JP2004518562A - 厚く滑らかなエンボス加工ティッシュの製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ペーパー・ティッシュ、特にフェイシャルティッシュ及び使い捨てハンカチに関する。ティッシュ・ペーパー・ウェブからティッシュ・ペーパー製品を製造するための方法であって、以下の工程を含む製造方法を請求し、記載する:
前記ティッシュ・ペーパー・ウェブを、第1エンボス・ロールと第2エンボス・ロールとの間に形成されたエンボス・ニップに通過させる工程と、ここで前記エンボス・ロールの少なくとも1つが1平方センチメートル当り少なくとも30個のエンボス要素を含み、
前記ティッシュ・ペーパー・ウェブを、第1カレンダー・ロール及び第2カレンダー・ロールとの間に形成されたカレンダー・ニップに通過させる工程と、ここで前記第1カレンダー・ロール及び前記第2カレンダー・ロールが、前記第1カレンダー・ロールの軸方向に平行に測定される接触長さにわたって前記ティッシュ・ペーパー・ウェブと接触しており、且つ前記第1カレンダー・ロール及び前記第2カレンダー・ロールが、前記ペーパー・ウェブ上に、前記接触長さ1センチメートル当り少なくとも50Nの圧力を加え、を含む製造方法。
さらに、前述の方法に従って製造されるペーパー・ティッシュ製品についても請求する。
前記ティッシュ・ペーパー・ウェブを、第1エンボス・ロールと第2エンボス・ロールとの間に形成されたエンボス・ニップに通過させる工程と、ここで前記エンボス・ロールの少なくとも1つが1平方センチメートル当り少なくとも30個のエンボス要素を含み、
前記ティッシュ・ペーパー・ウェブを、第1カレンダー・ロール及び第2カレンダー・ロールとの間に形成されたカレンダー・ニップに通過させる工程と、ここで前記第1カレンダー・ロール及び前記第2カレンダー・ロールが、前記第1カレンダー・ロールの軸方向に平行に測定される接触長さにわたって前記ティッシュ・ペーパー・ウェブと接触しており、且つ前記第1カレンダー・ロール及び前記第2カレンダー・ロールが、前記ペーパー・ウェブ上に、前記接触長さ1センチメートル当り少なくとも50Nの圧力を加え、を含む製造方法。
さらに、前述の方法に従って製造されるペーパー・ティッシュ製品についても請求する。
Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は、ペーパー・ティッシュ製品、特にフェイシャルティッシュ及び使い捨てハンカチに関する。より詳細には、本発明は、そのようなティッシュ・ペーパー製品のための加工工程、すなわちエンボス加工及びカレンダー加工に関する。
【0002】
(発明の背景)
時にティッシュ又はペーパー・ティッシュのウェブ又はシート、並びにペーパー・ハンカチのようなそれらから製造される製品、と呼ばれまた時にフェイシャルティッシュとも呼ばれるペーパー・ウェブ又はシートは、現代社会で広範な用途が見出されている。フェイシャルティッシュ、トイレットティッシュ、及びキッチンタオルのような商品は、商取引の主要商品であり、これらすべてを本明細書ではペーパー・ティッシュ製品と呼ぶ。長年このような製品の重要な物理的特性は、その強度及び厚さ/キャリパー、その柔軟性及び平滑性、その吸収性、並びにその耐リント性であると認識されてきた。研究開発の取組みは、他に深刻な影響を与えずにこれらの各特性を改善させるのと同様に、2つ又は3つの特性を同時に改善させることを対象としてきた。
【0003】
柔軟性及び平滑性は、消費者が特定の製品を保持し、皮膚に擦り付け、手の中で丸める時に知覚する触感に関係している。触感は、いくつかの物理的性質の組み合わせである。触感は、例えば米国特許第5,855,738号明細書から知られている生理的表面平滑度(PSS:physiological surface smoothnessの略)パラメータの目的パラメータによって、うまく捉えることができる。消費者の触感について重要であるのは、ティッシュ製品の厚さ/キャリパーである。
【0004】
強度とは、物理的一体性を維持し、使用条件下での引裂、破裂、及び細断に耐える、製品の能力である。
【0005】
吸収性とは、製品が多量の液体、特に水溶液又は水分散液を吸収する能力の尺度である。消費者によって知覚される全体的な吸収性は、一般に、所与の質量のペーパー・ティッシュが飽和時に吸収する液体の総量、並びにその質量が液体を吸収する速度を組み合わせたものとみなされる。
【0006】
耐リント性とは、繊維製品及びその構成ウェブが、濡れている時を含む使用条件下で、互いに結合する能力である。換言すれば、耐リント性が高いほど、ウェブがリントを起こす傾向が低下する。
【0007】
1998年12月23日公開のPCT国際公開公報WO98/58124号は、高さが少なくとも1mmのエンボス要素を用いたエンボス加工方法を開示している。
【0008】
1991年1月16日公開のEP0408248公開明細書は、エンボス加工工程を同時カレンダー加工工程と組み合わせた加工方法を開示している。
【0009】
1998年12月23日公開のEP0668152公開明細書は、一致しないオス型及びメス型エンボス要素を用いたエンボス加工方法を開示している。
【0010】
1999年3月10日公開のEP0696334公開明細書は、嵩を増加させないエンボス加工工程を開示している。
【0011】
米国特許第5,855,738号明細書は、カレンダー加工工程を含む、滑らかなペーパー・ティッシュを製造するためのプロセスを開示している。
【0012】
比較的厚く、しかも柔らかい使い捨てのペーパー製品、すなわちペーパー・ハンカチ及びフェイシャルティッシュの形態の製品が既知である。例えば、プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble)から販売されるテンポ(Tempo)(登録商標)は、厚さ及び柔軟性を備え、約0.3mmのキャリパーを有する、4プライのフェイシャルティッシュ・ペーパー製品である。高いキャリパーが、消費者に高い乾燥及び湿潤強度の理念を伝える。湿潤破裂強度とも呼ばれる湿潤強度が高いと、特にペーパー・ハンカチの引裂又は破裂が防止され、それが次にはユーザーの手が粘液又は他の体液で汚染されるのを防ぐことになる。
【0013】
非常に滑らかな表面の提供を試みる際には、当該技術分野では、ペーパー・ティッシュにカレンダー加工を施すことが一般的である。しかしながら、カレンダー加工は、平滑性のためにキャリパーと柔軟性の犠牲を伴うことを常に意味する(米国特許第5,855,738号明細書に論じられているとおり)。
【0014】
高い湿潤破裂強度及び通常比較的高いキャリパーを備える製品は、空気通過乾燥によって製作される製品である。しかしながら、空気通過乾燥設備は、従来の抄紙機械で利用可能でなく、このような装置の供給には、かなりの経済的投資を伴う。他の側面では、空気通過乾燥設備は、従来の乾燥設備に比べてエネルギー消費量が多い。従って、依然として関心事であるのは従来の製紙機械を用いて優れたペーパー品質を提供することである。
【0015】
ゆえに、材料又はエネルギー使用の増大なしに、全ての関係する物理パラメータを満足させる、既知の製品基準を満たす又はそれをさらには越えるペーパー・ハンカチを提供する挑戦が続けられている。同一の消費者利益が、セルロース原料を殆ど使用せずに提供されることが理想的である。
【0016】
従来技術及び前述の考慮事項を鑑みて、以下の性質を有するティッシュ製品、特にフェイシャルティッシュが今なお必要とされている。
【0017】
−最適強度、すなわち湿潤破裂強度、吸収性、及び耐リント性を持ち合わせ、
−さらに、柔軟性、平滑性、及び厚さの理想的な触感を与え、
−製造のコスト効率が高く、好ましくは従来の製紙機械で生産することができ、
−任意選択的にスキンケア利益を提供する製品。
【0018】
(発明の概要)
本発明は、ペーパー・ティッシュ、特にフェイシャルティッシュ及び使い捨てハンカチに関する。ティッシュ・ペーパー・ウェブからティッシュ・ペーパー製品を製造するための方法であって、以下の工程を含む方法を請求し、記載する。
【0019】
ティッシュ・ペーパー・ウェブを、第1エンボス・ロールと第2エンボス・ロールの間に形成されたエンボス・ニップに通過させる工程と、ここでエンボス・ロールの少なくとも1つが、1平方センチメートル当り少なくとも30個のエンボス要素を含み、
前記ティッシュ・ペーパー・ウェブを、第1カレンダー・ロール及び第2カレンダー・ロールとの間に形成されたカレンダー・ニップに通過させる工程と、ここで前記第1カレンダー・ロール及び前記第2カレンダー・ロールが、前記第1カレンダー・ロールの軸方向に平行に測定される接触長さにわたって前記ティッシュ・ペーパー・ウェブと接触しており、且つ前記第1カレンダー・ロール及び前記第2カレンダー・ロールが、前記ペーパー・ウェブ上に、前記接触長さ1センチメートル当り少なくとも50Nの圧力を加える工程。
【0020】
さらに、前述の方法に従って製造されるペーパー・ティッシュ製品について請求する。
【0021】
(詳細な説明)
好適な抄紙工程
本発明によれば、セルロース繊維構造体は、抄紙技術分野で周知の原理及び機械を使用して、湿式処理される。ペーパー・ティッシュ基質を製造するプロセスに好適なパルプ原料は、好ましくは、本質的にセルロース繊維(通常木材パルプ繊維として知られる)又はセルロース由来繊維(例えば、レーヨン、ビスコースが挙げられる)から成る抄紙繊維を含有する。軟材(裸子植物又は針葉樹)及び硬材(被子植物又は落葉樹)由来の繊維が、本発明での使用に企図される。繊維が、特定された木の種類から由来するかどうかは、重要ではない。木材パルプ繊維は、いずれかの便利なパルプ製造プロセスによって現地の木材からすることができる。サルファイト、サルフェート(クラフトを含む)のような及びソーダ法のようなケミカルプロセスが好適である。サーモケミカル法(又はアスプルンド(Asplund)法)のようなメカニカルプロセスも好適である。加えて、様々なセミケミカルプロセス及びケミメカニカルプロセスを使用することもできる。漂白繊維並びに非漂白繊維の使用が企図される。好ましくは、ラテックス繊維のような非セルロース繊維は使用しない。
【0022】
本発明によるペーパー・ティッシュは、極めて好ましい構成成分として、湿潤強度向上化学薬品を含有してもよい。好ましくは、乾燥繊維重量を基準にして、約3.0重量%まで、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも0.8重量%の、水溶性の永久又は一時湿潤強度向上樹脂のような湿潤強度向上化学薬品が含有される。
【0023】
本明細書で有用な湿潤強度向上樹脂は、いくつかの種類のものであってよい。。例えば、ウェストフェルト(Westfelt)は、セルロースの化学及び技術(Cellulose Chemistry and Technology)、第13巻、813〜825ページ(1979年)で、そのような多数の材料について記載しており、それらの化学的性質について論じている。
【0024】
普通、湿潤強度向上樹脂は、水溶性の陽イオン性物質である。すなわち樹脂は、抄紙設備に添加される時には水溶性である。架橋のようなその後の事象が樹脂を水不溶性にする可能性が十分にあり、そのように予想さえされる。さらにある樹脂では、限られたpH範囲を超えた条件のような特殊な条件下でのみ可溶性である。湿潤強度向上樹脂は、一般に抄紙繊維上、抄紙繊維内、又は抄紙繊維の間に沈着した後で、架橋又は他の硬化反応を起こすと考えられている。通常架橋又は硬化は、大量の水が存在する間は起こらない。
【0025】
特に有用性があるのは、種々のポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂である。これらの物質は、アミノ基、エポキシ基、及びアゼチジン基のような反応性官能基を有する低分子量ポリマーである。特許文献には、このような物質の製造プロセスの記述が多数あり、例えば、1972年10月24日発行のカイム(Keim)の米国特許第3700623号、及び1973年11月13日発行のカイム(Keim)の米国特許第3772076号が挙げられる。
【0026】
ハーキュレス社(Hercules Inc.)(デラウェア州ウィルミントン)から、登録商標カイメン(Kymene)557H及びカイメン(Kymene)LXとして販売されている、ポリアミド−エピヒドロクロリン樹脂が、本発明で特に有用である。これらの樹脂については、前述のカイム(Keim)の特許に総括的に記載されている。
【0027】
本発明で有用な塩基活性化ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂は、モンサント社(Monsanto Company)(ミズーリ州セントルイス)から、サント・レ(Santo Res)(登録商標)(例えばサント・レ(Santo Re)31)として販売されている。これらの種類の材料は、一般に、米国特許第3855158号(ペトロヴィク(Petrovich)、1974年12月17日発行);米国特許第3899388号(ペトロヴィク(Petrovich)、1975年8月12日発行);米国特許第4129528号(ペトロヴィク(Petrovich)、1978年12月12日発行);米国特許第4147586号(ペトロヴィク(Petrovich)、1979年4月3日発行);及び、米国特許第4222921号(ヴァン・イーナム(Van Eenam)、1980年9月16日発行)に記載されている。
【0028】
本明細書で有用な他の水溶性陽イオン性樹脂は、アメリカン・シアナミド社(American Cyanamid Company)(コネチカット州サンドフォード)から、パレス(Parez)(登録商標)(例えばパレス(Parez)631NC)として販売されているような、ポリアクリルアミド樹脂である。これらの材料は、一般に、米国特許第3556932号(コシア(Coscia))ら、1971年1月19日発行);及び、米国特許第3556933号明細書(ウィリアムズ(Williams))ら、1971年1月19日発行)に記載されている。
