、そして得られた組成物を飼料と混合するかまたは直接動物に与えてもよい。適当な不活性キャリヤーには、コーンミール、サイトラスミール、発酵残さ、ダイズ粉、乾燥穀粒などが含まれる。活性成分は、粉砕、攪拌、磨砕、または振とうにより、最終組成物が活性成分0.001〜5重量%を含むように緊密に混合される。
【0090】
あるいは、化合物またはモジュレーターは、不活性液体キャリヤー中に溶解した活性成分より成る処方の注入を介して非経口的に投与してもよい。注入は、筋肉内、管腔内、気管内、または皮下のいずれかであってもよい。注入組成物は、適当な不活性液状キャリヤーと混合した活性成分より成る。受容できる液状キャリヤーには、植物油、例えばラッカセイ油、綿実油、ゴマ油などならびに有機溶剤、例えばソルケタール(solketal)、グリセロールホルマルなどが含まれる。別の方法として、水性非経口処方を使用してもよい。植物油が好ましい液状キャリヤーである。この処方は、活性成分を液状キャリヤー中に、最終処方剤が活性成分の0.005〜10重量%を含むように溶解または懸濁して調製される。
【0091】
化合物またはモジュレーターの局所適用は、水性溶液または懸濁液として本化合物またはモジュレーターを含む液状水剤またはシャンプーの使用を介して可能である。これらの処方剤は、一般にベントナイトなどの懸濁剤を含みそして通常消泡剤も含む。活性成分0.005〜10重量%を含む処方剤が受容できる。好ましい処方剤は、本化合物またはモジュレーター0.01〜5重量%を含むものである。
【0092】
下記の実施例は、本発明を説明するがしかしそれを限定するものではない。
実施例1
プラスミド操作
すべての生物学的方法は、従来の記載のものに従った(Maniatis et al.(1989). 1−1626) 。オリゴヌクレオチドは、Ransom Hill Biosciences (Ransom Hill,CA) よりそしてすべての制限エンドヌクレアーゼおよびその他のDNA変性酵素は、特に記載しない限りNew England Biolabs(Beverly, MA)より購入した。プロテアーゼD−G発現構築物は、下記のようにバキュロウイルス発現ベクターpFastBac1(Life Technologies, Gaithersberg, MD) 内で作製した。すべての構築操作は、Allied Biosystems 377 蛍光配列決定装置(Perkin Elmer, Foster City, CA) を用いてターミネーターサイクル配列決定により確認した。
プロテアーゼD−G cDNAの取得
プロテアーゼD−GcDNAを含む組換えファージをヒト小腸ライブラリー(Clontech, Palo Alto, CA) より単離した。挿入物を配列解析にかけそしてS1セリンプロテアーゼに相同性を有するTAA終止コドンを含まない1305ヌクレオチドのオープンリーディングフレームを含むことを見いだした(配列番号1)。重要なことは、オープンリーディングフレームが位置157におけるインフレームTGA終止コドンにより先行されているので、これが真正であるらしいことである。既知配列(AATAAA)と良く同一性する推定ポリアデニル化配列(ATTAAA)もポリA部分の直前の上流に同定されたので、このクローンも全3’非翻訳を含むらしい。推論されたオープンリーディングフレームは435アミノ酸のプレプロ−D−G−タンパク質をコードし(配列番号1)、これは約48−Kdの推定分子量(Mr )を有し、そして他のセリンプロテアーゼに高度に相同性である。プロテアーゼD−Gアミノ酸配列のさらなる配列分析は、アミノ末端近くの膜貫通セグメント(配列番号2中の残基31−52)を予測し、この新規のcDNAがタイプII膜貫通セリンプロテアーゼをコードすることを示唆する。プロテアーゼD−G cDNAを用いるジーンバンク(Genebank)データベースの相同性サーチは、これが新規のcDNAでありそしてクローニングされたセリンプロテアーゼTMPRSS2(Paolini−Giacobino et al. (1997). Genomtics 44:309−320) およびヘプシン(Leytus et al.(1988). Biochemistry 27:1067−74)に最も近い類似性を有し、これらもタイプII内在性膜タンパク質である。
【0093】
