JP2004517388A - コンピュータ・システム上のアプリケーション間で情報をやり取りするための方法と装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、1台以上のコンピュータ上で走っている異なるアプリケーション間で情報をやり取りするための方法であって、原始アプリケーションから出力情報を取り出すステップと、この出力情報を中間アプリケーションに送るステップと、この中間アプリケーションにおいて、所定の規則に従って上記原始アプリケーションの出力情報と関係づけられた入力情報を目的アプリケーションのために確立するステップと、この入力情報を上記目的アプリケーションに送り、この入力情報をこの目的アプリケーションに入力するステップとを含む方法と、この方法に関係したコンピュータ・システムに関する。
Description
【0001】
本発明は、1台以上のコンピュータ(例えばネットワーク全体に分布している複数のコンピュータ)上を走っている異なるアプリケーション(特に、1つのアプリケーションからの出力を別のアプリケーションへの入力として使用できないアプリケーション)間で情報をやり取りさせる方法と装置に関する。本発明は、特に、バイオインフォマティックスの分野と、生体分子に関するデータ処理とに関係がある。
【0002】
バイオインフォマティックスで通常取り扱われる生体分子としては、例えば、遺伝子、タンパク質、酵素、化合物などが挙げられる。したがって、生体分子の分析プロセスは、
・ 遺伝子調節(例えばライオン・バイオサイエンス社のarraySCOUT(商標)というソフトウエア・パッケージによる)、
・ タンパク質シグナル伝達(例えばライオン・バイオサイエンス社のπSCOUT(商標)というソフトウエア・パッケージによる)、
・ 代謝経路(例えばライオン・バイオサイエンス社のpathSCOUT(商標)というソフトウエア・パッケージによる)といった側面から開始することができる。あるいは生体分子の分析プロセスにはこういった側面が含まれる。
【0003】
arraySCOUT・パッケージは、遺伝子発現実験からのデータを正規化し、クラスター化し、これ以外の分析を行ない、表示するのに用いられる。このパッケージでは、多数の遺伝子それぞれについての転写の程度に対応するメッセンジャーRNA(mRNA)の量を実験者が制御した条件下で同時に測定することができる。この方法は、細胞が正常サイクルのさまざまな相にある間、またはさまざまな異常状態(例えば病気、腫瘍形成)にある間の細胞の応答や、環境擾乱(例えば熱ショック、毒素、栄養状態の変化など)に対する細胞の応答をキャラクテリゼーションするのに用いられる。したがってarraySCOUTがアクセスするデータはこれらmRNAの発現レベルであり、このパッケージのユーザーが取り扱うデータは対応する遺伝子に関係してくる。個々の遺伝子または遺伝子群は、現在のところ変換を通じて他のパッケージに送られる項目である。
【0004】
pathSCOUT・パッケージが用いられるのは、さまざまな生物の体内の化合物、酵素、反応に関するデータにアクセスするとき、これらデータについての情報を表示、追加、変更するとき、反応ネットワークのトポロジー、化学量、熱力学を分析するとき、経路をその出発点と終点によって、あるいはその安定性によって探すとき、高度なシミュレーション能力を提供する強力なモデリング・パッケージとコミュニケーションできるようにするときである。したがってpathSCOUTに入力されるデータは、化合物、タンパク質、反応からなり、ユーザーが取り扱うデータは、主として、反応を経路にまとめたものである。個々のタンパク質またはタンパク質群は、現在のところ変換を通じて他のパッケージに送られる項目である。
【0005】
πSCOUT・パッケージは、タンパク質間のいろいろなタイプの関係(例えば、タンパク質が複合体を形成することが見いだされているかどうか、1つのタンパク質が別のタンパク質を活性化するか抑制するか、複数のタンパク質が同じ区画に存在しているかどうかなど)についての情報を表示するのに用いられる。この情報は、公共データベースから、あるいは実験結果を含む私有のデータベースから、あるいはこのような相互作用に関する情報を提供するテキスト検索ソフトウエアの出力から、直接取り込むことができる。したがってπSCOUTに入力されるデータはある特別な関係にあるタンパク質のペアであり、これはユーザーが取り扱うデータでもある。個々のタンパク質またはタンパク質群は、現在のところ変換を通じて他のパッケージに送られる項目である。
【0006】
arraySCOUT、pathSCOUT、πSCOUTという名称は、ライオン・バイオサイエンス社の商標出願または登録商標であることに注意されたい。本発明の適用範囲がこれら3つの具体的なアプリケーション相互間のコミュニケーションに限定されることは決してなく、他のパッケージに拡張しうることを理解する必要がある。他のパッケージとは、ほんのいくつかを例示するならば、化学情報学、疫学、ゲノムの注釈付けと比較、遺伝子型/表現型の関係、遺伝的多型におけるデータや、吸収、分布、代謝、分泌、毒性の生理学モデルにおけるデータの分析と表示を行なうためのパッケージである。
【0007】
これら側面のそれぞれに関係したデータを処理し評価するソフトウエア(例えば上記ライオン・バイオサイエンス社によるソフトウエア)が入手可能である。例えば、遺伝子名によって同定して遺伝子や遺伝データについての情報を提供するソフトウエアや、タンパク質とその相互作用を取り扱っており、タンパク質名が入力になるソフトウエアや、酵素を取り扱っており、EC(酵素委員会)コードが入力になるソフトウエアが存在している。遺伝子はもちろんタンパク質と関係しているが、タンパク質を取り扱うソフトウエアは入力として遺伝子を受け付けないことがしばしばあり、逆に、遺伝子を取り扱うパッケージは入力としてタンパク質を受け付けないことがしばしばある。さらに別の問題は、個々のソフトウエアが異なるデータ・モデルに準拠しているため、アプリケーション間でオブジェクトの直接的な交換が不可能なことである。また、分散環境におけるネットワークを介したオブジェクトの交換は、必ずしも可能でない。そのため、同じコンピュータ・システム上を走っている異なるアプリケーション間で情報を交換できないことがしばしばある。それゆえ、1つのアプリケーションからの出力が別のアプリケーションへの入力として機能してその別のアプリケーションが始動するためのトリガーとなるということがない。過去に発生したさらに別の問題は、アプリケーションごとに同じ生物オブジェクト(biologic object)(例えばタンパク質)に異なる名前が与えられているため、あるアプリケーションで生物オブジェクトを表わすデータを別の生物オブジェクトで使用することができなかったというものである。
【0008】
したがって本発明の1つの目的は、直接的なオブジェクト交換が不可能なアプリケーション間で情報を交換するための方法と装置を提供することである。
【0009】
本発明によれば、この目的は、1台以上のコンピュータ上で走っている異なるアプリケーション間で情報をやり取りするための方法であって、
・ 原始アプリケーションから出力情報を取り出すステップと、
・ この出力情報を中間アプリケーションに送るステップと、
・ この中間アプリケーションにおいて、所定の規則に従って上記原始アプリケーションの出力情報と関係づけられた入力情報を目的アプリケーションのために確立するステップと、
・ この入力情報を上記目的アプリケーションに送り、この入力情報をこの目的アプリケーションに入力するステップとを含む方法によって達成される。
【0010】
本発明により、原始アプリケーション、中間アプリケーション、目的アプリケーションが同じハードウエアにインストールされていることと、これらアプリケーションがネットワーク全体に分布していることの両方が可能になる。
【0011】
本発明では、特に、原始アプリケーションと目的アプリケーションの両方がデータベース・アプリケーションであること、中でも、原始アプリケーションからの出力が目的アプリケーションへの入力と互換性がないデータベース・アプリケーションであることが可能である。
【0012】
出力情報は、特に、データベースへの入力を同定する情報、あるいはオブジェクトまたはオブジェクトのクラスを同定する情報にすることができる。
【0013】
本発明の方法は、
・ 原始アプリケーションからの出力情報と、目的アプリケーションを指定する情報とを含む第1のメッセージを、原始アプリケーションから中間アプリケーションに送るステップと、
・ この中間アプリケーションにより、上記メッセージに含まれる少なくとも1つの出力情報に基づき、所定の規則に従って目的アプリケーションのための入力情報を確立するステップと、
・ 少なくともこの入力情報を含む第2のメッセージを、中間アプリケーションから、第1のメッセージにおいて指定された目的アプリケーションに送るステップとを含むことができる。
【0014】
目的アプリケーションを指定する上記情報は、必ずしも第1のメッセージに含まれている必要はない。例えば、この第1のメッセージ以前の別のメッセージで指定することもできたであろう。その場合、この以前のメッセージは、別の通知が来るまで所定の目的アプリケーションにすべての情報が送られるように指定することになる。中間アプリケーションが、ある原始アプリケーションからの出力情報を(場合によってはその出力情報を変換した後に)自動的に特定の目的アプリケーションに向けるようにすることもできる。
【0015】
第1のメッセージは、出力情報を送る原始アプリケーションに関する情報および/または出力情報のタイプに関する情報(例えば、タンパク質、遺伝子など)を含むこともできる。本発明では、第1のメッセージおよび/または第2のメッセージが、SRSのもとでデータベースへのエントリーを同定する情報を含むようにすることができる。
【0016】
本発明では、第1のメッセージおよび/または第2のメッセージが、それぞれ、変換される出力情報を含むオブジェクトの形態になったトランスフォーマブル(transformable)、または原始アプリケーションからの出力データを変換して得られる入力情報を含むオブジェクトの形態になったトランスフォーマブルを含むようにすることができる。トランスフォーマブルは、一般的な形式で書くこと、中でもCOBRAオブジェクトとして書くことができる。
【0017】
本発明では、目的アプリケーションへの入力情報が確立したとき、中間アプリケーションが、第1のメッセージに含まれる情報に対して(例えばこの中間アプリケーションにおいて実現されている)所定の規則を適用するようにできる。しかし、中間アプリケーションが、第1のメッセージを受け取ったときだけその規則を適用するという判断を行なうようにすることもできる。特に指摘しておくと、本発明では、目的アプリケーションへの入力情報が確立したとき、中間アプリケーションが、適用する規則を第1のメッセージに含まれる情報に応じて決定するようにできる。
【0018】
本発明では、中間アプリケーションが、適用する上記の規則を、目的アプリケーションに応じて、および/または原始アプリケーションに応じて、および/または第1のメッセージに含まれる出力情報に応じて決定するようにできる。
【0019】
本発明では、中間アプリケーションが、原始アプリケーションから伝えられる規則、中でも原始アプリケーションから中間アプリケーションへの第1のメッセージに含まれる規則、あるいはこの第1のメッセージにおいて指示される規則を用いるようにすることができる。
【0020】
入力情報を確立する際に従うべき単純な規則をメッセージそのものに含めることができる。より複雑な規則に関しては、そのメッセージが、その規則を見つけることのできる場所へのリンクまたは別の指示を含むようにすることができる。
【0021】
第1のメッセージが上記のようなトランスフォーマブルを含む場合には、使用する規則をこのトランスフォーマブルに含めることができる。
【0022】
本発明では、第1のメッセージを作るにあたって、出力項目(例えばタンパク質)を同定する原始アプリケーションからの出力データを一般的な同定データに変換すること、および/または第2のメッセージを作るにあたって、中間アプリケーションが使用する一般的な同定データを、目的アプリケーションが使用する入力項目を同定するデータに変換することが可能である。このようにすると、異なるアプリケーションが同じ生物オブジェクト(例えばタンパク質)に異なる名前を用いるという問題を解決することができる。場合によっては、原始アプリケーションが使用する特定の同定データから一般的な同定データへの変換を、上記メッセージを受け取った後に中間アプリケーションを用いて実行することができる。同様に、一般的な同定データから目的アプリケーションの特定の同定データへの変換を、上記第2のメッセージを受け取った後に目的アプリケーション内で実行することができる。
【0023】
本発明では、コンピュータ・システムの中に、あるいは複数のコンピュータまたはコンピュータ・システムからなるネットワークの中に、変換が必要な情報を別のアプリケーションに送ることのできる各アプリケーションと、このような情報を受け取る各アプリケーションが、スタート時に中間アプリケーションとともに登録されるようにできる。したがって中間アプリケーションは、どの目的アプリケーションがアクティブであるかを知っているため、原始アプリケーションから受け取ったメッセージを処理することができる。本発明により、システム内またはネットワーク内のすべてのアプリケーションが登録されている特別なアプリケーション間コミュニケーション・マネージャ(IACマネージャ)を提供することができる。このIACマネージャは、さまざまなアプリケーションからのメッセージを取り扱っており、あるアプリケーションからのメッセージを受け取ったとき、そのメッセージがどのアプリケーションからのものであるかを判断する。
【0024】
本発明では、原始アプリケーションと目的アプリケーションの間でやり取りされるすべての情報が中間アプリケーションを通過するようにできる。この中間アプリケーションは、原始アプリケーションからの情報が目的アプリケーションに送られる前に変換を必要としているかどうかをチェックし、変換が必要な場合には変換を行ない、変換が必要ない場合には原始アプリケーションから受け取った情報をそのまま目的アプリケーションに送るようにすることもできる。
【0025】
本発明では、中間アプリケーションが、原始アプリケーションおよび/または目的アプリケーションが走っているハードウエアとは異なるアプリケーション間コミュニケーション・サーバー上を走るようにすることができる。
【0026】
本発明では、上記規則が、目的アプリケーションに対する1つ以上の入力変数値を、原始アプリケーションからの出力変数値に直接割り当てる関係であるようにすることができる。
【0027】
原始アプリケーションからの出力変数を目的アプリケーションへの入力変数と関連づけることは、例えば、原始アプリケーションからの出力変数値に対応するデータを処理することによって、あるいは原始アプリケーションからの出力変数値を目的アプリケーションへの入力変数値に対応するデータと関連づける表によって実現することができる。どちらの場合にも規則の適用は中間アプリケーションにおいてなされ、中間アプリケーション以外のアプリケーションが関与することはない。例えば原始アプリケーションが遺伝子配列に関するデータを出力する場合、中間アプリケーションには、所定の遺伝子配列に関係したタンパク質を含む参照表を備えておくとよい。本発明では、中間アプリケーションが原始アプリケーションから第1のメッセージを受け取ったとき、まず最初に、原始アプリケーションから送られてきたその出力情報(例えば遺伝子配列)と一致したものがあるかどうかを中間アプリケーションがその表でチェックするようにできる。一致したものがある場合、中間アプリケーションは、表から一致したデータを取り出して必要な変換を行ない、その結果を目的アプリケーション用の第2のメッセージに組み込む。中間アプリケーションが表の中に一致したものを見い出さなかった場合には、エラー・メッセージを戻すか、あるいは以下に説明するより高度な処理を行なうことになろう。したがって、中間アプリケーションそのものは、頻繁になされる質問または標準的なケースを処理できるようにし、稀なケースには、より高度なルーチンを用いるようにすることができる。