【0029】
本発明で有用な他の種類の水溶性樹脂には、アクリルエマルション及び陰イオン性スチレンブタジエンラテックス類が挙げられる。これらの種類の樹脂の多数の例が、米国特許第3844880号明細書(メイセル・ジュニア(Meisel Jr)他、1974年10月29日発行)に記載されている。本発明における有用性が見出される、さらに他の水溶性陽イオン性樹脂は、ユリアホルムアルデヒド及びメラミンホルムアルデヒド樹脂である。これら多官能性の反応性ポリマーは、数千のオーダーの分子量を有する。より一般的な官能基には、アミノ基及び窒素に結合したメチロール基のような窒素含有基が挙げられる。ポリエチレンイミン型の樹脂は、あまり好ましくはないが、本発明での有用性が見出されている。
【0030】
前述の水溶性樹脂(その生産が挙げられる)のより完全な記述は、TAPPIモノグラフシリーズ第29番「紙及び板紙における湿潤強度(Wet Strength in paper and Paperboard)」、紙パルプ技術協会(Technical Association of the Pulp and Paper Industry)(ニューヨーク;1965年)に見出すことができる。
【0031】
また、一時湿潤強度向上剤、例えば修飾デンプンを、任意選択的に使用してもよい。永久湿潤強度向上剤と一時湿潤強度向上剤との組み合わせを使用してもよい。
【0032】
本発明は、乾燥繊維重量を基準に、好ましくは3重量%までの濃度で、より好ましくは少なくとも0.1重量%の、乾燥強度向上化学薬品を含有してよい。極めて好ましい乾燥強度向上化学薬品は、カルボキシメチルセルロースである。他の好適な乾燥強度向上化学薬品には、ポリアクリルアミド(例えば、アメリカン・シアナミド社(American Cyanamid)(ニュージャージー州ウェーン)製のシプロ(Cypro)(商標)514及びアコストレングス(Accostrength)(商標)711の組み合わせ);デンプン(例えばトウモロコシデンプン又はジャガイモデンプン);ポリビニルアルコール(例えば、エア・プロダクツ社(Air Products Inc.)(ペンシルベニア州アレンタウン)製のエアボル(Airvol)(商標)540);グアーガム又はイナゴマメゴム;及びポリアクリレートラテックスが挙げられる。また、好適なデンプン材料には、アミノ基及び窒素に結合したメチロール基のような窒素含有基を有するように修飾されたデンプンのような修飾された陽イオン性デンプンも挙げられ、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Company)(ニュージャージー州ブリッジウォーター)から入手可能である。
【0033】
化学結合抑制剤を含む化学柔軟化組成物は、本発明の任意成分である。米国特許第3821068号(1974年6月28日発行)は、化学結合抑制剤を使用して、ペーパー・ティッシュ・ウェブの剛性を低下させ、従って柔軟性を向上させることができることを教示している。米国特許第3554862号(1971年1月12日発行)は、好適な化学結合抑制剤を開示している。これらの化学結合抑制剤には、第四級アンモニウム塩が挙げられる。
【0034】
好ましい化学柔軟化組成物は、約0.01%〜約3.0%の第四級アンモニウム化合物、好ましくは生分解性第四級アンモニウム化合物;並びに、約0.01%〜約3.0%のポリヒドロキシ化合物;好ましくは、グリセロール、ソルビトール類、約150〜約800の平均分子量を有するポリグリセロール類、及び約200〜4000の重量平均分子量を有するポリオキシエチレングリコール類及びポリオキシプロピレングリコール類(重量平均分子量約200〜4000)から成る群から選択されるものを含む。好ましくは、第四級アンモニウム化合物とポリヒドロキシ化合物の重量比が、約1.0:0.1〜0.1:1.0の範囲にある。抄紙完成紙料に加える前に、好ましくは少なくとも40℃の温度で、初めにポリヒドロキシ化合物と第四級アンモニウム化合物とを合わせて事前混合する時に、化学柔軟化組成物がより有効であることがわかった。それに加え、あるいは別法として、例えば転写プロセスを用いて、化学柔軟化組成物を実質的に乾燥したペーパー・ティッシュ・ウェブに適用してもよい(注意:本明細書では特に指示のない限り、すべてのパーセンテージは乾燥繊維の重量を基準にする)。
【0035】
本発明で使用するのに好適な第四級アンモニウム化合物の例には、周知のジアルキルジメチルアンモニウム塩及びアルキルトリメチルアンモニウム塩の、非修飾型、あるいはモノ−又はジ−エステル変異型のいずれかが挙げられる。例として、ジ(水素添加タロー)ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのジ−エステル変異型、及びジ(水素添加タロー)ジメチルアンモニウムクロライドのジ−エステル変異型が挙げられる。理論に束縛されるものではないが、1(又は複数)のエステル部分が、これらの化合物に生分解性を与えると考えられている。市販の材料は、ウィトコ・ケミカル社(Witco Chemical Company Inc.)(オハイオ州ダブリン)から商標「リオクァト(Rewoquat)V3512」として入手可能である。分析及び試験手順の詳細は、PCT国際公開公報WO95/11343(1995年4月27日公開)に記載されている。
【0036】
本発明で有用なポリヒドロキシ化合物の例には、重量平均分子量約200〜約600のポリオキシエチレングリコール類が挙げられ、とりわけ「PEG−400」が好ましい。
【0037】
好ましい薬剤として前述に列記した特定の化学薬品を添加すると、得られるペーパー製品に非常に有益な効果、すなわち柔軟性を与えることができるが、本発明に有用なペーパー・ティッシュ・ウェブは、当業者に周知のいずれかの一般的な製造方法によって製造してもよい。
【0038】
このような抄紙プロセスは、例えば1つ以上の抄紙業者のフェルト及び/又はベルトを使用して、好適なパルプを脱水することを含む。本発明には、従来の抄紙プロセスが好ましい。本明細書で従来のプロセスと称するいずれのプロセスも、空気通過乾燥工程を含まない抄紙プロセスである。別法として、空気通過乾燥工程を含む抄紙プロセスを用いることもできる。
【0039】
ストレッチエンボス加工工程
本発明は、具体的には、当該技術分野で加工工程として知られる工程に関する。
【0040】
本発明に従って実施すべき重要な加工工程の1つは、低い圧力を使用して非常に微細なパターンをエンボス加工するエンボス加工工程である。
【0041】
ペーパー・ティッシュ・ウェブのエンボス加工は、一般にウェブを2つのエンボス・ロールの間に形成されたニップに通過させることによって達成され、少なくとも1つのエンボス・ロールがエンボス要素を含んでいる。エンボス・ロールは、典型的には湾曲しているが、エンボスがなければ平面を含む。エンボス要素は、この表面の上方に隆起する突起部であり、湾曲した平らなロール表面から突起部の最上点まで、エンボス・ロールの軸に垂直な方向で測定した時、ある高さを有する。エンボス要素は、本質的に平らなロール表面の平面内で測定される、特定の幅を有する。本明細書で使用する幅という用語は、前述で指定した平面内で(すなわちエンボス要素の底部において)測定される、丸いエンボス要素の直径を指し、あるいはエンボス要素が丸くない時には、前記平面内で測定される最大幅を指す。
【0042】
本発明によれば、エンボス要素は、ピラミッド形又は半球形のようないずれの形にもすることができ、エンボス要素の断面は、円形、楕円形、又は四角形にすることができる。エンボス要素が連続的なパターンを形成してもよいが、それぞれ別個の形態であることが好ましい。
【0043】
本発明によれば、エンボス要素は、非常に微細なパターンで少なくとも1つのエンボス・ロール全体にわたって配置されており、エンボス・ロールの表面積1平方センチメートル当り、少なくとも30個のエンボス要素、好ましくは少なくとも50個、より好ましくは少なくとも60個、さらに好ましくは少なくとも70個、最も好ましくは少なくとも80個のエンボス要素が含まれる。
【0044】
本発明によれば、エンボス要素は高いものではなく、好ましくは1mm未満、より好ましくは0.8mm未満、さらに好ましくは0.6mm未満、さらにより好ましくは0.5mm未満又は0.4mm未満、最も好ましくは0.3mm未満の高さを有する。
【0045】
好ましくは、ストレッチエンボス加工によって提供される、エンボス加工される面積とエンボス加工されない面積との比が、5%〜95%、より好ましくは20%〜80%、最も好ましくは40%〜60%であり、すなわち最も好ましい場合には、ティッシュ・ペーパー・ウェブの全表面積の40%〜60%がエンボス加工される。
【0046】
エンボス・ロールのいずれかの既知の種類、及びそのようなロールの操作様式は、本発明の範囲内である。本発明の好ましい実施形態の1つでは、2つの硬質金属、例えば鋼鉄製のエンボス・ロールが使用され、第1ロールがオス型ロールと呼ばれる突起するエンボス要素を含み、第2ロールがメス型ロールと呼ばれる合致する凹部を含む。凹部は、突起するエンボス要素の鏡像にしてよく、又は、例えばメス型ロール内の凹部のサイズ又は形状(例えば傾斜)のわずかな差異により、正確な鏡像よりもわずかに小さくなるように適合させてもよい。
【0047】
本発明による他の極めて好ましいエンボス加工工程では、第1エンボス・ロールが、突起するエンボス要素を含む硬質金属から提供されるウェブ接触表面を備え、第2エンボス・ロールが、より柔らかい材料、例えばゴム、好ましくはショアA硬度40〜70の材料を含むウェブ接触表面を備えており、凸形のエンボス要素と十分に近接して接触すると凹部が形成される。ゴムのロールとの組み合わせで、硬質金属のロールからエンボス・ニップを提供することには多数の利点があり、例えば、オス型及びメス型の硬質金属ロールほどロールの調節が重大ではないので、生産及び操作がより安価で容易になる。驚くことに、硬質金属/ゴムのロールの組み合わせを使用する時にも、本明細書で特許請求する製造方法が優れた結果を提供することがわかった。
【0048】
2つのエンボス・ロールの間に形成されるニップのサイズは、例えば、プロセスされるティッシュ・ペーパー・ウェブに応じて、及び使用されるエンボス加工パターンに応じて適合させるべきである。さらに、そのような考慮事項に応じて、第1エンボス・ロールと第2エンボス・ロールを1つに合わせるのに圧力をかけなくてもよく、又はいくらか圧力をかけてもよい。
【0049】
このプロセスで2つの硬質金属ロール、すなわちオス型及びメス型ロールを用いる時には、オス型ロールの突起するエンボス要素とメス型ロールの凹部の底部との間に、エンボス加工されていないティッシュ・ペーパーのキャリパーの60%〜140%、好ましくは80%〜120%に相当する空間が残るようにロールを操作するべきである。
【0050】
硬質金属のロールをゴムのロールと組み合わせて使用する時には、ロールを、10N/平方センチメートル〜1000N/平方センチメートル、好ましくは20N/平方センチメートル〜200N/平方センチメートル、最も好ましくは50N/平方センチメートル〜100N/平方センチメートルの圧力で互いに押し付けるべきである。
【0051】
本発明には既知の操作様式が好適であり、エンボス・ロールを加熱せずに同じ速度で動作させることが好ましいが、代替的な操作様式では、少なくとも1つのロールを加熱してよく、ロールを異なる速度で動作させてもよい。
【0052】
微細なパターンを有する前述のエンボス加工は、重要な一態様では、キャリパー、又は換言すればペーパー・ティッシュ・ウェブの嵩を増加させるのに役立つ。従って、本発明の極めて好ましい様式では、ペーパー・ティッシュの単一ウェブ又は単一プライをエンボス・ニップに通過させる。代替的な操作様式では、ペーパーの複数プライを同時にニップに通過させてもよい。しかしながら、理論に束縛されるものではないが、本出願人は、本明細書に記載の変形エンボス加工は、ティッシュ・ペーパーを伸張させ、それが変形を引き起こすが、ティッシュ・ペーパーの実質的な高密度化は引き起こさないと考えており、ゆえに本出願人は、前述のエンボス加工方法は、並置されたプライの接合にはあまり好適でないとみなしている。むしろ、多プライ・ティッシュ・ペーパー製品を提供するために、別個の異なる接合工程を用いることが企図され、この接合工程は、好ましくは以下に記載する「付着エンボス加工」のようなエンボス加工工程を含む。
【0053】
カレンダー加工工程
加工プロセスではカレンダー加工のいずれの既知の加工方法も採用することができるが、本発明によれば、非常に高いカレンダー圧力が用いられる。
【0054】
本発明によるカレンダー加工工程は、1つ又は複数のティッシュ・ペーパー・ウェブを、第1カレンダー・ロールと第2カレンダー・ロールの間に形成されたカレンダー・ニップに通過させることを含む。典型的には、両方のカレンダー・ロールは、ある長さにわたってウェブと接触しており、この長さは本明細書では接触長さと呼ばれ、前記第1カレンダー・ロールの軸方向に平行に測定される。カレンダー・ロールは、ウェブ上に前記接触長さ1センチメートル当り少なくとも30Nの圧力をかけ、こうすることで互いにそのような圧力で押し付け合うことになる。より好ましくは、前記接触長さ1センチメートル当りの圧力は、50N〜300N、より好ましくは60N〜250N、さらに好ましくは70N〜200N、最も好ましくは120N〜150Nである。本発明によれば、ペーパー・ティッシュ製品が含むプライの数だけ、ペーパー・ティッシュ・ウェブをカレンダー加工することが好ましく、例えば、2、3、又は4つのウェブを近接配置して、1工程でカレンダー加工することができる。
【0055】
本発明には既知の装置及び既知の操作様式が好適であり、カレンダー・ロールを加熱せずに同じ速度で動作させることが好ましいが、代替的な操作様式では、少なくとも1つのロールを加熱してよく、ロールを異なる速度で動作させてもよい。
【0056】
カレンダー加工は、ティッシュ・ペーパー・ウェブのキャリパーを減少させることで当該技術分野において周知であり、典型的には、ペーパー・ティッシュ製品のキャリパーが要求される仕様を確実に満たすように用いられる。