チモーゲン活性化配列は、他のS1セリンプロテアーゼのものと著しく類似しそして233アミノ酸の成熟タンパク質を予言する。プロテアーゼD−Gの触媒性三つ組H、DおよびSは、それぞれ位置243、339および385に位置する(第一番としてプレプロD−G配列のメチオニンイニシエーターを使用)。S1セリンプロテアーゼファミリーの他のメンバーとの推論プロテアーゼD−Gアミノ酸配列の系統発生樹は、Clustal Wプログラム(Higgins and Sharp(1989). Comput. Appl. Biosci. 5:151−3)により作製され、MegAlign3.1.7プログラム(DYNASTAR Inc., Madison, WI)を用いて決定され図2に示す。
実施例2
プロテアーゼD−G mRNAの組織分布
我々は、プロテアーゼD−G mRNAの組織分布を同定するために感受性が高いPCRプロファイリング技術を利用した。この適用のために、数種のヒトcDNAライブラリー(CHRF−288巨核球細胞系統を除きすべてClontech(Palo Alto, CA) より)および我々がZAP発現cDNA系(Stratagene, La Jolla, CA)を用いて構築したヒトゲル濾過血小板ライブラリーを用いた。プロファイリング分析のためのPCRプライマーは下記であった。
【0094】
配列番号3:5’−ACAGCCTCAGCATTTCTTGG−3’
配列番号4:5’−TCTTGCTCTAGTAGGCTTGG−3’
要約すると、50μlPCR反応は試験したそれぞれのcDNAライブラリーより希釈したファージストック(約108 〜1010pfu/ml)の1μlを用いた。反応は、最初94℃で5分間変性し、そして94℃で20秒間、56℃で20秒間、次いで72℃で30秒間の35サイクル、次いで最後の72℃の延伸を10分間行った。配列
配列番号5:5’−TTGGTGCTCCCAGCATCCCAGGGAGAGACACAGCCCACTG−3’のネストしたプライマープローブをガンマ32P−ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼ(Life Technologies, Gaithersberg, MD) を用いて放射能標識しそして組み込まれなかった標識を除去し、次いでQIAquickヌクレオチド除去カラム(Qiagen, Valencia, CA)を用いる反応を行った。32P末端標識したネストしたプライマープローブ(1X105 cpm)をPCR反応の後のそれぞれの試料10μlと混合した。PCR生成物−プローブ混合物を94、5分間で変性、60℃で15分間ハイブリダイゼーションしそして4℃に冷却した。アニーリングした試料(10μl)を6%トリス−ボレート−EDTA非変性ポリアクリルアミドゲル(Novaen)中で電気泳動し、乾燥しそしてオートラジオグラフィーに暴露した。ベータ−アクチンPCRプライマーおよび標識したネストしたプライマープローブを用いて図3中に用いたcDNAライブラリーのPCRプロフィールは、試験したすべての試料中でベータ−アクチンPCR生成物を生成した。
【0095】
図3から分かるように、D−G mRNAの分布は、特定の組織および細胞タイプに高度に制限される。プロテアーゼD−G転写物を発現する組織の種類は、表皮、繊維芽細胞、ケラチノサイト、結腸、小腸、胃、肺、腎、骨髄、リンパ節、胸腺、卵巣、前立腺、子宮および脊髄である。特に重要なことは、通常では多数のセリン遺伝子が発現されることが見いだされる組織である膵臓または肝臓中にD−GプロテアーゼmRNAが発現されないことである。
実施例3
活性プロテアーゼD−Gの発現のための構築物生成
S1プロテアーゼファミリーのメンバーは不活性チモーゲン前駆体として最もしばしば合成され、そしてタンパク質分解活性となるためには限定されたタンパク質分解を必要とするので、我々は異種セリンプロテアーゼcDNAの遺伝子活性化を発現しそして許容するチモーゲン活性化構築物を開発した。この構築物は、それぞれ分泌および抗体検出(PF)の目的で以前に記載(Ishii et al.(1993). J. Biol. Chem. 268:9780−6) のようにMoAb M2抗体FLAGエピトープとインフレームで融合したウシプレプロラクチンシグナル配列を特徴とする。