【0028】
本発明では、規則またはその一部を中間アプリケーションの外部で処理するようにすることができる。
【0029】
本発明では、規則の適用が、
・ 出力情報に基づいてデータベースに対する質問を設定し、
・ このデータベース内でこの質問を実行し、
・ この質問に対する結果に基づいて目的アプリケーションのための入力情報を決定する操作が含まれる手続きの実行を含むようにすることができる。
【0030】
検索するデータベースを別のコンピュータ・システム上に構成することができる。
【0031】
例えば原始アプリケーション(例えばpathSCOUT)が酵素を出力すると、その酵素のECコード(ENZYMEデータベースにおいてレコードのIDとして使用されている)が出力トランスフォーマブルの一部として中間アプリケーションに送られる。中間アプリケーションは、ENZYMEデータベース内でECコードによって同定されるレコードから、このレコードの内部に埋め込まれた全リンク、すなわち別のデータベースであるSWISSPROT、GenBANK、EMBLへの全リンクを取得する。これは、SRSコマンド“getz”を用いることによって実現可能である(例えば、ECコードが4.3.2.1である酵素(アルギノスクシナーゼ)に関係したあらゆるリンクをSWISSPROTデータベース内で入手するには、getz ’[enzyme−id:4.3.2.1]>swissprot’とする)。次に、これらのリンクを用いて入力トランスフォーマブルを構成する。この入力トランスフォーマブルは、遺伝子データを処理する目的アプリケーション(例えばarraySCOUT)に送られる。
【0032】
本発明では、中間アプリケーションによって検索するデータベースを、原始アプリケーションから送られた情報、特に第1のメッセージに含まれる情報に基づいて選択するようにできる。
【0033】
本発明では、検索する特定のデータベースが、原始アプリケーションから目的アプリケーションに送られるメッセージの中で指示されるようにするようにすること、あるいは中間アプリケーションが、原始アプリケーションから送られてくる情報(中でも、目的アプリケーションに関する情報、および/または原始アプリケーションに関する情報、および/または出力情報のタイプに関する情報)に基づいて検索するデータベースを導出するようにすることが可能である。
【0034】
第1のトランスフォーマブルは、データベースのレコードのうち出力情報に関係したレコードへのリンクを確立するのに十分な情報を含むことができる。このデータベースのレコードは、目的アプリケーションへの望ましい入力情報と直接または間接に関係したフィールドを含んでいる。このフィールドは、第1のトランスフォーマブルの中で指定すること、あるいは中間アプリケーションの中に実現することが可能である。本発明では、原始アプリケーションから中間アプリケーションに送られる第1のトランスフォーマブルが、外部データベース内のレコードを同定するリテラル・ストリングを含んでいるようにすることと、中間アプリケーションが、第1のトランスフォーマブルで指定されたこのレコードの中のフィールドの1つ以上のエントリーを取り出し、このエントリーを同定するリテラル・ストリングを含む第2のトランスフォーマブルを生成するようにすることが可能である。より詳細には、本発明により、第1のトランスフォーマブルが、原始アプリケーションからの出力のタイプ(例えば酵素、タンパク質など)を規定するリテラル・ストリングと、データベース内のオブジェクトのレコードを同定するフィールド(例えば酵素のECコードを指定するフィールド)を同定するリテラル・ストリングと、このフィールド内の出力情報を同定する情報(例えば特定の酵素のECコード)とを含んでいるようにすることがさらに可能である。
【0035】
本発明では、目的アプリケーションへの入力情報がデータベースへのリンクを含むようにすることができる。より詳細には、本発明により、第2のトランスフォーマブルが、リンクするデータベースを同定するリテラル・ストリングと、このリンクの対象となる特定のレコードとを含むようにすることができる。より詳細には、第2のトランスフォーマブルは、このデータベース内にあってエントリーを同定するのに役立つ特定のフィールドを指定するリテラル・ストリングと、このフィールド内にあって検索の対象になると同時にリンクされることになるエントリーとを含むことができる。
【0036】
本発明では、第1のトランスフォーマブルが、第1のデータベース内のある1つのレコードを同定するようにすることと、中間アプリケーションが、第1のデータベースのこのレコード内のあるフィールド(このフィールドは、第1のトランスフォーマブル内のリテラル・ストリングによって指定するか、あるいは所定の目的アプリケーションのための中間アプリケーションの中であらかじめ決めておく)に入れられる第2のデータベースへのリンクを抽出するようにすることと、中間アプリケーションが、このようにして抽出された第2のデータベースへのリンクを実行することと、中間アプリケーションが、第2のデータベースにリンクされているレコードのフィールド(このフィールドは、第1のトランスフォーマブルにおいて指定するか、あるいは特定の目的アプリケーションのための中間アプリケーションの中であらかじめ決めておく)へのエントリーを指定するリテラル・ストリングを第2のトランスフォーマブルに入力するようにすることが可能である。
【0037】
本発明では、原始アプリケーションから中間アプリケーションに対して1つ以上のデータベースに関するメッセージを送り、この中間アプリケーションが、そのデータベースのうちの1つ以上を用いて上記規則を評価するようにすることができる。
【0038】
原始アプリケーションから中間アプリケーションへのメッセージが上記のようなトランスフォーマブルを含む一態様では、本発明により、使用するデータベースをこのトランスフォーマブルの中で指示することができる。
【0039】
中間アプリケーションは、設定された規則(例えば、使用するのが好ましいデータベースを記述する規則)に従い、上記メッセージにおいて指示されたデータベースの1つを使用することを決める。そのとき、場合によってはさらに、目的アプリケーション、および/または原始アプリケーション、および/または出力情報のタイプに関して上記メッセージに含まれる情報を利用する。
【0040】
本発明では、中間アプリケーションが、目的アプリケーションに関して原始アプリケーションからのメッセージに含まれている可能性のある情報を利用して、原始アプリケーションからの出力情報を変換した結果である項目を見つけるために従うべきリンクを決定するようにすることができる。
【0041】
本発明では、原始アプリケーションと中間アプリケーションの間、および/または中間アプリケーションと目的アプリケーションの間でやり取りされる情報を一般的な形式(例えばCOBRAオブジェクト)で書くようにすることができる。
【0042】
本発明では、原始アプリケーションが、遺伝子、タンパク質、代謝経路のいずれかに関する情報を出力情報として提供し、目的アプリケーションが、遺伝子、タンパク質、代謝経路のいずれかに関する情報を入力情報として受け取り、このとき原始アプリケーションの出力情報(遺伝子、タンパク質など)が、目的アプリケーションへの入力情報とはタイプが異なっているようにすることができる。
【0043】
本発明では、単一の原始アプリケーションから複数の目的アプリケーションに情報を送り、このとき中間アプリケーションが、その目的アプリケーションのそれぞれに対し、それぞれの目的アプリケーションに対する規則に基づき、1つの出力情報(例えばECコード)から導出される入力情報を確立し、それぞれの入力情報をそれぞれの目的アプリケーションに送るようにすることができる。
【0044】
本発明では、情報を互いに交換できるようにした少なくとも2つのアプリケーションを同時に走らせるための手段を備え、さらに、これら2つのアプリケーション間で情報をやり取りするコミュニケーション手段を備えるコンピュータ・システムであって、
・ このコンピュータ・システム上を走っている原始アプリケーションからの出力情報を、このコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい中間アプリケーションに送り、このコンピュータ・システム上を走っている目的アプリケーションのための入力情報を所定の規則に従って生成させる手段と、
・ 目的アプリケーションのための上記入力情報を受け取り、この入力情報を目的アプリケーションに入力する手段とを備えるコンピュータ・システムも提供される。
【0045】
本出願の意味でのコンピュータ・システムは、1台以上のコンピュータを備えることができる。本出願の意味では、特に単一のコンピュータがコンピュータ・システムと見なされる。
【0046】
本発明では、コンピュータ・システムが、中間アプリケーションを走らせるための手段を備えるようにすることができる。
【0047】
本発明では、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法を実施できるようにすることができる。
【0048】
本発明では、中間アプリケーションがコンピュータ・システムの外部を走り、このコンピュータ・システムが、中間アプリケーションが走っているハードウエアとコミュニケーションする手段を備えるようにすることができる。
【0049】
本発明では、特に、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法に従ってコンピュータ・システムを中間アプリケーションと相互作用させることができる。
【0050】
したがってこのコンピュータ・システムは、原始アプリケーションおよび目的アプリケーションに関係するとともに、原始アプリケーションおよび目的アプリケーションと中間アプリケーションのコミュニケーションにも関係する本発明の方法の各ステップ(概略を上に説明した)を実施するのに適している。
【0051】
本発明により、1つのアプリケーションがインストールされたコンピュータ・システムにおいて、そのアプリケーションが、その同じコンピュータ・システムにインストールされていてもいなくてもよい他のアプリケーションとコミュニケーションできるように構成されたコンピュータ・システムであって、
・ 上記1つのアプリケーションから出力される情報を、このコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい中間アプリケーションに送って所定の規則に従って処理することにより、さらに別のアプリケーションへの入力を生成する手段と、
・ このさらに別のアプリケーションのための入力情報として、上記中間アプリケーションによって所定の規則に従って別のアプリケーションの出力情報から導出される情報を受け取り、この入力情報をこのさらに別のアプリケーションに入力する手段とを備えるコンピュータ・システムも提供される。
【0052】
したがって本発明により、同じコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい他のアプリケーションに対して原始アプリケーションおよび目的アプリケーションの両方として機能することのできる少なくとも1つのアプリケーションを有するコンピュータ・システムが提供される。
【0053】
本発明では、すでに説明した方法(例えば請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法)に従って中間アプリケーションおよびそれ以外のさらに1つ以上のアプリケーションとコミュニケーションするのに適したコンピュータ・システムを提供することができる。
【0054】
本発明により、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法を実行するのに適したコンピュータ・システムを提供することができる。
【0055】
本発明により、上記のような中間アプリケーションが走るコンピュータ・システムを提供することもできる。
【0056】
さらに詳細には、本発明により、1つのアプリケーションがインストールされたコンピュータ・システムにおいて、そのアプリケーションが、その同じコンピュータ・システムにインストールされていてもいなくてもよい他のアプリケーションとコミュニケーションでき、中間アプリケーションとして情報をこれら他のアプリケーションとの間でやり取りするように構成されたコンピュータ・システムであって、
・ 原始アプリケーションからの出力情報を受け取る手段と、
・ 上記原始アプリケーションからの上記出力情報をこのコンピュータ・システム上を走っている上記アプリケーションによって所定の規則に従って処理することにより、目的アプリケーションへの入力情報を生成する手段と、
・ 上記入力情報を上記目的アプリケーションに送る手段とを備えるコンピュータ・システムを提供することができる。
【0057】
このコンピュータ・システムでは、原始アプリケーションおよび/または目的アプリケーションを、異なるコンピュータ・システム上を走らせることができる。このコンピュータ・システムは、特に、原始アプリケーションおよび/または目的アプリケーションが走っているハードウエアとは異なるアプリケーション間コミュニケーション・サーバーとして実現することができる。
【0058】
本発明により、コンピュータ・システム上で実行したとき、
・ このコンピュータ・システム上を走っている原始アプリケーションからの出力情報を、このコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい中間アプリケーションに送ってこの出力情報を所定の規則に従って処理することにより、この原始アプリケーションとは異なるアプリケーションのための入力情報を生成し、
・ このコンピュータ・システム上を走っている目的アプリケーションのための情報として、この目的アプリケーションとは異なるアプリケーションからの出力情報をもとに所定の規則に基づき、このコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい中間アプリケーションによって導出される情報をこの中間アプリケーションから受け取り、この入力情報を上記目的アプリケーションに入力する操作をコンピュータ・システムに実行させるプログラム・コードを含むコンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【0059】
本発明では、あるアプリケーションが、他のアプリケーションにとって原始アプリケーションおよび目的アプリケーションとして機能するようにする操作をコンピュータ・システムに実行させることができる。
【0060】
本発明では、プログラム・コードが、コンピュータ・システム上を走っていて原始アプリケーションとして機能する第1のアプリケーションからの情報を、このコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい上記中間アプリケーションを介し、このコンピュータ・システム上を走っていて目的アプリケーションとして機能する第2のアプリケーションに送る構成であるようにすることができる。
【0061】
本発明により、コンピュータ・システムに請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法を実行させるプログラム・コードが記憶された上記のコンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【0062】
