JP2004522405A - Ifi206、新規インターフェロン誘導ポリペプチド、及びこれをコードする核酸 - Google Patents

Ifi206、新規インターフェロン誘導ポリペプチド、及びこれをコードする核酸 Download PDF

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Abstract

当該発明は代謝状態に影響を与える条件下において調節される新規マウスインターフェロン誘導タンパク質(IFI206及び天然に生じる変異体)及びIFI206に一致し、コードする核酸を提供する。本発明は、IFI206をコードする核酸配列を含む遺伝学的に操作されたベクター及び宿主細胞お、及び該タンパク質を生産するための方法を提供する。また、本発明はIFI206の発現に関連した疾病の予防と治療のためのIFI206を含む薬剤的組成物及びそのような組成物の使用も提供する。さらに、本発明はIFI206に対するアンチセンス分子及びIFI206の発現に関連した疾病の治療におけるそれらの使用を提供する。また、本発明はIFI206をコードする天然に生じる配列とハイブリダイズするポリヌクレオチドを利用する診断上のアッセイ、及びそのタンパク質と特異的に結合する抗体も提供する。

Description

【0001】
(関連出願)
本出願は、2000年3月13に出願した米国の仮出願60/188,716号に対する優先権を主張する。
(背景)
肥満症及び代謝疾患
肥満症は合衆国において最もありふれた代謝疾患であり、成人の35%が患っており、推定300,000人の犠牲者に700億ドルの直接及び間接的な負担を与えている。 よく言われることだが、 太りすぎ又は肥満と考えられる子供の数の増大により、肥満症は増大している。肥満症は体脂肪過多として定義され、しばしば重大な健康障害を引き起こす。肥満症は、一又は複数の数の身体的又は生理学的疾患に至らしめるレベルにまで人間の身体中の脂肪細胞のサイズ又は数が増加する場合に生じる。普通サイズの身体には300から350億の肥満細胞が存在する。身体の重さが増すと、これら脂肪細胞は最初サイズが増加し後に数が増加する。肥満症は遺伝的、代謝的、生化学的、生理学的、及び行動における因子によって影響を受ける。このように、肥満症は永続的で積極的な臨床転帰を達成するために幾つかの領域において解決されるべき複雑な疾患である(ADAReport, 1997;Perusse及びBouchard, 1999;Pi−Sunjer及びPanel, 1998)。
肥満症の人々は、以下を含む病気になりがちである:タイプIIの糖尿病(NIDDM)、高血圧症、冠状動脈心臓疾患、高コレステロール血症、骨関節炎、胆石、生殖器の癌、及び睡眠時無呼吸症。睡眠時無呼吸症は、睡眠中に呼吸をしないことにより発症し、脳卒中及び心発作、臨床的肥満における肥満症関連の疾病率及び死亡率に寄与する他の2つの因子と関連性をもつ(ADAReport, 1997;Pi−Sunjer及びPanel, 1998)。
非医薬的処置から医薬的臨床的処置におよぶ十分確立された治療方法が幾つか存在する。非医薬的処置にはダイエット、エクササイズ、精神医学的治療、及び食物消費を減少させ、又は脂肪を除去(即ち、脂肪吸引)する外科的処置が含まれる。食欲抑制剤及びエネルギー消費/栄養修正剤が医薬的処置の中心となっている。デクスフェンフルラミン(REDUX(登録商標))及びシブトラミン(MERIDIA(登録商標))は前者のメンバーであり、β3−アドレナリン作動性アゴニスト及びオーリスタット(XENICAL(登録商標))は、後者の代表である(Dunlop及びRosenzweig−Lipson, 1998)。
【0002】
動物モデルは、遺伝的構成が肥満症の性質及び程度の決定に影響を及ぼすという強力な証拠を提供してきた。肥満度指数(BMI、体重及び身長と相関する肥満症の指標)の40〜80%の変動は、遺伝的素因に起因し得る(Bouchard, 1995;Pi−Sunjer及びPanel, 1998)。一般に、ヒトの肥満症はメンデルの遺伝法則には従わないが(Weigle及びKuijper, 1996)、これに従う齧歯類のモデルが幾つか存在する(Spiegelman及びFlier, 1996;Weigle及びKuijper, 1996)。齧歯類で見いだされたものと類似する遺伝的損傷を持つヒトの例が存在するが、ヒトの肥満症は複雑な形質を示すため、齧歯類における単一の変異が全てのヒトにおける肥満症の病因を説明し得なくても驚くには当らない(Clement等, 1998;Montague等, 1997)。興味深いことに、高血圧症や脳卒中などの複雑な表現型を示し、肥満でもある動物モデルが存在する。このことは、これらの動物がヒトの肥満症の複雑さを理解する上でより有効なモデルを示し得ることを示唆する(Pomp, 1997;Van Zwieten等, 1996;Wexler等, 1980)。
結果的に単一の遺伝的損傷を遺伝する肥満症の齧歯類モデルが幾つか存在する。十分に性質決定されてはいるが、ヒトにおいては、生じるとしても希であるマウスの単元発生の肥満症候群には:肥満性(ob)が含まれ、これは満腹因子レプチンの翻訳における異常終結を示す。レプチンレセプターの変異の結果、肥満性糖尿病マウス(db)表現型を示す。アグーチ(A)は、肥満性の毛色突然変異である。正常には、皮膚においてのみ発現するが、突然変異動物では偏在的に発現され、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)の結合をアンタゴナイズする。MSHは主要な下垂体ホルモンである副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)に由来し、プロホルモンであるプロオピオメラノコルチン(POMC)のタンパク分解性プロセッシングの結果生じる。肥満表現型は、視床下部のプロホルモン変換酵素であるカルボキシペプチダーゼEにおける突然変異の結果である。それ程十分に特徴付けされていない肥満マウス突然変異はtubである。tubはニューロペプチドY(NPY、食欲刺激ホルモン)及びPOMC(Aron等, 1997;Guan等, 1998;Spiegelman及びFlier, 1996;Weigle及びKuijper, 1996)などの視床下部ニューロペプチドホルモンのプロセッシングに影響を及ぼすサイトゾルタンパク質をコードする。近年、肥満症に関する幾つかのマウスモデル、特にAモデルと類似する表現型を持つPOMCノックアウトマウスが報告された。POMCノックアウトマウスは初期に発症する肥満症を示し、黄色毛色並びに副腎の明らかな形態的欠如による副腎機能不全を呈する。これらの動物においてコルチコステロンは検出されず、コルチコステロンが摂食を増大させるが、驚くべきことに、それらは肥満症である。肥満症表現型はPOMC由来のペプチドホルモンであるα−MSHによって治療することができる(Yanswen等, 1999)。
【0003】
他の動物モデルには、前述のob/ob及びdb/dbマウスと多くの類似性を有するfa/fa(fatty)ラットが含まれる。一つの相違点は、fa/faラットは寒さに対して非常に感受性を示す一方で、非震え熱産生に関する能力は正常であるということである。熱産生と代謝は内分泌学的に密接に関連していることは十分に証明されている。冬眠及び傾眠と条件類似性を示すtorporは、マウスの突然変異よりむしろfa/faラットの肥満症の維持においてより多くの役割を果たすようである。さらに、トゲマウスなど何種類かの砂漠の齧歯類は自然な生息地では肥満にはならないが、標準的な実験室での餌で飼育されると肥満になる(Tartaglia, 5,861,485, 1999)。
【0004】
脂肪組織
褐色脂肪組織(BAT)は、多房性脂肪組織としても知られており、この組織を構成する非常に多くの毛細血管及び細胞中のミトコンドリアに起因するその色のためにこのように呼ばれる。BATはヒト胎児及び新生児の肩領域及び脇腹において最初に見いだされ、その後生後一ヶ月中に消失する。動物、特に冬眠を行う動物と齧歯類においてより多く存在する。BATは内分泌器官の特徴を有する;毛細血管によって血管形成が行われ、交感神経の直接的な支配を受ける。交換神経の神経伝達物によりカテコールアミンであるノルアドレナリン及びアドレナリンの放出が促され、その結果ホルモン感受性リパーゼの活性化が起こる。この結果、脱共役タンパク質(UCPs;(Gura, 1998))の活性化を通じてATPの形成から生じるミトコンドリアのプロトン勾配の脱共役により、酸素消費及び熱産生を導く脂肪酸とグリセロールに変換されるトリグリセリドの加水分解が生じる。カテコールアミンによるBATの刺激は非震え熱産生を引き起こす(Junqueira等, 0−8385−0590−2, 1998;Palou等, 1998;Schrauwen等, 1999)。
BATが内分泌器官である証拠は、1960年代後半にHimms−Hagenによって行われた研究に由来する。BATが内分泌器官であるという結論は、年齢及び温度への順応が、非震え熱産生条件の指標であるグルコース炭素がBATの脂質へ取り込まれる程度に影響を与えるとの知見よってもたらされる(Himms−Hagen, 1969a)。さらに、異なる温度及びカテコールアミンに対する増強した熱産生応答に対する影響に順応させたラットからのBATの除去に関与する実験は、以下の知見を導く(1)低温順化ラットからの肩甲骨間BAT(IBAT)の除去は、カテコールアミンに対するラットの熱産生応答に対してすぐには影響を与えない。重要なことは、BATはこの刺激に対して直接応答する器官ではないということである。(2)暫くすると(日単位で)、IBAT除去ラットによる増強したカテコールアミン応答の進行性の消失が生じるが、このことはBATがカテコールアミンによって誘導された熱産生応答の長期間の維持の要因であることを示唆する。興味深いことに、増強した応答を維持するIBATの能力は、低温へ曝す時間と相関した。このことは、BATが順化に対してより短期間及び長期間の影響を及ぼすことを示唆する。長期間の低温順化により、IBATによって占められる領域以外の領域にBATの増殖が生じ、その結果カテコールアミン応答を維持するのかもしれない(Himms−Hagen, 1969b)。IBATを低温順化動物から暖かい環境で育った動物へ移植することを示す他の研究により、通常はBATの内分泌性を支持しないであろう条件下での熱産生応答が示された。
【0005】
熱産生と同様に体重の維持におけるこの内分泌器官の役割は、この組織の発生の間ジフテリア毒素の発現をコントロールするBAT特異的なプロモーター(UCP1)を用いたトランスジェニックマウスモデルにおけるBATの除去により示された。低温に曝されると、動物は胴体の温度を維持できなくなることが見いだされ、食欲の亢進が無くても肥満症が発症する。後者の観察の重要性は、BATの非存在下においてマウスは代謝効率を増大させるということである。すなわち、BAT及びUCPの非存在下において、脂肪の形態で貯蔵されるエネルギーの正味の蓄積がある(Friedman, 1993;Lowell等, 1993)。これらのデータを総合すると、観察された生物における代謝状態においてBATは間接的ではあるが中心的な役割を持つ内分泌器官であるとの論点を支持する。
内分泌器官は代謝を制御し、そうすることで必然的に遺伝子発現を制御しているに違いない。内分泌組織としての褐色脂肪組織に関連した代謝に関与することが明らかとなっているのは、少数の遺伝子集団のみである(Charon等, 1995;Collins等, 1999;Denjean等, 1999;Foellmi−Adams等, 1996;Savontaus等, 1998)。BAT媒介非震え熱産生の機構とは無関係に、動物にとっての温度中立帯以下でのマウス管理に応答して調節される遺伝子は、代謝応答、又はその欠如、代謝障害に関する潜在的な薬物標的、及び/又は分泌された/完全体の膜タンパク質の場合は薬物それ自体の重要なマーカーを意味する。
【0006】
インターフェロン
インターフェロン(IFNs)はサイトカインとして知られる細胞間メッセンジャーのグループの一部である。IFNαは少なくとも16のメンバーの多重遺伝子ファミリーの産物であり、一方IFNβは単一遺伝子の産物である。α及びβIFNsはI型IFNsとしても知られている。I型IFNsは種々の細胞型において生産される。I型IFNsの生合成はウィルス及び他の病原体及び種々のサイトカイン及び成長因子によって刺激される。IFNγはII型IFNとしても知られており、T細胞及びナチュラルキラー細胞中で生産される。II型IFNの生合成は、生物が感作される抗原によって刺激される。α−及びδ−IFNsは共にマクロファージ、T細胞及びナチュラルキラー細胞を活性化させる免疫調節因子及び抗炎症剤である。
IFNsはウィルス及び腫瘍に対する身体の自然防御力の一部である。それらは、免疫系の機能に影響を与え、病原体及び腫瘍細胞に対する直接的な作用により防御力を発揮する。IFNsはこれらの多重性効果の一部分において多数の細胞性タンパク質の合成を誘導することによって媒介する。幾つかのインターフェロン誘導性(IFI)遺伝子は、α−、β−、及びγ−IFNsによって同等に容易に誘導される。他のIFI遺伝子はI型又はII型IFNsによって優先的に誘導される。
IFI遺伝子によって生産される種々のタンパク質は、抗腫瘍、抗ウィルス及び免疫調節性機能を有する。癌細胞による腫瘍抗原の発現は、IFNαの存在下で増大し、その結果癌細胞を免疫的拒絶に対してより感受性にさせる。ウィルス感染に応答して合成されるIFIタンパク質は、細胞浸入、脱外被、RNA及びタンパク質の生合成、集合及び遊離などのウィルス機能を阻害することが知られている(Hardman等, 1996)。II型IFNは主要組織適合性複合体(MHC)タンパク質の発現を刺激する。このため、その後II型IFNは免疫応答促進において使用される(De Maeyer及びDe Maeyer−Guignard, 1998;Janeway及びTravers, 1997)。
【0007】
インターフェロンは3つのカテゴリーにグループ化される。IFNα(白血球)インターフェロンは白血球細胞によって作られる;IFNβ(線維芽細胞)インターフェロンは皮膚の細胞によって作られ;IFNγ(免疫性)インターフェロンは抗原による刺激の後リンパ球によって作られる。感染に対する宿主の応答には、例えば、肝臓の脂肪酸生合成の制御などの代謝状態の変化が含まれる。IFNαに対する応答において、脂肪酸生合成が刺激を受けるが、そのメカニズムはインターロイキン−1(IL−1)や主要壊死因子(TNF)などの他のサイトカインとは異なるようであり、それは後者の2つのサイトカインのいずれかと共に前者で処理したときのみ脂質生合成を刺激することができるからである。IL−1及びTNFはお互いに相乗的に作用することはできないが、IFNαとは可能である(Grunfeld及びFeingold, 1992)。しかし、TNFはラットのBATの熱産生活性、核心温、食物摂取の割合と体重、及び安静時酸素消費に影響を与え得るとの過去の知見が存在する。本研究において、IFNγに対するしっかりとした応答はほとんどないようである(Coombes等, 1987)。
IFNs及び/又は他のサイトカインによる処理によって誘導される脂肪酸の代謝及び生合成の変化に加えて、マウス又は細胞株(NIH3T3LI)をIFNγ、TNFαなどの複数のサイトカイン、及びバクテリア性エンドトキシンリポポリサッカライド(LPS)と共に処理する場合、その処理は誘導性の酸化窒素合成酵素(iNOS)の発現を誘導することができるということが観察されていた。単独ではこれらの薬剤はiNOSの発現を誘導しない(Kapur等, 1999)。
興味深いことに、IFNα及びIFNβは乳離れ前のマウスにおけるBATの組成に影響を与えることが示されていた。形態学的変化にはミトコンドリアの数及びサイズにおける減少並びにクリステにおける封入が含まれる。さらに、処理された動物におけるBAT内の脂質全量の変化及び白色脂肪細胞組織厚の減少が生じた。記述された変化は、より加齢した動物において観察されるものと類似していた(Sbarbati等, 1995)。TNFで処理されたマウスにおけるBATの応答とINFγ処理に対する大幅に減少した応答は、若い個体に限定され;成体のラットは処理に対してほとんど応答しなかった(Coombes等, 1987)。
これらの観察はIFNs又はより特別にはインターフェロン調節遺伝子がBAT及びWATの組成と分布において役割を演じていることを示唆する。もしそうであれば、その結果これらのIFN応答遺伝子は代謝疾患における治療的処置の標的又は薬剤となる可能性があり、そうでなくても、そのような化合物の評価に対する優れたマーカーとなり得る。
【0008】
マウスのIFN遺伝子は赤血球α−スペクトリン遺伝子座及び血清アミロイドP−成分遺伝子座に極めて近接したセントロソームから95.2cM領域における染色体1上にクラスター化している。この領域はヒトの1q21−23に対応する。インターフェロン誘導性遺伝子クラスターを形成する遺伝子はカノニカルな7核酸繰り返し領域並びにプロモーター領域における保存された非コード領域を含む。これらの遺伝子は、遺伝子重複とその後引き続いて起こる分岐により進化してきたようである。多くの既知のインターフェロン誘導性遺伝子が存在し、見いだされたマウス200シリーズのメンバーは201、202abc、203、204、及び205/D3である。p202及びp204遺伝子は細胞のサイトプラズム及び核に局在していた。p202の構成的な過発現は、細胞増殖を阻害する。p202はインヴィトロ及びインヴィボにおける細胞増殖調節性網膜芽細胞腫(pRb)と結合する。202タンパク質はpRb並びにc−Jun、c−Fos、NFκB、及びAP−1などの多くの他の転写因子と結合し得る52kDaのリン酸タンパク質である(Min等, 1996)。204遺伝子の72kD遺伝子産物もリンタンパク質である(Choubey及びLengyel, 1992;Choubey及びLengyel, 1993;Choubey等, 1989;Tannenbaum等, 1993;Wang等, 1999)。
6−16として知られるヒトIFI遺伝子は種々のヒト細胞においてI型IFNsによって誘導されるmRNAをコードする(kelly等, 1986)。誘導後、6−16mRNAは全細胞のmRNAのほぼ0.1%程度を構成する。6−16mRNAはI型IFNsの非存在下において、非常に低いレベルでのみ存在し、II型IFNによって弱く誘導されるだけである。
6−16mRNAは130アミノ酸の疎水性タンパク質をコードする。最初の20から23のアミノ酸は推定上のシグナルペプチドを含む。タンパク質6−16は負に帯電したC端が末端となる少なくとも2つの予想される膜貫通領域を有する。
p27遺伝子は6−16タンパク質と41%のアミノ酸配列同一性を有するタンパク質をコードする。p27遺伝子はある種の乳房腫瘍細胞株及び胃ガン細胞株で発現される。他の乳房腫瘍細胞株、HeLa頸部ガン細胞株、及び胎児肺線維芽細胞においてp27の発現はα−IFN誘導においてのみ生じる。ある乳房腫瘍細胞株において、p27はエストラジオール及びIFNによって独立に誘導される(Rasmussen等, 1993)。
p27の発現が21の原発性で浸潤性の乳癌腫、1の乳癌骨転移、3の乳房線維線腫において解析された。高レベルのp27は原発性癌腫の約1/2、骨転移に見出されたが線維線腫には見出されなかった。これらの観察は、ある乳房腫瘍が他の乳房腫瘍と比較して高いレベルのI型IFNを誘導し、これに対する感受性が増大したことを示唆する(Rasmussen等, 1993)。さらに、p27遺伝子は大腸、胃及び肺において有意なレベルで発現されたが、膵臓、腎臓、肝臓又は皮膚では発現されなかった(Rasmussen等, 1993)。
【0009】
スモールIFI遺伝子産物はウィルス抵抗性に貢献する。C型肝炎ウィルス(HCV)誘導遺伝子である130−51は感染の急性期の間にチンパンジーの肝臓より調製されたcDNAライブラリーから単離された。この遺伝子のタンパク質産物は、ヒト6−16タンパク質と97%の同一性を有する(Kato等, 1992)。研究者らはHCV感染が高い活性でIFNの発現を誘導し、130−51を含むIFI遺伝子の発現を次に誘導することを示唆する。IFI遺伝子は炎症によって誘導される肝毒性を含む肝炎などのウィルス感染において重要である。
ウィルス感染に応答して合成されるIFIタンパク質は浸入、脱外被、RNA及びタンパク質の生合成、集合又は遊離などのウィルス機能を阻害することが知られている。130−51タンパク質はHCVにおける一又は複数のこれらの機能を阻害する可能性がある。特定のウィルスはIFIタンパク質による複数の機能が阻害される。さらに、IFIタンパク質によって発揮される主な阻害効果はウィルスファミリ間で異なる(Hardman等, 1996)。
本発明のIFIタンパク質はそれらの誘導に関連した疾病の臨床的診断に対する基礎を提供する可能性がある。これらのタンパク質は、腫瘍の診断及び治療、ウィルス感染、炎症、又は障害性免疫に関連する状態において有用である。さらに、これらのタンパク質は正常及び疾患性細胞におけるIFNs及び他のサイトカインによる遺伝子発現コントロールの研究に対して使用し得る。
炎症性腸疾患のマウスモデルにおいて、インターロイキン(IL)−12及びIL−18の野生型BALB/cマウスに対する全身投与は肝臓傷害及び腸の炎症を誘導する。傷害の性質及び誘導された肝毒性には、起毛、出血性下痢及び体重の減少を引き起こす顕著な腸粘膜炎症及び脂肪肝が含まれる。IL−12及びIL−18は、結果的にインターフェロン誘導遺伝子の発現が生じることが予測されるIFNγの血清レベルにおける著しい上昇を誘導する。IL−12及びIL−18で誘導される毒性の主な症状は、エンドトキシン誘導の敗血症ショックにおいて認められるものと類似している。TNFαノックアウトマウスは腸粘膜炎症を誘導する。さらに、それらは脂肪肝(脂肪変性)を表出させる血清中の肝臓の酵素レベルの増大に関係する肝細胞への脂肪小滴の散在性で高密度の浸入を示す。脂肪肝は肝臓及び他の組織におけるインターフェロン誘導遺伝子の発現を誘導し、それによって脂肪酸の代謝に影響を与えるIFNγに依存する(Chikano等, 2000;Nakamura等, 2000)。
肥満関連脂肪肝はエンドトキシンによる障害に対して脆弱であり、関与するメカニズムは不明瞭なままである。(Guebre−Xabier等, 2000)は、脂肪肝がプロピオニバクテリウム・アクネスの感染によるエンドトキシン障害に対して感作された正常肝臓に類似するかどうか決定するこにより免疫性のプライミングがこの過程に関与するか否かを決定した。後者はインターロイキン(IL)−12及び−18を誘導し、CD4+NK T細胞の選択的な減少、消失したIL−4産物の消失、TヘルパーII型(Th−2)サイトカイン(例えば、IL−10)、及びTh−1サイトカイン(例えば、インターフェロン−γ)の過剰生産を引き起こす。肝臓及び脾臓のリンパ球集団及び肝臓のサイトカイン生産が、遺伝学的肥満、ob/obマウス(肥満関連脂肪肝)及び痩せたマウスにおいて比較された。肥満マウスは肝臓のCD4+NK T細胞の選択的減少を示す。血清IL−18は基底状態においても増大し、脂肪肝におけるIL−18及び−12の肝臓mRNAレベルはエンドトキシンチャレンジの後、より高くなる。従って、肝脂肪におけるIL−18及び−12のアップレギュレーションは肝臓のCD4+NK T細胞を減少させ得る。さらに、脂肪肝由来の単核細胞は、CD4+NK T細胞の肝臓蓄積に必要な白血球因子抗原−1(LFA−1)接着分子の発現を減少させる。肝臓CD4+NK T細胞の減少した数に一致して、脂肪肝由来の単核細胞はより少ないIL−4を生産する。さらに、エンドトキシン治療の後、IL−10の肝臓誘導が阻害される一方、IFNγが増強される。従って、脂肪肝はエンドトキシン及び炎症誘発性サイトカイン応答を誘導する他の侵襲による障害に対して前もって曝す固有の免疫的変更を有する。
【0010】
成長制御因子としてのIFN誘導性p204の役割は、幾つかの細胞株中へp204を構成的に発現させる発現ベクターを形質移入させることにより調べられてきた。pRB及びp107のように、p204は感受性を有する細胞中において潜在的成長阻害因子であり、細胞フォーカスアッセイによって示された。構成的にp204を過剰発現させる感受性株の安定な形質移入はインヴィトロでは確立できないため、研究者はp204を発現させるために誘導可能なプロモーターを用いてきた。内在性のp204を欠失するB6MEF線維芽細胞の増殖は核におけるp204の一過性の発現によって強く阻害される。p204はS期へのG1進行を遅らせ、細胞は後期G1で停止した細胞と同等のDNA含有量を蓄積させる。インヴィボでの細胞増殖の制御におけるp204の役割は、全ての組織においてIFI204遺伝子が構成的に発現されるようなトランスジェニックマウスを作り出すことによって研究されてきた。p204導入遺伝子の過剰発現は4.5日間のインヴィトロにおける観察において4細胞期まで発生した胎児と適合する。しかし、導入遺伝子の完全なコピーを保持した生存可能な動物は得ることができず、このことは高く構成的なレベルのp204発現は正常な胎児の発生を損なうことを示唆する。これらの発見は、p204が成長制御において負の役割を演じ、細胞増殖を阻害するためにIFNsによって利用される分子メカニズムについて新たな情報を提供することを示す(Lembo等, 1998)。インターフェロンにより誘導されたタンパク質の発現に影響を与える突然変異は、癌において観察されるような細胞増殖のコントロール並びに細胞分化において役割を演じ得る。例えば、ヒトインターフェロンによって誘導されたタンパク質IFI16は、造血において役割を演じることが見出されていた。IFI16はCD34+及び単球様娘細胞において発現されるが、多形核の相当する段階において速やかにそして顕著にダウンレギュレートされる。この骨髄球性前駆体亜集団におけるIFI16の差動的発現及び認められる分子の性質は骨髄造血の制御における可能な役割と一致する(Dawson等, 1998;Landolfo等, 1998)。
【0011】
癌悪液質
悪液質は癌被検対象のほぼ半数に認められる消耗現象のことである。悪液質は、腫瘍によって誘導される腫瘍負荷に対して不均衡な遠隔的代謝変化の結果である。癌被検対象による体重の減少は、膵臓癌及び胃癌の被検対象に最も蔓延するが、これらの癌に限定されるものではない。悪液質によって誘導される体重の減少は呼吸困難を引き起こし、代謝変化としての癌被検対象における死亡に対する主な要因は、脂肪組織と骨格筋の質量の減少を導き、特に呼吸筋が影響を受ける。悪液質のメカニズムについての知識は化学療法を補完するより良い治療及び臨床的処置を導く(DeWys等, 1980;Tisdale, 1999)。
おそらく酵素リポタンパク質リパーゼのダウンレギュレーション及び/又はトリグリセリドリパーゼのアップレギュレーションにより、INFγはマウスモデルにおける癌悪液質を防止する。このような場合、IFNγ媒介によるこれらの遺伝子調節及び/又はそれらの活性の他の間接的調節がシグナル伝達及び/又は転写因子の活性化を必要とする(Mori等, 1996a;Tisdale, 1999)。マウスモデルの悪液質の防止におけるインターロイキン12(IL−12)の活性は少なくとも一部分IL−6及INF−γの発現をダウンレギュレートするためのIL−12の能力の結果である(Mori等, 1996b)。
INFに誘導される遺伝子発現に関与するメカニズムを理解することは悪液質に関する動物モデルの有用性を増大させる。インターフェロンに誘導される遺伝子はINF活性に対するマーカーとして作用し、例えば、代謝状態に影響を与えることが知られている熱産生状態に応答して調節を受ける遺伝子の場合などである。これらの条件下並びにIFN処理で調節される遺伝子は、INFに影響される遺伝子の調節をモニターすることにより、脂肪組織(WAT及びBAT)及び骨格筋に特異的な複雑な経路における複数のタンパク質の役割を分析することを可能にする。
【0012】
概要
本発明は一部において新規ポリペプチドをコードする新規核酸配列の発見に基づくものである。本発明において開示されるポリペプチドをコードする核酸及びそれらの誘導体と断片は、今後、集合的に「IFI206」核酸又はポリペプチド配列と称する。
一面において、本発明は配列番号:1又は3で開示される核酸と同一性を有する核酸配列を含むIFI206ポリペプチドをコードする単離されたIFI206核酸分子を提供する。幾つかの実施態様において、IFI206核酸分子は緊縮性の条件下でIFI206配列のタンパク質コード化配列を含む核酸分子と相補的な核酸配列とハイブリダイズすることができる。また、本発明はIFI206ポリペプチド、又はその断片、相同体、類似体、又は誘導体をコードする単離された核酸も含む。例えば、該核酸は、配列番号:2、4又は15のアミノ酸配列を含むポリペプチドと少なくとも80%の同一性を持つポリペプチドをコードし得る。例えば、核酸は配列番号:2、4又は5の何れか一つの核酸配列を含むゲノムDNA断片又はcDNA分子であり得る。
また、本発明には、例えば、IFI206核酸(例えば、配列番号:1又は3)の少なくとも6つの近接する核酸又は該オリゴヌクレオチドの相補鎖を含むオリゴヌクレオチドも含まれる。
また、本発明には、実質的に精製されたIFI206(配列番号:2,4又は15)も含まれる。幾つかの実施態様において、IFI206は実質的にヒトIFI206のアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を含む。
また、本発明はIFI206と免疫選択的に結合する抗体も特徴の一つである。
他の態様において、本発明には治療的又は予防的有効量の治療的及び薬剤的に受容可能な坦体を含む薬剤的な組成を含む。治療薬は、例えばIFI206核酸、IFI206ポリペプチド又はIFI206に対して特異的な抗体であり得る。更なる態様において、本発明には、一又は複数の容器内に、治療的又は予防的有効量の本薬剤的組成物を含むキットが含まれる。
更なる態様において、本発明には、DNAによってコードされるIFI206の発現を可能にする条件下において、IFI206を含む細胞を培養することによりポリペプチドを生産する方法が含まれる。望むならば、その後IFI206を回収することが可能である。
他の態様において、本発明にはサンプル中のIFI206の存在を検出する方法が含まれる。該方法において、サンプルはポリペプチドと化合物間の複合体の形成を可能にする条件下において該ポリペプチドと選択的に結合する化合物と接触させる。存在するのであれば、該複合体が検出され、それによりサンプル中でIFI206を同定する。
また、本発明にはIFI206の発現に基づく特異的な細胞又は組織を同定する方法が含まれる。