重要なことは、この構築物は、インフレームおよびシグナル配列より下流に融合したヒトトリプシノーゲンIからのエンテロキナーゼ切断部位(EK)も含むことである。C−末端において、終止コドンの前にそれぞれのニッケルレジン上のアフィニティー精製のための6個のヒスチジンコドンをコードする追加の配列がある(6XHIS)。アフィニティータグ配列の直接の上流および上記のPFEKプレプロ配列の下流にある独自のXbaI制限酵素部位は、異種セリンプロテアーゼcDNAの触媒ドメインのインフレーム挿入の点である(図4)。上記のチモーゲン活性化ベクターは、PFEK−6XHIS−TAG FBを生成するための変性pFastBac1トランスプレースメント(transplacement)プラスミド内にクローニングされた。
【0096】
全長プロテアーゼD−G cDNAの精製されたプラスミドDNAを、製造者の推奨に従ってネーチブPfuポリメラーゼ(Stratagene, La Jolla, CA)を用いる100μl調製用PCR反応中の鋳型として使用した。使用したプライマー、配列番号6:D−G Xba−U 5’ATGCTCTAGATGTGGATTCTTGGCCTTGGC−3’、配列番号7:D−G Xba−L 5’GATGTCTAGACAGCTCAGCCTTCCAGACATTG−3’はXba−I切断可能末端を含み、そしてプロテアーゼD−Gの触媒ドメインに近接しそしてプロテアーゼD−G Xba−I触媒カセットを生成するように設計された。調製用PCR反応は、94℃で30秒間、60℃で30秒間、72℃で2.0分間の18サイクルで行った。
【0097】
調製用PCR生成物をフェノール/CHCl3 (1:1)で抽出1回、CHCl3 抽出し、次いでグリコーゲン(Boeringer Mannheim Corp., Indianapolis, IN)およびキャリヤーを用いてEtOH沈降した。沈降したペレットを70%EtOHを用いてリンスし、減圧下で乾燥し、そして80μlH2 O、10μl 10制限緩衝液第2番および1μl 100xBSA(New England Biolabs, Beverly, MA)中に再懸濁した。生成物を200単位のXbaI制限酵素(New England Biolabs, Beverly, MA)を用いて37℃で3時間消化した。XbaI消化生成物をフェノール/CHCl3 (1:1)で抽出1回、CHCl3 抽出、EtOH沈降、70%EtOHを用いてリンスし、そして減圧下で乾燥した。混入している鋳型プラスミドDNAから精製するために、生成物をTAE緩衝液(40mM トリス−アセテート、1mM EDTA pH8.3)中の1.0%低融点温度アガロース(Life Technologies, Gaithersberg, MD) ゲルを通して電気泳動しそしてゲルから切除した。次いで、切除生成物の試料を上記のXbaI消化、脱リン酸化およびゲル精製、チモーゲン活性化ベクターを用いるゲル内結合に使用した。構築物PFEK−プロテアーゼD−G−6XHIS−TAG64を生成するために正しい方向に挿入したD−G Xbaカセットを含むクローンを配列分析により確認して、NH2 −末端PFEKプレプロ配列およびC−末端6XHISアフィニティータグに関して適切な翻訳レジスタが維持されていることを確認した。
実施例4
組換えプロテアーゼD−Gの発現
PFEK−プロテアーゼD−G−6XHIS構築物を含む組換えバクミド(bacmid)を、製造者の推奨に従って、細菌形質転換、選択、増殖、精製およびPCR確認により調製した。培養したSf9昆虫細胞(ATCC CRL−1711)を精製バクミドDNAを用いてトランスフェクションしそして数日後に、組換えPFEK−プロテアーゼD−G−6XHISバキュロウイルスを含む条件調整媒体をウイルスストック増幅のために採取した。2X106 /mlの密度でSf900II SFM中で増殖したSf9細胞を27℃で80時間、2の感染倍数により感染し、そして媒体を採取しそしてPFEK−プロテアーゼD−G−6XHISの精製のために濃縮した。
実施例5
組換えプロテアーゼD−Gの精製および活性化