【0057】
カレンダー加工は、ペーパー・ウェブの高密度化を引き起こす圧力が使用されるため、ペーパー・ティッシュ製品の知覚される柔軟性を低減させることで知られている。従って、カレンダー加工は、少なくともペーパー・ハンカチのような衛生用ペーパーの領域では、あまり高い圧力では実施されず、通常エンボス加工ペーパー・ウェブには10N/cm〜20N/cmが選択される。
【0058】
本発明の着想時に、驚くべきことに、特許請求する具体的なエンボス加工工程を、特許請求する具体的なカレンダー加工工程と組み合わせると、かなり厚く嵩高であるが、非常に柔らかいペーパー製品が得られることがわかっている。
【0059】
より詳細には、ストレッチエンボス加工工程及びカレンダー加工工程を行った後のペーパー・ティッシュ・ウェブは、処理していないウェブに比べてキャリパーが増加することがわかった。(例えば、1工程で3つのウェブをカレンダー加工する時には、処理していないウェブの3つの層と、エンボス加工及びカレンダー加工したウェブの3つの層との間で比較するべきである。)この効果は特に驚くべきもので、高い圧力でカレンダー加工すると、ペーパー・ウェブのキャリパーが大幅に減少することが知られており、例えばDE04414238.2明細書に記載されている。
【0060】
本発明で請求する製造方法は、処理していないウェブのキャリパーを処理したウェブのキャリパーと比較した時に、ペーパー・ティッシュ・ウェブのキャリパーを、10%だけ、時にはさらに30%、さらには40%、60%、80%、又は100%まで増加させることがわかった。ストレッチエンボス加工工程単独で、典型的にはキャリパーが50%〜200%増加する。
【0061】
本発明によるペーパー・ティッシュは、互いに対向する第1表面及び第2表面と、第1表面及び第2表面に直交する厚さとを有する。厚さは、ティッシュのキャリパーとも呼ばれる。本発明による3プライのペーパー・ティッシュ製品のキャリパーは、好ましくは0.1mm〜1mm、より好ましくは0.2mm〜0.5mmである。
【0062】
さらに、本発明によるペーパー・ティッシュは、好ましくは、50gより大きい、より好ましくは100gより大きい、好ましくは150g〜500g、より好ましくは250g〜400gの湿潤破裂強度を有する。
【0063】
本明細書で請求する製造方法が、ペーパー・ティッシュの湿潤引張り強度に深刻な影響を与えずに、ペーパー・ティッシュの乾燥引張り強度を大幅に減少させることがわかった。請求する製造方法によって処理されたペーパー・ティッシュは、典型的には、乾燥引張り強度が1000g〜2500g、湿潤破裂強度が100g〜300gに達し、好ましくは、乾燥引張り強度と湿潤破裂強度の比が、0.1〜0.3、好ましくは0.125〜0.25、最も好ましくは0.15〜0.2に達する。
【0064】
他の態様では、本発明によるペーパー・ティッシュ製品が、1000ミクロン未満、好ましくは650ミクロン〜50ミクロン、より好ましくは650ミクロン〜300ミクロンの生理的表面平滑度パラメータを有することが好ましい。
【0065】
本発明の好ましい実施形態の1つでは、ペーパー・ティッシュ製品は2プライ〜4プライで提供されるが、3つのプライが最も好ましい。好ましくは、全てのプライが、ペーパー・ティッシュ製品の全表面積の少なくとも50%、好ましくは80%にわたって延びる、最も好ましくはペーパー・ティッシュ製品の全表面積にわたって延びる、ストレッチエンボス加工パターンを含む。
【0066】
任意のプロセス工程
本発明によるティッシュ・ペーパー製品を製造する方法は、さらに多数の任意工程を含んでもよい。
【0067】
転写又は噴霧のようないずれかの好適な手段によって、ローションを適用してよい。ローションは、ペーパー・ウェブ又はペーパー・ティッシュ製品のいずれかに、ウェブ又は製品の表面全体あるいはその一部分だけのいずれかにおいて適用することができる。多プライペーパー・ティッシュ製品では、ローションは、すべてのプライ又は選択されたプライだけのいずれかに適用してよく、プライの片面又は両面に適用してよい。好ましい実施形態の1つでは、ローションは、ペーパー・ティッシュ製品の両方の外側表面に適用される。
【0068】
ローションは、ペーパー・ティッシュの平滑性に寄与し、従ってそのPSSパラメータを減少させることがわかった。さらに、ローションは、スキンケア利益を有する。
【0069】
ローションは、柔軟化/結合抑制剤、皮膚軟化剤、固定剤、及びこれらの混合物を含んでもよい。好適な柔軟化/結合抑制剤には、第四級アンモニウム化合物、ポリシロキサン類、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な皮膚軟化剤には、プロピレングリコール、グリセリン、トリエチレングリコール、鯨蝋又は他の蝋類、ワセリン、脂肪酸類、その脂肪酸鎖中に12〜28個の炭素原子を有する脂肪族アルコール類及び脂肪族アルコールエーテル類、鉱油、すなわちシリコン油、例えばジメチコーン、及びパルミチン酸イソプロピル、並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な固定剤には、セレシン、ステアリルアルコール、及びパラフィン類、ポリヒドロキシ脂肪酸エステル類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0070】
他の任意構成成分には、香料、抗菌活性物質、抗ウイルス活性物質、殺菌剤、医薬品活性物質、皮膜形成剤、防臭剤、不透明化剤、収斂剤、及び溶媒などが挙げられる。ローション構成成分の特定の例には、カンファー、チモール、メンソール、カモミール抽出物、アロエベラ、キンセンカが挙げられる。
【0071】
本発明による特に好ましいローションは、前述に列記した構成成分を含む極めて移動性の高いローションであり、移動性によって、優れたスキンケア及び医薬品利益が確実になる。
【0072】
ペーパー・ティッシュ・ウェブの並置された複数プライを、好ましくは付着エンボス加工によって接合して、多プライのペーパー・ティッシュ製品を提供してもよい。本明細書で使用する時、「付着エンボス加工」とは、本発明による多プライティッシュの全プライが1つのプロセス工程でエンボス加工されるエンボス加工を指す。好ましくは、付着エンボス加工は、カレンダー加工されたいずれのプライの平滑性にも影響を及ぼさず、あるいは少なくとも大幅には影響を及ぼさない。従って、ティッシュが、ティッシュの表面積の大部分にわたって、好ましくは第1表面上及び第2表面上に、エンボス加工されていない表面を有することが好ましい。本明細書で使用する時、このことは、ティッシュが、付着エンボスを含まない1つ以上の領域と、任意選択的に付着エンボスを含む1つ以上の領域とを有しており、付着エンボスを含まない領域が、ティッシュの表面積の少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%であり、好ましい実施形態によっては99%に達することもあることを意味する。最も一般的には、付着エンボスを含む領域は、ティッシュの縁部に近接して(例えば2つ又は4つの縁部に沿って)配置され;付着エンボスを含む領域を装飾的な目的で(例えば、パターンを作製するため、あるいはロゴ又はブランド名を綴るために)使用してもよい。付着エンボスを含まない領域は、付着エンボスを含む領域の間及び/又は周りにある連続的な領域である。付着エンボスは、好ましくは、鋼鉄間ピン間エンボス加工によって、0.01mm〜1mm、好ましくは0.05mm〜0.2mmの高さを有する、1平方センチメートル当り10〜40個のエンボス要素で実施される。エンボス加工されない又は微細なエンボス加工をされる面積に対する、付着エンボス加工される面積の割合は、好ましくはペーパー・ティッシュ製品の全表面積の、0.01%〜5%である。付着エンボス加工は、付着を完成させるだけでなく、ペーパー・ティッシュ製品の実質的な高密度化をも包含する。従って、エンボス要素とその対応物(例えば、ピン間エンボス加工を用いる場合には2つのピン)との間の空間は、エンボス加工すべきペーパー・ティッシュのキャリパーよりも小さく、典型的にはエンボス加工すべきペーパー・ティッシュのキャリパーの5%〜50%、好ましくは10%〜20%であり、これが10,000〜50,000N/平方センチメートルのエンボス加工圧力を生じさせる。
【0073】
本発明の製造方法は、ペーパー・ハンカチのようなペーパー・ティッシュ製品に好適なシートを提供する工程をさらに含んでもよい。このような工程は、典型的には、ペーパー・ティッシュ・ウェブの一部分を断裁することを含む。
【0074】
所望であれば、本発明によるペーパー・ティッシュ製品に、機能的又は美観的しるしを設けてもよい。しるしは、ペーパー・ティッシュ製品の片面又は両面に適用してよい。しるしは、ペーパー・ティッシュ製品の全て又は一部を被覆してよく、連続又は非連続なパターンで適用してよい。
【0075】
しるしは、噴霧、押出、及び好ましくは印刷のような、当該技術分野で周知のいずれかの手段によって、ペーパー・ティッシュ製品に適用してよい。グラビア又はフレキソ印刷のいずれを用いてもよい。しるしを適用する手段として印刷を選択する場合、印刷装置は、譲受人に譲渡された米国特許第5,213,037号(レオパルディ2世(Leopardi,II)、1993年5月25日発行)の教示に従って構築してもよい。所望であれば、装置は、譲受人に譲渡された米国特許第5,255,603号(ソンヴィル(Sonneville))ら、1993年10月26日発行)に開示されるようなリザーババッフルを有してもよい。望むなら、しるしが、譲受人に譲渡された米国特許第5,802,974号(マクニール(McNeil)、1998年9月8日発行)に開示されるような穿孔又はドロップオフ切込みを備えるように要求してもよい。前述の特許の開示を参考として本願に組み込む。
【0076】
試験方法
キャリパーは、次の手順に従って測定される:キャリパー測定の前に、ペーパー・ティッシュ・ペーパーを21℃〜24℃及び相対湿度48〜52パーセントで2時間事前調湿する。トイレットティッシュのキャリパーを測定する場合、初めに15〜20シートを取り除いて廃棄する。フェイシャルティッシュのキャリパーを測定する場合、試料は、包装の中心付近から採取する。試料を選択し、その後さらに15分間調湿する。
【0077】
本明細書で使用する時、多プライペーパー・ティッシュのキャリパーとは、14.7g/cm2の圧縮荷重を受けた時のペーパーの厚さである。好ましくは、キャリパーは、スウィング−アルバート・インスツルメント社(Thwing−Albert Instrument Company)(ペンシルベニア州フィラデルフィア)から入手可能な、低負荷スウィング−アルバート(Thwing−Albert)マイクロメータ、モデル89−11を使用して測定される。1プライ当りのキャリパーとは、多プライペーパー・ティッシュの全キャリパーを、含まれるプライの数で割ったものである。単プライティッシュの場合、1プライ当りのキャリパーは、キャリパーと同一である。可能であれば、ティッシュの装飾された領域、穿孔、エッジ効果などは、避けるべきである。
【0078】
湿潤破裂強度は、電子破裂試験機及び次の試験条件を使用して測定される。破裂試験機は、2000gのロードセルを備える、スウィング−アルバート破裂試験機(Thwing−Albert Burst Tester)、カタログ番号177である。破裂試験機は、スウィング−アルバート・インスツルメント社(Thwing−Albert Instrument Company)(米国ペンシルベニア州フィラデルフィア)から供給される。
【0079】
8枚のペーパー・ティッシュを取り、2つの組に積み重ねる。はさみを使用して、それぞれ2つの完成製品ユニットの厚さで、機械方向におよそ228mm、横断機械方向におよそ114mmになるように試料を断裁する。
【0080】
初めに、試料の積重ねを小さいペーパークリップで1つにまとめることによって試料を1〜2時間経時変化させ、試料の積重ねの他端を「扇いで」シートをばらばらにして、シートの間に空気を循環させる。試料のそれぞれの積重ねを、クランプによって懸架して、107℃(±3℃)にしたドラフトオーブン内に5分間(±10秒)置く。加熱期間の後、試料の積重ねをオーブンから取り出し、試験前に最低3分間冷却する。
【0081】
試料細片を1つ取り、試料を横断方向の狭い縁部で保持して、試料の中心を、蒸留水約25mmで満たされた平鍋に浸漬させる。試料を4(4.0±0.5)秒間、水中に置く。試料を取り出し、試料を保持しながら3(3.0±0.5)秒間で排水させて、水を横断方向に流し去る。排水を停止した後すぐに試験を進める。製品の外表面を上方に向けて、湿潤試料を試料保持装置の下方リング上に設置して、試料の湿潤部分が試料保持リングの開放表面を完全に覆うようにする。皺が存在する場合、試料を廃棄し、新しい試料で繰り返す。試料を下方リング上に正しく設置した後、上方リングを下降させるスイッチを入れる。これで、試験すべき試料が、試料保持ユニット内で堅く把持される。この時点ですぐに開始ボタンを押して破裂試験を開始する。プランジャが上昇を開始する。試料が引裂又は断裂する時点における最大読み値を報告する。プランジャは、自動的に逆に移動し、元の開始位置まで戻る。合計4回の試験、すなわち4反復になるように、さらに3つの試料にこの手順を繰り返す。この結果を、4反復の平均として近似グラム数で報告する。
【0082】