また、本発明にはサンプル中のIFI206分子の存在をサンプルとIFI206プローブ又はプライマーと接触させることにより検出し、核酸プローブ又はプライマーがIFI206分子とサンプル中で結合したかどうかを検出する方法が含まれる。
更なる態様において、本発明はIFI206の活性をIFI206を含む細胞とIFI206と該ポリペプチドの活性を調節するのに十分な量で結合する化合物とを接触させることによりIFI206の活性を調整するための方法を提供する。該化合物は、ここでさらに記載するように、例えば、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチドミメティクス、炭水化物、脂質又は他の有機(炭素を含む)又は無機分子などの小分子を含み得る。
【0013】
また、発明の範囲には、例えばII型糖尿病(NIDDM)、高血圧症、冠状動脈性心臓病、高コレステロール血症、骨関節炎、胆石、生殖器の癌、及び睡眠無呼吸症などを含む肥満関連疾患又は症候群、並びに代謝障害、腫瘍、ウィルス感染、炎症、癌(腎臓、膀胱、及び卵巣癌腫、白血病、及びカポジ肉腫が含まれる)、癌悪液質などのインターフェロンに直接関連するもの、ウィルス又は他の病原体による感染(HCV及びレーシュマニアなど)、及びリウマチ様及び骨関節炎及び後天性免疫不全症候群(AIDS)などの炎症又は免疫障害関連病態を治療し又は予防するための薬剤の製造における治療剤の使用が含まれる。治療剤は、例えば、IFI206、IFI206又はIFI206特異的抗体又は生物学的に活性な誘導体又はそれらの断片であり得る。
本発明には、さらに、例えばII型糖尿病(NIDDM)、高血圧症、冠状動脈性心臓病、高コレステロール血症、骨関節炎、胆石、生殖器の癌、及び睡眠無呼吸症などを含む肥満関連疾患又は症候群、並びに代謝障害などのインターフェロンに直接関連するもの、腫瘍、ウィルス感染、炎症、癌(腎臓、膀胱、及び卵巣癌腫、白血病、及びカポジ肉腫が含まれる)、癌悪液質、ウィルス又は他の病原体による感染(HCV及びレーシュマニアなど)、及びリウマチ様及び骨関節炎及び後天性免疫不全症候群(AIDS)などの炎症又は免疫障害関連病態の調節因子のスクリーニング方法が含まれる。この方法には、IFI206とテスト化合物とを接触させ、テスト化合物がIFI206と結合するかどうかを決定することが含まれる。テスト化合物のIFI206に対する結合は、テスト化合物が活性、又は上述の疾患もしくは症候群に対する潜在性又は素因の調節因子であることを示す。
また、本発明の範囲には、上述の疾患又は症候群に対する増大した危険性においてテスト化合物をテスト動物に対して投与することにより、活性、又は例えばII型糖尿病(NIDDM)、高血圧症、冠状動脈性心臓病、高コレステロール血症、骨関節炎、胆石、生殖器の癌、及び睡眠無呼吸症などを含む肥満関連疾患又は症候群、並びにインターフェロンに直接関連するもの代謝障害、腫瘍、ウィルス感染、炎症、癌(腎臓、膀胱、及び卵巣癌腫、白血病、及びカポジ肉腫が含まれる)、癌悪液質、ウィルス又は他の病原体による感染(HCV及びレーシュマニアなど)、及びリウマチ様及び骨関節炎及び後天性免疫不全症候群(AIDS)などの炎症又は免疫障害関連病態に対する潜在性もしくは素因に対する調節因子のスクリーニング方法が含まれる。
【0014】
テスト動物はIFI206によってコードされる組換体ポリペプチドを発現させる。その後、IFI206の発現又は活性はテスト動物において測定され、同様にIFI206を組換体発現し、疾患又は症候群に対する危険性が増大しない状態のコントロール動物におけるタンパク質の発現又は活性が測定される。次に、テスト動物及びコントロール動物の双方におけるIFI206の発現が比較される。コントロール動物と比較したテスト動物におけるIFI206の活性の変化は、テスト化合物が疾患又は症候群の潜在性の修飾因子であることを示す。
さらに他の態様において、本発明には、被検対象(例えば、ヒト被検対象)においてIFI206、IFI206、又はその両方の変更されたレベルに関係する疾患の存在、又は素因を決定するための方法が含まれる。この方法には、被検対象からのテストサンプル中のIFI206の量を測定し、コントロールサンプル中のIFI206の存在量とテストサンプル中のポリペプチドの量を比較することが含まれる。コントロールのサンプルと比較したテストサンプル中におけるIFI206のレベルの変化は、被検対象における疾患の存在又は素因を示す。好ましくは、素因には、例えばII型糖尿病(NIDDM)、高血圧症、冠状動脈性心臓病、高コレステロール血症、骨関節炎、胆石、生殖器の癌、及び睡眠無呼吸症などを含む肥満関連疾患又は症候群、並びにインターフェロンに直接関連するものの代謝障害が含まれる。また、本発明の新規ポリペプチドの発現レベルは種々の癌に関するスクリーニング方法において使用可能である。
更なる態様において、本発明には被検対象に対してIFI206、IFI206、又は被検対象(例えばヒト被検対象)に対するIFI206特異的な抗体を病理学的状態を軽減又は阻止するのに十分な量で投与することにより、哺乳動物の疾患に関係した病理学的状態を治療し、又は阻止する方法が含まれる。好ましい実施態様において、疾患には、例えばII型糖尿病(NIDDM)、高血圧症、冠状動脈性心臓病、高コレステロール血症、骨関節炎、胆石、生殖器の癌、及び睡眠無呼吸症などを含む肥満関連疾患又は症候群、並びにインターフェロンに直接関連するものの代謝障害が含まれる。
さらに他の態様において、本発明は、当該技術分野において通常用いられる多くの技術の何れか一つにより、細胞内レセプター及び下流のエフェクターを含む、IFI206及びポリペプチドと相互作用する細胞内成分を同定する方法において使用可能である。限定はしないが、これらには2ハイブリッドシステム、アフィニティー精製、Abs又は他の特異的相互作用分子との共沈が含まれる。
ここで記述されるものと類似又は同等な方法及び材料は当該発明の実施又はテストにおいて使用可能であるが、好適は方法及び材料を以下に記載する。
【0015】
詳細な説明
発明者はインターフェロンの刺激に応答して発現される遺伝子及びポリペプチド、IFI206を同定した。
定義
他に定義しない限り、全ての技術及び化学用語は本発明の属する技術分野における当業者によって通常理解されるのと同一の意味を持つ。以下の定義は明確にするために示されるものである。
遺伝学に関係する(Demerec等, 1966)の推奨をここに適用させる。遺伝子(及び関連核酸)とそれらがコードするタンパク質とを区別するために、遺伝子に対する略語はイタリック体(又は下線)で示され、一方タンパク質に対する略語は大文字で開始し、イタリック体ではない。従って、IFI206又はIFI206はIFI206をコードする核酸配列を意味する。
分子を指す場合に「単離された」とは、同定され、天然環境の成分から分離及び/又は回収された分子を指す。天然環境の夾雑成分とは診断又は治療上の使用を妨害する物質である。
「容器」とは物質又は試薬を保持するための何らかの貯蔵器を意味するために広く用いられる。容器はガラス、プラスチック、セラミック、金属又は試薬を保持することができる何れか他の物質から加工され得る。受容可能な材質は内容物と有害に反応しない。
【0016】
1.核酸関連の定義
(a)コントロール配列
コントロール配列は特定の宿主生物において作用可能に結合されたコード化配列の発現を可能ならしめるDNA配列のことである。原核生物のコントロール配列にはプロモーター、オペレーター配列、及びリボソーム結合部位が含まれる。真核細胞はプロモーター、ポリアデニル化シグナル、及びエンハンサーを利用する。
(b)作用可能に結合され
核酸が他の核酸配列と機能的に関連のある状態に配置される場合、作用可能に結合されている。例えば、プロモーター又はエンハンサーが配列の転写に影響を与える場合、コード化配列と作用可能に結合されており、又、リボソーム結合部位が翻訳を促進するために配置されている場合、コード化配列と作用可能に結合されている。一般に、「作用可能に結合され」とは、結合されているDNA配列が隣接しており、分泌リーダーの場合には隣接し、読み枠が合っていることを意味する。しかし、エンハンサーは隣接する必要はない。結合は従来の組換DNA法によって達成される。
(c)単離された核酸
単離された核酸分子は天然に見出される環境から精製され、少なくとも1つの夾雑核酸分子から分離される。単離されたIFI206分子は、細胞内に存在する特定のIFI206分子とは区別される。しかし、単離されたIFI206分子は、例えば、核酸分子が天然の細胞とは異なる染色体上の位置に存在し、普通にIFI206を発現している細胞内に含まれるIFI206分子を含む。
【0017】
2.タンパク質関連の定義
(a)精製されたポリペプチド
分子が精製されたポリペプチドである場合、該ポリペプチドは(1)少なくともN末端又は内部アミノ酸配列の15残基を配列決定装置を用いて得るために、又は(2)クマシーブルー又は銀染色を用いた非還元又は還元条件下でのSDS−PAGEにより均一になるまで精製されるであろう。IFI206の天然環境の少なくとも1つの成分は存在していないため、単離されたポリペプチドには、遺伝学的に操作された細胞において異種結合的に発現され、又はインヴィトロにおいて発現されたものが含まれる。一般に、単離されたポリペプチドは少なくとも1つの精製段階によって調製される。
(b)活性なポリペプチド
活性なIFI206又はIFI206断片は、天然の又は天然に生じるIFI206の生物学的及び/又は免疫学的活性を保持している。免疫学的活性とは、天然IFI206によって保持される抗原性エピトープに対する抗体の生産を誘導する能力を意味する;生物学的活性とは免疫学的活性を除いた天然IFI206によって引き起こされる、阻害又は刺激の何れかの機能を指す。IFI206の生物学的活性には、例えば、BATで発現されるmRNAとの結合など、核酸の結合が含まれる。
(c)Abs
抗体とは、単一の抗IFI206モノクローナルAbs(アゴニスト、アンタゴニスト、及び中和Absを含む)、複数エピトープ特異的抗IFI206抗体組成物、単鎖抗IFI206 Abs、及び抗IFI206Absの断片であり得る。「モノクローナル抗体」とは、実質的に均一なAbs、即ち少量存在する天然に生じる変異を除いて同一である集団を含む個々のAbsを意味する。
(d)エピトープタグ
エピトープタグ化ポリペプチドとは、「タグポリペプチド」と融合したキメラポリペプチドを意味する。このようなタグは、Absが作製され又利用可能であるが、ポリペプチドの活性を阻害しないエピトープを提供する。内在性エピトープと抗タグ抗体の反応性を減少させるために、タグポリペプチドは好ましくはユニークである。一般に、好適なタグポリペプチドは少なくとも6アミノ酸残基を有し、一般に、約8から50アミノ酸残基の間であり、好ましくは8から20アミノ酸残基の間である。エピトープタグ配列の例にはインフルエンザAウィルス由来のHA及びFLAGが含まれる。
【0018】
IFI206
本発明は、一部において、新規ポリペプチド、特にインターフェロン誘導タンパク質をコードする新規核酸配列の発見に基づく。ここでは、核酸及びそれらのコード化ポリペプチドを集合的に「IFI206」と命名する。
本発明の新規IFI206にはその配列が表1及び3中に提供される核酸、又はその断片が含まれる。また、本発明には突然変異又は変異IFI206、その塩基がIFI206断片の活性及び生理学的機能を維持するタンパク質を依然としてコードするが表1及び3に示される対応する塩基を変化させた何れかのもの、又はそのような核酸の断片が含まれる。さらに本発明には、相補的な核酸断片を含む、配列が正に記載された配列に対して相補的である核酸が含まれる。さらに、本発明には、構造が化学的修飾を含むような核酸又は核酸断片、又はそれらの相補鎖が含まれる。このような修飾には、非限定的な例を挙げると、修飾された塩基、及び糖リン酸骨格が修飾され誘導化された核酸が含まれる。これらの修飾は、例えば、被検対象における治療的適用においてアンチセンス結合核酸として使用され得るように、少なくとも一部において修飾された核酸の化学的安定性を促進するために行われる。突然変異体又は変異核酸、及びそれらの相補体において、20%又はそれ以上の残基がそのように変更されてもよい。
本発明の新規IFI206にはその配列が包括的に表2、4及び5中に提供されるタンパク質断片が含まれる。また、本発明には突然変異又は変異IFI206、その塩基がIFI206断片の活性及び生理学的機能を維持するタンパク質を依然としてコードするが表2、4及び5に示される対応する塩基を変化させた何れかのもの、又はそのような核酸の断片も含まれる。突然変異体又は変異IFI206において、20%又はそれより多くの塩基がそのように変更されてもよい。さらに、本発明には、本発明のIFI206の何れかに対して免疫特異的に結合するFab又は(FabなどのAbs及び抗体断片が含まれる。
IFI206核酸(表1)は、ヌクレオチド290−292(太文字、下線)に開始コドンを含む;ストップコドンはヌクレオチド1708−1710(太文字、下線)であり、予想されるポリアデニル化部位はヌクレオチド1770−1777(太文字、下線)である。
【0019】
Figure 2004522405
【0020】
配列番号:1によりコードされるポリペプチドは表2中に示される。配列番号:1に記載されるポリペプチドは核局在であるらしく、PSORTは、確実性=0.8800で核への核局在を、確実性=0.3000で微小体(ペロキシソーム)、確実性=0.1000でミトコンドリアマトリックス間隙及び確実性=0.1000でリソソーム(ルーメン)への局在を予測する(Nkai及びHorton, 1999)。ProDom(Protein Domein Database)解析は、配列番号:1はprdmによって記載されるクラスのIFIタンパク質である:3409 p36(8)if16(2)ifi4(2)ifi2(2)//タンパク質インターフェロン誘導インターフェロン活性化骨髄性分化リピートγ−インターフェロン誘導可能IFI−16インターフェロン誘導可能p=1.2e−82(protein interferon induction interferon−activatable myeloid defferentiation repeat γ−interferon−inducible IFI16 interferon−inducible p=1.2e−82)(Altschul等, 1990)。
Figure 2004522405
【0021】
表3は配列番号:2の物理的性質の解析を示す(Pace等, 1995)。配列番号:2のポリペプチドは、計算上の分子量53095.5ダルトン、8.18の予測される等電点を持ち475アミノ酸で構成される((GCG), 1999)。本解析が妥当である条件は:pH6.5, 6.0 M グアニジン塩酸, 0.02 M リン酸バッファー。
Figure 2004522405
【0022】
天然に生じるインターフェロン誘導可能なポリペプチド206(IFI206)核酸(配列番号:3、表4)には、ヌクレオチド290−292に開始コドン(太文字、下線);ヌクレオチド1708−1710にストップコドン、及びヌクレオチド1770−1777に推定上のアデニル化部位(太文字、下線)を含む。
【0023】
Figure 2004522405
【0024】
配列番号:3によってコードされるポリペプチドは表5中に示される。配列番号:3に記載されるポリペプチドは核局在であるらしく、PSORTは、確実性=0.8800で核への核局在を、確実性=0.3000で微小体(ペロキシソーム)、確実性=0.1000でミトコンドリアマトリックス間隙及び確実性=0.1000でリソソーム(ルーメン)への局在を予測する(Nkai及びHorton, 1999)。ProDom(Protein Domain Database)解析は、配列番号:3はprdmによって記載されるクラスのIFIタンパク質である:3409 p36(8)if16(2)ifi4(2)ifi2(2)//タンパク質インターフェロン誘導インターフェロン活性化骨髄性分化リピートγ−インターフェロン誘導可能IFI−16インターフェロン誘導可能p=2.7e−83(protein interferon induction interferon−activatable myeloid defferentiation repeat γ−interferon−inducible IFI16 interferon−inducible p=2.7e−83)(Altschul等, 1990)。
Figure 2004522405
【0025】
表6は配列番号:4の物理的性質の解析を示す(Pace等, 1995)。配列番号:4のポリペプチドは、計算上の分子量49899.1ダルトン、8.17の予測される等電点を持ち445アミノ酸で構成される((GCG), 1999)。本解析が妥当である条件は:pH6.5, 6.0 M グアニジン塩酸, 0.02 M リン酸バッファー。
Figure 2004522405
【0026】
マウス褐色脂肪組織(BAT)cDNAライブラリーに由来するマウスIFI206c(配列番号:14)をコードするcDNA配列は、表7に示される。開始コドン「ATG」(太文字、下線)及びストップコドン「TAG」(太文字、破線の下線)、及び推定上のポリアデニル化部位(太文字、二重下線)が示される。cDNAクローンは特異的なオリゴを利用するPCR増幅によるライブラリーから得た後、さらに32P−標識プローブを用いて通常の解析によりポジティブクローンを同定した:
配列番号:16(IFI206.snr1 PCR oligo):
CATCATGTTAGCAATCTGAAACGTGGTATATTTCT
配列番号:17(IFI206.snf1 PCR oligo):
GTAAAGAAATTTCCAGCTGATGCTGGATTGG
配列番号:18(IFI206.p1 probe)
CTTCCTGGGTTGCGGAAGTCTCGCCTCTTTCAGATG
Figure 2004522405
【0027】
表8は、表7中に示されるポリペプチド配列のオープンリーディングフレームのポリペプチド配列(配列番号:15)を示す。
Figure 2004522405
【0028】
表9は配列番号:15の物理的性質の解析を示す(Pace等, 1995)。配列番号:15のポリペプチドは、計算上の分子量35984.1ダルトン、10.67の予測される等電点を持ち318アミノ酸で構成される((GCG), 1999)。本解析が妥当である条件は:pH6.5, 6.0 M グアニジン塩酸, 0.02 M リン酸バッファー。IFI206の機能はタンパク質の類似性を解析することにより割り当てられる。
Figure 2004522405
【0029】
また、本発明には、配列番号:2、4及び15と81, 82, 83, 84, 85, 86, 87, 88, 89, 89.2, 90, 91, 92, 93, 94, 95, 96, 97, 98 及び99%を含む、80−100%の配列同一性を持つポリペプチドも含まれるが、配列番号:22及び24と同一なポリペプチドは除外され、好ましくは配列番号:22及び24と81, 82, 83, 84, 85, 86, 87, 88, 89, 89.2, 90, 91, 92, 93, 94, 95, 96, 97, 98 及び99%の配列同一性を持つポリペプチドは除外される。また、本発明にはこれらのポリペプチドをコードするヌクレオチドも含まれる。配列番号:22はIFI204に対応し、配列番号:24はIFI205D3に対応する。配列番号:21及び配列番号:23は核酸配列に相当する。
EMOTIFデータベース(Huang及びBrutlag, 2001;Nevill−Manning等, 1998)を用いたある方法により、タンパク質の進化上及び/又は機能上保存された領域に一致するタンパク質モチーフ(コンセンサス配列、コンセンシー)のデータベースに対してIFI206ポリペプチド配列が評価される。このようなアプローチは既知のタンパク質モチーフのデータベースを検索し、新規タンパク質モチーフを産み出し、又はSwissProtなどの既知のタンパク質のデータベースに対して新規モチーフをテストする。
EMOTIF−スキャンを用いたSwissProtに対してテストされたモチーフの一つが、IFI206と一致する多くのインターフェロン誘導遺伝子、及びRNA又はDNA結合能を共通に持つ多くのタンパク質を同定する。特に注目すべきは、mRNA結合タンパク質であるハエSUS遺伝子(Voelker等, 1991)、酵母のmRNA結合タンパク質であるRNA15(Minvielle−Sebastia等, 1994)、他のヌクレオチド結合タンパク質の中で、DNAと結合しHTLV−1 tax応答エレメント結合タンパク質107(TAXREB107)としても知られているマウスリボソーム結合タンパク質L6などの同定である。
表10は、ソフトウェアーEMOTIF(Huang及びBrutlag, 2001;Nevill−Manning等, 1998)用いて検索されたヒト及びマウス由来のIFI−誘導遺伝子であって、アミノ酸の一文字表記により表示されるものを示す。[]内の残基はその内の何れかがその位置において用いられ得ることを示す;「.」は何れかのアミノ酸−又はアミノ酸が存在しない−がモチーフ中のこの位置を占めることを示す。
Figure 2004522405
【0030】
本発明の核酸及びタンパク質はII型糖尿病(NIDDM)、高血圧症、冠状動脈性心疾患、高コレステロール血症、骨関節炎、胆石、生殖器官癌、脂肪肝、ウィルス感染、炎症、アレルギー、脂肪変性、胆毒、炎症性腸疾患、敗血症、及び関連病態及び睡眠無呼吸症、並びに代謝疾患などのインターフェロンに直接関連する疾患の治療に潜在的に有用である。
本発明のIFI206及びタンパク質はII型糖尿病(NIDDM)、高血圧症、冠状動脈性心疾患、高コレステロール血症、骨関節炎、胆石、生殖器官癌、脂肪肝、ウィルス感染、炎症、アレルギー、脂肪変性、胆毒、炎症性腸疾患、敗血症、及び関連病態及び睡眠無呼吸症、並びに代謝疾患などのインターフェロンに直接関連する疾患の治療に潜在的に有用である。例えば、cDNAコード化IFI206は遺伝子治療において有用であり、IFI206タンパク質はそれを必要とする被検対象に投与する時有用である。さらに、IFI206をコードする新規核酸、及び本発明のIFI206タンパク質、又はその断片は、診断上の適用において有用であり、その場合、該核酸又はタンパク質の存在又は量が評価される。さらに、これらの物質は治療上又は診断上の方法における使用に関する本発明の新規物質に対して免疫特異的に結合するAbsの生産において有用である。
【0031】
IFI206 ヌクレオチド
本発明の一態様は、IFI206又はその生物学的に活性な部分をコードする単離された核酸分子に関する。また、本発明には、IFI206コード化核酸(例えば、IFI206 mRNAs)を同定するハイブリダイゼーションプローブとしての使用に十分な核酸断片、及びIFI206分子の増幅及び/又は突然変異導入のためのポリメラーゼ鎖反応(PCR)のプライマーとしての使用に対する断片も含まれる。「核酸分子」には、DNA分子(例えば、cDNA又はゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、核酸類似体及び誘導体を用いて生成されるDNA又はRNAの類似体、断片及び相同体が含まれる。該核酸分子は一本鎖又は二本鎖であってもよいが、好ましくは二本鎖DNAを含む。
1.プローブ
プローブは可変な長さの核酸配列であり、好ましくは特定の使用に依存して、少なくとも約10ヌクレオチド(nt)、100nt、又は多数(例えば、6,000nt)の間である。プローブは同一、類似又は相補的核酸配列を検出するために使用される。より長いプローブは天然又は組換体の原料から得ることが可能で、非常に特異的であって、より短い長さのオリゴマープローブよりハイブリダイズするのが遅い。プローブは一本又は二本鎖であり、PCR、メンブレンを用いたハイブリダイゼーション技術、又はエライザのような技術において特異性を持つようにデザインされる。プローブは、少なくとも至適には12, 25, 50, 100, 150, 200, 250, 300, 350, 又は400の連続した配列番号:1又は3のセンス鎖ヌクレオチド配列;又は配列番号:1又は3のアンチセンス鎖ヌクレオチド配列;又は配列番号:1又は3の天然に生じる突然変異体のヌクレオチド配列を緊縮性の条件下においてハイブリダイズするであろう実質的に精製されたオリゴマーである。
全体又は部分的長さの天然配列IFI206は、;(1)何れかの種(例えば、ヒト、マウス、ネコ、イヌ、バクテリア、ウィルス、レトロウィルス、酵母)に由来するcDNAライブラリーからのIFI206 cDNAの全長又は断片、(2)細胞又は組織に由来する、(3)種内の変異体、及び(4)他の種由来の相同体及び変異体などの類似な(相同な)配列を「取り出す」ために使用される(Ausubel等, 1987;Sambrook, 1989)。関連遺伝子をコードする関連配列を見出すために、プローブはユニークな配列又は縮重配列をコードするようにデザインされている。また、配列は天然配列IFI206のプロモーター、エンハンサーエレメント及びイントロンを含むゲノム配列であってもよい。
例えば、他の種におけるIFI206コード化領域はそのようなプローブを用いて単離することが可能である。約40ベースのプローブは、IFI206に基づいてデザインされ、作製される。ハイブリダイゼーションを検出するために、プローブは、例えば、32P又は35Sなどの放射ヌクレオチド、又はプローブにアルカリホスファターゼを結合させたアビジン−ビオチンシステムによるような酵素ラベルを用いて標識される。標識化プローブは、所望の種のcDNA、ゲノムDNAライブラリー又はmRNAにおいて、IFI206の配列と相補的な配列を持つ核酸を検出するために使用される。
そのようなプローブは、被検対象由来の細胞サンプル中のIFI206レベルを測定することにより、例えば、IFI206 mRNAレベルを検出し又はゲノムIFI206が変異を起こしているか又は欠失しているかどうかを決定することにより、IFI206を間違って発現させている細胞又は組織を同定するための診断テストキットの構成として使用することができる。
【0032】
2.単離された核酸
単離された核酸分子は、核酸の天然原料中に存在する他の核酸分子から分離される。好ましくは、単離された核酸は、核酸が由来する生物のゲノムDNA中の核酸(と元来隣接する配列即ち、該酸の5’−及び3’−末端に位置する配列)が除かれ得る。例えば、種々の実施態様において、単離されたIFI206分子は、核酸が由来する細胞/組織(例えば、脳、心臓、肝臓、脾臓、等)のゲノムDNA中の核酸分子と元来隣接するヌクレオチド配列の約5kb, 4kb, 3kb, 2kb, 1kb, 0.5kb又は0.1kb未満を包含することができる。さらに、cDNA分子などの単離された核酸分子は、組換体技術によって生産される場合の他の細胞内物質又は培地、又は化学的に合成される場合の化学的前駆体または他の化学物質が実質的に除かれ得る。
本発明の核酸分子、例えば、配列番号:2、4又は15のヌクレオチド配列又は当該前述の相補鎖を有する核酸分子などは、標準的な分子生物学的技術及び提示される配列情報を用いて単離することができる。配列番号:2、4又は15の核酸配列の全て又は部分をハイブリダイゼーションプローブとして用いて、IFI206分子を標準的ハイブリダイゼーション及びクローニング技術(Ausubel等, 1987;Sambrook, 1989)を用いて単離することができる。
PCR増幅技術はcDNA、mRNA又は或いはゲノムDNAをテンプレート及び適当なオリゴヌクレオチドプライマーとして用いて、IFI206を増幅するために使用することができる。そのような核酸は適当なベクター中にクローン化することができ、DNA配列解析によって性質決定を行うことができる。さらに、IFI206配列に相当するオリゴヌクレオチドは、標準的な合成技術、例えば、自動DNA合成装置などによって調製することができる。
【0033】
3.オリゴヌクレオチド
オリゴヌクレオチドは、一連の連結されたヌクレオチド残基を含み、オリゴヌクレオチドはPCR反応又は他の適用において使用されるのに十分な数のヌクレオチドベースを有する。短いオリゴヌクレオチド配列は、ゲノム又はcDNA配列に基づき又はデザインされ、特定の細胞又は組織中の同一、類似又は相補的なDNA又はRNAの存在を増幅し、確証し、又は明らかにするために用いられる。オリゴヌクレオチドは長さが約10nt、50nt、又は100ntで、好ましくは長さが約15ntから30ntである核酸の部分を含む。本発明の一実施態様において、長さが100nt未満の核酸分子を含むオリゴヌクレオチドがさらに配列番号:1又は3、又はその相補鎖の少なくとも6つの連続するヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは化学的に合成され、プローブとして使用されてもよい。
4.相補的核酸配列;結合
他の実施態様において、本発明の単離された核酸分子は配列番号:2、4又は15に示されるヌクレオチド配列、又はこのヌクレオチド配列の一部(例えば、プローブ又はプライマー又はIFI206の生物学的に活性な部分をコードする断片として使用され得る断片)と相補的である核酸分子を含む。配列番号:1又は3に示されるヌクレオチド配列と相補的な核酸分子は、配列番号:1又は3に示されるヌクレオチド配列と十分相補的であるもの、つまり配列番号:1又は3に示されるヌクレオチド配列と殆ど又は全くミスマッチな水素結合を形成せず、それにより安定な二重鎖を形成する。
「相補的」とは、核酸分子のヌクレオチドユニット間のワトソン−クリック又はフーグスチンベース対形成のことを指し、「結合」という用語は、2つのポリペプチド、化合物又は関連するポリペプチド又は化合物又はそれらの組み合わせ間の物理的又は化学的相互作用を意味する。結合には、イオン的、非イオン的、ファンデルワールス的、疎水的、相互作用及びこれに類似するものが含まれる。物理的相互作用は直接的又は間接的のどちらかである可能性がある。間接的相互作用は、他のポリペプチド又は化合物の効果を通じ又は依存する可能性がある。直接的結合とは、他のポリペプチド又は化合物の効果を通じて又はその結果として起こらず、その代わりに他の実質的な化学的中間体無しでは起こらない相互作用のことを意味する。
【0034】
核酸断片は少なくとも6(連続した)の核酸又は少なくとも4(連続した)のアミノ酸であって、核酸配列の場合には特異的なハイブリダイゼーション、又はアミノ酸の場合にはエピトープの特異的な認識をそれぞれ可能ならしめるのに十分な長さであり、長くても全長配列未満のある部分である。断片は選択された核酸又はアミノ酸配列の何れかの連続する部分に由来する。
5.誘導体、及び類似体