本発明により、コンピュータ・システム上で実行したとき、原始アプリケーションと目的アプリケーションの間でコミュニケーションさせるための中間アプリケーションをこのコンピュータ・システムに走らせるように構成したプログラム・コードであって、この中間アプリケーションが、
・ 原始アプリケーションからの出力情報を受け取り、
・ この原始アプリケーションからの出力情報を所定の規則に従って処理して目的アプリケーションへの入力情報を生成し、
・ この入力情報を上記目的アプリケーションに送る操作を実行するプログラム・コードを含むコンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【0063】
本発明により、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法に従って、コンピュータ・システムに、このコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい目的アプリケーションと原始アプリケーションの間でコミュニケーションを行なわせるように構成したプログラム・コードが提供される。
【0064】
本発明によれば、オブジェクトを互いに変換して異なるアプリケーション間でやり取りすることが可能である。特に、“生物オブジェクト”(例えば遺伝子、タンパク質、酵素)をそれぞれのアプリケーション間で交換することができる。
【0065】
本発明の好ましい一実施態様には、アプリケーション間コミュニケーション・サーバー(IACサーバー)が含まれる。特に生物データに関係するアプリケーションについては、IACサーバーを介したデータ交換を以下のようにして行なうことができる。
1.ユーザーが何らかの生物オブジェクトを1つのアプリケーション(原始アプリケーション)から別のアプリケーション(目的アプリケーション)に送りたい場合、このユーザーは、オブジェクトを選択し、そのオブジェクトを別のどのアプリケーションに送るべきかを指定する(例えばタンパク質をarraySCOUTに送る)。内部では、IAC環境のクライアント・サイト・モジュールが、それぞれのタンパク質について“トランスフォーマブル”と呼ばれる一般的なオブジェクトを例示する。このトランスフォーマブル・オブジェクトは、選択したタンパク質に対応するパブリック・ドメインのデータベース(例えばSWISSPROT)へのエントリーを同定する情報を含んでいる。
2.次に、トランスフォーマブルの集合を、どのアプリケーションに送るべきかに関する情報とともにIACサーバーに送る。すべてのアプリケーションはスタート時にIACサーバーに登録されるため、サーバーは、これらオブジェクトを変換後にどのアプリケーションに送るべきかを“知っている”。一般に、IACサーバーにおいて一般的なトランスフォーマブルが生成されると見なすこともできよう。
3.トランスフォーマブルが実際に変換されるのは、IACサーバーにおいてである。変換は、このサーバーが原始アプリケーションから受け取ったトランスフォーマブルにリンクしているエントリーを、パブリック・ドメインのデータベース内、中でもSRSのもとで保持されているデータベース内で検索することによってなされる。これは、実際には、ある目的アプリケーション専用のいわゆるトランスフォーマーの内部で行なわれる。それぞれのアプリケーションについて、そのアプリケーションが理解できるデータタイプへの変換を行なうトランスフォーマーが存在している。例えば、transformToArraySCOUT遺伝子トランスフォーマーは、あらゆる種類の入力(トランスフォーマブル)を、arraySCOUTが“知っている”データベース入力へのリンクを含む遺伝子トランスフォーマブルに変換することができる。
4.変換が終了すると、新しく生成されたトランスフォーマブルが受信アプリケーションに送られる。
【0066】
このようにすることには、特に以下の利点がある。
1.モジュール式で拡張可能な設計だと、対応するSRSデータベース入力を有するあらゆる種類の生物オブジェクトを交換することができる。
2.実際の変換プロセスを拡張し、他のデータベース内で対応するリンクされたエントリーを検索したり、所定の制限を課して結果に対してフィルタをかけられる(例えば生物などを決める)ようにしたりすることができる。
3.異なるコンピュータ上を走っているアプリケーション間で生物データを交換することができる。というのも、IACサーバーはネットワーク環境で動作しているからである。
【0067】
添付の図面と本発明の特別な実施態様を参照してアプリケーションをさらに具体的に説明する。
【0068】
図1は、IACサーバー上で中間アプリケーションを用いてアプリケーションAからアプリケーションBに情報を送る一般的な方法を示している。アプリケーションAがアプリケーションBにオブジェクトを送ろうとしている。アプリケーションAは、送られることになるオブジェクトからトランスフォーマブルを生成する。トランスフォーマブルは、データベース(例えばSRSデータベース)のエントリーのうち、オブジェクトにリンクしたエントリーに関する情報を含んでいる。例えばアプリケーションAによって送られるオブジェクトがタンパク質であるとすると、トランスフォーマブルは、そのタンパク質のIDと、データベースにおけるこのタンパク質のエントリーを特定する各同定フィールドの名称と、関連した遺伝子を検索するための仕様とを含んでいる。このトランスフォーマブルがIACサーバーに送られる。IACサーバーは、トランスフォーマブルに含まれている情報に基づき、このタンパク質に関係した遺伝子を探すよう求める要求をデータベース(例えばSWISSPROTへの要求)に送る。検索結果(例えば遺伝子)がIACサーバーに戻され、IACサーバーは、受信アプリケーションとしてのアプリケーションBのために新しいトランスフォーマブルを生成する。中間アプリケーションは、目的アプリケーションのためのこの第2のトランスフォーマブルを生成し、受信アプリケーションに知られている公共データベース内でリンクされたエントリーをそれぞれのトランスフォーマブルについて検索することにより、原始アプリケーションからのオブジェクトを変換し、第2のトランスフォーマブル中のリンクされたこれらエントリーを目的アプリケーションに送るよう指示する。
【0069】
次に、arraySCOUT、pathSCOUT、πSCOUTの間でのデータ交換についてさらに詳しく説明する。
【0070】
ユーザーは、pathSCOUT(登録商標)と、このアプリケーションと関係したソフトウエア・パッケージであるarraySCOUT(登録商標)およびπSCOUT(登録商標)を組み合わせると、遺伝子調節によって起こる代謝の変化と、タンパク質シグナル伝達を媒介とした代謝の適応を調べることができる。データの共有は、アプリケーション間コミュニケーション(IAC)サーバーが処理する。IACサーバーは、原始アプリケーションからデータを受け取り、再処理したデータを目的アプリケーションに送る。次のセクションでは、pathSCOUT(登録商標)、arraySCOUT(登録商標)、πSCOUT(登録商標)の間でのデータ共有の原理について説明するとともに、遺伝子調節事象による代謝の変化を明らかにしたりmタンパク質シグナル伝達経路と代謝反応ネットワークの間の相互コミュニケーションを調べたりするためのさまざまなオプションを紹介する。
【0071】
アプリケーション間サーバーを介したデータ交換
取り扱う分子は、遺伝子としてコード化されており、タンパク質として相互作用し、酵素として生化学反応の触媒となる。
【0072】
arraySCOUTは遺伝子(遺伝子名によって同定される)を分析し、πSCOUTはタンパク質(タンパク質名によって同定される)を取り扱い、pathSCOUTは酵素(酵素名によって同定される)を取り扱う。アプリケーション間コミュニケーション(IAC)サーバーにより、ユーザーは、3つのレベルすべてで1つの分子の対応する要素を追跡することができる。遺伝子の集合(arraySCOUT)、タンパク質の集合(πSCOUT)、酵素の集合(pathSCOUT)が、原始アプリケーションから、SRS識別子を出力するIACサーバーに送られる。目的アプリケーションは、SRS識別子データベース・リンクを利用し、対応する遺伝子、タンパク質、酵素をそれぞれ見つけ出す。
【0073】
pathSCOUTとarraySCOUTの間のコミュニケーション
あらゆるデータベース(SRSフラット・ファイル、関係データベース、オブジェクト指向データベースのいずれでもよい)の中で、(エントリー相互間の関係ではなく)特定のオブジェクトまたはエントリーに関する全レコードを、何らかのフィールドによって唯一に同定する。これらフィールドは、データベースが異なると名前も異なっている可能性がある(一般に名前“ID”が使用されてはいるが)。ほとんどの酵素データベースでは、使用されているIDコードは、通常はEC(酵素委員会)コードである。したがってECコードは、フラット・ファイル酵素データベースのためのSRS IDとして、あるいは一般にレコードIDとして機能する。
【0074】
pathSCOUT内にあるProtViewアプリケーションは、酵素をそのECコードによって取り扱う。“Send>arraySCOUT function”がアクティブにされると、ProtViewは、選択されたそれぞれの酵素についてのトランスフォーマブルを構成する。トランスフォーマブルはCOBRAオブジェクトであり、リテラル・ストリング(例えば“Enzyme”)と、DBLink(データベース・リンク)と、オプションの重み値ベクトルとによって指定されるオブジェクト・タイプからなる。DBLinkは、データベースの名前(例えば“ENZYME”)と、そのタイプ(例えば“SEQRELATED”)と、データベース内のオブジェクトのレコードを同定するフィールドの名前(例えば“ID”)と、オブジェクトの実際のID(例えば“4.1.3.18”)と、説明(例えば“ACETOLACTATE SYNTHASE”)とを指定するリテラル・ストリングからなる。重みを利用し、発現レベル、濃度、活性、証拠の信頼性、統計的有意さなどの関連情報を伝達する。重みはIACサーバーでは無視され、受信アプリケーションにだけ送られて利用される。
【0075】
トランスフォーマブルとDBリンクの両方と、IACクライアント/サーバー・コミュニケーションに必要な他のいくつかの補助的COBRAデータタイプは、インターネット定義言語(IDL)に定義されている(IDLとそれ以外のCOBRA基準に関する説明情報は、www.omg.org/gettingstarted/cobrafaq.htmにおいて;技術面に関するより詳細な説明は、www.omg.org/technology/documents/specifications.htmにおいて見ることができる)。トランスフォーマブルとDBリンクのためのIDLの定義は、Transformer.idlというトランスフォーマー・モジュールから抜粋したものであり、以下のようになっている。
【0076】
これらの定義では、単純に、DBLinkが上記の5つのストリングからなることと、トランスフォーマブルが、やはりすでに説明したように、ストリング、SRSリンクに対応するDBLink配列、浮動小数点数の配列などのオブジェクト・タイプからなることが規定されている。トランスフォーマブルに対する対応するJavaコードは以下の通りであり、IDLから自動的に生成される。
【0077】
IACListenerインターフェイスを定義する。このインターフェイスは、引数がIACeventである“communicationPerformed”と呼ばれる方法をクライアントが実施することだけを要求する。IACeventは、(送信アプリケーションを指定する)ソースと、トランスフォーマブルのリストとだけで構成されている。pathSCOUTの特定のビュー・マネージャ内にあってIACListenerインターフェイスを実施するJavaコードは、以下のようになっている。
【0078】
トランスフォーマブルがIACサーバーに送られる。IACサーバーは、ID情報を用いて特定のデータベース(例えばENZYMEデータベース)の中から対応する酵素のレコードを探し出す。上記の方法では、トランスフォーマブルの配列がIACEventから探し出され、それぞれについて、適切なタイプ(この場合には酵素)であるかどうかがチェックされる。適切であれば、トランスフォーマブル内のリンク情報を利用して酵素に関するデータベースIDが探し出され、次いでこれを用いてさらに、入ってくる酵素がアプリケーション内で選択され、強調される。
【0079】
SRSのもとでは、それぞれのデータベース・レコードは、0個、1個、またはそれ以上の他のデータベース(例えばSWISPROT、GenBANKなど)の0個、1個、またはそれ以上のレコードを含んでいる。同様の情報を、埋め込まれた外来キーまたは外来ポインタ、または関係した外来キーまたは外来ポインタを用い、関係データベースまたはオブジェクト指向データベースの中から獲得することができる。IACサーバーは、トランスフォーマブルの中で指定されたリンクに対応するリンク情報を探し出す。
【0080】
次に、リンク情報を用い、それぞれの出力トランスフォーマブルについて0個、1個、またはそれ以上の入力トランスフォーマブルを構成する。ここでの実施例では、これらリンクのうちの1つがSWISSPROTのレコードILVI_HAEINに対するリンクであろうから、対応するトランスフォーマブルは、オブジェクト・タイプ“タンパク質”を含むほか、データベース名“SWISSPROT”と、データベースのタイプ“SEQUENCE”と、IDフィールド名“ID”と、ID値“ILVI_HAEIN”と、説明“ACETOLACTATE SYNTHASE LARGE SUBUNIT”とからなるDBLinkを含むことになろう。
【0081】
次に、その結果得られる新たに生成した入力トランスフォーマブルをarraySCOUTに送る。arraySCOUTは、データベースの名称(SWISSPROT)とタイプ、IDフィールド名(ID)、IDフィールド値(ILVI_HAEIN)を用いてデータベース内でそれぞれの入力トランスフォーマブルに対応するレコードを探し、別のウインドウに提示する。ECコードは触媒機能だけを指定していてアイソザイムを区別したりもとになる特定の酵素種を考慮したりしていないため、結果リストには、それぞれの酵素についてpathSCOUTから送られた多数のデータベース・エントリーが表示される。ボタンをクリックして“Search Direct Hits”機能をアクティブにすると、現在の実験群の中に入ってきたレコードがあればすべて検出され、遺伝子リスト・パネルの対応する行と、プロファイル距離プロット中の対応するデータ点がはっきりと強調される(図2a;図8)。
【0082】
例えば、pathSCOUTアプリケーションが酵素を他のアプリケーションに送ったとき、以下の方法が呼び出される。
【0083】
上記の方法は、2つの引数によって呼び出される。それは、目的アプリケーションの名称(appName)と、酵素を同定する情報(basicInfoAdapters)である。この方法では、5つのストリング(“Enzyme”、“SeqRelated”、“ID”、IDそのもの、説明)を有する単一のDBLink項目からなるDBLinksアレイをそれぞれの酵素に対して生成することにより、酵素のリストを処理する。したがってアセトラクテート・シンターゼに対するDBLink項目は、(“Enzyme”、“SeqRelated”、“ID”、“4.1.3.18”、“ ”)になろう。すなわちこの場合には、説明は空白になろう。次にトランスフォーマブルが、オブジェクト・タイプ“Enzyme”と単一要素のアレイであるDBLinksとを用いて生成される。別の方法として、このトランスフォーマブルを、浮動小数点重みベクトルを用いて生成することもできよう。新しいトランスフォーマブルがリスト内のすべての酵素について生成されると(ただし、解決不能なIDまたはサーバーのクラッシュを除く)、IACマネージャが受信アプリケーションの名前およびトランスフォーマブルのリストによって呼び出され、受信端においてcommunicationPerformed法によって処理される。