次の手順に従って、乾燥引張強度を測定する:温度28℃+2.2℃、相対湿度50%+10%の調整された室内で、ペーパー(以下に記載する手抄き紙並びに他のペーパーシートが挙げられる)の約2.54cm×12.7cm(1インチ×5インチ)細片に試験を実施する。電子引張試験機(モデル1122、インストロン社(Instron Corp.)(マサチューセッツ州カントン))を使用し、クロスヘッド速度約5.08cm/分(2.0インチ/分)、ゲージ長さ約10.16cm(4.0インチ)で操作する。機械方向と呼ぶのは、試験する試料が、約12.7cm(5インチ)の寸法がその方向に対応するように調製されることを意味する。従って、機械方向(MD)乾燥引張強度では、約12.7cm(5インチ)寸法が、ペーパー製品の生産の機械方向に平行になるように細片を断裁する。横断機械方向(CD)乾燥引張強度では、約12.7cm(5インチ)寸法が、ペーパー製品の生産の横断機械方向に平行になるように細片を断裁する。生産の機械方向及び横断機械方向は、抄紙技術分野では周知の用語である。前述の装置及び従来方式における計算を使用し、各方向の強度について試験される少なくとも6個の細片の算術平均を取って、MD及びCD引張強度が決定される。本明細書で使用する時、乾燥引張強度とは、平均MD引張強度及び平均CD引張強度の算術平均である。
【0083】
PSSパラメータを報告する生理的表面平滑性測定には、皺、引裂、穿孔を避け、又は巨視的な単平面性から大きな逸脱のない、ペーパー・ティッシュ試料を選択する。試料は、試験前に22℃〜24℃及び相対湿度48%〜52%で少なくとも2時間調湿する。試料を電動テーブル上に設置し、その場で磁気的に固定する。同じ面から全トレースが取得されるのであれば、試料のいずれの面を測定に選択してもよい。
【0084】
生理的表面平滑度は、表面計によってペーパー・ティッシュ試料をいずれかの方向で走査して、Z方向の変位を距離の関数として得ることによって得られる。Z方向の変位は、フーリエ変換によって、周波数スペクトルに対する振幅に変換される。次いで、スペクトルを、一連のフィルターを使用してヒトの触覚応答について調節する。フィルター処理した振幅−周波数曲線のピーク高を、1ミリメートル当り0〜10サイクルで合計して、結果を出す。
【0085】
ペーパー・ティッシュ試料は、サイズがおよそ100ミリメートル×100ミリメートルであり、電動テーブル上に取り付けられる。いずれの好適なテーブルでも十分であるが、カトーテック株式会社(Kato Tech Company Limited)(日本、京都)から入手可能な表面試験機モデルKES−FB−4NKES−SEを備えるテーブル、あるいは、閉ループ制御モードで、ニューステップ2Cニューロジック2軸ステッピングモータコントローラ(NuStep 2C NuLogic Two Axis Stepper Motor Controller)を使用するCP3−22−01DCIミニ精密テーブル(Mini Precision table)が適していることがわかった。テーブルは、1秒当り1ミリメートルの速度で移動する定速駆動モータを有する。試料を、横向きに1ミリメートルの印を付けて順方向に30ミリメートル走査し、次いで逆方向に走査する。順方向及び逆方向の両方で走査の中心26ミリメートルから、データを収集する。各走査の最初と最後の2ミリメートルは無視し、計算には使用しない。
【0086】
表面計は、チップ径2.54ミクロン、適用力0.20グラムのプローブを有する。3.5ミリメートルの全Z方向変位について、ゲージ範囲を較正する。試料の走査距離全体にわたって、表面計は、針のZ方向変位をミリメートルオーダーで感知する。ゲージコントローラからの出力電圧を、1秒当り少なくとも20点の速度でデジタル化する。26ミリメートルの走査範囲全体にわたって、走査の順方向及び逆方向の両方について、512組の時間表面高さデータ点を得る。表面地形を測定できるように、表面計を試料テーブル上方に取り付ける。好適な表面計は、EPT010409針チップ及びEAS2351アナログ増幅器を有する、EMD4320WI鉛直変位変換器(Vertical Displacement Transducer)である。この機器は、フェデラル・プロダクツ(Federal Products)(ロードアイランド州プロビデンス)から入手できる。
【0087】
デジタル化したデータの組を、標準統計分析ソフトに取り込んで、さらに分析する。好適なソフトウェア分析用ソフトは、SAS(ノースカロライナ州カリー)が挙げられ、ナショナル・インスツルメンツ(National Instruments)(テキサス州オースティン)から入手可能なラボビュー・インスツルメント・コントロール・ソフトウェア(LabVIEW Instrument Control Software)3.1が好ましい。LabVIEWソフトウェアを使用する時には、個々の走査で得られる表面高さ及び時間にリンクする生データの組が、LabVIEWソフトウェアの中間値分析ツールを使用して中間値周りに集められる。16トレースのそれぞれから得られる512点のデータは、振幅・位相スペクトルツールを使用して16個の振幅スペクトルに変換される。次いで、各スペクトルは、SASソフトウェアのPROCスペクトル方法に記載される方法を使用して平滑化される。LabVIEW平滑化フィルターの値は、0.000246、0.000485、0.00756、0.062997、0.00756、0.000485、0.000246を利用する。このツールからの出力は、振幅スペクトル・マグニチュード(実効電圧)として得られる。
【0088】
次いで、米国音響学会雑誌(Journal of Acoustical Society of America)第35巻、1962(1963)年で「振動触覚閾値に対する接触器面積の影響(Effect Of Contactor Area On The Vibrotactile Threshold)」というタイトルの論文、に記載のように、振動周波数の関数としての振動触覚閾値に関するヴェリロ(Verrillo)のデータから設計される一連の周波数フィルターを使用して、振幅データをヒトの触覚応答に調節する。前述のデータを1秒当りのサイクルとして時間領域で報告し、1ミリメートル当りのサイクルにおける空間領域に変換する。変換因子及びフィルター値は、1991年国際紙物理学会(Internationnal Paper Physics Conference)、TAPPIブックI、より具体的には、アンパルスキーらによる「ペーパー・ティッシュの機械的特性の測定のための方法(Methods For The Measurement Of The Mechanical Properties Of Paper Tissue)」というタイトルで19ページに記載の手順に見出され、「生理的表面平滑性(Physiological Surface Smoothness)」というタイトルの22ページに記載の具体的な手順を利用する。フィルターからの応答性は、0で最少閾値より低く、最大応答周波数より高く設定され、前述のアンパルスキー(Ampulski)らの論文に記載されるようにそれらの間の0〜1で変化する。
【0089】
生理学的に調節された周波数−振幅データは、前述の振幅スペクトルを各周波数で適切なフィルター値を乗じることによって得られる。通常の振幅スペクトル及びフィルター処理された振幅スペクトルは、前述のアンパルスキー(Ampulski)らの論文の図5に示されている。ヴェリロ(Verrillo)調節された周波数−振幅曲線は、1ミリメートル当り0〜10サイクルの間の点を合計する。この合計が、生理的表面平滑度とみなされる。このようにして得られる生理的表面平滑度の順方向に8点及び逆方向に8点の値を、その後平均してミクロンオーダーで報告する。
【0090】
SASソフトウェアを使用する生理的表面平滑度測定については、譲受人に譲渡された、米国特許第4,959,125号(スペンデル(Spendel)、1990年9月25日発行);米国特許第5,059,282号(アンパルスキー(Ampulski))ら、1991年10月22日発行);同第5,855,738号(ワイズマン(Weisman))ら、1999年1月5日発行)、及び同第5,980,691号(ワイズマン(Weisman))ら、1999年11月9日発行)に記載されている。
【0091】
同じ面から全トレースが取得されるのであれば、ティッシュのいずれの面を平滑度測定に選択してもよい。ティッシュのいずれかの面が本明細書に記載の平滑度基準のいずれかを満たす場合、ティッシュの表面全体が基準内に入るものと判断される。ティッシュの両面が前述の基準を満たすことが好ましい。
【0092】
(実施例)
3重量%のノーザン・ソフトウッド・クラフト(NSK:Nothern Softwood Kraft)繊維を含む水性スラリーを、従来のリパルパー(re−pulper)で調製した。NSKスラリーを穏やかに精製し、永久湿潤強度向上樹脂(カイメン(Kymene)(登録商標)617)の2%溶液を、全乾燥繊維の0.9重量%の割合でNSKストックパイプに加えた。NSK繊維上への永久湿潤強度向上樹脂の吸収は、インライン混合機によって増進される。乾燥強度向上樹脂(カルボキシメチルセルロース)の1%溶液を、全乾燥繊維の0.14重量%の割合でファンポンプの前にNSKストックに加える。NSKスラリーを、ファンポンプで約0.2%濃度まで希釈した。
【0093】
ジ−硬化タロージエチルエステルジメチル四級アンモニウムクロライド及び平均分子量400を有するポリオキシエチレングリコール(PEG−400)を含む、化学柔軟化組成物を調製した。PEG−400を約66℃まで加熱し、四級化物を溶融PEG−400に溶解させて、均質な混合物を形成した。
【0094】
3重量%のユーカリ繊維を含む水性スラリーを、従来のリパルパーで調製した。化学柔軟化組成物の1%溶液を、全乾燥繊維の0.09重量%の割合でユーカリストックパイプに加えた。ユーカリスラリーを、ファンポンプで約0.2%濃度まで希釈した。ポストCMC添加後、スラリーをストックポンプで約0.2%まで希釈する前に、化学柔軟化組成物の1%溶液もまたNSKスラリーに加えた。
【0095】
NSKとユーカリ繊維との比が40:60になるように2種のスラリーを組み合わせ、得られたスラリーを、単層ヘッドボックスを用いて長網抄紙ワイヤ上に付着させて初期ウェブを形成した。長網抄紙ワイヤを通じて脱水を起こさせ、デフレクター及び真空ボックスによって支援した。
【0096】
初期ウェブを、移動の時点で約20%の繊維濃度で、長網抄紙ワイヤから従来の乾燥フェルトに移動した。次いで、ウェブを、ポリビニルアルコール(PVA)の0.25%水溶液を含む噴霧されたクレーピング接着剤とともに、ヤンキードライヤーの表面に移動した。ドクターブレードによってウェブを乾燥クレーピングする前に、繊維濃度を推定96%まで増加させた。ドクターブレードは、約25°の斜角を有しており、ヤンキードライヤーに対し約81°の衝撃角を提供するように位置決めされる。ヤンキードライヤーを約4m/sで操作し、乾燥したカレンダー加工していないペーパーを、リールにおいて1プライロールに形成した。
【0097】
これらの1−プライロールの3つを取って、オフライン巻き直し操作を実施して3−プライロールを形成し、その後それを、全寸法が約210mm平方の3プライティッシュ・ペーパー製品に加工した。
【0098】
1−プライロールの3つを同時に巻き直すことによって、3−プライロールを製作した。1−プライロールのペーパー・ティッシュ・ウェブを巻き直す間に、それぞれを硬質ゴム(ショアA硬度60)と鋼鉄ロールとの間に形成されたエンボス・ニップに通過させた。鋼鉄ロールは、80個の楕円形エンボス要素を含んでおり、高さが0.26mmである。続いて、一式のロールによってペーパー・ティッシュ・ウェブを近接配置して、近接配置された3つのウェブを2つの鋼鉄カレンダー・ロール間に形成されたカレンダー・ニップに通過させ、これらのロールを全圧力13440Nに相当する、接触長さ1cm当り160Nの圧力で互いに押し付けた。
【0099】
その後、3−プライロールを3−プライティッシュ製品に加工した。3つのプライウェブを巻き戻し、折り畳む前にエンボス加工工程を実施した。端部から約15mm内側に延びる、ティッシュ・ペーパー製品の縁部分を、PCT国際公開公報WO95/27429(1995年10月19日公開)に記載のプロセスに従ってエンボス加工した。ティッシュ・ペーパー製品の表面積の大部分(すなわち、15mmの縁部以内の全表面積)は、エンボス加工しなかった。前述のエンボス加工されていない面積のうちの小さい面積にわたってブランド名をエンボス加工することによって、ティッシュをさらに装飾し、前述のエンボス加工していない面積にエンボス加工する場合、4つの装飾的リーフパターンも加えた。
【0100】
折り畳む前に、2工程の適用プロセスを介して、3−プライウェブの外表面それぞれに、ローションを転写した。ローションは、ジ−硬化タロージエチルエステルジメチル四級アンモニウムクロライドの水溶液とした。転写は、3−プライウェブを、それぞれ彫刻アニロックスロール及びゴム製バッキングロールの対から成る、2つの連続転写ステーションに通過させることによって達成した。
【0101】
アニロックスロールは、1平方メートル当り約3mlのセル体積に彫刻されており、彫刻された容積をローションで充填するように設計された密閉供給チャンバから、ローションを供給した。アニロックスロールとバッキングロールの間に0.35mmの隙間を設け、3−プライウェブをこの隙間に通過させて、アニックスロールに触れている表面にローションを移動させた。次いで、ウェブを、0.35mmの隙間で同一のアニロックス/ゴムロール対を備える第2転写ステーションに通過させた。この対は、まだローションを付けていない表面に接触する第2アニックスロールがローションをそれに移動させるように配置された。この配置で、最終3−プライティッシュの単位乾燥重量当り0.45%の活性四級化物が移動した。
【0102】
前述のプロセスによって得られたペーパー・ティッシュは、秤量54g/m2、総キャリパー0.35mm、1プライ当りのキャリパー0.12mm、湿潤破裂強度250g、及びPSSパラメータ620ミクロンであった。
【0103】
本特許出願で参照した、いずれの譲受特許及び特許出願も、参照によりここに組み込む。
(発明の分野)
本発明は、ペーパー・ティッシュ製品、特にフェイシャルティッシュ及び使い捨てハンカチに関する。より詳細には、本発明は、そのようなティッシュ・ペーパー製品のための加工工程、すなわちエンボス加工及びカレンダー加工に関する。
【0002】
(発明の背景)