誘導体は、天然化合物から直接、又は修飾により、又は部分置換によって形成される核酸配列又はアミノ酸配列である。類似体は、天然配列と同一ではないが構造類似性を持ち、ある構成成分又は側鎖に関して異なる核酸配列又はアミノ酸配列である。類似体は、合成されるか又は異なる進化的起源に由来し、野生型と比較して類似の又は逆の代謝活性を持つ。相同体は異なる種から派生する特定の遺伝子の核酸配列又はアミノ酸配列のことである。
誘導体及び類似体は全長であり、又は誘導体又は類似体が以下に記述されるような修飾された核酸又はアミノ酸を含むならば、全長ではない。本発明の核酸又はタンパク質の誘導体又は類似体には、限定はしないが、本発明の核酸又はタンパク質と、種々の実施態様において、同じサイズの核酸又はアミノ酸配列に対して少なくとも70%, 80%, 又は95%の同一性(好ましい同一性80−95%を有し)により、又はアライメントが当該技術分野において既知のコンピューターホモロジープログラムによって行われる整列配列との比較される場合、又はそのコード化核酸が緊縮性のストレンジェンシー、又は中程度のストレンジェンシー又は低いストレンジェンシーの条件下で前述のタンパク質をコードする配列の相補鎖とハイブリダイズ化することができるような(Ausubel等, 1987)、実質的に相同である領域を含む分子が含まれる。
6.相同性
「相同な核酸配列」又は「相同なアミノ酸配列」又はその変異は、上述のようなヌクレオチドレベル又はアミノ酸レベルでの相同性によって特徴付けられる配列のことを指す。相同なヌクレオチド配列はIFI206のアイソフォームをコードする配列をコードする。アイソフォームは、例えば、RNAの選択的スプライシングの結果同一の生物の異なる組織において発現し得る。或いは、異なる遺伝子がアイソフォームをコードすることもあり得る。本発明において、相同なヌクレオチド配列は、限定はしないが:脊椎動物、従って、例えば、カエル、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、及び他の生物を含むヒト以外の種のIFI206をコードするヌクレオチド配列を含む。また、相同なヌクレオチド配列には、限定はしないが、天然に生じる対立遺伝子の変異及びここで記載した核酸配列の突然変異も含まれる。しかしながら、相同なヌクレオチド配列にはヒトIFI206をコードするヌクレオチド配列そのものは含まれない。相同な核酸配列には配列番号:2、4又は15中の保存的なアミノ酸置換(以下を参照)、並びにIFI206の生物学的活性を持つポリペプチドをコードするこれらの核酸配列が含まれる。IFI206の種々の生物学的活性は以下に記載する。
7.オープンリーディングフレーム
IFI206遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)はIFI206をコードする。ORFは開始コドン(ATG)を持ち、3つの「ストップ」コドン(TAA, TAG, 又はTGA)の一つによって終結する。しかしながら、本発明において、ORFは開始コドン及びストップコドンを含むか又は含まないコード化配列の何れかの部分であり得る。ユニークな配列を達成するために、好ましいIFI206 ORFsは少なくとも50アミノ酸をコードする。
【0035】
IFI206ポリペプチド
1.成熟
IFI206は成熟IFI206をコードする。当該発明で開示されるポリペプチド又はタンパク質の「成熟」形態は、天然に生じるポリペプチド又は前駆体形態又はプロタンパク質である。天然に生じるポリペプチド、前駆体又はプロタンパク質には、非限定的な例として、対応する遺伝子によってコードされる全長遺伝子産物が含まれる。或いは、ここで記載されるオープンリーディングフレームによってコードされるポリペプチド、前駆体又はプロタンパク質として定義される。「成熟」形態産物は、再度非限定的な例示によると、その遺伝子産物が生じる細胞又は宿主細胞内で起こる一又は複数の天然に発生するプロセッシングのステップの結果生じる。そのようなポリペプチド又はタンパク質の「成熟」形態へと誘導するプロセッシングステップの例には、オープンリーディングフレームの開始コドンによってコードされるN末端メチオニン残基の切断、又はシグナルペプチドもしくはリーダー配列のタンパク質分解性の切断が含まれる。従って、残基1がN末端のメチオニンである残基1〜Nからなる前駆体ポリペプチド又はタンパク質から生じる成熟形態は、N末端メチオニンを除去した残りの残基2〜Nを持つ。或いは、残基1〜残基Mに由来するN末端シグナル配列が切断される残基1〜Nを持つ前駆体ポリペプチド又はタンパク質から生じる成熟形態は、残りの残基M+1〜残基Nに百合する残基を持つであろう。さらに、ここで使用されるように、ポリペプチド又はタンパク質の「成熟」形態は、タンパク質分解性切断よりもむしろ翻訳後修飾のステップから生じる可能性がある。このような更なるプロセスには、非限定的な例示によるが、グリコシル化、ミリストイル化又はリン酸化が含まれる。一般に、成熟ポリペプチド又はタンパク質はこれらのプロセスの一つだけ、又はそれらの何れかの組み合わせによる操作の結果生じる。
2.活性な
活性なIFI206ポリペプチド又はIFI206ポリペプチド断片は、成熟形態を含む本発明の天然に生じる(野生型)IFI206の活性と必ずしも同一ではないが類似の生物学的及び/又は免疫学的活性を保持する。容量依存性を持つ又は持たない特定の生物学的アッセイは、IFI206活性を決定するのに用いることができる。IFI206の生物学的に活性な部分をコードする核酸断片は、IFI206の生物学的活性(IFI206の生物学的活性は以下に記載されている)を持つポリペプチドをコードする配列番号:2、4又は15の部分を単離し、IFI206のコード化部分(例えば、インヴィトロにおける組換体発現)を発現し、IFI206のコードされる部分の活性を評価することによって調製することができる。免疫学的活性とは、天然のIFI206によって保持される抗原性エピトープに対する抗体の産生を誘導するための能力を指し;生物学的活性とは、免疫学的活性を除く天然IFI206によって誘起される、阻害性又は刺激性のいずれかの機能のことを指す。
【0036】
IFI206核酸変異体及びハイブリダイゼーション
1.変異体ポリヌクレオチド、遺伝子及び組換体遺伝子
さらに本発明は、遺伝子コードの縮重によって配列番号:1又は3に示されるヌクレオチド配列とは異なるが、配列番号:1又は3に示される核酸配列によってコードされるものと同一のIFI206をコードする核酸分子をも包含する。本発明の単離された核酸分子は、配列番号:2、4又は15に示されるアミノ酸配列を持つタンパク質をコードする核酸配列を有する。
配列番号:2、4又は15に示されるIFI206配列に加えて、IFI206のアミノ酸配列を変化させるDNA配列の多型が集団の中に存在する。例えば、個々の対立遺伝子変異がIFI206中の遺伝的多型を示すであろう。「遺伝子」及び「組換遺伝子」という用語は、IFI206、好ましくは脊椎動物のIFI206をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含む核酸分子のことを意味する。このような天然の対立遺伝子の変異は、典型的にはIFI206中に1−5%の変動が生じる可能性がある。IFI206中のこのような何れか及び全てのヌクレオチド変異と結果的に生じるアミノ酸多型は、天然の対立遺伝子変異の結果であり、IFI206の機能的活性を変更しないものであって、本発明の範囲内のものである。
さらに、配列番号:1又は3のヒト配列とは異なるヌクレオチド配列を持つ他の種由来のIFI206が考慮される。本発明のIFI206 cDNAの天然の対立遺伝子変異及び相同体に相当する核酸分子は、緊縮性の条件下で相同なIFI206配列とハイブリダイズするcDNA由来のプローブを用いて配列番号:1又は3のIFI206との相同性に基づいて単離することができる。
「IFI206変異体ポリヌクレオチド」又は「IFI206変異体核酸配列」とは、(1)全長の天然IFI206、(2)シグナル配列を欠く全長天然IFI206、(3)シグナル配列を持つか又は持たないIFI206の細胞外ドメイン、又は(4)全長IFI206の他の何れかの断片をコードする核酸配列と少なくとも約80%の核酸配列同一性を持つ活性なIFI206をコードする核酸分子を意味する。一般に、IFI206変異体ポリヌクレオチドは、全長の天然IFI206をコードする核酸配列と少なくとも約80%核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約81%, 82%, 83%, 84%, 85%, 86%, 87%, 88%, 89%, 90%, 91%, 92%, 93%, 94%, 95%, 96%, 97%, 98%の核酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約99%の核酸配列同一性を持つであろう。IFI206変異体ポリヌクレオチドは、シグナルペプチドを欠く全長天然IFI206、シグナル配列を持つか又は持たないIFI206の細胞外ドメイン、又は全長IFI206の他の何れかの断片をコードする可能性がある。変異体は天然ヌクレオチド配列を包含しない。
一般に、IFI206変異体ポリヌクレオチドは少なくと長さが約30ヌクレオチドであり、しばしば少なくとも長さが約60, 90, 120, 150, 180, 210, 240, 270, 300, 450, 600ヌクレオチドであり、さらにしばしば少なくと長さが約900ヌクレオチド又はそれより長い。
【0037】
ここで同定されるIFI206コード化核酸配列に対する「パーセント(%)核酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、対象のIFI206配列中のヌクレオチドと同一である候補配列中のヌクレオチドのパーセントとして定義される。パーセント核酸配列同一性を決定する目的のためのアライメントは、当業者の知る範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。当業者であれば、比較される配列の全長に対して最大のアライメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アライメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。
核酸配列を整列させる場合、与えられた核酸配列Cの、与えられた核酸配列Dとの、又はそれに対する%核酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Dと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられた核酸配列Cと言うこともできる)は次のように計算される:
%核酸配列同一性=W/Z・100
ここで、
WはC及びDの配列アラインメントプログラム又はアルゴリズムのアライメントによって同一に一致したコアされた核酸残基の数であり、
ZはDの全核酸残基数である。
核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと等しくない場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なる。
2.緊縮性
相同体(即ち、ヒト以外の種に由来するIFI206をコードする核酸)又は他の関連配列(例えば、パラログ)は、核酸ハイブリダイゼーション及びクローニングに関する技術分野において周知の方法を用いて、プローブとして特定のヒト配列の全体又は部分を使用し、低い、中程度又は高い緊縮性のハイブリダイゼーションにより得ることができる。
相補性断片とハイブリダイズする一本鎖DNAの特異性は、反応条件の「緊縮性」によって決められる。DNA二重鎖を形成させる傾向が低下すると、ハイブリダイゼーションの緊縮性は増大する。核酸ハイブリダイゼーション反応において、緊縮性は、いずれかの好ましい特異性のハイブリダイゼーション(高い緊縮性)になるように選択することが可能であり、例えば、ライブラリーから全長クローンを同定するために用いることができる。より低い特異性のハイブリダイゼーション(低い緊縮性)は、関連性はあるが正確ではないDNA分子(相同体ではあるが同一ではない)又はセグメントを同定するために用いることができる。
【0038】
DNA二重鎖は、(1)相補的な塩基対の数、(2)塩基対のタイプ、(3)反応混合液の塩濃度(イオン強度)、(4)反応温度、及び(5)DNA二重鎖の安定性を低下させるホルムアミドなどのある種の有機溶媒の存在によって安定化される。一般に、プローブが長くなれば、適切なアニーリングのためにより高い温度が必要である。通常のアプローチは温度を変化させることである:より高い相対温度はより緊縮性のある反応条件となる。(Ausubel et sl., 1987)には、ハイブリダイゼーション反応の緊縮性に関する優れた説明が提示されている。
「緊縮性の条件」下でハイブリダイズするとは、互いに少なくとも60%の相同性を持つヌクレオチド配列がハイブリダイズした状態にあるようなハイブリダイズプロトコルのことである。一般に、緊縮性の条件は、設定されたイオン強度及びpHにおける特異的配列に対する熱融点(Tm)より約5℃低いように選択される。Tmは標的の配列と相補的なプローブの50%が標的配列と平衡を保ってハイブリダイズする温度である(設定されたイオン強度、pH及び核酸濃度)。標的配列は通常過剰に存在するため、Tmではプローブの50%が平衡状態となる。
(a)高い緊縮性
「緊縮性条件」条件では、プローブ、プライマー又はオリゴヌクレオチドがその標的配列にのみハイブリダイズすることができる。緊縮性条件は配列依存的で、相違する。「緊縮性条件」には、(1)低いイオン強度及び高い温度での洗浄(例えば、50℃において、15 mMの塩化ナトリウム、1.5 mMのクエン酸ナトリウム、0.1%のドデシル硫酸ナトリウム);(2)ハイブリッド形成中に変性剤、(例えば、50%(v/v)ホルムアミド、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%フィコール、0.1%のポリビニルピロリドン、50mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH6.5;750mMの塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウム、42℃);又は(3)50%ホルムアミド。典型的には、洗浄にも、5 x SSC(0.75M NaCl、75mM クエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH 6.8)、0.1%のピロリン酸ナトリウム、5xデンハード液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、及び10%のデキストラン硫酸が含まれ、42℃における0.2x SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)中の洗浄及び55℃でのホルムアミド、次いで55℃におけるEDTAを含む0.1x SSCからなる高い緊縮性洗浄が含まれる。好ましくは、条件は、少なくと約65%, 70%, 75%, 85%, 90%, 95%, 98%, 又は99%の相同性を持つ配列が、典型的には互いにハイブリダイズした状態にあるような条件である。これらの条件は、実施例に示してあるが、限定することが意味されるものではない。
(b)中程度の緊縮性
「中程度の緊縮性条件」は、ポリヌクレオチドが配列番号:1又は3の全長、断片、誘導体又は類似体とハイブリダイズするような、より低い緊縮性の洗浄溶液及びハイブリダイゼーション条件を用いる(Sambrook, 1989)。一実施例には、55℃において、6X SSC、5xデンハード液、0.5% SDS及び100 mg/ml 変性サケ精子DNA中でのハイブリダイゼーション、次いで37℃において1X SSC、0.1% SDS中での一又は複数回の洗浄が含まれる。温度、イオン強度等は、プローブ長などの実験的要因を至適化させるように調整することができる。他の中程度の緊縮性条件は(Ausubel等, 1987;Kriegler, 1990)中に記載されている。
(c)低い緊縮性
「低い緊縮性条件」は、ポリヌクレオチドが配列番号:1又は3の全長、断片、誘導体又は類似体とハイブリダイズするような、中程度の緊縮性よりも低い緊縮性の洗浄溶液及びハイブリダイゼーション条件を用いる(Sambrook, 1989)。低い緊縮性条件の非限定的な実施例は、40℃において、35%のホルムアミド、5X SSC、50 mM Tris−HCl(pH7.5)、5 mM EDTA、0.02% PVP、0.02% フィコール、0.2% BSA、100 mg/ml 変性サケ精子DNA、10%(wt/vol) 硫酸デキストラン中でのハイブリダイゼーション、次いで50℃において2X SSC、25 mM Tris−HCl(pH7.4)、5mM EDTA、及び0.1% SDS中での一又は複数回の洗浄である。種間ハイブリダイゼーションなどの他の低い緊縮性条件は、(Ausubel等, 1987;Kriegler, 1990;Shilo及びWeinberg, 1981)中に記載されている。
【0039】
3.保存的変異
天然に生じるIFI206対立遺伝子変異に加えて、IFI206をコードするアミノ酸配列中のIFI206の機能を変えない変更を受ける変化は配列番号:1又は3の配列中に突然変異により導入することができる。例えば、「本質的でない」アミノ酸残基においてアミノ酸置換を誘起するヌクレオチド置換を、配列番号:2又は15の配列中に作製することができる。「本質的でない」アミノ酸残基とは、生物学的活性を変更することなくIFI206の野生型配列から変更され得る残基のことであり、「本質的な」アミノ酸残基は、そのような生物学的活性にとって必要である。例えば、本発明のIFI206中で保存されるアミノ酸残基は、特に変更を受けいれ難いものであると予測される。保存的置換が行われ得るアミノ酸は当該技術において周知である。
有用な保存的置換は、表6の「好ましい置換」中に示される。1クラスのアミノ酸が同じタイプの他のアミノ酸と置換される保存的置換は、当該置換が物質的に化合物の生物学的活性を変更しない限りにおいて、当該発明の範囲内に入る。そのような置換によって生物学的活性に変化が生じる場合、その時は、例として表7に示されるより本質的変化が導入されており、生成物はIFI206ポリペプチドの生物学的活性に対してスクリーニングされる。
Figure 2004522405
【0040】
(1)β−シート又はα−へリックスコンフォメーションなどのポリペプチド骨格の構造、(2)荷電又は(3)疎水性、又は(4)標的部位の側鎖部分に影響を与える非保存的な置換は、IFI206ポリペプチドの機能又は免疫学的同一性を修飾することができる。残基は、表B中に示される一般的な側鎖の特性に基づいてグループに分類される。非保存的置換は、必然的にこれらのクラスの1メンバーを他のクラスと置換えることを伴うものである。
Figure 2004522405
変異体ポリペプチドはオリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)突然変異導入法、アラニンスキャンニング、及びPCR突然変異導入法などの当該技術分野において既知の方法を用いて行うことができる。部位特異的突然変異導入法(Carter, 1986;Zoller及びSmith, 1987)、カセット突然変異導入法、限定的選択突然変異導入法(Wells等, 1985)又は他の既知の技術は、IFI206変異DNAを生産するために、クローン化されたDNA上で実施することができる(Ausbel等, 1987;Sambrook, 1989)。
一実施態様において、単離された核酸分子には、タンパク質をコードするヌクレオチド配列であって、該タンパク質が配列番号:2、4又は15と少なくとも約45%、好ましくは60%、より好ましくは70%、80%、90%、及び最も好ましくは約95%の相同なアミノ酸配列を含むタンパク質を包含する。
変異体IFI206は脂肪細胞のインヴィトロにおける分化をブロックすることに関してアッセイすることができる。
4.アンチセンス核酸
アンチセンス及びセンスIFI206オリゴヌクレオチドは、IFI206ポリペプチドの発現を阻止することができる。これらのオリゴヌクレオチドは標的核酸配列と結合し、二重鎖の分解を促進し、未成熟な転写又は翻訳を終結させ、又は他の方法によって標的配列の転写又は翻訳をブロックする二重鎖を形成する。アンチセンス又はセンスのオリゴヌクレオチドは、RNA又はDNAどちらかの一本鎖核酸であり、標的IFI206 mRNA(センス)又はIFI206 DNA(アンチセンス)配列と結合することができる。アンチセンス核酸はワトソン−クリック又はフーグスチンの塩基対ルールに従ってデザインすることができる。アンチセンス核酸分子はIFI206 mRNAの全コード化領域に対して相補的で、より好ましくは、IFI206 mRNAのコード化又は非コード化領域の一部分だけに相補であり得る。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドはIFI206 mRNAの翻訳開始部位を囲む領域に対して相補的であり得る。アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも約14ヌクレオチド、好ましくは約14から30ヌクレオチドのIFI206 DNAコード化領域の断片を含む可能性がある。一般に、アンチセンスRNA又はDNA分子は少なくとも長さが5, 10, 15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50, 55, 60, 65, 70, 75, 80, 85, 90, 95, 100のベース又はそれより長いものを含む可能性がある。特に、(Stein及びCohen, 1988;van der Krol等, 1988a)には、任意のcDNA配列からアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを誘導させる方法が記載されている。
【0041】
アンチセンス核酸を生成するのに用いることができる修飾されたヌクレオチドの例として、:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルクエオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシンN6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルクエオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(V)、ワイブトキソシン、シュードウラシル、キュエオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(V)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、及び2,6−ジアミノプリンが含まれる。或いは、アンチセンス核酸は、転写されたRNAが対象の標的核酸に対して相補的になるようなアンチセンスの方向でサブクローン化された発現ベクターを用いて生物学的に発現させることができる。
アンチセンス又はセンスのオリゴヌクレオチドを標的細胞(標的核酸配列を含む細胞)中へ導入するためには、何らかの遺伝子導入法が用いられる。遺伝子導入法の例には、(1)エプステイン−バーウィルスなどの遺伝子導入ベクター、又は外来性のDNAをリガンド結合分子に結合させることなどの、生物学的な、(2)エレクトロポレーション及びインジェクションなどの物理的な、(3)CaPO沈殿及びオリゴヌクレオチド−複合体などの化学的なものが含まれる。
【0042】
アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは適切な遺伝子導入レトロウィルスベクター中へ挿入される。標的核酸配列を含む細胞を、インヴィボ又はエクスヴィボにおいて組換体レトロウィルスベクターと接触させる。適当なレトロウィルスベクターの例には、マウスレトロウィルス M−MuLV、N2(M−MuLVに由来するレトロウィルス)、又はDCT5A、DCT5B及びDCT5Cと表される二重コピーベクターが含まれる(国際公開第 90/13641号, 1990)。十分な核酸分子の転写を達成するためには、アンチセンス核酸分子の転写が強力なpol II又はpol IIIによってコントロールされるベクターコンストラクトが好ましい。
細胞の混合集団中の標的細胞を特定するために、標的細胞に対して特異的な細胞表面レセプターを開発することができる。アンチセンス及びセンスオリゴヌクレオチドを、(国際公開第91/04753号, 1991)中に記載されるように、リガンド結合分子と結合させる。リガンドは標的細胞に特異的なレセプターに対して選択される。適切なリガンド結合分子の例には、細胞表面レセプター、成長因子、サイトカイン、又は細胞表面レセプター又は分子と結合する他のリガンドが含まれる。好ましくは、リガンド結合分子の結合は、実質的に、レセプター又は分子のリガンド結合分子結合体と結合する能力を妨害せず、又はセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド又はその結合体形態の細胞内への侵入を阻止しない。
リポソームは効率的にセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞へ導入する(国際公開第90/10448, 1990)。センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド−脂質複合体は、内在性のリパーゼによって細胞内で好適に分離される。
本発明のアンチセンス核酸分子は、α−アノマー核酸分子であってもよい。α−アノマー核酸分子は、通常のα−ユニットとは反対に、ストランドが互いに平行に走るように、相補的RNAと特異的な二重鎖ハイブリッドを形成する(Gautier等, 1987)。アンチセンス核酸分子は、2’−O−メチルリボヌクレオチド(Inoue等, 1987a)又はキメラRNA−DNA類似体(Inoue等, 1987b)も含み得る。
一実施態様において、本発明のアンチセンス核酸はリボザイムである。リボザイムは、相補的な領域を持つ、mRNAなどの一本鎖核酸を切断することができるリボヌクレアーゼ活性を持つ触媒性のRNAである。従って、ハンマーヘッドリボザイム(Haseloff及びGerlach, 1988)などのリボザイムは、IFI206 mRNA転写産物を触媒的に切断するために用いることができ、その結果翻訳を阻害する。IFI206−コード化核酸に対して特異的なリボザイムは、IFI206 cDNAのヌクレオチド配列(即ち、配列番号:1又は3)に基づいてデザインすることができる。例えば、活性部位のヌクレオチド配列がIFI206コード化mRNA中で切断されるヌクレオチド配列と相補的であるテトラヒメナ L−19 IVS RNAの誘導体を構築することができる(Cech等, U. S. Patent No.5,116,742, 1992;Cech等, U. S. Patent No.4,987,071, 1991)。また、IFI206 mRNAは、RNA分子のプールから特異的なリボヌクレアーゼ活性を持つ触媒性RNAを選択するためにも使用することができる(Bartel及びSzostak, 1993)。
【0043】
或いは、IFI206の発現は、標的細胞中でのIFI206の転写を阻害する三重らせん構造を形成するためのIFI206の制御領域(例えば、IFI206プロモーター及び/又はエンハンサー)と相補的な標的ヌクレオチド配列によって阻害することもできる(Helene, 1991;Helene等, 1992;Maher, 1992)。
アンチセンス及びセンスオリゴヌクレオチドの修飾は、それらの有効性を増大することができる。修飾された糖−ホスホジエステル結合又は他の糖連鎖(国際公開第91/06629, 1991)は、標的配列に対する結合特異性を損なうことなく内在性ヌクレアーゼに対する抵抗性を与えることによりインヴィボにおける安定性を増大させる。他の修飾は、標的に対するオリゴヌクレオチドの親和性を増大することができ、例えば、共有結合性有機体部分(国際公開第90/10448, 1990)又はポリ−(L)−リジンなどである。他の結合は、標的に対するオリゴヌクレオチドの結合特異性を修飾し、金属複合体又はインターカレート(例えば、エリプチシン)及びアルキル化剤を含む。
例えば、核酸のデオキシリボースリン酸骨格は、ペプチド核酸を生産するために修飾することができる(Hyrup及びNielsen, 1996)。「ペプチド核酸」又は「PNAs」は、デオキシリボースリン酸骨格が疑似ペプチド骨格によって置換され、4つの元来のヌクレオ塩基のみが保持される核酸模倣体(例えば、DNA模倣体)を指す。PNAの中性の骨格は、低イオン強度条件下において、DNA及びRNAに対する特異的なハイブリダイゼーションを可能にする。PNAオリゴマーの合成は、標準的固相ペプチド合成手順を用いて実施することができる(Hyrup及びNielsen, 1996;Perry−O’Keefe等, 1996)。
IFI206のPNAsは、治療的及び診断上の適用において使用することができる。例えば、PNAsは、転写又は翻訳停止を誘導し、又は複製を阻害することにより遺伝子発現の配列特異的な修飾のためのアンチセンス又は抗遺伝子剤として使用することができる。IFI206 PNAsは、単一塩基対変異の解析(例えば、PCRクランピングによるPNAにおいて;他の酵素、例えば、S1ヌクレアーゼ(Hyrup及びNielsen, 1996)と組合わせて使用するとき、人工的な制限酵素として;又はDNA配列及びハイブリダイゼーションのためのプローブ又はプライマーとして(Hyrup及びNielsen, 1996;Perry−O’Keefe等, 1996)用いることも可能であろう。
【0044】
IFI206のPNAsはそれらの安定性または細胞内への取込みを増強するために修飾することができる。親油性又は他のヘルパーグループがPNAs、PNA−DNA二量体構造に付着してもよく、又はリポソーム又は他の薬剤デリバリー技術の使用でもよい。例えば、PNAとDNAの有利な特性を兼ね備えるPNA−DNAキメラを生成することができる。このようなキメラは、DNA認識酵素(例えば、RNase H及びDNAポリメラーゼ)がDNA部分と相互作用し、一方PNA部分は高い結合親和性及び特異性を提供することを可能にする。PNA−DNAキメラは、塩基のスタッキング、ヌクレオ塩基間の結合数、及び配向性という観点から選択される適切な長さのリンカーを用いて連結することができる(Hyrup及びNielsen, 1996)。PNA−DNAキメラの合成は実施可能である(Finn等, 1996;Hyrup及びNielsen, 1996)。例えば、DNA鎖を固体支持体上で標準的なホスホラミダイト共役化学反応を用いて合成することができ、修飾されたヌクレオチド類似体、例えば、5’−(4−メトキシトリチル)アミノ−5’−デオキシ−チミジン ホスホラミダイトなどはPNA及びDNAの5’末端間で用いることができる。その後、PNA単量体は、5’ PNAセグメントと3’ DNAセグメントとのキメラ分子を生成するために段階的な方法で共役される(Finn等, 1996)。或いは、キメラ分子は5’ DNAセグメント及び3’ PNAセグメントにより合成することができる(Petersen等, 1976)。