【0084】
例えば受信アプリケーションがarraySCOUTであり、アセトラクテート・シンターゼという酵素だけが送られる場合には、sendSelectionToApplication法の最終行は、pathSCOUTのIACマネージャに対してsendEnzymesToメッセージを送る。引数は、“arraySCOUT”と、出力トランスフォーマブル単一要素アレイである。このアレイ内の単一のトランスフォーマブルは、オブジェクト・タイプ“Enzyme”と、DBLink単一要素アレイを含んでいる。単一のDBLinkについては上に説明した。したがって合わせたメッセージは、”arraySCOUT”, ((”Enzyme”, ”SeqRelated”, ”ID”, ”4.1.3.18”, ” ”)))である。IACマネージャは、このメッセージを受信すると、sendBioObjectsToSubscriberメッセージの形態にして中央変換サーバーに送る。送信側、受信側、データのタイプに関する情報を利用し、出力トランスフォーマブルを変換して得られる入力トランスフォーマブルのデータ・タイプを決定し、適切なトランスフォーマー(この場合にはTransformToArraySCOUTGene)を例示する。次に、このTransformToArraySCOUTGeneトランスフォーマーは、それぞれの出力トランスフォーマブルを処理し、遺伝子レコードを含んでいるGENBANKとEMBLのいずれかに対する直接的または間接的なSRSリンクを得る。検索されたそのような遺伝子レコードそれぞれについて新しい入力トランスフォーマブルを生成し(例えば上記のILVI_HAEINへのリンクの場合やEMBL(“Gene”、“EMBL”、“Sequence”、“ID”、“HI32832”、“ ”)へのリンクの場合)、最終的にarraySCOUTに送ってさらに表示と分析を行なう。
【0085】
逆のプロセスは、arraySCOUT内の遺伝子名から始まり、pathSCOUTのProtViewに酵素エントリーが表示されて終わる(図2b;図5)。
【0086】
pathSCOUTとπSCOUTの間のコミュニケーション
酵素がπSCOUTに送られる(“Send>πSCOUT”)場合には、IACサーバーがSWISSPROTとGENBANKのSRS識別子を送る。πSCOUTは、リスト・パネルに存在するすべてのタンパク質相互作用リスト/表をスクリーニングする。入ってくるSRS識別子にリンクされたタンパク質相互作用は仮のPI(タンパク質相互作用)リストに集められ、対応するタンパク質相互作用グラフが別のウインドウに生成される(図3a)。逆のプロセスを図3bに示してある。
【0087】
遺伝子調節事象による代謝の変化
− arraySCOUTとのデータ交換 −
細胞代謝の調節はさまざまなレベルで起こる。基質への近づきやすさは、特定の輸送タンパク質を介して変化させることができる。変化する代謝条件への即時的適応は、アロステリック調節によって、または生化学的ネットワーク内で酵素が制御している重要地点(“ボトルネック”)を共有結合を変化させることによって実現される。しかし代謝の長期調節は、遺伝子調節を通じて実現される。このような遺伝子調節事象による代謝の変化は、経路に関する研究(pathSCOUT)とゲノム・レベルでの発現分析(arraySCOUT)を組み合わせることによって調べることができる。
【0088】
arraySCOUTは、発現データを分析する一群の方法を提供する。そのようなツールの1つがプロファイル距離プロットであり、この方法では、遺伝子プロファイルの2次元プロットが生成され、平均的な形態とは有意に異なる遺伝子がプロット上で異常値を形成する。対応する遺伝子プロファイルを同定するためには、マウスの左ボタンをドラッグして選択ボックスを一群の点の周囲に描くことによって点を選択するとよい。選択された一群の点は、強調され、遺伝子リスト・パネルに名前エントリーとして現われる。この名前エントリーは、遺伝子リストのマウス・メニューから“Send to pathSCOUT”を選択することにより、pathSCOUTに送ることができる。
【0089】
上に示した実施例では、ジオーキシー・シフトの間に記録された酵母の発現データが、プロファイル距離プロットとして提示される。酵母は、糖が豊富にある培地で増殖させると、解糖だけで“代謝エンジン”に燃料供給を行なう。グルコースがピルビン酸に分解され、そのピルビン酸が脱炭酸化されてアセトアルデヒドになる。アルコール・デヒドロゲナーゼが、アセトアルデヒドを還元してエタノールにすることにより、解糖を行なうのに必要な水素受容体(NAD+)の酸化状態を再度確立する。発酵可能なグルコースが尽きると、エタノールが、有気的増殖のための炭素源およびエネルギー源として再利用される(“ジオーキシー・シフト”)。
【0090】
図4では、ミトコンドリアのATPシンターゼβ鎖の遺伝子が異常値と判定された。遺伝子プロファイル・ビューから、ジオーキシー・シフトの間に遺伝子の活性が有意に上方調節されたことがわかる(図9)。選択された遺伝子は、遺伝子リストのマウス・メニューから“Send to pathSCOUT”を選択することにより、pathSCOUTに送られる。pathSCOUTは、ECコードを受け取り、ENZYMEデータベースを検索し、見つかった酵素をProtViewの酵素選択リストに提示する。触媒活性は、酵素を“他のビューワー”に送った後、PathViewで見ることができる(図9、図5)。Pathwayメニューは、“酸化的リン酸化”を関連した経路としてリストに挙げている。経路をロードすると、呼吸鎖内でのATPシンターゼの位置が明らかになる(図6)。
【0091】
結果は、基礎となる代謝プロセスと非常によく一致する。エタノールを酸化して酢酸にし、次いで補酵素Aと結合させた後、クエン酸回路に供給する。すると残留している炭素が酸化されてCO2になり、水素がNAD+とFADを介し呼吸鎖に送られる。水素が燃焼して水になるときに放出されるエネルギーは、最終的にミトコンドリアの内膜の電気化学的ATP発生装置(ATPシンターゼ)を駆動するのに用いられる。
【0092】
ユーザーは、pathSCOUTにより、遺伝子調節の潜在的候補をarraySCOUTに送ることができる。酵素はProtViewから送られる(図7)。
【0093】
arraySCOUTは、IACサーバーから受け取ったすべてのSRS識別子を別のウインドウに提示する。“Search Direct Hits”というラジオ・ボタンをクリックすると、現在開かれている実験群の遺伝子リストにおける探索が始まる。ヒットが遺伝子リスト・パネルに提示され、遺伝子プロファイル(点)がプロファイル距離プロットにおいて強調される(図8)。
【0094】
この実施例では、グリコーゲン代謝を調節する1つの要素であるグリコーゲンホスホリラーゼを調べた。酵母のホスホリラーゼをコードしている遺伝子は、ジオーキシー・シフトの間は強く反応しないことがわかる。遺伝子プロファイルは、プロファイル距離プロットの散乱雲の中心にある(図8、図9)。グリコーゲンホスホリラーゼは、ATPシンターゼβ鎖の遺伝子プロファイルと比べて有意な誘導を示していない(図8)。これらの結果は、グリコーゲンの分解がジオーキシー・シフトの影響を大きく受けていないという事実と整合している。
【0095】
代謝経路とタンパク質相互作用ネットワーク
− πSCOUTとのデータ交換 −
代謝経路とタンパク質シグナル伝達ネットワークの間でシグナルが双方向に交換される。
・ 代謝経路は、タンパク質シグナル伝達事象によって調節される(例えばグリコーゲンホスホリラーゼのリン酸化)。
・ 代謝プロセスにおいて生成された化合物は、シグナル伝達タンパク質(例えばイノシトールリン酸)の活性を阻害する。
【0096】
タンパク質シグナル伝達経路は、増殖調節と細胞分化に関わるだけでなく、代謝経路で重要な酵素もターゲットにしている。このような酵素の活性は、配座の変化と共有結合の変化に敏感である。ユーザーは、pathSCOUTとπSCOUTの間でのデータ交換により、代謝経路とタンパク質シグナル伝達ネットワークの間の相互コミュニケーションを調べることができる。
【0097】
酵母のジオーキシー・シフトにはエタノールの再利用が関係している。このエタノールの再利用は、エタノールが再度酸化されてアセトアルデヒドと酢酸になることが出発点になる。酢酸−CoAリガーゼは、酢酸を補酵素Aと結合させてアセチルCoAにする。このアセチルCoAがクエン酸回路に供給される。
【0098】
代謝調節のメカニズムとして、遺伝子の活性が上方調節されること以外に、タンパク質相互作用による酵素の活性化を考えることができる。図9と図10に示した実施例では、酢酸−CoAリガーゼをπSCOUTに送ることにより、エタノールが酵母の代謝に再び入ることに関係した可能なタンパク質相互作用事象を取り出している。状態バーに示したように、πSCOUTは650個のSRS識別子を受け取り、これらSRS識別子を用いて現在利用可能なタンパク質相互作用(PI)データベースをスクリーニングする。πSCOUTは、見つかったタンパク質を自動的にPIグラフに組み込み、相互作用をPIリストに入れる(図10)。
【0099】
所定のタンパク質シグナル伝達ネットワークに関与する酵素を同定するため、PIグラフのすべてのタンパク質(“nodes”)を選択し、その全タンパク質をpathSCOUTに送る(図11)。対応する酵素エントリーがENZYMEデータベースから見つけ出され、ProtViewの選択リストに入れられる。ユーザーは、酵素選択リストを他のビューワーに送ると、酵素の集合をもとにした代謝経路を概観することができる(図12)。
【0100】
この明細書、請求項、図面に開示した特徴は、単独で、または組み合わせて、本発明をさまざまな態様で実現するための材料となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の一実施態様の概略図である。
【図2】
図2aは、pathSCOUTとarraySCOUTの間でのデータ転送例である。
図2bは、arraySCOUTからpathSCOUTへのデータ転送例である。
【図3】
図3aは、pathSCOUTからπSCOUTへのデータ転送例である。
図3bは、πSCOUTからpathSCOUTへのデータ転送例である。
【図4】
図4は、ATPシンターゼβ鎖をpathSCOUTに送る場合のスクリーン・ショットである。
【図5】
図5は、ATPシンターゼの反応を示すスクリーン・ショットである。
【図6】
図6は、ATPシンターゼの反応をトポロジカルに表現したスクリーン・ショットである。
【図7】
図7は、1つの酵素をarraySCOUTに送る場合のスクリーン・ショットである。
【図8】
図8は、arraySCOUT内でグリコーゲンホスホリラーゼの発現プロファイルを調べる場合のスクリーン・ショットである。
【図9】
図9は、ATPシンターゼβ鎖とグリコーゲンホスホリラーゼの発現プロファイルを比較したスクリーン・ショットである。
【図10】
図10は、1つの酵素をπSCOUTに送る場合のスクリーン・ショットである。
【図11】
図11は、タンパク質相互作用の完全なリストをpathSCOUTに送る場合のスクリーン・ショットである。
【図12】
図12は、πSCOUTから受け取った酵素群をもとにした反応ネットワークのスクリーン・ショットである。
本発明は、1台以上のコンピュータ(例えばネットワーク全体に分布している複数のコンピュータ)上を走っている異なるアプリケーション(特に、1つのアプリケーションからの出力を別のアプリケーションへの入力として使用できないアプリケーション)間で情報をやり取りさせる方法と装置に関する。本発明は、特に、バイオインフォマティックスの分野と、生体分子に関するデータ処理とに関係がある。
【0002】
バイオインフォマティックスで通常取り扱われる生体分子としては、例えば、遺伝子、タンパク質、酵素、化合物などが挙げられる。したがって、生体分子の分析プロセスは、
・ 遺伝子調節(例えばライオン・バイオサイエンス社のarraySCOUT(商標)というソフトウエア・パッケージによる)、
・ タンパク質シグナル伝達(例えばライオン・バイオサイエンス社のπSCOUT(商標)というソフトウエア・パッケージによる)、
・ 代謝経路(例えばライオン・バイオサイエンス社のpathSCOUT(商標)というソフトウエア・パッケージによる)といった側面から開始することができる。あるいは生体分子の分析プロセスにはこういった側面が含まれる。
【0003】
arraySCOUT・パッケージは、遺伝子発現実験からのデータを正規化し、クラスター化し、これ以外の分析を行ない、表示するのに用いられる。このパッケージでは、多数の遺伝子それぞれについての転写の程度に対応するメッセンジャーRNA(mRNA)の量を実験者が制御した条件下で同時に測定することができる。この方法は、細胞が正常サイクルのさまざまな相にある間、またはさまざまな異常状態(例えば病気、腫瘍形成)にある間の細胞の応答や、環境擾乱(例えば熱ショック、毒素、栄養状態の変化など)に対する細胞の応答をキャラクテリゼーションするのに用いられる。したがってarraySCOUTがアクセスするデータはこれらmRNAの発現レベルであり、このパッケージのユーザーが取り扱うデータは対応する遺伝子に関係してくる。個々の遺伝子または遺伝子群は、現在のところ変換を通じて他のパッケージに送られる項目である。
【0004】
pathSCOUT・パッケージが用いられるのは、さまざまな生物の体内の化合物、酵素、反応に関するデータにアクセスするとき、これらデータについての情報を表示、追加、変更するとき、反応ネットワークのトポロジー、化学量、熱力学を分析するとき、経路をその出発点と終点によって、あるいはその安定性によって探すとき、高度なシミュレーション能力を提供する強力なモデリング・パッケージとコミュニケーションできるようにするときである。したがってpathSCOUTに入力されるデータは、化合物、タンパク質、反応からなり、ユーザーが取り扱うデータは、主として、反応を経路にまとめたものである。個々のタンパク質またはタンパク質群は、現在のところ変換を通じて他のパッケージに送られる項目である。
【0005】
πSCOUT・パッケージは、タンパク質間のいろいろなタイプの関係(例えば、タンパク質が複合体を形成することが見いだされているかどうか、1つのタンパク質が別のタンパク質を活性化するか抑制するか、複数のタンパク質が同じ区画に存在しているかどうかなど)についての情報を表示するのに用いられる。この情報は、公共データベースから、あるいは実験結果を含む私有のデータベースから、あるいはこのような相互作用に関する情報を提供するテキスト検索ソフトウエアの出力から、直接取り込むことができる。したがってπSCOUTに入力されるデータはある特別な関係にあるタンパク質のペアであり、これはユーザーが取り扱うデータでもある。個々のタンパク質またはタンパク質群は、現在のところ変換を通じて他のパッケージに送られる項目である。
【0006】
arraySCOUT、pathSCOUT、πSCOUTという名称は、ライオン・バイオサイエンス社の商標出願または登録商標であることに注意されたい。本発明の適用範囲がこれら3つの具体的なアプリケーション相互間のコミュニケーションに限定されることは決してなく、他のパッケージに拡張しうることを理解する必要がある。他のパッケージとは、ほんのいくつかを例示するならば、化学情報学、疫学、ゲノムの注釈付けと比較、遺伝子型/表現型の関係、遺伝的多型におけるデータや、吸収、分布、代謝、分泌、毒性の生理学モデルにおけるデータの分析と表示を行なうためのパッケージである。
【0007】