時にティッシュ又はペーパー・ティッシュのウェブ又はシート、並びにペーパー・ハンカチのようなそれらから製造される製品、と呼ばれまた時にフェイシャルティッシュとも呼ばれるペーパー・ウェブ又はシートは、現代社会で広範な用途が見出されている。フェイシャルティッシュ、トイレットティッシュ、及びキッチンタオルのような商品は、商取引の主要商品であり、これらすべてを本明細書ではペーパー・ティッシュ製品と呼ぶ。長年このような製品の重要な物理的特性は、その強度及び厚さ/キャリパー、その柔軟性及び平滑性、その吸収性、並びにその耐リント性であると認識されてきた。研究開発の取組みは、他に深刻な影響を与えずにこれらの各特性を改善させるのと同様に、2つ又は3つの特性を同時に改善させることを対象としてきた。
【0003】
柔軟性及び平滑性は、消費者が特定の製品を保持し、皮膚に擦り付け、手の中で丸める時に知覚する触感に関係している。触感は、いくつかの物理的性質の組み合わせである。触感は、例えば米国特許第5,855,738号明細書から知られている生理的表面平滑度(PSS:physiological surface smoothnessの略)パラメータの目的パラメータによって、うまく捉えることができる。消費者の触感について重要であるのは、ティッシュ製品の厚さ/キャリパーである。
【0004】
強度とは、物理的一体性を維持し、使用条件下での引裂、破裂、及び細断に耐える、製品の能力である。
【0005】
吸収性とは、製品が多量の液体、特に水溶液又は水分散液を吸収する能力の尺度である。消費者によって知覚される全体的な吸収性は、一般に、所与の質量のペーパー・ティッシュが飽和時に吸収する液体の総量、並びにその質量が液体を吸収する速度を組み合わせたものとみなされる。
【0006】
耐リント性とは、繊維製品及びその構成ウェブが、濡れている時を含む使用条件下で、互いに結合する能力である。換言すれば、耐リント性が高いほど、ウェブがリントを起こす傾向が低下する。
【0007】
1998年12月23日公開のPCT国際公開公報WO98/58124号は、高さが少なくとも1mmのエンボス要素を用いたエンボス加工方法を開示している。
【0008】
1991年1月16日公開のEP0408248公開明細書は、エンボス加工工程を同時カレンダー加工工程と組み合わせた加工方法を開示している。
【0009】
1998年12月23日公開のEP0668152公開明細書は、一致しないオス型及びメス型エンボス要素を用いたエンボス加工方法を開示している。
【0010】
1999年3月10日公開のEP0696334公開明細書は、嵩を増加させないエンボス加工工程を開示している。
【0011】
米国特許第5,855,738号明細書は、カレンダー加工工程を含む、滑らかなペーパー・ティッシュを製造するためのプロセスを開示している。
【0012】
比較的厚く、しかも柔らかい使い捨てのペーパー製品、すなわちペーパー・ハンカチ及びフェイシャルティッシュの形態の製品が既知である。例えば、プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble)から販売されるテンポ(Tempo)(登録商標)は、厚さ及び柔軟性を備え、約0.3mmのキャリパーを有する、4プライのフェイシャルティッシュ・ペーパー製品である。高いキャリパーが、消費者に高い乾燥及び湿潤強度の理念を伝える。湿潤破裂強度とも呼ばれる湿潤強度が高いと、特にペーパー・ハンカチの引裂又は破裂が防止され、それが次にはユーザーの手が粘液又は他の体液で汚染されるのを防ぐことになる。
【0013】
非常に滑らかな表面の提供を試みる際には、当該技術分野では、ペーパー・ティッシュにカレンダー加工を施すことが一般的である。しかしながら、カレンダー加工は、平滑性のためにキャリパーと柔軟性の犠牲を伴うことを常に意味する(米国特許第5,855,738号明細書に論じられているとおり)。
【0014】
高い湿潤破裂強度及び通常比較的高いキャリパーを備える製品は、空気通過乾燥によって製作される製品である。しかしながら、空気通過乾燥設備は、従来の抄紙機械で利用可能でなく、このような装置の供給には、かなりの経済的投資を伴う。他の側面では、空気通過乾燥設備は、従来の乾燥設備に比べてエネルギー消費量が多い。従って、依然として関心事であるのは従来の製紙機械を用いて優れたペーパー品質を提供することである。
【0015】
ゆえに、材料又はエネルギー使用の増大なしに、全ての関係する物理パラメータを満足させる、既知の製品基準を満たす又はそれをさらには越えるペーパー・ハンカチを提供する挑戦が続けられている。同一の消費者利益が、セルロース原料を殆ど使用せずに提供されることが理想的である。
【0016】
従来技術及び前述の考慮事項を鑑みて、以下の性質を有するティッシュ製品、特にフェイシャルティッシュが今なお必要とされている。
【0017】
−最適強度、すなわち湿潤破裂強度、吸収性、及び耐リント性を持ち合わせ、
−さらに、柔軟性、平滑性、及び厚さの理想的な触感を与え、
−製造のコスト効率が高く、好ましくは従来の製紙機械で生産することができ、
−任意選択的にスキンケア利益を提供する製品。
【0018】
(発明の概要)
本発明は、ペーパー・ティッシュ、特にフェイシャルティッシュ及び使い捨てハンカチに関する。ティッシュ・ペーパー・ウェブからティッシュ・ペーパー製品を製造するための方法であって、以下の工程を含む方法を請求し、記載する。
【0019】
ティッシュ・ペーパー・ウェブを、第1エンボス・ロールと第2エンボス・ロールの間に形成されたエンボス・ニップに通過させる工程と、ここでエンボス・ロールの少なくとも1つが、1平方センチメートル当り少なくとも30個のエンボス要素を含み、
前記ティッシュ・ペーパー・ウェブを、第1カレンダー・ロール及び第2カレンダー・ロールとの間に形成されたカレンダー・ニップに通過させる工程と、ここで前記第1カレンダー・ロール及び前記第2カレンダー・ロールが、前記第1カレンダー・ロールの軸方向に平行に測定される接触長さにわたって前記ティッシュ・ペーパー・ウェブと接触しており、且つ前記第1カレンダー・ロール及び前記第2カレンダー・ロールが、前記ペーパー・ウェブ上に、前記接触長さ1センチメートル当り少なくとも50Nの圧力を加える工程。
【0020】
さらに、前述の方法に従って製造されるペーパー・ティッシュ製品について請求する。
【0021】
(詳細な説明)
好適な抄紙工程
本発明によれば、セルロース繊維構造体は、抄紙技術分野で周知の原理及び機械を使用して、湿式処理される。ペーパー・ティッシュ基質を製造するプロセスに好適なパルプ原料は、好ましくは、本質的にセルロース繊維(通常木材パルプ繊維として知られる)又はセルロース由来繊維(例えば、レーヨン、ビスコースが挙げられる)から成る抄紙繊維を含有する。軟材(裸子植物又は針葉樹)及び硬材(被子植物又は落葉樹)由来の繊維が、本発明での使用に企図される。繊維が、特定された木の種類から由来するかどうかは、重要ではない。木材パルプ繊維は、いずれかの便利なパルプ製造プロセスによって現地の木材からすることができる。サルファイト、サルフェート(クラフトを含む)のような及びソーダ法のようなケミカルプロセスが好適である。サーモケミカル法(又はアスプルンド(Asplund)法)のようなメカニカルプロセスも好適である。加えて、様々なセミケミカルプロセス及びケミメカニカルプロセスを使用することもできる。漂白繊維並びに非漂白繊維の使用が企図される。好ましくは、ラテックス繊維のような非セルロース繊維は使用しない。
【0022】
本発明によるペーパー・ティッシュは、極めて好ましい構成成分として、湿潤強度向上化学薬品を含有してもよい。好ましくは、乾燥繊維重量を基準にして、約3.0重量%まで、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも0.8重量%の、水溶性の永久又は一時湿潤強度向上樹脂のような湿潤強度向上化学薬品が含有される。
【0023】
本明細書で有用な湿潤強度向上樹脂は、いくつかの種類のものであってよい。。例えば、ウェストフェルト(Westfelt)は、セルロースの化学及び技術(Cellulose Chemistry and Technology)、第13巻、813〜825ページ(1979年)で、そのような多数の材料について記載しており、それらの化学的性質について論じている。
【0024】
普通、湿潤強度向上樹脂は、水溶性の陽イオン性物質である。すなわち樹脂は、抄紙設備に添加される時には水溶性である。架橋のようなその後の事象が樹脂を水不溶性にする可能性が十分にあり、そのように予想さえされる。さらにある樹脂では、限られたpH範囲を超えた条件のような特殊な条件下でのみ可溶性である。湿潤強度向上樹脂は、一般に抄紙繊維上、抄紙繊維内、又は抄紙繊維の間に沈着した後で、架橋又は他の硬化反応を起こすと考えられている。通常架橋又は硬化は、大量の水が存在する間は起こらない。
【0025】
特に有用性があるのは、種々のポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂である。これらの物質は、アミノ基、エポキシ基、及びアゼチジン基のような反応性官能基を有する低分子量ポリマーである。特許文献には、このような物質の製造プロセスの記述が多数あり、例えば、1972年10月24日発行のカイム(Keim)の米国特許第3700623号、及び1973年11月13日発行のカイム(Keim)の米国特許第3772076号が挙げられる。
【0026】
ハーキュレス社(Hercules Inc.)(デラウェア州ウィルミントン)から、登録商標カイメン(Kymene)557H及びカイメン(Kymene)LXとして販売されている、ポリアミド−エピヒドロクロリン樹脂が、本発明で特に有用である。これらの樹脂については、前述のカイム(Keim)の特許に総括的に記載されている。
【0027】
本発明で有用な塩基活性化ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂は、モンサント社(Monsanto Company)(ミズーリ州セントルイス)から、サント・レ(Santo Res)(登録商標)(例えばサント・レ(Santo Re)31)として販売されている。これらの種類の材料は、一般に、米国特許第3855158号(ペトロヴィク(Petrovich)、1974年12月17日発行);米国特許第3899388号(ペトロヴィク(Petrovich)、1975年8月12日発行);米国特許第4129528号(ペトロヴィク(Petrovich)、1978年12月12日発行);米国特許第4147586号(ペトロヴィク(Petrovich)、1979年4月3日発行);及び、米国特許第4222921号(ヴァン・イーナム(Van Eenam)、1980年9月16日発行)に記載されている。
【0028】
本明細書で有用な他の水溶性陽イオン性樹脂は、アメリカン・シアナミド社(American Cyanamid Company)(コネチカット州サンドフォード)から、パレス(Parez)(登録商標)(例えばパレス(Parez)631NC)として販売されているような、ポリアクリルアミド樹脂である。これらの材料は、一般に、米国特許第3556932号(コシア(Coscia))ら、1971年1月19日発行);及び、米国特許第3556933号明細書(ウィリアムズ(Williams))ら、1971年1月19日発行)に記載されている。
【0029】
本発明で有用な他の種類の水溶性樹脂には、アクリルエマルション及び陰イオン性スチレンブタジエンラテックス類が挙げられる。これらの種類の樹脂の多数の例が、米国特許第3844880号明細書(メイセル・ジュニア(Meisel Jr)他、1974年10月29日発行)に記載されている。本発明における有用性が見出される、さらに他の水溶性陽イオン性樹脂は、ユリアホルムアルデヒド及びメラミンホルムアルデヒド樹脂である。これら多官能性の反応性ポリマーは、数千のオーダーの分子量を有する。より一般的な官能基には、アミノ基及び窒素に結合したメチロール基のような窒素含有基が挙げられる。ポリエチレンイミン型の樹脂は、あまり好ましくはないが、本発明での有用性が見出されている。
【0030】
前述の水溶性樹脂(その生産が挙げられる)のより完全な記述は、TAPPIモノグラフシリーズ第29番「紙及び板紙における湿潤強度(Wet Strength in paper and Paperboard)」、紙パルプ技術協会(Technical Association of the Pulp and Paper Industry)(ニューヨーク;1965年)に見出すことができる。
【0031】
また、一時湿潤強度向上剤、例えば修飾デンプンを、任意選択的に使用してもよい。永久湿潤強度向上剤と一時湿潤強度向上剤との組み合わせを使用してもよい。
【0032】
本発明は、乾燥繊維重量を基準に、好ましくは3重量%までの濃度で、より好ましくは少なくとも0.1重量%の、乾燥強度向上化学薬品を含有してよい。極めて好ましい乾燥強度向上化学薬品は、カルボキシメチルセルロースである。他の好適な乾燥強度向上化学薬品には、ポリアクリルアミド(例えば、アメリカン・シアナミド社(American Cyanamid)(ニュージャージー州ウェーン)製のシプロ(Cypro)(商標)514及びアコストレングス(Accostrength)(商標)711の組み合わせ);デンプン(例えばトウモロコシデンプン又はジャガイモデンプン);ポリビニルアルコール(例えば、エア・プロダクツ社(Air Products Inc.)(ペンシルベニア州アレンタウン)製のエアボル(Airvol)(商標)540);グアーガム又はイナゴマメゴム;及びポリアクリレートラテックスが挙げられる。また、好適なデンプン材料には、アミノ基及び窒素に結合したメチロール基のような窒素含有基を有するように修飾されたデンプンのような修飾された陽イオン性デンプンも挙げられ、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Company)(ニュージャージー州ブリッジウォーター)から入手可能である。
【0033】