オリゴヌクレオチドは、ペプチド(例えば、インヴィボにおいて宿主細胞レセプターを標的するために)、又は細胞膜(Lemaitre等, 1987;Letsinger等, 1989)又はPCT発行 国際公開第88/09810号)若しくは脳血管関門(例えば、CT発行 国際公開第89/10134号)を越えた輸送を促進させる薬剤などの他の付加されたグループを含み得る。さらに、オリゴヌクレオチドはハイブリダイゼーション トリガー切断剤(van ker rol等, 1988b)又はインターカレート剤(Zon, 1988)によって修飾することができる。オリゴヌクレオチドは他の分子、例えば、ペプチド、ハイブリダイゼーション トリガークロスリンク剤、輸送剤、ハイブリダイゼーション トリガー切断剤、その他同種類の分子に結合させてもよい。
【0045】
IFI206ポリペプチド
本発明の一態様は、単離されたIFI206、及びそれらの生物学的活性な部分の誘導体、断片、類似体、又は相同体に関する。また、抗IFI206Absを作製するための免疫原としての使用に対して適するポリペプチド断片も提供される。一実施態様において、天然IFI206は標準的なタンパク質精製技術を用いて適切な精製計画によって細胞又は組織源から単離することができる。他の実施態様において、IFI206は組換体DNA技術により生産される。組換体発現の代わりに、IFI206又はポリペプチドは標準的なペプチド合成技術を用いて化学的に合成することができる。
1.ポリペプチド
IFI206ポリペプチドには、配列が配列番号:2、4又は15中に提供されるIFI206のアミノ酸配列が含まれる。また、本発明には、何れかの残基が配列番号:2、4又は15に示される対応する残基から変化しているが、依然としてそのIFI206活性及び生理学的機能を維持するタンパク質又はその機能的断片をコードしている、突然変異体又は変異タンパク質が含まれる。
2.変異体IFI206ポリペプチド
一般に、IFI206様機能を維持し、配列中の特定の位置の残基が他のアミノ酸によって置換されている何らかの変異を含み、さらに、親タンパク質の2残基間に更なる残基又は残基群を挿入する可能性、並びに親配列から位置又は複数の残基を欠失させる可能性を含むIFI206変異体。いずれのアミノ酸置換、挿入又は欠失も本発明によって包含される。好ましい状況において、置換は上述した保存的置換である。
「IFI206ポリペプチド変異体」とは、少なくとも:(1)全長天然配列IFI206と、(2)シグナルペプチドを欠失したIFI206ポリペプチドと、(3)シグナルペプチドを持つか又は持たないIFI206ポリペプチドの細胞外ドメインと、又は(4)全長IFI206ポリペプチド配列の何れか他の配列と約80%のアミノ酸配列同一性を持つ活性なIFI206ポリペプチドを意味する。例えば、IFI206ポリペプチド変異体には、一又は複数のアミノ酸残基が全長天然アミノ酸配列のN又はC末端で付加又は欠失したIFI206ポリペプチド配列が含まれる。IFI206ポリペプチド変異体は、IFI206ポリペプチド配列の全長天然配列と少なくとも約80%のアミノ酸同一性、好ましくは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約82%, 83%, 84%, 85%, 86%, 87%, 88%, 89%, 90%, 91%, 92%, 93%, 94%, 95%, 96%, 97%, 98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有するであろう。IFI206ポリペプチド変異体は、シグナル配列を欠いた配列、シグナルペプチドを持つか又は持たないIFI206ポリペプチドの細胞外ドメイン、又は全長IFI206ポリペプチド配列の何れか他の断片を有する。一般に、IFI206変異体ポリペプチドは少なくとも長さが約10アミノ酸、しばしば少なくとも長さが約20アミノ酸、さらにしばしば少なくとも長さが約30, 40, 50, 60, 70, 80, 90, 100, 150, 200, 又は300アミノ酸、又はそれより長い。
【0046】
「パーセント(%)核酸配列同一性」は、2つの配列を整列させるとき、開示されるIFI206ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸同一性を決定するために、配列を整列させ、必要ならば、最大の%配列同一性を達成するためにギャップが導入され;保存的置換は配列同一性の一部として考慮されない。パーセント同一性を決定するためのアミノ酸アライメント方法は、当業者にとって周知である。BLAST、BLAST−2、ALIGN2又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアなどの公に入手可能なコンピュータソフトウエアが、しばしばペプチド配列をアラインするために使用される。当業者であれば、比較される配列の全長に対して最大のアライメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アライメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。
アミノ酸配列を整列させる場合、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Bと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられた核酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
%アミノ酸配列同一性=X/Y・100
ここで、
XはA及びBの配列アラインメントプログラム又はアルゴリズムのアライメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、
YはBの全アミノ酸残基数である。
アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なる。
【0047】
3.単離された/精製されたポリペプチド
「単離された」又は「精製された」ポリペプチド、タンパク質又生物学的に活性な断片は、その自然環境の成分から分離され及び/又は回収される。夾雑成分には、ポリペプチドに対する診断又は治療上の使用を典型的に阻害する物質が含まれ、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましくは、ポリペプチドは
少なくとも15残基のN末端あるいは内部アミノ酸配列を得るのに充分な程度にまで精製される。実質的に単離されるためには、乾燥重量で30%未満の非IFI206夾雑物質(夾雑物)、より好ましくは20%未満、10%未満、及び最も好ましくは5%未満の夾雑物を有する標品である。単離された組換体として生産されたIFI206又は生物学的に活性な部分は、好ましくは実質的に、培地からフリーである、即ち、培地がIFI206標品の体積の20%未満、より好ましくは約10%未満、最も好ましくは約5%未満である。夾雑物の例には、細胞壊死片、培地、及びIFI206のインヴィトロにおける合成の間に使用され、生産された物質が含まれる。
4.生物学的に活性な
IFI206の生物学的に活性な部分には、全長IFI206の配列より少ないアミノ酸を含み、少なくともIFI206の1の活性を示すIFI206アミノ酸配列(配列番号:2又は4)と十分相同であるか、これから誘導されたアミノ酸配列を含むペプチドを包含する。生物学的に活性な部分は天然WUPの少なくとも1の活性を持つドメイン又はモチーフを含む。IFI206の生物学的に活性な部分は、例えば、長さが10, 25, 50, 100又はそれより長いアミノ酸残基であるポリペプチドであり得る。他の生物学的に活性な部分は、タンパク質の他の領域が欠失されており、組換え技術により調製することができ、天然のIFI206の一又は複数の機能的活性に関して評価することができる。
IFI206の生物学的に活性な部分は、配列番号:2又は4、又は配列番号:2又は4に実質的に相同な配列中に示されるアミノ酸配列を有し、配列番号:2又は4のタンパク質の機能的活性を保持するが、天然の対立遺伝子変異又は突然変異導入によるアミノ酸配列とは異なる。他の生物学的に活性なIFI206は、配列番号:2又は4のアミノ酸配列と少なくとも45%相同なアミノ酸配列を含み、天然IFI206の機能的活性を保持する。
【0048】
5.2又は複数配列間の相同性の決定
「IFI206変異体」とは、少なくとも:(1)全長天然配列IFI206と、(2)シグナルペプチドを欠失したIFI206ポリペプチドと、(3)シグナルペプチドを持つか又は持たないIFI206ポリペプチドの細胞外ドメインと、又は(4)全長IFI206ポリペプチド配列の何れか他の配列と約80%のアミノ酸配列同一性を持つ活性なIFI206ポリペプチドを意味する。例えば、IFI206変異体には、一又は複数のアミノ酸残基が全長天然アミノ酸配列のN又はC末端で付加又は欠失したIFI206配列が含まれる。IFI206変異体は、IFI206配列の全長天然配列と少なくとも約80%のアミノ酸同一性、好ましくは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約82%, 83%, 84%, 85%, 86%, 87%, 88%, 89%, 90%, 91%, 92%, 93%, 94%, 95%, 96%, 97%, 98%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有するであろう。IFI206変異体は、シグナル配列を欠いた配列、シグナルペプチドを持つか又は持たないIFI206ポリペプチドの細胞外ドメイン、又は全長IFI206ポリペプチド配列の何れか他の断片を有する。一般に、IFI206変異体ポリペプチドは少なくとも長さが約10アミノ酸、しばしば少なくとも長さが約20アミノ酸、さらにしばしば少なくとも長さが約30, 40, 50, 60, 70, 80, 90, 100, 150, 200, 又は300アミノ酸、又はそれより長い。
「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、2つの配列を整列させるとき、開示されるIFI206ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸同一性を決定するために、配列を整列させ、必要ならば、最大の%配列同一性を達成するためにギャップが導入され;保存的置換は配列同一性の一部として考慮されない。パーセント同一性を決定するためのアミノ酸アライメント方法は、当業者にとって周知である。BLAST、BLAST−2、ALIGN2又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアなどの公に入手可能なコンピュータソフトウエアが、しばしばペプチド配列をアラインするために使用される。当業者であれば、比較される配列の全長に対して最大のアライメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アライメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。
アミノ酸配列を整列させる場合、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Bと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられた核酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
%アミノ酸配列同一性=X/Y・100
ここで、
XはA及びBの配列アラインメントプログラム又はアルゴリズムのアライメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、
YはBの全アミノ酸残基数である。
アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なる。
【0049】
6.キメラ及び融合タンパク質
融合ポリペプチドは、発現研究、細胞内局在、バイオアッセイ、及びIFI206の精製において有用である。IFI206「キメラタンパク質」又は「融合タンパク質」には、非IFI206ポリペプチドに融合したIFI206が含まれる。非IFI206ポリペプチドは実質的にIFI206と相同ではない(配列番号:2又は4)。IFI206融合タンパク質は、幾つかの生物学的に活性な部分を含む、IFI206全長の何れかの部分を含む。IFI206はGST(グルタチオンS−トランスフェラーゼ)配列のC末端に融合される。このような融合タンパク質は、組換体IFI206の精製を促進する。ある宿主細胞において、(例えば、哺乳類)異種結合性シグナル配列融合体は、IFI206発現及び/又は分泌を改善する。更なる例示的な融合が表C中に示される。
他の融合相手が、治療上、IFI206に適用することが可能である。イムノグロブリン(Ig)タンパク質ファミリーのメンバーとの融合は、IFI206リガンド又は基質の相互作用を阻害し、結果的に、インヴィボにおけるIFI206媒介シグナル伝達を抑制するような治療において有用である。このような薬剤組成物中に取り込まれた融合体は、増殖及び分化障害を治療するため、並びに細胞の生存を調製するために使用することができる。IFI206−Ig融合ポリペプチドも、被検対象中で抗IFI206 Absを生産させ、IFI206リガンドを精製し、及び他の分子とIFI206の相互作用を阻害する分子をスクリーニングするための抗原としても使用可能である。
融合タンパク質は、組換え法を用いることで容易に作り出すことができる。IFI206をコードする核酸は、IFI206のNH−もしくはCOO−末端、又は内部に対して非IFI206コード化核酸をインフレームにて融合させることができる。また、融合遺伝子は、自動DNA合成装置を含む従来の技術により合成してもよい。また、引き続いてキメラ遺伝子配列を生成させるためにアニール及び再増幅され得る2つの連続的な遺伝子断片間に、相補的なオーバーハングを生じさせるアンカープライマーを用いたPCR増幅(Ausubel等, 1987)も有用である。IFI206を融合部分とインフレームでサブクローニングすることを促進させる多くのベクターは購入可能である。
Figure 2004522405
【0050】
IFI206の治療的適用
1.アゴニスト及びアンタゴニスト
「アンタゴニスト」には、内在性IFI206の生物学的活性を一部又は完全に阻害し又は中和させる分子の何れもが含まれる。同様に、「アゴニスト」には、内在性IFI206の生物学的活性を模倣する分子の何れもが含まれる。アゴニスト又はアンタゴストとして作用し得る分子には、Abs又は抗体断片、内在性IFI206の断片又は変異体、ペプチド、アンチセンス、オリゴヌクレオチド、小有機分子、などが含まれる。
2.アンタゴニスト及びアゴニストの同定
アンタゴニストをアッセイするために、IFI206特定の活性に対してスクリーニングされる化合物と共に細胞に添加され、又は細胞中で発現される。IFI206の存在下において、対象活性を化合物が阻害する場合、その化合物は、IFI206に対するアンタゴニストである;IFI206活性が促進される場合、該化合物はアゴニストである。
(a)潜在的アンタゴニスト及びアゴニストの特異的な例
IFI206の細胞内での効果を変更する何れかの分子は、アンタゴニスト又はアゴニストの候補である。当業者にとって周知のスクリーニング技術により、これらの分子を同定することができる。アンタゴニスト及びアゴニストの例には:(1)小有機及び無機化合物、(2)小ペプチド、(3)Abs及び誘導体、(4)IFI206に極めて関連性の強いポリペプチド、(5)アンチセンスDNA及びRNA、(6)リボザイム、(7)三重鎖DNAらせん、及び(8)核酸アプタマー、が含まれる。
IFI206の活性部位又は該ペプチドの他の関連部分に結合し、及びIFI206の生物学的活性を阻害する小分子は、アンタゴニストである。小分子アンタゴニストの例には、小ペプチド、ペプチド様分子、好ましくは可溶であり、及び合成非ペプチジル有機もしくは無機化合物が含まれる。もしこれらがIFI206活性を促進するならば、これらと同一の分子がアゴニストの例となる。
IFI206機能に影響を及ぼす何れかの抗体のほとんどが、アンタゴニストの候補であり、時にはアゴニストの候補である。抗体アンタゴニストの例には、ポリクローナル、モノクローナル、単一鎖、抗イディオタイプ、キメラAbs、又はこのようなAbs又は断片のヒト化型が含まれる。Absは免疫応答が生じ得る何れかの種由来である。また、ヒト化Absも考慮される。
或いは、潜在的アンタゴニスト又はアゴニストは、極めて関連性のあるタンパク質、例えば、IFI206相互作用タンパク質を認識するIFI206の突然変異型であるが、なんら効果を示さず、そのためIFI206の作用を競合的に阻害するものである。或いは、突然変異IFI206は構成的に活性化され、アゴニストとして作用するかもしれない。
【0051】
アンチセンスRNA又はDNAコンストラクトは有効なアンタゴニストであり得る。アンチセンスRNA又はDNA分子は標的のmRNAに対してハイブリダイズして翻訳を阻害することにより機能を阻止する。アンチセンス技術は、三重鎖へリックス形態、又は共にDNA又はRNAに対するポリヌクレオチド結合に依存するようなアンチDNA又はRNAを通じて遺伝子発現のコントロールをするために使用することができる。例えば、IFI206配列の5’コード化部分は、長さが約10から40塩基対であるアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドをデザインするために使用される。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に関与する遺伝子領域に対して相補的であり(三重鎖へリックス)(Beal及びDervan, 1991; Cooney等, 1988;Lee等, 1979)そのため、転写及びIFI206の生産を阻害するようにデザインされる。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、インヴィボにおいてmRNAとハイブリダイズし、mRNAのIFI206への翻訳を阻止する(アンチセンス)(Cohen, 1989;Okano等, 1991)。また、これらのオリゴヌクレオチドもアンチセンスRNA又はDNAがIFI206の生産を阻害するようにインヴィボにおいて発現し得るように細胞へ導入することができる。アンチセンスDNAが用いられる場合、翻訳開始部位、例えば標的遺伝子ヌクレオチド配列の約−10と+10の間の位置から誘導されるオリゴデオキシリボヌクレオチドが好ましい。
リボザイムは、RNAの特異的な切断を触媒することができる酵素的RNA分子である。リボザイムは、相補的標的RNAに対する配列特異的ハイブリダイゼーション、次いで、ヌクレオチド内的切断により作用する。潜在的RNA標的における特異的リボザイム切断部位は、既知の技術によって同定され得る(国際公開第97/33551号, 1997;Rossi, 1994)。
転写を阻害するために、一本鎖化される、デオキシヌクレオチドを含む三重鎖へリックス核酸は有用なアンタゴニストである。これらのオリゴヌクレオチドはフーグスチン塩基対ルールを介した三重鎖へリックスが促進されるようにデザインされ、一般に、プリン又はピリミジンのストレッチを必要とする(国際公開第97/33551号, 1997)。
IFI206活性には核酸結合が含まれるため、BAT mRNAのようなIFI206核酸結合部位と競合する分子は有効な細胞内競合因子となり得る。アプタマーは、ほぼ如何なる分子も認識し、特異的に結合するように用いることができる短いオリゴヌクレオチド配列である。指数関数的濃縮によるリガンドの体系的進化(SELEX)過程(Ausubel等, 1987;Ellington及びSzostak, 1990;Tuerk及びGold, 1990)は強力で、そのようなアプタマーを見つけるために使用可能である。アプタマーは多くの診断及び臨床的な使用を有する;臨床上、診断上使用されてきたほぼ全ての使用であって、アプタマーも使用され得るもの。さらに、一度同定されれば、より安価に作製され、製薬的な組成物、バイオアッセイ、診断テストにおいての投与を含む様々な形式において容易に適用することができる(Jayasena, 1999)。
【0052】
抗IFI206 Abs
本発明は、何れかのIFI206エピトープと免疫特異的に結合するFab又は(FabなどのようなAbs及び抗体断片を含む。
「抗体」(Ab)はIFI206(抗IFI206 Ab;アゴニスト、アンタゴニスト、及び中和Absを含む)に対する単一Abs、ポリエピトープ特異的な抗IFI206 Ab組成物、単一鎖抗Abs、及び抗IFI206 Abs断片を含む。「モノクローナル抗体」は、実質的に均一な集団から得られる、即ち、該集団を含む個々のAbsは少量存在するであろう起こりえる自然発生的な突然変異を除いて同一である。例として、Absには、ポリクローナル(pAb)、モノクローナル(mAb)、ヒト化、二重特異的な(bsAb)、及び異種結合性Absが含まれる。
1.ポリクローナル Abs(pAbs)
ポリクローナルAbsは哺乳類ホスト中で、例えば、免疫原、及び所望であればアジュバントの一又は複数回のインジェクションによって生産される。典型的には、免疫原及び/又はアジュバントは複数回の皮下又は腹腔内へのインジェクションによってインジェクトされる。免疫原は、IFI206又は融合タンパク質を含む。アジュバントの例には、完全フロイト及びモノホスホリル脂質A合成−トレハロース ジコリノミコレート(MPL−TDM)が含まれる。免疫応答を改善するために、免疫原は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン、ウシチログロブリン、及び大豆トリプシンインヒビターなどのホスト中での免疫原性のタンパク質に結合させてもよい。抗体産生のためのプロトコールは、(Ausubel等, 1987;Harlow及びLane, 1988)によって記述されている。或いは、pAbsは、IgY分子を生産するチキン中で作製されてもよい(Schade等, 1996)。
2.モノクローナルAbs(mAbs)
抗IFI206 mAbsは、ハイブリドーマ法を用いて調製される(Milstein及びCuello, 1983)。ハイブリドーマ法は少なくとも4段階を含む:(1)ホストまたは、ホスト由来のリンパ球を免疫する;(2)mAb分泌性(又は潜在的に分泌性)のリンパ球を収集し(3)リンパ球を不死化した細胞に融合させ、及び(4)所望のmAb(抗IFI206)を分泌させる細胞を選択する。
マウス、ラット、モルモット、ハムスター、又は他の適当なホストが、免疫原に特異的に結合するはずのAbsを生産し又は生産することができるリンパ球を誘発させるために免疫される。或いは、リンパ球はインヴィトロで免疫化してもよい。ヒト細胞が所望の場合、末梢血リンパ球(PBLs)が一般に使用される;しかしながら、他の哺乳類ソース由来の脾臓細胞又はリンパ球が好ましい。免疫原は典型的にはIFI206又は融合タンパク質を含む。
その後、リンパ球はハイブリドーマ細胞を樹立するために不死化細胞株と融合されが、ポリエチレングリコールなどの融合剤によって促進される(Goding, 1996)。トランスフォーメーションによって不死化された齧歯類、ウシ、又はヒトのミエローマ細胞が使用されるか、ラットもしくはマウスのミエローマ細胞株が使用される。ハイブリドーマ細胞及び非融合不死化細胞ではない純粋な集団が好ましいため、融合後、非融合、不死化細胞の成長又は生存を阻害する一又は複数の基質を含む適切な培地中で、細胞を成長させる。通常の技術では、酵素のヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠く親細胞を使用する。この場合、ヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジンがHGPRT欠損細胞の成長を阻害し、ハイブリドーマの成長を許容する培地(HAT培地)に添加される。
【0053】
好ましい不死化細胞は効率よく融合し、HATなどの培地中で選択することにより混合集団から単離することができ、融合後、安定で高レベルの抗体の発現をサポートする。好ましい不死化細胞株はマウスミエローマ株で、アメリカンタイプカルチャーコレクション(Manassas, VA)より入手可能である。ヒトミエローマ及びマウス−ヒトヘテロミエローマ細胞株についても、ヒトmAbs産生に関し記述されている(Kozbor等, 1984;Schook, 1987)。
ハイブリドーマ細胞は細胞外に抗体を分泌するため、IFI206に対するmAbs(抗IFI206 mAbs)の存在をアッセイすることが可能である。ラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)などの免疫沈降又はインヴィトロでの結合アッセイは、mAbsの結合特異性を測定し(Harlow及びLane, 1988;Harlow及びLane, 1999)、スキャッチャード解析を含む(Munson及びRodbard, 1980)。
抗IFI206 mAbs分泌性ハイブリドーマ細胞は限界希釈法及びサブカルチャーにより単一クローンとして単離され得る(Goding, 1996)。適切な培地にはダルベッコ改変イーグル培地、RPMI−1640、又は所望ならば、タンパク質−フリー又は−低減又は血清−フリー培地が含まれる(例えば、Ultra DOMA PF 又はHL−1;Biowhittaker;Walkersville, MD)。ハイブリドーマ細胞は、腹水中でのインヴィボにおいて増殖させてもよい。
mAbsは培地又は腹水からプロテインAセファロース、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、硫安沈殿又はアフィニティークロマトグラフィー(Harlow及びLane, 1988;Harlow及びLane, 1999)などの従来のIg精製方法によって単離又は精製される。
また、mAbsは組換え技術によっても作製される(米国特許第4166452号, 1979)。DNAコード化抗IFI206mAbsは、抗IFI206分泌mAbsハイブリドーマ細胞株から好ましいDNAをプローブするために、従来の方法、例えば、マウスの重及び軽鎖抗体遺伝子と特異的に結合するオリゴヌクレオチドプローブを用いることにより容易に単離され、配列決定することができる。一度単離されると、単離されたDNA断片は、mAbsを発現させるために、他にIgタンパク質を生産しないsimian COS−7細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又はミエローマ細胞などのホスト細胞中へトランスフェクトさせる発現ベクター中へサブクローニングされる。単離されたDNA断片は、例えば、ヒト重及び軽鎖定常ドメインに対するコード化配列を相同なマウス配列の代わりに置換することにより(米国特許第4816567号, 1989;Morrison等, 1987)、又は非Igポリペプチドをコードする配列の全て又は一部に対するIgコード化配列を融合することにより、修飾することができる。そのような非Igポリペプチドは、キメラ二価抗体を創作するために、抗体の定常ドメインと置換することが可能であり、又は一抗原結合部位の定常ドメインと置換することができる。
【0054】
3.一価Abs
Absはお互いに結果的にはクロスリンクしない一価Absでもよい。例えば、ある方法には、Ig軽鎖及び修飾された重鎖の組換体発現が関与する。F領域中の何れかのポイントにおける通常の重鎖切断は、重鎖のクロスリンクを妨げる。或いは、それに関わるシステイン残基が他のアミノ酸残基で置換されるか又は除去され、クロスリンクするのを妨げる。インヴィトロの方法も、一価Absの調製に適する。AbsはFab断片などの断片を生産するように消化することができる(Harlow及びLane, 1988;Harlow及びLane, 1999)。
4.ヒト化及びヒトAbs
抗IFI206 Absにはさらにヒト化又はヒトAbsが含まれる。非ヒトAbsのヒト化形態は、非ヒトIg由来の最小配列を含むキメラIgs、Ig鎖又は断片(F, Fab, Fab’, F(ab’又は他のAbsの抗原結合サブ配列など)である。
一般に、ヒト化抗体は非ヒト由来から導入された一又は複数のアミノ酸残基を持つ。これらの非ヒトアミノ酸残基はしばしば「移入」残基と称され、典型的には「移入」可変ドメインから選ばれる。ヒト化は齧歯類のCDRs又はCDR配列と対応するヒト抗体配列とを置換することにより達成される(Jones等, 1986;Riechmann等, 1988;Verhoeyen等, 1988)。そのような「ヒト化」AbsはキメラAbsであり(米国特許第4816567号, 1989)、実質的に無傷のヒト可変ドメインより少ない部分が非ヒト種由来の対応する配列によって置換されている。実際には、ヒト化Absは、典型的には、あるCDR残基及びおそらくあるFR残基が齧歯類Abs中の類似部位由来の残基と置換されているヒトAbsである。ヒト化Absには、マウス、ラット又はウサギなどの非ヒト種のCDRであって、所望の特異的な親和性及び能力を持つ残基により、レシピエントの相補性決定領域(CDR)由来の残基が置換されるヒトIgs(レシピエント抗体)が含まれる。ある場合には、対応する非ヒト残基がヒトIgのFフレームワーク残基を置換する。ヒト化Absは、レシピエント抗体中にも移入CDR又はフレームワーク配列中にも見出されない残基を含んでもよい。一般に、ヒト化抗体には、全てではないがCDR領域のほとんどが非ヒトIgのものに対応し、全てではないがFR領域のほとんどがヒトIgコンセンサス配列のものに対応する、少なくとも1つ、及び典型的には2つの可変領域が含まれる。また、ヒト化抗体には少なくともIg定常領域(F)の少なくとも一部分、典型的には、ヒトIgの一部分も、最適に含まれる(Jones等, 1986;Presta, 1992;Riechmann等, 1988)。