これら側面のそれぞれに関係したデータを処理し評価するソフトウエア(例えば上記ライオン・バイオサイエンス社によるソフトウエア)が入手可能である。例えば、遺伝子名によって同定して遺伝子や遺伝データについての情報を提供するソフトウエアや、タンパク質とその相互作用を取り扱っており、タンパク質名が入力になるソフトウエアや、酵素を取り扱っており、EC(酵素委員会)コードが入力になるソフトウエアが存在している。遺伝子はもちろんタンパク質と関係しているが、タンパク質を取り扱うソフトウエアは入力として遺伝子を受け付けないことがしばしばあり、逆に、遺伝子を取り扱うパッケージは入力としてタンパク質を受け付けないことがしばしばある。さらに別の問題は、個々のソフトウエアが異なるデータ・モデルに準拠しているため、アプリケーション間でオブジェクトの直接的な交換が不可能なことである。また、分散環境におけるネットワークを介したオブジェクトの交換は、必ずしも可能でない。そのため、同じコンピュータ・システム上を走っている異なるアプリケーション間で情報を交換できないことがしばしばある。それゆえ、1つのアプリケーションからの出力が別のアプリケーションへの入力として機能してその別のアプリケーションが始動するためのトリガーとなるということがない。過去に発生したさらに別の問題は、アプリケーションごとに同じ生物オブジェクト(biologic object)(例えばタンパク質)に異なる名前が与えられているため、あるアプリケーションで生物オブジェクトを表わすデータを別の生物オブジェクトで使用することができなかったというものである。
【0008】
したがって本発明の1つの目的は、直接的なオブジェクト交換が不可能なアプリケーション間で情報を交換するための方法と装置を提供することである。
【0009】
本発明によれば、この目的は、1台以上のコンピュータ上で走っている異なるアプリケーション間で情報をやり取りするための方法であって、
・ 原始アプリケーションから出力情報を取り出すステップと、
・ この出力情報を中間アプリケーションに送るステップと、
・ この中間アプリケーションにおいて、所定の規則に従って上記原始アプリケーションの出力情報と関係づけられた入力情報を目的アプリケーションのために確立するステップと、
・ この入力情報を上記目的アプリケーションに送り、この入力情報をこの目的アプリケーションに入力するステップとを含む方法によって達成される。
【0010】
本発明により、原始アプリケーション、中間アプリケーション、目的アプリケーションが同じハードウエアにインストールされていることと、これらアプリケーションがネットワーク全体に分布していることの両方が可能になる。
【0011】
本発明では、特に、原始アプリケーションと目的アプリケーションの両方がデータベース・アプリケーションであること、中でも、原始アプリケーションからの出力が目的アプリケーションへの入力と互換性がないデータベース・アプリケーションであることが可能である。
【0012】
出力情報は、特に、データベースへの入力を同定する情報、あるいはオブジェクトまたはオブジェクトのクラスを同定する情報にすることができる。
【0013】
本発明の方法は、
・ 原始アプリケーションからの出力情報と、目的アプリケーションを指定する情報とを含む第1のメッセージを、原始アプリケーションから中間アプリケーションに送るステップと、
・ この中間アプリケーションにより、上記メッセージに含まれる少なくとも1つの出力情報に基づき、所定の規則に従って目的アプリケーションのための入力情報を確立するステップと、
・ 少なくともこの入力情報を含む第2のメッセージを、中間アプリケーションから、第1のメッセージにおいて指定された目的アプリケーションに送るステップとを含むことができる。
【0014】
目的アプリケーションを指定する上記情報は、必ずしも第1のメッセージに含まれている必要はない。例えば、この第1のメッセージ以前の別のメッセージで指定することもできたであろう。その場合、この以前のメッセージは、別の通知が来るまで所定の目的アプリケーションにすべての情報が送られるように指定することになる。中間アプリケーションが、ある原始アプリケーションからの出力情報を(場合によってはその出力情報を変換した後に)自動的に特定の目的アプリケーションに向けるようにすることもできる。
【0015】
第1のメッセージは、出力情報を送る原始アプリケーションに関する情報および/または出力情報のタイプに関する情報(例えば、タンパク質、遺伝子など)を含むこともできる。本発明では、第1のメッセージおよび/または第2のメッセージが、SRSのもとでデータベースへのエントリーを同定する情報を含むようにすることができる。
【0016】
本発明では、第1のメッセージおよび/または第2のメッセージが、それぞれ、変換される出力情報を含むオブジェクトの形態になったトランスフォーマブル(transformable)、または原始アプリケーションからの出力データを変換して得られる入力情報を含むオブジェクトの形態になったトランスフォーマブルを含むようにすることができる。トランスフォーマブルは、一般的な形式で書くこと、中でもCOBRAオブジェクトとして書くことができる。
【0017】
本発明では、目的アプリケーションへの入力情報が確立したとき、中間アプリケーションが、第1のメッセージに含まれる情報に対して(例えばこの中間アプリケーションにおいて実現されている)所定の規則を適用するようにできる。しかし、中間アプリケーションが、第1のメッセージを受け取ったときだけその規則を適用するという判断を行なうようにすることもできる。特に指摘しておくと、本発明では、目的アプリケーションへの入力情報が確立したとき、中間アプリケーションが、適用する規則を第1のメッセージに含まれる情報に応じて決定するようにできる。
【0018】
本発明では、中間アプリケーションが、適用する上記の規則を、目的アプリケーションに応じて、および/または原始アプリケーションに応じて、および/または第1のメッセージに含まれる出力情報に応じて決定するようにできる。
【0019】
本発明では、中間アプリケーションが、原始アプリケーションから伝えられる規則、中でも原始アプリケーションから中間アプリケーションへの第1のメッセージに含まれる規則、あるいはこの第1のメッセージにおいて指示される規則を用いるようにすることができる。
【0020】
入力情報を確立する際に従うべき単純な規則をメッセージそのものに含めることができる。より複雑な規則に関しては、そのメッセージが、その規則を見つけることのできる場所へのリンクまたは別の指示を含むようにすることができる。
【0021】
第1のメッセージが上記のようなトランスフォーマブルを含む場合には、使用する規則をこのトランスフォーマブルに含めることができる。
【0022】
本発明では、第1のメッセージを作るにあたって、出力項目(例えばタンパク質)を同定する原始アプリケーションからの出力データを一般的な同定データに変換すること、および/または第2のメッセージを作るにあたって、中間アプリケーションが使用する一般的な同定データを、目的アプリケーションが使用する入力項目を同定するデータに変換することが可能である。このようにすると、異なるアプリケーションが同じ生物オブジェクト(例えばタンパク質)に異なる名前を用いるという問題を解決することができる。場合によっては、原始アプリケーションが使用する特定の同定データから一般的な同定データへの変換を、上記メッセージを受け取った後に中間アプリケーションを用いて実行することができる。同様に、一般的な同定データから目的アプリケーションの特定の同定データへの変換を、上記第2のメッセージを受け取った後に目的アプリケーション内で実行することができる。
【0023】
本発明では、コンピュータ・システムの中に、あるいは複数のコンピュータまたはコンピュータ・システムからなるネットワークの中に、変換が必要な情報を別のアプリケーションに送ることのできる各アプリケーションと、このような情報を受け取る各アプリケーションが、スタート時に中間アプリケーションとともに登録されるようにできる。したがって中間アプリケーションは、どの目的アプリケーションがアクティブであるかを知っているため、原始アプリケーションから受け取ったメッセージを処理することができる。本発明により、システム内またはネットワーク内のすべてのアプリケーションが登録されている特別なアプリケーション間コミュニケーション・マネージャ(IACマネージャ)を提供することができる。このIACマネージャは、さまざまなアプリケーションからのメッセージを取り扱っており、あるアプリケーションからのメッセージを受け取ったとき、そのメッセージがどのアプリケーションからのものであるかを判断する。
【0024】
本発明では、原始アプリケーションと目的アプリケーションの間でやり取りされるすべての情報が中間アプリケーションを通過するようにできる。この中間アプリケーションは、原始アプリケーションからの情報が目的アプリケーションに送られる前に変換を必要としているかどうかをチェックし、変換が必要な場合には変換を行ない、変換が必要ない場合には原始アプリケーションから受け取った情報をそのまま目的アプリケーションに送るようにすることもできる。
【0025】
本発明では、中間アプリケーションが、原始アプリケーションおよび/または目的アプリケーションが走っているハードウエアとは異なるアプリケーション間コミュニケーション・サーバー上を走るようにすることができる。
【0026】
本発明では、上記規則が、目的アプリケーションに対する1つ以上の入力変数値を、原始アプリケーションからの出力変数値に直接割り当てる関係であるようにすることができる。
【0027】
原始アプリケーションからの出力変数を目的アプリケーションへの入力変数と関連づけることは、例えば、原始アプリケーションからの出力変数値に対応するデータを処理することによって、あるいは原始アプリケーションからの出力変数値を目的アプリケーションへの入力変数値に対応するデータと関連づける表によって実現することができる。どちらの場合にも規則の適用は中間アプリケーションにおいてなされ、中間アプリケーション以外のアプリケーションが関与することはない。例えば原始アプリケーションが遺伝子配列に関するデータを出力する場合、中間アプリケーションには、所定の遺伝子配列に関係したタンパク質を含む参照表を備えておくとよい。本発明では、中間アプリケーションが原始アプリケーションから第1のメッセージを受け取ったとき、まず最初に、原始アプリケーションから送られてきたその出力情報(例えば遺伝子配列)と一致したものがあるかどうかを中間アプリケーションがその表でチェックするようにできる。一致したものがある場合、中間アプリケーションは、表から一致したデータを取り出して必要な変換を行ない、その結果を目的アプリケーション用の第2のメッセージに組み込む。中間アプリケーションが表の中に一致したものを見い出さなかった場合には、エラー・メッセージを戻すか、あるいは以下に説明するより高度な処理を行なうことになろう。したがって、中間アプリケーションそのものは、頻繁になされる質問または標準的なケースを処理できるようにし、稀なケースには、より高度なルーチンを用いるようにすることができる。
【0028】
本発明では、規則またはその一部を中間アプリケーションの外部で処理するようにすることができる。
【0029】
本発明では、規則の適用が、
・ 出力情報に基づいてデータベースに対する質問を設定し、
・ このデータベース内でこの質問を実行し、
・ この質問に対する結果に基づいて目的アプリケーションのための入力情報を決定する操作が含まれる手続きの実行を含むようにすることができる。
【0030】
検索するデータベースを別のコンピュータ・システム上に構成することができる。
【0031】
例えば原始アプリケーション(例えばpathSCOUT)が酵素を出力すると、その酵素のECコード(ENZYMEデータベースにおいてレコードのIDとして使用されている)が出力トランスフォーマブルの一部として中間アプリケーションに送られる。中間アプリケーションは、ENZYMEデータベース内でECコードによって同定されるレコードから、このレコードの内部に埋め込まれた全リンク、すなわち別のデータベースであるSWISSPROT、GenBANK、EMBLへの全リンクを取得する。これは、SRSコマンド“getz”を用いることによって実現可能である(例えば、ECコードが4.3.2.1である酵素(アルギノスクシナーゼ)に関係したあらゆるリンクをSWISSPROTデータベース内で入手するには、getz ’[enzyme−id:4.3.2.1]>swissprot’とする)。次に、これらのリンクを用いて入力トランスフォーマブルを構成する。この入力トランスフォーマブルは、遺伝子データを処理する目的アプリケーション(例えばarraySCOUT)に送られる。
【0032】
本発明では、中間アプリケーションによって検索するデータベースを、原始アプリケーションから送られた情報、特に第1のメッセージに含まれる情報に基づいて選択するようにできる。
【0033】
本発明では、検索する特定のデータベースが、原始アプリケーションから目的アプリケーションに送られるメッセージの中で指示されるようにするようにすること、あるいは中間アプリケーションが、原始アプリケーションから送られてくる情報(中でも、目的アプリケーションに関する情報、および/または原始アプリケーションに関する情報、および/または出力情報のタイプに関する情報)に基づいて検索するデータベースを導出するようにすることが可能である。
【0034】
第1のトランスフォーマブルは、データベースのレコードのうち出力情報に関係したレコードへのリンクを確立するのに十分な情報を含むことができる。このデータベースのレコードは、目的アプリケーションへの望ましい入力情報と直接または間接に関係したフィールドを含んでいる。このフィールドは、第1のトランスフォーマブルの中で指定すること、あるいは中間アプリケーションの中に実現することが可能である。本発明では、原始アプリケーションから中間アプリケーションに送られる第1のトランスフォーマブルが、外部データベース内のレコードを同定するリテラル・ストリングを含んでいるようにすることと、中間アプリケーションが、第1のトランスフォーマブルで指定されたこのレコードの中のフィールドの1つ以上のエントリーを取り出し、このエントリーを同定するリテラル・ストリングを含む第2のトランスフォーマブルを生成するようにすることが可能である。より詳細には、本発明により、第1のトランスフォーマブルが、原始アプリケーションからの出力のタイプ(例えば酵素、タンパク質など)を規定するリテラル・ストリングと、データベース内のオブジェクトのレコードを同定するフィールド(例えば酵素のECコードを指定するフィールド)を同定するリテラル・ストリングと、このフィールド内の出力情報を同定する情報(例えば特定の酵素のECコード)とを含んでいるようにすることがさらに可能である。
【0035】
本発明では、目的アプリケーションへの入力情報がデータベースへのリンクを含むようにすることができる。より詳細には、本発明により、第2のトランスフォーマブルが、リンクするデータベースを同定するリテラル・ストリングと、このリンクの対象となる特定のレコードとを含むようにすることができる。より詳細には、第2のトランスフォーマブルは、このデータベース内にあってエントリーを同定するのに役立つ特定のフィールドを指定するリテラル・ストリングと、このフィールド内にあって検索の対象になると同時にリンクされることになるエントリーとを含むことができる。
【0036】
本発明では、第1のトランスフォーマブルが、第1のデータベース内のある1つのレコードを同定するようにすることと、中間アプリケーションが、第1のデータベースのこのレコード内のあるフィールド(このフィールドは、第1のトランスフォーマブル内のリテラル・ストリングによって指定するか、あるいは所定の目的アプリケーションのための中間アプリケーションの中であらかじめ決めておく)に入れられる第2のデータベースへのリンクを抽出するようにすることと、中間アプリケーションが、このようにして抽出された第2のデータベースへのリンクを実行することと、中間アプリケーションが、第2のデータベースにリンクされているレコードのフィールド(このフィールドは、第1のトランスフォーマブルにおいて指定するか、あるいは特定の目的アプリケーションのための中間アプリケーションの中であらかじめ決めておく)へのエントリーを指定するリテラル・ストリングを第2のトランスフォーマブルに入力するようにすることが可能である。