PFEK−D−G−6XHISを発現するバキュロウイルス感染Sf9細胞からの培養上清を濃縮しそしてCentricon Plus−80 Biomax−8濃縮装置(Millipore,Marlborough, MA)を用いて4℃で脱塩した。Ni−NTA(チモーゲン100μgあたりに50%スラリー150μl)(Qiagen, Valencia, CA)を濃縮試料5mlに加えそして4℃で60分間振とうして混合した。チモーゲン結合レジンを洗浄緩衝液〔10mMトリス−HCl(pH8.0)、300mM NaCl、および15mMイミダゾール〕を用いて3回洗浄し、次いでdsH2 O1.5mlを用いて洗浄した。チモーゲン切断は、20mMトリス−HCl(pH7.4)、50mM NaCl、および2.0mM CaCl2 を含む緩衝液中で軽く振とうして一晩室温で少量のチモーゲン結合Ni−NTAビーズにエンテロキナーゼ(チモーゲン50μgあたりに10U)(Novagen, Inc., Madison WI; またはSigma, St. Louis, MO) を加えて行った。次いでレジンを洗浄緩衝液1.5mlを用いて2回洗浄した。活性化したプロテアーゼD−G−6XHISを溶離緩衝液〔20mMトリス−HCl(pH7.8)、250mM NaCl、および250mMイミダゾール〕を用いて溶離した。溶離したタンパク質濃縮物をマイクロ(Micro) BCAキット(Pierce, Rockford, IL)により、標準としてウシ血清アルブミンを用いて決定した。
組換えプロテアーゼD−Gの電気泳動およびウエスタンブロッティング検出
還元剤ジチオトレイトール(DTT)の存在下で変性した精製PFEK−プロテアーゼD−G−6XHISチモーゲンまたは活性化プロテアーゼD−G−6XHISの試料を、クーマシーブリリアントブルーを用いて染色したSDS−PAGE(Bio Rad, Hercules CA)により分析した。ウエスタンブロッティングのために、ゲルをハイボンド(Hybond)ECL膜(Amersham, Arlington Heights, IL) にエレクトロトランスファーした。感染Sf9細胞より発現したFLAGタグを付したPFEK−プロテアーゼD−G−6XHISチモーゲンを抗フラッグ(Flag)M2抗体(Babco, Richmond, CA) を用いて検出した。二次抗体は、ヤギ−抗マウスIgG(H+L)、ホースラディシュペルオキシダーゼ−結合F(ab’)2フラグメント(Boeringer Mannheim Corp., Indianapolis, IN)でありそしてECLキット(Amersham, Arlington Heights, IL) により検出した。
実施例6
活性化組換えプロテアーゼD−Gの色素原アッセイ
活性化セリンプロテアーゼのアミド分解活性は商業的に入手できる合成基質(Bachem California Inc., Torrance, PA); American Diagnostica Inc., Greenwich, CT; Kabi Pharmacia Hepar Inc., Franklin, OH)よりのパラ−ニトロアニリン(pNA)の放出により測定する。アッセイ混合物は500μMおよび10mMのトリス−HCl(pH7.8)、25mM NaCl、および25mMイミダゾール中に色素原基質を含む。pNAの放出は、マイクロプレートリーダー(Molecular Devices, Menlo Park, CA) 上で405nm吸収フィルターを用いて37℃で120分間測定する。最初の反応速度(Vmax、mOD/分)は、ソフトマックス(Softmax)(Molecular Devices, Menlo Park, CA)を用いて時間に対する吸光のプロットより測定した。種々の基質に対する活性化プロテアーゼD−G−6XHISの比活性(生成pNAnモル/分/μgタンパク質)を表1に示す。精製した非活性化PFEK−プロテアーゼD−G−6XHISチモーゲンを用いて、測定できる色素原アミド分解活性は検出されなかった。
【0098】
【表1】
【0099】
本発明のセリンプロテアーゼをモジュレーションする化合物は、加速に関して、またはさらに一般的にはタンパク質分解活性の阻害に関してスクリーニングすることにより同定される。本件の場合に、色素原活性は吸光の増加により測定されるけれども、蛍光原アッセイまたはその他の方法、例えば上記のようなタンパク質分解活性を測定するためのFRETが使用できる。化合物を適当な溶剤、例えばDMF、DMSO、メタノール中に溶かし、そして通常は100μMを越えない濃度範囲に水中で薄め、そしてプロテアーゼの1000倍濃度の濃度で(これに限定はされない)典型的には試験する。次いで化合物をタンパク質ストック溶液と混合し、次いで反応混合物に加える。あるいは、タンパク質および化合物溶液を反応混合物に独立して加え、ここで化合物はプロテアーゼD−Gタンパク質の添加の前、またはその直後のいずれかで加える。