また、ヒトAbsは、ファージディスプレイライブラリー(Hoogenboom等, 1991;Marks等, 1991)及びヒトmAbsの調製(Boerner等, 1991;Reisfeld及びSell, 1985)を含む、種々の技術を使用しても生産できる。同様に、内在性Ig遺伝子が部分的に又は完全に不活性化された遺伝子導入動物へヒトIg遺伝子を導入することが、ヒトAbsを合成するために利用される。チャレンジすると、ヒト抗体産生が観察され、遺伝子再編成、構築、及びレパートリーを含む全ての面においてヒトにおいて見られるような状況に酷似している(米国特許第5545807号, 1996;米国特許第5545806号, 1996;米国特許第5569825号, 1996;米国特許第5633425号, 1997;米国特許第5661016号, 1997;米国特許第5625126号, 1997;Fishwild等, 1996;Lonberg及びHuszer, 1995;Lonberg等, 1994;Marks等, 1992)。
【0055】
5.二重特異的mAbs
二重特異的Absは、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を持つモノクローナルであり、好ましくはヒト又はヒト化である。例えば、結合特異性は、IFI206;他は選択された何れかの抗原、好ましくは細胞表面タンパク質又はレセプター又はレセプターサブユニット。
伝統的には、二重特異的Absの組換体産生は、2つのIg重鎖/軽鎖対の共発現に基づいており、2つの重鎖は異なる特異性を有する(Milstein及びCuello, 1983)。Ig重鎖及び軽鎖のランダムな一揃いにより、生じるハイブリドーマ(クアドローマ)は10の異なる抗体分子の潜在的混合物を生産し、その内の一つだけが所望の二重特異的構造を持つ。所望の抗体は親和性クロマトグラフィー又は他の技術を用いて精製することができる(国際公開第93/08829号,1993;Traunecker等, 1991)。
二重特異的抗体(Suresh等, 1986)を製造するために、所望抗体−抗原結合部位を持つ可変ドメインをIgの定常ドメイン配列と融合させる。融合は好ましくは、ヒンジの少なくとも一部分、CH2及びCH3領域を含むIg重鎖定常ドメインと行われる。好ましくは、軽鎖結合に必要な部位を含む第一の重鎖定常領域(CH1)は、少なくとも融合体の一つの中に存在する。Ig重鎖融合体をコードするDNA及び、所望であれば、Ig軽鎖は別々の発現ベクター中に挿入され、適切なホスト生物へ同時形質移入される。
抗体分子対間の接点は、組換体細胞培養から回収されるヘテロ二量体の割合を最大にするように設計される(国際公開第96/27011号, 1996)。好ましい接点には少なくとも抗体定常ドメインのCH3領域の一部が含まれる。この方法において、第一の抗体分子の接点に由来する一又は複数の小アミノ酸側鎖は、より大きな側鎖(例えば、チロシン又はトリプトファン)と置換される。大きな側鎖と同一又は同じサイズの代償性の「空洞」が、大きなアミノ酸側鎖をより小さなもの(例えば、アラニン又はスレオニン)で置換することにより第二の抗体分子の接点上に創られる。このメカニズムは、ホモ二量体のような望まれない最終産物以上にヘテロ二量体の収量を増大させる。
二重特異的なAbsは全長Abs又は抗体断片として調製される(例えば、F(ab’)2二重特異的Abs)。二重特異的Absを生産するための技術の一つは、化学結合を利用する。無傷のAbsは、F(ab’)2断片を生産するためにタンパク質分解的に切断され得る(Brennan等, 1985)。近接するジチオールを安定化させ、分子間のジスルフィド形成を妨げるために、亜ヒ酸塩ナトリウムなどのジチオール複合化剤により断片を還元させる。その後、生じたFab’断片はチオニトロ安息香酸(TNB)誘導体へ変換される。その後、Fab’−TNB誘導体の一つは、メルカプトエチルアミンによる還元によってFab’−チオールへ再変換され、二重特異的抗体を作るために他のFab’−TNB誘導体と等モル量で混合される。生産された二重特異的Absは酵素の選択的固定化に対する薬剤として使用することができる。
ab’断片は大腸菌から直接回収され、二重特異的Absを作るために化学的にカップルされる。例えば、完全にヒト化された二重特異的F(ab’)2Absを生産することができる(Shalaby等, 1992)。各Fab’断片は、大腸菌から別々に分泌され、インヴィトロにおいて直接化学的にカップルされ、二重特異的抗体を作る。
組換体細胞培養に直接由来する二重特異的抗体断片を作製し単離するための様々な技術も記述されている。例えば、ロイシンジッパーモチーフを利用することができる(Kostelny等, 1992)。Fos及びJunタンパク質由来のペプチドは、遺伝子融合により2つの異なるAbsのFab’部分と連結される。抗体のホモ二量体は、ヒンジ領域において、モノマーを形成させた後抗体ヘテロ二量体を形成させるために再び酸化される。この方法も抗体ホモ二量体を作り得る。「ダイアボディー」技術(Holliger等, 1993)は二重特異的抗体断片を生産するための代わりの方法を提供する。断片には、短かすぎて同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を許容しないリンカーによって軽鎖可変ドメイン(V)に結合された重鎖可変領域(V)が含まれる。一つの断片のV及びVドメインは、他の断片の相補的なV及びVドメインとの対形成を余儀なくされ、2つの抗原結合部位を形成する。二重特異的抗体を調製するための他の方策は、単一鎖F(sF)ダイマーの使用である(Grubert等, 1994)。三重特異的Absなどの二価以上のAbsも考慮される(Tutt等, 1991)。
典型例である二重特異的Absは、任意のIFI206上の2つの異なるエピトープに結合する。或いは、細胞防御機構を、特定のIFI206を発現する特定の細胞に限定することができる:抗IFI206のアームは、T細胞レセプター分子(例えば、CD2, CD3, CD28, 又はB7)などの白血球が誘因する分子、又はF γRI(CD64)、F γRII(CD32)及びF γRIII(CD16)などのIgG(F γR)に対するFレセプターと結合するアームと組合わされる。また、二重特異的Absは、特定のIFI206を発現させる細胞に対して細胞毒性剤を標的するためにも使用される。これらのAbsはIFI206結合アーム及び細胞毒性剤又は放射性核種キレーターと結合するアームを持つ。
【0056】
6.ヘテロ結合性Abs
ヘテロ結合性Absは、2つの共有結合性Absから構成され、免疫系細胞を不要な細胞にターゲットさせること(4,676,980, 1987)及びヒト免疫欠損ウィルス(HIV)感染の治療(国際公開第91/00360号, 1991;国際公開第92/20373号, 1992)のために提唱されてきた。クロスリンク剤に関与することを含む合成タンパク質化学方法を用いてインヴィトロにおいて調製されるAbsが考慮される。例えば、免疫毒は、ジスルフィド交換反応を使用し、又はチオエーテル結合を形成させることにより構築される。適切な試薬の例には、イミノチオレート及びメチル−4−メルカプトブチリミデートが含まれる(4,676,980, 1987)。
7.免疫複合体
免疫複合体は、化学療法剤などの細胞毒性剤、毒素(例えば、バクテリア、真菌、植物、又は動物起源の酵素学的に活性な毒素又は断片)、又は放射活性アイソトープ(即ち、放射結合体)。
有用な酵素学的に活性な毒素及び断片には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合性活性断片、緑膿菌由来のエクソトキシンA鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、α−サルシン、シナアブラギリタンパク質、ジアンシン(Dianthin)タンパク質、ヨウシュヤマゴボウタンパク質、ツルレイシインヒビター、クルシン、クロチン、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria officinalis)インヒビター、ゲロニン、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)及びトリコテセン(tricothecene)が含まれる。212Bi, 131I, 131In, 90Y, 及び186Reなどの様々な放射性ヌクレオチドが放射性結合Absの生成に利用可能である。
抗体及び細胞障害薬の結合体は、種々の二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチルアジピミデートHCl等)、活性エステル(ジスクシンイミジルスベレート等)、アルデヒド(グルタルアルデヒド等)、ビス−アジド化合物(ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン等)、ビス−ジアゾニウム誘導体(ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン等)、ジイソシアネート(トリエン2,6−ジイソシアネート等)、及びビス−活性フッ素化合物(1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン等)を用いて作成できる。例えば、リシン免疫毒素を、調製することができる(Vitetta等, 1987)。14C−標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性核種の抗体への結合のためのキレート剤の例である(国際公開第94/11026号, 1994)。
他の実施態様では、腫瘍の予備標的化で使用するために、抗体は「レセプター」(ストレプタビジン等)に結合されてもよく、抗体−レセプター結合体は被検対象に投与され、次いで清澄化剤を用いて未結合結合体を循環から除去し、次に細胞障害薬(放射性核種等)に結合されたストレプタビジン「リガンド」(ビオチン等)を投与する。
8.エフェクター機能の設計
本抗体は、癌などの疾病の治療における抗体の有効性を向上させるために改変することができる。例えば、システイン残基をF領域に導入し、それにより、この領域に鎖間ジスルフィド結合を形成させるようにしてもよい。そのようなホモダイマーAbsは、増強した内部移行能力及び/又は増加した補体媒介細胞殺傷及び抗体−依存性細胞性細胞毒性(ADCC)を有しうる(Caron等, 1992;Shopes, 1992)。向上した抗腫瘍活性を持つホモダイマーAbsは、異種二官能性架橋を用いても調製しうる(Wolff等, 1993)。あるいは、抗体は、2つのF領域を有するように設計し、補体溶解を向上させることもできる(Stevenson等, 1989)。
【0057】
9.免疫リポソーム
また、抗体を含むリポソームが調製されてもよい(米国特許第4485045号, 1984;米国特許第4544545号, 1985;米国特許第5013556号, 1991;Eppstein等, 1985;Hwang等, 1980)。有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG−誘導ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物での逆相蒸発法によって生成される。このような調製物は、所望の径を有するリポソームが生成されるように定められた孔サイズのフィルターを通して押し出される。抗体のFab’断片は、ジスルフィド交換反応を介してリポソームに結合され得る(Martin及びPapahadjopoulos, 1982)。また、ドキソルビシンなどの化学療法剤もリポソーム中に含まれてもよい(Gabizon等, 1989)。他に異なる組成の有用なリポソームが考慮される。
10.IFI206に対するAbsの診断上の適用
抗IFI206 Absは、IFI206を限局化させ及び/又は定量するために使用することができる(例えば、組織サンプル中のIFI206レベルの測定における使用のため又は診断上の方法における使用のため等)。抗IFI206エピトープAbsは薬剤的に活性な化合物として利用することができる。
抗IFI206 Absは、イムノアフィニティークロマトグラフィー又は免疫沈降などの標準的な技術によりIFI206を単離するために使用することができる。これらのアプローチは、細胞及び組織から内在性のIFI206抗原を含むポリペプチドの精製を促進する。これらのアプローチ並びに他のアプローチは、抗原性タンパク質の発現の量及びパターンを評価するためにサンプル中のIFI206を検出するために使用することができる。抗IFI206 Absは臨床的なテスト手順の一部として組織中のタンパク質レベルをモニターするのに使用することができる;例えば、任意の治療計画の有効性を決定するため。抗体を検出可能な基質(標識)とカップリングさせることにより、Ab−抗原複合体の検出が可能となる。標識のクラスには、蛍光性、発光性、生物発光性、及び放射活性物質、酵素、及び補欠分子族が含まれる。有用な標識には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、ストレプタビジン/ビオチン、アビジン/ビオチン、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセイン イソチオシアナート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミン フルオレセイン、ダンシル クロライド、フィコエリスリン、ルミノール、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、エクオリン、及び125I, 131I, 35S又はHが含まれる。
【0058】
11.抗体治療
本発明のAbsには、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化及び完全体ヒトAbsが含まれ、治療上使用され得る。このような薬剤は、一般に、被検対象の疾病又は病態を治療又は予防するために用いられるであろう。抗体調製物は、好ましくは高い抗原特異性及び親和性を有しており、一般に標的エピトープ(群)に結合することにより効果を媒介する。一般に、そのようなAbsの投与は2つの効果のうち1つを媒介する:(1)抗体はリガンドの結合を妨げ、内在性のリガンド結合及びそれに続くシグナル伝達を除去する、又は(2)抗体が標的分子のエフェクター部位に結合することによる生理学的な結果を誘発し、シグナル伝達を開始させる。
治療上有効な量の抗体は、一般に、治療目的を達成するのに必要な量、エピトープ結合親和性、投与速度、及び被検対象からの抗体の除去速度と関係する。治療上有効な用量に関する通常の範囲は、限定はしないが、例えば、約0.1 mg/kg体重から約50 mg/kg体重である。投薬頻度は、例えば、一日二回から週に一回である。
12.Absの薬剤的組成
抗IFI206 Abs並びに他のアッセイで同定されたIFI206相互作用分子(アプタマーなど)は、種々の障害を治療するための薬剤的組成物中にて投与される。そのような組成物を調製することに関与する原則及び考慮並びに構成成分の選択における指針は(de Boer, 1994;Gennaro, 2000;Lee, 1990)中に見出すことができる。
IFI206は細胞内に存在するため、Absの完全体がインヒビターとして用いられる場合、細胞内移行するAbsが好ましい。また、リポソームが細胞内への導入のための送達媒体として使用されてもよい。抗体断片が使用される場合、エピトープと特異的に結合する最小の阻害断片が好ましい。例えば、有用な抗体の可変領域配列に基づいて好適なエピトープに結合するペプチド分子を設計することができる。このようなペプチドは、化学的に合成し、及び/又は組換えDNA技術によって合成することができる(Marasco等, 1993)。また、製剤には、1より多い特定の治療のための活性な化合物、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない活性を伴うものも含まれる。組成物には、細胞毒性剤、サイトカイン、化学療法剤、又は成長阻害剤などの機能を増強させる薬剤が含まれる。
また、活性成分は、コアセルベーション技術により又は界面重合により調製されたマイクロカプセル中に包括させることもできる;例えば、各々ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン−マイクロカプセル及びポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセル中、コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミン小球、マイクロエマルション、ナノ粒子及びナノカプセル)中、又はマクロエマルション中。
インビボ投与に使用される製剤は無菌であることが極めて好ましい。これは、滅菌濾過膜を通した濾過又は多くの何れかの技術により容易に達成される。
抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリクスを含み、マトリクスが成形された物品、例えばフィルム、又はマイクロカプセルの形状であるような、徐放性製剤を調製してもよい。徐放性マトリクスの例は、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)又はポリ(ビニルアルコール))、ポリアクチド(Boswell及びScribner, 米国特許第3.773.919号,1973)、L−グルタミン酸及びγ−エチル−L−グルタメート、非分解性エチレン−酢酸ビニル、分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、及びポリ−(D)−3−ヒドロキシブチル酸酢から構成される注射可能な小球などの分解性乳酸−グリコール酸コポリマーを含む。エチレン−酢酸ビニル及び乳酸−グリコール酸などのポリマーは分子を100日に渡って放出することができるが、ある種のヒドロゲルはより短時間でタンパク質を放出してしまう。
【0059】
IFI206組換体発現ベクター及び宿主細胞
ベクターは宿主細胞間でDNAをシャトルするため、又はヌクレオチド配列を発現させる方法として用いられる道具である。幾つかのベクターは原核生物でのみ機能するが、他は原核生物と真核生物の両方で機能し、真核生物中での発現のために原核生物からの大規模DNA調製を可能にする。対象のDNA、IFI206核酸配列又は断片などの挿入は、ライゲーション技術及び/又は当業者において周知の接合方法により達成される。そのようなDNAは、その組み込みがベクターの何れか必要な構成成分を破壊しないように挿入される。挿入されたDNAをタンパク質に発現させるために使用されるベクターの場合、導入されたDNAは、その転写及び翻訳を支配するベクターエレメントに作用可能に連結される。
ベクターは、2つの一般的なクラスに分配される:クローニングベクターは、適切な宿主細胞中での伝播には必須ではなく、外来のDNAを挿入し得る領域を持つ複製可能なプラスミド又はファージである;外来DNAは、まるでベクターの構成成分であるかの如く、複製され、伝播される。発現ベクター(プラスミド、酵母、又は動物ウィルスゲノムなど)は、外来DNAを転写及び翻訳するために外来性の遺伝学的物質を宿主細胞又は組織中へ導入するために用いられる。発現ベクターにおいて、導入されたDNAは、挿入DNAを転写するために宿主細胞へシグナルを送るためのプロモーターのようなエレメントに作用可能に連結される。特異的な因子に応答して遺伝子の転写をコントロールする誘導可能なプロモーターのような幾つかのプロモーターは非常に有用である。作用可能に連結するIFI206又はアンチセンスコンストラクトは、IFI206又は断片、又はアンチセンスコンストラクトの発現をコントロールすることができる。古典的な誘導可能なプロモーターの例には、α−インターフェロン、ヒートショック、重金属イオン、及びグルココルチコイドなどのステロイド(Kaufman, 1990)及びテトラサイクリンに応答するものが含まれる。他の望ましい誘導可能なプロモーターには、コンストラクトが存在する細胞には内在しないものではあるが、誘導剤が外から供給された場合には細胞内で応答するものが含まれる。
ベクターは、多くの異なる徴候を持つ。「プラスミド」は、付加的なDNAセグメントが導入され得る環状二重鎖DNA分子のことである。ウィルスベクターは、付加的なDNAセグメントをウィルスゲノム中に受け入れることができる。ある種のベクターは宿主細胞中で自律複製することができる(例えば、バクテリアの複製起点を持つバクテリアのベクターと、エピソームである哺乳類のベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム性哺乳類ベクター)は宿主細胞中に導入されると宿主細胞中のゲノムに組込まれ、それにより宿主ゲノムと一緒に複製される。通常、有用な発現ベクターはしばしばプラスミドである。しかしながら、発現ベクターの他の形態、ウィルスベクター(例えば、複製欠損レトロウィルス、アデノウィルス及びアデノ関連ウィルス)などが考慮される。
IFI206(又は断片)を含む組換体発現ベクターは、IFI206と作用可能に結合された一又は複数の宿主細胞応答(又はインヴィトロで操作可能な)制御配列を利用することにより、IFI206の転写を制御する。「作用可能に結合された」とは、対象のヌクレオチド配列がヌクレオチド配列の発現が達成されるように制御配列と結合されていることを意味する。
【0060】
ベクターを種々の生物及び/又は細胞中に導入することができる(表D)。或いは、該ベクターは、例えば、T7プロモーター制御配列とT7ポリメラーゼを用いて、インヴィトロで転写及び翻訳することができる。
Figure 2004522405
Figure 2004522405
【0061】
ベクターの選択は、用いられる生物又は細胞及びベクターの望まれる運命によって影響される。ベクターは、標的細胞中で一度複製するか、又は「自殺」ベクターであり得る。一般に、ベクターはシグナル配列、複製起点、マーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列を含む。これらのエレメントの選択は、ベクターが使用される生物に依存して、容易に決定される。これらのエレメントの幾つかは、誘導可能又は条件が整うと「オン」になる条件的プロモーターのような、条件的なものである。誘導可能なプロモーターの例には、組織特異的で、ある種の細胞型に対しては発現を低下させるもの、ステロイド応答性のもの、又はヒートショックに反応するものが含まれる。lacオペロンなどのある種のバクテリアの抑制システムは、哺乳類細胞及び遺伝子操作動物中で利用される(Fieck等, 1992;Wyborski等, 1996;Wyborski及びShort, 1991)。ベクターはベクターが取り込まれた細胞の同定を促進するためにしばしば選択マーカーを使用する。多くの選択マーカーは原核生物の使用に関する技術において周知であり、通常、抗生物質耐性遺伝子又は独立栄養性及び栄養要求性突然変異である。
アンチセンス及びセンスのIFI206オリゴヌクレオチドを用いると、IFI206ポリペプチド発現を妨げることができる。これらのオリゴヌクレオチドは標的核酸配列に結合し、二重鎖の分解を増強し、未成熟な転写又は翻訳を終結させること、又はその他の方法によって標的配列の転写又は翻訳を阻止する二重鎖を形成する。
アンチセンス又はセンスのオリゴヌクレオチドは、RNA又はDNAの何れかである単一鎖核酸であり、標的IFI206 mRNA(センス)又はIFI206 DNA(アンチセンス)配列と結合することができる。当該発明によると、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも約14ヌクレオチド、好ましくは約14から30ヌクレオチドのIFI206 DNAのコード化領域の断片を含む。一般に、アンチセンスRNA又はDNA分子は、少なくとも5, 10, 15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50, 55, 60, 65, 70, 75, 80, 85, 90, 95, 100塩基の長さ又はそれより長い塩基をを含み得る。特に、(Stein及びCohen, 1988;van der Krol等, 1988b)は任意のcDNA配列に由来するアンチセンスまたはセンスのオリゴヌクレオチドを導き出す方法を記述する。
アンチセンス及びセンスのオリゴヌクレオチドの修飾は、それらの効果を増大させる。修飾された糖−リン酸ジエステル結合又は他の糖結合(国際公開第91/06629号, 1990)は、標的配列に対する結合特異性は破壊せずに内在性のヌクレアーゼに対する耐性を付与することにより、インヴィボにおける安定性を増加させる。共有結合された有機的部分(国際公開第90/10448号, 1991)又はポリペプチド−(L)−リジンのような他の修飾は、標的に対するオリゴヌクレオチドの親和性を増加させることができる。他の吸着物は標的に対するオリゴヌクレオチドの結合特異性を修飾し、金属複合体又はインターカレート化(例えば、エリプチシン)又はアルキル化剤が含まれる。
【0062】
アンチセンス又はセンスのオリゴヌクレオチドを標的細胞(標的核酸配列を含む細胞)中へ導入するために、何れかの遺伝子転移法が使用され、当業者において周知である。遺伝子転移法の例には、1)エプステイン−バーウィルス様遺伝子転移ベクター又は外来性のDNAをリガンド結合分子に結合させる(国際公開第91/04753号, 1991)などの、生物学的方法、2)エレクトロポレーションのような物理的な方法、及び3)CaPO沈殿及びオリゴヌクレオチド−脂質複合体(国際公開第90/10448号, 1990)などの化学的な方法が含まれる。
「宿主細胞」及び「組換体宿主細胞」という用語は、互いに交換可能に使用される。これらの用語は、特定の対象細胞だけではなく、これらの細胞の子孫又は潜在的な子孫をも意味する。突然変異又は環境による影響のどちらかによりある種の修飾が、次の世代で生じるため、実際は、このような子孫は親細胞と同一ではない可能性があるが、やはり発明の範囲に含まれる。
真核細胞のトランスフェクション及び原核細胞のトランスフォーメーションは、当該技術において周知である。宿主細胞の選択は対象の核酸を導入するための好適な技術を決定する。表Eには、限定を意味するものではないが、当該技術において多くの周知技術をまとめてある。また、生物への核酸の導入、もしあれば特定の生物に対してインヴィトロのトランスフェクション技術、並びに確立された遺伝学的技術を用いるエキソヴィボの技術によっても行われる可能性がある。
【0063】
Figure 2004522405
Figure 2004522405
Figure 2004522405
【0064】
ベクターは、該ベクターが取り込まれた細胞の同定を促進するためにしばしば選択マーカーが用いられる。多くの選択マーカーは、原核生物の使用、通常は、抗生物質耐性遺伝子又は独立栄養性及び栄養要求性突然変異の使用に関する技術分野において周知である。表Fには哺乳動物細胞のトランスフェクションに対するしばしば利用される選択マーカーが列挙されている。
Figure 2004522405
【0065】
原核細胞の又は真核細胞の宿主培養細胞などの本発明における宿主細胞は、IFI206を生産するために使用することができる。従って、本発明は本発明の宿主細胞を用いてIFI206を生産するための方法を提供する。一実施態様において、本方法は、IFI206が発現されるような適切な培地中で、本発明の宿主細胞(IFI206をコードする組換体発現ベクターが導入される)を培養することを含む。他の実施態様において、本方法には、さらにIFI206を培地又は宿主細胞から単離することが含まれる。
遺伝子導入IFI206動物
遺伝子導入動物は、IFI206の機能及び/又は活性を研究し、IFI206活性の修飾因子を同定し及び/又は評価するために有用である。「遺伝子導入動物」は、非ヒト動物であり、好ましくは、哺乳動物、更に好ましくは、ラット又はマウスなどの齧歯類であって、その細胞の一又は複数は導入遺伝子を包含する。他の遺伝子導入動物には、霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ヤギ、チキン、両生類などが含まれる。「導入遺伝子」は遺伝子導入動物が発育する細胞のゲノム中に組込まれ、成熟した動物のゲノム中にも残存する外来性のDNAである。遺伝子導入は、好ましくは一又は複数の細胞型又は組織中で天然にコードされる遺伝子産物の発現を妨げる(ノックアウト遺伝子導入動物)、又は組み込み、染色体上での配置、又は組換え領域のマーカー又は指示薬として役立つ(例えばcre/loxPマウス)目的を持って、遺伝子導入動物の一又は複数の細胞型又は組織中でコードする遺伝子産物の発現を導く。「相同組換え動物」は、齧歯類のような非ヒト動物であり、動物を発育させる前に(例えば、胎児性の)細胞中で内在性のIFI206と相同的に組換わる外来性DNA分子によって内在性IFI206が変えられてきた。外来性のIFI206を持つ、IFI206コード化配列が導入された受精後の卵母細胞又は胎児性の幹細胞などの宿主細胞は、非ヒト遺伝子導入動物を生産するために使用される。その後、このような宿主細胞は非ヒト遺伝子導入動物又は相同組換え動物を創造するために用いることができる。
【0066】
1.遺伝子導入動物の生産へのアプローチ
遺伝子導入動物は、IFI206を受精後の卵母細胞を中のオスの前核中に導入し(例えば、マイクロインジェクション、レトロウィルス感染によって)、卵母細胞が疑似妊娠したメスの養育動物(pffa)中で発育することを可能にすることにより創り出すことができる。IFI206 cDNA配列(配列番号:1)は、非ヒト動物のゲノム中に導入遺伝子として導入することができる。或いは、IFI206の天然に生じる変異体(配列番号:3)などのIFI206の相同体を導入遺伝子として用いることができる。また、介在配列及びポリアデニル化シグナルも導入遺伝子の発現を増加させるために導入遺伝子中に含まれることが可能である。組織特異的な制御配列は、特定の細胞でIFI206 の発現を導くようにIFI206 導入遺伝子と作用可能に結合させることができる。胎児の操作及びマイクロインジェクションを介した遺伝子導入動物、特にマウスなどの動物を生産するための方法は、当該技術分野において通常の方法、例えば、(Evans等, 米国特許第4,870.009号, 1989;Hogan, 0879693843, 1994;Leder及びStewart, 米国特許第4,736,866号, 1988;Wagner及びHoppe, 米国特許第 4,873,191号, 1989)となっている。他の非マウス遺伝子導入マウスは、類似の方法によって作製され得る。遺伝子導入創出動物は、更なる遺伝子導入動物を繁殖させるために用いることができ、そのゲノム中での導入遺伝子の存在及び/又は動物の組織又は細胞中での導入mRNAの発現に基づいて同定することができる。遺伝子導入(例えば、IFI206)動物は、他の導入遺伝子を保有する遺伝子導入動物を繁殖させることができる。