【0037】
本発明では、原始アプリケーションから中間アプリケーションに対して1つ以上のデータベースに関するメッセージを送り、この中間アプリケーションが、そのデータベースのうちの1つ以上を用いて上記規則を評価するようにすることができる。
【0038】
原始アプリケーションから中間アプリケーションへのメッセージが上記のようなトランスフォーマブルを含む一態様では、本発明により、使用するデータベースをこのトランスフォーマブルの中で指示することができる。
【0039】
中間アプリケーションは、設定された規則(例えば、使用するのが好ましいデータベースを記述する規則)に従い、上記メッセージにおいて指示されたデータベースの1つを使用することを決める。そのとき、場合によってはさらに、目的アプリケーション、および/または原始アプリケーション、および/または出力情報のタイプに関して上記メッセージに含まれる情報を利用する。
【0040】
本発明では、中間アプリケーションが、目的アプリケーションに関して原始アプリケーションからのメッセージに含まれている可能性のある情報を利用して、原始アプリケーションからの出力情報を変換した結果である項目を見つけるために従うべきリンクを決定するようにすることができる。
【0041】
本発明では、原始アプリケーションと中間アプリケーションの間、および/または中間アプリケーションと目的アプリケーションの間でやり取りされる情報を一般的な形式(例えばCOBRAオブジェクト)で書くようにすることができる。
【0042】
本発明では、原始アプリケーションが、遺伝子、タンパク質、代謝経路のいずれかに関する情報を出力情報として提供し、目的アプリケーションが、遺伝子、タンパク質、代謝経路のいずれかに関する情報を入力情報として受け取り、このとき原始アプリケーションの出力情報(遺伝子、タンパク質など)が、目的アプリケーションへの入力情報とはタイプが異なっているようにすることができる。
【0043】
本発明では、単一の原始アプリケーションから複数の目的アプリケーションに情報を送り、このとき中間アプリケーションが、その目的アプリケーションのそれぞれに対し、それぞれの目的アプリケーションに対する規則に基づき、1つの出力情報(例えばECコード)から導出される入力情報を確立し、それぞれの入力情報をそれぞれの目的アプリケーションに送るようにすることができる。
【0044】
本発明では、情報を互いに交換できるようにした少なくとも2つのアプリケーションを同時に走らせるための手段を備え、さらに、これら2つのアプリケーション間で情報をやり取りするコミュニケーション手段を備えるコンピュータ・システムであって、
・ このコンピュータ・システム上を走っている原始アプリケーションからの出力情報を、このコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい中間アプリケーションに送り、このコンピュータ・システム上を走っている目的アプリケーションのための入力情報を所定の規則に従って生成させる手段と、
・ 目的アプリケーションのための上記入力情報を受け取り、この入力情報を目的アプリケーションに入力する手段とを備えるコンピュータ・システムも提供される。
【0045】
本出願の意味でのコンピュータ・システムは、1台以上のコンピュータを備えることができる。本出願の意味では、特に単一のコンピュータがコンピュータ・システムと見なされる。
【0046】
本発明では、コンピュータ・システムが、中間アプリケーションを走らせるための手段を備えるようにすることができる。
【0047】
本発明では、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法を実施できるようにすることができる。
【0048】
本発明では、中間アプリケーションがコンピュータ・システムの外部を走り、このコンピュータ・システムが、中間アプリケーションが走っているハードウエアとコミュニケーションする手段を備えるようにすることができる。
【0049】
本発明では、特に、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法に従ってコンピュータ・システムを中間アプリケーションと相互作用させることができる。
【0050】
したがってこのコンピュータ・システムは、原始アプリケーションおよび目的アプリケーションに関係するとともに、原始アプリケーションおよび目的アプリケーションと中間アプリケーションのコミュニケーションにも関係する本発明の方法の各ステップ(概略を上に説明した)を実施するのに適している。
【0051】
本発明により、1つのアプリケーションがインストールされたコンピュータ・システムにおいて、そのアプリケーションが、その同じコンピュータ・システムにインストールされていてもいなくてもよい他のアプリケーションとコミュニケーションできるように構成されたコンピュータ・システムであって、
・ 上記1つのアプリケーションから出力される情報を、このコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい中間アプリケーションに送って所定の規則に従って処理することにより、さらに別のアプリケーションへの入力を生成する手段と、
・ このさらに別のアプリケーションのための入力情報として、上記中間アプリケーションによって所定の規則に従って別のアプリケーションの出力情報から導出される情報を受け取り、この入力情報をこのさらに別のアプリケーションに入力する手段とを備えるコンピュータ・システムも提供される。
【0052】
したがって本発明により、同じコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい他のアプリケーションに対して原始アプリケーションおよび目的アプリケーションの両方として機能することのできる少なくとも1つのアプリケーションを有するコンピュータ・システムが提供される。
【0053】
本発明では、すでに説明した方法(例えば請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法)に従って中間アプリケーションおよびそれ以外のさらに1つ以上のアプリケーションとコミュニケーションするのに適したコンピュータ・システムを提供することができる。
【0054】
本発明により、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法を実行するのに適したコンピュータ・システムを提供することができる。
【0055】
本発明により、上記のような中間アプリケーションが走るコンピュータ・システムを提供することもできる。
【0056】
さらに詳細には、本発明により、1つのアプリケーションがインストールされたコンピュータ・システムにおいて、そのアプリケーションが、その同じコンピュータ・システムにインストールされていてもいなくてもよい他のアプリケーションとコミュニケーションでき、中間アプリケーションとして情報をこれら他のアプリケーションとの間でやり取りするように構成されたコンピュータ・システムであって、
・ 原始アプリケーションからの出力情報を受け取る手段と、
・ 上記原始アプリケーションからの上記出力情報をこのコンピュータ・システム上を走っている上記アプリケーションによって所定の規則に従って処理することにより、目的アプリケーションへの入力情報を生成する手段と、
・ 上記入力情報を上記目的アプリケーションに送る手段とを備えるコンピュータ・システムを提供することができる。
【0057】
このコンピュータ・システムでは、原始アプリケーションおよび/または目的アプリケーションを、異なるコンピュータ・システム上を走らせることができる。このコンピュータ・システムは、特に、原始アプリケーションおよび/または目的アプリケーションが走っているハードウエアとは異なるアプリケーション間コミュニケーション・サーバーとして実現することができる。
【0058】
本発明により、コンピュータ・システム上で実行したとき、
・ このコンピュータ・システム上を走っている原始アプリケーションからの出力情報を、このコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい中間アプリケーションに送ってこの出力情報を所定の規則に従って処理することにより、この原始アプリケーションとは異なるアプリケーションのための入力情報を生成し、
・ このコンピュータ・システム上を走っている目的アプリケーションのための情報として、この目的アプリケーションとは異なるアプリケーションからの出力情報をもとに所定の規則に基づき、このコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい中間アプリケーションによって導出される情報をこの中間アプリケーションから受け取り、この入力情報を上記目的アプリケーションに入力する操作をコンピュータ・システムに実行させるプログラム・コードを含むコンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【0059】
本発明では、あるアプリケーションが、他のアプリケーションにとって原始アプリケーションおよび目的アプリケーションとして機能するようにする操作をコンピュータ・システムに実行させることができる。
【0060】
本発明では、プログラム・コードが、コンピュータ・システム上を走っていて原始アプリケーションとして機能する第1のアプリケーションからの情報を、このコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい上記中間アプリケーションを介し、このコンピュータ・システム上を走っていて目的アプリケーションとして機能する第2のアプリケーションに送る構成であるようにすることができる。
【0061】
本発明により、コンピュータ・システムに請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法を実行させるプログラム・コードが記憶された上記のコンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【0062】
本発明により、コンピュータ・システム上で実行したとき、原始アプリケーションと目的アプリケーションの間でコミュニケーションさせるための中間アプリケーションをこのコンピュータ・システムに走らせるように構成したプログラム・コードであって、この中間アプリケーションが、
・ 原始アプリケーションからの出力情報を受け取り、
・ この原始アプリケーションからの出力情報を所定の規則に従って処理して目的アプリケーションへの入力情報を生成し、
・ この入力情報を上記目的アプリケーションに送る操作を実行するプログラム・コードを含むコンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【0063】
本発明により、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法に従って、コンピュータ・システムに、このコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい目的アプリケーションと原始アプリケーションの間でコミュニケーションを行なわせるように構成したプログラム・コードが提供される。
【0064】
本発明によれば、オブジェクトを互いに変換して異なるアプリケーション間でやり取りすることが可能である。特に、“生物オブジェクト”(例えば遺伝子、タンパク質、酵素)をそれぞれのアプリケーション間で交換することができる。
【0065】
本発明の好ましい一実施態様には、アプリケーション間コミュニケーション・サーバー(IACサーバー)が含まれる。特に生物データに関係するアプリケーションについては、IACサーバーを介したデータ交換を以下のようにして行なうことができる。
1.ユーザーが何らかの生物オブジェクトを1つのアプリケーション(原始アプリケーション)から別のアプリケーション(目的アプリケーション)に送りたい場合、このユーザーは、オブジェクトを選択し、そのオブジェクトを別のどのアプリケーションに送るべきかを指定する(例えばタンパク質をarraySCOUTに送る)。内部では、IAC環境のクライアント・サイト・モジュールが、それぞれのタンパク質について“トランスフォーマブル”と呼ばれる一般的なオブジェクトを例示する。このトランスフォーマブル・オブジェクトは、選択したタンパク質に対応するパブリック・ドメインのデータベース(例えばSWISSPROT)へのエントリーを同定する情報を含んでいる。
2.次に、トランスフォーマブルの集合を、どのアプリケーションに送るべきかに関する情報とともにIACサーバーに送る。すべてのアプリケーションはスタート時にIACサーバーに登録されるため、サーバーは、これらオブジェクトを変換後にどのアプリケーションに送るべきかを“知っている”。一般に、IACサーバーにおいて一般的なトランスフォーマブルが生成されると見なすこともできよう。
3.トランスフォーマブルが実際に変換されるのは、IACサーバーにおいてである。変換は、このサーバーが原始アプリケーションから受け取ったトランスフォーマブルにリンクしているエントリーを、パブリック・ドメインのデータベース内、中でもSRSのもとで保持されているデータベース内で検索することによってなされる。これは、実際には、ある目的アプリケーション専用のいわゆるトランスフォーマーの内部で行なわれる。それぞれのアプリケーションについて、そのアプリケーションが理解できるデータタイプへの変換を行なうトランスフォーマーが存在している。例えば、transformToArraySCOUT遺伝子トランスフォーマーは、あらゆる種類の入力(トランスフォーマブル)を、arraySCOUTが“知っている”データベース入力へのリンクを含む遺伝子トランスフォーマブルに変換することができる。
4.変換が終了すると、新しく生成されたトランスフォーマブルが受信アプリケーションに送られる。
【0066】
このようにすることには、特に以下の利点がある。
1.モジュール式で拡張可能な設計だと、対応するSRSデータベース入力を有するあらゆる種類の生物オブジェクトを交換することができる。
2.実際の変換プロセスを拡張し、他のデータベース内で対応するリンクされたエントリーを検索したり、所定の制限を課して結果に対してフィルタをかけられる(例えば生物などを決める)ようにしたりすることができる。
3.異なるコンピュータ上を走っているアプリケーション間で生物データを交換することができる。というのも、IACサーバーはネットワーク環境で動作しているからである。
【0067】
添付の図面と本発明の特別な実施態様を参照してアプリケーションをさらに具体的に説明する。
【0068】
図1は、IACサーバー上で中間アプリケーションを用いてアプリケーションAからアプリケーションBに情報を送る一般的な方法を示している。アプリケーションAがアプリケーションBにオブジェクトを送ろうとしている。アプリケーションAは、送られることになるオブジェクトからトランスフォーマブルを生成する。トランスフォーマブルは、データベース(例えばSRSデータベース)のエントリーのうち、オブジェクトにリンクしたエントリーに関する情報を含んでいる。例えばアプリケーションAによって送られるオブジェクトがタンパク質であるとすると、トランスフォーマブルは、そのタンパク質のIDと、データベースにおけるこのタンパク質のエントリーを特定する各同定フィールドの名称と、関連した遺伝子を検索するための仕様とを含んでいる。このトランスフォーマブルがIACサーバーに送られる。IACサーバーは、トランスフォーマブルに含まれている情報に基づき、このタンパク質に関係した遺伝子を探すよう求める要求をデータベース(例えばSWISSPROTへの要求)に送る。検索結果(例えば遺伝子)がIACサーバーに戻され、IACサーバーは、受信アプリケーションとしてのアプリケーションBのために新しいトランスフォーマブルを生成する。中間アプリケーションは、目的アプリケーションのためのこの第2のトランスフォーマブルを生成し、受信アプリケーションに知られている公共データベース内でリンクされたエントリーをそれぞれのトランスフォーマブルについて検索することにより、原始アプリケーションからのオブジェクトを変換し、第2のトランスフォーマブル中のリンクされたこれらエントリーを目的アプリケーションに送るよう指示する。