【0100】
これらの研究の間に、本明細書中に記載の配列と類似するがしかし区別されるジーンバンク(Genebank)提出物が同定された(ジーンバンクアクセッション番号SF216312)。プロテアーゼD−G cDNAとAF216312配列との間の相違の正確な意義はこの時点で完全には理解されていないが、これはイニシエーターATG近くの異なるスプライシングの結果であり、これにより別個の配列が生成しその結果別個のタンパク質が生成するらしい。下記は、本明細書中に記載するプロテアーゼD−G cDNAの核酸(配列番号1)を大文字で上部に、そして下部に小文字で示したAF216312配列の間のGAP整列である。
【0101】
ジーンバンクの説明情報は下記である。
【0102】
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】
【表4】
【0106】
【表5】
下記は、推論される貫通膜ドメインの小文字で記した本明細書中に記載のプロテアーゼD−G cDNA(配列番号2)のアミノ酸配列とAF216312配列によりコードされるものの間のGAP整列である。
【0107】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1A】
新規プロテアーゼD−G cDNAのヌクレオチド(配列番号1)を示す。
【図1B】
新規プロテアーゼD−G cDNAのアミノ酸配列(配列番号2)を示す。推定ヌクレオチドポリアデニル化配列ならびに予測されたチモーゲン活性化切断部位に続く最初のアミノ酸4個に下線を付す。予測された疎水性膜貫通ドメインのアミノ酸を囲む。
【図2】
他のS1セリンプロテアーゼと関連させたプロテアーゼD−Gアミノ酸配列の系統樹を示す。
【図3】
PCRに基づく組織分布は、プロテアーゼD−G mRNAが制限されていることを示す。ゲルのオートラジオグラムをD−G特異性PCR生成物の位置で示し、これは遊離プローブ(F.P.)よりの電気泳動から識別された標識しネストしたプローブのハイブリダイゼーションにより検出された。分析した組織および細胞系統のcDNAライブラリーは図示の通りである。
【図4A、4B】
チモーゲン活性化構築物内のプロテアーゼD−G触媒ドメインのヌクレオチド(配列番号8)およびアミノ酸(配列番号9)配列を示す。
【図5】
精製した組換えプロテアーゼPFEKプロテアーゼD−G−6XHISのポリアクリルアミドゲルおよびウエスタンブロット分析。クーマシーブリリアントブルーを用いて染色した新規セリンプロテアーゼPFEK−プロテアーゼD−G−6XHISの試料を含むポリアクリルアミドゲルを示す(レーン2および3)。相対分子質量は、タンパク質標準の位置により示す(レーン1)。示されたレーンでは、精製チモーゲンは未処理(−)またはエンテロキナーゼ(EK)を用いて消化(+)し、EKはレーン1のチモーゲンを切断および活性化してレーン2に示す高い移動性の活性形とするために使用された。レーン4および5は、抗−FLAG MoAbM2と用いてプローブした相当するゲルレーン1および2のウエスタンブロットを示す。これは、処理および活性化されたプロテアーゼを生成する発現および精製されたチモーゲンの定量的な切断を証明する。FLAGエピトープは、配列毎にEKの直ちに上流に位置するので、EKを用いる切断は、ポリアクリルアミドゲル中に保持されるためには小さすぎるFLAG含有ポリペプチドを生成し、従って+EKレーン中では検出されない。
【図6】
活性化構築物より発現、精製および活性化された組換えプロテアーゼD−G−6XHISの機能性アミド分解活性を図示の色素原基質を用いて決定した。
Claims (23)
- プロテアーゼD−Gタンパク質をコードする単離および精製された核酸分子であって、
(a)配列番号2によりコードされるアミノ酸1から435までを含んでなるポリペプチドに少なくとも70%の同一性を有するタンパク質をコードする核酸分子、