2.遺伝子導入動物を作製するためのベクター
相同組換え動物を産み出すために、欠損、付加又は置換が、例えば、機能的にIFI206を破壊するような変更を行うように導入されたIFI206の少なくとも一部を含むベクター。IFI206はマウス遺伝子(配列番号:1)、又は天然に生じる変異体(配列番号:3)などの他のIFI206相同体であり得る。一つのアプローチは、ノックアウトベクターは、相同組換えによって、内在性IFI206遺伝子を機能的に破壊し、その結果、たとえあるにしても非機能的なIFI206タンパク質が発現される。
或いは、ベクターは、相同組換えにおいて、内在性IFI206が変異され、さもなくば変更されるが、依然として機能的なタンパク質をコードするように設計することができる(例えば、上流の制御領域は、結果的に内在性のIFI206の発現を変更するように変更することができる)。このタイプの相同組換えベクターにおいて、IFI206の変更された部分は、ベクターによって運ばれる外来性のIFI206と胎児性幹細胞中の内在性IFI206との間に生じる相同組換えを可能ならしめるために、IFI206の付加的な核酸によってその5’及び3’末端に隣接される。付加的な隣接するIFI206核酸は、内在性IFI206と相同組換えを引き起こすために十分なものである。典型的には、数キロベースの隣接DNA(5’及び3’の両末端における)は、ベクター中に包含される(Thomas及びCapecchi, 1987)。その後、ベクターは、胎児性幹細胞株中に導入され(例えば、エレクトロポレーションにより)、導入されたIFI206が相同的に内在性のIFI206と組換わった細胞が選択される(Li等, 1992)。
【0067】
3.IFI206導入遺伝子の発生中の細胞への導入
選択された細胞は、その後、集合キメラを形成させるために動物(例えば、マウス)の胚盤胞中へインジェクトされる(Bradley, 1987)。その後、キメラ胎児は偽妊娠の雌性乳母中へ移植され、胎児には名前が付けられる。胚細胞に相同的に組換えられたDNAを有する子孫は、導入遺伝子の生殖系列伝達によって相同的に組換えられたDNAを動物の全細胞において含む動物を繁殖させるために使用される。相同組換えベクター及び相同組換え動物を構築するための方法が記述されている(Berns等, 国際公開第93/04169号, 1993;Bradley, 1991;Kucherlapati等, 国際公開第91/01140号, 1991;Le Mouellic及びBrullet, 国際公開第90/11354号, 1990)。
或いは、導入遺伝子の制御された発現を可能ならしめるような選択された系を含む遺伝子導入動物が産み出され得る。そのような系の例として、バクテリオファージP1のcre/loxPリコンビナーゼ系がある(Lakso等, 1992)。他のリコンビナーゼの系は、出芽酵母のFLPリコンビナーゼの系である(O’Gorman等, 1991)。cre/loxPリコンビナーゼ系が導入遺伝子の発現を制御するために用いられる場合、Creリコンビナーゼ及び選択されたタンパク質の両方をコードする導入遺伝子を持った動物が必要となる。そのような動物は、選択されたタンパク質をコードする導入遺伝子を持つ動物と、リコンビナーゼをコードする導入遺伝子を持つ動物とを交尾させることによって、「二重」遺伝子導入動物として作製することが可能である。
また、遺伝子導入動物のクローンも作製することができる(Wilmut等, 1997)。簡単に述べると、遺伝子導入動物由来の細胞は単離することができ、増殖サイクルを脱出してG期に移行するように誘導することができる。その後、静止期の細胞は、該静止期細胞が単離された種と同一の動物由来の徐核卵母細胞と融合させることができる。再構成された卵母細胞は、その後、桑実胚又は未分化胚芽細胞に発生するまで培養し、次いで偽妊娠の雌性乳母中へ導入される。該雌の乳母から生まれた子孫は、「親」遺伝子導入動物のクローンとなる。
【0068】
薬剤的組成物
本発明のIFI206の核酸分子、IFI206のポリペプチド及び抗IFI206Abs(活性化合物)、及びその誘導体、断片、類似体及び相同体は、薬剤的組成物中へ取り込まれ得る。典型的に、そのような組成物には、核酸分子、タンパク質又は抗体及び製薬的に受容可能な坦体が含まれる。「製薬的に受容可能な坦体」は、何れかの及び全ての溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌及び抗真菌剤、アイソトニックで吸着を遅らせる薬剤、及びその類似物を含み、薬剤的投与に適合する(Gennaro, 2000)。そのような担体又は希釈剤の好ましい例には、限定はしないが、水、生理食塩水、フィンガー溶液、デキストロース溶液、及び5%のヒト血清アルブミンが含まれる。リポソーム及び不揮発性油などの非水溶性媒体も用いられる。従来の培地又は薬剤が活性な化合物に適合しない場合以外は、これらの組成物の使用が考慮される。補充性の活性化合物も該組成物中に取り込まれる。
1.一般的な検討事項
本発明の薬剤的な組成物は、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入など)、経皮性(即ち、局所的な)、経粘膜、及び直腸の投与を含む、意図された投与経路に適合するように製剤化される。非経口、皮内、又は皮下への適用のために使用される溶液又は懸濁液は:注射用の水などの滅菌的希釈液、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒;ベンジルアルコール又は他のメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩などのバッファー、及び塩化ナトリウム又はデキストロースなどの張性の調製のための薬剤を含み得る。pHは塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基で調製され得る。非径口的標品はアンプル、ガラスもしくはプラスチック製の使い捨てシリンジ又は複数回投与用バイアル中に収納される。
2.注射可能な製剤
注射に適する薬剤的組成物には、滅菌的な注射可能な溶液又は分散媒を即座に調製するための滅菌的水溶液(水溶性の)又は分散媒及び滅菌性のパウダーが含まれる。静脈内の投与に関し、適切な担体には生理食塩水、静菌水、CREMOPHOR ELTM(BASF, Parsippany, N.J.)、又はリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が含まれる。全ての場合において、組成物は滅菌的であって、シリンジを用いて投与されるために流動的でなくてはならない。このような組成物は、調剤及び保存の間、安定であるべきで、バクテリア及び真菌などの微生物由来のコンタミネーションから保護されなくてはならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及び適切な混合物を含む溶媒又は分散媒培地であり得る。例えば、レクチンなどのコーティング剤を用い、分散媒においては必要とされる粒子サイズを維持し、界面活性剤を用いることにより適度な流動性が維持される。種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、及びチメロサールなどは、微生物のコンタミネーションを含み得る。例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール及び塩化ナトリウムのような等張性を保つ薬剤が組成物中に含まれ得る。吸着を遅らせることができる組成物には、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの薬剤が含まれる。
滅菌的な注射可能溶液は、必要な成分の一又は組み合わせとともに、適切な溶媒中に必要量の活性化合物(例えば、IFI206又は抗IFI206抗体)を取り込み、次に滅菌することで調製することができる。一般に、分散媒は、基本的な分散培地及び上述したその他の必要成分を含む滅菌的媒体中に活性化合物を取り込むことにより調製される。滅菌的な注射可能な溶液の調製のための滅菌的なパウダーの調製方法には、活性な成分及び滅菌溶液に由来する何れかの所望な成分を含むパウダーをもたらす真空乾燥及び凍結乾燥が含まれる。
【0069】
3.経口組成物
通常、経口組成物には、不活性な希釈剤又は食用に適する担体が含まれる。それらは、ゼラチンのカプセル中に包含されるか、加圧されて錠剤化される。経口治療的な投与の目的には、活性化合物は賦形剤と共に取り込まれ、錠剤、トローチ又はカプセルの形態で使用される。また、経口組成物は、うがい薬としての使用のための流動性担体を用いて調製することも可能であり、流動性担体中の該組成物は経口的に適用される。製薬的に適合する結合剤、及び/又はアジュバント物質が包含され得る。錠剤、丸薬、カプセル、トローチ及びその類似物は以下の成分又は類似の性質を持つ化合物の何れかを含み得る:微結晶性セルロース、ガム トラガガント又はゼラチンなどの結合剤;スターチ又はラクトースなどの賦形剤、アルギン酸などの崩壊性剤、PRIMOGEL、又はコーンスターチ;ステアリン酸マグネシウム又はSTEROTESなどの潤滑剤;コロイド性シリコン二酸化物などの滑剤(glidant);スクロース又はサッカリンなどの甘味剤;又はペパーミント、メチルサリシル酸又はオレンジフレイバーなどの香料添加剤。
4.吸入用組成物
吸入による投与に対して、化合物は、例えば、二酸化炭素などのガスのような適切な噴霧剤を含むネブライザー又は加圧容器からのエアロゾルスプレーとして提供される。
5.全身投与
また、全身投与は経粘膜的又は経皮的でもあり得る。経粘膜的又は経皮的投与について、標的のバリアー(群)を透過することができる浸透剤が選択される。経粘膜浸透剤は界面活性剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体が含まれる。経鼻スプレー又は坐薬は経粘膜的な投与に対して使用することができる。経粘膜的投与に対して、活性化合物はオイントメント、軟膏、ジェル又はクリーム中へ製剤化される。
また、化合物は、直腸への送達に対して、坐薬(例えば、ココアバター及び他のグリセリドなどの基剤と共に)又は滞留性の浣腸の形態で調製することもできる。
6.担体
一実施態様において、活性化合物は、植込錠及びマイクロカプセルに封入された送達システムを含む制御放出製剤などの、体内からすぐに除去されることから化合物を保護する担体で調製される。エチレンビニル酢酸塩、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの、生物分解性、生物適合性ポリマーが使用され得る。このような材料は、ALZA Corporation(Mountain View, CA)及びNOVA Pharmaceuticals, Inc.(Lake Elsinore, CA)から入手可能であり、当業者によって調製されることが可能である。また、リポソームの懸濁液も製薬的に受容可能な坦体として使用することができる。これらは、(Eppstein等, 米国特許第4,522,811号, 1985)にあるように当業者にとって既知の方法に従って調製することができる。
【0070】
7.単位投与量
単位投与量の形での経口製剤又は非経口製剤は、投与及び投与量の均一性を促進するように作成される。単位投与量形態は、治療されるべき被検対象に対する一回の投与量に適した物理的に別個の単位であって、必要とされる製薬的な担体と共に活性化合物の治療上の有効量を含む単位を意味する。本発明の単位投与量形態に対する特定化は、活性化合物のユニークな特徴及び特に所望される治療上の効果、及び活性化合物を化合物化すること固有の限界によって影響され、直接依存する。
8.遺伝子治療組成物
本発明の核酸分子は、ベクター中に挿入することができ、遺伝子治療ベクターとして使用することができる。遺伝子治療ベクターは、被検対象へ、例えば、静脈内注射、局所的投与(Nabel及びNabel, 米国特許第5,328,470号, 1994)又は定位的な注射(Chen等, 1994)によって送達させることができる。遺伝子治療ベクターの製薬的調剤物は、受容可能な希釈剤を包含することができ、又は遺伝子送達媒体が組込まれた緩徐放出マトリックスを含むことができる。或いは、完全な遺伝子送達ベクターは、例えばレトロウィルスベクターのように、組換え体細胞から無傷で生産されるが、製薬的な調剤には、遺伝子送達系を生み出す一又は複数の細胞を包含し得る。
9.製薬的組成物に関するキット
製薬的組成物はキット、容器、パック、又はディスペンサー中に投与の説明書と共に含めることができる。本発明はキットとして供給される場合、組成物の異なる構成成分が別々の容器中に包装され、使用直前に混合される。このように構成成分を別々に包装することは、活性構成成分の機能を失うことなく、長期間の貯蔵を可能にすることができる。
また、キットは診断テスト又は組織タイピングなどの特異的なテストの実施を促進するように、別々の容器中に試薬を包含する。例えば、IFI206 DNAテンプレート及び適切なプライマーが内部コントロールとして供給される。
(a)容器又は器(vessel)
キット中に含まれる試薬は、異なる構成成分の寿命が持続され、容器の材質によって吸着されず、変化されないような何れかの種類の容器中に供給される。例えば、封着されたガラスアンプルは、凍結乾燥されたルシフェラーゼ又は窒素ガスのような中性で、不反応性ガスの下で包装されたバッファーを含む。アンプルは、ガラス、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの有機ポリマー、セラミック、金属、又は試薬を保持するために典型的に用いられる他の何れかの適切な材料など何れか適切な材質から構成される。他の適切な容器の例には、アンプルなどの類似の物質から作られる簡単なボトル、及びアルミニウム又は合金などのホイルで裏打ちされた内部によって構成される包装材が含まれる。他の容器には、試験管、バイアル、フラスコ、ボトル、シリンジ、又はその類似物がが含まれる。容器は、皮下用注射針で貫通可能でストッパを有するボトルなどの無菌のアクセスポートを有する。他の容器には、容易に除去可能で、除去することで区画を混合させるような膜によって分離された2つの区画を有する。除去可能な膜は、ガラス、プラスチック、ラバーなどである。
(b)使用説明書
また、キットには使用説明書も供給されている。指示は、紙又は他の材質上に印刷され、及び/又はフロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、Zipディスク、ビデオテープ、オーディオテープなどの電気的に読み取り可能な媒体として供給されてもよい。詳細な指示は、キットに物理的に付随していないかもしれない;その代わりに、使用者はキットの製造者又は分配者によって指定され又は電子メールで供給されるウェッブサイトが案内されるであろう。
【0071】
スクリーニング及び検出方法
本発明の単離された核酸分子は、IFI206を発現させ(例えば、遺伝子治療の適用における宿主細胞中での組換体発現ベクターを介して)、IFI206 mRNA(例えば、生物学的サンプル中の)を検出し、後述のようにIFI206の活性を変更させるために使用される。さらに、IFI206ポリペプチドはIFI206活性又は発現を調節する薬剤又は化合物をスクリーニングし、並びにIFI206の不十分な又は過剰な生産又は減少されたIFI206の生産又はIFI206の野生型タンパク質と比較すると異常である活性によって特徴付けられる疾患を治療し、又はIFI206が関与する生物学的機能(例えば、肥満)を調節するために使用することができる。さらに、本発明の抗IFI206 Absは、IFI206を検出し、単離し、及びIFI206活性を調節するために使用することができる。
1.スクリーニングアッセイ
本発明は、細胞中の遺伝子の翻訳、転写、活性又はコピーを含むIFI206への刺激的又は阻害的な影響を与える様式、即ち、候補又はテスト化合物又は薬剤(例えば、ペプチド、ペプチドミメティクス、小分子、又は他の薬物)、食物、これらの組合わせなどを同定するための方法(スクリーニングアッセイ)を提供する。また、本発明は、スクリーニングアッセイにおいて同定される化合物も含む。
IFI206活性を増大又は減少させる化合物をテストすることが望ましい。化合物は:(1)細胞中の遺伝子のコピー数に影響を与えることにより(増幅因子及び減少因子);(2)IFI206の転写を増加又は減少させることにより(転写上方制御因子及び転写下方制御因子);(3)タンパク質へのIFI206 mRNAの翻訳を増大又は減少させることにより(翻訳上方制御因子及び翻訳下方制御因子);又は(4)IFI206それ自体の活性を増大又は減少させることにより(アゴニスト及びアンタゴニスト)、IFI206の活性を調節する。
(a)化合物の影響
DNA、RNA及びタンパク質レベルでIFI206に影響を与える化合物を同定するために、細胞又は生物体を候補化合物と接触させ、IFI206 DNA、RNA又はタンパク質における対応する変化を評価する(Ausubel等, 1987)。DNA増幅因子及び減少因子については、IFI206 DNAの量が測定され、転写上方制御因子及び下方制御因子である化合物については、IFI206 mRANの量が測定され;翻訳上方制御因子及び下方制御因子である化合物については、IFI206ポリペプチドの量が測定される。アゴニスト又はアンタゴニストである化合物は、細胞又は生物体を化合物に接触させ、その後、インヴィトロにおける脂肪細胞の分化を測定することにより同定される。
一実施態様において、候補又はIFI206の活性又はポリペプチド又は生物学的に活性なタンパク質と結合又は調節するテスト化合物をスクリーニングするための多くのアッセイが利用可能である。テスト化合物は:生物学的ライブラリー;空間的アドレス可能固相又は液相ライブラリー;逆重畳積分を必要とする合成ライブラリー法;「一ビーズ一化合物」ライブラリー法;及びアフィニティークロマトグラフィー選択を用いた合成ライブラリー法を含む、コンビナトリアルライブラリー法における多数のアプローチの何れかを用いて得ることが可能である。生物学的ライブラリーによるアプローチは、ペプチドに限定されるが、他の4つのアプローチは、ペプチド、非ペプチドオリゴマー又は化合物の小分子ライブラリーを包含する(Lam, 1997)。
【0072】
(b)小分子
「小分子」とは約5kD未満の分子量を持つ組成物のことを指し、最も好ましくは約4kD未満である。小分子は、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチドミメティクス、炭水化物、脂質又は他の有機もしくは無機分子であり得る。化学及び/又は真菌、バクテリア、又は藻類の抽出物などの生物学的混合物のライブラリーは、当該技術分野において既知であり、本発明のアッセイの何れかによりスクリーニングすることができる。分子ライブラリーの合成のための方法の実例は:(Carell等, 1994a;Carell等, 1994b;Cho等, 1993;DeWitt等, 1993;Gallop等, 1994;Zuckermann等, 1994)中に見出すことができる。
化合物のライブラリーは溶液中(Houghten等, 1992)又はビーズ上(Lam等, 1991)、チップ上(Fodor等, 1993)、バクテリア、胞子(Ladner等, 米国特許第5,223,409号, 1993)、プラスミド(Cull等, 1992)又はファージ(Cwirla等, 1990;Devlin等, 1990;Felici等, 1991;Ladner等, 米国特許第5,223,409号, 1993;Scott及びSmith, 1990)上に提供されてもよい。無細胞アッセイには、アッセイ混合物を形成させるためにIFI206又は生物学的に活性な断片にIFI206と結合する既知の化合物を接触させ、アッセイ混合物にテスト化合物を接触させ、テスト化合物がIFI206と相互作用する能力を決定することが含まれるが、テスト化合物がIFI206と相互作用する能力を決定することには、IFI206がIFI206標的分子と優先的に結合し、又はその活性を調節する能力を決定することを含む。
(c)無細胞アッセイ
本発明の無細胞アッセイはIFI206の可溶性又は膜結合形態のどちらを利用してもよい。膜結合形態を含む無細胞アッセイの場合、IFI206を溶液中に保つために可溶化剤を要する。そのような可溶化剤の例には、n−オクチルグルコシド、n−ドデシルグルコシド、n−ドデシルマルトシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、デカノイル−N−メチルグルカミド、TRITON(登録商標)X−100及びTRITON(登録商標)シリーズから選択されるその他のもの、THESIT(登録商標)、イソトリデシポリ(エチレングリコールエーテル)、N−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルフォン酸、3−(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオール−1−プロパンスルフォン酸(CHAPS)、又は3−(3−コラミドプロピル)ジメティルアンミニオール−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルフォン酸(CHAPSO)が含まれる。
【0073】
(d)スクリーニングを促進するための標的分子の固定化
アッセイ方法の2以上の実施態様において、IFI206又はそのパートナー分子の何れかを固定化することは、タンパク質の一方又は両方の複合化されていない形態から複合化されたものの分離を促進し、同時にハイスループットアッセイを適応化させる。IFI206へのテスト化合物の結合、又は候補化合物の存在下及び非存在下におけるIFI206の標的分子との相互作用は、反応物を収納するのに適した、マイクロタイタープレート、試験管、及び微小遠心管などの何れかの容器中で達成される。タンパク質の一方又は両方がマトリックスに結合することを許容するドメインを付加するように、融合タンパク質が提供され得る。例えば、GST−IFI206融合タンパク質又はGST−標的融合タンパク質は、後にテスト化合物又はテスト化合物及び非吸着標的タンパク質又はIFI206の何れかと混合されるグルタチオンセファロースビーズ(SIGMA Chemical, St. Louis, MO)又はグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレートに吸着され、その混合物は複合体形成に至る条件下(例えば、塩及びpHに関して生理学的な条件にて)でインキュベートされる。インキュベーションの後、ビーズ又はマイクロタイタープレートウェルは、いずれの非結合成分をも除去するために洗浄され、ビーズの場合はマトリックスが固定化され、複合体は例えば上述のように直接又は間接的に決定される。或いは、複合体はマトリックスから分離され、IFI206の結合又は活性レベルが標準的な技術を用いて決定される。
また、マトリックス上にタンパク質を固定化するためのその他の技術がスクリーニングアッセイにおいて用いられ得る。IFI206又はその標的分子のどちらかをビオチン−アビジン又はビオチン−ストレプタビジンシステムを用いて固定化させることができる。ビオチン化は、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシ−スクシンイミド;PIERCE Chemicals, Rockford, IL)などの多くの試薬によって達成され、ストレプタビジンでコートした96ウェルプレート(PIERCE Chemical)のウェル中に固定化され得る。或いは、IFI206又は標的分子に反応性のAbsが、標的分子とIFI206との結合を妨げることなく、プレートウェルに誘導体化され、非結合標的又はIFI206が抗体結合によってトラップされる。そのような複合体を検出する方法は、GST−固定化複合体に関して記載されているものに加えて、IFI206又はその標的と反応性のAbsを用いる複合体の免疫的検出、並びにIFI206又は標的分子に関連する酵素的活性の検出に基づく酵素共役アッセイを含む。
【0074】
(e)調節因子を同定するためのスクリーニング
IFI206発現の調節因子は、細胞を候補化合物と接触する方法において同定することができ、細胞中でのIFI206 mRNA又はタンパク質の発現が決定される。候補化合物の存在下におけるIFI206 mRNAの発現レベルが、候補化合物の非存在下におけるIFI206 mRNA又はタンパク質レベルと比較される。例えば、IFI206 mRNA又はタンパク質の発現レベルが候補化合物の存在下において、その非存在下よりも多い(即ち、統計学的に有意に)場合、候補化合物は、IFI206 mRNA又はタンパク質発現の刺激因子として同定される。或いは、IFI206 mRNA又はタンパク質の発現が候補化合物の存在下において、その非存在下よりも少ない(統計学的に有意に)場合、候補化合物は、IFI206 mRNA又タンパク質発現の阻害因子として同定される。IFI206 mRNA又はタンパク質発現のレベルは、IFI206 mRNA又はタンパク質を検出するために記述された方法によって決定することができる。
(i)ハイブリッドアッセイ
本発明のさらに他の態様において、IFI206は、IFI206(IFI206結合タンパク質(IFI206−bps))と結合もしくは相互作用し及びIFI206活性を修飾する他のタンパク質を同定するために2ハイブリッド又は3ハイブリット[Saifer, 1994#38;Zervos, 1993#382;Madura, 1993#383;Bartel, 1993#384;Iwabuchi, 1993#385;Brent, 1994#386]における「おとり」として使用され得る。また、そのようなIFI206−bpsは、例えば、IFI206経路の上流又は下流エレメントとしてIFI206によるシグナル伝達にも関与する。
2ハイブリッドシステムはほとんどの転写因子のモジュラー(modular)的性質に基づいており、分離可能なDNA結合及び活性化ドメインから成る。簡単には、該アッセイは二つの異なるDNAコンストラクトを利用する。一方のコンストラクトにおいて、IFI206をコードする遺伝子は、既知の転写因子(例えば、GAL4)のDNA結合ドメインをコードする遺伝子と融合される。他方のコンストラクトは、未同定タンパク質(「捕獲」又は「試料」)をコードするDNA配列のライブラリーに由来するDNA配列が、既知の転写因子の活性化ドメインと融合される。「おとり」及び「捕獲」タンパク質がインヴィボにおいて相互作用することができると、IFI206依存的複合体を形成し、転写因子のDNA結合及び活性化ドメインが極めて近傍に位置せられることになる。この接近により転写因子に反応性の転写制御部位と作用可能に結合されたレポーター遺伝子(例えば、LacZ)の転写が許容される。レポーター遺伝子の発現が検出され、機能的な転写因子を含む細胞コロニーが単離され、IFI206相互作用タンパク質をコードするクローン化遺伝子を得るために使用することができる。
【0075】
さらに、本発明は上述のスクリーニングアッセイにより同定された新規薬剤及びここで上述した治療についてのその使用に関する。
2.検出アッセイ
ここで同定されるIFI206 cDNA配列の部分又は断片(及び完全なIFI206遺伝子配列)は、それら自体有用である。非限定的な例として、これらの配列は:(1)極めて少ない生物学的試料から個人を同定したり(組織タイピング);及び(2)生物学的試料の法医学的な同定における手がかりとするために使用することができる。
(a)組織タイピング
本発明のIFI206配列は、微少な生物学的試料から個人を同定するために使用され得る。この技術において、個人のゲノムDNAは一又は複数の制限酵素によって消化され、ユニークなバンドを生じさせるようにサザンブロット上でプローブ化される。本発明の配列はさらに「制限酵素断片長多型」(RFLP;(Smulson等, 米国特許第5,272,057号, 1993))に対するDNAマーカーとして有用である。
さらに、IFI206配列は、個人のゲノムの標的部分の実際の塩基ごとのDNA配列を決定するために用いることができる。IFI206配列は、個人のゲノム由来の対応配列を増幅し、その後増幅された断片の配列を決定するために使用できる配列の5’末端及び3’末端由来の2つのPCRプライマーを調製するために使用される。
各個人は、対立遺伝子の相違によるDNA配列のユニークなセットを持つであろうから、個人由来のDNA配列に対応するパネルは、ユニークな個人の同定を提供することができる。本発明の配列は、そのように同定された個人及び組織由来の配列を得るために使用することができる。本発明のIFI206配列は個人のゲノムの部分を独自に表現する。対立遺伝子の変異は、これらの配列のコード化領域中にある程度生じ、かなりの程度が非コード化領域に生じる。個々のヒトの間における対立遺伝子の変異は、約500塩基ごとの頻度で生じる。対立遺伝子変異の多くは、一ヌクレオチド多型(SNPs)によるもので、RFLPsが含まれる。
ここで記載される各配列は、ある程度、個人に由来するDNAが同定の目的で比較され得る標準として使用される。非常に多くの数の多型が非コード化領域に生じているため、個人を区別するのに非常に少ない配列しか必要とされない。非コード化配列は、各々が100ベースの非コード化増幅配列を生み出す10から1,000のプライマーのパネルによって個人をポジティブに同定することができる。配列番号:1又は3中に記載されるような予想されるコード化配列が使用される場合、ポジティブな個人の同定に関する、より適切な数のプライマーは500−2,000であろう。
【0076】
予測的医薬
また、本発明は、診断上のアッセイ、予後のアッセイ、薬理ゲノム学、及び臨床試験をモニターすることが、予防的に個人を治療する予後の(予測的)目的のために使用される予測的医薬の分野にも関する。従って、本発明の一態様は、個人が疾病又は疾患に冒されていないかどうか、又は疾患を進行させる危険にあるかどうか、肥満を含む異常なIFI206の発現又は活性に関係しているかどうかを決定する生物学的試料(例えば、血液、血清、細胞、組織)との関連において、IFI206及び/又は核酸の発現並びにIFI206の活性を決定するための診断上のアッセイに関する。また、本発明は個人がIFI206、核酸の発現又は活性に関連する疾患を進行させる危険に曝されているかどうかを決定するための予後の(予測的)アッセイにも関する。例えば、IFI206の突然変異は生物学的試料においてアッセイされる。このようなアッセイは、IFI206、核酸発現、又は生物学的活性により特徴付けられ又は関連した疾患の発症よりも前に、予防的に個人を治療する診断上又は予測的目的のために使用され得る。