【0069】
次に、arraySCOUT、pathSCOUT、πSCOUTの間でのデータ交換についてさらに詳しく説明する。
【0070】
ユーザーは、pathSCOUT(登録商標)と、このアプリケーションと関係したソフトウエア・パッケージであるarraySCOUT(登録商標)およびπSCOUT(登録商標)を組み合わせると、遺伝子調節によって起こる代謝の変化と、タンパク質シグナル伝達を媒介とした代謝の適応を調べることができる。データの共有は、アプリケーション間コミュニケーション(IAC)サーバーが処理する。IACサーバーは、原始アプリケーションからデータを受け取り、再処理したデータを目的アプリケーションに送る。次のセクションでは、pathSCOUT(登録商標)、arraySCOUT(登録商標)、πSCOUT(登録商標)の間でのデータ共有の原理について説明するとともに、遺伝子調節事象による代謝の変化を明らかにしたりmタンパク質シグナル伝達経路と代謝反応ネットワークの間の相互コミュニケーションを調べたりするためのさまざまなオプションを紹介する。
【0071】
アプリケーション間サーバーを介したデータ交換
取り扱う分子は、遺伝子としてコード化されており、タンパク質として相互作用し、酵素として生化学反応の触媒となる。
【0072】
arraySCOUTは遺伝子(遺伝子名によって同定される)を分析し、πSCOUTはタンパク質(タンパク質名によって同定される)を取り扱い、pathSCOUTは酵素(酵素名によって同定される)を取り扱う。アプリケーション間コミュニケーション(IAC)サーバーにより、ユーザーは、3つのレベルすべてで1つの分子の対応する要素を追跡することができる。遺伝子の集合(arraySCOUT)、タンパク質の集合(πSCOUT)、酵素の集合(pathSCOUT)が、原始アプリケーションから、SRS識別子を出力するIACサーバーに送られる。目的アプリケーションは、SRS識別子データベース・リンクを利用し、対応する遺伝子、タンパク質、酵素をそれぞれ見つけ出す。
【0073】
pathSCOUTとarraySCOUTの間のコミュニケーション
あらゆるデータベース(SRSフラット・ファイル、関係データベース、オブジェクト指向データベースのいずれでもよい)の中で、(エントリー相互間の関係ではなく)特定のオブジェクトまたはエントリーに関する全レコードを、何らかのフィールドによって唯一に同定する。これらフィールドは、データベースが異なると名前も異なっている可能性がある(一般に名前“ID”が使用されてはいるが)。ほとんどの酵素データベースでは、使用されているIDコードは、通常はEC(酵素委員会)コードである。したがってECコードは、フラット・ファイル酵素データベースのためのSRS IDとして、あるいは一般にレコードIDとして機能する。
【0074】
pathSCOUT内にあるProtViewアプリケーションは、酵素をそのECコードによって取り扱う。“Send>arraySCOUT function”がアクティブにされると、ProtViewは、選択されたそれぞれの酵素についてのトランスフォーマブルを構成する。トランスフォーマブルはCOBRAオブジェクトであり、リテラル・ストリング(例えば“Enzyme”)と、DBLink(データベース・リンク)と、オプションの重み値ベクトルとによって指定されるオブジェクト・タイプからなる。DBLinkは、データベースの名前(例えば“ENZYME”)と、そのタイプ(例えば“SEQRELATED”)と、データベース内のオブジェクトのレコードを同定するフィールドの名前(例えば“ID”)と、オブジェクトの実際のID(例えば“4.1.3.18”)と、説明(例えば“ACETOLACTATE SYNTHASE”)とを指定するリテラル・ストリングからなる。重みを利用し、発現レベル、濃度、活性、証拠の信頼性、統計的有意さなどの関連情報を伝達する。重みはIACサーバーでは無視され、受信アプリケーションにだけ送られて利用される。
【0075】
トランスフォーマブルとDBリンクの両方と、IACクライアント/サーバー・コミュニケーションに必要な他のいくつかの補助的COBRAデータタイプは、インターネット定義言語(IDL)に定義されている(IDLとそれ以外のCOBRA基準に関する説明情報は、www.omg.org/gettingstarted/cobrafaq.htmにおいて;技術面に関するより詳細な説明は、www.omg.org/technology/documents/specifications.htmにおいて見ることができる)。トランスフォーマブルとDBリンクのためのIDLの定義は、Transformer.idlというトランスフォーマー・モジュールから抜粋したものであり、以下のようになっている。
【0076】
これらの定義では、単純に、DBLinkが上記の5つのストリングからなることと、トランスフォーマブルが、やはりすでに説明したように、ストリング、SRSリンクに対応するDBLink配列、浮動小数点数の配列などのオブジェクト・タイプからなることが規定されている。トランスフォーマブルに対する対応するJavaコードは以下の通りであり、IDLから自動的に生成される。
【0077】
IACListenerインターフェイスを定義する。このインターフェイスは、引数がIACeventである“communicationPerformed”と呼ばれる方法をクライアントが実施することだけを要求する。IACeventは、(送信アプリケーションを指定する)ソースと、トランスフォーマブルのリストとだけで構成されている。pathSCOUTの特定のビュー・マネージャ内にあってIACListenerインターフェイスを実施するJavaコードは、以下のようになっている。
【0078】
トランスフォーマブルがIACサーバーに送られる。IACサーバーは、ID情報を用いて特定のデータベース(例えばENZYMEデータベース)の中から対応する酵素のレコードを探し出す。上記の方法では、トランスフォーマブルの配列がIACEventから探し出され、それぞれについて、適切なタイプ(この場合には酵素)であるかどうかがチェックされる。適切であれば、トランスフォーマブル内のリンク情報を利用して酵素に関するデータベースIDが探し出され、次いでこれを用いてさらに、入ってくる酵素がアプリケーション内で選択され、強調される。
【0079】
SRSのもとでは、それぞれのデータベース・レコードは、0個、1個、またはそれ以上の他のデータベース(例えばSWISPROT、GenBANKなど)の0個、1個、またはそれ以上のレコードを含んでいる。同様の情報を、埋め込まれた外来キーまたは外来ポインタ、または関係した外来キーまたは外来ポインタを用い、関係データベースまたはオブジェクト指向データベースの中から獲得することができる。IACサーバーは、トランスフォーマブルの中で指定されたリンクに対応するリンク情報を探し出す。
【0080】
次に、リンク情報を用い、それぞれの出力トランスフォーマブルについて0個、1個、またはそれ以上の入力トランスフォーマブルを構成する。ここでの実施例では、これらリンクのうちの1つがSWISSPROTのレコードILVI_HAEINに対するリンクであろうから、対応するトランスフォーマブルは、オブジェクト・タイプ“タンパク質”を含むほか、データベース名“SWISSPROT”と、データベースのタイプ“SEQUENCE”と、IDフィールド名“ID”と、ID値“ILVI_HAEIN”と、説明“ACETOLACTATE SYNTHASE LARGE SUBUNIT”とからなるDBLinkを含むことになろう。
【0081】
次に、その結果得られる新たに生成した入力トランスフォーマブルをarraySCOUTに送る。arraySCOUTは、データベースの名称(SWISSPROT)とタイプ、IDフィールド名(ID)、IDフィールド値(ILVI_HAEIN)を用いてデータベース内でそれぞれの入力トランスフォーマブルに対応するレコードを探し、別のウインドウに提示する。ECコードは触媒機能だけを指定していてアイソザイムを区別したりもとになる特定の酵素種を考慮したりしていないため、結果リストには、それぞれの酵素についてpathSCOUTから送られた多数のデータベース・エントリーが表示される。ボタンをクリックして“Search Direct Hits”機能をアクティブにすると、現在の実験群の中に入ってきたレコードがあればすべて検出され、遺伝子リスト・パネルの対応する行と、プロファイル距離プロット中の対応するデータ点がはっきりと強調される(図2a;図8)。
【0082】
例えば、pathSCOUTアプリケーションが酵素を他のアプリケーションに送ったとき、以下の方法が呼び出される。
【0083】
上記の方法は、2つの引数によって呼び出される。それは、目的アプリケーションの名称(appName)と、酵素を同定する情報(basicInfoAdapters)である。この方法では、5つのストリング(“Enzyme”、“SeqRelated”、“ID”、IDそのもの、説明)を有する単一のDBLink項目からなるDBLinksアレイをそれぞれの酵素に対して生成することにより、酵素のリストを処理する。したがってアセトラクテート・シンターゼに対するDBLink項目は、(“Enzyme”、“SeqRelated”、“ID”、“4.1.3.18”、“ ”)になろう。すなわちこの場合には、説明は空白になろう。次にトランスフォーマブルが、オブジェクト・タイプ“Enzyme”と単一要素のアレイであるDBLinksとを用いて生成される。別の方法として、このトランスフォーマブルを、浮動小数点重みベクトルを用いて生成することもできよう。新しいトランスフォーマブルがリスト内のすべての酵素について生成されると(ただし、解決不能なIDまたはサーバーのクラッシュを除く)、IACマネージャが受信アプリケーションの名前およびトランスフォーマブルのリストによって呼び出され、受信端においてcommunicationPerformed法によって処理される。
【0084】
例えば受信アプリケーションがarraySCOUTであり、アセトラクテート・シンターゼという酵素だけが送られる場合には、sendSelectionToApplication法の最終行は、pathSCOUTのIACマネージャに対してsendEnzymesToメッセージを送る。引数は、“arraySCOUT”と、出力トランスフォーマブル単一要素アレイである。このアレイ内の単一のトランスフォーマブルは、オブジェクト・タイプ“Enzyme”と、DBLink単一要素アレイを含んでいる。単一のDBLinkについては上に説明した。したがって合わせたメッセージは、”arraySCOUT”, ((”Enzyme”, ”SeqRelated”, ”ID”, ”4.1.3.18”, ” ”)))である。IACマネージャは、このメッセージを受信すると、sendBioObjectsToSubscriberメッセージの形態にして中央変換サーバーに送る。送信側、受信側、データのタイプに関する情報を利用し、出力トランスフォーマブルを変換して得られる入力トランスフォーマブルのデータ・タイプを決定し、適切なトランスフォーマー(この場合にはTransformToArraySCOUTGene)を例示する。次に、このTransformToArraySCOUTGeneトランスフォーマーは、それぞれの出力トランスフォーマブルを処理し、遺伝子レコードを含んでいるGENBANKとEMBLのいずれかに対する直接的または間接的なSRSリンクを得る。検索されたそのような遺伝子レコードそれぞれについて新しい入力トランスフォーマブルを生成し(例えば上記のILVI_HAEINへのリンクの場合やEMBL(“Gene”、“EMBL”、“Sequence”、“ID”、“HI32832”、“ ”)へのリンクの場合)、最終的にarraySCOUTに送ってさらに表示と分析を行なう。
【0085】
逆のプロセスは、arraySCOUT内の遺伝子名から始まり、pathSCOUTのProtViewに酵素エントリーが表示されて終わる(図2b;図5)。
【0086】
pathSCOUTとπSCOUTの間のコミュニケーション
酵素がπSCOUTに送られる(“Send>πSCOUT”)場合には、IACサーバーがSWISSPROTとGENBANKのSRS識別子を送る。πSCOUTは、リスト・パネルに存在するすべてのタンパク質相互作用リスト/表をスクリーニングする。入ってくるSRS識別子にリンクされたタンパク質相互作用は仮のPI(タンパク質相互作用)リストに集められ、対応するタンパク質相互作用グラフが別のウインドウに生成される(図3a)。逆のプロセスを図3bに示してある。
【0087】
遺伝子調節事象による代謝の変化
− arraySCOUTとのデータ交換 −
細胞代謝の調節はさまざまなレベルで起こる。基質への近づきやすさは、特定の輸送タンパク質を介して変化させることができる。変化する代謝条件への即時的適応は、アロステリック調節によって、または生化学的ネットワーク内で酵素が制御している重要地点(“ボトルネック”)を共有結合を変化させることによって実現される。しかし代謝の長期調節は、遺伝子調節を通じて実現される。このような遺伝子調節事象による代謝の変化は、経路に関する研究(pathSCOUT)とゲノム・レベルでの発現分析(arraySCOUT)を組み合わせることによって調べることができる。
【0088】
arraySCOUTは、発現データを分析する一群の方法を提供する。そのようなツールの1つがプロファイル距離プロットであり、この方法では、遺伝子プロファイルの2次元プロットが生成され、平均的な形態とは有意に異なる遺伝子がプロット上で異常値を形成する。対応する遺伝子プロファイルを同定するためには、マウスの左ボタンをドラッグして選択ボックスを一群の点の周囲に描くことによって点を選択するとよい。選択された一群の点は、強調され、遺伝子リスト・パネルに名前エントリーとして現われる。この名前エントリーは、遺伝子リストのマウス・メニューから“Send to pathSCOUT”を選択することにより、pathSCOUTに送ることができる。
【0089】
上に示した実施例では、ジオーキシー・シフトの間に記録された酵母の発現データが、プロファイル距離プロットとして提示される。酵母は、糖が豊富にある培地で増殖させると、解糖だけで“代謝エンジン”に燃料供給を行なう。グルコースがピルビン酸に分解され、そのピルビン酸が脱炭酸化されてアセトアルデヒドになる。アルコール・デヒドロゲナーゼが、アセトアルデヒドを還元してエタノールにすることにより、解糖を行なうのに必要な水素受容体(NAD+)の酸化状態を再度確立する。発酵可能なグルコースが尽きると、エタノールが、有気的増殖のための炭素源およびエネルギー源として再利用される(“ジオーキシー・シフト”)。
【0090】
図4では、ミトコンドリアのATPシンターゼβ鎖の遺伝子が異常値と判定された。遺伝子プロファイル・ビューから、ジオーキシー・シフトの間に遺伝子の活性が有意に上方調節されたことがわかる(図9)。選択された遺伝子は、遺伝子リストのマウス・メニューから“Send to pathSCOUT”を選択することにより、pathSCOUTに送られる。pathSCOUTは、ECコードを受け取り、ENZYMEデータベースを検索し、見つかった酵素をProtViewの酵素選択リストに提示する。触媒活性は、酵素を“他のビューワー”に送った後、PathViewで見ることができる(図9、図5)。Pathwayメニューは、“酸化的リン酸化”を関連した経路としてリストに挙げている。経路をロードすると、呼吸鎖内でのATPシンターゼの位置が明らかになる(図6)。