化学結合抑制剤を含む化学柔軟化組成物は、本発明の任意成分である。米国特許第3821068号(1974年6月28日発行)は、化学結合抑制剤を使用して、ペーパー・ティッシュ・ウェブの剛性を低下させ、従って柔軟性を向上させることができることを教示している。米国特許第3554862号(1971年1月12日発行)は、好適な化学結合抑制剤を開示している。これらの化学結合抑制剤には、第四級アンモニウム塩が挙げられる。
【0034】
好ましい化学柔軟化組成物は、約0.01%〜約3.0%の第四級アンモニウム化合物、好ましくは生分解性第四級アンモニウム化合物;並びに、約0.01%〜約3.0%のポリヒドロキシ化合物;好ましくは、グリセロール、ソルビトール類、約150〜約800の平均分子量を有するポリグリセロール類、及び約200〜4000の重量平均分子量を有するポリオキシエチレングリコール類及びポリオキシプロピレングリコール類(重量平均分子量約200〜4000)から成る群から選択されるものを含む。好ましくは、第四級アンモニウム化合物とポリヒドロキシ化合物の重量比が、約1.0:0.1〜0.1:1.0の範囲にある。抄紙完成紙料に加える前に、好ましくは少なくとも40℃の温度で、初めにポリヒドロキシ化合物と第四級アンモニウム化合物とを合わせて事前混合する時に、化学柔軟化組成物がより有効であることがわかった。それに加え、あるいは別法として、例えば転写プロセスを用いて、化学柔軟化組成物を実質的に乾燥したペーパー・ティッシュ・ウェブに適用してもよい(注意:本明細書では特に指示のない限り、すべてのパーセンテージは乾燥繊維の重量を基準にする)。
【0035】
本発明で使用するのに好適な第四級アンモニウム化合物の例には、周知のジアルキルジメチルアンモニウム塩及びアルキルトリメチルアンモニウム塩の、非修飾型、あるいはモノ−又はジ−エステル変異型のいずれかが挙げられる。例として、ジ(水素添加タロー)ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのジ−エステル変異型、及びジ(水素添加タロー)ジメチルアンモニウムクロライドのジ−エステル変異型が挙げられる。理論に束縛されるものではないが、1(又は複数)のエステル部分が、これらの化合物に生分解性を与えると考えられている。市販の材料は、ウィトコ・ケミカル社(Witco Chemical Company Inc.)(オハイオ州ダブリン)から商標「リオクァト(Rewoquat)V3512」として入手可能である。分析及び試験手順の詳細は、PCT国際公開公報WO95/11343(1995年4月27日公開)に記載されている。
【0036】
本発明で有用なポリヒドロキシ化合物の例には、重量平均分子量約200〜約600のポリオキシエチレングリコール類が挙げられ、とりわけ「PEG−400」が好ましい。
【0037】
好ましい薬剤として前述に列記した特定の化学薬品を添加すると、得られるペーパー製品に非常に有益な効果、すなわち柔軟性を与えることができるが、本発明に有用なペーパー・ティッシュ・ウェブは、当業者に周知のいずれかの一般的な製造方法によって製造してもよい。
【0038】
このような抄紙プロセスは、例えば1つ以上の抄紙業者のフェルト及び/又はベルトを使用して、好適なパルプを脱水することを含む。本発明には、従来の抄紙プロセスが好ましい。本明細書で従来のプロセスと称するいずれのプロセスも、空気通過乾燥工程を含まない抄紙プロセスである。別法として、空気通過乾燥工程を含む抄紙プロセスを用いることもできる。
【0039】
ストレッチエンボス加工工程
本発明は、具体的には、当該技術分野で加工工程として知られる工程に関する。
【0040】
本発明に従って実施すべき重要な加工工程の1つは、低い圧力を使用して非常に微細なパターンをエンボス加工するエンボス加工工程である。
【0041】
ペーパー・ティッシュ・ウェブのエンボス加工は、一般にウェブを2つのエンボス・ロールの間に形成されたニップに通過させることによって達成され、少なくとも1つのエンボス・ロールがエンボス要素を含んでいる。エンボス・ロールは、典型的には湾曲しているが、エンボスがなければ平面を含む。エンボス要素は、この表面の上方に隆起する突起部であり、湾曲した平らなロール表面から突起部の最上点まで、エンボス・ロールの軸に垂直な方向で測定した時、ある高さを有する。エンボス要素は、本質的に平らなロール表面の平面内で測定される、特定の幅を有する。本明細書で使用する幅という用語は、前述で指定した平面内で(すなわちエンボス要素の底部において)測定される、丸いエンボス要素の直径を指し、あるいはエンボス要素が丸くない時には、前記平面内で測定される最大幅を指す。
【0042】
本発明によれば、エンボス要素は、ピラミッド形又は半球形のようないずれの形にもすることができ、エンボス要素の断面は、円形、楕円形、又は四角形にすることができる。エンボス要素が連続的なパターンを形成してもよいが、それぞれ別個の形態であることが好ましい。
【0043】
本発明によれば、エンボス要素は、非常に微細なパターンで少なくとも1つのエンボス・ロール全体にわたって配置されており、エンボス・ロールの表面積1平方センチメートル当り、少なくとも30個のエンボス要素、好ましくは少なくとも50個、より好ましくは少なくとも60個、さらに好ましくは少なくとも70個、最も好ましくは少なくとも80個のエンボス要素が含まれる。
【0044】
本発明によれば、エンボス要素は高いものではなく、好ましくは1mm未満、より好ましくは0.8mm未満、さらに好ましくは0.6mm未満、さらにより好ましくは0.5mm未満又は0.4mm未満、最も好ましくは0.3mm未満の高さを有する。
【0045】
好ましくは、ストレッチエンボス加工によって提供される、エンボス加工される面積とエンボス加工されない面積との比が、5%〜95%、より好ましくは20%〜80%、最も好ましくは40%〜60%であり、すなわち最も好ましい場合には、ティッシュ・ペーパー・ウェブの全表面積の40%〜60%がエンボス加工される。
【0046】
エンボス・ロールのいずれかの既知の種類、及びそのようなロールの操作様式は、本発明の範囲内である。本発明の好ましい実施形態の1つでは、2つの硬質金属、例えば鋼鉄製のエンボス・ロールが使用され、第1ロールがオス型ロールと呼ばれる突起するエンボス要素を含み、第2ロールがメス型ロールと呼ばれる合致する凹部を含む。凹部は、突起するエンボス要素の鏡像にしてよく、又は、例えばメス型ロール内の凹部のサイズ又は形状(例えば傾斜)のわずかな差異により、正確な鏡像よりもわずかに小さくなるように適合させてもよい。
【0047】
本発明による他の極めて好ましいエンボス加工工程では、第1エンボス・ロールが、突起するエンボス要素を含む硬質金属から提供されるウェブ接触表面を備え、第2エンボス・ロールが、より柔らかい材料、例えばゴム、好ましくはショアA硬度40〜70の材料を含むウェブ接触表面を備えており、凸形のエンボス要素と十分に近接して接触すると凹部が形成される。ゴムのロールとの組み合わせで、硬質金属のロールからエンボス・ニップを提供することには多数の利点があり、例えば、オス型及びメス型の硬質金属ロールほどロールの調節が重大ではないので、生産及び操作がより安価で容易になる。驚くことに、硬質金属/ゴムのロールの組み合わせを使用する時にも、本明細書で特許請求する製造方法が優れた結果を提供することがわかった。
【0048】
2つのエンボス・ロールの間に形成されるニップのサイズは、例えば、プロセスされるティッシュ・ペーパー・ウェブに応じて、及び使用されるエンボス加工パターンに応じて適合させるべきである。さらに、そのような考慮事項に応じて、第1エンボス・ロールと第2エンボス・ロールを1つに合わせるのに圧力をかけなくてもよく、又はいくらか圧力をかけてもよい。
【0049】
このプロセスで2つの硬質金属ロール、すなわちオス型及びメス型ロールを用いる時には、オス型ロールの突起するエンボス要素とメス型ロールの凹部の底部との間に、エンボス加工されていないティッシュ・ペーパーのキャリパーの60%〜140%、好ましくは80%〜120%に相当する空間が残るようにロールを操作するべきである。
【0050】
硬質金属のロールをゴムのロールと組み合わせて使用する時には、ロールを、10N/平方センチメートル〜1000N/平方センチメートル、好ましくは20N/平方センチメートル〜200N/平方センチメートル、最も好ましくは50N/平方センチメートル〜100N/平方センチメートルの圧力で互いに押し付けるべきである。
【0051】
本発明には既知の操作様式が好適であり、エンボス・ロールを加熱せずに同じ速度で動作させることが好ましいが、代替的な操作様式では、少なくとも1つのロールを加熱してよく、ロールを異なる速度で動作させてもよい。
【0052】
微細なパターンを有する前述のエンボス加工は、重要な一態様では、キャリパー、又は換言すればペーパー・ティッシュ・ウェブの嵩を増加させるのに役立つ。従って、本発明の極めて好ましい様式では、ペーパー・ティッシュの単一ウェブ又は単一プライをエンボス・ニップに通過させる。代替的な操作様式では、ペーパーの複数プライを同時にニップに通過させてもよい。しかしながら、理論に束縛されるものではないが、本出願人は、本明細書に記載の変形エンボス加工は、ティッシュ・ペーパーを伸張させ、それが変形を引き起こすが、ティッシュ・ペーパーの実質的な高密度化は引き起こさないと考えており、ゆえに本出願人は、前述のエンボス加工方法は、並置されたプライの接合にはあまり好適でないとみなしている。むしろ、多プライ・ティッシュ・ペーパー製品を提供するために、別個の異なる接合工程を用いることが企図され、この接合工程は、好ましくは以下に記載する「付着エンボス加工」のようなエンボス加工工程を含む。
【0053】
カレンダー加工工程
加工プロセスではカレンダー加工のいずれの既知の加工方法も採用することができるが、本発明によれば、非常に高いカレンダー圧力が用いられる。
【0054】
本発明によるカレンダー加工工程は、1つ又は複数のティッシュ・ペーパー・ウェブを、第1カレンダー・ロールと第2カレンダー・ロールの間に形成されたカレンダー・ニップに通過させることを含む。典型的には、両方のカレンダー・ロールは、ある長さにわたってウェブと接触しており、この長さは本明細書では接触長さと呼ばれ、前記第1カレンダー・ロールの軸方向に平行に測定される。カレンダー・ロールは、ウェブ上に前記接触長さ1センチメートル当り少なくとも30Nの圧力をかけ、こうすることで互いにそのような圧力で押し付け合うことになる。より好ましくは、前記接触長さ1センチメートル当りの圧力は、50N〜300N、より好ましくは60N〜250N、さらに好ましくは70N〜200N、最も好ましくは120N〜150Nである。本発明によれば、ペーパー・ティッシュ製品が含むプライの数だけ、ペーパー・ティッシュ・ウェブをカレンダー加工することが好ましく、例えば、2、3、又は4つのウェブを近接配置して、1工程でカレンダー加工することができる。
【0055】
本発明には既知の装置及び既知の操作様式が好適であり、カレンダー・ロールを加熱せずに同じ速度で動作させることが好ましいが、代替的な操作様式では、少なくとも1つのロールを加熱してよく、ロールを異なる速度で動作させてもよい。
【0056】
カレンダー加工は、ティッシュ・ペーパー・ウェブのキャリパーを減少させることで当該技術分野において周知であり、典型的には、ペーパー・ティッシュ製品のキャリパーが要求される仕様を確実に満たすように用いられる。
【0057】
カレンダー加工は、ペーパー・ウェブの高密度化を引き起こす圧力が使用されるため、ペーパー・ティッシュ製品の知覚される柔軟性を低減させることで知られている。従って、カレンダー加工は、少なくともペーパー・ハンカチのような衛生用ペーパーの領域では、あまり高い圧力では実施されず、通常エンボス加工ペーパー・ウェブには10N/cm〜20N/cmが選択される。
【0058】
本発明の着想時に、驚くべきことに、特許請求する具体的なエンボス加工工程を、特許請求する具体的なカレンダー加工工程と組み合わせると、かなり厚く嵩高であるが、非常に柔らかいペーパー製品が得られることがわかっている。
【0059】
より詳細には、ストレッチエンボス加工工程及びカレンダー加工工程を行った後のペーパー・ティッシュ・ウェブは、処理していないウェブに比べてキャリパーが増加することがわかった。(例えば、1工程で3つのウェブをカレンダー加工する時には、処理していないウェブの3つの層と、エンボス加工及びカレンダー加工したウェブの3つの層との間で比較するべきである。)この効果は特に驚くべきもので、高い圧力でカレンダー加工すると、ペーパー・ウェブのキャリパーが大幅に減少することが知られており、例えばDE04414238.2明細書に記載されている。
【0060】
本発明で請求する製造方法は、処理していないウェブのキャリパーを処理したウェブのキャリパーと比較した時に、ペーパー・ティッシュ・ウェブのキャリパーを、10%だけ、時にはさらに30%、さらには40%、60%、80%、又は100%まで増加させることがわかった。ストレッチエンボス加工工程単独で、典型的にはキャリパーが50%〜200%増加する。
【0061】
本発明によるペーパー・ティッシュは、互いに対向する第1表面及び第2表面と、第1表面及び第2表面に直交する厚さとを有する。厚さは、ティッシュのキャリパーとも呼ばれる。本発明による3プライのペーパー・ティッシュ製品のキャリパーは、好ましくは0.1mm〜1mm、より好ましくは0.2mm〜0.5mmである。
【0062】
さらに、本発明によるペーパー・ティッシュは、好ましくは、50gより大きい、より好ましくは100gより大きい、好ましくは150g〜500g、より好ましくは250g〜400gの湿潤破裂強度を有する。
【0063】
本明細書で請求する製造方法が、ペーパー・ティッシュの湿潤引張り強度に深刻な影響を与えずに、ペーパー・ティッシュの乾燥引張り強度を大幅に減少させることがわかった。請求する製造方法によって処理されたペーパー・ティッシュは、典型的には、乾燥引張り強度が1000g〜2500g、湿潤破裂強度が100g〜300gに達し、好ましくは、乾燥引張り強度と湿潤破裂強度の比が、0.1〜0.3、好ましくは0.125〜0.25、最も好ましくは0.15〜0.2に達する。