本発明の他の態様は、そのような個人にとって適切な治療上又は予防的薬剤を選択するため(ここでは「薬理ゲノム学」と称される)、個人におけるIFI206活性、又は核酸の発現を決定するための方法を提供する。薬理ゲノム学は、個人の遺伝子型(例えば、特定の薬剤に対して応答する個人の能力を決定するための個人の遺伝子型)に基づいた個人の治療的又は予防的処置のための様式(例えば、薬物、食物)の選択を可能にする。本発明のその他の態様は、臨床試験におけるIFI206の発現又は活性における様式(例えば、薬物、食物)の影響をモニターすることに関する。
【0077】
1.診断上のアッセイ
生物学的サンプル中のIFI206の存在又は非存在を検出するための例示的な方法は、被検対象から生物学的サンプルを得ること、サンプル中でIFI206の存在を確認するために生物学的サンプルをIFI206又はIFI206核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)を検出することができる化合物又は薬剤と接触させることに関与する。IFI206 mRNA又はゲノムDNAを検出するための薬剤は、IFI206 mRNA又はゲノムDNAをハイブリダイズすることができる標識化された核酸プローブである。核酸プローブは、例えば、配列番号:1又は3の核酸などの完全長IFI206核酸、又は少なくとも長さが15, 30, 50, 100, 250又は500ヌクレオチドであって、緊縮性の条件下でIFI206mRNA又はゲノムDNAと特異的にハイブリダイズするのに十分なオリゴヌクレオチドなどのそれらの部分であり得る。
IFI206ポリペプチドを検出するための薬剤は、IFI206と結合することが可能な抗体であり、好ましくは検出可能な標識を持つ抗体である。Absはポリクローナル抗体であり得、より好ましくはモノクローナル抗体である。無傷の抗体、又は断片(例えば、Fab又はF(ab’))を用いることができる。標識化プローブ又は抗体は、直接標識化される他の試薬との反応性によるプローブ又は抗体の間接的な検出と同様に、検出可能な基質と共役される。間接的な標識の例には、蛍光標識した二次抗体を用いる一次抗体の検出、及び蛍光標識したストレプタビジンで検出することができるようなビオチンによるDNAプローブの末端ラベルが含まれる。「生物学的サンプル」という用語には、被検対象から単離された組織、細胞及び生物学的体液、並びに被検対象中に存在する組織、細胞及び体液が含まれる。本発明の検出方法は、インヴィトロ並びにインヴィボでの生物学的サンプル中のIFI206 mRNA、タンパク質、又はゲノムDNAを検出するために用いられ得る。例えば、インヴィトロにおけるIFI206 mRNAの検出のための技術には、ノーザンハイブリダイゼーション及びインサイツハイブリダイゼーションが含まれる。IFI206ポリペプチドの検出のためのインヴィトロでの技術には、酵素結合免疫吸着検定法(ELISAs)、ウェスタンブロット法、免疫沈降法、及び免疫蛍光法が含まれる。IFI206ゲノムDNAの検出のためのインヴィトロでの技術には、サザンハイブリダイゼーション法及びインサイツハイブリダイゼーション蛍光法(FISH)が含まれる。さらに、IFI206を検出するためのインヴィボでの技術には、被検対象へ標識化された抗IFI206抗体を導入することが含まれる。例えば、抗体は、被検対象中における存在及び局在が標準的な画像化技術で検出することができる放射活性マーカーで標識化することができる。
一実施態様において、被検対象由来の生物学的サンプルには、タンパク質分子、及び/又はmRNA分子、及び/又はゲノムDNA分子が含まれる。好ましい生物学的サンプルは血液である。
他の実施態様において、さらにある方法が、コントロールを提供するために被検対象由来の生物学的サンプルを得ること、IFI206、mRNA、又はゲノムDNAを検出するために該サンプルを化合物又は薬剤と接触させること、及びテストサンプル中のIFI206、mRNA又はゲノムDNAの存在と、コントロール中のIFI206、mRNA又はゲノムDNAの存在を比較することに関与する。
また、本発明は生物学的サンプル中のIFI206を検出するためのキットも包含する。例えば、キットには:サンプル中のIFI206又はIFI206 mRNAを検出することができる標識化化合物又は薬剤;サンプル中のIFI206の量を決定するための試薬及び/又は装置;及びサンプル中のIFI206の量を標準と比較するための試薬及び/又は装置が含まれる。化合物又は薬剤は適切な容器中に包装される。キットはさらにIFI206又は核酸を検出するためにキットを使用するための使用説明書を含み得る。
【0078】
2.予後のアッセイ
ここで記載された診断上の方法は、さらに、異常なIFI206発現又は活性に関連した疾病又は疾患の進行の危険性を持つ又は危険状態にある被検対象を同定するために利用され得る。例えば、ここで記載されたアッセイは、IFI206、核酸発現又は活性に関連した疾病又は疾患の進行の危険性を持つ又は危険状態にある被検対象を同定するために使用され得る。或いは、予後のアッセイは疾病又は疾患の進行に関する危険性を持ち又は危険状態にある被検対象を同定するするために使用され得る。本発明は、異常なIFI206発現又は活性と関連する疾病又は疾患であって、テストサンプルが被検対象から得られ、IFI206又は核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)が検出される疾病又は疾患を同定する方法を提供する。テストサンプルは被検対象由来の生物学的サンプルである。例えば、テストサンプルは生物学的体液(例えば、血清)、細胞サンプル、又は組織であり得る。
予後のアッセイは、被検対象が異常なIFI206発現又は活性と関連する疾病又は疾患を治療するための様式(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチドミメチックス、タンパク質、ペプチド、核酸、小分子、食物など)を投与し得るかどうか決定するために使用することができる。そのような方法は、被検対象が疾患に対する薬剤で有効に治療され得るかどうか決定するために使用され得る。本発明は、テストサンプルが得られ、IFI206又は核酸が検出される被検対象が異常なIFI206発現又は活性と関連した疾患のための薬剤によって効果的に治療され得るかどかを決定するための方法(例えば、IFI206又は核酸の存在が、異常なIFI206発現又は活性と関連した疾患を治療するための薬剤を投与し得る被検対象に対する診断)を提供する。
また、本発明の方法は、遺伝的な損傷を持つ被検対象が異常な細胞増殖、分化、又は肥満によって特徴付けられる疾患に対する危険性があるかどうか決定するためにIFI206における遺伝的な損傷を検出するために用いられ得る。被検対象由来のサンプル中において、変更位置におけるIFI206ポリペプチドをコードする遺伝子の完全性に影響を与えることにより特徴付けられる遺伝的損傷、又はIFI206の異常発現の存在又は非存在を検出することが含まれる。そのような遺伝的損傷は、:(1)IFI206由来の一又は複数の核酸の欠損;(2)一又は複数の核酸のIFI206への付加;(3)IFI206中での一又は複数のヌクレオチドの置換;(4)IFI206遺伝子の染色体再構成;(5)IFI206mRNA転写産物のレベルの変更、(6)ゲノムDNAのメチル化の変化などのIFI206の異常な修飾、(7)IFI206mRNA転写産物の非野生型スプライシングパターンの存在、(8)IFI206の非野生型タイプのレベル、(9)IFI206の対立遺伝子座の欠失、及び/又は(10)IFI206ポリペプチドの不適切な翻訳後修飾、を確認することによって検出され得る。IFI206における損傷を検出するために使用され得る多くの既知のアッセイ技術が存在する。有核細胞を含む何れの生物学的サンプルを使用してもよい。
【0079】
ある実施態様において、損傷の検出は、アンカーPCR又はcDNA末端の迅速な増幅(RACE)PCRなどのポリメラーゼ鎖反応(PCR)(例えば、(Mullis,米国特許第4,683,202号, 1987;Mullis等, 米国特許第4,683,195号, 1987)において、或いは、ライゲーション鎖反応(LCR)(例えば、(Landegren等, 1988;Nakazawa等, 1994)においてプローブ/プライマーを用いてもよく、後者は特にIFI206遺伝子群における点突然変異を検出するために有用である(Abravaya等, 1995)。この方法には被検対象からサンプルを収集すること、サンプルから核酸を単離すること、IFI206(存在するならば)のハイブリダイゼーション及び増幅が生じるような条件下で、IFI206と特異的にハイブリダイズ化する一又は複数のプライマーと核酸とを接触させること、及び増幅産物の存在又は非存在を検出すること、又は増幅産物のサイズを検出すること、及び長さをコントロールサンプルと比較することが含まれる。PCR及び/又はLCRは、ここで記載された突然変異を検出するために使用される何れかの技術と共に、予備的な増幅ステップとして使用するのが望ましいと予想される。
二者択一的増幅法には、:自己持続性配列複製(Guatelli等, 1990)、転写増幅系(Kwoh等, 1989);Qβ複製(Lizardi等, 1988)、又はその他何れかの核酸増幅方法が含まれ、その後、当業者にとって周知の技術を用いて増幅された分子を検出する。これらの検出計画は特に低い存在量での核酸の存在の検出にとって有用である。
サンプルのIFI206中の変異は、制限酵素の切断パターンの変化によって同定することができる。例えば、サンプル及びコントロールDNAが単離され、増幅され(付加的に)、一又は複数の制限エンドヌクレアーゼによって切断され、断片の長さがゲル電気泳動によって決定され、比較される。サンプルとコントロールDNAとの断片の長さにおける違いは、サンプルDNA中の変異を示す。さらに、配列特異的なリボザイムの配列の使用は、リボザイムの切断部位の発生又は喪失によって特異的突然変異の存在に関してスコアー化するために用いるいことができる。
サンプル及びコントロール核酸、例えばDNA又はRNAを数百又は数千ものオリゴヌクレオチドプローブを含む高密度アレイに対してハイブリダイズすることにより、IFI206中の遺伝的変異を同定することができる(Cronin等, 1996;Kozal等, 1996)。例えば、IFI206中の遺伝的変異は、Cronin,等, 上掲中に記載されるように、光産生DNAを含む2次元アレイ中で同定することができる。簡単には、プローブの第一のハイブリダイゼーションアレイは、配列間の塩基の変化を同定するため、連続的にオーバーラップするプローブの直線的なアレイを作製することにより、サンプル及びコントロール中のDNAの長いストレッチを通してスキャンするために使用することができる。このステップは、点突然変異の同定を可能ならしめる。この次に、検出されるべき全ての変異又は突然変異と相補的な、より小さく、特定化されたプローブアレイを用いることによって第二のハイブリダイゼーションアレイが行われる。各突然変異アレイは、一方は野生型遺伝子に相補的で、他方は突然変異遺伝子に相補的である、対応するプローブセットによって構成される。
さらに他の実施態様において、当該技術分野において知られている種々の配列決定反応の何れかが、IFI206配列を直接決定し、サンプルIFI206の配列を対応する野生型(コントロール)配列と比較することによって突然変異を決定するために使用することができる。配列決定反応の例には、古典的な技術に基づくものが含まれる(Maxam及びGilbert, 1977;Sanger等, 1977)。種々の自動配列決定方法の何れかが、マススペクトロメーターによる配列決定(Cohen等, 1996;Griffin及びGriffin, 1993;Koster, 国際公開第94/16101号, 1994)を含む予後的なアッセイ(Naeve等, 1995)を実施する場合に使用することができる。
【0080】
IFI206中の突然変異を検出するための他の方法には、切断剤からの保護がRNA/RNA又はRNA/DNAのヘテロ二重鎖におけるミスマッチの塩基を検出するために用いられるような方法が含まれる(Myers等, 1985)。一般に、「ミスマッチ切断」の技術は、野生型IFI206を含む(標識化)RNA又はDNAをサンプル由来の潜在的に変異のあるRNA又はDNAとハイブリダイズ化することによって形成されるヘテロ二重鎖を提供することにより開始する。二本鎖化二重鎖は、コントロールとサンプル鎖の間の塩基対ミスマッチから生じるような二重鎖の一本鎖領域を切断する薬剤によって処理される。例えば、RNA/DNA二重鎖は、RNaseで処理することができ、DNA/DNAハイブリッドはSヌクレアーゼによってミスマッチ領域を酵素的に切断するために処理することができる。他の実施態様では、DNA/DNA又はRNA/DNAのいずれかの二重鎖が、ミスマッチ領域を切断するためにヒドロキシルアミン、四酸化オスミウム及びピペリジンで処理することができる。切断された物は、その後、突然変異部位を決定するために変性ポリアクリルアミド上でサイズにより分離される(Grompe等, 1989;Saleeba及びCotton, 1993)。コントロールDNA又はRNAは検出のための標識することができる。
ミスマッチ切断反応は、細胞サンプル由来のIFI206cDNA中で点突然変異を検出し、マッピングするために確定された系において二本鎖DNA中にミスマッチ塩基対を認識する(DNAミスマッチ修復)一又は複数のタンパク質を用いてもよい。例えば、大腸菌のmutY酵素はG/AミスマッチにおいてAを切断し、HeLa細胞由来のチミジンDNAグリコシル酵素はG/TミスマッチにおいてTを切断する(Hsu等, 1994)。典型的な実施態様に従うと、野生型IFI206配列に基づくプローブは、テスト細胞由来のcDNA又は他のDNA産物とハイブリダイズ化する。二重鎖はDNAミスマッチ修復酵素で処理され、切断産物は、もしあれば、電気泳動法又は類似の方法で検出することができる(Modrich等, 米国特許第5,459,039, 1995)。
電気泳動上の移動度の変化は、IFI206における突然変異を同定するために用いることができる。例えば、一本鎖構造多型(SSCP)は突然変異と野生型核酸との電気泳動上の移動度における差を検出するために用いてもよい(Cotton, 1993;Hayashi, 1992;Orita等, 1989)。サンプル及びIFI206核酸の一本鎖DNA断片は変性させた後再構成させる。一本鎖核酸変異体の二次構造は配列により変動する;電気泳動度において生じる変化により一塩基の変化でさえ検出可能である。DNA断片は標識プローブにより標識され又は検出されてもよい。アッセイの感度はRNA(DNAよりはむしろ)を用いることにより増強され、この場合二次構造が配列変化に対してより感受性になる。対象の方法は、電気泳動上の移動度における変化に基づいて二本鎖のヘテロ二重鎖分子を分離するためにヘテロ二重鎖分析を用いることができる(Keen等, 1991)。
【0081】
突然変異又は野生型断片の移動度は、変性濃度勾配ゲル電気泳動を用いてアッセイすることができる(DGGE;(Myers等, 1985))。DGGEにおいて、DNAは完全な変性を防ぐために、例えば約40bpの高融点GCリッチDNAのGCクランプをPCRによって付加することにより修飾される。また、コントロールとサンプルDNAの移動度における差を同定するために変性濃度勾配の代わりに温度勾配を用いてもよい(Rossiter及びCaskey, 1990)。
点突然変異を検出するための他の技術の例には、限定はしないが、選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増幅法、又は選択的プライマー伸長法が含まれる。例えば、オリゴヌクレオチドプライマーは、既知の突然変異が中心部分に引き起こされた後、完全にマッチが確認される場合にのみハイブリダイゼーションが可能となる条件下で標的DNAとハイブリダイズ化されるように調製される(Saiki等, 1986;Saiki等, 1989)。このような対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドはオリゴヌクレオチドがハイブリダイズメンブレンに付着されると、PCR増幅標的又は多くの異なる突然変異に対してハイブリダイズし、標識された標的DNAとハイブリダイズ化される。
或いは、選択的PCR増幅に依存する対立遺伝子特異的な増幅技術が用いられてもよい。特異的増幅のためのオリゴヌクレオチドプライマーは、分子の中心部分に(増幅が差次的ハイブリダイゼーションに依存するように(Gibbs等, 1989))、又は適切な条件下においてミスマッチを防ぐか又はポリメラーゼの伸長を減少させるように一方のプライマーの3’末端に(Prosser, 1993)目的の突然変異を保持する。変異領域における新規制限酵素部位が、切断に基づく検出を引き起こすために導入されてもよい(Gasparini等, 1992)。また、特定の増幅は増幅に関してTaqリガーゼを用いて行ってもよい(Barany, 1991)。このような場合において、ライゲーションは5’配列の3’端で完全にマッチする場合にのみ生じ、増幅をスコアー化することにより既知の突然変異の検出を可能にする。
上述の方法は、例えば、IFI206に関する疾病又は病気の症状又は家族経歴を示す被検対象を診断するための臨床的な設定において用いられる少なくとも1つのプローブ(核酸又は抗体)を含むプレパックのキットを使用することにより実施してもよい。
さらに、IFI206が発現されている任意の細胞型又は組織がここで記述された予後アッセイにおいて利用されてもよい。
【0082】
3.薬理ゲノム学
スクリーニングアッセイによって同定されるような、IFI206活性又は発現に対して刺激的又は阻害的な影響を及ぼす薬剤又は修飾因子を、肥満を含む疾患を予防的又は治療的に処置されるべき個人に対して投与することができる。このような治療に関して、薬理ゲノム学(即ち、被検対象の遺伝子型と、食物、化合物又は薬剤などの外来の様式に対する被検対象の反応との関連性に関する研究)が検討され得る。治療物上の代謝的相違は、薬理学的に活性な薬剤の投与量と血中濃度との関係を変更させることによって、重篤な毒性又は治療上の過誤を導く可能性がある。従って、個人の薬理ゲノム学は、個人の遺伝子型の考慮に基づき予防的又は治療的処置に対して有効な薬剤(例えば、薬物)の選択を可能ならしめる。さらに、薬理ゲノム学は適切な用量及び治療計画を決定するために使用することができる。従って、個人におけるIFI206の活性、IFI206核酸の発現、又はIFI206の突然変異群は、治療上又は予防上の処置に対して適切な薬剤の選択を導くために決定され得る。
薬理ゲノム学は、病気に罹った人における様式の変化した性質及び異常な作用が原因である様式に対する反応における臨床的に有意な遺伝性の変異を扱う(Eichelbaum及びEvert, 1996;Linder等, 1987)。一般に、2つの薬理ゲノム学的状態が区別される:(1)様式と身体との相互作用を変化させる単独の因子(変化した薬物作用)として伝達される遺伝的状態又は(2)身体が様式に対して反応する方法を変化させる単独の因子(変化した薬物代謝)として伝達される遺伝的状態。これらの薬理ゲノム学的状態は、希な欠損又は核酸多型として生じ得る。例えば、グルコース−6−リン酸脱水素酵素(G6PD)の欠損は、主な臨床上の合併症が酸化的薬物(抗マラリア性薬、サルファ剤、鎮痛剤、ニトロフラン)の摂取及び空豆の消費後の溶血である一般的な遺伝性の酵素異常症である。
例証となる実施態様として、薬物代謝酵素の活性は、薬物活性の強度及び持続時間の主な決定要因である。薬物代謝酵素(例えば、N−アセチル転移酵素2(NAT2)及びチトクロームP450酵素CYP2D6及びCYP2C19)の遺伝的多型の発見により、標準的で安全な薬物用量を採用した後に過剰な薬物反応及び/又は重篤な毒性を示す被検対象達の現象が説明される。これらの多型は個体集団中の2つの表現型、多大な代謝型(EM)及び乏しい代謝型(PM)として発現される。PMの有病率は異なる集団間で異なる。例えば、CYP2D6遺伝子は高度に多型を示し、幾つかの突然変異がPMにおいて同定されており、それら全てが機能的CYP2D6 が存在しないことを導く。 突然変異体CYP2D6及びCYP2C19による乏しい代謝型は、標準的な用量を摂取する場合において、過剰な薬物反応及び副作用を頻繁に経験する。代謝産物が活性な治療成分である場合、PMはCYP2D6で形成される代謝産物のモルヒネによって介されるコデインの鎮痛効果に関して示されるような治療的反応はなんら示さない。他に極端な場合として、標準的な用量には反応しない、いわゆる超急速代謝型が挙げられる。最近、超急速代謝の分子的基礎がCYP2D6遺伝子の増幅に原因することが同定されている。
個体中でのIFI206の活性、IFI206核酸、又はIFI206突然変異含有量が個人の治療的又は予防的処置に対する適切な薬剤を選択するために決定することができる。さらに、薬理ゲノム学研究は、薬物代謝酵素をコードする多型的な対立遺伝子の遺伝子型タイピングを個々の薬物反応表現型の同定に適用するために用いることができる。投薬又は薬物選択に適用する場合、この知識は有害な反応又は治療的過誤を避け、その結果、記述の典型的スクリーニングアッセイの一つにより同定される修飾因子のようなIFI206修飾因子で被検対象を治療する場合、治療的又は予防的効果を増強させることができる。
【0083】
4.臨床的治験における効果のモニター
IFI206の活性発現又は活性(例えば、異常な細胞増殖及び/又は分化を修飾する能力)に対する薬剤(例えば、薬物、化合物)の影響をモニターすることは、基本的な薬物スクリーニングのみならず、臨床的治験においても適用することができる。例えば、IFI206発現、タンパク質レベル、又は上方制御されたIFI206活性を増大させるためのスクリーニングアッセイによって決定される薬剤の効果は、減少したIFI206発現、タンパク質レベル、又は下方制御されたIFI206活性を示す被検対象の臨床的治験においてモニターすることができる。或いは、IFI206発現、タンパク質レベル、又は下方制御されたIFI206活性を減少させるためのスクリーニングアッセイによって決定される薬剤の効果は、増大したIFI206発現、タンパク質レベル、又は上方制御されたIFI206活性を示す被検対象の臨床的治験においてモニターすることができる。このような臨床的治験において、IFI206及び、好ましくは、例えば肥満に関係する他の遺伝子の発現又は活性は、特定の細胞の反応性に対する「出力」又はマーカーとして用いることができる。
例えば、様式(例えば、食物、化合物、薬物又は小分子)による治療により細胞中において調節されるIFI206を含む遺伝子が同定され得る。細胞増殖疾患に対する薬剤の影響を研究するために、例えば、臨床的治験において、細胞が単離され、RNAが調製され、IFI206及び該疾患に関係する他の遺伝子の発現レベルについて分析される。遺伝子の発現パターンは、ノーザンブロット分析、核ラン・オンアッセイ又はRT−PCR実験により、又はタンパク質の量を測定することにより、又はIFI206又は他の遺伝子産物の活性レベルを測定することにより定量することができる。このように、遺伝子の発現パターン自体は、薬剤に対する細胞内の生理的反応を示すマーカーとして役立ち得る。従って、この反応状態は、薬剤で個人を治療する前、及び治療中の種々の時間点において決定される可能性がある。
本発明は、(1)被検対象から投与前のサンプルを得る;(2)投与前のサンプル中のIFI206、mRNA、又はゲノムDNAの発現レベルを検出する;(3)被検対象から一又は複数の投与後のサンプルを得る;(4)投与後のサンプル中のIFI206、mRNA、又はゲノムDNAの発現又は活性のレベルを検出する;(5)投与前のサンプル中のIFI206、mRNA、又はゲノムDNAと投与後のサンプル中のIFI206、mRNA、又はゲノムDNAの発現又は活性のレベルとを比較する;及び(6)結果に応じて被検対象に対する薬剤の投与を変化させるステップを含む、薬剤(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、タンパク質、ペプチド、核酸、小分子、食物又はここで記述のスクリーニングアッセイによって同定された他の薬物候補)による被検対象の治療の効果をモニターするための方法を提供する。例えば、薬剤の増大した投与により、検出されているレベルよりもさらに高いレベルにまでIFI206の発現又は活性を増大させること、即ち、薬剤の効果を増大させることが望ましい。或いは、薬剤の減少した投与により、検出されているレベルよりもさらに低いレベルにまでIFI206の発現又は活性を減少させること、即ち、薬剤の効果を減少させることが望ましい。
【0084】
5.治療方法
本発明は、異常なIFI206発現又は活性と関係した疾患の危険性があり(又は感受性であり)又は疾患を有する被検対象を治療するための予防的及び治療的方法を提供する。疾患には肥満が含まれる。さらに、これらと同じ治療方法が、IFI206の発現又は活性レベルを変化させることにより、体重減少を誘導し、又は体重減少を亢進させるために用いられてもよい。
6.疾病及び疾患
増大したIFI206レベル又は生物学的活性によって特徴付けられる疾病及び疾患は、活性をアンタゴナイズする(即ち、減少又は阻害する)治療物によって治療される。アンタゴニストは治療的又は予防的方法で投与される。用いられる治療物は、:(1)IFI206ペプチド、又はその類似体、誘導体、断片又は相同体;(2)IFI206ペプチドに対するAbs;(3)IFI206核酸:(4)アンチセンス核酸及び相同組換えによって(Capecchi, 1989)内在性の機能を除去するために用いられる「機能障害性の」(即ち、コード化配列中における異種性の挿入による)核酸;又は(5)IFI206とその結合相手との相互作用を変化させる修飾因子(即ち、阻害因子、アゴニスト及びアンタゴニストであって、本発明の更なるペプチドミメチック又はIFI206に特異的なAbsを含む)などを含む。
減少したIFI206レベル又は生物学的活性によって特徴付けられる疾病及び疾患は、活性を増大させる(即ち、アゴニストとなる)治療物によって治療される。活性を上方制御する治療物は、治療的又は予防的に投与される。用いられる治療物には、ペプチド、又はその類似体、誘導体、断片又は相同体;又は生物学的利用性を増大させるアゴニストが含まれる。
同様に、疾病及び疾患を治療するために用いられるのと同じ治療物が肥満を減少させ又は体重増加を誘導するためにも用いられる。
増大または減少したレベルは、ペプチド及び/又はRNAを定量することにより、被検対象の組織サンプル(例えば、組織診からの)を得てインヴィトロでRNA又はペプチドレベル、構造及び/又は発現ペプチド(又はIFI206mRNA)の活性をアッセイすることにより容易に検出することができる。限定はしないが、方法にはイムノアッセイ(例えば、ウェスタンブロット分析、免疫沈降後のドデシル硫酸(SDS)ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、免役組織化学、など)及び/又はmRNAsの発現を検出するためのハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、ノーザンアッセイ、ドットブロット、インサイツハイブリダイゼーション及び類似した方法)が含まれる。
【0085】
7.予防的方法
本発明は、被検対象において、異常なIFI206発現又は活性と関連する疾病又は状態を、IFI206の発現又はIFI206活性の少なくとも1つを修飾する薬剤を投与することにより防止するための方法を提供する。異常なIFI206発現又は活性によって引き起こされ又は助長される疾病に対する危険のある被検対象は、例えば、診断上の又は予後的なアッセイの何れか又は組み合わせによって同定することができる。予防的薬剤の投与は、疾病又は疾患が防止され、或いは、その進行が遅れるように、IFI206異常性に特徴的な症状の出現前に行われる。IFI206の異常性のタイプに依存して、例えば、IFI206アゴニスト又はIFI206アンタゴニストが被検対象を治療するために用いられる。適切な薬剤は、スクリーニングアッセイに基づいて決定され得る。
8.治療的方法
本発明の他の態様は、治療目的のためにIFI206発現又は活性を調節するための方法に関する。本発明の修飾的方法には、細胞に関連する一又は複数のIFI206活性を調節する薬剤と細胞を接触させることが含まれる。IFI206活性を調節する薬剤は、核酸又はタンパク質、天然に生じる同起源のIFI206リガンド、ペプチド、IFI206ペプチドミメチック、又は他の小分子であり得る。該薬剤はIFI206活性を刺激する。そのような刺激性薬剤の例には、活性IFI206及び細胞中へ導入されるIFI206核酸分子が含まれる。他の実施態様において、該薬剤はIFI206活性を阻害する。阻害性薬剤の例には、アンチセンスIFI206核酸及び抗IFI206Absが含まれる。調節方法は、インヴィトロ(例えば、細胞を薬剤と共に培養することにより)で、又はインヴィボ(例えば、被検対象に薬剤を投与することにより)で実施することができる。このように、本発明はIFI206又は核酸分子の異常な発現又は活性によって特徴付けられる疾病又は疾患に悩まされている個人を治療するための方法を提供する。一実施態様において、該方法は、薬剤(例えば、スクリーニングアッセイによって同定された薬剤)、又はIFI206発現又は活性を調節する(例えば、上方制御又は下方制御)薬剤の組み合わせを投与することに関与する。他の実施態様において、該方法は、減少した又は異常なIFI206活性又は活性を補償するための治療としてIFI206又は核酸分子を投与することに関与する。
IFI206活性の刺激は、IFI206が異常に下方制御され、及び/又は増大したIFI206活性がおそらく有利な効果を有するような状況にあるのが望ましい。そのような刺激の一例は、被検対象が異常な細胞増殖及び/又は分化(例えば、癌又は免疫関連疾患)によって特徴付けられる疾患を持つ場合である。このような状態の他の例は肥満である。
【0086】
9.治療上の生物学的影響の決定
インヴィトロ又はインヴィボでの適切なアッセイは、特異的な治療物の効果を決定し、その投与が発症した組織の治療に対して望ましいかどうかを決定するために実施され得る。
種々の特定の実施態様において、インヴィトロのアッセイは任意の治療物がその細胞タイプ(群)に所望の効果を発揮するかどうか決定するために、被検対象の疾患に関与するタイプ(群)の代表的な細胞を用いて行われる。治療における使用に対する様式は、ヒト被検対象での治療に先立ち、限定はしないが、ラット、マウス、チキン、ウシ、サル、ウサギ、その他同種類のものを含む適切な動物モデル系においてテストされる。同様に、インヴィボでのテストに対して、当該技術分野における動物モデル系の何れかがヒト被検対象への投与に先立ち用いられる。