【0091】
結果は、基礎となる代謝プロセスと非常によく一致する。エタノールを酸化して酢酸にし、次いで補酵素Aと結合させた後、クエン酸回路に供給する。すると残留している炭素が酸化されてCO2になり、水素がNAD+とFADを介し呼吸鎖に送られる。水素が燃焼して水になるときに放出されるエネルギーは、最終的にミトコンドリアの内膜の電気化学的ATP発生装置(ATPシンターゼ)を駆動するのに用いられる。
【0092】
ユーザーは、pathSCOUTにより、遺伝子調節の潜在的候補をarraySCOUTに送ることができる。酵素はProtViewから送られる(図7)。
【0093】
arraySCOUTは、IACサーバーから受け取ったすべてのSRS識別子を別のウインドウに提示する。“Search Direct Hits”というラジオ・ボタンをクリックすると、現在開かれている実験群の遺伝子リストにおける探索が始まる。ヒットが遺伝子リスト・パネルに提示され、遺伝子プロファイル(点)がプロファイル距離プロットにおいて強調される(図8)。
【0094】
この実施例では、グリコーゲン代謝を調節する1つの要素であるグリコーゲンホスホリラーゼを調べた。酵母のホスホリラーゼをコードしている遺伝子は、ジオーキシー・シフトの間は強く反応しないことがわかる。遺伝子プロファイルは、プロファイル距離プロットの散乱雲の中心にある(図8、図9)。グリコーゲンホスホリラーゼは、ATPシンターゼβ鎖の遺伝子プロファイルと比べて有意な誘導を示していない(図8)。これらの結果は、グリコーゲンの分解がジオーキシー・シフトの影響を大きく受けていないという事実と整合している。
【0095】
代謝経路とタンパク質相互作用ネットワーク
− πSCOUTとのデータ交換 −
代謝経路とタンパク質シグナル伝達ネットワークの間でシグナルが双方向に交換される。
・ 代謝経路は、タンパク質シグナル伝達事象によって調節される(例えばグリコーゲンホスホリラーゼのリン酸化)。
・ 代謝プロセスにおいて生成された化合物は、シグナル伝達タンパク質(例えばイノシトールリン酸)の活性を阻害する。
【0096】
タンパク質シグナル伝達経路は、増殖調節と細胞分化に関わるだけでなく、代謝経路で重要な酵素もターゲットにしている。このような酵素の活性は、配座の変化と共有結合の変化に敏感である。ユーザーは、pathSCOUTとπSCOUTの間でのデータ交換により、代謝経路とタンパク質シグナル伝達ネットワークの間の相互コミュニケーションを調べることができる。
【0097】
酵母のジオーキシー・シフトにはエタノールの再利用が関係している。このエタノールの再利用は、エタノールが再度酸化されてアセトアルデヒドと酢酸になることが出発点になる。酢酸−CoAリガーゼは、酢酸を補酵素Aと結合させてアセチルCoAにする。このアセチルCoAがクエン酸回路に供給される。
【0098】
代謝調節のメカニズムとして、遺伝子の活性が上方調節されること以外に、タンパク質相互作用による酵素の活性化を考えることができる。図9と図10に示した実施例では、酢酸−CoAリガーゼをπSCOUTに送ることにより、エタノールが酵母の代謝に再び入ることに関係した可能なタンパク質相互作用事象を取り出している。状態バーに示したように、πSCOUTは650個のSRS識別子を受け取り、これらSRS識別子を用いて現在利用可能なタンパク質相互作用(PI)データベースをスクリーニングする。πSCOUTは、見つかったタンパク質を自動的にPIグラフに組み込み、相互作用をPIリストに入れる(図10)。
【0099】
所定のタンパク質シグナル伝達ネットワークに関与する酵素を同定するため、PIグラフのすべてのタンパク質(“nodes”)を選択し、その全タンパク質をpathSCOUTに送る(図11)。対応する酵素エントリーがENZYMEデータベースから見つけ出され、ProtViewの選択リストに入れられる。ユーザーは、酵素選択リストを他のビューワーに送ると、酵素の集合をもとにした代謝経路を概観することができる(図12)。
【0100】
この明細書、請求項、図面に開示した特徴は、単独で、または組み合わせて、本発明をさまざまな態様で実現するための材料となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の一実施態様の概略図である。
【図2】
図2aは、pathSCOUTとarraySCOUTの間でのデータ転送例である。
図2bは、arraySCOUTからpathSCOUTへのデータ転送例である。
【図3】
図3aは、pathSCOUTからπSCOUTへのデータ転送例である。
図3bは、πSCOUTからpathSCOUTへのデータ転送例である。
【図4】
図4は、ATPシンターゼβ鎖をpathSCOUTに送る場合のスクリーン・ショットである。
【図5】
図5は、ATPシンターゼの反応を示すスクリーン・ショットである。
【図6】
図6は、ATPシンターゼの反応をトポロジカルに表現したスクリーン・ショットである。
【図7】
図7は、1つの酵素をarraySCOUTに送る場合のスクリーン・ショットである。
【図8】
図8は、arraySCOUT内でグリコーゲンホスホリラーゼの発現プロファイルを調べる場合のスクリーン・ショットである。
【図9】
図9は、ATPシンターゼβ鎖とグリコーゲンホスホリラーゼの発現プロファイルを比較したスクリーン・ショットである。
【図10】
図10は、1つの酵素をπSCOUTに送る場合のスクリーン・ショットである。
【図11】
図11は、タンパク質相互作用の完全なリストをpathSCOUTに送る場合のスクリーン・ショットである。
【図12】
図12は、πSCOUTから受け取った酵素群をもとにした反応ネットワークのスクリーン・ショットである。
Claims (25)
- 1台以上のコンピュータ上で走っている異なるアプリケーション間で情報をやり取りするための方法であって、
・ 原始アプリケーションから出力情報を取り出すステップと、
・ この出力情報を中間アプリケーションに送るステップと、
・ この中間アプリケーションにおいて、所定の規則に従って上記原始アプリケーションの出力情報と関係づけられた入力情報を目的アプリケーションのために確立するステップと、
・ この入力情報を上記目的アプリケーションに送り、この入力情報をこの目的アプリケーションに入力するステップとを含む方法。 - 上記原始アプリケーションからの出力情報と、目的アプリケーションを指定する情報とを含む第1のメッセージを、上記原始アプリケーションから上記中間アプリケーションに送るステップと、
・ この中間アプリケーションにより、上記メッセージに含まれる少なくとも上記出力情報に基づき、所定の規則に従って上記目的アプリケーションのための入力情報を確立するステップと、
・ 少なくともこの入力情報を含む第2のメッセージを、上記中間アプリケーションから、上記第1のメッセージにおいて指定された目的アプリケーションに送るステップとを含む、請求項1に記載の方法。 - 上記目的アプリケーションに対する上記入力情報が確立したとき、上記中間アプリケーションが、上記第1のメッセージに含まれる情報に所定の規則を適用する、請求項2に記載の方法。
- 上記中間アプリケーションが、上記原始アプリケーションから送られる規則を利用する、請求項1または2に記載の方法。
- 上記中間アプリケーションが、上記原始アプリケーションおよび/または上記目的アプリケーションが走っているハードウエアとは異なるアプリケーション間コミュニケーション・サーバー上を走る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 上記規則が、上記目的アプリケーションに対する1つ以上の入力変数値を、上記原始アプリケーションからの出力変数値に直接割り当てる関係である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 上記規則の適用が、
・ 上記出力情報に基づいてデータベースに対する質問を設定し、
・ このデータベース内でこの質問を実行し、
・ この質問に対する結果に基づいて上記目的アプリケーションのための入力情報を決定する操作を含む手続きの実行を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。 - 上記中間アプリケーションによって検索するデータベースを、上記原始アプリケーションから送られた情報に基づいて選択する、請求項7に記載の方法。
- 上記原始アプリケーションから上記中間アプリケーションに対して1つ以上のデータベースに関するメッセージを送り、この中間アプリケーションが、そのデータベースのうちの1つ以上を用いて上記規則を評価する、請求項7に記載の方法。
- 上記原始アプリケーションと上記中間アプリケーションの間でやり取りされる情報が一般的な形式である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 上記原始アプリケーションが、遺伝子、タンパク質、代謝経路のいずれかに関する情報を出力情報として提供し、上記目的アプリケーションが、タンパク質、遺伝子、代謝経路のいずれかに関する情報を入力情報として受け取り、このとき上記原始アプリケーションの出力情報が、上記目的アプリケーションへの入力情報とはタイプが異なっている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 単一の原始アプリケーションから複数の目的アプリケーションに情報を送り、このとき中間アプリケーションが、その目的アプリケーションのそれぞれに対し、それぞれの目的アプリケーションに対する規則に基づき、1つの出力情報項目から導出される入力情報を確立し、それぞれの入力情報をそれぞれの目的アプリケーションに送る、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 互いに情報交換できるようにした少なくとも2つのアプリケーションを同時に走らせるための手段を備え、さらに、これら2つのアプリケーション間で情報をやり取りするコミュニケーション手段を備えるコンピュータ・システムであって、
・ このコンピュータ・システム上を走っている原始アプリケーションからの出力情報を中間アプリケーションに送り、このコンピュータ・システム上を走っている目的アプリケーションのための入力情報を所定の規則に従って生成させる手段と、
・ 目的アプリケーションのための上記入力情報を受け取り、この入力情報を目的アプリケーションに入力する手段とを備えるコンピュータ・システム。 - 上記コンピュータ・システムが、上記中間アプリケーションを走らせるための手段を備える、請求項13に記載のコンピュータ・システム。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法を実行できるように構成された、請求項13または14に記載のコンピュータ・システム。
- 請求項13に記載のコンピュータ・システムにおいて、上記中間アプリケーションがこのコンピュータ・システムの外部を走り、このコンピュータ・システムが、上記中間アプリケーションが走っているハードウエアとコミュニケーションする手段を備える、コンピュータ・システム。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法に従って中間アプリケーションと相互作用するように構成された、請求項16に記載のコンピュータ・システム。
- 1つのアプリケーションがインストールされたコンピュータ・システムにおいて、そのアプリケーションが、その同じコンピュータ・システムにインストールされていてもいなくてもよい他のアプリケーションとコミュニケーションできるように構成されたコンピュータ・システムであって、
・ 上記1つのアプリケーションから出力される情報を、このコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい中間アプリケーションに送って所定の規則に従って処理することにより、さらに別のアプリケーションへの入力を生成する手段と、
・ このさらに別のアプリケーションのための入力情報として、上記中間アプリケーションによって所定の規則に従って別のアプリケーションの出力情報から導出される情報を受け取り、この入力情報をこのさらに別のアプリケーションに入力する手段とを備えるコンピュータ・システム。 - 1つのアプリケーションがインストールされたコンピュータ・システムにおいて、そのアプリケーションが、その同じコンピュータ・システムにインストールされていてもいなくてもよい他のアプリケーションとコミュニケーションできるように構成されたコンピュータ・システムであって、
・ 原始アプリケーションからの出力情報を受け取る手段と、
・ 上記原始アプリケーションからの上記出力情報をこのコンピュータ・システムにインストールされた上記アプリケーションによって所定の規則に従って処理することにより、目的アプリケーションへの入力情報を生成する手段と、
・ 上記入力情報を上記目的アプリケーションに送る手段とを備えるコンピュータ・システム。 - コンピュータ・システム上で実行したとき、
・ このコンピュータ・システム上を走っている原始アプリケーションからの出力情報を中間アプリケーションに送ってこの出力情報を所定の規則に従って処理することにより、この原始アプリケーションとは異なるアプリケーションのための入力情報を生成し、
・ このコンピュータ・システム上を走っている目的アプリケーションのための情報として、この目的アプリケーションとは異なるアプリケーションからの出力情報をもとに所定の規則に基づいて中間アプリケーションによって導出される情報をこの中間アプリケーションから受け取り、この入力情報を上記目的アプリケーションに入力する操作を上記コンピュータ・システムに実行させる、コンピュータ・プログラム。 - あるアプリケーションが、他のアプリケーションにとって原始アプリケーションおよび目的アプリケーションとして機能するようにする操作を上記コンピュータ・システムに実行させる、請求項20に記載のコンピュータ・プログラム。
- 上記コンピュータ・システム上を走っていて原始アプリケーションとして機能する第1のアプリケーションからの情報を、このコンピュータ・システム上を走っていてもいなくてもよい上記中間アプリケーションを介し、このコンピュータ・システム上を走っていて目的アプリケーションとして機能する第2のアプリケーションに送る構成である、請求項20または21に記載のコンピュータ・プログラム。
- コンピュータ・システムに対して請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法を実行させる構成である、請求項20〜22のいずれか1項に記載のコンピュータ・プログラム。
- コンピュータ・システム上で実行したとき、原始アプリケーションと目的アプリケーションの間でコミュニケーションさせるための中間アプリケーションをこのコンピュータ・システムに走らせるように構成したコンピュータ・プログラムであって、この中間アプリケーションが、
・ 原始アプリケーションからの出力情報を受け取り、
・ この原始アプリケーションからの出力情報を所定の規則に従って処理して目的アプリケーションへの入力情報を生成し、
・ この入力情報を上記目的アプリケーションに送る操作を実行する、コンピュータ・プログラム。 - コンピュータ・システム上で実行したとき、請求項20〜24のいずれか1項に記載のプログラムをこのコンピュータ・システムに走らせるように構成したプログラム・コードを含むコンピュータ可読記憶媒体。
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