(b)配列番号9によりコードされるアミノ酸1から292までを含んでなるポリペプチドに少なくとも70%の同一性を有するタンパク質をコードする核酸分子、
(c)ポリヌクレオチド(a)または(b)のいずれか一方に相補的である核酸分子、
(d)ポリヌクレオチド(a)、(b)、または(c)のいずれか1つの少なくとも15個の連続塩基を含んでなる核酸分子、および
(e)(a)または(b)のポリヌクレオチド分子のいずれか一方にストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションする核酸分子
よりなる群より選ばれるメンバーを含んでなる該核酸分子。 - ポリヌクレオチドがRNAである、請求項1記載の核酸分子。
- ポリヌクレオチドがDNAである、請求項1記載の核酸分子。
- (配列番号1)、(配列番号8)およびそれらの機能性誘導体よりなる群より選ばれるヌクレオチド配列を有する、請求項1記載の単離および精製された核酸分子。
- 該核酸分子がゲノムDNAである、請求項1記載の単離および精製された核酸分子。
- 該ベクターがタンパク質分解活性プロテアーゼD−Gタンパク質およびその機能性誘導体をコードする核酸配列を含む、組換え宿主内でのプロテアーゼD−Gタンパク質の発現のための発現ベクター。
- 発現ベクターが、(配列番号1)、(配列番号8)、およびそれらの機能性誘導体よりなる群より選ばれるヌクレオチド配列を有する、プロテアーゼD−Gタンパク質をコードする核酸分子を含む、請求項6記載の発現ベクター。
- 発現ベクターがプロテアーゼD−Gタンパク質をコードするゲノムDNAを含む、請求項6記載の発現ベクター。
- 請求項6記載の発現ベクターを含む組換え宿主細胞。
- 該核酸分子が、(配列番号1)、(配列番号8)、およびそれらの機能性誘導体よりなる群より選ばれるヌクレオチド配列を有する、請求項9記載の組換え宿主細胞。
- クローン化された核酸分子がゲノムDNAである、請求項9記載の組換え宿主細胞。
- プロテアーゼD−Gタンパク質分解活性を有する本質的に純粋の形であるタンパク質。
- (配列番号2)、(配列番号9)およびそれらの機能性誘導体よりなる群より選ばれるアミノ酸配列を有する、請求項12記載のタンパク質。
- プロテアーゼD−Gタンパク質と免疫学的に反応性の単一特異性抗体。
- (a)請求項6記載の発現ベクターを適当な宿主細胞内に転移し、そして
(b)該発現ベクターからプロテアーゼD−Gタンパク質の発現を許容する条件下で工程(a)の宿主細胞を培養する
ことを含んでなる、組換え宿主細胞内でのプロテアーゼD−Gタンパク質の発現のための方法。 - a)試験化合物、タンパク質分解活性プロテアーゼD−Gタンパク質、および標識基質を、標識基質へのタンパク質分解活性の結果として検出可能な生成物を生成するために十分な時間インキュベーションし、そして
b)試験化合物の不在における標識基質へのプロテアーゼD−Gタンパク質分解活性と比較して、標識基質へのプロテアーゼD−Gタンパク質分解活性の試験化合物モジュレーションの結果としての生成物の量の変化を測定する
工程を含んでなる、タンパク質分解活性の試験化合物モジュレーションを検出するための方法。 - 標識基質が、放射能標識原子、少なくとも1種の蛍光分子、および比色分子よりなる群より選ばれる検出可能な標識を含んでなる、請求項16記載の方法。
- 基質が2種の蛍光分子で標識され、そして検出可能な分子が蛍光共鳴エネルギー転移により検出される、請求項17記載の方法。
- 該化合物がプロテアーゼD−Gタンパク質分解活性のモジュレーターである、請求項16記載の方法において活性の化合物。
- 該化合物がプロテアーゼD−Gタンパク質分解活性のアゴニストまたはアンタゴニストである、請求項16記載の方法において活性の化合物。
- 該化合物がプロテアーゼD−Gの発現のモジュレーターである、請求項16記載の方法において活性の化合物。
- 該化合物がプロテアーゼD−Gタンパク質分解活性のモジュレーターである、請求項16記載の方法において活性の化合物を含んでなる薬剤組成物。
- 請求項16記載の方法において活性のプロテアーゼD−Gをモジュレーションする化合物の投与を含んでなる、プロテアーゼD−Gにより媒介されるような症状の治療が必要な患者を治療する方法。
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