10.本発明の組成物の予防的及び治療的使用
IFI206核酸及びタンパク質は、限定はしないが、肥満を含む様々な疾患に関わる潜在的な予防的及び治療的適用において有用である。
例として、IFI206をコードするcDNAは、遺伝子治療において有用であり、タンパク質は、それが必要とされる被検対象へ投与される場合に有用である。非限定的な例として、本発明の組成物は、不妊症に悩む被検対象の治療に対する効果を有するであろう。
また、IFI206核酸又はその断片も診断上の適用において有用であって、核酸又はタンパク質の存在又は量が評価される。さらなる使用には、抗菌的分子(即ち、あるペプチドが抗菌的性質を有することが見出されている)としての使用がある。これらの物質は、治療的又は診断的方法における使用にとって、本発明の新規物質と免疫特異的に結合するAbsの生産において有用である。
【0087】
実施例
1.cDNAライブラリーの構築
KIDNNOT05cDNAライブラリーは、無酸素症の女児腎臓から除去された組織(ロット番号RU95−04−0274;国立高度医学研究所、Exton Pa.)から構築された。凍結組織は、グアニジンイソチオシアネート溶液中でブリンクマンホモジナイザーポリトロンPT−3000(Brinkmann Instruments Inc., Wesrbury N.Y.)で即座にホモジナイズされ、細胞が溶解された。その後、溶解物は5.7M CsClクッション上に添加され、SW28スウィングバケットローターで18時間、25,000rpmで室温にて超遠心された。RNAはpH4.0で一回酸フェノール抽出し、0.3M酢酸ナトリウム及び2.5倍量のエタノールで沈殿させ、DEPC処理した水に再懸濁し、25分間、37℃でDNAse処理した。反応は、pH8.0の等量のフェノールで停止させ、RNAは上述のように処理した。RNAはQiagen Oligotex kit(QIAGEN社、Chatsworth Calif.)を用いて単離され、cDNAライブラリーを構築するために用いられた。
RNAはSuperScript Plasmid System for cDNA Synthesis 及びPlasmid Cloning(カタログ番号18248−013;Gibco/BRL)の推奨される方法に従って取り扱われた。cDNAはSepharose CL4Bカラム(カタログ番号275105, Pharmacia)で分画され、400bpを超えるcDNAはpSport I中にライゲートされた。プラスミドpSport Iは引き続きDH5a.TM.コンピテント細胞(カタログ番号18258−012, Gibco/BRL)中に形質転換された。
【0088】
2.cDNAクローンの単離及び配列決定
プラスミドDNAは細胞から遊離され、Miniprep kit(カタログ番号77468;Advanced Genetic Technologies社、Gaithersburg Md.)を用いて精製された。本キットは、960精製用に試薬の入った96ウェルブロックから構成される。以下の変更を除いて推奨される方法が用いられた:1)96ウェルには25mg/Lのカルベニシリン及び0.4%のグリセロールを含んだ滅菌Terrific Broth(カタログ番号22711, LIFE TECHNOLOGIES.TM., Gaithersburg Md.)の1 mlのみが添加された;2)バクテリアはウェルに植菌後24時間培養され、その後60μlの溶解バッファーで溶解させた;3)ベックマンGS−6Rを用いた2900rpm、5分間の遠心のステップは、ブロックの含有物が第一のフィルタープレートに添加される前に行われた;及び4)TRISバッファーにイソプロパノールを添加する任意のステップは、常には行われなかった。方法の最後のステップの後、サンプルは保存のためにベックマン96ウェルブロック移された。
cDNAはSanger F及びAR Coulson(1975;J Mol Biol 94:441f)の方法により、4つのPeltier Thermal Cycler(MJ ResearchのPTC200, Watertown Mass.)を組合わせたHamilton Micro Lab 2200(Hamilton, Reno Nev.)、Applied Biosystems 377又は373 DNA Sequencing Systems(Perkin Elmer)を用いて配列決定され、読み枠が決定された。
3.cDNAクローン及び推測されるタンパク質との相同性
各cDNAは、Applied Biosystemsによって開発されたサーチアルゴリズムを用いてGenBankの配列と比較され、INHERIT−670 Sequence Analysis System中に取り込まれた。アルゴリズムにおいて、Pattern Specification Language(TRW社, Los Angeles Calf.)が相同領域を決定するために用いられた。配列比較が如何に行われるか決定する3つのパラメーターは、ウィンドウサイズ、ウィンドウオフセット、及びエラートレランスであった。これら3つのパラメーターを用いて、DNAデータベースが、クエリー配列との相同領域を含む配列に関してサーチされ、適切な配列が初期値でスコアー化された。次いで、これらの相同領域はドットマトリックス相同プロットを用いて偶然の一致から相同領域を区別するために検討された。スミス−ウォーターマン整列法が相同性サーチの結果を示すのに用いられた。
ペプチド及びタンパク質配列の相同性は、INHERIT.TM. 670 Sequence Analysis Systemを用いて、DNA配列相同性において用いられるのと同様な方法で評価された。Pattern Specification Language及びパラメーターウィンドウは、初期値でスコアー化された相同領域を含む配列に関するタンパク質データーベースをサーチするのに使用された。ドットマトリックス相同プロットは偶然の一致から有意な相同性領域を区別するため検討された。
BLASTは、Basic Local Alignment Search Tool(Altschul SF(1993 )J Mol Evol 36:290−300;Altschul, SF等(1990) J Mol Biol 215:403−10)を意味し、局所的な配列アライメントについてサーチするために使用される。アライメントの局所的性質により、BLASTは特に正確な一致の決定又は相同体の同定において有用である。BLASTはギャップを含まない一致に対して有用である。BLASTアルゴリズムの結果の基本的なユニットは、ハイスコアー化セグメントペアー(HSP)である。
HSPは、アライメントが局所的に最大となり、アライメントスコアーが閾値又は使用者によりカットオフ設定値を同じ又は超えるような、任意ではあるが等しい長さの2つの配列断片から成る。BLASTのアプローチは、クエリー配列とデーターベース配列との間のHSPを見つけ出し、見出された何らかの一致の統計学的有意性を評価し、有意性に対して使用者が選択した閾値を満足させるような一致のみ報告することである。パラメーターEは、データーベースの配列一致を報告するために統計学的に有意な閾値を確立する。Eは全データーベースサーチの脈絡の範囲内でHSPの偶然生じる予想される頻度(又はHSPSのセット)の上限と解釈される。その一致がEを満足させるものは全てプログラム結果中に報告される。
【0089】
4.ノーザン分析
ノーザン分析は遺伝子の転写産物の存在を検出するために用いられる研究室における技術であり、特定の細胞タイプ又は組織由来のRNAが結合しているメンブレンと標識ヌクレオチド配列とのハイブリダイゼーションに関わる(Sambrook等, 上掲)。
類似のコンピューター技術は、GenBankなどのヌクレオチドデーターベース中に同一又は関連性のある分子をサーチするためにBLAST(Altschul SF 1993及び1990, 上掲)を用いる。この分析は、複数のメンブレンによるハイブリダイゼーションより非常に速い。さらに、コンピューターサーチの感度は如何なる特定の一致が正確な又は相同なものとして分類されるかを決定するために修飾することができる。
サーチの基本は、:##EQU1##として定義される結果スコアーであり、これは2つの配列間の類似の程度と一致配列の長さの両方を考慮する。例えば、40の結果スコアーは、一致が1−2%エラー範囲の正確さであり、70の場合は、一致が正確であることになる。相同的な分子は通常15から40の間の結果スコアーを示すものを選択することによって同定されるが、より低いスコアーも関連分子を同定する。
サーチ結果は完全長配列又はその断片が表されるライブラリー、配列の存在度、存在度の割合のリストとして報告される。
5.マウスIFI206の存在度を定量するための実時間定量PCR分析(TaqMan sytem)
個々のマウスの肝臓又は微粉砕されたSKM由来の全RNA標品が調製され(特級試薬;Biotecx Laboratories, Houston TX)、定量的実時間逆転写PCR(RT−PCR)を用いた後取扱い説明書(GIBCO BRL, Grand Island NY)に従ってサンプルをDNaseで切断してmRNAの存在度をアッセイした。この系ではマウスIFI206に特定なプライマーとプローブを用いた。18Sプライマー/プローブはPerkin−Elmer Applied Biosystems(Foster City, CA)から購入した。反応及び検出はモデル7700Sequence Detector及びTaqMan試薬(PE Applied Biosystems;Boston,MA)を50μLで用い、:100ng RNA, 3mM MgCl, 反応バッファーA(1X), 12.5U MuLV逆転写酵素, 1.25U TaqGold, 順方向及び逆方向プライマー(0.01O.D.ea.)及び0.1μMプローブ(注記:18S分析では240pg RNA, 5.5mM MgCl, 及び0.05μM プローブ/プライマーが用いられた)を含んで実施された。サイクルコンディションは:50℃ 15分及び95℃ 10分、続いて95℃15秒及び60℃ 1分で40サイクル行った。18S mRNA存在度は添加のコントロールとして用いられ、ここで報告される全ての値は18S訂正値を示す。
TaqMan オリゴ配列:
配列番号:19
<mulFlhlog.for1>TGGAAATAAATAGGCAAGAAAGCA
配列番号:20
<mulFlhlog.rev1>TCTCGCCTTCTTTCAGATGTAACA
配列番号:5
<mulFlhlog.probe1>TCCTGCACACCTACATCAACTACAAGCCAC
【0090】
実施例6及び7は予想的なものである:
6.IFI206の全長への又は制御エレメントを回復するための伸長
全長IFI206(配列番号:2)をコードする核酸配列は、部分ヌクレオチド配列を全長へ伸長させるため、又はゲノムライブラリーから5’配列を得るためにオリゴヌクレオチドプライマーを設計するのに用いられる。一方のプライマーはアンチセンス方向(XLR)で伸長を開始するために合成され、他方はセンス方向(XLF)で配列を伸長させるために合成される。プライマーは対象領域に対する新規で未知のヌクレオチド配列を含む単位複製配列を「外側へ」生み出す既知のIFI206ヌクレオチド配列の伸長を可能にする。最初のプライマーはOLIGO.RTM.4.06 Primer Analysis Software(National Bisciences)、又は他の適切なプログラムを用いて、長さが22−30ヌクレオチドとなり、50%又はそれより多いGC含量を持ち、約68℃−72℃の温度で標的配列にアニールするようにcDNAから設計される。ヘアピン構造及びプライマー−プライマー二量体を生じさせるであろう如何なるヌクレオチドストレッチも回避される。
オリジナルな選択されたcDNAライブラリー又はヒトゲノムライブラリーは、配列を伸長させるために用いられた;後者は5’上流領域を得るのに最も有用である。さらに伸長が必要とされ又は望まれる場合、プライマーの更なるセットが既知領域をさらに伸長させるために設計される。
XL−PCR kit(Perkin Elmer)の説明書に従い、酵素及び反応ミックスを完全に混合することにより、高い正確さでの増幅が得られる。40 pmolの各プライマー及びキットの全ての構成要素の推奨される濃度で始める場合、PCRはPeliter Thermal Cycler(PCT200;MJ Research, Watertown Mass.)及び以下のパラメーターを用いて実施される:

ステップ1 94℃ 1分 (初期変性)
ステップ2 65℃ 1分
ステップ3 68℃ 6分
ステップ4 94℃ 15秒
ステップ5 65℃ 1分
ステップ6 68℃ 7分
ステップ7 ステップ4−6をさらに15サイクル繰り返す
ステップ8 94℃ 15秒
ステップ9 65℃ 7:15分
ステップ10 68℃ 6分
ステップ11 ステップ8−10を12サイクル繰り返す
ステップ12 72℃ 8分
ステップ 13 その後、 ℃で維持
反応が配列をうまく伸長させているかどうか決定するために、反応混合液の5−10μl分量が低濃度(約0.6−0.8%)アガロースのミニゲル中で電気泳動により分析される。最も大きな産物を含んでいると考えられるバンドが選ばれ、ゲルから切り出された。更なる精製は、QIAQuick.TM.(QIAGEN社)などの市販のゲル抽出法の使用を伴うものである。DNAの回収の後、Klenow酵素が一本鎖部分を削るために用いられ、ヌクレオチドの突出は再ライゲーション及びクローニングを容易にする平滑末端を生じさせた。
【0091】
エタノール沈殿の後、産物は13μlのライゲーションバッファー中に再懸濁させ、1μlのT4−DNAリガーゼ(15ユニット)及び1μlのT4ポリヌクレオチドキナーゼが添加され、混合液は2−3時間室温で、又は一晩16℃でインキュベートされる。コンピテントの大腸菌細胞(40μlの適当な培地中)は3μlのライゲーション混合液で形質転換され、80μlのSOC培地で培養される(Sambrook J等, 上掲)。37℃で1時間インキュベーションをした後、全形質転換混合液が2倍量の炭水化物を含んだLuria Bertani(LB)アガー(Sambrook J等, 上掲)上にプレーティングされる。次の日、各プレートから幾つかのコロニーがランダムに選ばれ、市販の滅菌済み96ウェルマイクロタイタープレート上の各ウェルに添加されている150μlの液体LB/2倍量炭水化物含有培地中で培養される。次の日、5μlの各一晩培養物が未滅菌の96ウェルプレート中に移され、1:10に水で希釈後、5μlの各サンプルがPCRアレイ中へ移される。
PCR増幅に対しては、4ユニットのrTthDNAポリメラーゼ、ベクタープライマー及び伸長反応に使用される遺伝子特異的プライマーの一又は両方を含む18μlの濃縮されたPCR反応混合液(3.3倍)が各ウェルに添加される。増幅は以下の条件を用いて実施される:

ステップ1 94℃ 60秒
ステップ2 94℃ 20秒
ステップ3 55℃ 30秒
ステップ4 72℃ 90秒
ステップ5 ステップ2−4をさらに29サイクル繰り返す
ステップ6 72℃ 180秒
ステップ その後、維持
PCR産物の分量は分子量マーカーとともにアガロースゲルで泳動される。PCR産物のサイズはオリジナルの一部cDNAと比較され、適当なクローンが選択され、プラスミドにライゲーションされて配列決定される。
【0092】
7.ハイブリダイゼーションプローブの標識化及び使用
配列番号:2に由来するハイブリダイゼーションプローブはcDNAs、ゲノムDNAs又はmRNAsをスクリーニングするために用いられる。約20塩基対を含むオリゴヌクレオチドの標識化は特別に記述されるが、基本的には同一の方法がより大きなcDNA断片とともに使用される。オリゴヌクレオチドはOLIGO4.06(National Biosciences)などの最先端のソフトウェアーを使用して設計され、50 pmolの各オリゴマー及び250mCiのγアデノシン三リン酸(Amersham, Chicago Ili.)及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ(DuPont NEN;Boston Mass.)を混合することで標識される。標識化されたオリゴヌクレオチドは実質的にSephadex G−25 super fineレジンカラム(Pharmacia)で精製される。1分間あたり10カウントの各センス及びアンチセンスオリゴヌクレオチドが以下のエンドヌクレアーゼ(AseI, BglII, EcoRI, PstI, Xba1, 又はPvuII;DuPont NEN)の一つで消化されたヒトゲノムDNAの典型的なメンブレンベースのハイブリダイゼーション分析で使用される。
各消化物由来のDNAは0.7%のアガロースゲルで分画され、ナイロンメンブレン(Nytran Plus, Schleicher及びSchuell, Durham N.H.)に転写される。ハイブリダイゼーションは16時間、40℃で行われる。非特異的シグナルを除くために、ブロットは引き続き室温にて、0.1Xクエン酸ナトリウムバッファー、及び0.5%ドデシル硫酸ナトリウムまで緊縮性条件を上昇させて洗浄される。XOMAT AR.TM.フィルム(Kodak, Rochester N.Y.)がPhosphoimagerカセット(Molecular Dynamics, Sunnyvale Calif.)中で、数時間ブロットに対して暴露され、ハイブリダイゼーションパターンが視覚的に比較される。
【0093】
均等性
特定の実施態様がここに詳細に開示されてあるが、これは例証の目的のための例としてのみ行われたもので、添付の請求の範囲に関し限定を加えることが意図されるものではない。特に、請求の範囲によって定められる本発明の精神及び範囲から逸脱せずに種々の置換、変更、及び修飾が本発明に対して行われることは、発明者によって考慮されることである。核酸出発物質、対象のクローン、又はライブラリーのタイプの選択は、ここで記述された実施態様に関する知識を有する一当業者にとって通常のことがらであると考えられる。他の態様、利点、及び修飾は、本請求の範囲内のものであると考えられる。
【0094】
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【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、グローバルシークエンス類似性(GCG:GAP)(A)、配列番号2と配列番号4との関係を示すマルチプルアライメント分析(BestFit(Genetics_Computer_Group_(GCG), 1999))(B)及びPHYLIPタンパク質距離解析を示す。Neighbor−Joining/UPGMA法、バージョン3.572c、ツリーにはルーツが無く、ネガティブブランチ長が許容される。配列番号2及び配列番号3及びインターフェロン誘導遺伝子(AIM2, GENBANK−ID:AF024714;GENBANK−ID:HUMIFI16|acc:M63838;IFI16B, GENBANK−ID:AF208043;IFI202, GENBANK−ID:MUSINA202|acc:M31418;IFI202B, GENBANK−ID:AF140672;IFI204, GENBANK−ID:MUSINA204|acc:M31419;IFI205D3, GENBANK−ID:MUSLPSINDA|acc:M74123;IFI3, GENBANK−ID:AF022371;MNDA, GENBANK−ID:HUMMCNDA|acc:M81750)のポリペプチドをコードするマウスとヒト遺伝子によってコードされるタンパク質の部分クリスタルW分析(Thompson,等, Nucleic Acids Research, 22(22):4673−4680)。(B)及び(C)は配列番号2及び配列番号4及び既知のインターフェロン誘導遺伝子に対するタンパク質配列との間の関係を示す。
【図2】図2はIFI206(A;配列番号:1)と天然発生突然変異体(B;配列番号:3)に関する疎水性プロット((GCG), 1999)を示す;X軸はアミノ酸位置を表し、正のY軸は疎水性を示す。
【図3】図3はAuto−RHMAPPERを用いて作成されたIFI206(配列番号:2/配列番号:4)の放射ハイブリッドマップを示す(Stein等, 1995)。
【図4】図4はIFI206変異体由来のポリペプチド配列のDOTPLOT及びCOMPARE分析を示す。
【図5】図5はIFI206変異体は主にWAT、BAT、骨格筋で発現し、心筋において非常に少量程度発現されることを示す。
【図6】図6は培養中のNIH3T3LI細胞の発育の間のIFI206発現の発現修飾を示す。IFI206ファミリーメンバーの発現はマウスNIH3T3LI脂肪細胞の成熟の間変化する。

Claims (58)

  1. 配列番号:2、配列番号:4又は配列番号:15の配列と少なくとも89.2%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド。
  2. 前記配列が活性なIFI206ポリペプチドの配列である請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 前記配列が、配列番号:2、配列番号:4又は配列番号15の配列と少なくとも90%の配列同一性を有する請求項2に記載のポリペプチド。
  4. 前記配列が、配列番号:2、配列番号:4又は配列番号15の配列と少なくとも98%の配列同一性を有する請求項2に記載のポリペプチド。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド、又は前記ポリヌクレオチドの相補鎖。
  6. 配列番号:1、配列番号:3又は配列番号:14の配列と少なくとも89.2%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、又は前記ポリヌクレオチドの相補鎖。
  7. 前記配列が、配列番号:1、配列番号:3又は配列番号:14の配列と少なくとも90%の配列同一性を有する請求項5又は6に記載のポリヌクレオチド、又は前記ポリヌクレオチドの相補鎖。
  8. 前記配列が、配列番号:1、配列番号:3又は配列番号:14の配列と少なくとも98%の配列同一性を有する請求項5又は6に記載のポリヌクレオチド、又は前記ポリヌクレオチドの相補鎖。
  9. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の配列のポリペプチドに特異的に結合する抗体。
  10. 組成物中のIFI206の量を定量する方法であって:
    前記組成物と請求項9に記載の抗体とを接触させることを含んで成る方法。
  11. 前記組成物中のIFI206に結合する前記抗体の量を測定することを更に含む請求項10に記載の方法。
  12. 化合物のIFI206アゴニスト又はアンタゴニスト活性を測定する方法であって:
    配列番号:2、配列番号:4又は配列番号:15の配列と少なくとも89.2%の配列同一性を有する核酸及びポリペプチドを含む組成物と前記化合物とを接触させることを含んで成る方法。
  13. 前記核酸が褐色脂肪細胞組織mRNAである請求項12に記載の方法。
  14. 前記ポリペプチドが、配列番号:2、配列番号:4又は配列番号:15の配列と少なくとも90%の配列同一性を有する請求項12及び13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記ポリペプチドが、配列番号:2、配列番号:4又は配列番号:15の配列と少なくとも98%の配列同一性を有する請求項12及び13のいずれか一項に記載の方法。
  16. 化合物のIFI206転写上方制御又は下方制御活性を測定する方法であって:
    化合物、RNAポリメラーゼ及び請求項5ないし8のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含む組成物中で転写されるmRNAの量を測定することを含む方法。
  17. 前記組成物が細胞中にある請求項16に記載の方法。
  18. 化合物のIFI206翻訳上方制御又は下方制御活性を測定する方法であって:
    化合物、リボソーム及び請求項5ないし8のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含む組成物中で翻訳されるポリペプチドの量を測定することを含む方法。
  19. 前記組成物が細胞中にある請求項18に記載の方法。
  20. 請求項5ないし8のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  21. 請求項20のベクターを含む細胞。
  22. IFI206関連疾患に関する被検対象をスクリーニングする方法であって:
    被検対象由来の組織サンプル中でのIFI206遺伝子発現を測定することを含んで成る方法。
  23. 前記IFI206遺伝子発現の測定がIFI206ポリペプチドの量を測定することである請求項22に記載の方法。
  24. 前記IFI206遺伝子発現の測定がIFI206ポリペプチドをコードするmRNAの量を測定することである請求項22に記載の方法。
  25. IFI206変異に関するサンプルをスクリーニングする方法であって:
    少なくともサンプル中のIFI206遺伝子の部分の配列と少なくとも配列番号:1、配列番号:3又は配列番号:14の対応する部分の配列を比較することを含んで成る方法。
  26. 配列番号:7−13から成るグループから選択される少なくとも2つの配列を含む融合ポリペプチド。
  27. 配列番号:7−13から成るグループから選択される少なくとも4つの配列を含む請求項26に記載の融合ポリペプチド。
  28. 配列番号:7−13から成るグループから選択される少なくとも6つの配列を含む請求項26に記載の融合ポリペプチド。
  29. 請求項26−28のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド、又は前記ポリヌクレオチドの相補鎖。
  30. 被検対象における感染の存在を測定する方法であって:
    被検対象由来のサンプル中のIFI206の量を測定することを含んで成る方法。
  31. 前記測定がサンプルをIFI206ポリペプチドと特異的に結合する抗体と接触させることを含む請求項30に記載の方法。
  32. 前記測定がサンプル中のIFI206遺伝子発現を測定することを含む請求項30に記載の方法。
  33. 様式(modality)の肥満減少活性を測定する方法であって:
    該様式で被検対象に投与し;及び
    被検対象におけるIFI206の量を測定することを含んで成る方法。
  34. 被検対象が糖尿病(db)のマウス、アグーチマウス、タッブマウス、POMCノックアウトマウス、ob/obマウス、脂肪ラット、及トゲマウスから成るグループから選択される請求項33に記載の方法。
  35. 被検対象の肥満を減少させる方法であって、被検対象中でのIFI206の活性を減少させることを含んで成る方法。
  36. 前記減少活性が被検対象中のIFI206遺伝子を破壊することを含む請求項35に記載の方法。
  37. 前記減少活性が、被検対象中でのIFI206mRNA転写を減少させることを含む請求項35に記載の方法。
  38. 破壊されたIFI206遺伝子を有する。遺伝子組換え非ヒト動物。
  39. 配列番号:1、配列番号:3又は配列番号14の配列と少なくとも89.2%の配列同一性を有する外来性のポリヌクレオチド、又は該ポリヌクレオチドの相補鎖を含む遺伝子組換え非ヒト動物。
  40. 前記外来性ポリヌクレオチドが配列番号:1、配列番号:3又は配列番号:14の配列、又は該ポリヌクレオチドの相補鎖と少なくとも90%の配列同一性を有する請求項39に記載の遺伝子組換え非ヒト動物。
  41. 前記外来性ポリヌクレオチドが配列番号:1、配列番号:3又は配列番号:14の配列、又は該ポリヌクレオチドの相補鎖と少なくとも98%の配列同一性を有する請求項39に記載の遺伝子組換え非ヒト動物。
  42. 被検対象中でのIFI206遺伝子発現を外来性プロモーターでコントロールすることを含む、被検対象中におけるIFI206の発現の変更方法。
  43. 前記コントロールが被検対象の内在性IFI206遺伝子とプロモーターを作用可能に結合させることを含む請求項42に記載の方法。
  44. 前記コントロールが被検対象の内在性IFI206遺伝子のアンチセンスポリヌクレオチドとプロモーターを作用可能に結合させることを含む請求項42に記載の方法。
  45. 前記プロモーターが誘導性のプロモーターである請求項42ないし44のいずれか一項に記載の方法。
  46. IFI206の活性を阻害することを含む脂肪細胞分化を阻害する方法。
  47. 前記減少活性がIFI206遺伝子を破壊することを含む請求項46に記載の方法。
  48. 前記減少活性がIFI206mRNAの転写を減少させることを含む請求項47に記載の方法。
  49. 前記減少活性がIFI206遺伝子の翻訳を減少させることを含む請求項47に記載の方法。
  50. 配列番号:7−13の配列を含み、配列番号:22及び23と98%未満の配列同一性を有するポリペプチド。
  51. 配列番号:22及び23と95%未満の配列同一性を有する請求項50に記載のポリペプチド。
  52. 配列番号:22及び23と90%未満の配列同一性を有する請求項50に記載のポリペプチド。
  53. 請求項50ないし53のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド、又は該ポリヌクレオチドの相補鎖。
  54. 配列番号:2、配列番号:4又は配列番号:15の配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドであって、該単離されたポリペプチドが配列番号:22、配列番号:24の配列の何れも持たないポリペプチド。
  55. 前記配列が活性なIFI206ポリペプチドの配列である請求項54に記載のポリペプチド。
  56. 前記単離されたポリペプチドが配列番号:22又は配列番号:24と高くても99%の配列同一性を有する請求項54又は55に記載のポリペプチド。
  57. 前記単離されたポリペプチドが配列番号:22又は配列番号:24と高くても90%の配列同一性でを有する請求項54又は55に記載のポリペプチド。
  58. 請求項54ないし57のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド、又は該ポリヌクレオチドの相補鎖。
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