【0064】
他の態様では、本発明によるペーパー・ティッシュ製品が、1000ミクロン未満、好ましくは650ミクロン〜50ミクロン、より好ましくは650ミクロン〜300ミクロンの生理的表面平滑度パラメータを有することが好ましい。
【0065】
本発明の好ましい実施形態の1つでは、ペーパー・ティッシュ製品は2プライ〜4プライで提供されるが、3つのプライが最も好ましい。好ましくは、全てのプライが、ペーパー・ティッシュ製品の全表面積の少なくとも50%、好ましくは80%にわたって延びる、最も好ましくはペーパー・ティッシュ製品の全表面積にわたって延びる、ストレッチエンボス加工パターンを含む。
【0066】
任意のプロセス工程
本発明によるティッシュ・ペーパー製品を製造する方法は、さらに多数の任意工程を含んでもよい。
【0067】
転写又は噴霧のようないずれかの好適な手段によって、ローションを適用してよい。ローションは、ペーパー・ウェブ又はペーパー・ティッシュ製品のいずれかに、ウェブ又は製品の表面全体あるいはその一部分だけのいずれかにおいて適用することができる。多プライペーパー・ティッシュ製品では、ローションは、すべてのプライ又は選択されたプライだけのいずれかに適用してよく、プライの片面又は両面に適用してよい。好ましい実施形態の1つでは、ローションは、ペーパー・ティッシュ製品の両方の外側表面に適用される。
【0068】
ローションは、ペーパー・ティッシュの平滑性に寄与し、従ってそのPSSパラメータを減少させることがわかった。さらに、ローションは、スキンケア利益を有する。
【0069】
ローションは、柔軟化/結合抑制剤、皮膚軟化剤、固定剤、及びこれらの混合物を含んでもよい。好適な柔軟化/結合抑制剤には、第四級アンモニウム化合物、ポリシロキサン類、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な皮膚軟化剤には、プロピレングリコール、グリセリン、トリエチレングリコール、鯨蝋又は他の蝋類、ワセリン、脂肪酸類、その脂肪酸鎖中に12〜28個の炭素原子を有する脂肪族アルコール類及び脂肪族アルコールエーテル類、鉱油、すなわちシリコン油、例えばジメチコーン、及びパルミチン酸イソプロピル、並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な固定剤には、セレシン、ステアリルアルコール、及びパラフィン類、ポリヒドロキシ脂肪酸エステル類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0070】
他の任意構成成分には、香料、抗菌活性物質、抗ウイルス活性物質、殺菌剤、医薬品活性物質、皮膜形成剤、防臭剤、不透明化剤、収斂剤、及び溶媒などが挙げられる。ローション構成成分の特定の例には、カンファー、チモール、メンソール、カモミール抽出物、アロエベラ、キンセンカが挙げられる。
【0071】
本発明による特に好ましいローションは、前述に列記した構成成分を含む極めて移動性の高いローションであり、移動性によって、優れたスキンケア及び医薬品利益が確実になる。
【0072】
ペーパー・ティッシュ・ウェブの並置された複数プライを、好ましくは付着エンボス加工によって接合して、多プライのペーパー・ティッシュ製品を提供してもよい。本明細書で使用する時、「付着エンボス加工」とは、本発明による多プライティッシュの全プライが1つのプロセス工程でエンボス加工されるエンボス加工を指す。好ましくは、付着エンボス加工は、カレンダー加工されたいずれのプライの平滑性にも影響を及ぼさず、あるいは少なくとも大幅には影響を及ぼさない。従って、ティッシュが、ティッシュの表面積の大部分にわたって、好ましくは第1表面上及び第2表面上に、エンボス加工されていない表面を有することが好ましい。本明細書で使用する時、このことは、ティッシュが、付着エンボスを含まない1つ以上の領域と、任意選択的に付着エンボスを含む1つ以上の領域とを有しており、付着エンボスを含まない領域が、ティッシュの表面積の少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%であり、好ましい実施形態によっては99%に達することもあることを意味する。最も一般的には、付着エンボスを含む領域は、ティッシュの縁部に近接して(例えば2つ又は4つの縁部に沿って)配置され;付着エンボスを含む領域を装飾的な目的で(例えば、パターンを作製するため、あるいはロゴ又はブランド名を綴るために)使用してもよい。付着エンボスを含まない領域は、付着エンボスを含む領域の間及び/又は周りにある連続的な領域である。付着エンボスは、好ましくは、鋼鉄間ピン間エンボス加工によって、0.01mm〜1mm、好ましくは0.05mm〜0.2mmの高さを有する、1平方センチメートル当り10〜40個のエンボス要素で実施される。エンボス加工されない又は微細なエンボス加工をされる面積に対する、付着エンボス加工される面積の割合は、好ましくはペーパー・ティッシュ製品の全表面積の、0.01%〜5%である。付着エンボス加工は、付着を完成させるだけでなく、ペーパー・ティッシュ製品の実質的な高密度化をも包含する。従って、エンボス要素とその対応物(例えば、ピン間エンボス加工を用いる場合には2つのピン)との間の空間は、エンボス加工すべきペーパー・ティッシュのキャリパーよりも小さく、典型的にはエンボス加工すべきペーパー・ティッシュのキャリパーの5%〜50%、好ましくは10%〜20%であり、これが10,000〜50,000N/平方センチメートルのエンボス加工圧力を生じさせる。
【0073】
本発明の製造方法は、ペーパー・ハンカチのようなペーパー・ティッシュ製品に好適なシートを提供する工程をさらに含んでもよい。このような工程は、典型的には、ペーパー・ティッシュ・ウェブの一部分を断裁することを含む。
【0074】
所望であれば、本発明によるペーパー・ティッシュ製品に、機能的又は美観的しるしを設けてもよい。しるしは、ペーパー・ティッシュ製品の片面又は両面に適用してよい。しるしは、ペーパー・ティッシュ製品の全て又は一部を被覆してよく、連続又は非連続なパターンで適用してよい。
【0075】
しるしは、噴霧、押出、及び好ましくは印刷のような、当該技術分野で周知のいずれかの手段によって、ペーパー・ティッシュ製品に適用してよい。グラビア又はフレキソ印刷のいずれを用いてもよい。しるしを適用する手段として印刷を選択する場合、印刷装置は、譲受人に譲渡された米国特許第5,213,037号(レオパルディ2世(Leopardi,II)、1993年5月25日発行)の教示に従って構築してもよい。所望であれば、装置は、譲受人に譲渡された米国特許第5,255,603号(ソンヴィル(Sonneville))ら、1993年10月26日発行)に開示されるようなリザーババッフルを有してもよい。望むなら、しるしが、譲受人に譲渡された米国特許第5,802,974号(マクニール(McNeil)、1998年9月8日発行)に開示されるような穿孔又はドロップオフ切込みを備えるように要求してもよい。前述の特許の開示を参考として本願に組み込む。
【0076】
試験方法
キャリパーは、次の手順に従って測定される:キャリパー測定の前に、ペーパー・ティッシュ・ペーパーを21℃〜24℃及び相対湿度48〜52パーセントで2時間事前調湿する。トイレットティッシュのキャリパーを測定する場合、初めに15〜20シートを取り除いて廃棄する。フェイシャルティッシュのキャリパーを測定する場合、試料は、包装の中心付近から採取する。試料を選択し、その後さらに15分間調湿する。
【0077】
本明細書で使用する時、多プライペーパー・ティッシュのキャリパーとは、14.7g/cm2の圧縮荷重を受けた時のペーパーの厚さである。好ましくは、キャリパーは、スウィング−アルバート・インスツルメント社(Thwing−Albert Instrument Company)(ペンシルベニア州フィラデルフィア)から入手可能な、低負荷スウィング−アルバート(Thwing−Albert)マイクロメータ、モデル89−11を使用して測定される。1プライ当りのキャリパーとは、多プライペーパー・ティッシュの全キャリパーを、含まれるプライの数で割ったものである。単プライティッシュの場合、1プライ当りのキャリパーは、キャリパーと同一である。可能であれば、ティッシュの装飾された領域、穿孔、エッジ効果などは、避けるべきである。
【0078】
湿潤破裂強度は、電子破裂試験機及び次の試験条件を使用して測定される。破裂試験機は、2000gのロードセルを備える、スウィング−アルバート破裂試験機(Thwing−Albert Burst Tester)、カタログ番号177である。破裂試験機は、スウィング−アルバート・インスツルメント社(Thwing−Albert Instrument Company)(米国ペンシルベニア州フィラデルフィア)から供給される。
【0079】
8枚のペーパー・ティッシュを取り、2つの組に積み重ねる。はさみを使用して、それぞれ2つの完成製品ユニットの厚さで、機械方向におよそ228mm、横断機械方向におよそ114mmになるように試料を断裁する。
【0080】
初めに、試料の積重ねを小さいペーパークリップで1つにまとめることによって試料を1〜2時間経時変化させ、試料の積重ねの他端を「扇いで」シートをばらばらにして、シートの間に空気を循環させる。試料のそれぞれの積重ねを、クランプによって懸架して、107℃(±3℃)にしたドラフトオーブン内に5分間(±10秒)置く。加熱期間の後、試料の積重ねをオーブンから取り出し、試験前に最低3分間冷却する。
【0081】
試料細片を1つ取り、試料を横断方向の狭い縁部で保持して、試料の中心を、蒸留水約25mmで満たされた平鍋に浸漬させる。試料を4(4.0±0.5)秒間、水中に置く。試料を取り出し、試料を保持しながら3(3.0±0.5)秒間で排水させて、水を横断方向に流し去る。排水を停止した後すぐに試験を進める。製品の外表面を上方に向けて、湿潤試料を試料保持装置の下方リング上に設置して、試料の湿潤部分が試料保持リングの開放表面を完全に覆うようにする。皺が存在する場合、試料を廃棄し、新しい試料で繰り返す。試料を下方リング上に正しく設置した後、上方リングを下降させるスイッチを入れる。これで、試験すべき試料が、試料保持ユニット内で堅く把持される。この時点ですぐに開始ボタンを押して破裂試験を開始する。プランジャが上昇を開始する。試料が引裂又は断裂する時点における最大読み値を報告する。プランジャは、自動的に逆に移動し、元の開始位置まで戻る。合計4回の試験、すなわち4反復になるように、さらに3つの試料にこの手順を繰り返す。この結果を、4反復の平均として近似グラム数で報告する。
【0082】
次の手順に従って、乾燥引張強度を測定する:温度28℃+2.2℃、相対湿度50%+10%の調整された室内で、ペーパー(以下に記載する手抄き紙並びに他のペーパーシートが挙げられる)の約2.54cm×12.7cm(1インチ×5インチ)細片に試験を実施する。電子引張試験機(モデル1122、インストロン社(Instron Corp.)(マサチューセッツ州カントン))を使用し、クロスヘッド速度約5.08cm/分(2.0インチ/分)、ゲージ長さ約10.16cm(4.0インチ)で操作する。機械方向と呼ぶのは、試験する試料が、約12.7cm(5インチ)の寸法がその方向に対応するように調製されることを意味する。従って、機械方向(MD)乾燥引張強度では、約12.7cm(5インチ)寸法が、ペーパー製品の生産の機械方向に平行になるように細片を断裁する。横断機械方向(CD)乾燥引張強度では、約12.7cm(5インチ)寸法が、ペーパー製品の生産の横断機械方向に平行になるように細片を断裁する。生産の機械方向及び横断機械方向は、抄紙技術分野では周知の用語である。前述の装置及び従来方式における計算を使用し、各方向の強度について試験される少なくとも6個の細片の算術平均を取って、MD及びCD引張強度が決定される。本明細書で使用する時、乾燥引張強度とは、平均MD引張強度及び平均CD引張強度の算術平均である。
【0083】
PSSパラメータを報告する生理的表面平滑性測定には、皺、引裂、穿孔を避け、又は巨視的な単平面性から大きな逸脱のない、ペーパー・ティッシュ試料を選択する。試料は、試験前に22℃〜24℃及び相対湿度48%〜52%で少なくとも2時間調湿する。試料を電動テーブル上に設置し、その場で磁気的に固定する。同じ面から全トレースが取得されるのであれば、試料のいずれの面を測定に選択してもよい。
【0084】
生理的表面平滑度は、表面計によってペーパー・ティッシュ試料をいずれかの方向で走査して、Z方向の変位を距離の関数として得ることによって得られる。Z方向の変位は、フーリエ変換によって、周波数スペクトルに対する振幅に変換される。次いで、スペクトルを、一連のフィルターを使用してヒトの触覚応答について調節する。フィルター処理した振幅−周波数曲線のピーク高を、1ミリメートル当り0〜10サイクルで合計して、結果を出す。
【0085】
ペーパー・ティッシュ試料は、サイズがおよそ100ミリメートル×100ミリメートルであり、電動テーブル上に取り付けられる。いずれの好適なテーブルでも十分であるが、カトーテック株式会社(Kato Tech Company Limited)(日本、京都)から入手可能な表面試験機モデルKES−FB−4NKES−SEを備えるテーブル、あるいは、閉ループ制御モードで、ニューステップ2Cニューロジック2軸ステッピングモータコントローラ(NuStep 2C NuLogic Two Axis Stepper Motor Controller)を使用するCP3−22−01DCIミニ精密テーブル(Mini Precision table)が適していることがわかった。テーブルは、1秒当り1ミリメートルの速度で移動する定速駆動モータを有する。試料を、横向きに1ミリメートルの印を付けて順方向に30ミリメートル走査し、次いで逆方向に走査する。順方向及び逆方向の両方で走査の中心26ミリメートルから、データを収集する。各走査の最初と最後の2ミリメートルは無視し、計算には使用しない。
【0086】
表面計は、チップ径2.54ミクロン、適用力0.20グラムのプローブを有する。3.5ミリメートルの全Z方向変位について、ゲージ範囲を較正する。試料の走査距離全体にわたって、表面計は、針のZ方向変位をミリメートルオーダーで感知する。ゲージコントローラからの出力電圧を、1秒当り少なくとも20点の速度でデジタル化する。26ミリメートルの走査範囲全体にわたって、走査の順方向及び逆方向の両方について、512組の時間表面高さデータ点を得る。表面地形を測定できるように、表面計を試料テーブル上方に取り付ける。好適な表面計は、EPT010409針チップ及びEAS2351アナログ増幅器を有する、EMD4320WI鉛直変位変換器(Vertical Displacement Transducer)である。この機器は、フェデラル・プロダクツ(Federal Products)(ロードアイランド州プロビデンス)から入手できる。
【0087】
デジタル化したデータの組を、標準統計分析ソフトに取り込んで、さらに分析する。好適なソフトウェア分析用ソフトは、SAS(ノースカロライナ州カリー)が挙げられ、ナショナル・インスツルメンツ(National Instruments)(テキサス州オースティン)から入手可能なラボビュー・インスツルメント・コントロール・ソフトウェア(LabVIEW Instrument Control Software)3.1が好ましい。LabVIEWソフトウェアを使用する時には、個々の走査で得られる表面高さ及び時間にリンクする生データの組が、LabVIEWソフトウェアの中間値分析ツールを使用して中間値周りに集められる。16トレースのそれぞれから得られる512点のデータは、振幅・位相スペクトルツールを使用して16個の振幅スペクトルに変換される。次いで、各スペクトルは、SASソフトウェアのPROCスペクトル方法に記載される方法を使用して平滑化される。LabVIEW平滑化フィルターの値は、0.000246、0.000485、0.00756、0.062997、0.00756、0.000485、0.000246を利用する。このツールからの出力は、振幅スペクトル・マグニチュード(実効電圧)として得られる。
【0088】
次いで、米国音響学会雑誌(Journal of Acoustical Society of America)第35巻、1962(1963)年で「振動触覚閾値に対する接触器面積の影響(Effect Of Contactor Area On The Vibrotactile Threshold)」というタイトルの論文、に記載のように、振動周波数の関数としての振動触覚閾値に関するヴェリロ(Verrillo)のデータから設計される一連の周波数フィルターを使用して、振幅データをヒトの触覚応答に調節する。前述のデータを1秒当りのサイクルとして時間領域で報告し、1ミリメートル当りのサイクルにおける空間領域に変換する。変換因子及びフィルター値は、1991年国際紙物理学会(Internationnal Paper Physics Conference)、TAPPIブックI、より具体的には、アンパルスキーらによる「ペーパー・ティッシュの機械的特性の測定のための方法(Methods For The Measurement Of The Mechanical Properties Of Paper Tissue)」というタイトルで19ページに記載の手順に見出され、「生理的表面平滑性(Physiological Surface Smoothness)」というタイトルの22ページに記載の具体的な手順を利用する。フィルターからの応答性は、0で最少閾値より低く、最大応答周波数より高く設定され、前述のアンパルスキー(Ampulski)らの論文に記載されるようにそれらの間の0〜1で変化する。
【0089】
生理学的に調節された周波数−振幅データは、前述の振幅スペクトルを各周波数で適切なフィルター値を乗じることによって得られる。通常の振幅スペクトル及びフィルター処理された振幅スペクトルは、前述のアンパルスキー(Ampulski)らの論文の図5に示されている。ヴェリロ(Verrillo)調節された周波数−振幅曲線は、1ミリメートル当り0〜10サイクルの間の点を合計する。この合計が、生理的表面平滑度とみなされる。このようにして得られる生理的表面平滑度の順方向に8点及び逆方向に8点の値を、その後平均してミクロンオーダーで報告する。
【0090】
SASソフトウェアを使用する生理的表面平滑度測定については、譲受人に譲渡された、米国特許第4,959,125号(スペンデル(Spendel)、1990年9月25日発行);米国特許第5,059,282号(アンパルスキー(Ampulski))ら、1991年10月22日発行);同第5,855,738号(ワイズマン(Weisman))ら、1999年1月5日発行)、及び同第5,980,691号(ワイズマン(Weisman))ら、1999年11月9日発行)に記載されている。
【0091】
同じ面から全トレースが取得されるのであれば、ティッシュのいずれの面を平滑度測定に選択してもよい。ティッシュのいずれかの面が本明細書に記載の平滑度基準のいずれかを満たす場合、ティッシュの表面全体が基準内に入るものと判断される。ティッシュの両面が前述の基準を満たすことが好ましい。
【0092】
(実施例)
3重量%のノーザン・ソフトウッド・クラフト(NSK:Nothern Softwood Kraft)繊維を含む水性スラリーを、従来のリパルパー(re−pulper)で調製した。NSKスラリーを穏やかに精製し、永久湿潤強度向上樹脂(カイメン(Kymene)(登録商標)617)の2%溶液を、全乾燥繊維の0.9重量%の割合でNSKストックパイプに加えた。NSK繊維上への永久湿潤強度向上樹脂の吸収は、インライン混合機によって増進される。乾燥強度向上樹脂(カルボキシメチルセルロース)の1%溶液を、全乾燥繊維の0.14重量%の割合でファンポンプの前にNSKストックに加える。NSKスラリーを、ファンポンプで約0.2%濃度まで希釈した。
【0093】
ジ−硬化タロージエチルエステルジメチル四級アンモニウムクロライド及び平均分子量400を有するポリオキシエチレングリコール(PEG−400)を含む、化学柔軟化組成物を調製した。PEG−400を約66℃まで加熱し、四級化物を溶融PEG−400に溶解させて、均質な混合物を形成した。
【0094】
3重量%のユーカリ繊維を含む水性スラリーを、従来のリパルパーで調製した。化学柔軟化組成物の1%溶液を、全乾燥繊維の0.09重量%の割合でユーカリストックパイプに加えた。ユーカリスラリーを、ファンポンプで約0.2%濃度まで希釈した。ポストCMC添加後、スラリーをストックポンプで約0.2%まで希釈する前に、化学柔軟化組成物の1%溶液もまたNSKスラリーに加えた。
【0095】
NSKとユーカリ繊維との比が40:60になるように2種のスラリーを組み合わせ、得られたスラリーを、単層ヘッドボックスを用いて長網抄紙ワイヤ上に付着させて初期ウェブを形成した。長網抄紙ワイヤを通じて脱水を起こさせ、デフレクター及び真空ボックスによって支援した。
【0096】
初期ウェブを、移動の時点で約20%の繊維濃度で、長網抄紙ワイヤから従来の乾燥フェルトに移動した。次いで、ウェブを、ポリビニルアルコール(PVA)の0.25%水溶液を含む噴霧されたクレーピング接着剤とともに、ヤンキードライヤーの表面に移動した。ドクターブレードによってウェブを乾燥クレーピングする前に、繊維濃度を推定96%まで増加させた。ドクターブレードは、約25°の斜角を有しており、ヤンキードライヤーに対し約81°の衝撃角を提供するように位置決めされる。ヤンキードライヤーを約4m/sで操作し、乾燥したカレンダー加工していないペーパーを、リールにおいて1プライロールに形成した。
【0097】
これらの1−プライロールの3つを取って、オフライン巻き直し操作を実施して3−プライロールを形成し、その後それを、全寸法が約210mm平方の3プライティッシュ・ペーパー製品に加工した。
【0098】
1−プライロールの3つを同時に巻き直すことによって、3−プライロールを製作した。1−プライロールのペーパー・ティッシュ・ウェブを巻き直す間に、それぞれを硬質ゴム(ショアA硬度60)と鋼鉄ロールとの間に形成されたエンボス・ニップに通過させた。鋼鉄ロールは、80個の楕円形エンボス要素を含んでおり、高さが0.26mmである。続いて、一式のロールによってペーパー・ティッシュ・ウェブを近接配置して、近接配置された3つのウェブを2つの鋼鉄カレンダー・ロール間に形成されたカレンダー・ニップに通過させ、これらのロールを全圧力13440Nに相当する、接触長さ1cm当り160Nの圧力で互いに押し付けた。
【0099】
その後、3−プライロールを3−プライティッシュ製品に加工した。3つのプライウェブを巻き戻し、折り畳む前にエンボス加工工程を実施した。端部から約15mm内側に延びる、ティッシュ・ペーパー製品の縁部分を、PCT国際公開公報WO95/27429(1995年10月19日公開)に記載のプロセスに従ってエンボス加工した。ティッシュ・ペーパー製品の表面積の大部分(すなわち、15mmの縁部以内の全表面積)は、エンボス加工しなかった。前述のエンボス加工されていない面積のうちの小さい面積にわたってブランド名をエンボス加工することによって、ティッシュをさらに装飾し、前述のエンボス加工していない面積にエンボス加工する場合、4つの装飾的リーフパターンも加えた。
【0100】
折り畳む前に、2工程の適用プロセスを介して、3−プライウェブの外表面それぞれに、ローションを転写した。ローションは、ジ−硬化タロージエチルエステルジメチル四級アンモニウムクロライドの水溶液とした。転写は、3−プライウェブを、それぞれ彫刻アニロックスロール及びゴム製バッキングロールの対から成る、2つの連続転写ステーションに通過させることによって達成した。
【0101】
アニロックスロールは、1平方メートル当り約3mlのセル体積に彫刻されており、彫刻された容積をローションで充填するように設計された密閉供給チャンバから、ローションを供給した。アニロックスロールとバッキングロールの間に0.35mmの隙間を設け、3−プライウェブをこの隙間に通過させて、アニックスロールに触れている表面にローションを移動させた。次いで、ウェブを、0.35mmの隙間で同一のアニロックス/ゴムロール対を備える第2転写ステーションに通過させた。この対は、まだローションを付けていない表面に接触する第2アニックスロールがローションをそれに移動させるように配置された。この配置で、最終3−プライティッシュの単位乾燥重量当り0.45%の活性四級化物が移動した。
【0102】
前述のプロセスによって得られたペーパー・ティッシュは、秤量54g/m2、総キャリパー0.35mm、1プライ当りのキャリパー0.12mm、湿潤破裂強度250g、及びPSSパラメータ620ミクロンであった。
【0103】
本特許出願で参照した、いずれの譲受特許及び特許出願も、参照によりここに組み込む。
Claims (11)
- ティッシュ・ペーパー・ウェブからティッシュ・ペーパー製品を製造する方法であって、
前記ティッシュ・ペーパー・ウェブを、第1エンボス・ロールと第2エンボス・ロールとの間に形成されたエンボス・ニップに通過させる工程と、ここで前記エンボス・ロールの少なくとも1つが1平方センチメートル当り少なくとも30個のエンボス要素を含み、
前記ティッシュ・ペーパー・ウェブを、第1カレンダー・ロール及び第2カレンダー・ロールとの間に形成されたカレンダー・ニップに通過させる工程と、ここで前記第1カレンダー・ロール及び前記第2カレンダー・ロールが、前記第1カレンダー・ロールの軸方向に平行に測定される接触長さにわたって前記ティッシュ・ペーパー・ウェブと接触しており、且つ前記第1カレンダー・ロール及び前記第2カレンダー・ロールが、前記ペーパー・ウェブ上に、前記接触長さ1センチメートル当り少なくとも50Nの圧力を加え、を含む製造方法。 - 前記第1カレンダー・ロール及び前記第2カレンダー・ロールが、前記ペーパー・ウェブ上に、前記接触長さ1センチメートル当り少なくとも75Nの圧力を加えることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- 前記エンボス・ロールの少なくとも1つが、1平方センチメートル当り少なくとも50個のエンボス要素を含むことを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記エンボス要素が、0.5mm未満の高さを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記第1エンボス・ロールが、ゴム材料を含むウェブ接触表面を有し、前記第2エンボス・ロールが、硬質金属を含むウェブ接触表面を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記ティッシュ・ペーパー・ウェブをカレンダー・ニップに通過させる前記工程が、前記ティッシュ・ペーパー・ウェブをエンボス・ニップに通過させる前記工程の後で実施されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記製造方法が、ティッシュ・ペーパー・ウェブにローションを塗布する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記製造方法が、ティッシュ・ペーパー・ウェブの複数プライを、好ましくはエンボス加工によって、接合させて多プライ・ティッシュ・ペーパー製品を形成する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記製造方法が、シートを断裁してペーパー・ティッシュ製品を提供する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法によって製造されるティッシュ・ペーパー製品。
- 3つのプライを含む、請求項10に記載のティッシュ・ペーパー製品。
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